説明

飲料注出装置、飲料注出装置に組み込まれる交換ユニット、及び飲料注出用タップ

【課題】メンテナンスの手間を軽減することが可能な飲料注出装置を提供する。
【解決手段】ビール樽10から飲料を飲料通路129に導入可能な飲料注出状態とその導入が禁止される停止状態とに切り替え可能なディスペンスヘッド100と、飲料通路129とビールホース300を介して接続され、注出口200aを開く開位置と注出口200aを閉じる閉位置とに切り替え可能なタップ200とを備えた飲料注出装置1において、ディスペンスヘッド100は、ビール樽10の装着されるヘッド本体101と、飲料通路129が設けられてヘッド本体101の内部に保持される挿入ディスク102とを有し、タップ200は、ビールホース300が接続されるとともに注出口200aが設けられ、開位置と閉位置との間で操作可能なタッピングバルブ202と、タッピングバルブ202が着脱可能に装着されるタッピングユニット201とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール樽等の飲料容器から飲料を取り出すための飲料注出装置、飲料注出装置に組み込まれる交換ユニット、及びその飲料注出装置に設けられる飲料注出用タップに関する。
【背景技術】
【0002】
ビール樽等の飲料容器内に加圧されたガスを導入してその飲料容器から飲料を取り出す飲料注出装置が知られている。このような飲料注出装置では、飲料容器に注出ヘッド(ディスペンスヘッドとも呼ばれる。)が取り付けられ、その注出ヘッドを介して飲料が取り出される。例えば、内部に冷蔵室が設けられるとともに上部に中空の注出ロッドが設けられ、冷蔵室に収容された飲料容器の注出ヘッドから延びる注出ラインを注出ロッド内を通してその注出ロッドの先端まで配置し、この注出ラインを介して飲料容器から飲料を取り出すものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特表2003−534999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に飲料注出装置に対しては、定期的にメンテナンスが行われる。この際、飲料が流れる部分の洗浄が行われる。特許文献1の装置では、注出ラインを洗浄することによりディスペンスヘッドの飲料の出口から飲料注出口までの洗浄を容易に行うことができるが、ディスペンスヘッド内の洗浄はそのヘッド内に洗浄液を導入する必要がある。そのため、メンテナンスに手間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、メンテナンスの手間を軽減することが可能な飲料注出装置、飲料注出装置に組み込まれる交換ユニット、及び飲料注出用タップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料注出装置は、飲料容器(10)の口金部(11)に装着可能、かつ前記飲料容器から押し出された飲料を内部流路(129)に導入可能な飲料注出状態と前記内部流路への飲料の導入が禁止される停止状態とに切り替え可能なディスペンスヘッド(100)と、前記内部流路と飲料案内管(300)を介して接続され、注出口(200a)を開く開位置と前記注出口を閉じる閉位置とに切り替え可能なタップ(200)と、を備えた飲料注出装置(1)において、前記ディスペンスヘッドは、前記口金部に装着されるヘッド本体(101)と、前記内部流路が設けられて前記ヘッド本体の内部に保持される弁操作部材(102)と、を有し、前記タップは、前記飲料案内管が接続されるとともに前記注出口が設けられ、前記開位置と前記閉位置との間で操作可能なバルブ部材(202)と、前記バルブ部材が着脱可能に装着されるタップ本体(201)と、を有していることにより、上述した課題を解決する。
【0007】
本発明の飲料注出装置によれば、内部流路が設けられている弁操作部材をヘッド本体から取り外すことができ、またバルブ部材をタップ本体から取り外すことができる。そのため、メンテナンス時に飲料が流れる部分を容易に洗浄したり交換したりすることができる。従ってメンテナンスの手間を軽減することができる。
【0008】
本発明の飲料注出装置の一形態において、前記ヘッド本体は、保持している前記弁操作部材が前記口金部に設けられているスピアバルブ(12)と対向するように前記口金部に装着され、前記ヘッド本体には、前記飲料容器内と前記内部流路とが連通するように前記弁操作部材が前記スピアバルブを開弁状態に切り替える開放位置と、前記飲料容器内と前記内部流路との連通が遮断されるように前記弁操作部材が前記スピアバルブから離間する閉鎖位置との間で移動可能なプランジャ(104)と、前記プランジャを前記開放位置と前記閉鎖位置との間で操作するプランジャ操作手段(105)と、が設けられていてもよい。この場合、弁操作部材に駆動機構を設ける必要がないので、弁操作部材の構造を簡略化し、製造コストを抑えることができる。そのため、メンテナンス毎に弁操作部材を未使用品に交換することができる。この場合、メンテナンスの手間を軽減しつつ飲料が流れる部分を容易に清潔に維持できる。
【0009】
この形態において、前記弁操作部材は、前記内部流路が設けられて前記プランジャに操作される操作部材(120)と、前記操作部材の外周に設けられて前記操作部材をその中心線上を移動可能なように支持する外筒部(121)と、を備えていてもよい。この場合、外筒部をヘッド本体に装着することにより、操作部材を中心線上を移動可能な状態で容易にヘッド本体に取り付けることができる。
【0010】
また、前記ヘッド本体は、保持している前記弁操作部材の前記操作部材が前記スピアバルブのメインシールパッキン(15)と対向し、かつ前記外筒部が前記スピアバルブのフランジ(13a)と対向するように前記口金部に装着され、前記操作部材と前記外周部との間に形成される空間は、前記飲料容器から飲料を押し出すべく前記ディスペンスヘッドに導入されたガスを前記飲料容器内に導くガス経路の一部となってもよい。この場合、メンテナンス時にガス経路の一部も洗浄したり交換したりすることができる。
【0011】
本発明の飲料注出装置の一形態において、前記タップは、発泡性を有する飲料を泡状に形成する泡形成部(228a)をさらに有し、前記タップには、前記開位置として、前記注出口から発泡性を有する飲料が液体のまま注出される注出位置と、前記注出口から前記泡形成部で泡状に形成された飲料が注出される泡出し位置とが設けられていてもよい。この場合、ビールや発泡酒などの発泡性を有する飲料を容易に泡状にして注出することができる。
【0012】
本発明の交換ユニットは、飲料容器(10)の口金部(11)に装着可能、かつ前記飲料容器から押し出された飲料を内部流路(129)に導入可能な飲料注出状態と前記内部流路への飲料の導入が禁止される停止状態とに切り替え可能であり、前記口金部に装着されるヘッド本体(101)と、前記内部流路が設けられて前記ヘッド本体の内部に保持される弁操作部材(102)と、を有するディスペンスヘッド(100)と、前記内部流路と飲料案内管(300)を介して接続され、注出口(200a)を開く開位置と前記注出口を閉じる閉位置とに切り替え可能であり、前記飲料案内管が接続されるとともに前記注出口が設けられ、前記開位置と前記閉位置との間で操作可能なバルブ部材(202)と、前記バルブ部材が着脱可能に装着されるタップ本体(201)と、を有するタップ(200)と、を備えた飲料注出装置に組み込まれる交換ユニットであって、前記弁操作部材と前記バルブ部材とが前記飲料案内管にて一体化されていることにより、上述した課題を解決する。
【0013】
本発明の交換ユニットによれば、弁操作部材とバルブ部材とが飲料案内管にて一体化されているので、これら飲料が流れる部分をまとめて洗浄したり交換したりすることができる。そのため、メンテナンスの手間を軽減することができる。
【0014】
本発明の飲料注出用タップは、飲料容器(10)内に加圧されたガスを導入し、そのガスの圧力により前記飲料容器から飲料案内管(300)を介して注出口(200a)まで飲料を注出する飲料注出装置(1)に適用され、前記飲料案内管が接続されるとともに前記注出口を有する飲料注出用タップ(200)において、前記飲料案内管が接続されるとともに前記注出口が設けられ、前記注出口が開く開位置と前記注出口が閉じる閉位置との間で操作可能なバルブ部材(202)と、前記バルブ部材が着脱可能に装着されるタップ本体(201)と、を備え、前記バルブ部材には、発泡性を有する飲料を泡状に形成する泡形成部(228a)が設けられ、前記開位置として、前記注出口から発泡性を有する飲料が液体のまま注出される注出位置と、前記注出口から前記泡形成部で泡状に形成された飲料が注出される泡出し位置とが設けられていることにより、上述した課題を解決する。
【0015】
本発明の飲料注出用タップによれば、バルブ部材をタップ本体から取り外すことができるので、メンテナンス時にバルブ部材を容易に洗浄したり交換したりすることができる。そのため、メンテナンスの手間を軽減することができる。また、本発明の飲料注出用タップでは、バルブ部材を泡出し位置に操作することにより、ビールや発泡酒などの発泡性を有する飲料を容易に泡状にして注出することができる。
【0016】
本発明の飲料注出用タップの一形態において、前記タップ本体には、操作ハンドル(237)と、前記操作ハンドルと連動して動作し、装着された前記バルブ部材を前記閉位置と前記開位置との間で操作する操作機構(238)と、が設けられていてもよい。この場合、バルブ部材は、飲料の注出及びその停止を切り替え可能なバルブとしての機能のみを有していればよいため、バルブ部材の構造を簡略化し、その製造コストを抑えることができる。
【0017】
本発明の飲料注出用タップの一形態において、前記バルブ部材は、外筒(203)と、前記外筒と同軸に設けられるとともに前記外筒に対して軸線方向に相対移動可能な内筒(204)と、を備え、かつ前記内筒と前記外筒とが軸線方向に相対移動することにより前記閉位置と前記開位置とに切り替わり、前記外筒に対する前記内筒の位置が前記閉位置で固定されるように前記外筒に前記内筒を係合させるロック機構(213a、222)をさらに備えていてもよい。この場合、ロック機構で内筒と外筒とを係合させておくことにより、弁操作部材をタップ本体に装着する前に誤って弁操作部材に飲料が導入されても注出口から飲料が排出されることを防止できる。
【0018】
この形態において、前記タップ本体には、前記バルブ部材が装着されたときに前記ロック機構による前記外筒と前記内筒との係合を解除するロック解除手段(243b)が設けられていてもよい。この場合、ロック機構によって内筒と外筒とが係合した状態でバルブ部材がタップ本体に装着されることを防止できる。
【0019】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0020】
以上に説明したように、本発明の飲料注出装置によれば、弁操作部材をヘッド本体から取り外したり、バルブ部材をタップ本体から取り外すことができるので、メンテナンス時にこれら飲料が流れる部分を容易に洗浄したり交換したりすることができる。そのため、メンテナンスの手間を軽減することができる。本発明の飲料注出用タップでは、バルブ部材をタップ本体から取り外すことができるので、本発明の飲料注出装置と同様にメンテナンスの手間を軽減できる。さらに本発明の飲料注出用タップでは、バルブ部材を泡出し位置に操作することにより、ビールや発泡酒などの発泡性を有する飲料を容易に泡状にして注出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の一形態に係る飲料注出装置を示している。この飲料注出装置1は、飲料容器としてのビール樽10にボンベBから減圧弁Rを介してガス(例えば炭酸ガス)を導入し、そのガスの圧力でビール樽10内の飲料を取り出すものである。ビール樽10は、製造工場で製造したビールや発泡酒などの飲料を料飲店などに流通させるための周知のものである。飲料注出装置1は、ビール樽10を収容可能かつ冷却可能な樽冷蔵庫2と、ビール樽10の口金部11に装着されてビール樽10から飲料を取り出すディスペンスヘッド100と、ビール樽10から取り出された飲料を注出する注出口200aを有し、その注出口200aの開閉をユーザが操作可能なタップ200と、ディスペンスヘッド100とタップ200とを接続する飲料案内管としてのビールホース300とを備えている。樽冷蔵庫2には、その内部へのビール樽10の出し入れが可能なように扉2aが設けられている。また、樽冷蔵庫2の壁面には、ボンベBからディスペンスヘッド100にガスを導くためのガスホース3を通すための不図示の貫通孔が設けられている。
【0022】
まず、ディスペンスヘッド100について説明する。図2は、ディスペンスヘッド100の斜視図を示している。図2に示したようにディスペンスヘッド100はビール樽10の口金部11に装着され、口金部11に設けられているスピアバルブ12のメインシールパッキン15を操作して口金部11を開閉する。図3及び図4はスピアバルブ12の要部を拡大して示した図である。なお、図3は閉弁状態のスピアバルブ12を示し、図4は開弁状態のスピアバルブ12を示している。図3及び図4において一部の構成要素に関しては、中心線(以下、軸線と称することもある。)CLよりも右側において外観を、左側において断面をそれぞれ示している。
【0023】
スピアバルブ12は、ビール樽10の開口部10aにねじ込まれるバルブケース13と、上端部がバルブケース13の中心部に挿通された飲料注出管14と、飲料注出管14の上端外周に嵌め合わされるメインシールパッキン15と、そのメインシールパッキン15をバルブケース13のフランジ13aの内周の弁座13bに押し当てるコイルばね16とを有している。図3に示すように、メインシールパッキン15が弁座13bに押し付けられた閉弁状態ではバルブケース13内のガス流路17がビール樽10の外部に対して閉鎖され、かつ飲料注出管14の上端の開口14aもメインシールパッキン15にて閉鎖される。一方、図4に示すようにコイルばね16に抗してメインシールパッキン15が押し下げられた開弁状態の場合にはメインシールパッキン15が弁座13bから離れてガス流路17がビール樽10の外部に開放され、かつ飲料注出管14の開口14aもメインシールパッキン15の上方に露出する。なお、ガス流路17はバルブケース13の下端の開口13cを介してビール樽10の内部空間と連通している。
【0024】
ディスペンスヘッド100は、このスピアバルブ12のメインシールパッキン15を覆うように口金部11に装着される。図5は、ディスペンスヘッド100の断面図を示している。また、図6は口金部101に装着した状態のディスペンスヘッド100の内部構成を示し、図7は飲料注出時におけるディスペンスヘッド100の内部構成を示している。なお、図6及び図7では、スピアバルブ12の一部の図示を省略している。図5に示したようにディスペンスヘッド100は、ヘッド本体101と、ヘッド本体101に着脱可能に取り付けられる弁操作部材としての挿入ディスク102とを備えている。ヘッド本体101は、ハウジング103と、ハウジング103に昇降可能に設けられるプランジャ104と、プランジャ104を操作するプランジャ操作手段としての操作ハンドル105とを備えている。
【0025】
ハウジング103の内部には、挿入ディスク102が取り付けられる装着部106と、プランジャ104が挿入される挿入孔107とが設けられている。装着部106は、ハウジング103の中心線CL上に形成される。挿入孔107は、その一端が装着部106の上面に開口し、かつ装着部106と同軸になるように形成されている。図5に示したように装着部106は、挿入ディスク102が取り付けられた場合に挿入ディスク102のカバー部121が嵌る嵌合部106aと、嵌合部106aの下方に設けられて挿入ディスク102のボディパッキン122が配置される大径部106bと、嵌合部106aの上方に設けられ、挿入孔107に近付くに伴って漸次内径が小さくなる傾斜部106cとを備えている。
【0026】
嵌合部106aと傾斜部106cとの境界には、段差部106dが設けられている。この段差部106dは、装着部106に挿入ディスク102が取り付けられたときにカバー部121の上端が接触し、かつボディパッキン122の下端が装着部106から若干下方に出る位置に設けられている。また、装着部106の側面には、外部に開口する複数(例えば2つ)の開口部106eが設けられている。これらの開口部106eは、挿入ディスク102から延びるビールホース300を通すためのものであり、互いに異なる方向を向くように設けられている。挿入孔107の下部には、挿入ディスク102の上端に設けられている係合爪123が噛み合う溝107aが全周に亘って設けられている。ハウジング103の下端外周にはバルブ嵌合部108が設けられている。そのバルブ嵌合部108をスピアバルブ12のフランジ13aの外周と噛み合わせることにより、図6に示したようにヘッド本体101がメインシールパッキン15を覆うように口金部11に装着される。
【0027】
図5に示したようにプランジャ104は、その中心線CLを貫くガス流路109が内部に設けられた中空部材として構成されている。プランジャ104は、例えば合成樹脂やフッ素樹脂などで形成される。プランジャ104の下端には挿入部104aが設けられ、挿入部104aの外周にはOリング110が設けられている。挿入部104aは、装着部106内に突出しており、挿入ディスク102の上面に設けられている嵌合穴124に嵌る。挿入部104aの下面には、ガス流路109と連通するようにガス流路109の周囲に形成されて内側に凹む凹部104bが設けられている。プランジャ104の外周面には、操作ハンドル105の作用部115と噛み合う係合溝104cが設けられている。ガス流路109の下端には絞り部109aが設けられ、ガス流路109の上端にはガスホース3(図1参照)の一端が接続される接続具111が設けられている。なお、ガスホース3の他端は減圧弁Rに接続されている。ガス流路109内には、外径がガス流路109の内径よりも若干小さい弁体112が設けられている。弁体112は、絞り部109a側の先端112aが絞り部109aの傾斜面と同じ角度で漸次細くなるように形成されている。そのため、弁体112が絞り部109aに嵌ることにより、弁体112にて絞り部109aを閉じてガス流路109を閉塞させることができる。また、この先端112aは、弁体112が絞り部109aに嵌った状態においてプランジャ104の下端から外に突出するように形成されている。
【0028】
プランジャ104は、図7に示したように装着部106内に突出する開放位置と、図6に示したように開放位置よりも上方に移動した閉鎖位置との間で移動可能なようにハウジング103に設けられている。図7に示したようにプランジャ104は、開放位置において挿入ディスク102を下方に押し出し、これによりメインシールパッキン15を下方に押し込んでスピアバルブ12を開弁させる。一方、図6に示したようにプランジャ104は、閉鎖位置において挿入ディスク102がメインシールパッキン15から離れるように上方に移動し、これによりスピアバルブ12を閉弁させる。
【0029】
操作ハンドル105は、その一端に設けられた支軸113と、他端に設けられたハンドル部114と、支軸113とハンドル部114との間に設けられた作用部115とを備えている。支軸113はハウジング103に回転自在に支持されている。そのため、操作ハンドル105は、支軸113を中心として上下方向に揺動可能なようにハウジング103に支持される。操作ハンドル105は、ハンドル部114が支軸113とはプランジャ104を挟んで反対の側に位置し、かつ作用部115がプランジャ104の係合溝104cと噛み合うようにハウジング103に取り付けられる。このように作用部115とプランジャ104の係合溝104cとを噛み合わせることにより、操作ハンドル105の上下方向への揺動に伴ってプランジャ104を開放位置と閉鎖位置との間で操作することができる。操作ハンドル105が図6に示した位置に操作されるとプランジャ104が閉鎖位置に移動し、図7に示した位置に操作されるとプランジャ104が開放位置に移動するので、図6の操作ハンドル105の位置を閉鎖位置と称し、図7の操作ハンドル105の位置を開放位置と称することがある。
【0030】
図2に示したようにハンドル部114と対向するハウジング103の外面には、操作ハンドル105を開放位置に保持するための保持部103aが設けられている。また、ハンドル部114には、この保持部103aと噛み合う突出部114a(図6参照)が設けられている。この突出部114aはハンドル部114内に後退可能なように設けられており、ハンドル部114内には突出部114aをハンドル部114から突出させる方向に付勢する不図示のバネが設けられている。そのため、突出部114aは、ハンドル部114が操作されるとハウジング103の外面の形状に従ってハンドル部114内に後退したり、ハンドル部114から突出したりする。ハンドル部114が図6に示した閉鎖位置から下方に操作されると、突出部114aはハウジング103の外面の形状に従って一旦ハンドル部114内に後退し、その後不図示のバネにて付勢されて保持部103aに嵌る。このように突出部114aが保持部103aと噛み合うことにより、操作ハンドル105が開放位置に保持される。ハンドル部114を図7に示した開放位置から上方に操作した場合も、同様にハウジング103の外面の形状に従って突出部114aがハンドル部114内に後退するので、これにより突出部114aと保持部103aとの噛み合いを解除することができる。そのため、操作ハンドル105を開放位置から閉鎖位置に操作することができる。
【0031】
図5、図8及び図9を参照して挿入ディスク102について説明する。図8は挿入ディスク102の斜視図を示し、図9は挿入ディスク102の分解図を示している。なお、図8では構成要素の一部を断面で示す。図9に示したように挿入ディスク102は、操作部材120と、操作部材120の外側に設けられる外筒部としての円筒状のカバー部121と、カバー部121の下端に取り付けられるボディパッキン122とを備えている。カバー部121は、操作部材120がカバー部121に対して軸線CL方向に移動可能なように操作部材120を支持している。ボディパッキン122は、ディスペンスヘッド100をスピアバルブ12に取り付けた状態でスピアバルブ12のフランジ13aと全周に亘って密着するようにカバー部121に取り付けられている。
【0032】
まず、操作部材120について説明する。操作部材120の上面からは上方に向かって円筒状の係合爪123が延びている。係合爪123は、その外径がヘッド本体101の挿入孔107の内径とほぼ同じになるように形成されている。また、係合爪123は、挿入ディスク102がヘッド本体101の装着部106に装着された場合に挿入孔107の溝107aと噛み合う。これによりヘッド本体101に挿入ディスク102を同軸に取り付けることができるとともに、ヘッド本体101に挿入ディスク102を保持させることができる。係合爪123の内側には、下方に凹む嵌合穴124が設けられている。嵌合穴124は、その直径がプランジャ104の挿入部104aの直径よりも大きく、かつOリング110の外径よりも小さくなるように形成されている。嵌合穴124の深さは、操作ハンドル105が閉鎖位置の場合にプランジャ104に設けられている弁体112の先端112aが嵌合穴124の底面124aと接触せず、かつ操作ハンドル105が開放位置に切り替えられるとプランジャ104の下端が底面124aと接触するように設定される。
【0033】
操作部材120の下端には、円筒状の操作部125が設けられている。操作部材120の側面には、ビールホース300が接続される接続具126及びフランジ127(図8参照)が設けられている。接続具126は、その出口が操作部材120の側面から斜め上方を向くように傾いて設けられている。フランジ127は、接続具126よりも下方にリング状に設けられ、側面から全周に亘って半径方向外側に突出している。フランジ127には、パッキン部材としてのサイドパッキン128が取り付けられている。
【0034】
サイドパッキン128は、フランジ127に嵌め込まれるリング部128aと、リング部128aから下方に延びる円筒状の円筒部128bと、リング部128aから下方に向かって外側に漸次広がるスカート部128cとを備えている。サイドパッキン128は、リング部128aにてフランジ127に取り付けられている。そのため、円筒部128bは内側から力が作用すると外側に広がる。操作部125の内径は飲料注出管14の上端部の外径よりも大きく設定されている。操作部125の外径は、メインシールパッキン15の内径よりも大きくかつメインシールパッキン15の外径よりも小さく設定されている。より詳しくは、図7に示したように操作部125がメインシールパッキン15を押し下げた状態において操作部125とバルブケース13との間にサイドパッキン128が挿入され、かつサイドパッキン128の円筒部128bが外側に広がって操作部125から離れることが可能な程度の隙間が操作部125とバルブケース13との間に設けられるように操作部125の外径が設定される。スカート部128cは、カバー部121の内面と接触し、操作部材120とカバー部121との間に形成される空間のうちフランジ127より上側の空間とフランジ127より下側の空間とを区切る。
【0035】
図5に示したように操作部材120の内部には、内部流路としての飲料通路129及びガス通路130が設けられている。飲料通路129は、一端が操作部125の内部空間に開口している。一方、飲料通路129の他端には接続具126が設けられている。飲料通路129は、操作部125の内部空間から中心線CL上を上方に延びる第1区間129aと、その第1区間129aから接続具126に向かって延びる第2区間129bとを備えている。第1区間129aは、内部容積が小さくなるように上方に向かうほど直径が漸次小さくなるように形成されている。第1区間129aと第2区間129bとは、接続具126が設けられている高さよりも低い位置で接続されている。そのため、第2区間129bは、斜め上方に延びるように形成される。
【0036】
ガス通路130は、一端130aが嵌合穴124の底面124aに開口し、他端130bが操作部材120の側面に開口するように形成されている。ガス通路130の一端130aは、挿入ディスク102がヘッド本体101に装着されたときに中心軸CLから外れた位置であり、かつプランジャ104の下端に設けられた凹部104bと対向するように設けられている。ガス通路130の他端130bは、フランジ127よりも下方において操作部材120の側面に開口している。サイドパッキン128の円筒部128bはその他端130bを覆うように設けられている。上述したように円筒部128bは内側から力が作用すると外側に広がる。一方、外側から力が作用すると操作部材120の側面に密着する。すなわち、円筒部128bは、ガス通路130の他端130bから外部へのガスの流出は許容し、外部から他端130bを介してガス通路130にガスや飲料が流入することは阻止する逆止弁として機能する。
【0037】
カバー部121は操作部材120と同軸になるように操作部材120に取り付けられている。カバー部121の外径は、装着部106の嵌合部106aにゆるみばめで嵌るように設定されている。カバー部121の側面には、外部に開口する開口部121aが設けられている。この開口部121aは、操作部材120の接続具126をカバー部121の外に出すためのものである。開口部121aの両側には、外側に向かって突出する一対のガイド部131が設けられている。これらガイド部131は、外側の幅がハウジング103に設けられている開口部106eの幅と同じになるように設けられている。そのため、これら一対のガイド部131がヘッド本体101の開口部106eに挿入されるように挿入ディスク102をヘッド本体101に取り付けることにより、ヘッド本体101に対する挿入ディスク102の位置合わせを容易に行うことができる。
【0038】
カバー部121の上端には、全周に亘って径方向内側に突出するガイドカラー132が設けられている。ガイドカラー132の内径は、フランジ127より上方の操作部材120がガイドカラー132の内側にゆるみばめで嵌るように設定されている。操作部材120は、このガイドカラー132及びサイドパッキン128のスカート部128cによって軸線CL方向に沿って移動可能なようにカバー部121に支持される。カバー部121は、その高さが操作部材120の高さより低く設定されている。この高さの差は、挿入ディスク102を装着部106に装着した場合に操作部材120の下端とカバー部121の下端とをほぼ揃えた状態でカバー部121の上端が装着部106の段差部106dと接触し、かつ操作部材120の係合爪123が挿入孔107の溝107aに噛み合うように設定される。カバー部121の下端には径方向外側に突出するフランジ133が設けられており、ボディパッキン122はこのフランジ133に取り付けられている。カバー部121の内部には、操作部材120が操作部材120の下端とカバー部121の下端とがほぼ揃う位置から上に移動することを防止するための段差134(図8参照)が設けられている。そして、この段差134及びボディパッキン122によって操作部材120がカバー部121から脱落することを防止している。
【0039】
次に図10〜図15を参照してタップ200について説明する。図10はタップ200の内部構成を示し、図11は図10の矢印XI方向から見たタップ200の内部構成を示している。タップ200は、樽冷蔵庫2の扉2aに取り付けられるタップ本体としてのタッピングユニット201と、タッピングユニット201に装着されるバルブ部材としてのタッピングバルブ202とを備えている。まず、図12〜図15を参照してタッピングバルブ202について説明する。図12は、タッピングバルブ202を拡大して示した図であり、図13はタッピングバルブ202を分解して示す図である。なお、図12では構成要素の一部を断面で示す。また、図14は、タッピングバルブ202の断面を示している。
【0040】
タッピングバルブ202は、注出口200aから飲料が注出される開位置と、飲料の注出が停止される閉位置との間で操作することができる。また、タッピングバルブ202では、開位置として、注出口200aから飲料が注出される注出位置と、ビールや発泡酒などの発泡飲料を泡状にして注出可能な泡出し位置とが設定される。図15は、これらの位置に切り替えられたときのタッピングバルブ202を示している。なお、図15の最も左側の図(以下、左図と称する。)が閉位置に切り替えられたタッピングバルブ202を示し、図15の中央の図(以下、中央図と称する。)が注出位置に切り替えられたタッピングバルブ202を示している。また、図15の最も右側の図(以下、右図と称する。)が泡出し位置に切り替えられたタッピングバルブ202を示している。
【0041】
タッピングバルブ202は、外筒203と、一部が外筒203内に挿入される内筒204と、内筒204内に設けられる弁体205とを備えている。外筒203は、円筒状の中空部材として構成され、飲料を注出口200aに導く注出筒部206と、注出筒部206の上部に設けられて内筒204の下部が挿入されるガイド部207とを備えている。ガイド部207の下端には、内部に突出する4枚のフィン208が設けられている。これら4枚のフィン208は、同じ形状を有するとともに同じ高さに配置され、かつ半径方向内側に突出している。また、4枚のフィン208は、周方向に等間隔で設けられている。そして、図12に示したようにこれら4枚のフィン208は、それらの半径方向内側の先端にて弁体205の下端を支持するように設けられている。
【0042】
図13に示したようにガイド部207は、内径が内筒204の出口筒部219の外径と同じ嵌合部209と、内径が内筒204の胴部218の外径と同じ大径部210とを備えている。嵌合部209の外周面には、半径方向外側に突出する一対の操作部211が設けられている。これら一対の操作部211は、中心線(以下、軸線と称することもある。)CLを挟んで左右に対称に設けられている。また、嵌合部209には、その側面を半径方向に貫通する貫通孔212が設けられている。貫通孔212は、タッピングバルブ202が閉位置のときに内筒204の下端よりも下方に位置するように設けられる。
【0043】
大径部210には、その上端から下方に延びる4本のガイド溝213が設けられている。図12に示したように各ガイド溝213には、内筒204のロック爪222が挿入される。各ガイド溝213は、中心線CLに沿って下方に延びるように形成され、周方向に等間隔で配置されている。これらのガイド溝213は、フィン208に支持されている弁体205の上部が内筒204の内面と接触する位置まで内筒204が外筒203に挿入可能なように形成されている。これら4本のガイド溝213のうち対向する一対のガイド溝213は、周方向において操作部211が設けられている位置と同じ位置に設けられる。また、各ガイド溝213の上端には、周方向に延びるロック溝213aがそれぞれ設けられている。図13に示したように各ロック溝213aは、同じ方向に延びている。これらロック溝213aには、外筒203に対して内筒204を相対回転させたときに内筒204のロック爪222が嵌る。これにより、内筒204の軸線CL方向への移動が禁止される。そして、ロック溝213aは、タッピングバルブ202が閉位置に保持された状態において内筒204の軸線CL方向への移動が禁止されるように設けられている。そのため、ロック溝213a及びロック爪222が本発明のロック機構に相当する。以下、このようにロック爪222をロック溝213aに嵌めた状態をロック状態と称することがある。
【0044】
図13に示したように内筒204は、外筒203内に挿入される挿入部214と、挿入部214の上部に取り付けられる栓部215と、栓部215の外周面に装着されて挿入部214と栓部215との間に挟み込まれるOリング216とを備えている。栓部215の下端には雄ねじ部215aが設けられており、この雄ねじ部215aが挿入部214の上端に設けられている雌ねじ部214aにねじ込まれることにより栓部215が挿入部214に取り付けられる。内筒204の内部には、中心線CLを貫く飲料流路217が設けられている。
【0045】
挿入部214は、外筒203の大径部210に挿入される胴部218と、胴部218の下端から下方に延びて嵌合部209に挿入される出口筒部219とを備えている。図14に示したように出口筒部219は、その厚さが下方に向かうほど漸次薄くなる。胴部218の内部には、飲料流路217の一部を形成する通路部220が設けられている。通路部220の下端には、下方に向かうに従って内径が漸次小さくなる絞り部221が設けられている。胴部218の外周面には、半径方向外側に突出する4つのロック爪222が設けられている。これらロック爪222は、同一外周上に周方向に等間隔で設けられている。各ロック爪222の高さは、内筒204を外筒203に挿入したときにその先端が外筒203の外周面より外側に突出するように設定されている。
【0046】
栓部215の外周面には、半径方向外側に突出する第1フランジ223及び第2フランジ224が設けられている。第1フランジ223は、雄ねじ部215aの上端から半径方向外側に突出するように設けられている。第2フランジ224は第1フランジ223の上方に設けられ、第1フランジ223と第2フランジ224との間に係合部225となる空間が形成される。栓部215の上端には、ビールホース300が接続される接続具226が設けられている。栓部215は、その内部に飲料流路217の一部を形成する通路部227が設けられている。通路部227の下端には、下方に向かうに従って内径が漸次大きくなる拡大部228が設けられている。図12に示したように拡大部228の内周面には、発泡飲料を泡状に形成する泡形成部としての泡出し溝228aが複数設けられている。各泡出し溝228aは、拡大部228の上端から下端に向かって延びている。このように挿入部214に絞り部221が設けられ、栓部215に拡大部228が設けられることにより、飲料流路217の流路断面積は内筒204内において拡大部228で一旦拡大し、その後絞り部221で縮小する。
【0047】
図13及び図14に示したように弁体205は、拡大部228と絞り部221との間の飲料流路217に軸線CL方向に移動可能なように設けられている。弁体205は、弁本体229と、弁本体229の下端から下方に延びる突出部230とを備えている。弁本体229と突出部230とは同軸に設けられている。弁本体229の長さには、拡大部228と絞り部221との間の距離よりも短い値が設定される。弁本体229の上部229aは、拡大部228と同じ傾斜を形成するように外径が漸次小さくなっている。また、弁本体229の下部229bは、絞り部221と同じ傾斜を形成するように外径が漸次小さくなっている。この下部229bの外周面は、エラストマーで覆われている。このように下部229bの外周面をエラストマーで覆うことにより、下部229bによる絞り部221のシール性を向上できる。図13に示したように弁本体229の外周面には、半径方向外側に突出する4枚のガイドフィン231が設けられている。これら4枚のガイドフィン231は、周方向に等間隔で設けられている。また、これらのガイドフィン231は、外周面からそれぞれ同じ高さで突出しており、その半径方向外側の端部がそれぞれ胴部218の内周面と接する。
【0048】
図12に示したように突出部230は、根元部232と、根元部232の先端に設けられて外径が根元部232より小さい先端部233とを備えている。外筒203の4枚のフィン208は、これらのフィン208の中央を先端部233のみが下方に通過するように設けられている。そして、弁体205は、このように先端部233が4枚のフィン208の中央を通過し、かつ各ガイドフィン231が胴部218の内周面と接することにより、外筒203及び内筒204に対して同軸のまま軸線CL方向に移動することができる。
【0049】
このタッピングバルブ202によれば、内筒204が外筒203から外れない範囲で外筒203と内筒204とを離すことにより、弁体205の下部229bと絞り部221とを接触させることができる。図15の左図は、このように弁体205の下部229bと絞り部221とが接触した閉位置のタッピングバルブ202を示している。この図に示したようにタッピングバルブ202においては、係合部225の中心と操作部211の中心との距離が距離L1になるように外筒203と内筒204とを離すことにより、弁体205の下部229bと絞り部221とを接触させることができる。また、このように弁体205の下部229bと絞り部221とを接触させた状態においてビールホース300からタッピングバルブ202内に飲料を導入すると弁体205が飲料によって下方に押されるため、下部229bと絞り部221とをより密着させることができる。そのため、この接触した部分で飲料の流れを止め、注出口200aを閉じることができる。なお、この際、絞り部221から注出口200aまでの空間には外筒203に設けられている貫通孔212を介して空気が流入する。そのため、絞り部221以降のこの空間から飲料を速やかに払い出すことができる。
【0050】
弁体205は、その突出部230が外筒203のフィン208に支持されているため、この位置より下方には移動しない。そのため、この閉位置の状態から外筒203内に内筒204を挿入することにより弁体205の下部229bを絞り部221から離すことができる。図15の中央図は、内筒204を外筒203内に挿入し、弁体205を内筒204から離した状態のタッピングバルブ202を示している。この図に示したようにタッピングバルブ202においては、係合部225の中心と操作部211の中心との距離が距離L2になるまで外筒203内に内筒204を挿入することにより、弁体205を内筒204の拡大部228及び絞り部221の両方から離すことができる。この場合、弁体205と内筒204との間の形成された隙間を介して飲料が注出筒部206に導かれる。そのため、注出口200aから飲料を注出することができる。
【0051】
そして、この図15の中央図に示した状態からさらに内筒204を外筒203内に挿入すると弁体205の上部229aが拡大部228に接触する。図15の右図に示したようにこのタッピングバルブ202においては、係合部225の中心と操作部211の中心との距離が距離L3になるまで外筒203内に内筒204を挿入することにより、弁体205の上部229aと拡大部228とを接触させることができる。上述したように拡大部228の内周面には泡出し溝228aが設けられているため、飲料はこの泡出し溝228aを通過する。そのため、この状態では飲料を泡状にして注出口200aから注出することができる。
【0052】
図10及び図11に戻ってタッピングユニット201について説明する。タッピングユニット201は、樽冷蔵庫2の扉2aに固定される取付治具234と、その取付治具234に引っ掛けられることにより扉2aに取り付けられる装置本体235とを備えている。図10に示したように扉2aには樽冷蔵庫2内に通じる孔2bが開口しており、取付治具234はその孔2bの周囲に配置されるように扉2aに取り付けられている。
【0053】
装置本体235は、ケース236と、ケース236に回転可能に支持されてユーザに操作される操作ハンドル237と、操作ハンドル237と連動して動き、装着されたタッピングバルブ202を閉位置、注出位置、及び泡出し位置に操作する操作機構238とを備えている。ケース236は、正面からタッピングバルブ202を装着可能なように開閉可能な蓋236aを備えている。なお、図10は、蓋236aを開けた状態を示している。操作ハンドル237は、ケース236に回転自在に支持された回転軸239と、回転軸239の一端に設けられるハンドル部240とを備えている。図11に示したように操作ハンドル237は、停止位置P1と、その停止位置P1から図11の右側(以降、手前側と称することがある。)に倒した注出位置P2と、停止位置P1から図11の左側(以降、奥側と称することがある。)に倒した泡出し位置P3とに操作可能なようにケース236に設けられている。
【0054】
操作機構238は、一対のベースプレート241と、ベースプレート241に固定される第1支持プレート242及び第2支持プレート243と、ケース236に固定されてタッピングバルブ202の内筒204を支持する固定プレート244とを備えている。ベースプレート241には、図11に示したようにタッピングバルブ202の中心線CLに沿って延びるガイド孔241aが設けられている。そして、このガイド孔241a内にはケース236に取り付けられたガイド部材236bが配置される。そのため、ベースプレート241は、図11に矢印U及び矢印Dで示した方向、すなわちタッピングバルブ202の軸線CL方向に移動可能なようにケース236に支持される。上述したように第1支持プレート242及び第2支持プレート243はベースプレート241に固定されているので、これらの支持プレート242、243もベースプレート241とともに移動する。
【0055】
図10に示したように第1支持プレート242及び第2支持プレート243には、タッピングバルブ202の操作部211が嵌る第1凹部242a、243aが設けられている。また、第2支持プレート243には、タッピングバルブ202のロック爪222が嵌る第2凹部243bが設けられている。この第2凹部243bは、ロック状態のタッピングバルブ202が装着された場合にロック爪222を手前側に押してロック溝213aからロック爪222が外れるように設けられている。そのため、第2凹部243bが本発明のロック解除手段に相当する。固定プレート244には、タッピングバルブ202がタッピングユニット201に装着されたときにタッピングバルブ202の係合部225に挿入される係合爪244aが設けられている。ベースプレート241は、図11に示した下端位置にある場合に係合爪244aと第1凹部242a、243aの中心との距離L(図10参照)が図15の左図に示した距離L1となるようにケース236に取り付けられている。すなわち、ベースプレート241が図11に示した下端位置にある場合は、装着されているタッピングバルブ202が閉位置に切り替えられる。そのため、以降では係合爪244aと第1凹部242a、243aの中心との距離Lが距離L1になるベースプレート241の位置を閉位置と称することがある。
【0056】
操作機構238は、操作ハンドル237の回転運動をベースプレート241の昇降運動に変換するためのカム機構245を備えている。図11に示したようにカム機構245は、操作ハンドル237の回転軸239に取り付けられてこの回転軸239と一体に回転する回転プレート246と、回転プレート246に設けられる第1カムフォロア247及び第2カムフォロア248とを備えている。この図に示したように回転プレート246は、中心から上方かつ奥側に延びる第1アーム246aと、中心から上方かつ手前側に延びる第2アーム246bとを備えている。そして、第1アーム246aの先端に第1カムフォロア247が設けられ、第2アーム246bの先端に第2カムフォロア248が設けられている。第1アーム246a及び第2アーム246bは、ベースプレート241が閉位置にあるときに第1カムフォロア247及び第2カムフォロア248の両方が接するように設けられている。そして、回転プレート246は、このように第1カムフォロア247及び第2カムフォロア248の両方がベースプレート241に接した状態のときに操作ハンドル237が閉位置P1になるように回転軸239に取り付けられている。このようにベースプレート241を回転軸239に取り付けることにより、ベースプレート241が閉位置にあるときに操作ハンドル237を閉位置P1に移動させることができる。
【0057】
ベースプレート241には、第1カムフォロア247が接するカム面249が設けられている。カム面249は、回転軸239が図11の矢印R方向に回転して第1カムフォロア247が回転軸239を中心に回転した場合に第1カムフォロア247が回転プレート246を図11の矢印U方向に押し上げるように設けられている。また、カム面249の形状及び第1アーム246aの長さは、操作ハンドル237が図11の注出位置P2に操作された場合に係合爪244aと第1凹部242a、243aの中心との距離Lが図15の中央図に示した距離L2になるように設定される。これにより、操作ハンドル237が注出位置P2に操作された場合に係合爪244aと第1凹部242a、243aの中心との距離Lを距離L2にして装着されているタッピングバルブ202を注出位置に切り替えることができる。以降、係合爪244aと第1凹部242a、243aの中心との距離Lが距離L2になるベースプレート241の位置を注出位置と称することがある。なお、カム面249には、操作ハンドル237が閉位置P1の場合に第1カムフォロア247が接する位置及び操作ハンドル237が注出位置P2の場合に第1カムフォロア247が接する位置にそれぞれ凹部249a、249bが設けられている。そのため、ユーザが操作ハンドル237を閉位置P1や注出位置P2に操作したときにクリック感を生じさせることができる。
【0058】
図11に示したように第2アーム246bは、第2カムフォロア248がベースプレート241の下端部241bと接触するように設けられている。そのため、操作ハンドル237が奥側に倒されて回転軸239が図11の矢印L方向に回転した場合、第2カムフォロア248にてベースプレート241を図11の矢印U方向に押し上げることができる。第2アーム246bの長さは、操作ハンドル237が泡出し位置P3に操作された場合に係合爪244aと第1凹部242a、243aの中心との距離Lが図15の右図に示した距離L3になるように設定される。これにより、操作ハンドル237が泡出し位置P3に操作された場合に係合爪244aと第1凹部242a、243aの中心との距離Lを距離L3にして装着されているタッピングバルブ202を泡出し位置に切り替えることができる。以降、係合爪244aと第1凹部242a、243aの中心との距離Lが距離L3になるベースプレート241の位置を泡出し位置と称することがある。
【0059】
また、操作機構238は、ベースプレート241が閉位置に移動するようにベースプレート241を図11の矢印D方向に付勢する不図示のスプリングを備えている。そのため、ユーザが操作ハンドル237から手を離すとこのスプリングによってベースプレート241が閉位置に駆動され、タッピングバルブ202が閉位置P1に切り替えられる。これにより、操作ハンドル237が操作されていない場合はタッピングバルブ202を閉位置に切り替えることができる。
【0060】
飲料注出装置1においては、挿入ディスク102と、タッピングバルブ202と、ビールホース300とが一体に交換可能なように接続されている。ビールホース300の一端は、挿入ディスク102の接続具126に差し込まれた後、超音波にて部分溶着されている。また、ビールホース300の他端も同様に、タッピングバルブ202の接続具226に差し込まれた後、超音波にて部分溶着されている。このようにビールホース300の両端がそれぞれの接続具126、226と部分溶着されることにより、挿入ディスク102、タッピングバルブ202、及びビールホース300が一体化されている。そのため、これらの部分が本発明の交換ユニットに相当する。
【0061】
次に図5〜図7、図10及び図11を参照して飲料注出装置1を飲料の注出が可能な状態にセットするまでの準備手順を説明する。まず、図5〜図7を参照してビール樽10へのディスペンスヘッド100の装着方法について説明する。ディスペンスヘッド100は、図5に示した状態で口金部11に装着される。そのため、まず挿入ディスク102がヘッド本体101に取り付けられる。挿入ディスク102の取り付けを行う場合、ヘッド本体101においてはプランジャ104が閉鎖位置に移動するように操作ハンドル105が上方に操作される。この操作により、挿入ディスク102の取り付け時に挿入ディスク102がプランジャ104の下端と当たることを防止できる。挿入ディスク102は、係合爪123を上にしてヘッド本体101の下方から装着部106に取り付けられる。この取り付け時、挿入ディスク102の一対のガイド部131は、ヘッド本体101の開口部106eに挿入される。なお、複数の開口部106eのうちのいずれに挿入するかはビール樽10が置かれている場所などに応じて適宜決めればよい。その後、挿入ディスク102は、係合爪123が挿入孔107の溝107aと噛み合うまでヘッド本体101内に押し込まれる。そして、係合爪123が溝107aに噛み合うことにより、ヘッド本体101への挿入ディスク102の取り付けが完了する。
【0062】
その後、ディスペンスヘッド100は口金部11に装着される。この際、まず図6に示したようにディスペンスヘッド100のバルブ嵌合部108がスペアバルブ12のフランジ13aに噛み合わされる。次に、図7に示したようにプランジャ104が開放位置に移動するように操作ハンドル105が下方に押し込まれる。操作ハンドル105のこの操作によってプランジャ104が操作部材120を下方に押し、係合爪123と溝107aとの噛み合いが解除されて操作部材120がヘッド本体101よりも下方に押し出される。これにより、スピアバルブ12のメインシールパッキン15が操作部材120の操作部125によって内部に押し込まれる。そのため、飲料注出管14の開口14aがメインシールパッキン15の上方に露出し、飲料注出管14と操作部125の内部空間とが連通される。また、このように操作ハンドル105が開放位置に操作されるとプランジャ104の下端が嵌合穴124の底面124aと接触し、これにより弁体112が上方に押し上げられてガス流路109の下端が開放される。そのため、プランジャ104のガス流路109と操作部材120のガス通路130とが連通される。また、操作部125がメインシールパッキン15を押し込んだことにより、操作部材120とカバー部121との間の空間のうちフランジ127より下側の空間とスピアバルブ12のガス流路17とが連通される。
【0063】
この状態においてボンベBからガス流路109にガスが導入されると、そのガスはガス流路109を介してガス通路130に導かれる。ガス通路130のガスは、サイドパッキン128を外側に押し広げて操作部材120とカバー部121との間の空間に流入し、その後ガス流路17を介してビール樽10の内部に流入する。そして、このガスによってビール樽10内の飲料が飲料注出管14から押し出される。上述したように図7の状態では、飲料注出管14と操作部125の内部空間とが連通しているので、飲料注出管14から押し出された飲料を操作部125の内部空間から飲料通路129及びビールホース300を介してタップ200に送り込むことができる。
【0064】
次に図10及び図11を参照してタッピングユニット201にタッピングバルブ202を装着する方法について説明する。タッピングユニット201にタッピングバルブ202を装着する場合、まずケース236の蓋236aを開ける。その後、タッピングバルブ202を操作機構238に装着する。この場合、タッピングバルブ202はロック状態又は閉位置で装着される。なお、ロック状態で装着された場合は第2凹部243bにてそのロック状態が解除されて閉位置になる。上述したようにベースプレート241は、操作ハンドル237が操作されていない場合は不図示のスプリングによって閉位置に移動している。そのため、閉位置のタッピングバルブ202を容易に装着することができる。最後に蓋236aを閉めてセットが完了する。そして、この状態においてボンベBからガスをビール樽10に導入し、ユーザが操作ハンドル237を操作することにより、注出口200aから飲料を注出することができる。
【0065】
飲料注出装置1のメンテナンスを行う場合は、まずボンベBからビール樽10へのガスの導入が停止される。続いてビール樽10の口金部11からディスペンスヘッド100が取り外される。ディスペンスヘッド100を口金部11から取り外す場合は、まず操作ハンドル105を閉鎖位置に戻し、その後ディスペンスヘッド100を口金部11から外せばよい。操作ハンドル105を上方に操作することにより、プランジャ104が閉鎖位置に移動するので、操作部材120がスペアバルブ12のコイルバネ16によって上方に押し上げられる。これにより、挿入ディスク102の係合爪123がヘッド本体101の溝107aと再度噛み合う。そのため、口金部11からヘッド本体101と挿入ディスク102とを一体に取り外すことができる。
【0066】
その後、ヘッド本体101から挿入ディスク102が取り外されるとともに、タッピングユニット201からタッピングバルブ202が取り外される。上述したように挿入ディスク102、タッピングバルブ202、及びビールホース300は一体に接続されているので、このように挿入ディスク102及びタッピングバルブ202を取り外すことにより、飲料注出装置1のうち飲料が流れる部分を一体に外すことができる。取り外したこれらの部品は、洗浄して再利用してもよいし、未使用品に交換してもよい。なお、ヘッド本体101から挿入ディスク102を取り外すには、ディスペンスヘッド100を口金部11に装着していない状態で操作ハンドル105を開放位置に操作すればよい。この操作により挿入ディスク102の係合爪123とヘッド本体101の溝107aとの噛み合いが解除されるので、挿入ディスク102をヘッド本体101から容易に取り外すことができる。
【0067】
以上に説明したように、本発明の飲料注出装置1によれば、ビール樽10から取り出された飲料が流れる挿入ディスク102及びタッピングバルブ202をヘッド本体101やタッピングユニット201から取り外すことができる。そのため、メンテナンス時にこれらの部分を容易に洗浄したり交換したりすることができる。また、これら挿入ディスク102及びタッピングバルブ202はビールホース300にて一体に接続されているので、メンテナンス時にこれらの部品を一体で取り外すことができる。従って、メンテナンスの手間を軽減することができる。
【0068】
本発明のタップ200では、タッピングバルブ202が泡出し位置に操作された場合、飲料は泡出し溝228aを通過する。そのため、ビールや発泡酒などの発泡性を有する飲料を容易に泡状にして注出することができる。また、一般に飲料注出用タップでは、注出が停止される停止位置から手前に倒すことによって液体の飲料が注出され、停止位置から奥に倒すことによって泡状の飲料が注出される。本発明のタップ200においても操作ハンドル237を同様に操作することで液体の飲料や泡状の飲料を注出することができるので、ユーザによる誤操作を抑制することができる。
【0069】
本発明のタップ200では、ロック状態にすることでタッピングバルブ202を閉位置に保持することができるので、このロック状態にしておくことによりタッピングバルブ202をタッピングユニット201に装着する前に誤って飲料をタッピングバルブ202に導入しても注出口200aから飲料が排出されることを防止できる。また、タッピングユニット201には、タッピングバルブ202が装着されたときにこのロック状態を解除する第2凹部243bが設けられているので、タッピングバルブ202がロック状態でタッピングユニット201に装着されることを防止できる。
【0070】
本発明は上述した形態に限定されることなく種々の形態にて実施してよい。例えば、タッピングバルブの構造は、上述した形態の構造に限定されない。タッピングバルブは、飲料が注出されるように注出口が開く開位置と注出口が閉じる閉位置とに切り替え可能、かつタッピングユニットにてこの切り替え操作を行うことが可能なように構成されていればよい。タップが取り付けられる場所は樽冷蔵庫に限定されず、適宜の場所例えば料飲店のカウンターなどに取り付けてもよい。飲料を泡状にするための泡出し溝は、弁体の外面に設けられていてもよい。本発明のタップは、上述した形態のディスペンスヘッドとは異なる構造のディスペンスヘッドと組み合わせて使用されてもよい。この場合も、タップについては飲料が直接接する部分を容易に洗浄したり交換したりすることができるので、メンテナンスの手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一形態に係る飲料注出装置を示す図。
【図2】図1のディスペンスヘッドの斜視図。
【図3】閉弁状態のスピアバルブを示す図。
【図4】開弁状態のスピアバルブを示す図。
【図5】ディスペンスヘッドの断面を示す図。
【図6】ビール樽の口金部に装着した状態のディスペンスヘッドの内部構成を示す図。
【図7】飲料注出時におけるディスペンスヘッドの内部構成を示す図。
【図8】挿入ディスクの斜視図。
【図9】挿入ディスクを分解して示す図。
【図10】タップの内部構成を示す図。
【図11】図10の矢印XI方向から見たタップの内部構成を示す図。
【図12】タッピングバルブを拡大して示す図。
【図13】タッピングバルブを分解して示す図。
【図14】タッピングバルブの断面を示す図。
【図15】閉位置、注出位置、及び泡出し位置におけるタッピングバルブの内部構成を示す図。
【符号の説明】
【0072】
1 飲料注出装置
10 ビール樽(飲料容器)
11 口金部
12 スピアバルブ
13a フランジ
15 メインシールパッキン
100 ディスペンスヘッド
101 ヘッド本体
102 挿入ディスク(弁操作部材)
104 プランジャ
105 操作ハンドル(プランジャ操作手段)
120 操作部材
121 カバー部(外筒部)
129 飲料通路(内部流路)
200 タップ
200a 注出口
201 タッピングユニット(タップ本体)
202 タッピングバルブ(バルブ部材)
203 外筒
204 内筒
213a ロック溝(ロック機構)
222 ロック爪(ロック機構)
228a 泡出し溝(泡形成部)
237 操作ハンドル
238 操作機構
243b 第2凹部(ロック解除手段)
300 ビールホース(飲料案内管)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の口金部に装着可能、かつ前記飲料容器から押し出された飲料を内部流路に導入可能な飲料注出状態と前記内部流路への飲料の導入が禁止される停止状態とに切り替え可能なディスペンスヘッドと、前記内部流路と飲料案内管を介して接続され、注出口を開く開位置と前記注出口を閉じる閉位置とに切り替え可能なタップと、を備えた飲料注出装置において、
前記ディスペンスヘッドは、前記口金部に装着されるヘッド本体と、前記内部流路が設けられて前記ヘッド本体の内部に保持される弁操作部材と、を有し、
前記タップは、前記飲料案内管が接続されるとともに前記注出口が設けられ、前記開位置と前記閉位置との間で操作可能なバルブ部材と、前記バルブ部材が着脱可能に装着されるタップ本体と、を有していることを特徴とする飲料注出装置。
【請求項2】
前記ヘッド本体は、保持している前記弁操作部材が前記口金部に設けられているスピアバルブと対向するように前記口金部に装着され、
前記ヘッド本体には、前記飲料容器内と前記内部流路とが連通するように前記弁操作部材が前記スピアバルブを開弁状態に切り替える開放位置と、前記飲料容器内と前記内部流路との連通が遮断されるように前記弁操作部材が前記スピアバルブから離間する閉鎖位置との間で移動可能なプランジャと、前記プランジャを前記開放位置と前記閉鎖位置との間で操作するプランジャ操作手段と、が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の飲料注出装置。
【請求項3】
前記弁操作部材は、前記内部流路が設けられて前記プランジャに操作される操作部材と、前記操作部材の外周に設けられて前記操作部材をその中心線上を移動可能なように支持する外筒部と、を備えていることを特徴とする請求項2に記載の飲料注出装置。
【請求項4】
前記ヘッド本体は、保持している前記弁操作部材の前記操作部材が前記スピアバルブのメインシールパッキンと対向し、かつ前記外筒部が前記スピアバルブのフランジと対向するように前記口金部に装着され、
前記操作部材と前記外周部との間に形成される空間は、前記飲料容器から飲料を押し出すべく前記ディスペンスヘッドに導入されたガスを前記飲料容器内に導くガス経路の一部となることを特徴とする請求項3に記載の飲料注出装置。
【請求項5】
前記タップは、発泡性を有する飲料を泡状に形成する泡形成部をさらに有し、
前記タップには、前記開位置として、前記注出口から発泡性を有する飲料が液体のまま注出される注出位置と、前記注出口から前記泡形成部で泡状に形成された飲料が注出される泡出し位置とが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料注出装置。
【請求項6】
飲料容器の口金部に装着可能、かつ前記飲料容器から押し出された飲料を内部流路に導入可能な飲料注出状態と前記内部流路への飲料の導入が禁止される停止状態とに切り替え可能であり、前記口金部に装着されるヘッド本体と、前記内部流路が設けられて前記ヘッド本体の内部に保持される弁操作部材と、を有するディスペンスヘッドと、
前記内部流路と飲料案内管を介して接続され、注出口を開く開位置と前記注出口を閉じる閉位置とに切り替え可能であり、前記飲料案内管が接続されるとともに前記注出口が設けられ、前記開位置と前記閉位置との間で操作可能なバルブ部材と、前記バルブ部材が着脱可能に装着されるタップ本体と、を有するタップと、を備えた飲料注出装置に組み込まれる交換ユニットであって、
前記弁操作部材と前記バルブ部材とが前記飲料案内管にて一体化されていることを特徴とする交換ユニット。
【請求項7】
飲料容器内に加圧されたガスを導入し、そのガスの圧力により前記飲料容器から飲料案内管を介して注出口まで飲料を注出する飲料注出装置に適用され、前記飲料案内管が接続されるとともに前記注出口を有する飲料注出用タップにおいて、
前記飲料案内管が接続されるとともに前記注出口が設けられ、前記注出口が開く開位置と前記注出口が閉じる閉位置との間で操作可能なバルブ部材と、前記バルブ部材が着脱可能に装着されるタップ本体と、を備え、
前記バルブ部材には、発泡性を有する飲料を泡状に形成する泡形成部が設けられ、
前記開位置として、前記注出口から発泡性を有する飲料が液体のまま注出される注出位置と、前記注出口から前記泡形成部で泡状に形成された飲料が注出される泡出し位置とが設けられていることを特徴とする飲料注出用タップ。
【請求項8】
前記タップ本体には、操作ハンドルと、前記操作ハンドルと連動して動作し、装着された前記バルブ部材を前記閉位置と前記開位置との間で操作する操作機構と、が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の飲料注出用タップ。
【請求項9】
前記バルブ部材は、外筒と、前記外筒と同軸に設けられるとともに前記外筒に対して軸線方向に相対移動可能な内筒と、を備え、かつ前記内筒と前記外筒とが軸線方向に相対移動することにより前記閉位置と前記開位置とに切り替わり、
前記外筒に対する前記内筒の位置が前記閉位置で固定されるように前記外筒に前記内筒を係合させるロック機構をさらに備えていることを特徴とする請求項7又は8に記載の飲料注出用タップ。
【請求項10】
前記タップ本体には、前記バルブ部材が装着されたときに前記ロック機構による前記外筒と前記内筒との係合を解除するロック解除手段が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の飲料注出用タップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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