説明

食用植物または食用動植物発酵物の製造方法、及びその食用植物または食用動植物発酵物、並びにその食品

本発明は、食用植物または食用動植物発酵物の製造方法、これにより製造された食用植物または食用動植物の発酵物及びこれを含む食品に関するものであって、食用植物または食用動植物発酵物の製造方法は、食用植物または食用動植物の粉砕物を製造するステップと、穀類、糖類、糸状菌、及び酵母の混合液を24〜36時間の間培養して微生物混合培養液を製造するステップと、上記食用植物または食用動植物粉砕物に微生物混合培養液を接種して3〜8日間1次発酵して1次食用植物または食用動植物発酵物を得るステップと、上記1次食用植物または食用動植物発酵物に細菌を接種して6〜12日間2次発酵して2次食用植物または食用動植物発酵物を得るステップと、を含む。これで、発酵期間を短縮させることができ、食品腐敗及び病原性微生物の成長を抑制することができる。また、この方法により製造された食用植物または食用動植物発酵物を食品に添加することで、貯蔵安定性を与え、生体利用率を増加させ、香味を改善させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食用植物または食用動植物発酵物の製造方法、これにより製造された食用植物または食用動植物発酵物、及びこれを含む食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
風味、品質保存、栄養成分などのための“食用植物または食用動植物”(以下、「食用(動)植物」と称する)発酵物の最終の形態は、活性細菌培養液に従って、多様な食品が全世界的に製造されて販売されている。その例には、キャベツで作ったザワークラウト及びキュウリで作ったピックルのような発酵野菜製品、コーヒーまたはココア豆のような発酵種子品または発酵果物ジュースなどがある。
【0003】
食品内での食品腐敗有機体及び病原体の存在は、食品加工産業及び消費者に重要な問題である。食品病原体は数種の食中毒発生の原因であり、発生された食中毒のうちの一部は深刻な疾病及び死亡に続いている。さらに、食品内での病原性有機体の存在は数多い製品のリコール、製品損失、及び食品産業に対する相当な否定的な評判をもたらしたものであり、これを克服するために多くの研究が進められてきた。
【0004】
人類が先先から経験的に発酵食品に用いてきた有用な微生物には、酵母、乳酸菌、糸状菌(麹菌)、光合成細菌、放線菌などを含んで、80余種の好気性または嫌気性微生物の間の共存共栄関係が作りだす発酵生成物が抗酸化力と有害物質生成抑制力などがあることと知られてきた。
【0005】
これら発酵と関連した有用な微生物のうち、光合成細菌は約35億年前の地区に尋ねた最初の生物であって、太古の地区を覆っていた二酸化炭素、水素、メタンなどの無機物を吸収、有機化合物の合成及び酸素を生成する。光合成細菌は最も古い微生物であって、好気性、嫌気性微生物両方共に助けになり、有機栄養菌と共生しながら窒素を固定する役割をすることと知られた。
【0006】
糸状菌は、人の目で見やすいかび菌であって、酵母とは異なり、菌糸と胞子を多量作り出す。糸状菌の中には悪いものもあるが、アスペルギルスニゲル(Aspergillus niger)のような有用なものもあり、酵母や細菌と共に存在すれば酵母のようにアミノ酸、多糖類など、いろいろ生理活性物質を生成し、併せて、酵母の増殖を助ける役割をする。
【0007】
酵母は発酵の母体という意味であって、醸造、製パンに必須的なものであり、17世紀のオランダ人のリウベンフック(Antony vab Leeuwenhoek、1632〜1723)により発見されて、世の中を驚かせた微生物である。これは、微生物の分類上、かびの一種で、人間生活に必須不可欠な微生物であって、花の蜂蜜、果物の表面など、糖分の多い所に付いており、アミノ酸、多糖類など、生理活性物質を作り出す。
【0008】
放線菌は、四方に糸のように延びる形態を有することによって付けられた名称であって、現在5,000余種の放線菌が確認されているが、この中で、2/3以上がストレプトマイセス(Streptomyces)生成菌である。これは、土壌の中に多数存在し、抗生物質など、生理活性化物質を作る。
【0009】
また、乳酸菌は、分類上、細菌の一種であり、糖分を乳酸に変える作用をするものであって、他の微生物と比較的よく共生する特徴がある。乳酸菌は、1857年パステル(Pasteur)が最初に発見したし、人間の健康を助ける微生物であることが確認されており、整腸作用、免疫機能向上、抗腫陽性、コレステロール抑制、血圧調整作用などを行い、抗酸化物質を作ることと知られている。
【0010】
しかしながら、いままで食用(動)植物の発酵物の製造時に使われる微生物は、発酵期間が長いことに伴い、生産コストが高まり、いろいろ雑菌の汚染により加工後の完成された食品内での食品腐敗、及び病原性微生物の成長により貯蔵安定性が低下することは勿論、香味や生体利用率が落ちるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、発酵期間を短縮させることができ、食品腐敗及び病原性微生物の成長が抑制できる食用(動)植物発酵物の製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
本発明はまた、香味と生体利用率が向上した食用(動)植物発酵物及びこれを含む食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を達成する本発明に従う食用(動)植物発酵物の製造方法は、野菜類、果物類、薯類、堅果類、茸類、生薬類、藻類、穀類、豆類、油脂植物類、食肉類、魚類、貝類、甲殻類、軟体類、棘皮または脊索類、及び卵類を含むグループから選択される少なくとも1つの食用(動)植物を粉砕して、食用(動)植物粉砕物を製造するステップと、穀類、糖類、糸状菌、酵母、及び第1滅菌精製水を混合して25〜35℃で24〜36時間の間培養した後、第2滅菌精製水と混合して微生物混合培養液を製造するステップと、上記食用(動)植物粉砕物に上記微生物混合培養液を接種して25〜37℃で3〜8日間1次発酵して、1次食用(動)植物発酵物を得るステップと、上記1次食用(動)植物発酵物に細菌を上記1次食用(動)植物発酵物の重量対比0.5〜1.5%の量で接種して、30〜40℃で6〜12日間2次発酵して2次食用(動)植物発酵物を得るステップと、を含み、ここで、上記穀類、上記糖類、上記糸状菌、上記酵母、上記第1滅菌精製水、及び上記第2滅菌精製水は、各々上記食用(動)植物粉砕物の重量対比5〜10%、0.5〜2%、0.5〜1.5%、0.5〜1.5%、5〜10%、及び30〜50%の量で使われる。
【0014】
上記の方法は、上記2次食用(動)植物発酵物を圧搾または遠心分離し、濾過して液状分と固形分とを分離するステップと、上記液状分に対し、80〜85℃で10〜30分間殺菌処理して液状の最終の食用(動)植物発酵物に作るステップと、上記液状分を減圧濃縮してエキス形態の最終の食用(動)植物発酵物に作ったり、上記液状分を噴射乾燥してエキス粉末形態の最終の食用(動)植物発酵物に作るステップと、上記固形分を凍結乾燥または熱風乾燥して、粉末形態の最終の食用(動)植物発酵物に作るステップのうち、少なくとも1つの過程をさらに含むことができる。
【0015】
上記の方法により製造された最終の食用(動)植物発酵物に、ビタミン類、アミノ酸類、無機質類、栄養供給源、及び食物繊維を含むグループから選択される少なくとも1つと、酸味剤、甘味剤、着香剤、及び天然果汁を含むグループから選択される少なくとも1つを添加して、散剤、顆粒、錠剤、カプセル、ジェリー、クリーム、粥(スープ)、または飲料形態の健康食品のような食品を製造するステップをさらに含むことができる。
【0016】
この際、上記ビタミン類は、ビタミンA、B、B、B、B12、C、D、D、E、K、及び葉酸を含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。
【0017】
上記アミノ酸類は、ヒスティディン、イソロイシン、ロイシン、ライシン、メチオニン、バリン、システィン、トリプトファン、トレオニン、フェニルアラニン、及びチロシンを含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。
【0018】
上記無機質類は、ゲルマニウム、銅、マグネシウム、マンガン、モリブデン、セレン、亜鉛、ヨード、鉄、カリウム、カルシウム、及びクロムを含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。
【0019】
上記食物繊維類は、車前子皮、セルロース、ヘミセルロース、結晶セルロース、リグニン、ペクチン、アルギン酸、ポリマンニュロニック酸、グアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、コンニャクマンナン、イヌリン、レバン、ポリデキストロース、及び難消化性マルトデキストリンを含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。
【0020】
上記栄養供給源は、蜂蜜またはロイヤルゼリーでありうる。上記酸味剤は、クエン酸、DL−リンゴ酸、及び琥珀酸を含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。
【0021】
上記甘味剤は、異性化(高果糖)、アスパタム、ステビオサイド、D−ソルビトール、グリシリジン酸塩類、及び白糖を含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。
【0022】
上記着香剤は、混合果物香、リンゴ香、ヨーグルト香、バナナ香、あんず香、ドリンク香、及びレモン香を含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。そして、上記天然果汁類は、リンゴ、梨、パイナップル、ミカン、桃、グアバ、あんず、イチゴ、レモン、スモモ、及びメロンを含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。
【0023】
上記他の技術的課題を達成するために、本発明は、上記の方法により製造された食用(動)植物発酵物を提供する。また、本発明は上記食用(動)植物発酵物を含む栄養補充用食品、機能性食品、健康食品、茶類食品のようないろいろな食品を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の製造方法によれば、糸状菌と酵母との微生物混合培養液を別々に培養した後、粉砕物に接種して1次発酵する。この際、糸状菌と酵母が独立的で、かつ効率的に培養された微生物混合培養液を使用することによって、食用(動)植物発酵期間が効果的に短縮される。また、上記糸状菌と酵母との微生物混合培養液により好気性菌が減少し、嫌気性菌が増加して、食品腐敗の原因となる雑菌(病原微生物)の侵入や増殖が効果的に抑制された。また、上記微生物混合培養液の使用により果物皮成分であるペクチン質とタンニンを分解する酵素であるペクチナーゼ(pectinase)とタンナーゼ(tannase)の生成が増加し、活性化されて、発酵物の清浄度を高めることができ、発酵物の香味が向上し、生体利用率が増加できる。
【0025】
特に、食用(動)植物粉砕物が豆であり、ここに、糸状菌(Aspergillus)属かびが培養された微生物混合培養液を接種して1次発酵する場合に、グリセオリン(glyceollin)成分が大量生成される。このグリセオリン成分は、癌細胞(乳癌、卵巣癌)の成長を抑制するので、乳癌及び卵巣癌を予防する。したがって、グリセオリン(glyceollin)が抗エストロゲン剤として相当な効果を表す。また、この場合に、白いパンやファーストフード摂取時に表れることがあるグルテン(gluten)過敏性腸疾患を防げる酵素であるプロリルエンドプロテアーゼ(Prolylendoprotease:PEP)がより多く生成される。この酵素は、胃酸により破壊されず、白パンの中のグルテニン(glutenins)とグリアジン(gliadins)の消化速度を高めることと表れる。
【0026】
併せて、1次食用(動)植物発酵物に細菌を接種して2次発酵した結果、細菌の発酵生成物である乳酸、酢酸、アルコールなどが2次食用(動)植物発酵物に生成される。この発酵生成物は、2次食用(動)植物発酵物の中で有害菌の増殖を効果的に抑制し、これら自体が風味を与え、ジアセチル(diacetyl)やアセトニン(acetonin)のような芳香成分を生成する。また、この発酵生成物は2次食用(動)植物発酵物の中に含まれた物質のたんぱく質の一部をペプチド(peptide)やアミノ酸(amino acid)に分解して、特有の風味を提供する。これで、本発明の方法により製造された食用(動)植物発酵物は香味が向上する。
【0027】
また、上記食用(動)植物発酵物には、アミラーゼ、プロテアーゼ、及びリパーゼが生成されて、消化吸収がよくなって生体利用率に優れる。また、上記食用(動)植物発酵物は、各種の有機酸、糖質、ビタミン、無機質、アミノ酸、不飽和脂肪酸、繊維質が補強された。
【0028】
したがって、本発明の食用(動)植物発酵物を食品組成物の形態に提供することができる。食品組成物には、機能性食品、栄養補充食品、健康食品、茶類食品など、いろいろな形態がある。本発明の食用(動)植物発酵物を食品に添加することで、食品の味と香りを豊富にし、消化吸収を容易にし、かつ、多様な栄養素を強化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】食用植物と食用動植物発酵物の製造工程を示す流れ図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はここで説述される実施形態に限定されず、他の形態に具体化することもできる。ここで挙げた実施形態は、当業者に本発明の趣旨が十分に伝えられることができるようにするために提供されるものである。
【0031】
図1は、本発明の好ましい実施形態に従う食用(動)植物発酵物の製造過程を順次に示す流れ図である。
【0032】
図1に示す通り、本発明に従う食用(動)植物発酵物の製造方法は、次の通りである。
【0033】
[第1ステップ:食用(動)植物粉砕物の製造]
本発明に従う食用(動)植物発酵物の原料には、野菜類、果物類、薯類、堅果類、茸類、生薬類、藻類、穀類、豆類、油脂植物類、食肉類、魚類、貝類、甲殻類、軟体類、棘皮または脊索類、及び卵類を含むグループから選択される少なくとも1つでありうる。
【0034】
(1)野菜類:葉莖菜類(カラシナ、フダンソウ、花キャベツ、明日葉、せり、白菜、ブロッコリー、セロリ、ホウレンソウ、しゅんぎく、アスパラガス、チョウセンフユアオイ、キャベツ、タマチシャ、ケール、白ねぎ、パセリ、青莖菜、チコリ等)、根菜類(ダイコン、カブ、ニンジン、玉ネギ、レンコン、ゴボウ、サトイモ、麻、ニンニク等)、果菜類(キュウリ、かぼちゃ、トマト、ナス、イチゴ、マクワウリ、メロン、スイカ、西洋かぼちゃ、パプリカ、ピーマン、トウガラシ等)などの野菜類を使用することができる。
(2)果物類:カキ、柑橘類(蜜柑、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ユズ、マンダリン等)、猿梨の実、ナツメ、マンゴー、カリンの実、無花果、バナナ、梨、さくらんぼ、ブルーベリー、桃、リンゴ、山なつめ、あんず、ざくろ、アボガド、ユスラウメ、桑の実、スモモ、キーウィ、チェリ、ココナツ、龍眼などの果物類を使用することができる。
(3)薯類:いも、さつまいも、キャッサバ、ヤム、タピオカなどの薯類を使用することができる。
(4)堅果類:ピーナッツ、アーモンド、栗、クルミ、松の実、イチョウの実、ドングリ、カカオなどの堅果類を使用することができる。
(5)茸類:カワラタケ、ヒラタケ、冬虫夏草、キクラゲ、イワタケ、マツタケ、ホウキタケ、桑黄、アカリクス、洋松茸、マンネンタケ、雲芝、エノキタケ、シイタケなどの茸類を使用することができる。
(6)生薬類:葛根、葛花、甘菊、ナツトウダイ、ガムイン、甘草、羌活、乾薑、ガムシツ、桔梗、カラシナ、決明子、鷄内金、桂皮、苦参、穀芽、カクヒャン、カルイン、槐花、枸杞子、九節草、龜板、狗耳、金銀花、羅蔔子、蘆根、鹿角、鹿茸、蘆淮(アロエ)、漏蘆、丹参、当帰、黨参、大腹皮、大黄、大苗香、大戟、桃仁、独活、冬瓜子、冬葵子、杜衷、燈心草、麻子仁、マテ、麻黄、蔓刑子、麦芽、麦門冬、棉實子、木瓜、牧丹皮、木通、木香、沒薬、薄荷、半夏、防己、防風、クァルイン、白豆寇、柏子仁、ハクジ、白朮、すっぽんの甲羅、補骨脂、ボックリョン、覆盆子、蓬朮、枇杷葉、檳榔、沙参、蛇床子、砂仁、サフラン、山査子、山茱萸、山棗仁、山椒、三稜、桑寄生、桑葉、桑標哨、
生薑、石決明、石斛、石菖蒲、細辛、小豆寇、蘇木、蘇子、續斷、松花粉、鎖陽、升麻、柴胡、神曲、辛夷、阿膠、良薑、艾葉、女貞實、蓮子肉、連翹、營實、五加皮、蜈蚣、烏頭、五靈脂、烏梅、五味子、ゴシュユ、烏藥、膃肭臍、瓦松、竜骨、龍脳、牛胆、牛蒡子、牛膝、鬱金、遠志、威靈仙、甘野老、楡白皮、乳香、ナツメグ、ユックジョンヨン、イカリソウ、益智仁、忍冬、人参、カワラヨモギ、紫檀香、ジラ、紫河車、芍藥、蠶砂、ジャスミン、猪逞、全鞨、前胡、竹如、丁香、魚腥草、枳殼、ジグザ、知母、枳實、地楡、地黄(生、乾、熟)、秦皮、藜子、茶(緑)、車前子、蒼耳子、蒼朮、天南星、センキュウ、天麻、天門冬、川椒、青皮、草豆寇、側柏葉、沈香、梔子、カミレ、コーヒー、沢瀉、兎糸子、巴戟、巴豆、貝母、蒲公英(タンポポ)、疋撥、炮附子、夏枯草、何首烏、海粉、海桐皮、杏仁、香附子、香乳、玄参、荊芥、黄金花、黄耆、黄柏、黄連、黄精、ホープ、紅花、厚朴、コショウ、雌ナモミ、茴香、黒丑などの生薬類を使用することができる。
(7)藻類:青苔、ツルアラメ、海苔、ツルシラモ、コンブ、スギノリ、ドンブギ(Pelvetia siliquosa)、カプサアオノリ、ワカメ、スピルリナ、テングサ、ミル、クロレラ、ヒジキ、青海苔、アッケシソウなどの藻類を使用することができる。
(8)穀類:コメ、もち米、玄米、黒米、米糠、麦、小麦、ライ麦、燕麦、粟、モロコシ、とうもろこし、蕎麦、ハトムギ、キビなどの穀類を使用することができる。
(9)豆類:大豆、小豆、リョクトウ、ツルナシインゲンマメ、エンドウ、ササゲ、ソラマメ、リマ豆、エジプト豆、グリーン豆、黒豆、レンズ豆などの豆類を使用することができる。
(10)油脂植物類:胡麻、エゴマ、黒ごま、ヒマワリ、オリーブ、月見草種、綿種、油菜種(カノラ種)、パーム、ベニバナ種などの油脂植物類を使用することができる。
(11)食肉類:シカ肉、ヤギ肉、羊肉、牛肉、ダチョウ、ムジナ、ワニ肉、オットセイ、ハープシール、クジラ、ウシガエル、エスカルゴ、食用スッポンなどの食肉類を使用することができる。
(12)魚類:カムルチー、タラ、タイ、ウナギ、ドジョウ、ニベ、サメ、コイ、ウナギなどの魚類を使用することができる。
(13)貝類:カキ、イガイ、ハイガイ、ヤマトシジミ、サザエ、ハマグリ、アワビ、アサリ、貝類などの貝類を使用することができる。
(14)甲殻類:エビ、カニ、イセエビ、ザリガニ、アシハラガニ、クリルなどの甲殻類を使用することができる。
(15)軟体類:ミズダコ、イカ、テナガダコ、コウイカ、ユムシ、アメフラシ、イイダコ、ツグミ、クラゲなどの軟体類を使用することができる。
(16)棘皮または脊索類:ウニ、ナマコ、ホヤ、エボヤなどの棘皮または脊索類を使用することができる。
(17)卵類:タマゴ、アヒルの卵、ウズラ卵などの卵類を使用することができる。
【0035】
本発明に使われる上記食用植物または動物のうち、各々どの1種類や2種類以上を取って水槽浸漬法とロータリー噴霧洗浄方法により洗浄した後、脱水を行い、粉碎機を用いて各々粗粉砕または磨碎して食用(動)植物粉砕物を製造する。上記食用(動)植物粉砕物は発酵タンクに移送される。2つ以上の食用(動)植物の粉砕物は発酵タンクに移送される前に多様な割合で混合することができ、上記動植物も上記のような方法により製造して多様な割合で混合することができる。
【0036】
[第2ステップ:糸状菌と酵母混合液とを培養して微生物混合培養液の製造]
本発明に従う食用(動)植物発酵物に添加される微生物混合培養液は、蒸気殺菌した穀類に、糸状菌、酵母、糖類を加し、この時、必要であれば滅菌した精製水5〜10%を添加してもよい。これらを混合した後、培養温度25〜35℃で24〜36時間培養をしたり、または穀類に糸状菌を接種して24時間の間培養した後、糖類と酵母を追加接種して12時間培養する。ここに、滅菌精製水を食用(動)植物粉砕物投入量重量対比30〜50%を追加する。このように培養した糸状菌と酵母微生物混合培養液(以下、微生物混合培養液と称する)を1次発酵に使用する。
【0037】
本発明に使用できる穀類には、食品として使用することができるものであって、コメ、もち米、燕麦、鳩麦、黒米、玄米、米糠、麦、小麦、ふすま、豆のうちの1つを使用したり、これらを混合して使用することができる。穀類の使用量は、上記第1ステップの食用(動)植物粉砕物投入量対比5〜10%の穀類を微生物混合培養液の調剤に添加する。
【0038】
本発明に使用できる糖類には、食品として使用することができるものであって、砂糖、葡萄糖、果糖、飴類、糖シロップ類、デキストリン、オリゴ糖類のうちの1つを使用したり、これらを混合して使用することができる。糖類の使用量は、上記第1ステップの食用(動)植物粉砕物の投入量対比0.5〜2%の糖を微生物混合培養液の調剤に添加する。
【0039】
本発明に使用できる糸状菌には、アスペルギルスオリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルスソザエ(Aspergillus sojae)のうちの1つを使用したり、これらを混合して使用することができる。糸状菌の使用量は、第1ステップの食用(動)植物粉砕物投入量の重量対比0.5〜1.5%の糸状菌を微生物混合培養液の調剤に添加して使用する。
【0040】
本発明に使用できる酵母には、サッカロマイセスセレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセスエリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoidus)のうちの1つを使用したり、これらを混合して使用することができる。酵母の使用量は、上記第1ステップの食用(動)植物粉砕物の投入量重量対比0.5〜1.5%の酵母を微生物混合培養液の調剤に添加して使用する。
【0041】
上記の培地には、上記穀類及び糖類を含有して、糸状菌及び酵母菌が増殖することができるものであれば特別に制限はなく、通常、水に穀類及び糖類を添加した液体培地が用いられるが、固体培地であっても構わない。
【0042】
[第3ステップ:上記食用(動)植物粉砕物に微生物混合培養液を接種して1次発酵して1次食用(動)植物発酵物を得る]
第1ステップの食用(動)植物粉砕物に第2ステップの微生物混合培養液を接種して、内容物が均質に混合される程度で撹拌し、発酵温度25〜37℃で3〜8日間1次発酵して、1次食用(動)植物発酵物を得る。微生物を用いた発酵は澱粉のような栄養成分を加水分解して糖に変化させ、変化した糖を栄養原として用いて、微生物の発育が活発になって有機酸を生成するようにすることで、有用物質と有機酸の含有量をより増加させるようにすることができる。
【0043】
1次発酵時、糸状菌と酵母が独立的で、かつ効率的に培養された微生物混合培養液を使用することで、食用(動)植物の発酵期間が効果的に短縮される。また、上記糸状菌と酵母の微生物混合培養液により好気性菌が減少し、嫌気性菌が増加して、食品腐敗の原因となる雑菌(病原微生物)の侵入や増殖が効果的に抑制された。また、上記微生物混合培養液の使用により果物皮成分であるペクチン質とタンニンを分解する酵素であるペクチナーゼ(pectinase)とタンナーゼ(tannase)の生成が増加し、活性化されて、発酵物の清浄度を高めることができ、発酵物の香味が向上し、生体利用率が増加する。
【0044】
特に、食用(動)植物粉砕物が豆であり、ここに、糸状菌(Aspergillus)属かびが培養された微生物混合培養液を接種して1次発酵する場合に、グリセオリン(glyceollin)成分が大量生成される。このグリセオリン成分は、癌細胞(乳癌、卵巣癌)の成長を抑制するので、乳癌及び卵巣癌を予防する。したがって、グリセオリン(glyceollin)が抗エストロゲン剤として相当な効果を表す。また、この場合に、白いパンやファーストフード摂取時に表れることがあるグルテン(gluten)過敏性腸疾患を防げる酵素であるプロリルエンドプロテアーゼ(Prolylendoprotease:PEP)がより多く生成される。この酵素は、胃酸により破壊されず、白パンの中のグルテニン(glutenins)とグリアジン(gliadins)の消化速度を高めることと表れる。
【0045】
[第4ステップ:上記1次食用(動)植物発酵物に細菌を接種して2次発酵して2次食用(動)植物発酵物を得る]
上記第3ステップの上記1次食用(動)植物発酵物に乳酸菌を含んだ細菌を上記1次食用(動)植物発酵物の重量対比0.5〜1.5%の量で接種し、均一に混合し、発酵温度30〜40℃で6〜12日間2次発酵して、2次食用(動)植物発酵物を得る。
【0046】
乳酸菌を含んだ細菌を用いた2次発酵の目的は、1次食用(動)植物発酵物の内に有機酸だけでなく、乳酸菌により生成されるいろいろな多様な有用物質が最終の発酵生成物に含有するようにするためである。本発明の食用(動)植物発酵物に使用できる細菌には、ロイコノストックメンセンテロイデス(Leucocostoc mensenteroides)、ラクトバシラスアシドフィラス(Lactobacillus acidophillus)、ラクトバシラスプランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシラスブレビス(Lactobacillus brevis)、バシラスサブチルス(Bacillus subtilis)、バシラスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラスメガテリウム(Bacillus megaterium)のうちの1つを使用したり、これらを混合して使用することができる。
【0047】
上記2次発酵の結果に、乳酸菌を含んだ細菌の発酵生成物である乳酸、酢酸、アルコールなどが2次食用(動)植物発酵物に生成される。この発酵生成物は2次食用(動)植物発酵物の中で有害菌の増殖を効果的に抑制し、これら自体が風味を与え、ジアセチルやアセトニンのような芳香成分を生成する。また、この発酵生成物は2次食用(動)植物発酵物の中に含まれた物質のたんぱく質の一部をペプチドやアミノ酸に分解して特有の風味を提供する。これで、本発明の方法により製造された食用(動)植物発酵物は香味が向上する。
【0048】
また、上記食用(動)植物発酵物には、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼが生成されて消化吸収がよくなって、生体利用率に優れる。また、上記食用(動)植物発酵物は、各種の有機酸、糖質、ビタミン、無機質、アミノ酸、不飽和脂肪酸、及び繊維質が補強された。
【0049】
[第5ステップ:2次食用(動)植物発酵物を圧搾または遠心分離して液状または固形の食用(動)植物発酵物の製造]
上記第4ステップで2次発酵されて得た2次食用(動)植物発酵物を圧搾または遠心分離し、濾過して、液状分と固形分とを分離する。上記液状分及び固形分は、次の通り活用できる。
【0050】
(1)上記液状分を80〜85℃で10〜30分間殺菌処理して、液状の食用(動)植物発酵物に使用することができる。
(2)上記液状分を減圧濃縮してエキス形態の食用(動)植物発酵物に製造したり、スプレー乾燥方式により噴射乾燥してエキス粉末形態の食用(動)植物発酵物に製造することができる。
(3)上記固形分を凍結乾燥したり、熱風乾燥した後、粉砕して、粉末形態の食用(動)植物発酵物に製造することができる。
【0051】
このような過程を経て食用(動)植物発酵物の製造を完成する。
【0052】
<実施形態1:食用植物発酵物の製造−1>
葡萄20kg、イチゴ10kg、マクワウリ10kg、せり10kg、ブロッコリー10kg、しゅんぎく10kg、ケール10kg、ダイコン5kg、キュウリ2kg、梨2kg、キキョウ2kg、コンブ1kg、アッケシソウ1kg、麻2kg、ニンニク1kg、シイタケ1kg、五味子1kg、マテ1kg、及びトウガラシ1kgを水槽浸漬槽に入れて清潔な水に洗浄した後、脱水して、5〜10cmサイズに切断粉砕または磨碎して食用植物粉砕物を製造し、発酵タンクに投入した。
【0053】
これとは別途に、上記の作業前に米糠5kgとふすま5kgとを混合して蒸気殺菌した後、常温に冷却させ、ここに黒砂糖0.7kg、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)0.4kg、アスペルギルスオリゼ(Aspergillus oryzae)0.4kg、サッカロマイセスセレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)0.8kgを添加した。ここに、滅菌精製水を添加してもよい。その後、25〜35℃で36時間培養した後、滅菌精製水40kgを加えて微生物混合培養液(A)を作った。
【0054】
上記微生物混合培養液(A)を上記食用植物粉砕物が入っている発酵タンクに移送して混合し、25℃で8日間1次発酵して1次食用植物発酵物を得た。その後、上記1次食用植物発酵物に乳酸菌であるロイコノストックメセンテロイデス(Leuconostoc mensenteroides)1.1kgを接種して、33〜35℃で10日間2次培養して2次食用植物発酵物を得た。上記1次、2次の発酵培養時、必要の場合は滅菌精製水を追加することができる。上記2次食用植物発酵物を圧搾または遠心分離し、濾過して、液状分と固形分とを分離した。上記液状分を85℃で15分間殺菌した後、ビタミンと甘味剤を少量添加して、液状形態の食用植物発酵物製品を製造した。
【0055】
<実施形態2:食用植物発酵物の製造−2>
鳩麦20kg、麻15kg、かぼちゃ8kg、イチゴ8kg、パプリカ8kg、明日葉2kg、アッケシソウ2kg、アスパラガス4kg、蓮根4kg、リンゴ4kg、ジャガイモ4kg、インゲンマメ4kg、人参2kg、栗の実2kg、トウガラシ1kg、キュウリ1kg、ニンニク2kg、ダイコン2kg、キバナオギ2kg、ヒラタケ2kg、ヨモギ1.5kg、松葉1kg、ショウガ1kg、レモン1kg、エゴマ0.5kgを水槽浸漬槽に入れて清潔な水に洗浄した後、脱水して、5〜10cmサイズに切断粉砕または磨碎して、食用植物粉砕物を製造し、発酵タンクを投入した。
【0056】
これとは別途に、上記の作業前に玄米5kg及び麦5kgを洗浄した後、これを混合し、蒸気殺菌して、常温に冷却し、ここに、アスペルギルスオリゼ(Aspergillus oryzae)とアスペルギルスソザエ(Aspergillus sojae)を各0.5kgずつ混合して接種した。この際、必要であれば、滅菌精製水を添加して湿度を調節することができる。その後、25〜30℃で24時間1次培養し、ここに滅菌精製水3kg、葡萄糖0.4kg、サッカロマイセスセレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)とサッカロマイセスエリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoidus)を各々0.7kgずつ添加して、25〜30℃で12時間2次培養した後、滅菌精製水30kgを加えて微生物混合培養液(B)を作った。
【0057】
このように作られた微生物混合培養液(B)を上記食用植物粉砕物が入っている発酵タンクに移送及び混合して、25〜26℃で8日間1次発酵して1次食用植物発酵物を作った。その後、上記1次食用植物発酵物に乳酸菌であるロイコノストックメンセンテロイド(Leuconostoc mensenteroides)とラクトバシラスプランタラム(Lactobacillus plantarum)の混合物1.2kgを接種して33〜35℃で10日間2次培養して2次食用植物発酵物を得た。上記1次、2次の発酵培養時、必要の場合は滅菌精製水を追加することができる。
【0058】
上記2次食用植物発酵物を圧搾または遠心分離して液状分と固形分とを分離した。上記固形分を熱風乾燥した後、140〜160メッシュに粉砕し、食物繊維、海藻カルシウム、及びビタミンを添加して粉末形態の食用植物発酵物製品を製造した。
【0059】
<実施形態3:食用植物発酵物の製造−3>
米糠23kg、玄米20kg、麦20kg、鳩麦15kg、大豆10kg、蕎麦5kg、ニンジン3kg、かぼちゃ3kg、さつまいも3kg、トマト2kg、ブロッコリー2kg、パプリカ2kg、キキョウ2kgを水槽浸漬槽に入れて清潔な水に洗浄した後、脱水して、5〜10cmサイズに切断粉砕または磨碎して、食用植物粉砕物を製造した。上記食用植物粉砕物を蒸気殺菌し、発酵タンクに投入した。
【0060】
実施形態1と実施形態2で発酵培養した微生物混合培養液(A)、(B)を各々10kgずつ混合して上記食用植物粉砕物が入っている発酵タンクに移送及び混合して25〜27℃で8日間1次発酵して1次食用植物発酵物を得た。上記1次食用植物発酵物に乳酸菌であるロイコノストックメンセンテロイド(Leuconostoc mensenteroides)とラクトバシラスブレビス(Lactobacillus brevis)の混合物1.2kgを接種し、34〜36℃で10日間2次発酵して2次食用植物発酵物を得た。上記1次、2次の発酵培養時、必要の場合は滅菌精製水を追加することができる。
【0061】
上記2次食用植物発酵物を圧搾または遠心分離し、濾過して、液状分と固形分とを分離した。上記液状分を減圧濃縮してエキスを作って、このエキスを乾燥し、140〜160メッシュに粉砕して粉末形態に作った後、食物繊維及び酸味剤を添加して、エキス粉末形態の食用植物発酵物製品を製造した。
【0062】
<実施形態4:食用植物発酵物の製造−1>
鹿茸10kg、オットセイ10kg、食用スッポン10kg、花マツタケ10kg、アガリクス10kg、麦10kg、大豆10kg、コメ10kg、米糠10kg、人参5kg、アワビ5kgを水槽浸漬槽に入れて清潔な水に洗浄した後、脱水して、5〜10cmサイズに切断粉砕または磨砕し、蒸気殺菌して食用動植物粉砕物を製造し、発酵タンクに投入した。
【0063】
上記実施形態1で発酵培養した微生物混合培養液(A)を上記食用動植物粉砕物が入っている発酵タンクに移送して混合し、35℃で5日間1次発酵して1次食用動植物発酵物を得た。その後、上記1次食用動植物発酵物に細菌であるバシラスサブチルス(Bacillus subtillus)とラクトバシラスアシドフィラス(Lactobacillus acidophillus)を各0.6kgずつ接種して34〜37℃で5日間2次培養して2次食用動植物発酵物を得た。上記1次、2次の発酵培養時、必要の場合は滅菌精製水を追加することができる。上記2次食用動植物発酵物を圧搾または遠心分離し、濾過して、液状分と固形分を分離した。上記液状分を85℃で15分間殺菌した後、ビタミン及び甘味剤を少量添加して液状形態の食用動植物発酵物の製品を製造した。
【0064】
<実施形態5:食用動植物発酵物の製造−2>
鹿茸20kg、米糠20kg、麦20kg、大豆10kg、オットセイ10kg、人参10kg、アッケシソウ10kgを水槽浸漬槽に入れて清潔な水に洗浄した後、脱水して、3〜6cmサイズに切断粉砕または磨碎して食用動植物粉砕物を製造した。上記食用動植物粉砕物を蒸気殺菌した後、発酵タンクに投入した。
【0065】
別に、センキュウ5kg、白朮5kg、ボックリョン5kg、甘草5kg、熟地黄5kg、シャクヤク5kg、トウキ5kg、キバナオギ5kg、桂皮5kg、ショウガ3kg、ナツメ2kgを水に洗浄した後、抽出タンクに入れて、精製水を原料投入量重量対比4〜10倍の量を入れた後、抽出して、濾液を上記発酵タンクに投入した。
【0066】
前述した実施形態1及び実施形態2で発酵培養した微生物混合培養液(A)、(B)を各々10kgずつ混合して作られた微生物混合培養液を上記食用動植物粉砕物が入っている発酵タンクに移送及び混合して、34〜36℃で6日間1次発酵して1次食用動植物発酵物を得た。上記1次食用動植物発酵物に細菌であるバシラスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)とロイコノストックメンセンテロイド(Leuconostoc mensenteroides)を各0.6kgずつ混合した細菌混合物1.2kgを接種して、33〜37℃で9日間2次培養して2次食用動植物発酵物を得た。上記1次、2次の発酵培養時、必要の場合は滅菌精製水を追加することができる。上記2次食用動植物発酵物を圧搾または遠心分離し、濾過して、液状分と固形分とを分離した。上記液状分及び固形分を用いて液状形態と粉末形態の食用動植物発酵物製品を製造した。
【0067】
<実施形態6:食用植物発酵物含有栄養補充用食品の製造−1>
実施形態1で製造された液状の食用植物発酵物5kg、ポリデキストロース(食物繊維90%以上)1.5kg、難消化性デキストリン(食物繊維90%以上)0.32kg、イヌリン(食物繊維90%以上)0.13kg、マテ抽出物(マテ100%、固形分3%)1.2kg、ガルシアカンボジア皮抽出物粉末0.15kg、緑茶抽出物粉末0.05kg、プルーン果汁粉末0.03kg、及び精製水91.62kgを混合及び加工して栄養補充用食品を製造した。
【0068】
<実施形態7:食用植物発酵物含有健康食品の製造−2>
実施形態2で製造された粉末形態の食用植物発酵物3kg、車前子皮粉末(食物繊維90%以上)57kg、ポリマンニュロニック酸(食物繊維70%)3kg、アロエ粉末23.7kg、コンブ粉末7kg、ガルシアカンボジア皮抽出物粉末3.5kg、ステビオサイド0.6kg、緑茶抽出物粉末1.1kg、プルーン果汁粉末1.1kgを混合及び加工して健康食品を製造した。
【0069】
<実施形態8:食用物発酵物含有健康食品の製造>
実施形態3で製造されたエキス粉末形態の食用動植物発酵物4kg、穀類酵素培養物47.514kg、分離大豆タンパク35kg、寒天粉末10kg、炭酸カルシウム1kg、酸化マグネシウム0.75kg、酸化亜鉛0.063kg、ビタミンB1硝酸塩0.23kg、塩酸ピリドキシン0.12kg、ニコチン酸アミド0.12kg、ビタミンC0.8kg、パントテン酸カルシウム0.2kg、リボフラビン0.2kg、及び葉酸0.003kgを混合及び加工して健康食品を製造した。
【0070】
<実施形態9:食用植物発酵物含有茶類食品の製造>
実施形態3で製造されたエキス粉末形態の食用植物発酵物4kg、マテ抽出物粉末12kg、決明子粉末12kg、枸杞子粉末12kg、山査子粉末12kg、何首烏粉末12kg、及び玄米粉末36kgを混合及び加工して茶類食品を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明による食品組成物は、実施形態6ないし9で製造された食品に限定されず、本発明の方法により製造された食用(動)植物発酵物を含む多様な組成の食品組成物でありうる。また、このような食品組成物は当業界で公知された通常的な方法により多様な形態に製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
野菜類、果物類、薯類、堅果類、茸類、生薬類、藻類、穀類、豆類、油脂植物類、食肉類、魚類、貝類、甲殻類、軟体類、棘皮または脊索類、及び卵類を含むグループから選択される少なくとも1つの食用植物または食用動植物を粉砕して、食用植物または食用動植物粉砕物を製造するステップと、
穀類、糖類、糸状菌、酵母、及び第1滅菌精製水を混合して、25〜35℃で24〜36時間の間培養した後、第2滅菌精製水と混合して微生物混合培養液を製造するステップと、ここで、前記穀類、前記糖類、前記糸状菌、前記酵母、前記第1滅菌精製水、及び前記第2滅菌精製水は、各々前記食用植物または食用動植物粉砕物の重量対比5〜10%、0.5〜2%、0.5〜1.5%、0.5〜1.5%、5〜10%、及び30〜50%の量が使用され、
前記食用植物または食用動植物の粉砕物に前記微生物混合培養液を接種して、25〜37℃で3〜8日間1次発酵して、1次食用植物または食用動植物発酵物を得るステップと、
前記1次食用植物または食用動植物発酵物に細菌を前記1次食用植物または食用動植物発酵物の重量対比0.5〜1.5%の量で接種して、30〜40℃で6〜12日間2次発酵して、2次食用植物または食用動植物発酵物を得るステップと、
前記2次食用植物または食用動植物発酵物を圧搾または遠心分離し、濾過して、液状分と固形分とを分離するステップと、を含む
ことを特徴とする食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項2】
野菜類、果物類、薯類、堅果類、茸類、生薬類、藻類、穀類、豆類、油脂植物類、食肉類、魚類、貝類、甲殻類、軟体類、棘皮または脊索類、及び卵類を含むグループから選択される少なくとも1つの食用植物または食用動植物を粉砕して、食用植物または食用動植物粉砕物を製造するステップと、
前記食用植物または食用動植物粉砕物を殺菌及び冷却するステップと、
生薬類を水で洗浄した後、生薬類重量対比4〜10倍の量の精製水を入れて抽出して得た生薬抽出濾液を得るステップと、
穀類、糖類、糸状菌、酵母、及び第1滅菌精製水を混合して25〜35℃で24〜36時間の間培養した後、第2滅菌精製水と混合して微生物混合培養液を製造するステップ、ここで、前記穀類、前記糖類、前記糸状菌、前記酵母、前記第1滅菌精製水、及び前記第2滅菌精製水は、各々前記食用(動)植物粉砕物の重量対比5〜10%、0.5〜2%、0.5〜1.5%、0.5〜1.5%、5〜10%、及び30〜50%の量が使用され、
前記生薬抽出濾液を前記食用植物または食用動植物粉砕物と混合した後、前記微生物混合培養液を接種して25〜37℃で3〜8日間1次発酵して、1次食用植物または食用動植物発酵物を得るステップと、
前記1次食用植物または食用動植物発酵物に細菌を前記1次食用植物または食用動植物発酵物の重量対比0.5〜1.5%の量で接種して、30〜40℃で6〜12日間2次発酵して、2次食用植物または食用動植物発酵物を得るステップと、
前記2次食用植物または食用動植物発酵物を圧搾または遠心分離し、濾過して、液状分と固形分とを分離するステップと、を含む
ことを特徴とする、食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項3】
糸状菌が、アスペルギルスオリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルスニゲル(Aspergillus niger)、及びアスペルギルスソザエ(Aspergillus sojae)を含むグループから選択される少なくとも1つである
請求項1または2に記載の食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項4】
酵母が、サッカロマイセスセレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)とサッカロマイセスエリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoidus)の中から選択される少なくとも1つである
請求項1または2に記載の食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項5】
細菌が、ロイコノストックメンセンテロイデス(Leuconostoc mensenteroides)、ラクトバシラスアシドフィラス(Lactobacillus acidophillus)、ラクトバシラスプランタラム(Lactobacillus plantarum)、及びラクトバシラスブレビス(Lactobacillus brevis)、バシラスサブチルス(Bacillus subtilis)、バシラスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラスメガテリウム(Bacillus megaterium)を含むグループから選択される少なくとも1つである
請求項1または2に記載の食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項6】
前記液状分に対し、80〜85℃で10〜30分間殺菌処理して、液状の最終の食用植物または食用動植物発酵物に作るステップと、
前記液状分を減圧濃縮してエキス形態の最終の食用植物または食用動植物発酵物に作るか、前記液状分を噴射乾燥または凍結乾燥してエキス粉末形態の最終の食用植物または食用動植物発酵物に作るステップと、を含む
請求項1または2に記載の最終の食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項7】
前記固形分を凍結乾燥または熱風乾燥して、粉末形態の最終の食用植物または食用動植物発酵物に作るステップを含む
請求項1または2に記載の最終の食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項8】
前記最終の食用植物または食用動植物発酵物に、ビタミン類、アミノ酸類、無機質類、蜂蜜、ロイヤルゼリー、及び食物繊維類を含むグループから選択される少なくとも1つと、酸味剤、甘味剤、着香剤、及び天然果汁を含むグループから選択される少なくとも1つを添加して、散剤、顆粒、錠剤、カプセル、ジェリー、クリーム、粥、または飲料形態の食品を製造するステップを含む
請求項6に記載の食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項9】
前記最終の食用植物または食用動植物発酵物に、ビタミン類、アミノ酸類、無機質類、蜂蜜、ロイヤルゼリー、及び食物繊維類を含むグループから選択される少なくとも1つと、酸味剤、甘味剤、着香剤、及び天然果汁を含むグループから選択される少なくとも1つを添加して、散剤、顆粒、錠剤、カプセル、ジェリー、クリーム、粥、または飲料形態の食品を製造するステップを含む
請求項7に記載の食用植物または食用動植物発酵物の製造方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9の方法により製造された
ことを特徴とする食用植物または食用動植物発酵物。
【請求項11】
請求項10の食用植物または食用動植物発酵物を含む
ことを特徴とする栄養補充用食品、機能性食品、健康食品、または茶類食品。

【図1】
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【公表番号】特表2011−529702(P2011−529702A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521991(P2011−521991)
【出願日】平成21年5月6日(2009.5.6)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002372
【国際公開番号】WO2010/024514
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(511029512)ファービス アールアンドディー コリア カンパニー リミテッド (1)
【住所又は居所原語表記】7thFl.,Kyunghee Bldg.,517−6,Dogok−Dong,Gangnam−Gu Seoul 135−270 Republic of Korea
【Fターム(参考)】