説明

香料デリバリーシステム

オルガノシランでグラフトされ、かつアミノ官能基を有する表面シラノールを有する不溶性キャリヤー粒子と、前記のキャリヤー粒子に付加された正に帯電した官能基を有するポリマーと、該キャリヤー粒子に吸着、又はその中に吸収された芳香剤とを含有する香料デリバリーシステムに関する。該香料デリバリーシステムは、香料デリバリーシステムを含む組成物で処理された織物に、長期持続する芳香を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年1月24日に提出された米国の仮出願第60/645,596号の優先権及び利益を請求し、その内容は参照をもって本願に開示されたものとする。
【0002】
本発明は、オルガノシランでグラフトされ、かつアミノ基を有する表面シラノールを有する不溶性キャリヤー粒子と、正に帯電した官能基を有するポリマーと、該キャリヤー粒子に吸着、又はその中に吸収された芳香剤とを含有する香料デリバリーシステムに関する。該香料デリバリーシステムは、香料デリバリーシステムを含む組成物で処理された織物に、長期持続する芳香を付与する。
【0003】
織物手入れ製品、例えば洗剤又は織物柔軟剤は、普通は香料を含有する。香料は、いくつかの織物手入れ製品の成分の不快臭を隠すだけでなく、織物手入れ製品で処理した織物に心地よい芳香を付与する。
【0004】
香料は、織物手入れ製品の最も高価な成分の1つであり、その結果、織物手入れ製品中に含まれる香料ができるだけ多く織物手入れ製品で処理した織物中に残ることが所望される。このことは、特に、水性の過程で織物処理のために使用される織物手入れ製品にとって、例えば洗濯用洗剤又はすすぎの工程の織物柔軟剤において重要である。これら製品のために、繊維に直接的である香料デリバリーシステムが必要であり、つまり該香料デリバリーシステムは、織物処理の間に繊維に付着し、及び洗浄液又はすすぎ液によっても失われない。かかる香料デリバリーシステムは、香料の遅延放出を提供して、不快と受け取られない穏やかな種類の香料の強さで始まる処理された織物に長期持続性の芳香を付与することが好ましい。
【0005】
GB 1 306 924号は、微粉シリカ及び微粉シリカゲルを香料油のためのキャリヤー粒子として開示する。該キャリヤー粒子に関して、液状香料油を、70質量%までの香料油を含有する易流動性粉末として配合することができる。
【0006】
US 5,840,668号は、芳香を付けた洗濯用洗剤の粉末を開示する。開示された洗剤は、キャリヤーとして非結晶シリカを含有するキャリヤーシステム上に香料を含有する。第7欄58行目〜第9欄26行目に記述された実験は、シリカのキャリヤー粒子上に吸着された香料が、極少量の界面活性剤の存在下で水性洗浄液中へ急速に放出されることを裏付けている。その結果、かかる香料デリバリーシステムは、開示された洗剤で処理された織物に対して香料を送達するにあたって効率的ではないだろう。
【0007】
US 4,954,285号は、吸着された香料を有するかかるシリカ粒子を、乾燥機で活性化される固体の織物柔軟剤組成物中に導入することを開示する。該文献は、芳香を付けたシリカ粒子が、該粒子を水性流体で湿らせた場合に、香料を放出することを第4欄53〜55行目に開示する。この教示に従って、該文献は、水性の工程における織物柔軟剤の適用のための付加的な水不溶性の被覆を有する芳香を付けたシリカ粒子を含有する織物柔軟剤組成物の粒子を開示する。
【0008】
US 4,954,285号は、有利には第四級アンモニウム化合物である織物接着剤の被覆を有する、粒子中に吸収された香料を有するスメクタイト型の粘土又はゼオライトの粒子からなるキャリヤーを含む香料を開示する。その香料デリバリーシステムは、洗濯用洗剤において使用され、及び該文献は、キャリヤーシステムなく香料を含有する洗濯用洗剤で洗浄された織物と比べたかかる洗濯用洗剤で洗浄した織物についての香料の程度の増加を開示している。しかしながら、US 4,536,315号に開示された香料デリバリーシステムは、依然として、界面活性剤又は分散剤が、織物の処理の工程中に粒子の被膜を容易に除去しうる欠点を有し、そのことは香料放出の効率を減少しうる。
【0009】
US 5,476,660号は、正に帯電しているオルガノカルビル基を有するカチオン表面を有するキャリヤー粒子と、キャリヤー粒子によって吸収又は吸着された活性物質とを含有する標的の表面、例えば織物への活性物質、例えば香料の堆積のための組成物を開示する。該キャリヤー粒子は、正に帯電したペンダント基を有するポリマーによって固体材料、例えばポリマーを有する多孔質シリカ、ゼオライト、又はラテックス粒子を被覆することによって製造できる。キャリヤー粒子を製造する代替方法は、表面反応基を有する材料を、二官能性のオルガノカルビル基を有する1つ以上のポリマーとグラフトさせることによる。
【0010】
US 6,020,302号は、四級化、置換、又は酸化によって改質されたポリアミン主鎖を有するポリマーと、場合によりキャリヤー物質、例えばゼオライト、デンプン、シクロデキストリン、又は蝋によって保護された香料とを含有する色物仕上げ組成物を開示する。該文献は、かかる組成物で処理した織物の芳香の強さについての教示を含まない。
【0011】
不溶性のキャリヤー粒子と、正に帯電した官能基を有するポリマーと、キャリヤー粒子に吸着、又はその中に吸収された香料とを含有する香料デリバリーシステムが、表面シラノールを有するキャリヤー粒子を使用し、かつその表面シラノールを、アミノ基を有する少なくとも1つのオルガノシランとグラフトさせることよって改善されることが、目下判明した。アミノ基を有するオルガノシランとグラフトされたキャリヤー粒子を含有するかかる香料デリバリーシステムは、驚くべきことに、グラフトされていないキャリヤー粒子を含有する香料デリバリーシステムと比較して、香料デリバリーシステムを含有する組成物で処理された織物へ強くかつ長期持続する芳香を付与する。
【0012】
本発明は、第一の成分として、表面シラノール基を有する水不溶性のキャリヤー粒子を有し、その際、前記のシラノール基の少なくとも一部が少なくとも1つのオルガノシランとのグラフト化によって有機残基で置換され、正に帯電した官能基を有する少なくとも1つのポリマーを有し、第二の成分として、前記キャリヤー粒子に吸着又はその中に吸収された芳香剤を有し、かつ第三の成分として、前記の有機残基の少なくとも一部がアミノ基を有する香料デリバリーシステムに関する。
【0013】
また、本発明は、本発明の香料デリバリーシステムの製造方法において、表面シラノール基を有する水不溶性のキャリヤー粒子と、少なくとも1つのアミノ基を有する少なくとも1つの有機残基を有するオルガノシランとを反応させてキャリヤー粒子を得る工程、その際、前記シラノール基の少なくとも一部は、前記アミノ基を有する有機残基で置換されており、前記キャリヤー粒子に、正に帯電した官能基を有する少なくとも1つのポリマーを付加する工程、並びに得られた粒子と芳香剤とを接触させて前記芳香剤を前記粒子上に吸着させるか又は前記芳香剤を前記粒子中に吸収させる工程を含む製造方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、本発明の香料デリバリーシステムと、1つ以上の織物柔軟活性のある第四級アンモニウムと、並びに本発明の香料デリバリーシステムと、1つ以上の界面活性剤を含む洗濯用洗剤組成物を提供する。
【0015】
A.キャリヤー粒子
本発明の香料デリバリーシステムは、初めに表面シラノール基を有する水溶性キャリヤー粒子を含有する。かかる表面シラノール基は、キャリヤー粒子のケイ素原子に直接結合したヒドロキシ基であり、該基は、表面上で到達可能であり縮合反応を被りうる。該キャリヤー粒子は、表面シラノール基を有する無機材料又はハイブリッドの有機−無機ポリシロキサンであってよい。有利には、該キャリヤー粒子は、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩又はケイ酸アルミニウムから選択される無機粒子である。本発明の香料デリバリーシステムのキャリヤー粒子は、それらの物質の混合物でもあってよい。本発明のキャリヤー粒子として使用されるケイ酸塩及びケイ酸アルミニウムは、有利には、あらゆる余分な物質の負の電荷を補正するためのアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含む。有利には、負の電荷は、ナトリウムイオンによって補正される。
【0016】
本発明の好ましい一実施態様では、該キャリヤー粒子は、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、及びシリカゲルを含む群から選択されるシリカである。本発明のもう1つの実施態様では、不溶性キャリヤー粒子は、ゼオライト構造を有するケイ酸アルミニウムである。さらに有利には、該ゼオライトは、ゼオライトX、ゼオライトY及び脱アルミニウムゼオライトYを含む群から選択される大細孔ゼオライトである。
【0017】
水不溶性のキャリヤー粒子は、有利には、30m2/gより大きい、及び有利には100m2/gより大きい高い比表面積を有する。該キャリヤー粒子は、多孔質粒子、例えば沈降シリカであってよく、その比表面積が主として粒子の細孔によるものである。水不溶性のキャリヤー粒子は、非多孔質粒子、例えばヒュームドシリカであってよく、該粒子は、高い幾何学的外表面を有する小さな一次粒子を構成する。
【0018】
不溶性キャリヤー粒子は、0.1〜10μmの範囲の粒子の大きさを有する小さい粒子であってよい。代わりに、有利には、小さい粒子の凝集によって得られる、10〜100μmの範囲の粒子の大きさを有する大きい粒子が使用されてもよい。香料デリバリーシステムが低い粘度を有する液体配合物中に使用され、その結果粒子の沈殿を回避する場合に、小さいキャリヤー粒子が好ましい。大きい粒子は、香料デリバリーシステムの便利な取り扱いのために好ましく、その結果取り扱いの間の粉塵の形成を回避する。
【0019】
不溶性キャリヤー粒子の表面シラノール基は、少なくとも1つのオルガノシランとのグラフト反応により、有機残基で部分的に又は完全に置換される。本文のオルガノシランという用語は、ケイ素−炭素結合を通してケイ素原子と結合した少なくとも1つの有機残基を有し、かつグラフト反応においてシラノール基に反応することができるケイ素と結合した少なくとも1つの反応性基を有するケイ素化合物を表す。グラフト反応は、キャリヤー粒子のケイ素原子とオルガノシランのケイ素原子との共有Si−O−Si結合を形成する反応である。グラフト反応は、キャリヤー粒子の表面にオルガノシランの有機残基の永久共有結合を導く。
【0020】
グラフト化のために使用されるオルガノシランは、有利には、グラフト反応で反応性の2つ又は3つの官能基、例えばケイ素と結合した塩化物、アルコキシド、又は水酸化物を含み、グラフト反応中にオルガノシランと粒子表面との多重結合の形成を可能にする。2つ以上のオルガノシランの混合物を、キャリヤー粒子の表面にグラフト化された有機残基の所望される組成を得るために使用してよい。
【0021】
該キャリヤー粒子の表面にグラフトした有機残基の少なくとも一部分は、アミノ基を有する。有利には、それらアミノ基の少なくとも一部分は、第一級アミノ基である。好ましい一実施態様では、それぞれの有機残基は、少なくとも1つのアミノ基を有する。該有機残基は、1残基あたり1つのアミノ基、又は1残基あたりいくつかのアミノ基を有してよい。
【0022】
アミノ基は、オルガノシランがグラフト反応中にキャリヤー粒子の表面シラノール基と反応する前に、オルガノシラン中に既に含まれていてよい。代わりの一実施態様では、該キャリヤー粒子は、シランがキャリヤー粒子の表面上とグラフトした後、アミノ基に変換されるアミノ基以外の1つ以上の官能基を有するオルガノシランとグラフト化される。この実施態様の例は、1つ以上のエポキシ基を含有するオルガノシランと最初にグラフトされ、グラフト反応は後に、第一級アミン又は第二級アミンと反応させて、少なくとも1部分のエポキシ基が相応のビシナルヒドロキシアミン基に変換されているキャリヤー粒子である。
【0023】
少なくとも1部分の有機残基がアミノ基を有する限り、キャリヤー粒子の表面上にグラフトされる有機残基のサイズと組成は、広い範囲の中で選択されてよい。有利には、該有機残基は、2〜20個の炭素原子を含有する。
【0024】
グラフト後、疎水性の表面を有し、従って水と接触した場合に湿りうるキャリヤー粒子を提供するように、キャリヤー粒子及び少なくとも1つのオルガノシランを選択することが好ましい。親水性表面を有するキャリヤー粒子は、水性配合物中に容易に分散する利点を有する。
【0025】
B.正に帯電したポリマー
本発明の香料デリバリーシステムは、さらに、キャリヤー粒子に付加された、正に帯電した官能基を有する少なくとも1つのポリマーを含有する。
【0026】
本発明で使用されるポリマーという用語は、少なくとも10個の同一の繰り返しモノマー単位を有する1つ以上の繰り返しモノマー単位からなる分子を表す。ポリマーという用語は、単一のモノマー単位からなるホモポリマー、又は2つ以上の種々のモノマー単位からなるコポリマーを含む。かかるコポリマーは、種々のモノマー単位の統計分布を有するランダムコポリマー、交互のモノマー単位を有する正規のコポリマー、又は種々のモノマー単位の交互のホモポリマーブロックを有するブロックコポリマーであってよい。本発明で使用されるポリマーという用語は、共有結合によってポリマー分子とグラフトされた官能基によって改質されたあらゆるポリマーも含む。
【0027】
本発明の香料キャリヤーにおいて使用されるポリマーは、少なくとも1種類の正に帯電した官能基を有する。好適な正に帯電した官能基は、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、アミジニウム、グアニジニウム、又はピリジニウムの官能基である。有利には、正に帯電した該官能基は、ポリマーの周囲にある媒体のpH価とは無関係の永久正電荷を有する官能基である。最も有利には、正に帯電した該官能基は、第四級アンモニウム基である。官能基の正電荷は、対イオン、例えば塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸メチルなどによって適宜補正される。
【0028】
好適なポリマーは、1種類以上の正電荷を有するモノマーと場合により正電荷を有さない1つ以上のコモノマーとの重合によって得ることができる。1種類のモノマーだけを含む好適なポリマーの例は、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライドであり、それは、ポリクオタニウム−6として知られている。正電荷を有するモノマーと正電荷を有さないモノマーとを含むコポリマーの好適な例は、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−7、及びポリクオタニウム−22である。
【0029】
選択的に、好適なポリマーは、正に帯電した官能基の相当数を含まないポリマーと、ポリマーの官能基と反応しポリマーと共有的に結合した正に帯電した官能基を生じる試薬との反応によって得られてよい。かかるポリマーは、例えば、アミノ官能基を有するポリマーと、アルキル化剤、例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、炭酸ジメチル、塩化メチル、臭化メチル、又は塩化ベンジルとの反応によって得ることができる。選択的に、かかるポリマーは、アミノ官能基、又はヒドロキシ官能基を有するポリマーと、エポキシ官能基、又はクロロヒドリン官能基を有する第四級アンモニウム化合物、例えばトリメチル−1−(2,3−エポキシプロピル)アンモニウムクロライド、又はトリメチル−1−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)アンモニウムクロライドとの反応によって得ることができる。かかるポリマーのさらなる製造方法は、ラジカル誘発剤の存在下で、容易に抽出できる水素を有するポリマーと、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとの反応による。
【0030】
有利には、正に帯電した官能基を有するポリマーは、1つ以上の炭水化物モノマー単位、例えばグルコース、フルクトース、アラビノース、キシロース、フコース、ガラクトース、マンノース、ガラクツロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸、グルロン酸、ガラクトサミン、又はグルコースアミンからなる。最も好ましいのは、デンプン、セルロース、ガーゴムもしくはローカストビーンガムから、又は変性デンプンもしくは変性セルロース、例えばヒドロキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはカルボキシメチルセルロースから、エポキシ又はクロロヒドリン官能基を有する第四級アンモニウム化合物、例えばトリメチル−1−(2,3−エポキシプロピル)アンモニウムクロライド、もしくはトリメチル−1−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)アンモニウムクロライドとの反応によって、もしくはラジカル誘発剤の存在下におけるジアリルジメチルアンモニウムクロライドとの反応によって得られるポリマーである。あらゆる種類の起源からのデンプン、例えば馬鈴薯デンプン、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、又は米デンプンが使用されうる。最も好ましいかかるポリマーの例は、商品名Celquat SC−240CとしてNational Starch & Chemical社から入手でき、それはポリクオタニウム−10として知られている、トリメチル−1−(2,3−エポキシプロピル)アンモニウムクロライドを有するヒドロキシエチルセルロースの反応産物である。もう1つの例は、商品名Celquat H−100CとしてNational Starch & Chemical社から入手でき、それはポリクオタニウム−4として知られている、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドを有するヒドロキシエチルセルロースの反応産物である。変性デンプン又は変性セルロースから得られる最も好ましいポリマーは、すぐに生分解できる利点を有する。
【0031】
正に帯電した官能基を有するポリマーは、有利には、1000〜10000000g/mol、より有利には、5000〜5000000g/molの範囲内の分子量を有する。
【0032】
キャリヤー粒子のポリマーの質量比は、有利には、0.001〜0.5、より有利には、0.005〜0.2、及び最も有利には0.01〜0.1から選択される。
【0033】
C.芳香剤
本発明の香料デリバリーシステムは、さらに、水不溶性のキャリヤー粒子へ吸着又はその中に吸収される芳香剤を含む。該芳香剤は、1つ以上の芳香性化合物を含有し、及び加えて1つ以上の好適な溶剤及びさらに添加剤、例えば酸化防止剤を含んでもよい。該芳香剤は、それ自体又は1つ以上の好適な溶剤中の溶液として、液体の状態でキャリヤー粒子に適用される。キャリヤー粒子上への芳香剤の適用は、あらゆる好適な工程、例えば混合機もしくは流動層中でのキャリヤー粒子上への芳香剤又は芳香性溶液の吹付けによって達成される。香料デリバリーシステムが非多孔質のキャリヤー粒子を含有する場合に、該芳香剤は、かかるキャリヤー粒子の表面に吸着される。香料デリバリーシステムが多孔質のキャリヤー粒子を含有する場合に、芳香剤のほとんどがキャリヤー粒子の孔へ吸収される。芳香性化合物が、水不溶性のキャリヤー粒子の材料との接触において十分に安定である限り、芳香剤の組成及び芳香性化合物の性質は、広い範囲内で選択でき、かつ制限されない。香料デリバリーシステムが水性配合物で、又は水性基の適用のために使用することが意図される場合に、芳香剤に含有される芳香性化合物は、有利には水への低い溶解度を有する化合物から選択される。
【0034】
好適な芳香性化合物は、例えばアドキサル(adoxal)(2,6,10−トリメチル−9−ウンデセン−1−オール)、アミルアセテート、アミルサリチレート、アニスアルデヒド(4−メトキシベンズアルデヒド)、バクダノール(bacdanol)(2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブタン−1−オール)、ベンズアルデヒド、ベンゾフェノン、ベンジルアセテート、ベンジルサリチレート、3−ヘキセン−1−オール、セタロックス(cetalox)(ドデカヒドロ−3A,6,6,9A−テトラメチルナフト[2,1B]−フラン)、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルサリチレート、シトロネロール、クマリン、シクロヘキシルサリチレート、サイマル(cymal)(2−メチル−3−(4−イソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド)、デシルアルデヒド、エチルバニリン、エチル−2−メチルブチレート、エチレンブラシレート、オイカリプトール、オイゲノール、エキサルトリド(シクロペンタデカノリド)、フロリドラル(florhydral)(3−(3−イソプロピルフェニル)ブタナール)、ガラクソリド(galaxolide)(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−ガンマ−2−ベンゾピラン)、ガンマ−デカラクトン、ガンマ−ドデカラクトン、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、ヘリオナール(helional)(アルファ−メチル−3,4−(メチレンジオキシ)ヒドロシンナムアルデヒド)、ヘリオトロピン、ヘキシルアセテート、ヘキシルシンナムアルデヒド、ヘキシルサリチレート、ヒドロキシアンブラン(hydroxyambran)(2−シクロドデシル−プロパノール)、ヒドロキシシトロネラール、イソEスーパー(iso E super)(7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7,テトラメチルナフタレン)、イソ−オイゲノール、イソ−ジャスモン、コアボン(koavone)(アセチルジ−イソアミレン)、ラウリンアルデヒド、lrg201(2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸メチルエステル)、ライラル(lyral)(4−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、マジャントール(majantol)(2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−プロパノール)、マイヨール(mayol)(4−(1−メチルエチル)シクロヘキサンメタノール)、メチルアントラニレート、メチルベータ−ナフチルケトン、メチルセドリロン(methyl cedrylone)(メチルセドレニルケトン)、メチルカビコール(methyl chavicol)(1−メチルオキシ−4,2−プロペン−1−イルベンゼン)、メチルジヒドロジャスモネート、メチルノニルアセトアルデヒド、ムスクインダノン(musk indanone)(4−アセチル−6−第3級−ブチル−1,1−ジメチルリンダン)、ネロール、ノナラクトン(nonalactone)(4−ヒドロキシノナン酸ラクトン)、ノーリンバノール(norlimbanol)(1−(2,2,6−トリメチル−シクロヘキシル)−3−ヘキサノール)、P.T.ブシナール(P.T.bucinal)(2−メチル−3(4−第3級−ブチルフェニル)プロピオンアルデヒド)、パラ−ヒドロキシフェニルブタノン、パチュリ、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、フェニルヘキサノール/フェノキサノール(phenoxanol)(3−メチル−5−フェニルペンタノール)、ポリサントール(polysantol)(3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール)、ローザフェン(rosaphen)(2−メチル−5−フェニル−ペンタノール)、ビャクダン、アルファ−テルピネン、トナリド/ムスクプラス(tonalid/muskplus)(7−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン)、ウンデカラクトン、ウンデカバートル(undecavertol)(4−メチル−3−デセン−5−オール)、ウンデシルアルデヒド、ウンデセニリックアルデヒド、バニリン、アリルアミルグリコレート、アリルアントラニレート、アリルベンゾエート、アリルブチラート、アリルカプレート、アリルカプロエート、アリルシンナメート、アリルシクロヘキサンアセテート、アリルシクロヘキサンブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アリルヘプトエート、アリルノナノエート、アリルサリチレート、アリルシンナミルアセテート、アリルシンナミルホルメート、シンナミルホルメート、シンナミルアセテート、シクロガルバネート、ゲラニルアセテート、ゲラニルアセトアセテート、ゲラニルベンゾエート、ゲラニルシンナメート、メタリルブチレート、メタリルカプロエート、ネリルアセテート、ネリルブチレート、アミルシンナミルホルメート、アルファ−メチルシンナミルアセテート、メチルゲラニルチグレート、メルテニル(mertenyl)アセテート、ファルネシルアセテート、フェンキルアセテート、ゲラニルアントラニレート、ゲラニルブチレート、ゲラニルイソ−ブチレート、ゲラニルカプロエート、ゲラニルカプリレート、ゲラニルエチルカーボネート、ゲラニルホルメート、ゲラニルフロエート、ゲラニルヘプトエート、ゲラニルメトキシアセテート、ゲラニルペラルゴネート、ゲラニルフェニルアセテート、ゲラニルフタラート、ゲラニルプロピオネート、ゲラニルイソ−プロポキシアセテート、ゲラニルバレレート、ゲラニルイソ−バレレート、トランス−2−ヘキセニルアセテート、トランス−2−ヘキセニルブチレート、トランス−2−ヘキセニルカプロエート、トランス−2−ヘキセニルフェニルアセテート、トランス−2−ヘキセニルプロピオネート、トランス−2−ヘキセニルチグレート、トランス−2−ヘキセニルバレレート、ベータ−フェニルアセテート、アルファ−フェニルアリルアセテート、プレニルアセテート、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート、第2級−n−アミルアセテート、オルト−第3級−アミル−シクロヘキシルアセテート、イソアミルベンジルアセテート、第2級−n−アミルブチレート、アミルビニルカルビニルアセテート、アミルビニルカルビニルプロピオネート、シクロヘキシルサリチレート、ジヒドロ−ノル−シクロペンタジエニルアセテート、ジヒドロ−ノル−シクロペンタジエニルプロピオネート、イソボニルアセテート、イソボニルサリチレート、イソボニルバレレート、フロルアセテート、フルテン(frutene)、2−メチルブテン−2−オール−4−アセテート、メチルフェニルカルビニルアセテート、2−メチル−3−フェニルプロパン−2−イルアセテート、プレニルアセテート、4−第3級−ブチルシクロヘキシルアセテート、バルドックス(verdox)(2−第3級−ブチルシクロヘキシルアセテート)、バーテネックス(vertenex)(4−第3級−ブチルシクロヘキシルアセテート)、バイオリッフ(Violiff)(カルボン酸4−シクロオクタン−1−イルメチルエステル)、エテニル−イソ−アミルカルビニルアセテート、フェンキルアセテート、フェンキルベンゾエート、フェンキル−n−ブチレート、フェンキルイソブチレート、左旋性メンチルアセテート、dl−メンチルアセテート、メンチルアントラニレート
メンチルベンゾエート、メンチル−イソ−ブチレート、メンチルホルメート、左旋性メンチルフェニルアセテート、メンチルプロピオネート、メンチルサリチレート、メンチル−イソ−バレレート、シクロヘキシルアセテート、シクロヘキシルアントラニレート、シクロヘキシルベンゾエート、シクロヘキシルブチレート、シクロヘキシル−イソ−ブチレート、シクロヘキシルカプロエート、シクロヘキシルシンナメート、シクロヘキシルホーメート、シクロヘキシルヘプトエート、シクロヘキシルオキサレート、シクロヘキシルペラルゴネート、シクロヘキシルフェニルアセテート、シクロヘキシルプロピオネート、シクロヘキシルチオグリコレート、シクロヘキシルバレレート、シクロヘキシル−イソ−バレレート、メチルアミルアセテート、メチルベンジルカルビニルアセテート、メチルブチルシクロヘキサニルアセテート、5−メチル−3−ブチル−テトラヒドロピラン−4−イルアセテート、メチルシトレート、メチル−イソ−カンホレート、2−メチルシクロヘキシルアセテート、4−メチルシクロヘキシルアセテート、4−メチルシクロヘキシルメチルカルビニルアセテート、メチルエチルベンジルカルビニルアセテート、2−メチルヘプタノール−6−アセテート、メチルヘプテニルアセテート、アルファ−メチル−n−ヘキシルカルビニルホルメート、メチル−2−メチルブチレート、メチルノニルカルビニルアセテート、メチルフェニルカルビニルアセテート、メチルフェニルカルビニルアントラニレート、メチルフェニルカルビニルベンゾエート、メチルフェニルカルビニル−n−ブチレート、メチルフェニルカルビニル−イソ−ブチレート、メチルフェニルカルビニルカプロエート、メチルフェニルカルビニルカプリレート、メチルフェニルカルビニルシンナメート、メチルフェニルカルビニルホルメート、メチルフェニルカルビニルフェニルアセテート、メチルフェニルカルビニルプロピオネート、メチルフェニルカルビニルサリチレート、メチルフェニルカルビニル−イソ−バレレート、3−ノニルアセテート、3−ノネニルアセテート、ノナンジオール−2,3−アセテート、ノニノールアセテート、2−オクチルアセテート、3−オクチルアセテート、n−オクチルアセテート、第2級−オクチル−イソ−ブチレート、ベータ−ペンテニルアセテート、アルファ−フェニルアリルアセテート、フェニルエチルメチルカルビニル−イソ−バレレート、フェニルエチレングリコールジフェニルアセテート、フェニルエチルエチニルカルビニルアセテート、フェニルグリコールジアセテート、第2級−フェニルグリコールモノアセテート、フェニルグリコールモノベンゾエート、イソプロピルカプレート、イソプロピルカプロエート、イソプロピルカプリレート、イソプロピルシンナメート、パラ−イソプロピルシクロヘキシルアセテート、プロピルグリコールジアセテート、プロピレングリコールジ−イソブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、イソプロピル−n−ヘプトエート、イソプロピル−n−ヘプト−1−エンカルボネート、イソプロピルペラルゴネート、イソプロピルプロピオネート、イソプロピルウンデシレネート、イソプロピル−n−バレレート、イソプロピル−n−バレレート、イソプロピル−イソ−バレレート、イソプロピルセバシネート、イソプレギルアセテート、イソプレギルアセトアセテート、イソプレギルイソブチレート、イソプレギルホルメート、チミルプロピオネート、アルファ−2,4−トリメチルシクロヘキサンメチルアセテート、トリメチルシクロヘキシルアセテート、バニリントリアセテート、バニリリデンジアセテート、バニリルバニリレート、第3級−アミルアセテート、カリオフィレンアセテート、セドレニルアセテート、セドリルアセテート、ジヒドロミルセニルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルイソブチレート、ジメチルヘプテニルアセテート、ジメチルヘプテニルホルメート、ジメチルヘプテニルプロピオネート、ジメチルヘプテニル−イソ−ブチレート、ジメチルフェニルエチルカルビニルアセテート、ジメチルフェニルエチルカルビニル−イソ−ブチレート、ジメチルフェニルエチルカルビニル−イソ−バレレート、ジヒドロ−ノル−ジシクロペンタジエニルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルブチレート、ジメチルベンジルカルビニルホルメート、ジメチルベンジルカルビニルプロピオネート、ジメチルフェニルエチルカルビニル−n−ブチレート、ジメチルフェニルエチルカルビニルホルメート、ジメチルフェニルエチルカルビニルプロピオネート、エレミル(elemyl)アセテート、エチニルシクロヘキシルアセテート、オイデスミル(eudesmyl)アセテート、オイゲニルシンナメート、オイゲニルホルメート、イソ−オイゲニルホルメート、オイゲニルフェニルアセテート、イソ−オイゲニルフェニルアセテート、グアイルアセテート、ヒドロキシシトロネリルエチルカーボネート、リナリル(linallyl)アセテート、リナリルアントラニレート、リナリルベンゾエート、リナリルブチレート、リナリルイソブチレート、リナリルカプロエート、リナリルカプリレート、リナリルシンナメート、リナリルシトロネレート、リナリルホルメート、リナリルヘプトエート、リナリル−N−メチルアントラニレート、リナリルメチルチグレート、リナリルペラルゴネート、リナリルフェニルアセテート、リナリルプロピオネート、リナリルピルベート、リナリルサリチレート、リナリル−n−バレレート、リナリル−イソ−バレレート、メチルシクロペンテノロンブチレート、メチルシクロペンテノロンプロピオネート、メチルエチルフェニルカルビニルアセテート、メチルヘプチニルカーボネート、メチルニコチネート、ミルセニルアセテート、ミルセニルホルメート、ミルセニルプロピオネート、シス−オシメニルアセテート、フェニルサリチレート、テルピニルアセテート、テルピニルアントラニレート、テルピニルベンゾエート、テルピニル−n−ブチレート、テルピニル−イソ−ブチレート、テルピニルシンナメート、テルピニルホルメート、テルピニルフェニルアセテート、テルピニルプロピオネート、テルピニル−n−バレレート、テルピニル−イソ−バレレート、トリブチルアセチルシトレート、アミルビニルカルビルアセテート、アミルビニルカルビニルプロピオネート、ヘキシルビニルカルビニルアセテート、3−ノネニルアセテート、4−ヒドロキシ−2ーヘキセニルアセテート、リナリルアントラニレート、リナリルベンゾエート、リナリルブチレート、リナリルイソブチレート、リナリルカプロエート、リナリルカプリレート、リナリルシンナメート、リナリルシトロネレート、リナリルホルメート、リナリルヘプトエート、リナリル−N−メチルアントラニレート、リナリルメチルチグレート、リナリルペラルゴネート、リナリルフェニルアセテート、リナリルプロピオネート、リナリルピルベート、リナリルサリチレート、リナリル−n−バレレート、リナリル−イソ−バレレート、ミルテニル(myrtenyl)アセテート、ネロリジルアセテート、ネロリジルブチレート、ベータ−ペンタニルアセテート、アルファ−フェニルアリルアセテート、アセチルフラン、アレスロロン、アリール−イオノン、アリール−プレゴン、アミル−シクロペンテノン、ベンジリデンアセトン、ベンジリデンアセトフェノン、アルファ−イソ−メチル−イオノン、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、ベータ−ダマスコン(damascone)(1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン)、ダマスセノン(damascenone)(1−(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−イル)−2−ブテン−1−オン)、デルタ−ダマスコン(1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロ−ヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン)、アルファ−イオノン(4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル−1−イル)−3−ブテン−2−オン)、ベータ−イオノン(4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン)、ガンマ−メチルイオノン(4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキシル−1−イル)−3−メチル−3−ブテン−2−オン)、プレゴン、アセトアルデヒドベンジル−ベータ−メトキシエチルアセタル、アセトアルデヒドジ−イソ−アミルアセタル、アセトアルデヒドジ−ペンタンジオールアセタル、アセトアルデヒドジ−n−プロピルアセタル、アセトアルデヒドエチル−トランス−3−ヘキセニルアセタル、アセトアルデヒドフェニルエチレングリコールアセタル、アセトアルデヒドフェニルエチルn−プロピルアセタル、シンナムアルデヒドジメチルアセタル、アセトアルデヒドベンジル−ベータ−メトキシエチレンアセタル、アセトアルデヒドジ−イソ−アミルアセタル、アセトアルデヒドジエチルアセタル、アセトアルデヒドジ−シス−3−ヘキセニルアセタル、アセトアルデヒドジ−ペンタンジオールアセタル、アセトアルデヒドジ−n−プロピルアセタル、アセトアルデヒドエチル−トランス−3−ヘキセニルアセタル、アセトアルデヒドフェニルエチレングリコールアセタル、アセトアルデヒドフェニルエチル−n−プロピルアセタル、アセチルバニリンジメチルアセタル、アルファ−アミルシンナムアルデヒドジ−イソ−プロピルアセタル、p−第3級−アミルフェノキシアセトアルデヒドジエチルアセタル
アニスアルデヒドジエチルアセタル、アニスアルデヒドジメチルアセタル、イソ−アピオール、ベンズアルデヒドジエチルアセタル、ベンズアルデヒドジ−(エチレングリコールモノブチルエーテル)アセタル、ベンズアルデヒドジメチルアセタル、ベンズアルデヒドエチレングリコールアセタル、ベンズアルデヒドグリセリルアセタル、ベンズアルデヒドプロピレングリコールアセタル、シンナムアルデヒドジエチルアセタル、シトラールジエチルアセタル、シトラールジメチルアセタル、シトラールプロピレングリコールアセタル、アルファ−メチルシンナムアルデヒドジエチルアセタル、アルファ−シンナムアルデヒドジメチルアセタル、フェニルアセトアルデヒド2,3−ブチレングリコールアセタル、フェニルアセトアルデヒドシトロネリル−メチルアセタル、フェニルアセトアルデヒドジアリルアセタル、フェニルアセトアルデヒドジアミルアセタル、フェニルアセトアルデヒドジベンジルアセタル、フェニルアセトアルデヒドジブチルアセタル、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタル、フェニルアセトアルデヒドジゲラニルアセタル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタル、フェニルアセトアルデヒドエチレングリコールアセタル、フェニルアセトアルデヒドグリセリルアセタル、シトロネラールシクロモノグリコールアセタル、シトロネラールジエチルアセタル、シトロネラールジメチルアセタル、シトロネラールジフェニルエチルアセタル、ゲラノキシアセトアルデヒドジエチルアセタル、アセトンジエチルケタル、アセトンジメチルケタル、アセトフェノンジエチルケタル、メチル−アミル−カテコールケタル、メチル−ブチル−カテコールケタル、アニスアルデヒドメチルアントラニレート、オーランチオール(aurantiol)(ヒドロキシシトロネラールメチルアントラニレート)、バーダンチオール(verdantiol)(4−第3級−ブチル−アルファ−メチルジヒドロシンナムアルデヒドメチルアントラニレート)、バートシン(vertosine)(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボアルデヒド)、ヒドロキシシトロネラールエチルアントラニレート、ヒドロキシシトロネラールリナリルアントラニレート、メチル−N−(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセニル−メチリデン)アントラニレート、メチルナフチルケトンメチルアントラニレート、メチル−ノニル−アセトアルデヒドメチルアントラニレート、メチル−N−(3,5,5−トリメチルヘキシリデン)アントラニレート、バニリンメチルアントラニレート、アミルアセテート、アミルプロピオネート、アネトール、アニスアルデヒド、アニソール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルブチレート、ベンジルホルメート、ベンジルイソ−バレレート、ベンジルプロピオネート、カンフルガム、カルバクロール、左旋性−カルベオール、d−カルボン、左旋性−カルボン、シトラール(ネラール)、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルイソブチレート、シトロネリルニトリル、シトロネリルプロピオネート、パラ−クレゾール、パラ−クレジルメチルエーテル、シクロヘキシルエチルアセテート、クミンアルコール、クミンアルデヒド、シクラルC(cyclal C)(3,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、パラ−シメン、デシルアルデヒド、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルオクタノール、ジフェニルオキシド、ドデカラクトン、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、エチルブチレート、エチルヘキシルケトン、エチルフェニルアセテート、オイカリプトール、オイゲノール、フェンキルアルコール、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、ヘキセノール、ベータ−ガンマ−ヘキセノール、ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルアセテート、ヘキセニルイソブチレート、シス−3−ヘキセニルチグレート、ヘキシルアセテート、ヘキシルホルメート、ヘキシルネオペンタノエート、ヘキシルチグレート、ヒドラトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、アルファ−イロン、イソアミルアルコール、イソブチルベンゾエート、イソメントン、イソノニルアセテート、イソノニルアルコール、イソブチルキノリン、イソメントール、パラ−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、イソプレゴール、イソプレギルアセテート、イソキノリン、シス−ジャスモン、ラウリルアルデヒド(ドデカナール)、リガストラル(ligustral)(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、リナロール、リナロールオキシド、メントン、メチルアセトフェノン、パラ−メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、メチルアントラニレート、メチルベンゾエート、メチルベンジルアセテート、メチルカビコール、メチルオイゲノール、メチルヘプテノン、メチルヘプチンカルボネート、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルサリチレート、ミルセン、ネラール、ネロール、ガンマ−ノナラクトン、ノニルアセテート、ノニルアルデヒド、アロ−オシメン、オクタラクトン、2−オクタノール、オクチルアルデヒド、d−リモネン、フェノキシエタノール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビニル、プロピルブチレート、ローズオキシド、4−テルピネオール、アルファ−テルピネオール、テルピノレン、トナリド(6−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン)、ウンデセナール、ベラトロール(veratrol)(1,2−ジメトキシベンゼン)、アンブロックス(ambrox)(1,5,5,9−テトラメチル−1,3−オキサトリシクロトリデカン)、アネトール、バクダノール(2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール)、ベンジルアセトン、ベンジルサリチレート、ブチルアントラニレート、カロン(calone)、セタロックス(2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール)、シンナムアルコール、クマリン、シクラルC(3,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、サイマル(2−メチル−3−(4−イソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド)、4−デセナール、ジヒドロイソジャスモネート、ガンマ−ドデカラクトン、エバノール、エチルアントラニレート、エチル−2−メチルブチレート、エチルバニリン、オイゲノール、フロリドラル(3−(3−イソプロピルフェニル)ブタノール)、フルクトン(fructone)(エチル−2−メチル−1,3−ジオキソレン−2−アセテート)、ヘリオトロピン、ハーババート(herbavert)(3,3,5−トリメチルシクロヘキシルエチルエーテル)、シス−3−ヘキセニルサリチレート、インドール、イソシクロシトラル、イソオイゲノール、アルファ−イソメチルイオノン、ケオン(keone)、リリアル(lilial)(パラ−第3級−ブチルアルファ−メチルヒドロシンナムアルデヒド)、リナロール、ライラル(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、メチルヘプチンカルボネート、メチルアントラニレート、メチルジヒドロジャスモネート、メチル−イソブテニル−テトラヒドロピラン、メチルベータ−ナフチルケトン、メチルノニルケトン、ベータ−ナフトールメチルエーテル、ネロール、パラ−アニスアルデヒド、パラ−ヒドロキシフェニル−ブタノン、フェニルアセトアルデヒド、ガンマ−ウンデカラクトン、及びウンデシレンアルデヒドである。芳香性の天然に産出する植物油及び動物油、並びに植物及び動物から得られる浸出液及び抽出液も好適である。
【0035】
キャリヤー粒子に対する芳香剤の質量比は、広い範囲で変動でき、及び有利には、0.01〜5及び、最も有利には0.2〜3から選択されうる。質量比は、キャリヤー粒子の表面積及び細孔容積に依存して、実質的にすべての芳香剤がキャリヤー粒子に吸着又はその中に吸収され、その結果乾燥した易流動性粉末の香料デリバリーシステム得られるように選択される。
【0036】
D.香料デリバリーシステムの製造方法
本発明は、本発明の香料デリバリーシステムの製造方法も提供する。該方法は、
a)表面シラノール基を有する水不溶性のキャリヤー粒子と、少なくとも1つのアミノ基を有する少なくとも1つの有機残基を有するオルガノシランとを反応させてキャリヤー粒子を得る工程、その際、前記シラノール基の少なくとも一部は、前記アミノ基を有する有機残基で置換されており、
b)前記キャリヤー粒子に、正に帯電した官能基を有する少なくとも1つのポリマーを付加する工程、並びに、
c)工程b)で得られた粒子と芳香剤とを接触させて前記芳香剤を前記粒子上に吸着させるか又は前記芳香剤を前記粒子中に吸収させる工程
を含む。
【0037】
工程a)でキャリヤー粒子と反応するオルガノシランは、有利には、
【化1】

[式中、
1及びR2が、独立して、メチル、エチル、n−プロピル、又はn−ブチルを表し、
nが、0又は1を表し、
Zが、NR34を表し、
3及びR4が、独立して、水素、メチル、エチル、C3〜C20のアルキル、C7〜C26のアラルキル、(CH2CH2O)m5、又は(CH2CH2NH)m5を表し、
mが、1〜4を表し、及び
5が、水素、メチル、エチル、C3〜C20のアルキル、又はC7〜C26のアラルキルを表す]で示される式を有する。
【0038】
最も好ましいオルガノシランは、

であり、式中、Meはメチルを表し、Etはエチルを表し、及びPhはフェニルを表す。
【0039】
該方法の工程a)では、オルガノシランを、有利には、1:1〜1:100の質量比でキャリヤー粒子と反応させる。より有利には、オルガノシランとキャリヤー粒子との質量比は、1:5〜1:50である。
【0040】
オルガノシランは、水の不在下で、好適な溶剤でキャリヤー粒子と反応しうる。該反応は、キャリヤー粒子上にシランのグラフト化を達成するための好適な時間で行われる。反応温度は、シランのケイ素原子に対して反応性の基の性質に従って選択され、有利には、20〜100℃の範囲である。
【0041】
オルガノシランは、水の存在下でキャリヤー粒子と反応させることもできる。この場合、オルガノシラン又はオルガノシラン溶液を、キャリヤー粒子上に噴霧させ、そして得られる混合物を、有利には100〜200℃、特に100〜150℃の温度で、グラフト反応を完全にするために乾燥させる。
【0042】
工程b)において、正に帯電した官能基を有する少なくとも1つのポリマーを、工程a)で得られたキャリヤー粒子に付加する。有利には、ポリマーの付加は、キャリヤー粒子とポリマーとの混和物を得られるように行われる。ポリマーが固体である場合に、該ポリマーは、キャリヤー粒子と乾式混合することができる。
【0043】
代わりの一実施態様では、溶剤又は溶剤の混合物中のポリマー溶液を、キャリヤー粒子に添加する。この場合において、水は、有利には溶剤として使用される。1つ以上の溶剤は、有利には、得られた懸濁液から蒸発することによって取り除かれる。選択的に、1つ以上の溶剤を、キャリヤー粒子から、好適な機械的な手法、例えば濾過又は遠心分離によって、十分な量のポリマーがキャリヤー粒子に吸着された後に分離してもよい。
【0044】
工程c)において、工程b)で得られた該粒子と芳香剤との接触は、有利には、キャリヤー粒子上に、流動性の状態にキャリヤー粒子を維持しつつ、芳香剤又は1つ以上の好適な溶剤中の芳香溶液を噴霧することによって行われる。噴霧は、該粒子が機械的手法によって動かされる混合機中で、又は該粒子が流動ガスによって動かされる流動層中で行われてよい。溶剤が使用される場合、該溶剤は、噴霧の工程中に適宜取り除かれてよいが、しかし必須ではない。
【0045】
E.織物柔軟剤組成物
本発明は、さらに、本発明の香料デリバリーシステムと、1つ以上の織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物とを含有する織物柔軟剤組成物を提供する。
【0046】
織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物は、織物と接触した場合に、織物に柔らかい感触を付与しうる第四級アンモニウム化合物である。
【0047】
好適な織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物は、式(I)
【化2】

[式中、それぞれのR6は、独立して、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のヒドロキシアルキル、又はベンジルを表し、及び有利にはメチルを表し;
7は、独立して、水素、C11〜C22の直鎖状アルキル、C11〜C22の分枝鎖状アルキル、C11〜C22の直鎖状アルケニル、又はC11〜C22の分枝鎖状アルケニルを表すが、但し、少なくとも1つのR7は、水素ではなく;
Qは、独立して、式、−O−C(O)−、−C(O)O−、−NR8−C(O)−、−C(O)−NR8−、−O−C(O)−O−、−CHR9−O−C(O)−、又は−CH(OCOR7)−CH2−O−C(O)−[式中、R8は、水素、メチル、エチル、プロピル、又はブチルを表し、かつR9は、水素又はメチルを表す]を有する構成単位から選択され、及び有利には、Qは、−O−C(O)−又は−NH−C(O)−を表し;
mは、1〜4、及び有利には2又は3を表し;
nは、1〜4、及び有利には2を表し;
-は、柔軟剤適合アニオン、例えば塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸塩又は硝酸塩、有利には塩化物又は硫酸メチルを表す]で示される化合物である。
【0048】
式(I)の織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物は、水素ではない1分子あたりのR7の基の数が1〜mの範囲の化合物の混合物であってよい。有利には、かかる混合物は、平均1.2〜2.5の水素ではない1分子あたりのR7基を含む。より有利には、水素ではないR7基の量は、1.4〜2.0、及び最も有利には1.6〜1.9である。
【0049】
最も好ましい式(I)の化合物は、式(II)〜式(IV)の化合物である:
【化3】

式中、R6、R7、及びXは、前記の式(I)で定義された同一の意味を有するが、但し、R7は、水素ではない。
【0050】
有利には、−C(O)R7の構成単位は、脂肪酸アシル成分である。好適な脂肪酸アシル成分は、トリグリセリド、有利には、獣脂、植物油、部分的に水素化された獣脂、及び部分的に水素化された植物油の天然源に由来する。好適なトリグリセリド源は、大豆油、獣脂、部分的に水素化された獣脂、パーム油、パーム核油、ナタネ油、ラード油、ヤシ油、キャノーラ油、ベニバナ油、トウモロコシ油、米油、及びトール油である。配合者は、最終織物柔軟剤の所望される物理的性質及び効能の特性に依存して、あらゆる上記で言及された脂肪酸アシル成分の源を選択してよく、又は選択的に、配合者はトリグリセリド源を混合し、配合物を形成してよい。
【0051】
脂肪及び油の技術分野の当業者は、植物油の場合のように、脂肪酸アシル組成物が、穀物から穀物へ、又は変種の植物油源から変種の植物油源へと変動することを認識している。R7基は、特に、直鎖状又は分枝鎖状の飽和脂肪族脂肪酸と不飽和脂肪族脂肪酸との混合物である。
【0052】
かかる混合物中の不飽和基R7率は、有利には少なくとも10%、最も有利には少なくとも25%、及び最も有利には40%〜70%である。かかる混合物中のポリ不飽和基R7率は、有利には10%未満、より有利には5%未満、及び最も有利には、%未満である。部分水素化は、所望であれば、最終産物の安定性(例えば、香り、色など)を改善するために、多不飽和レベルを最小化することに使用されてよい。不飽和のレベルは、ヨウ素価によって表され、有利には5〜150の範囲、及びより有利には5〜50の範囲でありうる。不飽和基R7中の二重結合のシス異性体及びトランス異性体の割合は、1:1より大きく、最も有利には4:1〜50:1の範囲である。
【0053】
式(I)の化合物の好ましい例は、以下である:
N,N−ジ(タロウィル(tallowyl)−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド;
N,N−ジ(カノリル(Canolyl)−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド;
N,N−ジ(タロウィル−オキシ−エチル)−N−メチル,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート;
N,N−ジ(カノリル−オキシ−エチル)−N−メチル,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート;
N,N−ジ(タロウィルアミドエチル)−N−メチル,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート;
N,N−ジ(2−タロウィルオキシ−2−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド;
N,N−ジ(2−カノリルオキシ−2−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド;
N,N−ジ(2−タロウィルオキシエチルカルボニルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド;
N,N−ジ(2−カノリルオキシエチルカルボニルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド;
N−(2−タロウィルオキシ−2−エチル)−N−(2−タロウィルオキシ−2−オキソ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド;
N−(2−カノリルオキシ−2−エチル)−N−(2−カノリルオキシ−2−オキソ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド;
N,N,N−トリ(タロウィル−オキシ−エチル)−N−メチルアンモニウムクロライド;
N,N,N−トリ(カノリル−オキシ−エチル)−N−メチルアンモニウムクロライド;
1,2−ジタロウィルオキシ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロパンクロライド;及び
1,2−ジカノリルオキシ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロパンクロライド。
【0054】
織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物として好適であるのは、式(V)
【化4】

[式中、R6、R7、及びXが、前記の式(I)として定義された同一の意味を有することを表すが、但し、R7は水素ではない]で示される化合物である。
【0055】
式(V)の化合物の好ましい例は、ジタロージメチルアンモニウムクロライド、ジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、及びジベヘニルジメチルアンモニウムクロライドである。
【0056】
織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物としてさらに好適であるのは、式
【化5】

[式中、R6、R7、及びXが、前記の式(I)として定義された同一の意味を有するが、但し、R7は水素ではなく、かつQが−O−C(O)−、又は−NH−C(O)−を表す]で示される化合物である。
【0057】
すすぎの工程の柔軟剤としての適用のために、本発明の織物柔軟剤組成物は、有利には、香料デリバリーシステム0.1〜5質量%、織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物1〜50質量%、及び水を含有する。より有利には、織物柔軟剤組成物は、香料デリバリーシステム0.2〜2質量%、及び最も有利には0.3〜1.0質量%を含有する。
【0058】
香料デリバリーシステム、1つ以上の織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物、及び水に加えて、すすぎの工程の柔軟剤として使用されるかかる織物柔軟剤組成物は、水性織物柔軟剤組成物、例えば、粘性かつ分散性の酸、安定剤、汚れ剥離剤、殺菌剤、非イオン柔軟剤、着色剤、防腐剤、光学光沢剤、乳白剤、織物品質改良剤、界面活性剤、抗伸縮剤、抗シワ剤、抗縮剤、抗シミ剤、防カビ剤、耐蝕剤、及び/又は消泡剤の製造として先行技術から公知の添加物をさらに含んでいてよい。好適な添加物は、US 6,737,392号の第8欄1行目〜第14欄6行目で開示され、これらは参照をもって開示されたものとする。
【0059】
乾燥機添加柔軟剤の用途のために、本発明の織物柔軟剤組成物は、有利には、香料デリバリーシステム0.1〜5質量%、及び吸収性物品上に処理される織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物1〜99質量%を含有する。より有利には、織物柔軟剤組成物は、香料デリバリーシステム0.2〜2質量%、最も有利には0.3〜1.0質量%を含有する。
【0060】
乾燥機添加柔軟剤として有用な、補吸収物上に織物柔軟剤活性材料が配置された補給物、かつ好適な補吸収物上に織物柔軟剤組成物を配置する方法は、当該技術分野で知られる。有利には、補吸収物は、織布繊維材料又は不織布繊維材料を有するシートの形状を有する。より有利には、該シートは、ペーパーシート、又はフリース製不織布もしくはセルロース繊維、再生セルロース繊維もしくはポリエステル繊維から製造された織布である。好適な織布シート並びに不織布繊維材料、及び前記のシート上に織物柔軟剤組成物を配置する方法は、US 3,686,025号に開示され、これらは参照をもって開示されたものとする。かかる一実施態様では、織物柔軟剤組成物は、シートの表面上又は有利にはシートの繊維の間のどちらかに配置されてよい。代わりの一実施態様では、補吸収物は、スポンジもしくは気泡の孔の中に処理された織物柔軟剤組成物を有するスポンジ様又は開口気孔の硬質フォーム材料を含む。
【0061】
織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物に加えて、乾燥機添加柔軟剤として使用される織物柔軟剤組成物は、1つ以上の共柔軟剤をさらに含有してもよく、それらは、次の構造、
【化6】

[式中、R10が、約8個〜約30個の炭素原子を含有する長鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し;R11及びR12が、同一又は異なり、及び1〜30個の炭素原子を含有するアルキル基、2〜30個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキル基、並びに式、R14(OCHR15CH2n、[式中、R14が、水素、1〜30個の炭素原子を含有するアルキル基、又は3〜30個の炭素原子を含有するアルケニル基を表し、R15が、水素又はメチルを表し、かつnが、1〜30を表す]で示されるアルキルエーテル基からなる群から選択され;R10、R11、R12、及びR14鎖が、エステルで中断された基であってよく;R13が、8〜30個の炭素原子を含有するアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、又はアラルキル基を表す]で示される第四級アミンのカルボン酸塩である。アミン塩を形成するために使用されるアミン及び酸は、単鎖長より混合鎖長であってよく、並びに天然脂肪及び天然油、又は鎖長の混合物を製造する合成過程から誘導された材料を有していてよい。共柔軟剤は、有利には、35℃〜100℃の範囲の軟化点を有する。共柔軟剤第四級アミン塩を形成するための出発材料として使用される好ましい第四級アミンは、ラウリルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、タロージメチルアミン、ココヤシジメチルアミン、ジラウリルメチルアミン、ジステアリルメチルアミン、ジタローメチルアミン、オレイルジメチルアミン、ジオレイルメチルアミン、ラウリル−ジ(3−ヒドロキシプロピル)アミン、ステアリル−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリラウリルアミン、及びラウリルエチルメチルアミンである。共柔軟剤第四級アミン塩を形成するための出発物質として使用される好ましいカルボン酸は、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びパルミチン酸である。
【0062】
香料デリバリーシステム、1つ以上の織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物、及び吸収剤基質に加えて、乾燥機添加柔軟剤として使用されるかかる織物柔軟剤組成物は、さらに織物柔軟剤、例えば、非イオン界面活性剤、脂肪酸及びアルコキシ化された脂肪酸、安定剤、汚れ剥離剤、殺菌剤、非イオン柔軟剤、着色剤、防腐剤、光学光沢剤、織物品質改良剤、界面活性剤、抗伸縮剤、抗シワ剤、抗縮剤、抗シミ剤、防カビ剤、及び/又は耐蝕剤の製造のための先行技術として公知である添加物を含有しうる。好適な添加剤は、US 6,737,392号の第9欄47行目〜第14欄6行目に開示され、これらは参照をもって開示されたものとする。
【0063】
本発明の織物柔軟剤組成物は、先行技術の香料デリバリーシステムを有する組成物で処理した織物と比較して前記の組成物で処理した織物へ、強くそして長期持続する芳香を付与する。かかる織物柔軟剤組成物は、従って、先行技術で使用したより少量の香料化合物で配合できる。
【0064】
F.洗濯用洗剤組成物
本発明は、本発明の香料デリバリーシステム、及び1つ以上の界面活性剤を有する洗濯用洗剤組成物をさらに提供する。本発明で使用されている洗濯用洗剤組成物という用語は、水溶性洗液で織物を清浄化するために使用されるすべての組成物を含む。
【0065】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、固体組成物であってよい。かかる固体組成物は、粉末、粒物質、又は成形体の状態を有していてよい。粒物質又は成形体の形状である組成物は、粒物質又は成形体とは別の粒子の形状で、香料デリバリーシステムを有していてよい。代わりに、香料デリバリーシステムは、さらに洗濯用洗剤組成物の構成成分を有する粒物質又は成形体中に導入してもよい。該成形体は、押出物、顆粒剤、ブリケット又はタブレットの形状を有していてよい。かかる成形体は、加圧凝集、例えば押出し、ブリケッティング、又はタブレット化の工程で製造されてよい。加圧成形体の形の洗濯用洗剤組成物は、成形体の強度を改良するための付加的な結合剤を含有していてよい。しかし、加圧成形体の形の洗濯用洗剤組成物は、有利には、1つの洗浄活性成分を有する付加的な結合剤、有利には、結合剤として働く非イオン界面活性剤の使用なしに製造される。
【0066】
さらなる一実施態様では、本発明の洗濯用洗剤組成物は、液相又はゲル相中に分散する本発明の香料デリバリーシステムを有する液体組成物又はゲル組成物であってよい。香料デリバリーシステムとは個別に、さらに洗剤の固形成分を、液相又はゲル相中に分散させてよい。液体組成物又はゲル組成物のレオロジー的性質は、有利には、固体の沈降物を有さない貯蔵中に、液相又はゲル相中で分散したすべての固体成分を維持するために選択される。有利には、液体組成物又はゲル組成物は、チキソトロープ流れ、又は偽塑性流れを示す。かかる流れの特性は、添加剤、例えば分散可能な粘土、特にモンモリロナイト;沈降シリカ又は熱分解法シリカ;植物ガム、特にキサンタン;及び合成ポリマー増粘剤、例えばカルボキシ基を有するビニルポリマーによって達成されてよい。
【0067】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、1つ以上の界面活性剤、有利にはアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、もしくはカチオン界面活性剤、又はそれらの組合せを含有する。
【0068】
好適なアニオン界面活性剤は、例えばスルホネート基を有する界面活性剤、有利には、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、アルファ−オレフィンスルホネート、アルファ−スルホ脂肪酸エステル、又はスルホスクシネートである。好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、8〜20個の炭素原子、特に10〜16個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を有する。好ましいアルカンスルホネートは、12〜18個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を有する。好ましいアルファ−オレフィンスルホネートは、12〜18個の炭素原子を有するスルホン化アルファ−オレフィンの産物である。好ましいアルファ−スルホ脂肪酸エステルは、12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のスルホン化脂肪酸エステル、及びメタノール、エタノール、1−プロパノール並びに2−プロパノールから選択される短鎖アルコールの産物である。
【0069】
好適なアニオン界面活性剤のさらなる種類は、硫酸基、有利にはアルキルスルフェート、及びエーテルスルフェートを有する界面活性剤である。好ましいアルキルスルフェートは、12〜18個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を含有する。ベータ−分枝アルキルフルフェート、及びアルキル基の中心に1つ以上の分枝を有するアルキルスルフェートも、好適である。好ましいエーテルスルフェートは、2〜6個のエチレンオキシド構成単位を有する12〜18個の炭素原子を有する直鎖状アルコールのエトキシ化、及び続いて起こる硫酸化の産物である。
【0070】
好適なアニオン界面活性剤の他の種類は、石けん、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸のアルカリ金属塩、又はそれらの混合物、及び天然脂肪酸混合物、例えばココヤシ脂肪酸、パーム核脂肪酸、又は獣脂酸のアルカリ金属塩である。
【0071】
好適な非イオン界面活性剤は、例えば、アルコキシ化された化合物、特にエトキシ化及びプロポキシ化された化合物である。アルカリフェノール及び脂肪族アルコールと1〜50当量のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はそれらの混合物との縮合物、特に1〜10当量との縮合物が好ましい。好適な非イオン界面活性剤の他の種類は、付加的にアルコキシ化されていてよい1つ以上のヒドロキシル基を有する有機残基によって置換された、アミド窒素を有するポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。好適な非イオン界面活性剤のさらなる種類は、8〜22個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を含有するアルキルグリコシド、及び有利にはグルコースから誘導されたモノグリコシド単位又はジグリコシド単位である。
【0072】
好適なカチオン界面活性剤は、例えば、窒素に結合した6〜18個の炭素原子を有する1つ又は2つのヒドロキシアルキル基、及びアルキル基を含有する、モノアルコキシ化、又はジアルコキシ化された第四級アンモニウム化合物である。
【0073】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、さらなる成分、例えばビルダー、アルカリ成分、漂白剤、漂白活性剤、酵素、キレート剤、灰色阻害剤、発泡阻害剤、光沢剤、又は着色剤を含有してよい。
【0074】
ビルダーとして好適であるのは、水溶液からカルシウムイオンもしくはマグネシウムイオンを隔離することができるすべての化合物又は組成物である。好ましいビルダーは、アルカリ金属リン酸塩及びアルカリ金属ポリリン酸塩、特に三リン酸五ナトリウム;水溶性又は水に不溶性のケイ酸ナトリウム、特に式、Na5Si25で示される層状ケイ酸塩;A、X、及びPの構造型のゼオライト並びにそれらの混合物;及びクエン酸三ナトリウムである。有機のコビルダーは、ビルダーに加えて、例えばポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸、及びアクリル酸とメタクリル酸、アクロレイン、又はスルホン化されたビニルモノマーとのコポリマー、並びにそれらのアルカリ金属塩、並びにそれらの混合物を使用してよい。
【0075】
本発明の洗濯用洗剤組成物のために好適なアルカリ性成分は、洗濯用洗剤の使用濃度で水溶性洗浄液中で8〜12の範囲のpH価を提供する。好ましいアルカリ性化合物は、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、及びメタケイ酸ナトリウムである。他の水溶性ケイ酸アルカリ金属も好適である。
【0076】
本発明の洗濯用洗剤組成物として好適な漂白剤は、ペルオキシゲン化合物、例えばアルカリ金属過ホウ酸塩、アルカリ金属過水和物、アルカリ金属過ケイ酸塩、アルカリ金属過硫酸塩、アルカリ金属ペルオキソリン酸、アルカリ金属ペルオキシピロリン酸、過酸化ジアシル、芳香族過酸、及び脂肪族過酸である。好ましい漂白剤は、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過ホウ酸ナトリウム一水和物、炭酸ナトリウム過水和物、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、イプシロン−フタルイミドペルオキシカルボン酸、1,12−ジペルオキシドデカン二酸、1,9−ジペルオキシアゼライン酸、及び2−デシルジペルオキシブタン−1,4−二酸である。最も好ましいのは、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過ホウ酸ナトリウム一水和物、及び被覆された炭酸ナトリウム過水和物である。液体洗剤組成物での使用として好適な被覆された炭酸ナトリウム過水和物は、WO 2004/056955号から公知であり、これらは参照をもって開示されたものとする。
【0077】
本発明の洗濯用洗剤組成物として好適な漂白剤は、窒素原子又は酸素原子と結合したアシル基を有する化合物であり、該基は、水溶液中で過酸化水素と過加水分解反応を受け、そしてペルオキシカルボン酸となる。この型の好ましい化合物は、ペルアシル化されたアルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED);アシル化されたトリアジノン、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT);アシル化されたグリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU);N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI);アシル化されたフェノールスルホン酸、特にn−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸、及びイソ−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(n−NOBS及びiso−NOBS);カルボン酸無水物、例えばフタル酸無水物;アシル化された多価アルコール、例えばエチレングリコールジアセテート、2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフラン、アシル化されたソルビトール及びマンニトール並びにアシル化された糖、例えばペンタアセチルグルコース;N−アシル化されたラクタム、特にN−アセチルカプロラクタム、N−アセチルバレロラクタム、N−ノナノイルカプロラクタム及びN−ノナノイルバレロラクタムである。
【0078】
好適な漂白活性剤のさらなる種類は、Tenside Surf.Det.1997、34(6)の404〜409ページから公知であるアミン基又は第四級アンモニウム基を有するニトリルであり、これらは参照をもって開示されたものとする。
【0079】
好適な漂白活性剤の他の種類は、シミ漂白のための過酸化水素を活性できる遷移金属錯体である。好適な遷移金属錯体は、EP−A 0 544 490号の2ページ4行目〜3ページ57行目;WO 00/52124号の5ページ9行目〜8ページ7行目、及び8ページ19行目〜11ページ14行目;WO 04/039932号の2ページ25行目〜10ページ21行目;WO 00/12808号の6ページ29行目〜33ページ29行目;WO 00/60043号の6ページ9行目〜17ページ22行目;WO 00/27975号の2ページ1〜18行目、及び3ページ7行目〜4ページ6行目;WO 01/05925号の1ページ28行目〜3ページ14行目;WO 99/64156号の2ページ25行目〜9ページ18行目;及びGB−A 2 309 976号の3ページ1行目〜8ページ32行目から公知であり、これらは参照をもって開示されたものとする。
【0080】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、さらに洗浄作用を高める酵素、有利には、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、天然プロテアーゼ及びアルカリ性プロテアーゼ、エステラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼ、並びにそれらの混合物を含有していてよい。該酵素は、酵素活性の減少に反して酵素を保護するために、被覆されてよく、又は1つ以上のキャリヤー成分に吸着されてよい。
【0081】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、遷移金属イオンを封鎖することができ、及び洗剤組成物中、並びに洗剤組成物を使用している間の洗浄液中の過酸素化合物の分解を阻害することができるキレート剤も含有していてよい。好ましい該キレート剤は、ホスホン酸、特にヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミン−テトラ(メチレンホスホン酸)、及びヘキサメチレンジアミン−テトラ(メチレンホスホン酸);ニトリロトリ酢酸;ポリアミノカルボン酸、特にエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、メチルグリシン二酢酸、及びポリアスパラギン酸;多価カルボン酸、及びヒドロキシカルボン酸、特に酒石酸、クエン酸;並びに前記の好ましいキレート剤のアルカリ金属及びアンモニウム塩である。
【0082】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、洗浄液中に懸濁させた汚れの粒子を保持し、及び繊維上への汚れの再堆積を阻害する灰色化阻害剤をさらに含んでいてよい。好適な灰色化阻害剤は、例えばセルロースエーテル、有利にはカルボキシメチルセルロース、並びにそれらのアルカリ金属塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びポリビニルピロリドンである。
【0083】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、使用中の洗浄液から形成した泡を減少させる泡止め剤も含んでいてよい。好適な泡止め剤は、例えばオルガノポリシロキサン、有利にはポリジメチルシロキサン、パラフィン、ワックス、同様にそれらと小粒子のシリカとの混合物である。かかる泡止め剤は、先行技術からよく知られている。
【0084】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、繊維への吸着、UV光の吸収、及び発光による青色光の再発光による繊維の焼けを補正することができる光沢剤も含んでいてよい。好適な光沢剤は、例えばジアミノスチルベンジスルホン酸、例えば4,4’−ビス−(2−アニリノ−4−モロホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、及びそれらのアルカリ金属塩、又は置換されたジフェニルスチリル、例えば4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ジフェニル、並びにそれらのアルカリ金属塩である。
【0085】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、より満足な外観を有する組成物を提供する着色剤をさらに含んでいてよい。
【0086】
液体又はゲルの形の本発明の洗濯用洗剤組成物は、有機溶剤、有利にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、1,2−プリピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、もしくはトリエタノールアミン、又はそれらの混合物の30質量%までをさらに含んでいてよい。
【0087】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、先行技術の香料デリバリーシステムを含有する組成物で処理された織物に、強く長期持続する芳香を付与する。かかる洗濯用洗剤組成物は、従って先行技術として使用されるより少量の芳香性化合物で配合できる。
【0088】
G.さらなる使用
本発明の香料デリバリーシステムは、織物よりも他の表面、例えば皮膚、髪、又は固体表面に香料を放出するために使用されてもよい。それらを、従って、個人の保護剤、例えばヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、体用洗剤、シャワージェル、石けん、スキンケアクリーム、及びスキンケアローション、スキンコンディショナー、日焼け止め、消臭剤、制汗剤、又は色化粧品として有利に使用してもよい。それらを、さらに、便器洗浄剤、便器ゲル、車のシャンプー用品、及びリンス用品として使用してもよい。
【0089】
実施例
以下の実施例は、本発明の説明をもたらすものであり、本発明の範囲の制限を意図するものではない。
【0090】
実施例1:アミノシランとシリカのグラフト化
3−アミノプロピルトリエトキシシラン(Dynasilane AMEO)2gを、10mlの脱イオン水に室温で溶解した。得られた溶液を、シリカを絶えず混合しつつ、Degussa AG製の20gの沈降シリカ、Sipernat 22を少量に分けて、室温で添加した。得られた生成物を、強制空気炉の中で12時間110℃で加熱し、水を除去し、そしてグラフト反応を完了させた。
【0091】
実施例2:グラフトされたシリカへカチオンポリマーの付加
実施例1で得た乾燥生成物5gを、0.5gのポリクオタニウム−10(National Starch&Chemical社製のCelquat SC−240C)と乾式混合し、そして該混合物を50℃で2時間加熱した。
【0092】
実施例3:香料デリバリーシステムの製造
実施例2で得た乾燥生成物1gを、ミキサーに設置し、そしてInternational Flavors&Fragrances Inc.製の液体芳香性組成物、5862−HBH−LFS2gを、グラフトシリカを混合しつつ、ゆっくりと添加した。キャリヤーに67質量%の芳香を含む香料デリバリーシステムが、易流動性粉末として得られた。
【0093】
実施例4(比較例):シリカへカチオンポリマーの付加
実施例2を繰り返したが、未処理の沈降シリカ、Sipernat22を、実施例1で得られた乾燥生成物の代わりに使用した。
【0094】
実施例5(比較例):香料デリバリーシステムの製造
実施例3を繰り返したが、実施例4で得られた乾燥生成物を、実施例2で得られた乾燥生成物の代わりに使用した。
【0095】
実施例6:織物柔軟剤組成物
Varisoft WE 16(水素化獣脂酸と硫酸ジメチルで第四級化されたトリエタノールアミンとの反応生成物のイソプロパノール中の90質量%溶液)を、織物柔軟剤活性剤組成物として使用した。Varisoft WE 16は、主成分としてN,N−ジ(タロウィルオキシエチル)−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−アンモニウム硫酸メチルを含む。33.2gのVarisoft WE 16を40℃まで加熱し、そして165.4gの脱イオン水を撹拌しながらゆっくりと添加した。25質量%塩化カルシウム溶液0.66gを、並行して混合物の粘度を調節するために添加した。得られた分散液を、室温に冷却し、そして実施例3で製造した0.29gの香料デリバリーシステムを、攪拌しながら添加した。該混合物を、分散液中の香料デリバリーシステムを均一に分散するためにさらに2時間ゆっくりと撹拌した。得られた分散液は、約15質量%織物柔軟剤活性剤と、かつ香料デリバリーシステム中に含有された芳香0.7質量%を含んだ。該分散液は、pH2.5及び84cpsの粘度を有し、Brookfield型粘度計を用いて室温で2番のスピンドルを使用して測定した。粒子の沈降は、室温で1ヶ月間の貯蔵の間、認識されなかった。
【0096】
実施例7(比較例):織物柔軟剤組成物
実施例6を繰り返したが、実施例5で製造した香料デリバリーシステムを、実施例3で製造した香料デリバリーシステムの代わりに使用した。
【0097】
実施例8:織物柔軟剤組成物(比較例)
実施例6を繰り返したが、International Flavors&Fragrances Inc.製の液体芳香性組成物5862−HBH−LFS1.44gを、実施例3で製造した香料デリバリーシステムの代わりに使用した。
【0098】
織物柔軟剤組成物の適用試験
4枚のコットンタオル及び3枚の約1700gの総質量を有する50%コットン−50%ポリエステルの織物を、冷却洗浄、及び冷却すすぎの設置を有する規格Kenmore社製の洗濯機の中で、1993年AATCC(American Association of Textile Chemists and Colorists)社製の標準対照洗剤の50gを使用して洗浄した。すすぎの段階の始まりで、織物の総質量kgあたり13.5gの織物柔軟剤組成物を洗濯機に添加した。洗浄した織物束を、規格Kenmore社製の洗濯乾燥機で1時間乾燥した。乾燥したコットンタオルを、室温で保存し、そして、12時間保存後、及び7日保存後の芳香の強度を評価した。芳香の強度を、3人の委員の調査員団を使用して、Sensory Evaluation TechniquesのM.Meilgaard, G.V.Civille, B.T.CarrによるCRC Pressの88〜91ページ、254〜268ページに記載されたペアワイズランキング法で測定した。
【0099】
次に設けた織物柔軟剤組成物を測定した:
実施例7(キャリヤーとして未処理のシリカを有する比較例)
実施例6(キャリヤーとしてオルガノシランとグラフトしたシリカを有する本発明による実施例)
実施例8(キャリヤーを用いない比較例)
【0100】
ペアワイズランキング法の結果を、列の標識に明記した組成物が、低い標識に明記した組成物より強い芳香があったというランキングの数を示す数で表1及び表2に示した。
【0101】
【表1】

【0102】
【表2】

【0103】
ランキングでは、本発明による香料デリバリーシステムを含む実施例6の織物柔軟剤組成物が、キャリヤー系を含まない実施例8の、又は未処理のシリカのキャリヤー系を含む実施例7の織物柔軟剤組成物よりも有意に高い芳香レベルを提供した。このことは、本発明の香料デリバリーシステムが、織物により強度な、及び長期持続する芳香を付与したことを証明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料デリバリーシステムであって、
a)表面シラノール基を有する水不溶性のキャリヤー粒子を含有し、その際、前記のシラノール基の少なくとも一部が、少なくとも1つのオルガノシランとのグラフト化によって有機残基で置換され、かつ前記の有機残基の少なくとも一部がアミノ基を有し、
b)正に帯電した官能基を有する少なくとも1つのポリマーを含有し、かつ
c)前記キャリヤー粒子に吸着又はその中に吸収された芳香剤を含有する
香料デリバリーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の香料デリバリーシステムであって、キャリヤー粒子が、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、又はそれらの混合物を含有する香料デリバリーシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の香料デリバリーシステムであって、シリカが、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、及びシリカゲルを含む群から選択される香料デリバリーシステム。
【請求項4】
請求項2に記載の香料デリバリーシステムであって、アルミノケイ酸塩がゼオライトである香料デリバリーシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の香料デリバリーシステムであって、ゼオライトが、ゼオライトX、ゼオライトY、及び脱アルミニウムゼオライトYを含む群から選択される香料デリバリーシステム。
【請求項6】
請求項1に記載の香料デリバリーシステムであって、実質的にすべての有機残基が少なくとも1つのアミノ基を有する香料デリバリーシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の香料デリバリーシステムであって、少なくとも1部分のアミノ基が、第一級アミノ基である香料デリバリーシステム。
【請求項8】
請求項1に記載の香料デリバリーシステムであって、前記のポリマーの正に帯電した官能基が、第四級アンモニウム基である香料デリバリーシステム。
【請求項9】
請求項1に記載の香料デリバリーシステムであって、ポリマーが、炭水化物のモノマー単位を含む香料デリバリーシステム。
【請求項10】
請求項9に記載の香料デリバリーシステムであって、ポリマーが変性デンプン又は変性セルロースである香料デリバリーシステム。
【請求項11】
請求項1に記載の香料デリバリーシステムであって、芳香剤とキャリヤー粒子との質量比が、0.01〜5である香料デリバリーシステム。
【請求項12】
請求項1に記載の香料デリバリーシステムの製造方法であって、
a)表面シラノール基を有する水不溶性のキャリヤー粒子と、少なくとも1つのアミノ基を有する少なくとも1つの有機残基を有するオルガノシランとを反応させてキャリヤー粒子を得る工程、その際、前記シラノール基の少なくとも一部は、前記アミノ基を有する有機残基で置換されており、
b)前記キャリヤー粒子に、正に帯電した官能基を有する少なくとも1つのポリマーを付加する工程、並びに、
c)工程b)で得られた粒子と芳香剤とを接触させて前記芳香剤を前記粒子上に吸着させるか又は前記芳香剤を前記粒子中に吸収させる工程
を含む製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、オルガノシランが、式
【化1】

[式中、
1及びR2が、独立して、メチル、エチル、n−プロピル、又はn−ブチルを表し、
nが、0又は1を表し、
Zが、NR34を表し、
3及びR4が、独立して、水素、メチル、エチル、C3〜C20のアルキル、C7〜C26のアラルキル、(CH2CH2O)m5、又は(CH2CH2NH)m5を表し、
mが、1〜4を表し、及び
5が、水素、メチル、エチル、C3〜C20のアルキル、又はC7〜C26のアラルキルを表す]で示される式を有する方法。
【請求項14】
織物柔軟剤組成物であって、請求項1に記載の香料デリバリーシステムと、1つ以上の織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物とを含有する織物柔軟剤組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の織物柔軟剤組成物であって、式(I)
【化2】

[式中、それぞれのR6が、独立して、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のヒドロキシアルキル又はベンジルを表し;
7が、独立して、水素、C11〜C22の直鎖状アルキル、C11〜C22の分枝鎖状アルキル、C11〜C22の直鎖状アルケニル又はC11〜C22の分枝鎖状アルケニルを表すが、但し、少なくとも1つのR7は水素ではなく;
Qが、独立して、式、−O−C(O)−、−C(O)O−、−NR8−C(O)−、−C(O)−NR8−、−O−C(O)−O−、−CHR9−O−C(O)−、又は−CH(OCOR7)−CH2−O−C(O)−、[式中、R8が、水素、メチル、エチル、プロピル、又はブチルを表し、かつR9が、水素又はメチルを表す]で示される式を含有する構成単位から選択され;
mが、1〜4を表し;
nが、1〜4を表し;
-が、柔軟剤適合アニオンを表す]で示される化合物の群から選択される1つ以上の織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物を含有する織物柔軟剤組成物。
【請求項16】
請求項15に記載の織物柔軟剤組成物であって、式(I)において、R6が、メチルを表し;Qが、−O−C(O)−又は−NH−C(O)−を表し;mが、2又は3を表し、nが2を表し;かつ、X-が、塩化物又は硫酸メチルを表す織物柔軟剤組成物。
【請求項17】
請求項14に記載の織物柔軟剤組成物であって、式(II)〜(VII)
【化3】

[式中、それぞれのR6が、独立して、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のヒドロキシアルキル、又はベンジルを表し;
7が、独立して、C11〜C22の直鎖状アルキル、C11〜C22の分枝鎖状アルキル、C11〜C22の直鎖状アルケニル、又はC11〜C22の分枝鎖状アルケニルを表し;
Qが、−O−C(O)−、又は−NH−C(O)−を表し;及び
-が、柔軟剤適合アニオンを表す]で示される化合物の群から選択される1つ以上の織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物を含有する織物柔軟剤組成物。
【請求項18】
請求項14に記載の織物柔軟剤組成物であって、香料デリバリーシステム0.1〜5質量%と、織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物1〜50質量%とを含み、さらに水を含む織物柔軟剤組成物。
【請求項19】
請求項14に記載の織物柔軟剤組成物であって、香料デリバリーシステム0.1〜5質量%と、吸収性物品に配置された織物柔軟活性のある第四級アンモニウム化合物1〜99質量%とを含有する混合物を含む織物柔軟剤組成物。
【請求項20】
洗濯用洗剤組成物であって、請求項1に記載の香料デリバリーシステムと、1つ以上の界面活性剤とを含む洗濯用洗剤組成物。

【公表番号】特表2008−528736(P2008−528736A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552385(P2007−552385)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/002567
【国際公開番号】WO2006/079089
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】