駆動アセンブリを操作するためのボタン部材
薬物送達デバイスの駆動アセンブリ(4)を操作するためのボタン(5)は、使用者によりアクセス可能な第一の部分、駆動アセンブリ(4)と有効な連結にある第二の部分を含み、該第二の部分は、第一の方向への第一のトラック部分(511)及び第二の方向への第二のトラック部分(512)を含み、ここで、第一のトラック部分(511)は、ボタン部材(5)の動きを実質的な回転運動に制限するように適合され、第二のトラック部分(512)はボタン部材(5)の動きを軸方向運動に制限するように適合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達デバイスのアセンブリに関する。本発明は、また、薬物送達デバイス、特に、ペン形注射器に関する。また、本発明は、ボタン部材、特に、薬物送達デバイスの駆動アセンブリを操作するためのボタン部材に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達デバイスは、医薬品を患者の体内に投与するために、一般的に知られている。薬物送達デバイスにもよるが、それらの内のある種のものは、患者により自己投与するのに好適である。そのような医薬品としては、例えば、インスリン、成長ホルモン、ヘパリンが含まれ得るが、それらに限定されない。医薬品は、短期間、又は長期間を通して非定期的に投与できる。患者の体内へ投与された用量は非常に正確であり、そして、用量は、また、異なった用量間では差異はないということが、しばしば、必要となり得る。
【0003】
医薬品の第一の用量を投与する前に、そのようなデバイスのアセンブリは、正確な第一の用量を確実にするためにデバイスの製作に内在する許容誤差を引き締める(take up)調整をしなければならない。そのような調整に慣れていない患者は、第一の用量を調剤し、そして投与する前に、デバイスに失敗し、又は不正確に調整するかもしれない。更に、薬物送達デバイスが不規則なベースで使用され得るので、患者は、薬物送達デバイスが、既に調整されたか否かの事実に関しては忘れたか、又は混乱しているかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、薬物送達デバイスのアセンブリを改良するための、そして使用者にその調整段階を明確に表示するためのそのようなデバイスに対する必要性は存在する。
【0005】
特許請求範囲の独立項1及び22は、この要求事項に合致する。態様及び数個の実施態様は従属項の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
用語「薬物送達デバイスのアセンブリ」は、用語「薬物送達デバイス」に相当する。
【0007】
本明細書で使用する用語「医薬品」又は「薬物」は、好ましくは、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチ性の治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0008】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0009】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0010】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0011】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0012】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0013】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0014】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0015】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0016】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0017】
提案原理に記載の薬物送達デバイスのアセンブリは、第一の操作状態、いわゆる事前準備状態、及び少なくとも第二の状態、いわゆる準備完了状態を含む。それはまた、経時的に事前準備状態に従動する(follow)、そして経時的に準備完了状態の前である過渡状態を含み得る。準備完了状態は、直接、過渡状態に従動し得る。
【0018】
この件に関して、事前準備状態は、薬物送達デバイスが医薬品の用量の投与を容易にするために調整されていない薬物送達デバイスのアセンブリの状態を意味する(imply)。換言すれば、薬物送達デバイスは、尚、医薬品を投与するために調整する必要がある。医薬品の投与を容易にし、そして特に、医薬品の計画的で(deliberate)、所望の投与を容易にするための薬物送達デバイスのアセンブリの調整中、薬物送達デバイスのアセンブリは過渡状態にある。
【0019】
用語「医薬品の投与を容易にする」は、医薬品の用量を設定し、そして用量を投与することを含むが、それに限定されない、医薬品の送達をもたらす薬物送達デバイスに関するいかなる手法も意味する。
【0020】
過渡状態は、デバイスが医薬品の投与を容易にするために調整する薬物送達デバイスの状態を意味する。使用者は、医薬品の後半の投与のためにデバイスを調整するための薬物送達デバイスに関する幾つかの具体的な行動を実施し得る。
【0021】
薬物送達デバイスのアセンブリが完全に調整され、そして過渡状態が完結するとすぐに、使用者は医薬品の用量を正しく投与することが可能となり、薬物送達デバイスのアセンブリが準備完了状態にあると考えられる。準備完了状態において、使用者は、医薬品の所望量を設定し、計画的に投与するために薬物送達デバイスを作用させ得る。この目的のために、使用者は薬物送達デバイスに幾つかの具体的な作用を実施し得る。使用者により実施される前記の作用は、事前準備状態及び過渡状態の間、使用者により実施される作用とは異なるかもしれない。それ故、準備完了状態は過渡的及び事前準備状態の後に従動する状態である。
【0022】
換言すれば、その事前準備状態及び過渡状態における薬物送達デバイスのアセンブリは、医薬品の特定の、所望の量を計画的に投与することが不可能である。事前準備状態において、使用者は、薬物送達デバイスをその過渡状態に移す、医薬品の用量を投与するための薬物送達デバイスを調整するために、薬物送達デバイスに作用させる。
【0023】
薬物送達デバイスのアセンブリは、事前準備状態において、及び薬物送達デバイスのアセンブリの準備完了状態における使用者により許容される操作とは全く異なる過渡状態の間で、特定の操作のみを許容し得る。医薬品を投与するためのデバイスを調整するために使用者により実施されるそのような行動と、医薬品の設定及び投与とは、異なるものである。それ故、使用者は、許容される異なった行動に基づく異なった状態の間を区別することができる。
【0024】
実施態様において、薬物送達デバイスのアセンブリは、遠位端及び近位端を有する本体を含み得る。用語「本体」は、例えば、薬物送達デバイスの主本体部分又は外殻を意味してもよい。用語「本体」は、用語「ハウジング」に対応し得るが、また、カートリッジホルダを含み得るハウジングを含み得る。
【0025】
本体はプラスチックスから製作し得て、そして、使用者に送達すべき医薬品の量、医薬品それ自身、又はその他いかなる種類の薬物送達デバイスの使用法の情報も表示するために幾つかのマークを含み得る。本体は薬物送達デバイスの他の部分と一緒に、薬物送達デバイスが取り上げる現在の状態を表示する近位端及び遠位端に対して異なった外形を含み得る。
【0026】
ドライブアセンブリは、医薬品の投与を容易にするために、少なくとも部分的に本体内に配置し得る。用語「駆動アセンブリ」は、薬物送達デバイスの操作中に、使用者が作用させ得る本体内の構造を意味し得る。駆動アセンブリは、一つ又はそれ以上の異なった部分を含み得、それは本体内に部分的に配置され、そして本体外にも部分的に配置され得る。
【0027】
デバイスの操作中、駆動アセンブリの異なった機械的部品は、医薬品の投与を容易にするために互いに作用しあってもよい。この点に関して、駆動アセンブリは、送達すべき医薬品の用量設定し、そして後続の工程においてこの設定用量を投与するために適合し得る。
【0028】
駆動アセンブリはエレメントを含み得て、前記エレメントは少なくとも部分的に本体内に配置され、そして、本体の遠位端に向かって軸方向に変位することが可能である。そのようなエレメントは、ピストンロッド又は親ねじであってもよく、しかしそれらに限定されない。ピストンロッドは、駆動アセンブリの他の部分に作用する幾つかの歯状のエレメントを含み得て、それにより、ピストンロッドの遠位端に向かう変位を可能にする。ピストンロッドは、また、遠位端に向かって変位するために、捻じれ運動を実施するスリーブを含み得る。従って、駆動アセンブリは、遠位端に向かって軸方向に動くために回転し、又はネジ締めするエレメントを含み得る。
【0029】
薬物送達デバイスのアセンブリは、また、ボタン部材を含み得る。用語「ボタン部材」は、薬物送達デバイスの近位端に位置することができる部材に応用し得る。使用者は薬物送達デバイスを操作するためにボタン部材に作用する。使用者によるボタン部材の操作は、ボタン部材の回転、ボタン部材の捻じれ、薬物送達デバイスの縦軸に平行なボタン部材の動き、ボタンの押し、又は引き操作を含むが、それに限定されない。従って、ボタン部材は薬物送達デバイスの本体に対して可動であり得る。ボタン部材は、また、本体に対して回転可能、又は軸方向に可動であってもよい。
【0030】
実施態様において、ボタン部材は本体の近位端に配置され、そして駆動アセンブリに作用するように適合する。この点で、ボタン部材は、医薬品の投与を容易にするために駆動アセンブリに作用する。そのような駆動アセンブリへの作用は、駆動アセンブリの幾つかの部品を駆動させること、駆動アセンブリの幾つかの部品を回転させること、駆動アセンブリの幾つかの部品を牽引すること;駆動アセンブリの幾つかの部品を押付けること、及び駆動アセンブリの幾つかの部品を軸方向に変位させることを含み得るが、それに限定されない。これらの部品の動き、回転、変位は、駆動アセンブリのその他の部品に順番に作用し、それにより、要約すれば、薬物送達デバイスの所望の行動がもたらされることになる。
【0031】
駆動アセンブリそれ自身は、初期の事前準備状態、過渡状態、及び準備完了状態を含み得る。用語「駆動アセンブリに対する事前準備状態」は、駆動アセンブリが医薬品の所望量の投与を容易にすることが不可能な状態を意味する。従って、初期の事前準備状態は、駆動アセンブリが第一の使用の前にある状態である。駆動アセンブリの事前準備状態は、薬物送達デバイスの事前準備状態に対応し得る。
【0032】
過渡状態の間、駆動アセンブリは、後半の操作のために、特に、医薬品の所望用量の投与を容易にするために調整される。
【0033】
用語「調整」、「調整操作」又は「調整する」は、後半の医薬品投与を容易にするために駆動アセンブリを調整するための駆動アセンブリに関するいかなる操作も意味する。そのような操作は、異なった機械部品間のいかなるバックラッシ(backlash)又は許容誤差を補正するための駆動アセンブリの動き、及び/又は、変位も含み得る。それは、また、駆動アセンブリの可動部品、例えば、少なくとも部分的に、薬物送達デバイスの遠位端に向かうピストンロッド又は親ねじを含み得る。
【0034】
一実施態様において、薬物送達デバイスのアセンブリは、遠位端及び近位端を有する本体を含む。駆動アセンブリは、医薬品の投与を容易にするために本体内に実質的に配置し得る。ボタン部材は本体の近位端に配置され、そして、駆動アセンブリに作用するように適合される。これは、ボタン部材の動きに関する駆動アセンブリの可動部品を含み得る。駆動アセンブリは、初期の事前準備状態及び準備完了状態を有し、ここで、事前準備状態において、ボタン部材は、駆動アセンブリに作用するために本体に対して捻じれ可能である。準備完了段階において、ボタン部材は、軸方向に可動であるが、医薬品の用量を投与するために駆動アセンブリに作用するために、本体に対して実質的に捻じれ可能ではない。
【0035】
実施態様において、ボタン部材は、事前準備状態の間、本体に対して捻じれることができ、それにより、駆動アセンブリの過渡状態を起動させる。用語「過渡状態」は、使用者が、医薬品の正しい投与を容易にするための薬物送達デバイスを調整するために、ボタン部材に作用させる状態を意味する。過渡状態の間、ボタン部材は、薬物送達デバイスの準備完了状態における後半の使用のための駆動アセンブリ及び駆動アセンブリの部品を調整するために、駆動アセンブリに作用させ得る。駆動アセンブリの事前準備状態及び過渡状態は、薬物送達デバイスの個々の状態に対応し得る。
【0036】
用語「捻じれ運動」又は「捻じれ可能なボタン部材」は、本体に対して回転する構成部品を含むボタン部材のいかなる動きも意味する。従って、ボタン部材は、純粋な回転構成部品及び軸運動の構成部品を含む螺旋状経路に沿って純粋に回転し、又は動くことができる。ボタン部材の捻じれ運動は、少なくとも一つが回転構成部品を含む、二つの後続工程を有する動きを意味する。例えば、ボタンは第一の工程で回転でき、そしてその後、第二の工程で部分的に軸方向に動くことができる。それは、また、第一の軸方向に動くことができ、そしてその後、後続の第二の工程で回転することができる。用語「捻じれ」は、また、回転及び軸方向運動のいかなる組合せも意味する。
【0037】
過渡状態の最後に、ボタン部材は、本体に対して、逆方向に捻じれを阻止できる。換言すれば、ボタン部材は、少なくとも、過渡状態の最後に、回転し、又は後方に動くことを阻止される。従って、過渡状態の最後に、駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスは、医薬品の所望量を正しく投与するために完全に調整される。
【0038】
用語「駆動アセンブリの準備完了状態」は、駆動アセンブリが医薬品の所望の量を投与するために完全に調整された状態を意味する。準備完了状態において、ボタン部材は、駆動アセンブリに作用するために、本体に対して、軸方向に動くことができるが、実質的に、回転し、及び/又は、捻じれることはできない。結果として、事前準備状態において、及び過渡状態中でのボタン部材の可能な動きは、駆動アセンブリの準備完了状態中のボタン部材のいかなる可能な動きから完全に異なるものであり得る。
【0039】
駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスの事前準備状態及び過渡状態及び準備完了状態中のボタン部材の異なった可能性のある動きは、それぞれ、使用者に対して異なった操作状態を表示する。これは、使用者に、薬物送達デバイスのアセンブリ及び駆動アセンブリが起こした現在の状態を特定させることを可能にする。
【0040】
薬物送達デバイスは、流体リザーバを含み得る。用語「流体リザーバ」は、流体、粉末又はその他の物質を保持することが可能ないかなるリザーバも意味する。流体リザーバは、物質がそこを通して投与できる開口部を含み得る。
【0041】
栓は流体リザーバに作用して、物質を、例えば、医薬品を投与し得る。流体リザーバ及び栓は、カートリッジ又は着脱可能なカートリッジに含まれ得る。カートリッジは、その中に流体リザーバが配置されるカートリッジホルダを含み得る。栓はカートリッジホルダ内でその近位端に配置できる。カートリッジ及びカートリッジホルダは、薬物送達デバイスの一部であり得るが、また、本体から可逆的に着脱可能であり得る。ピストンロッドは、栓を、特に、カートリッジに対して遠位的に駆動させるように配置し得る。
【0042】
過渡状態の間、ボタン部材は、薬物送達デバイスを調整するために駆動アセンブリに作用し得る。用語「薬物送達デバイスを調整する」は、医薬品の投与を容易にするためのデバイスを調整するために、薬物送達デバイス又はその部品のいかなる操作も意味し得る。用語「調整する」は、医薬品を混合するために、流体又は空気を排出させるために、デバイスをプライミングさせることを含み得るが、それに限定されない。
【0043】
用語「プライミング」は、駆動アセンブリの異なった機械部品間の許容誤差又はバックラッシが補正される駆動アセンブリのプロセスを意味する。これは、例えば、ピストンロッド又は親ねじなどの駆動アセンブリのその遠位端に向かう変位部品を含み得る。更に、用語「プライミング」は、例えば、ピストンロッド又は親ねじなどの駆動アセンブリの部品、及び、例えば、栓などのカートリッジアセンブリの部品の間のギャップが閉鎖されるプロセスを意味し得る。用語「プライミング」は、また、少量の流体又は医薬品が、薬物送達デバイスのアセンブリから放出される状態を意味し得る。
【0044】
用語「混合する」は、二つの物質、例えば、二つの異なった流体、又は流体と粉末が一緒に混合される手法を意味し得る。混合が完結した後、生成した流体は、分散することができる。そのような混合は、生成した流体が時間の経過と共に、分解するかもしれない場合、有用であり得る。
【0045】
実施態様において、駆動アセンブリ又は薬物送達デバイスのアセンブリの本体は、ボタン部材の動きが過渡状態の間、実質的に回転的又は螺旋的であるように制限するように適合したエレメントを含み得る。エレメントは、ラグ、突起、凹部、チャンネル、ガイディングトラック、その組み合わせ物、又はボタン部材の動きを制限することができるその他いかなるエレメントをも含み得る。ボタン部材の動きは、軸方向運動を可能にする前に、限定される。結果的に、ボタン部材は、事前準備、及び過渡的、及び準備完了状態の間、特定の、及び事前に決定された動きにおいてのみ変位可能である。各々の状態における動きは、互いに異なり、そして使用者により識別可能であり得る。
【0046】
ボタン部材は、また、駆動アセンブリのガイディングエレメント又は本体と有効な連結にあるガイディングエレメントを含み得る。用語「ガイディングエレメント」は、ボタンの動きを、過渡状態の間、実質的に、回転的、又は螺旋的であるよう限定し得るエレメントを意味する。そのようなガイディングエレメントは、ラグ、突起、凹部、チャンネル、又はその組み合わせ物も含み得るが、それらに限定されない。ボタン部材のガイディングエレメントは、駆動アセンブリのガイディングエレメント又は本体との有効な連結にあり得る。実施態様において、少なくとも一つのボタン部材のガイディングエレメント、駆動アセンブリ及び本体は、ガイディングトラックを形成する。ガイディングトラックは、実質的に円形又は螺旋形状を含み得、それにより、ボタンの動きを、過渡状態の間、実質的に、回転的、又は螺旋的にあるよう制限する。結果として、ボタン部材のガイディングエレメントは、過渡状態の間、ボタン部材の動きを制限するために、駆動アセンブリのガイディングエレメント又は本体と係合する。
【0047】
更なる実施態様において、ボタン部材は、駆動アセンブリのガイディングエレメント又は本体との有効な連結にあるガイディングエレメント、駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスのアセンブリの準備完了状態の間、ボタン部材の動きを実質的に軸方向運動に制限するガイディングエレメントを含み得る。
【0048】
実施態様において、駆動部材は、本体に対してボタン部材を捻じれから阻止するために、準備完了状態に適合させた保持エレメントを含み得る。用語「保持エレメント」は、過渡状態中に、ボタン部材を、ボタン部材の運動方向と反対方向に動くことを阻止するいかなるエレメントも意味する。例えば、保持エレメントは、過渡状態中にボタン部材が本体に対して捻じれた後、ボタン部材に本体に対して逆に捻じれることを阻止する。従って、保持エレメントはボタン部材を回転移動から、又は螺旋移動から阻止するために、準備完了状態に適合し得る。
【0049】
別の態様において、ボタン部材は保持エレメントを含み得る。保持エレメントは、ガイディングトラック上にラチェットを含み得る。
【0050】
別の実施態様において、駆動部材は少なくとも一つの可動ピボット又は駆動スリーブを含み得る。用語「可動ピボット」は、可動エレメント、例えば、ピストンロッドを変位させるために本体内の軸方向運動を制限するエレメントを意味する。用語「駆動スリーブ」は、ボタンとピストンロッド間に配置し得るエレメントを意味する。用語「駆動スリーブ」は、また、螺旋形状の表面を含むエレメントを意味し得、該表面は、例えば、本体、ピストンロッド、親ねじ、又は駆動アセンブリのその他いかなる部品とも係合する。実施態様において、駆動スリーブは、ピストンロッドと係合する螺旋形状の表面を含み得る。尚、別の実施態様において、駆動スリーブは、薬物送達デバイスの本体に剛性的に固定される親ねじナットを係合する螺旋形状の表面を含み得る。
【0051】
ボタン部材は、また、事前準備状態において、希望しない調整、例えば、希望しないプライミング操作を阻止するために、ボタン部材を解放可能に保持する戻り止めを含み得る。
【0052】
別の実施態様において、薬物送達デバイスの駆動アセンブリを操作するためのボタン部材は、使用者により作用される第一の部分、及び駆動アセンブリと有効な連結にある第二の部分を含む。第二の部分は、第一の方向に第一のガイディングトラック部分、及び第二の方向に第二のガイディングトラック部分を含み得る。第一のガイディングトラック部分は、ボタン部材の動きを、実質的な回転運動に制限するように適合する。第二のガイディングトラック部分は、ボタン部材の動きを、実質的に、軸方向運動に制限するように適合する。
【0053】
結果として、ボタン部材は、使用者により、二つの異なった方向で異なった状態で、即ち、事前準備状態及び準備完了状態で動かされる。そのような異なった動きは、使用者により容易に識別することができ、そして、これは、薬物送達デバイスのアセンブリがその中に存在する状態を表示する。従って、第一のガイディングトラック部分は、駆動アセンブリ、又はボタン部材がその一部である薬物送達デバイスのその他のいかなる部分にも作用し得る。
【0054】
実施態様において、ボタン部材は第二のガイディングトラックを含み得て、第二のガイディングトラックは、薬物送達デバイスを調整するために、ボタン部材の実質的な回転運動中に駆動アセンブリに作用する。用語「調整する」は、医薬品の所望量の後半の投与のために薬物送達デバイスを調整する薬物送達デバイスに掛けられるいかなる操作も意味する。これは、駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスの機械部品のいかなるバックラッシ及び許容誤差の補正も含む薬物送達デバイスをプライミングすること、栓と駆動アセンブリ間のギャップを閉鎖すること、医薬品を生成するために粉末を流体と混合すること、及び/又は、医薬品のプライミング部分又は空気を放出することを含み得るが、それに限定されない。
【0055】
用語「ガイディングトラック」は、螺旋形状、ラグ、エッジ、凹部、突起、チャンネル、又はその組合せを含み得る。第二のガイディングトラックは、また、保持エレメントを含み得る。用語「保持エレメント」は、ボタン部材が軸方向に動くとき、ボタン部材を可逆的な捻じれ又は回転から阻止する。保持エレメントはラチェットを含み得、ラチェットは駆動アセンブリと操作係合にある。
【発明を実施するための形態】
【0056】
上記で提示した、及びまた、添付の図面と関連して提示した異なった態様及び特徴は、提案した原理の範囲を変えることなく、異なった方法で組み合わせることができる。本明細書で開示した実施態様は、説明した通り、具体的な特徴に対して、典型的なもののみであり、それに限定されない。
【0057】
提案された原理は、添付の図面と一緒により詳細に説明される:
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】薬物送達デバイスのアセンブリの第一の実施態様を図示する。
【図2】第一の実施態様の透視図を示す。
【図3A】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3B】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3C】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3D】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3E】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3F】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3G】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3H】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3I】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図4】提案原理の実施態様に基づくブタン部材の実施態様を図示する。
【図5】駆動アセンブリの幾つかの部品との有効な連結にあるボタン部材を図示する。
【図6】提案原理に基づく第二の実施態様の断面図を示す。
【図7】提案原理に基づく第二の実施態様の透視図を図示する。
【図8A】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図8B】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図8C】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図8D】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図8E】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図9】第三の実施態様を図示する。
【図10】提案原理に基づく第四の実施態様の断面図を示す。
【図11】提案原理に基づく第五の実施態様の断面図を示す。
【図12】第六の実施態様を示す。
【図13】薬物送達デバイスの第七の実施態様を示す。
【図14】第八の実施態様を図示する。
【図14A】第八の実施態様を図示する。
【図15】提案原理に基づく第九の実施態様の断面図を示す。
【図16A】提案原理に基づく第十の実施態様の断面図を示す。
【図16B】提案原理に基づく第十の実施態様の断面図を示す。
【図16C】提案原理に基づく第十の実施態様の断面図を示す。
【図17A】提案原理の実施態様に基づく異なった段階での本体に対するボタンの位置を図示する。
【図17B】提案原理の実施態様に基づく異なった段階での本体に対するボタンの位置を図示する。
【図17C】提案原理の実施態様に基づく異なった段階での本体に対するボタンの位置を図示する。
【0059】
次の実施態様において、幾つかの態様又は特徴は、他の特徴と関連して拡大して引き出すことができる。これらは、説明目的のみであり、実際の割合を反映していない。異なった実施態様の同様の部分は、同じ参照を含み得る。
【0060】
図1は提案原理の数種の態様を図示する薬物送達デバイスのアセンブリの第一の実施態様を示す。
【0061】
アセンブリ1は、薬物送達デバイスの駆動アセンブリが配置されている本体10を含む。アセンブリ1の遠位端11において、カートリッジホルダ7及びカートリッジを含むカートリッジアセンブリ9が取り付けられる。カートリッジアセンブリ9は、本体10のラグ、又は突起が係合する凹部を有するカートリッジホルダを含み、それにより、カートリッジアセンブリ9を本体10に固定する。
【0062】
薬物送達デバイスは、更に、クリップを用いて本体10に剛性的に固定された固定ピボット46を含み、その内、遠位端11に接近しているものが図示されている。逆止めラチェット43が固定ピボット46に取り付けられ、そしてピストンロッドと有効な連結にある。(図2により明確に示されている)。ピストンロッドは、カートリッジアセンブリ9における医薬品の投与を容易にするために遠位端11に向かって軸方向に可動である。
【0063】
この目的のために、薬物送達デバイスのアセンブリ1は、また、可動ピボット42を含み、それは本体10に取り付けられた固定ピボット46と有効な連結にある。可動ピボット42は、医薬品の用量の設定及び投与をおこなうとき、可動ピボット42にガイディングトラックとして作用する一つ又はそれ以上のチャンネル49を含む。固定ピボット46上のラグ460は、チャンネル49を係合し、それにより、固定ピボット46及び本体10に対する可動ピボット42の動きを制限する。
【0064】
更に、アセンブリ1は、少なくとも部分的に本体10内に配置され、そして駆動アセンブリ、特に、可動ピボット42と有効な連結にあるボタン5を含む。ボタン5は、薬物送達デバイスの操作中に医薬品を設定し、投与するために使用される。また、ボタン5は、可動ピボット42及びピストンロッド41を含む駆動アセンブリを調整するために使用される。この点に関して、薬物送達デバイスを調整することは、医薬品の用量を設定し投与するために薬物送達デバイス及び駆動アセンブリを調整するすべての操作を表示し、含む。調整には、例えば、プライミングを含み得る。
【0065】
ボタン5は、上記のいかなる調整操作中に、並びに、医薬品の用量を設定し、投与することを含む準備完了状態の操作中に、ボタンのためのガイディングトラックとして作用するチャンネル51を含む。チャンネル51は、薬物送達デバイスの軸方向に実質的に配置されている第一のチャンネル部分511、及びそれに垂直に配置されている第二の部分512を含む。事前準備状態の操作並びにボタン5を用いた医薬品の用量を設定し、投与する操作は、図3A〜3Iに従ってより詳細に説明されるであろう。
【0066】
図2は、図1の実施態様に基づくアセンブリを通した断面図を示す。ピストンロッド41は、固定ピボット46に堅く取り付けられ逆止めラチェット43を係合する歯状の構造として実現される複数の係合部材を含む。逆止めラチェット43は、薬物送達デバイスの近位端12に向かうピストンロッド41の動きを阻止する。栓8は、ピストンロッド41と医薬品を含むカートリッジの間のカートリッジホルダ7内に配置される。ピストンロッド41を遠位端11に向かって動かすことにより、ピストンロッド41は、医薬品を投与するために栓8に作用する。そのような動きにより投与された用量は、実質的にピストンロッド41の動きで定義される。ピストンロッド41は、順番に、レバー44との連結でピボット42を動かすことにより駆動し、それらの両方は、ピストンロッド41用の駆動部材として作用する。薬物送達デバイスの設定及び投与中に、ボタン5は、用量の設定のために近位方向12に向かって、そして医薬品の個々の用量を投与するために遠位方向に向かって軸方向に動く。用量の設定中、ボタン5は、可動ピボット42の動きが固定ピボット46上のラグ460により限定されない限り、可動ピボット42及びレバー44に作用する。
【0067】
図3A〜3Iは、医薬品の投与のために、並びに、投与すべき用量を設定し、そしてその用量を投与するために薬物送達デバイスを調整するための事前準備及び過渡的操作を図示する。図3Aは、図1及び図2の実施態様に基づく駆動アセンブリの断面図を示す。薬物送達デバイス1は、駆動アセンブリ4が配置される本体10を含む。駆動アセンブリ4は、とりわけ、可動ピボット42、レバー44並びに、ピストンロッド41を含む。可動ピボット42、レバー44は、薬物送達デバイスの過渡状態の間、並びに、医薬品の用量を設定し、そして投与するための調整段階の間、ピストンロッド41に作用し得る。
【0068】
本体10の遠位端において、カートリッジホルダ7及び栓8を含むカートリッジアセンブリ9は、本体10に固定されている。カートリッジアセンブリ9は、医薬品を含むカートリッジを含み得る。初期状態において、この実施態様に基づく薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスの製作の許容誤差及び保存条件において栓に圧力を負荷させたくない要望のために、ピストンロッド41とカートリッジアセンブリ9の栓8の間にギャップを有する。このギャップは、医薬品の第一の用量を投与するとき、不正確性を引き起こすかもしれず、従って、それは第一の用量を送達する前に、閉鎖しなければならない。従って、医薬品の第一の用量を設定し、投与する前に、薬物送達デバイスの駆動アセンブリ4を、適宜、調整することが必要である。
【0069】
可動ピボット42は、レバー44の突起が係合する小さい凹部を含む。レバー44は、可動ピボット42が遠位又は近位方向に動くとき、回転する。また、又は、交互に、固定ピボット46が、また、レバー44を係合するために凹部を含み得る。
【0070】
図3Bは初期の事前準備状態を図示し、ここで、ボタン5は本体10に対して捻じれのみ可能であり、軸方向には可動ではない。図3Bで示す通り、ボタン5の回転中、駆動アセンブリ4は、用量を設定し、投与するために調整されつつある。異なった駆動アセンブリ4の間のバックラッシ及び許容誤差は補正される。更に、栓8とピストンロッド41間のギャップは閉鎖される。
【0071】
図3Cは、薬物送達デバイスの初期状態中のチャンネル51及び固定ピボット46並びに可動ピボット42を含むボタン5の側面図をより詳細に示す。初期状態において、チャンネル51は、ボタン5が薬物送達デバイスの遠位及び近位方向に対して垂直に捻じれ可能であり、そして特に、回転可能であることのみを定義する。ボタン5は、薬物送達デバイスの縦軸に対して垂直に回転できるが、軸方向には動くことはできない。
【0072】
図3Dは、後半の設定及び投与のために薬物送達デバイスを調整することを実施する過渡状態を示す。過渡状態の間、ボタン5は、図3Bで指示する通り回転し、それにより、図示する通り、可動ピボット42及びレバー44へ作用する。ボタン5は、ピボット42を遠位端11に向かって動かすために、可動ピボット42に作用する螺旋形状のトラック52を含む。レバー44は、可動ピボット42の凹部でその突起と係合するので、それは、指示する通り、部分的に回転する。レバー44と可動ピボット42の間のいかなる許容誤差もそのような動きにより補正される。
【0073】
更に、可動ピボット42は、ピストンロッド41と有効な連結にある。それに応じて、ボタン5の回転運動は、遠位端11に向かってピストンロッド41を駆動するために、可動ピボット42及び駆動レバー44に作用し、それにより、栓8とピストンロッド41の間のギャップを閉鎖する。ピストンロッド41の動きに依存して、少量の医薬品が放出され得る。
【0074】
図3Eは、可動ピボット42及び固定ピボット46を含む駆動アセンブリ4に対するボタン5の位置を図示する。この特定の実施態様において、ボタン5に関する幾つかの具体的な機構は、薬物送達デバイスを調整するための純粋な回転運動、及び流体の所望用量を設定し、投与するための純粋な軸方向運動に対して、固定ピボット46に作用し、そして、更に、ボタン5の動きを制限する。ボタン5の回転は、プライミング工程中の純粋な回転運動に、そして、ボタンのガイドチャンネル51内に作用する固定ピボット46の機構461の相互作用による用量の設定及び送達工程の間の純粋な軸方向運動に制限される。ボタンと、調整工程が完結した後ボタンが逆方向に回転することを阻止する可動ピボットの間にラチェットがある。
【0075】
図3Cで示す通り、ラグ461は、ボタン5の軸方向運動を可能とするチャンネル51内の位置に存在しない。
【0076】
図4はボタン5の数個の態様を図示する断面図を示す。ボタン5は、図1及び2で既に図示した通り、第一の部分511及び第二の部分512を有するL形状のチャンネル51を含む。チャンネル51の第一のチャンネル部分511に配置された小さい戻り止め54は、ボタン5が偶発的に回転することを阻止する。チャンネル部分511は、薬物送達デバイスの縦軸に垂直に実質的に配置され、一方チャンネル部分512は、薬物送達デバイスの縦軸に平行である。固定ピボット上のラグ(本明細書に示されていない)は、チャンネル部分511における回転運動、又はチャンネル部分512における軸方向運動に対する、ボタン5の動きを制限するためにチャンネル51と係合する
【0077】
ボタン5は、また、可動ピボット42に操作する螺旋状トラック52を含む。逆止めラチェット53は、調整段階が完結したあと、可動ピボット42のいかなる動きも保持するために螺旋状トラック上に配置される。この目的のために、可動ピボット42は、また、ボタン5の螺旋状トラック52を係合する小さい突起421を含む。
【0078】
医薬品の用量を設定し投与するために薬物送達デバイスの調整中、ボタン5は回転し、そして固定ピボット46のラグ461は、第一のチャンネル部分511に沿って動く。回転のために、螺旋状トラック52は、可動ピボット42上の突起421に作用し、それにより、可動ピボット42を軸方向の遠位方向に駆動させる。操作は、栓8とピストンロッド41間のギャップを閉鎖し、並びに、医薬品のプライミング量を放出する主機構を駆動させる。回転運動中に、螺旋状表面55は、固定ピボット46の後方に戻るスプリングと係合し、そして圧縮する。
【0079】
図5は、薬物送達デバイスを調整することが完結した後のボタン5の端部位置を図示する。固定ピボット46上のバックオフ(back-off)スプリングは圧縮され、そして可動ピボット42上の凹部421は、ボタン5の第一の螺旋状トラック52の端部において、凹部にはめ込む(snap into)。第一の螺旋状トラック52の端部における逆止めラチェット53は、逆方向にボタン5のいかなる回転運動も阻止する。同時に、固定ピボット上のラグ461は、第二のチャンネル部分512に到達し、それによりボタン5の軸方向運動を可能にする。使用者がボタン5を解放するや否や、圧縮されたバックオフスプリングは、若干解放され、それによりボタン5を近位方向にわずかな距離を駆動させる。
【0080】
固定ピボット3F上のバックオフスプリングの操作により、バックオフが発生した後の本体10に対するボタン5の位置は、図3Fに図示される。近位端におけるボタン5と本体10間の小さいギャップは、過渡状態及び準備完了状態の終結部でのバックオフ位置を表示す。バックオフ位置は、薬物送達デバイスが未だ使用されていない間の保持されている位置に対応する。バックオフ位置は駆動アセンブリの機械部品と栓8上のいかなるストレスもその間のバックラッシ又は許容誤差の発生なしで解放するが、それは、過渡状態における調整手順中に補正されていた。
【0081】
従って、図3Fは、準備完了状態を表示し、ここで、薬物送達デバイスは、医薬品の所望用量を設定し、投与するために、完全に、調整される。逆止めラチェット53は、可動ピボット42及びボタン5が剛性的にそして恒久的に取り付けられるように可動ピボット42を保持する。ボタン5は、逆止めラッチェトが可動ピボット42の突起421に閉めた後、回転はできない。使用者が、それにより、軸方向以外のいずれかにボタンを動かすことを阻止される
【0082】
用量を設定するために、ボタン5は、図3Gで示す通り、近位方向に動かす。ボタン5は、可動ピボット42と有効な連結にあるので、ボタン5の動きは、また、薬物送達デバイスの近位端に向かってピボット42を動かす。同時に、レバー44は、その第一の位置に向かって回転する。投与すべき用量を設定した後、ボタン5は、図3Hで示す通り、薬物送達デバイスの遠位端11に向かって押すことが可能である。それ故、可動ピボット42は、遠位端11に向かって駆動され、それにより、ピストンロッド41を遠位方向11に駆動させるためにピストンロッド41に作用している。用量が投与された後、固定ピボット46のバックオフスプリングは、ボタンが投与操作の終了時の解放されるとき、栓8から圧力を除去するために、ボタン5に作用する。
【0083】
固定ピボット上に、並びに、可動ピボット42上に数個のラグを含むボタン5の特定の構造は、事前準備及び過渡状態の間、ボタン5の純粋な回転運動を提供し、一方、調整が完結し、そして薬物送達デバイスが準備完了状態にあるや否や、そのような動きを阻止する。準備完了状態において、ボタン5は、用量を設定し、投与するとき、軸方向のみに動くことができる。
【0084】
図6は、用量を設定し、投与するために薬物送達デバイスを調整するための回転又は螺旋運動、及び用量を設定し、投与するための軸方向運動を提供する薬物送達デバイスの第二の実施態様を示す。これらの異なった許容可能な動きは、薬物送達デバイスの現在の状態を使用者に対して表示す。この実施態様における薬物送達デバイスは、駆動アセンブリ4が配置される本体10を含む。本体10の遠位端において、カートリッジアセンブリ9はカートリッジを含み、カートリッジホルダ7及び栓8は剛性的に取り付けられる。薬物送達デバイスが用量を設定し、投与するために調整する前に、栓8と駆動アセンブリ4のピストンロッド41間に小さいギャップが存在する。このギャップは、薬物送達デバイスにおける製作の許容誤差の結果であり、そして保存中に栓を圧縮させない要望でもある。
【0085】
駆動アセンブリ4は、本体10に剛性的に取り付けた固定ピボット46、可動ピボット42、並びに、レバー44及び逆止めラチェット43を含む。ピストンロッド41は、可動ピボット42と有効な連結にある。更に、ピストンロッド41は、駆動スリーブ49の個々の形状をした表面495と係合するその近位端における螺旋形状の表面を含む。駆動スリーブ49は、閉鎖板によりボタン5と恒久的に連結する(この断面図では示されていないが)。
【0086】
医薬品を設定し、投与するための薬物送達デバイスを調整するために、ボタン5及び駆動スリーブ49は回転する。従って、駆動スリーブ49の螺旋形状の表面495は、ピストンロッド41を遠位方向11へ変位させるために、ピストンロッド41の個々の螺旋形状の表面に作用し、それにより、栓8とピストンロッド41間のギャップを閉鎖する。
【0087】
図7は、図6に基づく実施態様の透視断面図を示す。
【0088】
駆動スリーブ49は、また、ボタン5が使用者に対して動くことができる方向を示す異なったマークを有している。この実施態様において、第一の矢印はボタン5の回転運動を表示し、一方、互いに反対方向を示す二つの矢印490は、医薬品の設定及び投与のための軸方向運動を表示する。薬物送達デバイスの異なった操作中、矢印は本体10における窓開口部を通して視認できる。駆動アセンブリ4は、可動ピボット42のチャンネルと係合する少なくとも一つのラグ460を有する固定ピボット46を含む。チャンネルは二つのウェッブ428及び429の間で形成され、それにより、薬物送達デバイスの設定及び投与の操作中、可動ピボット42の動きを抑える。逆止めラチェット43は、固定ピボット46に取り付けられ、そしてピストンロッド41と有効な連結にある。この目的のために、ピストンロッド41は、逆止めラチェット43を係合する歯状構造を含む。ラチェット43は、近位方向に、ピストンロッド41の変位を阻止する。
【0089】
図8A〜8Dは、医薬品の用量を設定し、投与するために薬物送達デバイスを調整するとき、事前準備状態と過渡状態の間の数個の位置を図示する。
【0090】
図8Aは、事前準備状態における駆動アセンブリを示す。異なった方向を示す矢印490は、駆動アセンブリ4の異なった操作状態中でのボタン5の動きを表示する。矢印490は、印刷、レーザーマーキング、成形、又はその他の手段で記す。もちろん、異なったマーキングも矢印の代わりに使用できる。事前準備状態において、薬物送達デバイスの縦軸に実質的に垂直な方向を指示する単一矢印は、本体10の開口部を通して視認できる(本体10は、利便性の目的のため本明細書に示されていない)。矢印は事前準備状態において使用者に対するボタン5の可能な動きを表示している。事前準備段階において、駆動スリーブ49は可動ピボット42から連結を解除されている。可動ピボット42は、固定ピボット46上のラグ460が可動ピボット42の右上ウェッブ428の接触するに近い位置にある。逆止めラチェット43は、ピストンロッド41の近位方向に動くことを阻止する。
【0091】
用量を設定し、投与するための駆動アセンブリを調整するために、ボタン5は、本体10の開口部における矢印により表示される通り回転する。ボタン5が駆動スリーブ49に剛性的に固定されるので、駆動スリーブ49は同様に回転する。回転中、駆動スリーブ49のその遠位端上にある傾斜したインタフェースは、図8Bで図示する通りに現れる。インタフェースは、可動ピボット42上の傾斜したインタフェース内に適合する。駆動スリーブ49上の傾斜したインタフェースは、外部突起493及び内部凹部421を含み、両方は可動ピボット42の個々の凹部421及び突起422内に適合する。可動ピボット42上のこの構造は、また、可動ピボット42の他端上に存在する。それ故、駆動スリーブ49の傾斜インタフェース機構の更なるセットは、また、駆動スリーブ49がこの点に関して対称的であるように他端上に存在する。
【0092】
傾斜インタフェース構造のより詳細な図は、図8Cで見ることができる。可動ピボット42は、可動ピボット42の凹部421に隣接する若干傾斜面423を含む。突起422は凹部421の隣に配置される。同様の構造は、傾斜面492に隣接して配置された凹部494を含む駆動スリーブ49上に配置される。駆動スリーブ49の外側面上の突起493は、可動ピボット42の凹部421内に適合する。両方の傾斜面423及び492は、駆動スリーブ49がそれぞれ反対側に面する凹部において、突起493及び422を係合するために回転するとき、案内として機能する。
【0093】
デバイスが調整されるとき、ピストンロッドは、初めに、駆動スリーブ49の螺旋形状表面495と、ピストンロッドの最近位端での対応する螺旋表面との相互作用により遠位方向に動く。この動きはピストンロッドを栓に向かって前進させ、そしてピストンロッドをレバーが取り付けられる親板と係合する。次いで、ボタンの回転運動の端部に向かって、駆動スリーブは可動ピボットと係合するために始動する(上記で記述した通り)。傾斜面機構423及び493は、遠位方向で可動ピボットを押し、その結果、レバーを回転させ、そして全ての許容誤差を吸収するために、ピストンロッドを更に少し前進させる(かくしてデバイスをプライミングする)。この二重の操作は、用量ボタンの非常に小さい回転が可能になる第一の実施態様における主要な利点を有する(即ち90°)。
【0094】
突起493及び422が各々の凹部に閉まるや否や、可動ピボットの一部であり得る逆止めラチェット(図示されていないが)は、駆動スリーブに閉まり、それにより、駆動スリーブ49の逆方向に回転を阻止する。
【0095】
図7及び8の実施態様に記載の薬物送達デバイスの事前準備、過渡的、準備完了状態を、更に、表示するために、ボタン5は円形ではなく、楕円形である。もちろん、異なった規則的な形状も同様に使用できる。楕円形は、本体に対してボタン5の芯ずれ又は芯合わせを表示する本体10の表面上の個々の楕円形の構造に対応することができる。そのような芯ずれ(misalignment)は、使用者に、薬物送達デバイスが事前準備状態にあるか、又は過渡状態か、又は準備完了状態かを表示し得る。例えば、図8A、8B、及び8Dに表示された通り、規則的な形状のボタン5は、薬物送達デバイスの調整中に回転する。薬物送達デバイスが図8Dで示す通りの準備完了状態に到達するや否や、ボタン5の楕円形状は、薬物送達デバイスの本体10上の個々の形状をした構造と芯合わせし、薬物送達デバイスの調整段階が到達したことを使用者に表示する。
【0096】
図8Eで示す設定及び投与操作の間、駆動スリーブ49に連結したボタン5は、近位方向及び遠位方向のそれぞれに軸方向に動く。投与されるべき用量の設定のために、ボタン5は近位方向に沿って動き、それにより、また、それぞれの凹部と係合する突起422及び493により、可動ピボット42を連れていく(take along)。固定ピボット46上のラグ460は、それが可動ピボット42のチャンネル49の遠位端で、ウェッブ429に到達するや否や、可動ピボット42の動きを抑える。薬物送達デバイスは用量設定し、投与するために調整する。この位置において、駆動アセンブリ4は変位し、ピストンロッド41を薬物送達デバイスの遠位端に向かって駆動させる調整ができ、ボタン5を遠位方向に押す。再び、逆止めラチェット43は、用量を設定するとき、特に、可動ピボット42及び駆動スリーブ49が近位方向に動くとき、ピストンロッド41の動きを阻止する。
【0097】
駆動スリーブ49上の矢印の位置において薬物送達デバイスの本体10の開口部は、また、使用者にボタン5の各々の可能な動きを表示する。事前準備状態、及び過渡状態の初期において、回転運動を表示する矢印は、本体10の窓で視認できる。過渡状態中のボタン5の回転については、個々の矢印は窓から見えなくなり、そして矢印490の一つが見えるようになる。同時に、ボタン5と本体10の個々の楕円形状部分の間の芯ずれは修正され、そして薬物送達デバイスの準備完了状態が到達するや否や、ボタン5及び本体10の個々の楕円部分は完全に芯合わせされる。
【0098】
ボタン5と本体10間の芯ずれに起因する異なった操作状態を表示する実施態様は、図17A〜図17Cにおいて見ることができる。
【0099】
この実施態様において、本体10は、ボタン5の構造と類似の楕円構造の表面を含む。更に、ボタン5は、本体10に面するその遠位端においてパターンの第一の部分32を含む。本体10は、その近位端においてパターンの第二の部分34を含む。両部分が互いに芯合わせされると、それらはクロスXを形成する。
【0100】
しかし、図17Aで示す通り、ボタン5及び本体10は、事前準備状態では芯ずれしている。同時にパターンのボタン5上の第一の部分32は、本体10上の第二の部分34に対して芯ずれしている。左側に向かって示す矢印は、使用者にボタン5の可能な運動方向を表示する窓101で見られる。この実施態様において、ボタン5は、窓で見られる矢印により表示される方向にのみ回転できる。
【0101】
医薬品の量を設定し、投与するために薬物送達デバイスを調整する手法の間、ボタンは回転し、徐々に、本体10と芯合わせできるようになる。図17Bは、ボタンが回転中の過渡状態を図示する。ボタンが回転すると、ボタン上のパターンの第一の部分32と本体10上の第二の部分34の間の芯ずれは低下していく。本体10とボタン5間の芯ずれは、また、低下していく。同時に、窓100の矢印は消え、そして設定操作を表示する矢印490の一つが、本体10の窓101に現れる。過渡状態の終結部において調整が完結し、そして薬物送達デバイスが、用量を設定し、そして投与するために調整された準備完了状態にある。ボタン5は、図17Cで表示される通り、本体10と完全に芯合わせする。ボタン5及び本体10上の部分32及び34の両方は、また、芯合わせを示すクロスを形成する。矢印490は、ボタン5の唯一の可能性のある動きを表示する。後程、医薬品の用量は、新しい矢印が以前に設定された用量を投与するために、ボタン5の個々の可能な動きを表示した後で、近位方向に向かってボタン5を動かすことにより設定できる。
【0102】
図9は提案された原理の数個の態様を示す更なる実施態様を図示する。この実施態様において、用量を設定し投与するために薬物送達デバイスを調整するための機構がある。駆動アセンブリ4は、薬物送達デバイスの遠位端に向かってカートリッジアセンブリ9内で栓を駆動させるために、駆動スリーブ42a、親ねじ41aを含む。カートリッジアセンブリ9は、薬物送達デバイスの本体10上のカートリッジホルダ7により堅く取り付けられる。
【0103】
薬物送達デバイスは、更に、ボタン5及びボタン仕上げ機(finisher)501を含み、両方は恒久的にそして剛性的に一緒に固定される。ボタン5及びボタン仕上げ機501が製作可能である場合、それらは単一構成部品として実現できる。ボタン5及びボタン仕上げ機501は、遠位方向に向かう親ねじ41aを順番に駆動する駆動スリーブ42aに作用する。
【0104】
親ねじナット46aは、恒久的にそして剛性的に本体10に取り付けられる。駆動スリーブ42aの遠位方向に軸方向運動は、親ねじを、医薬品の用量の設定及び投与をおこなうための薬物送達デバイスを調整するために、遠位端に向かって、親ねじを、また、駆動させる。駆動スリーブの可能な動きは、駆動スリーブと親ねじナット46aの間で相互作用する機構により、限定された軸方向運動に制限される。
【0105】
事前準備及び過渡状態の間で、ボタン5は駆動スリーブ42aに対して回転できる。特に、ボタン5は、ボタン5と本体10間、又はボタン5と親ねじナット46aの間で相互作用する機構により、回転を限定される。ボタン5は、医薬品の量の設定及び投与のために軸方向運動のみが可能となった後、調整手順が完結するまで回転を限定される。先に述べた通り、薬物送達デバイスを調整することは、流体のプライミング量を放出するが、それに限定されないプライミング工程を含み得る。調整手順は、更に、親ねじ41a及びカートリッジホルダ7内の栓の間のギャップを閉鎖することを含む異なった機械部品間のバックラッシ及び許容誤差の補正を含み得る。それは、また、第一の医薬品と第二の医薬品、例えば、粉末と流体を混合する段階を含み得る。
【0106】
駆動スリーブ42aは、ボタン5上の個々の螺旋形状の表面551と係合する螺旋的に配置された突起424aを含む。調整工程中、ボタン5が駆動スリーブに対して回転するので、ボタン5上の螺旋状の表面が駆動スリーブ42aに、特に、突起424aに作用して、駆動スリーブ42aを軸方向の遠位方向11に駆動する。駆動スリーブ42aは、親ねじ41aに作用して、親ねじを回転させ、そしてその結果、親ねじ41aと親ねじナット46a間のネジ山付き連結を用いて、同様に遠位方向に前進させる。親ねじ41aの動きは、親ねじとカートリッジホルダ内の栓の間のいかなるギャップも閉鎖し、そしてまた、プライミング用流体の量を放出できる。
【0107】
ボタン5及びボタン仕上げ機501の回転の終結部において、ボタン5及び駆動スリーブ42aは、構成成分が互いに剛性的に、恒久的に取り付けられるように一緒に閉まる(snap)。この時点で、ボタン5及びボタン仕上げ機501の遠位及び近位方向に軸方向運動のみが、医薬品の用量を設定し、投与するために可能である。
【0108】
用量を設定し、投与するために、薬物送達デバイス、又は薬物送達デバイス内の駆動アセンブリを調整をするために、ボタン5を回転し、又は捻じる原理を図示する更なる実施態様は、図10〜16に示される。
【0109】
図10に基づく実施態様は、螺旋形状の突起503を有するボタン5を含む。突起503は、駆動部材41bに、この場合、親ねじに作用し、それにより、遠位端に向かって親ねじを駆動させる。捻じれ作動の終結部で、ボタン5は駆動スリーブ42bに作用し、ここで、駆動スリーブ42bとボタン5間、駆動スリーブ42bと親ねじ41b間のいかなる許容誤差も補正される。更に、駆動スリーブ42b及びボタン5は、一緒に閉まり、そして、今、互いに、恒久的に、剛性的に取り付けられる。駆動スリーブ42aは、くさび形のネジ山形体を含み、それは、親ねじ41bを用量の投与中に遠位端に向かって駆動させるために、親ねじ41bを係合する。
【0110】
図11は薬物送達デバイスの駆動アセンブリの別の実施態様を図示する。この実施態様における薬物送達デバイスは、ボタン5と本体10間に配置された回転可能カラー505を含む。カラー505は、内側に面し、そして親ねじ41bの近位端上の開放式スロットを係合する突起506を含む。親ねじ41bの近位端上の開放式スロットは、カラー505の回転中、親ねじ41bは、突起506が親ねじとの係合から外れるまで、遠位端に向かって駆動するように螺旋形状である。この位置に到達したとき、突起506は、これ以上スロットと係合はしないであろう。小さい保持エレメントは、カラー505が逆方向に回転する場合、突起506は親ねじにおいてスロットと再係合しないように、親ねじ41bにおいてスロットを閉鎖する近位端に配置される。
【0111】
親ねじ41bの前進中に、カートリッジ内の親ねじ41bと栓の間のいかなるバックラッシ又は許容誤差も補正される。更に、親ねじの前進は、少量のプライミング流体が放出されるように選択できる。
【0112】
若干異なる実施態様が、図12で図示され、ここで、ボタン5b、は数個のスプライン508を用いて親ねじ41cと連結する。スプライン508は、ボタン5bの内部側壁上に配置され、そして親ねじ41cにおいて、個々のガイディングトラックと係合する。ボタン5bが回転するとき、親ねじ41cは、また、回転し、そして親ねじとハウジング間のネジ山付き係合の故に、遠位方向に前進する。前進中、薬物送達デバイスの駆動アセンブリは、医薬品の個々の用量を設定し、投与するために調整される。親ねじ41cの前進の終結部で、ボタン5のスプライン508は、親ねじ41cが軸方向に可動するボタン5bにより遠位端に向かって駆動し、駆動スリーブ42bに操作可能に連結できるように親ねじ41c上の個々のガイディングトラックから係合を解除する。再び、保持エレメントは、親ねじ41cの近位端において配置できる
【0113】
図13は更なる実施態様を示す。この実施態様において、ボタン5dは、幾つかのネジ山を有する内部円筒形表面を含み、それは駆動スリーブ42bのそれと類似である。ボタンを回転することにより、親ねじ41bは駆動され、そして、また、親ねじの近位端で螺旋表面を係合するボタン5dの内部側壁上にあるネジ山550により回転する。ボタンの回転の終結部で、ボタンのネジ山は、駆動スリーブ42bの内部表面上のネジ山と芯合わせし、そして両構成部品は一緒に閉じられる。ボタン5bの回転は、親ねじ41bを、親ねじとハウジング間のネジ山付き係合により遠位端に向かって駆動させる。親ねじ41bの変位は、ボタン5dの回転が止まるや否や、停止する。
【0114】
更なる実施態様の外観図は、図14に図示される。カラー424は、ボタン5dの遠位端に配置される。外側に配置されたカラー424は、次の工程で実施すべき操作を表示する外面上の追加のマークも含む。例えば、カラー又はボタン上の表示は、ボタン上のマークが個々の本体上のマークと一直線状になるまで、使用者にカラーを回転させるよう指示する本体に対して幾つかの芯ずれを含む。
【0115】
この実施態様において、通常は剛性的に、そして恒久的に本体に取り付けられる親ねじナットは、事前準備及び過渡状態中では、可動である。親ねじナットに操作上、連結されるボタン又はカラーを回転することにより、親ねじナットは回転し、それにより、親ねじと親ねじナット間のネジ山付き連結を用いて、親ねじを遠位端に向かって移動させる。従って、駆動アセンブリは、医薬品の用量を設定し、投与するために調整される。調整手順の終結部で、過渡状態の終結と対応して、親ねじナットは、恒久的にそして非可逆的に、本体に取り付ける。同時に、ボタンは、第一の用量が近位方向にボタンを軸方向に動かせることにより設定できるようにするために解放される。ボタンを遠位方向に押すことにより、ボタンは駆動アセンブリに作用して、医薬品の以前に設定した用量を投与する。
【0116】
図14Aで図示する若干異なる実施態様において、カラー424が親ねじ41bと、カラー424を回転することにより係合し、そして有効な連結にあり、親ねじ41bは、同様に回転し、そして同時に、栓8に向かって移動する。プライミングが完了した後、カラー424は親ねじ41bから係合を解除される。今、軸方向にボタン5dを変位させることにより、ボタン5dは親ねじに作用して用量を設定し、投与する。
【0117】
図15で示す更なる異なった実施態様において、駆動アセンブリは本体10内に配置される。本体10は、遠位端に向かって若干傾斜した、又は螺旋状のチャンネル10aを有する。あるいは、チャンネル10aの代わりに、ガイディングトラックを、また、形成する本体10の内部側面上にある凹部を使用できる。駆動アセンブリ4上に、例えば、親ねじナット上に、又は固定ピボット上に配置される突起は、チャンネル又は凹部10aと係合する。ボタン5を回転することにより、本体10内の全駆動アセンブリは、ガイディングトラック又はチャンネル10aに沿って回転する。ガイディングトラック若しくはチャンネルの傾斜した又は螺旋状の構造により、遠位端に向かってわずかに面することにより、駆動機構は前進し、そして、駆動アセンブリの大半の前方部分とカートリッジ内の栓の間のギャップは閉鎖される。機械部品間の、特に、栓と駆動アセンブリ間のいかなる許容誤差も補正される。更に、回転は、また、少量のプライミング流体を放出し、又はカートリッジ内の二つの異なった物質の混合工程を起動することができ得る。
【0118】
尚、別の実施態様において、図16Aに図示する通り、ボタン5及び駆動スリーブ42bは、恒久的に、そして、剛性的に、駆動スリーブ42bの近位端420bにおいて一緒に固定される。親ねじ41bは、図16Aで図示する通り、駆動スリーブ42bの内面上のネジ山と係合する。
【0119】
駆動スリーブ42bは、また、突起425b、例えば、親ねじナット46b内に配置されるチャンネルインタフェースで係合するラグを含む。再び、チャンネルインタフェースは、第一の部分及び第二の部分を含み、ここで、第一の部分は、薬物送達デバイスの縦軸に実質的に垂直であり、一方、第二の部分は縦軸に対して実質的に平行である。ボタン5を回転することにより、ボタン5に取り付けられた全駆動スリーブは、図で表示する通り、回転する。突起425bは、駆動スリーブの回転中、第一の部分の上端から下端へ動く。突起425bが下端に到達するとき、駆動スリーブ42b上の突起426bは、親ねじナット上の保持エレメント462b内に閉まる。これは、逆方向の回転を阻止する。そのポイントから、ボタン5bは軸方向にのみ動くことができる。それ故、薬物送達デバイスの駆動アセンブリは、今、準備完了状態にある。駆動スリーブの回転は(調整中)、親ねじを、親ねじと駆動スリーブ間、そして、また、親ねじと親ねじナット間のネジ山付き連結を用いて遠位方向に前進させる。
【0120】
若干異なった実施態様は、図16Bで図示され、ここで、親ねじナット内のチャンネルは更に第一と第二の部分の間に配置され、そして第一の部分に対して若干傾斜した第三の部分を含む。ボタン5が回転するので、突起425bは、第一の部分に沿って動き、そして第二の部分は、駆動スリーブ42bを若干遠位端に向かって前進させる。
【0121】
また、ボタン5は、ボタン5の回転が終了した後、本体10において個々の凹部を係合する小さい突起555を含む。突起555と個々の凹部の間の係合は、駆動スリーブの小さくて、望ましくない回転を阻止し得る。
【0122】
図16Cはこの実施態様をより詳細に図示する。ボタン5及び駆動スリーブ42bは、駆動スリーブ42bの近位端420bにおいて恒久的に、一緒に取り付けられる。親ねじ41bは、図示する通り、駆動スリーブ42bの内面上のネジ山と係合する。突起425bは、一方において、親ねじ41を係合し、そして他方で、親ねじナット46と、又は本体10においてすら、個々のチャンネルインタフェースと係合する。突起425bは、その位置が使用者にとって視認できるかどうかの表示器として作用することができる。例えば、本体10はそのような領域では透明になり得る。ボタン5を回転することにより、駆動スリーブ42bは、デバイスの遠位端に向かって親ねじを駆動させる親ねじ41bに作用する。同時に、突起425bは、チャンネルインタフェースに沿って摺動し、そしてそれにより、純粋な回転、及びその後の純粋な軸方向運動に対するボタンの動きを拒絶する。
【0123】
本明細書で示した異なった実施態様の数種の態様及び特徴は、提案された原理の範囲を変更することなく更なる方法で組合せることができる。いかなる場合においても、駆動アセンブリは、薬物送達デバイスの調整が二つの異なったボタン運動を用いて完了する前に、使用者に望ましくない設定及び投与操作を阻止する。その目的のために、ボタン、カラー、又は類似の対象物は、事前準備状態及び過渡状態にある駆動アセンブリに、後続の設定及び投与操作のための駆動アセンブリを調整するために作用する。駆動アセンブリの事前準備状態中のボタンの動きは、設定及び投与操作中の、後続のボタンの動きとは異なる。
【0124】
特に、薬剤アセンブリの過渡状態中のボタンの動きは、純粋な回転運動、螺旋運動、又は回転運動との組合せた小さい軸方向運動、並びに、その組合せを含み得る。一方、薬物送達デバイスの準備完了状態中のボタンの動きは、軸方向運動のみを含み得る。また、外部から視認できるマークで表示することができるこれら二つの動きにより、使用者は薬物送達デバイスのアセンブリが事前準備状態にあるか、又は準備完了状態にあるかを識別することが可能である。
【0125】
参照数字:
1:アセンブリ;
4:駆動アセンブリ;
5:ボタン、ボタン部材;
5b:ボタン;
5d:ボタン;
9:カートリッジアセンブリ、流体リザーバ;
8:栓;
7:カートリッジホルダ;
10:本体;
10a:チャンネル、ガイディング凹部トラック;
11:遠位端、遠位方向;
12:近位端、近位方向;
32、34:型式の部分;
41:ピストンロッド;
41a、41b:親ねじ;
41c:親ねじ;
42;可動ピボット;
42a、42b:駆動スリーブ;
43: 逆止めラチェット;
44:レバー;
46:固定ピボット;
46a:親ねじナット;
46b:親ねじナット;
47:親板;
49:駆動スリーブ;
51:チャンネル;
52:螺旋ガイディングトラック、チャンネル
53:クリップ、逆止めラチェット;
54:戻り止め;
55:螺旋ガイディングトラック;
100:窓;
101:窓;
420b:近位端;
421、494:凹部;
422、493:突起;
423、492:傾斜面;
424a:螺旋状に配置された突起;
425b:突起;
426b:突起;
428、429:端部境界エレメント;
460: 突起;
461:ラグ、突起;
422:保持エレメント;
462b:保持エレメント;
490:マーカー、矢印;
495:螺旋状表面;
500:本体仕上げ機;
501:ボタン仕上げ機;
503:螺旋状突起;
508:スプライン;
505:カラー;
506:突起、ラグ;
507:マーカー:
511:チャンネルの第一の部分;
512:チャンネルの第二の部分;
550:ネジ山;
551:螺旋形状表面;
555:突起;
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達デバイスのアセンブリに関する。本発明は、また、薬物送達デバイス、特に、ペン形注射器に関する。また、本発明は、ボタン部材、特に、薬物送達デバイスの駆動アセンブリを操作するためのボタン部材に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達デバイスは、医薬品を患者の体内に投与するために、一般的に知られている。薬物送達デバイスにもよるが、それらの内のある種のものは、患者により自己投与するのに好適である。そのような医薬品としては、例えば、インスリン、成長ホルモン、ヘパリンが含まれ得るが、それらに限定されない。医薬品は、短期間、又は長期間を通して非定期的に投与できる。患者の体内へ投与された用量は非常に正確であり、そして、用量は、また、異なった用量間では差異はないということが、しばしば、必要となり得る。
【0003】
医薬品の第一の用量を投与する前に、そのようなデバイスのアセンブリは、正確な第一の用量を確実にするためにデバイスの製作に内在する許容誤差を引き締める(take up)調整をしなければならない。そのような調整に慣れていない患者は、第一の用量を調剤し、そして投与する前に、デバイスに失敗し、又は不正確に調整するかもしれない。更に、薬物送達デバイスが不規則なベースで使用され得るので、患者は、薬物送達デバイスが、既に調整されたか否かの事実に関しては忘れたか、又は混乱しているかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、薬物送達デバイスのアセンブリを改良するための、そして使用者にその調整段階を明確に表示するためのそのようなデバイスに対する必要性は存在する。
【0005】
特許請求範囲の独立項1及び22は、この要求事項に合致する。態様及び数個の実施態様は従属項の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
用語「薬物送達デバイスのアセンブリ」は、用語「薬物送達デバイス」に相当する。
【0007】
本明細書で使用する用語「医薬品」又は「薬物」は、好ましくは、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチ性の治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0008】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0009】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0010】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0011】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0012】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0013】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0014】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0015】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0016】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0017】
提案原理に記載の薬物送達デバイスのアセンブリは、第一の操作状態、いわゆる事前準備状態、及び少なくとも第二の状態、いわゆる準備完了状態を含む。それはまた、経時的に事前準備状態に従動する(follow)、そして経時的に準備完了状態の前である過渡状態を含み得る。準備完了状態は、直接、過渡状態に従動し得る。
【0018】
この件に関して、事前準備状態は、薬物送達デバイスが医薬品の用量の投与を容易にするために調整されていない薬物送達デバイスのアセンブリの状態を意味する(imply)。換言すれば、薬物送達デバイスは、尚、医薬品を投与するために調整する必要がある。医薬品の投与を容易にし、そして特に、医薬品の計画的で(deliberate)、所望の投与を容易にするための薬物送達デバイスのアセンブリの調整中、薬物送達デバイスのアセンブリは過渡状態にある。
【0019】
用語「医薬品の投与を容易にする」は、医薬品の用量を設定し、そして用量を投与することを含むが、それに限定されない、医薬品の送達をもたらす薬物送達デバイスに関するいかなる手法も意味する。
【0020】
過渡状態は、デバイスが医薬品の投与を容易にするために調整する薬物送達デバイスの状態を意味する。使用者は、医薬品の後半の投与のためにデバイスを調整するための薬物送達デバイスに関する幾つかの具体的な行動を実施し得る。
【0021】
薬物送達デバイスのアセンブリが完全に調整され、そして過渡状態が完結するとすぐに、使用者は医薬品の用量を正しく投与することが可能となり、薬物送達デバイスのアセンブリが準備完了状態にあると考えられる。準備完了状態において、使用者は、医薬品の所望量を設定し、計画的に投与するために薬物送達デバイスを作用させ得る。この目的のために、使用者は薬物送達デバイスに幾つかの具体的な作用を実施し得る。使用者により実施される前記の作用は、事前準備状態及び過渡状態の間、使用者により実施される作用とは異なるかもしれない。それ故、準備完了状態は過渡的及び事前準備状態の後に従動する状態である。
【0022】
換言すれば、その事前準備状態及び過渡状態における薬物送達デバイスのアセンブリは、医薬品の特定の、所望の量を計画的に投与することが不可能である。事前準備状態において、使用者は、薬物送達デバイスをその過渡状態に移す、医薬品の用量を投与するための薬物送達デバイスを調整するために、薬物送達デバイスに作用させる。
【0023】
薬物送達デバイスのアセンブリは、事前準備状態において、及び薬物送達デバイスのアセンブリの準備完了状態における使用者により許容される操作とは全く異なる過渡状態の間で、特定の操作のみを許容し得る。医薬品を投与するためのデバイスを調整するために使用者により実施されるそのような行動と、医薬品の設定及び投与とは、異なるものである。それ故、使用者は、許容される異なった行動に基づく異なった状態の間を区別することができる。
【0024】
実施態様において、薬物送達デバイスのアセンブリは、遠位端及び近位端を有する本体を含み得る。用語「本体」は、例えば、薬物送達デバイスの主本体部分又は外殻を意味してもよい。用語「本体」は、用語「ハウジング」に対応し得るが、また、カートリッジホルダを含み得るハウジングを含み得る。
【0025】
本体はプラスチックスから製作し得て、そして、使用者に送達すべき医薬品の量、医薬品それ自身、又はその他いかなる種類の薬物送達デバイスの使用法の情報も表示するために幾つかのマークを含み得る。本体は薬物送達デバイスの他の部分と一緒に、薬物送達デバイスが取り上げる現在の状態を表示する近位端及び遠位端に対して異なった外形を含み得る。
【0026】
ドライブアセンブリは、医薬品の投与を容易にするために、少なくとも部分的に本体内に配置し得る。用語「駆動アセンブリ」は、薬物送達デバイスの操作中に、使用者が作用させ得る本体内の構造を意味し得る。駆動アセンブリは、一つ又はそれ以上の異なった部分を含み得、それは本体内に部分的に配置され、そして本体外にも部分的に配置され得る。
【0027】
デバイスの操作中、駆動アセンブリの異なった機械的部品は、医薬品の投与を容易にするために互いに作用しあってもよい。この点に関して、駆動アセンブリは、送達すべき医薬品の用量設定し、そして後続の工程においてこの設定用量を投与するために適合し得る。
【0028】
駆動アセンブリはエレメントを含み得て、前記エレメントは少なくとも部分的に本体内に配置され、そして、本体の遠位端に向かって軸方向に変位することが可能である。そのようなエレメントは、ピストンロッド又は親ねじであってもよく、しかしそれらに限定されない。ピストンロッドは、駆動アセンブリの他の部分に作用する幾つかの歯状のエレメントを含み得て、それにより、ピストンロッドの遠位端に向かう変位を可能にする。ピストンロッドは、また、遠位端に向かって変位するために、捻じれ運動を実施するスリーブを含み得る。従って、駆動アセンブリは、遠位端に向かって軸方向に動くために回転し、又はネジ締めするエレメントを含み得る。
【0029】
薬物送達デバイスのアセンブリは、また、ボタン部材を含み得る。用語「ボタン部材」は、薬物送達デバイスの近位端に位置することができる部材に応用し得る。使用者は薬物送達デバイスを操作するためにボタン部材に作用する。使用者によるボタン部材の操作は、ボタン部材の回転、ボタン部材の捻じれ、薬物送達デバイスの縦軸に平行なボタン部材の動き、ボタンの押し、又は引き操作を含むが、それに限定されない。従って、ボタン部材は薬物送達デバイスの本体に対して可動であり得る。ボタン部材は、また、本体に対して回転可能、又は軸方向に可動であってもよい。
【0030】
実施態様において、ボタン部材は本体の近位端に配置され、そして駆動アセンブリに作用するように適合する。この点で、ボタン部材は、医薬品の投与を容易にするために駆動アセンブリに作用する。そのような駆動アセンブリへの作用は、駆動アセンブリの幾つかの部品を駆動させること、駆動アセンブリの幾つかの部品を回転させること、駆動アセンブリの幾つかの部品を牽引すること;駆動アセンブリの幾つかの部品を押付けること、及び駆動アセンブリの幾つかの部品を軸方向に変位させることを含み得るが、それに限定されない。これらの部品の動き、回転、変位は、駆動アセンブリのその他の部品に順番に作用し、それにより、要約すれば、薬物送達デバイスの所望の行動がもたらされることになる。
【0031】
駆動アセンブリそれ自身は、初期の事前準備状態、過渡状態、及び準備完了状態を含み得る。用語「駆動アセンブリに対する事前準備状態」は、駆動アセンブリが医薬品の所望量の投与を容易にすることが不可能な状態を意味する。従って、初期の事前準備状態は、駆動アセンブリが第一の使用の前にある状態である。駆動アセンブリの事前準備状態は、薬物送達デバイスの事前準備状態に対応し得る。
【0032】
過渡状態の間、駆動アセンブリは、後半の操作のために、特に、医薬品の所望用量の投与を容易にするために調整される。
【0033】
用語「調整」、「調整操作」又は「調整する」は、後半の医薬品投与を容易にするために駆動アセンブリを調整するための駆動アセンブリに関するいかなる操作も意味する。そのような操作は、異なった機械部品間のいかなるバックラッシ(backlash)又は許容誤差を補正するための駆動アセンブリの動き、及び/又は、変位も含み得る。それは、また、駆動アセンブリの可動部品、例えば、少なくとも部分的に、薬物送達デバイスの遠位端に向かうピストンロッド又は親ねじを含み得る。
【0034】
一実施態様において、薬物送達デバイスのアセンブリは、遠位端及び近位端を有する本体を含む。駆動アセンブリは、医薬品の投与を容易にするために本体内に実質的に配置し得る。ボタン部材は本体の近位端に配置され、そして、駆動アセンブリに作用するように適合される。これは、ボタン部材の動きに関する駆動アセンブリの可動部品を含み得る。駆動アセンブリは、初期の事前準備状態及び準備完了状態を有し、ここで、事前準備状態において、ボタン部材は、駆動アセンブリに作用するために本体に対して捻じれ可能である。準備完了段階において、ボタン部材は、軸方向に可動であるが、医薬品の用量を投与するために駆動アセンブリに作用するために、本体に対して実質的に捻じれ可能ではない。
【0035】
実施態様において、ボタン部材は、事前準備状態の間、本体に対して捻じれることができ、それにより、駆動アセンブリの過渡状態を起動させる。用語「過渡状態」は、使用者が、医薬品の正しい投与を容易にするための薬物送達デバイスを調整するために、ボタン部材に作用させる状態を意味する。過渡状態の間、ボタン部材は、薬物送達デバイスの準備完了状態における後半の使用のための駆動アセンブリ及び駆動アセンブリの部品を調整するために、駆動アセンブリに作用させ得る。駆動アセンブリの事前準備状態及び過渡状態は、薬物送達デバイスの個々の状態に対応し得る。
【0036】
用語「捻じれ運動」又は「捻じれ可能なボタン部材」は、本体に対して回転する構成部品を含むボタン部材のいかなる動きも意味する。従って、ボタン部材は、純粋な回転構成部品及び軸運動の構成部品を含む螺旋状経路に沿って純粋に回転し、又は動くことができる。ボタン部材の捻じれ運動は、少なくとも一つが回転構成部品を含む、二つの後続工程を有する動きを意味する。例えば、ボタンは第一の工程で回転でき、そしてその後、第二の工程で部分的に軸方向に動くことができる。それは、また、第一の軸方向に動くことができ、そしてその後、後続の第二の工程で回転することができる。用語「捻じれ」は、また、回転及び軸方向運動のいかなる組合せも意味する。
【0037】
過渡状態の最後に、ボタン部材は、本体に対して、逆方向に捻じれを阻止できる。換言すれば、ボタン部材は、少なくとも、過渡状態の最後に、回転し、又は後方に動くことを阻止される。従って、過渡状態の最後に、駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスは、医薬品の所望量を正しく投与するために完全に調整される。
【0038】
用語「駆動アセンブリの準備完了状態」は、駆動アセンブリが医薬品の所望の量を投与するために完全に調整された状態を意味する。準備完了状態において、ボタン部材は、駆動アセンブリに作用するために、本体に対して、軸方向に動くことができるが、実質的に、回転し、及び/又は、捻じれることはできない。結果として、事前準備状態において、及び過渡状態中でのボタン部材の可能な動きは、駆動アセンブリの準備完了状態中のボタン部材のいかなる可能な動きから完全に異なるものであり得る。
【0039】
駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスの事前準備状態及び過渡状態及び準備完了状態中のボタン部材の異なった可能性のある動きは、それぞれ、使用者に対して異なった操作状態を表示する。これは、使用者に、薬物送達デバイスのアセンブリ及び駆動アセンブリが起こした現在の状態を特定させることを可能にする。
【0040】
薬物送達デバイスは、流体リザーバを含み得る。用語「流体リザーバ」は、流体、粉末又はその他の物質を保持することが可能ないかなるリザーバも意味する。流体リザーバは、物質がそこを通して投与できる開口部を含み得る。
【0041】
栓は流体リザーバに作用して、物質を、例えば、医薬品を投与し得る。流体リザーバ及び栓は、カートリッジ又は着脱可能なカートリッジに含まれ得る。カートリッジは、その中に流体リザーバが配置されるカートリッジホルダを含み得る。栓はカートリッジホルダ内でその近位端に配置できる。カートリッジ及びカートリッジホルダは、薬物送達デバイスの一部であり得るが、また、本体から可逆的に着脱可能であり得る。ピストンロッドは、栓を、特に、カートリッジに対して遠位的に駆動させるように配置し得る。
【0042】
過渡状態の間、ボタン部材は、薬物送達デバイスを調整するために駆動アセンブリに作用し得る。用語「薬物送達デバイスを調整する」は、医薬品の投与を容易にするためのデバイスを調整するために、薬物送達デバイス又はその部品のいかなる操作も意味し得る。用語「調整する」は、医薬品を混合するために、流体又は空気を排出させるために、デバイスをプライミングさせることを含み得るが、それに限定されない。
【0043】
用語「プライミング」は、駆動アセンブリの異なった機械部品間の許容誤差又はバックラッシが補正される駆動アセンブリのプロセスを意味する。これは、例えば、ピストンロッド又は親ねじなどの駆動アセンブリのその遠位端に向かう変位部品を含み得る。更に、用語「プライミング」は、例えば、ピストンロッド又は親ねじなどの駆動アセンブリの部品、及び、例えば、栓などのカートリッジアセンブリの部品の間のギャップが閉鎖されるプロセスを意味し得る。用語「プライミング」は、また、少量の流体又は医薬品が、薬物送達デバイスのアセンブリから放出される状態を意味し得る。
【0044】
用語「混合する」は、二つの物質、例えば、二つの異なった流体、又は流体と粉末が一緒に混合される手法を意味し得る。混合が完結した後、生成した流体は、分散することができる。そのような混合は、生成した流体が時間の経過と共に、分解するかもしれない場合、有用であり得る。
【0045】
実施態様において、駆動アセンブリ又は薬物送達デバイスのアセンブリの本体は、ボタン部材の動きが過渡状態の間、実質的に回転的又は螺旋的であるように制限するように適合したエレメントを含み得る。エレメントは、ラグ、突起、凹部、チャンネル、ガイディングトラック、その組み合わせ物、又はボタン部材の動きを制限することができるその他いかなるエレメントをも含み得る。ボタン部材の動きは、軸方向運動を可能にする前に、限定される。結果的に、ボタン部材は、事前準備、及び過渡的、及び準備完了状態の間、特定の、及び事前に決定された動きにおいてのみ変位可能である。各々の状態における動きは、互いに異なり、そして使用者により識別可能であり得る。
【0046】
ボタン部材は、また、駆動アセンブリのガイディングエレメント又は本体と有効な連結にあるガイディングエレメントを含み得る。用語「ガイディングエレメント」は、ボタンの動きを、過渡状態の間、実質的に、回転的、又は螺旋的であるよう限定し得るエレメントを意味する。そのようなガイディングエレメントは、ラグ、突起、凹部、チャンネル、又はその組み合わせ物も含み得るが、それらに限定されない。ボタン部材のガイディングエレメントは、駆動アセンブリのガイディングエレメント又は本体との有効な連結にあり得る。実施態様において、少なくとも一つのボタン部材のガイディングエレメント、駆動アセンブリ及び本体は、ガイディングトラックを形成する。ガイディングトラックは、実質的に円形又は螺旋形状を含み得、それにより、ボタンの動きを、過渡状態の間、実質的に、回転的、又は螺旋的にあるよう制限する。結果として、ボタン部材のガイディングエレメントは、過渡状態の間、ボタン部材の動きを制限するために、駆動アセンブリのガイディングエレメント又は本体と係合する。
【0047】
更なる実施態様において、ボタン部材は、駆動アセンブリのガイディングエレメント又は本体との有効な連結にあるガイディングエレメント、駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスのアセンブリの準備完了状態の間、ボタン部材の動きを実質的に軸方向運動に制限するガイディングエレメントを含み得る。
【0048】
実施態様において、駆動部材は、本体に対してボタン部材を捻じれから阻止するために、準備完了状態に適合させた保持エレメントを含み得る。用語「保持エレメント」は、過渡状態中に、ボタン部材を、ボタン部材の運動方向と反対方向に動くことを阻止するいかなるエレメントも意味する。例えば、保持エレメントは、過渡状態中にボタン部材が本体に対して捻じれた後、ボタン部材に本体に対して逆に捻じれることを阻止する。従って、保持エレメントはボタン部材を回転移動から、又は螺旋移動から阻止するために、準備完了状態に適合し得る。
【0049】
別の態様において、ボタン部材は保持エレメントを含み得る。保持エレメントは、ガイディングトラック上にラチェットを含み得る。
【0050】
別の実施態様において、駆動部材は少なくとも一つの可動ピボット又は駆動スリーブを含み得る。用語「可動ピボット」は、可動エレメント、例えば、ピストンロッドを変位させるために本体内の軸方向運動を制限するエレメントを意味する。用語「駆動スリーブ」は、ボタンとピストンロッド間に配置し得るエレメントを意味する。用語「駆動スリーブ」は、また、螺旋形状の表面を含むエレメントを意味し得、該表面は、例えば、本体、ピストンロッド、親ねじ、又は駆動アセンブリのその他いかなる部品とも係合する。実施態様において、駆動スリーブは、ピストンロッドと係合する螺旋形状の表面を含み得る。尚、別の実施態様において、駆動スリーブは、薬物送達デバイスの本体に剛性的に固定される親ねじナットを係合する螺旋形状の表面を含み得る。
【0051】
ボタン部材は、また、事前準備状態において、希望しない調整、例えば、希望しないプライミング操作を阻止するために、ボタン部材を解放可能に保持する戻り止めを含み得る。
【0052】
別の実施態様において、薬物送達デバイスの駆動アセンブリを操作するためのボタン部材は、使用者により作用される第一の部分、及び駆動アセンブリと有効な連結にある第二の部分を含む。第二の部分は、第一の方向に第一のガイディングトラック部分、及び第二の方向に第二のガイディングトラック部分を含み得る。第一のガイディングトラック部分は、ボタン部材の動きを、実質的な回転運動に制限するように適合する。第二のガイディングトラック部分は、ボタン部材の動きを、実質的に、軸方向運動に制限するように適合する。
【0053】
結果として、ボタン部材は、使用者により、二つの異なった方向で異なった状態で、即ち、事前準備状態及び準備完了状態で動かされる。そのような異なった動きは、使用者により容易に識別することができ、そして、これは、薬物送達デバイスのアセンブリがその中に存在する状態を表示する。従って、第一のガイディングトラック部分は、駆動アセンブリ、又はボタン部材がその一部である薬物送達デバイスのその他のいかなる部分にも作用し得る。
【0054】
実施態様において、ボタン部材は第二のガイディングトラックを含み得て、第二のガイディングトラックは、薬物送達デバイスを調整するために、ボタン部材の実質的な回転運動中に駆動アセンブリに作用する。用語「調整する」は、医薬品の所望量の後半の投与のために薬物送達デバイスを調整する薬物送達デバイスに掛けられるいかなる操作も意味する。これは、駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスの機械部品のいかなるバックラッシ及び許容誤差の補正も含む薬物送達デバイスをプライミングすること、栓と駆動アセンブリ間のギャップを閉鎖すること、医薬品を生成するために粉末を流体と混合すること、及び/又は、医薬品のプライミング部分又は空気を放出することを含み得るが、それに限定されない。
【0055】
用語「ガイディングトラック」は、螺旋形状、ラグ、エッジ、凹部、突起、チャンネル、又はその組合せを含み得る。第二のガイディングトラックは、また、保持エレメントを含み得る。用語「保持エレメント」は、ボタン部材が軸方向に動くとき、ボタン部材を可逆的な捻じれ又は回転から阻止する。保持エレメントはラチェットを含み得、ラチェットは駆動アセンブリと操作係合にある。
【発明を実施するための形態】
【0056】
上記で提示した、及びまた、添付の図面と関連して提示した異なった態様及び特徴は、提案した原理の範囲を変えることなく、異なった方法で組み合わせることができる。本明細書で開示した実施態様は、説明した通り、具体的な特徴に対して、典型的なもののみであり、それに限定されない。
【0057】
提案された原理は、添付の図面と一緒により詳細に説明される:
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】薬物送達デバイスのアセンブリの第一の実施態様を図示する。
【図2】第一の実施態様の透視図を示す。
【図3A】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3B】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3C】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3D】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3E】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3F】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3G】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3H】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図3I】異なった段階の操作における薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を図示する。
【図4】提案原理の実施態様に基づくブタン部材の実施態様を図示する。
【図5】駆動アセンブリの幾つかの部品との有効な連結にあるボタン部材を図示する。
【図6】提案原理に基づく第二の実施態様の断面図を示す。
【図7】提案原理に基づく第二の実施態様の透視図を図示する。
【図8A】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図8B】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図8C】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図8D】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図8E】第二の実施態様の異なった操作状態を図示する。
【図9】第三の実施態様を図示する。
【図10】提案原理に基づく第四の実施態様の断面図を示す。
【図11】提案原理に基づく第五の実施態様の断面図を示す。
【図12】第六の実施態様を示す。
【図13】薬物送達デバイスの第七の実施態様を示す。
【図14】第八の実施態様を図示する。
【図14A】第八の実施態様を図示する。
【図15】提案原理に基づく第九の実施態様の断面図を示す。
【図16A】提案原理に基づく第十の実施態様の断面図を示す。
【図16B】提案原理に基づく第十の実施態様の断面図を示す。
【図16C】提案原理に基づく第十の実施態様の断面図を示す。
【図17A】提案原理の実施態様に基づく異なった段階での本体に対するボタンの位置を図示する。
【図17B】提案原理の実施態様に基づく異なった段階での本体に対するボタンの位置を図示する。
【図17C】提案原理の実施態様に基づく異なった段階での本体に対するボタンの位置を図示する。
【0059】
次の実施態様において、幾つかの態様又は特徴は、他の特徴と関連して拡大して引き出すことができる。これらは、説明目的のみであり、実際の割合を反映していない。異なった実施態様の同様の部分は、同じ参照を含み得る。
【0060】
図1は提案原理の数種の態様を図示する薬物送達デバイスのアセンブリの第一の実施態様を示す。
【0061】
アセンブリ1は、薬物送達デバイスの駆動アセンブリが配置されている本体10を含む。アセンブリ1の遠位端11において、カートリッジホルダ7及びカートリッジを含むカートリッジアセンブリ9が取り付けられる。カートリッジアセンブリ9は、本体10のラグ、又は突起が係合する凹部を有するカートリッジホルダを含み、それにより、カートリッジアセンブリ9を本体10に固定する。
【0062】
薬物送達デバイスは、更に、クリップを用いて本体10に剛性的に固定された固定ピボット46を含み、その内、遠位端11に接近しているものが図示されている。逆止めラチェット43が固定ピボット46に取り付けられ、そしてピストンロッドと有効な連結にある。(図2により明確に示されている)。ピストンロッドは、カートリッジアセンブリ9における医薬品の投与を容易にするために遠位端11に向かって軸方向に可動である。
【0063】
この目的のために、薬物送達デバイスのアセンブリ1は、また、可動ピボット42を含み、それは本体10に取り付けられた固定ピボット46と有効な連結にある。可動ピボット42は、医薬品の用量の設定及び投与をおこなうとき、可動ピボット42にガイディングトラックとして作用する一つ又はそれ以上のチャンネル49を含む。固定ピボット46上のラグ460は、チャンネル49を係合し、それにより、固定ピボット46及び本体10に対する可動ピボット42の動きを制限する。
【0064】
更に、アセンブリ1は、少なくとも部分的に本体10内に配置され、そして駆動アセンブリ、特に、可動ピボット42と有効な連結にあるボタン5を含む。ボタン5は、薬物送達デバイスの操作中に医薬品を設定し、投与するために使用される。また、ボタン5は、可動ピボット42及びピストンロッド41を含む駆動アセンブリを調整するために使用される。この点に関して、薬物送達デバイスを調整することは、医薬品の用量を設定し投与するために薬物送達デバイス及び駆動アセンブリを調整するすべての操作を表示し、含む。調整には、例えば、プライミングを含み得る。
【0065】
ボタン5は、上記のいかなる調整操作中に、並びに、医薬品の用量を設定し、投与することを含む準備完了状態の操作中に、ボタンのためのガイディングトラックとして作用するチャンネル51を含む。チャンネル51は、薬物送達デバイスの軸方向に実質的に配置されている第一のチャンネル部分511、及びそれに垂直に配置されている第二の部分512を含む。事前準備状態の操作並びにボタン5を用いた医薬品の用量を設定し、投与する操作は、図3A〜3Iに従ってより詳細に説明されるであろう。
【0066】
図2は、図1の実施態様に基づくアセンブリを通した断面図を示す。ピストンロッド41は、固定ピボット46に堅く取り付けられ逆止めラチェット43を係合する歯状の構造として実現される複数の係合部材を含む。逆止めラチェット43は、薬物送達デバイスの近位端12に向かうピストンロッド41の動きを阻止する。栓8は、ピストンロッド41と医薬品を含むカートリッジの間のカートリッジホルダ7内に配置される。ピストンロッド41を遠位端11に向かって動かすことにより、ピストンロッド41は、医薬品を投与するために栓8に作用する。そのような動きにより投与された用量は、実質的にピストンロッド41の動きで定義される。ピストンロッド41は、順番に、レバー44との連結でピボット42を動かすことにより駆動し、それらの両方は、ピストンロッド41用の駆動部材として作用する。薬物送達デバイスの設定及び投与中に、ボタン5は、用量の設定のために近位方向12に向かって、そして医薬品の個々の用量を投与するために遠位方向に向かって軸方向に動く。用量の設定中、ボタン5は、可動ピボット42の動きが固定ピボット46上のラグ460により限定されない限り、可動ピボット42及びレバー44に作用する。
【0067】
図3A〜3Iは、医薬品の投与のために、並びに、投与すべき用量を設定し、そしてその用量を投与するために薬物送達デバイスを調整するための事前準備及び過渡的操作を図示する。図3Aは、図1及び図2の実施態様に基づく駆動アセンブリの断面図を示す。薬物送達デバイス1は、駆動アセンブリ4が配置される本体10を含む。駆動アセンブリ4は、とりわけ、可動ピボット42、レバー44並びに、ピストンロッド41を含む。可動ピボット42、レバー44は、薬物送達デバイスの過渡状態の間、並びに、医薬品の用量を設定し、そして投与するための調整段階の間、ピストンロッド41に作用し得る。
【0068】
本体10の遠位端において、カートリッジホルダ7及び栓8を含むカートリッジアセンブリ9は、本体10に固定されている。カートリッジアセンブリ9は、医薬品を含むカートリッジを含み得る。初期状態において、この実施態様に基づく薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスの製作の許容誤差及び保存条件において栓に圧力を負荷させたくない要望のために、ピストンロッド41とカートリッジアセンブリ9の栓8の間にギャップを有する。このギャップは、医薬品の第一の用量を投与するとき、不正確性を引き起こすかもしれず、従って、それは第一の用量を送達する前に、閉鎖しなければならない。従って、医薬品の第一の用量を設定し、投与する前に、薬物送達デバイスの駆動アセンブリ4を、適宜、調整することが必要である。
【0069】
可動ピボット42は、レバー44の突起が係合する小さい凹部を含む。レバー44は、可動ピボット42が遠位又は近位方向に動くとき、回転する。また、又は、交互に、固定ピボット46が、また、レバー44を係合するために凹部を含み得る。
【0070】
図3Bは初期の事前準備状態を図示し、ここで、ボタン5は本体10に対して捻じれのみ可能であり、軸方向には可動ではない。図3Bで示す通り、ボタン5の回転中、駆動アセンブリ4は、用量を設定し、投与するために調整されつつある。異なった駆動アセンブリ4の間のバックラッシ及び許容誤差は補正される。更に、栓8とピストンロッド41間のギャップは閉鎖される。
【0071】
図3Cは、薬物送達デバイスの初期状態中のチャンネル51及び固定ピボット46並びに可動ピボット42を含むボタン5の側面図をより詳細に示す。初期状態において、チャンネル51は、ボタン5が薬物送達デバイスの遠位及び近位方向に対して垂直に捻じれ可能であり、そして特に、回転可能であることのみを定義する。ボタン5は、薬物送達デバイスの縦軸に対して垂直に回転できるが、軸方向には動くことはできない。
【0072】
図3Dは、後半の設定及び投与のために薬物送達デバイスを調整することを実施する過渡状態を示す。過渡状態の間、ボタン5は、図3Bで指示する通り回転し、それにより、図示する通り、可動ピボット42及びレバー44へ作用する。ボタン5は、ピボット42を遠位端11に向かって動かすために、可動ピボット42に作用する螺旋形状のトラック52を含む。レバー44は、可動ピボット42の凹部でその突起と係合するので、それは、指示する通り、部分的に回転する。レバー44と可動ピボット42の間のいかなる許容誤差もそのような動きにより補正される。
【0073】
更に、可動ピボット42は、ピストンロッド41と有効な連結にある。それに応じて、ボタン5の回転運動は、遠位端11に向かってピストンロッド41を駆動するために、可動ピボット42及び駆動レバー44に作用し、それにより、栓8とピストンロッド41の間のギャップを閉鎖する。ピストンロッド41の動きに依存して、少量の医薬品が放出され得る。
【0074】
図3Eは、可動ピボット42及び固定ピボット46を含む駆動アセンブリ4に対するボタン5の位置を図示する。この特定の実施態様において、ボタン5に関する幾つかの具体的な機構は、薬物送達デバイスを調整するための純粋な回転運動、及び流体の所望用量を設定し、投与するための純粋な軸方向運動に対して、固定ピボット46に作用し、そして、更に、ボタン5の動きを制限する。ボタン5の回転は、プライミング工程中の純粋な回転運動に、そして、ボタンのガイドチャンネル51内に作用する固定ピボット46の機構461の相互作用による用量の設定及び送達工程の間の純粋な軸方向運動に制限される。ボタンと、調整工程が完結した後ボタンが逆方向に回転することを阻止する可動ピボットの間にラチェットがある。
【0075】
図3Cで示す通り、ラグ461は、ボタン5の軸方向運動を可能とするチャンネル51内の位置に存在しない。
【0076】
図4はボタン5の数個の態様を図示する断面図を示す。ボタン5は、図1及び2で既に図示した通り、第一の部分511及び第二の部分512を有するL形状のチャンネル51を含む。チャンネル51の第一のチャンネル部分511に配置された小さい戻り止め54は、ボタン5が偶発的に回転することを阻止する。チャンネル部分511は、薬物送達デバイスの縦軸に垂直に実質的に配置され、一方チャンネル部分512は、薬物送達デバイスの縦軸に平行である。固定ピボット上のラグ(本明細書に示されていない)は、チャンネル部分511における回転運動、又はチャンネル部分512における軸方向運動に対する、ボタン5の動きを制限するためにチャンネル51と係合する
【0077】
ボタン5は、また、可動ピボット42に操作する螺旋状トラック52を含む。逆止めラチェット53は、調整段階が完結したあと、可動ピボット42のいかなる動きも保持するために螺旋状トラック上に配置される。この目的のために、可動ピボット42は、また、ボタン5の螺旋状トラック52を係合する小さい突起421を含む。
【0078】
医薬品の用量を設定し投与するために薬物送達デバイスの調整中、ボタン5は回転し、そして固定ピボット46のラグ461は、第一のチャンネル部分511に沿って動く。回転のために、螺旋状トラック52は、可動ピボット42上の突起421に作用し、それにより、可動ピボット42を軸方向の遠位方向に駆動させる。操作は、栓8とピストンロッド41間のギャップを閉鎖し、並びに、医薬品のプライミング量を放出する主機構を駆動させる。回転運動中に、螺旋状表面55は、固定ピボット46の後方に戻るスプリングと係合し、そして圧縮する。
【0079】
図5は、薬物送達デバイスを調整することが完結した後のボタン5の端部位置を図示する。固定ピボット46上のバックオフ(back-off)スプリングは圧縮され、そして可動ピボット42上の凹部421は、ボタン5の第一の螺旋状トラック52の端部において、凹部にはめ込む(snap into)。第一の螺旋状トラック52の端部における逆止めラチェット53は、逆方向にボタン5のいかなる回転運動も阻止する。同時に、固定ピボット上のラグ461は、第二のチャンネル部分512に到達し、それによりボタン5の軸方向運動を可能にする。使用者がボタン5を解放するや否や、圧縮されたバックオフスプリングは、若干解放され、それによりボタン5を近位方向にわずかな距離を駆動させる。
【0080】
固定ピボット3F上のバックオフスプリングの操作により、バックオフが発生した後の本体10に対するボタン5の位置は、図3Fに図示される。近位端におけるボタン5と本体10間の小さいギャップは、過渡状態及び準備完了状態の終結部でのバックオフ位置を表示す。バックオフ位置は、薬物送達デバイスが未だ使用されていない間の保持されている位置に対応する。バックオフ位置は駆動アセンブリの機械部品と栓8上のいかなるストレスもその間のバックラッシ又は許容誤差の発生なしで解放するが、それは、過渡状態における調整手順中に補正されていた。
【0081】
従って、図3Fは、準備完了状態を表示し、ここで、薬物送達デバイスは、医薬品の所望用量を設定し、投与するために、完全に、調整される。逆止めラチェット53は、可動ピボット42及びボタン5が剛性的にそして恒久的に取り付けられるように可動ピボット42を保持する。ボタン5は、逆止めラッチェトが可動ピボット42の突起421に閉めた後、回転はできない。使用者が、それにより、軸方向以外のいずれかにボタンを動かすことを阻止される
【0082】
用量を設定するために、ボタン5は、図3Gで示す通り、近位方向に動かす。ボタン5は、可動ピボット42と有効な連結にあるので、ボタン5の動きは、また、薬物送達デバイスの近位端に向かってピボット42を動かす。同時に、レバー44は、その第一の位置に向かって回転する。投与すべき用量を設定した後、ボタン5は、図3Hで示す通り、薬物送達デバイスの遠位端11に向かって押すことが可能である。それ故、可動ピボット42は、遠位端11に向かって駆動され、それにより、ピストンロッド41を遠位方向11に駆動させるためにピストンロッド41に作用している。用量が投与された後、固定ピボット46のバックオフスプリングは、ボタンが投与操作の終了時の解放されるとき、栓8から圧力を除去するために、ボタン5に作用する。
【0083】
固定ピボット上に、並びに、可動ピボット42上に数個のラグを含むボタン5の特定の構造は、事前準備及び過渡状態の間、ボタン5の純粋な回転運動を提供し、一方、調整が完結し、そして薬物送達デバイスが準備完了状態にあるや否や、そのような動きを阻止する。準備完了状態において、ボタン5は、用量を設定し、投与するとき、軸方向のみに動くことができる。
【0084】
図6は、用量を設定し、投与するために薬物送達デバイスを調整するための回転又は螺旋運動、及び用量を設定し、投与するための軸方向運動を提供する薬物送達デバイスの第二の実施態様を示す。これらの異なった許容可能な動きは、薬物送達デバイスの現在の状態を使用者に対して表示す。この実施態様における薬物送達デバイスは、駆動アセンブリ4が配置される本体10を含む。本体10の遠位端において、カートリッジアセンブリ9はカートリッジを含み、カートリッジホルダ7及び栓8は剛性的に取り付けられる。薬物送達デバイスが用量を設定し、投与するために調整する前に、栓8と駆動アセンブリ4のピストンロッド41間に小さいギャップが存在する。このギャップは、薬物送達デバイスにおける製作の許容誤差の結果であり、そして保存中に栓を圧縮させない要望でもある。
【0085】
駆動アセンブリ4は、本体10に剛性的に取り付けた固定ピボット46、可動ピボット42、並びに、レバー44及び逆止めラチェット43を含む。ピストンロッド41は、可動ピボット42と有効な連結にある。更に、ピストンロッド41は、駆動スリーブ49の個々の形状をした表面495と係合するその近位端における螺旋形状の表面を含む。駆動スリーブ49は、閉鎖板によりボタン5と恒久的に連結する(この断面図では示されていないが)。
【0086】
医薬品を設定し、投与するための薬物送達デバイスを調整するために、ボタン5及び駆動スリーブ49は回転する。従って、駆動スリーブ49の螺旋形状の表面495は、ピストンロッド41を遠位方向11へ変位させるために、ピストンロッド41の個々の螺旋形状の表面に作用し、それにより、栓8とピストンロッド41間のギャップを閉鎖する。
【0087】
図7は、図6に基づく実施態様の透視断面図を示す。
【0088】
駆動スリーブ49は、また、ボタン5が使用者に対して動くことができる方向を示す異なったマークを有している。この実施態様において、第一の矢印はボタン5の回転運動を表示し、一方、互いに反対方向を示す二つの矢印490は、医薬品の設定及び投与のための軸方向運動を表示する。薬物送達デバイスの異なった操作中、矢印は本体10における窓開口部を通して視認できる。駆動アセンブリ4は、可動ピボット42のチャンネルと係合する少なくとも一つのラグ460を有する固定ピボット46を含む。チャンネルは二つのウェッブ428及び429の間で形成され、それにより、薬物送達デバイスの設定及び投与の操作中、可動ピボット42の動きを抑える。逆止めラチェット43は、固定ピボット46に取り付けられ、そしてピストンロッド41と有効な連結にある。この目的のために、ピストンロッド41は、逆止めラチェット43を係合する歯状構造を含む。ラチェット43は、近位方向に、ピストンロッド41の変位を阻止する。
【0089】
図8A〜8Dは、医薬品の用量を設定し、投与するために薬物送達デバイスを調整するとき、事前準備状態と過渡状態の間の数個の位置を図示する。
【0090】
図8Aは、事前準備状態における駆動アセンブリを示す。異なった方向を示す矢印490は、駆動アセンブリ4の異なった操作状態中でのボタン5の動きを表示する。矢印490は、印刷、レーザーマーキング、成形、又はその他の手段で記す。もちろん、異なったマーキングも矢印の代わりに使用できる。事前準備状態において、薬物送達デバイスの縦軸に実質的に垂直な方向を指示する単一矢印は、本体10の開口部を通して視認できる(本体10は、利便性の目的のため本明細書に示されていない)。矢印は事前準備状態において使用者に対するボタン5の可能な動きを表示している。事前準備段階において、駆動スリーブ49は可動ピボット42から連結を解除されている。可動ピボット42は、固定ピボット46上のラグ460が可動ピボット42の右上ウェッブ428の接触するに近い位置にある。逆止めラチェット43は、ピストンロッド41の近位方向に動くことを阻止する。
【0091】
用量を設定し、投与するための駆動アセンブリを調整するために、ボタン5は、本体10の開口部における矢印により表示される通り回転する。ボタン5が駆動スリーブ49に剛性的に固定されるので、駆動スリーブ49は同様に回転する。回転中、駆動スリーブ49のその遠位端上にある傾斜したインタフェースは、図8Bで図示する通りに現れる。インタフェースは、可動ピボット42上の傾斜したインタフェース内に適合する。駆動スリーブ49上の傾斜したインタフェースは、外部突起493及び内部凹部421を含み、両方は可動ピボット42の個々の凹部421及び突起422内に適合する。可動ピボット42上のこの構造は、また、可動ピボット42の他端上に存在する。それ故、駆動スリーブ49の傾斜インタフェース機構の更なるセットは、また、駆動スリーブ49がこの点に関して対称的であるように他端上に存在する。
【0092】
傾斜インタフェース構造のより詳細な図は、図8Cで見ることができる。可動ピボット42は、可動ピボット42の凹部421に隣接する若干傾斜面423を含む。突起422は凹部421の隣に配置される。同様の構造は、傾斜面492に隣接して配置された凹部494を含む駆動スリーブ49上に配置される。駆動スリーブ49の外側面上の突起493は、可動ピボット42の凹部421内に適合する。両方の傾斜面423及び492は、駆動スリーブ49がそれぞれ反対側に面する凹部において、突起493及び422を係合するために回転するとき、案内として機能する。
【0093】
デバイスが調整されるとき、ピストンロッドは、初めに、駆動スリーブ49の螺旋形状表面495と、ピストンロッドの最近位端での対応する螺旋表面との相互作用により遠位方向に動く。この動きはピストンロッドを栓に向かって前進させ、そしてピストンロッドをレバーが取り付けられる親板と係合する。次いで、ボタンの回転運動の端部に向かって、駆動スリーブは可動ピボットと係合するために始動する(上記で記述した通り)。傾斜面機構423及び493は、遠位方向で可動ピボットを押し、その結果、レバーを回転させ、そして全ての許容誤差を吸収するために、ピストンロッドを更に少し前進させる(かくしてデバイスをプライミングする)。この二重の操作は、用量ボタンの非常に小さい回転が可能になる第一の実施態様における主要な利点を有する(即ち90°)。
【0094】
突起493及び422が各々の凹部に閉まるや否や、可動ピボットの一部であり得る逆止めラチェット(図示されていないが)は、駆動スリーブに閉まり、それにより、駆動スリーブ49の逆方向に回転を阻止する。
【0095】
図7及び8の実施態様に記載の薬物送達デバイスの事前準備、過渡的、準備完了状態を、更に、表示するために、ボタン5は円形ではなく、楕円形である。もちろん、異なった規則的な形状も同様に使用できる。楕円形は、本体に対してボタン5の芯ずれ又は芯合わせを表示する本体10の表面上の個々の楕円形の構造に対応することができる。そのような芯ずれ(misalignment)は、使用者に、薬物送達デバイスが事前準備状態にあるか、又は過渡状態か、又は準備完了状態かを表示し得る。例えば、図8A、8B、及び8Dに表示された通り、規則的な形状のボタン5は、薬物送達デバイスの調整中に回転する。薬物送達デバイスが図8Dで示す通りの準備完了状態に到達するや否や、ボタン5の楕円形状は、薬物送達デバイスの本体10上の個々の形状をした構造と芯合わせし、薬物送達デバイスの調整段階が到達したことを使用者に表示する。
【0096】
図8Eで示す設定及び投与操作の間、駆動スリーブ49に連結したボタン5は、近位方向及び遠位方向のそれぞれに軸方向に動く。投与されるべき用量の設定のために、ボタン5は近位方向に沿って動き、それにより、また、それぞれの凹部と係合する突起422及び493により、可動ピボット42を連れていく(take along)。固定ピボット46上のラグ460は、それが可動ピボット42のチャンネル49の遠位端で、ウェッブ429に到達するや否や、可動ピボット42の動きを抑える。薬物送達デバイスは用量設定し、投与するために調整する。この位置において、駆動アセンブリ4は変位し、ピストンロッド41を薬物送達デバイスの遠位端に向かって駆動させる調整ができ、ボタン5を遠位方向に押す。再び、逆止めラチェット43は、用量を設定するとき、特に、可動ピボット42及び駆動スリーブ49が近位方向に動くとき、ピストンロッド41の動きを阻止する。
【0097】
駆動スリーブ49上の矢印の位置において薬物送達デバイスの本体10の開口部は、また、使用者にボタン5の各々の可能な動きを表示する。事前準備状態、及び過渡状態の初期において、回転運動を表示する矢印は、本体10の窓で視認できる。過渡状態中のボタン5の回転については、個々の矢印は窓から見えなくなり、そして矢印490の一つが見えるようになる。同時に、ボタン5と本体10の個々の楕円形状部分の間の芯ずれは修正され、そして薬物送達デバイスの準備完了状態が到達するや否や、ボタン5及び本体10の個々の楕円部分は完全に芯合わせされる。
【0098】
ボタン5と本体10間の芯ずれに起因する異なった操作状態を表示する実施態様は、図17A〜図17Cにおいて見ることができる。
【0099】
この実施態様において、本体10は、ボタン5の構造と類似の楕円構造の表面を含む。更に、ボタン5は、本体10に面するその遠位端においてパターンの第一の部分32を含む。本体10は、その近位端においてパターンの第二の部分34を含む。両部分が互いに芯合わせされると、それらはクロスXを形成する。
【0100】
しかし、図17Aで示す通り、ボタン5及び本体10は、事前準備状態では芯ずれしている。同時にパターンのボタン5上の第一の部分32は、本体10上の第二の部分34に対して芯ずれしている。左側に向かって示す矢印は、使用者にボタン5の可能な運動方向を表示する窓101で見られる。この実施態様において、ボタン5は、窓で見られる矢印により表示される方向にのみ回転できる。
【0101】
医薬品の量を設定し、投与するために薬物送達デバイスを調整する手法の間、ボタンは回転し、徐々に、本体10と芯合わせできるようになる。図17Bは、ボタンが回転中の過渡状態を図示する。ボタンが回転すると、ボタン上のパターンの第一の部分32と本体10上の第二の部分34の間の芯ずれは低下していく。本体10とボタン5間の芯ずれは、また、低下していく。同時に、窓100の矢印は消え、そして設定操作を表示する矢印490の一つが、本体10の窓101に現れる。過渡状態の終結部において調整が完結し、そして薬物送達デバイスが、用量を設定し、そして投与するために調整された準備完了状態にある。ボタン5は、図17Cで表示される通り、本体10と完全に芯合わせする。ボタン5及び本体10上の部分32及び34の両方は、また、芯合わせを示すクロスを形成する。矢印490は、ボタン5の唯一の可能性のある動きを表示する。後程、医薬品の用量は、新しい矢印が以前に設定された用量を投与するために、ボタン5の個々の可能な動きを表示した後で、近位方向に向かってボタン5を動かすことにより設定できる。
【0102】
図9は提案された原理の数個の態様を示す更なる実施態様を図示する。この実施態様において、用量を設定し投与するために薬物送達デバイスを調整するための機構がある。駆動アセンブリ4は、薬物送達デバイスの遠位端に向かってカートリッジアセンブリ9内で栓を駆動させるために、駆動スリーブ42a、親ねじ41aを含む。カートリッジアセンブリ9は、薬物送達デバイスの本体10上のカートリッジホルダ7により堅く取り付けられる。
【0103】
薬物送達デバイスは、更に、ボタン5及びボタン仕上げ機(finisher)501を含み、両方は恒久的にそして剛性的に一緒に固定される。ボタン5及びボタン仕上げ機501が製作可能である場合、それらは単一構成部品として実現できる。ボタン5及びボタン仕上げ機501は、遠位方向に向かう親ねじ41aを順番に駆動する駆動スリーブ42aに作用する。
【0104】
親ねじナット46aは、恒久的にそして剛性的に本体10に取り付けられる。駆動スリーブ42aの遠位方向に軸方向運動は、親ねじを、医薬品の用量の設定及び投与をおこなうための薬物送達デバイスを調整するために、遠位端に向かって、親ねじを、また、駆動させる。駆動スリーブの可能な動きは、駆動スリーブと親ねじナット46aの間で相互作用する機構により、限定された軸方向運動に制限される。
【0105】
事前準備及び過渡状態の間で、ボタン5は駆動スリーブ42aに対して回転できる。特に、ボタン5は、ボタン5と本体10間、又はボタン5と親ねじナット46aの間で相互作用する機構により、回転を限定される。ボタン5は、医薬品の量の設定及び投与のために軸方向運動のみが可能となった後、調整手順が完結するまで回転を限定される。先に述べた通り、薬物送達デバイスを調整することは、流体のプライミング量を放出するが、それに限定されないプライミング工程を含み得る。調整手順は、更に、親ねじ41a及びカートリッジホルダ7内の栓の間のギャップを閉鎖することを含む異なった機械部品間のバックラッシ及び許容誤差の補正を含み得る。それは、また、第一の医薬品と第二の医薬品、例えば、粉末と流体を混合する段階を含み得る。
【0106】
駆動スリーブ42aは、ボタン5上の個々の螺旋形状の表面551と係合する螺旋的に配置された突起424aを含む。調整工程中、ボタン5が駆動スリーブに対して回転するので、ボタン5上の螺旋状の表面が駆動スリーブ42aに、特に、突起424aに作用して、駆動スリーブ42aを軸方向の遠位方向11に駆動する。駆動スリーブ42aは、親ねじ41aに作用して、親ねじを回転させ、そしてその結果、親ねじ41aと親ねじナット46a間のネジ山付き連結を用いて、同様に遠位方向に前進させる。親ねじ41aの動きは、親ねじとカートリッジホルダ内の栓の間のいかなるギャップも閉鎖し、そしてまた、プライミング用流体の量を放出できる。
【0107】
ボタン5及びボタン仕上げ機501の回転の終結部において、ボタン5及び駆動スリーブ42aは、構成成分が互いに剛性的に、恒久的に取り付けられるように一緒に閉まる(snap)。この時点で、ボタン5及びボタン仕上げ機501の遠位及び近位方向に軸方向運動のみが、医薬品の用量を設定し、投与するために可能である。
【0108】
用量を設定し、投与するために、薬物送達デバイス、又は薬物送達デバイス内の駆動アセンブリを調整をするために、ボタン5を回転し、又は捻じる原理を図示する更なる実施態様は、図10〜16に示される。
【0109】
図10に基づく実施態様は、螺旋形状の突起503を有するボタン5を含む。突起503は、駆動部材41bに、この場合、親ねじに作用し、それにより、遠位端に向かって親ねじを駆動させる。捻じれ作動の終結部で、ボタン5は駆動スリーブ42bに作用し、ここで、駆動スリーブ42bとボタン5間、駆動スリーブ42bと親ねじ41b間のいかなる許容誤差も補正される。更に、駆動スリーブ42b及びボタン5は、一緒に閉まり、そして、今、互いに、恒久的に、剛性的に取り付けられる。駆動スリーブ42aは、くさび形のネジ山形体を含み、それは、親ねじ41bを用量の投与中に遠位端に向かって駆動させるために、親ねじ41bを係合する。
【0110】
図11は薬物送達デバイスの駆動アセンブリの別の実施態様を図示する。この実施態様における薬物送達デバイスは、ボタン5と本体10間に配置された回転可能カラー505を含む。カラー505は、内側に面し、そして親ねじ41bの近位端上の開放式スロットを係合する突起506を含む。親ねじ41bの近位端上の開放式スロットは、カラー505の回転中、親ねじ41bは、突起506が親ねじとの係合から外れるまで、遠位端に向かって駆動するように螺旋形状である。この位置に到達したとき、突起506は、これ以上スロットと係合はしないであろう。小さい保持エレメントは、カラー505が逆方向に回転する場合、突起506は親ねじにおいてスロットと再係合しないように、親ねじ41bにおいてスロットを閉鎖する近位端に配置される。
【0111】
親ねじ41bの前進中に、カートリッジ内の親ねじ41bと栓の間のいかなるバックラッシ又は許容誤差も補正される。更に、親ねじの前進は、少量のプライミング流体が放出されるように選択できる。
【0112】
若干異なる実施態様が、図12で図示され、ここで、ボタン5b、は数個のスプライン508を用いて親ねじ41cと連結する。スプライン508は、ボタン5bの内部側壁上に配置され、そして親ねじ41cにおいて、個々のガイディングトラックと係合する。ボタン5bが回転するとき、親ねじ41cは、また、回転し、そして親ねじとハウジング間のネジ山付き係合の故に、遠位方向に前進する。前進中、薬物送達デバイスの駆動アセンブリは、医薬品の個々の用量を設定し、投与するために調整される。親ねじ41cの前進の終結部で、ボタン5のスプライン508は、親ねじ41cが軸方向に可動するボタン5bにより遠位端に向かって駆動し、駆動スリーブ42bに操作可能に連結できるように親ねじ41c上の個々のガイディングトラックから係合を解除する。再び、保持エレメントは、親ねじ41cの近位端において配置できる
【0113】
図13は更なる実施態様を示す。この実施態様において、ボタン5dは、幾つかのネジ山を有する内部円筒形表面を含み、それは駆動スリーブ42bのそれと類似である。ボタンを回転することにより、親ねじ41bは駆動され、そして、また、親ねじの近位端で螺旋表面を係合するボタン5dの内部側壁上にあるネジ山550により回転する。ボタンの回転の終結部で、ボタンのネジ山は、駆動スリーブ42bの内部表面上のネジ山と芯合わせし、そして両構成部品は一緒に閉じられる。ボタン5bの回転は、親ねじ41bを、親ねじとハウジング間のネジ山付き係合により遠位端に向かって駆動させる。親ねじ41bの変位は、ボタン5dの回転が止まるや否や、停止する。
【0114】
更なる実施態様の外観図は、図14に図示される。カラー424は、ボタン5dの遠位端に配置される。外側に配置されたカラー424は、次の工程で実施すべき操作を表示する外面上の追加のマークも含む。例えば、カラー又はボタン上の表示は、ボタン上のマークが個々の本体上のマークと一直線状になるまで、使用者にカラーを回転させるよう指示する本体に対して幾つかの芯ずれを含む。
【0115】
この実施態様において、通常は剛性的に、そして恒久的に本体に取り付けられる親ねじナットは、事前準備及び過渡状態中では、可動である。親ねじナットに操作上、連結されるボタン又はカラーを回転することにより、親ねじナットは回転し、それにより、親ねじと親ねじナット間のネジ山付き連結を用いて、親ねじを遠位端に向かって移動させる。従って、駆動アセンブリは、医薬品の用量を設定し、投与するために調整される。調整手順の終結部で、過渡状態の終結と対応して、親ねじナットは、恒久的にそして非可逆的に、本体に取り付ける。同時に、ボタンは、第一の用量が近位方向にボタンを軸方向に動かせることにより設定できるようにするために解放される。ボタンを遠位方向に押すことにより、ボタンは駆動アセンブリに作用して、医薬品の以前に設定した用量を投与する。
【0116】
図14Aで図示する若干異なる実施態様において、カラー424が親ねじ41bと、カラー424を回転することにより係合し、そして有効な連結にあり、親ねじ41bは、同様に回転し、そして同時に、栓8に向かって移動する。プライミングが完了した後、カラー424は親ねじ41bから係合を解除される。今、軸方向にボタン5dを変位させることにより、ボタン5dは親ねじに作用して用量を設定し、投与する。
【0117】
図15で示す更なる異なった実施態様において、駆動アセンブリは本体10内に配置される。本体10は、遠位端に向かって若干傾斜した、又は螺旋状のチャンネル10aを有する。あるいは、チャンネル10aの代わりに、ガイディングトラックを、また、形成する本体10の内部側面上にある凹部を使用できる。駆動アセンブリ4上に、例えば、親ねじナット上に、又は固定ピボット上に配置される突起は、チャンネル又は凹部10aと係合する。ボタン5を回転することにより、本体10内の全駆動アセンブリは、ガイディングトラック又はチャンネル10aに沿って回転する。ガイディングトラック若しくはチャンネルの傾斜した又は螺旋状の構造により、遠位端に向かってわずかに面することにより、駆動機構は前進し、そして、駆動アセンブリの大半の前方部分とカートリッジ内の栓の間のギャップは閉鎖される。機械部品間の、特に、栓と駆動アセンブリ間のいかなる許容誤差も補正される。更に、回転は、また、少量のプライミング流体を放出し、又はカートリッジ内の二つの異なった物質の混合工程を起動することができ得る。
【0118】
尚、別の実施態様において、図16Aに図示する通り、ボタン5及び駆動スリーブ42bは、恒久的に、そして、剛性的に、駆動スリーブ42bの近位端420bにおいて一緒に固定される。親ねじ41bは、図16Aで図示する通り、駆動スリーブ42bの内面上のネジ山と係合する。
【0119】
駆動スリーブ42bは、また、突起425b、例えば、親ねじナット46b内に配置されるチャンネルインタフェースで係合するラグを含む。再び、チャンネルインタフェースは、第一の部分及び第二の部分を含み、ここで、第一の部分は、薬物送達デバイスの縦軸に実質的に垂直であり、一方、第二の部分は縦軸に対して実質的に平行である。ボタン5を回転することにより、ボタン5に取り付けられた全駆動スリーブは、図で表示する通り、回転する。突起425bは、駆動スリーブの回転中、第一の部分の上端から下端へ動く。突起425bが下端に到達するとき、駆動スリーブ42b上の突起426bは、親ねじナット上の保持エレメント462b内に閉まる。これは、逆方向の回転を阻止する。そのポイントから、ボタン5bは軸方向にのみ動くことができる。それ故、薬物送達デバイスの駆動アセンブリは、今、準備完了状態にある。駆動スリーブの回転は(調整中)、親ねじを、親ねじと駆動スリーブ間、そして、また、親ねじと親ねじナット間のネジ山付き連結を用いて遠位方向に前進させる。
【0120】
若干異なった実施態様は、図16Bで図示され、ここで、親ねじナット内のチャンネルは更に第一と第二の部分の間に配置され、そして第一の部分に対して若干傾斜した第三の部分を含む。ボタン5が回転するので、突起425bは、第一の部分に沿って動き、そして第二の部分は、駆動スリーブ42bを若干遠位端に向かって前進させる。
【0121】
また、ボタン5は、ボタン5の回転が終了した後、本体10において個々の凹部を係合する小さい突起555を含む。突起555と個々の凹部の間の係合は、駆動スリーブの小さくて、望ましくない回転を阻止し得る。
【0122】
図16Cはこの実施態様をより詳細に図示する。ボタン5及び駆動スリーブ42bは、駆動スリーブ42bの近位端420bにおいて恒久的に、一緒に取り付けられる。親ねじ41bは、図示する通り、駆動スリーブ42bの内面上のネジ山と係合する。突起425bは、一方において、親ねじ41を係合し、そして他方で、親ねじナット46と、又は本体10においてすら、個々のチャンネルインタフェースと係合する。突起425bは、その位置が使用者にとって視認できるかどうかの表示器として作用することができる。例えば、本体10はそのような領域では透明になり得る。ボタン5を回転することにより、駆動スリーブ42bは、デバイスの遠位端に向かって親ねじを駆動させる親ねじ41bに作用する。同時に、突起425bは、チャンネルインタフェースに沿って摺動し、そしてそれにより、純粋な回転、及びその後の純粋な軸方向運動に対するボタンの動きを拒絶する。
【0123】
本明細書で示した異なった実施態様の数種の態様及び特徴は、提案された原理の範囲を変更することなく更なる方法で組合せることができる。いかなる場合においても、駆動アセンブリは、薬物送達デバイスの調整が二つの異なったボタン運動を用いて完了する前に、使用者に望ましくない設定及び投与操作を阻止する。その目的のために、ボタン、カラー、又は類似の対象物は、事前準備状態及び過渡状態にある駆動アセンブリに、後続の設定及び投与操作のための駆動アセンブリを調整するために作用する。駆動アセンブリの事前準備状態中のボタンの動きは、設定及び投与操作中の、後続のボタンの動きとは異なる。
【0124】
特に、薬剤アセンブリの過渡状態中のボタンの動きは、純粋な回転運動、螺旋運動、又は回転運動との組合せた小さい軸方向運動、並びに、その組合せを含み得る。一方、薬物送達デバイスの準備完了状態中のボタンの動きは、軸方向運動のみを含み得る。また、外部から視認できるマークで表示することができるこれら二つの動きにより、使用者は薬物送達デバイスのアセンブリが事前準備状態にあるか、又は準備完了状態にあるかを識別することが可能である。
【0125】
参照数字:
1:アセンブリ;
4:駆動アセンブリ;
5:ボタン、ボタン部材;
5b:ボタン;
5d:ボタン;
9:カートリッジアセンブリ、流体リザーバ;
8:栓;
7:カートリッジホルダ;
10:本体;
10a:チャンネル、ガイディング凹部トラック;
11:遠位端、遠位方向;
12:近位端、近位方向;
32、34:型式の部分;
41:ピストンロッド;
41a、41b:親ねじ;
41c:親ねじ;
42;可動ピボット;
42a、42b:駆動スリーブ;
43: 逆止めラチェット;
44:レバー;
46:固定ピボット;
46a:親ねじナット;
46b:親ねじナット;
47:親板;
49:駆動スリーブ;
51:チャンネル;
52:螺旋ガイディングトラック、チャンネル
53:クリップ、逆止めラチェット;
54:戻り止め;
55:螺旋ガイディングトラック;
100:窓;
101:窓;
420b:近位端;
421、494:凹部;
422、493:突起;
423、492:傾斜面;
424a:螺旋状に配置された突起;
425b:突起;
426b:突起;
428、429:端部境界エレメント;
460: 突起;
461:ラグ、突起;
422:保持エレメント;
462b:保持エレメント;
490:マーカー、矢印;
495:螺旋状表面;
500:本体仕上げ機;
501:ボタン仕上げ機;
503:螺旋状突起;
508:スプライン;
505:カラー;
506:突起、ラグ;
507:マーカー:
511:チャンネルの第一の部分;
512:チャンネルの第二の部分;
550:ネジ山;
551:螺旋形状表面;
555:突起;
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスの駆動アセンブリ(4)を操作するためのボタン部材(5)であって:
−使用者によりアクセス可能な第一の部分;
−駆動アセンブリ(4)と有効な連結にある第二の部分;
を、含んでなり;
−該第二の部分は、第一の方向への第一のトラック部分(511)及び第二の方向への第二のトラック部分(512)を有する第一のガイディングトラック(51)を、含んでなり:
ここで、第一のトラック部分(511)は、ボタン部材(5)の動きを実質的な回転運動に制限するように適合され、第二のトラック部分(512)は、ボタン部材(5)の動きを軸方向運動に制限するように適合される、上記ボタン部材。
【請求項2】
第一の方向は、第二の方向と実質的に垂直である、請求項1に記載のボタン部材(5)。
【請求項3】
ボタン部材(5)は、ボタン部材の軸方向運動中、駆動アセンブリ(4)に対して変位する、請求項1又は2に記載のボタン部材(5)。
【請求項4】
ボタン部材の軸方向運動は、可逆的である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項5】
第一のガイディングトラック(51)は、ラグ、エッジ、凹部、又はチャンネルを含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項6】
第二のガイディングトラック(52)を更に含んでなり、該第二のガイディングトラック(52)は、医薬品の設定及び投与に備えて薬物送達デバイスを準備するために、ボタン部材(5)の実質的な回転運動中に、駆動部材(4)に作用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項7】
第二のガイディングトラック(52)は、ラグ、エッジ、凹部又はチャンネルを含んでなる、請求項6に記載のボタン部材(5)。
【請求項8】
第二のガイディングトラック(52)は、螺旋形状を含んでなる、請求項6又は7に記載のボタン部材(5)。
【請求項9】
第二のガイディングトラック(52)は、保持エレメント(53)を含んでなり、該エレメント(53)は、ボタン部材(5)が軸方向に可動であるとき、ボタン部材(5)が可逆的に捻じれ、又は回転することを阻止するように適合される、請求項6〜8のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項10】
保持エレメント(53)は、ラチェットを含んでなり、該ラチェットは、駆動アセンブリ(4)と操作係合にある、請求項9に記載のボタン部材(5)。
【請求項11】
第一のトラック部分は、ボタン部材(5)を解放可能に保持するための戻り止めを含んでなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項1】
薬物送達デバイスの駆動アセンブリ(4)を操作するためのボタン部材(5)であって:
−使用者によりアクセス可能な第一の部分;
−駆動アセンブリ(4)と有効な連結にある第二の部分;
を、含んでなり;
−該第二の部分は、第一の方向への第一のトラック部分(511)及び第二の方向への第二のトラック部分(512)を有する第一のガイディングトラック(51)を、含んでなり:
ここで、第一のトラック部分(511)は、ボタン部材(5)の動きを実質的な回転運動に制限するように適合され、第二のトラック部分(512)は、ボタン部材(5)の動きを軸方向運動に制限するように適合される、上記ボタン部材。
【請求項2】
第一の方向は、第二の方向と実質的に垂直である、請求項1に記載のボタン部材(5)。
【請求項3】
ボタン部材(5)は、ボタン部材の軸方向運動中、駆動アセンブリ(4)に対して変位する、請求項1又は2に記載のボタン部材(5)。
【請求項4】
ボタン部材の軸方向運動は、可逆的である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項5】
第一のガイディングトラック(51)は、ラグ、エッジ、凹部、又はチャンネルを含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項6】
第二のガイディングトラック(52)を更に含んでなり、該第二のガイディングトラック(52)は、医薬品の設定及び投与に備えて薬物送達デバイスを準備するために、ボタン部材(5)の実質的な回転運動中に、駆動部材(4)に作用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項7】
第二のガイディングトラック(52)は、ラグ、エッジ、凹部又はチャンネルを含んでなる、請求項6に記載のボタン部材(5)。
【請求項8】
第二のガイディングトラック(52)は、螺旋形状を含んでなる、請求項6又は7に記載のボタン部材(5)。
【請求項9】
第二のガイディングトラック(52)は、保持エレメント(53)を含んでなり、該エレメント(53)は、ボタン部材(5)が軸方向に可動であるとき、ボタン部材(5)が可逆的に捻じれ、又は回転することを阻止するように適合される、請求項6〜8のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【請求項10】
保持エレメント(53)は、ラチェットを含んでなり、該ラチェットは、駆動アセンブリ(4)と操作係合にある、請求項9に記載のボタン部材(5)。
【請求項11】
第一のトラック部分は、ボタン部材(5)を解放可能に保持するための戻り止めを含んでなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のボタン部材(5)。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【公表番号】特表2013−506450(P2013−506450A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531379(P2012−531379)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064402
【国際公開番号】WO2011/039211
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064402
【国際公開番号】WO2011/039211
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】
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