骨接続要素の挿入物の挿入装置および摘出装置並びに挿入物
【課題】挿入物を保有する固定要素のための少なくとも1つの開口部を持つ耐荷重要素を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される前記挿入物を摘出するための摘出装置を提供する。
【解決手段】摘出装置50は、挿入物の周囲で耐荷重要素の表面部分と係合可能な近位突合わせ面64を有する外側中空スリーブ60と、内側バー70とを具備してなり、前記バーは、前記中空スリーブの中への前記バーの挿入を可能にする直径を有し、且つその近位端部に、摘出すべき挿入物のねじ山と係合する近位ねじ山71を備えている。前記中空スリーブは雌ねじを備え、前記内側バーは、前記中空スリーブの雌ねじと係合する雄ねじを備える。前記雄ねじは、近位ねじ山から一定の長手方向の距離で前記バーの上に配置され、それによって前記近位ねじ山が前記近位突合わせ面64を越えて延伸して、挿入物にねじ込まれることが可能となる。
【解決手段】摘出装置50は、挿入物の周囲で耐荷重要素の表面部分と係合可能な近位突合わせ面64を有する外側中空スリーブ60と、内側バー70とを具備してなり、前記バーは、前記中空スリーブの中への前記バーの挿入を可能にする直径を有し、且つその近位端部に、摘出すべき挿入物のねじ山と係合する近位ねじ山71を備えている。前記中空スリーブは雌ねじを備え、前記内側バーは、前記中空スリーブの雌ねじと係合する雄ねじを備える。前記雄ねじは、近位ねじ山から一定の長手方向の距離で前記バーの上に配置され、それによって前記近位ねじ山が前記近位突合わせ面64を越えて延伸して、挿入物にねじ込まれることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨ねじ等の固定要素のための少なくとも1つの開口部を持つ骨プレート等の耐荷重要素を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される挿入物のための摘出装置に関する。本発明はさらに、挿入物自体、およびこのような挿入物のための挿入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
受容体の開口部に挿入することのできる挿入物が提供されており、この挿入物の外形は受容体の内形を少なくとも部分的に補完する。この挿入物は、固定要素の本体を取り付けるための中央貫通孔を有している。埋め込み可能な整形外科用装置は、受容体内に挿入物を保持する構造を有している。
【0003】
耐荷重要素を有する一連の埋め込み可能な整形外科用装置、例えばこのような耐荷重体内に固定要素を挿入するための開口部を有する骨プレートが従来技術より知られている。これらのうちで、固定要素の単軸および多軸の留め具、特にねじに提案されているものがある。
【0004】
耐荷重要素内にねじの多軸留め具を有するこの種の装置の一例が米国特許第5,954,722に示されている。挿入物を有するほかの骨プレートが米国特許第5,976,141および5,607,428に示されている。1つの有利な挿入物がWO2004/082493に示されており、これをここに援用する。
【0005】
図1は、耐荷重要素と共に用いられる挿入物の斜視図を示している。図2は、ほかの挿入物が挿入された耐荷重要素の側断面図である。耐荷重要素に予め標準的な挿入物を装備することができる。それにより、骨プレートの製造をより簡単に且つより費用効率の高いものとすることができ、外科医は必要に応じて骨プレートを適合させることが可能となる。その後、挿入物の一方を摘出して、別の異なる挿入物と交換するかまたは孔を空いたままにしておく必要のある場合がある。この従来技術には、外科医チームに挿入物を摘出する援助をするための摘出用具が提供されていないという欠点がある。
【特許文献1】米国特許第5,954,722
【特許文献2】米国特許第5,976,141
【特許文献3】米国特許第5,607,428
【特許文献4】WO2004/082493
【発明の開示】
【0006】
従って、本発明の目的は、異なる耐荷重要素から異なる挿入物を容易に摘出することを可能にする摘出装置を提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する上述の種の摘出装置にする本発明によって達成されるものである。
【0008】
この目的は、単純な且つ素早い運動で挿入物を耐荷重要素から摘出することが可能となるようにその挿入物と係合することができる摘出装置によって達成される。前記摘出は、角度の異なる位置で相当数の異なる挿入物に届くことができる。特に、この摘出装置を用いることによって、直接且つ自動的に挿入物の確実な摘出を保証することができるという利点がある。
【0009】
内側孔が所定のねじ山を有している限り、軸の傾いた様々な挿入物の摘出に必要な援助を提供するのに1つの摘出装置で十分である。従って、外科医は、多軸または単軸のねじの挿入のための所定の角度の挿入物を有する骨プレートを用い、前記挿入物のうちの1つ以上を変更することによって、簡単に骨ねじを多くの異なる所定の角度に向けることができる。
【0010】
本発明のほかの目的は、外科医が取り扱い易い挿入物を提供することである。
【0011】
さらに、本発明の目的は、異なる挿入物を異なる耐荷重要素に簡単に挿入することを可能にする挿入装置を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
限定することのない本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読み、添付された図面を検証することによって本発明のより良い理解が得られるであろう。
【0013】
図1は、プレート1の形態における耐荷重要素の上面図を示しており、プレート1の長手方向に沿って一列の取り付け孔2が配置されている。図2は、耐荷重要素1と共に用いられる第1の挿入物10の斜視図を示している。孔2は、長円形の中央開口部3を示す貫通孔である。開口部3には、軸4の両側に2つの側壁5があり、これらの側壁はプレート1の縦軸4の方向と平行して広がり、且つプレートの表面に直角に広がっている。これらの平行な側壁5は両端部で半円壁6によって接続され、それぞれが半円筒形の境界を形成し、それらが合わさった結果、上述の長円形開口部3となる。
【0014】
プレートのほかの形態において、長円形の孔2を設けることもできる。孔2は楕円形または一般的な細長い形状とすることもできる。極めて重要なことは、図2に示される挿入物10によって可能とされる取り付け要素または留め具を選択する機能の多様性である。プレート1の大抵は細長い形状によって、直径のより大きなねじの挿入に柔軟性を維持するためには円形の孔よりも細長い孔2の方が好ましい。孔は本質的に円筒形でもよいが、挿入物10がその中に傾斜穴を設けるための材料が少なくなるという欠点がある。
開口部3を形成する円筒形の、必ずしも円形ではない壁5、6の周囲には、面取り面領域7が配置され、これは、埋め込みの間に骨と反対に向くプレート1の上面8から内側に向かって広がり且つテーパしている。この領域7の形状は部分的に球形であることが好ましい。
【0015】
耐荷重要素1の上面8は、孔2の近傍の側部領域18でやや深く形成されている。側壁5の上部縁15も同様であり、これは、長手方向4の孔端部と反対の方向に低くなる(プレート底面に近くなる)ように示されている。外科手術中の挿入時に骨に最も近い底面9は、ここでは局所的に平らになっている。通常、プレート1は連続する表面8および下面9を呈することができ、これらは、各地点において骨の上での位置決めの機能のために、必ず平らになっていると考えられる。しかしここでも、曲線状のまたは曲がった表面上での位置決めを提供することができる。
【0016】
図2は、図1による耐荷重要素1と共に用いられる挿入物10の斜視図を示している。すべての図において同様の特徴は同じ参照番号で示されている。各挿入物10は、領域7および側壁5に対して内部係止孔2を補完する形状に設計されている。挿入物10は、雌ねじ12を持つ中央孔11を有している。雌ねじ12は円筒形またはやや円錐状とすることができる。挿入物10は、骨に隣接する下面9を越えて広がる領域を有することができる。特に、挿入物10はその縁に沿って係止機構を有している。特に、この係止機構は、挿入物10の挿入の後にプレート1の下面9と係合する2つの突出リムとすることができる。プレート1内に挿入されたとき、挿入物10は、その拡張領域によって、骨材料に対する間隔スペーサを形成することができ、孔11内に挿入されたねじがこの中にねじ込まれる。
【0017】
少なくとも耐荷重要素1の縦軸4の長さに沿って、プレート1の開口部2の周囲で底面9に凹部33を設けることもできる。この凹部は狭い側面に設けることもできる。さらに、挿入物10には、挿入物10の底部が下面9を越えて突出しないように配置された突出リム27が設けられている。従って、挿入物10の裏面は、耐荷重要素1の上述の面9と少なくとも同一平面となる。
【0018】
参照番号21は、プレート1の領域18の縁に対応する外周22を有する挿入物10の表面を示している。球面23は表面21から下に向かって広がり、表面7と補間面接触を有するような形状とされている。半円エクステンション24は表面23から下に向かって広がり、孔2の領域6と目立った遊びがなく適合接触している。
【0019】
長手方向面5の向かい側にある領域は各側で弾性エクステンション25を構成し、図示された好ましい実施形態においては、各エクステンション25にはスロット26が設けられている。各エクステンション25はその下縁部に、外縁29を持つ上向きショルダ28を有する挿入物の視点から外側に向く突出リム27を有している。骨に面するリム27の表面を傾斜させることができる。エクステンション25はある程度柔軟性を持つ。挿入物10を挿入する際、エクステンション25はスライドして孔2に入り、突出リム27によって内側に反れる。挿入物10が完全に挿入されると、ショルダ28がプレート1の下面9に対してスライドし、挿入物10をプレート1内に係止する。この係止は、後の骨ねじ(図示せず)の挿入によってさらに確実なものとなる。
【0020】
本発明の目的は、このような固定された挿入物10をプレート1から摘出することができる摘出装置を提供することである。エクステンション25の内向きのたわみを得ることによって突出リム27がプレート1の下でまたはプレート1の底部に設けられた凹部内に固着されなくなるように圧力を加えなければならない。尚、エクステンション25およびそれと共に突出リム27が挿入物10の対向する長辺に2つのエクステンション25として配置されていない場合にも、摘出装置は機能しなければならない。挿入物の狭い側面の上の、即ち半円円筒エクステンション24の位置に対応する弾性エクステンションを設計に含めることもできる。エクステンション25は交互に配置することもできる。1つのみまたは2つ以上のエクステンションとすることもできる。
【0021】
図4は、本発明の一実施形態による摘出装置50の斜視図を示している。摘出装置50は、2つの異なる部分と、外側スリーブ60と、スリーブ60の内側の貫通孔を越えて両側に延びる内側バー70とを備えている。外側スリーブ60は図6により詳細に示されており、内側バー70は図7乃至9により詳細に示されている。
【0022】
図5は、図4による装置50の側面図である。外側スリーブ60は、このスリーブ60の一体部分である第1のハンドル部分62を有する中空スリーブ部分61を備えている。第1のハンドル部分62は、装置50のユーザの手の把持部を提供する外周窪み65を備えている。内側バー70の近位バーセクション73の直径よりも大きな直径を有する円形突合わせリング64で終端している中空スリーブ部分61の反対側の端部には太さの増した突合わせスリーブ63が設けられている。突合わせリング64の機能については後で説明する。外部スリーブ60の長さを150から200ミリメータとし、第1のハンドル部分62の直径を30から50ミリメータとし、外側スリーブの直径を例えば14ミリメータとすることができる。
【0023】
図4および5の両方から、内側バー70は外側スリーブ60の両側に延びていることが分かる。第1のハンドル部分62の側で、内側バー70は、外周把持窪み75を有する第2のハンドル部分72を備えている。第2のハンドル部分72の半径は中空スリーブ60の内径よりも大きい。中空スリーブ60の上に広がる近位バーセクション73の端部には係合ねじ山71が設けられている。
【0024】
図6は、図4による摘出装置50の外部スリーブ60の側断面図を示している。中空スリーブは、第1の直径を有し、且つ第1のハンドル部分62の近傍の開口部67から雌ねじ68に向かって広がる遠位セクション66を有する貫通孔を備えている。貫通孔はその近位側で、前記第1の内径よりも小さな第2の直径を備えている。雌ねじ68は、例えば10ミリメータの長さを有し、5個から10個の完全山部を持つことができる。雌ねじ68は、スリーブ60の近位端部の近傍で、例えば突合わせリング64から20から40ミリメータの所に配置される。雌ねじ68を第1のハンドル部分62の近傍にまたはその下に配置することも可能である。
【0025】
スリーブ60の一部の内径である前記第1の直径は12ミリメータに選択することができ、遠位端部69の前記第2の直径は11ミリメータに選択することができる。拡大セクション63は14ミリメータの直径を有することができる。
【0026】
図7は、図4による摘出装置50の内側バー70の斜視図を示している。図8は、図7の内側バー70の側断面図を示している。内側バー70は、中空スリーブ60の第1の内径と同様の外形を有する第1の遠位バー部分74を備えており、それにより開口部67の側から中空スリーブ60の中へ内側バー70をほとんど遊びなく挿入することができる。遠位バー部分74は把持窪み75の突合わせフランジ76で終端している。遠位バー部分74の反対側の端部で、中間バー部分77がより細い円筒形部分を有している。中間バー部分77の次には、外側スリーブ60の内側ねじ込み部分68と同一であることが好ましい長手方向長さを有するねじ込み部分78が続いている。前記ねじ山の位置は、内側ねじ込み部分68の位置にも依存する。前記部分68が第1のハンドル部分62の近傍にまたはその下に配置されている場合、内側バー70のねじ込み部分78は遠位バー部分74の領域の近傍にまたはその中に配置される。
【0027】
図示された実施形態において、ねじ込み部分78の次には近位内側バーセクション73が近接して続いている。前記内側バーセクション73の次には内側バー70の先端部71が続いており、これは図9において拡大図で示されている。
【0028】
先端部71は平らな表面81で終端しているねじ山80の4つの完全山部を備えている。ねじ山80は円錐状で、面取りフランジ79を介して内側バーセクション73と接続している。ねじ山80の方向はねじ山78の方向と同一である。バー70の主軸82は、ねじ山80の軸82およびスリーブ60の長手方向主軸と一致している。円錐状ねじ山80の利点は、ねじ山12の損傷した挿入物10に対するバーの固定をより容易にすることである。
【0029】
装置50の機能は以下の通りである。スリーブ60内の遠位開口部67を通して中空スリーブ60の中へバー70を挿入することによって装置が組み立てられる。バー70のねじ山78は、中空スリーブ60の雌ねじ68と係合し、先端部71が延伸して中空シャフト60の端部を越えるまで、またはねじ山68および78が互いから自由になるまで回転する。ねじ山68および79は両方とも右回りであり、即ちねじ山78はその対を成す部分68に対して時計回りに回ったときに前進する。第2のハンドル部分72のフランジ76を中空シャフト60の第1のハンドル部分62に最終的に突合わせることができる。このとき、ねじ山78はねじ山68と係合しなくてもよい。
【0030】
次に、ハンドル72を回すことによってバー70が挿入物10の中にねじ込まれ、即ち円錐状ねじ山80が挿入物10の雌ねじ12と係合する。先端部の突合わせフランジ79が挿入物10の上面21と接触することが好ましい。次に、突合わせリング64が前進して挿入物10の後ろでプレート1の表面8と接触し、即ち突合わせリング64は表面21に接触しないが、挿入物10の外周21の外側でプレート1に触れる。この接触は、上述のような挿入物孔11の角度および方向と無関係に可能である。バー70に関連したスリーブ60の相対的な前進は、長手方向の運動であるか、またはねじ山68および78が係合するときに回転を含むことができる。回転運動のために、ハンドル部分62はその所定の位置に維持されている内側バーのハンドル部分72に対して回転する。挿入物10の雌ねじ12も右回りである。
【0031】
突合わせリング64がプレート1の上面8と接触する(挿入物10とは接触しない)と、取り外しスリーブ60がバー70の上述の回転と反対の方向にさらに回転する。前記回転によって、ロッド73がさらにスリーブ60の中へ引き込まれるため、挿入物10に対して摘出装置50の長手方向82にプレート1と反対方向に力が加えられる。これによって、挿入物10の係合手段25が負け、挿入物10が摘出されるという状況となる。右回りねじ山68および78の利点は、挿入物10を摘出するための回転によって挿入物10のねじ山12がさらに先端部71のねじ山80に締められることである。
【0032】
(図示されない)ほかの実施形態において、ねじ山68および78を左回りとしてもよい。この場合、外科医は通常の反時計方向の運動で挿入物を摘出するが、挿入物10のねじ山12が内側バー70の円錐状ねじ山80に締め付けられなくなる可能性がある。
【0033】
突合わせリング64は円形ではなく異なる形態とすることもできることは明らかである。これは多角形の突合わせ面を有してもよく、または突合わせ面の平面がバー70の長手方向82に直角な平面と角度を成すこともできる。
【0034】
図10は、耐荷重要素1の近傍の本発明の第2の実施形態による摘出装置90の側断面図を示している。摘出装置90は、3つの異なる部分を備え、外側スリーブ60と、この外側スリーブ60内で貫通孔を越えて両側に延びる内側バー70とを備える。さらに、この装置の機能に不可欠な中間要素91がある。
【0035】
外側スリーブ60は、このスリーブ60の一体部分である第1のハンドル部分62を有する中空スリーブ部分61を備えている。第1のハンドル部分62は、装置50のユーザの手の把持部を提供する外周窪み65を備えている。内側バー70の近位バーセクション73の直径よりも大きな直径を有する円形突合わせリング64で終端している中空スリーブ部分61の反対側の端部には太さの増した突合わせスリーブ63が設けられている。突合わせリング64の機能について上述のものと同一である。
【0036】
内側バー70は外側スリーブ60の両側に延びている。第1のハンドル部分62の側で、内側バー70は、外周把持窪み75を有する第2のハンドル部分72を備えている。2つのハンドル部分62および72の間には、中間要素91が導入されている。
【0037】
中間要素91は内側バー70のための貫通孔93を有している。中間要素91は、一方の側で内側バー70のハンドル部分72に接し、他方の側でスリーブ60のハンドル部分62と接することができる把持部92を備えている。ハンドル部分72の側で、中間要素91は、平らな上面に内側バー70を受けるための開口部97を備えている。ハンドル部分62の側で、中間要素91は、雄ねじ98を有するより小さな中央突出部94を備えている。
【0038】
スリーブ60には、突出部94を収容するための凹部95がハンドル部分62に組み込まれており、凹部95は雌ねじ108を備えている。
【0039】
摘出装置50の第1の実施形態と同様に、中空スリーブ60を越えて延びる近位バーセクション73の端部に係合ねじ山71が設けられている。
摘出装置90の内側バー70は、中空スリーブ60の内径と同様で且つ中間要素91の内径と同様の外形を有するバー部分74を備えており、それにより開口部67/97の側から中間要素91の中へ且つ中空スリーブ60の中へ内側バー70をほとんど遊びなく挿入することができる。バー部分74は把持窪み75の突合わせフランジ76で終端している。
【0040】
摘出装置90の先端部71を摘出装置50の先端部71と同一にすることができる。
【0041】
装置90の機能は以下の通りである。スリーブ60内の遠位開口部67を通して中空スリーブ60の中へ中間要素91を挿入することによって装置が組み立てられる。中間要素91のねじ山98は、中空スリーブ60の雌ねじ108と係合し、ハンドル部分92がハンドル部分62に接するかまたは突出部94が凹部95の深さに達するまで回転する。ねじ山98および108は両方とも右回りである。次に、バー70が中間要素91および中空スリーブ60に入れられ、ハンドル72を回すことによって挿入物10の中にねじ込まれ、即ち円錐状ねじ山80が挿入物10の雌ねじ12と係合する。次に、突合わせリング64が前進して挿入物10の後ろでプレート1の表面8と接触し、即ち突合わせリング64は表面21に接触しないが、挿入物10の外周21の外側でプレート1に触れる。
【0042】
中間要素91のハンドル部分92はその所定の位置に維持されている中空スリーブ60のハンドル部分62に対して回転する。中間要素91と中空スリーブ60とは離れる一方で、内側バー70は単に後に続くが、これはハンドル部分72が中間要素91と接しているためである。中間要素91の前記回転によって、間接的にロッド73がさらにスリーブ60の中へ引き込まれるため、挿入物10に対して摘出装置90の長手方向82にプレート1と反対方向に力が加えられる。これによって、挿入物10の係合手段25が負け、挿入物10が摘出されるという状況となる。第2の実施形態の場合、右回りねじ山80および12を用いることが有利であるが、ねじ山98および108は左回りである。次に、挿入物10を摘出するための回転によって挿入物10が先端部71のねじ山80に締められる。
【0043】
しかし、すべての実施形態において、どのねじ山の対の回転方向も切り換えることは可能である。
【0044】
挿入物10を摘出すると、前記挿入物10はほとんど中空の太さの増した突合わせスリーブ63内に入って見えなくなる。
【0045】
図11は、本発明の実施形態による挿入装置100の側面図であり、図12は、図11による挿入装置100の先端の詳細である。挿入装置100は内側バー70と非常に類似しており、一方の端部にハンドル部分102を持つバー101を有しているが、バー101の他方の自由端は、バー102よりも直径の小さな円筒形の先端部103を備えている。前記先端部103は単一のねじ山105を備え、平らな底面104で終端しており、挿入を容易にするために面取りすることができる。先端部103は挿入物10の開口部内に配置され、ねじ山105は挿入物10の補間ねじ山12と係合する。先端部103が短いために、挿入物10の弾性エクステンションは先端部103の近傍にはなく、挿入用具100の長手方向82に離間されていることは明らかである。挿入物10のねじ山12と上面21との間の距離は、前記表面21がバー101の突合わせフランジ109に接することができる程度とすることができる。
【0046】
はじめに、プレート1に挿入すべき挿入物10、20を上述のように挿入装置100に添設する。次に、その先端部に挿入物10、20を有する装置100を、挿入物10、20の係止エクステンション25が押されてプレート1の穴2内の最も小さなくびれ部分を越えるまで、プレート1に対して且つその中へ押し込む。その後、挿入装置100を反対方向に回転させることによってその先端部から挿入物10、20を解放することができる。これは、挿入物10、20が長円形であるため直接行うことができる。
【0047】
図13は、耐荷重要素1と共に用いられる第2の挿入物110の斜視図を示している。図14は、図13による挿入物110の側断面図であり、図15は、図13による挿入物の弾性エクステンション25の詳細を示す拡大側面図である。挿入物110はその外周に平らな上面121を備えており、面121の内側には段状の凹部122が設けられている。各側の弾性エクステンション25は、図1による実施形態の範囲内と同様に2つのスロット26によって半円エクステンションから分離されている。弾性エクステンション25は、側面または断面から見た際に特殊な三角形となっている。
【0048】
弾性エクステンション25の内側には、異なる方法で且つ異なる角度に向けることができる雌ねじ12が備えられている。挿入物110の外側には、ウエスト129、即ち最小外径の領域がある。挿入物110の上側121に向かって、プレート1内の孔2のためのより大きな球面23またはほかの補完面がある。下側に向かって、弾性エクステンション25の上に、太さの増した領域127が設けられている。図示された実施形態において、太さの増した領域127はエクステンション25の下端部の近傍の最も厚い部分を有し、即ちエクステンション25の断面は常に三角形を見せる。プレート1の形状は補完すること、即ちプレートは少なくともその側面に太さの増した領域127を収容するための凹部を有していることが有利である。下端部128を面取りすることによって挿入物110のプレート1への導入が容易になる。底面に対する面128の角度は120度である(参照番号124)。例えば挿入物110の縦軸に対して30度の角度を有する傾斜面126がプレート1の補完傾斜面の上をスライドすることができるので、三角形127は挿入物110の摘出も容易にする。
【0049】
説明した図面は本発明の可能な構成のすべてを既に示しているが、本発明は添付された請求の範囲の限度によってのみ限定されるものであり且つ限定されるべきである。
【0050】
本発明の利点は、従来の標準的な孔2を有するプレート1および挿入される挿入物10、110を使用している外科医に、挿入物の交換によって複数の角度安定単軸孔に適合する可能性を与えることと共に、さらにこれが術中に可能になるということである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、一列の取り付け孔を有する骨プレートの形態における耐荷重要素の上面図である。
【図2】図2は、耐荷重要素と共に用いられる第1の挿入物の斜視図である。
【図3】図3は、第2の挿入物が挿入された耐荷重要素の側断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による摘出装置の斜視図である。
【図5】図5は、図4による装置の側面図である。
【図6】図6は、図4による摘出装置の外部スリーブの側断面図である。
【図7】図7は、図4による摘出装置の内側バーの斜視図である。
【図8】図8は、図7の内側バーの側断面図である。
【図9】図9は、図7の内側バーの先端の拡大図である。
【図10】図10は、耐荷重要素の近傍の本発明の第2の実施形態による摘出装置の側断面図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態による挿入装置の側面図である。
【図12】図12は、図11による挿入装置の先端の詳細である。
【図13】図13は、耐荷重要素と共に用いられる第2の挿入物の斜視図である。
【図14】図14は、図13による挿入物の側断面図である。
【図15】図15は、図13による挿入物の詳細を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0052】
1:プレート
2:孔
3:中央開口部
4:軸
5:平行側壁
6:半円壁
7:表面領域
8:上面
9:底面
10:挿入物
11:中央孔
12:雌ねじ
15:上部縁
18:側面領域
21:表面
22:外周
23:球面
24:半円エクステンション
25:弾性エクステンション
26:スロット
27:突出リム
28:上向きショルダ
29:外側縁
33:凹部
50:摘出装置
60:外側スリーブ
61:中空スリーブ部分
62:第1のハンドル部分
63:突合わせスリーブ
64:突合わせリング
65:外周窪み
66:遠位セクション
67:開口部
68:雌ねじ
69:遠位端部
70:内側バー
71:係合ねじ山
72:第2のハンドル部分
73:近位バーセクション
74:遠位バー部分
75:外周窪み
76:突合わせフランジ
77:中間バー部分
78:ねじ込み部分
79:面取りフランジ
80:ねじ山
81:平らな表面
82:主軸
90:摘出装置
91:中間要素
92:把持部
93:貫通孔
94:中央突出部
95:凹部
97:開口部
98:雄ねじ
100:挿入装置
101:バー
102:ハンドル部分
103:円筒形先端部
104:底面
105:ねじ山
108:雌ねじ
109:突合わせフランジ
110:挿入物
121:平らな上面
122:段状凹部
124:角度
126:傾斜面
127:太さの増した領域
128:面
129:ウエスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨ねじ等の固定要素のための少なくとも1つの開口部を持つ骨プレート等の耐荷重要素を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される挿入物のための摘出装置に関する。本発明はさらに、挿入物自体、およびこのような挿入物のための挿入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
受容体の開口部に挿入することのできる挿入物が提供されており、この挿入物の外形は受容体の内形を少なくとも部分的に補完する。この挿入物は、固定要素の本体を取り付けるための中央貫通孔を有している。埋め込み可能な整形外科用装置は、受容体内に挿入物を保持する構造を有している。
【0003】
耐荷重要素を有する一連の埋め込み可能な整形外科用装置、例えばこのような耐荷重体内に固定要素を挿入するための開口部を有する骨プレートが従来技術より知られている。これらのうちで、固定要素の単軸および多軸の留め具、特にねじに提案されているものがある。
【0004】
耐荷重要素内にねじの多軸留め具を有するこの種の装置の一例が米国特許第5,954,722に示されている。挿入物を有するほかの骨プレートが米国特許第5,976,141および5,607,428に示されている。1つの有利な挿入物がWO2004/082493に示されており、これをここに援用する。
【0005】
図1は、耐荷重要素と共に用いられる挿入物の斜視図を示している。図2は、ほかの挿入物が挿入された耐荷重要素の側断面図である。耐荷重要素に予め標準的な挿入物を装備することができる。それにより、骨プレートの製造をより簡単に且つより費用効率の高いものとすることができ、外科医は必要に応じて骨プレートを適合させることが可能となる。その後、挿入物の一方を摘出して、別の異なる挿入物と交換するかまたは孔を空いたままにしておく必要のある場合がある。この従来技術には、外科医チームに挿入物を摘出する援助をするための摘出用具が提供されていないという欠点がある。
【特許文献1】米国特許第5,954,722
【特許文献2】米国特許第5,976,141
【特許文献3】米国特許第5,607,428
【特許文献4】WO2004/082493
【発明の開示】
【0006】
従って、本発明の目的は、異なる耐荷重要素から異なる挿入物を容易に摘出することを可能にする摘出装置を提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する上述の種の摘出装置にする本発明によって達成されるものである。
【0008】
この目的は、単純な且つ素早い運動で挿入物を耐荷重要素から摘出することが可能となるようにその挿入物と係合することができる摘出装置によって達成される。前記摘出は、角度の異なる位置で相当数の異なる挿入物に届くことができる。特に、この摘出装置を用いることによって、直接且つ自動的に挿入物の確実な摘出を保証することができるという利点がある。
【0009】
内側孔が所定のねじ山を有している限り、軸の傾いた様々な挿入物の摘出に必要な援助を提供するのに1つの摘出装置で十分である。従って、外科医は、多軸または単軸のねじの挿入のための所定の角度の挿入物を有する骨プレートを用い、前記挿入物のうちの1つ以上を変更することによって、簡単に骨ねじを多くの異なる所定の角度に向けることができる。
【0010】
本発明のほかの目的は、外科医が取り扱い易い挿入物を提供することである。
【0011】
さらに、本発明の目的は、異なる挿入物を異なる耐荷重要素に簡単に挿入することを可能にする挿入装置を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
限定することのない本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読み、添付された図面を検証することによって本発明のより良い理解が得られるであろう。
【0013】
図1は、プレート1の形態における耐荷重要素の上面図を示しており、プレート1の長手方向に沿って一列の取り付け孔2が配置されている。図2は、耐荷重要素1と共に用いられる第1の挿入物10の斜視図を示している。孔2は、長円形の中央開口部3を示す貫通孔である。開口部3には、軸4の両側に2つの側壁5があり、これらの側壁はプレート1の縦軸4の方向と平行して広がり、且つプレートの表面に直角に広がっている。これらの平行な側壁5は両端部で半円壁6によって接続され、それぞれが半円筒形の境界を形成し、それらが合わさった結果、上述の長円形開口部3となる。
【0014】
プレートのほかの形態において、長円形の孔2を設けることもできる。孔2は楕円形または一般的な細長い形状とすることもできる。極めて重要なことは、図2に示される挿入物10によって可能とされる取り付け要素または留め具を選択する機能の多様性である。プレート1の大抵は細長い形状によって、直径のより大きなねじの挿入に柔軟性を維持するためには円形の孔よりも細長い孔2の方が好ましい。孔は本質的に円筒形でもよいが、挿入物10がその中に傾斜穴を設けるための材料が少なくなるという欠点がある。
開口部3を形成する円筒形の、必ずしも円形ではない壁5、6の周囲には、面取り面領域7が配置され、これは、埋め込みの間に骨と反対に向くプレート1の上面8から内側に向かって広がり且つテーパしている。この領域7の形状は部分的に球形であることが好ましい。
【0015】
耐荷重要素1の上面8は、孔2の近傍の側部領域18でやや深く形成されている。側壁5の上部縁15も同様であり、これは、長手方向4の孔端部と反対の方向に低くなる(プレート底面に近くなる)ように示されている。外科手術中の挿入時に骨に最も近い底面9は、ここでは局所的に平らになっている。通常、プレート1は連続する表面8および下面9を呈することができ、これらは、各地点において骨の上での位置決めの機能のために、必ず平らになっていると考えられる。しかしここでも、曲線状のまたは曲がった表面上での位置決めを提供することができる。
【0016】
図2は、図1による耐荷重要素1と共に用いられる挿入物10の斜視図を示している。すべての図において同様の特徴は同じ参照番号で示されている。各挿入物10は、領域7および側壁5に対して内部係止孔2を補完する形状に設計されている。挿入物10は、雌ねじ12を持つ中央孔11を有している。雌ねじ12は円筒形またはやや円錐状とすることができる。挿入物10は、骨に隣接する下面9を越えて広がる領域を有することができる。特に、挿入物10はその縁に沿って係止機構を有している。特に、この係止機構は、挿入物10の挿入の後にプレート1の下面9と係合する2つの突出リムとすることができる。プレート1内に挿入されたとき、挿入物10は、その拡張領域によって、骨材料に対する間隔スペーサを形成することができ、孔11内に挿入されたねじがこの中にねじ込まれる。
【0017】
少なくとも耐荷重要素1の縦軸4の長さに沿って、プレート1の開口部2の周囲で底面9に凹部33を設けることもできる。この凹部は狭い側面に設けることもできる。さらに、挿入物10には、挿入物10の底部が下面9を越えて突出しないように配置された突出リム27が設けられている。従って、挿入物10の裏面は、耐荷重要素1の上述の面9と少なくとも同一平面となる。
【0018】
参照番号21は、プレート1の領域18の縁に対応する外周22を有する挿入物10の表面を示している。球面23は表面21から下に向かって広がり、表面7と補間面接触を有するような形状とされている。半円エクステンション24は表面23から下に向かって広がり、孔2の領域6と目立った遊びがなく適合接触している。
【0019】
長手方向面5の向かい側にある領域は各側で弾性エクステンション25を構成し、図示された好ましい実施形態においては、各エクステンション25にはスロット26が設けられている。各エクステンション25はその下縁部に、外縁29を持つ上向きショルダ28を有する挿入物の視点から外側に向く突出リム27を有している。骨に面するリム27の表面を傾斜させることができる。エクステンション25はある程度柔軟性を持つ。挿入物10を挿入する際、エクステンション25はスライドして孔2に入り、突出リム27によって内側に反れる。挿入物10が完全に挿入されると、ショルダ28がプレート1の下面9に対してスライドし、挿入物10をプレート1内に係止する。この係止は、後の骨ねじ(図示せず)の挿入によってさらに確実なものとなる。
【0020】
本発明の目的は、このような固定された挿入物10をプレート1から摘出することができる摘出装置を提供することである。エクステンション25の内向きのたわみを得ることによって突出リム27がプレート1の下でまたはプレート1の底部に設けられた凹部内に固着されなくなるように圧力を加えなければならない。尚、エクステンション25およびそれと共に突出リム27が挿入物10の対向する長辺に2つのエクステンション25として配置されていない場合にも、摘出装置は機能しなければならない。挿入物の狭い側面の上の、即ち半円円筒エクステンション24の位置に対応する弾性エクステンションを設計に含めることもできる。エクステンション25は交互に配置することもできる。1つのみまたは2つ以上のエクステンションとすることもできる。
【0021】
図4は、本発明の一実施形態による摘出装置50の斜視図を示している。摘出装置50は、2つの異なる部分と、外側スリーブ60と、スリーブ60の内側の貫通孔を越えて両側に延びる内側バー70とを備えている。外側スリーブ60は図6により詳細に示されており、内側バー70は図7乃至9により詳細に示されている。
【0022】
図5は、図4による装置50の側面図である。外側スリーブ60は、このスリーブ60の一体部分である第1のハンドル部分62を有する中空スリーブ部分61を備えている。第1のハンドル部分62は、装置50のユーザの手の把持部を提供する外周窪み65を備えている。内側バー70の近位バーセクション73の直径よりも大きな直径を有する円形突合わせリング64で終端している中空スリーブ部分61の反対側の端部には太さの増した突合わせスリーブ63が設けられている。突合わせリング64の機能については後で説明する。外部スリーブ60の長さを150から200ミリメータとし、第1のハンドル部分62の直径を30から50ミリメータとし、外側スリーブの直径を例えば14ミリメータとすることができる。
【0023】
図4および5の両方から、内側バー70は外側スリーブ60の両側に延びていることが分かる。第1のハンドル部分62の側で、内側バー70は、外周把持窪み75を有する第2のハンドル部分72を備えている。第2のハンドル部分72の半径は中空スリーブ60の内径よりも大きい。中空スリーブ60の上に広がる近位バーセクション73の端部には係合ねじ山71が設けられている。
【0024】
図6は、図4による摘出装置50の外部スリーブ60の側断面図を示している。中空スリーブは、第1の直径を有し、且つ第1のハンドル部分62の近傍の開口部67から雌ねじ68に向かって広がる遠位セクション66を有する貫通孔を備えている。貫通孔はその近位側で、前記第1の内径よりも小さな第2の直径を備えている。雌ねじ68は、例えば10ミリメータの長さを有し、5個から10個の完全山部を持つことができる。雌ねじ68は、スリーブ60の近位端部の近傍で、例えば突合わせリング64から20から40ミリメータの所に配置される。雌ねじ68を第1のハンドル部分62の近傍にまたはその下に配置することも可能である。
【0025】
スリーブ60の一部の内径である前記第1の直径は12ミリメータに選択することができ、遠位端部69の前記第2の直径は11ミリメータに選択することができる。拡大セクション63は14ミリメータの直径を有することができる。
【0026】
図7は、図4による摘出装置50の内側バー70の斜視図を示している。図8は、図7の内側バー70の側断面図を示している。内側バー70は、中空スリーブ60の第1の内径と同様の外形を有する第1の遠位バー部分74を備えており、それにより開口部67の側から中空スリーブ60の中へ内側バー70をほとんど遊びなく挿入することができる。遠位バー部分74は把持窪み75の突合わせフランジ76で終端している。遠位バー部分74の反対側の端部で、中間バー部分77がより細い円筒形部分を有している。中間バー部分77の次には、外側スリーブ60の内側ねじ込み部分68と同一であることが好ましい長手方向長さを有するねじ込み部分78が続いている。前記ねじ山の位置は、内側ねじ込み部分68の位置にも依存する。前記部分68が第1のハンドル部分62の近傍にまたはその下に配置されている場合、内側バー70のねじ込み部分78は遠位バー部分74の領域の近傍にまたはその中に配置される。
【0027】
図示された実施形態において、ねじ込み部分78の次には近位内側バーセクション73が近接して続いている。前記内側バーセクション73の次には内側バー70の先端部71が続いており、これは図9において拡大図で示されている。
【0028】
先端部71は平らな表面81で終端しているねじ山80の4つの完全山部を備えている。ねじ山80は円錐状で、面取りフランジ79を介して内側バーセクション73と接続している。ねじ山80の方向はねじ山78の方向と同一である。バー70の主軸82は、ねじ山80の軸82およびスリーブ60の長手方向主軸と一致している。円錐状ねじ山80の利点は、ねじ山12の損傷した挿入物10に対するバーの固定をより容易にすることである。
【0029】
装置50の機能は以下の通りである。スリーブ60内の遠位開口部67を通して中空スリーブ60の中へバー70を挿入することによって装置が組み立てられる。バー70のねじ山78は、中空スリーブ60の雌ねじ68と係合し、先端部71が延伸して中空シャフト60の端部を越えるまで、またはねじ山68および78が互いから自由になるまで回転する。ねじ山68および79は両方とも右回りであり、即ちねじ山78はその対を成す部分68に対して時計回りに回ったときに前進する。第2のハンドル部分72のフランジ76を中空シャフト60の第1のハンドル部分62に最終的に突合わせることができる。このとき、ねじ山78はねじ山68と係合しなくてもよい。
【0030】
次に、ハンドル72を回すことによってバー70が挿入物10の中にねじ込まれ、即ち円錐状ねじ山80が挿入物10の雌ねじ12と係合する。先端部の突合わせフランジ79が挿入物10の上面21と接触することが好ましい。次に、突合わせリング64が前進して挿入物10の後ろでプレート1の表面8と接触し、即ち突合わせリング64は表面21に接触しないが、挿入物10の外周21の外側でプレート1に触れる。この接触は、上述のような挿入物孔11の角度および方向と無関係に可能である。バー70に関連したスリーブ60の相対的な前進は、長手方向の運動であるか、またはねじ山68および78が係合するときに回転を含むことができる。回転運動のために、ハンドル部分62はその所定の位置に維持されている内側バーのハンドル部分72に対して回転する。挿入物10の雌ねじ12も右回りである。
【0031】
突合わせリング64がプレート1の上面8と接触する(挿入物10とは接触しない)と、取り外しスリーブ60がバー70の上述の回転と反対の方向にさらに回転する。前記回転によって、ロッド73がさらにスリーブ60の中へ引き込まれるため、挿入物10に対して摘出装置50の長手方向82にプレート1と反対方向に力が加えられる。これによって、挿入物10の係合手段25が負け、挿入物10が摘出されるという状況となる。右回りねじ山68および78の利点は、挿入物10を摘出するための回転によって挿入物10のねじ山12がさらに先端部71のねじ山80に締められることである。
【0032】
(図示されない)ほかの実施形態において、ねじ山68および78を左回りとしてもよい。この場合、外科医は通常の反時計方向の運動で挿入物を摘出するが、挿入物10のねじ山12が内側バー70の円錐状ねじ山80に締め付けられなくなる可能性がある。
【0033】
突合わせリング64は円形ではなく異なる形態とすることもできることは明らかである。これは多角形の突合わせ面を有してもよく、または突合わせ面の平面がバー70の長手方向82に直角な平面と角度を成すこともできる。
【0034】
図10は、耐荷重要素1の近傍の本発明の第2の実施形態による摘出装置90の側断面図を示している。摘出装置90は、3つの異なる部分を備え、外側スリーブ60と、この外側スリーブ60内で貫通孔を越えて両側に延びる内側バー70とを備える。さらに、この装置の機能に不可欠な中間要素91がある。
【0035】
外側スリーブ60は、このスリーブ60の一体部分である第1のハンドル部分62を有する中空スリーブ部分61を備えている。第1のハンドル部分62は、装置50のユーザの手の把持部を提供する外周窪み65を備えている。内側バー70の近位バーセクション73の直径よりも大きな直径を有する円形突合わせリング64で終端している中空スリーブ部分61の反対側の端部には太さの増した突合わせスリーブ63が設けられている。突合わせリング64の機能について上述のものと同一である。
【0036】
内側バー70は外側スリーブ60の両側に延びている。第1のハンドル部分62の側で、内側バー70は、外周把持窪み75を有する第2のハンドル部分72を備えている。2つのハンドル部分62および72の間には、中間要素91が導入されている。
【0037】
中間要素91は内側バー70のための貫通孔93を有している。中間要素91は、一方の側で内側バー70のハンドル部分72に接し、他方の側でスリーブ60のハンドル部分62と接することができる把持部92を備えている。ハンドル部分72の側で、中間要素91は、平らな上面に内側バー70を受けるための開口部97を備えている。ハンドル部分62の側で、中間要素91は、雄ねじ98を有するより小さな中央突出部94を備えている。
【0038】
スリーブ60には、突出部94を収容するための凹部95がハンドル部分62に組み込まれており、凹部95は雌ねじ108を備えている。
【0039】
摘出装置50の第1の実施形態と同様に、中空スリーブ60を越えて延びる近位バーセクション73の端部に係合ねじ山71が設けられている。
摘出装置90の内側バー70は、中空スリーブ60の内径と同様で且つ中間要素91の内径と同様の外形を有するバー部分74を備えており、それにより開口部67/97の側から中間要素91の中へ且つ中空スリーブ60の中へ内側バー70をほとんど遊びなく挿入することができる。バー部分74は把持窪み75の突合わせフランジ76で終端している。
【0040】
摘出装置90の先端部71を摘出装置50の先端部71と同一にすることができる。
【0041】
装置90の機能は以下の通りである。スリーブ60内の遠位開口部67を通して中空スリーブ60の中へ中間要素91を挿入することによって装置が組み立てられる。中間要素91のねじ山98は、中空スリーブ60の雌ねじ108と係合し、ハンドル部分92がハンドル部分62に接するかまたは突出部94が凹部95の深さに達するまで回転する。ねじ山98および108は両方とも右回りである。次に、バー70が中間要素91および中空スリーブ60に入れられ、ハンドル72を回すことによって挿入物10の中にねじ込まれ、即ち円錐状ねじ山80が挿入物10の雌ねじ12と係合する。次に、突合わせリング64が前進して挿入物10の後ろでプレート1の表面8と接触し、即ち突合わせリング64は表面21に接触しないが、挿入物10の外周21の外側でプレート1に触れる。
【0042】
中間要素91のハンドル部分92はその所定の位置に維持されている中空スリーブ60のハンドル部分62に対して回転する。中間要素91と中空スリーブ60とは離れる一方で、内側バー70は単に後に続くが、これはハンドル部分72が中間要素91と接しているためである。中間要素91の前記回転によって、間接的にロッド73がさらにスリーブ60の中へ引き込まれるため、挿入物10に対して摘出装置90の長手方向82にプレート1と反対方向に力が加えられる。これによって、挿入物10の係合手段25が負け、挿入物10が摘出されるという状況となる。第2の実施形態の場合、右回りねじ山80および12を用いることが有利であるが、ねじ山98および108は左回りである。次に、挿入物10を摘出するための回転によって挿入物10が先端部71のねじ山80に締められる。
【0043】
しかし、すべての実施形態において、どのねじ山の対の回転方向も切り換えることは可能である。
【0044】
挿入物10を摘出すると、前記挿入物10はほとんど中空の太さの増した突合わせスリーブ63内に入って見えなくなる。
【0045】
図11は、本発明の実施形態による挿入装置100の側面図であり、図12は、図11による挿入装置100の先端の詳細である。挿入装置100は内側バー70と非常に類似しており、一方の端部にハンドル部分102を持つバー101を有しているが、バー101の他方の自由端は、バー102よりも直径の小さな円筒形の先端部103を備えている。前記先端部103は単一のねじ山105を備え、平らな底面104で終端しており、挿入を容易にするために面取りすることができる。先端部103は挿入物10の開口部内に配置され、ねじ山105は挿入物10の補間ねじ山12と係合する。先端部103が短いために、挿入物10の弾性エクステンションは先端部103の近傍にはなく、挿入用具100の長手方向82に離間されていることは明らかである。挿入物10のねじ山12と上面21との間の距離は、前記表面21がバー101の突合わせフランジ109に接することができる程度とすることができる。
【0046】
はじめに、プレート1に挿入すべき挿入物10、20を上述のように挿入装置100に添設する。次に、その先端部に挿入物10、20を有する装置100を、挿入物10、20の係止エクステンション25が押されてプレート1の穴2内の最も小さなくびれ部分を越えるまで、プレート1に対して且つその中へ押し込む。その後、挿入装置100を反対方向に回転させることによってその先端部から挿入物10、20を解放することができる。これは、挿入物10、20が長円形であるため直接行うことができる。
【0047】
図13は、耐荷重要素1と共に用いられる第2の挿入物110の斜視図を示している。図14は、図13による挿入物110の側断面図であり、図15は、図13による挿入物の弾性エクステンション25の詳細を示す拡大側面図である。挿入物110はその外周に平らな上面121を備えており、面121の内側には段状の凹部122が設けられている。各側の弾性エクステンション25は、図1による実施形態の範囲内と同様に2つのスロット26によって半円エクステンションから分離されている。弾性エクステンション25は、側面または断面から見た際に特殊な三角形となっている。
【0048】
弾性エクステンション25の内側には、異なる方法で且つ異なる角度に向けることができる雌ねじ12が備えられている。挿入物110の外側には、ウエスト129、即ち最小外径の領域がある。挿入物110の上側121に向かって、プレート1内の孔2のためのより大きな球面23またはほかの補完面がある。下側に向かって、弾性エクステンション25の上に、太さの増した領域127が設けられている。図示された実施形態において、太さの増した領域127はエクステンション25の下端部の近傍の最も厚い部分を有し、即ちエクステンション25の断面は常に三角形を見せる。プレート1の形状は補完すること、即ちプレートは少なくともその側面に太さの増した領域127を収容するための凹部を有していることが有利である。下端部128を面取りすることによって挿入物110のプレート1への導入が容易になる。底面に対する面128の角度は120度である(参照番号124)。例えば挿入物110の縦軸に対して30度の角度を有する傾斜面126がプレート1の補完傾斜面の上をスライドすることができるので、三角形127は挿入物110の摘出も容易にする。
【0049】
説明した図面は本発明の可能な構成のすべてを既に示しているが、本発明は添付された請求の範囲の限度によってのみ限定されるものであり且つ限定されるべきである。
【0050】
本発明の利点は、従来の標準的な孔2を有するプレート1および挿入される挿入物10、110を使用している外科医に、挿入物の交換によって複数の角度安定単軸孔に適合する可能性を与えることと共に、さらにこれが術中に可能になるということである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、一列の取り付け孔を有する骨プレートの形態における耐荷重要素の上面図である。
【図2】図2は、耐荷重要素と共に用いられる第1の挿入物の斜視図である。
【図3】図3は、第2の挿入物が挿入された耐荷重要素の側断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による摘出装置の斜視図である。
【図5】図5は、図4による装置の側面図である。
【図6】図6は、図4による摘出装置の外部スリーブの側断面図である。
【図7】図7は、図4による摘出装置の内側バーの斜視図である。
【図8】図8は、図7の内側バーの側断面図である。
【図9】図9は、図7の内側バーの先端の拡大図である。
【図10】図10は、耐荷重要素の近傍の本発明の第2の実施形態による摘出装置の側断面図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態による挿入装置の側面図である。
【図12】図12は、図11による挿入装置の先端の詳細である。
【図13】図13は、耐荷重要素と共に用いられる第2の挿入物の斜視図である。
【図14】図14は、図13による挿入物の側断面図である。
【図15】図15は、図13による挿入物の詳細を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0052】
1:プレート
2:孔
3:中央開口部
4:軸
5:平行側壁
6:半円壁
7:表面領域
8:上面
9:底面
10:挿入物
11:中央孔
12:雌ねじ
15:上部縁
18:側面領域
21:表面
22:外周
23:球面
24:半円エクステンション
25:弾性エクステンション
26:スロット
27:突出リム
28:上向きショルダ
29:外側縁
33:凹部
50:摘出装置
60:外側スリーブ
61:中空スリーブ部分
62:第1のハンドル部分
63:突合わせスリーブ
64:突合わせリング
65:外周窪み
66:遠位セクション
67:開口部
68:雌ねじ
69:遠位端部
70:内側バー
71:係合ねじ山
72:第2のハンドル部分
73:近位バーセクション
74:遠位バー部分
75:外周窪み
76:突合わせフランジ
77:中間バー部分
78:ねじ込み部分
79:面取りフランジ
80:ねじ山
81:平らな表面
82:主軸
90:摘出装置
91:中間要素
92:把持部
93:貫通孔
94:中央突出部
95:凹部
97:開口部
98:雄ねじ
100:挿入装置
101:バー
102:ハンドル部分
103:円筒形先端部
104:底面
105:ねじ山
108:雌ねじ
109:突合わせフランジ
110:挿入物
121:平らな上面
122:段状凹部
124:角度
126:傾斜面
127:太さの増した領域
128:面
129:ウエスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入物(10、20)を保有する固定要素のための少なくとも1つの開口部(2)を持つ耐荷重要素(1)を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される前記挿入物(10、20)のための摘出装置(50、90)であって、前記摘出装置(50、90)は、
外側中空スリーブ(60)と、前記中空スリーブは、遠位導入開口部(67)と、挿入物(10)の周囲で前記耐荷重要素(1)の表面部分(8)と係合可能な近位突合わせ面(64)とを備え、前記中空スリーブ(60)は、前記遠位導入開口部(67)と前記近位突合わせ面(64)との間に雌ねじ(68、108)をさらに備え、
内側バー(70)とを具備してなり、前記バーは、前記中空スリーブ(60)の前記遠位導入開口部(67)の中への前記バー(70)の挿入を可能にする直径を有し、且つその近位端部に、摘出すべき挿入物(10)のねじ山(12)と係合する近位ねじ山(71)を備え、
または、前記内側バー(70)は、雄ねじ(78)、または前記内側バー(70)を収容する中央孔が設けられ且つ雄ねじ(98)を含む中間要素(91)をさらに備え、
雄ねじ(78、98)が前記中空スリーブ(60)の前記雌ねじ(68、108)と係合するように配置され、
前記雄ねじ(78、98)は近位ねじ山(71)から一定の長手方向の距離で前記バー(70)または前記中間要素(91)の上に配置され、それによって前記近位ねじ山(71)が前記近位突合わせ面(64)を越えて延伸して、前記挿入物(10)にねじ込まれることが可能となる、摘出装置。
【請求項2】
前記バー(70)の前記近位ねじ山(71)は円錐状ねじ山である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
突合わせフランジ(79)により、前記ねじ山(71)を前記バー(70)のより大きなバーセクション(73)と接続させる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記内側バー(70)は、その遠位端部に、突合わせフランジ(76)を有するハンドル部分(72)を備える、請求項1、2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記中空スリーブ(60)は、その近位端部に、前記耐荷重要素(1)の表面(2)と係合する拡大突合わせセクション(63)を備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記中空スリーブ(60)は、その遠位端部に、中空ハンドル部分(62)を備える、請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
スリーブ(60)およびバー(70)のねじ(68および78)は、それぞれ前記装置(50)の中央から3分の2に近いところに配置される、請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
スリーブ(60)およびバー(70)または中間要素(91)のねじ(68および78;108および98)は、前記内側バー(70)の先端部(71)のねじ山(80)と同じ回転方向を有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記突合わせ面(64)は、円筒形リング、楕円形リングまたは多角形の細片である、請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の摘出装置(50、90)を用いて、埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素から挿入物(10、20)を摘出する方法であって、前記方法は、
好ましくは先端部(71)の突合わせフランジ(79)が前記挿入物(10、20)の上面(21、121)と接触するまで、内側バー(70)の先端部(71)を挿入すべき挿入物(10、20)の雌ねじ(12)にねじ込むステップと、
突合わせリング(64)を前進させて耐荷重要素(1)の表面(8)と接触させるステップと、前記バー(70)のスリーブ(60)の相対的な前進は長手方向の移動であるかまたは回転を含むものであり、スリーブ(60)およびバー(70)または中間要素(91)の雌ねじ(68、98)と雄ねじ(78、108)とが係合し、
スリーブ(60)または中間要素(91)のさらなる回転によって挿入物(10、20)を摘出するステップとを含み、内側バー(70)またはスリーブ(60)はそれぞれその回転位置に維持され、前記回転によってバー(70)がスリーブ(60)の中に引き込まれ、且つ前記挿入物(10、20)に対して摘出装置(50、90)の長手方向(82)に耐荷重要素(1)と反対方向に力が加えられ、それにより前記耐荷重要素(1)から挿入物(10、20)の係合手段(25)を解放し、前記挿入物(10、20)を摘出する、方法。
【請求項11】
前記摘出装置(50、90)は、前記内側バー(70)を前記中空スリーブ(60)の中へその遠位開口部(67)から挿入し、前記スリーブ(60)およびバー(70)を相対的に回転させて、それらの雌ねじ(68)および雄ねじ(78)を、前記バー(70)の先端部(71)が延伸して中空シャフト(60)の端部を越えるまでそれぞれ係合させることによって組み立てられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
挿入物(10、20)を保有する固定要素のための少なくとも1つの開口部(2)を持つ耐荷重要素(1)を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される前記挿入物(10、20)のための挿入装置(100)であって、前記挿入装置(100)は、
挿入すべき挿入物(10、20)のねじ山(12)と係合する近位ねじ山(105)をその近位端部(103)に備える内側バー(101)を具備してなり、
前記近位端部(103)は、この近位端部(103)の弾性エクステンション(25)との係合を回避するために、前記挿入物(10、20)の厚さよりも短い、挿入装置。
【請求項13】
挿入物(20)を保有する固定要素のための少なくとも1つの開口部(2)を持つ耐荷重要素(1)を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される前記挿入物(20)であって、前記挿入物(20)は、受容体(5、6)の内部形状を少なくとも部分的に補完する外部形状(23)を呈し、前記挿入物(20)は、前記固定要素の本体を取り付けるための中央貫通孔(11)を呈し、前記埋め込み可能な整形外科用装置は、前記受容体(5、6)に挿入物を保持し且つ前記耐荷重要素(1)と適合係止する手段(25、127)を呈し、この係止機構(25、127)が前記挿入物(20)のウエスト(129)の上に太さの増した領域(127)を有することによって特徴付けられている、挿入物。
【請求項1】
挿入物(10、20)を保有する固定要素のための少なくとも1つの開口部(2)を持つ耐荷重要素(1)を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される前記挿入物(10、20)のための摘出装置(50、90)であって、前記摘出装置(50、90)は、
外側中空スリーブ(60)と、前記中空スリーブは、遠位導入開口部(67)と、挿入物(10)の周囲で前記耐荷重要素(1)の表面部分(8)と係合可能な近位突合わせ面(64)とを備え、前記中空スリーブ(60)は、前記遠位導入開口部(67)と前記近位突合わせ面(64)との間に雌ねじ(68、108)をさらに備え、
内側バー(70)とを具備してなり、前記バーは、前記中空スリーブ(60)の前記遠位導入開口部(67)の中への前記バー(70)の挿入を可能にする直径を有し、且つその近位端部に、摘出すべき挿入物(10)のねじ山(12)と係合する近位ねじ山(71)を備え、
または、前記内側バー(70)は、雄ねじ(78)、または前記内側バー(70)を収容する中央孔が設けられ且つ雄ねじ(98)を含む中間要素(91)をさらに備え、
雄ねじ(78、98)が前記中空スリーブ(60)の前記雌ねじ(68、108)と係合するように配置され、
前記雄ねじ(78、98)は近位ねじ山(71)から一定の長手方向の距離で前記バー(70)または前記中間要素(91)の上に配置され、それによって前記近位ねじ山(71)が前記近位突合わせ面(64)を越えて延伸して、前記挿入物(10)にねじ込まれることが可能となる、摘出装置。
【請求項2】
前記バー(70)の前記近位ねじ山(71)は円錐状ねじ山である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
突合わせフランジ(79)により、前記ねじ山(71)を前記バー(70)のより大きなバーセクション(73)と接続させる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記内側バー(70)は、その遠位端部に、突合わせフランジ(76)を有するハンドル部分(72)を備える、請求項1、2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記中空スリーブ(60)は、その近位端部に、前記耐荷重要素(1)の表面(2)と係合する拡大突合わせセクション(63)を備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記中空スリーブ(60)は、その遠位端部に、中空ハンドル部分(62)を備える、請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
スリーブ(60)およびバー(70)のねじ(68および78)は、それぞれ前記装置(50)の中央から3分の2に近いところに配置される、請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
スリーブ(60)およびバー(70)または中間要素(91)のねじ(68および78;108および98)は、前記内側バー(70)の先端部(71)のねじ山(80)と同じ回転方向を有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記突合わせ面(64)は、円筒形リング、楕円形リングまたは多角形の細片である、請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の摘出装置(50、90)を用いて、埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素から挿入物(10、20)を摘出する方法であって、前記方法は、
好ましくは先端部(71)の突合わせフランジ(79)が前記挿入物(10、20)の上面(21、121)と接触するまで、内側バー(70)の先端部(71)を挿入すべき挿入物(10、20)の雌ねじ(12)にねじ込むステップと、
突合わせリング(64)を前進させて耐荷重要素(1)の表面(8)と接触させるステップと、前記バー(70)のスリーブ(60)の相対的な前進は長手方向の移動であるかまたは回転を含むものであり、スリーブ(60)およびバー(70)または中間要素(91)の雌ねじ(68、98)と雄ねじ(78、108)とが係合し、
スリーブ(60)または中間要素(91)のさらなる回転によって挿入物(10、20)を摘出するステップとを含み、内側バー(70)またはスリーブ(60)はそれぞれその回転位置に維持され、前記回転によってバー(70)がスリーブ(60)の中に引き込まれ、且つ前記挿入物(10、20)に対して摘出装置(50、90)の長手方向(82)に耐荷重要素(1)と反対方向に力が加えられ、それにより前記耐荷重要素(1)から挿入物(10、20)の係合手段(25)を解放し、前記挿入物(10、20)を摘出する、方法。
【請求項11】
前記摘出装置(50、90)は、前記内側バー(70)を前記中空スリーブ(60)の中へその遠位開口部(67)から挿入し、前記スリーブ(60)およびバー(70)を相対的に回転させて、それらの雌ねじ(68)および雄ねじ(78)を、前記バー(70)の先端部(71)が延伸して中空シャフト(60)の端部を越えるまでそれぞれ係合させることによって組み立てられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
挿入物(10、20)を保有する固定要素のための少なくとも1つの開口部(2)を持つ耐荷重要素(1)を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される前記挿入物(10、20)のための挿入装置(100)であって、前記挿入装置(100)は、
挿入すべき挿入物(10、20)のねじ山(12)と係合する近位ねじ山(105)をその近位端部(103)に備える内側バー(101)を具備してなり、
前記近位端部(103)は、この近位端部(103)の弾性エクステンション(25)との係合を回避するために、前記挿入物(10、20)の厚さよりも短い、挿入装置。
【請求項13】
挿入物(20)を保有する固定要素のための少なくとも1つの開口部(2)を持つ耐荷重要素(1)を有する埋め込み可能な整形外科用装置内で使用可能な骨接続要素と共に使用される前記挿入物(20)であって、前記挿入物(20)は、受容体(5、6)の内部形状を少なくとも部分的に補完する外部形状(23)を呈し、前記挿入物(20)は、前記固定要素の本体を取り付けるための中央貫通孔(11)を呈し、前記埋め込み可能な整形外科用装置は、前記受容体(5、6)に挿入物を保持し且つ前記耐荷重要素(1)と適合係止する手段(25、127)を呈し、この係止機構(25、127)が前記挿入物(20)のウエスト(129)の上に太さの増した領域(127)を有することによって特徴付けられている、挿入物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−150081(P2006−150081A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−341705(P2005−341705)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(505103253)ストリカー トラウマ エスエー (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341705(P2005−341705)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(505103253)ストリカー トラウマ エスエー (22)
【Fターム(参考)】
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