説明

駆動連結装置、駆動装置及び画像形成装置

【課題】簡易な構成で駆動連結装置に付着して蓄積する異物を除去する。
【解決手段】駆動連結部を外歯ギヤ部材416と内歯ギヤ部材332と噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、外歯ギヤ部材の外歯の一部、又は、内歯ギヤ部材332の先端部に外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材の着脱動作時に他のギヤ部材の歯車の歯面に接触しながら清掃する清掃部材334を配置する。また、内歯ギヤ部材の孔部の根元側に、外歯ギヤ部材416を内歯ギヤ部材332に挿入したとき、外歯ギヤ部材416の先端部に隣接する空間部336を形成すると共に、空間部336と外部とを連通し内歯ギヤ部材332の空間部に存在する異物337を外部に放出する連通孔333を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動連結装置、駆動装置及び画像形成装置に係り、特に駆動連結部を外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材と噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置、この駆動連結装置を備える駆動装置及び、この駆動装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置では、現像装置、定着装置等の各ユニットを簡易に装置より着脱し、交換しやすくしている。このような画像形成装置には、現像スリーブや定着ローラという被回転体が存在するが、その駆動源であるモータ等は装置内に配置されカップリング等の駆動連結手段を用い駆動が伝達される。
【0003】
駆動連結手段として、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載されるに示される外歯部材と内歯部材の噛み合わせを用いたインボリュートスプラインギヤのカップリングがある。インボリュートスプラインギヤカップリングは同数の外歯と内歯を同軸で噛み合わせるため回転をスムースに伝達し、いわゆる回転ムラに対して良好に対処ができるとされる。また、このインボリュートスプラインギヤカップリングは、噛み合う歯が通常の外歯同士のギヤ連結に比べ多くかつ噛み合う歯同士はずれないという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したイボリュートスプラインカップリングは、内歯が外歯を隠す構成のとなっているため、トナー等の異物が付着しても除去されることはなく、異物は歯面もしくは内歯の根元に堆積していくことになる。これに対処して、外歯同士の組合せを備えたカップリングに清掃部材を配置する構造のもの(特許文献4参照)もあるが、このインボリュートスプラインカップリングでは、内歯部材が外歯部材を隠す構成のためこのような構成を採用することができない。
【0005】
そこで本発明は、簡易な構成で駆動連結装置に付着して蓄積する異物を除去することができる駆動連結装置、この駆動連結装置を使用した駆動装置、この駆動装置を使用した画像形成装置を提供することを課題とするである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、駆動連結部を外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材と噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、前記外歯ギヤ部材の周囲に配設される外歯のうち所定枚数の外歯に換えて前記外歯ギヤ部材と前記内歯ギヤ部材の着脱動作時に前記内歯ギヤ部材の内歯の歯面に接触しながら清掃する清掃部材を配置したことを特徴とする駆動連結装置である。
【0007】
請求項2の発明は、駆動連結部を外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材とを噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、前記内歯ギヤ部材のうち外歯ギヤ部材が挿入される側である先端部に前記外歯ギヤ部材と前記内歯ギヤ部材の着脱動作時に前記外歯ギヤ部材の外歯の歯面に接触しながら清掃する清掃部材を配置したことを特徴とする駆動連結装置である。
【0008】
請求項3の発明は、駆動連結部に外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材とを噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、前記内歯ギヤ部材の孔部の根元側に、前記外歯ギヤ部材を前記内歯ギヤ部材に挿入したとき、前記外歯ギヤ部材の先端部に隣接する空間部を形成し、前記空間部を構成する内歯ギヤ部材の外周面に、前記空間部と外部とを連通し、前記内歯ギヤ部材の前記空間部に存在する異物を外部に放出する連通孔を少なくとも1個所開設したことを特徴とする駆動連結装置である。
【0009】
請求項4の発明は、駆動源と、被回転部材との駆動連結機構との間に請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の駆動連結装置を配置したことを特徴とする駆動装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4記載の駆動装置において、前記駆動連結装置を連結した連結状態と、前記駆動連結装置の連結を解除した解除状態とに切り替える切替手段を備え、前記切替手段を駆動源側に配置したことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5記載の駆動装置において、前記切替手段は、駆動源の停止中には前記解除状態とされ、駆動源が動作開始した後には前記連結状態とされるよう駆動制御されることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5記載の駆動装置において、前記切替手段は、駆動源の駆動動作を停止するに際して、前記切替手段を駆動連結位置から解除位置に移動させた後、駆動源を停止するよう制御されることを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、請求項5記載の駆動装置において、前記切替手段は、配置された装置の運転待機中に、前記内歯ギヤ部材と、外歯ギヤ部材を所定のタイミングで連結状態、解除状態に駆動する動作モードを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明は、帯電手段、露光手段により像担持体に潜像を形成し、現像手段により前記潜像を顕像化し、転写手段、定着手段により転写紙に定着させる画像形成装置において、駆動源と、装置より着脱可能な被回転体もしくはそれを含むユニットとの駆動連結機構に請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の駆動装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る駆動連結装置、駆動装置及び画像形成装置によれば、内歯部材と外歯部材を着脱すると清掃部材は、内歯部材又は外歯部材に付着した異物を清掃する他、内歯部材と外歯部材の間に存在する異物を連通部から排除することができるので、簡易な構成で駆動連結装置に付着して蓄積する異物を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例に係る画像形成装置の構成を示す断面図である
【図2】駆動連結装置の外歯ギヤ部材を示す斜視図である。
【図3】外歯ギヤ部材を示す断面図である。
【図4】第2の実施例に係る駆動連結装置の内歯ギヤ部材を示す斜視図である。
【図5】第3の実施例に係る連結駆動装置を示す斜視図である。
【図6】第3の実施例に係る連結駆動装置を示す図5中A−A線に相当する断面図である。
【図7】図7は連結駆動装置を備えるローラ部材を示す斜視図である。
【図8】実施例に係る駆動装置において連結駆動装置が連結状態である場合を示す模式図である。
【図9】実施例に係る駆動装置において連結駆動装置が非連結状態である場合を示す模式図である。
【図10】駆動装置における連結駆動装置の連結状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る駆動連結装置は、駆動連結部を外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材と噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、前記外歯ギヤ部材の周囲に配設される外歯のうち所定枚数の外歯に換えて前記外歯ギヤ部材と前記内歯ギヤ部材の着脱動作時に前記内歯ギヤ部材の内歯の歯面に接触しながら清掃する清掃部材を配置したものである。
【0018】
本例では、外歯ギヤ部と内歯ギヤ部とを着脱すると、外歯部材に配置された清掃部材が内歯ギヤ部の内歯の歯面に接触して清掃する。ここで、前記インボリュートスプラインカップリングの内歯ギヤ部及び外歯ギヤ部は、歯の切り下げ等の条件から歯数は少なくとも14枚形成されている。そして、外歯、内歯の組合せのため駆動伝達中に歯がずれることはないが、外歯ギヤ部と内歯ギヤ部とを着脱すると、両ギヤ部の回転方向での位置が変わり、歯面の組合せがその都度変更される。このため、内歯全体を順次清掃することができ、内歯部材の全域から異物を除去することができる。
【0019】
また、本発明に係る連結駆動装置は、駆動連結部を外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材とを噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、前記内歯ギヤ部材のうち外歯ギヤ部材が挿入される側である先端部に前記外歯ギヤ部材と前記内歯ギヤ部材の着脱動作時に前記外歯ギヤ部材の外歯の歯面に接触しながら清掃する清掃部材を配置したものである。本例では、内歯ギヤ部材の先端に清掃部材を配置しているので、両ギヤ部材の接続解除の動作時に、清掃部材が外歯ギヤ部材の歯面に接触しながら清掃し、外歯面に付着した異物を除去することができる。
【0020】
また、本発明に係る連結駆動装置は、駆動連結部に外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材とを噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、前記内歯ギヤ部材の孔部の根元側に、前記外歯ギヤ部材を前記内歯ギヤ部材に挿入したとき、前記外歯ギヤ部材の先端部に隣接する空間部を形成し、前記空間部を構成する内歯ギヤ部材の外周面に、前記空間部と外部とを連通し、前記内歯ギヤ部材の前記空間部に存在する異物を外部に放出する連通孔を少なくとも1個所開設したものである。本例では、内歯ギヤ部材の軸方向根元側に内歯ギヤ部材の歯のない空間部が形成され、両ギヤ部材を噛合させたときには、外歯ギヤ部材の先端部が前記空間部に隣接するように配置される。そして、この空間部の外周面には外部に連通する連通孔から内歯ギヤ部材内の異物がこの連通項を通って外部に放出されるようになり、内歯ギヤ部内に付着した異物が内歯の根元側に堆積することなく除去できる。
【0021】
また、本発明に係る駆動装置は、駆動源と、被回転部材との駆動連結機構との間に請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の駆動連結装置を配置した。これにより、駆動連結装置に異物が付着し、蓄積することによる駆動装置の不具合を防止できる。
【0022】
また、本発明に係る駆動装置は、前記駆動連結装置を連結した連結状態と、前記駆動連結装置の連結を解除した解除状態とに切り替える切替手段を備え、前記切替手段を駆動源側に配置した。本例では、切替手段を駆動源側に配置しているので、両ギヤ部材を取り付け駆動源部材側及び被動側部材の着脱方向がインボリュートスプラインカップリングの軸方向と直交しており、被動側部材の着脱時に両ギヤ部材が干渉するような配置であったとしても、切替手段で両ギヤ部材を被係合状態としておけば、両ギヤ部材が緩衝しない状態で着脱ができる。
【0023】
また、本発明に係る駆動装置の切替手段は、駆動源の停止中には前記解除状態とされ、駆動源が動作開始した後には前記連結状態とされるよう駆動制御される。本例では、駆動源の停止中は前記切替手段を駆動解除状態とし、駆動源の動作開始後に駆動連結状態とするよう切替手段を制御するので、駆動源の駆動、停止の度に外歯ギヤ部材の外歯とが連結、連結解除される。このため、本例では両ギヤ部材の連結、連結解除が頻繁に行われ、その度清掃が実行される他、連結、連結解除の度に内歯ギヤ部材の内歯と組合せ状態が変更されるので異物除去や歯面の清掃を効率よく行うことができる。
【0024】
また、本発明に係る駆動装置の切替手段は、駆動源の駆動動作を停止するに際して、前記切替手段を駆動連結位置から解除位置に移動させた後、駆動源を停止するよう制御される。本例では、駆動動作停止時駆動連結位置から解除位置に移動させた後駆動源を停止するので、駆動源が停止する度に外歯ギヤ部材の外歯が連結、連結解除される。このため、両ギヤ部材の連結、連結解除が頻繁に行われ、その度清掃が実行される他、連結、連結解除の度に内歯ギヤ部材の内歯と組合せ状態が変更され、異物除去や歯面の清掃を効率よく行うことができる。
【0025】
また、本発明に係る駆動装置の切替手段は、配置された装置の運転待機中に、前記内歯ギヤ部材と、外歯ギヤ部材を所定のタイミングで連結状態、解除状態に駆動する動作モードを備える。本例では、配置された装置の運転待機中に、所定のタイミングで両ギヤ部材の連結、解除がなされ、異物除去歯面の清掃が行われる。
【実施例】
【0026】
以下本発明の実施例に係る画像形成装置について説明する。図1は実施例に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。画像形装置10は、像担持体である感光体1、前記感光体1を一様に帯電させる帯電器2、感光体1にレーザ光を照射して潜像を書き込む書込部3、感光体1に形成された潜像を現像して感光体1状にトナー像を形成する現像装置4、印刷用紙を格納する給紙部5、印刷用紙を所定のタイミングで搬送するレジスト部6、前記トナー像を搬送された印刷用紙に転写する転写部7、用紙に転写されたトナー像を熱及び圧力で定着させる定着部8、定着された印刷用紙を排紙部に排出する排紙部9等を備えて構成されている。
【0027】
帯電器2で帯電された感光体1上に書込部3で潜像が形成され、潜像が現像装置4で現像される。転写紙は給紙部5より搬送され、レジスト部6でタイミングを計った後、転写部7で先のトナー像を転写し、定着部8で定着し、排紙部9により機外に放出する。
【0028】
本例では、現像装置4に配置される現像ローラ4a、定着部8に配置される定着ローラ8a等の被回転体は、その駆動源であるモータと、実施例に係る駆動連結装置を用いて駆動が伝達される。
【0029】
以下実施例に係る駆動連結装置について説明する。図2は駆動連結装置の外歯ギヤ部材を示す斜視図、図3は外歯ギヤ部材を示す断面図である。本例に係る駆動連結装置は、ステンレススチール製の内歯ギヤ部材と、外歯ギヤ部材110とで構成されている。本例では内歯ギヤ部材は、通常のインボリュートスプラインカップリングの内歯部材として構成している。外歯ギヤ部材110は、図2及び図3に示すように、軸体111の外側に外歯部112を形成して構成されている。
【0030】
この外歯部112は、前記内歯ギヤ部材に噛合するインボリュートギヤの輪郭を備え、モジュールを1、歯数を20としている。本例では、外歯部112のうち、軸対称に相対する各3枚分を清掃部材113(図中斜線を付した)とし、他を前記内歯ギヤ部材の内歯部に噛合する金属製の歯114としている。なお、符号116は軸孔を示している。
【0031】
前記清掃部材113は、軸体111に形成された段部115に貼付され配置されている。清掃部材113は、弾性を有する部材で形成されており、前記歯114と同位相の突起部113aと谷部13bとから形成され、突起部113aは歯114よりも大きく形成されている。本例では、清掃部材113は内歯ギヤ部材に連結されると、内歯ギヤ部材の内歯の歯面に接触して、当該歯面の清掃を行う。
【0032】
次に第2の実施例に係る連結駆動装置について説明する。図4は第2の実施例に係る駆動連結装置の内歯ギヤ部材を示す斜視図である。本例に係る駆動連結装置は、内歯ギヤ部材210と、ステンレススチール製の外歯ギヤ部材とで構成される。本例では外歯ギヤ部材は、通常のインボリュートスプラインカップリングの外歯部材として構成されている。また、本例では、内歯ギヤ部材210は、外歯ギヤ部材が挿入される側である軸体211の先端部に前記外歯ギヤ部材と前記内歯ギヤ部材の着脱動作時に前記外歯ギヤ部材の外歯の歯面に接触しながら清掃する清掃部材212(図中斜線を付した)を配置して構成されている。
【0033】
即ち、内歯ギヤ部材210には、前記外歯ギヤ部材の外歯に噛合するインボリュートギヤである内歯213が形成されている。モジュールは1、歯数は20である。その内歯213の入り口側には、清掃部材212が貼り付けて取り付けられている。なお、清掃部材212は弾性部材で構成され、前記内歯213と同じ位相の突起部212aと谷部212bとを備え、突起部212aは前記内歯213よりも大きく形成されている。本例では、内歯ギヤ部材210に外歯ギヤ部材を挿入すると、清掃部材212が外歯ギヤ部材の外歯の歯面に接触して、当該歯面を清掃する。
【0034】
次に第3の実施例に係る連結駆動装置について説明する。図5は第3の実施例に係る連結駆動装置を示す斜視図、図6は第3の実施例に係る連結駆動装置を示す図5中A−A線に相当する断面図である。本例に係る駆動連結装置は、それぞれステンレススチール製の内歯ギヤ部材310と、外歯ギヤ部材320とで構成される。本例に係る内歯ギヤ部材310は、軸体311にその孔部315が開設されており、この孔部315前記外歯ギヤ部が挿入される先端側の小径部315aには前記外歯ギヤ部材の外歯に噛合するインボリュートギヤである内歯312が形成されている。また、孔部315の根本部に形成された大径部315bには、外歯ギヤ部材320が挿入されたとき、その先端部に隣接して空間部313が形成されるよう構成される。そして、この空間部313には、空間部313の軸体311の外部を連通する連通孔314が開設されている。
【0035】
本例では、内歯ギヤ部材310と、外歯ギヤ部材320を組み合わせると、内歯ギヤ部材310及び外歯ギヤ部材320に付着していた異物は、空間部313内に押し出されると共に、この連通孔314から外部に排出される。
【0036】
図7は連結駆動装置を備えるローラ部材を示す斜視図である。ローラ部材330は、ローラ部材331と、内歯ギヤ部材332とを連結し、ローラ部材331が内歯ギヤ部材332と一体で回転するようにしたものである。この内歯ギヤ部材332は、内歯335、空間部336(図10参照)及び連通孔333を備えると共に、前記第2の実施例に係る清掃部材324を備える。本例によれば、外歯ギヤ部材の外歯に付着した異物は清掃部材334で除去される他、内歯ギヤ部材332の内歯に付着した異物は外歯ギヤ部材で前記空間部に移動され、空間部から連通孔333から排出される。
【0037】
次に実施例に係る駆動装置について説明する。図8は実施例に係る駆動装置において連結駆動装置が連結状態である場合を示す模式図、図9は同駆動装置において連結駆動装置が非連結状態である場合を示す模式図、図10は駆動装置における連結駆動装置の連結状態を示す断面図である。駆動装置400は、駆動源であるモータ411と、このモータ411に連結された減速ギヤ412と、アイドラギヤ413と、出力軸414と同時に回転する出力ギヤ415とを備える。これにより、モータ411の回転が出力ギヤ415とて同軸に設けられた連結駆動装置の外歯ギヤ部材416に伝達される。ここで、前記外歯ギヤ部材416、この外歯ギヤ部材416は、図7に示すローラ部材330を駆動するものとする。
【0038】
モータ411、減速ギヤ412及びアイドラギヤ413は、駆動フレーム417に配置されている。前記外歯ギヤ部材416は前記出力ギヤ415と同軸の出力軸414に取り付けられ、出力軸414と一体で回転する。出力軸414は、軸方向に一体で動作するよう2つの滑り軸受418,419が取り付けられており、この滑り軸受418,419の案内で駆動フレーム417に位置決めされる。ここで、前記滑り軸受418,419は、出力軸414では回転せず外歯ギヤ部材416、出力軸414、出力ギヤ415の進退動(図中左右方向)の移動を案内する。また、滑り軸受419には、突起419aが設けられており、突起にはレバー420が取り付けられている。このレバー420は、ソレノイド423及びスプリング421で駆動される。ソレノイド423は、駆動フレーム417に固定されている。レバー420は回転中心420aで揺動可能に配置され、一端を前記スプリング421で図中矢印a方向に付勢されている。また、レバー420は、前記回転中心420aを挟んで他のスプリング422を介して前記ソレノイド423に取り付けられている。本例では、切替手段は、レバー420、ソレノイド423、ソレノイド423等を含んで構成され、これらは駆動源であるモータ411側に配置されている。
【0039】
ソレノイド423がオン状態となると、図8に示すように、レバー420の上側が駆動フレーム417側に引かれ(図中矢印b)、滑り軸受419、出力軸414、連結駆動装置の外歯ギヤ部材416が相手側である内歯ギヤ部材430に向け移動する。逆にソレノイド423がオフ状態となると、図9に示すように、レバー420がスプリング422で付勢され連結解除方向(矢印b)に移動する。本例によれば、切替手段が駆動源側に配置されているので、内歯ギヤ部材332に連結されたローラ等の被駆動部材が駆動連結装置の取り付け、取り外し方向と直交する方向(図8、図9の紙面に直交する方向)であったとしても、外歯ギヤ部材416と内歯ギヤ部材332との係合を解除した状態(図9)で、ローラ等の取り外しを行うことができる。
【0040】
図10に示すように、内歯ギヤ部材332の一端は、ローラ部材331の端部331aに圧入されており、内歯ギヤ部材332は、ローラ部材331と一体に回転する。内歯ギヤ部材332の他端には内歯335が設けられている他、先端部に清掃部材334が設けられている。また、内歯ギヤ部材332の内部には挿入された外歯ギヤ部材416の先端に隣接して空間部336が形成され、空間部336には外部に連通する連通孔333が開設されている。
【0041】
また、外歯ギヤ部材416は出力軸414と一体で回転するように取り付けられている。外歯ギヤ部材416が内歯ギヤ部材332に連結された状態で、外歯ギヤ部材416の先端は内歯ギヤ部材332の空間部336に向け突出しており、連結解除状態で内歯335に部分に付着した異物は外歯ギヤ部材416の外歯により押し出されるように空間部336に排出される。空間部336には連通孔333が開設されているので、異物337は連通孔333が内歯ギヤ部材332の外部に放出される。このとき、連通孔333は、図10に示すように、その端縁を内歯335の奥側端に近接して配置することが好ましい。このようにすれば、内歯335から押し出された異物337が連通孔333から排出されやすくなる。また、外歯ギヤ部材416の外歯に付着した異物は内歯ギヤ部材332の先端側に設けられた清掃部材334により外歯ギヤ部材416の歯面から取り去られることになる。
【0042】
このような駆動装置において、前記切替手段を、駆動源の停止中には前記解除状態とし、駆動源が動作開始した後には前記連結状態とするように駆動制御することができる。このようにすれば、両ギヤ部材の連結、連結解除が、駆動源の停止の度に行われるので、頻繁に清掃が行われると共に、内歯ギヤ部材の内歯と組合せ状態がその都度変更され、異物除去や歯面の清掃を効率よく行うことができる。
【0043】
また、前記切替手段は、駆動源の駆動動作を停止するに際して、前記切替手段を駆動連結位置から解除位置に移動させた後、駆動源を停止するようにすることができる。このようにすれば、両ギヤ部材の連結、連結解除が、駆動源の停止の度に行われるので、頻繁に清掃が行われると共に、内歯ギヤ部材の内歯と組合せ状態がその都度変更され、異物除去や歯面の清掃を効率よく行うことができる。
【0044】
そして、前記切替手段は、配置された装置の運転待機中に、前記内歯ギヤ部材と、外歯ギヤ部材を所定のタイミングで連結状態、解除状態に駆動する動作モードを備えるようにすることができる。このようにすれば、配置された画像形成装置の運転待機中に、所定のタイミングで両ギヤ部材の連結、解除がなされ、異物除去歯面の清掃が行われる。
【符号の説明】
【0045】
1 感光体
2 帯電器
3 書込部
4 現像装置
4a 現像ローラ
5 給紙部
6 レジスト部
7 転写部
8 定着部
8a 定着ローラ
9 排紙部
10 画像形装置
13b 谷部
110 外歯ギヤ部材
111 軸体
112 外歯部
113 清掃部材
113a 突起部
114 歯
115 段部
210 内歯ギヤ部材
211 軸体
212 清掃部材
212a 突起部
212b 谷部
213 内歯
310 内歯ギヤ部材
311 軸体
312 内歯
313 空間部
314 連通孔
315 孔部
315a 小径部
315b 大径部
320 外歯ギヤ部材
324 清掃部材
330 ローラ部材
331a 端部
331 ローラ部材
332 内歯ギヤ部材
333 連通孔
334 清掃部材
335 内歯
336 空間部
337 異物
400 駆動装置
411 モータ
412 減速ギヤ
413 アイドラギヤ
414 出力軸
415 出力ギヤ
416 外歯ギヤ部材
417 駆動フレーム
418,419 滑り軸受
419a 突起
420 レバー
420a 回転中心
421 スプリング
422 スプリング
423 ソレノイド
430 内歯ギヤ部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2001−235970公報
【特許文献2】特開2002−340005公報
【特許文献3】特開2008−58360公報
【特許文献4】特開2007−114553公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動連結部を外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材と噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、
前記外歯ギヤ部材の周囲に配設される外歯のうち所定枚数の外歯に換えて前記外歯ギヤ部材と前記内歯ギヤ部材の着脱動作時に前記内歯ギヤ部材の内歯の歯面に接触しながら清掃する清掃部材を配置したことを特徴とする駆動連結装置。
【請求項2】
駆動連結部を外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材とを噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、
前記内歯ギヤ部材のうち外歯ギヤ部材が挿入される側である先端部に前記外歯ギヤ部材と前記内歯ギヤ部材の着脱動作時に前記外歯ギヤ部材の外歯の歯面に接触しながら清掃する清掃部材を配置したことを特徴とする駆動連結装置。
【請求項3】
駆動連結部に外歯ギヤ部材と内歯ギヤ部材とを噛合して構成したインボリュートスプラインカップリングを備えた駆動連結装置において、
前記内歯ギヤ部材の孔部の根元側に、前記外歯ギヤ部材を前記内歯ギヤ部材に挿入したとき、前記外歯ギヤ部材の先端部に隣接する空間部を形成し、
前記空間部を構成する内歯ギヤ部材の外周面に、前記空間部と外部とを連通し、前記内歯ギヤ部材の前記空間部に存在する異物を外部に放出する連通孔を少なくとも1個所開設したことを特徴とする駆動連結装置。
【請求項4】
駆動源と、被回転部材との駆動連結機構との間に請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の駆動連結装置を配置したことを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
前記駆動連結装置を連結した連結状態と、前記駆動連結装置の連結を解除した解除状態とに切り換える切替手段を備え、前記切替手段を駆動源側に配置したことを特徴とする請求項4記載の駆動装置。
【請求項6】
前記切替手段は、駆動源の停止中には前記解除状態とされ、駆動源が動作開始した後には前記連結状態とされるよう駆動制御されることを特徴とする請求項5記載の駆動装置。
【請求項7】
前記切替手段は、駆動源の駆動動作を停止するに際して、前記切替手段を駆動連結位置から解除位置に移動させた後、駆動源を停止するよう制御されることを特徴とする請求項5記載の駆動装置。
【請求項8】
前記切替手段は、配置された装置の運転待機中に、前記内歯ギヤ部材と、外歯ギヤ部材を所定のタイミングで連結状態、解除状態に駆動する動作モードを備えることを特徴とする請求項5記載の駆動装置。
【請求項9】
帯電手段、露光手段により像担持体に潜像を形成し、現像手段により前記潜像を顕像化し、転写手段、定着手段により転写紙に定着させる画像形成装置において、駆動源と、装置より着脱可能な被回転体もしくはそれを含むユニットとの駆動連結機構に請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の駆動装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−53505(P2011−53505A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203361(P2009−203361)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】