駆動装置並びにそれを有する雲台装置及びレンズ装置
【課題】 少ない部品数で原点検出と回転検知を実現し、原点検出と位置復帰を短時間で実行可能な駆動装置並びにそれを有する雲台装置及びレンズ装置を提供する。
【解決手段】 被駆動部を駆動する駆動部、駆動部を制御する制御部、複数の第1、2領域を有し第1、2領域が交互に有する被検出部、第1、2領域を検出する検出部を備え、被検出部は、移動方向における基準位置に対し、一方では、第1領域の中で相対的に狭幅の複数の第1領域と、一方の第1領域より広幅で互いに異なる複数の第2領域を有し、他方では、第2領域の中で相対的に狭幅の複数の第2領域と、他方の第2領域より広幅で互いに異なる複数の第1領域を有し、駆動装置が、特定位置へ移動させる際、制御部は駆動部を制御し、動作開始時において検出部で検出される領域に応じた方向に被駆動部を駆動し、検出領域の変化後、該領域のまま被駆動部が所定量以上移動すると駆動方向を反転する。
【解決手段】 被駆動部を駆動する駆動部、駆動部を制御する制御部、複数の第1、2領域を有し第1、2領域が交互に有する被検出部、第1、2領域を検出する検出部を備え、被検出部は、移動方向における基準位置に対し、一方では、第1領域の中で相対的に狭幅の複数の第1領域と、一方の第1領域より広幅で互いに異なる複数の第2領域を有し、他方では、第2領域の中で相対的に狭幅の複数の第2領域と、他方の第2領域より広幅で互いに異なる複数の第1領域を有し、駆動装置が、特定位置へ移動させる際、制御部は駆動部を制御し、動作開始時において検出部で検出される領域に応じた方向に被駆動部を駆動し、検出領域の変化後、該領域のまま被駆動部が所定量以上移動すると駆動方向を反転する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動部を有する駆動装置に関し、特に位置を検出することが可能である駆動装置、当該駆動装置を有する雲台及びレンズ装置、当該駆動装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コストダウンを実現するためにエンコーダやポテンショメータなどの位置検出機能をもたず、オープンループ制御を行う機器が知られている。その中でも、プリンタや監視カメラなどのように、基準点を認識する必要があるために、オープンループ制御を基本としつつ簡易的な位置検出機構をもつ機器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、中心のスケーリング部には透光部と遮光部を所定の幅で交互に配置し、端部と原点部ではスケーリング部とは異なる幅にすることで、端と原点を検出するプリンタヘッドの例が開示されている。また、特許文献2では、回転を検知する部分では遮光部と透過部が一定間隔で交互に配置され、端部では回転を検知する部分とは異なる形状にすることで、端と回転を検知するレンズ鏡筒回転型撮像装置の例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3484289号公報
【特許文献2】特開2009−65298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、スケーリング部は一定の微小目盛状に形成されているために、スケーリング部では現在位置を把握することができない。このため、原点を検出する際には、最大で全域を動作させる必要があり、原点検出に時間がかかってしてしまうという問題があった。さらに、外力によってプリンタヘッドが動作された場合や光学センサにノイズが印加された場合のように、一度位置を見失ってしまった際には、原点まで動作させないと正確な位置を把握できず、位置の復帰に時間がかかってしまうという問題があった。特許文献2に開示された従来技術でも、特許文献1の場合と同様に、初期化時の原点検出に時間がかかってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、被駆動部の特定位置への移動を短時間で実行することを可能にした駆動装置、当該駆動装置を有する雲台装置及びレンズ装置、当該駆動装置の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の駆動装置は、被駆動部を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、を備える駆動装置であって、前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動して移動し、該検出部との相対移動方向における該被検出部の所定の基準位置に対し、一方の側に配置された該複数の第1の領域の幅は互いに異なるとともに他方の側に配置された該複数の第1の領域の幅よりも大きく、該他方の側に配置された該複数の第2の領域の幅は互いに異なるとともに該一方の側に配置された該複数の第2の領域の幅よりも大きく、前記駆動装置が、前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードで動作する際、前記制御部は前記駆動部を制御することにより、前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動し、前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化後の領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させることにより、前記被駆動部を特定位置へ移動させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被駆動部の特定位置への移動を短時間で実行することを可能にした駆動装置、当該駆動装置を有する雲台装置及びレンズ装置、当該駆動装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のカメラ架台の斜視図である。
【図2】実施例1の駆動部の概略図である。
【図3】実施例1の駆動部のブロック図である。
【図4】Aは実施例1のセンサスリット形状、及びBはセンサスリット形状の各領域の端部の角度を示す表である。
【図5】実施例1の回転検知センサの出力信号の例である。
【図6】実施例1の状態遷移図である。
【図7】実施例1の領域未確定状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図8】実施例1の原点探索状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図9】実施例1の通常動作状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図10】Aは実施例2のセンサスリット形状、及びBはセンサスリット形状の各領域の端部の角度を示す表である。
【図11】実施例2の領域未確定状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図12】実施例3の駆動部のブロック図である。
【図13】実施例3の駆動部の概略図である。
【図14】Aは実施例3のセンサスリット形状、及びBはセンサスリット形状の各領域の端部の角度を示す表である。
【図15】実施例3の回転検知センサと端検知センサの出力信号の例である。
【図16】実施例3の領域未確定状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図17】実施例4の駆動部のブロック図である。
【図18】実施例4の状態遷移図である。
【図19】実施例4の領域位置登録状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の第1の実施例である位置検出機能を有する駆動装置について説明する。図1は本発明の実施形態にかかわるカメラ架台の斜視図である。便宜上、チルト駆動部の内部構造が見える図としている。また、図1に示したカメラ架台の駆動部を異なる二つの方向から模写した概略図を、ウォームホイール13の軸方向から見た図を図2Aに、ウォームホイール13の軸に垂直な方向から見た図を図2Bに示す。
【0012】
カメラ架台は、台座部1、ヘッド部2、ハウジング部3から構成されている。設置場所に固定された台座部に対して、ヘッド部がパン方向、ハウジング部がチルト方向に回転することで、ハウジング内部に構成されたカメラの向きが変化し、取得する映像の画角を変化させることができる。駆動部は主要な構成として、機器を回転させるためのモータ11とウォーム12とウォームホイール13とモータ制御部21を有し、これら主要な構成以外の構成としては、回転角を制限するためのピン14とストッパ15を有する。モータを回転させると、ウォーム、ウォームホイールが回転することで、ウォームホイールと同軸上にある機器が回転する。ピンは機器と共に回転し、ストッパはヘッド部に対して固定されてウォームホイールと共に回転しないため、機器がある角度回転すると、ピンがストッパに当接し、それ以上回転しないように回転角が制限されている。さらに、機器の回転を検知するための(固定された)回転検知センサ16の検出エリア上を、回転部材であるセンサスリットが移動(通過)することで、回転を検知することができる。
【0013】
次に、図3に示した駆動部に関する構成を簡略化したブロック図を用い、駆動部を回転させる際の処理について説明する。以下、モータはステッピングモータを使用するものとする。
【0014】
CPU20は指定の速度でモータが回転するように、モータ制御部21に対して回転速度に応じた周波数のパルス(駆動制御信号)を送る。モータ制御部はCPUからのパルスの周波数に合わせて、ステッピングモータを回転させる。すなわち、CPU20は、駆動部を駆動するための駆動制御信号を出力する駆動制御部としての役割を果たす。ステッピングモータ(駆動部)が回転することによって、ウォームホイールと共に被駆動部である機器が回転し、該駆動部と該被駆動部の相対移動に連動してセンサスリットも回転する。CPUは、CW方向(図において、時計周り方向。以下同じ)に動作させた際には出力したパルス数を加算し、CCW方向(図において、反時計周り方向。以下同じ)に動作させた場合には減算することによって、ある原点(特定位置)からの動作パルス数Ppositionを駆動量として管理する。1パルスあたりに機器およびセンサスリットが回転する角度Δθpulseは、モータ固有のパラメータやモータ制御部の設定等によって決定されるため、CPUはこのパルス数によって現在の原点(特定位置)からの角度を知ることができる。
【0015】
回転検知センサの被検出部であるセンサスリットの例として、図4Aにセンサスリットの形状を表し、図4Bにその形状の各々の領域AxのCCW方向側の端部の角度(゜)(「CCW境界」)、CW方向側の端部の角度(゜)(「CW境界」)、角度幅θx(゜)および回転検知センサの出力レベルを示した表である。センサスリットは透明な部材に黒インクで印刷すること等によって、2つの領域を形成する。一方を第1の領域である光を透過しない(光を遮断する)遮光部と、他方を第2の領域である透明な(光を透過する)透光部として、動作方向である回動方向において交互に形成する。遮光部と透光部は動作方向において一様に等間隔で配列されるものではなく、複数の遮光部と複数の透光部のうち、少なくとも一方は2種類以上の幅を有している。本実施例では、遮光部である領域Axにおいて同一の角度幅θxを有するものはない。また、透光部である領域Axにおいて同一の角度幅θxを有するものがないように割り振られている(本実施例においては、遮光部と透光部は回動方向に形成されているので、ここでいう幅とは角度幅と同意である)。
【0016】
センサスリットが回転すると、回転検知センサに使用されているフォトインタラプタ上のセンサスリットが遮光部と透光部で切り替わるため、センサの出力レベルが変化する。図5に、CCW方向の端(センサスリットをCW方向に回転した時の端部)からCW方向の端(センサスリットをCCW方向に回転した時の端部)に一定速度で移動するように回転させた場合の、回転検知センサの出力信号を示す。回転検知センサ上のセンサスリットが、遮光部の場合にはHレベル、透光部の場合にはLレベルが出力され、回転検知センサは領域検出センサとして使用される。CPUはこの回転検知センサからの出力信号と、CPU20が出力したパルス数から計算される角度を比較することで、指令どおりに機器が回転しているかどうかを検知することができる、誤動作検知手段としての役割も有する。
【0017】
本実施例においては、ステッピングモータが回転することによって、ウォームホイールと共に機器が回転し、被検出部であるセンサスリットが連動して回転する場合を例示したが、本発明はこれに限定されることはない。検出部である回転検出センサを被検出部であるセンサスリットに対して連動して移動させるようにしても同様の効果を得ることができる。
【0018】
ここで、センサスリットの形状の詳細について説明する。設計上、ある領域AxのCCW境界からCW境界まで回転動作するために必要なCPUの出力パルス数Pxは、角度幅θxと1パルスあたりに進む角度Δθpulseから以下のように決定することができる。
Px=θx/Δθpulse
しかしながら、このPxは、実際にある領域AxをCCW境界からCW境界まで動作させた際のCPUの出力パルス数PcountとはΔPの差が生じる。
ΔP=Pcount−Px
【0019】
この差ΔPが生ずる主な要因は、回転検知センサとセンサスリットの取り付け誤差に起因する相対位置のずれであり、ΔPに相当する角度Δθの内のΔθpositionがこの相対位置ずれに起因する。そのほかにも、フォトインタラプタの検出精度Δθsensorや、遮光部の印刷精度Δθprintが原因として挙げられる。
Δθ=Δθposition+Δθsensor+Δθprint+・・・
このため、センサスリットの形状は、最少角度幅θminをΔθの2倍よりも大きく、各領域とそれ以外の領域との差もΔθの2倍よりも大きくなるようにする。
θmin>2×Δθ
|θx−θy|>2×Δθ (x≠y)
【0020】
このようにセンサスリットを設計することで、CPU(位置特定手段)は、Pcountを測定し、設計値Pxとの差が±Δθよりも小さい領域Axを見つけることで、現在、領域Axに位置しているかことを特定することができる。また、センサスリットのCW端(CW方向側の端部)とCCW端(CCW方向側の端部)においては、遮光部同士、又は、透光部同士が隣接することにならないものとする。また、端(CW端とCCW端)に接している領域(A1およびA16)の角度幅θ1及びθ16は最も広い角度とする。その角度は、遮光部、透光部ともに、2番目に角度幅の広い領域(A3およびA14)との差が、誤差Δθと、端の取り付け誤差Δθlimitと、モータが動作状態から停止するまでの角度Δθmotorとの和よりも大きくなるようにする。
θ1−θ3 > Δθ+Δθlimit+Δθmotor
θ16−θ14 > Δθ+Δθlimit+Δθmotor
【0021】
次に、電源投入後の処理の流れを、図6の状態遷移図をもとに説明する。電源投入後、領域未確定状態となり(S1)、図4のどの領域にいるかを判別するための領域特定動作を行う。領域を特定することでおおよその位置を知ることはできるが、この位置は設計上の位置から±Δθの誤差があると考えられるため、より精度良く位置を制御するために、次に原点探索処理を行う(S2)。原点探索処理を行い原点が確定したら、通常動作状態へと移行する(S3)。このように、電源投入時に必ず固定の原点(特定位置)を探索することで、一般的にΔθよりも十分小さい、検出器による誤差Δθsensorの範囲内で位置を特定することができる。通常状態において、モータエラーにより位置の特定ができなくなった場合には、再度領域未確定状態に移行し、領域特定動作を行う。領域が特定された際には、通常動作状態に戻る。
【0022】
以下、各状態における処理の詳細について説明する。
始めに、領域未確定状態におけるCPUの領域特定処理の流れについて、図7のフローチャートを基に説明する。まず、CPUは回転検知センサにより検出される信号のレベルによって、現在遮光部が位置しているかどうか(回転検知センサの位置には遮光部が位置しているのか)を判別する(S101)。遮光部が位置している場合にはCCW方向(S102)、遮光部にいない場合にはCW方向に動作を行う(S103)。モータを動作させた後、回転検知センサの出力レベルが1度切り替わった後に(S104)、現在の領域でのCPUからの出力パルス数Pcurrentをクリアする(S105)。その後、モータはそのまま動作させ、回転検知センサの出力が再度切り替わるまで(S106)もしくは2番目に角度幅の広い領域θmax2とΔθの和に相当するパルス数Pmax2_d以上になるまでモータを動作させたかを監視する(S107)。PcurrentがPmax2_dよりも大きくなる前に、回転検知センサの出力レベルが再度切り替わった場合には、PcurrentがPxとの誤差が±Δθ以内である領域Axを探す。また、測定した領域が遮光部か透光部かの情報と併せて判断することで、現在、センサスリットのどの領域にいるかを確定することができる(S108)。
【0023】
一方、PcurrentがPmax2_dよりも大きくなった場合には、端に接している最も広い領域であると判断することができるため、回転検知センサの出力から得られる遮光部か透光部かの情報と併せて判断することで、現在の領域を確定することができる。こうすることで、例えば電源投入時の領域がA2であった場合、A1のCW境界からCW方向へ動作させることになるが、Pmax2_d以上動作させた段階で、現在A1にいることが判明する。また、その位置から端までは、前述の端に接している領域の条件から、Δθmotor以上の角度があるため、端に当たることなく、モータを停止することができる。
【0024】
図7のS101〜S103では、現在位置が遮光部であるか透光部であるか応じて、最初にセンサスリットを駆動する方向を決定した(駆動方向決定ステップ)。これは、センサスリットの駆動によって端に当接させないようにするためである。すなわち、端部であるA1とA16の領域の特性(遮光部であるか透光部であるか)を考慮し駆動方向を決定する。A1の特性を有する領域(遮光部)にある場合はCCW方向に駆動させ、A16の特性を有する領域(透光部)にある場合はCW方向に駆動させすることにより、端近傍から駆動しても、端に向けて駆動し始めることはなく、端に当接することを防止できる。さらに、センサスリットは、遮光部の領域の中で相対的に幅の大きい遮光部と、遮光部の領域の中で相対的に幅の小さい遮光部とがそれぞれ、基準位置を挟んで異なる側に構成されている。これにより、反転が必要となる可能性を下げて、より効率的な領域特定処理をすることが可能となる。
【0025】
次に、原点探索状態における原点検出処理の流れについて、図8のフローチャートをもとに説明する。まず、上記の領域特定処理によって特定された現在の領域から、原点方向に動作しているかどうかを判別し(S201)、端方向に動作している際には動作を反転させる(駆動方向反転動作をさせる)ことによって、原点方向に動作させる(S202)。回転検知センサの出力レベルが切り替わることで現在の領域が切り替わったことを検知することができるため、ある特定の領域の境界を検知することができる。また、当該境界を検知することと、CPUからの出力パルス数Pcurrentと、回転検知センサにより検出される信号のレベルとを併せて判断することで、原点へ移動されたときに回転検出センサの検出位置に位置するセンサスリット上の位置として、ある特定の領域の境界(図4においてはA8とA9との境界)に設定された基準位置を判別することができる(S203)。基準位置を通過させた後、モータの動作方向がCW方向であるかを判断し(S204)、CW方向であった場合は、位置データPpositionをクリアし(S207)、原点検出処理を終了する。一方、動作方向がCCW方向であった場合は、CW方向に駆動方向を反転動作させ(S205)、再度原点を通過するまで動作し(S206)、基準位置を通過した場合には、位置データをクリアして原点検出処理を終了する。このように、必ず決まった方向から基準位置を通過させて位置データを補正することによって、フォトインタラプタの方向性に起因する位置データの誤差を防ぐことができ、より高い精度で基準位置を検出することができる。
【0026】
最後に、通常動作状態における処理の流れについて、図9のフローチャートをもとに説明する。まず、通常動作状態において、CPUは回転検知センサの出力レベルが変化するかを常に監視する(S301)。出力レベルが変化していない場合には、ステップS302に進み、現在位置のパルス数Ppositionから、変化すべき状態であるかを判別する。変化すべき状態でない場合には、問題が無い状態であると判断し、再度ステップS301の出力レベルの監視状態に戻り、処理を繰り返す。一方、ステップS302においてPpositionによって回転検知センサの出力レベルが変化すべき状態であると判断される場合、例えばモータが動作中であるが外力によってカメラ架台が回転していないような状態の場合には、ステップS305に進みモータエラー状態とする。この状態は、一方向に動作させている際には、現在の領域Axの全域動作パルス数Pxに、Δθに相当するパルス数ΔPを加えたパルス数よりも動作させても出力レベルが変化しない場合に該当するとして判断することができる。また、領域Axの間で駆動方向を反転動作させた際には、直前に出力レベルが切り替わったパルス数よりもΔP以上戻っても出力レベルが変化しない場合に該当するとして判断することができる。
【0027】
一方、ステップS301において、出力レベルが切り替わった場合には、ステップS303に進み、Ppositionから出力レベルが切り替わるべき位置であるかどうかを判別する。モータを動作中で、出力レベルが切り替わるべきパルス数との誤差がΔPよりも小さい場合には、正常に動作していると判断し、ステップS304に進み現在の領域を変更する。一方、ステップS303において、モータが動作中では無いが、外力が加えられることでカメラ架台が回転した場合など、出力レベルが変化するべき状態ではない(正常に駆動していない)と判断された場合には、ステップS305に進みモータエラーに移行する。モータエラーとなった場合には、前述の領域未確定状態へと移行し、一定時間後に前述の領域特定処理を行うことで、外力によって一時的にモータが動作不良となった場合でも、位置を補正することができる。
【0028】
本実施例では、カメラ架台における円形のセンサスリットを使用した回転動作について記述したが、本実施例の派生するシステムとして、プリンタヘッドの動作のような直線動作についても同様に適用することができる。即ち、検出されるべき被検出部の領域検出センサに対する回転角(動作方向における変位量)が被駆動部の駆動量と対応するように、被検出部と領域検出センサを設置することにより、回動駆動装置だけでなく、直進駆動装置に対しても本発明を適用することができる。本発明においては、センサスリットのように検出されるべき被検出部の、回転検知センサのようにセンサスリット上の2つの領域を検出する領域検出センサに対する、動作方向における変位量が、被駆動部の駆動量に対応するように被検出部と領域検出センサを設置して、回動駆動装置に対して本発明を適用した。しかし、本発明は、回転駆動装置への適用に限らず、例えば、検出されるべき被検出部の域検出センサに対する変位距離(動作方向における変位量)が被駆動部の駆動量に対応するように、被検出部と領域検出センサを設置することにより、直進駆動装置に対しても本発明を適用することができる。
【0029】
また、光検出素子であるフォトインタラプタによる回転検知センサと遮光部と透光部で構成されたセンサスリットを使用したが、フォトリフレクタと反射部と非反射部で構成されたセンサスリットによって実現してもよい。その他、スイッチを使用するなど、駆動部が回転した際に検出信号が切り替わるものであればどのようなものでも良い。
【0030】
センサスリットの形状も図4のような端から端にかけて徐々に角度が変化する物である必要はなく、上記の条件を満たすものであれば、どのような形状のものでも良い。遮光部と透光部の角度も一例に過ぎず、実施例のように遮光部と透光部を対称に配置する必要もなく、上記の条件を満たすものであればどのようなものでも良い。
センサスリットの形状としては、複数の遮光部の中で最も幅が大きい遮光部(最大遮光部、最大第1の領域)と、複数の透光部の中で最も幅が大きい透光部(最大透光部、最大第2の領域)とがそれぞれ、被駆動部としての機器が原点(特定位置)へ移動されたときに検出位置に位置するセンサスリット上の基準位置を挟んで異なる側であり、且つ、基準位置から最も離れた位置に構成されている。
また、原点検出の際に最終的に必ずCW方向で基準位置を通過するようにしたが、CCW方向で基準位置を通過して原点検出するようにしても良い。基準位置の場所も、端から180°の位置としたが、どの位置に設定しても良い。
【0031】
さらに、モータエラーからの復帰方法は、一定時間後に自動で行うとしたが、次に動作をさせた際に、領域特定動作の判断に基づいて判断し、領域を確定できた際に位置を補正するようにしても良い。
【0032】
以上の方法によって、端に当たることなく基準位置を検出する動作を、全周動作させることなく行うことができるため、素早く初期化動作を行うことができる。また、検出器にノイズが入った際や、外力によってモータが一時的に正常に動作しなかった場合でも、全周動作させること無く、より少ない動作で位置を復帰させることができる。また、これらの効果を、より簡単な構成で得ることができる。
【実施例2】
【0033】
以下、本発明の第2の実施例について説明する。
構成は、図1〜3に記述した実施例1と同様である。実施例1とはセンサスリットの形状が異なり、その例を図10A、10Bに示す。本実施例においても、第1の領域である光を透過しない遮光部と、第2の領域である透明な(光を透過する)透光部を、動作方向である回動方向において交互に形成する。また、遮光部と透光部は動作方向において一様に等間隔で配列されるものではなく、複数の遮光部と複数の透光部のうち、少なくとも一方は2種類以上の幅を有している。第2の実施例においては、基準位置よりもCW方向では遮光部(A13,A15,A17,A19,A21,A23)を誤差Δθの2倍よりも大きい一定の角度θminとし、透光部(A14,A16,A18,A20,A22,A24)を各々その他の領域の角度幅との差がΔθの2倍よりも大きく、かつ、互いに異なる角度とする。基準位置よりもCCW方向では透光部(A2,A4,A6,A8,A10,A12)と遮光部(A1,A3,A5,A7,A9,A11)の条件が逆としたものとして形成する。なお、ここで基準位置とは、遮光部及び透光部からなるセンサスリット上の、遮光部及び透光部が形成されるパターンが変化する境界のことをいい、センサスリット上の位置(センサスリット上の位置に対応する被駆動部の位置)を規定する際の基準となる原点(特定位置)とは異なる。本実施例においては、同じ位置を基準位置且つ原点として設定しているが、基準位置と原点を互いに異なる位置に設定してもよい。
端に接している領域A1及びA24の角度幅θ1及びθ24は、θminと誤差Δθと端の取り付け誤差Δθlimitとモータが動作状態から停止するまでの角度Δθmotorの和よりも大きいものとする。
θ1 > θmin+Δθ+Δθlimit+Δθmotor
θ24 > θmin+Δθ+Δθlimit+Δθmotor
【0034】
全体の処理の流れは図6に示した実施例1と同様であるが、図7に示した領域未確定状態の領域特定処理(特定位置移動モード)におけるS106〜S108の処理が異なるため、その部分の処理を図11のフローチャートに示す。
まず、実施例1と同様にS101からS104の処理を行い、一度、回転検知センサの出力レベルが切り替わるまで動作させ、切り替わった際にはステップS105へ進み、現在の領域における移動量Pcurrentをクリアする。その後、モータをそのまま動作させ、再度出力レベルが切り替わるまで(S106においてYになるまで)、もしくは、Pcurrentが最小角度幅θminに誤差Δθを加えた角度に相当するパルス数Pmin_dよりも大きくなるまで(S104で検出領域の変化後の領域が検出されたまま、所定量以上被駆動部が移動するまで(S121においてYになるまで))動作を行う。ステップS121において、PcurrentがPmin_dよりも大きい場合には(S121においてYの場合には)、原点方向ではなく、端方向に動作していることが判別できるため、ステップS122に進み駆動方向反転動作を行い、ステップS123に進む。
ステップS123では、回転検知センサの出力レベルが切り替わるまで回転を続け、出力レベルが切り替わるとステップS124に進む。
【0035】
ステップS106において出力レベルが再度切り替わった際には、ステップS124に進み、移動量Pcurrentをクリアする。ステップS124に処理が進む場合は、センサスリットがCCW方向に回転中で、回転検知センサで検知している位置が、A2からA3へ、または、A4からA5へ、A6からA7へ、A8からA9へ、A10からA11へ、A12からA13へ、移行した直後である。もしくは、センサスリットがCW方向に回転中で、回転検知センサで検知している位置が、A23からA22へ、または、A21からA20へ、A19からA18へ、A17からA16へ、A15からA14へ、A13からA12へ、移行した直後である。ステップS124へ進む時点において、原点方向への動作中であることが確認されたことになる。この状態で、図8に示した原点検出処理を実施することによって、高い精度で原点を検出することが出来る。ステップS101からS122までは、基準位置へ向けての駆動方向を決定する駆動方向決定ステップとして位置づけられる。
【0036】
さらに、もう一度センサを通過するまで動作させることにより、現在の領域を特定することもできる。そのための処理がS123からS127である(領域確定ステップ)。現在の領域における移動量Pcurrentをクリアする(S124)。S125では、モータをそのまま動作させ、回転検知センサの出力レベルが切り替わるまで(S125においてYになるまで)動作を行う。出力レベルが切り替わった場合には、ステップS126へ進む。ステップS126では、PcurrentがPmin_dよりも大きくない場合にはステップS124へ戻り、大きい場合はステップS127へ進み、図10Bをもとに実施例1と同様の方法で領域を確定することができる。そして、領域を確定した後はステップS128へ進み、領域特定処理を終了する。
【0037】
つまり、図11のフローチャートにおける処理を概括すると、特定位置移動モードでの動作開始時において回転検知センサにより検出される領域に応じて決定される駆動方向に、機器を駆動する(S102,S103)。回転検知センサにより検出される領域が変化した後(S104においてY)、変化した領域が検出されたまま機器が所定量以上移動した場合には(S121においてY)、機器の駆動方向を反転させる(S122)。それにより、最少角度θminの領域を横切った後の領域の幅(角度)を計測し、図10Bの表に示すデータに基づいてその領域を特定している。本実施例のセンサスリットは、回転検知センサの相対移動方向におけるセンサスリット上の所定の基準位置(原点)に対し、一方の側(CW方向側)では、全遮光部は所定の最小の角度幅θminを有し、透光部は最小の角度幅θminより大きく互いに異なる幅を有する。また、他方の側(CCW方向側)では、全透光部は所定の最小の角度幅θminを有し、遮光部は最小の角度幅θminより大きく互いに異なる幅を有する。
このように最少角度θminの領域を複数入れることで、θminの2倍と誤差Δθの和に相当する動作のみを行うことで、基準位置方向と端方向のどちらに動作しているかが判明するため、より素早く基準位置方向に移動しているか否かを判断することができる。また、端に接している領域については、範囲がθminとモータが停止するのに必要なΔθmotorの和よりも大きければ良いため、より小さい領域でも端に当てることなく領域を確定することができる。
【0038】
また、センサスリット上の遮光部と透光部の構成の方法は、基準位置に対して一方の側における遮光部(透光部)(他方の側における透光部(遮光部))の幅は全てが所定の最小の幅θminである必要はない。センサスリットは、回転検知センサとの相対移動方向におけるセンサスリットの所定の基準位置に対し、一方の側では、複数の遮光部の中で相対的に幅が小さい複数の遮光部と、一方の側の複数の遮光部より広幅で互いに異なる幅を有する複数の透光部を有し、他方の側では、複数の透光部の中で相対的に狭幅の複数の透光部と、他方の側の複数の透光部より広幅で互いに異なる幅を有する複数の遮光部とを有するように構成してもよい。しかし、より素早く基準位置方向に移動しているか否かを判断するために、上記実施例で例示したように、基準位置に対して一方の側に遮光部が所定の最小の幅であり、他方の側に透光部が所定の最小の幅を有するように構成されることがより好ましい。
本実施例の派生するシステムは、実施例1に記載した派生するシステムと同様である。
【0039】
以上の方法によって、実施例1と同様の効果に加えて、基準位置よりどちらの方向にいるかをより少ない動作量で判別することが可能になるため、より早く基準位置を検出することができ、より素早く初期化動作を行うことができる。また、領域の数を増やすことができるため、外力によって動作が停止してしまっているような状態をより早く検知することができる。また、端に接している部分が最も広い角度の領域である必要がないため、センサスリットの形状や端の位置をより柔軟に選択することができる。
【実施例3】
【0040】
以下、本発明の第3の実施例について説明する。
【0041】
駆動部を異なる二つの方向から模写した図であって、ウォームホイール13の軸方向から見た図を図12A、12Cに、ウォームホイール13の軸に垂直な方向から見た図を図12Bに示す。実施例1の図2A,2Bと比較し、ストッパ15が変更され、端遮蔽板18と端検知センサ19から構成される端検出手段が追加されている。通常状態では、図12Aに表すように、端遮蔽板が端検知センサとして構成されているフォトインタラプタの検出エリアを遮った状態となっている。一方、所定の角度の範囲外へ回転させると、図12Cに表すように、端遮蔽板がピンに押されることによって回転し、端検知センサが透光状態となる。
【0042】
図13に駆動部の構成を簡略したブロック図を示す。図13は実施例1の図3と比較し、端検知センサ用のフォトインタラプタと端遮蔽板が追加され、端検出センサの信号をCPUが検出できるようになっている。
【0043】
図14Aにセンサスリットの形状の例を、図14Bにセンサスリット形状の各領域の端部の角度を示す表を、図15にCCW方向の端(センサスリットをCW方向に回転した時の端)からCW方向の端(センサスリットをCCW方向に回転した時の端)に一定の速度で回転させた際の回転検知センサと端検知センサの出力信号を示す。図14Aのセンサスリットの形状は実施例2の図10と同様であるが、端位置が異なるため、領域の割り振りが異なる。前述のように端付近まで動作させると、遮蔽板が押され端検知センサが透光状態となり、出力信号はLレベルとなる。端から離れると、端検知センサが遮光板によって遮光状態となり、出力信号はHレベルとなる。
【0044】
全体の処理の流れは図6に示した実施例1と同様であるが、領域未確定状態の領域特定処理が異なるため、図16にそのフローチャートを示す。
【0045】
まず、CPUは端検知センサの信号を検出する(S131)。端検知センサがHレベルの場合には、実施例1、2と同様に、回転検知センサの信号から遮光部かどうかを判別し(S101)、遮光部であった場合にはCCW方向(S102)、遮光部でなかった場合にはCW方向に動作させ(S103)、ステップS135に進む。
ステップS135では、端検知センサの出力がHレベルからLレベルに変化したかどうかを判断する。HレベルからLレベルに変化した場合は、回転範囲の最端部の領域にあることと端方向に動作していることが判断出来るため、ステップS136に進み、駆動方向反転動作を行い、ステップS127に進む。HレベルからLレベルへの変化を検知しない場合はステップS104に進む。ステップS104以降は、実施例2の図11と同様の処理を行うことで、領域を確定することができる。尚、ステップS104でNoの判定の場合、及び、ステップS122終了後は、ステップS104にではなくステップS135に戻る点が、実施例2の図11のステップS104以降の処理と異なる。
一方、端センサがLレベルの場合には、回転検知センサの信号を検知し(S132)、遮光部であった場合にはCW方向(S133)、遮光部でなかった場合にはCCW方向に動作させ(S134)、端センサがLレベルの場合は回転検知センサの信号で遮光部か透光部かを確認するのみで領域を特定できるので、S127に進む。
【0046】
本実施例の派生するシステムとして、端検知用のフォトインタラプタと端遮蔽板を使用する構成ではなく、バネの接続されたマイクロスイッチとスイッチを押すための部材を構成し、端付近になるとマイクロスイッチが押されるような構成にしても良い。その他、360°以上回転させると、検出信号が切り替わるような構成であればどのようなものでもよい。センサスリットの形状は、実施例2の場合と同様としたが、実施例1と同様にしても良いし、それぞれの派生するシステムに記述のとおり、条件に合うような形状であれば、どのようなものでも良い。
【0047】
以上の方法によって、簡易的な構造において360°以上の回転駆動範囲を有する動作を実現しつつ、実施例2と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0048】
以下、本発明の第4の実施例について説明する。
【0049】
図17は、本発明の第4の実施例における、駆動部にかかわる構成を簡略化したブロック図である。図17は、実施例1の図3と比較し、各領域に対応する位置データ(すなわち、駆動量)を記憶するための記憶手段であるメモリ22が追加されている。
【0050】
図18に、本発明の第4の実施例における状態遷移図を示す。図18は実施例1の図6と比較し、原点探索(S2)が削除され、領域位置登録(S4)が追加されている。
【0051】
電源投入時に、CPUはメモリの予め決められているアドレスのデータを読み込み、各領域の位置データが登録済みかどうかを判別する。位置データが登録済みであった場合には実施例1と同様に領域未確定状態となり領域の特定動作を行う。本実施例では原点探索が必要ないため、領域確定後は通常動作に移行する。通常動作時にモータエラーとなった場合には、実施例1と同様に領域未確定状態となり、再度領域確定動作を行う。一方、電源投入時に、位置データが未登録であった場合には、領域位置登録動作を行う。領域位置登録動作が完了すると、領域が確定するため、通常動作へ移行する。
【0052】
次に領域位置登録動作について図19のフローチャートに基づき説明する。領域位置登録動作開始時には、まず、手動又は端まで動作するのに十分な移動量だけモータを制御することによって、CW端まで移動させる(S401)。その後、CCW方向に動作させながら(S402)、回転検知センサの出力レベルが切り替わるかどうかを判別し(S403)、切り替わった際には、その位置を表すパルス数をメモリに登録する(S404)。この登録動作をCCW端に到達するまで繰り返し行う(S405)。CCW端まで到達した後、今度は逆方向に動作させ、同様に位置の登録を行う(S406〜S409)。こうすることで実施例1から3に記載の回転検知センサとセンサスリットの取り付け精度に依存する誤差Δθpositionを加味した、各領域の角度幅を表すデータを取得することができるため、より精度良く位置を特定することができる。このため、実施例1から3では、Δθの2倍以上としていた最少スリット角度および各領域との差は、ΔθsensorとΔθprintの和より大きければよいため、センサスリットの形状を細かくすることができる。また、領域が確定すれば、検出器の誤差Δθsensorの範囲で位置を特定することができるため、原点検出を行う必要が無くなる。
【0053】
本実施例の派生するシステムとして、本実施例ではCPUとは別にメモリを用意したが、CPUの内蔵メモリを使用しても良い。領域位置登録は1回のみでなく、通常動作状態において所定の条件を満たすと領域登録状態へ移行するようにしても良い。
【0054】
以上の方法によって、実施例1から3の効果に加えて、センサスリットの幅をより細かくすることが可能となり、外力による回転エラーを検知や領域の確定動作を、より少ない移動量で行うことが可能となる。また、初期化時には原点検出を行う必要が無く、領域確定動作のみで良いため、より素早く初期化動作を完了することができる。
【0055】
上記の実施例においては、被駆動部は回動動作をすることを例示して、本発明の駆動装置を説明してきたが、本発明は回動動作の駆動に限定されることはなく、直進動作をする駆動対象に対しても、同様の効果を得ることができる。つまり、第1の領域と第2の領域を動作方向である直進方向に交互に配列したセンサスリット(被検出部)を、被駆動部と共に駆動されるセンサによって検出する構成としても、本発明と同様の効果を得ることができる。
【0056】
上記の実施例のいずれかに記載した駆動装置を、撮像装置が搭載される雲台装置のパン・チルト機構の駆動装置に適用することができる。これにより、電源投入時などの初期化時において、広い角度でパン操作、及び、チルト操作をすることなく、狭い角度幅でパン・チルト動作をするのみで、迅速にパン角度・チルト角度の初期化処理を完了させることができる雲台装置を実現することができる。
【0057】
また、上記の実施例のいずれかに記載した駆動装置を、光軸方向に可動なレンズを含むレンズ装置の、レンズを光軸方向に駆動する機構の駆動装置として適用することができる。これにより、電源投入時などの初期化時において、広い移動範囲でレンズ駆動をすることなく、短い移動範囲でレンズ駆動するのみで、迅速にレンズ位置の初期化処理を完了させることができるレンズ装置を実現できる。この場合、適用する駆動装置は、レンズを光軸方向に駆動するための円筒カム機構の回転駆動装置に適用してもよいし、レンズの光軸方向への直進動作に対して本発明の駆動装置を適用してもよい。
また、上記の実施例のいずれにおいても、透光部と遮光部の両方共が互いに異なる2種類以上の幅(角度幅)を有するように構成したがこの限りではない。例えば、透光部は全て同じ幅とし、遮光部だけに互いに異なる幅を持たせるようにしても構わないし、勿論その逆でも構わない。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動部を有する駆動装置に関し、特に位置を検出することが可能である駆動装置、当該駆動装置を有する雲台及びレンズ装置、当該駆動装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コストダウンを実現するためにエンコーダやポテンショメータなどの位置検出機能をもたず、オープンループ制御を行う機器が知られている。その中でも、プリンタや監視カメラなどのように、基準点を認識する必要があるために、オープンループ制御を基本としつつ簡易的な位置検出機構をもつ機器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、中心のスケーリング部には透光部と遮光部を所定の幅で交互に配置し、端部と原点部ではスケーリング部とは異なる幅にすることで、端と原点を検出するプリンタヘッドの例が開示されている。また、特許文献2では、回転を検知する部分では遮光部と透過部が一定間隔で交互に配置され、端部では回転を検知する部分とは異なる形状にすることで、端と回転を検知するレンズ鏡筒回転型撮像装置の例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3484289号公報
【特許文献2】特開2009−65298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、スケーリング部は一定の微小目盛状に形成されているために、スケーリング部では現在位置を把握することができない。このため、原点を検出する際には、最大で全域を動作させる必要があり、原点検出に時間がかかってしてしまうという問題があった。さらに、外力によってプリンタヘッドが動作された場合や光学センサにノイズが印加された場合のように、一度位置を見失ってしまった際には、原点まで動作させないと正確な位置を把握できず、位置の復帰に時間がかかってしまうという問題があった。特許文献2に開示された従来技術でも、特許文献1の場合と同様に、初期化時の原点検出に時間がかかってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、被駆動部の特定位置への移動を短時間で実行することを可能にした駆動装置、当該駆動装置を有する雲台装置及びレンズ装置、当該駆動装置の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の駆動装置は、被駆動部を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、を備える駆動装置であって、前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動して移動し、該検出部との相対移動方向における該被検出部の所定の基準位置に対し、一方の側に配置された該複数の第1の領域の幅は互いに異なるとともに他方の側に配置された該複数の第1の領域の幅よりも大きく、該他方の側に配置された該複数の第2の領域の幅は互いに異なるとともに該一方の側に配置された該複数の第2の領域の幅よりも大きく、前記駆動装置が、前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードで動作する際、前記制御部は前記駆動部を制御することにより、前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動し、前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化後の領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させることにより、前記被駆動部を特定位置へ移動させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被駆動部の特定位置への移動を短時間で実行することを可能にした駆動装置、当該駆動装置を有する雲台装置及びレンズ装置、当該駆動装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のカメラ架台の斜視図である。
【図2】実施例1の駆動部の概略図である。
【図3】実施例1の駆動部のブロック図である。
【図4】Aは実施例1のセンサスリット形状、及びBはセンサスリット形状の各領域の端部の角度を示す表である。
【図5】実施例1の回転検知センサの出力信号の例である。
【図6】実施例1の状態遷移図である。
【図7】実施例1の領域未確定状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図8】実施例1の原点探索状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図9】実施例1の通常動作状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図10】Aは実施例2のセンサスリット形状、及びBはセンサスリット形状の各領域の端部の角度を示す表である。
【図11】実施例2の領域未確定状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図12】実施例3の駆動部のブロック図である。
【図13】実施例3の駆動部の概略図である。
【図14】Aは実施例3のセンサスリット形状、及びBはセンサスリット形状の各領域の端部の角度を示す表である。
【図15】実施例3の回転検知センサと端検知センサの出力信号の例である。
【図16】実施例3の領域未確定状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【図17】実施例4の駆動部のブロック図である。
【図18】実施例4の状態遷移図である。
【図19】実施例4の領域位置登録状態におけるCPUの処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の第1の実施例である位置検出機能を有する駆動装置について説明する。図1は本発明の実施形態にかかわるカメラ架台の斜視図である。便宜上、チルト駆動部の内部構造が見える図としている。また、図1に示したカメラ架台の駆動部を異なる二つの方向から模写した概略図を、ウォームホイール13の軸方向から見た図を図2Aに、ウォームホイール13の軸に垂直な方向から見た図を図2Bに示す。
【0012】
カメラ架台は、台座部1、ヘッド部2、ハウジング部3から構成されている。設置場所に固定された台座部に対して、ヘッド部がパン方向、ハウジング部がチルト方向に回転することで、ハウジング内部に構成されたカメラの向きが変化し、取得する映像の画角を変化させることができる。駆動部は主要な構成として、機器を回転させるためのモータ11とウォーム12とウォームホイール13とモータ制御部21を有し、これら主要な構成以外の構成としては、回転角を制限するためのピン14とストッパ15を有する。モータを回転させると、ウォーム、ウォームホイールが回転することで、ウォームホイールと同軸上にある機器が回転する。ピンは機器と共に回転し、ストッパはヘッド部に対して固定されてウォームホイールと共に回転しないため、機器がある角度回転すると、ピンがストッパに当接し、それ以上回転しないように回転角が制限されている。さらに、機器の回転を検知するための(固定された)回転検知センサ16の検出エリア上を、回転部材であるセンサスリットが移動(通過)することで、回転を検知することができる。
【0013】
次に、図3に示した駆動部に関する構成を簡略化したブロック図を用い、駆動部を回転させる際の処理について説明する。以下、モータはステッピングモータを使用するものとする。
【0014】
CPU20は指定の速度でモータが回転するように、モータ制御部21に対して回転速度に応じた周波数のパルス(駆動制御信号)を送る。モータ制御部はCPUからのパルスの周波数に合わせて、ステッピングモータを回転させる。すなわち、CPU20は、駆動部を駆動するための駆動制御信号を出力する駆動制御部としての役割を果たす。ステッピングモータ(駆動部)が回転することによって、ウォームホイールと共に被駆動部である機器が回転し、該駆動部と該被駆動部の相対移動に連動してセンサスリットも回転する。CPUは、CW方向(図において、時計周り方向。以下同じ)に動作させた際には出力したパルス数を加算し、CCW方向(図において、反時計周り方向。以下同じ)に動作させた場合には減算することによって、ある原点(特定位置)からの動作パルス数Ppositionを駆動量として管理する。1パルスあたりに機器およびセンサスリットが回転する角度Δθpulseは、モータ固有のパラメータやモータ制御部の設定等によって決定されるため、CPUはこのパルス数によって現在の原点(特定位置)からの角度を知ることができる。
【0015】
回転検知センサの被検出部であるセンサスリットの例として、図4Aにセンサスリットの形状を表し、図4Bにその形状の各々の領域AxのCCW方向側の端部の角度(゜)(「CCW境界」)、CW方向側の端部の角度(゜)(「CW境界」)、角度幅θx(゜)および回転検知センサの出力レベルを示した表である。センサスリットは透明な部材に黒インクで印刷すること等によって、2つの領域を形成する。一方を第1の領域である光を透過しない(光を遮断する)遮光部と、他方を第2の領域である透明な(光を透過する)透光部として、動作方向である回動方向において交互に形成する。遮光部と透光部は動作方向において一様に等間隔で配列されるものではなく、複数の遮光部と複数の透光部のうち、少なくとも一方は2種類以上の幅を有している。本実施例では、遮光部である領域Axにおいて同一の角度幅θxを有するものはない。また、透光部である領域Axにおいて同一の角度幅θxを有するものがないように割り振られている(本実施例においては、遮光部と透光部は回動方向に形成されているので、ここでいう幅とは角度幅と同意である)。
【0016】
センサスリットが回転すると、回転検知センサに使用されているフォトインタラプタ上のセンサスリットが遮光部と透光部で切り替わるため、センサの出力レベルが変化する。図5に、CCW方向の端(センサスリットをCW方向に回転した時の端部)からCW方向の端(センサスリットをCCW方向に回転した時の端部)に一定速度で移動するように回転させた場合の、回転検知センサの出力信号を示す。回転検知センサ上のセンサスリットが、遮光部の場合にはHレベル、透光部の場合にはLレベルが出力され、回転検知センサは領域検出センサとして使用される。CPUはこの回転検知センサからの出力信号と、CPU20が出力したパルス数から計算される角度を比較することで、指令どおりに機器が回転しているかどうかを検知することができる、誤動作検知手段としての役割も有する。
【0017】
本実施例においては、ステッピングモータが回転することによって、ウォームホイールと共に機器が回転し、被検出部であるセンサスリットが連動して回転する場合を例示したが、本発明はこれに限定されることはない。検出部である回転検出センサを被検出部であるセンサスリットに対して連動して移動させるようにしても同様の効果を得ることができる。
【0018】
ここで、センサスリットの形状の詳細について説明する。設計上、ある領域AxのCCW境界からCW境界まで回転動作するために必要なCPUの出力パルス数Pxは、角度幅θxと1パルスあたりに進む角度Δθpulseから以下のように決定することができる。
Px=θx/Δθpulse
しかしながら、このPxは、実際にある領域AxをCCW境界からCW境界まで動作させた際のCPUの出力パルス数PcountとはΔPの差が生じる。
ΔP=Pcount−Px
【0019】
この差ΔPが生ずる主な要因は、回転検知センサとセンサスリットの取り付け誤差に起因する相対位置のずれであり、ΔPに相当する角度Δθの内のΔθpositionがこの相対位置ずれに起因する。そのほかにも、フォトインタラプタの検出精度Δθsensorや、遮光部の印刷精度Δθprintが原因として挙げられる。
Δθ=Δθposition+Δθsensor+Δθprint+・・・
このため、センサスリットの形状は、最少角度幅θminをΔθの2倍よりも大きく、各領域とそれ以外の領域との差もΔθの2倍よりも大きくなるようにする。
θmin>2×Δθ
|θx−θy|>2×Δθ (x≠y)
【0020】
このようにセンサスリットを設計することで、CPU(位置特定手段)は、Pcountを測定し、設計値Pxとの差が±Δθよりも小さい領域Axを見つけることで、現在、領域Axに位置しているかことを特定することができる。また、センサスリットのCW端(CW方向側の端部)とCCW端(CCW方向側の端部)においては、遮光部同士、又は、透光部同士が隣接することにならないものとする。また、端(CW端とCCW端)に接している領域(A1およびA16)の角度幅θ1及びθ16は最も広い角度とする。その角度は、遮光部、透光部ともに、2番目に角度幅の広い領域(A3およびA14)との差が、誤差Δθと、端の取り付け誤差Δθlimitと、モータが動作状態から停止するまでの角度Δθmotorとの和よりも大きくなるようにする。
θ1−θ3 > Δθ+Δθlimit+Δθmotor
θ16−θ14 > Δθ+Δθlimit+Δθmotor
【0021】
次に、電源投入後の処理の流れを、図6の状態遷移図をもとに説明する。電源投入後、領域未確定状態となり(S1)、図4のどの領域にいるかを判別するための領域特定動作を行う。領域を特定することでおおよその位置を知ることはできるが、この位置は設計上の位置から±Δθの誤差があると考えられるため、より精度良く位置を制御するために、次に原点探索処理を行う(S2)。原点探索処理を行い原点が確定したら、通常動作状態へと移行する(S3)。このように、電源投入時に必ず固定の原点(特定位置)を探索することで、一般的にΔθよりも十分小さい、検出器による誤差Δθsensorの範囲内で位置を特定することができる。通常状態において、モータエラーにより位置の特定ができなくなった場合には、再度領域未確定状態に移行し、領域特定動作を行う。領域が特定された際には、通常動作状態に戻る。
【0022】
以下、各状態における処理の詳細について説明する。
始めに、領域未確定状態におけるCPUの領域特定処理の流れについて、図7のフローチャートを基に説明する。まず、CPUは回転検知センサにより検出される信号のレベルによって、現在遮光部が位置しているかどうか(回転検知センサの位置には遮光部が位置しているのか)を判別する(S101)。遮光部が位置している場合にはCCW方向(S102)、遮光部にいない場合にはCW方向に動作を行う(S103)。モータを動作させた後、回転検知センサの出力レベルが1度切り替わった後に(S104)、現在の領域でのCPUからの出力パルス数Pcurrentをクリアする(S105)。その後、モータはそのまま動作させ、回転検知センサの出力が再度切り替わるまで(S106)もしくは2番目に角度幅の広い領域θmax2とΔθの和に相当するパルス数Pmax2_d以上になるまでモータを動作させたかを監視する(S107)。PcurrentがPmax2_dよりも大きくなる前に、回転検知センサの出力レベルが再度切り替わった場合には、PcurrentがPxとの誤差が±Δθ以内である領域Axを探す。また、測定した領域が遮光部か透光部かの情報と併せて判断することで、現在、センサスリットのどの領域にいるかを確定することができる(S108)。
【0023】
一方、PcurrentがPmax2_dよりも大きくなった場合には、端に接している最も広い領域であると判断することができるため、回転検知センサの出力から得られる遮光部か透光部かの情報と併せて判断することで、現在の領域を確定することができる。こうすることで、例えば電源投入時の領域がA2であった場合、A1のCW境界からCW方向へ動作させることになるが、Pmax2_d以上動作させた段階で、現在A1にいることが判明する。また、その位置から端までは、前述の端に接している領域の条件から、Δθmotor以上の角度があるため、端に当たることなく、モータを停止することができる。
【0024】
図7のS101〜S103では、現在位置が遮光部であるか透光部であるか応じて、最初にセンサスリットを駆動する方向を決定した(駆動方向決定ステップ)。これは、センサスリットの駆動によって端に当接させないようにするためである。すなわち、端部であるA1とA16の領域の特性(遮光部であるか透光部であるか)を考慮し駆動方向を決定する。A1の特性を有する領域(遮光部)にある場合はCCW方向に駆動させ、A16の特性を有する領域(透光部)にある場合はCW方向に駆動させすることにより、端近傍から駆動しても、端に向けて駆動し始めることはなく、端に当接することを防止できる。さらに、センサスリットは、遮光部の領域の中で相対的に幅の大きい遮光部と、遮光部の領域の中で相対的に幅の小さい遮光部とがそれぞれ、基準位置を挟んで異なる側に構成されている。これにより、反転が必要となる可能性を下げて、より効率的な領域特定処理をすることが可能となる。
【0025】
次に、原点探索状態における原点検出処理の流れについて、図8のフローチャートをもとに説明する。まず、上記の領域特定処理によって特定された現在の領域から、原点方向に動作しているかどうかを判別し(S201)、端方向に動作している際には動作を反転させる(駆動方向反転動作をさせる)ことによって、原点方向に動作させる(S202)。回転検知センサの出力レベルが切り替わることで現在の領域が切り替わったことを検知することができるため、ある特定の領域の境界を検知することができる。また、当該境界を検知することと、CPUからの出力パルス数Pcurrentと、回転検知センサにより検出される信号のレベルとを併せて判断することで、原点へ移動されたときに回転検出センサの検出位置に位置するセンサスリット上の位置として、ある特定の領域の境界(図4においてはA8とA9との境界)に設定された基準位置を判別することができる(S203)。基準位置を通過させた後、モータの動作方向がCW方向であるかを判断し(S204)、CW方向であった場合は、位置データPpositionをクリアし(S207)、原点検出処理を終了する。一方、動作方向がCCW方向であった場合は、CW方向に駆動方向を反転動作させ(S205)、再度原点を通過するまで動作し(S206)、基準位置を通過した場合には、位置データをクリアして原点検出処理を終了する。このように、必ず決まった方向から基準位置を通過させて位置データを補正することによって、フォトインタラプタの方向性に起因する位置データの誤差を防ぐことができ、より高い精度で基準位置を検出することができる。
【0026】
最後に、通常動作状態における処理の流れについて、図9のフローチャートをもとに説明する。まず、通常動作状態において、CPUは回転検知センサの出力レベルが変化するかを常に監視する(S301)。出力レベルが変化していない場合には、ステップS302に進み、現在位置のパルス数Ppositionから、変化すべき状態であるかを判別する。変化すべき状態でない場合には、問題が無い状態であると判断し、再度ステップS301の出力レベルの監視状態に戻り、処理を繰り返す。一方、ステップS302においてPpositionによって回転検知センサの出力レベルが変化すべき状態であると判断される場合、例えばモータが動作中であるが外力によってカメラ架台が回転していないような状態の場合には、ステップS305に進みモータエラー状態とする。この状態は、一方向に動作させている際には、現在の領域Axの全域動作パルス数Pxに、Δθに相当するパルス数ΔPを加えたパルス数よりも動作させても出力レベルが変化しない場合に該当するとして判断することができる。また、領域Axの間で駆動方向を反転動作させた際には、直前に出力レベルが切り替わったパルス数よりもΔP以上戻っても出力レベルが変化しない場合に該当するとして判断することができる。
【0027】
一方、ステップS301において、出力レベルが切り替わった場合には、ステップS303に進み、Ppositionから出力レベルが切り替わるべき位置であるかどうかを判別する。モータを動作中で、出力レベルが切り替わるべきパルス数との誤差がΔPよりも小さい場合には、正常に動作していると判断し、ステップS304に進み現在の領域を変更する。一方、ステップS303において、モータが動作中では無いが、外力が加えられることでカメラ架台が回転した場合など、出力レベルが変化するべき状態ではない(正常に駆動していない)と判断された場合には、ステップS305に進みモータエラーに移行する。モータエラーとなった場合には、前述の領域未確定状態へと移行し、一定時間後に前述の領域特定処理を行うことで、外力によって一時的にモータが動作不良となった場合でも、位置を補正することができる。
【0028】
本実施例では、カメラ架台における円形のセンサスリットを使用した回転動作について記述したが、本実施例の派生するシステムとして、プリンタヘッドの動作のような直線動作についても同様に適用することができる。即ち、検出されるべき被検出部の領域検出センサに対する回転角(動作方向における変位量)が被駆動部の駆動量と対応するように、被検出部と領域検出センサを設置することにより、回動駆動装置だけでなく、直進駆動装置に対しても本発明を適用することができる。本発明においては、センサスリットのように検出されるべき被検出部の、回転検知センサのようにセンサスリット上の2つの領域を検出する領域検出センサに対する、動作方向における変位量が、被駆動部の駆動量に対応するように被検出部と領域検出センサを設置して、回動駆動装置に対して本発明を適用した。しかし、本発明は、回転駆動装置への適用に限らず、例えば、検出されるべき被検出部の域検出センサに対する変位距離(動作方向における変位量)が被駆動部の駆動量に対応するように、被検出部と領域検出センサを設置することにより、直進駆動装置に対しても本発明を適用することができる。
【0029】
また、光検出素子であるフォトインタラプタによる回転検知センサと遮光部と透光部で構成されたセンサスリットを使用したが、フォトリフレクタと反射部と非反射部で構成されたセンサスリットによって実現してもよい。その他、スイッチを使用するなど、駆動部が回転した際に検出信号が切り替わるものであればどのようなものでも良い。
【0030】
センサスリットの形状も図4のような端から端にかけて徐々に角度が変化する物である必要はなく、上記の条件を満たすものであれば、どのような形状のものでも良い。遮光部と透光部の角度も一例に過ぎず、実施例のように遮光部と透光部を対称に配置する必要もなく、上記の条件を満たすものであればどのようなものでも良い。
センサスリットの形状としては、複数の遮光部の中で最も幅が大きい遮光部(最大遮光部、最大第1の領域)と、複数の透光部の中で最も幅が大きい透光部(最大透光部、最大第2の領域)とがそれぞれ、被駆動部としての機器が原点(特定位置)へ移動されたときに検出位置に位置するセンサスリット上の基準位置を挟んで異なる側であり、且つ、基準位置から最も離れた位置に構成されている。
また、原点検出の際に最終的に必ずCW方向で基準位置を通過するようにしたが、CCW方向で基準位置を通過して原点検出するようにしても良い。基準位置の場所も、端から180°の位置としたが、どの位置に設定しても良い。
【0031】
さらに、モータエラーからの復帰方法は、一定時間後に自動で行うとしたが、次に動作をさせた際に、領域特定動作の判断に基づいて判断し、領域を確定できた際に位置を補正するようにしても良い。
【0032】
以上の方法によって、端に当たることなく基準位置を検出する動作を、全周動作させることなく行うことができるため、素早く初期化動作を行うことができる。また、検出器にノイズが入った際や、外力によってモータが一時的に正常に動作しなかった場合でも、全周動作させること無く、より少ない動作で位置を復帰させることができる。また、これらの効果を、より簡単な構成で得ることができる。
【実施例2】
【0033】
以下、本発明の第2の実施例について説明する。
構成は、図1〜3に記述した実施例1と同様である。実施例1とはセンサスリットの形状が異なり、その例を図10A、10Bに示す。本実施例においても、第1の領域である光を透過しない遮光部と、第2の領域である透明な(光を透過する)透光部を、動作方向である回動方向において交互に形成する。また、遮光部と透光部は動作方向において一様に等間隔で配列されるものではなく、複数の遮光部と複数の透光部のうち、少なくとも一方は2種類以上の幅を有している。第2の実施例においては、基準位置よりもCW方向では遮光部(A13,A15,A17,A19,A21,A23)を誤差Δθの2倍よりも大きい一定の角度θminとし、透光部(A14,A16,A18,A20,A22,A24)を各々その他の領域の角度幅との差がΔθの2倍よりも大きく、かつ、互いに異なる角度とする。基準位置よりもCCW方向では透光部(A2,A4,A6,A8,A10,A12)と遮光部(A1,A3,A5,A7,A9,A11)の条件が逆としたものとして形成する。なお、ここで基準位置とは、遮光部及び透光部からなるセンサスリット上の、遮光部及び透光部が形成されるパターンが変化する境界のことをいい、センサスリット上の位置(センサスリット上の位置に対応する被駆動部の位置)を規定する際の基準となる原点(特定位置)とは異なる。本実施例においては、同じ位置を基準位置且つ原点として設定しているが、基準位置と原点を互いに異なる位置に設定してもよい。
端に接している領域A1及びA24の角度幅θ1及びθ24は、θminと誤差Δθと端の取り付け誤差Δθlimitとモータが動作状態から停止するまでの角度Δθmotorの和よりも大きいものとする。
θ1 > θmin+Δθ+Δθlimit+Δθmotor
θ24 > θmin+Δθ+Δθlimit+Δθmotor
【0034】
全体の処理の流れは図6に示した実施例1と同様であるが、図7に示した領域未確定状態の領域特定処理(特定位置移動モード)におけるS106〜S108の処理が異なるため、その部分の処理を図11のフローチャートに示す。
まず、実施例1と同様にS101からS104の処理を行い、一度、回転検知センサの出力レベルが切り替わるまで動作させ、切り替わった際にはステップS105へ進み、現在の領域における移動量Pcurrentをクリアする。その後、モータをそのまま動作させ、再度出力レベルが切り替わるまで(S106においてYになるまで)、もしくは、Pcurrentが最小角度幅θminに誤差Δθを加えた角度に相当するパルス数Pmin_dよりも大きくなるまで(S104で検出領域の変化後の領域が検出されたまま、所定量以上被駆動部が移動するまで(S121においてYになるまで))動作を行う。ステップS121において、PcurrentがPmin_dよりも大きい場合には(S121においてYの場合には)、原点方向ではなく、端方向に動作していることが判別できるため、ステップS122に進み駆動方向反転動作を行い、ステップS123に進む。
ステップS123では、回転検知センサの出力レベルが切り替わるまで回転を続け、出力レベルが切り替わるとステップS124に進む。
【0035】
ステップS106において出力レベルが再度切り替わった際には、ステップS124に進み、移動量Pcurrentをクリアする。ステップS124に処理が進む場合は、センサスリットがCCW方向に回転中で、回転検知センサで検知している位置が、A2からA3へ、または、A4からA5へ、A6からA7へ、A8からA9へ、A10からA11へ、A12からA13へ、移行した直後である。もしくは、センサスリットがCW方向に回転中で、回転検知センサで検知している位置が、A23からA22へ、または、A21からA20へ、A19からA18へ、A17からA16へ、A15からA14へ、A13からA12へ、移行した直後である。ステップS124へ進む時点において、原点方向への動作中であることが確認されたことになる。この状態で、図8に示した原点検出処理を実施することによって、高い精度で原点を検出することが出来る。ステップS101からS122までは、基準位置へ向けての駆動方向を決定する駆動方向決定ステップとして位置づけられる。
【0036】
さらに、もう一度センサを通過するまで動作させることにより、現在の領域を特定することもできる。そのための処理がS123からS127である(領域確定ステップ)。現在の領域における移動量Pcurrentをクリアする(S124)。S125では、モータをそのまま動作させ、回転検知センサの出力レベルが切り替わるまで(S125においてYになるまで)動作を行う。出力レベルが切り替わった場合には、ステップS126へ進む。ステップS126では、PcurrentがPmin_dよりも大きくない場合にはステップS124へ戻り、大きい場合はステップS127へ進み、図10Bをもとに実施例1と同様の方法で領域を確定することができる。そして、領域を確定した後はステップS128へ進み、領域特定処理を終了する。
【0037】
つまり、図11のフローチャートにおける処理を概括すると、特定位置移動モードでの動作開始時において回転検知センサにより検出される領域に応じて決定される駆動方向に、機器を駆動する(S102,S103)。回転検知センサにより検出される領域が変化した後(S104においてY)、変化した領域が検出されたまま機器が所定量以上移動した場合には(S121においてY)、機器の駆動方向を反転させる(S122)。それにより、最少角度θminの領域を横切った後の領域の幅(角度)を計測し、図10Bの表に示すデータに基づいてその領域を特定している。本実施例のセンサスリットは、回転検知センサの相対移動方向におけるセンサスリット上の所定の基準位置(原点)に対し、一方の側(CW方向側)では、全遮光部は所定の最小の角度幅θminを有し、透光部は最小の角度幅θminより大きく互いに異なる幅を有する。また、他方の側(CCW方向側)では、全透光部は所定の最小の角度幅θminを有し、遮光部は最小の角度幅θminより大きく互いに異なる幅を有する。
このように最少角度θminの領域を複数入れることで、θminの2倍と誤差Δθの和に相当する動作のみを行うことで、基準位置方向と端方向のどちらに動作しているかが判明するため、より素早く基準位置方向に移動しているか否かを判断することができる。また、端に接している領域については、範囲がθminとモータが停止するのに必要なΔθmotorの和よりも大きければ良いため、より小さい領域でも端に当てることなく領域を確定することができる。
【0038】
また、センサスリット上の遮光部と透光部の構成の方法は、基準位置に対して一方の側における遮光部(透光部)(他方の側における透光部(遮光部))の幅は全てが所定の最小の幅θminである必要はない。センサスリットは、回転検知センサとの相対移動方向におけるセンサスリットの所定の基準位置に対し、一方の側では、複数の遮光部の中で相対的に幅が小さい複数の遮光部と、一方の側の複数の遮光部より広幅で互いに異なる幅を有する複数の透光部を有し、他方の側では、複数の透光部の中で相対的に狭幅の複数の透光部と、他方の側の複数の透光部より広幅で互いに異なる幅を有する複数の遮光部とを有するように構成してもよい。しかし、より素早く基準位置方向に移動しているか否かを判断するために、上記実施例で例示したように、基準位置に対して一方の側に遮光部が所定の最小の幅であり、他方の側に透光部が所定の最小の幅を有するように構成されることがより好ましい。
本実施例の派生するシステムは、実施例1に記載した派生するシステムと同様である。
【0039】
以上の方法によって、実施例1と同様の効果に加えて、基準位置よりどちらの方向にいるかをより少ない動作量で判別することが可能になるため、より早く基準位置を検出することができ、より素早く初期化動作を行うことができる。また、領域の数を増やすことができるため、外力によって動作が停止してしまっているような状態をより早く検知することができる。また、端に接している部分が最も広い角度の領域である必要がないため、センサスリットの形状や端の位置をより柔軟に選択することができる。
【実施例3】
【0040】
以下、本発明の第3の実施例について説明する。
【0041】
駆動部を異なる二つの方向から模写した図であって、ウォームホイール13の軸方向から見た図を図12A、12Cに、ウォームホイール13の軸に垂直な方向から見た図を図12Bに示す。実施例1の図2A,2Bと比較し、ストッパ15が変更され、端遮蔽板18と端検知センサ19から構成される端検出手段が追加されている。通常状態では、図12Aに表すように、端遮蔽板が端検知センサとして構成されているフォトインタラプタの検出エリアを遮った状態となっている。一方、所定の角度の範囲外へ回転させると、図12Cに表すように、端遮蔽板がピンに押されることによって回転し、端検知センサが透光状態となる。
【0042】
図13に駆動部の構成を簡略したブロック図を示す。図13は実施例1の図3と比較し、端検知センサ用のフォトインタラプタと端遮蔽板が追加され、端検出センサの信号をCPUが検出できるようになっている。
【0043】
図14Aにセンサスリットの形状の例を、図14Bにセンサスリット形状の各領域の端部の角度を示す表を、図15にCCW方向の端(センサスリットをCW方向に回転した時の端)からCW方向の端(センサスリットをCCW方向に回転した時の端)に一定の速度で回転させた際の回転検知センサと端検知センサの出力信号を示す。図14Aのセンサスリットの形状は実施例2の図10と同様であるが、端位置が異なるため、領域の割り振りが異なる。前述のように端付近まで動作させると、遮蔽板が押され端検知センサが透光状態となり、出力信号はLレベルとなる。端から離れると、端検知センサが遮光板によって遮光状態となり、出力信号はHレベルとなる。
【0044】
全体の処理の流れは図6に示した実施例1と同様であるが、領域未確定状態の領域特定処理が異なるため、図16にそのフローチャートを示す。
【0045】
まず、CPUは端検知センサの信号を検出する(S131)。端検知センサがHレベルの場合には、実施例1、2と同様に、回転検知センサの信号から遮光部かどうかを判別し(S101)、遮光部であった場合にはCCW方向(S102)、遮光部でなかった場合にはCW方向に動作させ(S103)、ステップS135に進む。
ステップS135では、端検知センサの出力がHレベルからLレベルに変化したかどうかを判断する。HレベルからLレベルに変化した場合は、回転範囲の最端部の領域にあることと端方向に動作していることが判断出来るため、ステップS136に進み、駆動方向反転動作を行い、ステップS127に進む。HレベルからLレベルへの変化を検知しない場合はステップS104に進む。ステップS104以降は、実施例2の図11と同様の処理を行うことで、領域を確定することができる。尚、ステップS104でNoの判定の場合、及び、ステップS122終了後は、ステップS104にではなくステップS135に戻る点が、実施例2の図11のステップS104以降の処理と異なる。
一方、端センサがLレベルの場合には、回転検知センサの信号を検知し(S132)、遮光部であった場合にはCW方向(S133)、遮光部でなかった場合にはCCW方向に動作させ(S134)、端センサがLレベルの場合は回転検知センサの信号で遮光部か透光部かを確認するのみで領域を特定できるので、S127に進む。
【0046】
本実施例の派生するシステムとして、端検知用のフォトインタラプタと端遮蔽板を使用する構成ではなく、バネの接続されたマイクロスイッチとスイッチを押すための部材を構成し、端付近になるとマイクロスイッチが押されるような構成にしても良い。その他、360°以上回転させると、検出信号が切り替わるような構成であればどのようなものでもよい。センサスリットの形状は、実施例2の場合と同様としたが、実施例1と同様にしても良いし、それぞれの派生するシステムに記述のとおり、条件に合うような形状であれば、どのようなものでも良い。
【0047】
以上の方法によって、簡易的な構造において360°以上の回転駆動範囲を有する動作を実現しつつ、実施例2と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0048】
以下、本発明の第4の実施例について説明する。
【0049】
図17は、本発明の第4の実施例における、駆動部にかかわる構成を簡略化したブロック図である。図17は、実施例1の図3と比較し、各領域に対応する位置データ(すなわち、駆動量)を記憶するための記憶手段であるメモリ22が追加されている。
【0050】
図18に、本発明の第4の実施例における状態遷移図を示す。図18は実施例1の図6と比較し、原点探索(S2)が削除され、領域位置登録(S4)が追加されている。
【0051】
電源投入時に、CPUはメモリの予め決められているアドレスのデータを読み込み、各領域の位置データが登録済みかどうかを判別する。位置データが登録済みであった場合には実施例1と同様に領域未確定状態となり領域の特定動作を行う。本実施例では原点探索が必要ないため、領域確定後は通常動作に移行する。通常動作時にモータエラーとなった場合には、実施例1と同様に領域未確定状態となり、再度領域確定動作を行う。一方、電源投入時に、位置データが未登録であった場合には、領域位置登録動作を行う。領域位置登録動作が完了すると、領域が確定するため、通常動作へ移行する。
【0052】
次に領域位置登録動作について図19のフローチャートに基づき説明する。領域位置登録動作開始時には、まず、手動又は端まで動作するのに十分な移動量だけモータを制御することによって、CW端まで移動させる(S401)。その後、CCW方向に動作させながら(S402)、回転検知センサの出力レベルが切り替わるかどうかを判別し(S403)、切り替わった際には、その位置を表すパルス数をメモリに登録する(S404)。この登録動作をCCW端に到達するまで繰り返し行う(S405)。CCW端まで到達した後、今度は逆方向に動作させ、同様に位置の登録を行う(S406〜S409)。こうすることで実施例1から3に記載の回転検知センサとセンサスリットの取り付け精度に依存する誤差Δθpositionを加味した、各領域の角度幅を表すデータを取得することができるため、より精度良く位置を特定することができる。このため、実施例1から3では、Δθの2倍以上としていた最少スリット角度および各領域との差は、ΔθsensorとΔθprintの和より大きければよいため、センサスリットの形状を細かくすることができる。また、領域が確定すれば、検出器の誤差Δθsensorの範囲で位置を特定することができるため、原点検出を行う必要が無くなる。
【0053】
本実施例の派生するシステムとして、本実施例ではCPUとは別にメモリを用意したが、CPUの内蔵メモリを使用しても良い。領域位置登録は1回のみでなく、通常動作状態において所定の条件を満たすと領域登録状態へ移行するようにしても良い。
【0054】
以上の方法によって、実施例1から3の効果に加えて、センサスリットの幅をより細かくすることが可能となり、外力による回転エラーを検知や領域の確定動作を、より少ない移動量で行うことが可能となる。また、初期化時には原点検出を行う必要が無く、領域確定動作のみで良いため、より素早く初期化動作を完了することができる。
【0055】
上記の実施例においては、被駆動部は回動動作をすることを例示して、本発明の駆動装置を説明してきたが、本発明は回動動作の駆動に限定されることはなく、直進動作をする駆動対象に対しても、同様の効果を得ることができる。つまり、第1の領域と第2の領域を動作方向である直進方向に交互に配列したセンサスリット(被検出部)を、被駆動部と共に駆動されるセンサによって検出する構成としても、本発明と同様の効果を得ることができる。
【0056】
上記の実施例のいずれかに記載した駆動装置を、撮像装置が搭載される雲台装置のパン・チルト機構の駆動装置に適用することができる。これにより、電源投入時などの初期化時において、広い角度でパン操作、及び、チルト操作をすることなく、狭い角度幅でパン・チルト動作をするのみで、迅速にパン角度・チルト角度の初期化処理を完了させることができる雲台装置を実現することができる。
【0057】
また、上記の実施例のいずれかに記載した駆動装置を、光軸方向に可動なレンズを含むレンズ装置の、レンズを光軸方向に駆動する機構の駆動装置として適用することができる。これにより、電源投入時などの初期化時において、広い移動範囲でレンズ駆動をすることなく、短い移動範囲でレンズ駆動するのみで、迅速にレンズ位置の初期化処理を完了させることができるレンズ装置を実現できる。この場合、適用する駆動装置は、レンズを光軸方向に駆動するための円筒カム機構の回転駆動装置に適用してもよいし、レンズの光軸方向への直進動作に対して本発明の駆動装置を適用してもよい。
また、上記の実施例のいずれにおいても、透光部と遮光部の両方共が互いに異なる2種類以上の幅(角度幅)を有するように構成したがこの限りではない。例えば、透光部は全て同じ幅とし、遮光部だけに互いに異なる幅を持たせるようにしても構わないし、勿論その逆でも構わない。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備える駆動装置であって、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動して移動し、
該検出部との相対移動方向における該被検出部の所定の基準位置に対し、一方の側に配置された該複数の第1の領域の幅は互いに異なるとともに他方の側に配置された該複数の第1の領域の幅よりも大きく、該他方の側に配置された該複数の第2の領域の幅は互いに異なるとともに該一方の側に配置された該複数の第2の領域の幅よりも大きく、
前記駆動装置が、前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードで動作する際、前記制御部は前記駆動部を制御することにより、前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動し、前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化後の領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させることにより、前記被駆動部を特定位置へ移動させる、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記駆動部を制御するための前記制御部からの駆動制御信号と、前記検出部からの検出信号から、前記駆動装置が正常に駆動しているか否かを判断する誤動作検知手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記誤動作検知手段によって前記駆動装置が正常に駆動していないと判断された場合には、前記検出信号と前記駆動制御信号から位置を特定する位置特定手段を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記制御部の前記駆動制御信号に対応する前記被検出部の駆動量を記憶する記憶手段を有し、各第1の領域の幅及び各第2の領域の幅に対応する該駆動量を該記憶手段に記憶する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記被検出部は前記検出部に対して回転する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記被検出部が所定の角度の範囲外へ回転したことを検出する端検出手段をさらに有し、該被検出部は360°以上の回転駆動範囲を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記被検出部は前記検出部に対して直進方向に移動する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記検出部は、光検出素子を含み、前記第1の領域および前記第2の領域は、一方が光を遮断する遮光部であり他方が光を透過する透光部である、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の駆動装置を、前記被駆動部をパン方向又はチルト方向に駆動する駆動装置として有する、ことを特徴とする雲台装置。
【請求項10】
光軸方向に可動なレンズを駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備える駆動装置を有するレンズ装置であって、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動し、
該検出部との相対移動方向における該被検出部の所定の基準位置に対し、一方の側に配置された該複数の第1の領域の幅は互いに異なるとともに他方の側に配置された該複数の第1の領域の幅よりも大きく、該他方の側に配置された該複数の第2の領域の幅は互いに異なるとともに該一方の側に配置された該複数の第2の領域の幅よりも大きく、
前記駆動装置が、前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードで動作する際、前記制御部は前記駆動部を制御することにより、前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動し、前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化後の領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させることにより、前記被駆動部を特定位置へ移動させる、
ことを特徴とするレンズ装置。
【請求項11】
被駆動部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備え、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動し、
該検出部との相対移動方向における該被検出部の所定の基準位置に対し、一方の側に配置された該複数の第1の領域の幅は互いに異なるとともに他方の側に配置された該複数の第1の領域の幅よりも大きく、該他方の側に配置された該複数の第2の領域の幅は互いに異なるとともに該一方の側に配置された該複数の第2の領域の幅よりも大きく、
駆動装置の制御方法であって、
前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードにおける動作は、
前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動させる駆動方向決定ステップと、
前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化した領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させる駆動方向反転ステップと、
を含む、ことを特徴とする駆動装置の制御方法。
【請求項12】
被駆動部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備える駆動装置であって、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動し、
前記被検出部は、前記複数の第1の領域の中で最も幅が大きい最大第1の領域と、前記複数の第2の領域の中で最も幅が大きい最大第2の領域とがそれぞれ、前記被駆動部が前記特定位置へ移動されたときに前記検出位置に位置する前記被検出部の所定の基準位置を挟んで異なる側であり、且つ、前記基準位置から最も離れた位置に構成され、
前記駆動装置が、前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードで動作する際、前記制御部は前記駆動部を制御することにより、前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動し、前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化した領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させることにより、前記被駆動部を特定位置へ移動させる、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項13】
前記基準位置に対し、前記最大第1の領域が構成されている側に配置された前記被検出部上の前記複数の第1の領域の幅は、前記最大第2の領域が構成されている側に配置された前記複数の第1の領域の幅よりも大きく、前記最大第2の領域が構成されている側に配置された前記被検出部上の前記複数の第2の領域の幅は、前記最大第1の領域が構成されている側に配置された前記複数の第2の領域の幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項12に記載の駆動装置。
【請求項14】
被駆動部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備え、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動し、
前記被検出部は、前記複数の第1の領域の中で最も幅が大きい最大第1の領域と、前記複数の第2の領域の中で最も幅が大きい最大第2の領域とがそれぞれ、前記被駆動部が前記特定位置へ移動されたときに前記検出位置に位置する前記被検出部の所定の基準位置を挟んで異なる側であり、且つ、前記基準位置から最も離れた位置に構成される、
駆動装置の制御方法であって、
前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードにおける動作は、
前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動させる駆動方向決定ステップと、
前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化した領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させる駆動方向反転ステップと、
を含むことを特徴とする駆動装置の制御方法。
【請求項1】
被駆動部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備える駆動装置であって、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動して移動し、
該検出部との相対移動方向における該被検出部の所定の基準位置に対し、一方の側に配置された該複数の第1の領域の幅は互いに異なるとともに他方の側に配置された該複数の第1の領域の幅よりも大きく、該他方の側に配置された該複数の第2の領域の幅は互いに異なるとともに該一方の側に配置された該複数の第2の領域の幅よりも大きく、
前記駆動装置が、前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードで動作する際、前記制御部は前記駆動部を制御することにより、前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動し、前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化後の領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させることにより、前記被駆動部を特定位置へ移動させる、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記駆動部を制御するための前記制御部からの駆動制御信号と、前記検出部からの検出信号から、前記駆動装置が正常に駆動しているか否かを判断する誤動作検知手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記誤動作検知手段によって前記駆動装置が正常に駆動していないと判断された場合には、前記検出信号と前記駆動制御信号から位置を特定する位置特定手段を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記制御部の前記駆動制御信号に対応する前記被検出部の駆動量を記憶する記憶手段を有し、各第1の領域の幅及び各第2の領域の幅に対応する該駆動量を該記憶手段に記憶する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記被検出部は前記検出部に対して回転する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記被検出部が所定の角度の範囲外へ回転したことを検出する端検出手段をさらに有し、該被検出部は360°以上の回転駆動範囲を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記被検出部は前記検出部に対して直進方向に移動する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記検出部は、光検出素子を含み、前記第1の領域および前記第2の領域は、一方が光を遮断する遮光部であり他方が光を透過する透光部である、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の駆動装置を、前記被駆動部をパン方向又はチルト方向に駆動する駆動装置として有する、ことを特徴とする雲台装置。
【請求項10】
光軸方向に可動なレンズを駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備える駆動装置を有するレンズ装置であって、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動し、
該検出部との相対移動方向における該被検出部の所定の基準位置に対し、一方の側に配置された該複数の第1の領域の幅は互いに異なるとともに他方の側に配置された該複数の第1の領域の幅よりも大きく、該他方の側に配置された該複数の第2の領域の幅は互いに異なるとともに該一方の側に配置された該複数の第2の領域の幅よりも大きく、
前記駆動装置が、前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードで動作する際、前記制御部は前記駆動部を制御することにより、前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動し、前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化後の領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させることにより、前記被駆動部を特定位置へ移動させる、
ことを特徴とするレンズ装置。
【請求項11】
被駆動部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備え、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動し、
該検出部との相対移動方向における該被検出部の所定の基準位置に対し、一方の側に配置された該複数の第1の領域の幅は互いに異なるとともに他方の側に配置された該複数の第1の領域の幅よりも大きく、該他方の側に配置された該複数の第2の領域の幅は互いに異なるとともに該一方の側に配置された該複数の第2の領域の幅よりも大きく、
駆動装置の制御方法であって、
前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードにおける動作は、
前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動させる駆動方向決定ステップと、
前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化した領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させる駆動方向反転ステップと、
を含む、ことを特徴とする駆動装置の制御方法。
【請求項12】
被駆動部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備える駆動装置であって、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動し、
前記被検出部は、前記複数の第1の領域の中で最も幅が大きい最大第1の領域と、前記複数の第2の領域の中で最も幅が大きい最大第2の領域とがそれぞれ、前記被駆動部が前記特定位置へ移動されたときに前記検出位置に位置する前記被検出部の所定の基準位置を挟んで異なる側であり、且つ、前記基準位置から最も離れた位置に構成され、
前記駆動装置が、前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードで動作する際、前記制御部は前記駆動部を制御することにより、前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動し、前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化した領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させることにより、前記被駆動部を特定位置へ移動させる、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項13】
前記基準位置に対し、前記最大第1の領域が構成されている側に配置された前記被検出部上の前記複数の第1の領域の幅は、前記最大第2の領域が構成されている側に配置された前記複数の第1の領域の幅よりも大きく、前記最大第2の領域が構成されている側に配置された前記被検出部上の前記複数の第2の領域の幅は、前記最大第1の領域が構成されている側に配置された前記複数の第2の領域の幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項12に記載の駆動装置。
【請求項14】
被駆動部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
複数の第1の領域と、前記第1の領域と特性が異なる複数の第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配置された被検出部と、
所定の検出位置に、前記被検出部の前記第1の領域と前記第2の領域のいずれが位置するかを検出する検出部と、
を備え、
前記被検出部又は前記検出部のいずれか一方は、前記被駆動部の前記駆動部に対する相対移動と連動し、
前記被検出部は、前記複数の第1の領域の中で最も幅が大きい最大第1の領域と、前記複数の第2の領域の中で最も幅が大きい最大第2の領域とがそれぞれ、前記被駆動部が前記特定位置へ移動されたときに前記検出位置に位置する前記被検出部の所定の基準位置を挟んで異なる側であり、且つ、前記基準位置から最も離れた位置に構成される、
駆動装置の制御方法であって、
前記被駆動部を特定位置へ移動させる特定位置移動モードにおける動作は、
前記特定位置移動モードでの動作開始時において前記検出部により検出される領域に応じて決定される駆動方向に、前記被駆動部を駆動させる駆動方向決定ステップと、
前記検出部により検出される領域が変化した後、前記変化した領域が検出されたまま前記被駆動部が所定量以上移動した場合には、前記被駆動部の駆動方向を反転させる駆動方向反転ステップと、
を含むことを特徴とする駆動装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−15825(P2013−15825A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−126871(P2012−126871)
【出願日】平成24年6月4日(2012.6.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月4日(2012.6.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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