説明

骨入り魚肉ペーストの製造方法及び骨入り魚肉ペーストを用いた加工食品の製造方法

【課題】脱臭処理された骨付き魚肉を凍結状態で超微細に粉砕し、消費者に骨の存在を気付かせること無く魚の良質な蛋白質及びカルシウムを効率よく摂取可能にし、葛豆腐に用いることで飲み込み易く、良質なカルシウム及び動物性蛋白質の吸収力を一層高めることを可能とする。
【解決手段】脱臭処理後の骨付き魚肉を100℃の湯中に20〜40秒間浸漬したる後、骨付き魚肉からうろこ、汚れ及び血合いを水洗除去し、次に骨付き魚肉を水及び牛蒡と共に70〜128℃の温度環境下で且つ1.7〜2.5気圧の圧力環境下で約20〜40分間加圧加熱したる後に冷凍固化し、冷凍固化した骨付き魚肉を0.003〜0.010mmの大きさに粉砕してペースト状にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカルシウム分を豊富に含んだ骨を有する魚肉ペーストの製造方法及びこの魚肉ペーストを用いた加工食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
魚肉を擂り潰し、調味料を加えて蒸煮或いは煮熟した煉製品は、主として蒲鉾と竹輪という普通名称で古くから日本人に親しまれ、他にも薩摩揚げ、はんぺん、しのだ巻、魚肉ソーセージが一般的に知られている。これら煉製品は、エソ、キス、ヒラメ、カレイ、ハモ、グチ、鮫等の白身魚肉を使用し、まず最初に骨、皮、血合い、筋を除き、水にて洗浄後、肉潰機にて擂り潰し、擂り潰した魚肉に食塩、卵白、味醂、砂糖或いは澱粉その他調味料を添加して再び粘り気が出るまで混煉し、得られた摺身を杉や松等の板に板付けし、蒸したものが蒲鉾であり、得られた摺身を竹棒の周面に付着させた状態で蒸し、蒸し上がった後に竹棒を除去したものが竹輪である。魚肉摺身を油で揚げたものが薩摩揚げ、山芋を加えた魚肉摺身を型枠で型作りして熱湯処理したものがはんぺんである。
上記蒲鉾や竹輪等は弾性(足の強さ)を有する白身魚を原料魚としているため、歯ごたえが強く噛み切り難いという特徴が健常者には好まれるものの、高齢者にとっては口中で細かくなるまで咀嚼するのが面倒で、よく咀嚼しない状態で飲み込むと食道を詰まらせ危険であるという問題点があった。
【0003】
又、魚肉摺身、豚背油及び大豆蛋白等を混練し薄皮状に展延して外皮を生成し、該外皮の内側に河豚の生の切り身或いは湯引きした切り身を葛餡と共に包み込んで封入し、外皮の外面に細切りした河豚皮等をトッピングして蒸した河豚を用いた水産加工品が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の発明は、魚肉蛋白質と豚背油で弾力性とコクを有する外皮の内側に葛餡を封入し、該葛餡中心部には湯引きした河豚切り身を設けるという3層構造に形成しているため、口入れると、先ず最初に豚背油由来の中華風臭気を有する蒲鉾状の外皮の弾性を、次に葛餡のクリーム状食感を、最後に河豚切り身の独特な弾力性を味わう楽しみがあるという意外性があるという長所がある。しかしながら、外皮を弾性の高い河豚肉摺身と豚背油を材料としているため、歯を喪失した人や高齢者は外皮を噛み切りにくく、又、豚背油は高脂血症や動脈硬化症罹患率の高い高齢者には好ましくなく、又、河豚肉は低脂肪な白肉であるため弾性が強く、葛餡中の河豚切り身は胃で魚肉組織が分解されにくく消化機能の弱った高齢者には好ましくないという問題点があった。
【0004】
又、砂糖と食塩を重量比1:1の割合で混合してなる組織改良剤に、骨及びうろこを除去し6〜7cmに切断した魚肉を漬け込み味付け及び脱水を行い、5℃の温度環境下に約24時間静置して脱水後、水洗して水分を拭き取った魚肉を常温で10分以内の短時間燻煙しスモーク風味の魚肉ハム燻製品を得る製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2記載のスモーク風味の魚肉は食塩により脱水され、燻煙されているため畜肉ハムと同様な硬さの食感を呈し、咀嚼し難く且つ飲み込み難く、又、胃での魚肉組織の分散速度が遅く胃腸の弱い高齢者の消化器には負担が大きいという問題点があった。
【0005】
又、里芋組織を安定化するために冷凍状態の球形里芋をマグネシウムイオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン等の陽イオンを含む溶液中で加熱解凍するか、又は蒸熱解凍するかの何れかの方法で解凍し、解凍された里芋の周囲に里芋の周面の一部を露出させて魚肉摺身を包み込み高温食用油で揚げ加工して摺身を遠心方向或いは求心方向に膨張させるようにし魚肉摺身の里芋表面からの剥離を防止するようにしたころ芋はんぺんの製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
上記特許文献3に記載の発明であると、里芋も食用油を吸収し、高カロリーなため消化機能の弱った高齢者には不向きであるという問題点があった。
【0006】
又、エイ、鯛等の白身魚の魚肉摺身に食塩、増粘多糖類、調味料等を添加混合した外包皮材で、米飯や調理済み野菜を包み込んだ具材入りボールが提案されている(例えば、実用新案文献1参照)。
実用新案文献1に記載の考案であると、外包皮材に低脂肪の白身魚を材料として用いているため、弾性が高く噛み切りにくく、特許文献1と同様に高齢者には不向きな食品であるという問題点があった。
【0007】
ところで、食するときは固体であっても口中では体温で溶け始め粘性を有するゲル状化し、咀嚼しなくても飲み込みやすく且つ消化吸収が極めて良好な食品として葛粉を用いた葛豆腐が存在する。
葛豆腐には、水及び葛粉に、韃靼蕎麦或いは煎った胡麻を擂鉢で擂り潰してペースト状にしたものを加え加熱しながら練り、得られた練成物を型容器内に流し込み、常温下に放置して固化する葛豆腐の製造方法(例えば、特許文献4参照)や、豆乳に葛粉を添加し、枝豆を粉砕したものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
特許文献4や非特許文献1に記載の葛豆腐であると、韃靼蕎麦、胡麻或いは粉砕した枝豆、味噌等の植物性材料のみを使用し、動物性蛋白質やカルシウム等の人体を構成する最も必要な栄養素を含んでいないため、高齢者や成長期の児童等には不向きな食品であるという問題点があった。
【0008】
又、牛乳、生クリーム、加熱により溶けるチーズ、葛粉及び食塩を加熱容器内に投入し、中火にて攪拌しながらゲル状に練成し、該練成物を型容器に流し込んで5℃の温度環境下に放置して冷却固化する葛豆腐の製造方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特許文献5に記載の発明であると、型容器に流し込んだ練成物を冷却すると、葛粉を水と共に練成したものが冷却により固化する性質とチーズの脂肪分が冷却により固化する性質の双方を利用したものであり、飲み込みやすさ、胃への負担は軽減される。しかしながら、葛粉、牛乳、チーズを主たる材料としているため、得られた製品はあまりにも弾性がなく和洋折衷デザート風になり、おかずとしての用途には不向きである。更に、チーズや生クリームは高脂肪であるため成人病を助長するという問題点がある。
【0009】
又、底に桜花を敷いた型容器に葛粉に寒天や調味料を添加加熱混練物を流し入れて水冷した和菓子(例えば、特許文献6参照)や、葛粉に糖類、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム等のゲル化剤及び水を混合加熱後、型容器に流し入れて1〜5℃の温度環境下に放置して得たゼリー菓子(例えば、特許文献7参照)が提案されている。
特許文献6又は特許文献7に記載の発明は、栄養分が欠如し、又ゲル化剤により増粘性を高めており、添加物が敬遠されている今日の消費者のニーズに反しているという問題点があった。
【特許文献1】特開2003−289832号公報
【特許文献2】特開2007−29011号公報
【特許文献3】特開平7−231765号公報
【特許文献4】特開2001−120236号公報
【特許文献5】特許第3624218号の特許公報
【特許文献6】特開昭58−170436号公報
【特許文献7】特開平1−153051号公報
【実用新案文献1】
実用新案登録第3098805号の登録実用新案公報
【非特許文献1】商品「かぐや姫」のインターネットにおけるホームページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑み創案されたものであって、従来は廃棄処分されていた魚肉の骨付き部分を超微細に粉砕し、あらゆるジャンルの料理に極めて簡便に使用可能な状態にすることにより、消費者に骨の存在を気付かせること無く魚の良質な蛋白質及びカルシウムを効率よく摂取可能にし、又、超微細に粉砕された魚骨及び魚肉と葛粉を主原料とすることにより、乳幼児や嚥下症の高齢者にとっても飲み込み易く、且つカルシウム及び良質な動物性蛋白質の吸収力を一層高めた状態で摂取可能にし、更には若者の魚離れの一因となっている面倒な骨や皮の除去という手間を消費者に煩わせないことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明のうち請求項1に係る発明は、骨付き魚肉を脱臭処理後、骨付き魚肉を100℃の湯中に20〜40秒間浸漬したる後に湯中より取り出し、次に、水にて骨付き魚肉からうろこ、汚れ及び血合いを洗浄除去し、得られた骨付き魚肉を水及び牛蒡と共に70〜128℃の温度環境下で且つ1.7〜2.5気圧の圧力環境下で約20〜40分間加圧加熱し、得られた加圧加熱された骨付き魚肉を冷凍固化後、冷凍固化した骨付き魚肉を0.003〜0.010mmの大きさに粉砕してペースト状にしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の製造方法により、0.003〜0.010mmの大きさに粉砕された骨入り魚肉ペーストを製造し、該魚肉ペーストを葛粉及びだし汁と共に加熱しながら混練して葛餡を得、得られた葛餡を型容器内に入れて2〜5℃の温度環境下に静置し固化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、魚体のうち従来廃棄処分されていた骨付部分を脱臭処理後、骨と共に超微細に粉砕するため、あらゆる種類の料理に手軽に利用できるという便利性を有し、又、魚骨及び魚肉が超微細に粉砕されているため消化器に負担をかけることなく消化吸収が良好であるという効果がある。
本発明は、超微細に粉砕された魚肉ペーストとだし汁及び葛粉で葛餡を生成し超微細な骨粉及び魚肉入りの葛豆腐を製造するため、葛餡の一定温度以下では固体化する性質と魚肉蛋白の加熱により弾性が生じる性質とが相俟って、常温環境下ではある程度の硬度及び弾性を有する固体であるにも拘らず、箸やスプーン等で容易に掬い取ることが出来、噛み切ることなく口中の体温で溶解し、食道通過時には粘性を帯びた半流動体状になり、嚥下症の高齢者であっても容易に胃へ送り込むことが出来、又、魚骨及び魚肉を超微細に粉砕しているため高齢者に不足しがちなカルシウムや動物性蛋白質を消化吸収しやすいかたちで摂取可能であるという効果がある。
【発明の実施するための最良の形態】
【0013】
従来廃棄処分されていた骨付き魚肉をあらゆる料理に使用可能な状態にするという目的を、脱臭後の骨付き魚肉を洗浄後、高圧環境下で加熱し、その後冷凍凍結して超微細に粉砕することで実現した。又、飲み込みが未熟で消化吸収機能の弱い嚥下症者や乳幼児或いは魚嫌いで柔らかい食品を好んで食する人にも、魚が高割合で配合されていることを気づかれず、高カルシウムで良質な魚蛋白質を摂取可能にするという目的を、葛餡の一定温度以下では固体化する性質と魚肉の加熱により弾性を生じるという性質を利用することで実現した。
【実施例1】
【0014】
通常、鯛は鎌を除いた胴体部分の骨の無い部分を3枚におろして刺身や焼き物等に使用し、鎌部分は廃棄していた。鯛鎌とは、鯛の鰓に接した腹部の最前端で胸鰭の付いている部分をいう。鯛鎌は脂の最ものっている所謂トロに相当する部分であるにも拘らず、廃棄する理由は、鯛鎌には骨が付着しており、鯛骨は極めて硬く、骨が誤って食道等に引っ掛かると危険であるという理由によるものである。実施例1では、鯛鎌を材料として使用する。
【0015】
鯛鎌は、衛生的見地よりオゾン処理を施して消毒、殺菌、脱臭する。鯛鎌は、オゾン処理後、更に食塩及び砂糖を混合したものを全面に付着し、常温下で約2時間放置する。食塩と砂糖の混合比率は、食塩:砂糖=2:5であることが好適である。オゾン処理後の鯛鎌に食塩及び砂糖を混合したものを全面に付着し、常温下で約2時間放置するのは、鯛の臭みを除去し、又、食塩の脱水作用で魚肉から水分を除去するためであり、更に、砂糖で魚肉に旨味を付与するためである。次に、鯛鎌を流水に約1時間さらして塩抜きを行う。塩抜き工程後、鯛鎌を100℃の沸騰する湯中に約30秒間入れる。湯中から取り出した鯛鎌は、笊等の上に置き、うろこや血合い或いは皮を除去後、洗浄する。洗浄工程後、加熱容器内に鯛鎌800gに対して、水を250cc、皮付き牛蒡を25gを入れ、70〜128℃の温度環境下で且つ1.7〜2.5気圧の圧力環境下で約20〜40分間加圧加熱する。皮付き牛蒡を用いるのは臭み消しのためである。加圧加熱工程後、鯛鎌を加熱容器から取り出し、常温下に放置し、放熱させる。放熱により鯛鎌の品温が常温になると、鯛鎌を丸ごと凍結する。凍結は品温が−20℃以下になればどのような方法で凍結してもよい。凍結後、鯛鎌は凍結状態で、0.003〜0.010mmの大きさに粉砕する。鯛鎌を凍結状態で粉砕するに際して、実施例1ではパコジェット(パコトレード アーゲの商品名)を使用する。得られた鯛鎌の0.010mm以下の粉砕物は、気密性を有する合成樹脂製袋体内に真空包装し製品を得る。粉砕した鯛鎌は、骨及び魚肉が0.010mm以下の大きさの組織に粉砕され、解凍すると0.010mm以下の大きさに粉砕された骨粉や魚肉粉が鯛の解凍された体液中に分散したペースト状になり、魚独特の臭みがなく、あらゆるジャンルの料理に手軽に使用でき、魚骨や魚肉を超微細に粉砕しているため調理後の料理に魚骨や魚肉が入っていることに気付きにくい。
【実施例2】
【0016】
本発明骨入り魚肉ペーストを用いた加工食品の製造方法の実施例について説明する。
原料は以下の通りである。
実施例1で製造したペースト状鯛鎌 60g
豆乳 100cc
和風だし汁 100cc
葛粉 15g
上記原料を厚手鍋に入れ、混合しながら葛粉の粒が残らないように約10分間混練しながら加熱する。ゲル状になってきたら鍋を火からおろし、常温下に放置して常温まで冷まし、型容器内に流し入れて約5℃の温度環境下に約2時間程度静置冷却して固化させ、製品を得る。
尚、上記原料を厚手鍋に入れ、混合しながら葛粉の粒が残らないように約10分間混練しながら加熱し、ゲル状になると、気密性及び耐熱性を有する合成樹脂製袋体内に充填密封し、密封状態で約5℃の温度環境下で冷却固化して製品化することも本願発明に包含される。
【0017】
ペースト状鯛鎌は、たんぱく質が豊富に含有されており、凍結鯛鎌を粉砕しペースト状にすることで、切断された鯛肉組織間に葛粉が介在し、蒲鉾よりは柔らかで葛粉と水のみで製造した葛豆腐よりはプリプリとした食感のある鯛入り葛豆腐を得ることが出来た。葛豆腐は体温程度の温度で柔軟性を呈するので、冷蔵した実施例2で得た製品を口中にいれると、粘性を帯びた半流動体状に溶解し始め、飲み込み易く、又、胃内では葛部分は完全に体温で溶け、大きさが0.010mm以下の鯛骨組織や鯛肉組織が分散し、胃への負担が少なく、消化吸収が良好であるという効果がある。
【実施例3】
【0018】
実施例3の骨入り魚肉ペーストを用いた加工食品の製造方法について説明する。
原料は以下の通りである。
実施例1で製造したペースト状鯛鎌 60g
豆乳 100cc
和風だし汁 100cc
葛粉 15g
約0.5mmに切断された柚子皮、青紫蘇の葉、ナッツ類のいずれか少々
上記原料を厚手鍋に入れ、混合しながら葛粉の粒が残らないように約10分間混練しながら加熱する。ゲル状になってきたら鍋を火からおろし、常温下に放置して常温まで冷まし、型容器内に0.5mm程度に切断或いは粉砕した柚子皮、青紫蘇の葉、ナッツ類等の好みのものと共に流し入れて、約5℃の温度環境下に約2時間程度静置冷却して固化させ、製品を得る。
【実施例4】
【0019】
本発明骨入り魚肉ペーストを用いた加工食品の製造方法の実施例について説明する。
原料は以下の通りである。
実施例1で製造したペースト状鯛鎌 60g
牛乳 100cc
洋風だし汁(ブイヨン) 90cc
白ワイン 10cc
葛粉 15g
上記原料を厚手鍋に入れ、混合しながら葛粉の粒が残らないように約10分間混練しながら加熱する。ゲル状になってきたら鍋を火からおろし、常温下に放置して常温まで冷まし、型容器内に流し入れて約5℃の温度環境下に約2時間程度静置冷却して固化させ、製品を得る。得られた製品は洋風の味がし、美味であった。主材料が鯛鎌ということを感じない。
【実施例5】
【0020】
本発明骨入り魚肉ペーストを用いた加工食品の製造方法の実施例について説明する。
原料は以下の通りである。
実施例1で製造したペースト状鯛鎌 60g
豆乳 100cc
中華風だし汁(鶏がらスープ) 90cc
紹興酒 10cc
葛粉 15g
上記原料を厚手鍋に入れ、混合しながら葛粉の粒が残らないように約10分間混練しながら加熱する。ゲル状になってきたら鍋を火からおろし、常温下に放置して常温まで冷まし、型容器内に流し入れて約5℃の温度環境下に約2時間程度静置冷却して固化させ、製品を得る。得られた製品は中華風の味がし、美味であった。主材料が鯛鎌ということを感じない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨付き魚肉を脱臭処理後、骨付き魚肉を100℃の湯中に20〜40秒間浸漬したる後に湯中より取り出し、次に、水にて骨付き魚肉からうろこ、汚れ及び血合いを洗浄除去し、得られた骨付き魚肉を水及び牛蒡と共に70〜128℃の温度環境下で且つ1.7〜2.5気圧の圧力環境下で約20〜40分間加圧加熱し、得られた加圧加熱された骨付き魚肉を冷凍固化後、冷凍固化した骨付き魚肉を0.003〜0.010mmの大きさに粉砕してペースト状にしたことを特徴とする骨入り魚肉ペーストの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の製造方法により、0.003〜0.010mmの大きさに粉砕された骨入り魚肉ペーストを製造し、該魚肉ペーストを葛粉及びだし汁と共に加熱しながら混練して葛餡を得、得られた葛餡を型容器内に入れて2〜5℃の温度環境下に静置し固化することを特徴とする骨入り魚肉ペーストを用いた加工食品の製造方法。