説明

餅の圧延ロール及び圧延餅の製造方法

【課題】餅を連続的に圧延する場合に於いて、餅の粘性や温度の違いが生じてもその影響による厚みのバラツキを抑え、均一の厚みで圧延することを実現する。
【解決手段】餅を圧延するための2本のロールの両端、及び必要によりそのロールの中間にロールの直径よりも大きいフランジを設け、そのフランジの端面を互いに密着させることにより餅の出口を形成して餅を送り出すようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚みが正確でかつ、残り餅の出ない餅の圧延ロールと、そのロールを使用した圧延餅の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
餅を圧延する場合、ローラーにより連続的に圧延できれば生産効率は格段にアップするが、従来は餅の付着力が大きいために難しかった。
【0003】
その為、スクリューなどを用いて圧力により細長いノズルから押し出し、それを引き伸ばすことにより板状にする方法が取られている。
【0004】
その方法では餅の温度や粘度により押し出し量に大きなバラツキが生じ、厚みのばらつきの原因となっている。
【0005】
特に厚さを10mm以下にしようとするとそのばらつきは許容を超えることが多く、ほとんど使用されていない。
又、スクリューなどの押し出し部分に多くの餅が残り、処理の手間や再利用することによる品質の低下の原因になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、餅を板状に連続圧延する場合に餅の温度や粘性の変化により厚みが大きくばらつくことを抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、2本のローラーで餅を圧延する構造において、各々のローラーの端部及び必要により中間部の一部の直径を大きくして且つ、その部分の外周を互いに密着させることにより、そこに形成される空間から餅を押し出すようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この構造により餅は押し出される際には4周すべてが送り出されることになり、付着力や反発力による抵抗を抑えて順調に送り出されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本発明の具体例として幅広で1列に押し出す場合の平面図である。
【図2】図2は本発明の具体例として幅狭で7列に押し出す場合の平面図である。
【図3】図3は本発明の動作原理を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0010】
1 ロール
2 フランジ部
3 側板
4 餅
【産業上の利用可能性】
【0011】
圧延ロールに形成される溝の形状を変えることにより単に板状・帯状の餅を圧延するだけでなく、ひも状、かまぼこ状の形状で圧延することもでき、応用範囲は広い。
【0012】
もち米を原料とする米菓はうるち米を原料とするものと違って薄く一定に圧延することが難しかったため、四角い箱や円筒状の容器に餅を入れて冷蔵庫で数日かけて固め、その後、切断・乾燥・焙焼などの工程を取っている。
【0013】
本発明の方法で薄く一定に圧延することができればそのまま、型抜き・乾燥・焙焼と、一貫して生産でき、効率は大幅にアップする。
【0014】
本発明は餅だけでなく、かまぼこなどの練り製品は勿論、食品以外のペースト状のものの圧延にも応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
餅を圧延するための2本のロールの両端、及び必要によりそのロールの中間にロールの直径よりも大きいフランジを設け、そのフランジの端面を互いに密着させることにより餅の出口を形成して餅を圧延するロール
【請求項2】
上記のロールを用いて餅を連続して圧延する、圧延餅の製造方法

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−15666(P2011−15666A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164303(P2009−164303)
【出願日】平成21年7月11日(2009.7.11)
【出願人】(709002233)
【Fターム(参考)】