説明

骨伝導性の一体化された脊椎ケージおよびそれを作る方法

脊椎ケージは、脊椎骨本体間に掛かる圧縮力に耐える十分な強度を持った構造部材(10)を有する。構造部材は、脊椎骨本体間の骨成長を促進するために骨伝導性の部材(20)に一体化される。構造部材(10)は、PEEK、PEKK、または他の構造材料を有することができる。骨伝導性の部材(20)は、同種移植片(同種異系移植片)、自然骨、三カルシウムリン酸塩、ヒドロキシアパタイト、または炭酸カルシウムと乳酸カルシウムと他のカルシウム塩のブレンドのいずれかを有することができる。脊椎ケージを作る方法は、焼き嵌めした骨伝導性の部材の周りに重合体をモールドする段階を含み、また、部材を超音波溶接するか、スナップ嵌めまたは機械的組み立てするか、および/または、粘着により接合させるかする段階を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊柱外科処置で使用される脊椎ケージを対象とし、特に、PEKK、PEEK、多孔性のヒドロキシアパタイトなどを含む様々な材料から作られうる骨伝導性の一体化された脊椎ケージを対象とする。
【背景技術】
【0002】
背中または脊椎の障害は、合衆国で報告された筋骨格の障害の2分の1をわずかに上回ることを示している。さらに、米国整形外科アカデミー(American Academy of Orthopaedic Surgeons)の1999年の研究によれば、背中および脊椎の障害は合衆国における労働生産力喪失の原因となっている。同じ研究によれば、440万人が合衆国における脊椎ディスク相互間の問題を報告している。ほとんどの患者が非外科治療を用いて回復するのであるが、多くが運動性を改善し、痛みを減らすための外科的医療行為を必要としている。変性ディスク疾患、狭窄症、および脊椎分離症のような状況を克服するために使用される共通の処置は、脊椎融着(脊椎固定)と呼ばれる。合衆国では、毎年、約350,000例の脊椎融着外科処置が行なわれている。
【0003】
共通の脊椎融着処置は、椎間板切除(影響を受けたディスクの除去)、金属製のねじとロッドとディスクを使った固定、ディスクと脊椎ケージの置き換えを含み、適切な脊椎骨の間隔を保持する。脊椎ケージは、脊椎融着手術の際にインプラントされ、多くの年数の間使われたもので、ディスク高さを復元され保持される。不良のディスクの除去に続いて、外科処置の間に、隣接した脊椎骨本体の融着を促進するために、骨移植片(bone graft)が脊椎ケージの中に、およびその周りに挿入されなければならない。骨採取処置は一般に腸骨稜(iliac crest)骨採取と呼ばれ、そしてそれはしばしば供与サイトの病的状態をもたらす。ジャーナル・スパイン(Journal Spine)において出版された研究によれば、骨移植処置を受けた患者の50.7%が、運動困難、抗生物質の増量使用、持続的なドレナージ(drainage:排液、排濃)、およびその他の問題のような、重大な病的状態を経験した。
【0004】
骨移植置換は、現在、腸骨稜の骨採取を避けるために利用されている。しかしながら、処置の間に、脊椎融着ケージの重要な準備が外科医により必要とされる。骨移植置換と骨伝導性(osteoconductive)の材料は、一般に、脊椎融着外科処置に続いて脊椎間の融着前に掛かる圧縮力に抗して存続するのに必要な、十分な機械的特性を有していない。
【0005】
従来技術は、外科処置の間に採取され、そして脊椎ケージ中に、およびその周りに配置される患者自身の骨と共に、脊椎ケージを使用することを教示している。他の従来技術は、骨移植置換を利用するか、または、チップか顆粒として利用可能で、また脊椎骨本体間の脊椎ケージの中、および脊椎ケージの周りに置かれる同種移植片(または同種異系移植片:allograft)骨(組織バンク由来のもの)を利用する。さらに他の従来技術は、血液、骨髄、または骨形態発生蛋白質で浸され、および外科処置の間に脊椎ケージの中に配置されるコラーゲンスポンジを利用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、脊椎骨置換、外傷、腰部セメントリストリクター(cement restrictor)およびその他を含む他の整形外科用途における適用をも有する。外傷の場合には、このデバイスは骨一体化と機械的サポートを提供するために使うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの局面によれば、脊椎融着インプラントを作る方法が提供される。この方法は、構造部材上の表面材料が骨伝導性の部材上の孔の中に流れて固化し、それによって構造部材と骨伝導性の部材の間に相互係合インターフェースを提供して脊椎融着インプラントを製造するような条件の下で、多孔性で骨伝導性の部材に接触する構造部材を配置する階段を有する。
【0008】
この条件は、熱の適用、超音波の適用、溶剤の適用、または流動性材料を形成するための他の技術を含むことができる。
【0009】
本発明の他の局面によれば、脊椎融着インプラントを作る方法が提供される。この方法は、2つの脊椎骨本体間のディスクスペース中に嵌め込むために寸法合わせされた構造部材であって、長軸、横軸、軟化点、および長軸に一様に平行に延在する少なくとも1つのチャンネルを持った構造部材を提供する段階を有する。多孔性で骨伝導性の部材が提供される。少なくとも構造部材の軟化点と同程度に高い温度に骨伝導性の部材が加熱され、骨伝導性の部材がチャンネル中に押し込まれて脊椎融着インプラントが作り上げられる。
【0010】
本発明のさらに他の局面によれば、脊椎融着インプラントを作る方法が提供される。この方法は、2つの脊椎骨本体間のディスクスペース中に嵌め込むために寸法合わせされた構造部材を提供する段階を有する。この構造部材は、長軸、横軸、長軸に一様に平行に延在する少なくとも1つのチャンネルを持つ。少なくとも1つの第1の横軸の係合面がチャンネルに露出する。
【0011】
多孔性で骨伝導性の部材が提供され、それは少なくとも1つの第2の横軸の係合面を持つ。第1の係合面が第2の係合面に相互係合し、構造部材中に骨伝導性の部材を保持するように、チャンネル中に骨伝導性の部材が前進させられ、脊椎融着インプラントが作り上げられる。
【0012】
第2の係合面は、骨伝導性の部材上で放射状外向きに延在するサポートによって実現されうる。そのサポートは輪状のリッジ、螺旋形のスレッドのようなものを有しうる。その代わりに、第2の係合面は、キャビティ、アパーチャ、または放射状内向きに延在するリセスのような、リセスを規定する壁の一部を有しうる。
【0013】
本発明のさらに他の局面によれば、骨性の構造間の配置のためのデバイスが提供される。このデバイスは、第2の骨接触面から分離してスペースをあけた第1の骨接触面と、貫通して延在する長軸とを持った構造部材を有する。この構造部材は、骨性の構造間でスペースを保持するために軸線に沿って十分な強度を持ち、またこの構造部材は、骨性の構造間の骨成長を促進するために第1の面から第2の面まで延在する骨伝導性の部材に一体化される。
【0014】
この構造部材は、PEEK、PEKK、PEK、PEEKK、PEKEKK、または当技術分野で知られている他のもののような重合体(polymer:ポリマー、高分子化合物)を有しうる。
【0015】
骨伝導性の部材は、三カルシウムリン酸塩、ヒドロキシアパタイト、再吸収可能(resorbable)な重合体、カルシウム充填した再吸収可能な重合体、硫酸カルシウム、同種移植片、およびこれらの材料のいくつかのブレンドから成るグループから選択される少なくとも1つの材料を有しうる。
【0016】
好ましくは、構造部材は重合体を有し、また約3000psiより大きな圧縮強度を持つ。
【0017】
本発明のさらに他の局面によれば、脊椎ケージが提供される。このケージは、脊椎骨本体間に掛かる圧縮力に耐える十分な強度を持った構造部材を有する。この構造部材は、脊椎骨本体間の骨成長を促進する骨伝導性の部材に、係合区域に亘って一体化される。
【0018】
本発明のこの要旨は、必ずしも本発明のそれぞれおよびあらゆる局面を包含するように意図したものではなく、また、当技術分野の当業者ならば、ここに提供された如き特許請求の範囲や図画などを含む全ての開示内容によって、本発明の全部の範囲を正しく評価するであろう、ということを理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明による脊椎ケージは、脊椎骨本体間の骨成長を促進する骨伝導性の部材に一体化された構造部材という意味で、脊椎骨本体間に掛かる軸方向の圧縮力に耐える十分なコラム強度(column strength)を持った構造部材を有する。この構造部材は、様々なポリマー(重合体、高分子化合物)、または、チタン、チタン合金、またはステンレス鋼のような金属、そして好ましくはPEEK、PEKK、および当技術分野において知られている他のもののいずれかを有することができる。好ましい実施形態では、骨伝導性の部材は、構造部材に親密に接着させられるか、またはそれに固定され、一体化された脊椎ケージが製造される。骨伝導性の部材は再吸収可能であり、また同種移植片(同種異系移植片)、自然骨、三カルシウムリン酸塩、ヒドロキシアパタイト、または炭酸カルシウム、乳酸カルシウムおよび他のカルシウム塩のブレンドを有しうる。
【0020】
一実施形態では、脊椎ケージの中に、またはその周りに骨伝導性の材料が存在する状態で、脊椎ケージが製造される。骨伝導性の脊椎ケージは、脊椎ケージと骨移植置換を、デバイスを取り扱うのが容易なように一つに統合(一体化)する。これらの技術を使って脊椎融着ケージに前負荷をかけること(preload)によって、外科処置にかかる時間と患者の病的状態を減少することができる。本発明は、好ましくは、コラーゲンよりも十分に堅固な骨伝導性の材料の使用を含む。デバイスの一実施形態は、HAまたは骨成長に貢献する構造を提供する目的を達成するような合理的な保管寿命(例えば約1年を超える保管寿命)を持った他の堅固な骨伝導性の物質を使用できる。含められる物質は、種々の形態で生体吸収性の重合体の化合物、種々の形体のカルシウム化合物などである。
【0021】
一つの好ましい実施形態において、デバイスは、オーバーモールド(over molding)、焼き嵌め(または熱かしめ)(heat staking)、または超音波溶接のような製造技術を使って、堅固な骨伝導性の物質を脊椎融着ケージに組み込んだPEKKまたはPEEKタイプの構造重合体を有する。骨伝導性の材料の一つの好ましい実施形態は、多孔性のヒドロキシアパタイト(HA)である。HA部材は、本質的に、融着が起こるよう設計されるケージの内部の部分の底面および上端表面と同一面であるかわずかに突き出しうる。HA部材は、機械的または熱-機械的に、ケージ内部に留まる。重合体が多孔性のHA外面に注入されうる。
【0022】
重合体ケージの内部本体中にHA部材を組み込むためには、いくつかの選択肢が存在する。もし、多孔性でないHA、または生体吸収性重合体のような他の骨伝導性の部材が使用されるならば、骨伝導性の材料は、重合体脊椎ケージ(外側の部分)との機械的な相互係合を作り出すように設計することができる。骨伝導性の部材を重合体ケージに組み込んで一体化した製品を製造する方法は:
1.ケージ内への骨伝導性の部材の挿入(Insert)/オーバーモールド;
2.ケージ内への骨伝導性の部材の焼き嵌め(押し出し/機械加工ケージの状態で働くことになる);
3.ケージ内への骨伝導性の部材の超音波による押し込み(押し出し/機械加工ケージを満足する);および/または、
4.骨伝導性の部分と重合体の構造部材とを、両者がスナップ嵌め、または相互係合機構、またはキー機構によって一体嵌め込みされるように使用すること;
を含む。
【0023】
その代わりに、構造部材と骨伝導性の部材の一方または両方を、その両者が組み立てられる時にお互いに対応して無垢な状態に保ちつつ機械的干渉が存在するような、補完的な表面構造を持つ状態に機械加工することができる。
【0024】
図1を参照すれば、本発明の一局面による構造部材10を概略的方法で示す。構造部材10は、上部の脊椎骨本体に接触するマウントのための上部表面に使用されうる第1の表面12を有する。第2の表面14は第1の表面12に対向し、そしてそれは使用中に下部の脊椎骨本体に対して位置決めされうる。第1の表面12と第2の表面14は構造部材10の軸の長さまたは高さによって分離されており、それはインプラントの対象とする使用に応じて様々に変化することになる。一般に、軸の高さは、対象とする使用に応じて、約4mmから約150mm、あるいはそれ以上に及ぶことが可能である。1つの特定の適用においては、構造部材10は、第4および第5腰椎骨の間におけるディスクスペース内のインプランテーションのために構成される。この使用に対し、人間の成人では、第1の表面12と第2の表面14の間の構造部材10の軸の長さは、約6mmから約14mmの範囲内となる。例えばL−5脊椎骨本体のための置換としての使用には、この構造部材は約70mmの軸長さを持つことになる。
【0025】
構造部材10は、第1の表面12と第2の表面14の間に延在する長軸16に関連付けて記述することができる。示された実施形態における構造部材10は、長軸16について放射形対称を呈するが、それは要求されるインプラントの臨床的な能力に依存した必要性ではない。長軸16に沿って見ると、構造部材10は、第1の面が長軸16に向かって凹形で、また第2の対向する面が長軸16に向かって凸形であるような、楕円、平坦な側部を有する円形、またはインゲン豆の形状のような、様々な不規則な幾何学形状のいずれかを持つことができる。正方形、矩形、六角形、または他の幾何学形状のような、標準的な解剖学からより遠い形状も利用することができる。
【0026】
示された実施形態は、長軸16に対する直角な平面内に円形の断面を持った、一様な円筒形の形状をなす。インプラントが配置されるべき構造部材10の外径は、特殊な解剖学に従って変化しうるが、一般に、約8mmから約35mmまでの範囲となる。この目的で、「径」という用語は、インプラントが円形形状を有する場合の真の径、または、非円形形状を持つインプラントを包含できる最小の円形形状の径のことを言う。一般に、頚椎内のインプランテーションを対象とした本発明による脊椎ケージは、約20mmを超えない外径を持つことになる。腰椎にインプランテーションすることを対象とした脊椎ケージは、約35mmを超えない外径を持つことになる。使用中に、単一のインプラントのどれかがインプラント場所に位置決めされるか、あるいは2個または3個または4個またはそれ以上の一層小さなインプラントがインプラント場所に位置決めされるかの、いずれかである。
【0027】
構造部材10は、使われた材料に応じて、様々な方法のうちいずれかにおいて形成されることができる。例えば、それは材料の固体ブロックから機械加工したり、射出モールドなどでモールドしたり、あるいは、そうでなければ、当技術分野の当業者に理解できる最終形状に形成することができる。
【0028】
構造部材として使用されるために、関係する基本的な重合体は、ポリエーテルケトンケトン(polyetherketoneketone:PEKK)、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone:PEEK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(polyetherketonetherketoneketone:PEKEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(polyetheretherketoneketone:PEEKK)、およびポリエーテルケトン(polyetherketone:PEK)のような芳香族ポリケトンを含む。他の重合体材料は、好ましくは、生体適合性があって、また脂質に抵抗性のあるものを使うことができる。芳香族ポリケトンは華氏644度から720度程度に融解点を持っている。
【0029】
構造部材10には、さらに、軸方向に貫通して延在する少なくとも1つのキャビティまたはチャンネル18が提供される。示された実施形態では、チャンネル18は長軸16に関して略同心円状(同軸状)に向けられている。チャンネル18の長軸は、要求される形状とデバイスの性能に応じて、構造部材10の長軸16から横方向にずらされる(オフセットされる)ことが可能である。
【0030】
チャンネル18には、モールドプロセスにおける嵌め込みによるとか、または後に機械加工ドリルや他の技法を使った穴の形成によるなど、様々な方法のいずれかが提供されうる。チャンネル18は、構造部材10の第1の表面12上の第1の開口と構造部材10の第2の表面14上の第2の開口との間に延在し、構造部材10の軸方向長さに亘って連通を可能にする。
【0031】
少なくとも1つの骨伝導性の部分20はチャンネル18内に配置するために構成される。示された実施形態では、骨伝導性の部分20は、チャンネル18の形状に一致する一様に円筒状の形状を持っている。骨伝導性の部分20は、第1の表面22と第2の表面24の間に延在し、その間に延在する側壁26を規定する。
【0032】
本発明の焼き嵌めの実施形態によれば、骨伝導性の部分20には、チャンネル18の内部の形状に略一致する外部形状が提供される。示された円筒状の実施形態においては、骨伝導性の部分20の直径は、好ましくは少なくとも約0.5%、しばしば少なくとも約1%、そしてある特定の実施形態では少なくとも約2 1/2%または5%だけチャンネル18の内径より大きい。そのようなものとして、骨伝導性の部分20は骨伝導性の部分20の圧縮力なしに、またはチャンネル18の膨張なくして、チャンネル18内に嵌め込むことはないであろう。
【0033】
ここで記述した整形外科的インプラントのある特定の好ましい構造材料に対して、軟化が起こる前に、骨伝導性の部分20は構造部材10よりもかなり高い温度に耐えることになる。この条件の下に、骨伝導性の部分20は、構造部材10の内側表面の材料の軟化点と少なくとも同程度に高い温度に、また好ましくは、構造部材10の内側表面の材料の融解点より高い温度に加熱されうる。熱せられた骨伝導性の部分20は、その後に長軸16に沿ってチャンネル18に圧力嵌めされうる。骨伝導性の部分20が構造部材10に接触するにつれて、チャンネル18内面の表面が軟化または溶解し、骨伝導性の部分20がチャンネル18中に完全に圧力嵌めされることを可能にする。骨伝導性の部分20の多孔性の構造に起因して、構造部材10からの軟化または溶解した材料の少量部分は、多孔性の側壁26に流れる。冷却の下では、構造部材10が固化し、骨伝導性の部分20と構造部材10との間に一体化ゾーン(図2参照)を提供する。この一体化ゾーンの中には、構造部材10の材料が、骨伝導性の部分20の間質性(interstitial)の微小多孔性または多孔性の表面構造中に流れ込んで、そして両者の部材間に安定した相互係合嵌め込み(取り付け)を提供する。
【0034】
それぞれの骨伝導性の部分20および構造部材10は、完全に同種の材料を有することができる。その代わりに、骨伝導性の部分20の側壁26、またはチャンネル18を囲む構造部材10の表面のいずれかには、両者の部材間を固着することを容易にするために結合層(tie layer:タイレイヤ)のようなコーティングか層が提供できる。様々な熱可塑性の材料のいずれかを、ポリエチレンのような結合層のために利用でき、なおも前述の焼き嵌め法を通じた製造を許容する。
【0035】
図2A〜図2Eを参照すると、本発明によって形成された組み立てインプラントによる一連の概略断面図が示されている。示されたように、構造部材10は骨伝導性の部分20を包み込む。境界あるいは一体化ゾーン30は、明確な機械的相互係合を形成する2つの部材の間に作られる。一体化ゾーン30は骨伝導性の部分、あるいは構造部材、あるいは孔かアパーチャの中に流れる結合層の材料か、または補完的な部材のその他の干渉表面に接触する結合層の材料によって形成される。
【0036】
図2Aを参照すると、図1に関連して説明したプロセスを使用するインプラント組み立てによる概略正面断面図が示されている。一体化ゾーン30は、構造部材12の材料が骨伝導性の部分20上の孔の中に流れ込み、固化される状態で形成され、固着を形成する。
【0037】
一体化ゾーン30の半径方向深さは、軟化した重合体の粘性と、さらにその重合体が流れ込みうる孔の大きさの関数となる。一般に、境界ゾーンの深さは約100ミクロンから約2mmか、またはそれを超え、しばしば少なくとも約0.1mmであり、PEEK構造部材に固着された多孔性HAの骨伝導性の部分の場合には、約0.5mmから1mmまでの範囲などである。
【0038】
様々な追加的構造物のいずれかを、一体化ゾーン30内で機械的に相互係合を強めるために提供することができる。例えば、骨伝導性の部分20には、1つ以上の放射状外向きに延在する突起32を提供することができ、構造部材10にチャンネル18を規定する壁における1つ以上の対応リセスに受容させることができる。図2Bおよび図2Cを参照されたい。本発明の一実施形態においては、骨伝導性の部分20における放射状外向きに延在する突起32は、1つか2つまたはそれを超える輪状のフランジの形態を取り、構造部材10にチャンネル18から放射状外向きに延在する対応した輪状のリセス中に固着するよう適合される。チャンネル18から放射状外向き延在するアパーチャまたは輪状のリセスは、構造部材12の材料を軟化し、そして上記のようにその中に骨伝導性の部分20を圧入することによって形成できる。
【0039】
図2Eで示される変形においては、骨伝導性の部分20の側壁26には、螺旋形のスレッド34が提供され、それは、チャンネル18の側壁における対応する螺旋形のスレッド中に受容させるか、上記のように熱および圧力下において構造部材10に圧力嵌めすることができる。
【0040】
前述の構造のいずれかの位置付けは反転させることができ、骨伝導性の部分20に1つ以上の放射状内向きに延在するリセスを提供するようにし、構造部材10からの突起を受容させるようにできる。これらの形態の各々は、骨伝導性の部分20か構造部材10のいずれかにおける少なくとも1つの突起が、長軸16を横切って延在する面を提供する。この横軸の面は、骨伝導性の部分20または構造部材10の他方における補完的な横軸の面と協働し、両者間の、機械的相互固着(mechanical interfit)を提供し、そして構造部材10に対する骨伝導性の部分20の軸方向移動に抵抗する。
【0041】
さらに別の代案では、骨伝導性の部分20は、追加の表面構造の供給の有無にかかわらず、様々な接着剤のいずれか、または骨伝導性の部分20の側壁26とチャンネル18を定義する壁との間に流れ込みうる結合層を使って、構造部材10内に保持されうる。図2Dを参照されたい。ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate:PMMA)のような凝固可能な重合体が加熱されるか混合され、そして2つのインプラントの部材間のスペース中に流れ込ませることができる。マスターボンド(MasterBond:登録商標)のような接着剤も使うことができる。
【0042】
図2Dに示した実施形態では、固化可能な媒質と部材の間に配分された固着力のために接合の完全性が制限されないように、骨伝導性の部分20の表面26とチャンネル18を規定する壁のそれぞれに、固化した重合体との機械的相互固着を提供する表面構造が提供される。当技術分野の当業者には明白であるように、固化可能な媒質の性質、および固化可能な媒体とインプラントの部材の材料に応じて、表面構造を提供することを含めるか、または省略することができる。
【0043】
図3を参照すれば、本発明によるインプラントを製造するオーバーモールドプロセスが示されている。追加的な詳細は以下の実施例2で提供される。
【0044】
一般に、モールド40には、所望の外形を持つインプラントを製造するように内側が設定されたキャビティを持つように提供される。示された実施形態では、モールドキャビティはほぼ円筒形状を持つ。骨伝導性の部分20は予め形成され、そして骨伝導性の部分20とモールドキャビティの表面との間のスペースを残すようにモールドキャビティ中に配置される。示された実施形態では、骨伝導性の部分は、一般に、骨伝導性の部分とモールドの表面との間に一様なドーナツ状のスペースを残しながら、モールドキャビティの長軸と同軸上に置かれる。一実施形態では、骨伝導性の部分は多孔性のHAを有する。
【0045】
その後、モールドキャビティ中に残ったスペースに溶融材料を注入することによって、構造部材10が形成される。その後、溶融材料は、冷却、重合、または他のプロセスなどによって固化させられる。本発明の一実施形態では、溶融材料はその融解点より高い温度に加熱されたPEEKを有する。
【0046】
骨伝導性の部分20は、溶融したPEEKの導入の前に予熱することができ、一体化ゾーン30の深さを最適化することができる。骨伝導性の部分20の表面の多孔率を増加したり、上述のように骨伝導性の部分20とチャンネル18を規定する壁の両方または一方に面に追加的なリッジ、グルーブ、または表面テクスチャ(生地)を提供したりすることによって、一体化ゾーン30の完全性を、様々な追加的方法のいずれかにおいて、要望通りに向上させることができる。
【0047】
図4を参照すれば、本発明による脊椎ケージを組み立てる代案の方法が概略的に示されている。この実施形態では、骨伝導性の部分20は、構造部材10内のチャンネル18より少し大きな特定寸法に作られる。骨伝導性の部分20と構造部材10のうちの一方または両方が、高周波の超音波エネルギーの印加で軟化可能である。骨伝導性の部分20は、チャンネル18を通して延在する長軸と同軸に整列される。超音波のトランスデューサ(振動子)40が骨伝導性の部分20と超音波伝達するように配置され、そしてトランスデューサを骨伝導性の部分20に連結するように始動される。長軸に沿って、骨伝導性の部分20をチャンネル18に入れ込む力が掛けられる。骨伝導性の部分20(例えば多孔性のHA)の超音波振動が構造部材10(例えばPEKK)の内壁の摩擦熱を生じさせる。内部の表面が多孔性のHA構造物に溶け込み、PEKKとHAの固体構造的な複合を生じさせる。
【0048】
本発明の一体化された組立体から得られる利益は、処置の間の外科医と手術スタッフにとっての時間節約を包含する。従来の技術では、しばしば、外科医がつぶされた腸骨稜の硬骨と骨髄、血液、またはインプラントの直前にケージ中に配置するためのBMPのブレンドを、混合させうる。ケージ中へのインプランテーション時のこの混合物の取り扱いは厄介である。「すべて一体」のケージを骨伝導性の構造と組み込むことは、追加的な腸骨稜の処置を排除する。このケージのインプラントの前に、外科医は、HAケージ内部を患者の自身の骨髄または血液、プラズマで満たした血小板(plasma rich platelets)、または骨形成タンパク質(Bone Morphogenic Protein)に、(一定の有効な時間だけ)浸すか染み込ませることだけを必要とする。これは、取り扱いを容易にし、また外科処置にかかる時間を減らす。
【0049】
骨伝導性の部分は、好ましくは、重合体の構造部材の内部のスペースを確保するために機械加工される。重合体の構造部材は、外科医に好ましい技法を使って脊椎骨本体間にインプラントされ、そして脊椎骨本体を安定させ適切なディスク高さを復元させるのに十分な方法でサイズ確定されうるように設計される。重合体部材が機械加工されるならば、ディスクスペースを機械的に保持し、骨伝導性の部分を焼き嵌めまたは超音波溶接することが許容されうるように、適切な寸法に機械加工されることが好ましい。骨伝導性の部分をデバイスの内部として使用するとき、骨伝導性の部分は、構造部材内への軽度の干渉固着を想定して設計される。
【0050】
次の特許は、本発明を実施するのにおいて使用されうる特定の技術に関する背景を提供するために、その全体が参考としてここに取り入れられる。すなわち、米国特許第4,767,298号明細書(焼き嵌めに関する)、米国特許第3,666,602号明細書(超音波溶接に関する)、および米国特許第4,075,820号明細書(スピン溶接に関する)である。当技術分野の当業者ならば、ここに提供されたこれらの参照と手引きとから、これから出発して、いかに本発明の種々の実施形態を行い、また使用するべきか、ということを理解するであろう。
【0051】
本発明のさらに他の実施形態は、このようなデバイスを作るためのデバイスと方法の両方を含み、以下の予言的な実施例を参照することにより、当技術分野の当業者には理解されるであろう。
【0052】
予言的な実施例
実施例−PEKK構造部材にHA製の骨伝導性の部材を焼き嵌めすることにより作られた脊椎ケージ
骨伝導性の部分と重合体の構造部材を接合するために、いくつかの製造方法のうちの1つを使った。この実施例では、骨伝導性の材料は、好ましくは、重大な欠陥なく重合体の溶融点を超える温度に加熱することができるような物質で構成されている。この方法で使うことのできる骨伝導性の材料は、多孔性のヒドロキシアパタイト(HA)およびリン酸カルシウムのようなセラミックスを含む。HA部材は、挿入された時にわずかな干渉固着が、機械的な力により両者の分離が防止されるように進行されるために、重合体部材より少し大きくなければならない。結合方法として焼き嵌めを使うために、重合体構造部材の融解点より十分高い温度に骨伝導性の部分を予熱しなくてはならない。例えば、PEKK重合体を使う際は、重合体の軟化点より高い温度にHA製の骨伝導性の部材を予熱し、好ましくは、約700°Fより高いか、または約730°Fより高い温度のような重合体の融解点より高い温度に加熱し、静水圧プレスを使用して、加熱したHA部材を固定したPEKK部材中に押し込まなくてはならず、その一方で、HAが、なおも約680°F(PEKK重合体の溶融点)より十分高い温度になければならない。HA部材が重合体部材中に押し込まれるにつれて、それはHA部材への表面接触を生じさせ溶融させる。重合体が融けるに従って、それは多孔性のHAに少し流れ込み、HAとPEKK重合体との間が機械的に相互係合されることになる。
【0053】
実施例2−三カルシウムリン酸塩へのオーバーモールドPEEK重合体
この実施例では、オーバーモールドPEEK重合体は脊椎ケージの構造部材であり、そして三カルシウムリン酸塩は脊椎ケージの骨伝導性の部分である。椎間インプランテーションの適切な形状、ディスク高さの回復、三カルシウムリン酸塩の部分のオーバーモールドを作り出すために、モールド型を設計した。この場合、三カルシウムリン酸塩は、実際に重合体モールドの内部表面を作り上げる。三カルシウムリン酸塩は、重合体と三カルシウムリン酸塩(TCP)との間に生じる機械的係合が存在するように設計される。例えば、重合体がその表面において溶融される時、内部または周りに形成される小さなアパーチャまたは付加物を持つように、TCP部材を形成することができる。TCPの周りのモールドで重合体を溶融するための好ましい方法は射出成形である。しかしながら、圧縮成形も使用できる。このオーバーモールディングプロセスは、モールドにTCPを挿入し、露出した部位(上部および下部)によってモールド中にTCPを保持し、溶融したPEEK樹脂をモールドキャビティ中に流れ込ませることを含む。モールドキャビティ内部はPEEKの外形を成し、TCPはPEEKの内面を成す。PEEKはTCPに対して収縮し、前負荷をかけ(preload)、予め設計された機械的干渉を作り出す。
【0054】
実施例3―チタン製の脊椎ケージへの再吸収可能な重合体のスナップ嵌め
この実施例では、脊椎ケージの骨伝導性の部分を形成するためにポリグリコール酸(PGA)のような再吸収可能な重合体を使い、そして構造部材のためにチタンを使う。この方法においては、再吸収可能な重合体が多孔性であって、少量の硫酸カルシウムで満たされるならば、臨床的に優れた結果が達成できる。再吸収可能な重合体の形状は、チタン製の構造部材と組み込むための柔軟なスナップを含むように設計される。この場合、十分なデザインの自由度が存在する。一般に、2つの部材のうち一方における拡張部分であって、該2つの部材のうち他方における補完的なリセス内に受容されうる拡張部分を提供することによって、スナップ嵌めを達成することができる。チタンは、脊椎間のスペースを通して外に骨成長を起こすために、ケージの内側、外側、または側面部分にさえ作り上げることができる。
【0055】
実施例4−超音波溶接したHA/PEEK矯正外科処置
この実施例では、腰部セメントリストリクター(cement restrictor)を、超音波技術を使って製造する。外側部分はPEEK重合体であって、構造的なサポートを提供するために使われ、一方、内側部分は多孔性の生体吸収可能な重合体PLLAである。この場合、PEEK外側部分が固定される一方、PLLAがPEEKの内側部分に超音波溶接される。PLLAの外側表面は超音波振動によって溶融させられる。次に、PLLAはPEEK部分に合わさり、固定される。すぐにセメントリストリクターは消毒され、腰部矯正外科処置の際にインプラントされうる。セメントリストリクターは、骨セメントの望ましくない移動を防止するのに使われる。
【0056】
本発明の種々の実施形態を詳細に説明してきたが、本発明のさらなる修正と適合が当業者によって思いつくということは、明白であろう。このような修正と適合が本発明の精神と範囲の中にあるということが、特に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態の概略図であって、本システムの部材がどのように焼き嵌め(熱かしめ)によって構造的に関連付けられ、結合されるかを示す図である。
【図2A】組み立てられたインプラントの断面概略図であって、本発明による部材間の種々の一体化ゾーンを示す図である。
【図2B】組み立てられたインプラントの断面概略図であって、本発明による部材間の種々の一体化ゾーンを示す図である。
【図2C】組み立てられたインプラントの断面概略図であって、本発明による部材間の種々の一体化ゾーンを示す図である。
【図2D】組み立てられたインプラントの断面概略図であって、本発明による部材間の種々の一体化ゾーンを示す図である。
【図2E】組み立てられたインプラントの断面概略図であって、本発明による部材間の種々の一体化ゾーンを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態を例示する図であって、構造部材を骨伝導性の部材にオーバーモールドすることによって、インプラントを作ることを示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す図であって、超音波溶接を使用して脊椎骨本体置換部材を作る図である。
【符号の説明】
【0058】
10 構造部材
12 構造部材
16 長軸
18 チャンネル
26 側壁
30 一体化ゾーン
32 突起
34 スレッド
40 トランスデューサ(振動子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の骨接触面から離れて置かれた第1の骨接触面と、貫通して延在する長軸とを持った構造部材を有し、前記構造部材は、骨性の構造間でスペースを保持するために軸線に沿って十分な強度を持ち、また前記構造部材は、骨性の構造間の骨成長を促進するために第1の面から第2の面まで延在する骨伝導性の部材に一体化されることを特徴とする骨性の構造間の配置のためのデバイス。
【請求項2】
前記構造部材はチタンを有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記構造部材は重合体を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記重合体は、PEEK、PEKK、PEK、PEEKK、PEKEKKから成るグループから選択されることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記骨伝導性の部材は、多孔性の三カルシウムリン酸塩、ヒドロキシアパタイト、再吸収可能な重合体、カルシウム充填した再吸収可能な重合体、硫酸カルシウム、同種移植片、およびこれらの材料のいくつかのブレンドから成るグループから選択される少なくとも1つの材料を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記材料は多孔性であることを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
第1および第2の脊椎骨本体間の配置のために特定寸法に作られることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
脊椎骨本体の置き換えのために特定寸法に作られることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
脊椎骨本体間に掛かる圧縮力に耐える十分な強度を持った構造部材を有し、前記構造部材は、脊椎骨本体間の骨成長を促進する骨伝導性の部材に、係合区域に亘って一体化されることを特徴とする脊椎ケージ。
【請求項10】
前記構造部材は重合体を有し、また約3000psiより大きな圧縮強度を持ち、そして生体適合性であることを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項11】
前記重合体はPEEKであることを特徴とする請求項10に記載の脊椎ケージ。
【請求項12】
前記重合体はPEKKであることを特徴とする請求項10に記載の脊椎ケージ。
【請求項13】
前記骨伝導性の部材は同種移植片または自然骨を有することを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項14】
前記骨伝導性の部材は主にカルシウムで構成されていることを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項15】
前記骨伝導性の部材は三カルシウムリン酸塩を有することを特徴とする請求項14に記載の脊椎ケージ。
【請求項16】
前記骨伝導性の部材は多孔性の三カルシウムリン酸塩を有することを特徴とする請求項15に記載の脊椎ケージ。
【請求項17】
前記骨伝導性の部材はヒドロキシアパタイトを有することを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項18】
前記骨伝導性の部材は多孔性のヒドロキシアパタイトを有することを特徴とする請求項17に記載の脊椎ケージ。
【請求項19】
前記骨伝導性の部材はカルシウム塩のブレンドを有することを特徴とする請求項14に記載の脊椎ケージ。
【請求項20】
前記骨伝導性の部材は炭酸カルシウムおよび乳酸カルシウムのうち少なくとも1つを含むブレンドを有することを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項21】
前記骨伝導性の部材は再吸収可能な重合体を有することを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項22】
前記骨伝導性の部材は多孔性の再吸収可能な重合体を有することを特徴とする請求項21に記載の脊椎ケージ。
【請求項23】
前記骨伝導性の部材はカルシウム充填した再吸収可能な重合体を有することを特徴とする請求項21に記載の脊椎ケージ。
【請求項24】
前記骨伝導性の部材は前記構造部材中に焼き嵌めされることを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項25】
前記骨伝導性の部材は、骨伝導性の部材の中に、またはその周りに注入または圧縮モールディングを用いて重合体構造部材を作り上げる重合体によりオーバーモールドされることを特徴とする請求項10に記載の脊椎ケージ。
【請求項26】
前記骨伝導性の部材は重合体の構造部材の中に超音波溶接されることを特徴とする請求項10に記載の脊椎ケージ。
【請求項27】
前記重合体の構造部材が冷却される時に、骨伝導性の部材に掛かる機械負荷を作る冷却による熱収縮に起因してサイズが減少するように、前記骨伝導性の部材が予熱された重合体の構造部材に挿入されることを特徴とする請求項10に記載の脊椎ケージ。
【請求項28】
前記骨伝導性の部材は、少なくとも1つの第2の補完的な係合面と前記構造部材上において連結する少なくとも1つの第1の係合面を有することを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項29】
前記骨伝導性の部材は、生体適合性のある接着剤を使って、前記構造部材に粘着により接着されることを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項30】
前記構造部材は、生体適合性のある金属を有し、
a)前記金属の構造部材が、脊椎骨本体内に掛かる圧縮力に耐える十分な強度を持つようなもの、また、
b)前記骨伝導性の部材が、前記金属構造部材の中に、またはその周りに機械的に固定されるようなもの、
であることを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項31】
前記構造部材は生体適合性のあるセラミックを有し、前記セラミックの構造部材は脊椎骨本体内に掛かる圧縮力に耐える十分な強度を持つようなもの、また、セラミックの構造部材の中に、またはその周りに機械的に固定されるようなもの、
であることを特徴とする請求項9に記載の脊椎ケージ。
【請求項32】
骨伝導性の部材と構造部材を提供する段階と、前記骨伝導性の部材と前記構造部材とを組み込んで、前記骨伝導性の部材を加熱することによるか、前記骨伝導性の部材を超音波により前記ケージに押し込むことによるか、または前記骨伝導性の部材を有する骨伝導性の部分を機械加工することにより、前記部分が重合体の構造部材と相互係合されるようにすることによって、前記ケージを製造する段階と、を有することを特徴とする脊椎ケージを作る方法。
【請求項33】
2つの脊椎骨本体間のディスクスペース中に取り付けるために寸法合わせされた構造部材であって、長軸、横軸、軟化点、および長軸に一様に平行に延在する少なくとも1つのチャンネルを持った構造部材を提供する段階と、
多孔性で骨伝導性の部材を提供する段階と、
少なくとも前記構造部材の軟化点と同程度に高い温度に前記骨伝導性の部材を加熱する段階と、
前記骨伝導性の部材を前記チャンネル中に押し込んで脊椎融着インプラントを作り上げる段階と、
を有することを特徴とする脊椎融着インプラントを作る方法。
【請求項34】
構造部材上の表面材料が骨伝導性の部材上の孔の中に流れて固化し、それによって前記構造部材と前記骨伝導性の部材の間に相互係合インターフェースを提供して脊椎融着インプラントを製造するような条件の下で、多孔性で骨伝導性の部材に接触する構造部材を配置する階段を有することを特徴とする脊椎融着インプラントを作る方法。
【請求項35】
前記条件は熱の適用を含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記条件は超音波の適用を含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記条件は溶剤の適用を含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項38】
2つの脊椎骨本体間のディスクスペース中に取り付けるために寸法合わせされた構造部材であって、長軸、横軸、長軸に一様に平行に延在する少なくとも1つのチャンネル、前記チャンネルに露出する少なくとも1つの第1の横軸の係合面を持った構造部材を提供する段階と、
少なくとも1つの第2の横軸の係合面を持つ多孔性で骨伝導性の部材を提供する段階と、
第1の係合面が第2の係合面に相互係合し、前記構造部材中に前記骨伝導性の部材を保持するように、チャンネル中に骨伝導性の部材を前進させ、脊椎融着インプラントを作り上げる段階と、
を有することを特徴とする脊椎融着インプラントを作る方法。
【請求項39】
前記第2の係合面は放射状外向きに延在するサポートによって実現されることを特徴とする請求項38に記載の脊椎融着インプラントを作る方法。
【請求項40】
前記サポートは輪状のリッジを有することを特徴とする請求項39に記載の脊椎融着インプラントを作る方法。
【請求項41】
前記サポートは螺旋形のスレッドを有することを特徴とする請求項39に記載の脊椎融着インプラントを作る方法。
【請求項42】
前記第2の係合面はリセスを規定する壁の一部であることを特徴とする請求項38に記載の脊椎のインプラントを作る方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−512874(P2007−512874A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541389(P2006−541389)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/038775
【国際公開番号】WO2005/048897
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(506166653)スパイナル・エレメンツ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】