説明

駐輪装置

【課題】駐輪状態で自転車の後輪側を持ち上げる行為によりロック装置が破損することを防止できる駐輪装置を提供する。
【解決手段】被ロック部材20には、穴心方向26aが自転車車体の左右方向へ向かって水平となるように指向されたロック穴26を設ける一方、前記被ロック部材20と係合するロック装置30には、前記被ロック部材20のロック穴26に挿通される横円柱状のロックピン34を設ける構成を採用することで、駐輪状態で自転車の後輪側が持ち上げられても、これに連動する前記被ロック部材20は、前記ロック装置30のロックピン34を軸として回動するだけなので、前記ロックピン34を破損することを防止できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の駐輪場に設置される駐輪装置であって、自転車を固定するロック装置を備える駐輪装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自転車のロック装置を備える従来の駐輪装置には、例えば、実用新案登録第3156629号公報(特許文献1)に開示されているものが存在する。この駐輪装置は、自転車の前輪を左右から支承するU字状アームを備えるものであって、一般にラック型の駐輪装置に見られる構造を有している。
この駐輪装置の特徴は、前記U字状アームにロック装置を設ける一方、自転車の左右フロントフォークのどちらか一方に電子回路を内蔵した被ロック部材を設ける構成を採用したことにある。これにより、専用の自転車でなくても被ロック部材をフロントフォークに装着するだけで当該駐輪装置を使用できるようになるので、例えば、個人所有の様々なタイプの自転車にも適用できる利点がある。
また、被ロック部材に内蔵された電子回路から送受信される電子情報により、外部に設置されている制御装置が自転車の駐輪状態を電子的に管理・制御することも可能となっている。
【0003】
次に、図8(A)に示す従来の駐輪装置は、ポール102にレール状の横梁103を横架した駐輪用フレーム101に自転車10を固定する所謂レール型の駐輪装置である。
この駐輪装置の特徴は、横梁103に複数のロック装置130を適度な間隔を空けて設ける一方、自転車10のハンドル11に被ロック部材120を装着する構成を採用したことにある。これにより、やはり専用の自転車でなくても被ロック部材120を装着するだけで当該駐輪装置を使用できるようになるので、個人所有の様々なタイプの自転車にも適用できるものである。
そして、ロック装置130内のセンサーと、利用者のSFカード(ストアードフェアーカード)等によって、外部に設置されている制御装置104が自転車の駐輪状態を電子的に管理・制御することも可能となっている。
【0004】
従って、上述した従来型の駐輪装置は、どちらも自転車の種類に依存することがなく、被ロック部材を車体の一部に装着して、これをロック装置に係合させることで、盗難を防止した駐輪状態を提供できると共に、電子的に駐輪状態を管理・制御することで、レンタル自転車などに使用する場合はレンタル料金の自動計算なども行えるものであった。
【0005】
然しながら、前者の実用新案登録第3156629号公報の駐輪装置にあっては、被ロック部材が自転車のフロントフォークに装着されているために、これをロック装置に係合させる際には、自転車の横側から下方に存在するフロントフォークに注目しながら自転車を操作しなければならず、駐輪作業が煩わしいものとなっていた。特に、被ロック部材が駐輪作業者の立ち位置とは反対側のフロントフォークに存在する場合は、視界不良が助長されることとなって一層のこと駐輪作業が困難であった。
【0006】
この問題に対して、図8(A)に示す後者のレール型の駐輪装置は、被ロック部材を視認性の高いハンドル11に装着するため、これをロック装置130に係合させる際には、駐輪作業者は、視線を下げずに正面を向いたままで自転車を操作することができるので、容易に駐輪作業が行えるという利点がある。また、被ロック部材120がハンドル11の中央部分に存在することは、駐輪作業者の立ち位置による視界不良も生じないという大きな利点もあった。
【0007】
然しながら、該従来のレール型の駐輪装置のロック装置130は、図8(B)に示す如く、被ロック部材120に設けられた垂直なロック穴121に、ロックピン131を垂直に挿通することでロックする構成であるために、駐輪状態にある自転車の後輪側を悪戯などにより持ち上げられると、これに連動する被ロック部材120の上下揺動によって、同図(C)に示す如く、被ロック部材120に係合しているロックピン131に不測の外力が加わり破損してしまう恐れがあった。
このように、同図に示すようなレール型の駐輪装置であっても、悪戯などの行為により自転車10の後輪側を持ち上げられるとロックピン131を破損してしまって、ロック装置130が正常に作動しなくなり、自転車10のロックを解除できなくなるという大きな問題を有していたのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3156629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、従来の駐輪装置にあっては、その構成に起因して、視界不良によって駐輪作業に煩わしさを生ずるものであったり、駐輪状態での悪戯などの行為により自転車の後輪側を持ち上げられるとロック装置を破損してしまう恐れがあった。
このため、駐輪作業が容易に行えると共に、駐輪状態での悪戯などの行為により自転車の後輪側を持ち上げられてもロック装置を破損することのない新規な駐輪装置の開発が切望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した従来のレール型の駐輪装置の利点を活かしつつ、さらに該従来の駐輪装置が抱える上記課題を有効に解決するために開発されたものであって、請求項1記載の駐輪装置にあっては、自転車のハンドル部分に装着される被ロック部材と、該被ロック部材と係合するロック装置を駐輪用フレームに設けた駐輪装置であって、前記被ロック部材には、穴心方向が自転車車体の左右方向へ向かって水平となるように指向されたロック穴を設ける一方、前記ロック装置には、前記被ロック部材のロック穴に挿通される横円柱状のロックピンを設ける構成を採用した。
【0011】
請求項2記載の駐輪装置にあっては、請求項1記載の駐輪装置を前提として、被ロック部材には、電子情報を記憶可能な電子情報記憶手段を設ける一方、ロック装置には、前記電子情報記憶手段に対して電子情報の読み書き可能なリーダ/ライタ手段を設ける構成を採用した。
【発明の効果】
【0012】
これにより、請求項1記載の駐輪装置にあっては、被ロック部材には、穴心方向を自転車車体の左右方向へ向かって水平となるように指向されたロック穴を設ける一方、ロック装置には、前記被ロック部材のロック穴に挿通される横円柱状のロックピンを設ける構成の採用により、視界不良による駐輪作業の煩わしさを生じないことは勿論であるが、駐輪状態での悪戯などの行為によって自転車の後輪側が持ち上げられても、これに連動する被ロック部材は、前記ロック装置のロックピンを軸として回動するだけなので、ロックピンに不測の外力が加わる虞がなくなって、ロックピンが破損することを防止できるようになる。
従って、従来のレール型の駐輪装置の利点を活かしつつ、さらに駐輪状態でのロック装置の破損を有効に防止できるようになる。
【0013】
また、請求項2記載の駐輪装置にあっては、請求項1記載の駐輪装置を前提として、被ロック部材には電子情報を記憶可能な電子情報記憶手段を設ける一方、ロック装置には前記電子情報記憶手段に対して電子情報の読み書き可能なリーダ/ライタ手段を設ける構成の採用により、被ロック部材をロック装置に挿入するだけで、前記電子情報記憶手段に記憶される入出庫情報などの電子情報をリーダ/ライタ手段が自動的に読み書きすることで、請求項1記載の発明の効果に加えて、自転車の駐輪状態を電子的に管理・制御してレンタル料金の自動計算なども行えることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(A)は、実施例1の駐輪装置の全体図である。(B)は、実施例1の駐輪装置の部分拡大図である。
【図2】(A)は、実施例1の被ロック部材の斜視図である。(B)は、実施例1の被ロック部材の分解図である。(C)は、実施例1の被ロック部材を自転車へ装着した状態を示す参考図である。
【図3】(A)は、実施例1のロック装置の正面図である。(B)(C)は、実施例1のロック装置の内部構造を示す説明図である。
【図4】(A)(B)(C)は、実施例1の被ロック部材をロック装置に係合する過程を示す説明図である。
【図5】実施例1のロック部材をロック状態で揺動させた状態を示す説明図である。
【図6】実施例1の駐輪装置をレンタル自転車に利用したときの運用フローチャート図である。
【図7】実施例1の駐輪装置をネットワークで運用するときの概念図である。
【図8】(A)(B)(C)は、従来のレール型の駐輪装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図示する好適な実施の形態に基づいて詳述する。
【実施例1】
【0016】
本実施の形態に係る駐輪装置は、図1(A)に示す如く、ポール2にレール状の横梁3を横架した駐輪用フレーム1に自転車10をロックした状態で駐輪させる所謂レール型の駐輪装置である。
具体的には、同図(B)に示す如く、自転車10のハンドル11の中央部分に被ロック部材20を装着し、これを駐輪用フレーム1の横梁3の一側面に露呈するロック装置30に係合させることで、自転車10を駐輪用フレーム1にロックした状態で駐輪させるものである。なお、同図(A)の4は、ロック装置30と接続されている制御装置であって、自転車10の駐輪状態を管理・制御することにより、レンタル料金の精算などを自動的に行う装置である。
【0017】
まず、被ロック部材20から詳述すると、該被ロック部材20は、図2(A)に示す如く、自転車10のハンドル部分11に装着するためのベース部21と、ロック装置30に係合するロック部22と、これらを連結するネック部23とから構成されている。
ベース部21は、同図(B)に示す如く、ネック部23が連設する前部21aと、左右一組の後部21bとに分離可能な構造となっており、これら前部21aと後部21b双方の相対面に半円筒状の凹部を穿設することで、自転車のハンドル11を挟持する円筒状の挟持空間24を画成できる構成となっている。
【0018】
次に、ロック部22は、水平部22aと垂直部22bとから成る断面T字状の形状を呈し、ネック部23の上端から水平方向に延出されているものである。
その水平部22aは、自転車車体の前後方向(Y方向)に長い平板状であって、その上部に電子情報を読み書き可能なRFIDタグ25が内蔵されている。ちなみに、該RFIDタグ25に記憶される電子情報としては、自転車の入出庫時刻や車両固有情報、利用者情報などが考えられるが、それらは当該駐輪装置の使用態様によって異なるものである。
垂直部22bは、前記水平部22aの下面中央に垂設されていて、その後端側はネック部23にまで延在している。そして、該垂直部22bの前端側には、後述するロック装置30のロックピン34を挿通するロック穴26が穿設されているが、該ロック穴26は、被ロック部材20が自転車に装着された状態において、穴心方向26aが自転車車体の左右方向(X方向)へ向かって水平に指向する状態に穿設されているものである。また、その穴形状は、ロックピン34を挿通した状態で被ロック部材20のベース部21側が余裕をもって上下揺動できるように、同図(B)に示す如く、あえて扁平な円筒状に成形されているものである。
【0019】
そして、被ロック部材20を実際に自転車のハンドルへ装着するには、ベース部21の前部21aと後部21bとで自転車のハンドル11の中央部分を挟持して、その後、後部21bのネジ穴にネジ27を螺合して、前部21aと後部21bとを強固に締めつければ、同図(C)に示す如く、被ロック部材20は自転車10のハンドル11の中央部分に強固に装着されることとなる。
【0020】
次に、駐輪用フレーム1に設けられているロック装置30について詳述する。
該ロック装置30は、駐輪用フレーム1の横梁3に内蔵されるものであって、図3(A)に示す正面側を横梁3の一側面に露呈させて、その中央付近に被ロック部材20を挿入する挿入口31を開設している。なお、図中39は、ロック装置30の使用状態を表示する表示ランプである。
【0021】
該ロック装置30の内部構成を詳述すると、同図(B)及び(C)に示す如く、挿入口31から連続する挿入路32と、該挿入路32の奥壁に設けられたリミットスイッチ33と、前記被ロック部材20に係合するロックピン34と、該ロックピン34にリンク機構35を介して連結されているソレノイド36と、前記被ロック部材20に内蔵されているRFIDタグ25の電子情報を読み書き可能なリーダー/ライター装置37とを備えるものである。
【0022】
まず、挿入口31は、前記被ロック部材20のロック部22を挿入可能とするために、その開口形状をT字状に成形すると共に、これに連続する挿入路32の内壁形状を奥に進むにつれて徐々に狭くなるようなテーパー形状に成形することで、前記被ロック部材20のロック部22の挿入をスムーズに促せるようになっている。
【0023】
リミットスイッチ33は、フォトインタラプタセンサー38と協働して非接触式スイッチを構成するものであり、前記被ロック部材20のロック部22が挿入路32に挿入されて、その先端でリミットスイッチ33を押圧すると、これに連動するフォトインタラプタセンサー38が作動して、前記被ロック部材20が所定の位置まで挿入されたことを信号にして外部の制御装置4へ送信する。
【0024】
ロックピン34は、自転車車体の左右方向(X方向)へ水平移動可能な横円柱状の棒状体であって、前記挿入口31に挿入された前記被ロック部材20のロック穴26に挿通されることで、前記被ロック部材20をロック装置30にロックするためのものである。
実際の作動は、制御装置4からの制御信号によってソレノイド36が軸心36aを送り出す方向へ水平移動させると、これに連動するリンク機構35によって、ロックピン34も同方向へ水平に送り出されて前記被ロック部材20のロック穴26に挿通されることとなる。
また、上記とは逆に、ソレノイド36が軸心36aを引き戻す方向へ水平移動させると、ロックピン34も上記とは逆方向へ水平に引き戻されて、ロック穴26から抜去されることとなって、被ロック部材20のロック状態は解除されることになる。
このようなロックピン34の作動によって、前記被ロック部材20は、ロック装置30にロックされ、又はロックが解除されることとなるのである。なお、このロックピン34の移動方向は、前記被ロック部材20のロック穴26の穴心方向と同様に、自転車車体の左右方向(X方向)向かって水平となるように指向されているものである。
【0025】
最後に、リーダー/ライター装置37は、前記被ロック部材20のRFIDタグ25に記憶される電子情報の読み書きを行う装置である。電子情報の内容は、上述した通り当該駐輪装置の使用態様によって種々あるが、例えば、レンタル自転車の場合では、自転車の入出庫時刻や利用者の個人情報などであったりする。それらの電子情報は、レンタル料金の精算などのために制御装置4へ送信されるなど、種々の処理に利用される。
【0026】
次に、当該駐輪装置に自転車をロックさせる駐輪作業について説明する。
図4(A)に示す如く、駐輪用フレーム1の空いているロック装置30を探して、それに対して、自転車10のハンドル11に装着された被ロック部材20を係合できるように自転車10の位置決めをする。
次に、自転車10をロック装置30方向へ更に押し進めて、同図(B)に示す如く、ロック装置30の挿入口31から挿入路32に沿って、被ロック装置20のロック部22をロック装置30内部へ挿入してゆく。このとき、被ロック部材20が自転車10のハンドル11に装着されていることで、駐輪作業者は正面を向いたまま駐輪作業を行うことができて、しかも、作業者の立ち位置によって被ロック部材20が見え難くなるような視界不良を生ずることもないので、容易に駐輪作業を行うことができる。
【0027】
そして、ロック部22の先端がリミットスイッチ33を押圧すると、同図(C)に示す如く、フォトインタラプタセンサー38が作動して、ロック部22が適性位置まで挿入されたことを信号として外部の制御装置4へ送信する。そして、制御装置4は、駐輪された自転車がロックすべき自転車であることを認識すると、今度は、ソレノイド36に制御信号を送信して、該ソレノイド36の軸心36aを送り出す方向へ作動させることで、これと連動するロックピン34も同方向へ移動させ、被ロック部材20のロック穴26に挿通させることになる。これにより、自転車10は被ロック部材20とロック装置30との係合により駐輪用フレーム1に固定された状態で駐輪されることとなるのである。
【0028】
次に、自転車10が駐輪されている状態における当該駐輪装置の特徴について説明する。なお、この特徴こそが本願発明の効果として最も重要なものである。
上述した駐輪作業により、自転車10は、そのハンドル11に装着された被ロック部材20が駐輪用フレーム1のロック装置30にロックされた状態で駐輪されている。この駐輪状態において、例えば、悪戯などの行為により自転車10の後輪側が持ち上げられると、図5に示す如く、ロック装置30にロックされている被ロック部材20は、矢印で示す如く、そのベース部21側が上下に揺動することとなる。そして、これに連動するロック部22の先端側もロックピン34を挿通したまま回動することとなる。
【0029】
然しながら、前記被ロック部材20のロック穴26は、その穴心方向が、自転車10の車体の左右方向へ向かって水平となるように指向されていると共に、前記ロック装置30のロックピン34も同方向へ挿通される横円柱状に成形されていることにより、図示する如く、自転車10の後輪側が持ち上げれられても、これに連動するロック部22の先端側はロックピン34を軸として回動するだけなので、ロックピンに不測の外力を加えることがなく、ロックピン34を破損する虞がない。
これにより、前述した図8に示す従来のレール型の駐輪装置が問題としていた自転車の後輪側を持ち上げることによるロック装置の破損を有効に防止できることとなるのである。
【0030】
次に、本実施例1の駐輪装置をレンタル自転車に使用した場合の運用プロセスの一例を紹介する。
図6は、その一例である運用プロセスを示すフローチャート図である。これに沿って説明すると、まず自転車の利用希望者は、制御装置4の操作パネルから希望する自転車を選択し、その自転車が貸出し可能であるかを確認する。貸出し可能であれば、SFカード(ストアードフェアカード)等で利用者情報等を入力する。この利用者情報等は、自転車の出庫時刻等と共に被ロック部材20に内蔵されているRFIDタグ25へ記録される。
貸出し手続が終了すると、ロック装置30のロックが解除され、自転車を取り出すことが可能となる。
【0031】
自転車の使用が終わり、当該駐輪装置へ自転車を格納する場合は、空いているロック装置30に向けて自転車に装着されている被ロック部材20を挿入する。RFIDタグ25の電子情報をリーダ/ライタ装置37が読み取り、その信号により制御装置4が返却可能な自転車であると判断すれば、ロック装置30のロックピン34が作動して自転車をロックする。
あとは、制御装置4にて自動的にレンタル料金の計算がなされ、精算処理が正常に終了すると自転車の返却が完了する。
以上がレンタル自転車に使用した場合の運用プロセスの一例である。
【0032】
最後に本実施例1の駐輪装置をネットワークを使用して運用する形態の一例を紹介する。
図7は、その一例である運用形態を示すものであり、複数の駐輪場に本実施例1の駐輪装置を設置して、これをネットワークを介して運用・管理する概念図である。
A、B、Cの各駐輪場は、インターネット等の広域ネットワークを介して相互に接続されると共に、管理センターにも接続されて、該管理センターのホストコンピュータによって集中管理されている。
これによると、例えば、駐輪場Aから貸し出された自転車は、駐輪場B又はCへ返却することも可能であり、返却先の制御装置B又はCはRFIDタグ25の電子情報と管理センターのホストコンピュータやデータベースへのアクセスによってレンタル料金の自動計算も可能となる。
また、このようなネットワークによる運用によれば、自転車の利用実態も集計・分析できるので、どの駐輪場に何台の自転車を配備すれば効率的な運用ができるかなどの駐輪場の運用計画にも役立つこととなる。
【0033】
以上のように、本実施例1によれば、被ロック部材には、穴心方向が自転車車体の左右方向へ向かって水平となるように指向されたロック穴を設ける一方、ロック装置には、前記被ロック部材のロック穴に挿通される横円柱状のロックピンを設ける構成を採用したことにより、駐輪状態において悪戯などの行為により自転車が後輪側が持ち上げられても、前記被ロック部材は前記ロック装置のロックピンを軸として回動するだけなので、従来の駐輪装置で問題となっていたロックピンを破損を有効に防止できるようになった。
また、被ロック部材には、電子情報を記憶可能な電子情報記憶手段を設ける一方、ロック装置には前記電子情報記憶手段対して電子情報の読み書き可能なリーダ/ライタ手段を設ける構成を採用したことにより、前記ロック装置に被ロック部材を挿入するだけで、電子情報記憶手段に入出庫時刻などの電子情報を自動的に読み書きできるので、レンタル料金などの自動計算も行えることとなる。
従って、従来の駐輪装置よりも駐輪状態におけるロック装置の破損を有効に防止できて、且つ、効率的な運用ができる駐輪装置が開発されたのである。
【符号の説明】
【0034】
1 駐輪用フレーム
2 ポール
3 横梁
4 制御装置
10 自転車
11 ハンドル
20 被ロック部材
21 ベース部
21a ベース部の前部
21b ベース部の後部
22 ロック部
22a ロック部の水平部
22b ロック部の垂直部
23 ネック部
25 RFIDタグ(電子情報記憶手段)
26 ロック穴
26a ロック穴の穴心方向
30 ロック装置
31 挿入口
33 リミットスイッチ
34 ロックピン
36 ソレノイド
37 リーダ/ライタ装置
38 フォトインタラプタセンサー
101 従来の駐輪装置
120 従来の被ロック部材
130 従来のロック装置
X 自転車車体の左右方向
Y 自転車車体の前後方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のハンドルに装着される被ロック部材と、該被ロック部材と係合するロック装置を駐輪用フレームに設けた駐輪装置であって、
前記被ロック部材には、穴心方向が自転車車体の左右方向へ向かって水平となるように指向されたロック穴を設ける一方、前記ロック装置には、前記被ロック部材のロック穴に挿通される横円柱状のロックピンを設けたことを特徴とする駐輪装置。
【請求項2】
被ロック部材には、電子情報を記憶可能な電子情報記憶手段を設ける一方、ロック装置には、前記電子情報記憶手段に対して電子情報の読み書き可能なリーダ/ライタ手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の駐輪装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−56341(P2012−56341A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198644(P2010−198644)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(503223223)株式会社IHIエスキューブ (27)