説明

骨固着手段

骨固着手段(1)であり、A)縦軸(3)を有す縦シャフト(2)、およびB)前記シャフト(2)に軸方向に固定可能であり、骨の中に固着可能な、同縦軸(3)を有すアンカー素子(4)を含み、さらにC)シャフト(2)およびアンカー素子(4)に相互手段(5、6)が備えられ、それが選択に応じて、アンカー素子(4)のシャフト(2)対する、縦軸(3)周りの回転を許す、または阻止することを特徴とする骨固着手段(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に基づく骨固着手段に関する。
【背景技術】
【0002】
このような骨固着手段は、例えば近位大腿骨の供給、特に転子骨折および大腿骨頸の供給のために使用される。このような装置は、本質的に大腿骨に固着可能な骨板を含む。骨盤は、垂直に、骨固着手段のシャフトに回転安定して収容するための、大腿骨頸に固定するスリーブを持つ
【0003】
大腿骨に固定可能な骨板に使用するための周知の腰ねじはすべて、その骨板のスリーブに挿入する非円形のシャフトが骨固着手段のアンカー素子(ねじ、またはブレード)に硬く結びついているという欠点を持つ。
【0004】
腰ねじを移植した後、外科手術により腰ねじの非円形のシャフトを通じて骨板の非円形のスリーブを案内する場合、DHSの骨板は大腿骨に平行になるのではなく、スリーブに捕まれた腰ねじを同時に回転しながら、その状態に回転させなければならない。状況によって腰ねじはさらにねじ込まれるか、再び少しねじ戻される。特に、急ピッチのねじ山を持つ腰ねじ、いわゆる螺旋ねじの場合には、この前進と後戻りは許容範囲を超える程大きい。
【0005】
伝統的な平らなねじ山を持つ腰ねじの場合、スリーブ軸が、ねじの非円形のシャフトを超えて移動しても、自動的に大腿骨に平行になるようにねじのシャフトを造ることに問題ない。一般に、シャフトがスリーブに重なると板の回転を止める。
【0006】
急ピッチのねじ山(螺旋ねじ)を持つ腰ねじの場合、ねじの少ない回転によっても大きく進むか、戻るかするためこの構造は困難である。
【発明の開示】
【0007】
本発明はここで是正を講じるものである。本発明は、骨固着手段のシャフトとアンカー素子の間に解除可能な阻止可能な連結器を含むことによって、シャフトが選択に応じて、アンカー素子に相対し、縦軸の周りの回転、または回転阻止することが可能な骨固着手段を造る課題を基礎としている。
【0008】
本発明は請求項1の特徴を有す骨固着手段で与えられた課題を解決する。
【0009】
本発明によって得られる長所は本質的に、以降に記載のものである。
−本発明により、新式のアンカー素子を持つ骨固着手段を使用することができる。例えば、急ピッチのねじ山(螺旋)を持った腰ねじ、すでに20年を超える以前から市場にある、伝統的なスリーブ板との組み合わせ。
−新しい骨固着手段と伝統的なスリーブ板との互換性により、伝統的な骨ねじと新しい骨固着手段の中間の決定の外科手術ができる。
【0010】
優先的な実施形態において、骨固着手段はシャフトとアンカー素子を軸方向に結び付ける軸方向ロック手段を含む。これによって、骨固着手段の移植中に、アンカー素子がシャフトに相対して回転可能に成り得ること、およびなお両部品が軸方向に結び付けられており、互いに離れ落ちることがないという長所が生まれる。
【0011】
軸方向ロック手段と相互手段は、部分的または全体的に同じ素子から実現できる、あるいは相互に独立して構成することもできる。さらに軸方向ロック手段は解除可能、または固定して造ることができる。軸ロック手段は、例えばスナップイン可能で有り得るし、ノッチにスナップイン可能な突起を持つ半径方向に柔軟性のある鞭を含むため、シャフトとアンカー素子の簡単な接続が可能である。
【0012】
他の実施形態において、鞭はアンカー素子に、ノッチはシャフトに配置されている。突起は、優先的には凸状であり、リング状のノッチに係合可能である。
【0013】
さらにその他の実施形態においては、軸方向ロック手段はアンカー素子の後端の空洞壁を直径方向に貫通する2つのピンを含み、その先端はシャフトの軸方向に同軸のノッチに掛かる。これにより製造技術的に簡単な、軸方向ロック手段が可能である。
【0014】
それ以外の実施形態においては、アンカー素子の後端の空洞壁およびシャフトに、縦軸に同軸に逃げるリングノッチがスナップリングの受け入れのために備えられている。この場合も軸方向ロック手段は簡単に製造可能である。
【0015】
相互手段は摩擦なく、または形状結合的に造られることができる。摩擦結合的な形状の場合は、例えば以下が好適である。
− 補完する円錐孔にキーロック可能な円錐素子。ある実施形態においては、円錐素子は楔入可能である。それ以外の実施形態においては、円錐素子はねじ機構によって螺嵌する。さらにその他の実施形態においては、円錐素子が円錐の雄ねじを有し、円錐の孔が雌ねじを有す。楔入可能な円錐素子は簡単な連結形態を可能にする。その一方で、最後に述べた円錐結合は簡単に解除可能なバリエーションの一つである。
− 半径方向に柔軟性のある鞭。これは例えばアンカー素子に備えられ、円錐ねじによってシャフトの中心孔の壁に押し当てることが可能である。ここでの長所は相互手段の簡単な操作性である。
【0016】
相互手段が形状結合の形態の場合、例えばシャフトおよびアンカー素子に、優先的には前面に、備えた歯車が好適である。
【0017】
ある実施形態においては、歯車はアンカー素子に固定されている。その一方で、第二の歯車はシャフトに回転ロックされ、軸方向に変位可能な固着素子が装備されている。固着素子はシャフトの自由端から回転可能なねじによって軸方向に変位可能である。
【0018】
その他の実施形態においては、回転ロックされたリング素子の歯車の一つがシャフトに配置されている。その一方で、第二歯車は同様に回転ロックされ、軸方向に変位可能な固着素子に備えられている。固定素子は同様に、シャフトの自由端から回転可能なねじによって歯車が噛合、または離れるまで軸方向に変位可能である。
【0019】
アンカー素子はねじとして50mmより大きなねじピッチGを有し、優先的には80mmより大きい。
【0020】
螺旋ねじの使用は、伝統的腰ねじに対して、数多くの臨床的長所を持つ。
a)大き目の接触面が、ねじの骨からの摘出を防ぐ。
b)螺旋ねじが腰頭に突き当たった場合、骨材料が移植体の周囲で圧搾される。これはねじが骨から摘出されるリスクを補足的に最少にする。
c)伝統的なねじに対して螺旋ねじは移植体上の腰頭の回転を防ぐ。
【0021】
それ以外の実施形態においては、骨固着手段のシャフトは縦軸に直角な断面から見て非円形に造られている。これによってスリーブ板が、骨固着手段が腰頭のどこまで収容されているかに係わり合いなく骨固着手段の非円形のシャフトを通じて折り返すことが可能になる。このように骨固着手段は腰頭の最適なポジションに収容でき、回転安定してアンカーできる。
【0022】
骨合成用の固着装置は、ある実施形態においては、垂直に埋め込まれたスリーブを持つ、大腿骨に固定可能な骨板を含む。これは骨固着手段のシャフトの収容に適している。優先的には、シャフトの外側およびスリーブの内側は補完し合う非円形断面に造られる。
【0023】
本発明のそれ以外の有益な形態は、関連する請求項において特徴を示す。
【0024】
本発明および本発明の改良を多数の実施例の部分的な概要図に基づき、以降にさらに詳細に説明する。
【0025】
(図面の簡単な説明)
図1aは、本発明による骨固着手段のある実施形態の側面図である。
図1bは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態の側面図である。
図1cは、本発明による骨固着手段のさらにそれ以外の他の実施形態の側面図である。
図1dは、本発明による骨固着手段のその他の実施形態の側面図である。
図2aは、本発明による骨固着手段の図1aに示した実施形態の軸ロック手段の概要図である。
図2bは、本発明による骨固着手段の図1bに示した実施形態の軸ロック手段の概要図である。
図2cは、本発明による骨固着手段の図1cに示した実施形態の軸ロック手段の概要図である。
図2dは、図2cに示した軸ロック手段のスナップリングの実施形態の透視図である。
図2eは、本発明による骨固着手段の図2cに示した実施形態のためのスナップリングの実施形態の断面図である。
図2fは、スナップリングの図2eに示した実施形態の図である。
図2gは、本発明による骨固着手段の図2cに示した実施形態のためのスナップリングのそれ以外の実施形態の断面図である。
図2hは、スナップリングの図2gに示した実施形態の図である。
図2iは、本発明による骨固着手段の図1dに示した実施形態の軸方向ロック手段の概要図である。
図2kは、図2iに示した軸方向ロック手段のスリーブの縦軸に直角の断面図である。
図3aは、図1aの円Aの拡大図である。
図3bは、本発明による骨固着手段のその他の実施形態の図3aに類似した断面図である。
図3cは、本発明による骨固着手段のその他の実施形態の骨アンカー素子とシャフト固定端の縦断面図である。
図3dは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態の骨アンカー素子とシャフト固定端の縦断面図である。
図3eは、本発明による骨固着手段のさらにそれ以外の実施形態の骨アンカー素子の透視図である。
図3fは、本発明による骨固着手段のさらにその他の実施形態の骨アンカー素子の図3aに類似した断面図である。
図3gは、本発明による骨固着手段の図3dに示した実施形態のくさび素子の透視図である。
図4aは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態からの図3aに類似した断面である。
図4bは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態の骨アンカー素子とシャフト固定端の縦断面図である。
図4cは、本発明による骨固着手段のその他の実施形態の骨アンカー素子とシャフト固定端の縦断面図である。
図4dは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態の縦断面図である。
図5は、大腿骨に移植された、本発明による固着装置に部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1から4には、骨固着手段1のシャフト2とアンカー素子4の連結器37を備えた様々な実施形態を示す。ここで連結器37は軸ロック手段12(図2aから2k)および回転ロックを可能にし、協力するする手段5、6(図3、4)を含む。ここで相互手段5,6は、シャフト2とアンカー素子4の相対回転運動の摩擦結合(図3aから3g)または形状結合(図4aから4d)を可能にする。
【0027】
アンカー素子4は図1aから1dに示した実施形態においては、周辺に分配された螺旋形状の4枚のブレード7を持つ縦軸3に同軸の螺旋ブレードとして形成されている。ここでアンカー素子4の自由端9のブレード7間の窪み8は開放されている。窪み8の半径方向深さは、軸長L上では一定であり、アンカー素子4の固定端10の窪み8がその外殻11に遷移するまで連続的に減少する。シャフト2はその外殻面38上に、2つの直径方向に配置された、縦軸3に平行な平坦部39を有すため、スリーブ49(図5)の補完孔内のシャフト2は縦軸3周りの回転に対して保護することができる。
【0028】
図2aから2kには、連結器37(図1)に属す、軸方向ロック手段12の詳細な実施形態を示す。軸方向ロック手段12は軸2とアンカー素子4の軸方向の固着にみに作用するのみである。その一方で、アンカー素子4のシャフト2に相対する回転は妨げられない。
【0029】
軸方向ロック手段12の図2aに示した実施形態において、アンカー素子4の固定端10に4つ配置され、周辺に均等に分配され、縦軸3に平行な鞭13を含む。これはシャフト2の固定端34を軸方向に変位可能、およびシャフト2と接続可能である。前記鞭13は縦軸3に対して横に弾性変形可能で、内部に半径方向の突起14を有す。これはシャフト2の内部全周に渡るV字形状の断面を持つノッチ15に係合可能である。軸方向ロック手段12はアンカー素子4に対するシャフト2の両方向の軸方向固着に作用するが、シャフト2に対するアンカー素子4の縦軸周りの自由回転を妨げない。
【0030】
図2bに示す、軸ロック手段12の実施形態は、2つのロックピン21を含む。これはシャフト2の固定端10にシャフト2の壁の半径方向に収容され、その先端はシャフト2の中心孔18の第一拡張セグメント31に、半径方向に突き出ており、そしてそこでジャーナル35上の外周辺を回る開先22に捕らえられている。この開先22はジャーナル35の全周におよんでいるため、アンカー素子4に対するシャフト2の回転は、前記2つのロックピン21に妨げられない。
【0031】
図2cに示した実施形態の場合、軸方向ロック手段12は2つの同軸リングノッチ50、60に係合したスナップリング44によって実現する。リングノッチ50、60は、ジャーナル35の外部に、図2bに示す実施形態と類似して、周辺を回る第一リングノッチ50が、およびシャフト2の中心孔18のそれ以外のセグメント31内に、周辺を回る第二リングノッチ60が配置されている。前記2つのリングノッチ50、60に収めたスナップリング44が、アンカー素子4とシャフト2の軸方向相対運動を妨げる。その一方で、前記2部品の縦軸2の相対回転運動は回転軸として可能である。スナップリング44には様々な実施形態がある。例えば、縦軸3に直角に見たスナップリング44の断面は、円形(図2c)、矩形(図2d)、斜め(図2eから2h)、あるいは段付きが有り得る。
【0032】
図2iおよび2kに示した実施形態において、ロック手段12は、アンカー素子4の固定端10が縦軸3に同軸の、円柱状の接続部91を含み、それが同様に、シャフト2の固定端34に配置されたスリーブ93の、縦軸3に同軸の円柱状の開口部92に収容されることによって実現されている。接続部91は全周に渡るノッチ94を有す。接続部91を開口部92に導入した後で、スリーブ93の壁に、塑性変形によって、複数の、優先的には3つの窪み95が備えられる。前記窪み95は、縦軸3に直角の開口部92の断面を狭め、ノッチ94に嵌合する。シャフト2を組み合わせる前に、スリーブ93の壁に刻印96を設けることによって、窪み95の形状を、接続部91がスリーブ93に対して軸方向に嵌合し、スリーブ93内の接続部91がなお縦軸3周りを回転可能なように管理できる。
【0033】
連結器37(図1)は、軸方向ロック手段12(図2aから2k)と共に、相互手段5、6を含む。これによりアンカー素子4およびシャフト2との間の縦軸3周りの相対回転の阻止可能または阻止不可に選択できる。
【0034】
図3aから3gは連結器37の様々な実施形態を示す。これはシャフト2とアンカー素子4の相対運動の摩擦阻止可能にする。
【0035】
図3aにおいては、連結器37は、第一の相互手段5として縦軸3に同軸の円錐素子16を含み、および第二の相互手段6として円錐素子16を補完するシャフト2とアンカー素子4の円錐孔17を含む。ここで、第一の、シャフト2に配置された孔18の内部円錐セグメント19と第二の、アンカー素子4に配置された内部円錐セグメント20の遷移は連続である。円錐素子16は円錐セグメント19、20の中で軸方向に変位可能に支持されている。内部円錐セグメント19、20および円錐素子16は、アンカー素子4の固定端10に対して広がる。シャフト2内の中心孔18を通過可能なピン(表示なし)によって円錐素子16は、補器類、例えばハンマーを使うことによってアンカー素子4の自由端9(図1)に対し2つの内部円錐素子19、20に楔入するまで圧力を加えることができる。楔入を可能な限り少ない力で可能にするために、円錐素子16は直径方向にスリットが入っている。円錐素子16が両内部円錐素子19、20に楔入するため、シャフト2の円錐素子16の楔入位置とアンカー素子4は摩擦結合され、相対回転を阻止する。しかし円錐素子16はこの実施径庭においては再度解除することはできない。
【0036】
図3bに示す、相互手段5、6の実施形態は、図3aに示す、相互手段5、6の実施形態とは、円錐素子16が補器類(図3a)を使うことによるのではなく、シャフト2に備えられたねじ素子51を使うことによりアンカー素子4の自由端9(図1)に圧力を加えることができるという点においてのみ異なる。円錐素子16はそのすべての位置において、ねじ素子51の周囲を囲うノッチ52に収容され、ねじ素子51に対して相対して自由回転できる。ねじ素子51はシャフト2の固定端34に配置された円柱状の孔18の拡張54の雌ねじ53に螺嵌できる。
【0037】
図3cに、連結器37の実施形態を示す。その相互手段5、6は摩擦により阻止可能である。軸方向ロック手段12は、図2aに示した実施形態と同様に半径方向に弾性のある鞭13として造られている。ただしシャフト2の固定端34上で変位するのではなく、シャフト2の中心孔18で変位する点で異なっている。半径方向の突起14は鞭13の外側に、ノッチ15は中心孔18の中に配置されている。鞭13は、縦軸3に同軸の空洞70を囲い、その壁は円錐状の雌ねじ71を有し、補完する雄ねじ72を有す止めねじ73が螺嵌可能である。止めねじ73を締結すると、第一に相互手段5として好適な鞭13が、第二に相互手段6として好適な孔18の壁に対して半径方向に圧力をかける。それによりシャフト2はアンカー素子4と回転摩擦により結合される。鞭13の突起14も、広がらない鞭13の場合にはノッチ15に噛合するため、軸方向ロック手段12の効果と相互手段5、6の効果は互いに無関係である。それに対して、軸方向ロック手段12と相互手段5、6はここで互いに無関係でないように造られている。
【0038】
図3dに示した連結器37の実施形態は図3cに示した実施形態とは、鞭13によって囲われた円錐の空洞70が平滑な壁を有すことにより、補完する円錐状の円錐素子16が空洞70に噛合可能であるという点においてのみ異なる。円錐素子16は、孔18の雌ねじ33に螺嵌可能な締付ネジ63によって空洞70の軸方向に圧力をかける。
【0039】
図3eに示す実施形態において、軸方向ロック手段12と相互手段5、6はそれぞれ無関係に造られている。軸方向ロック手段12は、図2bに示した実施形態と同様に造られている。すなわちアンカー素子4の固定端10にはジャーナル35が、縦軸3に同軸の開先22と共にロックピン21(図2b)の半径方向の収容のために配置されている。相互手段5、6の形態は、図3cに示した実施形態とは、第一の相互手段5がジャーナル35に恒久的に固定され、突起14のない半径方向に弾性的な鞭13が囲っている点においてのみ異なる。
【0040】
図3fおよび3gに示した実施形態は、相互手段5、6に関して、図3bに示した実施形態とは、第一の相互手段5として、円錐素子16(図3a)の替わりに対称円形の止め具61がシャフト2の中心孔18の第一の拡張31に配置されている点で異なる。斜めの側断面64を有す円形の止め具61は、ブロックするため、止め具4のジャーナル35の補完傾斜62に圧力をかける。第二の相互手段6として、シャフト2の中心孔18の雌ねじ33を有す第二の拡張32において、締付ねじ63が配置されている。それによって円形の止め具61はアンカー素子4の固定端10の傾斜62に対して圧力をかけることができる。軸方向ロック手段12は図2cに示した実施形態と同様に実現されている。
【0041】
図4aから4dまでに、シャフト2とアンカー素子4の相対回転運動を形状により阻止するための相互手段5,6を含む連結器37の様々な実施形態を示す。
【0042】
図4aに示した相互手段5、6の実施形態において、アンカー素子4はその固定端10に直径の小さくなったジャーナル35を有す。これはシャフト2の中心孔18内の第一の拡張セグメント31に軸方向に導入可能で、その縦軸3に直角な側面に第一の歯車23を有す。第一歯車23を有す軸35はここでは第一の相互手段5を形成している。その一方で、第二相互手段6は、第一拡張セグメント31に支持され、軸方向に変位可能な固着素子56によって形成されている。ここで円形に形成された固着手段56は、そのアンカー素子4に向いた前面に第二歯車24を有す。前記固着素子56の軸方向変位によって、2つの歯車23、24が噛合可能または解除可能である。固着素子56の変位は、1つのねじ29によって成される。それは第二の拡張阻止32に備えられた雌ねじ33内で時計回り、または反時計回りに回動させることによって両方向に変位可能である。手段30はねじ回しの受容に役立つ。例えば六角またはトルクス駆動として構成される。寸法は、ねじ回し(表示なし)がシャフト2の自由端36(図1)にシャフト2内の中心孔18を通じて使用可能であって、手段30に噛合うことが可能なように決められている。
【0043】
固着素子56は、縦軸3の軸方向に変位可能であり、一方で縦軸3周りの回転は阻止される。図4aに示した実施形態において、固着素子56が2つの直径方向に配置された、固着素子56の壁を貫通するピン27を含み、その先端はねじ29の第二のリングノッチ28に軸方向に収容されている。そのためねじ29は、縦軸3周りを回転可能であり、その一方で、固着素子56の縦軸3周りの回転は、縦軸3に並行な縦ノッチ26を第一拡張素子31の内壁に案内するピン27後端によって阻止される。
【0044】
相互手段5、6の図4bに示した実施形態は、相互手段5、6の図4aに示した実施形態とは、非円形の縦軸3に直角の断面から見て、優先的には楕円の固着素子56が備えられていて、それがシャフト2の中心孔18の補完するように形成された第一の拡張セグメント31内に回転自由に固定されている点においてのみ異なる。固着素子56は、縦軸3に直角な切り欠き57を有す、それによってU形状に造られた固着素子56は、ねじ29の組み立ての前に、シャフト2の孔18の中に、縦軸3に直角にねじ29上で変位可能になる。切り欠き57はその後端58に狭窄部59を有す。これは縦軸3に直角に第二リングノッチ28に変位可能である。固着素子56は、第二リングノッチ28に接合された前記狭窄部59によって、ねじ29に軸螺合している。その一方で、ねじ29は固着素子56に相対的に縦軸3周りに回転可能である。
【0045】
図4cに相互手段5,6の実施形態を示す。これは相互手段5、6の図4bに示した実施形態とは、固着素子56がアンカー素子4内の中心孔80に恒久的に配置された第一の拡張セグメント81に受容される点においてのみ異なる。縦軸3に直角な断面から見て、固着素子56および第一の拡張セグメント81は楕円の断面を有す。そのため固着素子56は縦軸3周りの回転に対して固定されているが、第一の拡張セグメント81に軸方向に変位可能に受容される。固着素子56は、図4bと同様に、縦軸3に直角な切れ込み57を有す。そのためU形状に造られた固着素子56は断面3に直角にねじ29上を変位可能になる。切り込み57は、ここで同様に縦軸3に直角にリングノッチ28の中に変位可能な狭窄59を有す。そのため固着素子56はねじ29と軸締結され、ねじ29の回転は妨げられない。ここで、ねじ29はアンカー素子4の中心孔80の第二の拡張セグメント83に配置された雌ねじ82と螺嵌可能である。さらに、補完する楕円の空所85内の楕円リング素子84はシャフト2の中心孔18に配置され、楕円に造られたリング素子84と空所85によって同様に縦軸3周りの回転に対して固定されている。互いに噛合可能な両歯車23、24は固着素子56の隣接する固着素子56の前面、およびリング素子84に配置されている。そのため歯車23、24は、固着素子56の軸方向変位によって、ねじ29を使って離噛可能である。
【0046】
相互手段5、6の図4dに示した実施形態は、相互手段5、6の図4aに示した実施形態とは、縦軸3に直角な断面から見て非円形の、優先的には楕円の、固着素子56が備えられていて、シャフト2の中心孔18の補完するように形成された、第一の拡張セグメント31と回転固定されているという点においてのみ異なる。アンカー素子4の固定端10に、縦軸3に同軸の円柱状の接続部91が配置され、それがシャフト2の固定端34に配置された補完するように形成された第二の中心孔18の拡張32に導入可能である。この接続部91は表面に第一の歯車23を有し、それが固着素子56の対面する表面に配置された第二の歯車24と噛合可能である。それに加え、連結器37は中心孔18の雌ねじ33と螺嵌可能な、ねじ29を含む。ねじ29はアンカー素子4に対応するその端部には、大きめの直径を有すねじ頭部25を有し、それは片側半径方向に開いたガイド75の中に縦軸3に直角に挿入可能で、その中で回転自由に軸方向固定できる。ねじ29の締結の際に、一方ではシャフト2がアンカー素子4に対して軸方向に荷重をかけ、それにより軸方向ロック手段12の機能はねじ29に受け継がれ、そして他方では2つの歯車23、24は噛合するため、ここに示す実施形態において、軸ロック手段12と相互手段5、6は互いに無関係になる。
【0047】
図4aから4dまでに示した相互手段5、6の実施形態の際、こうして互いに噛合した歯車23、24においてはシャフト2とアンカー素子4は回転形状的に連結されている。その一方で、離噛した歯車23、24においてシャフト2は縦軸3の周りにアンカー素子4に相対的に回転可能である。
【0048】
図5に表示するように、スリーブ板45は孔46に挿入される骨ねじ47を使って大腿骨48に固定することができる。その一方で、ガイドスリーブ49は大腿骨頸または転子骨折部の横に寝るようになる。こうして頭の断片は、骨固着手段1を使って、大腿骨48の残りの部分に回転固定できる。
【0049】
骨固着手段の移植のための手術技術は、以降の項目から成る。
−ある装置を用いて、1作業過程で、骨固着手段1の収容およびスリーブ板45に備えたガイドスリーブ49の収容のために大腿骨頸の中心に、大転子の下、横正中方向に様々な直径の複数の孔を開ける。
−その次に、骨固着手段1を大腿骨頸に螺嵌する、または打ち込む、ここで照準器を使って正確な打ち込み、または螺嵌深さが決定される。
−その後で、スリーブ板45のガイドスリーブ49を骨固着手段のシャフトを超えて押し込み、大腿骨のシャフトに配列させる。
−スリーブ軸45を、骨ねじとして造られた骨固着手段20を使って、骨シャフトに固定し、そして
−ある装置を用いて、シャフト2とアンカー素子4の回転をブロックする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1a−d】図1aは、本発明による骨固着手段のある実施形態の側面図である。 図1bは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態の側面図である。 図1cは、本発明による骨固着手段のさらにそれ以外の他の実施形態の側面図である。 図1dは、本発明による骨固着手段のその他の実施形態の側面図である。
【図2a−h】図2aは、発明による骨固着手段の図1aに示した実施形態の軸ロック手段の概要図である。 図2bは、本発明による骨固着手段の図1bに示した実施形態の軸ロック手段の概要図である。 図2cは、本発明による骨固着手段の図1cに示した実施形態の軸ロック手段の概要図である。 図2dは、図2cに示した軸ロック手段のスナップリングの実施形態の透視図である。 図2eは、本発明による骨固着手段の図2cに示した実施形態のためのスナップリングの実施形態の断面図である。 図2fは、スナップリングの図2eに示した実施形態の図である。 図2gは、本発明による骨固着手段の図2cに示した実施形態のためのスナップリングのそれ以外の実施形態の断面図である。 図2hは、スナップリングの図2gに示した実施形態の図である。
【図2i−k】図2iは、本発明による骨固着手段の図1dに示した実施形態の軸方向ロック手段の概要図である。 図2kは、図2iに示した軸方向ロック手段のスリーブの縦軸に直角の断面図である。
【図3a−b】図3aは、図1aの円Aの拡大図である。 図3bは、本発明による骨固着手段のその他の実施形態の図3aに類似した断面図である。
【図3c−d】図3cは、本発明による骨固着手段のその他の実施形態の骨アンカー素子とシャフト固定端の縦断面図である。 図3dは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態の骨アンカー素子とシャフト固定端の縦断面図である。
【図3e】本発明による骨固着手段のさらにそれ以外の実施形態の骨アンカー素子の透視図である。
【図3f−g】図3fは、本発明による骨固着手段のさらにその他の実施形態の骨アンカー素子の図3aに類似した断面図である。 図3gは、本発明による骨固着手段の図3dに示した実施形態のくさび素子の透視図である。
【図4a】本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態からの図3aに類似した断面である。
【図4b−d】図4bは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態の骨アンカー素子とシャフト固定端の縦断面図である。 図4cは、本発明による骨固着手段のその他の実施形態の骨アンカー素子とシャフト固定端の縦断面図である。 図4dは、本発明による骨固着手段のそれ以外の実施形態の縦断面図である。
【図5】大腿骨に移植された、発明による固着装置に部分断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 骨固着手段 2 縦シャフト 3 縦軸 4 アンカー素子
5、6 相互手段 7 ブレード 8 窪み 9 自由端 10 固定端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨固着手段(1)であり、
A)縦軸(3)を有す縦シャフト(2)、および
B)前記シャフト(2)に軸方向に固定可能であり、骨の中に固着可能な、同縦軸(3)を有すアンカー素子(4)
を含み、さらに
C)シャフト(2)およびアンカー素子(4)に相互手段(5、6)が備えられ、それが選択に応じて、アンカー素子(4)のシャフト(2)対する、縦軸(3)周りの回転を許す、または阻止することを特徴とする骨固着手段(1)。
【請求項2】
シャフト(2)およびアンカー素子(4)に軸方向ロック手段(12)が配置されていて、それによりシャフト(2)とアンカー素子(4)が軸上に結束されることを特徴とする請求項1に記載の骨固着手段(1)。
【請求項3】
前記軸方向ロック手段(12)および前記相互手段(5、6)が相互に独立して造られていることを特徴とする請求項2に記載の骨固着手段(1)。
【請求項4】
前記シャフト(2)および前記アンカー素子(4)が相互に軸方向に硬く結びついていることを特徴とする請求項2または3に記載の骨固着手段(1)。
【請求項5】
前記シャフト(2)および前記アンカー素子(4)が軸方向に相互に解除可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の骨固着手段(1)。
【請求項6】
前記アンカー素子(4)と前記シャフト(2)の間の前記軸方向ロック手段(12)が弾性的に噛合可能に作られていることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)。
【請求項7】
前記軸方向ロック手段(12)が突起(14)を持つ半径方向に弾性のある鞭(13)を含み、前記突起(14)が、補完する、縦軸(3)に同軸の円形のノッチ(15)に係合可能なことを特徴とする請求項6に記載の骨固着手段(1)。
【請求項8】
前記鞭(13)がアンカー素子(4)に配置され、および前記ノッチ(15)がシャフト(2)に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の骨固着手段(1)。
【請求項9】
前記突起(14)が凸状に造られていることを特徴とする請求項8に記載の骨固着手段(1)。
【請求項10】
前記ノッチ(15)がV状の断面を有すことを特徴とする請求項8または9に記載の骨固着手段(1)。
【請求項11】
前記軸方向ロック手段(12)が、縦軸(3)に直角に固定されたロックピン(21)を少なくとも1つ含み、その先端は縦軸(3)に同軸の円形の開先(22)に係合することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)。
【請求項12】
前記軸方向ロック手段(12)がスナップリング(44)を含み、これが縦軸(3)に同軸の、シャフト(2)の第一のリングノッチ(50)に、および同じく縦軸(3)に同軸の、アンカー素子(4)の第二のリングノッチ(60)に挟まれていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)。
【請求項13】
前記相互手段(5、6)がシャフト(2)とアンカー素子(4)の間の摩擦結合を有すことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)。
【請求項14】
前記手段(5、6)が縦軸(3)に同軸に、シャフト(2)の結合部、およびアンカー素子(4)の配置された内部円錐セグメント(19,20)、およびその中にあって軸方向に解除可能に楔入可能な円錐素子(16)を含むことを特徴とする請求項13に記載の骨固着手段(1)。
【請求項15】
シャフト(2)に第一円錐セグメント(19)、およびアンカーセグメント(4)にそれに相応する第二円錐セグメント(20)を備えることを特徴とする請求項14に記載の骨固着手段(1)。
【請求項16】
前記相互手段(5、6)が、アンカー素子(4)に配置され、半径方向に柔軟性のある鞭(13)を含み、これが円錐止めねじ(73)を用いてシャフト(2)の中心孔(18)の壁に対して圧力をかけられることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)。
【請求項17】
前記半径方向に柔軟性のある鞭(13)が突起(14)を含み、および前記突起(14)が、補完する、縦軸(3)に同軸の円形のノッチ(15)に係合可能であることを特徴とする請求項16に記載の骨固着手段(1)。
【請求項18】
前記手段(5、6)がシャフト(2)とアンカー素子(4)の間の回転形状結合を可能にすることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)。
【請求項19】
前記回転形状結合が、相互に噛合可能な第一および第二の歯車(23、24)によって造られていることを特徴とする請求項18に記載の骨固着手段(1)。
【請求項20】
a)前記アンカー素子(4)が、シャフト(2)に向いた固定端(10)に配置された第一歯車(23)を含むこと、および
b)シャフト(2)に、回転結合され、軸変位可能な固着素子(56)が、前記第一歯車(23)と噛合可能な第二歯車(24)と共に配置されていること
を特徴とする請求項19に記載の骨固着手段(1)。
【請求項21】
c)前記アンカー素子(4)が、回転結合され、第一歯車(23)を持つ軸変位可能な固着素子(56)を含むこと、および
d)シャフト(2)に前記第一歯車(23)に噛合可能な第二歯車(24)が配置されていること
を特徴とする請求項19に記載の骨固着手段(1)。
【請求項22】
前記固着素子(56)が、同軸に配置されたねじ(29)によって軸方向に変位可能であることを特徴とする請求項20または21に記載の骨固着手段(1)
【請求項23】
前記アンカー素子(4)がねじピッチGを持つねじであることを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)。
【請求項24】
前記ねじピッチGが50mmより大きいこと、優先的には80mmより大きいことを特徴とする請求項23に記載の骨固着手段(1)。
【請求項25】
前記シャフト(2)が非円形の断面を有すことを特徴とする請求項1から24のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)。
【請求項26】
垂直に埋め込まれたスリーブ(49)を持った、大腿骨(48)に固定可能な骨板(45)を含み、骨固着手段(1)の前記スリーブ(49)内の前記シャフト(2)が取り外し可能であることを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の骨固着手段(1)を用いる骨合成のための固着装置。
【請求項27】
前記スリーブ(49)が内側で非円形の断面を有し、および前記シャフト(2)がそれを補完する非円形の断面を有すことを特徴とする請求項26に記載の固着装置。

【図1a−d】
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【図2a−h】
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【図2i−k】
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【図3a−b】
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【図3c−d】
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【図3e】
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【図3f−g】
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【図4a】
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【図4b−d】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−526042(P2007−526042A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501085(P2007−501085)
【出願日】平成16年3月3日(2004.3.3)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000119
【国際公開番号】WO2005/084568
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.トルクス
【出願人】(500156069)ジンテーズ ゲゼルシャフト ミト ベシュレンクテル ハフツング (34)
【住所又は居所原語表記】Eimattstrasse 3, CH−4436 Oberdorf, Swizerland
【Fターム(参考)】