説明

飲用容器

【課題】 収納に際しての安定かつ衛生的な積重ね性を実現するとともに、視角によって丸型飲用容器とも角型飲用容器とも見える興趣性に優れた飲用容器を提供する。
【解決手段】 丸型飲用容器を第1基本立体形状と想定し、第1基本立体形状に対して所定の条件を満たす角型飲用容器を第2基本立体形状と想定し、第2基本立体形状から第1基本立体形状に属する部分を除去した立体形状を第3基本立体形状と想定し、第1基本立体形状と第3基本立体形状を一体成形したものに相当する立体形状を製品とする。製品である飲用容器10Dの側面2には、丸型飲用容器としての視覚的特徴と角型飲用容器としての視覚的特徴を呈し、この際に突出状態となる角型飲用容器のアール角部5…が積重ねに際しての受け段として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清涼飲料、アルコール飲料、コーヒ、その他の飲料を飲む際に用いるコップ、紅茶わん、マグカップ、タンブラー等と称される樹脂製、ガラス製、陶磁器製の飲用容器であって、特に、収納時の積重ね特性、水洗い後の積重ね収納時の排水性、視覚的興趣性を改善したものに関する。
【背景技術】
【0002】
飲用容器を含む食器類は、単なる容器としての機能を提供するばかりでなく、その容器の外形デザインを含む視覚的興趣性や手持ち感によって、飲食を楽しむのに適する環境を提供する役割を有し、この意味において、食器類の視覚的興趣性や手持ち感には、他の一般的包装容器もしくは収納容器類とは異なる特有の要望がなされる。
【0003】
また、飲用容器を含む食器類の種類は、飲食品の多様性に対応して極めて多様であり、このため飲食品の提供業者に限らず、一般家庭においても食器棚に収納すべき食器類の数は膨大である。このことから、食器類には、収納時における収納性が良好であることも求められる。
【0004】
食器類の収納性に関して、皿や椀、どんぶりは、簡単に積重ねすることができるのであるが、コップやカップ、マグカップ等の飲用容器においては、積重ねることによって様々な不都合が生じる。また、取手付きマグカップのように取手の位置によっては、取手が支障してそもそも積重ねが不能である場合もある。
【0005】
飲用容器において積重ね収納時に問題が生じるのは、飲用容器が液体を収納することを目的としているため、通常、口元口径から底面口径に至るまでの口径が漸減する態様で付与される側面壁の底絞りテーパがごく僅かに設定されていることに起因している。すなわち、底絞りテーパ率の小さい飲用容器を多数個積み重ねた際の累積重量は、側面壁のテーパによって径方向の分力成分を発生させ、発生する径方向の分力成分は、テーパ率が小さいほど大きくなるという関係にある。そこで、上側容器が下側容器に対してクサビのように機能することによって、互いに上下に積み重なった飲用容器の側面壁同士が予期できない大きな面圧で嵌合してしまい、食器類に対するごく普通の取扱いによってキズ、割れ、ひびが発生してしまうのである。
【0006】
また、飲用容器の積重ね収納においては、飲用容器を上向き姿勢で積み重ねる場合のほか、飲用容器を伏せ姿勢で積み重ねることも少なくないが、いずれの姿勢で積み重ねるとしても、積み重ねた上下の飲用容器間に洗浄に際しての水分が閉じ込められてしまい、内部が不衛生な状態になるという問題がある。この問題は、積重ね収納に先立って十分なふき取りと乾燥を行なうことにより防止することができる問題であるが、繁忙時には飲用容器の利用者にとって大きな作業負担となる。
【0007】
飲用容器の積重ね収納に関する上記問題の存在及びその原因は、従来から広く周知されているところであり、したがって、この問題に対して多様な提案がなされている(下記特許文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 実用新案登録第3125080号公報
【特許文献2】 特開2001−31051号公報
【特許文献3】 特開平7−329948号公報
【特許文献4】 実用新案登録第3020759号公報
【特許文献5】 実開昭50−146901号公報
【特許文献6】 実開平6−12330号公報
【特許文献7】 実開昭51−20574号公報
【特許文献8】 実開昭53−58886号公報
【0009】
上記特許文献に例示される提案は、その提案の本質的特徴に基づいて幾つかの群に分類することができるが、その分類ごとに概ね次のような問題点を含んでいる。
【0010】
高台部を有する飲用容器の場合は(特許文献1参照)、高台部の外径と口元部の内径を適切に設定することにより、上積み容器の高台部を下側容器の口元内に落し込む態様での安定な積重ねが可能である。しかし、高台部は焼き物の伝統的デザインに由来するものであり、飲用容器に対する洗練された今日的デザイン需要には適合できない傾向にある。
【0011】
飲用容器の内周面に環状の受け段部を形成し、この部分に上積み容器を受け止める提案は(特許文献2,3参照)、底絞りテーパ率が小さいストレートデザインの飲用容器には適用が困難である。底絞りテーパの小さい飲用容器の内周面に、上積み容器を支持する上で有効な突出量を有する受け段部を突設すると、受け段部以下の内周面が無テーパまたは逆テーパとなり、成形に際して成形品を金型から離型させるのに困難性が生じる(特許文献3の図3,図4参照)。
【0012】
飲用容器の外周面に環状の受け段部を形成し、この部分を下側容器の口元に載せるように積重ねる提案は(特許文献4参照)、デザインの巧拙にもよるが、外周面に環状の段部がある外観とならざることを得ないことから、もともとデザイン自由度が大きくはないという悩みを蔓延させている飲用容器業界におけるデザイン自由度をさらに制限してしまうという問題がある。帯状の突起部を下側容器内に落し込むようにして積み重ねるとしても、同じことであるといえる(特許文献5参照)。
【0013】
飲用容器の外周面に複数個のリブを突設し、下側容器の内周面に上積み容器の外周面が複数のリブを介して当接するようにした提案は(特許文献6参照)、密着防止という面にのみ注目する提案であって、多数個を積重ねた場合の累積重量がリブを介して下側容器の複数点に集中することから、飲用容器の材質や表面仕上げによっては、このことによる弊害が避けられないことになる。
【0014】
容器の中間部に大径の飲用容器と小径の飲用容器とを上下につなぎ合わせたような極端な段部を有する飲用容器は(特許文献7,8参照)、段部が大面積に過ぎ、容器を上下に積重ねた状態における上下の容器の位置決め機能を失う結果になる(特許文献7参照)。このため、小径部の一部を膨出させて小径部が大径部内で自由移動しないようにするような対策が必要とされ(特許文献8参照)、一般的飲用容器としては違和感を伴う外観を呈する。
【0015】
なお、飲用容器の積重ね収納時において上下の容器間に水分が閉じ込められて不衛生になる問題については、上下の容器間の内部が積み重ねた際に密閉状態になることが原因している。さらに、伏せ姿勢での積重ね収納に関しては、飲用容器の底面の外周部に安定な着座性を得るための環状台を有する形態の飲用容器、および、上げ底形式の底面を有する形態の飲用容器においては、底面状に水が貯留することとなるので、特に問題となるのであるが、飲用容器としては適さない形態の容器(特許文献6参照)を除き、有効な対策がなされていない現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、飲用容器の積重ね収納に関する上記各提案例と、各提案がもたらすことのある問題点を認識した上で、全く新しい観点から、飲用容器に対する業界における基本的課題であるところの、使用時における飲用容器としての豊かな興趣性と、積重ね収納の容易性と、積重ね収納時における衛生状態の確保を、違和感を伴わない、いわば普通の外観を犠牲にすることなく実現することを目的とする。
【0017】
本発明は、上記目的を達成するために、角型形状を基調とする飲用容器と、丸型形状を基調とする飲用容器とを、若しくはこれらと丸角複合型の飲用容器とを所定の条件下で組み合わせて幾何学的に合成し、最終的には、角型飲用容器の一部が、丸型飲用容器、角型の飲用容器、若しくは丸角複合型飲用容器の外周面に突出するように残る態様で組み合わせることによって、突出する角型容器の複数の角部を利用しての、クサビ的拡張力を発生させない安定で容易な積重ね性を実現するとともに、積重ね収納時においては、衛生状態を確保する上で欠くことができない通風性および排水性を備え、飲用容器の使用時においては、観察する角度によって丸型容器とも、角型容器とも見える興趣性を備えた飲用容器を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するための手段として本発明は、次のような構成を採用する。
【0019】
(解決手段1)
本発明の飲用容器は、口元形状を円形とした側面壁と底面形状を円形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径から底面の直径である底面口径へと口径が段差なく連続的に漸減する丸型飲用容器上の立体形状を第1基本立体形状とし、口元形状を多角形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の外接円の直径である口元口径が第1基本立体形状の口元口径以下であって、底面の外接円の直径である底面口径を第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定し、側面壁の角部をアール面取りした角型飲用容器状の立体形状を第2基本立体形状とし、さらに、第1基本立体形状と第2基本立体形状とを中心軸を一致させ、第1基本立体形状の口元の高さ位置と第2基本立体形状の口元の高さ位置を揃えて重ね合わせたと仮定した場合において、第1基本立体形状に属する部分を第2基本立体形状から除去した場合に残る残余の立体形状を第3基本立体形状とし、第1基本立体形状と第3基本立体形状とを一体成形したものに相当する立体形状からなることを特徴とする。
【0020】
上記解決手段1について説明する。本発明の飲用容器は、幾何学的合成手法によって丸型飲用容器の特徴と角型飲用容器の特徴とをともに残すようにして設計される。上記解決手段は、そのための条件に相当する。
【0021】
具体的に、本発明の引用容器は、第1基本立体形状と第3基本立体形状とを一体成形した形態を有する。この際の第3基本立体形状は、第1基本立体形状と第2基本立体形状との関係から作成される。
【0022】
解決手段1における第1基本立体形状とは、丸型飲用容器状の立体形状である。この立体形状は、口元形状を円形とした側面壁と、底面形状を円形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径から底面の直径である底面口径へと口径が段差なく連続的に漸減する、いわゆる底絞りテーパを有する飲用容器のありふれた形状である。
【0023】
第2基本立体形状とは、一般的な角型飲用容器状の立体形状である。この立体形状は、口元形状を角型とした側面壁と底面形状を角型とした底面とからなり、第1基本立体形状との関係は、口元の外接円の直径である口元口径が第1基本立体形状の口元口径以下であって、底面の外接円の直径である底面口径を第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定し、側面壁の角部をアール面取りした形状である。すなわち、第2基本立体形状もありふれた角型飲用容器の形状である。
【0024】
第3基本立体形状とは、第2基本立体形状から第1基本立体形状に属する部分を除去したと仮定した場合に残る残余の立体形状である。ここで、第2基本立体形状について第1基本立体形状に属する部分とは、第1基本立体形状と第2基本立体形状を造形上の中心軸を一致させ、第1基本立体形状の口元の高さ位置と第2基本立体形状の口元の高さ位置を揃えて重ね合わせたと仮定した場合において、第1基本立体形状の外形内に含まれることとなる部分の意味である。そして、第1基本立体形状に含まれることとなる部分を除去したと仮定した場合に残る残余部分が第3基本立体形状である。なお、この第3基本立体形状は、概ね、第2基本立体形状である角型飲用容器の底角部を頂点とするごく高さの低い3角錐形状を呈するものであり、第2基本立体形状の角数に対応する複数に分離した形状となる。
【0025】
本発明の飲用容器の外形は、上記のような第1基本立体形状と第3基本立体形状を一体成形した立体形状に相当する立体形状となる。つまり、丸型飲用容器の側面壁の外周面に角型飲用容器の側面壁が部分的に現れた外形となり、このことによって、観察する角度によって丸型飲用容器とも角型飲用容器とも見える特別な四視覚的効果が実現されるのである。
【0026】
また、第2基本立体形状における側面壁の高さが、第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定されていることにより、丸型飲用容器の側面壁には、必然的に角型飲用容器の底角部分が段差を伴って突出することとなる。したがって、本発明の飲用容器を積み重ねる際には、この突出した角型飲用容器の底角部分を受け段として利用することができる。
【0027】
(解決手段2)
本発明の飲用容器は、解決手段1に記載の発明を基本発明として、その第2基本立体形状が、口元形状を円形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径が第1基本立体形状の口元口径と同一であって、底面の外接円の直径である底面口径を第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定してなる丸角複合型飲用容器状の立体形状であることを特徴とする。
【0028】
上記解決手段2について説明する。上記構成における第1基本立体形状は、解決手段1におけるものと同じであり、第2基本立体形状が解決手段1におけるものと相違する。また、第2基本立体形状についての相違点は、口元形状のみである。すなわち、解決手段1における第2基本立体形状の口元形状が多角形であるのに対して、本発明では、円形の口元形状が採用されている。第1基本立体形状に対するその他の条件は同じである。
【0029】
上記構成は、解決手段1と略同様の作用効果を奏する異なる手段を示している。第2基本立体形状の口元口径は、第1基本立体形状の口元口径以下であることが条件付けられていることにより、第2基本立体形状の口元形状が相違するとしても、最終的に形成される飲用容器の口元形状としては表現されないからである。
【0030】
(解決手段3)
本発明の飲用容器は、口元形状を円形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径から底面の外接円の直径である底面口径へと口径が段差なく連続的に漸減する丸角複合型飲用容器状の立体形状を第1基本立体形状とするとともに、口元形状を多角形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の外接円の直径である口元口径が第1基本立体形状の口元口径以下であって、底面の外接円の直径である底面口径を第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定し、側面壁の角部をアール面取りした角型飲用容器状の立体形状を第2基本立体形状とし、さらに、第1基本立体形状と第2基本立体形状とを中心軸を一致させ、第1基本立体形状の口元の高さ位置と第2基本立体形状の口元の高さ位置を揃え、側面壁の角部を対応させて重ね合わせたと仮定した場合において、第1基本立体形状に属する部分を第2基本立体形状から除去した場合に残る残余の立体形状を第3基本立体形状とし、第1基本立体形状と第3基本立体形状とを一体成形したものに相当する立体形状からなることを特徴とする。
【0031】
上記解決手段3について説明する。上記構成における第1基本立体形状は、口元形状が円形であって、底面形状が多角形である丸角複合型飲用容器の形状である。つまり、円形の口元形状が底面に向かって徐々に多角形型に変形していく形状である。このような形状の飲用容器が存在するか否かは不明であるが、製造自体は容易である。また、第2基本立体形状は、一般的な角型飲用容器の形状である。その他の条件は解決手段1と同じである。
【0032】
上記第1基本立体形状と第2基本立体形状とは、側面壁の角部を対応させて重ね合わされる。この結果、第2基本立体形状から第1基本立体形状に属する部分を除去し、除去した残余の部分を第1基本立体形状に一体化すると、第1基本立体形状の側面壁の各々の角部に第2基本立体形状の側面壁の角部が盛り重ねられたような立体形状の飲用容器が形成される。この際、第2基本立体形状の側面壁の高さが第1基本立体形状の側面壁の高さ未満であることから、形成された飲用容器の各々の角部には、側面壁の高さのいずれかの位置に第2基本立体形状の底角部が突出した段差が形成されることになる。
【0033】
上記のように形成された段差は、飲用容器を積重ね収納する際の受け段として利用することができる。ここで、最終的に形成される引用容器の口元形状は円形であるが、口元以外の部分の横断面形状は、その口元口径内に含まれる円形以外の形状である。つまり、円形の口元形状から徐々に多角形型に変化して過程におけるいずれかの形状である。したがって、形成された段差を利用して飲用容器を積重ねた際には、積み重ねられた上下の飲用容器間には、外気が疎通可能な隙間が生じることとなる。したがって、積重ね収納された飲用容器間に存在することのある水分は、隙間を疎通する外気を介して排出される。
【0034】
(解決手段4)
本発明は、上記解決手段3に記載の発明を基本発明として、その第2基本立体形状が、口元形状を円形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径が第1基本立体形状の口元口径以下であって、底面の外接円の直径である底面口径を第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定してなる丸角複合型飲用容器状の立体形状であることを特徴とする。
【0035】
上記解決手段4について説明する。上記構成は、解決手段3の構成におけると略同等の作用効果を奏することができる第2基本立体形状の条件を示している。解決手段3と異なるのは、第2基本立体形状の口元形状のみであり、他の条件は同じである。これは、解決手段2に関して説明したように、第2基本立体形状の口元形状は、最終的に形成される飲用容器の口元形状として表現されないという理由による。
【0036】
(解決手段5)
本発明は、上記解決手段3または解決手段4に記載の発明を基本発明として、その第1基本立体形状における底面が、底面の外周部を所定幅の環状に残して、残す外周部以外の部分を凹面に形成することによって形成した環状台を備え、この環状台の少なくとも一箇所が第2基本立体形状の側面壁の隣接する角部と角部との中間位置において切り欠かれて水抜き溝を形成していることを特徴とする。
【0037】
上記解決手段5について説明する。上記解決手段は、底面に環状台を有する飲用容器を伏せ姿勢で積重ね収納した際に、底面上に滞留する水気が積み重ねた飲用容器間に長期間閉じ込められて不衛生になる問題を解決する手段を示している。なお、飲用容器における環状台は、特別のものではなく、一般的な飲用容器に広く用いられているテーブル面等に対する着座性向上手段である。
【0038】
すなわち、本発明の基本発明とする飲用容器は、解決手段3に関して説明したように、積み重ねた際に上下の飲用容器間に隙間が生じるように工夫されている。積み重ねた飲用容器間に閉じ込められる水分量が少ない場合には、この対策で十分であるが、底面に環状台を有する飲用容器においては、伏せ姿勢であることにより環状台によって堰き止められた大量の水気が底面上に残存し、上下の飲用容器間に隙間を設ける手段のみによっては、十分な効果が得られない事態が生じる。そこで、隙間の生じる位置に対応して環状台を切り欠いた水抜き溝を設けることによって、底面上に残存した水気を水抜き溝から隙間を介して早期に飲用容器外に導出することができるのである。つまり、本発明は、あくまでも、積重ねた上下の飲用容器間に隙間が生じる解決手段3に記載の発明が前提になる。なお、飲用容器を積み重ねた際に隙間が生じる位置は、第2基本立体形状の側面壁の隣接する角部と角部との中間位置である。
【0039】
(解決手段6)
本発明の飲用容器は、側面壁に取手を備え、この取手は、第2基本立体形状の側面壁の高さの範囲内に取り付けられていることを特徴とする。
【0040】
上記解決手段6は、飲用容器が、例えばマグカップのように取手を備える場合において、取手の取付け位置に関する条件を示している。取手は、飲用容器を積み重ねる場合の障害となる。本発明における飲用容器は、第1基本立体形状と第3基本立体形状を一体成形した際に形成される段差を利用することによって無理のない安定な積重ね状態を実現するものである。したがって、取手がある場合には、段差が取手より底面側に形成される必要がある。また、段差は、第2基本立体形状の底角部によって形成される。そこで、取手の位置を第2基本立体形状の側面壁の高さの範囲内に設けることにより、段差の位置を取手より底面側に位置決めすることができることとなる。
【発明の効果】
【0041】
丸型飲用容器状の立体形状を第1基本立体形状とし、角型飲用容器状または丸角複合型飲用容器状の立体形状を第2基本立体形状として形成される本発明の飲用容器は、その側面壁に、丸型飲用容器としての視覚的特徴と形態的特徴、および角型飲用容器としての視覚的特徴と形態的特徴とを現すことが可能であり、したがって、見る角度によって丸型飲用容器とも角型飲用容器とも受け取れる興趣性に富む視覚効果を奏するとともに、飲用容器の外周壁に突出状態となって現れる角型飲用容器の底角部は、積重ねに際してクサビ的拡張力を発生しない受け段として利用することができるので、多数個の飲用容器を容易かつ安定に積重ね収納することができる。
【0042】
丸角複合型飲用容器状の立体形状を第1基本立体形状とし、角型飲用容器状または丸角複合型飲用容器状の立体形状を第2基本立体形状として形成される本発明の飲用容器は、上記と同様に、見る角度によって丸型飲用容器とも角型飲用容器とも受け取れる興趣性に富む視覚効果を奏するとともに、第1基本立体形状と第2基本立体形状の差異に基づく段差を利用して安定な積重ね状態を実現することができる。また、積重ね状態において互いに接触することとなる位置における上下の飲用容器の形状が、円形と多角形と組合せとなって両者間に必然的に隙間が生じるので、安定な積重ねの容易性を害することなく、積み重ねた上下の飲用容器間に外気を疎通させることができ、内部空間に水分が閉じ込められて不衛生になりがちであるという積重ね収納時の問題点を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】 本発明の飲用容器の造形条件の一例を模式的に斜視図。
【図2】 上記造形条件を模式的に示す斜視図。
【図3】 上記造形条件を模式的に示す斜視図。
【図4】 上記造形条件を模式的に示す斜視図。
【図5】 本発明の飲用容器の造形条件の別の例を模式的に示す斜視図。
【図6】 上記造形条件を模式的に示す斜視図。
【図7】 上記造形条件を模式的に示す斜視図。
【図8】 本発明の造形条件のさらに別の例を模式的に示す斜視図。
【図9】 上記造形条件を模式的に示す斜視図。
【図10】 本発明の飲用容器の造形条件のさらに別の例を模式的に示す斜視図。
【図11】 本発明の飲用容器の造形条件のさらに別の例を模式的に示す斜視図。
【図12】 本発明の飲用容器の実施の携帯を示す斜視図。
【図13】 上記実施の形態における底面図。
【図14】 上記実施の形態における図13のX−X線矢視断面図。
【図15】 上記実施の形態における図13のY−Y線矢視断面図。
【図16】 上記実施の形態における」飲用容器の積み重ね状態を示す説明図。
【図17】 本発明の実施の形態を示す一部切欠き側面図。
【図18】 上記実施の形態における底面図。
【図19】 上記実施の形態における飲用容器の積み重ね重ね状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を引用しながら本発明の飲用容器の実施の形態例を説明する。なお、本発明の飲用容器の外形は、一定のデザインルールに即して系統的に決定されるので、先ず、そのデザインルールについて説明する。基本的なデザインルールは、4種類である。
【0045】
(デザインルール1)
先ず、口元1Aの直径である口元口径A1が側面壁2Aの高さA3の範囲内で底面3Aの直径である底面口径A2へと漸減するベースとなる丸型飲用容器状の第1基本立体形状10Aを設定する(図1)。
【0046】
次いで、口元1Bの外接円S1の直径である口元口径B1が第1基本立体形状10Aの口元口径A1以下であって、側面壁2Bの高さB3が第1基本立体形状10Aの高さA3より低く、底面3Bの外接円S2の直径である底面口径B2が第1基本立体形状10Aの口元口径A1と底面口径A2の任意の中間値である任意角数の角型飲用容器状の第2基本立体形状10Bを設定する(図2)。なお、この角型飲用容器状の第2基本立体形状10Bについては、角部を大きくアール面取りした形状が好ましい。
【0047】
ここで、第1基本立体形状10Aと第2基本立体形状10Bとを、互いの中心軸CLを一致させ、口元1Aと口元1Bの高さ位置を揃えて重ね合わせたと想定し(図3)、第2基本立体形状10Bから第1基本立体形状10Aの属する部分を除去したと想定した場合の残余部分を第3基本立体形状10Cとする(図4)。第3基本立体形状10Cは、角型である第2基本立体形状10Bの角数に対応した数に分離した異形錐体状のコーナ片C…として残存する。なお、ここでは、第1基本立体形状10Aの口元口径A1と第2基本立体形状10Bの口元口径B1が同一である場合を図示している。
【0048】
そして、第1基本立体形状10Aに第3基本立体形状10Cを一体成形したと想定した場合の立体形状がデザインルール1に基づく本発明の飲用容器の外形を決定するのである。なお、飲用容器の肉厚等については、具体的な実施の形態例の説明において後述する。
【0049】
(デザインルール2)
デザインルール2における第1基本立体形状10Aは、デザインルール1におけると同様であるが(図1)、第2基本立体形状10Bが異なる(図5)。デザインルール2において使用される第2基本立体形状10Bは、口元1Bの形状が円形であって、底面3Bの形状が多角形である丸角複合型飲用容器の立体形状である。
【0050】
第1基本立体形状10Aに対する第2基本立体形状10Bの口元口径B1、底面口径B2、側面壁2Bの高さB3に関する条件は、上記デザインルール1と同様である。このような立体形状を有する第2基本立体形状10Bを重ね合わせたと仮定し(図6)、第2基本立体形状10Bから第1基本立体形状10Aの属する部分を除去したと想定した場合の残余部分を第3基本立体形状10Cとする(図7)。
【0051】
この場合に残る第3基本立体形状10Cは、第2基本立体形状10Bの底面3Bの角数に対応する数に分離した異形のコーナ片C…となる。各コーナ片Cは、事実上、第2基本立体形状10Bの角部であり、第1基本立体形状10Aの口元形状と第2基本立体形状10Bの口元形状とが同一であることにより、下方に向けて厚みが増しながら幅を減ずる曲面体状の立体形状となる。
【0052】
このように策定された、第3基本立体形状10Cを第1基本立体形状10Aに一体成形したと仮定した場合の立体形状が、デザインルール2に基づく本発明の飲用容器の外形を決定することとなる。
【0053】
(デザインルール3)
デザインルール3に使用する第1基本立体形状10Aは、口元1Aの形状が円形であって、底面3Aの形状が多角形である丸角複合型飲用容器の立体形状である(図8)。第1基本立体形状10Aにおける口元口径A1は、側面壁2Aの高さA3の範囲内で底面3Aの外接円S2の直径である底面口径A2へと漸減している。
【0054】
一方、第2基本立体形状10Bは、デザインルール1の第2基本立体形状10Bと同一である(図2参照、図9)。すなわち、この場合は、デザインルール1の場合と第1基本立体形状10Aが異なる点が特徴である。両者の口元口径A1,B1は同一であり、第2基本立体形状10Bの底面口径B2は、第1基本立体形状10Aの口元口径A1と底面口径A2との間の任意の中間値に設定されている。また、第2基本立体形状10Bの側面壁2Bの高さB3は、第1基本立体形状10Aの側面壁2Aの高さA3未満である(図8,図9)。
【0055】
このような関係にある第1基本立体形状10Aと第2基本立体形状10Bとを両者の口元1A,1Bの高さ位置を揃えて重ね合わせたと仮定した場合には、第2基本立体形状10Bの側面壁2Bの一部、具体的には、コーナ部分が第1基本立体形状10Aの側面壁2Aから突出する状態となる(図10)。つまり、この突出する部分が第3基本立体形状10Cを構成するコーナ片C…である。
【0056】
(デザインルール4)
第1基本立体形状10Aと第2基本立体形状10Bの双方に丸角複合型飲用容器状の立体形状が用いられる(図10,図11)。両者の相違点は、底面口径A2,B2と、側面壁2A,2Bの高さA3,B3である。両者を重ね合わせることにより、第3基本立体形状10Cを構成するコーナ片C…を求めることができる。
【0057】
以下、上記デザインルールに基いて形成された具体的な実施の形態例を説明する。本発明のデザインルールは、市場に提供されている多様な形態の飲用容器に広く適用することができる。このことは、形態ばかりでなく材質についても同様である。ただし、適する程度には差異があり、最も好ましい材質は合成樹脂である。合成樹脂の場合、樹脂に顔料を混合して成形することで生地の色調整ができ、絵付けも容易であり、電子レンジ対応の樹脂も開発されている等の利便性に富むからでもある。
【0058】
飲用容器10Dは、デザインルール1に基づいて形成されたマグカップである(図12,図13)。飲用容器10は、口元1の形状を円形とした側面壁2と、円形の底面3とからなる一般的な底絞りテーパ付きのカップ状本体に取手4を取り付けた外形である。
【0059】
飲用容器10Dの側面壁2の4箇所には、等角度に振り分けてデザインルール1によって求めたコーナ片C…である第2基本立体形状10Bのアール角部5…が突出している。各アール角部5の頂点部分5Tは、飲用容器10Dの側面壁2の他の部分との間に明確な段差なしている。なお、取手4は、この段差より口元1側に位置している。また、飲用容器10Dの底面3には、テーブル面等に安定に据え置くための環状台6が形成されている。
【0060】
上記のような飲用容器10Dの縦断面形状は、切断する位置によって2様に現れる(図14,図15)。図14は、図13のX−X線位置、つまり、中心軸CLを挟んで対応するアール角部5,5を含まない位置で切断した縦断面形状であり、口元口径D1に対して小径の底面口径D4を有し、口元1から底面3に向かって口径が段差なく漸減する一般的な丸型飲用容器状の形状である。この縦断面形状にはアール角部5…は表現されない。したがって、この視角から観察する限り、飲用容器10Dは、丸型飲用容器として観察される。
【0061】
図15は、図1のY−Y線位置、つまり、中心軸CLを挟んで対応するアール角部5,5を含む位置で切断した縦断面形状であり、この視角からは、概ね角型飲用容器としての外観を呈する。
【0062】
なお、飲用容器10Dにおける口元内径D2は、上記アール角部5…の直下位置の中間外径D3をわずかに上回る程度に寸法設定されている(図15)。したがって、複数個の飲用容器10D,10Dは、下側の飲用容器10Dの口元1内に上側の飲用容器10Dのアール角部5…以下の部分を落し込むようにして任意個数を安定に積み重ねることができる(図16)。
【0063】
次に、デザインルール3に基づくマグカップ型の飲用容器10Eの例を説明する(図17,図18)。この飲用容器10Eは、一見上記飲用容器10Dに似ているが、デザインルール3に基づく飲用容器10Eでは、第1基本立体形状10Aとして丸角複合型飲用容器の立体形状をベースとし、これに角型飲用容器の立体形状を組み合わせて形成される。
【0064】
したがって、飲用容器10Eの側面壁2には、アール角部5…が表現されている。飲用容器10Eの底面3には、環状台6が形成され、この環状台6は、2箇所において切り欠かれ、水抜き溝6G,6Gが形成されている。この際、各水抜き溝6Gは、隣接するアール角部5とアール角部5の中間に位置決めされている。
【0065】
飲用容器10Eの側面壁2に突出するアール角部5…の突出量は僅かであるが、このアール角部5…によって形成される段差は、上記と同様に複数個の飲用容器10E,10Eを積重ね収納する際の受け段として機能することができる(図19)。
【0066】
この形態の飲用容器10Eにおいては、特に伏せ姿勢で積重ね収納する場合に特別な衛生効果を奏することができる。すなわち、アール角部5…が受け段として機能する場合には、下側の飲用容器10Eの各アール角部5…の頂点部分5T…に、上側の飲用容器10Eの口元1が載る態様で積み重ねられる。飲用容器10Eにおける口元1の形状は円形であるのに対して、アール角部5による段差が形成されている飲用容器10Eの側面2は、角型に近い形状である。したがって、下側の飲用容器10Eの側面2と、上側の飲用容器10Eの口元1との間には、必ず隙間F,Fが生じることとなる。したがって、上下の飲用容器10E,10E間の水分は、隙間F,Fを介して疎通する外気によって消失する。また、伏せ姿勢とした際に環状台6の内側に滞留しがちな水分は、水抜き溝6G,6Gを介して流下し、隙間F,Fを介して早期に排出される。
【0067】
なお、この水抜き溝6G、6Gは、図13で示す飲用容器10Dの場合でも設置することができる。第2立体形状10Bのアール角部5と被せるように積み重ねる他の側の口元1とは接触するが、その口元1は相互に一定間隔を持っているアール角部5との中間では、僅かに隙間ができるので、同様の効果がある。
【0068】
1本発明は、漆器製品に対する適用を排除するものではなく、例えば、塗り仕上げの椀ベースの第1基本立体形状に角型の第2基本立体形状を組み合わせることによって、塗り仕上げを傷つけることなく積み重ねることができる椀を得ることができる。デザイン自由度の狭い伝統漆器産業への新規デザインの提供でもある。
【符号の説明】
【0069】
10A 第1基本立体形状
10B 第2基本立体形状
10C 第3基本立体形状
1A 第1基本立体形状の口元
1B 第2基本立体形状の口元
2A 第1基本立体形状の側面壁
2B 第2基本立体形状の側面壁
3A 第1基本立体形状の底面
3B 第2基本立体形状の底面
A1 第1基本立体形状の口元口径
B1 第2基本立体形状の口元口径
A2 第1基本立体形状の底面口径
B2 第2基本立体形状の底面口径
A3 第1基本立体形状の側面壁の高さ
B3 第2基本立体形状の側面壁の高さ
S1 口元の外接円
S2 底面の外接円
2 側面壁
3 底面
4 取手
6 環状台
6G 水抜き溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口元形状を円形とした側面壁と底面形状を円形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径から底面の直径である底面口径へと口径が段差なく連続的に漸減する丸型飲用容器状の立体形状を第1基本立体形状とし、
口元形状を多角形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の外接円の直径である口元口径が前記第1基本立体形状の口元口径以下であって、底面の外接円の直径である底面口径を前記第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを前記第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定し、側面壁の角部をアール面取りした角型飲用容器状の立体形状を第2基本立体形状とし、
前記第1基本立体形状と第2基本立体形状とを中心軸を一致させ、第1基本立体形状の口元の高さ位置と第2基本立体形状の口元の高さ位置を揃えて重ね合わせたと仮定した場合において、前記第1基本立体形状に属する部分を前記第2基本立体形状から除去した場合に残る残余の立体形状を第3基本立体形状とし、
前記第1基本立体形状と前記第3基本立体形状とを一体成形したものに相当する立体形状からなること、を特徴とする飲用容器。
【請求項2】
前記第2基本立体形状は、口元形状を円形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径が前記第1基本立体形状の口元口径と以下であって、底面の外接円の直径である底面口径を前記第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを前記第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定してなる丸角複合型飲用容器状の立体形状であること、を特徴とする請求項1に記載の飲用容器。
【請求項3】
口元形状を円形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径から底面の外接円の直径である底面口径へと口径が段差なく連続的に漸減する丸角複合型飲用容器状の立体形状を第1基本立体形状とし、
口元形状を多角形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の外接円の直径である口元口径が前記第1基本立体形状の口元口径以下であって、底面の外接円の直径である底面口径を前記第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを前記第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定し、側面壁の角部をアール面取りした角型飲用容器状の立体形状を第2基本立体形状とし、
前記第1基本立体形状と第2基本立体形状とを中心軸を一致させ、第1基本立体形状の口元の高さ位置と第2基本立体形状の口元の高さ位置を揃え、前記側面壁の角部を対応させて重ね合わせたと仮定した場合において、前記第1基本立体形状に属する部分を前記第2基本立体形状から除去した場合に残る残余の立体形状を第3基本立体形状とし、
前記第1基本立体形状と前記第3基本立体形状とを一体成形したものに相当する立体形状からなること、を特徴とする飲用容器。
【請求項4】
前記第2基本立体形状は、口元形状を円形とした側面壁と底面形状を多角形とした底面とからなり、口元の直径である口元口径が前記第1基本立体形状の口元口径以下であって、底面の外接円の直径である底面口径を前記第1基本立体形状の口元口径と底面口径との間の任意の中間値とし、側面壁の高さを前記第1基本立体形状の側面壁の高さ未満に設定してなる丸角複合型飲用容器状の立体形状であること、を特徴とする請求項3に記載の飲用容器。
【請求項5】
前記第1基本立体形状における底面は、外周部を所定幅の環状に残して外周部以外の部分を凹面に形成することによって形成した環状台を備え、該環状台の少なくとも一箇所が前記第2基本立体形状の側面壁の隣接する角部と角部との中間位置において切り欠かれて水抜き溝を形成していること、を特徴とする請求項3または請求項4に記載の飲用容器。
【請求項6】
前記側面壁に取手を備え、該取手は、前期第2基本立体形状の側面壁の高さの範囲内に取り付けられていること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の飲用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−106785(P2012−106785A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269744(P2010−269744)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(592058876)株式会社タカノ (8)
【Fターム(参考)】