説明

駆動装置、カメラモジュール、電子機器および駆動装置の製造方法

【課題】筐体にレンズ保持部材を組み込む際に、レンズ保持部材の傾きを精密に制御し、これによりレンズの傾きを精密に制御することができる駆動装置、この駆動装置を用いたカメラモジュール、電子機器および駆動装置の製造方法を提供する。
【解決手段】筐体20内に、内部にレンズを保持するバレルホルダ31がレンズの光軸方向に移動可能に設けられている。バレルホルダ31には、圧電素子およびこの圧電素子に固定され圧電素子の振動を受ける駆動軸が、レンズの光軸方向に駆動軸の長手方向が沿うように固定されている。筐体20には、駆動軸を摺動可能な状態で保持する軸保持部が設けられている。バレルホルダ31には、オートコリメータからのレーザ光を反射する反射面39が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、この駆動装置を用いたカメラモジュール、電子機器および駆動装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ等の撮像装置は多種多様な製品に組み込まれており、携帯電話、ノートパソコン等といった小型な電子機器にカメラを実装する場合、カメラ自体の小型化が強く要望されている。このため、カメラのオートフォーカスレンズに用いられるレンズを移動させるアクチュエータについても、小型化が強く望まれている。
【0003】
このような小型化が可能アクチュエータ(駆動装置)としては、圧電素子の駆動によりレンズを移動させるものが知られている。
この圧電素子を用いた駆動装置として、従来、筐体内に、内部にレンズを保持するレンズホルダ(レンズ保持部材)がレンズの光軸方向に移動可能に設けられ、筐体に、圧電素子および駆動軸がレンズの光軸方向に駆動軸の長手方向を沿うように固定され、レンズホルダに、駆動軸を摺動可能な状態で保持する軸保持部が設けられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4372206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カメラの高性能化に伴い、レンズのチルト制御すなわちレンズの傾きを精密に制御することが重要になってきている。このため、駆動装置の製造過程において、レンズ保持部材を筐体に組み込む工程でも、レンズの傾きを精密に制御することが要望されている。
【0006】
しかしながら、従来、レンズ保持部材の組立工程においては、例えば、レンズ保持部材(またはレンズ保持部材を含むユニット)の一部を筐体の嵌合部に圧入することで、レンズ保持部材の傾きの制御を行っているので、レンズ保持部材の傾きを精密に制御することができず、その結果レンズの傾きを精密に制御できないという問題がある。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、筐体にレンズ保持部材を組み込む際に、レンズ保持部材の傾きを精密に制御し、これによりレンズの傾きを精密に制御することができる駆動装置、この駆動装置を用いたカメラモジュール、電子機器および駆動装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の駆動装置は、筐体内に、内部にレンズを保持するレンズ保持部材が前記レンズの光軸方向に移動可能に設けられ、
前記筐体および前記レンズ保持部材の一方に、圧電素子および当該圧電素子に固定され当該圧電素子の振動を受ける駆動軸が、前記レンズの光軸方向に前記駆動軸の長手方向が沿うように固定され、
前記筐体および前記レンズ保持部材の他方に、前記駆動軸を摺動可能な状態で保持する軸保持部が設けられている駆動装置であって、
前記レンズ保持部材に、オートコリメータからのレーザ光を反射する反射面が設けられていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、筐体にレンズ保持部材を組み込む際に、レンズ保持部材に設けられた反射面でオートコリメータからのレーザ光を反射させつつ、レンズ保持部材を動かして、レンズ保持部材の傾きの調整を行い、その後レンズ保持部材の位置を固定することにより、レンズ保持部材の傾きを精密に制御することができる。これにより、レンズの傾きを一定の範囲に精密におさめることができる。
【0010】
上記構成において、前記反射面は、前記レンズ保持部材の外周部に設けられていることが好ましい。これにより、反射面がレンズより外側に離れるので、レンズ中心への外乱侵入を防止することができ、組み込み時以外のときに反射面が邪魔になることを防止できる。
【0011】
また、上記構成において、前記レンズ保持部材には、当該レンズ保持部材を保持可能な保持部が設けられていることが好ましい。これにより、保持部を持って的確にレンズ保持部材を動かすことができる。前記保持部は、例えば、前記レンズ保持部材の外周側面等に設けられた突起あるいは窪み等によって構成することができる。
【0012】
また、上記構成において、前記レンズ保持部材は、内部にレンズを保持するバレル装着されるバレルホルダであることが好ましい。これにより、バレルホルダに装着するバレルを変えることができるので、種々のバレルを組み込むことが可能になる。
【0013】
また、本発明のカメラモジュールは、上記構成の駆動装置と、前記レンズを介して入力する像を撮像する撮像手段と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、上記構成のカメラモジュールを備えていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の駆動装置の製造方法は、筐体内に、内部にレンズを保持するレンズ保持部材が前記レンズの光軸方向に移動可能に設けられ、
前記筐体および前記レンズ保持部材の一方に、圧電素子および当該圧電素子に固定され当該圧電素子の振動を受ける駆動軸が、前記レンズの光軸方向に前記駆動軸の長手方向が沿うように固定され、
前記筐体および前記レンズ保持部材の他方に、前記駆動軸を摺動可能な状態で保持する軸保持部が設けられている駆動装置の製造方法であって、
前記レンズ保持部材にレーザ光を反射する反射面を設け、この反射面にオートコリメータからレーザ光を反射させつつ、前記レンズ保持部材を動かして、前記レンズ保持部材の傾きの調整を行い、その後前記レンズ保持部材の位置を固定する、
ことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、筐体にレンズ保持部材を組み込む際に、レンズ保持部材に設けられた反射面でオートコリメータからのレーザ光を反射させつつ、レンズ保持部材を動かして、レンズ保持部材の傾きの調整を行い、その後レンズ保持部材の位置を固定する。したがって、レンズ保持部材の傾きを精密に制御して、筐体にレンズ保持部材を組み込むことができ、これによりレンズの傾きを一定の範囲に精密におさめることができる。
【0016】
上記構成において、前記反射面を、前記レンズ保持部材の外周部に設けることが好ましい。これにより、反射面がレンズより外側に離れるので、反射面により発生した乱光がレンズ中心へ侵入するのを防止することができ、組み込み時以外のときに反射面が邪魔になることを防止できる。
【0017】
また、上記構成において、前記レンズ保持部材に、当該レンズ保持部材を保持可能な保持部を設け、この保持部を保持して前記レンズ保持部材を動かすことを特徴とする。これにより、保持部を持って的確にレンズ保持部材を動かすことができる。
【0018】
また、上記構成において、前記レンズ保持部材は、内部にレンズを保持するバレル装着されるバレルホルダであることが好ましい。これにより、バレルホルダに装着するバレルを変えることができるので、種々のバレルを組み込むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、筐体にレンズ保持部材を組み込む際に、レンズ保持部材の傾きを精密に制御することができ、これによりレンズの傾きを一定の範囲に精密におさめることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係るカメラモジュールを示す図であって、分解斜視図である。
【図2】同、斜視図である。
【図3】同、蓋を取り外した状態の斜視図である。
【図4】同、平面図である。
【図5】同、図4のA−A線に沿う断面図である。
【図6】同、図4のB−B線に沿う断面図である。
【図7】同、バレルの装着前の平面図である。
【図8】同、図7のC−C線に沿う断面図である。
【図9】同、図7のD−D線に沿う断面図である。
【図10】同、蓋を取り外した状態の平面図である。
【図11】同、反射部より下側の部分の平面図である。
【図12】同、側面図である。
【図13】同、図12のE−E線に沿う断面図である。
【図14】同、バレルホルダの斜視図である。
【図15】同、バレルホルダの側面図である。
【図16】同、バレルおよびカバープレート装着前の平面図である。
【図17】(a)から(c)は本発明の実施の形態1に係るカメラモジュールの製造工程を示す図であって、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図18】同、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図19】同、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図20】同、斜視図である。
【図21】同、斜視図である。
【図22】本発明の実施の形態1を示す図であって、携帯電話の平面図である。
【図23】同、カメラモジュールの駆動部の構成を示すブロック図である。
【図24】同、駆動電圧波形と移動状態との関係を示すタイミングチャートである。
【図25】本発明の実施の形態2に係るカメラモジュールを示す図であって、分解斜視図である。
【図26】同、(a)は突片からから見たバレルホルダの斜視図であり、(b)は軸保持板側から見たバレルホルダの斜視図である。
【図27】同、(a)はバレルホルダの下面図であり、(b)はバレルホルダの平面図である。
【図28】同、筐体の平面図である。
【図29】本発明の実施の形態2に係る製造治具を示す平面図である。
【図30】本発明の実施の形態2に係るカメラモジュールの製造工程を示す図であって、斜視図である。
【図31】同、斜視図である。
【図32】同、斜視図である。
【図33】同、斜視図である。
【図34】本発明の実施の形態3に係るカメラモジュールを示す図であって、分解斜視図である。
【図35】同、蓋を取り外した状態の斜視図である。
【図36】同、蓋を取り外した状態の平面図である。
【図37】同、反射部より下側の部分の平面図である。
【図38】同、平面図である。
【図39】図38のF−F線に沿う断面図である。
【図40】撮像素子をIRカットフィルタに貼り合わせる場合を示す斜視図である。
【図41】(a)および(b)はそれぞれ、治具係合部の変形例を示す側面図である。
【図42】参考例に係るカメラモジュールを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1から図3に示すように、カメラモジュール100は、配線基板10、撮像素子(撮像手段)12、IRカットフィルタ13、筐体20、駆動ユニット30、バレル55、蓋60およびカバープレート65を備えている。駆動ユニット30は、バレルホルダ(レンズ保持部材)31、軸保持部40、ピエゾ素子(圧電素子、電気機械変換素子)50および駆動軸51(図5参照)を備えている。
ピエゾ素子50および駆動軸51は、バレルホルダ31に固定されており、軸保持部40は、筐体20に固定されている。軸保持部40は、駆動軸51に摩擦係合している。筐体20は、駆動ユニット30を収容する容器となっている。
【0022】
バレルホルダ31の外周側面には、位置決め用の治具が係合する突起(保持部、治具係合部)33が設けられている。また、バレルホルダ31の外周側面には、筐体20に設けられた柱部25とともにバレルホルダ31の回転を抑止する突片(回転抑止部)35が設けられている。レンズの光軸AX方向における突起33の長さと同方向における突片35の長さとは略同じ長さになっている。
【0023】
突片35の上端には、平板状の反射部37が突片35と一体に形成されている。反射部37は、バレルホルダ31の外周側面の上端部に、その上面がバレルホルダ31の上面とほぼ面一になるように形成されている。反射部37の上面には、円形の鏡面に形成されており、この鏡面がオートコリメータからのレーザ光を反射する反射面39となっている。反射面39を鏡面にするには、例えば、バレルホルダを樹脂成形で形成する際に、反射面39を形成する金型を磨くことにより鏡面に形成することができる。この反射面39は、凹面または平面に形成されている。反射面39は、その中心線がバレルホルダ39の中心線と平行になるように形成されている。
【0024】
蓋60には、バレル55を筐体20内に導入するための導入口OP1が設けられている。また、蓋60には、上述の位置決め用の治具を筐体20内に導入するための導入口OP2が設けられている。また、蓋60には、上述の反射面39を平面視において露出させてオートコリメータからのレーザ光を導入するための導入口OP3が設けられている。導入口OP1と導入口OP2、導入口OP3は、互いに連結されている。
【0025】
図1に示すように、配線基板10上には、撮像素子12、IRカットフィルタ13、筐体20、駆動ユニット30、バレル55、蓋60およびカバープレート65がこの順で配置されている。筐体20は、移動側部材としてのバレルホルダ31から見て移動しない固定側部材となっている。なお、移動側部材は、バレルホルダ31、バレル55、バレル55により保持されたレンズ群、ピエゾ素子50および駆動軸51を含む。
【0026】
カメラモジュール100は、バレル55が保持するレンズを介して物体側から到来する光束を撮像素子12にて撮像する。ピエゾ素子50の駆動に応じて、筐体20に対して、ピエゾ素子50、駆動軸51およびバレルホルダ31がレンズの光軸AXに沿って前方(物体側、光入力側)または後方(撮像素子側、光出力側)へ移動する(変位する)。バレルホルダ31に対して装着されるバレル55も同様に、ピエゾ素子50の駆動に応じて筐体20に対して移動する。撮像素子12の撮像面に対するレンズ位置を調整することによってフォーカシングを実行することができる。バレルホルダ31の移動方向は、光軸AXに略一致している。
【0027】
バレル55は、バレルホルダ31に螺入されて、バレルホルダ31に固定される。バレル55が組み込まれていないカメラモジュール100の購入会社は、購入品に対して自社製のバレル55を組み込むことができる。これにより、レンズ系を切り離した態様にて駆動装置を販売することが可能になり、駆動装置の拡販を効果的に促進することが可能になる。
【0028】
バレルホルダ31に対するバレル55の螺入時、位置決め用の治具によってバレルホルダ31の突起33が挟持され、バレルホルダ31の回動が阻止される。また、当該治具によってバレルホルダ31の突起33が下支えされ、バレルホルダ31の下方変位が阻止される。これにより、バレルホルダ31に対するバレル55の螺入時、バレル55に加えられる回転力に応じてバレルホルダ31が回転することを効果的に抑制することができる。また、バレルホルダ31に対するバレル55の螺入時、バレルホルダ31に対するバレル55の装着方向(光軸AXに一致する)に沿ってバレルホルダ31が下方変位することを効果的に抑制することができる。筐体20内においてバレルホルダ31のこのような変位が阻止されることによって、バレルホルダ31に設けられた突片35と筐体20に設けられた柱部25との間の衝突または圧接を効果的に抑制することができる。また、バレルホルダ31と軸保持部40の構成部材との間の衝突または圧接を効果的に抑制することができる。なお、本実施形態では、バレルホルダ31の回転抑止と下方変位抑止の阻止方法が開示されているが、いずれか一方のみを阻止対象としても良い。
【0029】
以下、カメラモジュール100の構成をさらに詳細に説明する。
配線基板10は、一般的な配線基板であり、例えば、フレキシブル配線基板である。配線基板10は、撮像素子12と半田バンプ等を介して電気的に接続され、撮像素子12に入力する制御信号、撮像素子12から出力されるビデオ信号の伝送路として機能する。また、配線基板10は、ピエゾ素子50に入力する駆動電圧の伝送路として機能する。
【0030】
IRカットフィルタ13は、近赤外線を遮断する板状部材である。IRカットフィルタ13の平面視における形状は方形に形成されている。IRカットフィルタ13は、筐体20に固着される。
【0031】
撮像素子12は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサといった一般的なイメージセンサを含む固体撮像デバイスである。撮像素子12の受光面には、光軸AXに直交する平面にてマトリクス状に配置された複数の画素が形成されている。各画素は、光電変換によって、入力光の光量に応じた電荷を蓄積する。各画素に蓄積された電荷は、転送制御によって各画素から読み出されて、後続の回路に供給される。
【0032】
筐体20は、配線基板10上に実装される。筐体20の下端面には凸部が設けられており、配線基板10に設けられた開口部(凹部)に嵌め合わされる。筐体20は、撮像素子12およびIRカットフィルタ13を下部空間に収納し、駆動ユニット30およびバレル55を上部空間に収納する。
【0033】
筐体20の内部に外来光が侵入することを抑制するため、筐体20の下端面は、黒色の接着剤を介して配線基板10に固定される。筐体20は、例えば、樹脂の成形品からなる。筐体20の材料は、好適には、耐熱性・摺動性が良好な黒色樹脂が好ましく、さらにはチタン酸カリウム繊維と樹脂との複合材がより好ましい。
【0034】
バレルホルダ31は、例えば、合成樹脂の成形によりレンズの光軸AXに沿って延在する円筒状に形成されている。バレルホルダ31の内周面には、螺旋状のネジが形成されており、このネジにバレル55の外周面に形成されたネジが螺合される。
【0035】
バレルホルダ31の外周側面には、上述のように、突起33および突片35が一体的に設けられている。突起33および突片35はともに、バレルホルダ31の外周側面から変半径方向外方に突出する凸部として形成されている。突起33、突片35は、光軸AX方向に沿って突起33、突片35の上端から下端の少し上まで延在する板状に形成されている。突起33の光軸AX方向の長さは、突片35の光軸AX方向の長さとほぼ同じ長さである。光軸AX方向における突起33の長さを十分に確保することによって、位置決め用の治具と突起33間の接触面積を十分に確保することができる。
【0036】
突起33には、蓋60に設けられた導入口OP2を介して筐体20内に導入される治具が係合される。治具によって突起33を把持することによって、筐体20内においてバレルホルダ31を好適に位置固定することができる。これによって、バレルホルダ31に対するバレル55の螺入時に、バレル55に加えられる力によってバレルホルダ31が変位してしまうことを効果的に抑制することができる。また、治具によって突起33を把持することによって、バレルホルダ31を動かすことができる。
【0037】
突片35は、カメラモジュール100の実動作時、ピエゾ素子50の駆動によりバレルホルダ31を移動させるときに、バレルホルダ31が回転してしまうことを抑制するために設けられている。
【0038】
バレルホルダ31の外周側面には、上述のように、ピエゾ素子50および駆動軸51が固定されている。ピエゾ素子50は、セラミックス層(圧電層)が積層された一般的な圧電素子である。ピエゾ素子50の一組の側面には、一組の電極端子が設けられる。一組の電極端子には、一組の配線が接続される。一方の電極端子を接地させた状態で、他方の電極端子に駆動電圧を印加することによってピエゾ素子50は光軸AX方向に伸縮する。
【0039】
駆動軸51は、光軸AX方向を長手方向とする棒状体である。駆動軸51は、ピエゾ素子50の一端面に接着剤により固定されている。なお、ピエゾ素子50と駆動軸51とは接着以外の方法で固定しても良く、例えば、駆動軸51とピエゾ素子50とを嵌め合いにより互いに連結させても良い。
【0040】
駆動軸51は、ピエゾ素子50で生じた振動を軸保持部40へ伝達する。軸保持部40は、筐体20に固定されているとともに、摺動可能な状態で駆動軸51を保持している。したがって、ピエゾ素子50で生じた振動によって、ピエゾ素子50、駆動軸51およびバレルホルダ31が、筐体20および軸保持部40に対して変位する。
【0041】
駆動軸51は、軽量でかつ剛性が高いことが望ましい。駆動軸51は、比重2.1以下の材料からなる。駆動軸51は、比重2.1以下であり、弾性率20GPa以上の材料からなるのがより好ましい。さらには、駆動軸51は、比重2.1以下であり、弾性率30GPa以上の材料からなるのがより好ましい。これにより、共振周波数を高周波側へシフトさせることができ、連続した使用可能周波数帯域を得ることができる。
【0042】
駆動軸51は、ガラス状炭素、繊維強化樹脂、エポキシ樹脂等を成形して形成するのが好ましい。材料としては、黒鉛を含有するガラス状炭素複合材、カーボンを含有する繊維強化樹脂やガラス、カーボンを含有するエポキシ樹脂複合材を用いるのが特に好ましい。
軸保持部40の構成については後述する。
【0043】
バレル55は、レンズを保持する部材である。バレル55は、光軸AXに沿って延在する円筒状の筒部および絞りとして機能する平板部とを備えている。
【0044】
蓋60は、レンズの光軸AXに対応する位置に開口を有する平板状部材である。蓋60は、バレル55を筐体20内に導入するための導入口OP1と、後述の治具を筐体20内に導入するための導入口OP2とを備えている。蓋60に設けられたこれらの開口OP1およびOP2を通じてそれぞれ、筐体20内へバレル55および治具が導入される。蓋60は、例えば、黒色樹脂の成形により形成される。筐体20に対して蓋60を取り付けることにより、駆動ユニット30が筐体20内に閉じ込められる。
【0045】
カバープレート(カバー部材)65は、蓋60に設けられた導入口OP2および導入口OP3を塞ぐための平板状部材である。導入口OP2および導入口OP3をカバープレート65にて塞ぐことによって、筐体20内へのゴミの侵入を効果的に防ぐことができる。なお、蓋60の前面を携帯電話等の筐体に対して取り付けられた窓板(透明基板)等へ直接的に貼り付ける場合、その窓板自体によって蓋60の導入口OP2および導入口OP3が塞がれる。このようにカメラモジュール100が組み込まれるべき本体が備える部材をカバー部材として用いても良い。
【0046】
図4はカメラモジュールの平面図であり、図5は図4のA−A線に沿う断面図であり、図6は図4のB−B線に沿う断面図である。図7はバレルホルダに対するバレルの装着前のカメラモジュール100の平面図であり、図8は図7のC−C線に沿う断面図であり、図9は図7のD−D線に沿う断面図である。なお、図4から図9に示すカメラモジュール100は、バレルホルダ31が最も撮像素子12側に位置した状態を示している。
【0047】
図5および図6に示すように、バレル55の直径W1は、蓋60に設けられた導入口OP1の開口径W2よりも狭い。したがって、筐体20に対して蓋60を取り付けた後、蓋60の導入口OP1を介して、バレルホルダ31に対してバレル55を螺入させることができる。なお、図8および図9に示すように、バレルホルダ31の内径W3は、蓋60に設けられた導入口OP1の開口径W2よりも狭い。バレル55の最大径W4は、蓋60に設けられた導入口OP1の開口径W2よりも広い。
【0048】
図5および図6に示すように、バレル55は、レンズL1〜L4を保持している。なお、バレル55によって保持されるレンズ系の具体的な構成は種々の構成を適宜採用することができる。
【0049】
図5に示すように、バレルホルダ31の外周側面には、一組の軸保持板32が設けられている。各軸保持板32は、バレルホルダ31の外周側面から半径方向外方に突出している。上側の軸保持板32aは、駆動軸51の上端部分を保持し、下側の軸保持板32bは、駆動軸51の下端部分を保持している。なお、駆動軸51は、軸保持板32に設けられた開口に圧入されている。なお、圧入に代えて、またはこれと共に、軸保持板32に駆動軸51を接着固定しても良い。一組の軸保持板32間には、軸保持部40が配置されている。光軸AX方向に沿って所定間隔をあけて軸保持板32a、32bを配置することにより、バレルホルダ31の移動範囲を好適に制御することができる。
【0050】
図5に示すように、筐体20の下端面に設けられた下方に突出する凸部は、配線基板10の開口部に嵌め込まれる。これにより、配線基板10に筐体20が好適に位置決めされて固定される。
【0051】
図6に示すように、筐体20には、上下の収納空間を隔てる隔壁部22が設けられている。隔壁部22の上面とバレルホルダ31の下端面31a間の間隔H1は、0.1mm程度である。隔壁部22の上面と突起33の下端面33a間の間隔は、1mm程度である。突起33の下端面33aは、バレルホルダ31の下端面31aよりも上方に位置する。これにより、突起33と隔壁部22間に治具の配置空間を確保することができる。治具によって突起33を下支えすることにより、バレルホルダ31にバレル55を螺入する際、バレルホルダ31が下方へ傾くことを効果的に抑制することができる。
【0052】
図10から図13は、カメラモジュールを示す図であって、図10は蓋を取り外した状態の平面図であり、図11は反射面より下側の部分の平面図であり、図12は側面図であり、図13は図12のE−E線に沿う断面図である。
【0053】
図10および図11に示すように、筐体20の平面視における形状は矩形状であり、側壁部21(21a〜21d)を備えている。筐体20には4つの角部C1〜C4が設けられている。角部C1は、側壁部21cと側壁部21dとの間の角部である。角部C2は、側壁部21dと側壁部21aとの間の角部である。角部C3は、側壁部21aと側壁部21bとの間の角部である。角部C4は、側壁部21bと側壁部21cとの間の角部である。
【0054】
角部C1には、一組の接続端子81が設けられている。角部C2には、ピエゾ素子50、駆動軸51および軸保持部40が設けられている。角部C3には、突起33が設けられている。角部C4には、突起33および柱部25が設けられている。なお、突起33は、角部C1と角部C3とを結ぶ対角線上にほぼ延在している。突片35は、角部C2と角部C4とを結ぶ対角線に沿って延在している。
【0055】
カメラモジュール100の小型化の要請に伴い、筐体20内の自由空間は限りなく少なく、図10および図11に示すように、筐体20の側壁部21a〜21dそれぞれとバレルホルダ31間の間隔は極めて狭い。突起33の配置位置を筐体20の角部とすることによって、バレルホルダ31の突起33を強固に把持するのに適当なサイズの治具を筐体20内に挿入することが可能になる。
【0056】
図10および図11に示すように、接続端子81は、板状の導電部材(例えば、金属板)である。接続端子81の外端は、配線基板10上に形成された配線に対して接続される。接続端子81の内端は、ピエゾ素子50の電極端子に対してリード線52を介して接続される。接続端子81aは、リード線52aを介して、ピエゾ素子50の電極端子50aに接続される。接続端子81bは、リード線52bを介して、ピエゾ素子50の電極端子50bに接続される。
【0057】
図11に示すように、筐体20の角部C4には、突片35と柱部25とが配置されている。突片35と柱部25は、バレルホルダ31の回転を抑止する回転抑止部90として機能する。
【0058】
筐体20に設けられた柱部25は、狭幅部25a、広幅部25bを有する。狭幅部25aは、筐体20の内周側面に結合している。突片35は、バレルホルダ31の外周側面の周方向に互いに間隔をおいて配置された突片35aと突片35bからなる。
図10に示すように、これらの突片35a、突片35b上端に、反射面39を有する反射部37が突片35a、突片35bと一体に形成されている。図11に示すように、広幅部25bは、反射部37の下側に位置する突片35aと突片35b間に配置される。広幅部25bと突片35との間にはクリアランスが設けられている。突片35が柱部25に接触しない状態で、バレルホルダ31が移動することが理想的である。しかしながら、バレルホルダ31が前方または後方へ移動する過程でわずかに回転する場合がある。突片35と柱部25とを設けることにより、バレルホルダ31の回転を抑止することが可能になる。
【0059】
図13に示すように、軸保持部40は、本体部41、押え板(板状部材)42、ばね(弾性部材)43および押え板(板状部材)44を備えている。駆動軸51から離間する方向に向かって、押え板42、バネ43および押え板44がこの順で配置される。本体部41には、駆動軸51が挿通される開口が設けられている。また、本体部41には、押え板42、バネ43および押さえ板44を収納する空間が設けられている。押え板42は、矩形状の平板状の部材である。バネ43は、一般的なコイル状バネである。押え板44は、矩形状の平板状の部材である。
【0060】
本体部41内に、押え板42、ばね43および押え板44がこの順に押し込まれて、本体部41に押え板44が接着により固定されることにより、押え板42、ばね43および押え板44が本体部41内に位置固定されている。ばね43は、押え板44により本体部41の空間内に閉じ込められており、このばね43の付勢力により抑え板42が駆動軸51側へ付勢され、その結果、ばね43の付勢力により駆動軸51が本体部41に押し付けられている。これにより、駆動軸51と軸保持部40とが互いに摩擦係合した状態になっている。
【0061】
押え板42は、好ましくは、金属材料からなる。例えば、SUS(ステンレス鋼)等の金属材料で、押え板42を形成すると良い。これにより、駆動軸51と押え板42間の摩擦により、押え板42から磨耗粉が生じることを効果的に抑制できる。
【0062】
ばね43の径は、押え板42の幅と略同一または若干小さい。なお、ばね43は、コイルばねに限ることなく、他の種類の弾性部材、例えば板ばね、樹脂製ゴム等を用いても良い。本体部41は、樹脂が成形されて形成される。押え板42、44は、金属板または樹脂板のプレス成形によって形成される。
【0063】
本体部41は、好適には、金属材料から形成される。本体部41が樹脂の場合、駆動軸51との摩擦により磨耗粉が発生する場合がある。このような問題が生じることを抑制するために、ここでは、亜鉛合金の成形によって本体部41が形成されている。なお、本体部41は、亜鉛合金に限らず、アルミニウム合金、その他の金属材料により形成しても良い。
【0064】
図13に示すように、押え板44の軸線LX1に沿う幅は、押え板42の軸線LX1に沿う幅よりも狭い。これにより、筐体20の内側面に対してより近い位置にバネ43を配置することが可能となり、カメラモジュール100の小型化を図ることができる。
【0065】
ばね43は、バレルホルダ31から見た駆動軸51の配置方向に対して90度を成す方向へ押え板42を付勢する。換言すると、ばね43は、バレルホルダ31から見た駆動軸51の配置方向に一致する軸線LX1に対して90度を成す軸線LX2に沿って押え板42を付勢する。これにより、軸保持部40の配置スペースを効果的に小さくすることができ、カメラモジュール100の小型化を図ることができる。なお、軸線LX1と軸線LX2とが成す角度は90度には限られない。例えば、軸線LX1と軸線LX2とが成す角度を、45〜135度としても良い。
【0066】
図14はバレルホルダの斜視図であり、図15はバレルホルダの側面図である。
図14に示すように、バレルホルダ31の内周面にはネジが設けられ、その外周側面には様々な特殊構造が設けられている。バレルホルダ31に、バレル55、駆動軸51が直接的に取り付けられる。ピエゾ素子50は、バレルホルダ31に駆動軸51を介して取り付けられる。図14および図15に示すように、バレルホルダ31の突起33は、バレルホルダ31の筒状部分に対して背ビレ状に付加される。突起33を治具によって挟持、下支えすることによって、筐体20内においてバレルホルダ31を位置固定し、この状態で、バレルホルダ31にバレル55を安定して螺入することが可能になる。
【0067】
図16に示すように、バレルホルダ31に対するバレル55の取付け前、カメラモジュール100を平面視すると、蓋60の導入口OP1を介して、撮像素子12の撮像領域12aの全体を視認することができる。同様に、カメラモジュール100を平面視すると、蓋60の導入口OP2を介して、突起33を視認することができる。蓋60の導入口OP2を介して治具を筐体20内に導入することができる。なお、導入口OP1と導入口OP2とは必ずしも連続形成されている必要はない。導入口は、蓋60に代えて、または蓋60に加えて、筐体20に対して設けても良い。図16に示すように、撮像領域12aの対角線幅W5は、蓋60に設けられたか導入口OP1の開口幅W2よりも幅狭である。撮像領域12aの平面視における形状は、略正方形状であるが、これに限られるべきものではない。
【0068】
次に、図17から図21を参照して、カメラモジュール100の製造方法について説明する。
まず、図17(a)に示す状態までカメラモジュールを組み立てる。例えば、治具350上に、筐体20、駆動ユニット30および蓋60をこの順で実装する。治具350の上面には、筐体20の下端部分を受け入れる凹部が形成されている(図18参照)。治具350のこの凹部内に筐体20を配置することによって、治具350に筐体20が取り付けられる。このとき、筐体20の外周側面と治具350の凹部の内周側面とを嵌合させることによって、治具350に対して筐体20を位置決めしても良い。
【0069】
ここで、駆動ユニット30の組み立てには種々の方法を採用することができるが、例えば、次のように行うことができる。すなわち、まず、一組の軸保持板32間に軸保持部40を配置した状態で、軸保持板32、軸保持部40の開口に駆動軸51を挿入する(図8参照)。次に、軸保持部40の本体部41に、押え板42、ばね43および押え板44を取り付ける(図13参照)。次に、駆動軸51にピエゾ素子50を接着で固定する(図8参照)。次に、筐体20内に駆動ユニット30を挿入するこのようにして、筐体20内に駆動ユニット30に配置される(図8参照)。
【0070】
このとき、駆動ユニット30の傾きの調整を行うために、筐体20内で駆動ユニット30を動かすことができるように、筐体20と駆動ユニット30との間には一番狭い個所でも若干の隙間が形成されている。例えば、軸保持部40とこの軸保持部40が嵌合される筐体20の内周面との隙間が一番狭く形成され、この隙間の間隔は、例えば40〜60μm程度に設定されている。
【0071】
次に、図17(b)に示すように、蓋60の導入口OP2を介して筐体20内へ棒状の治具301、302を導入する。治具301、302は、十分に細く形成されており、蓋60の導入口OP2を介して筐体20内に簡易に挿入することができる。なお、筐体20内への治具301、302の導入には、種々の方法を採用することができるが、例えば、ロボットアームの先端に治具301、302を取り付け、ロボットアームを動作させることによって、蓋60の導入口OP2を介して筐体20内へ治具301、302を導入させると良い。
【0072】
次に、図17(c)に示すように、治具301、302によって、突起33を挟持しかつ下支えする。なお、治具302の先端は、治具301側へ屈曲している。換言すると、治具302の先端部分は、L字状に構成されている。突起33の下端面33aに対して、治具302の治具301側へ屈曲している部分を当接させることによって、バレルホルダ31を好適に下支えすることができる。上述のようにロボットアームを活用する場合、ロボットアームの制御によって治具301,302間の間隔を狭め、これにより治具301と治具302とで突起33を挟持すると良い。
【0073】
次に、図18に示すように、バレル55の前面に設けられた凸状部分55aを治具200によって挟持する。
【0074】
次に、図19に示すように、バレル55を把持する治具200を回転させることで、バレル55を回転させ、これによりバレルホルダ31にバレル55を螺入させる。バレル55がバレルホルダ31に完全に螺入された後、治具200の回転を停止し、治具200によるバレル55の挟持を解除する。治具200によるバレル55の回転時、バレルホルダ31は治具301、302によって強固に挟持され、かつ、治具302によって下支えされている。したがって、バレルホルダ31をバレル55を螺入させる際に、バレルホルダ31が回転および下方変位することを効果的に抑制することができる。
【0075】
次に、反射面39にオートコリメータからのレーザ光を当てて、反射させ、これによりオートコリメータでバレルホルダ31の傾きのずれを検出して、この検出結果に基づいて、治具301、302でバレルホルダ31を動かすことにより、バレルホルダ31の傾きの調整を行う。
すなわち、オートコリメータから反射面39に当てるレーザ光を、筐体20の底面に直交するように照射し、バレルホルダ31の反射面39で反射された反射光とのずれを検出し、この検出結果に基づいて、治具301、302でバレルホルダ31を動かして、その反射面39がオートコリメータから反射面39に照射されるレーザ光と直交するようにバレルホルダ31を位置させる。そうすると、反射面39の中心線がバレルホルダ31の中心線と平行に形成されているので、バレルホルダ31の中心線が筐体20の底面と直交するように、筐体20に対してバレルホルダ31が位置する。そうすると、バレルホルダ31にバレル55がそれらの中心線を一致させて装着され、バレル55にはレンズがその光軸をバレル55の中心線に一致させてまたは平行にして保持されているので、レンズの光軸が筐体20の底面と直交するように、筐体20に対してレンズが位置するようになる。したがって、部品製作上、組立上の誤差を考慮しても、レンズの傾きを一定の範囲に精密におさめて、筐体20に駆動ユニット30を位置させることができる。この例においては、筐体20の底面がレーザ光の方向を決める基準面になっている。この基準面は、筐体20の底面に限らず、他の面を用いても良く、要は撮像素子12の撮像面と平行になるように設定されれば良い。
【0076】
その後、筐体20と駆動ユニット30との間には一番狭い個所の隙間、例えば、軸保持部40とこの軸保持部40が嵌合される筐体20の内周面との隙間に接着剤等を充填するなどして、駆動ユニット30が動かないように、筐体20に駆動ユニット30を固定する。その後、治具301、302によるバレルホルダ31の挟持を解除する。
【0077】
なお、反射面39と治具301、302を用いたこのバレルホルダ31のチルト調整および筐体20に対する駆動ユニット30の固定作業は、バレルホルダ31にバレル55を装着する前に行っても良い。
【0078】
次に、治具350から半製品(筐体20、駆動ユニット30、バレル55を含む)を取り外し、この取り外した半製品を、撮像素子12が実装された配線基板10に対して実装し、予め筐体20に対して組み込まれている接続端子81とピエゾ素子50の端子間をリード線52で接続する。次に、図20に示すように、蓋60にカバープレート65を嵌め合わせ、蓋60にカバープレート65を接着剤等によって固定する。このようにして、図21に示すように、カメラモジュール100が完成する。なお、IRカットフィルタ13は、予め筐体20に対して固着させておくとよい。
【0079】
上述の説明から明らかなように、本実施の形態にあっては、バレルホルダ31に設けられた反射面39でオートコリメータからのレーザ光を反射させつつ、治具301、302でバレルホルダ31を動かすことにより、筐体20の底面(基準面)に対するバレルホルダ31の傾きの調整を行うことができるので、基準面に対するバレルホルダ31の傾きを精密に制御して、筐体20に駆動ユニット30を組み込むことができ、これによりレンズの傾きを一定の範囲に精密におさめることができる。
【0080】
また、バレルホルダ31をバレル55を囲む筒状部材に形成し、反射面39をバレル55を内側に装着した円筒状のバレルホルダの外周側面の上部に設けたので、反射面39がレンズより外側に離れているため、反射面39により反射された光が筐体20の内面等に当って発生する乱光がレンズ中心へ侵入することを防止することができる。さらに、反射面39が凹面または平面に形成されているので、反射面39に起因する乱光の発生をより防止することができる。
【0081】
また、反射面39を備えた反射部37を突片35(35a、35b)と一体に合成樹脂の成形によりバレルホルダ31の外周面に形成したので、突片35(35a、35b)の耐衝撃性を向上させることができる。また、このように反射部39により突片35(35a、35b)の対衝撃性が向上させることができることにより、突片35(35a、35b)のバレルホルダ31の外周面との接続部(基端部)に、丸み部(R部)を形成せずに、ほぼ直角に形成できるので、接続部の厚みの変化が少なくなる。このため、樹脂成形時にヒケを防止できるので、円筒状のバレルホルダ31の真円度を高めることができる。
【0082】
また、バレルホルダ31の外周面に、バレルホルダ31を保持可能な突起33を設けたので、この突起33を保持して的確にバレルホルダ31を動かすことができる。
【0083】
また、バレルホルダ31を治具301、302によって把持した状態で、バレルホルダ31にバレル55を螺入するので、この螺入時に、バレルホルダ31が回転および下方変位してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0084】
また、バレルホルダ31を位置固定することなく、バレルホルダ31にバレル55を螺入させると、バレルホルダ31が同調して回動してしまうおそれがある。また、バレルホルダ31を下支えすることなく、バレルホルダ31にバレル55を螺入させると、上方からの力に応じて、バレルホルダ31が下方へ傾斜してしまうおそれがある。このような場合、図42に示すように、箇所P1にて、突片35と柱部25とが衝突してしまう虞がある。また、場合によっては、図42に示すように、箇所P2にて、駆動軸51と押え板42とが圧接し、摩擦粉が生じてしまう虞がある。
【0085】
次に、カメラモジュール100が搭載された携帯電話(電子機器)について説明する。
図22に示すように、携帯電話190は、蓋191が本体192に連結されており、これにより本体192に対して蓋191が開閉するようになっている。
蓋191の内面には、表示部194が設けられている。表示部194には、着信相手を特定する情報(名前、電話番号)、携帯電話190の記憶部に格納されたアドレス情報等が表示される。表示部194の下には液晶表示装置が組み込まれている。
【0086】
本体192の内面には、複数のボタン195が設けられている。ボタン195を操作することにより、アドレス帳を開いたり、電話を掛けたり、マナーモードに設定したりすることができるようになっている。また、このボタン195を操作することにより、携帯電話190内のカメラモジュール100を起動することができるようになっている。
【0087】
次に、カメラモジュール100を動作させるためのシステム構成について説明する。
図23に示すように、画像取得部180の出力は、コントローラ181に接続される。コントローラ181の出力は、駆動電圧生成回路(駆動電圧供給部)182に接続される。駆動電圧生成回路182の出力は、振動源183に接続される。なお、画像取得部180は、上述の撮像素子12により構成される。振動源183は、上述のピエゾ素子50により構成される。
【0088】
コントローラ181は、携帯電話190内に組み込まれたCPUであり、プログラムを実行して様々な指令を生成する。コントローラ181は、操作者による携帯電話190の操作に応じて、カメラモジュールの機能を活性化する。
【0089】
コントローラ181は、バレルホルダ31の移動速度を調整する機能を有する。コントローラ181は、画像取得部180から伝送される画像に対する処理に基づいて、バレル55に保持されたレンズが合焦位置にあるか否かを判断し、また、バレル55に保持されたレンズを合焦状態とするために、バレルホルダ31の移動方向、移動量を算出する。コントローラ181は、合焦位置から離れた位置から合焦位置へバレル55に保持されたレンズを移動させる場合、バレルホルダ31が高速に移動するように駆動電圧生成回路182を制御する。コントローラ181は、合焦位置に近い距離内で合焦位置へバレル55に保持されたレンズを移動させる場合、バレルホルダ31が低速で移動するように駆動電圧生成回路182を制御する。駆動電圧生成回路182は、コントローラ181から供給される制御信号に応じて、振動源183に対してノコギリ波形状の駆動電圧を供給する。なお、駆動電圧生成回路182の具体的な構成は任意である。振動源183は、駆動電圧生成回路182から供給されるノコギリ波形状の駆動電圧に応じて伸縮し、振動を生じさせる。振動源183で生じる振動に応じて、バレルホルダ31(バレル55)は、光軸AXに沿って物体側または撮像側へ変位する。なお、レンズL1〜L4の光軸AXは、撮像素子12の前面に対して垂直に交差している。
【0090】
次に、図24を参照して、駆動電圧生成回路182から振動源183(ピエゾ素子50)へ供給される駆動電圧波形とバレルホルダ31の変位との関係について説明を補足する。
【0091】
駆動電圧生成回路182は、ピエゾ素子50にノコギリ歯状の駆動電圧波形を印加する。時刻t1と時刻t2間に、駆動電圧は、急峻に立上る。時刻t2と時刻t3間に、駆動電圧は、緩慢に立ち下がる。バレルホルダ31は、時刻t1と時刻t2間に変位する。バレルホルダ31は、時刻t2と時刻t3間には変位しない。ピエゾ素子50にノコギリ歯状の駆動電圧を連続的に供給することにより、バレルホルダ31は一方側へ変位する。なお、バレルホルダ31を逆方向へ移動させる場合、急峻に立下り、緩慢に立上るノコギリ歯状の駆動電圧波形をピエゾ素子50に印加すれば良い。
【0092】
駆動電圧生成回路182の具体的な構成は、種々の構成を適宜採用することができるが、例えば、電源電位と接地電位間に複数のスイッチング素子を接続し、これらのオン・オフを制御することによって上述の駆動電圧波形を生成しても良い。
【0093】
次に、図25から図33を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態では、実施の形態1とは異なる方法・態様にてバレルホルダ31を治具によって傾きを変え、また位置決めする。このような場合であっても実施の形態1で説明したものと同様の効果を得ることができる。
【0094】
図25に示すように、本実施の形態のカメラモジュール100は、実施の形態1と略同様の構成を備えている。なお、本実施の形態では、蓋60には、図1に示す導入口OP2が設けられておらず、したがってカバープレート65にはその導入口OP2を覆う部分が設けられていない。
図26および図27に示すように、本実施の形態では、バレルホルダ31には、実施の形態1に示した突起33に代えて、窪み(保持部、治具係合部)36が複数設けられている。窪み36は、バレルホルダ31の外周側面の下端面の少し上から下端面に渡って形成されている。窪み36は、光軸AXに沿って延在している。バレルホルダ31には、周方向に略等間隔に4つの窪み36が設けられている。略一定間隔をあけて複数の窪み36を配置することによって、より安定してバレルホルダ31を保持することができる。なお、窪み36の個数は適宜設定可能であり、1以上あれば良いが、窪み36を2以上設けることによって、バレルホルダ31をより好適に位置固定することが可能になる。また、窪みの横断面形状は、図26および図27では円弧形状であるが、三角形状、四角形状等の他の形状でも良い。
【0095】
図28に示すように、筐体20の隔壁部22には、バレルホルダ31の4つの窪み36に対応した位置に4つの導入口27が設けられている。導入口27aと導入口27cは、隔壁部22に設けられた開口OP4を介して、対向配置されている。導入口27bと導入口27dは、隔壁部22に設けられた開口OP4を介して、対向配置されている。
【0096】
図29に示すように、バレルホルダ31の保持に用いられる治具400は、4つの保持柱401により構成されている。各保持柱401は、筐体20の隔壁部22に設けられた導入口27を介して筐体20内に導入され、筐体20に対して取り付けられるバレルホルダ31の各窪み36に嵌合される。また、治具400の各保持柱401a〜401dは、独立して上下に移動可能に設けられている。そして、各保持柱401a〜401dをそれぞれ独立して適宜上下に移動させることで、バレルホルダ31の傾きを変えるように動かすことができるようになっている。また、治具400によって、バレルホルダ31にバレル55を螺入する時のバレルホルダ31の回転および下方変位が抑制される。
【0097】
次に、図30から図33を参照して、カメラモジュール100の製造方法について説明する。
まず、図30に示すように、治具400に対して筐体20を設置する。これにより、筐体20に設けられた導入口27a〜27dに対して治具400の保持柱401a〜401dがそれぞれ挿入され、図31に示す状態になる。
【0098】
次に、筐体20に駆動ユニット30を取り付ける。また、筐体20に蓋60を取り付ける。
【0099】
次に、反射面39にオートコリメータからのレーザ光を当てて、反射させ、これによりオートコリメータでバレルホルダ31の傾きのずれを検出して、この検出結果に基づいて、治具301、302でバレルホルダ31を動かすことにより、バレルホルダ31の傾きの調整を行う。
すなわち、オートコリメータから反射面39に当てるレーザ光を、筐体20の底面に直交するように照射し、バレルホルダ31の反射面39で反射された反射光とのずれを検出し、この検出結果に基づいて、治具400の各保持柱401a〜401dをそれぞれ独立して適宜上下に移動させることで、バレルホルダ31の傾きを変えるように動かすことによって、その反射面39がオートコリメータから反射面39に照射されるレーザ光と直交するようにバレルホルダ31を位置させる。そうすると、上述の実施の形態1で説明したように、レンズの光軸が筐体20の底面と直交するように、筐体20に対してレンズが位置するようになる。したがって、部品製作上、組立上の誤差を考慮しても、レンズの傾きを一定の範囲に精密におさめて、筐体20に駆動ユニット30を位置させることができる。その後、筐体20と駆動ユニット30と間には一番狭い個所の隙間、例えば、軸保持部40とこの軸保持部40が嵌合される筐体20の内周面との隙間に接着剤等を充填するなどして、駆動ユニット30が動かないように、筐体20に駆動ユニット30を固定する。
【0100】
なお、反射面39と治具400の保持柱401a〜401dを用いたこのバレルホルダ31のチルト調整および筐体20に対する駆動ユニット30の固定作業は、バレルホルダ31にバレル55を螺入した後に行っても良い。
【0101】
次に、蓋65を取り付けた後、図32に示すように、治具200によってバレル55を把持し、バレル55をバレルホルダ31上に配置する。
【0102】
次に、図33に示すように、治具200を回転させ、バレルホルダ31にバレル55を螺入させる。このとき、筐体20に駆動ユニット30が接着等によって固定されているとともに、治具400の保持柱401a〜401dによってバレルホルダ31は位置決めされている。したがって、治具200の回転によりバレルホルダ31にバレル55が螺入される際に、バレルホルダ31が回転、下方変位することが効果的に抑制される。
【0103】
本実施形態にあっては、本実施の形態にあっては、バレルホルダ31に設けられた反射面39でオートコリメータからのレーザ光を反射させつつ、治具400の各保持柱401a〜401d0でバレルホルダ31を動かすことにより、筐体20の底面(基準面)に対するバレルホルダ31の傾きの調整を行うことができるので、基準面に対するバレルホルダ31の傾きを精密に制御して、筐体20に駆動ユニット30を組み込むことができ、これによりレンズの傾きを一定の範囲に精密におさめることができる。
【0104】
次に、図34から図39を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態では、上述の各実施形態とは異なる原理でバレルホルダ31を駆動する。このような場合であっても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、カメラモジュール内に組み込まれる駆動装置の駆動原理は、種々の方法を採用することができる。
【0105】
図34から図37に示すように、本実施の形態では、実施の形態1と同様、バレルホルダ31の外周側面には、保持部および治具係合部として機能する突起33が設けられている。突起33を治具によって把持することによって、実施の形態1と同様、バレルホルダ31を固定することができる。なお、蓋60には、治具を筐体20内に導入するための導入口OP2が設けられていない。本実施形態では、筐体20に蓋60を取り付ける前、バレルホルダ31に対してバレル55を螺入する。したがって、蓋60に導入口OP2、OP3を設けなくとも、好適にバレルホルダ31の突起33を治具にて把持することができるとともに、反射面39にオートコリメータからのレーザ光を反射させることができる。
また、バレルホルダ31の外周側面には、回転抑止部として機能する突片35およびこの突片35の上端に一体的に形成されかつ上面に反射面39を有する反射部37が設けられている。
【0106】
バレルホルダ31の外周側面には、駆動軸51を保持する軸保持部70が設けられている。軸保持部70は、押さえ板71、バネ72を含む。押さえ板71には回転軸73が設けられている。回転軸73は、軸保持部70の保持構造によって保持される。押さえ板71の一端は、バネ72によって付勢されており、これにより押さえ板71の他端で駆動軸51が押圧される。このようにして、駆動軸51は、軸保持部70に対して摩擦係合される。換言すると、駆動軸51は、光軸AXに沿って摺動可能な状態で軸保持部70によって保持される。
【0107】
図39に示すように、ピエゾ素子50は、配線基板10上に固定されている。また、駆動軸51は、ピエゾ素子50上に接着固定されている。バレルホルダ31は、軸保持部70を介して、駆動軸51に対して摺動可能な状態で係合している。
【0108】
本実施形態では、上述の各実施形態とは異なり、ピエゾ素子50に図24に示す電圧波形Vs1を印加すると、時刻t1−t2間では駆動軸51上にてバレルホルダ31は変位せず、時刻t2と時刻t3間では駆動軸51上にてバレルホルダ31が変位する。本発明は、このように動作原理が異なる駆動装置を内蔵するカメラモジュールにも適用可能である。
【0109】
本実施形態においても、上述の各実施形態と同様の製造工程を経てカメラモジュール100が製造されるが、駆動原理の相違に応じて、製造工程にも相違が生じる。例えば、次のようにカメラモジュール100が製造される。
【0110】
まず、ピエゾ素子50に駆動軸51を固着させる。次に、配線基板10上の所定箇所にピエゾ素子50を配置する。次に、配線基板10に撮像素子12を実装する。次に、筐体20にIRカットフィルタ13を固着させる。次に、筐体20を配線基板10上に実装する。このとき、筐体20の隔壁部22に設けられた開口を通して、筐体20の上部空間へピエゾ素子50の上部と駆動軸51が導入される。次に、バレル55が螺合されたバレルホルダ31の軸保持部70を駆動軸51に係合させる。
【0111】
なお、バレルホルダ31に対するバレル55の螺入方法は、上述の実施の形態1で説明したものと同様である。具体的には、図17に示した場合と同様に、バレルホルダ31の突起33を治具301、302にて把持する。次に、図18および図19に示した場合と同様に、バレルホルダ31に対してバレル55を螺入する。その後、実施の形態1と同様に、反射面39にオートコリメータからのレーザ光を当てて、反射させ、これによりオートコリメータでバレルホルダ31の傾きのずれを確認しつつ、治具301、302でバレルホルダ31を動かすことによって、バレルホルダ31の基準面に対する傾きの調整を行う。その後、筐体20にバレルホルダ31を含む駆動ユニットを固定する。
次に、蓋60を筐体20に対して取り付ける。このようにしてカメラモジュール100が製造される。
【0112】
なお、本実施形態に示す駆動装置に対して実施の形態2で説明したバレルホルダの固定方法を適用しても良い。これによって上述の実施形態にて説明したものと同様の効果を得ることができる。
【0113】
次に、図40を参照して、実施の形態1〜3の変形例を説明する。
図40に示すように、ガラス製の透明基板13Aに撮像素子12をバンプ接続しても良い。透明基板13Aを筐体20に対して固着することで、撮像素子12と筐体20間の相対的な位置関係を決定することができ、配置誤差を抑制した形で撮像系を設定することができる。
【0114】
透明基板13Aの背面には配線パターンが形成されている。撮像素子12に設けられた端子は、バンプを介して配線パターンに接続される。透明基板13Aの配線パターンは、バンプを介して、配線基板10上に配線パターンに対して接続される。このようにして、透明基板13Aに形成された配線パターンを介して、撮像素子12と配線基板10とが電気的に接続される。なお、配線基板10には、コネクタ10pが設けられている。コネクタ10pを介してカメラモジュール100が生成した画像データが外部出力される。コネクタ10pを介して外部から電力、制御信号等がカメラモジュールに入力される。
【0115】
次に、図41を参照して、実施の形態1〜3の変形例について説明する。
図41は、突起33の変形例を示す図である。突起33の側面視における形状は、矩形状に限られるべきものではなく、例えば、図41(a)に示すように、突起33を三角形状としても良い。このような場合であっても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。なお、突起33の下端面33aは、実施の形態1と同様、バレルホルダ31の下端面31aよりも上方に位置し、これにより治具導入空間が確保されている。
【0116】
また、図41(b)に示すように、突起33に凹部33bを設け、凹部33bに対して治具を嵌め合わせても良い。このような場合であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。なお、この場合、凹部33bによって、治具導入空間が確保されている。
【0117】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上述の実施の形態では、バレルホルダ(レンズ保持部材)31に突起33、窪み36等の保持部を設けたが、保持部を設けずにバレルホルダ31自体を保持して動かすようにしても良い。
【0118】
また、上述の各実施の形態では、レンズ保持部材をバレルホルダ31により構成したが、バレルホルダとバレルとが一体的に構成されているレンズ保持部材に反射面を設けて本発明を適用することもできる。
【0119】
また、上述の各実施の形態では、筐体20に駆動ユニット30、バレル55を組み込んだ後に、この半製品を撮像素子12、配線基板10に対して実装するようにしているが、筐体20を撮像素子12、配線基板10等に取り付けた後に、筐体20に駆動ユニット30、バレル55を組み込む場合にも、本発明を適用することができる。
【0120】
また、上述の実施の形態では、バレルホルダ31を筒状に形成したが、他の形状に形成してもよい。
また、治具は筐体内に上方、下方から導入するに限らず、例えば、筐体内に横方向から治具を導入し、バレルホルダ31を治具によって把持させても良い。
【符号の説明】
【0121】
100 カメラモジュール
12 撮像素子(撮像手段)
20 筐体
31 バレルホルダ(レンズ保持部材)
33 突起(保持部)
36 窪み(保持部)
39 反射面
40 軸保持部
50 ピエゾ素子(圧電素子)
51 駆動軸
55 バレル
L1〜L4 レンズ
70 軸保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に、内部にレンズを保持するレンズ保持部材が前記レンズの光軸方向に移動可能に設けられ、
前記筐体および前記レンズ保持部材の一方に、圧電素子および当該圧電素子に固定され当該圧電素子の振動を受ける駆動軸が、前記レンズの光軸方向に前記駆動軸の長手方向が沿うように固定され、
前記筐体および前記レンズ保持部材の他方に、前記駆動軸を摺動可能な状態で保持する軸保持部が設けられている駆動装置であって、
前記レンズ保持部材に、オートコリメータからのレーザ光を反射する反射面が設けられていることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記反射面は、前記レンズ保持部材の外周部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記レンズ保持部材には、当該レンズ保持部材を保持可能な保持部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記レンズ保持部材は、内部にレンズを保持するバレル装着されるバレルホルダであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動装置と、
前記レンズを介して入力する像を撮像する撮像手段と、
を備えていることを特徴とするカメラモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載のカメラモジュールを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
筐体内に、内部にレンズを保持するレンズ保持部材が前記レンズの光軸方向に移動可能に設けられ、
前記筐体および前記レンズ保持部材の一方に、圧電素子および当該圧電素子に固定され当該圧電素子の振動を受ける駆動軸が、前記レンズの光軸方向に前記駆動軸の長手方向が沿うように固定され、
前記筐体および前記レンズ保持部材の他方に、前記駆動軸を摺動可能な状態で保持する軸保持部が設けられている駆動装置の製造方法であって、
前記レンズ保持部材にレーザ光を反射する反射面を設け、この反射面にオートコリメータからレーザ光を反射させつつ、前記レンズ保持部材を動かして、前記レンズ保持部材の傾きの調整を行い、その後前記レンズ保持部材の位置を固定する、
ことを特徴とする駆動装置の製造方法。
【請求項8】
前記反射面を、前記レンズ保持部材の外周部に設けることを特徴とする請求項7に記載の駆動装置の製造方法。
【請求項9】
前記レンズ保持部材に、当該レンズ保持部材を保持可能な保持部を設け、この保持部を保持して前記レンズ保持部材を動かすことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の駆動装置の製造方法。
【請求項10】
前記レンズ保持部材は、内部にレンズを保持するバレル装着されるバレルホルダであることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の駆動装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2013−76944(P2013−76944A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218221(P2011−218221)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】