説明

駆動回路

【課題】半導体素子を駆動する駆動回路について、大型化と、消費電力の増加と、を抑制しつつ、リーク電流による半導体素子の誤動作を防止できる駆動回路を提供すること。
【解決手段】駆動回路1は、スイッチSWの切り替えに応じて、発光ダイオードLED11〜LED13、LED21〜LED23、LED31〜LED33、およびLED41〜LED43を点灯させたり消灯させたりする。この駆動回路1は、スイッチ素子Q1をオン状態にしている期間にのみ、スイッチSWの接点J1と接点J2とが接続されているか否かを判別し、発光ダイオードLED11〜LED13および発光ダイオードLED21〜LED23の状態を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオードといった半導体素子を駆動する駆動回路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、スイッチの切り替えに応じて点灯したり消灯したりする発光ダイオードに、抵抗を並列接続する手法が示されている。この手法によれば、スイッチが被水して、スイッチの接点間にリーク電流が流れてしまった場合に、このリーク電流を抵抗に流して、発光ダイオードに流れてしまうリーク電流を小さくすることができる。このため、スイッチの接点間にリーク電流が流れてしまっても、このリーク電流により発光ダイオードが点灯してしまうのを防止することができ、発光ダイオードの誤動作を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−63305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に示されている手法では、発光ダイオードに並列接続される抵抗に、電流が常に流れる。このため、抵抗での消費電力が増加してしまい、駆動回路の消費電力も増加してしまう。また、抵抗には、抵抗値の大きい抵抗を用いる必要が出てくるが、抵抗値が大きくなるに従って、抵抗が大型化してしまうために駆動回路も大型化してしまうとともに、抵抗での消費電力がさらに増加してしまうために駆動回路の消費電力もさらに増加してしまう。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明は、半導体素子を駆動する駆動回路について、大型化と、消費電力の増加と、を抑制しつつ、リーク電流による半導体素子の誤動作を防止できる駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1) 本発明は、スイッチ(例えば、図1のスイッチSWに相当)の切り替えに応じて半導体素子(例えば、図1の発光ダイオードLED11〜LED13、LED21〜LED23、LED31〜LED33、およびLED41〜LED43に相当)を駆動する駆動回路(例えば、図1の駆動回路1に相当)であって、前記スイッチの接点(例えば、図1の接点J2、J3に相当)の電圧を検出することで当該スイッチの切り替えを検出し、検出結果に応じて前記半導体素子に駆動信号を供給する制御手段(例えば、図1の制御部10と、スイッチ検出部21、22と、出力部31〜34と、に相当)と、抵抗(例えば、図1の抵抗R1、R2に相当)と、当該抵抗に直列接続されたスイッチ素子(例えば、図1のスイッチ素子Q1、Q2に相当)と、を有するリーク電流対策手段と、を備え、前記制御手段は、前記スイッチ素子を制御して、前記スイッチ素子をオン状態にしている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記スイッチの切り替えを検出し、前記スイッチ素子がオン状態であれば、前記スイッチの接点を流れる電流のうち予め定められた電流を前記抵抗で消費することを特徴とする駆動回路を提案している。
【0008】
この発明によれば、スイッチの切り替えに応じて半導体素子を駆動する駆動回路に、制御手段およびリーク電流対策手段を設けた。リーク電流対策手段には、抵抗と、この抵抗に直列接続されたスイッチ素子と、を設けた。そして、制御手段により、スイッチの接点の電圧を検出することでスイッチの切り替えを検出し、検出結果に応じて半導体素子に駆動信号を供給することとした。また、制御手段により、スイッチ素子を制御して、スイッチ素子をオン状態にしている期間のうち少なくとも一部の期間において、スイッチの切り替えを検出することとした。また、スイッチ素子がオン状態であれば、スイッチの接点を流れる電流のうち予め定められた電流を抵抗で消費することとした。
【0009】
このため、スイッチの切り替えを検出する期間では、スイッチの接点を流れる電流のうち予め定められた電流が、抵抗で消費される。したがって、スイッチの接点間に流れてしまうリーク電流を予め想定し、上述の予め定められた電流を、想定したリーク電流以上にすることで、スイッチの接点間にリーク電流が流れてしまっても、このリーク電流を抵抗で消費することができる。これによれば、スイッチの接点間にリーク電流が流れてしまっても、スイッチの接点の電圧が変動してしまうのを抑制できる。よって、リーク電流によるスイッチの切り替えの誤検出を防止できるので、リーク電流による半導体素子の誤動作を防止できる。
【0010】
また、抵抗に電流が流れるのは、スイッチ素子をオン状態にしている期間である。このため、リーク電流による半導体素子の誤動作を防止するための抵抗に電流が流れる期間を短縮することができるので、この抵抗での消費電力の増加を抑制できる。したがって、駆動回路の消費電力の増加を抑制できる。
【0011】
また、上述のようにリーク電流による半導体素子の誤動作を防止するための抵抗に電流が流れる期間を短縮することができるので、この抵抗に、抵抗値の大きい抵抗を用いる必要がない。このため、抵抗の大型化を防止して駆動回路の大型化を防止できるとともに、抵抗での消費電力の増加をさらに抑制して駆動回路の消費電力の増加をさらに抑制できる。
【0012】
(2) 本発明は、(1)の駆動回路について、前記抵抗で消費される予め定められた電流は、前記スイッチの接点間を流れるリーク電流以上であることを特徴とする駆動回路を提案している。
【0013】
この発明によれば、(1)の駆動回路において、抵抗で消費される予め定められた電流を、スイッチの接点間を流れるリーク電流以上にした。このため、スイッチの接点間にリーク電流が流れてしまっても、このリーク電流を抵抗で消費することができる。したがって、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0014】
(3) 本発明は、スイッチ(例えば、図2のスイッチSWに相当)の切り替えに応じて半導体素子(例えば、図2の発光ダイオードLED11〜LED13、LED21〜LED23、LED31〜LED33、およびLED41〜LED43に相当)を駆動する駆動回路(例えば、図2の駆動回路1Aに相当)であって、前記スイッチの接点(例えば、図2の接点J2、J3に相当)の電圧を検出することで当該スイッチの切り替えを検出し、検出結果に応じて前記半導体素子に駆動信号を供給する制御手段(例えば、図2の制御部10と、スイッチ検出部21A、22Aと、出力部31〜34と、に相当)と、抵抗(例えば、図2の抵抗R3、R4に相当)と、当該抵抗に直列接続されたスイッチ素子(例えば、図2のスイッチ素子Q3、Q4に相当)と、を有するリーク電流対策手段と、を備え、前記制御手段は、前記スイッチ素子を制御して、前記スイッチ素子をオン状態にしている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記スイッチの切り替えを検出し、前記スイッチ素子がオン状態であれば、前記抵抗を介して前記スイッチの接点に予め定められた電圧を印加することを特徴とする駆動回路を提案している。
【0015】
この発明によれば、スイッチの切り替えに応じて半導体素子を駆動する駆動回路に、制御手段およびリーク電流対策手段を設けた。リーク電流対策手段には、抵抗と、この抵抗に直列接続されたスイッチ素子と、を設けた。そして、制御手段により、スイッチの接点の電圧を検出することでスイッチの切り替えを検出し、検出結果に応じて半導体素子に駆動信号を供給することとした。また、制御手段により、スイッチ素子を制御して、スイッチ素子をオン状態にしている期間のうち少なくとも一部の期間において、スイッチの切り替えを検出することとした。また、スイッチ素子がオン状態であれば、抵抗を介してスイッチの接点に予め定められた電圧を印加することとした。
【0016】
このため、スイッチの切り替えを検出する期間では、スイッチの接点に電圧が印加されることとなる。したがって、スイッチの接点間に流れてしまうリーク電流を予め想定し、このリーク電流によるスイッチの接点の電圧変動を予め想定した上で、スイッチの接点の電圧を制御手段で検出することで、リーク電流によるスイッチの切り替えの誤検出を防止できるので、リーク電流による半導体素子の誤動作を防止できる。
【0017】
また、抵抗に電流が流れるのは、スイッチ素子をオン状態にしている期間である。このため、抵抗に電流が流れる期間を短縮することができるので、抵抗での消費電力の増加を抑制できる。したがって、駆動回路の消費電力の増加を抑制できる。
【0018】
また、上述のように抵抗に電流が流れる期間を短縮することができるので、この抵抗に、抵抗値の大きい抵抗を用いる必要がない。このため、抵抗の大型化を防止して駆動回路の大型化を防止できるとともに、抵抗での消費電力の増加をさらに抑制して駆動回路の消費電力の増加をさらに抑制できる。
【0019】
(4) 本発明は、(3)の駆動回路について、前記スイッチ素子がオン状態である期間に前記スイッチの接点に印加される電圧は、前記スイッチの接点間にリーク電流が流れることによる前記スイッチの接点の降下電圧より高いことを特徴とする駆動回路を提案している。
【0020】
この発明によれば、(3)の駆動回路において、スイッチ素子がオン状態である期間にスイッチの接点に印加される電圧は、スイッチの接点間にリーク電流が流れることによるスイッチの接点の降下電圧より高いものとした。このため、スイッチの接点間にリーク電流が流れている場合には、スイッチの接点の電圧が基準電位点の電圧より高くなる。一方、スイッチの切り替えによりスイッチがオフ状態である場合には、スイッチの接点の電圧が基準電位点の電圧に等しくなる。したがって、スイッチの切り替えによるスイッチのオフ状態を的確に検出することができ、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、半導体素子を駆動する駆動回路について、大型化と、消費電力の増加と、を抑制しつつ、リーク電流による半導体素子の誤動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る駆動回路の回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る駆動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0024】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る駆動回路1の回路図である。駆動回路1は、スイッチSWの切り替えに応じて、発光ダイオードLED11〜LED13、LED21〜LED23、LED31〜LED33、およびLED41〜LED43を点灯させたり消灯させたりする。
【0025】
[駆動回路1の構成]
駆動回路1は、制御部10と、スイッチ検出部21、22と、出力部31〜34と、電源回路40と、抵抗R1、R2と、NPN型トランジスタで構成されるスイッチ素子Q1、Q2と、を備える。
【0026】
スイッチSWは、接点J1〜J3の3つの接点を有しており、切り替えにより、接点J1と接点J2とを接続したり、接点J1と接点J3とを接続したり、接点J1を接点J2と接点J3とのどちらにも接続させなかったりすることができる。スイッチSWの切り替えは、例えば操縦者により行われる。
【0027】
スイッチSWの接点J1には、2次電池BTの正極が接続される。2次電池BTの正極には、電源回路40を介して制御部10も接続される。2次電池BTの負極には、基準電位点が接続される。
【0028】
スイッチSWの接点J2には、スイッチ検出部21が接続されるとともに、抵抗R1の一端が接続される。抵抗R1の他端には、スイッチ素子Q1のコレクタが接続され、スイッチ素子Q1のエミッタには、基準電位点が接続される。スイッチ素子Q1のベースと、スイッチ検出部21とには、制御部10が接続される。
【0029】
スイッチSWの接点J3には、スイッチ検出部22が接続されるとともに、抵抗R2の一端が接続される。抵抗R2の他端には、スイッチ素子Q2のコレクタが接続され、スイッチ素子Q2のエミッタには、基準電位点が接続される。スイッチ素子Q2のベースと、スイッチ検出部22とには、制御部10が接続される。
【0030】
制御部10には、出力部31を介して、直列接続された発光ダイオードLED11〜LED13が接続されるとともに、出力部32を介して、直列接続された発光ダイオードLED21〜LED23が接続される。また、制御部10には、出力部33を介して、直列接続された発光ダイオードLED31〜LED33が接続されるとともに、出力部34を介して、直列接続された発光ダイオードLED41〜LED43が接続される。
【0031】
[駆動回路1の動作]
以上の構成を備える駆動回路1は、スイッチ検出部21、22により、スイッチSWの切り替えを検出する。
【0032】
具体的には、スイッチSWの接点J1と接点J2とが接続されている場合には、2次電池BTの正極と接点J2とが導通する。スイッチ検出部21は、接点J2の電圧を検出し、接点J2の電圧が予め定められた第1の閾値電圧以上であれば、スイッチ検出部21は、第1のオン状態検出信号を制御部10に送信する。ここで、第1の閾値電圧は、2次電池BTの充電電圧より低く設定されるものとする。
【0033】
また、スイッチSWの接点J1と接点J3とが接続されている場合には、2次電池BTの正極と接点J3とが導通する。スイッチ検出部22は、接点J3の電圧を検出し、接点J3の電圧が予め定められた第2の閾値電圧以上であれば、スイッチ検出部22は、第2のオン状態検出信号を制御部10に送信する。ここで、第2の閾値電圧は、2次電池BTの充電電圧より低く設定されるものとする。
【0034】
制御部10は、スイッチ素子Q1、Q2をスイッチングさせる。また、制御部10は、スイッチ素子Q1がオン状態である期間のうち少なくとも一部の期間において、第1のオン状態検出信号の受信の有無を判別し、スイッチ素子Q2がオン状態である期間のうち少なくとも一部の期間において、第2のオン状態検出信号の受信の有無を判別する。
【0035】
スイッチ素子Q1がオン状態である期間において、第1のオン状態検出信号を受信していると判別した場合には、制御部10は、出力部31、32に対する発光命令信号の送信を開始する。そして、スイッチ素子Q1がオン状態で、かつ、出力部31、32に対して発光命令信号を送信中である期間において、第1のオン状態検出信号を受信していないと判別した場合には、制御部10は、出力部31、32に対する発光命令信号の送信を終了する。出力部31は、発光命令信号を受信している期間に、発光ダイオードLED11〜LED13に電流を供給して、これら発光ダイオードLED11〜LED13を発光させる。出力部32は、発光命令信号を受信している期間に、発光ダイオードLED21〜LED23に電流を供給して、これら発光ダイオードLED21〜LED23を発光させる。
【0036】
以上によれば、制御部10は、スイッチ素子Q1をオン状態にしている期間にのみ、スイッチSWの接点J1と接点J2とが導通しているか否かを判別し、発光ダイオードLED11〜LED13および発光ダイオードLED21〜LED23の状態を切り替えることとなる。
【0037】
また、スイッチ素子Q2がオン状態である期間において、第2のオン状態検出信号を受信していると判別した場合には、制御部10は、出力部33、34に対する発光命令信号の送信を開始する。そして、スイッチ素子Q2がオン状態で、かつ、出力部33、34に対して発光命令信号を送信中である期間において、第2のオン状態検出信号を受信していないと判別した場合には、制御部10は、出力部33、34に対する発光命令信号の送信を終了する。出力部33は、発光命令信号を受信している期間に、発光ダイオードLED31〜LED33に電流を供給して、これら発光ダイオードLED31〜LED33を発光させる。出力部34は、発光命令信号を受信している期間に、発光ダイオードLED41〜LED43に電流を供給して、これら発光ダイオードLED41〜LED43を発光させる。
【0038】
以上によれば、制御部10は、スイッチ素子Q2をオン状態にしている期間にのみ、スイッチSWの接点J1と接点J3とが導通しているか否かを判別し、発光ダイオードLED31〜LED33および発光ダイオードLED41〜LED43の状態を切り替えることとなる。
【0039】
なお、スイッチ素子Q1がオン状態である期間では、抵抗R1およびオン状態のスイッチ素子Q1を介して、スイッチSWの接点J2と基準電位点とが導通する。このため、スイッチSWの接点J1と接点J2とが接続されていないにもかかわらず接点J2に電流が流れている場合、すなわち接点J1と接点J2との間にリーク電流が流れている場合には、このリーク電流以上の電流が抵抗R1を流れる。ここで、抵抗R1の抵抗値は、接点J1と接点J2との間にリーク電流が流れてしまった場合に、このリーク電流を抵抗R1で消費できるように設定される。抵抗R1の抵抗値の設定方法について、以下に説明する。
【0040】
例えば、接点J1と接点J2との間に流れることが想定されるリーク電流が100mAであり、スイッチ検出部21で用いる上述の第1の閾値電圧が5Vである場合について検討する。この場合、接点J1と接点J2との間にリーク電流が流れている状態において、接点J2の電圧が5V未満となる必要がある。このため、抵抗R1の抵抗値を、以下の式(1)に示すように、50Ω以下に設定する必要がある。
【0041】
【数1】

【0042】
抵抗R2の抵抗値についても、上述の抵抗R1の抵抗値と同様に、接点J1と接点J3との間にリーク電流が流れてしまった場合、このリーク電流を抵抗R2で消費できるように設定される。
【0043】
また、制御部10によるスイッチ素子Q1のスイッチング周期およびオンデューティの設定方法について、以下に説明する。
【0044】
例えば、上述のように、接点J1と接点J2との間に流れることが想定されるリーク電流が100mAであり、スイッチ検出部21で用いる上述の第1の閾値電圧が5Vである場合であって、2次電池BTの充電電圧が12Vである場合について検討する。この場合、抵抗R1での消費電力は、以下の式(2)に示すように、2.88Wとなる。
【0045】
【数2】

【0046】
ここで、抵抗R1の容量が0.5Wであるものとすると、スイッチ素子Q1のオンデューティを、以下の式(3)に示すように、17%以下に設定する必要がある。
【0047】
【数3】

【0048】
また、スイッチSWの応答性を考慮するとスイッチ素子Q1のスイッチング周期が100msec以下であることが好ましい場合には、例えば、スイッチ素子Q1のスイッチング周期を10msecとし、スイッチ素子Q1のオンデューティを15%に設定すればよいこととなる。
【0049】
スイッチ素子Q2のスイッチング周期およびオンデューティについても、上述のスイッチ素子Q1のスイッチング周期およびオンデューティと同様に設定される。
【0050】
以上の駆動回路1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0051】
スイッチSWの切り替えを検出する期間、すなわち第1のオン状態検出信号の受信の有無を制御部10が判別する期間では、駆動回路1は、スイッチ素子Q1をオン状態にして、接点J1と接点J2との間にリーク電流が流れてしまった場合に、このリーク電流を抵抗R1で消費する。このため、接点J1と接点J2との間にリーク電流が流れてしまっても、接点J2の電圧が上昇してしまうのを抑制できる。また、スイッチSWの切り替えを検出する期間、すなわち第2のオン状態検出信号の受信の有無を制御部10が判別する期間では、駆動回路1は、スイッチ素子Q2をオン状態にして、接点J1と接点J3との間にリーク電流が流れてしまった場合に、このリーク電流を抵抗R2で消費する。このため、接点J1と接点J3との間にリーク電流が流れてしまっても、接点J3の電圧が上昇してしまうのを抑制できる。以上によれば、リーク電流によるスイッチSWの切り替えの誤検出を防止できるので、リーク電流による発光ダイオードLED11〜LED13、LED21〜LED23、LED31〜LED33、およびLED41〜LED43の誤動作を防止できる。
【0052】
また、抵抗R1に電流が流れるのは、スイッチ素子Q1をオン状態にしている期間であり、抵抗R2に電流が流れるのは、スイッチ素子Q2をオン状態にしている期間である。このため、抵抗R1に電流が流れる期間と、抵抗R2に電流が流れる期間と、を短縮することができるので、抵抗R1、R2での消費電力の増加を抑制できる。したがって、駆動回路1の消費電力の増加を抑制できる。
【0053】
また、上述のように抵抗R1、R2に電流が流れる期間を短縮することができるので、抵抗R1、R2に、抵抗値の大きい抵抗を用いる必要がない。このため、抵抗R1、R2の大型化を防止して駆動回路1の大型化を防止できるとともに、抵抗R1、R2での消費電力の増加をさらに抑制して駆動回路1の消費電力の増加をさらに抑制できる。
【0054】
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態に係る駆動回路1Aの回路図である。駆動回路1Aは、図1に示した本発明の第1実施形態に係る駆動回路1とは、スイッチ検出部21、22の代わりにスイッチ検出部21A、22Aを備える点と、抵抗R1、R2の代わりに抵抗R3、R4を備える点と、スイッチ素子Q1、Q2の代わりにスイッチ素子Q3、Q4を備える点と、が異なる。なお、駆動回路1Aにおいて、駆動回路1と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
[駆動回路1Aの構成]
スイッチSWの接点J1には、2次電池BTの負極が接続される。
【0056】
スイッチSWの接点J2には、スイッチ検出部21Aと、NPN型トランジスタで構成されるスイッチ素子Q3のエミッタと、が接続される。スイッチ素子Q3のコレクタには、抵抗R3を介して2次電池BTの正極が接続される。
【0057】
スイッチSWの接点J3には、スイッチ検出部22Aと、NPN型トランジスタで構成されるスイッチ素子Q4のエミッタと、が接続される。スイッチ素子Q4のコレクタには、抵抗R4を介して2次電池BTの正極が接続される。
【0058】
[駆動回路1Aの動作]
以上の構成を備える駆動回路1Aは、スイッチ検出部21A、22Aにより、スイッチSWの切り替えを検出する。
【0059】
具体的には、スイッチSWの接点J1と接点J2とが接続されている場合には、2次電池BTの負極と接点J2とが導通する。スイッチ検出部21Aは、接点J2の電圧を検出し、接点J2の電圧が予め定められた第3の閾値電圧以下であれば、スイッチ検出部21Aは、第1のオン状態検出信号を制御部10に送信する。
【0060】
また、スイッチSWの接点J1と接点J3とが接続されている場合には、2次電池BTの負極と接点J3とが導通する。スイッチ検出部22Aは、接点J3の電圧を検出し、接点J3の電圧が予め定められた第4の閾値電圧以下であれば、スイッチ検出部22Aは、第2のオン状態検出信号を制御部10に送信する。
【0061】
なお、接点J1と接点J2との間にリーク電流が流れる場合には、接点J2の電圧が降下する。このため、抵抗R3の抵抗値は、接点J1と接点J2とが接続されている場合に、リーク電流が流れることによる接点J2の降下電圧より、抵抗R3およびオン状態のスイッチ素子Q3を介して接点J2に印加される電圧が高くなるように設定される。これによれば、接点J1と接点J2とが接続されておらず、かつ、接点J1と接点J2との間にリーク電流が流れていない場合には、接点J2の電圧が基準電位点の電圧に等しくなり、接点J1と接点J2との間にリーク電流が流れている場合には、接点J2の電圧が基準電位点の電圧より高くなる。これによれば、リーク電流の有無にかかわらず、接点J1と接点J2とが接続されていない場合を的確に検出することができる。
【0062】
抵抗R4の抵抗値についても、上述の抵抗R3の抵抗値と同様に、接点J1と接点J3とが接続されている場合に、リーク電流が流れることによる接点J3の降下電圧より、抵抗R4およびオン状態のスイッチ素子Q4を介して接点J3に印加される電圧が高くなるように設定される。これによれば、リーク電流の有無にかかわらず、接点J1と接点J3とが接続されていない場合を的確に検出することができる。
【0063】
以上の駆動回路1Aによれば、駆動回路1と同様の効果を奏することができる。
【0064】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0065】
例えば、上述の各実施形態では、半導体素子として発光ダイオードLED11〜LED13、LED21〜LED23、LED31〜LED33、およびLED41〜LED43を例に説明したが、これに限らない。例えば、有機EL(Electro Luminescence)や無機ELなどの半導体を用いた発光素子であってもよいし、MOSFETやトランジスタといった半導体を用いたスイッチ素子であってもよい。
【0066】
また、上述の各実施形態において、スイッチSWは2次電池BTの正極または負極に接続されるものとしたが、この2次電池BTを直流電源に置き換えてもよい。
【0067】
また、上述の各実施形態において、制御部10は、第1のオン状態検出信号の受信の有無の判別を、スイッチ素子Q1がオン状態である期間のうち、少なくとも一部の期間において行うこととした。具体的には、例えば、第1のオン状態検出信号の受信の有無の判別を、スイッチ素子Q1がオン状態である期間のうち、全ての期間において継続的に行ってもよいし、一部の期間において継続的に行ってもよいし、全ての期間において断続的に複数回行ってもよい。また、例えば、スイッチ素子Q1がオン状態になった直後に行ってもよいし、スイッチ素子Q1がオン状態であれば、スイッチ素子Q1がオン状態になってから多少遅れたタイミングで行ってもよい。第2のオン状態検出信号の受信の有無の判別についても、上述の第1のオン状態検出信号の受信の有無の判別と同様に、スイッチ素子Q2がオン状態である期間のうち、全ての期間において継続的に行ってもよいし、一部の期間において継続的に行ってもよいし、全ての期間において断続的に複数回行ってもよい。また、例えば、スイッチ素子Q2がオン状態になった直後に行ってもよいし、スイッチ素子Q2がオン状態であれば、スイッチ素子Q2がオン状態になってから多少遅れたタイミングで行ってもよい。
【0068】
また、上述の各実施形態において、制御部10は、スイッチ素子Q1のスイッチングと、スイッチ素子Q2のスイッチングと、を同期させ、スイッチ素子Q1のオンタイミングと、スイッチ素子Q2のオンタイミングと、を同一にするとともに、スイッチ素子Q1のオフタイミングと、スイッチ素子Q2のオフタイミングと、を同一にしてもよい。また、制御部10は、スイッチ素子Q1のスイッチングと、スイッチ素子Q2のスイッチングと、を同期させ、スイッチ素子Q1のオンタイミングと、スイッチ素子Q2のオフタイミングと、を同一にするとともに、スイッチ素子Q1のオフタイミングと、スイッチ素子Q2のオンタイミングと、を同一にしてもよい。
【0069】
また、上述の各実施形態において、制御部10は、スイッチ素子Q1のスイッチングと、スイッチ素子Q2のスイッチングと、を非同期で行ってもよい。
【0070】
また、上述の各実施形態において、制御部10は、スイッチ素子Q1のオン幅と、スイッチ素子Q2のオン幅と、を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。また、制御部10は、スイッチ素子Q1のオンデューティと、スイッチ素子Q2のオンデューティと、を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。また、制御部10は、スイッチ素子Q1のスイッチング周波数と、スイッチ素子Q2のスイッチング周波数と、を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0071】
また、上述の各実施形態において、制御部10は、第1のオン状態検出信号を受信していると判別してから、第1のオン状態検出信号を受信していないと判別するまで、出力部31、32に対して発光命令信号を継続して送信することとしたが、これに限らない。例えば、第1のオン状態検出信号を受信していると判別してから、第1のオン状態検出信号を受信していないと判別するまで、出力部31、32に対して発光命令信号を所定の周期でパルス状に送信してもよい。これによれば、スイッチSWの接点J1と接点J2とが接続されている状態において、発光ダイオードLED11〜LED13および発光ダイオードLED21〜LED23を点滅させることができる。出力部33、34に対する発光命令信号についても、出力部31、32に対する発光命令信号と同様に、所定の周期でパルス状に送信してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1、1A;駆動回路
10;制御部
21、21A、22、22A;スイッチ検出部
31〜34;出力部
40;電源回路
BT;2次電池
J1〜J3;接点
LED11〜LED13、LED21〜LED23、LED31〜LED33、LED41〜LED43;発光ダイオード
Q1〜Q4;スイッチ素子
R1〜R4;抵抗
SW;スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチの切り替えに応じて半導体素子を駆動する駆動回路であって、
前記スイッチの接点の電圧を検出することで当該スイッチの切り替えを検出し、検出結果に応じて前記半導体素子に駆動信号を供給する制御手段と、
抵抗と、当該抵抗に直列接続されたスイッチ素子と、を有するリーク電流対策手段と、を備え、
前記制御手段は、前記スイッチ素子を制御して、前記スイッチ素子をオン状態にしている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記スイッチの切り替えを検出し、
前記スイッチ素子がオン状態であれば、前記スイッチの接点を流れる電流のうち予め定められた電流を前記抵抗で消費することを特徴とする駆動回路。
【請求項2】
前記抵抗で消費される予め定められた電流は、前記スイッチの接点間を流れるリーク電流以上であることを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
スイッチの切り替えに応じて半導体素子を駆動する駆動回路であって、
前記スイッチの接点の電圧を検出することで当該スイッチの切り替えを検出し、検出結果に応じて前記半導体素子に駆動信号を供給する制御手段と、
抵抗と、当該抵抗に直列接続されたスイッチ素子と、を有するリーク電流対策手段と、を備え、
前記制御手段は、前記スイッチ素子を制御して、前記スイッチ素子をオン状態にしている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記スイッチの切り替えを検出し、
前記スイッチ素子がオン状態であれば、前記抵抗を介して前記スイッチの接点に予め定められた電圧を印加することを特徴とする駆動回路。
【請求項4】
前記スイッチ素子がオン状態である期間に前記スイッチの接点に印加される電圧は、前記スイッチの接点間にリーク電流が流れることによる前記スイッチの接点の降下電圧より高いことを特徴とする請求項3に記載の駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−33610(P2013−33610A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168426(P2011−168426)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】