説明

飲食物搬送装置

【課題】搬送駆動体の駆動による搬送駆動体の揺動を防ぎ、走行レーンにて走行体を安定して走行させることができる飲食物搬送装置を提供すること。
【解決手段】連結手段は、走行体7に取り付けられた第1連結手段18と、搬送駆動体15に接続された接続部17を介して取り付けられた第2連結19と、から構成されており、走行レーン1aの近傍には、走行レーン1aに沿って補助レーン36a,36bが設けられ、接続部17には、接続部17に対して水平方向に回動可能かつスライド移動可能に支持され、曲線路10aにおいて走行レーン1aの側壁23aに対して当接するように補助レーン36a,36b上を走行する走行手段20が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送駆動体を駆動させることによって、走行体を走行させる飲食物搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、厨房エリアと配膳人エリアとの間に設けられ、飲食客エリアに飲食物を提供するために搬送面上で飲食物を搬送する注文搬送路(走行レーン)と、注文搬送路の搬送面下に沿って移動可能に設けられている無端状のチェーン(搬送駆動体)と、搬送面上で飲食物を載置してローラによって移動可能なトレー(走行体)と、を備えており、このトレーは、チェーンから延設されるトレーブラケットによってチェーンから片持ち支持されて連結されるとともに、チェーンを駆動させるとによって、トレーの搬送面上での移動を可能としている飲食物搬送装置がある。このような飲食物搬送装置においては、チェーンは、コーナー部でコーナー部と同一の曲線状に形成されたチェーンガイド(摺動手段)に摺動自在にガイドされ、チェーンの駆動によって発生する注文搬送路の左右幅方向への揺動が防止されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−44688号公報(第5頁、第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の飲食物搬送装置にあっては、チェーンの駆動によって発生する注文搬送路(走行レーン)の垂直方向への揺動によって、トレー(走行体)とチェーンから延設されるトレーブラケットとの連結が不安定となるため、トレーの搬送面上での移動の安定性を保つことが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、搬送駆動体の駆動による搬送駆動体の揺動を防ぎ、走行レーンにて走行体を安定して走行させることができる飲食物搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の飲食物搬送装置は、
少なくとも一部に曲線路を有し、側部に側壁を備えた走行レーンと、該走行レーンに沿って設けられた搬送駆動体と、飲食物を載置して前記走行レーン上を走行する走行体と、前記搬送駆動体及び前記走行体を駆動連結する連結手段と、を備え、前記搬送駆動体を駆動させることによって、前記走行体を走行させる飲食物搬送装置であって、
前記連結手段は、前記走行体に取り付けられた第1連結手段と、前記搬送駆動体に接続された接続部を介して取り付けられた第2連結手段と、から構成されており、前記走行レーンの近傍には、該走行レーンに沿って補助レーンが設けられ、前記接続部には、該接続部に対して水平方向に回動可能かつスライド移動可能に支持され、前記曲線路において前記走行レーンの側壁に対して当接するように前記補助レーンに沿って走行する走行手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、走行手段は、走行レーンの曲線路において、走行レーンの側壁に当接しながら曲線路の曲率に応じて水平方向に水平方向に回動しつつスライド移動することで、補助レーンから受ける摩擦力を小さく抑えて曲線路を走行することができるので、走行体を曲線路においてがたつき等無くスムーズに走行させることができるばかりか、走行手段が走行レーンの側壁に当接することで、曲線路における走行手段のスライド過移動と、走行手段の過回動と、による走行手段の補助レーンからの脱落を防ぐことができる。
【0007】
本発明の飲食物搬送装置は、
前記走行手段は、前記接続部に前記搬送駆動体の駆動方向に沿って複数が配置されているとともに、各前記走行手段には、前記補助レーンに当接し前記走行手段の走行方向に回動する一対の車輪が前記走行手段の両側方に設けられており、前記第2連結手段は、前記複数の走行手段間に配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、第2連結手段が複数の走行手段間に配置されているので、複数の走行手段は、走行レーンの側壁にそれぞれ当接することによって、各走行手段が走行レーンから受ける負荷を低減させ、接続部の安定走行を図ることができるばかりか、走行手段は一対の車輪によって補助レーン上を走行するので、走行手段と補助レーンとの間に発生する摩擦力を小さくし、この摩擦力によって生じる異音を抑えることができ、搬送駆動体の駆動による第2連結手段の移動軌跡をぶれることなく規定することができる。
【0008】
本発明の飲食物搬送装置は、
前記走行レーンには、前記接続部に向けて垂直方向に開口する溝部が前記搬送駆動体の駆動方向に沿って形成されており、前記走行手段は、前記溝部内に収納配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、溝部の側壁を利用して走行手段を確実に走行レーンに当接させ、走行手段の過回動による走行手段の補助レーンからの脱落を確実に防ぐことができる。
【0009】
本発明の飲食物搬送装置は、
前記第1連結手段は、前記走行体に対して第2連結手段を追従する方向にスライド移動することを特徴としている。
この特徴によれば、走行レーンの曲線路にて、第2連結手段に対して第1連結手段が追従して移動するので、走行体と搬送駆動体との軌跡に相違が生じていても、第1連結手段と第2連結手段との駆動連結を保ちながら走行体を曲線路に沿って確実且つ安定して走行させることができる。
【0010】
本発明の飲食物搬送装置は、
前記第1連結手段と前記第2連結手段とは、磁性体であることを特徴としている。
この特徴によれば、走行体と搬送駆動体とは、磁性体による磁力によって連結されるので、例えば、搬送駆動体の駆動を走行体に伝達するためのブラケット等を、走行体と搬送駆動体との間に直接連結する必要が無いため、走行レーンの長手方向に亘ってブラケット等を移動させるためのスリット等を形成する必要が無い。
【0011】
本発明の飲食物搬送装置は、
前記第1連結手段は、前記走行体の走行方向に沿って一対に取り付けられており、前記第2連結手段は、一対の前記第1連結手段と各々が対向するように前記接続部に一対に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、走行体と接続部とが第1連結手段と第2連結手段との磁性により前後2点で連結されるので、走行体を走行レーン上で左右幅方向へぶれることなく安定して走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1における飲食物搬送装置の全体像を示す平面図である。
【図2】注文搬送路の一部破断平面図である。
【図3】走行体の分解斜視図である。
【図4】注文搬送路の直線路における走行体を示す側面図である。
【図5】注文搬送路の直線路における走行体を示す平面図である。
【図6】ベルトブラケットの平面図である。
【図7】ベルトブラケットの一部破断側面図である。
【図8】図2におけるA−A断面図である。
【図9】図2におけるB−B断面図である。
【図10】注文搬送路の第1コーナーにおける走行体を示す平面図である。
【図11】注文搬送路の第1コーナーにおけるベルトブラケットを示す平面図である。
【図12】実施例2における走行体を示す平面図である。
【図13】ベルトブラケットの平面図である。
【図14】走行体とベルトブラケットとの断面図である。
【図15】図14における走行体とベルトブラケットとのC−C断面図である。
【図16】注文搬送路の第1コーナーにおける走行体を示す平面図である。
【図17】注文搬送路の第1コーナーにおけるベルトブラケットを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る飲食物搬送装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
実施例1に係る飲食物搬送装置につき、図1から図11を参照して説明する。以下、図4の紙面左側及び図5の紙面上側を走行体の正面側(前方側)とし、図6の紙面上側及び図7の紙面左側をベルトブラケットの正面側(前方側)とし、図8及び図9の紙面奥側を走行体の正面側(前方側)として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用された飲食物搬送装置である。先ず図1の符号1は、本発明の適用された飲食物搬送装置である。この飲食物搬送装置1は、例えば、回転寿司店等にて、厨房部店員C1,C2等が飲食物としての寿司を調理する厨房エリアCと飲食客が飲食を行う飲食客エリアAとに亘って設けられている、本発明における走行レーンとしての注文搬送路1a,1b,2を備えている。
【0016】
これら注文搬送路1a,1b,2の周囲には、飲食客エリアAのテーブルT1,T2,T3,T4に沿う形で平面視略ロ型に構成された無端状の循環搬送路5が設置されている。循環搬送路5には、無端回動するクレセントチェーンコンベア4が備えられており、このクレセントチェーンコンベア4上に飲食物が載置された飲食物皿6は、クレセントチェーンコンベア4の駆動により循環搬送されるようになっている。
【0017】
このように循環搬送路5が設置されている回転寿司店等において、各飲食客は、循環搬送路5上を循環搬送される飲食物を取り出して飲食することができるようになっているとともに、循環搬送路5上を循環搬送してない飲食物を食したいときは、店員または図示しない注文装置等を介して個別に注文することができるようになっている。
【0018】
そして、個別に注文した飲食物は、厨房エリアCにて調理された後に厨房エリアC内に配設された注文搬送路1a,1b,2のいずれかに投入されて、注文客の客席付近まで搬送されるようになっている。
【0019】
具体的には、飲食客エリアAの客から注文を受けると、隔壁Wで隔れた厨房エリアCの厨房部店員C1,C2等が調理台8a,8bにて注文飲食物9を調理し、飲食物皿6(図8参照)に載置した後に、後述するように、注文搬送路1a,1b,2上の搬送面3を往復移動自在に設けられた走行体7に、注文飲食物9を載置した飲食物皿6を載置する。
【0020】
次いで、走行体7に載置された注文飲食物9は、注文搬送路1a,1b,2によって配膳人エリアBに搬送される。このとき、注文搬送路1a,1bによって搬送された注文飲食物9は、それぞれG1,G2,G3エリアとG5エリアの飲食客によって直接注文搬送路1a,1b上から取り上げられるようになっており、注文搬送路2によって搬送された注文飲食物9は、配膳部店員H1の元へと搬送され、配膳部店員H1によりG4エリアの飲食客へ手渡しされるようになっている。
【0021】
注文飲食物9を搬送した後の走行体7は、注文搬送路1a,1b,2を介して、元来た搬送面3上を通り厨房エリアCへと戻っていく。つまり、走行体7は、それぞれ独立した搬送路として構成される注文搬送路1a,1b,2上の搬送面3上を、配膳人エリアBと厨房エリアCとの間で往復動自在に設けられている。
【0022】
次に、これら3本の注文搬送路1a,1b,2について説明する。図1に示されるように、注文搬送路1a,1b,2は、厨房エリアC側から隔壁Wに形成された図示しない開口を貫通して飲食客エリアA側に向けて、ともに直線状に延設されている。厨房エリアC内において、注文搬送路2は中央に配置されるとともに、この左右側に注文搬送路1a,1bがそれぞれ近接配置されている。
【0023】
つまり、これら3本の注文搬送路1a,1b,2が互いに近接配置されることで、調理した注文飲食物を複数の注文搬送路のいずれにでも、1箇所から効率よく投入できるようになっている。
【0024】
一方、平面視ロ型の配膳人エリアB内において、注文搬送路2は、この配膳人エリアBを2分割するように中央に配設される。注文搬送路1a,1bは、隔壁W付近において中央の注文搬送路2から左右にそれぞれ離間する方向に屈曲した後に循環搬送路5の内側近傍まで直線状に延設されている。更に、注文搬送路1a,1bは、循環搬送路5の内側方付近からG4エリアに向けて屈曲した後に循環搬送路5に沿うようにそれぞれ延設されている。
【0025】
つまり、注文搬送路1aは、隔壁W付近に本発明の曲線路を構成する第1コーナー10a(右カーブ)及び第2コーナー11a(左カーブ)がそれぞれ形成されており、注文搬送路1bは、隔壁W付近に本発明の曲線路を構成する第1コーナー10b(左カーブ)及び第2コーナー11b(右カーブ)がそれぞれ形成されている。
【0026】
また、注文搬送路1a,1bの厨房エリアCから第1コーナー10a,10bまでの区間と、第1コーナー10a,10bから第2コーナー11a,11bまでの区間と、第2コーナー11a,11bからG4エリアに向けて延設されている区間とは、前述のように直線状の直線路12a,12bにそれぞれ形成されている。
【0027】
次に、これら注文搬送路1a,1b,2及び走行体7について詳述する。尚、注文搬送路1a,1b,2は、それぞれ搬送路の形状は異なるが、走行体7を走行させるための構造は全て同一であるため、以下においては注文搬送路1aについてのみ説明し、他の注文搬送路1b、2の説明は省略する。更に、注文搬送路1aのコーナー10a,11aと注文搬送路1bのコーナー10b,11bにおける走行体7の説明は、後述する第1磁性体18の移動方向が反対となるだけなので、注文搬送路1aの第1コーナー10aのみで行う。
【0028】
先ず、走行体7を走行させる注文搬送路1aの構造を説明する。図2に示すように、注文搬送路1aの搬送面3下における厨房エリアC側の端部には、図示しない駆動モータ等によって水平方向に回動する駆動部プーリー13が設けられているとともに、配膳人エリアB側の端部には、テンション部プーリー14が設けられている。
【0029】
これら両端部に配設される駆動部プーリー13及びテンション部プーリー14に、本発明の搬送駆動体としての環状に形成された駆動ベルト15が掛け渡されている。尚、テンション部プーリー14には、駆動ベルト15にテンションを与えるためのテンション調整部16が備えられている。
【0030】
以下では、駆動部プーリー13を図2において時計回りに回動することにより、厨房エリアCから配膳人エリアBに向けて飲食物を載置した走行体7を走行させる場合として説明するとともに、駆動ベルト15の駆動方向を注文搬送路1a,1b,2の前後方向とし、水平方向で駆動ベルト15の駆動方向と直交する方向を注文搬送路1a,1b,2の左右方向として説明する。
【0031】
駆動ベルト15は、注文搬送路1aの走行体7が走行する搬送面3下を、搬送面3に沿って移動可能に設けられている。この駆動ベルト15の所定箇所には、図8に示すように、後述する本発明における接続部としてのベルトブラケット17が取り付けられている。また、駆動ベルト15は、直線路12a下の駆動ベルト15の駆動方向側の両端部において後述するベルトガイド21によってガイドされているとともに、第1コーナー10a及び第2コーナー11a下の全長において、後述する摺動ローラ37a,37bによってガイドされている。
【0032】
図2及び図8に示すように、直線路12aにおける駆動ベルト15の駆動方向側の端部には、ベルトガイド21が設けられている。これらベルトガイド21は、上方に開口して前後方向を向くガイド溝21aを左右幅方向に2条有しており、背面視で上向きE字状に形成されている。これらガイド溝21a内には駆動ベルト15がそれぞれ配置されており、これらガイド溝21aによって駆動ベルト15との左右幅方向の揺動が防止されている。
【0033】
また、ベルトガイド21の左右両側方には、直線路12aの全長にかけて板材が立設されている。この板材の上端部は、ベルトガイド21の上方で左右幅方向を向いて水平に屈曲した走行板36a,36aに形成されている。
【0034】
図2及び図9に示すように、第1コーナー10aの外周側には、駆動ベルト15が内側で当接する複数(本実施例では5個)の摺動ローラ37aが、第1コーナー10aと同一の曲線状をなすように配置されている。
【0035】
一方、第1コーナー10aの内周側には、駆動ベルト15が外側面で当接する複数(本実施例では5個)の摺動ローラ37bが、第1コーナー10aと同一の曲線状をなすように配置されており、これら摺動ローラ37a,37bは、それぞれ左右幅方向で一対となって、水平方向に回動可能に枢支されている。
【0036】
このうち、摺動ローラ37aの左上方(図9参照)と摺動ローラ37bの上方とには、第1コーナー10aと同一曲線状である走行板36bが配置されている。これら走行板36bは、上面が第1コーナー10aの前後に配置された直線路12aにおける走行板36a,36aの上面と連続するように、摺動ローラ37aの左側方と摺動ローラ37b,37b間に設けられた複数の支柱34に取り付けられており、これら走行板36a,36bが、本発明における補助レーンを構成している。
【0037】
第2コーナー11aは、駆動ベルト15が内周側に配置された摺動ローラ37bに当接するとともに、駆動ベルト15が外周側に配置された摺動ローラ37aに当接している以外は第1コーナー10aと同一の構成を有しているため説明を省略する。
【0038】
図8に示すように、注文搬送路1aの搬送面3の左右幅方向中央には、その長手方向の略全長に亘ってレール部22が突設されている。具体的には、搬送面3は、アルミやステンレス等の金属材の板材によって構成されている。レール部22は、この板材を押圧形成することによって形成されるので、レール部22が形成された板材の下面側には、下方に向かって開口する断面視下向きコ字状の、本発明における溝部としての搬送溝23が形成されている。この搬送溝23の左右側部は、側壁23aに形成されている。
【0039】
次に、走行体7について、後述する台車部24を左右幅方向に2分割する中心線Lの駆動ベルト15の駆動方向を向く側を走行体7の前後方向とし、水平方向で中心線Lと直交する方向を走行体7の左右方向して説明する。図3及び図4に示すように、走行体7は、搬送面3上を走行する台車部24と、この台車部24に上方から取り付けられ、注文飲食物9が載置された飲食物皿6を載置するためのトレー部25と、から構成されている。このトレー部25の上面には、飲食物皿6を載置するための載置凹部25aが形成されており、この載置凹部25aに飲食物皿6を載置することによって、飲食物皿6をトレー部25から脱落しないよう保持できるようになっている。
【0040】
台車部24は、基台部26と、この基台部26の前端部と後端部との2箇所に取り付けられたローラブラケット27と、から主に構成されている。これらローラブラケット27は、図4及び図5に示すように、下向コ字形状に形成されている。
【0041】
ローラブラケット27の外側面には、走行体7が搬送面3上を走行するための荷重ローラ28が垂直方向に回動自在に枢支されている。また、ローラブラケット27の左右両端部間には、前後一対の軌道ローラ29が左右方向に2つ、水平方向に回動自在に枢支されている。これら軌道ローラ29は、ローラブラケット27で囲まれた空間内の左右両側部で、左右幅方向に線対称となるように枢支されている。
【0042】
更に、図5に示すように、各軌道ローラ29間の左右幅寸法は、搬送面3のレール部22の左右幅寸法よりも若干長寸に形成されており、走行体7が搬送面3上に配置されることで、各軌道ローラ29は、走行体7の前端部及び後端部でレール部22の左右に近接配置されるようになっている。
【0043】
このように、走行体7の前端部と後端部とで各軌道ローラ29がレール部22の左右幅方向に配置されることによって、走行体7の搬送面3上での走行路が規定されるばかりか、軌道ローラ29がレール部22に当接し、走行体7の左右幅方向の揺動を防ぐことができる。
【0044】
尚、図5に示すように、これらローラブラケット27は台車部24の前端部と後端部において、台車部24を左右幅方向に2分割する中心線L上に設けられた枢支軸30によって水平方向に回動自在に枢支されている。
【0045】
また、基台部26の平面視略中央には、左右幅方向を向いて台車部24を上下方向に貫通する長孔31が穿設されている。長孔31の前後には、基台部26の上面から左右幅方向を向くガイド片32が設けられている。これらガイド片32は、長孔31と平行に配置されており、長孔31と略同一の左右幅寸法に形成されている。
【0046】
そして、前後のガイド片32間には、平面視略正方形状の摺動片33が配置されている。この摺動片33の前後寸法は、前後のガイド片32間の前後寸法と略同一寸法に形成されており、前後を両ガイド片32にガイドされることによって長孔31上を左右幅方向に摺動可能となっている。
【0047】
この摺動片33の下面には、本発明における第1連結手段としての第1磁性体18が取り付けられている。この第1磁性体18は、摺動片33が長孔31上で左右幅方向に摺動することができる。尚、第1磁性体18の左右幅方向への移動範囲は、第1磁性体18が長孔31の内壁の左右端に当接することで規制されている。そして、これら長孔31と摺動片33とは、トレー部25を台車部24に取り付ける際に、前後のガイド片32間にトレー部25を下方から支持する支持板35が取り付けられることによって、台車部24の平面視から隠蔽されている。
【0048】
図6及び図7に示すように、ベルトブラケット17は、前後方向に長寸に形成された水平片17aと、この水平片17aの前後方向の略中央部の左側端部から下方に向けて延設された取付片17bと、から構成されている。図8に示すように、ベルトブラケット17は、取付片17bを駆動ベルト15に取り付けることで、駆動ベルト15の駆動によって駆動ベルト15の駆動方向に移動するようになっている。
【0049】
また、図6及び図7に示すように、水平片17aの前端部と後端部とには、ベルトブラケット17の左右幅方向を向いて上下方向にスライド孔17cが穿設されている。これらスライド孔17cの上方には、下向コ字状に形成された本発明における走行手段としての搬送ブラケット20が配置されている。
【0050】
これら搬送ブラケット20は、平面視略中央部から上下方向を向くスライドピン40をスライド孔17c内に挿通させることによって、ベルトブラケット17に対してスライドピン40を軸に水平方向に回動可能、かつベルトブラケット17に対して左右幅方向にスライド移動可能に取り付けられている。
【0051】
搬送ブラケット20の外側面には、走行板36a,36bの上面に当接することでベルトブラケット17の荷重を支持しつつ、ベルトブラケット17を駆動ベルト15の駆動方向に向けて走行させるための本発明における車輪としての走行ローラ41が垂直方向に回動自在に枢支されている。また、これら搬送ブラケット20の上面には、前後一対のガイドローラ42が左右幅方向に2つ、水平方向に回動自在に枢支されている。これらガイドローラ42の左右幅方向の両外側端部間の幅寸法は、搬送溝23の両側壁23a,23a間の幅寸法よりも短寸に形成されている。
【0052】
更に、水平片17aの平面視略中央部には、強磁性を有する金属や永久磁石等で構成された本発明における第2連結手段としての第2磁性体19が固着されている。第2磁性体19の周囲には、第2磁性体19を中心として水平方向に回動するセンターローラ39が枢支されており、ベルトブラケット17の上端部であるこれら第2磁性体19とセンターローラ39及び両搬送ブラケット20の上面に枢支されたガイドローラ42とは、前述した搬送溝23内に配置されるようになっている。尚、センターローラ39の直径は、ガイドローラ42の左右幅方向の両外側端部間の幅寸法よりも短寸に形成されている(図9参照)。この第2磁性体19は、駆動ベルト15が駆動することにより、搬送溝23内を注文搬送路1aの略全長に亘って移動するようになっている。
【0053】
これら搬送面3の下方に配置された第2磁性体19と走行体7に取り付けられた第1磁性体18とは、どちらか一方を強磁性の金属によって構成し、他方を永久磁石等で構成してもよく、また、両方を永久磁石等で構成してもよい。更に、両方を永久磁石で構成する場合には、互いに異なる磁極を搬送面3を挟んで対向配置させる。
【0054】
このように、注文搬送路1aと走行体7とを構成することによって駆動ベルト15を駆動させると、磁力によって第2磁性体19に駆動連結された第1磁性体18が取り付けられている走行体7が注文搬送路1aに沿って搬送面3上を走行することができるようになっている。
【0055】
次に、搬送面3上を走行している走行体7と、駆動ベルト15の駆動によって走行板36a,36bを走行しているベルトブラケット17の動作について説明する。先ず、図8に示すように、搬送溝23内においては、第2磁性体19は、駆動ベルト15の駆動方向に向けて移動する。このとき、第2磁性体19には、ベルトブラケット17を介して駆動ベルト15の振動が伝達されるが、センターローラ39が搬送溝23内の左右の側壁23aに当接することによって、第2磁性体19の左右幅方向への揺動を防ぎ、搬送溝23内での略中央位置を維持するようになっている。
【0056】
尚、搬送ブラケット20へのベルトブラケット17を介する駆動ベルト15の振動の伝達は、スライド孔17cがスライドピン40に対して左右幅方向に揺動することによって緩和されている。
【0057】
また、走行体7は、第1磁性体18が搬送溝23内をセンターローラ39によって左右幅方向への揺動が抑えられた状態で移動する第2磁性体19に対向配置されているため、第1磁性体18を前後の枢支軸30を結ぶ中心線L上である長孔31の略中央に配置されている。
【0058】
そして、図10及び図11に示すように、ベルトブラケット17が駆動ベルト15の駆動によって第1コーナー10aに進入すると、ベルトブラケット17の前端部と後端部の両搬送ブラケット20は、第1コーナー10aの曲線形状に沿ってベルトブラケット17に対して水平方向に回動し、各走行ローラ41が走行板36a,36bの上面から受ける摩擦力を低減させる。
【0059】
同時に、ベルトブラケット17は、両搬送ブラケット20をスライド孔17cに沿って第1コーナー10aの外側方へ向けてスライド移動させることによって、各走行ローラ41が走行板36a,36bから受ける摩擦力を更に低減させる。このため、ベルトブラケット17は、第1コーナー10aを走行する際に、走行ローラ41と走行板36a,36bとの間で発生する摩擦力を抑え、スムーズに第1コーナー10aを走行することができるようになっている。
【0060】
尚、搬送ブラケット20の第1コーナー10aの外側方へ向けのスライド移動の移動量は、搬送溝23内に配置されているガイドローラ42が、搬送溝23の側壁23aに当接することで、走行ローラ41が走行板36a,36b上から脱落しない範囲に規制されている。更に、搬送ブラケット20は、2つのガイドローラ42が搬送面3に沿って形成された搬送溝23の側壁23aに前後で当接しながら回動することによって、常に走行ローラ41の向きをベルトブラケット17の走行方向に向かせることができるので、走行板36a,36bの上面での走行ローラ41の滑らかな走行が実現されている。
【0061】
一方、第2磁性体19に磁力によって駆動連結されている第1磁性体18を有する走行体7は、走行体7の走行方向前方側の両ローラブラケット27から第1コーナー10aのレール部22の形状に沿って回動を開始することで、両ローラブラケット27は大きく枢支軸30を中心として回動し、第1コーナー10aの内周側に配置された各前後2つの軌道ローラ29のうち、両ローラブラケット27の正面側に配置されている軌道ローラ29からレール部22に当接する。
【0062】
更に、両ローラブラケット27が枢支軸30を中心として回動すると、両ローラブラケット27の背面側に配置されている軌道ローラ29がレール部22に当接し、結果、両ローラブラケット27は、前後の軌道ローラ29の2点でレール部22に当接することで、両ローラブラケット27のそれ以上の枢支軸30を中心とした回動を規制する。
【0063】
このとき、第1磁性体18は、磁力によって第2磁性体19と駆動連結されているため、第1コーナー10aの内周側に中心線Lをずらして移動する走行体7に対して、長孔31内を第1コーナー10aの外周側に向かって相対移動し、第2磁性体19との対向配置を維持する。つまり、第1磁性体18は、第2磁性体19に対して走行体7にて追従可能に移動するようになっている。
【0064】
尚、走行体7が第1コーナー10aから再び直線路12aに進入するときには、走行体7の中心線Lがレール部22の中央上方に位置するように走行体7が移動するため、第1磁性体18は長孔31内を長孔31の略中央に向かって相対移動する。
【0065】
以上、本実施例における飲食物搬送装置1では、少なくとも一部に曲線路10aを有し、側部に側壁23aを備えた注文搬送路1aと、注文搬送路1aに沿って設けられた駆動ベルト15と、飲食物9を載置して注文搬送路1a上を走行する走行体7と、駆動ベルと15及び走行体7を駆動連結する連結手段と、を備え、駆動ベルト15を駆動させることによって、走行体7を走行させる飲食物搬送装置1であって、連結手段は、走行体7に取り付けられた第1磁性体18と、駆動ベルト15に接続されるベルトブラケット17を介して取り付けられた第2磁性体19と、から構成されており、注文搬送路1aの近傍には、注文搬送路1aに沿って走行板36a,36bが設けられ、ベルトブラケット17には、ベルトブラケット17に対して水平方向に回動可能かつスライド移動可能に支持され、曲線路10aにおいて注文搬送路1aの側壁23aに対して当接するように走行板36a,36bに沿って走行する搬送ブラケット20が設けられているので、搬送ブラケット20は、注文搬送路1aの曲線路10aにおいて、注文搬送路1aの側壁23aに当接しながら曲線路10aの曲線形状に応じて水平方向に水平方向に回動しつつスライド移動することで、走行板36a,36bから受ける摩擦力を小さく抑えて曲線路10aを走行することができるので、走行体7を曲線路10aにおいてがたつき等無くスムーズに走行させることができるばかりか、搬送ブラケット20が注文搬送路1aの側壁23aに当接することで、曲線路10aにおける搬送ブラケット20のスライド過移動と、搬送ブラケットの過回動と、による搬送ブラケット20の走行板36a,36bからの脱落を防ぐことができる。
【0066】
また、搬送ブラケット20は、ベルトブラケット17に駆動ベルト15の駆動方向に沿って複数が配置されているとともに、各搬送ブラケット20には、走行板36a,36bに当接し搬送ブラケット20の走行方向に回動する一対の走行ローラ41が搬送ブラケット20の両側方に設けられており、第2磁性体19は、複数の搬送ブラケット20間に配置されていることで、第2磁性体19が複数の搬送ブラケット20間に配置されているので、複数の搬送ブラケット20は、注文搬送路1aの側壁23aにそれぞれ当接することによって、各搬送ブラケット20が注文搬送路1aから受ける負荷を低減させ、ベルトブラケット17の安定走行を図ることができるばかりか、搬送ブラケット20は一対の走行ローラ41によって走行板36a,36b上を走行するので、搬送ブラケット20と走行版36a,36bとの間に発生する摩擦力を小さくし、この摩擦力によって生じる異音を抑えることができ、駆動ベルト15の駆動による第2磁性体19の移動軌跡をぶれることなく規定することができる。
【0067】
また、注文搬送路1aには、ベルトブラケット17に向けて垂直方向に開口する搬送溝23が駆動ベルト15の駆動方向に沿って形成されており、搬送ブラケット20は、搬送溝23内に収納配置されているので、搬送溝23の側壁23aを利用して搬送ブラケット20を確実に注文搬送路1aに当接させ、搬送ブラケット20の過回動による搬送ブラケット20の走行板36a,36bからの脱落を確実に防ぐことができる。
【0068】
また、第1磁性体18は、注文搬送路1aに対して第2磁性体19を追従する方向にスライド移動するので、注文搬送路1aの第1コーナー10aにて、第2磁性体19に対して第1磁性体18が追従して移動するので、注文搬送路1aと駆動ベルト15との軌跡に相違が生じていても、第1磁性体18と第2磁性体19との駆動連結を解除することなく注文搬送路1aを第1コーナー10aに沿って確実且つ安定して走行させることができる。
【0069】
また、第1磁性体18と第2磁性体19とは、磁性体であるので、注文搬送路1aと駆動ベルト15とは、磁性体による磁力によって連結されるので、例えば、駆動ベルト15の駆動を走行体7に伝達するためのブラケット等を、走行体7と駆動ベルト15との間に直接連結する必要が無いため、注文搬送路1aの長手方向に亘ってブラケット等を移動させるためのスリット等を形成する必要が無い。
【実施例2】
【0070】
次に、実施例2に係る飲食物搬送装置につき、図12から図17を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。以下、図12の紙面上側と図14の紙面奥側と図15の紙面左側を走行体の正面側(前方側)として説明する。
【0071】
図12及び図14に示すように、実施例2における走行体43は、台車部44とトレー部45とを有している。これら台車部44とトレー部45とは、飲食物が載置された複数の飲食物皿6を搬送可能なように、実施例1における台車部24とトレー部25とよりも左右幅寸法及び前後幅寸法が長寸に形成されている。
【0072】
台車部44は、トレー部45に載置された複数の飲食物皿6の荷重を安定して支持可能なように、平面視で方形状に形成された基台部46と、基台部46の前部と後部とに配置される一対のローラブラケット47と、を備えている。この一対のローラブラケット47の前部と後部との左右幅方向の略中央に向けて、本発明における第1連結手段としての第1磁性体18が突設されている。
【0073】
ローラブラケット47の左右の外側面には、走行体43が搬送面3を走行するための荷重ローラ28が垂直方向に回動自在に枢支されている。また、ローラブラケット47における両荷重ローラ28間には、一対のサブブラケット54が取り付けられている。これらサブブラケット54におけるローラブラケット47の左右幅方向の中央寄り側の端部にも、荷重ローラ28が垂直方向に回動自在に枢支されている。つまり、各ローラブラケット47には、荷重ローラ28が4輪枢支されている。
【0074】
更に、サブブラケット54におけるローラブラケット47の左右幅方向の外側寄り側の端部には、支持ローラ48が垂直方向に回動自在に枢支されており、これら支持ローラ48の上部は、ローラブラケット47に上下方向に向けて貫通形成されたスリット孔47aを介してローラブラケット47の上方に突出している。
【0075】
図12に示すように、各軌道ローラ29間の左右幅寸法は、搬送面3のレール部22の左右幅寸法よりも若干長寸に形成されており、走行体7が搬送面3上に配置されることで、各軌道ローラ29は、走行体7の前端部及び後端部でレール部22の左右に近接配置されるようになっている。
【0076】
ローラブラケット47の左右幅方向及び前後幅方向の略中央部には、平面視で円形状の貫通孔47bが形成されており、この貫通孔47bに第1磁性体18が挿入されている。この第1磁性体18の貫通孔47bへの挿入によって各支持ローラ48の上端部が基台部46の下面に当接するため、各ローラブラケット47は、支持ローラ48にて飲食物皿6の荷重を支持しながら第1磁性体18を中心に水平方向に回動自在に枢支される。
【0077】
図13と図15及び図17に示すように、本発明における走行手段としてのベルトブラケット49は、前部に配置される水平片50a及び後部に配置される水平片50bと、取付片50cと、を備えている。この取付片50cの上端部には、センターローラ39が水平方向に回動自在に枢支されているとともに、センターローラ39と取付片50cの上端部との間には、水平片50aの後端部と水平片50bの前端部とが、それぞれセンターローラ39と同一軸心となるように枢支されている。このため、水平片50a,50bは、センターローラ39と同一軸心でベルトブラケット49の左右幅方向に揺動可能となっている。
【0078】
また、水平片50aの前端部と水平片50bの後端部とには、ベルトブラケット49の左右幅方向を向いて上下方向にスライド孔50dが形成されている。これらスライド孔50dの上方には、搬送ブラケット51が配置されている。
【0079】
これら搬送ブラケット51の平面視略中央部には、本発明における第2連結手段としての第2磁性体19が配置されている。図15に示すように、これら第2磁性体19,19間は、走行体43における第1磁性体18,18間の前後幅寸法と略同一となる前後幅寸法に形成されている。このため、走行体43とベルトブラケット49とは、前後2箇所で第1磁性体18と第2磁性体19との磁力により駆動連結している。
【0080】
また、図13に示すように、第2磁性体19は、搬送ブラケット51に対して上下方向を向くスライドピン52によって接続されているとともに、これらスライドピン52の下端部がスライド孔50d内に挿通されている。このため、各搬送ブラケット51は、水平片50a,50bに対してベルトブラケット49の前後でスライドピン52を軸に水平方向に回動可能、かつ左右幅方向にスライド移動可能に取り付けられている。
【0081】
搬送ブラケット51の外側面には、ベルトブラケット49を駆動ベルト15の駆動方向に向けて走行させるための走行ローラ41が垂直方向に回動自在に枢支されている。これら走行ローラ41は、搬送溝23の左右に形成されたレール部3の下面である、本発明における補助レーンとしての走行面53に上端部が当接されている。このため、ベルトブラケット49は、駆動ベルト15によって駆動されることで、走行面53を走行ローラ41によって走行するようになっている。つまり、走行面53は本実施例における補助レーンを構成している。また、これら搬送ブラケット51の上面には、前後一対のガイドローラ42が左右幅方向に2つ、水平方向に回動自在に枢支されている。
【0082】
このように、走行体43とベルトブラケット49とを構成することによって、走行体43とベルトブラケット49とは、図15に示すように、前後2箇所で第1磁性体18と第2磁性体19とによって駆動連結されるため、第1磁性体18と第2磁性体19とのそれぞれの駆動連結にかかる飲食物皿6の荷重を分散させた状態で飲食物皿6を搬送することができ、走行体43の左右幅方向への揺動をも防ぐことができる。
【0083】
また、図16及び図17に示すように、ベルトブラケット49は、駆動ベルト15の駆動によって第1コーナー10aに進入すると、搬送ブラケット51をスライド孔50dに沿って第1コーナー10aの外側方へ向けてスライド移動させながら第1コーナー10aの曲線形状に沿ってベルトブラケット49に対して水平方向に回動させ、各走行ローラ41が走行面53から受ける摩擦力を低減させることができる。
【0084】
同時に、水平片50a,50bを第1コーナー10の内周側に向けて揺動させることによって両第2磁性体19,19間の幅を両第1磁性体18,18間の幅に常に一致させ、第1磁性体18と第2磁性体19とが離間することに伴う駆動連結の解除を防止することができる。
【0085】
一方、走行体43は、第1コーナー10aの内周側に配置された各前後2つの軌道ローラ29をレール部22に当接させながら、各支持ローラ48にて複数の飲食物皿6の荷重を支持しながら両搬送ブラケット47を第1磁性体18周りに回動させ、スムーズに第1コーナー10aを走行する。
【0086】
尚、本実施例の走行体43とベルトブラケット49とは、走行体43に慣性力等の外力がはたらくことにより第1磁性体18と第2磁性体19との駆動連結が解除されても、
走行体43の前部に配置された第1磁性体18とベルトブラケット49の後部に配置された第2連磁性体19、または、走行体43の後部に配置された第1磁性体18とベルトブラケット49の前部に配置された第2磁性体19とが駆動連結されることで、走行体43の注文搬送路1a上での走行を継続させることができる。
【0087】
以上、本実施例における飲食物搬送装置1では、第1磁性体18は、走行体43の走行方向に沿って一対に取り付けられており、第2磁性体19は、一対の第1磁性体18と各々が対向するようにベルトブラケット49に一対に取り付けられているので、走行体43とベルトブラケット49とが第1磁性体18と第2磁性体19との磁性により前後2点で連結され、走行体43を注文搬送路1a上で左右幅方向へぶれることなく安定して走行させることができる。
【0088】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0089】
例えば、前記実施例では、飲食物を寿司として説明したが、これに限定されるものではなく、種々の飲食物を適用可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 飲食物搬送装置
1a,1b,2 注文搬送路(走行レーン)
3 搬送面
6 飲食物皿
7 走行体
9 注文飲食物
10a,10b 第1コーナー
11a,11b 第2コーナー
12a,12b 直線路
15 駆動ベルト(搬送駆動体)
17 ベルトブラケット(接続部)
17c スライド孔
18 第1磁性体(第1連結手段)
19 第2磁性体(第2連結手段)
20 搬送ブラケット(走行手段)
23 搬送溝(溝部)
23a 側壁
36a,36b 走行板(補助レーン)
39 センターローラ
40 スライドピン
41 走行ローラ(車輪)
42 ガイドローラ
43 走行体
48 支持ローラ
49 ベルトブラケット(接続部)
50a,50b 水平片
50c 取付片
51 搬送ブラケット(走行手段)
53 走行面(補助レーン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に曲線路を有し、側部に側壁を備えた走行レーンと、該走行レーンに沿って設けられた搬送駆動体と、飲食物を載置して前記走行レーン上を走行する走行体と、前記搬送駆動体及び前記走行体を駆動連結する連結手段と、を備え、前記搬送駆動体を駆動させることによって、前記走行体を走行させる飲食物搬送装置であって、
前記連結手段は、前記走行体に取り付けられた第1連結手段と、前記搬送駆動体に接続された接続部を介して取り付けられた第2連結手段と、から構成されており、前記走行レーンの近傍には、該走行レーンに沿って補助レーンが設けられ、前記接続部には、該接続部に対して水平方向に回動可能かつスライド移動可能に支持され、前記曲線路において前記走行レーンの側壁に対して当接するように前記補助レーンに沿って走行する走行手段が設けられていることを特徴とする飲食物搬送装置。
【請求項2】
前記走行手段は、前記接続部に前記搬送駆動体の駆動方向に沿って複数が配置されているとともに、各前記走行手段には、前記補助レーンに当接し前記走行手段の走行方向に回動する一対の車輪が前記走行手段の両側方に設けられており、前記第2連結手段は、前記複数の走行手段間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の飲食物搬送装置。
【請求項3】
前記走行レーンには、前記接続部に向けて垂直方向に開口する溝部が前記搬送駆動体の駆動方向に沿って形成されており、前記走行手段は、前記溝部内に収納配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の飲食物搬送装置。
【請求項4】
前記第1連結手段は、前記走行体に対して第2連結手段を追従する方向にスライド移動することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の飲食物搬送装置。
【請求項5】
前記第1連結手段と前記第2連結手段とは、磁性体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の飲食物搬送装置。
【請求項6】
前記第1連結手段は、前記走行体の走行方向に沿って一対に取り付けられており、前記第2連結手段は、一対の前記第1連結手段と各々が対向するように前記接続部に一対に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の飲食物搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−116561(P2011−116561A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20622(P2010−20622)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(390010319)株式会社石野製作所 (85)
【Fターム(参考)】