説明

飲料水製造用水処理システム及びその運転方法

【課題】高機動車に搭載できるほど小型であって、原水の塩分濃度に応じて水処理経路を切り換えることにより、飲料水を効率よく製造する飲料水製造用水処理システムを提供すること。
【解決手段】本発明の飲料水製造用水処理システムは、原水が海水の場合には、2台のRO膜装置に直列に被処理水を供給して飲料水を製造する。一方、原水が淡水の場合には、水処理経路を切り換えて、1台のRO膜装置に被処理水を供給して飲料水を製造すると共に、そのRO膜装置の濃縮水をもう1台のRO膜装置に被処理水として供給する。これにより、高機動車にも搭載可能な程度の小型化システムにもかかわらず、原水の種類に応じて飲料水を効率よく製造することが可能である。また、淡水である原水の無駄をなくし、除濁装置を小型化することも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川水、湖沼水等の淡水、又は海水を原水として、精密ろ過膜(MF膜)分離装置又は限外ろ過膜(UF膜)分離装置と、逆浸透膜(RO膜)装置とを用いて膜分離処理を行い、飲料水を製造するための水処理システム及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MF膜又はUF膜は、微粒子等の除去性能が高いため、原水中に含まれる微細な固形物、懸濁物質、微生物等を分離する固液分離手段として使用される。また、このMF膜を組み込んだMF膜分離装置又はUF膜を組み込んだUF膜分離装置は、操作が簡便であることから、医薬、化学、半導体等の分野で工業的に広く利用されている。
【0003】
また、RO膜は、水中の塩類、有機物質(トリハロメタン、農薬等)、微細粒子(生菌、死菌、ウイルス等)を安定かつ効率的に除去できるため、超純水製造から海水淡水化まで広い範囲で利用されている。例えば、医薬品、半導体の分野において、注射用水、超純水等の製造に利用されている。
【0004】
RO膜は、非常に微細な細孔を有しているため、原水(例えば、工業用水)を、まずMF膜分離装置又はUF膜分離装置を用いて前処理し、それらの処理水をRO膜分離装置で膜分離処理することが一般的である。
【0005】
ここで、地震、津波等の災害時に飲料水を製造するため、被災地の原水を浄化する浄化装置として、長毛ろ過装置と珪藻土ろ過装置を用いる車載型の移動式浄水装置が、特許文献1に開示されている。
【0006】
また、RO膜を用いる海水淡水化装置と、UF膜を用いる汚濁淡水の浄化装置等を備える車両搭載型清水製造装置が、特許文献2に開示されている。
【0007】
また、回転するろ過筒を通じてろ過を行う第一ろ過器と、MF膜又はRO膜処理を行う第二ろ過器と、RO膜を用いて純水を得る第三ろ過器とを備える移動式浄水設備が、特許文献3に開示されている。
【0008】
また、直列方向に2段に接続された逆浸透膜装置によって海水を高収率で鹹水化処理する処理方法が、特許文献4に開示されている。
【特許文献1】実公昭62−9997号公報
【特許文献2】特開平9−141262号公報
【特許文献3】特開平8−71567号公報
【特許文献4】特開2005−246158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に開示される移動式浄水装置は、細菌、ウイルス、塩類、重金属類、農薬等の化学物質を除去することができず、原水の濁度が高い場合には、珪藻土ろ過器を頻繁に手動で逆流洗浄しなければならないという欠点があった。
【0010】
また、特許文献2及び特許文献3に開示される移動式浄水設備は、原水タンクや凝集剤を添加した原水を貯留するタンクを有するため、大型車両でなければ浄水設備を搭載することが困難である。
【0011】
ここで、地震等の被災地では道路等が陥没したり、道路にはがれき等の障害物があり、従来のトラック等大型車両では走行できない箇所がある。このような場合、被災地での浄水の供給ができなくなるため、多少の悪路でも走行可能な小型で機動性の高い高機動車と呼ばれる小型車両の利用が検討されている。
【0012】
しかし、高機動車の荷台寸法は、縦2070mm×横2000mm×高さ1175mm程度であり、一般的な大型車両の荷台寸法である縦4500mm×横2990mm×高さ2080mmと比較すると、浄水設備のスペースが非常に限られることが大きな問題である。また、積載重量も小さいため、高機動車に搭載する発電機の仕様(発電容量、大きさ、重量)を考慮して、水処理システムのコンパクト化、軽量化及び省エネ化を行う必要があった。
【0013】
高機動車が派遣される災害地では、原水が海水であるか淡水であるか、あるいは海水と淡水が混じっているか、現場で初めて確認できる場合もある。また、取水場所を移動すれば原水の塩分濃度が変動する場合も想定される。このため、海水にも淡水にも対応した飲料水製造システムを高機動車に搭載し、どのような塩分濃度の原水にも対応できるようにすることが好ましいが、高機動車には海水用及び淡水用の飲料水製造システムの両方を搭載するスペースはない。
【0014】
原水が海水の場合には、特許文献4に開示される海水淡水化装置のように、RO膜装置によって2回処理する必要がある。もちろん、原水が淡水の場合にもこの海水淡水化装置は飲料水を製造することができるが、RO膜装置で1回処理するだけで足りるため、2段目のRO膜装置による処理が無駄となる。災害地では少しでも多くの飲料水を製造して給水しなければならない事情があるため、原水が淡水の場合には、海水淡水化装置の2台のRO膜装置を独立して使用できれば、飲料水製造量を増やすことができるので便利である。
【0015】
本発明は、高機動車に搭載できるほど小型であって、原水の塩分濃度に応じて水処理経路を切り換えることにより、飲料水を効率よく製造する飲料水製造用水処理システム及びその運転方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の飲料水製造用水処理システムは、原水が海水の場合には、2台のRO膜装置に直列に被処理水を供給して飲料水を製造する。一方、原水が淡水の場合には、水処理経路を切り換えて、1台目のRO膜装置に被処理水を供給し、1台目のRO膜装置の濃縮水を、2台目のRO膜装置で再処理して飲料水を製造する。
【0017】
具体的に、本発明は、
除濁装置と、
第一逆浸透膜装置と、
第二逆浸透膜装置とを備え、
除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置及び第二逆浸透膜装置で処理する飲料水製造用水処理システムであって、
原水が淡水である場合には、除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置に供給し、第一逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第一経路と、
第一逆浸透膜装置の濃縮水を第二逆浸透膜装置に供給し、第二逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第二経路とを併用し、
原水が海水である場合には、除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置に供給し、第一逆浸透膜装置の透過水をさらに第二逆浸透膜装置に供給し、第二逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第三経路を使用することを特徴とする飲料水製造用システムに関する(請求項1)。
【0018】
また、本発明は、
除濁装置と、
第一逆浸透膜装置と、
第二逆浸透膜装置とを備え、
除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置及び第二逆浸透膜装置で処理する飲料水製造用水処理システムにおいて、
原水が淡水である場合には、除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置に供給し、第一逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第一経路と、
第一逆浸透膜装置の濃縮水を第二逆浸透膜装置に供給し、第二逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第二経路とを併用し、
原水が海水である場合には、除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置に供給し、第一逆浸透膜装置の透過水をさらに第二逆浸透膜装置に供給し、第二逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第三経路を使用することを特徴とする飲料水製造用水処理システムの運転方法に関する(請求項6)。
【0019】
本発明の飲料水製造用水処理システムは、原水が海水の場合には、第一RO膜装置(高圧RO膜装置であることが好ましい)及び第二RO膜装置(低圧RO膜装置であることが好ましい)を用いて、海水を淡水化して飲料水を製造する。一方、原水が淡水の場合には、第一RO膜装置で除濁装置の処理水を処理すると共に、第一RO膜装置から排出される濃縮水を第二RO膜装置に供給する。これによって、装置全体の回収率を海水対応型飲料水製造用水処理システムよりも高くすることができ、除濁装置を小型化することができる。
【0020】
なお、本発明でいう「淡水」には、塩分を全く又はほとんど含まない水の他、第一RO膜装置で1回処理すれば飲料水として利用することができる程度に塩分濃度の低い水も含まれる。同様に、本発明でいう「海水」には、海水ではないが塩分濃度が高く、第一RO膜装置及び第二RO膜装置で2回処理しなければ飲料水として利用することができない水も含まれる。
【0021】
原水の一次処理として、懸濁物質を取り除く除濁装置は特に限定されないが、第一RO膜装置のRO膜の目詰まりを防止する観点からは、MF膜分離装置又はUF膜分離装置を使用することが好ましい(請求項2,7)。なお、原水中の懸濁物質が非常に少ないような場合には、除濁装置として簡易なフィルターろ過器等を使用することもできる。
【0022】
第一逆浸透膜分離装置へと膜分離装置の処理水を供給する膜処理水供給経路の加圧ポンプ上流と、第一逆浸透膜分離装置の透過水出口側経路とにそれぞれ流量計を備え、
加圧ポンプ上流の流量計の指示値が、第一逆浸透膜分離装置の必要供給水量未満の場合には加圧ポンプの回転数を上げ、
第一逆浸透膜分離装置の透過水出口側経路の流量計の指示値が、逆浸透膜分離装置の必要処理水量未満の場合には濃縮水排出口側の流量調節弁を絞ることにより、第一逆浸透膜分離装置の供給水及び処理水量を運転中一定に保つことも可能である(請求項3,8)。
【0023】
第二RO膜装置への供給水圧は、0.5MPa以上2.0MPa以下であることが好ましい(請求項4,9)。第二RO膜装置は、淡水又は第一RO膜装置の透過水を処理するための装置であるため、供給水圧は淡水を処理する通常のRO膜処理装置と同様、0.5MPa以上2.0MPa以下の範囲であることが好ましい。
【0024】
これに対して第一RO膜装置への供給水圧は、淡水を処理する場合には0.5MPa以上2.0MPa以下であることが好ましく、海水を処理する場合には5.0MPa以上7.0MPa以下であることが好ましい(請求項5,10)。海水等塩分濃度の高い原水を第一RO膜装置によって処理する場合には、供給水圧は海水を処理する通常のRO膜処理装置と同様、5.0MPa以上7.0MPa以下であることが好ましい。一方、淡水等塩分濃度の低い原水を処理する場合には、第二RO膜装置と同様の供給水圧であることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の飲料水製造用水処理システムは、原水が海水であるか淡水であるかによって水処理経路を切り換えるため、原水が淡水である場合には従来の海水対応型水処理システムよりも、同じ設置スペース当たりの処理水量を増加させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、これらに限定されない。
【0027】
海水を淡水化する、従来の飲料水製造用水処理システムの一例を、図3に示す。このシステムでは、まず揚水ポンプ31によって原水を経路32へと吸水し、砂ろ過器又は長毛ろ過器33によって前処理することにより、原水中の懸濁物質を除去する。
【0028】
次に、砂ろ過器又は長毛ろ過器33の処理水は、経路34に設置されたろ過ポンプ35によって加圧(0.2MPa程度)され、MF膜分離装置36の供給水入口へと供給される。なお、ここではMF膜分離装置36を使用しているが、UF膜分離装置を使用する場合もある。
【0029】
MF膜分離装置36の処理水(透過水)は、処理水出口側の経路37を経てMF膜処理水タンク38に貯水される。さらに、経路39に設置された高圧ポンプ40によって加圧され(5MPa〜7MPa程度)、高圧RO膜装置41の供給水入口へと供給される。
【0030】
高圧RO膜装置41の透過水は、透過水出口側の経路42を経て、サックバックタンク43に貯水される。次に、サックバックタンク43内の透過水は、経路44に設置された低圧ポンプ45によって加圧され(0.5MPa〜2MPa程度)、低圧RO膜装置46の供給水入口へと供給される。
【0031】
そして、低圧RO膜装置46の透過水は、透過水出口側の経路47から飲料水(浄水)として流出する。このとき、図3に示すように、経路47には、活性炭吸着装置48を設置し、透過水を吸着処理することがある。
【0032】
図3に示す飲料水製造用水処理システムでは、原水が淡水である場合にも、原水が海水である場合と同様に、高圧RO膜装置41及び低圧RO膜装置46の両方で処理せざるを得ない。このため、単位時間当たりの飲料水製造量は、原水が淡水であっても海水の場合以上に増やすことはできず、しかも、本来不必要な低圧RO膜装置41による処理を行うために低圧ROポンプ45を作動させるため、無駄な電力を消費するという問題がある。
【0033】
[実施の形態1]
次に、本発明の飲料水製造用水処理システムの一例を、図1に示す。この水処理システムでは、まず揚水ポンプ1によって原水を吸水し、プレフィルター(簡易フィルター)2によって前処理することにより、原水中の懸濁物質を除去する。
【0034】
プレフィルター2の処理水は、ろ過ポンプ3によって加圧され(0.2MPa程度)、MF膜分離装置4の供給水入口へと供給される。MF膜分離装置4の処理水は、MF膜処理水タンク5に貯水される。なお、MF膜分離装置4の代わりにUF膜分離装置を使用してもよく、原水中の懸濁物質濃度が非常に低い場合には、簡易なフィルターろ過器を使用してもよい。
【0035】
(原水が淡水の場合の水処理経路)
1)第一経路
ここで、原水が淡水である場合のMF膜処理水タンク5以降の水処理経路について説明する。MF膜処理水タンク5内の処理水(淡水)は、第一経路として、経路Aから第一ポンプ6に供給され、加圧される。弁16は開いている。
【0036】
加圧された処理水は、第一RO膜装置8の供給水入口へと供給され、第一RO膜装置8の透過水は、経路Bを経て活性炭吸着装置15で処理された後、飲料水として利用される。ここでは、第一RO膜装置8は高圧RO膜装置である。弁19は開いており、弁17は閉じている。このとき、第一ポンプ6は、MF膜処理水を0.5MPa以上2.0MPa以下に加圧すれば足りる。
【0037】
2)第二経路
このとき、第一RO膜装置8の濃縮水(淡水)は、第二経路として、経路C及び経路Dを経てサックバックタンク10に貯水される。弁20及び弁21は開いており、弁23は閉じている。
【0038】
サックバックタンク10に貯水された濃縮水は、経路Fを流れる。すなわち、第二ポンプ11によって加圧された後、第二RO膜装置13の供給水入口へと供給され、第二RO膜装置13の透過水は、活性炭吸着装置15で処理された後、飲料水として利用される。ここでは、第二RO膜装置13は低圧RO膜装置である。このとき、弁18は開いており、第二RO膜装置13の濃縮水は、弁22を経て排出される。
【0039】
ここで、第一RO膜装置8は、後述するように原水が海水の場合には、第一ポンプ6によって5.0MPa〜7.0MPaに加圧されたMF膜処理水を処理するため、7.0MPa程度の処理水圧に耐えられるような高圧RO膜装置であることが好ましい。一方、第二RO膜装置13は、淡水のみ処理するために、処理水圧は0.5MPa〜2.0MPaであるため、第一RO膜装置8のように高い水圧に耐えるような構造である必要はなく、低圧RO膜装置であればよい。
【0040】
(原水が海水の場合の水処理経路:第三経路)
次に、原水が海水である場合のMF膜処理水タンク5以降の水処理経路について説明する。MF膜処理水タンク5内の処理水(海水)は、まず、経路Aから第一ポンプ6に供給され、5.0MPa〜7.0MPaに加圧される。弁16、弁17、弁18、弁20、弁22及び弁23は開いており、弁19及び弁21は閉じている。加圧された処理水は、第一RO膜装置8の供給水入口へと供給される。第一RO膜装置8の透過水は経路Eに流れ、サックバックタンク10内に一旦貯水される。
【0041】
サックバックタンク10内の透過水は、経路Fへと流れる。すなわち、第二ポンプ11へと供給され、0.5MPa〜2.0MPaに加圧された後、第二RO膜装置13の供給水入口に供給される。ここでは、第二ポンプは低圧ポンプである。第二RO膜装置13の処理水は、活性炭吸着装置15で処理された後、飲料水として利用される。なお、活性炭吸着装置15は任意の構成であり、他の吸着装置や浄水装置を使用することや、なくすこともできる。
【0042】
上記実施形態では、第二ポンプ11を低圧ポンプとした。これは、海水を第二RO膜装置13に供給することはないため、最高加圧2.0MPa程度の低出力型であれば足りるためである。しかし、第一ポンプ6と同様に高圧ポンプ(最高加圧7.5MPa程度)であってもよい。
【0043】
<運転方法>
ここで、本発明の飲料水製造用水処理システムの運転方法のうち、MF膜処理水タンク5以降の処理工程について、原水が淡水の場合と海水の場合とに分けて説明する。
【0044】
1)原水が淡水の場合
まず、弁16、弁18、弁19、弁21、第一RO膜装置流量調節弁20及び第二RO膜装置流量調節弁22を全開とし、その他の弁を全閉とする。そして、揚水ポンプ1、ろ過ポンプ3及び第一ポンプ6を順次起動し、第一RO膜装置8の濃縮水がサックバックタンク10に所定量貯水されたことを確認して、第二ポンプ11を起動し、第一経路及び第二経路に通水する。
【0045】
第一RO膜装置8への供給水量は、第一RO膜装置供給水流量計7の指示値に基づいて第一ポンプ6の回転数を制御することにより調節する。すなわち、第一RO膜装置供給水流量計7の指示値が目標値(第一RO膜装置8の必要供給水量:例えば、5.0m3/h)未満となれば、第一ポンプ6の回転数を上げて指示値が目標値となるように制御する。また、第一RO膜装置供給水流量計7の指示値が目標値を超えれば回転数を下げて指示値が目標値になるように制御し、第一RO膜装置8への供給水量を調整する。
【0046】
第一RO膜装置8の透過水量は、第一RO膜装置透過水流量計9の指示値に基づいて第一RO膜装置流量調節弁20の開度を制御することにより調節する。すなわち、第一RO膜装置透過水流量計9の指示値は、第一RO膜装置8の必要処理水量(第一RO膜装置8の必要供給水量×RO回収率/100)を目標値とすることが好ましい。
【0047】
ここで、淡水を処理する場合、第一RO膜装置8のRO回収率は、60%〜90%の範囲に調整することが好ましい。例えば、第一RO膜装置8の必要供給水量が5.0m3/h、RO回収率が70%である場合、必要処理水量(目標値)は、3.5m3/hとすることが好ましい。必要処理水量が目標値未満となれば、第一RO膜装置流量調節弁20を閉じて指示値が3.5m3/hとなるように制御する。また、第一RO膜装置透過水流量計9の指示値が目標値を超えれば、第一RO膜装置流量調節弁20を開いて指示値が3.5m3/hとなるように制御し、第一RO膜装置8の透過水量を調整する。
【0048】
第一RO膜装置8の濃縮水(非透過水)は、サックバックタンク10に貯水されるが、濃縮水の水位が設定値以上になると、第二ポンプ11を起動させる。第二ポンプ11の起動後も、第一RO膜装置8の濃縮水(非透過水)は、サックバックタンク10に貯水され続ける。
【0049】
一方、第二RO膜装置13への供給水量は、第二RO膜装置供給水流量計12の指示値に基づいて第二ポンプ11の回転数を制御することにより調節する。すなわち、第二RO膜装置供給水流量計12の指示値が目標値(第二RO膜装置13の必要供給水量:例えば、1.5m3/h)未満となれば、第二ポンプ11の回転数を上げて指示値が目標値となるように制御する。また、第二RO膜装置供給水流量計12の指示値が目標値を超えれば回転数を下げて指示値が目標値になるように制御し、第二RO膜装置13への供給水量を調整する。
【0050】
また、第二RO膜装置透過水量は、第二RO膜装置透過水流量計14の指示値に基づいて第二RO膜装置流量調節弁22の開度を制御することにより調節する。すなわち、第二RO膜装置透過水流量計14の指示値は、第二RO膜装置13の必要処理水量(第二RO膜装置13の必要供給水量×RO回収率/100)を目標値とすることが好ましい。
【0051】
ここで、淡水を処理する場合、第二RO膜装置13のRO回収率は、60%〜90%の範囲に調整することが好ましい。例えば、第二RO膜装置13の必要供給水量が1.5m3/h、RO回収率が70%である場合、必要処理水量(目標値)は、1.05m3/hとすることが好ましい。必要処理水量が目標値未満となれば、第二RO膜装置流量調節弁22を閉じて指示値が1.05m3/hとなるように制御する。また、第二RO膜装置透過水流量計14の指示値が目標値を超えれば、第二RO膜装置流量調節弁22を開いて指示値が1.05m3/hとなるように制御し、第二RO膜装置13の透過水量を調整する。
【0052】
2)原水が海水の場合
まず、弁16、弁17、弁18、弁23、第一RO膜装置流量調節弁20及び第二RO膜装置流量調節弁22を全開とし、その他の弁を全閉とする。そして、揚水ポンプ1、ろ過ポンプ3、第一ポンプ6及び第二ポンプ11を順次起動し、第三経路(経路A→経路E→経路F)に通水する。なお、第二ポンプ11の起動は、第一RO膜装置の透過水がサックバックタンク10に設定値以上に貯水されたことを確認した後である。
【0053】
第一RO膜装置8への供給水量は、第一RO膜装置供給水流量計7の指示値に基づいて第一ポンプ6の回転数を制御することにより調節する。すなわち、第一RO膜装置供給水流量計7の指示値が目標値(第一RO膜装置8の必要供給水量:例えば、4.0m3/h)未満となれば、第一ポンプ6の回転数を上げて指示値が目標値となるように制御する。また、RO膜装置供給水流量計7の指示値が目標値を超えれば回転数を下げて指示値が目標値になるように制御し、第一RO膜装置8への供給水量を調整する。
【0054】
また、第一RO膜装置8の透過水量は、第一RO膜装置透過水流量計9の指示値に基づいて第一RO膜装置流量調節弁20の開度を制御することにより調節する。すなわち、第一RO膜装置透過水流量計9の指示値は、第一RO膜装置8の必要処理水量(第一RO膜装置8の必要供給水量×RO回収率/100)を目標値とすることが好ましい。
【0055】
ここで、海水を処理する場合、第一RO膜装置8のRO回収率は、40%〜60%の範囲に調整することが好ましい。例えば、第一RO膜装置8の必要供給水量が4.0m3/h、RO回収率が50%である場合、必要処理水量(目標値)は、2.0m3/hとすることが好ましい。必要処理水量が目標値未満となれば、第一RO膜装置流量調節弁20を閉じて指示値が目標値(2.0m3/h)となるように制御する。また、第一RO膜装置透過水流量計9の指示値が目標値(2.0m3/h)を超えれば、第一RO膜装置流量調節弁20を開いて指示値が目標値(2.0m3/h)となるように制御し、第一RO膜装置8の透過水量を調整する。
【0056】
第一RO膜装置8の処理水(透過水)は、サックバックタンク10に貯水されるが、処理水の水位が設定値以上になると、第二ポンプ11を起動させる。第二ポンプ11の起動後も、第一RO膜装置8の処理水(透過水)は、サックバックタンク10に貯水され続ける。
【0057】
一方、第二RO膜装置13への供給水量は、第二RO膜装置供給水流量計12の指示値に基づき第二ポンプ11の回転数を制御することにより調節する。すなわち、第二RO膜装置供給水流量計12の指示値が目標値(第二RO膜装置13の必要供給水量:例えば、2.0m3/h)未満となれば、第二ポンプ11の回転数を上げて指示値が目標値となるように制御する。また、第二RO膜装置供給水流量計12の指示値が目標値を超えれば、第二ポンプ11の回転数を下げて指示値が目標値になるように制御し、第二RO膜装置13への供給水量を調整する。
【0058】
また、第二RO膜装置13の透過水量は、第二RO膜装置透過水流量計14の指示値に基づいて第二RO膜装置流量調節弁22の開度を制御することにより調節する。すなわち、第二RO膜装置透過水流量計14の指示値は、第二RO膜装置13の必要処理水量(第二RO膜装置13の必要供給水量×RO回収率/100)を目標値とすることが好ましい。
【0059】
ここで、海水を処理する場合も、第二RO膜装置13のRO回収率は、60%〜90%の範囲に調整することが好ましい。例えば、第二RO膜装置13の必要供給水量が2.0m3/h、RO回収率が70%である場合、必要処理水量(目標値)は、1.4m3/hとすることが好ましい。第二RO膜装置透過水流量計14の指示値が目標値未満となれば、第二RO膜装置流量調節弁22を閉じて指示値が目標値(1.4m3/h)となるように制御する。また、第二RO膜装置透過水流量計14の指示値が目標値(1.4m3/h)を超えれば、第二RO膜装置流量調節弁22を開いて指示値が目標値(1.4m3/h)となるように制御し、第二RO膜装置13の透過水量を調整する。
【0060】
また、原水が海水の場合と淡水の場合では、第一RO膜装置8と第二RO膜装置13は、供給水流量及び透過水流量がそれぞれ異なる。このため、2つの流量目標値を満足するポンプ及び流量調整弁を選定する必要がある。
【0061】
[実施の形態2]
次に、本発明の飲料水製造用水処理システムの別の一例を、図2に示す。この水処理システムでは、加圧ポンプが高圧ポンプ(第一ポンプ6)1台であり、サックバックタンク10を有しない点で図1に示した水処理システムと異なるが、それ以外はすべて同様である(弁17と第二RO膜装置13との間は配管で接続されている)。
【0062】
(原水が淡水の場合の水処理経路)
1)第一経路
まず、原水が淡水である場合のMF膜処理水タンク5以降の水処理経路について説明する。MF膜処理水タンク5内の処理水(淡水)は、第一経路として、経路Aから第一ポンプ6に供給され、加圧される。弁16は開いている。
【0063】
加圧された処理水は、第一RO膜装置8の供給水入口へと供給され、第一RO膜装置8の透過水は、経路Bを経て活性炭吸着装置15で処理された後、飲料水として利用される。ここでは、第一RO膜装置8は高圧RO膜装置である。弁19は開いており、弁17は閉じている。このとき、第一ポンプ6は、MF膜処理水を0.5MPa以上2.0MPa以下に加圧すれば足りる。
【0064】
2)第二経路
第一RO膜装置8の濃縮水(淡水)は、第二経路として、経路C、経路D及び経路Fを経て、第二RO膜装置13の供給水入口へと供給される。このとき、第一RO膜装置8の濃縮水は、0.5MPa〜2.0MPaの圧力を有するため、加圧ポンプを使用しなくても第二RO膜装置13の供給水入口に供給し、透過水を得ることが可能である。この第二RO膜装置13の透過水は、活性炭吸着装置15で処理された後、飲料水として利用される。弁20及び弁21は開いており、弁23は閉じている。なお、ここでは第二RO膜装置13は低圧RO膜装置である。
【0065】
(原水が海水の場合の水処理経路:第三経路)
次に、原水が海水である場合のMF膜処理水タンク5以降の水処理経路について説明する。MF膜処理水タンク5内の処理水(海水)は、まず経路Aから第一ポンプ6に供給され、6.0MPa〜8.0MPaに加圧される。弁16、弁17、弁20、弁22及び弁23は開いており、弁19及び弁21は閉じている。加圧された処理水は、第一RO膜装置8の供給水入口へと供給される。
【0066】
第一RO膜装置8の透過水は、第二RO膜装置13の供給水入口に供給される。このとき、第一RO膜装置8の透過水は、0.5MPa〜2.0MPaの圧力を有するため、加圧ポンプを使用しなくても第二RO膜装置13の供給水入口に供給し、透過水を得ることが可能である。第二RO膜装置13の処理水は、活性炭吸着装置15で処理された後、飲料水として利用される。なお、活性炭吸着装置15は任意の構成であり、他の吸着装置や浄水装置を使用することもできる。
【0067】
なお、原水が海水の場合、経路Bはサックバック経路としても機能させることができる。すなわち、システムの運転を停止した時(第一ポンプ6を停止した時)は、弁19を開け、弁17を閉じることにより、第二RO膜装置13の透過水をサックバック水として経路Bから、第一RO膜装置8の透過水出口側へと逆流させることができる。このように、実施の形態2の飲料水製造用水処理システムは、実施の形態1の飲料水製造用水処理システムより設備を簡素化することができるとともに、第一RO膜装置8の透過水又は第一RO膜装置8の濃縮水の圧力エネルギーを有効利用できる点で好ましい。
【0068】
第二RO膜装置13の処理水は、活性炭吸着装置15で処理された後、飲料水として利用される。なお、活性炭吸着装置15は任意の構成であり、他の吸着装置や浄水装置を使用することもできる。
【0069】
本水処理経路(第三経路)では、まず、第一RO膜装置供給水流量計7の指示値が目標値(第一RO膜装置8の必要供給水量:例えば、4.0m3/h)未満となれば、第一ポンプ6の回転数を上げて指示値が目標値となるように制御する。また、第一RO膜装置供給水流量計7の指示値が目標値を超えれば回転数を下げて指示値が目標値になるように制御し、第一RO膜装置8への供給水量を調整する。
【0070】
その後、第二RO膜装置透過水流量計14の指示値が目標値(第二RO膜装置13の必要供給水量×RO回収率/100:例えば、1.6m3/h)未満となれば、第二RO膜装置流量調節弁22を閉じて指示値が目標値となるように制御する。また、第二RO膜装置透過水流量計14の指示値が目標値を超えれば、第二RO膜装置流量調節弁22を開いて指示値が目標値となるように制御し、第二RO膜装置13の透過水量を調整する。
【0071】
また、第二RO透過水量の制御と併せて、第一RO透過水量の制御を行う。すなわち、第一RO膜装置透過水流量計9の指示値が目標値(第一RO膜装置8の必要透過水量:第一RO膜装置8の必要供給水量×RO回収率/100:例えば、2.0m3/h)未満となれば、第一RO膜装置流量調節弁20を閉じて指示値が目標値となるように制御する。また、第一RO膜装置透過水流量計9の指示値が目標値を超えれば、第一RO膜装置流量調節弁20を開いて指示値が目標値となるように制御し、第一RO膜装置8の透過水量を調整する。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の飲料水製造用水処理システムは、災害地や飲料水供給設備を持たない地域に派遣される高機動車等の車両に搭載可能なシステムであって、海水にも淡水にも対応しうるシステムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の飲料水製造用水処理システムの一例を示すフロー図である。
【図2】本発明の飲料水製造用水処理システムの別の一例を示すフロー図である。
【図3】従来の飲料水製造用水処理システムの一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0074】
1,31:揚水ポンプ
2:プレフィルター(簡易フィルター)
3,35:ろ過ポンプ:
4,36:MF膜分離装置(又はUF膜分離装置)
5,38:MF膜処理水タンク(又はUF膜処理水タンク)
6:第一ポンプ
7:第一RO膜装置供給水流量計
8:第一RO膜装置(高圧RO膜装置)
9:第一RO膜装置透過水流量計
10:サックバックタンク
11:第二ポンプ
12:第二RO膜装置供給水流量計
13:第二RO膜装置(低圧RO膜装置)
14:第二RO膜装置透過水流量計
15,48:活性炭吸着装置
16,17,18,19,21,23:弁
20:第一RO膜装置流量調節弁
22:第二RO膜装置流量調節弁
32,34,37,39,42,44,47:経路
33:砂ろ過器又は長毛ろ過器
40:高圧ポンプ
45:低圧ポンプ
経路A→B:第一経路
経路C→D→F:第二経路
経路A→E→F:第三経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除濁装置と、
第一逆浸透膜装置と、
第二逆浸透膜装置とを備え、
除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置及び第二逆浸透膜装置で処理する飲料水製造用水処理システムであって、
原水が淡水である場合には、除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置に供給し、第一逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第一経路と、
第一逆浸透膜装置の濃縮水を第二逆浸透膜装置に供給し、第二逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第二経路とを併用し、
原水が海水である場合には、除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置に供給し、第一逆浸透膜装置の透過水をさらに第二逆浸透膜装置に供給し、第二逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第三経路を使用することを特徴とする飲料水製造用水処理システム。
【請求項2】
除濁装置が精密ろ過膜分離装置又は限外ろ過膜分離装置である請求項1に記載の飲料水製造用水処理システム。
【請求項3】
第一逆浸透膜分離装置へと膜分離装置の処理水を供給する膜処理水供給経路の加圧ポンプ上流と、
第一逆浸透膜分離装置の透過水出口側経路とにそれぞれ流量計を備え、
加圧ポンプ上流の流量計の指示値が、第一逆浸透膜分離装置の必要供給水量未満の場合には加圧ポンプの回転数を上げ、
第一逆浸透膜分離装置の透過水出口側経路の流量計の指示値が、第一逆浸透膜分離装置の必要処理水量未満の場合には濃縮水排出口側の流量調節弁を絞ることにより、第一逆浸透膜分離装置の供給水及び処理水量を運転中一定に保つ請求項1又は2に記載の飲料水製造用水処理システム。
【請求項4】
第二逆浸透膜装置への供給水圧が0.5MPa以上2.0MPa以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の飲料水製造用水処理システム。
【請求項5】
第一逆浸透膜装置への供給水圧が、淡水を処理する場合には0.5MPa以上2.0MPa以下であり、海水を処理する場合には5.0MPa以上7.0MPa以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の飲料水製造用水処理システム。
【請求項6】
除濁装置と、
第一逆浸透膜装置と、
第二逆浸透膜装置とを備え、
除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置及び第二逆浸透膜装置で処理する飲料水製造用水処理システムにおいて、
原水が淡水である場合には、除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置に供給し、第一逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第一経路と、
第一逆浸透膜装置の濃縮水を第二逆浸透膜装置に供給し、第二逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第二経路とを併用し、
原水が海水である場合には、除濁装置の処理水を第一逆浸透膜装置に供給し、第一逆浸透膜装置の透過水をさらに第二逆浸透膜装置に供給し、第二逆浸透膜装置の透過水を飲料水とする第三経路を使用することを特徴とする飲料水製造用水処理システムの運転方法。
【請求項7】
除濁装置が精密ろ過膜分離装置又は限外ろ過膜分離装置である請求項6に記載の飲料水製造用水処理システムの運転方法。
【請求項8】
第一逆浸透膜分離装置へと膜分離装置の処理水を供給する膜処理水供給経路の加圧ポンプ上流と、
第一逆浸透膜分離装置の透過水出口側経路とにそれぞれ流量計を備え、
加圧ポンプ上流の流量計の指示値が、第一逆浸透膜分離装置の必要供給水量未満の場合には加圧ポンプの回転数を上げ、
第一逆浸透膜分離装置の透過水出口側経路の流量計の指示値が、第一逆浸透膜分離装置の必要処理水量未満の場合には濃縮水排出口側の流量調節弁を絞ることにより、
第一逆浸透膜分離装置の供給水及び処理水量を運転中一定に保つ請求項6又は7に記載の飲料水製造用水処理システムの運転方法。
【請求項9】
第二逆浸透膜装置への供給水圧が0.5MPa以上2.0MPa以下である請求項6乃至8のいずれか1項に記載の飲料水製造用水処理システムの運転方法。
【請求項10】
第一逆浸透膜装置への供給水圧が、淡水を処理する場合には0.5MPa以上2.0MPa以下であり、海水を処理する場合には5.0MPa以上7.0MPa以下である請求項6乃至9のいずれか1項に記載の飲料水製造用水処理システムの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−173539(P2008−173539A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7115(P2007−7115)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【特許番号】特許第3957081号(P3957081)
【特許公報発行日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】