説明

骨の代謝病の予防および/または治療のための組成物、その組成物の調製方法およびその使用

【課題】ビスホスホネートを有効成分とする、生体利用効率が良好で、残存活性物質が、塊を形成し消化管腔中に沈積することを防止できる、骨の代謝病の予防および/または治療のための組成物およびその調製方法の提供。
【解決手段】少なくとも1つのビスホスホネートと、カルボキシメチルセルロースとキサンタン・ガムとを含む増粘剤、少なくとも1つの香味料、及び純水を有してなる、骨の代謝病の予防および/または治療のための組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨の代謝病の予防および/または治療のための組成物、その組成物の調製方法およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ビスホスホネートは、いくつかの骨の代謝病、例えば、骨粗鬆症、癌の骨転移および関節リウマチに関連する骨障害のような代謝骨障害の予防または治療のために、薬剤に用いられているよく知られた化合物である。
【0003】
ビスホスホネートは、文献に既に記載されている様々な方法を用いて調製できる。それらの方法により、異なる結晶種を得ることができる。公知のビスホスホネートの一群が以下の化学式に示されている。
【化1】

【0004】
ビスホスホネートは、酸、塩、水和物およびアミノ誘導体の形態で存在する。
【0005】
例えば、アレンドロン酸一ナトリウムは、特許文献1にしたがって調製される。
【0006】
パミドロネートおよびオルパドロネートは、側鎖に1つの窒素を有する他のビスホスホン酸誘導体である。オルパドロネートは、ビスホスホネートの群に属する天然で最も可溶性の強い化合物であり、特許文献2および3にしたがって合成される。一方で、パミドロネートは特許文献4に開示されている。
【0007】
ビスホスホネートのアミノ誘導体は、特許文献5および6に記載されている方法にしたがって合成される。
【0008】
パミドロネートを得るさらなる合成経路が特許文献7に記載されており、この文献には、パミドロネートを含有する錠剤、カプセル、歯磨き粉およびマウスウォッシュが記載されている。特許文献8および9には、注射剤または丸薬、錠剤、カプセルおよび座薬に適したパミドロネートのある結晶形状が特許請求されている。
【0009】
特許文献10には、カルシウム沈着物を溶解させることを目的とした、カプセルまたは歯磨き粉中に含まれる投与すべきパミドロン酸三カルシウムの水性ゲルが開示されている。
【0010】
アレンドロネートは1970年代から知られているビスホスホネートの誘導体の1つであり、その合成方法は、例えば、特許文献11に開示されており、この文献には、カプセル、発泡顆粒および注射剤の一般配合物が開示されている。特許文献12はアレンドロン酸三水和物に関する。
【0011】
特許文献13には、嚥下に難のある人々における飲込みを容易にするための、アレンドロネートを含有する特別な液体経口配合物が開示されている。特許文献12の配合物は、安定剤としてのEDTAの存在および/または緩衝剤としてのクエン酸の存在に基づく。ビスホスホネートの配合物において、特定の安定剤が必須であると考えられた。
【0012】
特許文献14には、賦形剤として、当業者によく知られたラウリル硫酸ナトリウムを含有するいくつかの種類のビスホスホネートの錠剤が開示されている。
【0013】
アイバンドロネートのような他のビスホスホネートが特許文献15および16に記載されている。
【0014】
ビスホスホネートにより示されるいくつかの医学的徴候の中では、骨粗鬆症の予防および治療への使用、非特許文献1参照;癌の骨転移の治療、非特許文献2参照;および関節リウマチに関連する骨障害、非特許文献3参照;が強調されている。
【0015】
これらの医学的使用の全ては、長期間、例えば、5年以上に亘りビスホスホネートを連続的/パルス的に投与することを意味する。したがって、経口投与に適した調製品の使用が好ましい。
【0016】
「連続的またはパルス的使用」とは、骨代謝のマーカーの安定したレベルの曲線により立証されるように、滑らかかつ一定な様式で骨代謝の阻害を助長する使用として理解される。
【0017】
一方で、骨代謝の強烈な低下を刺激する、ビスホスホネートの非連続的または周期的使用があり、この使用後には、基礎レベルが復元する傾向にある。したがって、この態様では、生化学マーカーの曲線は、投与の各々の周期により定められるように、谷と頂点との間で変動する。
【0018】
連続様式において、ビスホスホネートの各々の投与は、パルスと称することができる、非特許文献4参照。
【0019】
毎日、毎週または週二回のパルスでは、骨の連続的代謝変化を助長するが、毎月、二ヶ月毎または三ヶ月毎のパルスでは、不連続または周期的な代謝変化が助長される。周期的態様と連続的態様との間の境界には正確な定義が知られていないが、本発明は、ビスホスホネートのパルス投与を改良することを目的とするものである。
【0020】
ビスホスホネートの投与の「パルス」の概念は、ボディーマスの小さな患者、子供、および毎日の投与に我慢できない人々における、一般的な臨床慣習でもある、非特許文献5参照。
【0021】
しかしながら、現在まで、高投与量のビスホスホネートの要望のために、特に消化許容度の潜在的な問題のために、経口投与がうまくいっていない。さらに、ほとんどのビスホスホネートは、非常に低い溶解度、3%容積/容積以下である。このため、化合物が非常にわずかしか吸収されず、このことは、生体利用効率がせいぜい1%であることを意味する。したがって、99%の残りの活性物質は、塊を形成し易く、消化管腔中に沈積するであろう。これにより、消化過敏性となることがある。そのような過敏性から生じる症状は、不特定の不快感から、痛み、吐き気、食道炎および胃炎までにおよぶであろう。
【0022】
消化系の損傷は、消化粘膜を刺激するビスホスホネートに固有の潜在的性質、薬剤の形態の溶解度または溶解プロセスおよび各回に投与される分子の量に関連し得る、非特許文献6参照。
【0023】
当該技術分野において、非常に厳しい条件下でビスホスホネートを低供与量で処方し、朝食の少なくとも30〜60分前に、十分な水と共にビスホスホネートを摂取することにより、許容度を改善する試行が行われてきた。さらに、患者は、厳しい断食期間を維持しなければならず、また毎回の朝食前の期間中にも立ったまままたは座ったままでいなければならない。もちろん、これらの杓子定規な指示は面倒であり、副作用を伴い、処方の指示が遵守されなくなるであろう。患者には、生活習慣を乱し、ほとんどの場合は、老齢における骨粗鬆症による骨折の可能性のような不確かな事実を防ぐことを目的とする不快な投与計画を続ける動機がほとんど見あたらない。治療の開始後短期間で、患者は指示の遵守を諦め、処方の不十分な遂行に関連する衰弱や副作用が現れることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】アルゼンチン国特許第000052号明細書
【特許文献2】アルゼンチン国特許第246743号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0891979号明細書
【特許文献4】アルゼンチン国特許第218558号明細書
【特許文献5】国際公開第97/02827号パンフレット
【特許文献6】アルゼンチン国特許第004625号明細書
【特許文献7】米国特許第3962432号明細書
【特許文献8】米国特許第4407761号明細書
【特許文献9】米国特許第4639338号明細書
【特許文献10】米国特許第4446052号明細書
【特許文献11】米国特許第4621077号明細書
【特許文献12】欧州特許第402152号明細書
【特許文献13】米国特許第5462932号明細書
【特許文献14】欧州特許第336851号明細書
【特許文献15】米国特許第4927814号明細書
【特許文献16】米国特許第4942157号明細書
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】Papapoulos S.E. et al., The use of bisphosphonates in the treatment of osteoporosis, Bone 1992, 13: A14-A49
【非特許文献2】van Holten-Verzantvoort A. et al., Oral pamidronate in the prevention and treatment of skeletal metastases in patients with breast cancer, Medicina (Buenos Aires), 1997, 57 (suppl.): 109-113
【非特許文献3】Maccagno A. et al., Double blind radiological assessment of continuous oral pamidronic acid in patients with rheumatoid arthritis, Scan J. Rheumatol, 1994, 23:211-214
【非特許文献4】Roldan EJA et al., Clinical evaluation of bisphosphonates pharmacokinetics principles, Medicine (Buenos Aires), 1997, 57(suppl.):76-82
【非特許文献5】Roldan EJA et al., J Pediat Endocrinol Metab 1999,12:55-559
【非特許文献6】Spivacow R.S. et al., Tolerability of oral bisphosphonates in patients with osteoporosis and other osteopathies, Medicina (Buenos Aires), 1997, 56(suppl.):114-118
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服すること、特に、処方の厳密な遂行および長期に亘る臨床効果を可能にするために、ビスホスホネートのより快適な投与を可能にするであろう、骨の代謝病の予防、治療および/または診断のための組成物を提供することにある。さらに、本発明のさらなる目的は、経口投与する形態のものが粉砕されたことにより生じる塊により示される毒性の危険因子を低減することにある。
【0027】
さらに、本発明の目的は、本発明による組成物を調製する方法を提供すること、並びに、骨の代謝病の予防、治療および/または診断のためにそのような組成物を使用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
第1の目的は、少なくとも1つのビスホスホネート、カルボキシメチルセルロースナトリウムとキサンタン・ガムとを含む増粘剤、少なくとも1つの香味料、および純水を有してなる、骨の代謝病の予防および/または治療のための組成物により解決される。
【0029】
好ましくは、増粘剤はさらに微結晶性セルロースを含む。
【0030】
さらに、ビスホスホネートが約5mgから約600mgまでの量で存在し、増粘剤が約30mgから約1000mgまでの量で存在し、香味料が約150mgから約550mgまでの量で存在する組成物が提案される。
【0031】
好ましくは、香味料はオレンジ香味液である。
【0032】
前記組成物は、酸、塩、水和物またはアミノ誘導体の形態にあるビスホスホネートを含むであろう。
【0033】
好ましくは、ビスホスホネートは、アレンドロン酸一ナトリウム、パミドロン酸二ナトリウム、オルパドロン酸一ナトリウム、アミノアレンドロネート、アミノジメチルアレンドロネート、アミノパミドロネート、アミノオルパドロネート、アミノエチドロネート、ネリドロネート、エチドロネート、クロドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、リセドロネート、ゾレンドロネート、チルドロネート等、並びにそれらの混合物からなる群より選択される。
【0034】
ビスホスホネートは、本発明による組成物中で可溶性であってもよい。
【0035】
好ましくは、アレンドロン酸ナトリウムは、組成物中に5mgから140mgまでの量で存在する。あるいは、オルパドロン酸ナトリウムは、約5mgから約500mgまでの量で存在し、またはパミドロン酸二ナトリウムは、約50mgから約600mgまでの量で存在する。
【0036】
本発明によれば、前記組成物は、ソルビトール、グリセリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸、スクロース、および/または染料のような成分をさらに含んでもよい。
【0037】
さらに、本発明は、
(i) ソルビトール溶液またはグリセリンのような適切な溶媒中にカルボキシメチルセルロースナトリウムを懸濁させ、
(ii) 脱塩水中にビスホスホネートを溶解させ、
(iii) さらに脱塩水を約60℃の温度まで加熱し、水中にソルビン酸カリウムを溶解させ、
(iv) 工程(iii)の溶液にキサンタン・ガムを懸濁させ、
(v) 工程(iv)の混合物中にサッカリンナトリウムおよびシクラミン酸ナトリウムを溶解させ、
(vi) 工程(i)のカルボキシメチルセルロースナトリウム懸濁液を工程(v)の混合物中に均質に含ませ、
(vii) 工程(vi)の混合物に工程(ii)のビスホスホネートを加え、
(viii) 工程(vii)の混合物に、その混合物の温度が一旦40℃未満になったら、香味料を含ませ、
(ix) 脱塩水で所望の容積にし、
(x) 必要に応じて、工程(ix)の混合物を分画に分ける、
各工程を有してなる方法を提供する。
【0038】
本発明によれば、前記組成物は、骨の代謝病、特に、代謝骨障害、癌の骨転移、関節リウマチに関連する骨障害、および骨粗鬆症の予防および/または治療のために使用してもよい。
【0039】
最も好ましくは、本発明による組成物は、パルス投与に用いてもよい。
【0040】
好ましくは、本発明による組成物は、子供に使用してもよい。
【0041】
本発明による組成物はさらに、朝食前、昼食前および/または夕食前の飲料として用いてもよい。
【0042】
驚くべきことに、天然フルーツジュースの外観、風味および粘度を持つ、骨の代謝病の予防および/または治療のための組成物が発見された。この組成物中に含まれる賦形剤は、どのような不都合な相互作用も起こさず、可溶性形態で与えられる量を維持する、すなわち、塊すなわち刺激性粒子の形成の恐れや、直立した状態ではいられないような患者の敏感な粘膜とその後接触する恐れを最小にする。前記組成物は、その「栄養」面のために、朝食前のジュースとして投与するのに十分に美味であり、適しており、したがって、治療の成就を改善し、朝食や他の食事の前に投与しなければならないことを気に留めるのに役立ち、副作用を減らし、その結果、長期の治療効果を得る可能性が高まる。
【0043】
これら後者の2つの概念は、本発明による組成物において、所定のビスホスホネートの全てが溶解されるという事実に基づく。
【0044】
本発明による組成物は、潜在的に、子供に用いてもよい。
【0045】
本発明の組成物の外観がフルーツジュースのようであるために、本発明による組成物を摂取すべきときを思い出すのがより簡単である。何故ならば、この組成物は、食事の前に飲む飲料に関連付けることができるからであり、そのため、前記ビスホスホネートを摂取するのを忘れたり、間違った量で摂取したりする場合に生じることの多い治療の失敗が克服される。
【0046】
しかしながら、例えば、オルパドロネートに関して、このビスホスホネートを食事と一緒に自由に投与することもできる。
【0047】
さらに、本発明の組成物には、EDTAまたはクエン酸のようなどのような安定剤も必要ないことに留意すべきである。本発明の組成物は、ガラス製容器またはポリ容器中で安定である。
【0048】
本発明の組成物のフルーツの風味は、Meroar 73781のようなオレンジエッセンス、およびエフ・エム・シー(F.M.C.)社により市販されているAvicel RC591のようなカルボキシメチルセルロースナトリウムの組合せにより得てもよく、また、微結晶性セルロースおよびキサンタン・ガムを含んでもよい。これらの合成賦形剤は、ビスホスホネートを含む組成物については、以前には使用も示唆もされていない。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明を、本発明の範囲をいかようにも制限することを意図するものではない以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0050】
薬用フルーツジュースとしてのビスホスホネートの経口溶液を調製する方法
本発明による組成物を調製する方法は、
(i) グリセリンまたはソルビトール溶液中にカルボキシメチルセルロースナトリウムを懸濁させ、
(ii) 適量の脱塩水中にビスホスホネートを溶解させ、
(iii) さらに脱塩水を約60℃の温度まで加熱し、水中にソルビン酸カリウムを溶解させ、
(iv) 工程(iii)の溶液中にキサンタン・ガムを懸濁させ、
(v) 工程(iv)の混合物中にサッカリンナトリウムおよびシクラミン酸ナトリウムを溶解させ、
(vi) 工程(i)のカルボキシメチルセルロースナトリウム懸濁液を工程(v)の混合物中に均質に含ませ、
(vii) 工程(vi)の混合物に工程(ii)のビスホスホネートを加え、
(viii) 工程(vii)の混合物に、その混合物の温度が一旦40℃未満になったら、Meroar 73781を含ませ、
(ix) 脱塩水で所望の容積にし、
(x) 必要に応じて、工程(ix)の混合物を分画に分ける、
各工程を有してなる。
【実施例2】
【0051】
アレンドロン酸一ナトリウムを含む本発明による組成物
本発明による組成物は、それぞれの量で以下の成分を有してなるものであってよい。
【0052】
アレンドロン酸ナトリウム 5.0mg〜140.0mg
Avicel RC591 150mg〜500mg
キサンタン・ガム 30mg〜100mg
ソルビトール 70% 3.0g〜15.0g
サッカリンナトリウム 10mg〜100mg
シクラミン酸ナトリウム 100mg〜1000mg
p−ヒドロキシ安息香酸メチル 50mg〜120mg
p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 10mg〜30mg
ソルビン酸カリウム 70mg〜120mg
オレンジエッセンスMeroar 73781 150mg〜550mg
サンセット・イエロー(染料) 1mg〜3mg
純水 十分量 100ml
Avicel RC591は、エフ・エム・シー社より市販されており、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび微結晶性セルロースを有してなる。
【0053】
実施例2による組成物は、毎日、週二回、毎週、二週間毎に投与してもよく、毎日投与する場合には、単位当たりのアレンドロン酸一ナトリウムの含有量は、5mgから20mgの範囲で変動してもよく、週二回で投与する場合には、単位当たりのアレンドロン酸一ナトリウムの含有量は、15mgから60mgの範囲で変動してもよく、毎週投与する場合には、その含有量は35mgから140mgの範囲で変動してもよく、二週間毎に投与する場合には、70mgから140mgの範囲で変動してもよい。
【実施例3】
【0054】
アレンドロン酸一ナトリウムを含む本発明による組成物
アレンドロン酸ナトリウム 5.0mg〜140.0mg
Avicel RC591 150mg〜500mg
キサンタン・ガム 30mg〜100mg
スクロース 10g〜50g
ソルビトール 70% 3.0g〜15.0g
p−ヒドロキシ安息香酸メチル 50mg〜120mg
p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 10mg〜30mg
ソルビン酸カリウム 70mg〜120mg
オレンジエッセンスMeroar 73781 150mg〜550mg
サンセット・イエロー(染料) 1mg〜3mg
純水 十分量 100ml
【実施例4】
【0055】
オルパドロン酸一ナトリウムを含む本発明による組成物
オルパドロン酸ナトリウム 50mg〜600mg
Avicel RC591 150mg〜500mg
キサンタン・ガム 30mg〜100mg
ソルビトール 70% 3.0g〜15.0g
サッカリンナトリウム 10mg〜100mg
シクラミン酸ナトリウム 100mg〜1000mg
p−ヒドロキシ安息香酸メチル 50mg〜120mg
p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 10mg〜30mg
ソルビン酸カリウム 70mg〜120mg
オレンジエッセンスMeroar 73781 150mg〜550mg
サンセット・イエロー(染料) 1mg〜3mg
純水 十分量 100ml
実施例4による組成物は、例えば、毎日、または二週間毎に投与してもよく、毎日投与する場合には、単位当たりのオルパドロン酸ナトリウムの含有量は50mgから500mgの範囲で変動してもよく、二週間毎に投与する場合には、その含有量は100mgから500mgの範囲で変動してもよい。
【実施例5】
【0056】
オルパドロン酸一ナトリウムを含む本発明による組成物
オルパドロン酸ナトリウム 50mg〜600mg
Avicel RC591 150mg〜500mg
キサンタン・ガム 30mg〜100mg
スクロース 10g〜50g
ソルビトール 70% 3.0g〜15.0g
p−ヒドロキシ安息香酸メチル 50mg〜120mg
p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 10mg〜30mg
ソルビン酸カリウム 70mg〜120mg
オレンジエッセンスMeroar 73781 150mg〜550mg
サンセット・イエロー(染料) 1mg〜3mg
純水 十分量 100ml
本発明による組成物にパミドロネートを用いる場合、パミドロネートの量は、50mgから600mgの範囲であってよく、前記実施例に既に開示されたような残りの成分は変わらない。
【0057】
当業者には明らかなように、上記説明に既に開示された他のビスホスホネートも本発明において使用してもよい。
【0058】
さらに、別の香味液体のような、別のタイプの食品様飲料/ソフトドリンク様飲料を使用することもできる。
【0059】
上記のごとく概説したように調製した組成物は、不正確な使用を防ぐ目的で、医療上の使用の態様を示す市販のキットもしくはワン・ユニットまたはマルチ・ユニットの容器内に充填されていてもよい。
【0060】
上記説明、実施例および特許請求の範囲に開示された特徴は、別々と、組合せの両方で、その様々な形態で本発明を実現するための素材となるであろう。
【0061】
他の実施態様
1.骨の代謝病の予防および/または治療のための組成物であって、
少なくとも1つのビスホスホネート、
カルボキシメチルセルロースおよびキサンタン・ガムを含む増粘剤、
少なくとも1つの香味料、および
純水
を有してなる組成物。
【0062】
2.前記増粘剤がさらに微結晶性セルロースを含むことを特徴とする実施態様1記載の組成物。
【0063】
3.前記ビスホスホネートが約5mgから約600mgまでの量で存在し、前記増粘剤が約30mgから約1000mgまでの量で存在し、前記香味料が約150mgから約550mgまでの量で存在することを特徴とする実施態様1または2記載の組成物。
【0064】
4.前記香味料がオレンジ香味液であることを特徴とする実施態様1から3いずれか記載の組成物。
【0065】
5.前記ビスホスホネートが、酸、塩、水和物またはアミノ誘導体の形態にあることを特徴とする実施態様1から4いずれか記載の組成物。
【0066】
6.前記ビスホスホネートが、アレンドロン酸一ナトリウム、パミドロン酸二ナトリウム、オルパドロン酸一ナトリウム、アミノアレンドロネート、アミノジメチルアレンドロネート、アミノパミドロネート、アミノオルパドロネート、アミノエチドロネート、ネリドロネート、エチドロネート、クロドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、リセドロネート、ゾレンドロネート、チルドロネート、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする実施態様1から5いずれか記載の組成物。
【0067】
7.前記ビスホスホネートが前記組成物中で可溶性であることを特徴とする実施態様1から6いずれか記載の組成物。
【0068】
8.アレンドロン酸ナトリウムが約5mgから約140mgまでの量で存在することを特徴とする実施態様1から7いずれか記載の組成物。
【0069】
9.オルパドロン酸ナトリウムが約5mgから約500mgまでの量で存在することを特徴とする実施態様1から7いずれか記載の組成物。
【0070】
10.パミドロン酸二ナトリウムが約50mgから約600mgまでの量で存在することを特徴とする実施態様1から7いずれか記載の組成物。
【0071】
11.前記組成物が、ソルビトール、グリセリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸、スクロース、染料およびそれらの組合せからなる群より選択される成分をさらに含むことを特徴とする実施態様1から10いずれか記載の組成物。
【0072】
12.実施態様1から11いずれか記載の組成物を調製する方法であって、
請求項1から11いずれか1項記載の組成物を調製する方法であって、
(i) 適切な溶媒中にカルボキシメチルセルロースを懸濁させ、
(ii) 脱塩水中にビスホスホネートを溶解させ、
(iii) さらに脱塩水を約60℃の温度まで加熱し、水中にソルビン酸カリウムを溶解させ、
(iv) 工程(iii)の溶液にキサンタン・ガムを懸濁させ、
(v) 工程(iv)の混合物中にサッカリンナトリウムおよびシクラミン酸ナトリウムを溶解させ、
(vi) 工程(i)のカルボキシメチルセルロース懸濁液を工程(v)の混合物中に均質に含ませ、
(vii) 工程(vi)の混合物に工程(ii)のビスホスホネートを加え、
(viii) 工程(vii)の混合物に、その混合物の温度が一旦40℃未満になったら、香味料を含ませ、
(ix) 脱塩水で所望の容積にし、
(x) 必要に応じて、工程(ix)の混合物を分画に分ける、
各工程を有してなることを特徴とする方法。
【0073】
13.骨の代謝病の予防および/または治療のための実施態様1から11いずれか記載の組成物の使用。
【0074】
14.パルス投与のための実施態様13記載の使用。
【0075】
15.代謝骨障害のための実施態様13または14記載の使用。
【0076】
16.癌の骨転移のための実施態様13または14記載の使用。
【0077】
17.関節リウマチに関連する骨障害のための実施態様13または14記載の使用。
【0078】
18.骨粗鬆症のための実施態様13または14記載の使用。
【0079】
19.子供への実施態様13から18いずれか記載の使用。
【0080】
20.朝食前、昼食前および/または夕食前の飲料としての実施態様13から19いずれか記載の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の代謝病の予防および/または治療のための液体組成物であって、
少なくとも1つのビスホスホネート、
カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびキサンタン・ガムを含む増粘剤、
少なくとも1つの香味料、および
純水
を含み、前記ビスホスホネートの全てが溶解しており、かつ安定化剤としてEDTAもクエン酸緩衝剤も含まないことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記ビスホスホネートが5mgから600mgまでの量で存在し、前記増粘剤が30mgから1000mgまでの量で存在し、前記香味料が150mgから550mgまでの量で存在することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記香味料がオレンジ香味液であることを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
前記ビスホスホネートが、酸、塩、水和物またはアミノ誘導体の形態にあることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記ビスホスホネートが、アレンドロン酸一ナトリウム、パミドロン酸二ナトリウム、オルパドロン酸一ナトリウム、アミノアレンドロネート、アミノジメチルアレンドロネート、アミノパミドロネート、アミノオルパドロネート、アミノエチドロネート、ネリドロネート、エチドロネート、クロドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、リセドロネート、ゾレンドロネート、チルドロネート、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
前記ビスホスホネートが前記組成物中で可溶性であることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
アレンドロン酸ナトリウムが5mgから140mgまでの量で存在することを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
オルパドロン酸ナトリウムが5mgから500mgまでの量で存在することを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
パミドロン酸二ナトリウムが50mgから600mgまでの量で存在することを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、ソルビトール、グリセリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸、スクロース、染料およびそれらの組合せからなる群より選択される成分をさらに含むことを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
前記増粘剤がさらに微結晶性セルロースを含むことを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
請求項10記載の液体組成物を調製する方法であって、
(i) 適切な溶媒中にカルボキシメチルセルロースナトリウムを懸濁させ、
(ii) 脱塩水中にビスホスホネートを溶解させ、
(iii) さらに脱塩水を60℃の温度まで加熱し、水中にソルビン酸カリウムを溶解させ、
(iv) 工程(iii)の溶液にキサンタン・ガムを懸濁させ、
(v) 工程(iv)の混合物中にサッカリンナトリウムおよびシクラミン酸ナトリウムを溶解させ、
(vi) 工程(i)のカルボキシメチルセルロースナトリウム懸濁液を工程(v)の混合物中に均質に含ませ、
(vii) 工程(vi)の混合物に工程(ii)のビスホスホネートを加え、
(viii) 工程(vii)の混合物に、その混合物の温度が一旦40℃未満になったら、香味料を含ませ、
(ix) 脱塩水で所望の容積にし、
(x) 必要に応じて、工程(ix)の混合物を分画に分ける、
各工程を有してなることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記適切な溶媒がソルビトール溶液またはグリセリンであることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
請求項1から11いずれか1項記載の組成物からなる骨の代謝病の予防剤および/または治療剤。
【請求項15】
パルス投与のための請求項14記載の予防剤および/または治療剤。
【請求項16】
代謝骨障害用の請求項14または15記載の予防剤および/または治療剤。
【請求項17】
癌の骨転移用の請求項14または15記載の予防剤および/または治療剤。
【請求項18】
関節リウマチに関連する骨障害用の請求項14または15記載の予防剤および/または治療剤。
【請求項19】
骨粗鬆症用の請求項14または15記載の予防剤および/または治療剤。
【請求項20】
子供用の請求項14から19いずれか1項記載の予防剤および/または治療剤。
【請求項21】
朝食前、昼食前および/または夕食前用の飲料である請求項14から20いずれか1項記載の予防剤および/または治療剤。

【公開番号】特開2010−43119(P2010−43119A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239158(P2009−239158)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【分割の表示】特願2002−559042(P2002−559042)の分割
【原出願日】平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願人】(398030953)
【出願人】(398031293)ユニヴァーシティ オブ レイデン (1)
【Fターム(参考)】