説明

骨アンカーアセンブリ、および、骨アンカーアセンブリの製造方法

【課題】骨アンカーアセンブリを椎骨のような骨に係合させるのを容易にする骨アンカーアセンブリおよび骨アンカーアセンブリの骨への係合方法を提供する。
【解決手段】骨アンカーアセンブリ10は、近位のヘッド部および骨に係合するように構成された遠位のシャフトを備えた骨アンカー14と、骨アンカーに結合される脊椎固定要素12を受容するための受容部材40と、を含んでいてよい。受容部材は、第1のボア軸46を画定する第1のボア44を有する第1の端部42と、第1のボアと連通した凹部48と、骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボア52を有する第2の端部50と、を有していてよい。第2のボアは、第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定54してよく、かつ、骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口60と、第1の開口と反対側の第2の開口64と、を有していてよい。第2の開口は、骨アンカーアセンブリを組み立てる間、骨アンカーのヘッド部を通過させるための寸法を有していてよい。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔背景技術〕
脊椎固定システムは、隣接する椎骨の間を望ましい関係に整合し、および/または、固定するために、整形外科手術で用いられることがある。そのようなシステムは、典型的には、比較的硬い固定ロッドまたはプレートのような脊椎固定要素を含み、その脊椎固定要素がフック、ボルト、ワイヤ、または、ねじ、などのさまざまなアンカー装置に脊椎固定要素を取り付けることによって、隣接する椎骨に結合される。脊椎固定要素は、目標の植え込み部位の性質に基づいて設計された予め決められた外形を有していてよく、据え付けられた後は、その脊椎固定要素は、望ましい治癒すなわち椎骨の固定が起こるまで、または、より長い期間に亘って、椎骨を望ましい空間的な関係に保つ。
【0002】
脊椎固定要素は、椎骨の特定の部分に固定される。各椎骨は、形状および寸法が異なるので、さまざまなアンカー装置が、椎骨の特定の部分への係合を容易にするために、開発されてきた。例えば、有茎ねじアセンブリは、有茎骨と係合するように構成された形状および寸法を有する。そのようなねじは、典型的には、椎骨にねじ込まれるように適合されたねじ切りされたシャンク、および、脊椎固定要素受容要素を備えたヘッド部分、を含み、その受容要素は、脊椎ロッドを用いる場合には、通常は、脊椎ロッドを受容するために、ヘッド部分に形成されたU字形のスロットの形態である。止めねじ、プラグ、キャップ、または、同様のタイプの閉鎖機構が、ロッドを、有茎ねじのロッド受容部分内で固定するために用いられてよい。使用時には、各ねじのシャンク部分は、椎骨内にねじ込まれ、適正に位置決めされた後は、固定ロッドが、各ねじのロッド受容部分を通って配置されてよく、固定ロッドは、各ねじおよび固定ロッドをしっかりと相互接続するために、キャップまたは同様のタイプの閉鎖機構を緊密に締めることによって、所定の位置に固定される。その他の固定装置は、フック、および、その他のタイプの骨ねじ、も含んでいる。
【0003】
あるいくつかの手技では、骨アンカーを隣接した椎骨に配置することが困難であり、その理由は、隣接した椎骨が極めて接近していることによって骨アンカー同士の干渉が生ずるからである。例えば、頚椎では、そのような干渉を回避するために、骨アンカーを互いに整合した状態から外れて旋回させる必要があることが多い。
【0004】
〔発明の概要〕
本明細書には、骨アンカーアセンブリを椎骨のような骨に係合させるのを容易にする骨アンカーアセンブリおよび骨アンカーアセンブリの骨への係合方法が、開示されている。さらに、本明細書には、骨アンカーアセンブリの製造方法が開示されている。
【0005】
ある例示的な実施の形態では、骨アンカーアセンブリは、近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーと、骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、を具備することができる。その例示的な実施の形態では、受容部材は、第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、第1のボアと連通した凹部と、骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部と、を有することができる。第2のボアは、第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定してよく、第2のボアは、その中を骨アンカーの少なくとも一部が通って延在する第1の開口部と、第1の開口部の反対側の第2の開口部と、を有していてよい。第2の開口部は、骨アンカーアセンブリを組み立てる間に、骨アンカーのヘッド部を通過させる寸法を有していてよい。
【0006】
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる例示的な方法は、骨アンカーアセンブリを骨の近くに導入すること、を含むことができる。骨アンカーアセンブリは、近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーと、受容部材と、を含むことができる。受容部材は、第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、第1のボアと連通した凹部と、骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部と、を有することができる。第2のボアは、上記の例示的な実施の形態では、第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定してよい。第2のボアは、その中を骨アンカーの少なくとも一部が通って延在する第1の開口部と、第1の開口部の反対側の第2の開口部と、を有していてよい。上記の例示的な方法は、骨アンカーを係合させるために器具を第2のボアの第2の開口部に挿入することを含んでいてよい。
【0007】
骨アンカーアセンブリの例示的な製造方法は、第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、第1のボアと連通した凹部と、第2のボア軸を画定する第2のボアを備えた第2の端部と、を有する受容部材を提供することを含んでいてよい。その例示的な実施の形態では、第2のボア軸は、第1のボア軸と交わることができる。第2のボアは、上記の例示的な実施の形態では、第1の開口部、および、第1の開口部の反対側の第2の開口部、を有していてよい。その例示的な製造方法は、骨アンカーを第2の開口部を通して第2のボア内に配置することを含んでいてよい。
【0008】
本明細書に開示された骨アンカーアセンブリおよび方法の上記のおよびその他の特徴および利点は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照することによって、より十分に理解されるはずであり、添付の図面中では、類似の参照符号が種々の図面全体を通して類似の要素を示している。図面は、本明細書に開示された器具の原理を例示していて、しかし、正確な縮尺で示したものではなく、相対的な寸法を示している。
【0009】
〔発明の詳細な説明〕
いくつかの例示的な実施の形態が、本明細書に開示されている骨アンカーアセンブリの構造、機能、製造、および、使用の原理を全体的に理解するために、これから記載される。これらの実施の形態の一つまたはいくつかの例が、添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に具体的に記載され添付の図面に示された骨アンカーアセンブリが、非限定的な例示的実施の形態であること、および、本発明の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されていること、を理解するであろう。ある例示的な実施の形態に関連して示されまたは記載された特徴は、その他の実施の形態の特徴と組み合わされてもよい。そのような変形および変更は、本発明の範囲に含まれることが意図されている。
【0010】
冠詞「ひとつの(「a」および「an」)」は、本明細書では、その冠詞の文法上の目的語の一つを、または、一つより多く(すなわち、少なくとも一つ)を意味して用いられる。例えば、「一つの要素(an element)」は、一つの要素、または、一つより多くの要素、を意味する。
【0011】
本明細書で任意のコンポーネントまたは構造に対して用いられている用語「遠位の(distal)」は、骨アンカーが適用される骨表面に、相対的に、近い位置または配置、を大まかに言って、意味する。逆に、本明細書で任意のコンポーネントまたは構造に対して用いられている用語「近位の(proximal)」は、骨アンカーが適用される骨表面に、相対的に、遠い位置または配置、を大まかに言って、意味する。
【0012】
用語「含む(comprise)」、「含む(include)」、および、「有する(have)」、および、それらの派生形は、包括的な、範囲を設定しない用語として、相互に交換可能に、本明細書では用いられる。例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、および、「有する(having)」を用いることは、含まれる(comprised)、有される(had)、および、含まれる(included)どのような要素も、その動詞を含む節の主語によって包含される唯一の要素ではないことを意味する。
【0013】
図1から図5は、例示的な脊椎固定要素である脊椎ロッド12に結合された骨アンカーアセンブリ10の例示的な実施の形態を示している。例示的な骨アンカーアセンブリ10は、一つまたは複数の脊椎固定要素を骨に係合させるために用いられてよい。例えば、骨アンカーアセンブリ10は、脊椎プレート、ロッド、および/または、ケーブルを、脊椎の椎骨に固定するために用いられてよい。以下に記載される例示的な骨アンカーアセンブリ10は、主に脊椎の用途で用いるために設計されているが、当業者は、その例示的な骨アンカーアセンブリ10の構造、特徴、および、原理が、以下のその他の例示的な実施の形態と同様に、任意のタイプの整形外科用移植片を任意のタイプの骨または組織に結合するために用いられてもよいことを、適切に評価するであろう。本明細書に記載された骨固定アンカーアセンブリ10の非限定的な応用例には、長骨の骨折の固定/安定化、小骨の安定化、腰椎および胸椎の安定化/固定(fusion)、頚椎の圧迫(compression)/固定(fixation)、および、頭蓋骨骨折の再建プレート法、などがある。
【0014】
図示された例示的な骨アンカーアセンブリ10は、近位のヘッド部16と、骨に係合するように構成された遠位のシャフト18と、を備えた骨アンカー14を含んでいてよい。骨アンカー14の遠位のシャフト18は、シャフト径20および長手方向の軸22を含んでいる。遠位のシャフト18は、骨アンカー14が骨に掴み係合(gripping engagement)するのを容易にするために一つまたは複数の骨係合機構を含んでいてよい。図示された例示的な実施の形態では、例えば、遠位のシャフト18が雄ねじ24を含んでいる。雄ねじ24は、シャフト18の少なくとも一部に沿って延在していてよい。例えば、図示された例示的な実施の形態では、雄ねじ24は、シャフト18の遠位の先端26から骨アンカー14のヘッド部16近くまで延在している。当業者は、例えば、一つまたは複数の環状リッジ、多条ねじ、二条ねじ(dual lead threads)、可変ピッチねじ、不等ピッチねじ、および/または、任意のその他の従来の骨係合機構などの、雄ねじ24以外の骨係合機構が用いられてもよいことを、適正に評価するであろう。図示された例示的な実施の形態では、シャフト18のシャフト径20は、雄ねじ24の大径によって画定されていてよい。
【0015】
例示的な骨アンカー14の近位のヘッド部16は、以下に記載されるように、骨アンカーアセンブリ10の受容部材40に対して骨アンカー14を調節するのを容易にするように構成されていてよい。例えば、ヘッド部16は、骨アンカー14が受容部材40に対して旋回できるようにするために、ほぼ球形の形状を有していてよい。図示された例示的な実施の形態では、例えば、ヘッド部16は、先端を切り取った球体の形状を有していて、この球体はほぼ平坦な近位の表面30と、ほぼ半球形の遠位の表面32と、を含んでいる。骨アンカーのヘッド部16は、表面模様付け、ローレット切り、および/または、リッジ、を有していてよい。ヘッド部16は、異なる直径の一つまたは複数の球形部分からなっていてもよい。各部分の中心は、同じ点に位置していても位置していなくてもよい。
【0016】
図6から図10を参照すると、例示的な骨アンカーアセンブリ10の受容部材40は、第1のボア軸46を画定する第1のボア44を備えた近位の第1の端部42と、第1のボア44と連通した凹部48と、第2のボア52を備えた遠位の第2の端部50と、を含んでいる。その例示的な実施の形態では、第2のボア52は、以下により詳しく記載されるように、第1のボア軸46と交わる第2のボア軸54を画定している。
【0017】
受容部材40は、いくつかの例示的な実施の形態では、脊椎固定要素を受容し、その脊椎固定要素を骨アンカーアセンブリと結合するように構成されていてよい。その例示的な実施の形態では、例えば、受容部材40の凹部48が、図1から図3に示されているように、脊椎ロッド12を受容するための寸法および形状を有していてよい。例えば、受容部材40は、凹部48によって隔てられた2つの脚部56A,56Bによって画定されたほぼU字形の断面を有している。各脚部56A,56Bは、受容部材40の第1の端部42のところで自由端になっている。例示的な脊椎ロッド12は、脊椎ロッド12および凹部48を整合させて、脊椎ロッド12を第1のボア44を通して凹部48内に前進させることによって、凹部48内に配置されてよい。受容部材40の凹部48の構成は、使用される脊椎固定要素のタイプ、寸法、および、形状を収容するために変更されてよい。別のいくつかの例示的な実施の形態では、例示的な脊椎ロッド14、または、その他の脊椎固定要素が、例えば、バンドクランプ、仙骨エクステンダー、または、外側オフセットコネクター、のようなオフセット結合機構によるなどして、凹部48の代わりに、別の結合機構によって、骨アンカーアセンブリに結合されてよい。
【0018】
受容部材40は、脊椎固定要素を骨アンカーに結合してよい。上記例示的な実施の形態では、第2のボア52は、上記の例示的な骨アンカー14のような骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在することのできる第1の開口部60を有していてよい。例えば、例示的な骨アンカー14のシャフト18は、図3および図4に示されているように、第1の開口部60を通って延在していてよい。第1の開口部60は、例示的な骨アンカー14のヘッド部16と係合するための寸法および形状を有していてよい。例えば、第1の開口部60は、例示的な骨アンカー14のヘッド部16と係合するためのシート部62を画定してもよく、そのシート部62が骨アンカー14を受容部材40に対して旋回できるようにしている。いくつかの例示的な実施の形態では、シート部62は、骨アンカー14が受容部材に対して旋回できるようにするためにほぼ球形の形状を有していてよい。上記例示的な実施の形態では、シート部62は、ほぼ半球形の形状を有してよく、例示的な骨アンカー14のヘッド部16の遠位の表面32と相似の曲率を有していてよい。別の例示的な実施の形態では、シート部62は、骨アンカーのヘッド部を受容部材に対して調節できるようにする先細りの形状またはその他の任意の形状を有していてよい。上記例示的な実施の形態では、骨アンカーアセンブリ10は、骨アンカー14が受容部材40に対して一つまたは複数の角度で旋回しうるので、多軸骨アンカーアセンブリである。より詳しく言うと、骨アンカーア14は、骨アンカー14の長手方向の軸22が第2のボア軸54に対して0度から90度の角度をなすように、調節されてよい。別の例示的な実施の形態では、シート部62は、スナップリングのような、受容部材内に嵌め込まれる別個のコンポーネントによって提供されてよい。
【0019】
当業者は、本明細書に開示されている骨アンカーアセンブリが例示的な骨ねじ14に限定されないことを、適切に評価するであろう。別の例示的な実施の形態では、例えば、骨ねじが受容部材に対して固定されている単軸骨ねじ、または、多軸または単軸フックまたはボルト、などを含むその他の骨アンカーが用いられてよい。
【0020】
上記の例示的な実施の形態では、受容部材40の第2のボア52は、第1の開口部60と反対側の第2の開口部64を有していてよい。第2の開口部64は、骨アンカーを受容部材に結合するのを容易にする、および/または、骨アンカーが受容部材40に結合された後に骨アンカーに器具を導入するのを容易にする、寸法を有していてよい。例えば、第2の開口部64は、骨アンカーアセンブリを組み立てる間に、骨アンカーのヘッド部を通過させる寸法を有していてよい。上記の例示的な実施の形態では、第2の開口部64は、例示的な骨アンカー14のヘッド部16の直径35よりも大きい大きさ66、例えば、直径を有していてよい。いくつかの例示的な実施の形態では、第2の開口部64は、例示的な骨アンカー14のヘッド部16の直径35以下の大きさ66を有していてよい。そのような実施の形態では、骨アンカーは、骨アンカーのヘッド部を、第1の開口部60を通して挿入することによって、受容部材40に組み付けられてよく、例えば、スナップリングのような維持部材が、シート部62を提供するために用いられてよい。第2の開口部64は、骨アンカーと係合するために選択された一つまたは複数の器具の大きさよりも大きい大きさ66、例えば、直径を有していてよい。
【0021】
第2のボア軸54は、骨アンカーに対して好ましい角度で配置されるようにするために、第1のボア軸46に対してある角度で配置されていてよい。例えば、第2のボア軸54は、第1のボア軸46に対して約0度から約90度のまでの角度Xで配置されてよい。脊椎の頚椎部分で用いるために設計された骨アンカーアセンブリでは、第2のボア軸54は、第1のボア軸46に対して約40度から約70度までの角度Xで配置されてよく、好ましい実施の形態では、第2のボア軸54は、第1のボア軸46に対して、約55度の角度Xで配置されてよい。
【0022】
図示された例示的な実施の形態では、第1の端部42は、第1の平面72を画定する近位の表面70を有し、第2の端部50は、第2の平面76を画定する遠位の表面74を有する。第1の平面72は、第2の平面76が第1の平面72に対して角度Yで配置されるように、上記例示的な実施の形態では、第2の平面76と交わっている。上記例示的な実施の形態では、角度Yは、角度Xとほぼ等しくてよい。別の実施の形態では、角度Yは、角度Xと異なっていてよい。
【0023】
上述したように、第2の開口部64は、骨アンカーを受容部材40に結合するのを容易にするために、および/または、骨アンカーおよび受容部材を組み立てた後に骨アンカーに器具を導入するのを容易にするために、用いられてよい。あるいくつかの例示的な実施の形態では、第1のボア44は、例示的な骨アンカー14のヘッド部16の直径35よりも小さい、例えば直径などの大きさ78を有していてよい。第1のボア44の大きさ78は、骨アンカー14のシャフト径20よりも小さくてよい。例えば、上記例示的な骨アンカー14の場合では、第1のボア44の大きさ78は、骨アンカー14のシャフト18に設けられたねじ山24の大径より小さくてよい。当業者は、第1のボア44の大きさ78は、選択された骨アンカーのいずれかの部分または全ての部分の大きさより大きいか、大きさと等しいか、または、大きさより小さくてよいことを、適正に評価するであろう。
【0024】
その中を通して骨アンカーが受容部材に組み付けられる第2の開口部64を設けることによって、第1のボア軸46と第2のボア軸54との間の角度Xの値が、第2の開口部64が設けられていない従来の骨アンカーアセンブリと比べて、より大きくされてよい。図5を参照すると、例えば、骨アンカー14は、骨アンカー14の長手方向の軸22が第2のボア軸54と同軸になっている中間位置に関して対称的に角度Wだけ調節されてよい。例えば、骨アンカー14は、第1のボア軸46に向かって角度W/2だけ調節されてよく、また、第1のボア軸46から離れて角度W/2だけ調節されてよい。上記例示的な実施の形態では、角度Xは、角度W/2以上であってよい。
【0025】
骨アンカーアセンブリ10は、脊椎固定要素と骨アンカーとの間で受容部材40内に配置できる圧縮部材80を必要な場合に含んでいてよい。図2および図3に示されているように、圧縮部材80は、脊椎ロッド12と例示的な骨アンカー14のヘッド部16との間で第1のボア44および凹部48内に配置されていてよい。上記例示的な実施の形態では、圧縮部材80は、脊椎固定要素と係合するための近位の第1の表面82と、骨アンカー14のヘッド部16と係合するための反対側の遠位の第2の表面84と、を有していてよい。
【0026】
図11A、図11B、および、図12を参照すると、圧縮部材80の例示的な実施の形態は、円形の断面、または、好ましくは受容部材40の第1のボア44の断面と相似のその他の断面を備えたほぼ円盤の形状を有していてよい。圧縮部材80の第1の表面82は、脊椎固定要素を配置するように構成されていてよい。上記例示的な実施の形態では、第1の表面82は、上記例示的な脊椎ロッド14の曲率と類似した曲率を備えたほぼ弓形の断面を有している。第2の表面84は、骨アンカーのヘッド部と係合するように構成されていてよい。例えば、第2の表面84は、骨アンカーのヘッド部と係合するように、ほぼ球形の形状または先細りの形状を有していてよい。例示的な実施の形態では、第2の表面84は、半球形の形状を有していてよく、骨アンカー14のヘッド部16の曲率と類似した曲率を有していてよい。圧縮部材80は、器具または骨アンカーのコンポーネントを第2のボア52を通して配置するのを容易にする切り欠き部86を有していてよい。切り欠き部は、ほぼ弓形の形状を有していてよく、上記例示的な圧縮部材80の第1の表面82と第2の表面84との間に広がっていてよい。
【0027】
上記例示的な骨アンカーアセンブリ10は、脊椎固定要素を骨アンカーアセンブリに保持する閉鎖機構90を含んでいてよい。図1から図3を参照すると、閉鎖機構90は、例示的な脊椎ロッド12を受容部材40の凹部48内に保持する。閉鎖機構90は、受容部材40の第1の端部42に係合してよく、別の実施の形態では、受容部材40の別の部分に係合してよい。例示的な閉鎖機構90は、受容部材40の第1の端部42の外側面に係合する外側キャップである。例えば、閉鎖機構90は、受容部材40の第1の端部42に設けられた雄ねじ94と噛合う雌ねじ92を有していてよい。閉鎖機構90が遠位の向きに進んで脊椎ロッド12と係合すると、脊椎ロッド12が受容部材40の凹部48内に保持される。例示的な骨アンカー10のように、圧縮部材80を用いている実施の形態では、閉鎖機構90が遠位の向きに進んで脊椎ロッド12と係合すると、脊椎ロッド12が圧縮部材80に配置される。脊椎ロッド12の遠位の向きの前進は、図示された例示的な実施の形態の場合には、脊椎ロッド12が骨アンカー14のヘッド部16に係合することによって、または、圧縮部材80が骨アンカーのヘッド部16に係合することによって、さらに骨アンカー14を受容部材40に対して固定してもよい。
【0028】
当業者は、別のタイプの閉鎖機構が用いられてもよいことを、適正に評価するであろう。例えば、受容部材40の第1のボア44内に配置可能な内側閉鎖機構が用いられてもよい。例えば、図13および図14は、雄ねじを備えた内側閉鎖機構102によって係合するための雌ねじ104を備えた骨アンカーアセンブリ100の例示的な実施の形態を示している。別のいくつかの実施の形態では、閉鎖機構は、外側および内側閉鎖機構、非ねじツイスト・イン・キャップ、および/または、任意のその他の通常の閉鎖機構、を含んでいてよい。
【0029】
図15および図16は、骨アンカーアセンブリ150の例示的な実施の形態を示していて、骨アンカーアセンブリ150では、受容部材160は、受容部材160の遠位の第2の端部168の大きさ166より小さい、例えば直径などの大きさ164を有する近位の第1の端部162を有している。第1の端部162の大きさ164が小さくなっていることによって、隣接する椎骨に配置された骨アンカーアセンブリ、または、別の方法で互いに接近して植え込まれた骨アンカーアセンブリ、の間の干渉が最小にされる。
【0030】
骨アンカーアセンブリのコンポーネントは、例えば、チタンおよびステンレス鋼のような金属または金属合金、ポリマー、および/または、セラミックスなどを含む任意の生体適合性の材料から製造されてよい。コンポーネントは、同じ材料または異なる材料で製造されてよい。ある例示的な製造方法では、骨アンカーおよび受容部材は、別々に構成されて、植え込みの前に組み立てられてよい。骨アンカーは、ある例示的な方法では、第2のボア52の第2の開口部64を通して骨アンカーを配置することによって、受容部材に結合されてよい。骨アンカーのヘッド部は、骨アンカー14のシャフト18が第1の開口部60を通って延在するように、第1の開口部60のシート62に押しつけて配置されてよい。圧縮部材80は、骨アンカーアセンブリの植え込みの前、または、植え込み後に、骨アンカーのヘッド部と係合するように第1のボア44を通して配置されてよい。
【0031】
骨アンカーアセンブリ10は、任意の通常の手順で植え込まれてよい。骨アンカーアセンブリを脊椎の椎骨に係合させるある例示的な方法では、骨アンカーアセンブリは、開かれた切開部を通して、または、低侵襲手術によって低侵襲的な皮膚の切開部と椎骨との間の経皮的通路を通して、椎骨の近くに導入されてよい。骨アンカードライバーのような器具が、第2のボア52の第2の開口部64を通して挿入されてよい。その器具は、骨アンカーのヘッド部と係合してよく、例えば器具の近位の端部を回すことによって、骨アンカーを椎骨に保持するために用いられてよい。その器具は、骨アンカーを、椎骨に予め穿孔された孔内に駆動してよく、または、例えば自動穿孔骨ねじの場合には、その器具は、骨アンカーを回転させて、骨アンカーが前進すると共に骨に孔を開けてよい。手順に応じて、脊椎固定要素は、骨アンカーアセンブリに結合されていてよい。脊椎固定要素は、骨アンカーアセンブリが骨に係合する前、係合している間、係合した後に、骨アンカーアセンブリに結合されてよい。閉鎖機構は、脊椎固定要素を骨アンカーアセンブリに保持するために用いられてよい。
【0032】
直視下手術および低侵襲手術のいずれでも、骨アンカードライバーを第2の開口部64を通して配置することによる骨アンカーを駆動する動作は、脊椎固定要素または閉鎖機構がその中を通して挿入される切開部または経皮的開口部とは別の切開部または経皮的開口部を通して行うことができる。例えば、骨アンカーアセンブリは、一つの切開部または経皮的開口部を通して脊椎の近くに導入されてよく、骨アンカードライバーは、第2の切開部または経皮的開口部を通して導入されて第2の開口部64を通して骨アンカーに係合してよい。
【0033】
ある例示的な方法では、骨アンカーアセンブリ用の骨アンカーは、2つ以上の隣接する椎骨と係合してよい。例えば、C1−C2トランスアーティキュラー固定(transarticular fixation)では、骨アンカーのシャフトが、C1椎骨およびC2椎骨の椎間関節を通して挿入されてよい。そのような手技は、各椎骨に対して一つの骨アンカーアセンブリが必要ではなくする。
【0034】
図17から図21は、骨アンカーアセンブリ100の例示的な実施の形態を示していて、そのアセンブリは受容部材102を有し、その受容部材102は、第1のボア軸108を画定する第1のボア106を備えた第1の端部104と、第1のボア106に連通した凹部110と、骨アンカー14の少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボア114を備えた第2の端部112と、を含んでいる。上述された例示的な骨アンカーアセンブリ10の場合でのように、凹部110は、例えば脊椎ロッドのような脊椎固定要素を受容するための寸法および形状であってよい。上記例示的な実施の形態では、第2のボア114は、第1のボア軸108と角度Xで交わってよい第2のボア軸116を画定してよい。第2のボア114は、上記例示的な実施の形態では、その中を骨アンカー14の少なくとも一部が通って延在する第1の開口部118を有していてよい。
【0035】
上記例示的な実施の形態では、第1のボア106は、第1の平面122を画定する近位の開口部120と、例示的な実施の形態では第1のボア106の近位の開口部120より遠位の側に位置し、第2の平面124を画定する、第1の開口部118の一部分と、を有する。第1の平面122は、上記例示的な実施の形態では、第2の平面124が第1の平面122に対して角度Yで配置されるように、第2の平面124と交わっていてよい。上記例示的な実施の形態では、角度Yは、角度Xとほぼ等しくてよい。別の例示的な実施の形態では、角度Yは、角度Xと異なっていてよい。
【0036】
上記例示的な実施の形態では、第1の開口部118は、例示的な骨アンカー14のシャフト18のような、骨アンカーの一部が、骨アンカーアセンブリ100を組み立てる間に、その中を通って挿入されるように構成されている。例えば、第1の開口部118は、図示された例示的な実施の形態でのように、ほぼ長楕円形の形状であり、図20および図21に示されているように、第1のボア軸108および第2のボア軸116にわって交差されていてよい。上記例示的な実施の形態では、第1の開口部118は、第2の弓形端部128から間隔Eだけ離れた第1の弓形端部126を有していてよい。第1の弓形端部126と第2の弓形端部128との間の間隔Eは、第1のボア軸108および第2のボア軸116が第1の開口部118と交わるように、選択されてよい。第1の弓形端部126は、第1のボア軸108の近くの中心CP1 を有していてよく、第2の弓形端部は、第2のボア軸116の近くの中心CP2 を有していてよい。上記例示的な実施の形態のような、いくつかの例示的な実施の形態では、第1の弓形端部126は、第1のボア軸108が交わる中心CP1 を有し、第2の弓形端部は、第2のボア軸116が交わる中心CP2 を有していてよい。
【0037】
第1の弓形端部126は、第2の弓形端部128の第2の曲率半径132と異なる第1の曲率半径130を有していてよい。例えば、第1の曲率半径130は、図示された例示的な実施の形態の場合でのように、第2の曲率半径132より小さくてよい。第1の曲率半径130は、組み立ての間に骨アンカーを受容部材102に挿入するのを容易にするように、骨アンカーのシャフト径より大きくてよい。第1のボア106は、シャフトが第1の開口部118を通過するのを容易にするために、骨アンカーのシャフトに設けられたねじ山と噛合うための第1の開口部118の近くの雌ねじを含んでいてよい。ねじ山は、第1の弓形端部126まで伸びていて、第1の弓形端部126が骨アンカーのシャフトの直径より小さい曲率半径を有することができるようにしていてよい。
【0038】
別の例示的な実施の形態では、第1の弓形端部126は、第2の弓形端部128の曲率半径132とほぼ等しい曲率半径130を有していてよい。そのような実施の形態では、第1の開口部118は、ほぼ楕円形の形状を有していてよい。
【0039】
ある例示的な製造方法では、例示的な骨アンカー14のような骨アンカーは、第1のボア106を通して受容部材102内に挿入されてよい。挿入の間、骨アンカーの長手方向の軸は、第1のボア軸108と整合させられてよい。骨アンカーの少なくとも一部、例えば、骨アンカーのシャフトは、第2のボア114の第1の開口部118を通して進められてよい。前進の間、骨アンカーの長手方向の軸は、第1のボア軸108と整合したままに留まっていてよい。骨アンカーのヘッド部は、次に、第1の開口部118によって提供されたシートに押しつけて配置されてよい。
【0040】
多軸の実施の形態では、図示された例示的な実施の形態でのように、骨アンカー14は、受容部材102に対して調節可能であってよい。例えば、骨アンカー14は、中間位置から調節されてよく、その中間位置では、骨アンカー14の長手方向の軸が図17の矢印Nで示されているように、第2のボア軸116と同軸になっている。第1の開口部118の寸法および形状は、骨アンカーの調節の範囲を画定してよい。例えば、骨アンカー14は、角度A’だけ第1の弓形端部126に向けてオフセット位置まで調節されてよく、そのオフセット位置では、骨アンカー14の長手方向の軸が図17の矢印Mで示されているように、第1のボア軸108と同軸になっている。骨アンカー14は、図17の矢印Pで示されているように、角度B’だけ第2の弓形端部128に向けて調節されてよい。いくつかの例示的な実施の形態では、上記の骨アンカーアセンブリ10のように、角度A’および角度B’は、ほぼ等しくてよい。別のいくつかの実施の形態では、骨アンカーアセンブリ100のように、角度A’および角度B’は、互いに異なっていてよく、その場合には、骨アンカーは、第2のボア軸に関して非対称的に調節可能である。例えば、骨アンカーアセンブリ100の場合でのように、A’はB’より大きくてよい。
【0041】
骨アンカーアセンブリ200の別の例示的な実施の形態が、図22から図24に示されている。その例示的な骨アンカーアセンブリ200の受容部材240は、第1のボア軸246を画定する第1のボア244を備えた近位の第1の端部242と、第1のボア244と連通した凹部248と、第2のボア252を備えた遠位の第2の端部250と、を含んでいる。その例示的な実施の形態では、第2のボア252は、第1のボア軸246から間隔Oだけずれた第2のボア軸254を画定している。そのオフセットの間隔Oの結果として、第1のボア軸246および第2のボア軸254は、別々の平面上に位置し、互いに交わることはない。例えば、図23を参照すると、第1のボア軸246は、第1のボア244のほぼ中心点CP1 を通り、第1の平面P1 上に位置している。第2のボア軸254は、第2のボア252のほぼ中心点を通り、第2の平面P2 上に位置していて、第2の平面P2 は第1の平面P1 からオフセットの間隔Oだけずれている。図示された例示的な実施の形態では、第2のボア252は、円錐形であってよい。別の例示的な実施の形態では、第2のボアは、円筒形、または、その他の任意の適切な形状であってよい。図示された実施の形態では、第1の平面P1 および第2の平面P2 は、両方とも、凹部248の軸と平行である。当業者は、第1の平面P1 および第2の平面P2 が凹部248の軸に対して0度から180度までの任意の角度で配置されていてよいことを、適正に評価するであろう。
【0042】
図25は、別の例示的な骨アンカーアセンブリ300を示していて、そのアセンブリ300は、近位の第1の端部342、遠位の第2の端部350、および、第1の端部および第2の端部の間に延在するボア351、を含む受容部材340を有している。この例示的な実施の形態では、受容部材340は、例えば脊椎ロッド12などの固定要素を受容するための寸法および形状を有する凹部348を含んでいる。例えば、受容部材340は、凹部348によって隔てられた脚部356A,356Bによって画定されたほぼU字形の断面を有していてよい。例示的な実施の形態では、凹部348の軸341は、受容部材340のボア351の軸353に対して約0度から約90度までの角度Nで配置されている。脊椎の頚椎部分で用いるために設計された骨アンカーアセンブリでは、凹部の軸341は、ボアの軸353に対して約15度から約70度までの角度Nで配置されていてよく、好ましい実施の形態では、凹部の軸341は、ボアの軸353に対して、約55度および約15度の角度Nで配置されていてよい。
【0043】
受容部材340の近位の端部342は、例えば、止めねじなどの閉鎖機構390に設けられた雄ねじ392を受容するための雌ねじ394を含んでいてよい。例示的な実施の形態では、受容部材340の雌ねじ394の軸は、ボアの軸353にほぼ平行に配置されていてよい。そのような実施の形態では、閉鎖機構390は、ボアの軸353と平行な向きでロッド12に接触する状態へ進められる。さらに、そのような実施の形態では、閉鎖機構390は、ボアの軸353と平行な角度でかつロッド12の長手方向の軸と垂直でない角度で進められる。
【0044】
上記の例示的な実施の形態では、受容部材340の第1の端部342は、第1の平面372を画定し、第2の端部350は、第1の平面372とほぼ平行に配置された第2の平面374を画定する。凹部の軸は、上記の例示的な実施の形態では、第1の平面372および第2の平面374と交わる。雌ねじ394の軸は、遠位の第2の平面374にほぼ垂直で、それによって、骨アンカードライバーが雌ねじと噛合い、骨アンカーアセンブリ300にしっかりと固定され、それによって、骨アンカーアセンブリの挿入が容易にされる。骨アンカーアセンブリ300が骨の中に進むと、第2の平面374が回転の軸と垂直である特性によって、骨アンカーアセンブリ300が、その解剖学的構造との干渉を最小にしながら挿入できるようになる。
【0045】
本発明の骨アンカーアセンブリおよび方法が、本発明の例示的な実施の形態を参照して具体的に示され記載されたが、当業者は、さまざまな変更が、本発明の真髄および範囲から逸脱することなく、本明細書の形態および細部に行われることを、理解するはずである。当業者は、日常的な範囲を越えない経験を用いることで、本明細書に具体的に記載された例示的な実施の形態の多くの等価物に気づく、または多くの等価物を確かめることができるであろう。そのような等価物は、本発明の範囲および添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【0046】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトが、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、
を具備し、
前記受容部材は、
第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、前記第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部、および、前記第1の開口部の反対側の第2の開口部、を有し、前記第2の開口部が、前記骨アンカーアセンブリを組み立てる間に前記骨アンカーの前記ヘッド部を通過させる寸法を有する、第2の端部と、
を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(2)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記脊椎固定要素と前記骨アンカーの前記ヘッド部との間で前記受容部材内に配置可能な圧縮部材であって、前記圧縮部材が、前記脊椎固定要素に係合するための第1の表面、および、前記骨アンカーの前記ヘッド部に係合するための反対側の第2の表面、を有する、圧縮部材をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリ。
(3)前記実施態様(2)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記圧縮部材が、前記骨アンカーを前記第2の開口部を通して配置するのを容易にするための弓形の切り欠き部を含む、
骨アンカーアセンブリ。
(4)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記骨アンカーの前記シャフトが、前記シャフトの少なくとも一部に沿った雄ねじを含み、
前記雄ねじが、大径を有し、
前記第1のボアの直径が、前記雄ねじの前記大径より小さい、
骨アンカーアセンブリ。
(5)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第2のボア軸が、前記第1のボア軸に対して40度から70度までの角度で配置されている、
骨アンカーアセンブリ。
【0047】
(6)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
脊椎固定要素が、脊椎ロッドを含む、
骨アンカーアセンブリ。
(7)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記骨アンカーの前記ヘッド部が、前記第2のボアの前記第1の開口部に設けられたほぼ半球形の形状のシート部に係合するほぼ半球形の形状の遠位の表面を含む、
骨アンカーアセンブリ。
(8)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記骨アンカーが、前記受容部材に対して調節可能である、
骨アンカーアセンブリ。
(9)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記受容部材の前記第1の端部に係合可能な閉鎖機構であって、前記閉鎖機構が、前記受容部材の前記第1の端部に係合したときに前記脊椎固定要素を前記凹部内に保持する、閉鎖機構をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリ。
(10)前記実施態様(9)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記閉鎖機構が、前記受容部材の前記第1の端部の外側面に係合する、
骨アンカーアセンブリ。
【0048】
(11)前記実施態様(9)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記閉鎖機構が、前記受容部材の前記第1のボア内に配置される、
骨アンカーアセンブリ。
(12)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記受容部材の前記第1の端部が、前記受容部材の前記第2の端部の外径より小さい外径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(13)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1のボアが、前記シャフト径より小さい直径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(14)前記実施態様(1)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の端部が、第1の平面を画定し、前記第2の端部が、第2の平面を画定し、前記第1の平面および前記第2の平面が互いに交わる、
骨アンカーアセンブリ。
(15)骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトが、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、
を具備し、
前記受容部材は、
第1のボア軸を画定し、かつ、第1の平面を画定する近位の開口部を有する、第1のボア、を備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部、および、前記第1の開口部の反対側の第2の開口部、を有し、前記第1の開口部が、前記第1の平面と交わる第2の平面を画定し、前記第2の開口部が、前記骨アンカーアセンブリを組み立てる間に前記骨アンカーの前記ヘッド部を通過させる寸法を有する、第2の端部と、
を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【0049】
(16)前記実施態様(15)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記脊椎固定要素と前記骨アンカーの前記ヘッド部との間で前記受容部材内に配置可能な圧縮部材であって、前記圧縮部材が、前記脊椎固定要素に係合するための第1の表面、および、前記骨アンカーの前記ヘッド部に係合するための反対側の第2の表面、を有する、圧縮部材をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリ。
(17)前記実施態様(16)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記圧縮部材が、前記骨アンカーを前記第2の開口部を通して配置するのを容易にするための弓形の切り欠き部を含む、
骨アンカーアセンブリ。
(18)前記実施態様(15)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1のボアが、前記シャフト径より小さい直径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(19)骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトが、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、
を具備し、
前記受容部材は、
第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、前記第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部を有し、前記第1の開口部が、ほぼ長楕円形の形状を有し、前記第1のボア軸および前記第2のボア軸によって交差されている、第2の端部と、を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(20)前記実施態様(19)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の開口が、第2の弓形端部からある間隔だけ離れて配置された第1の弓形端部を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【0050】
(21)前記実施態様(20)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の弓形端部が、前記第2の端部の曲率半径と異なる曲率半径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(22)前記実施態様(20)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の弓形端部が、前記第1のボア軸の近くの中心を有し、
前記第2の弓形端部が、前記第2のボア軸の近くの中心を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(23)前記実施態様(19)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の弓形端部が、前記シャフト径より大きい曲率半径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(24)前記実施態様(19)に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の開口部が、ほぼ楕円形の形状を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(25)前記実施態様(19)に記載の骨アンカーアセンブリであって、
前記骨アンカーが、前記第2のボア軸に関して非対称的に調節可能である、
骨アンカーアセンブリ。
【0051】
(26)骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトは、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、
を具備し、
前記受容部材は、
第1のボア軸を画定し、かつ、第1の平面を画定する近位の開口部を有する、第1のボア、を備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、第2の平面を画定すると共に前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部を有し、前記第2の平面が前記第1の平面と交わり、前記第1の開口部が、ほぼ長楕円形の形状を有し、かつ、前記第1のボア軸および前記第2のボア軸によって交差されている、第2の端部と、を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(27)骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトは、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、を具備し、
前記受容部材は、
第1の端部、第2の端部、および、前記第1の端部および前記第2の端部の間に延在するボア軸を画定するボアと、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が、凹部軸を画定し、かつ、脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有し、前記凹部軸が、前記ボア軸に対して垂直以外の角度で配置されている、凹部と、を有する、
骨アンカーアセンブリ。
(28)患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法において、
前記骨の近くに骨アンカーアセンブリを導入する過程であって、前記骨アンカーが、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーと、
受容部材と、
を具備し、
前記受容部材が、
第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、
前記第1のボアと連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、前記第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部、および、前記第1の開口部と反対側の第2の開口部、を有する、第2の端部と、
を有する、
骨の近くに骨アンカーアセンブリを導入する過程と、
前記骨アンカーと係合させるために、前記第2のボアの前記第2の開口に器具を挿入する過程と、
を具備する、患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
(29)前記実施態様(28)に記載の方法において、
前記器具が、骨アンカードライバーである、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
(30)前記実施態様(29)に記載の方法において、
前記骨アンカーアセンブリを前記骨に固定するために、前記骨アンカードライバーを回転させる過程をさらに具備する、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【0052】
(31)前記実施態様(28)に記載の方法において、
前記骨に孔を穿孔し、前記器具を用いて前記孔内に前記骨アンカーの前記シャフトを配置する過程をさらに具備する、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
(32)前記実施態様(28)に記載の方法において、
脊椎固定要素を前記骨アンカーアセンブリに固定する過程をさらに具備する、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
(33)前記実施態様(28)に記載の方法において、
前記骨アンカーが、椎骨に係合する、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
(34)前記実施態様(28)に記載の方法において、
前記骨アンカーが、2つ以上の隣接する椎骨に係合する
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
(35)前記実施態様(34)に記載の方法において、
前記骨アンカーのシャフトが、隣接する2つの椎骨の間の椎間関節を通して配置される、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【0053】
(36)骨アンカーアセンブリの製造方法において、
受容部材を提供する過程であって、前記受容部材が、
第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が、脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
第2のボアを有する第2の端部であって、前記第2のボアが、前記第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、第1の開口部、および前記第1の開口部と反対側の第2の開口部、を有する、第2の端部と、
を有する、受容部材を提供する過程と、
骨アンカーを前記第2のボアの前記第2の開口を通して配置する過程と、
を具備する、骨アンカーアセンブリの製造方法。
(37)前記実施態様(36)に記載の方法において、
前記骨アンカーが、近位のヘッド部、および、骨と係合するように構成された遠位のシャフト、を有する、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
(38)前記実施態様(36)に記載の方法において、
前記シャフトの少なくとも一部を前記第1の開口部を通して配置し、前記ヘッド部を前記第2のボア内に配置する過程をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
(39)前記実施態様(36)に記載の方法において、
前記骨アンカーが、前記受容部材に対して調節可能である、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
(40)前記実施態様(36)に記載の方法において、
圧縮部材を前記受容部材内に配置し、前記骨アンカーの前記ヘッド部を係合させる過程をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
【0054】
(41)前記実施態様(40)に記載の方法において、
前記圧縮部材が、脊椎固定要素と係合するための第1の表面を有する、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】骨アンカーアセンブリに結合された脊椎ロッドを示した、骨アンカーアセンブリの例示的な実施の形態の斜視図である。
【図2】図1の骨アンカーアセンブリの上面図である。
【図3】図2の線C−Cに沿った図1の骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【図4】図1の骨アンカーアセンブリのコンポーネントの分解組立図である。
【図5】図1の骨アンカーアセンブリのコンポーネントの側断面図である。
【図6A】図1の骨アンカーアセンブリの受容部材の斜視図である。
【図6B】図1の骨アンカーアセンブリの受容部材の斜視図である。
【図7】図1の骨アンカーアセンブリの受容部材の上面図である。
【図8】図1の骨アンカーアセンブリの受容部材の側面図である。
【図9】図1の骨アンカーアセンブリの受容部材の正面図である。
【図10】図9の線B−Bに沿った図1の骨アンカーアセンブリの受容部材の側断面図である。
【図11A】図1の骨アンカーアセンブリの圧縮部材の斜視図である。
【図11B】図1の骨アンカーアセンブリの圧縮部材の斜視図である。
【図12】図1の骨アンカーアセンブリの圧縮部材の上面図である。
【図13】骨アンカーアセンブリの例示的な実施の形態のコンポーネントの分解組立図である。
【図14】図13の骨アンカーアセンブリのコンポーネントの側断面図である。
【図15】短縮された直径の第1の端部を備えた受容部材を有する骨アンカーアセンブリの例示的な実施の形態の側面図である。
【図16】図15の骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【図17】骨アンカーの角度が変化する範囲を示した骨アンカーアセンブリの例示的な実施の形態の側面図である。
【図18】図17の骨アンカーアセンブリの後方の斜視図である。
【図19】図17の骨アンカーアセンブリの受容部材の斜視図である。
【図20】受容部材の第2のボアの開口を示した、図17の骨アンカーアセンブリの受容部材の底面図である。
【図21】図20の線H−Hに沿った図17の骨アンカーアセンブリの受容部材の側断面図である。
【図22】骨アンカーアセンブリの例示的な実施の形態の側面図である。
【図23】受容部材の第1のボアのボア軸から変位した受容部材の第2のボアのボア軸を示した、図22の骨アンカーアセンブリの受容部材の上面図である。
【図24】図22の骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【図25】受容部材の角度をなした凹部に配置されたロッドを示した、骨アンカーアセンブリの例示的な実施の形態の側面図である。
【符号の説明】
【0056】
10 骨アンカーアセンブリ
12 脊椎ロッド
14 骨アンカー
16 近位のヘッド部
18 遠位のシャフト
20 シャフト径
22 長手方向の軸
24 雄ねじ
26 遠位の先端
30 近位の表面
32 遠位の表面
35 直径
40 受容部材
42 近位の第1の端部
44 第1のボア
46 第1のボア軸
48 凹部
50 遠位の第2の端部
52 第2のボア
54 第2のボア軸
56A,56B 脚部
60 第1の開口
62 シート部
64 第2の開口
66 大きさ
70 近位の表面
72 第1の面
74 遠位の表面
76 第2の面
78 大きさ
80 圧縮部材
82 第1の表面
84 第2の表面
86 切り欠き部
90 閉鎖部材
92 雌ねじ
94 雄ねじ
100 骨アンカーアセンブリ
102 内側閉鎖機構
104 雌ねじ
106 第1のボア
108 第1のボア軸
110 凹部
112 第2の端部
114 第2のボア
116 第2のボア軸
118 第1の開口
120 近位の開口
122 第1の平面
124 第2の平面
126 第1の弓形端部
128 第2の弓形端部
130 第1の曲率半径
132 第2の曲率半径
150 骨アンカーアセンブリ
160 受容部材
162 第1の端部
164 大きさ
166 大きさ
168 第2の端部
200 骨アンカーアセンブリ
240 受容部材
242 第1の端部
244 第1のボア
246 第1のボア軸
248 凹部
250 第2の端部
252 第2のボア
254 第2のボア軸
300 骨アンカーアセンブリ
340 受容部材
341 軸
342 第1の端部
348 凹部
350 第2の端部
351 ボア
353 軸
356A,356B 脚部
372 第1の平面
374 第2の平面
390 閉鎖機構
392 雄ねじ
394 雌ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトが、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、
を具備し、
前記受容部材は、
第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、前記第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部、および、前記第1の開口部の反対側の第2の開口部、を有し、前記第2の開口部が、前記骨アンカーアセンブリを組み立てる間に前記骨アンカーの前記ヘッド部を通過させる寸法を有する、第2の端部と、
を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記脊椎固定要素と前記骨アンカーの前記ヘッド部との間で前記受容部材内に配置可能な圧縮部材であって、前記圧縮部材が、前記脊椎固定要素に係合するための第1の表面、および、前記骨アンカーの前記ヘッド部に係合するための反対側の第2の表面、を有する、圧縮部材をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記圧縮部材が、前記骨アンカーを前記第2の開口部を通して配置するのを容易にするための弓形の切り欠き部を含む、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記骨アンカーの前記シャフトが、前記シャフトの少なくとも一部に沿った雄ねじを含み、
前記雄ねじが、大径を有し、
前記第1のボアの直径が、前記雄ねじの前記大径より小さい、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第2のボア軸が、前記第1のボア軸に対して40度から70度までの角度で配置されている、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
脊椎固定要素が、脊椎ロッドを含む、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記骨アンカーの前記ヘッド部が、前記第2のボアの前記第1の開口部に設けられたほぼ半球形の形状のシート部に係合するほぼ半球形の形状の遠位の表面を含む、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記骨アンカーが、前記受容部材に対して調節可能である、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記受容部材の前記第1の端部に係合可能な閉鎖機構であって、前記閉鎖機構が、前記受容部材の前記第1の端部に係合したときに前記脊椎固定要素を前記凹部内に保持する、閉鎖機構をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記閉鎖機構が、前記受容部材の前記第1の端部の外側面に係合する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項11】
請求項9に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記閉鎖機構が、前記受容部材の前記第1のボア内に配置される、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記受容部材の前記第1の端部が、前記受容部材の前記第2の端部の外径より小さい外径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1のボアが、前記シャフト径より小さい直径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の端部が、第1の平面を画定し、前記第2の端部が、第2の平面を画定し、前記第1の平面および前記第2の平面が互いに交わる、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項15】
骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトが、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、
を具備し、
前記受容部材は、
第1のボア軸を画定し、かつ、第1の平面を画定する近位の開口部を有する、第1のボア、を備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部、および、前記第1の開口部の反対側の第2の開口部、を有し、前記第1の開口部が、前記第1の平面と交わる第2の平面を画定し、前記第2の開口部が、前記骨アンカーアセンブリを組み立てる間に前記骨アンカーの前記ヘッド部を通過させる寸法を有する、第2の端部と、
を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項16】
請求項15に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記脊椎固定要素と前記骨アンカーの前記ヘッド部との間で前記受容部材内に配置可能な圧縮部材であって、前記圧縮部材が、前記脊椎固定要素に係合するための第1の表面、および、前記骨アンカーの前記ヘッド部に係合するための反対側の第2の表面、を有する、圧縮部材をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記圧縮部材が、前記骨アンカーを前記第2の開口部を通して配置するのを容易にするための弓形の切り欠き部を含む、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項18】
請求項15に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1のボアが、前記シャフト径より小さい直径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項19】
骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトが、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、
を具備し、
前記受容部材は、
第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、前記第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部を有し、前記第1の開口部が、ほぼ長楕円形の形状を有し、前記第1のボア軸および前記第2のボア軸によって交差されている、第2の端部と、を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の開口部が、第2の弓形端部からある間隔だけ離れて配置された第1の弓形端部を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項21】
請求項20に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の弓形端部が、前記第2の端部の曲率半径と異なる曲率半径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項22】
請求項20に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の弓形端部が、前記第1のボア軸の近くの中心を有し、
前記第2の弓形端部が、前記第2のボア軸の近くの中心を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項23】
請求項19に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の弓形端部が、前記シャフト径より大きい曲率半径を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項24】
請求項19に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記第1の開口部が、ほぼ楕円形の形状を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項25】
請求項19に記載の骨アンカーアセンブリにおいて、
前記骨アンカーが、前記第2のボア軸に関して非対称的に調節可能である、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項26】
骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトは、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、
を具備し、
前記受容部材は、
第1のボア軸を画定し、かつ、第1の平面を画定する近位の開口部を有する、第1のボア、を備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、第2の平面を画定すると共に前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部を有し、前記第2の平面が前記第1の平面と交わり、前記第1の開口部が、ほぼ長楕円形の形状を有し、かつ、前記第1のボア軸および前記第2のボア軸によって交差されている、第2の端部と、を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項27】
骨アンカーアセンブリにおいて、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーであって、前記遠位のシャフトは、シャフト径および長手方向の軸を有する、骨アンカーと、
前記骨アンカーに結合される脊椎固定要素を受容するための受容部材と、を具備し、
前記受容部材は、
第1の端部、第2の端部、および、前記第1の端部および前記第2の端部の間に延在するボア軸を画定するボアと、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が、凹部軸を画定し、かつ、脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有し、前記凹部軸が、前記ボア軸に対して垂直以外の角度で配置されている、凹部と、を有する、
骨アンカーアセンブリ。
【請求項28】
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法において、
前記骨の近くに骨アンカーアセンブリを導入する過程であって、前記骨アンカーが、
近位のヘッド部、および、骨に係合するように構成された遠位のシャフト、を備えた骨アンカーと、
受容部材と
を具備し、
前記受容部材が、
第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、
前記第1のボアと連通した凹部であって、前記凹部が脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
前記骨アンカーの少なくとも一部を受容するための寸法を有する第2のボアを備えた第2の端部であって、前記第2のボアが、前記第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、前記骨アンカーの少なくとも一部がその中を通って延在する第1の開口部、および、前記第1の開口部と反対側の第2の開口部、を有する、第2の端部と、
を有する、
骨の近くに骨アンカーアセンブリを導入する過程と、
前記骨アンカーと係合させるために、前記第2のボアの前記第2の開口部に器具を挿入する過程と、
を具備する、患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、
前記器具が、骨アンカードライバーである、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、
前記骨アンカーアセンブリを前記骨に固定するために、前記骨アンカードライバーを回転させる過程をさらに具備する、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【請求項31】
請求項28に記載の方法において、
前記骨に孔を穿孔し、前記器具を用いて前記孔内に前記骨アンカーの前記シャフトを配置する過程をさらに具備する、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【請求項32】
請求項28に記載の方法において、
脊椎固定要素を前記骨アンカーアセンブリに固定する過程をさらに具備する、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【請求項33】
請求項28に記載の方法において、
前記骨アンカーが、椎骨に係合する、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【請求項34】
請求項28に記載の方法において、
前記骨アンカーが、2つ以上の隣接する椎骨に係合する
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、
前記骨アンカーのシャフトが、隣接する2つの椎骨の間の椎間関節を通して配置される、
患者の骨に骨アンカーアセンブリを係合させる方法。
【請求項36】
骨アンカーアセンブリの製造方法において、
受容部材を提供する過程であって、前記受容部材が、
第1のボア軸を画定する第1のボアを備えた第1の端部と、
前記第1のボアに連通した凹部であって、前記凹部が、脊椎固定要素を受容するための寸法および形状を有する、凹部と、
第2のボアを有する第2の端部であって、前記第2のボアが、前記第1のボア軸と交わる第2のボア軸を画定し、前記第2のボアが、第1の開口部、および前記第1の開口部と反対側の第2の開口部、を有する、第2の端部と、
を有する、受容部材を提供する過程と、
骨アンカーを前記第2のボアの前記第2の開口部を通して配置する過程と、
を具備する、骨アンカーアセンブリの製造方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、
前記骨アンカーが、近位のヘッド部、および、骨と係合するように構成された遠位のシャフト、を有する、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
【請求項38】
請求項36に記載の方法において、
前記シャフトの少なくとも一部を前記第1の開口部を通して配置し、前記ヘッド部を前記第2のボア内に配置する過程をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
【請求項39】
請求項36に記載の方法において、
前記骨アンカーが、前記受容部材に対して調節可能である、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
【請求項40】
請求項36に記載の方法において、
圧縮部材を前記受容部材内に配置し、前記骨アンカーの前記ヘッド部を係合させる過程をさらに具備する、
骨アンカーアセンブリの製造方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法において、
前記圧縮部材が、脊椎固定要素と係合するための第1の表面を有する、
骨アンカーアセンブリの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2007−516811(P2007−516811A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547596(P2006−547596)
【出願日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/044051
【国際公開番号】WO2005/065413
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(505353490)デピュイ・スパイン・エスエイアールエル (9)
【住所又は居所原語表記】Chemin−Blanc 36,CH−2400 Le Locle,Switzerland
【Fターム(参考)】