説明

骨細片を形成するために、骨を清浄化し、清浄化された骨を粉砕するための組込式システム

骨を清浄化するためのシステム(50)は、モータ(54)を有する基部ユニット(52)、ブラシ(58)を有するクリーニングヘッド(56)、およびミル要素(62)を有するミルヘッド(60)を備えている。クリーニングヘッドおよびミルヘッドは、いずれも、基部ユニットに連結されるように設計されている。ブラシおよびミル要素は、いずれも、モータへの連結を容易にする特徴部を有している。クリーニングヘッドが基部ユニットに取り付けられると、基部ユニット内のモータがブラシを回転させ、骨を清浄化することになる。ミルヘッドが基部ユニットに取り付けられると、基部ユニットモータがミル要素を作動させ、清浄化された骨を骨細片に変換させることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨細片を形成するために、骨材を最初に清浄化し、いったん骨材が清浄化されたなら、該骨を粉砕するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
細片サイズの骨が骨の他の区域に隣接する充填材として用いられる多くのさまざまな外科手術がある。例えば、脊椎固定術では、粉砕骨から形成された複合物を互いに隣接する椎骨を一直線上に保持するのに用いられるロッドの周囲に配置するのは、周知の手法である。この複合物は、椎骨を形成している組織がロッドの周囲に骨の下地を形成するように成長する際の格子として役立つものである。この下地は、ロッドに加えられる負荷を分布させることになる。また、骨細片は、成形外科手術および口腔外科手術のような他の手術においても、充填材および/または成長形成格子として用いられている。
【0003】
骨細片がこれらの手術において充填材/成長形成格子として用いられる理由は、該骨を形成している材料、すなわち、タンパク質が、隣接する生きた骨細胞の芽細胞が新しい骨を形成するための補給材として機能するからである。
【0004】
骨細片の理想的な材料源は、骨細片が装填されることになる患者である。この理由は、患者自身の骨、すなわち、患者自身の組織は、供与骨よりも患者の免疫系によって拒絶されにくいからである。従って、骨細片が必要とされる手術では、骨材は、多くの場合、患者の骨の1つから採取されることになるが、この場合、典型的には、0.25〜3cmの小さい骨薄片を切除すれば十分である。患者の他の部分への移植のために患者から切除される骨は、自家移植骨片と呼ばれている。
【0005】
いったん骨が採取されたなら、該骨は、清浄化される。清浄化の後、該骨は、骨細片を形成するために、粉砕される。「基部および該基部と別体のミルヘッドを備えるボーンミル、ならびに着脱可能な受けトレイを備えるミルヘッド」と題する本出願人が譲渡人の特許文献1は、骨材を骨細片に変換することができるボーンミルを開示している。この文献の内容は、参照することによって、ここに明示的に含まれるものとする。このボーンミルは、モータを有する基部を備えている。骨粉砕構成要素を含んでいるミルヘッドが、基部に取外し可能に取り付けられる。ヘッドが基部に取り付けられると、モータが骨粉砕構成要素の少なくとも1つに係合するようになっている。モータの作動によって、骨粉砕構成要素の同様の作動がもたらされる。これによって、骨材が骨細片に変換されることになる。
【0006】
参照文献としてここに含まれる上記のボーンミルは、骨材を骨細片に粉砕するのに十分すぎる働きを果たすことを理解されたい。にもかかわらず、このプロセスの前に、骨細片を形成するための適切な材料でない靭帯および他の組織を除去するために、骨を清浄化することがさらに必要である。現在、外科医は、掻爬器具、骨鉗子、ブラシ、および/またはコブ(cobb)を用いて、この仕事を手動によって行っている。外科医がこのプロセスを行うのに、15分以上掛かる。
【0007】
さらに、清浄化プロセスを行うために、外科医は、骨をしっかりと掴む必要がある。このような力を骨に加えることによって、外科医が着用している手袋が引裂かれることがある。このような手袋の引裂によって、外科医の皮膚が骨に直接接触する可能性がある。この接触によって、骨の汚染が生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第2009/011735A1号明細書/国際特許出願公開第2009/061728A1号パンフレット
【発明の概要】
【0009】
本発明は、骨細片を形成するために、骨を最初に清浄化し、いったん骨が清浄化されたなら、該骨を粉砕する新規の有用なシステムに関する。
【0010】
本発明のシステムの一態様は、基部ユニット、クリーニングヘッド、およびミルヘッドを備えている。基部ユニット内には、モータが設けられている。基部ユニットは、最初にクリーニングヘッド、次いでミルヘッドを離脱可能に保持するための構成要素も備えている。クリーニングヘッド内には、少なくとも1つのクリーニング要素が設けられている。いくつかの実施形態では、クリーニング要素は、可動ブラシ、回転卸し金、および/または回転溝付ネジである。クリーニング要素には、クリーニング要素を基部ユニットモータに離脱可能に連結する特徴部が取り付けられている。ミルヘッド内には、可動ミル要素が設けられている。ミル要素は、作動時に、骨材を骨細片に粉砕するように設計されている。ミル要素は、該ミル要素を基部ユニットモータに離脱可能に連結するための特徴部を備えている。
【0011】
本発明のシステムは、最初にクリーニングヘッドを基部に連結することによって、採取した骨材を骨細片に変換するのに用いられるようになる。採取した骨材がクリーニングヘッド内に置かれる。基部ユニットモータが作動され、クリーニングヘッドのクリーニング要素が同様に作動される。骨材に対するクリーニング要素のこの運動によって、骨材の表面から靭帯、筋肉、接続組織、および他の破片材料が除去されることになる。
【0012】
いったん骨材が清浄化されたなら、クリーニングヘッドが基部ユニットから取り外される。ミルヘッドが基部ユニットに装着される。骨材がミルヘッド内に置かれる。基部ユニットモータが作動され、ミル要素が同様に作動される。ミル要素のこの作動によって、骨材が患者への移植に適する骨細片に変換されることになる。
【0013】
本発明の組込式システムは、骨材を清浄化し、かつ粉砕するための構成要素を備えている。機械化されたクリーニングヘッドに清浄化プロセスを行わせることによって、手術室の担当者がこの仕事を行う必要性が排除される。多くの場合、クリーニングヘッドは、担当者が同じ仕事を行うよりも短い時間で、骨材を清浄化することが可能となる。
【0014】
本発明の組込式システムのさらに他の利点は、単一ユニットである基部ユニットが、クリーニングヘッド内のクリーニング要素およびミルヘッド内のミル要素を作動させるのに必要な動力をもたらすことである。本質的に重複する各ヘッドごとの動力ヘッドを設ける必要性が排除されることになる。
【0015】
本発明の代替的態様では、単一ヘッドが基部に取り付けられるようになっている。このヘッドは、骨を清浄化するためのブラシを備えるモジュールを有している。このヘッドは、クリーニングモジュールの下方に、ミルモジュールを有している。ミルモジュール内には、骨材を骨細片に粉砕するための構成要素が設けられている。ミルモジュールは、基部ユニットに取外し可能に連結されるように、寸法決めされている。これらのモジュールは、ヘッドが基部ユニットに取り付けられたとき、ブラシおよび可動ミル要素を基部ユニット内のモータに連結する構成要素を有している。本発明のこの態様の一実施形態では、クリーニングモジュールは、ミルモジュールに対して移動可能になっている。
【0016】
本発明の代替的態様は、上記のヘッドを基部に連結することによって、使用する準備が整えられることになる。採取した骨材がクリーニングヘッド内に置かれる。基部ユニットが作動される。モータがヘッド内のブラシを駆動し、骨を清浄化する。いったん骨が清浄化されたなら、クリーニングモジュールは、ミルモジュールと一体の送給ポートに向けられる位置に移動される。清浄化された骨が、クリーニングモジュールからミルモジュール内に放出される。いったん骨がこのようにミルモジュールに移送されたなら、モータが再び作動される。モータのこの作動の結果として、ミル要素の作動によって、すでに清浄化された骨材が骨細片に変換されることになる。
【0017】
骨材を清浄化するためのアセンブリは、基部を備えている。清浄化されることになる骨材を受け入れるための空所を画定するシェルが、基部によって支持されている。少なくとも1つのクリーニング要素が、この空所内に配置されている。少なくとも1つのクリーニング要素を作動させて、骨材を清浄化するために、駆動アセンブリが、少なくとも1つのクリーニング要素に連結されている。いくつかの実施形態では、クリーニング要素は、回転ブラシ、回転卸し金、および/または回転溝付ネジである。
【0018】
本発明の上記の代替的態様のさらなる利点は、いったん骨材がクリーニングヘッド内に置かれたなら、外科医が骨を取り扱う必要性が実質的に排除されることである。
【0019】
本発明は、請求項において詳細に指摘されている。本発明の前記およびさらに他の特徴および利点は、以下の図面と併せて以下の詳細な説明によって、よく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の骨を清浄化し、粉砕するための組込式システムの基本的な構成要素を示す図である。
【図2】基部ユニットの斜視図である。
【図3】基部ユニット内の構成要素の断面図である。
【図4】基部ユニットの頂部の斜視図である。
【図5】基部ユニットおよびクリーニングヘッド内のメモリ、およびデータをこれらのメモリから読み出し、およびデータをこれらのメモリに書き込むための構成要素の概略的なブロック図である。
【図6】制御コンソール内の回路の簡素化されたブロック図である。
【図7】クリーニングヘッドを形成する構成要素の分解図である。
【図8】クリーニングヘッドの下側シェルの斜視図である。
【図9】クリーニングヘッドの下側シェルの底面の図である。
【図10】クリーニングヘッドの下側シェルを見下ろした平面図である。
【図11】クリーニングヘッドの上側シェルの断面図である。
【図12】クリーニングヘッドの下側ブラシの基板の底面の斜視図である。
【図13】クリーニングヘッドの下側ブラシの側面図である。
【図14】クリーニングヘッドの下側ブラシ基板に装着されたRFIDのメモリ内のデータフィールドを示す図である。
【図15】クリーニングヘッドの上側ブラシの側面図である。
【図16】システムのミルヘッドの分解図である。
【図17】ミルヘッドの底側シェルの斜視図である。
【図18】ミルヘッド内のミル要素、ここでは、切削ディスクの平面図である。
【図19A−19C】一緒に組み合わされたときに、本発明のシステムを用いて骨材を清浄化し、かつ骨材を骨細片に変換するために行われるステップのフローチャートである。
【図20】本発明の代替的クリーニングヘッドの分解図である。
【図21】図20のクリーニングヘッドの上側シェルおよびシャフトの断面図である。
【図22】図20のクリーニングヘッドの上側シェルの底、シャフト、およびスペーサリングを見上げた平面図である。
【図23】図20のクリーニングヘッドの下側ブラシ基板の底面の斜視図である。
【図24】図20のクリーニングヘッドの駆動アセンブリの斜視図である。
【図25】図20のクリーニングヘッドの駆動シャフトの斜視図である。
【図26】本発明の一体型クリーニング・ミルヘッドの分解図である。
【図27】図26のヘッドの下側板の側面図である。
【図28】図26のヘッドの上側板の斜視図である。
【図29】図26のヘッドの操作中に行われるプロセスステップのフローチャートである。
【図30】本発明のシステムの代替的ブラシの分解図である。
【図31】図30のブラシの基板/上板の側面図である。
【図32】本発明の第2の代替的クリーニングヘッドの分解図である。
【図33】図32の代替的クリーニングヘッドの基部の上面図である。
【図34】図33の基部の線34−34に沿った断面図である。
【図35】図32のクリーニングヘッドのキャップの底面図である。
【図36】図32のクリーニングヘッドのキャップの底の斜視図である。
【図37】クリーニングヘッドからミルヘッドへの清浄化された骨材の移送を容易にするために、図32のクリーニングヘッドがいかに相補的ミルヘッドに嵌合しているかを示す図である。
【図38】複数の回転溝付ネジおよび中心攪拌器を備える本発明の第3の代替的クリーニングヘッドの断面斜視図である。
【図39】図38の代替的クリーニングヘッドの分解図である。
【図40】図39の代替的クリーニングヘッドの回転溝付ネジの1つの分解図である。
【図41】図40の回転溝付ネジの断面図である。
【図42】図38の代替的クリーニングヘッドの回転溝付ネジを駆動するのに用いられるスピンドルの上斜視図である。
【図43】図38の代替的クリーニングヘッドの回転溝付ネジを駆動するのに用いられるスピンドルの底斜視図である。
【図44】回転溝付ネジを図38のクリーニングヘッド内で回転させる軸の斜視図である。
【図45】図38の代替的クリーニングヘッドのシェービングブロックの斜視図である。
【図46】図38の代替的クリーニングヘッド用プラグの斜視図である。
【図47】図38の代替的クリーニングヘッドの空洞および回転溝付ネジが付いたシェービングブロックを示す部分斜視図である。
【図48】回転内側バスケットおよび回転ブラシを備える本発明の第4の代替的クリーニングヘッドの断面斜視図である。
【図49】図48の代替的クリーニングヘッドの分解図である。
【図49A】図48の代替的クリーニングヘッド用の代替的歯車列の部分斜視図である。
【図50】回転卸し金およびプランジャーを有する第5の代替的クリーニングヘッドの分解図である。
【図51】図50の代替的クリーニングヘッドの断面図である。
【図51A】図50の回転卸し金の上斜視図である、
【図52】回転卸し金および突当板を備える本発明の第6の代替的クリーニングヘッドの分解図である。
【図53】回転卸し金および突当板を示す、図52の代替的クリーニングヘッドの上斜視図である。
【図54】回転卸し金、回転溝付ネジ、およびプランジャーを備える本発明の第7の代替的クリーニングヘッドの分解図である。
【図55】図54の代替的クリーニングヘッドの断面図である。
【図56】回転卸し金および回転溝付ネジを示す、図54の代替的クリーニングヘッドの上斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[I.概観]
図1は、骨材を清浄化し、かつ粉砕するための本発明の組込式システム50の基本的な構成要素を示している。システム50は、基部ユニット52を備えている。基部ユニット52の内部には、モータ54(図3)が設けられている。クリーニングヘッド56が、基部ユニット52に取外し可能に取り付けられるようになっている。クリーニングヘッドの内部には、ブラシ58,59(図7)が設けられている。クリーニングヘッド56は、クリーニングヘッド56が基部ユニット52に取り付けられたときに、ブラシ58がモータ54に接続され、モータ54によって作動されるように構成されている。システム50は、ミルヘッド60を備えている。ミルヘッド60は、クリーニングヘッド56と同じように、基部ユニット52に取外し可能に取り付けられるようになっている。切削要素と呼ばれることもあるミル要素62(図16)が、ミルヘッド60の内側に可動に取り付けられている。ミル要素62は、ミルヘッド60が基部ユニット52に取り付けられたときに、該ミル要素をモータ54に連結する特徴部を備えている。
【0022】
システム50の一部として、制御コンソール66も設けられている。制御コンソール66は、モータ54を作動させる通電信号をモータ54に供給するようになっている。基部ユニット52とコンソール66との間に接続されたケーブル67は、(図示されていない)導体を含んでおり、該導体を通って、通電信号がコンソール66からモータ54に供給されることになる。
【0023】
本発明のシステム50は、クリーニングヘッド56を基部52に連結することによって、用いられている。採取した骨材が、クリーニングヘッド56内に置かれるようになっている。モータ54が作動され、ブラシ58が同様に作動されることになる。骨材に対するブラシ58の作用によって、骨材から軟質組織および他の破片が剥ぎ取られることになる。クリーニングヘッド56が基部ユニット52から取り外され、ミルヘッド60が基部ユニットに装着されるようになっている。清浄化された骨材が、ミルヘッド60内に置かれることになる。基部ユニットモータ54が、再び作動され、ミル要素62が同様に作動される。ミル要素62のこの作動の結果として、清浄化された骨材は、患者への移植に適する骨細片に粉砕されることになる。
【0024】
[II.基部ユニットおよび制御コンソール]
以下、図2および図3を参照して、基部ユニット52について説明する。この基部ユニット52は、円形足部70を備えている。円形断面を有する脚部72が、足部70から上方に延在している。脚部72は、管状の形状を有している。台座74が、脚部72の頂部に配置されている。台座74には、脚部72から外方に拡がるテーパが付されている。台座74は、略円形の上面76を有している。台座は、該上面の外周に沿って上方に延在するリップ78を有するように、さらに形成されている。(台座74の外周でもある)リップ78の外周は、足部70の周囲よりも小さく、脚部72の周囲よりも大きくなっている。台座74は、上面76の中心に開口80を有するように、さらに形成されている。
【0025】
台座74は、図4に最もよく示されているように、略円形の形状を有しているが、ノッチ83が、外周から内方に延在している。従って、ノッチ83は、リップ78に断続部を形成していることになる。本発明の例示されている態様では、ノッチ83は、中心開口80まで延在している。台座は、多数の円弧状に互いに離間した歯84を備えるように、さらに形成されている。各歯84は、リップ78に隣接して、台座上面76の外周から上方に延在している。台座74は、中心開口80およびノッチ83の両方から離れて配置された矩形開口85を有するように、さらに形成されている。
【0026】
図3および図4に最もよく示されている2つの保持アーム86が、台座74に旋回可能に取り付けられている。保持アーム86は、台座のリップ78に形成された(部番が付されていない)切欠内に取り付けられるようになっている。各保持アームは、アームが静止しているときに台座上面76の一部に延びるフィンガー88を有している。アーム86がこのように位置決めされたとき、アームは、「係止(lock)」状態にある。各保持アーム86は、台座74の下方に位置するタブ89を有している。タブ89を台座74の底面に向かって内方に押し込むことによって、アーム86は、外方に旋回され、その付随するフィンガー88を台座上面76の上方の位置から離れる方に旋回させることになる。アーム86がこのように位置決めされたとき、該アーム86は、「解除(release)」状態にあると見なされる。台座74の内面と各アーム86との間に配置されたバネ90が、各アームを係止状態に常時保持している。
【0027】
図3および図4を参照すると、モータ54は、脚部72の中心中空内に配置されたシャフト96を備えている。シャフト96は、台座中心開口80に向かって上方に延在している。シャフト96の頂部の(部番が付されていない)歯車ヘッドが、脚部72内においてモータ54の上方に配置された歯車列98に係合している。歯車列98は、モータシャフト96によって出力された回転モーメントの回転速度を減速させるものである。歯車センブリ98は、上面76の下方において台座中心開口80内に配置された出力シャフト102を有している。出力シャフト102は、管形状を有している。シャフト102は、該シャフトに沿って長手方向に延在している2つの直径方向において互いに向き合った楕円開口103(1つが図2に示されている)を有するように、形成されている。
【0028】
本発明のいくつかの態様では、モータ54および歯車列98は、歯車列の出力シャフト102が100〜500RPMの速度で回転することができるように、組み合わせて設けられている。これらの速度は、骨材がクリーニングヘッド56またはミルヘッド60のいずれかに配置されたときの負荷速度である。以下に明らかになる理由から、モータ54および歯車列98は、出力シャフト102を振動パターンで駆動するように、設計されている。
【0029】
駆動スピンドル104が、出力シャフト102内に配置されている。駆動スピンドル104は、ステム106を備えている。スピンドル104は、ステム106の上方にディスク状ヘッド108を有するように、形作られている。多数の異なる構成要素が、スピンドルヘッド108の上面から上方に延在している。これらの構成性要素の1つは、位置合せピン110である。位置合せピン110は、スピンドル104の長軸と同軸であり、ヘッド108の中心から上方に延在している。ピン110は、その下部、すなわち、スピンドルヘッド108から上方に延在している部分が円筒形状を有するように、形作られている。位置合せピンの上部は、平坦な尖端を有する円錐形状を有している。(位置合せピン110の個々の区域には、部番が付されていない)。
【0030】
4つの互いに等角度で離間した位置合せ歯112も、スピンドルヘッド108の上面から上方に延在している。歯112は、スピンドルヘッド108の外周を囲むように配置されている。歯112の円弧状外面は、スピンドルヘッド108の外面と同一面をなしている。各歯112は、一対の内向きテーパが付された側面と、円弧状内面とを有している。(これらの面には、部番が付されていない)。歯112は、スピンドルヘッド108の上方に位置合せピン110ほど大きく延在していない。
【0031】
スピンドル104は、ステム106が歯車センブリの出力シャフト102を貫通している(部番が付されていない)孔内に摺動可能に取り付けられるように、寸法決めされ、かつ位置決めされている。ピン114が、スピンドルステム106の孔107を貫通している。ピン114の両端は、シャフト102に形成された直径方向において互いに向き合った開口103内に着座している。ピン114は、駆動スピンドル104がシャフト102と一体に回転すると共に、歯車センブリ98に対して長手方向に移動することができるように、駆動スピンドル104をシャフト102に対して保持している。
【0032】
バネ118が、出力シャフト102内において、スピンドルステム106の下方に配置されている。バネ118は、波形バネである。バネ118の一端は、出力シャフト102の内部の(部番が付されていない)環状段上に着座している。バネ118の他端は、スピンドルステム106の底端に対して配置されている。バネ118は、スピンドルステム106に上向きの付勢力を加えるものである。手動力を加えることによって打ち勝つことができるようになっているこの力は、スピンドル104を常時押圧し、これによって、ヘッド108は、台座上面76から離れる方に付勢されている。
【0033】
バネ付勢された常開押しボタンスイッチ120が、基部ユニットの足部70に取り付けられている(図2)。図5に記号で示されているソケット122に、制御コンソール66からのケーブ67が嵌入している。足部70の内部には、回路基板124(図3)が設けられている。回路基板124には、スイッチ120とソケット122に延在している導体との間のインターフェースとして機能する構成要素が取り付けられている。また、回路基板124上には、ケーブル67の内部の電源導体とモータ54の巻線に延在している導体との間のインターフェースとして機能する構成要素が配置されている。これらの構成要素およびモータ54、スイッチ120、およびソケット122に延在している導体の具体的な構造および構成は、図示されていないし、本発明の一部をなすものでもない。
【0034】
また、回路基板124上は、図5に示されている不揮発性メモリ126が配置されている。メモリ126は、基部ユニット52の特徴を記述するデータを含んでいる。これらのデータは、装置の種類、ここでは、装置が骨清浄化/骨粉砕用基部ユニットであることを識別するデータを含んでいる。また、これらのデータは、通電信号をモータ54に供給するのに有用なデータを含んでいる。これらの後者のデータは、モータの速度範囲およびモータに流れる電流を指定するデータを含んでいる。メモリ126に含まれ得るデータのさらに完全な一覧は、「電動式外科用ツール用組込式システム」と題する本出願人の譲渡人の米国特許第6,017,354号明細書に見出される。この文献の内容は、参照することによって、ここに明示的に含まれるものとする。本発明の一態様では、メモリ126は、図5に示されているような無線周波数識別装置(RFID)である。アンテナ(コイル)125が、メモリ126に接続されている。コイル127が、ソケット122から延在している導体123に接続されている。制御コンソール66とメモリ126との間の信号は、メモリコイル125と基部ユニットコイル127との間で誘導変換されるようになっている。
【0035】
基部ユニット52は、クリーニングヘッド56およびミルヘッド60と一体のそれぞれの不揮発性メモリを読み取るためのアセンブリも備えている。このアセンブリは、コイル130を備えている。コイル130は、台座開口85内に配置されている。コイル130は、開口85内に配置されたブロック132(図4)内に密閉されている。コイル130は、コイル127に直列接続されている。ブロック132は、RFエネルギーに対して透過性であると共にオートクレーブ殺菌の厳しさに耐えることができる材料から形成されている。
【0036】
図6は、制御コンソール66内の基本アセンブリのいくつかのブロック図である。これらのアセンブリの1つは、電源160である。電源160は、ライン信号を基部ユニットモータ54内の巻線に印加するのに適するDC電圧に変換するようになっている。また、電源160は、制御コンソール内および制御コンソールおよび基部ユニット52内の他の構成要素によって、AC電圧およびDC電圧を生成するようになっている。簡素化の理由から、電源160からの接続は、モータ巻線に印加されるVDC(直流電圧)のみが示されている。このVDC信号は、モータドライバ162に印加されることになる。モータドライバ162は、モータの個々の巻線をVDC信号またはアースのいずれかに選択的に連結するようになっている。これは、モータの(図示されていない)巻線内に流れる電流の整流を行うためである。モータドライバ162は、コンソール66と一体のソケット163によって、ケーブル67に接続されている。
【0037】
モータドライバ162は、巻線からのフィードバック信号およびディスプレイ制御装置164からの指令信号の両方に基づいて、モータ巻線をVDC信号またはアースに選択的に連結するようになっている。ディスプレイ制御装置164は、モータが回転する速度、巻線に流れる最大電流、および電圧が巻線に印加されるシーケンスを示す指令信号を生成するようになっている。これらの最後のデータは、モータシャフトが回転する方向を調整するために、用いられることになる。ディスプレイ制御装置164は、ユーザ入力データおよび(モータに印加される通電信号の特性を示す)記憶データの両方に基づいて、これらの指令信号を生成するようになっている。
【0038】
基部ユニットモータ54に印加される通電信号の特性を示すデータは、種々の情報源から取り込まれるようになっている。これらのデータは、制御コンソール66内のメモリ166に記憶されているとよい。これらのデータは、基部ユニット52内のメモリ126から取り込まれてもよい。代替的に、これらのデータは、クリーニングヘッド56と一体のメモリ270(図5)またはミルヘッド60内のメモリ320(図17)から取り込まれてもよい。
【0039】
基部ユニットのメモリ126、クリーニングヘッドのメモリ270、およびミルヘッドのメモリ320内のデータを読み取るために、制御コンソール66は、RFIDインターフェース168を備えている。RFIDインターフェース168は、ディスプレイ制御装置164に接続されている。ディスプレイ制御装置164からの指令信号に応じて、RFIDインターフェースは、読出し要求信号を相補的メモリに送信するようになっている。この読出し要求に応じて、メモリ126,270,または320は、記憶データを書き出すことになる。インターフェース168は、これらのデータ信号をディスプレイ制御装置164によって解釈されるデジタル信号に変換することになる。
【0040】
また、制御コンソール66は、タッチスクリーンディスプレイ174も備えている。ディスプレイ制御装置164は、ディスプレイ174に表示されるデータイメージおよび指令ボタンイメージの両方を生成するものである。オペレータがディスプレイボタンを押すと、ディスプレイ制御装置164は、信号を受信することになる。ボタンの作動に応じて、ディスプレイ制御装置164は、基部ユニットモータ54のユーザ要求操作を生じさせる適切な指令を生成することになる。
【0041】
制御コンソール66の構造のさらに詳細な知識は、「多数の電動式外科用ハンドピースが接続された制御コンソールであって、該ハンドピースの全てではないが2つ以上を同時に作動させるように構成されている制御コンソール」と題する本出願人の譲渡人による米国特許第7,422,582号明細書に見出される。この文献の内容は、参照することによって、ここに明示的に含まれるものとする。
【0042】
[III.クリーニングヘッド]
図7を参照すれば分かるように、クリーニングヘッドは、互いに向き合った下側シェル192および上側シェル194を備えている。これらのシェル192,194は、離脱可能に互いに連結されている。下側ブラシ58が、下側シェル192内に回転可能かつ取外し可能に配置されている。上側ブラシ59は、上側シェル194内に配置されている。上側ブラシ59は、取外し可能およびある程度移動可能に、上側シェルに対して取り付けられているが、該上側ブラシは、回転しない。(図示されていない)キャップが、上側シェル194の露出した頂部に取外し可能に装着されるようになっているとよい。
【0043】
下側シェル192は、繰り返されるオートクレーブ殺菌に耐えることができるアルミニウムまたは他の材料から形成されている。図8、図9および図10に最もよく示されているように、下側シェルは、ディスク状基部206を有するように、形作られている。基部206は、シェル192がリップ78内の台座上面76の直上の空所内にすべり嵌合されることを可能にする外径を有している。シェル基部206は、中心開口208を有している。中心開口208は、スピンドルヘッド108の直径よりも略2mm大きい直径を有している。4つの互いに等角度で離間したノッチ210が、シェル基部の下面から内方かつ上方に延在している。ノッチ210は、クリーニングヘッド56が基部ユニット52に嵌合したときに、台座の歯84が当該ノッチ内に着座することができるように、寸法決めされている。
【0044】
基部206は、開口208の半径方向外方に配置された環状に延在する溝212を有するように、形成されている。溝212は、クリーニングヘッド56が台座空所79内に着座したときに、溝212がコイル130の上方の空所に延在するように、位置決めされている。孔213が、溝212の基部から上方に延在している。
【0045】
リング214が、シェル基部206の外周と一体に形成されており、該外周から上方に延在している。リング214の外径は、基部206の外径と一致している。リング214は、下側シェル192内に(部番が付されていない)円筒状空所を画定している。シェル基部206の外向き面は、この空所の基部として機能している。下側シェル192は、2つの直径方向において互いに向き合った付加的ノッチ220を有するように、さらに形成されている。(1つのノッチ220のみが図8に示されている)。ノッチ220は、シェルの底の上方の位置において、シェル192の円筒状外面から内方に延在している。さらに具体的には、シェル192は、以下のように、形成されている。すなわち、シェル192が台座空所79内に着座し、歯84がノッチ210内に着座したとき、台座保持アーム86と一体のフィンガー88がノッチ220の基部を画定するシェルリング面に対して着座することができるように、ノッチ220が位置決めされている。
【0046】
下側シェル192は、リング214の露出した円形の外向き面に、3つの互いに等角度で離間した長孔224を有するように、さらに形成されている。各長孔224は、キー溝状に概略的に記載されている形状を有している。すなわち、各長孔224は、円形区域と、該円形区域から離れる方に延在する曲線断面状の区域とを有している(個々の区域には、部番が付されていない)。各湾曲区域の幅は、円形区域の直径よりも小さくなっている。さらに具体的には、下側シェル192は、互いに向き合った棚部226が長孔の湾曲区域の全体に延在し、長孔の円形区域の直径よりも小さい幅を有する湾曲区域の外観をもたらすように、形成されている。棚部226の下方では、長孔の共通幅は、一定である。
【0047】
シェル基部206は、基部の外向き面に円形溝230を有するように、さらに形成されている。孔213が、溝230の基部をなす基部206の面に開口している。
【0048】
図5に示されているコイル232が、基部溝212内に配置されている。コイル232が埋設されているPEEK、ポリエーテルイミド、または他の殺菌可能なプラスチックから形成されたリングは、図示されていない。従って、コイル232およびリングの両方が、シェル基部206の下向き面と同一面になるように、溝212内に着座している。導体234が、コイル232からシェル基部孔213を通って延在している。導体234は、シェル基部の溝230内に着座したコイル236まで延在している。コイル236は、コイル232が埋設されているのと同じ種類の(図示されていない)リング内に埋設されている。コイル236およびその相補的リングは、シェル基部206の隣接する外向き面と同一面をなすように、溝230内に着座している。
【0049】
以下、図7および図11を参照して、クリーニングヘッドの上側シェル194について説明する。上側シェル194は、下側シェル192を形成している材料と同じ材料から形成されている。上側シェル194は、円板240を備えている。円板240は、下側シェル102と同じ直径を有しており、上側シェル194の上部構造として機能している。円板240と一体に形成された環状スカート242が、円板の外周から下方に延在している。従って、円板240の底面およびスカート242は、上側シェル194内に、スカートの外面から円板240の下向き面に向かって上方に延在する空所246を画定している。
【0050】
3つの互いに等角度で離間したピン248が、スカート242の下向き面から下方に延在している(1つのピン248のみが、図7および図11に示されている)。各ピン248は、(部番が付されていない)小さい直径のステム(図示せず)および(部番が付されていない)大きい直径のヘッドを有している。このピンヘッドは、下側シェル長孔224の大直径開口を通過するが、長孔の小直径湾曲部分を通過しないように、寸法決めされている。従って、上側シェルピン248は、他の固定要素を必要とすることなく、シェル192,194を取外し可能に互いに保持するように、下側シェル長孔224を補完する固定部材である。円板240と一体に形成された円筒ボス250が、円板の露出した上面から上方に延在している。ボス250は、円板240の長軸を中心として配置されている。孔252が、円板240およびその上のボス250を貫通している。孔252は、円板240およびボス250の長軸を中心として配置されている。孔252は、非円形状の断面形状を有している。本発明の図示されている態様では、孔252は、正方形の断面形状を有している。ネジ付き孔249が、ボス250の側面から孔252内に横方向に延在している。
【0051】
3つの負荷ピン253が、円板240に形成された貫通孔251内に摺動可能に取り付けられている。孔251は、互いに等角度で離間しており、シェルボス250の外方に配置されている。各ピン253は、空所246内に延在している。螺旋バネ254が、シェル空所246内に配置されたピン253の部分の周りに配置されている。バネ254は、ピン253を下側シェル192に向かって付勢している。バネ254が当接するピンのヘッドおよびピンが孔251から脱落するのを防ぐピンの脚部は、図示されていない。
【0052】
図12および図13は、クリーニングヘッドの下側ブラシ58の特徴部を示している。ブラシ58は、金属またはガラス充填ナイロンのような殺菌可能なプラスチックから形成されたディスク状基板260を有するように、形成されている。基板260は、下側シェルリング214の内壁によって画定された空所の直径よりも、概して少なくとも0.5mm小さい外径を有している。従って、ブラシ58は、下側シェル192内において浮遊し、横方向に位置ずれすることができる。基板260の互いに向き合った上下面は、略平面でありかつ互いに平行になっているが、多数の凹みが、基板260の下側の内面から上方に延在している。これらの凹みの1つは、ディスクの長軸を中心として配置された一端閉鎖孔262である。孔262は、基部ユニットの駆動スピンドルの位置合せピン110が着座することを可能とする直径を有している。4つの互いに等角度で離間したノッチ264は、下側ブラシ基板260の底面から上方に延在している他の凹みである。ノッチ264は、スピンドルピン110が基板孔262内に着座したとき、スピンドル歯112が該ノッチ内に着座するように、位置決めされている。また、基板260は、単一ノッチ266を有するように、形成されている。ノッチ266は、下側ブラシ58が下側シェル192内に着座したとき、ノッチ266がコイル236上に配置されるように、位置決めされている。
【0053】
下側ブラシ58は、基板260の上向き面から上方に延在する多数の剛毛268を備えている。剛毛268は、ステンレス鋼から形成されている。剛毛268は、エポキシ接着剤のような接着剤267によって基板に取り付けられている。製造中、接着剤267が、最初、基板260の上向き面の全体にわたって塗布される。接着剤が硬化する前に、剛毛268が接着剤267内に植毛されることになる。
【0054】
図5に示されているRFIDチップ270が、基板ノッチ266内に配置されている。RFIDチップ270は、下側ブラシ58用のメモリとして機能するものである。RFIDチップ270には、コイル271が取り付けられている。RFIDチップおよびコイル271は、(図5に仮想線で示されている)プラスチックブロック269内に封入されている。ブロック269は、シェルコイル236とブラシコイル271との間で誘導信号変換を可能とするプラスチックから形成されている。
【0055】
図14は、RFIDチップ270の内部の実メモリ272内に記憶された種々のデータを示している。メモリ272内のデータは、装置識別フィールド273を含んでいる。フィールド273内のデータは、関連する装置が骨クリーニングブラシであることを識別するものである。もし多数の互いに異なる骨クリーニングブラシが存在しているなら、フィールド273内のデータは、特定種類のブラシを識別することになる。使用フィールド274は、ブラシが使用可能であるかどうかを示すデータを含んでいる。使用後の殺菌と関連する経費によって、各ブラシは、一回使用であることが予想されている。従って、フィールド274は、ブラシ58が使用可能であることを示すデータを含むように初期設定された単一ビットフィールドであってもよい。
【0056】
メモリ272は、最小モータ速度フィールド275,標準設定モータ速度フィールド276、および最大モータ速度フィールド277も含んでいる。最小モータ速度フィールド275および最大モータ速度フィールド277内のデータは、それぞれ、基部ユニットモータ54が下側ブラシ58を回転させるために駆動される好ましい最小速度および最大速度を指定するものである。標準設定速度フィールド276は、システムを操作する担当者がどのような他の速度も設定しない場合に、モータが駆動される速度を指定するものである。
【0057】
方向フィールド278は、基部ユニットモータ54が駆動される方向を指定するものである。典型的には、フィールド278内のデータは、モータが単一方向モードまたは振動モードのいずれで駆動されるべきかを指定するようになっている。もしモータ、実際には、下側ブラシ58が単一方向に駆動されるのであれば、回転の方向は、どちらでもよいことになる。もし下側ブラシ58が前後に振動されるのであれば、フィールド278は、回転の方向が逆になる前にどの程度ブラシが回転するべきかを指定する付加的なデータを含んでいるとよい。
【0058】
本発明のいくつかの態様では、フィールド278は、作動時の下側ブラシ58の回転シーケンスを指定するデータを含んでいるとよい。一例として、ブラシを最初一方向に10回転させ、続いて、(振動の各相において、回転の方向が逆転する前に、ブラシが一方向に2回(720°)回転する)振動パターンで回転させるシーケンスが挙げられる。
【0059】
以下、図15を参照して、上側ブラシ59について説明する。上側ブラシ59は、ディスク状上板(superstrate)284を備えている。上板284は、下側ブラシ基板260を形成している材料と同じ材料から形成されている。上板284は、下側ブラシ基板260の外径と等しい外径を有している。ポスト286が、上板284の長手方向中心軸から上方に延在している。ポスト286は、上側シェル孔252内に摺動可能に嵌合するように、寸法決めされている。
【0060】
剛毛290が、上板284の底面から下方に延在している。接着剤288の層が、剛毛290を上板284に保持している。
【0061】
ボールプランジャー257(図7)が、上側シェル孔249内に嵌合されている。ボールプランジャー257は、上側ブラシ59が上側シェル194から脱落しないように防ぐために、ポスト286に押し付けられるようになっている。本発明のいくつかの態様では、ブラシポスト286には、プランジャーヘッドを受け入れるための(図示されていない)凹みが形成されている。
【0062】
[IV.ミルヘッド]
図16は、ミルヘッド60の基本的な構成要素を示している。底側シェル302および上側シェル304が設けられている。一緒に組み立てられると、シェル302,304は、ミルヘッド60のハウジングを形成することになる。ミル要素62は、シェル302,304間に挟まれたディスク状部材である。上側シェル304は、開端を有する送給スリーブ306を有するように、形成されている。スリーブ306によって画定された中心空間は、ミル要素62が着座された空間内に開口している。プランジャー307が、送給スリーブ306内に摺動可能に嵌合されている。
【0063】
上側シェル304には、(矩形状バーとして仮想線で示されている)突当板308が装着されている。突当板308は、送給スリーブの基部の近くでミル要素62の直上に位置するように、上側シェルに取り付けられている。
【0064】
底側シェル302は、送給スリーブ306の直下に開口309を有するように、形成されている。取外し可能な受けトレイ310が、底側シェル302に摺動可能に嵌合されている。受けトレイ310は、ミルヘッド60から開口309を通って放出された骨細片を受けるために、送給スリーブ306に嵌合されている。
【0065】
図17に示されているミルヘッドの底側シェル302は、略円形に形作られている。さらに具体的には、シェル302は、基部ユニットの空所79内に着座されるように、寸法決めされている。シェル302は、シェルの外周から内方に延在する4つの互いに等角度で離間したノッチ312を有するように、形成されている。ノッチ312は、ミルヘッド60が基部ユニット台座74上に着座したとき、台座の歯84がノッチ312内に着座するように、位置決めされている。シェル302は、基部ユニットの駆動スピンドル104を受け入れるように寸法決めされた中心開口314を有している。
【0066】
開口309が、底側シェル302の周囲から内方に延在している。底側シェル302は、開口309の両端に配置された2つのレール316を有するように、さらに形成されている。レール316は、受けトレイが開口309の下方でシェル302に摺動可能に保持されることが可能になるように、寸法決めされている。本発明に関連しない理由によって、レール316は、互いに異なる形状に形作られている。
【0067】
図17に矩形の仮想線によって示されているRFIDチップ320が、底側シェル302内に埋設されている。仮想線によって示されている相補的コイル322が、RFIDチップ320に取り付けられており、シェル320内に埋設されている。コイル322は、ミルヘッド60が基部ユニット52上に配置されたとき、コイル322が基部ユニットコイル130の上に位置するように、シェル302内に配置されている。RFID320のメモリは、クリーニングヘッドのRFID270内に含まれているデータと同様のデータを含んでいる。具体的には、装置の種類、すなわち、ミルヘッド60を識別するデータが記憶されたデータフィールドが含まれている。また、ミルヘッド60が取り付けられたとき、基部ユニットモータ54が作動されるべき速度を指定する少なくとも1つのデータフィールドも含んでいる。典型的には、ミル要素62は、単一速度で駆動されることが意図されている。従って、本発明の多くの態様では、RFIDチップ320は、ミル要素62が回転される速度を指定するデータを含む単一データフィールドしか含んでいない。また、ミル要素62は、典型的には、単一方向にしか回転しない。従って、同様に、RFIDチップ320は、典型的には、ミル要素62を駆動させるための順方向/逆方向シーケンスに関する指示を含むどのようなデータも含んでいない。
【0068】
図16を再び参照すると、上側シェル304は、底側シェル302と同様、略ディスク状に形作られていることが分かるだろう。上側シェル304は、底側シェル302と同じ外径を有するように、さらに形作られている。シェル302,304は、ミルヘッド60が基部ユニット空所内に着座したとき、上側シェル304の外面が台座リップ78のいくらか上方に位置するように、互いに連携して形作られている。上側シェル304は、2つの直径方向において互いに向き合ったノッチ328を有するように形成されている。1つのノッチのみが、図16に示されている。ノッチ328は、ミルヘッド60が基部ユニット台座74に装着されたとき、基部ユニットの保持アームフィンガー88が、ノッチ328内に着座することができるように、位置決めされている。
【0069】
図18に最もよく示されているミル要素62は、410ステンレス鋼のような金属から形成されているとよい。本発明の例示されている態様では、ミル要素62は、略平面ディイスクの形態にある。本発明の例示的態様では、ミル要素62は、切削ディスクと呼ばれることもある。ミルヘッド60を構成している構成要素は、ミル要素62が、ミルヘッドハウジング内において、横方向に移動可能かつ上下方向にいくらか移動可能に係合することができるように、互いに連携して寸法決めされている。
【0070】
ミル要素62は、中心に位置する孔332を有するように、さらに形作られている。孔332は、基部ユニットの駆動スピンドル104と一体の位置合せピン110を受け入れるように、寸法決めされている。ミル要素62は、孔332の周囲に配置された4つの互いに等角度で離間した開口334を有するように、形成されている。各開口334は、スピンドル104と一体の歯112の各々を受け入れるように、形作られている。従って、開口334は、円弧状に形作られている。開口334の外周によって画定される円は、底側シェルの開口314よりも小さくなっている。
【0071】
ミル要素62は、多数の切削スカロップ(scallop)336を有するように、さらに形成されている。切削ディスクは、各切削スカロップ336と一体でかつ該切削スカロップ336と長手方向(軸方向)に真っ直ぐに並んだ貫通開口338を有している。さらに具体的には、ミル要素62は、各切削スカロップ336がミル要素の隣接する上面の上に延在するように、形成されている。スカロップ336は、隣接する開口338の周囲をなす切歯340を画定するように、加工されている。
【0072】
突当板308は、該板の破損を生じることなく、骨材が押圧されることを可能とする材料から形成されている。本発明のいくつかの態様では、この材料は、304ステンレス鋼である。突当板308は、送給スリーブ306内の開口の片側でかつミル要素62の上方に位置するように、ミルヘッドの上側シェル304内に装着されている。突当板308は、ミル要素62が回転すると、最初に要素開口338、続いて、該開口を画定している切刃画定スカロップ336が、突当板308に向かってかつ該板308の下方を回転するように、さらに位置決めされている。
【0073】
[V.操作]
本発明のシステム50は、骨細片を形成する原料として採取された骨を清浄化し、かつ粉砕するために用いられるものである。システムを用いる準備を整えるために、下側ブラシ58が下側シェル192内に装着され、上側ブラシ59が上側シェル194内に装着される。採取した骨が、下側シェル剛毛268に対して配置される。採取した骨材が下側および上側ブラシ58,59間に挟み込まれるように、上側シェル194が下側シェルに連結される。シェル192,194を互いに連結するために、上側シェルのピン248が下側シェルの長孔224内に回転保持される。これらのステップは、図19Aにステップ350としてまとめて表記されている。
【0074】
いったん2つのシェル192,194が互いに連結されたなら、ポスト286を下方に押し、該ポストをボールプランジャー257から離脱させるとよい。これによって、上側ブラシ59が、クリーニングヘッド56内において長手方向に移動することができる。重力に加えて、バネ254によって上側ブラシの上板284に付勢されているピン253が、上側ブラシの剛毛290を清浄化されることになる骨を押圧する力をもたらすことになる。下側シェル192および下側ブラシ58の相対的な寸法によって、下側ブラシ58は、シェル内において横方向に移動可能であることを理解されたい。
【0075】
次いで、クリーニングヘッド56が基部ユニット52に取り付けられる(ステップ351)。さらに具体的には、クリーニングヘッド56は、該ヘッドの下側シェル192が台座上面76に配置され、台座の歯84がシェルノッチ210に着座するように、位置決めされる。基部ユニットの保持アーム86は、フィンガー88が台座ノッチ220内に着座するように、設置される。下側シェルのノッチ220内への保持アームフィンガー88のこの着座によって、クリーニングヘッド56が基部ユニット52に保持されることになる。また、クリーニングヘッドのノッチ210内への基部ユニットの歯84の着座によって、基部ユニット52に対するヘッド56の回転が阻止されることになる。
【0076】
ステップ351において、基部ユニット52上へのクリーニングヘッド56の着座の一部として、駆動スピンドル108が下側シェルの開口208を貫通する。スピンドルの位置合せピン110が、下側ブラシの開口262内に着座する。開口262内へのピン110の着座によって、下側ブラシ58は、基板開口264がスピンドルの駆動歯112の上に位置合せされた円を画定するように、下側シェル192内において横方向に移動することができる。
【0077】
また、システム50を用いる準備の一部として、基部ユニット52が、ケーブル67によって、制御コンソール66に接続される。制御コンソール66が、作動される。(これらのステップは、示されていない)。
【0078】
いったんシステムが作動されると、制御コンソールのディスプレイ制御装置164が、RFIDインターフェース168を介して、基部ユニットのメモリ126の内容を読み出す(図19Aのステップ354)。メモリ126内のユニット識別データに基づいて、ステップ354において、ディスプレイ制御装置164は、制御コンソール66に取り付けられた装置が骨清浄化/骨粉砕用基部ユニット52であることを決定する(ステップ356)。この決定に基づいて、ディスプレイ制御装置164は、ステップ356の一部として、基部ユニットのモータ54に印加される通電電流の特性を決定する前に、基部ユニットに取り付けられたヘッド56または60の種類を決定しなければならないことを認識する。従って、ステップ358において、ディスプレイ制御装置164は、RFIDインターフェース168を介して、クリーニングヘッドブラシのRFID270内のデータを読み出す(ステップ360)。これらのデータは、基部ユニットコイル130、シェルコイル232,236、およびブラシコイル271間の誘導信号変換の結果として読み出されることになる。
【0079】
いったん基部ユニット52に取り付けられたクリーニングヘッド56またはミルヘッド60のいずれかが取り外される可能性が常に存在することを理解されたい。従って、基部ユニット52が制御コンソール66に取り付けられている期間を通して周期的に、ディスプレイ制御装置164は、基部ユニット52にすでに取り付けられたヘッド56または60がまだ取り付けられているかどうかを判断するための基本呼掛けを行うことを、RFIDインターフェースに要求することになる。この呼掛けプロセスは、多くの場合、取付けられている任意のRFIDが基本識別データを書き出するように要求し、RFIDインターフェース168から出力することを含んでいる。もしディスプレイ制御装置164に返答があっなら、これらのデータは、基部ユニット52に取り付けられた装置がまだ取り付けられていることを示すことになる。従って、基部ユニットがコンソール66に接続されている限り、データは、基部ユニットメモリ126からコンソールに書き出されることになる。ミルヘッド60が基部ユニット52に取り付けられている限り、このデータの読み出しが行われることになる。
【0080】
これらの書出し要求の応答がなかった場合、ディスプレイ制御装置164は、基部ユニット52がもはやコンソールに取り付けられていないかまたはシステム構成要素、すなわち、クリーニングヘッドまたはミルヘッドがもはや基部ユニットに取り付けられていないと解釈することになる。図19A〜図19Cのフローチャートには示されていないが、制御コンソール66が作動され、かつ基部ユニット52に接続されている限り、これらの基本呼掛けプロセスは、繰返し実行されることを理解されたい。
【0081】
ブラシRFID270のデータに基づいて、ディスプレイ制御装置は、システム50を骨のクリーニング操作に適するように設定する(ステップ362)。ステップ362は、モータを回転させる速度および方向を指定する一連の指令を生成することを含んでいる。また、ステップ362の一部として、ディスプレイ制御装置164は、システム50の状態に関する情報をディスプレイ174上に表示させる。これらのデータは、取り付けられた装置が骨クリーニングヘッドであることを示すデータ、基部ユニット52を作動させる速度範囲および標準設定操作速度を示すデータを含んでいる。外科医は、もし望むなら、ステップ364において、クリーニングヘッド56内に配置された骨の特性に関する主観的な優先度に基づく操作に適するように、システムを設定することもできる。
【0082】
次いで、外科医は、基部ユニットのボタン120を押すことによって、クリーニングヘッドを作動させる(このステップは、示されていない)。ボタン120の押下げに応じて、ステップ368では、ディスプレイ制御装置164によって、モータドライバ162が、モータを下側ブラシの回転方向に回転させるために、通電信号を基部ユニット52に印加する。最初、スピンドルの歯がブラシノッチ264内に着座していないことがある。しかし、ブラシとスピンドルとの位置合せによって、スピンドルが90°未満回転した後、バネ118に加えられた付勢力によって、スピンドルの歯112は、ブラシヘッドのノッチ264内に着座する。いったんスピンドルの歯112がこのように着座すると、スピンドル104の連続回転によって、クリーニングヘッドの下側ブラシ58も同様に回転することになる。
【0083】
前述したように、いったんクリーニングヘッドのシェル192,194が一緒にクランプされたなら、採取した骨は、下側ブラシ58および上側ブラシ59のそれぞれの剛毛268,290間で押圧される。下側ブラシの剛毛の回転によって、骨が剛毛268および剛毛290に対して強制的に擦られることになる。剛毛に対する骨の擦れによって、骨から靭帯および他の破片が剥ぎ取られ、骨が清浄化される(ステップ370)。いったん作動されたなら、本発明のクリーニングヘッド56は、5分以下、場合によっては、3分以下で骨材を清浄化することができることが見込まれている。
【0084】
ステップ368,370では、モータは、メモリ272の方向フィールド278内に特定されているシーケンスデータに従って作動されることを理解されたい。同様に、ユーザによって変更されない限り、モータは、標準設定速度フィールド276内に特定されているデータに従って、ブラシを回転するのに必要な速度で作動されるようになっている。
【0085】
清浄化プロセスが終了すると、クリーニングヘッド56が基部ユニット52から取り外される。クリーニングヘッドのシェル192,194が互いに離脱され、これによって、清浄化された骨をヘッド56から除去することができる。これらのプロセスは、図19Bにステップ372として表示されている。
【0086】
次いで、ステップ373では、ミルヘッド60が基部ユニット52に連結される。ミルヘッド60を位置決めするために、ミルヘッドの底側シェルが、台座の歯84が底側シェルのノッチ312内に着座し、受けトレイ310が台座のノッチ83内に着座するように、台座面76上に着座される。アームフィンガー88が上側シェルのノッチ328内に着座するように、保持アームを着座させることによって、ミルヘッド60が基部ユニット52に離脱可能に固定される。このプロセス中、スピンドルの位置合せピン110は、ミル要素の開口332内に着座している。これによって、ミル要素62が駆動スピンドル104に位置合せされているので、要素開口334は、スピンドル歯112の配置されている円上に位置することになる。基部ユニットの歯84をミルヘッドのノッチ312内に着座させることによって、基部ユニット52に対するミルヘッド60の回転を阻止することができる。
【0087】
前述したように、ディスプレイ制御装置164が制御コンソール66への基部ユニット52の取付けを認識している限り、ディスプレイ制御装置164は、RFIDインターフェース168を介して、装置が基部ユニットに取り付けられているかどうかを判断する呼掛けを継続的に行っている。いったんミルヘッド60が基部ユニット52に装着されたなら、この基本呼掛けに応じて、ミルヘッドのRFID320は、ミルヘッドが基部ユニットに取り付けられていることを示すデータを書き出すことになる。この書き出しに応じて、ディスプレイ制御装置164は、ミルヘッドのRFID320内のデータの全てを読み出すことになる(ステップ374)。
【0088】
ミルヘッドのRFIDから読み出されたデータに基づいて、ディスプレイ制御装置164は、ミルヘッド60を作動させるに適するようにシステム50を設定する(ステップ376)。このプロセスは、ミル要素64を適切な速度で回転させる速度で基部ユニットモータ54を作動させる指令を生成することを含んでいる。また、ディスプレイ制御装置164は、ミルヘッド60が基部ユニット52に取り付けられたことを示すデータを、コンソールディスプレイ164上に表示させることになる。
【0089】
清浄化された骨材が送給スリーブ306内に置かれ、プランジャー307が該スリーブ内において骨の上に置かれる(ステップ378)。外科医は、基部ユニットのボタン120を押し下げることによって、実際の粉砕プロセスを開始する。また、外科医は、骨材をミル要素62に対して押し付けるために、プランジャー307を押し下げる。これらの2つのステップは、図19Cにステップ380として表示されている。
【0090】
ステップ380における部番が付されていないステップにおいて、ディスプレイ制御装置164がボタン120の押下げを検出する結果として、ディスプレイ制御装置164は、ミル要素62を所望の速度で回転させるのに必要な速度で基部ユニットモータ54を作動させる指令をモータドライバ162に送信する。ここでも、メモリ320内のデータに基づいて、この速度が、クリーニングヘッド56を作動させるためにモータ54を作動させる速度と異なっていてもよいことを理解されたい。骨がミル要素62に対して押し付けられ、切刃を突当板308に対して回転させようにミル要素が回転する結果として、骨がミル要素のスカロップと突当板との間で圧縮される。ミル要素の切刃340が骨材を骨細片にせん断する。これらの骨細片は、受けトレイ310内に落下することになる。
【0091】
粉砕プロセスの後、骨細片によって満たされた受けトレイ310がミルヘッドから取り外される(ステップ384)。次いで、骨細片は、さらなる処理およびそれに続く患者への移植のために取り除かれることになる。
【0092】
システム50は、清浄な骨材を該骨材が細片に研削される前に取り扱う必要性を排除することができる。従って、骨材を清浄化する担当者が、清浄化プロセスにおいて、手袋を破った結果として、相互汚染をもたらす可能性をなくすことができる。
【0093】
本発明のさらに他の特徴は、清浄化プロセスを行うために用いられる最も高価な非廃棄構成要素、すなわち、基部ユニット52および制御コンソール66が2つの機能を有していることである。これらの構成要素は、ミルヘッド60のミル要素62およびクリーニングヘッド56のブラシ58の両方の作動に用いられている。これによって、本発明のシステム50のコストが低減されることになる。
【0094】
メモリ(RFID)270,320は、関連するブラシ58およびミル要素62に関する設定データをもたらすようになっている。これらの設定データに基づいて、制御コンソール66は、取り付けられたブラシ58またはミル要素62に適する速度で、ミルユニットモータ54の作動を制御する。これによって、最初にクリーニングヘッド、次いでミルヘッドが基部ユニットに取り付けられたとき、担当者がシステム50の操作を設定するのに必要な時間を最小限に抑えることができる。もしクリーニングヘッドおよびミルヘッドからのデータ伝達が自動化されているなら、人的エラーによってコンソールが不正確な設定/操作データを受信する可能性を本質的になくすことができる。従って、制御コンソール66は、ヘッド、具体的には、クリーニングヘッド56またはミルヘッド60のいずれが基部ユニット52に取り付けられているかにどうかに関わらず、基部ユニットモータ54を適切な速度で確実に作動させることができる。
【0095】
本発明のシステム50のさらに他の特徴は、本発明のいくつかの態様において、クリーニングヘッド56の廃棄部分のみが、ブラシ58,59であることである。これによって、操作システム50と関連するコストをさらに低減させることができる。
【0096】
[VI.第1の代替的クリーニングヘッド]
図20は、本発明のシステム50と共に用いられる代替的クリーニングヘッド410の基本的な特徴部を示している。ヘッド410は、下側シェル412および上側シェル414を備えている。下側ブラシ416が、下側シェル412内に配置されている。上側ブラシ418が、上側シェル414内に配置されている。以下に述べて構成要素を備える駆動アセンブリが、これらのブラシを同時に回転させるために、これらのブラシに接続されている。本発明の一態様では、これらのブラシは、下側ブラシ416が一方向に回転するとき、上側ブラシ418が反対方向に回転するように、一緒に接続されている。
【0097】
下側シェル412は、クリーニングヘッド56の下側シェル192を形成している材料と同じ材料から形成されている。図24に最もよく示されている下側シェル412は、シェル192と同じ基本円形状を有している。さらに具体的には、シェルのディスク状基部に、基部ユニットのスピンドル104が貫通可能な(図示されていない)中心開口が設けられている。クリーニングヘッド410が基部ユニット52上に着座したとき、台座歯84が着座するノッチ422が設けられている。下側シェル412は、基部から上方に延在する円形リング424を有している。シェル412のリング424の高さは、シェル194のリング214の高さよりも低くなっている。従って、基部ユニットの保持アーム88が着座する(リング内に形成された)ノッチ426は、リング426の露出した外向き面から下方に延在している。長孔224が、長孔224がシェル192内に設けられているのと同じ理由から、リング424の外向き面に形成されている。
【0098】
クリーニングヘッドの上側シェル414は、下側シェル412を形成している材料と同じ材料から形成されている。クリーニングヘッド56のシェル194と同様、上側シェル414は、円筒状に形作られている。図20および図21に最もよく示されているように、上側シェル414の上下高さは、シェル194の上下高さよりも大きくなっている。多数の同軸の孔が、上側シェル414を長手方向に貫通している。孔430が、上側シェル414の底から上方に延在している。孔430は、シェル414内をその距離の略50%にわたって延在しており、最大直径孔をなしている。孔432が、孔430の直上に位置しており、該孔430と連続している。孔432は、孔430よりもいくらか小さい直径を有している。上側シェル414は、孔432の外径がシェル414の内面から内方に延在する歯434の円形リングによって画定されるように、形作られている。
【0099】
孔432の上方に、孔436、孔438、および孔440が設けられている。孔436は、製造上の理由から設けられており、孔430の直径と孔432の直径との間の直径を有している。孔438は、孔436の直上に位置している。孔438は、孔436の直径よりも小さい直径を有している。孔440は、孔438とシェル414の上面との間に延在している。孔440は、孔438の直径よりも小さい直径を有している。
【0100】
上側シェル194の基部から下方に延在しているピンと同じピン248が、上側シェル414の基部から下方に延在している。
【0101】
下側ブラシ416は、基板260と同様の基板444を有している。図23に示されているように、孔446が、軸に沿って基板444を貫通しており、該軸を中心として基板444が回転するようになっている。孔446は、正方形の断面形状を有している。孔446の幅は、駆動スピンドルの位置合せピン110の最大外径と等しいかまたはそれよりも大きくなっている。基板260に設けられたノッチ264は、基板444の孔446を中心として互いに等角度で離間している。
【0102】
基板444は、該基板の底面に一端が閉鎖したノッチ448を有するものとして、さらに示されている。これは、基板444が、基板260と同様、クリーニングヘッド410の同一性および操作に関するデータが記憶されたメモリ(RFID)270(図5)を保持していることを示すためである。
【0103】
剛毛268が、基板444の上向き面から上方に延在している。基板444と剛毛との間の接着層には、部番が付されていない。
【0104】
上側ブラシ418は、シェル孔430の直径よりも少なくとも0.5mm小さい外径を有するディスク状上板450を有している。上板450には、3つの孔が形成されている。貫通孔452が、上板の長軸に沿って上板を軸方向に貫通している。また、2つの一端閉鎖孔454,456も形成されている。孔452,454,456は、一直線上に並んでいる。孔456は、上板450の外周のすぐ内方に位置している。
【0105】
以下、図24および図25を参照して、クリーニングヘッド410の駆動アセンブリについて説明する。駆動アセンブリは、シャフト460を備えている。シャフト460は、ステンレス鋼または他の金属、場合によってはプラスチックから、単一ユニットとして形成されている。シャフト460は、略細長円筒状本体462を有するように、形作られている。本体462は、上側ブラシ上板450の孔452の直径よりも小さい直径を有している。シャフト460は、本体462の底端に、本体462と一体に形成された足部464を有している。足部464は、矩形状の断面輪郭を有している。さらに具体的には、シャフト足部464は、下側ブラシ基板444内の孔446に密嵌合するように、形作られている。図示されていないが、シャフト足部464は、足部の基部から上方に延在する孔を有しているとよい。この孔は、基部ユニットの駆動スピンドル104と一体の位置合せピン110を受け入れるように、形作られている。シャフト460は、長孔466を有するように、さらに形成されている。長孔466は、シャフトの上端から略2〜4cm下方の位置において、シャフト本体462に配置されている。長孔464は、シャフト本体462を直径方向に貫通している。
【0106】
シャフト460は、足部464が下側ブラシ基板の孔446内に着座するように、位置決めされている。シャフト本体462は、上側ブラシ上板450内の孔452を通って該孔452の上方に延在している。図21に示されているように、シャフト本体462は、上側シェルの孔436,438,440も貫通している。
【0107】
クリーニングヘッドの駆動アセンブリは、図20および図24に最もよく示されているように、上側ブラシ上板450の上端の直上に配置された3つの歯車468,470,472も備えている。歯車468は、上板450の上方に延在するシャフト本体462の区域の周囲にすべり嵌合されている。歯車468と一体のリング状カラー474が、シャフト本体462の周りを囲むように、歯車から上方に延在している。カラー474は、直径方向において互いに向き合った開口476(1つが図示されている)を有するように、形成されている。歯車468がシャフトと共に回転するように、該歯車をシャフト460に連結するために、ピン478が、カラー開口476とシャフト長孔466とを貫通している。ピン478がシャフト長孔466を貫通していることを考慮するなら、歯車468が、上側ブラシ418と共に、シャフト462に沿って長手方向に移動することができることが明らかだろう。
【0108】
クリーニングヘッド410が組み込まれたとき、カラー474が上側シェルの孔438内に延在することもさらに理解されたい。従って、上側シェル414は、孔438がカラー473よりも大きい直径を有するように、形成されている。
【0109】
歯車470,472は、いずれも、上板450の上面に回転可能に取り付けられている。さらに具体的には、歯車470は、上板の孔454内に着座した心棒480のシャフトの周りに配置されている。歯車472は、上板の孔456内に着座した心棒482のシャフトの周りに配置されている。ピン486が、それぞれ、歯車470,472を心棒480,482に保持している。ワッシャー484が、各歯車470,472とその上のピンヘッドとの間に配置されている。歯車470は、歯車468,472の両方に連結している。歯車472は、該歯車の歯が上板450の周囲から突出するように、位置決めされている。
【0110】
剛毛290が、上板450から下方に延在している。剛毛290を上板に保持する接着層には、部番が付されていない。
【0111】
クリーニングヘッド410は、リング488も備えている。リング488は、シャフト本体462にすべり嵌合するように、寸法決めされている。以下に明らかになる理由から、本発明のこの態様は、種々の高さを有する多数のリングを備えているとよい。
【0112】
骨材は、まず下側ブラシ416を下側シェル412内に配置することによって、クリーニングヘッド410によって清浄化されることになる。シャフト460が、シャフト足部464が基板の孔446内に着座するように、ブラシ416に取り付けられる。骨材の高さよりもいくらか小さい高さを有するリング488が、シャフト本体462にすべり嵌合される。骨が、ブラシ剛毛268上に配置される。
【0113】
上側ブラシ418は、シャフト本体が上板の孔452を貫通するように、下側ブラシの上に配置される。リング488の存在によって、上側ブラシ418が骨材に押し下げられる程度が制限されることを理解されたい。
【0114】
次いで、上側シェル414が、下側シェル412、骨材、およびブラシ416,418の上に配置される。上側シェル414を適所に位置決めした結果として、上側ブラシの上板450を超えて延在する歯車472の歯が、上側シェル414内の歯434と係合することになる。
【0115】
次いで、クリーニングヘッド56が取り付けられる方法と同じ方法によって、クリーニングヘッド410が、基部ユニットの台座74に離脱可能に連結される。クリーニングヘッド410は、クリーニングヘッド56を作動させるのと同じ一般プロセスによって作動されることになる。もしクリーニングヘッド、さらに具体的には、下側ブラシ416が、クリーニングヘッドの操作パラメータを特定しているデータが記憶されたメモリ270を備えているなら、これらのデータに基づいて、制御コンソール66が基部ユニットモータ54を作動させることになる。
【0116】
クリーニングヘッド410の作動中、基部ユニットのスピンドル110は、下側ブラシ416を回転させる。これによって、シャフト460の同様の回転がもたらされることになる。シャフト460が回転すると、歯車468,470,472が回転する。歯車472の歯が上側シェルの歯434に係合している結果として、上側ブラシ418が、シャフト460を中心として回転する。さらに具体的には、上板450および上側ブラシは、下側ブラシ416が回転する方向と逆の方向に回転する。従って、剛毛268,290は、互いに逆の方向において、同時に骨材の互いに向き合った面を擦ることになる。骨材の2つの面を互いに逆の方向に同時にブラシ掛けすることによって、骨材は、清浄化プロセス中に転動することになる。これによって、骨材の十分な清浄化が容易になり、場合によっては、骨材を清浄化するのに必要な全時間が短縮されることになる。
【0117】
[V11.一体化クリーニング・ミルヘッド]
本発明の他の代替的態様では、システムは、骨材の清浄化と粉砕の両方を行うための構成要素を有する単一ヘッド490を備えていてもよい。以下、図26を参照して、この単一ヘッド490について説明する。ヘッド490は、下側板492および上側板496を備えている。これらの板492,496間に、ミル要素494が回転可能に配置されている。下側シェル502および上側シェル508を備えるクリーニングモジュールが、上側板496に可動に取り付けられている。下側ブラシ504および上側ブラシ506が、ブラシハウジングの内側に配置されている。下側ブラシ504は、該ブラシがミル要素494と一体に回転するように、該ブラシをミル要素494に離脱可能に連結させる特徴部を備えている。
【0118】
ヘッドの下側板492は、ポリカーボネートプラスチックのような殺菌可能なプラスチックから形成されている。図27に示されているように、下側板は、円筒状基部510を有するように形成されている。基部510は、該基部がリップ78内の基部ユニット台座の上面76上に着座することを可能にする直径を有している。基部510は、上面76からのリップ78の高さよりも少なくとも大きい高さを有している。下側板492は、リム512を有するように、さらに形成されている。リム512は、基部510と一体であり、該基部510の上方に周方向かつ半径方向に延在している。基部は、4つのノッチ514および2つのノッチ516(1つのノッチ514が図27に示されている)を有するように、さらに形成されている。ノッチ514は、基部510の底面の周りに配置されている。ノッチ514は、ヘッド490が基部ユニット52上に着座したとき、歯84を受け入れるように、寸法決めされている。ノッチ516は、直径方向において互いに向き合って配置されている。ノッチ516は、リム512が基部から外方に突出したとき、基部510の頂部のすぐ下方に位置することになる。ノッチ516は、基部ユニット52へのヘッド490の離脱可能な連結を容易にするために、保持アームのフィンガー88を受け入れるように、位置決めされ、かつ寸法決めされている。
【0119】
下側板492は、リム512と同心で、該リム内に位置する円形空所518を有するように、さらに形成されている。さらに具体的には、下側板492は、空所518がリム512を貫通し、かつ基部510を部分的に貫通するように、形成されている。図27に仮想線によって示されている円形開口520が、空所518の底から板基部510を同心に貫通している。開口520は、駆動スピンドルのヘッド108の直径よりもいくらか大きい直径を有している。下側板には、放出ポート522も形成されている。放出ポート522は、正方形の断面を有しており、空所の底から板基部510を貫通している。ポート522は、開口520と板基部510の外周との間に位置している。
【0120】
図面に示されていないが、受けトレイ310と同様の受けトレイが、下側板の基部510に取外し可能に取り付けられていることを理解されたい。また、放出ポート522の下方の受けトレイの取外し可能な取付けを容易にする(下側板492と一体の)レールは、図示されていない。
【0121】
上側板496は、下側板492を形成しているのと同じ種類のプラスチックから形成されており、略ディスク状に形作られている。上側板496は、基部板のリム512の外径と等しい外径を有している。上側板496は、(図28に仮想性によって示されている)中心に位置する孔524を有するように、形成されている。上側板496は、送給ポート526を有するように、さらに形成されている。送給ポート526は、略正方形状を有している。本発明の例示されている態様では、板496は、ポート526に繋がる板496の内面が内向きに徐々に縮径するように、形作られており、これによって、ポート526の大きさが、板の頂部から内方に徐々に減少している。ヘッド490が組み込まれたとき、板492,496は、上側板の送給ポート526が下側板の放出ポート522と真っ直ぐに並ぶように、配向されるようになっている。
【0122】
上側板496は、中心に位置する環状スリーブ528を有するように、さらに形成されている。この板は、スリーブ528が、板中心孔520の上方において該板中心孔520を囲むように延在するように、形成されている。
【0123】
図28に仮想線の矩形として示されている突当板530が、上側板496の底に取り付けられている。突当板530は、板送給ポート526にごく隣接して位置している。
【0124】
2つの平行ウエブ534が、上側板496から上方に延在している。本発明のいくつかの態様では、ウエブ534は、上側板496と一体に形成されている。ウエブ534は、板孔524、送給ポート526、およびスリーブ528がこれらのウエブ間に配置されるように、位置決めされている。ウエブ534は、シェル502,508の外径よりも大きい距離だけ、互いに離間している。本発明の例示されている態様では、矩形リブ536が、各ウエブ534と一体に形成されている。各リブ536(1つが図示されている)は、スリーブ528の方を向いたウエブの面から外方に延在している。リブ536は、ウエブ534に構造的強度をもたらすものである。
【0125】
ウエブ534は、略中実の構造部材である。各ウエブ534は、ウエブの頂部のすぐ下方にウエブを横断する長孔540を有するように、さらに形成されている。一直線上に並んだ長孔540は、各々、3つの下向き凹み542,544,546を有するように、形成されている。2つの凹み、具体的には、凹み542,546は、各長孔の両端に位置している、各凹み544は、該凹みが一体の長孔540の中点から下方に延在している。
【0126】
ミル要素494は、切削ディスク540を備えている。ディスク540は、ミル要素62の基本特徴部と同じ基本特徴部を有している。ディスク540は、下側板の空所518の直径よりもいくらか小さい外径を有している。また、ミル要素494は、ディスク540の上面から上方に延在するポスト544も有している。このディスクの面から、(部番が付されていない)ディスクスカロップが延在している。本発明の例示されている態様では、ポスト544は、ディスク540の上に溶接またはそれ以外の方法によって固定された円形基部542から上方に延在している。ポスト544は、その下の基部542の直径よりも小さい直径を有している。
【0127】
円形ヘッド546が、ポスト544の頂部に取り付けられている。ヘッド546は、スピンドルの位置合せピン110と同様の位置合せピン548を有するように、形作られている。また、ヘッド546は、駆動スピンドル112と一体の駆動歯112と同様の歯550も有している。歯550は、ピン548の周りに互いに等角度で配置されており、ピン548の高さよりも低くなっている。ミル要素494は、ヘッド490が組み立てられたとき、切削ディスク540が下側板の空所518内に配置され、ポスト544がスリーブ528を貫通し、要素ヘッド546がスリーブから上方に離間するように、寸法決めされている。
【0128】
下側シェル502は、クリーニングヘッド56のシェル192の基本形状と同じ基本形状を有している。シェル502は、基部ユニット52へのシェルの着座または連結を容易にするノッチを有していない。シェル502は、シェルの外側リップから下方に延在するノッチ554を有している。本発明のいくつかの態様では、ノッチ554は、シェル502の基部まで延在している。下側シェル502は、2つの直径方向において互いに向き合って真っ直ぐに並んでいる一端閉鎖孔556を有するように、さらに形成されている。
【0129】
ピン558が、下側シェル502を上側板494と一体のウエブ534に可動に取り付けている。各ピン558は、シェル孔556の1つ内に着座する端を有している。シェル502の外方に延在するピン558の端は、隣接するウエブ長孔540内に延在することになる。ピン558は、該ピンが長孔540および凹み542〜546内において摺動可能となるように、長孔540に対して寸法決めされている。従って、ピン558によって、下側シェル502および該シェルに取り付けられた構成要素は、上側板496の上で移動および旋回することができることを理解されたい。
【0130】
上側シェル508は、クリーニングヘッド56のシェル194の基本円筒形状と同じ基本円筒形状を有している。矩形状のノッチ560が、シェル194の(部番が付されていない)下方に延在するスカートを貫通している。シェル502,508は、クリーニングモジュールハウジングを形成するように一緒に組み立てられたとき、上側シェルのノッチ560が下側シェルノのノッチ554と位置整合するように、互いに連携して形作られている。また、ノッチ554,560は、共通幅を共有していることも理解されたい。また、2つの直線状に並んで横方向に延在している孔564が、上側シェル508に形成されている。孔564は、ノッチ560内に開口するように位置決めされている。
【0131】
上側シェル508と一体のピン248(1つが図示されている)が、シェルの離脱可能な相互連結を容易にするために、下側シェル502に形成された長孔224内に着座されるようになっている。ここでも、シェル502,508は、互いに連携して、ヘッド490のクリーニングモジュールのハウジングを形成するようになっている。
【0132】
下側ブラシ504は、ブラシ58の基本特徴部と同じ基本特徴部を有している。上側ブラシ506は、ブラシ59の基本特徴部と同じ基本特徴部を有している。
【0133】
本発明のこの態様のヘッド490は、スライド板568も備えている。板568は、クリーニングモジュールハウジングと一体の互いに連続しているノッチ554,560内に取り付けられるようになっている。板568は、略矩形形状を有している。板568の幅は、ノッチ554,560内における板568の摺動を容易にするように、選択されている。板568の互いに向き合った側面は、各々、長手方向に延在する溝570(1つが示されている)を有するように、形成されている。タブ572が、板568から直角に離れる方に延在している。本発明の例示されている態様では、板568は、ヘッド490が組み立てられたとき、タブ572が上側シェル508の頂部の上方に延在するように、構成されている。
【0134】
2つのピン574によって、板568が、クリーニングモジュールハウジングに保持されている。さらに具体的には、各ピン574は、上側シェル508に形成された孔564の1つに部分的に着座している。ピン574の露出した端は、板568と一体の隣接する溝570内に着座している。従って、ピン574は、板がノッチ554,560を選択的に覆い、または露出させるように摺動することを可能としながら、該板をクリーニングモジュールハウジングに保持することになる。
【0135】
図示されていないが、メモリ320と同様のメモリが、下側板の基部510内に配置されているとよい。このメモリは、ミル要素494および下側ブラシ504の両方が回転する速度を指示するデータを含んでいる。
【0136】
ヘッド490を用いるために、まず、該ヘッドが基部ユニット52に取り付けられることになる。下側板の基部510を基部ユニットの台座面76に着座させると、その結果として、駆動スピンドルの位置合せピン110が、ミル要素494を駆動スピンドル104と真っ直ぐに配置させることになる。
【0137】
清浄化される骨材をクリーニングモジュール内に装填するために、まず、ピン558がウエブの長孔凹み546内に着座するように、該モジュールが移動される。これによって、クリーニングモジュールは、上側板の送給ポート526から最も離間して位置決めされたことになる。次いで、ノッチ554,560および板568が上方を向くように、クリーニングモジュールが旋回される。ノッチ554,560を露出させるために、板568が開かれる。これらのノッチを通して、骨材がブラシ504,506間に装填される。ノッチ間の十分な隙間を確保するために、このプロセスを行う担当者は、ブラシ506と一体のポストを引っ張り、ブラシ506をブラシ504から引き離すとよい。次いで、板568が、閉状態に戻されることになる。
【0138】
次いで、ピン554がウエブの長孔凹み544内に着座するように、クリーニングモジュールが移動される。クリーニングジュールがそのように位置決めされた結果として、ブラシ504に形成された相補的開口内に位置するミル要素494と一体の位置合せピン548によって、ブラシ内の駆動開口が、歯550が配置されている円に位置合せされることになる。ヘッド490の構成要素は、互いに連携して、ピン558が凹み544内に着座したとき、下側シェル502の底面がスリーブ528に対して着座するように、さらに構成されているとよい。
【0139】
ヘッド490と一体のメモリは、ヘッドが組合せクリーニング・ミルヘッドであることを制御コンソールのディスプレイ制御装置164に知らせるデータを含んでいる(図29Aのステップ582)。この情報に応じて、ディスプレイ制御装置164は、装置が清浄化モードまたは粉砕モードのいずれによって操作されるべきか指示することをユーザに要求する情報をディスプレイ174のボタン上に表示する(ステップ584)。ステップ585において、装置がクリーニングモードで操作されるべきであるという指令が入力されると、ステップ586において、ディスプレイ制御装置は、モータドライバ162がブラシ504を適切な速度かつ適切な方向で回転させるのに適した方法によってモータ54を作動させる指令を準備する。いったんボタン120が押されると(ステップは、図示されていない)、制御コンソール66は、クリーニングモジュールの適切な作動をもたらすように、モータ54を作動させることになる(ステップ588)。
【0140】
ステップ588において、モータ54および駆動スピンドル104が作動されると、ミル要素494が同様に作動される。切削ディスク540、ポスト544、およびヘッド546が、全て、回転されることになる。もし歯550が、図12の開口264と同じブラシ開口に予め着座されていないなら、これらの歯は、ヘッド546の最初の回転中に、これらの開口内に着座することになる。ブラシ開口内に歯550が係合すると、その結果として、ブラシが同じように回転する。ブラシ58の回転と同様、この作動によって、骨材が清浄化されることになる。
【0141】
いったん清浄化プロセスが終了したなら、制御コンソールは、ステップ584に戻り、次に、ミル要素494またはブラシ504を作動させるためにモータが作動されるべきか否かの指示を待機することになる。
【0142】
いったん骨が清浄化されたなら、ピン554が送給ポート526に隣接するウエブ長孔凹み542内に着座するように、クリーニングモジュールが移動される。モジュールノッチ554,560が送給ポート526と向き合うように、クリーニングモジュールが旋回される。板568をすべらせ、開状態にする。重力によって、清浄化された骨材が、送給ポート526内に落下する。このプロセスを容易にすべく、ブラシを互いに離間して保持するために、ブラシ506と一体のポストを引っ張ることが必要である。
【0143】
いったん骨材が下側板に送られたなら、ミルアセンブリ、実質的にクリーニングモジュールを送給ポート526から離れる方に移動させる。これによって、後でプランジャーを送給ポートに挿入するための隙間が得られることになる。
【0144】
ユーザは、ヘッド490がいまミルモジュールで操作されるべきであることを指定する制御コンソールディスプレイ174上の適切なボタンを押し、これによって、ステップ585が再実行される。このボタンの押下げに応じて、ステップ562において、ディスプレイ制御装置164は、切削ディスク540を回転させるのに適する速度で基部ユニットモータ54を作動させる指令を準備する(ステップ562)。
【0145】
骨を粉砕するとき、ボタン120が押される(ステップは、図示されていない)。これによって、制御コンソール66は、基部ユニットモータ54を適切な速度で作動させることになる(ステップ564)。モータの作動と同時に、プランジャー、例えば、図16のプランジャー307を用いて、骨材を回転している切削ディスク540に付勢する。回転している切削ディスク540と突当板530が協働し、骨材を骨細片に変換することになる。
【0146】
本発明のヘッド490の1つの利点は、単一ユニットが、最初に骨材を清浄化し、次いで骨材を細片に粉砕する構成要素を備えていることである。これらのプロセス間でヘッドを交換する必要性が排除されることになる。ヘッド490を備える本発明のシステムのさらに他の利点は、クリーニングモジュールからミルモジュールへの清浄化された骨の移送が重力を用いて行われることである。担当者がこの移送を行う必要性が排除されることになる。
【0147】
勿論、ヘッド490の両方のモジュールではなく、本発明のクリーニングモジュールまたはミルモジュールの1つを用いることが適している手順があってもよいことを理解されたい。
【0148】
[VIII.代替的ブラシ]
図30および図31は、本発明のシステムと共に用いることができる代替的ブラシ602を示している。図示されているブラシ602は、下側ブラシである。このブラシの態様は、上側ブラシとして構成されてもよい。ブラシ602は、ディスク状基板606を備えている。多数のブラシヘッド608(1つが図示されている)が、基板606に取外し可能に取り付けられるようになっている。
【0149】
基板606は、ブラシ602が着座されるヘッド/モジュール内に装着され、該ヘッド/モジュール内で回転されるように、寸法決めされている。位置合せピン110または548を受け入れるための基板の底面の開口は、図示されていない。また、駆動歯112または550を受け入れるための基板606の底面の開口も、図示されていない。基板606は、4つの互いに等角度で離間した長孔610を有するように、形成されている。各長孔610は、基板の中心から半径方向に離間した箇所から基板の外周に向かって半径方向外方に延在している。部番が付されていないが、各長孔610が、広幅の下側区域および狭幅の上側区域を備えていることは、図面から明らかであろう。図面から分かるように、長孔の下側区域が長孔610の一端閉鎖された基部を形成している。長孔610の上側区域は、基板606の表面に開口している。
【0150】
各ブラシヘッド608は、矩形の基部614を備えている。基部614は、該基部が基板長孔610の下側区域内で摺動することを可能にする幅を有している。剛毛616が、基部614の上面から上方に延在している。剛毛616は、基部614に接着剤によって固着されているとよい。代替的に、剛毛は、基部内の(図示されていない)一端閉鎖された孔内に圧縮充填されていてもよい。剛毛616が基部614にどのように取り付けられているかに関わらず、剛毛は、長孔610の上側区域の幅と略等しい距離だけ、基部を横切って延在している。剛毛616は、該剛毛が長孔610の上側区域から上方に延在するのに十分な長さを有している。
【0151】
本発明のブラシ602は、ブラシヘッド608を基板の長孔610の各々に滑り込ませることによって、使用の準備が整えられる。次いで、ブラシ602は、クリーニングヘッド/モジュール内に取り付けられ、前述したブラシ58,59,416,418,504,または506と同様の方法によって、用いられることになる。
【0152】
1つまたは複数のブラシ602を備える本発明のシステムが用いられたらすぐに、清浄化または廃棄および取換えのために、ブラシヘッド608を基板(または上板)から取り外すことができる。基板(または上板)は、単独で殺菌可能である。従って、本発明のシステムのこの態様のブラシ602を用いることによって、各使用の後、ブラシの全体を廃棄する必要性が排除されることになる。
【0153】
[IX.第2の代替的クリーニングヘッド]
以下、図32を最初に参照して、本発明の第2の代替的クリーニングヘッド630について説明する。クリーニングヘッド630は、基部632を備えている。基部632は、基部ユニット上面76上に着座されるように、寸法決めされている。ブラシ58(またはブラシ602)が、基部632内に回転可能に配置されている。柔軟キャップ634が、ブラシを覆うように、基部632に装着されている。
【0154】
クリーニングヘッドの基部632は、ヘッド56のシェル192,194を形成している材料と同じ材料から形成されていてもよい。代替的に、もしクリーニングヘッド630が一回使い捨てユニットであるなら、基部632は、ポリカーボネートプラスチックのような殺菌可能なプラスチックから形成されていてもよい。図33および図34に最もよく示されているように、基部632は、基部ユニット面76上に着座するように寸法決めされた円筒状足部638を有するように、形成されている。足部638は、該足部が基部ユニットリップ78によって画定された円形空所内にすべり嵌合されることを可能にする外径を有している。4つの互いに等角度で離間したノッチ640が、足部638の底から該足部の外周に沿って上方に延在している。これらのノッチは、クリーニングヘッド630が基部ユニット52上に着座したとき、台座歯84を受け入れるものである。本発明の例示されている形態では、溝642が、足部638の外周面に沿って内方に延在している。足部638は、該足部の外周面から内方に延在する2つの直径方向において互いに向き合ったノッチ644(1つが図32に示されている)を有するように、さらに形成されている。ノッチ644は、溝642と交差している。各ノッチ644は、基部ユニットの保持アーム86と一体のそれぞれのフィンガー88を受け入れるように、寸法決めされている。基部の足部638は、足部を上下方向に貫通している貫通孔646も有している。孔646は、足部638の上下方向長軸を中心として配置されている。孔646は、基部ユニットのスピンドルヘッド108が該孔646内で自在に移動することができるように、寸法決めされている。
【0155】
図示されていないが、RFID270およびコイル271(図5)がクリーニングヘッド基部632の足部638内に埋設されていることを理解されたい。RFID270内のデータは、制御コンソール66によって、クリーニングヘッド630が取り付けられたときに、システムの基部ユニット52の操作を調整するために、用いられることになる。
【0156】
基部632は、足部638の外周から上方に延在する多区域リング647を有するように、さらに形成されている。このリングは、比較的厚い断面幅を有する下側区域、すなわち、区域650を有している。リングは、狭い断面幅を有する上側区域、すなわち、区域652も有している。リング647は、下側区域650および上側区域652のそれぞれの内壁が、足部638の上方に一定直径の空所654を画定するシェルを形成している。空所654は、ブラシ58の直径よりも少なくとも0.5mm大きい直径を有している。従って、リングの外面に沿って、リングの上側区域652は、下側区域650から内方に段が付いていることになる。リングは、空所654がブラシの全て、すなわち、基板260および剛毛268の両方を受け入れることができるのに十分な高さを有している。リングは、上側区域652の頂部から半径方向外方に突出するフランジ656を有するように、さらに形成されている。部番が付されていないが、フランジの外面に外向きテーパが付されていることが、図34から分かるだろう。
【0157】
クリーニングヘッドの基部632は、リングの上方においてリングの周りに実質的に周方向に延在するリップ660を有するように、さらに形成されている。リップ660は、リングの下側区域650の頂部から半径方向に離れる方に延在する水平区域662を有するように、形成されている。また、リップ660は、水平区域662の外端と一体の垂直区域664も備えている。さらに具体的には、リップ660は、垂直区域664が水平区域から外方かつ上方に延在するように、形成されている。例示されている態様を含む本発明の多くの態様では、リップ660は、垂直区域664の上縁がリングの上側区域652の頂部の上方に位置するように、形成されている。
【0158】
クリーニングヘッドの基部632は、吐出口668を有するように、さらに形成されている。吐出口668は、リングの下側区域650の円弧部分から半径方向外方かつ上方に延在するフィンガー670を備えている。このフィンガー670の面は、リングの上側区域652および下側区域650間の隣接する円弧状段と同一面をなしている。フィンガー670には、先端672が形成されている。先端672は、その両側がフィンガーの一部を超えて半径方向外方に延在している。吐出口668は、フィンガー672を超えて半径方向外方に延在する3壁シュート678も有している。シュート678を形成する壁、すなわち、2つの互いに向き合った側壁および側壁間の壁は、垂直方向において垂直区域よりもさらに上方に延在しているリップ垂直区域664の延長部である。吐出口フィンガー670の外端および(隣接しているが、互いに離間している)シュート壁は、互いに連携して、吐出口668内に開口676を画定している。本発明の例示されている態様では、3方リップ680は、シュート壁の内面から開口676内に内方に延在している。開口676は、ミルヘッドの送給スリーブ306の着座が可能になるように、寸法決めされている。
【0159】
部番が付されていないが、吐出口668に繋がるキャップリップ660の上向き部分が、リップ660の隣接面に対して凹んでいることが、図32から分かるだろう。
【0160】
クリーニングヘッド630のキャップ634は、熱可塑性樹脂のような柔軟材料から形成されている。図32、図35および図36に最もよく示されているキャップ634は、リング状リム684を有している。凹凸(一面が凹状で他面が凸状)のドーム686は、リム684の内縁から内方に延在し、キャップ634の中心を形成している。キャップ634は、ドーム686がリムの外面、すなわち、その下側に位置するブラシ58の外面から離れる方に向かって上方に延在するように、形作られている。キャップ634の一部でもある剛毛688が、ブラシ58の方を向いたドーム686の面から下方に延在している。
【0161】
C字状リップ690が、キャップリム684の外周から外方に延在している。リプ690の一端は、リム684の外縁と連続している。キャップ634は、リップ690が基部632に面するリムの側部の下方に湾曲するように、形作られている。キャップ634は、リップ690が基部632と一体のフランジ656にスナップ嵌合されるように、形成されている。キャップ634は、多数の柔軟タブ692を有するように、さらに形成されている。タブ692は、リップがリム684の下側に湾曲し始める箇所に隣接する位置において、キャップリップ690の外面から半径方向外方かつ上方に突出している。タブ692は、キャップを上に引っ張って該キャップを基部リングの上側区域652から取り外すための指摘みとして役立つものである。
【0162】
本発明のクリーニングヘッド630は、ブラシ58(またはブラシ602)を基部の空所654に着座させることによって、使えるようになる。清浄化かつ粉砕されることになる骨材が、ブラシ剛毛268上に置かれる。キャップ634が、基部リングの上側区域652にスナップ嵌合される。次いでクリーニングヘッド630が、基部ユニット52に嵌合され、かつ固定されることになる。
【0163】
ブラシ58を作動させるために、基部ユニットモータ54が、前述したように作動される。ブラシ58が回転している間、清浄化プロセスの担当者は、キャップドーム686を押し下げるとよい。この動作によって、キャップの剛毛688が骨に押し付けられる。従って、骨は、ブラシ剛毛268とキャップ剛毛688との間に圧縮される。ブラシ58の回転が、骨材を剛毛268および剛毛688の両方に対して回転させ、その結果、靭帯および他の破片を骨から剥ぎ取ることになる。
【0164】
いったん骨が清浄化されたなら、可能であればキャップ634がまだ取り付けられているクリーニングヘッド630が、基部ユニット52から取り外される。代わって、ミルヘッド60が、基部ユニット52に取り付けられる。次いで、図37に示されているように、クリーニングヘッド630は、シュート678がミルヘッドの送給スリーブ306の頂部に拡がるように、配置される。吐出口の開口676を包囲するリップ680の底面が、送給スリーブ306の上縁面に当接する。このリップとスリーブとの接触によって、クリーニングヘッド630がミルヘッドの送給スリーブ306から脱落するのを防ぐことができる。
【0165】
クリーニングキャップ634が、ヘッド630の残りから取り外される。外方に拡がっているリップ660の存在によって、清浄化された骨材が基部632から脱落することが防がれる。骨材が検査を合格していると仮定した場合、手持ち式器具、例えば、鉗子を用いて、清浄化された骨材をブラシから持ち上げ、吐出口667を通して送給スリーブ306内に導くことになる。このプロセス中、リップ660およびシュート678の壁の両方によって、骨材がクリーニングヘッドの基部632から脱落することが防がれる。
【0166】
本発明の前述した態様では、いったん骨が送給スリーブ306内に送られたなら、クリーニングヘッド630を最初に取り外すことなく、プランジャー307を送給スリーブ内に装着することができる。
【0167】
本発明のシステムのこの実施形態のクリーニングヘッド630およびミルヘッド60は、骨材を清浄化し、かつ粉砕する以上の働きをする。これらの構成要素は、各々が清浄化プロセスと粉砕プロセスとの間で互いに連結されるように、設計されている。本発明の前述した態様では、この嵌合は、移動部品を伴う止めネジまたはボールピンのような補助的構成要素を設けることなく、行われるようになっている。この嵌合によって、清浄化された骨材がミルヘッド60に送られる前の必要な取扱いの程度を最小限に抑えることができる。これによって、ミルヘッドへの骨材の移送を簡素化し、移送プロセス中に骨材が不注意によって誤って取り扱われる可能性を低減させることができる。
【0168】
クリーニングヘッド630のリップ660およびシュート668は、骨材が不注意によってヘッド基部632から脱落することを防ぐ構造部材として機能する以上の働きをするものである。リップ660およびシュート668は、担当者が基部を取り扱うときに保持することができる基部632の特徴部として機能する。これらの特徴部は、いずれも、ブラシ58から離間している。従って、担当者は、指をブラシ58から離して、リップ660またはシュート668のいずれかを保持することによって、基部を取り扱うことができる。これによって、担当者が不注意によってブラシ58に接触する可能性およびこのような接触によって生じ得る問題が低減されることになる。
【0169】
[X.第3の代替的クリーニングヘッド]
図38〜図47を参照すると、第3の代替的クリーニングヘッド700が示されている。クリーニングヘッド700は、基部702を備えている。シェル704が、基部702に取り付けられている。シェル704は、清浄化されることになる骨を受け入れるための空所706を画定している。(図39にのみ示されている)キャップ707が、空所706を密閉するために、シェル704の頂部に取外し可能に取り付けられている。基部702、シェル704、およびキャップ707は、ヘッド56のシェル192,194を形成している材料と同じ材料から形成されていてもよい。代替的に、もしクリーニングヘッド700が一回使い捨て式ユニットであるなら、基部702、シェル704、およびキャップ707は、ポリカーボネートプラスチックのような殺菌可能なプラスチックから形成されていてもよい。
【0170】
図38および図39では、基部702は、基部ユニット52に係合するためのどのような特徴部も有していない矩形状のものとして示されている。従って、クリーニングヘッド700は、基部702が(図示されているが、部番が付されていない)別体の駆動システムに単純に取り付けられる独立型の骨クリーニングユニットであってもよい。しかし、他の実施形態では、基部702は、該基部702が基部ユニットリップ78によって画定された円形空所内にすべり嵌合されることを可能にする外径を有している。その結果、クリーニングヘッド700は、基部ユニット52によって作動可能である。この場合、第2の代替的クリーニングヘッド630と同様、基部702は、(図示されていないが)円形であり、(図示されていない)4つの互いに等角度で離間したノッチが、基部702の外周に沿って基部702の底から上方に延在している。これらのノッチは、クリーニングヘッド700が基部ユニット52上に着座したとき、台座歯84を受け入れるものである。溝642のような(図示されていない)溝が、基部702の外周面に沿って内方に延在している。基部702は、ノッチ644(1つが図32に示されている)のような基部702の外周面から内方に延在する(図示されていない)2つの直径方向において互いに向き合ったノッチを有している。各ノッチは、基部ユニットの保持アーム86と一体のフィンガー88のそれぞれを受け入れるように、寸法決めされている。
【0171】
図38の実施形態を再び参照すると、基部702は、該基部702を上下方向に貫通している貫通孔708を有している。孔708は、基部702の上下方向長軸を中心として配置されている。孔708には、スピンドル710が配置されている。スピンドル710は、クリーニングヘッド700の駆動アセンブリ714の一部をなしている。スピンドル710は、基部702に取り付けられた軸受712によって回転可能に支持されている。分解図に示されているニードル軸受アセンブリが、基部702とスピンドル710上側面との間に配置されている。ニードル軸受アセンブリは、スピンドルおよび取付けらえた構成要素のスラスト荷重を吸収するものである。クリーニングヘッド700が基部ユニット52によって作動される代替的実施形態では、スピンドル710は、存在せず、孔708は、基部ユニットのスピンドルヘッド108が該孔内で自在に移動し、クリーニングヘッド700に係合することを可能にするように、寸法決めされている。
【0172】
図38および図39を参照すると、シェル704は、複数のシェービングブロック718が取り付けられたシェル基部716を備えている。代替的に、シェル704は、シェル基部716と一体のシェービングブロック718との一体品として形成されていてもよい。キャップ707が、(図39にのみ示されている)複数の固定具717によって、シェル基部716に取り付けられている。代替的に、キャップ707は、(図示されていない)係止特徴部によってシェル基部716に離脱可能に係止されていてもよいし、骨清浄化中に一時的にシェル704の頂部に簡単に装着されるようになっていてもよい。シェル基部716は、略円形である底部720を備えている。複数のスペーサ721が、底部720を基部702から離間している。底部720は、該底部720の略中心に位置する貫通孔722を画定している。ブッシュ724が、底部720の貫通孔722内に配置されており、攪拌器726を回転可能に支持している。
【0173】
攪拌器726は、十字形状の第1の端728を備えている。第1の端728は、スピンドル710の対応する断面形状の溝端730に係合している。端728,730は、スピンドル710の回転が攪拌器726の直接回転をもたらすように、嵌合している。攪拌器726は、底部720の下に位置する第1の端728から、貫通孔722を通って、空所706内を上方に第2の自由端732まで延在している。キャップ707が取り付けられたとき、攪拌器の第2の端732は、キャップ707に形成された一端閉鎖孔内に着座するようになっている。従って、キャップ707は、攪拌器の第2の端732を支持している。
【0174】
攪拌器726は、略円筒形状を有しており、その端728,732間で細長く延びている。攪拌器726は、回転軸を中心として配置されたステム734、およびステム734から半径方向外方に延在する1対のフィン736を備えている。フィン736は、第1の端728から第2の端732に向かって回転軸を中心として螺旋状に延在している。骨が空所706内に置かれると、回転しているフィン736は、骨を拾い上げて転動させ、該骨を攪拌器726の回転軸から外方に押し付ける。フィン736には、攪拌器726の第2の端732から第1の端728に向かって、ステム734からのフィン736の半径方向の寸法が大きくなるように、第1の端728から第2の端732に向かってテーパが付されているとよい。
【0175】
溝付ネジ738の形態にあるクリーニング要素738が、空所706に置かれた骨から軟質組織を清浄化するようになっている。軸740が、シェービングブロック718内において溝付ネジ738を回転可能に支持している。軸740は、基部702の第1の端に支持され、かつ固定され、基部702から第2の端に向かって上方に延在している。第2の端は、シェービングブロック718の上側板759の上側開口742内に配置されている。
【0176】
図40および図41を参照すると、溝付ネジ738の各々は、スリーブ744、該スリーブ744の両端内に圧入され、軸740を中心として回転する1対の連結具746,748、およびクリーニングヘッド700の駆動アセンブリ714に係合するためのピニオン歯車750を備えている。各スリーブ744は、軸方向に延在する(部番が付されていない)貫通孔を有している。各スリーブ744は、該スリーブの外周に沿って螺旋状に延在する複数の溝752を有するように、さらに形作られている。これらの溝には、以下に説明する輪郭画定縁761で交合する隣接面が形成されている。この溝の形状によって、清浄化プロセスの一部としての骨から軟質組織の把持および引裂が容易になる。図39に示されているように、各溝付ネジ738は、シェービングブロック718のそれぞれに回転可能に取り付けられている。スリーブ744は、好ましくは、ステンレス鋼から形成されている。
【0177】
図45および図47を参照すると、シェービングブロック718は、好ましくは、ステンレス鋼から形成されている。シェービングブロック718は、シェル基部716に隣接して取り付けられており、シェル704の略円筒状内面754の一部をなしている。内面754は、空所706をさらに画定している。骨は、攪拌器726によって、内面754に対して圧縮されることになる。各シェービングブロック718は、リング状カラー755を備えている。カラー755は、関連する溝付ネジ738を受け入れる開口757を画定している。前面ポスト756が、カラー755から上側板759まで上方に延在している。上側板は、(図示されていない)スラスト軸受によって長手方向に支持されている。ポスト756は、内面754の一部をなす前面758を有している。溝付ネジ738を受け入れる細長空間760が、前面ポスト756内に画定されている。溝付ネジ738は、前面ポスト756の細長空間内において回転することになる。スリーブ744の一部が、空所706内に置かれた骨に付着した軟質組織を把持するために、前面758からある距離だけ撹拌器726に向かって半径方向内方に延在している。
【0178】
各スリーブの溝752は、細長空間760の互いに向き合った側に配置された1対の切刃761を画定するように、形作られている(図47参照)。これらの切刃761は、関連するスリーブ744が回転中に把持または捕捉した軟質組織を切除するのに十分鋭利なものである。各スリーブ744は、骨にまだ付着している軟質組織と係合し、軟質組織を回転中に切刃761に押し当て、軟質組織を骨から切除するようになっている。撹拌器726は、軟質組織が付着した骨をスリーブ744の方に押し、溝付ネジによる軟質組織の把持および切刃761による軟質組織の対応する切除を容易にする。また、限定的ではあるが、溝付きスリーブ744は、単独で、骨から軟質組織を切除するように作用するようになっている。
【0179】
複数のワイヤブラシ762が、関連する溝付ネジ738を清浄にするために、各シェービングブロック718に固定されている。図示されている実施形態では、2つのワイヤブラシ762が、各シェービングブロック718に取り付けられている。各ブラシ762は、シェービングブロック718の上側板759に固定された第1の端764と、基部カラー755に隣接して配置された第2の端766とを有している。プラグ763(図46参照)が、シェービングブロック718の上側板759の開口765内に挿入されている。ワイヤブラシの第1の端764は、プラグ763の孔767内に圧入されている。プラグ763は、開口765内に圧入され、開口765内において第1の端をぴったりと保持しており、これによって、ブラシ762は、回転している溝付ネジ738に対して固定して保持されることになる。
【0180】
図39を参照すると、ワイヤブラシ762の各々は、金属またはガラス充填ナイロンのような殺菌可能なプラスチックから形成された細長の円筒状基体777を備えている。剛毛768は、好ましくは、ステンレス鋼のような金属から作製されている。剛毛768は、溝付ネジ738が空所706内で回転している間に、溝付ネジ738の溝752内に捕捉された軟質組織を取り除くものである。従って、剛毛768は、溝付ネジ738の溝752内に侵入するように、位置決めされている。剛毛768は、回転している溝付ネジ738がシェル704および固定された剛毛768に対して回転している間、シェル704に固定して保持されている。
【0181】
前述したように、基部702を貫通している孔708には、スピンドル710が配置されている。スピンドル710は、攪拌器726の第1の端728に係合した第1の端730から、(図示されているが、部番が付されていない)駆動モータのような駆動システムに嵌合する(正方形シャフト構成のような)特徴部を有する第2の端770まで延在している。図示されている実施形態では、駆動アセンブリ714は、スピンドル710に固定して取り付けられたピニオン歯車772をさらに備えている。歯車772は、動力をネジ738に伝達するために、溝付ネジ738の歯車750と嵌合するように構成されている。これによって、溝付ネジ738は、駆動システムが作動したとき、回転することができる。同時に、スピンドル710は、攪拌器726を回転させるために、動力を駆動システムから撹拌器726に伝達するようになっている。代替的に、攪拌器726の第1の端728および歯車772は、基部ユニット52によって作動されるように、位置合せピン110および歯112を介して、基部ユニットのスピンドルヘッド108に係合し、かつ回転可能に固定されるように、構成されていてもよい。
【0182】
図示されている実施形態では、歯車772と歯車750との歯車比は、1:1である。代替的な実施形態では、攪拌器726および溝付ネジ738の特定の望ましい相対的回転速度に依存して、異なる歯車比、例えば、1:2または1:3およびその逆の2:1または3:1の歯車比が用いられてもよい。
【0183】
操作中、未清浄骨は、まず、清浄化するために空所706内に置かれ、次いで、キャップ707が空所706を覆うように配置される。未清浄骨は、ミルヘッド60による処理の前に除去することが必要な骨に付着した軟質組織を含んでいる。次いで、駆動システムまたは(もしクリーニングヘッド700が基部ユニット52に取り付けられるなら)基部ユニット52が作動され、駆動アセンブリの回転および撹拌器726および溝付ネジ738の同時回転を開始することになる。その結果、攪拌器726が、骨を転動させて該骨を溝付ネジ738に押し付けるように、作用する。溝付ネジ738は、骨に付着した軟質組織を把持し、次いで、溝付ネジ738の溝752の特質によって、または軟質組織をシェービングブロック718の切刃761に押し当てることによって、軟質組織を骨から切除することになる。ワイヤブラシ762は、溝752から材料を除去することによって溝付ネジ738を清浄にするように、連続的に作用する。いったんクリーニングヘッド700が骨から軟質組織を十分に除去したなら、キャップ707が取り外され、清浄化された骨が、さらなる処理のために、鉗子または他の装置によって掴み取られることになる。次いで、クリーニングヘッド700は、清浄化されてもよいし、または廃棄されてもよい。
【0184】
図示されていないが、RFID270およびコイル271(図5)がクリーニングヘッド700の基部702内に埋設されていてもよいことを理解されたい。RFID270内のデータは、制御コンソール66によって、クリーニングヘッド700が取り付けられたときにシステムの基部ユニット52の操作を調整するのに、用いられることになる。
【0185】
[XI.第4の代替的クリーニングヘッド]
以下、図48および図49を参照して、第4の代替的クリーニングヘッド800について説明する。クリーニングヘッド800は、基部802を備えている。シェル804が基部802に取り付けられている。シェル804は、清浄化されることになる骨を受け入れるための空所806を画定している。1対のシールド805が、シェル804の互いに向き合った側において、基部802に固定されている。キャップ807が、空所806を覆うために、シェル804の上方において、シールド805の各々に取り付けられている。基部802、シェル804、およびキャップ807は、ヘッド56のシェル192,194を形成している材料と同じ材料から形成されていてもよい。代替的に、もしクリーニングヘッド800が一回使い捨て式ユニットであるなら、基部802、シェル804、およびキャップ807は、ポリカーボネートプラスチックのような殺菌可能なプラスチックから形成されていてもよい。
【0186】
図48および図49では、基部802は、基部ユニット52に係合するためのどのような特徴部も有していない矩形状のものとして示されている。従って、クリーニングヘッド800は、基部802が(図示されているが、部番が付されていない)別体の駆動システムに単純に取り付けられる独立型の骨クリーニングユニットであってもよい。しかし、代替的実施形態では、クリーニングヘッド800は、基部ユニット52によって作動されるようになっている。この実施形態では、基部802は、該基部802が基部ユニットのリップ78によって画定された円形空所内にすべり嵌合されることを可能とする外径を有している。この場合、第2の代替的クリーニングヘッド630と同様、基部802は、円形であり、(図示されていない)4つの互いに等角度で離間したノッチが、基部802の外周に沿って基部802の底から上方に延在している。これらのノッチは、クリーニングヘッド800が基部ユニット52上に着座したとき、台座歯84を受け入れるものである。溝642のような(図示されていない)溝が、基部802の外周面に沿って内方に延在している。基部802には、ノッチ644(1つが図32に示されている)のような基部802の外周面から内方に延在する(図示されていない)2つの直径方向において互いに向き合ったノッチがさらに形成されている。各ノッチは、基部ユニットの保持アーム86と一体のフィンガー88のそれぞれを受け入れるように、寸法決めされている。
【0187】
図48および図49の実施形態を再び参照すると、基部802は、該基部802を上下方向に貫通する貫通孔808を有している。孔808は、基部802の上下方向長軸を中心として配置されている。孔808には、スピンドル810が配置されている。スピンドル810は、クリーニングヘッド800の駆動アセンブリの一部をなしている。スピンドル810は、基部802に取り付けられた軸受812に回転可能に支持されている。クリーニングヘッド800が基部ユニット52によって作動される代替的実施形態では、スピンドル810は、存在せず、孔808は、基部ユニットのスピンドルヘッド108が該孔内で自在に移動し、クリーニングヘッド800に係合することができるように、寸法決めされている。
【0188】
図48を参照すると、シェル804は、外側バスケット814および外側バスケットから離間した内側バスケット816を備えており、これらのバスケット間に、間隙818が画定されている。図示されている実施形態では、外側バスケット814および内側バスケット816は、互いに固定され、かつスピンドル810に固定されており、スピンドル810の回転によって、バスケット814,816の両方が回転するようになっている。外側バスケット814は、底部820を有している。底部820は、スピンドル810の円板824を受け入れるために該底部内に画定された環状空洞822を有している。円板824は、(図示されていない)固定具によって、外側バスケット814に固定されている。基部802は、外側バスケット814の底部820を受け入れるためのポケット807を画定している。(図示されていない)ローラ軸受が介装されている1対のワッシャー821が、外側バスケット814を基部802に対して回転可能に支持するために、ポケット807内において、基部802と外側バスケット814との間に着座されている。シールド805は、ユーザを回転しているシェル804から保護するものである。
【0189】
内側バスケット816は、底板826を有している。管状スリーブ828が、底板826から上方に延在している。スリーブ828は、開端830を有しており、該開端を通って、清浄化されることになる骨がバスケット816内に置かれるようになっている。スリーブ828は、複数の開口832を備えている。各開口832は、切起こされた内方を向いた(図示されていない)スカロップによって画定されている。ミル要素のスカロップ336と同様である各スカロップは、隣接する開口832を画定する鋭利な刃を有している。従って、スカロップを画定している開口832は、スリーブ828に卸し金(grater)と同様の形状をもたらしている。ここで、スカロップがバスケットの長軸に向かって内向きになっているので、スリーブ828の内壁が、内側バスケット816の卸し金面である。開口832は、骨が該開口を通るのを阻止するのに十分小さいが、骨を把持し、または少なくとも部分的に捕捉し、かつ一時的に保持し、該骨を内側バスケット816の内面834の周りに転動させるのに十分大きくなるように、寸法決めされ、かつ構成されている。底板826は、代替的実施形態では、同じような開口を備えていてもよいが、図示の実施形態では、中実体である。
【0190】
ブラシ840の形態にあるクリーニング要素840が、内側バスケット816の内面834に対して転動している骨に係合するために、空所806内に回転可能に支持されている。ブラシ840は、空所806の外側に配置された第1の端842と、空所806の内側に配置された第2の端844を有している。ブラシ840は、金属またはガラス充填ナイロンのような殺菌可能なプラスチックから形成された細長の円筒状基体846を備えている。剛毛848が、接着剤847、例えば、エポキシ接着剤によって、基体846に付着されている。製造では、接着剤847が最初に基体846の円筒外面の全体に塗布される。接着剤が硬化される前に、剛毛848が接着剤847内に移植される。剛毛848は、好ましくは、ステンレス鋼のような金属から作製されている。剛毛848は、骨が開口832を介して内側バスケット816によって摩擦的に取り込まれている間に、骨を掴み、骨から軟質組織を引き裂くようになっている。開口832によって除去された軟質組織は、外側バスケット814と内側バスケット816との間の間隙818内に捕捉されるようになっている。図48において、ブラシ840は、中心軸の周りに回転するために、空所806の略中心に配置された状態で示されている。他の実施形態では、ブラシ840は、空所806の中心軸からずれた軸の周りに配置されており、ブラシ840も同じように、シェル804に対して鋭角で配置されている。
【0191】
前述したように、基部802を貫通している孔808には、スピンドル810が配置されている。スピンドル810は、円板824から(図示されているが、部番が付されていない)駆動モータのような駆動システムに嵌合するための(正方形シャフト構成のような)特徴部を有する端850まで延在している。図示されている実施形態では、スピンドル810は、外側バスケット814および内側バスケット816の両方に回転可能に固定されており、これによって、動力を駆動システムからバスケット814,816に伝達させ、駆動システムが作動状態にあるとき、バスケット814,816を回転させることができるようになっている。代替的に、円板824は、位置合せピン110および歯112を介して、基部ユニットのスピンドルヘッド108に係合し、かつ回転可能に固定されるように、構成されていてもよい。その結果、クリーニングヘッド800は、基部ユニット52によって作動可能である。
【0192】
図示されている実施形態では、空所806内のブラシ840を回転させるために、(図示されているが、部番が付されていない)別体の駆動システムが、ブラシ840の第1の端842に係合されている。この別体の駆動システムは、ブラシ840をバスケット814,816の回転の方向と逆の方向に回転させるようになっている。代替的に、ブラシ840は、同一回転速度または異なる回転速度のいずれかで、バスケット814,816と同じ方向に回転されてもよい。この別体の駆動システムは、空所806の上方において基部802に固定された静止ヘッドとすることができ、モータが空所806の上方において該静止ヘッド内に配置されることになる。
【0193】
他の実施形態では、バスケット814,816を回転させる同じ駆動システムが、ブラシ840も回転させるようになっている。図49Aを参照すると、このような実施形態では、スピンドル810aは、シェル804aの中心からずれて配置されているとよい。このスピンドル810aは、ピニオン歯車860を備えている。ピニオン歯車860は、外側バスケット814aおよび内側バスケット816aを回転させるために、底壁820a内に画定された環状空洞822a内において歯862と係合している。別体のピニオン歯車864が、ブラシ840aの第1の端842aに取り付けられている。従って、スピンドル810aが第1の方向に回転すると、外側バスケット814aおよび内側バスケット816aも第1の方向に回転し、その一方、ブラシ840aは、第1の方向と逆の第2の方向に回転することになる。従って、スピンドル810a、歯車860、歯862、および歯車864は、クリーニングヘッドの駆動アセンブリを構成することになる。歯車860,864と歯862との間の歯車比は、ブラシ840aの回転速度がバスケット814a,816aの回転速度よりも実質的に早くなるように、選択されている。いくつかの例では、ブラシの回転速度は、5,000〜10,000RPMであり、バスケット814a,816aの回転速度は、1000RPM未満、多くの場合、500RPM未満、可能であれば、100RPM以下である。従って、バスケット814,814a,816,816aに対するブラシ840,840aの回転速度の比率は、約5:1から約100:1の範囲内にある。
【0194】
操作中、まず、未清浄骨が清浄化するための空所806内に置かれ、次いで、キャップ807が空所806を覆うように配置される。未清浄骨は、ミルヘッド60による処理の前に除去することが必要な軟質組織を含んでいる。次いで、駆動システムまたは(もしクリーニングヘッド800が基部ユニット52に取り付けられるなら)基部ユニット52が作動され、スピンドル810,810aの回転、続いて、シェル814,814a,816,816aの回転を開始させることになる。もしブラシ840aがスピンドル810aに接続されているなら、ブラシ840aも回転されることになる。代替的に、ブラシ駆動システムが、好ましくは、バスケット814,814a,816,816aと反対の方向にブラシ840を回転するようになっていてもよい。内側バスケット816,816aおよび内側バスケット816,816a内の開口832が、骨を掴み、かつ転動させるように、作用する。ブラシ840,840aの剛毛848が、骨に付着された軟質組織を把持し、引裂くことになる。いったんクリーニングヘッド800が骨から軟質組織を十分に除去したなら、キャップ807が取り外され、清浄化された骨が、さらなる処理のために、鉗子または他の装置によって掴み取られることになる。次いで、クリーニングヘッド800は、清浄化されてもよいし、または廃棄されてもよい。いくつかの例では、内側バスケット816,816aおよびブラシ840,840aは、廃棄され、残りの構成要素は、殺菌され、再使用されるようになっている。
【0195】
図示されていないが、RFID270およびコイル271(図5)がクリーニングヘッド800の基部802内に埋設されていてもよいことを理解されたい。
【0196】
[XII.第5の代替的クリーニングヘッド]
以下、図50および図51を参照して、第5の代替的クリーニングヘッド900について説明する。クリーニングヘッド900は、基部902を備えている。基部902のリング状区域904が、基部902の底区域905から上方に突出している。空洞906が、突出しているリング状区域904から半径方向内方に画定されている。シェル908が、リング状区域904を囲み、かつ空洞906の上方に位置するように、複数の固定具907を用いて、基部902に取り付けられている。基部902およびシェル908は、ヘッド56のシェル192,194を形成している材料と同じ材料から形成されていてもよい。代替的に、もしクリーニングヘッド900が一回使い捨て式ユニットであるなら、基部902およびシェル908は、ポリカーボネートプラスチックのような殺菌可能なプラスチックから形成されていてもよい。
【0197】
図50および図51では、基部902の底区域905は、基部ユニット52に係合するためのどのような特徴部も有していない矩形状のものとして示されている。従って、クリーニングヘッド900は、基部902が(図示されているが、部番が付されていない)別体の駆動システムに単純に取り付けられる独立型の骨クリーニングユニットであってもよい。しかし、他の実施形態では、基部902は、基部ユニット52によって作動されるために、基部ユニット52に取り付けられるようになっている。この場合、基部902は、該基部902が基部ユニットのリップ78によって画定された円形空所内にすべり嵌合されることを可能にする外径を有している。第2の代替的クリーニングヘッド630と同様、基部902は、円形であり、(図示されていない)4つの互いに等角度で離間したノッチが、基部902の外周に沿って基部902の底から上方に延在している。これらのノッチは、クリーニングヘッド900が基部ユニット52上に着座したとき、台座歯84を受け入れるものである。溝642のような(図示されていない)溝が、基部902の外周面に沿って内方に延在している。基部902は、ノッチ644(1つが図32に示されている)のような基部902の外周面から内方に延在する(図示されていない)2つの直径方向において互いに向き合ったノッチを有するように、さらに形成されている。各ノッチは、基部ユニットの保持アーム86と一体のフィンガー88のそれぞれを受け入れるように、寸法決めされている。
【0198】
図51を参照すると、基部902が該基部902を上下方向に貫通している貫通孔909を有していることが分かるだろう。孔909は、基部902の上下方向の長軸を中心として配置されている。孔909には、スピンドル910が配置されている。スピンドルは、基部902に取り付けられた軸受912によって回転可能に支持されている。スピンドル910は、クリーニングヘッド900の駆動アセンブリの一部をなしている。クリーニングヘッド900が基部ユニット52に取り付けられる実施形態では、スピンドル910が存在せず、孔909は、基部ユニットのスピンドルヘッド108が該孔内で自在に移動し、クリーニングヘッド900に係合することを可能にするように、寸法決めされている。
【0199】
クリーニングヘッド900は、クリーニング要素として機能する回転卸し金ディスク914を備えている。卸し金ディスク914は、好ましくは、ステンレス鋼から形成されている。卸し金914は、ディスク状であり、該ディイスクの中心の周りに配置された(部番が付されていない)開口を有している。これらの開口は、スピンドル板916と一体の(部番が付されていない)歯と係合するように、位置決めされ、かつ形作られている。スピンドル910へのディスク918とディスク914との係合によって、これらのディスクは、スピンドルと一体に回転することができる。補強ディスク918が、円板916と卸し金ディスク914との間に配置されている。卸し金ディスク914は、骨から軟質組織を削ぎ落とすように構成された複数の開口920を備えている。補強ディスク918は、より大きい開口922を備えている。開口922は、削ぎ落とされた軟質組織片が該開口を通って基部902のシュート924を介してクリーニングヘッド900の外に落下することができるように、寸法決めされている。ディスク914,918の両方は、スピンドル910と共に回転するために、スピンドル910に回転可能に固定されている。
【0200】
図51Aに最もよく示されている卸し金ディスク開口920は、ディスク914上において、互いに角度的に離間した円弧群に配置されている。従って、卸し金ディスク914は、開口920のない多数の円弧区域を有している。これによって、卸し金ディスク914の機械的強度が高められることになる。開口920が形成されている卸し金ディスク914の区域は、より大きい開口922が配置されている補強ディスク918の区域の上に拡がっている。従って、すり潰された組織は、卸し金ディスク開口920および補強ディスク開口922の両方を通って落下することになる。開口920の寸法は、未清浄骨に存在している軟質組織および破片が削ぎ落とされ、かつ除去され、骨を清浄にするが、骨自体は損傷されず、または使用できる状態よりも小さくならないように、決められている。換言すれば、開口920は、ミルヘッド60のミル要素62のように骨を粉砕しないように、寸法決めされ、かつ形作られている。一実施形態では、開口920は、幅よりも長さが大きい矩形状になっている(図51A参照)。さらに特定の実施形態では、開口920は、0.39cm(0.1インチ)以下の長さ×1.3cm(0.5インチ)以下の幅の大きさを有している。互いに隣接している開口920は、行および列において、互いに平行に離間している。行間の隙間は、略0.2cm(0.08インチ)以下であり、列間の隙間は、略0.1cm(0.04インチ)以下である。
【0201】
部番が付されていないが、卸し金ディスク914には、円弧状に互いに離間した多数の半径方向外方に延在するタブが形成されていることが、図51Aから分かるだろう。ディスク914の組立中、卸し金ディスク914は、補強ディスク918の上に置かれることになる。卸し金ディスクのタブは、下側の補強ディスク918の露出面の上で該露出面に対して曲げられるようになっている。タブは、一体アセンブリとして、ディスク914,918を一緒に保持することになる。
【0202】
開口926が、卸し金ディスク914の上方に位置するように、シェル908内に画定されている。プランジャーハウジング930が、複数の固定具907aを用いて、開口926を囲むようにシェル908に取り付けられている。プランジャーハウジング930は、プランジャー通路934を画定するシュート932を有している。シュート932の一端は、シェル開口926の外周に沿って当該外周内に延在している。シェル908に対して配置されたシュートの一端の上方の位置において、フランジ936がシュートから外方に延在している。このフランジ936が、シェル908に取り付けられている。シュート932は、清浄化されることになる骨材を受け入れるための空所938をシェル開口926の上方に画定している。キャップ915が、プランジャー通路934を覆っている。
【0203】
シュート932内に着座したプランジャー940が、骨からの軟質組織の除去を容易にするために、骨を卸し金ディスク914に押し付けるようになっている。プランジャー940は、プランジャーヘッド942を備えている。プランジャーヘッド942は、プランジャー通路934内に摺動可能に嵌合するために、プランジャー通路934の内周よりもいくらか小さい外周を有するように、寸法決めされている。シャフト944が、プランジャーヘッド942に固定された第1の端946を有している。ハンドル948が、シャフト944の第2の端950に固定されている。シャフト944は、通路934内のプランジャーヘッド942からハンドル948まで延在している。シャフト944は、キャップ915内に延在し、該キャップ内にすべり込むことが可能となっている。
【0204】
バネ952が、キャップ915とプランジャーヘッド942との間でシャフト944の周りに配置されている。バネ952は、骨を卸し金ディスク914に対して押圧するために、プランジャーヘッド942を骨に向かって下方に付勢するものである。プランジャー940は、手動または自動のいずれかによって、作動されるようになっている。
【0205】
前述したように、基部902を貫通している孔909には、スピンドル910が配置されている。スピンドル910は、円板916から(図示されているが、部番が付されていない)駆動モータのような駆動システムと嵌合するための(正方形シャフト構成のような)特徴部を有する端960まで延在している。図示されている実施形態では、スピンドル910は、ディスク914,918の両方に回転可能に固定されており、動力を駆動システムからディスク914,918に伝達し、これによって、駆動システムが作動状態にあるとき、ディスク914,918を回転させることができる。代替的に、クリーニングヘッド900が基部ユニット52に取り付けられる実施形態では、スピンドル910が存在せず、ディスク914,918は、位置合せピン110および歯112を介して、基部ユニットのスピンドルヘッド108に係合し、かつ回転可能に固定されるようになっている。
【0206】
操作中、まず、未清浄骨が清浄化するための空所938内に置かれ、次いで、キャップ915が空所938を覆うように配置される。未清浄骨は、ミルヘッド60による処理の前に除去することが必要な骨に付着した軟質組織を含んでいる。次いで、駆動システムまたは(もしクリーニングヘッド900が基部ユニット52に取り付けられるなら)基部ユニット52が作動され、スピンドル910の回転、続いて、ディスク914,918の回転を開始させることになる。バネ952が、プランジャー936を下方に押し、これによって、プランジャーヘッド942が骨を卸し金ディスク914に押圧することになる。卸し金ディスク914は、開口920を画定するスカロップ縁によって、骨から軟質組織を切除することになる。
【0207】
クリーニングヘッド900の操作中、ユーザは、プランジャーヘッド942を骨に対して保持しているバネ952の力を取り除くために、ハンドル948を周期的に引っ張るようになっている。その結果、骨材は、ディスク914,918と共に回転することになる。骨材が回転するのと殆ど同時に、骨は、開口926を画定しているシェル908の内壁に押し付けられる。シェルに対する骨材のこの当接およびその下側の卸し金ディスク914の回転によって、骨は、開口926内で転動することになる。プランジャーへの手動による力が解放されると、バネ952は、プランジャーヘッド942を骨に対して元の位置に戻すことになる。骨が転動しているので、このとき、骨の異なる面が清浄化するための卸し金ディスクに押し付けられることになる。
【0208】
いったんクリーニングヘッド900が骨から軟質組織を十分に除去したなら、キャップ915が取り外され、清浄化された骨が、さらなる処理のために、鉗子または他の装置によって掴み取られることになる。次いで、クリーニングヘッド900は、清浄化されるかまたは廃棄されることになる。いくつかの例では、ディスク914,918およびプランジャー918のみが廃棄され、残りの部品は、殺菌され、再使用されるようになっている。
【0209】
ここでも、RFID270およびコイル271(図5)が、前述した機能を果たすために、クリーニングヘッドの基部902内に埋設されていてもよい。
【0210】
また、骨を卸し金ディスク914に連続的に繰り返し押し付け、骨の各表面がディスクに押圧されるように骨を転動させる代替的な構造が、用いられてもよい。例えば、本発明のいくつかの態様では、バネ952が省略されてもよい。本発明のこれらの態様では、クリーニングヘッド900が作動されたとき、クリーニング操作を行う技師が、プランジャー940の押込みおよび後退を繰り返すことになる。プランジャーの押込みによって、プランジャーヘッド942が骨を卸し金ディスク914に押し付けることができる。プランジャー940の後退によって、骨を転動させることができる。プランジャー940を引き上げ、かつ押し込むために、カムアセンブリのような機械的装置が用いられてもよい。この機械的な装置は、プランジャー940に対して作用するバネ952を備えている本発明の態様および該バネ952を備えていない本発明の態様のいずれに用いられてもよい。
【0211】
骨をクリーニングディスクに押し付けるために手動力を用いる本発明の態様では、この力の大きさを制限する機構が設けられるとよい。骨がディスク914に押し付けられることによって、骨が意図されずに粉砕される可能性を最小限に抑えることが望ましい。このような力を制限する構成要素の1つは、一端がキャップに接続され、第2の端がプランジャーヘッドに接続されたバネである。このバネは、プランジャーヘッドをディスクに付勢させずに、該ヘッドをディスクの上方に保持するように、寸法決めされている。その結果として、手動力は、骨をディスクに押し付けるためにプランジャーヘッドを下方に押圧しているバネ力を解消するためにのみ、加えられることになる。すなわち、バネ力は、清浄化プロセス中に、技師がプランジャーヘッドに加えることができる手動力を減衰させるように働く。
【0212】
本発明のさらに他の形態では、卸し金ディスク914は、1つまたは複数のリブを有するように、形成されていてもよい。各リブは、ディスクの表面から上方に延在しており、これらのリブに対して、骨材が押し込まれることになる。ディスクが回転すると、1つまたは複数のリブが、骨材の下で回転する。骨材の下でのこのリブの移動によって、シェル開口926内において、骨は、少なくとも部分的に回転かつ転動するように、付勢されることになる。ここでも、本発明のこの態様は、プランジャー940に対して作用するバネ952を備えていてもよいし、または備えていなくていなくてもよい。もしバネが存在しているなら、このバネは、加えられたバネ力が骨を押し上げているディスクリブの作用によって解消されるように、選択されることになる。
【0213】
代替的に、1つまたは複数の柔軟タブが、卸し金ディスクに形成されていてもよい。例えば、タブは、開口のないディスクの円弧区域に形成されているとよい。タブの表面は、ディスクの開口を画定している区域から上方に傾斜している。ディスクが回転すると、骨は、タブの傾斜面に乗り上がることになる。タブの柔軟性によって、タブおよび骨は、少なくとも部分的に骨を卸し金ディスクに保持する力に打ち勝つことができる。ディスクが継続して回転すると、骨がタブの上端から落下する。骨のこのような落下、具体的には、転動落下によって、骨の他の面が、清浄化のための卸し金ディスクに向けられることになる。
【0214】
[XIII.第6の代替的クリーニングヘッド]
図52および図53は、第6の代替的クリーニングヘッド1000を示している。クリーニングヘッド1000は、プランジャー940が突当板1052に置き換えられている以外、クリーニングヘッド900と同様である。突当板1052は、骨を卸し金開口に圧縮するものである。クリーニングヘッド1000は、基部1002を備えている。基部1002のリング状区域1004が、基部1002の底区域1005から上方に突出している。空洞1006が、突出しているリング状区域1004から半径方向内方に画定されている。シェル1008が、空洞1006の上方に位置するように、基部1002のリング状区域1004の頂部に取り付けられている。基部1002およびシェル1008は、ヘッド56のシェル192,194を形成している材料と同じ材料から形成されていてもよい。代替的に、もしクリーニングヘッド1000が一回使い捨て式ユニットであるなら、基部1002およびシェル1008は、ポリカーボネートプラスチックのような殺菌可能なプラスチックから形成されていてもよい。
【0215】
基部1002の底区域1005は、図50および図51に関して述べた基部902の底区域905と同様である。従って、クリーニングヘッド1000は、基部1002が(図示されているが、部番が付されていない)別体の駆動システムに単純に取り付けられる独立型の骨クリーニングユニットであってもよい。代替的に、基部1002は、クリーニングヘッド1000が基部ユニット52によって作動されるように、基部ユニット52と共に用いられるように構成されていてもよい。この実施形態では、基部1002は、基部ユニット1002が基部ユニットのリップ78によって画定された円形空所内にすべり嵌合されることを可能とする外径を有している。第2の代替的クリーニングヘッド630と同様、基部1002は、円形であり、(図示されていない)4つの互いに等角度で離間したノッチが、基部1002の外周に沿って基部1002の底から上方に延在している。これらのノッチは、クリーニングヘッド1000が基部ユニット52上に着座したとき、台座歯84を受け入れるものである。溝642のような(図示されていない)溝が、基部1002の外周面に沿って内方に延在している。基部1002は、ノッチ644(1つが図32に示されている)のような基部1002の外周面から内方に延在する(図示されていない)2つの直径方向において互いに向き合ったノッチを有するように、形成されている。各ノッチは、基部ユニットの保持アーム86と一体のフィンガー88のそれぞれを受け入れるように、寸法決めされている。
【0216】
図52および図53を再び参照すると、基部1002は、基部1002を上下方向に貫通する(図示されていないが、図51に示されている孔909と同じである)貫通孔を有している。この孔は、基部1002の上下方向の長軸を中心として配置されている。この孔には、(図示されていないが、図51に示されているスピンドル910と同じである)スピンドルが配置されている。スピンドルは、基部1002に取り付けられた(図示されていないが、図51に示されている軸受912と同じである)軸受によって回転可能に支持されている。スピンドルは、クリーニングヘッド1000の駆動アセンブリの一部をなしている。クリーニングヘッド1000が基部ユニット52に取り付けられ、該基部ユニット52によって作動される実施形態では、スピンドルが存在せず、孔は、基部ユニットのスピンドルヘッド108が該孔内で自在に移動し、クリーニングヘッド1000に係合することを可能にするように、寸法決めされている。
【0217】
回転卸し金1014の形態にあるクリーニング要素1014が、空洞1006内に配置されている。卸し金1014は、好ましくは、ステンレス鋼から形成されている。卸し金1014は、ディスク状であり、スピンドルと共に回転するために、スピンドルの(図示されていないが、図51に示されている円板916と同じである)円板に係合するための特徴部を有している。補強ディスク1018が、円板と卸し金ディスク1014との間に配置されている。卸し金ディスク1014は、複数の開口1020を備えている。各開口1020の周囲は、(部番が付されていない)切起しスカロップによって画定されている。開口を画定しているスカロップの縁が、骨から軟質組織を削ぎ落とすことになる。補強ディスク1018は、より大きい開口1022を備えている。開口1022は、削ぎ落とされた軟質組織片が、該開口を通って、基部1002のシュート1024を介してクリーニングヘッド1000の外に落下することができるように、寸法決めされている。ディスク1014,1018は、いずれも、スピンドル1010に回転可能に固定されており、操作中にスピンドル1010と共に回転するようになっている。
【0218】
開口1020は、好ましくは、卸し金ディスク1014上において周方向に互いに離間した領域に限定されている。従って、開口1020は、卸し金ディスク1014の全体にわたって形成されていない。これによって、卸し金ディスク1014の強度が高められることになる。これらの互いに離間した領域は、補強ディスク1018のより大きい開口1022に重なっており、これによって、ディスク1014,1018を通る削ぎ落とされた軟質組織の移動がさらに容易になる。開口1020の寸法は、未清浄骨に存在する軟質組織および破片が削ぎ落とされ、かつ除去され、これによって骨を清浄化するが、骨自体は損傷されず、または使用できる状態よりも小さくならないように、決められている。換言すれば、開口1020は、ミルヘッド60のミル要素62のように骨を粉砕しないように、寸法決めされ、かつ形作られている。一実施形態では、開口1020は、幅よりも長さが大きい矩形状になっている(図51A参照)。さらに特定の実施形態では、開口1020は、0.39cm以下の長さ×1.3cm以下の幅の大きさを有している。互いに隣接している開口1020は、行および列において、互いに平行に離間している。行間の隙間は、略0.2cm以下であり、列間の隙間は、略0.1cm以下である。
【0219】
開口1026が、卸し金ディスク1014の上方において、シェル1008を貫通するように画定されている。キャップ1015が、骨用の空所1017を画定するように、開口1026を部分的に覆っている。キャップ1015は、シェル1008をキャップ1015と基部10012との間に挟んで、固定具1007によって基部1002に取り付けられている。この実施形態における空所1017は、キャップ1015の下方かつ卸し金ディスク1014の上方において、シェル1008の半径方向内方に画定されている。キャップ1015は、空所1017の一部に重なる開口1030をさらに有している。
【0220】
突当機構が、卸し金ディスク1014の上方において、開口1030内に配置されている。突当機構は、骨を卸し金ディスク1014に押し付ける板1052を備えている。板1052は、柔軟性を有している。突当機構は、固定具1043によってブラケット1044に取り付けられたブロック1045を備えている。ブラケット1044は、固定具1046によって、基部1002に固定されている。ブロック1045には、板1052が取り付けられたシャフト1050を受け入れるための長孔1048が形成されている。シャフト1050の一端が、ブロックの長孔1048内に着座されている。止めネジ1049が、シャフト1050を長孔1048の所定の回転位置に保持している。突当板1052は、シャフト1050の第2の端に固定して装着されている。止めネジ1049によって、突当板1052と卸し金ディスク1014との間の角度関係を種々の用途および種々の骨サイズに対して変更することが可能である。第2のキャップ1019が、ブロック1045を覆って延在している。第2のキャップ1019には、突当板1052の一区域を受け入れるように寸法決めされた長孔1021が形成されている。
【0221】
前述したように、基部1002を貫通している孔には、スピンドルが配置されている。スピンドルは、円板から、(図示されているが、部番が付されていない)駆動モータのような駆動システムと嵌合するための(正方形シャフト構成のような)特徴部を有する(図示されていないが、図51の端960と同じである)端まで、延在している。図示されている実施形態では、スピンドルは、ディスク1014,1018の両方に回転可能に取り付けられており、動力を駆動システムからディスク1014,1018に伝達させ、これによって、駆動システムが作動状態にあるとき、ディスク1014,1018を回転させるようになっている。代替的に、クリーニングヘッド1000が基部ユニット52によって作動される実施形態では、ディスク1014、1018は、位置合せピン110および歯112を介して基部ユニットのスピンドルヘッド108に係合し、かつ回転可能に取り付けられるように、構成されている。
【0222】
骨材を清浄にするために、まず、骨が空所1017内に置かれる。次いで、キャップ1015が空所1017を覆うように置かれる。この後、駆動システムまたは(もしクリーニングヘッド1000が基部ユニット52に取り付けられるのなら)基部ユニット52が作動され、スピンドルの回転、続いて、ディスク1014,1018の回転を開始させることになる。骨は、骨が突当板1052の下方で回転するまで、卸し金と共に回転する。突当板の表面は、ディスク1014の方を向いている。最初、突当板は、骨を卸し金ディスク1014に対して保持している。この保持作用が骨をクリーニングディスクに押し付け、これによって、ディスクが骨から軟質組織を除去することになる。しかし、突当板は、柔軟性を有している。その結果、ディスクは、骨を突当板1052の下方および両側に押すことができる。骨のこの移行中、突当板が撓むことを理解されたい。骨が突当板の下方に移行すると、該骨は、突当板1052の底縁によって瞬間的に捕捉される。突当板1052が静止状態に弾性的に戻ると、該板は、骨を卸し金ディスクの上方において回転させる。これによって、骨の異なる面がディスクに向けられることになる。いったんクリーニングヘッド1000が骨から軟質組織を十分に除去したなら、キャップ1015が取り外され、清浄化された骨が、さらなる処理のために、鉗子または他の装置によって掴み取られる。次いで、クリーニングヘッド1000は、清浄化されてもよいし、または廃棄されてもよい。いくつかの例では、ディスク1014,1018のみが廃棄され、残りの構成要素は、殺菌され、再使用されるようになっている。
【0223】
[XIV.第7の代替的クリーニングヘッド]
以下、図54〜図56を参照して、第7の代替的クリーニングヘッド1100について説明する。クリーニングヘッド1100は、基部1102を備えている。基部1102のリング状区域1104が、基部1002の底区域1105から上方に延在している。空洞1106が、突出しているリング状区域1004から半径方向内方に画定されている。シェル1108が、空洞1106の上方に位置するように、基部1102のリング状区域1104の頂部に取り付けられている。基部1102およびシェル1108は、ヘッド56のシェル192,194を形成している材料と同じ材料から形成されていてもよい。代替的に、もしクリーニングヘッド1100が一回使い捨て式ユニットであるなら、基部1102およびシェル1108は、ポリカーボネートプラスチックのような殺菌可能なプラスチックから形成されていてもよい。
【0224】
図54では、基部1102の底区域1105は、基部ユニット52に係合するためのどのような特徴も有していない矩形状のものとして示されている。従って、クリーニングヘッド1100は、基部1102が(図示されているが、部番が付されていない)別体の駆動システムに単純に取り付けられる独立型の骨クリーニングユニットであってもよい。しかし、他の実施形態では、基部1102は、基部ユニット52内に着座され、基部ユニット52によって作動されるように、構成されていてもよい。これらの実施形態では、基部1102は、基部ユニットのリップ78によって画定された円形空所内にすべり嵌合されることを可能にする外径を有している。この場合、第2の代替的クリーニングヘッド630と同様、基部1102は、円形であり、(図示されていない)4つの互いに等角度で離間したノッチが、基部1102の外周に沿って基部1102の底から上方に延在している。これらのノッチは、クリーニングヘッド1100が基部ユニット52上に着座したとき、台座歯84を受け入れるものである。溝642のような(図示されていない)溝が、基部1102の外周面に沿って内方に延在している。基部1102には、ノッチ644(1つが図32に示されている)のような基部1102の外周面から内方に延在する(図示されていない)2つの直径方向において互いに向き合ったノッチがさらに形成されている。各ノッチは、基部ユニットの保持アーム86と一体のフィンガー88のそれぞれを受け入れるように、寸法決めされている。
【0225】
図54〜図56を再び参照すると、基部1102は、該基部1102を上下方向に貫通する貫通孔1109を有している。孔1109は、基部1102の上下方向の長軸を中心として配置されている。孔1109には、スピンドル1110が配置されている。スピンドル1110は、基部1102に取り付けられた軸受1112に回転可能に支持されている。スピンドル1110は、クリーニングヘッド1100の駆動アセンブリの一部をなしている。クリーニングヘッド1100が基部ユニット52に取り付けられる実施形態では、孔1109は、基部ユニットのスピンドルヘッド108が孔1109内で自在に移動し、クリーニングヘッド1100に係合することを可能にするように、寸法決めされている。
【0226】
回転卸し金1114の形態にあるクリーニング要素が、空洞1106内に配置されている。卸し金1114は、好ましくは、ステンレス鋼から形成されている。卸し金1114は、ディスク状であり、スピンドル1110と共に回転するために、スピンドル1110の円板1116に係合するための特徴部を有している。補強ディスク1119が、円板1116と卸し金ディスク1114との間に配置されているよい。卸し金ディスク1114は、骨から軟質組織を削ぎ落とすように構成された複数の開口1120を備えている。削ぎ落とされた組織は、その後、開口1120を通って、基部1102の開口1124を介してクリーニングヘッド1100の外に落下することになる。ディスク1114は、スピンドル1110に回転可能に取り付けられ、操作中にスピンドル1110と共に回転するようになっている。
【0227】
開口1120は、好ましくは、卸し金ディスク1114上において周方向に互いに離間した領域に限定されている。従って、開口1120は、卸し金ディスク1114の全体にわたって形成されていない。これによって、卸し金ディスク1114の強度が高められることになる。開口1120の寸法は、未清浄骨に存在する軟質組織および破片が削ぎ落とされ、かつ除去され、これによって骨を清浄化するが、骨自体は損傷されず、または使用できる状態よりも小さくならないように、決められている。換言すれば、開口1120は、ミルヘッド60のミル要素62のように骨を粉砕しないように、寸法決めされ、かつ形作られている。一実施形態では、開口1120は、幅よりも長さが大きい矩形状になっている(図51A参照)。さらに特定の実施形態では、開口1120は、0.39cm以下の長さ×1.3cm以下の幅の大きさを有している。互いに隣接している開口1120は、行および列において、互いに平行に離間している。行間の隙間は、略0.2cm以下であり、列間の隙間は、略0.1cm以下である。
【0228】
開口1126が、卸し金ディスク1114の上方において、シェル1108を貫通するように画定されている。キャップ1115が、骨用の空所1117を画定するように、開口1126を部分的に覆っている。キャップ1115は、固定具1107によって、基部に取り付けられている。シェル1108は、をキャップ1115と基部1112との間に挟まれている。この実施形態における空所1117は、キャップ1115の下方かつ卸し金ディスク1114の上方において、シェル1108の半径方向内方に画定されている。キャップ1115は、空所1117の一部と重なる開口1130をさらに有している。
【0229】
プランジャー1140が、クリーニングヘッド1100に移動可能に取り付けられている。プランジャー1140は、一端にヘッド1114が取り付けられたハンドル1142を有している。プランジャーヘッド1144は、最小クリアランスで開口1130内に嵌合するために、開口1130よりもいくらか小さく寸法決めされ、開口1130と同様の形状を有している。プランジャーヘッド1144は、骨を卸し金ディスク1114に押し付けるために、(図示されている)手動操作または(図示されていない)自動操作によって、開口1130内で往復運動するようになっている。プランジャー1140は、好ましくは、ステンレス鋼または殺菌可能なプラスチックから形成されている。
【0230】
第2のクリーニング要素である溝付ネジ1150が、空所1117内に配置されている。シェービングブロック1152が、溝付ネジ1150を回転可能に支持している。シェービングブロック1152は、キャップ1115の別の開口1154内に配置されている。シェービングブロック1152は、空所1117の略中心に配置されているが、他の実施形態では、第3の代替的クリーニングヘッド700と同じように、空所1117の周囲に配置されていてもよい。追加的な溝付ネジ1150が用いられてもよい。図示されている実施形態では、溝付ネジ1150は、貫通孔1162を画定するスリーブ1160を備えている。スリーブ1160は、好ましくは、スピンドル1110と共に回転するために、スピンドル1110に固定されている。スリーブ1160は、複数の溝1164を画定している。溝1164は、骨を清浄化するために、回転中に、空所1117内の骨の把持および骨からの軟質組織の引裂を容易にするものである。溝付ネジ1150は、好ましくは、ステンレス鋼によって形成されている。
【0231】
図56を参照すると、シェービングブロック1152は、好ましくは、ステンレス鋼から形成されている。シェービングブロック1152は、開口1154を囲むようにキャップ1115に取り付けられたフランジ1170を有している。シェービングブロック1152の壁1172は、開口1154を貫通し、卸し金ディスク1114の回転を妨げないように、卸し金ディスク1114のいくらか上方に懸垂されている。壁1172の底と卸し金ディスク1114との間の間隙は、どのような骨も下方に通過させるのに十分小さくなっている。細長の空間1174が、溝付ネジ1150を受け入れるように壁1172内に画定されている。溝付ネジ1150は、壁1172内の細長の空間1174内で回転することになる。溝付ネジ1150の第1の端は、シェービングブロック1152に回転可能に取り付けられており、溝付ネジ1150の他端は、スピンドル1110に固定されている。溝付ネジ1150の一部が、空所1117内に配置された骨に付着した軟質組織を把持するために、壁1172の前面1176から離れる方にいくらか延在している。
【0232】
シェービングブロック1152は、細長の空間1174の互いに向き合った側に位置する1対の切刃1178を画定するように、形作られている(図56参照)。これらの切刃1178は、溝付ネジ1150が回転中に把持または捕捉した軟質組織を切除するのに十分鋭利になっている。換言すれば、溝付ネジ1150は、骨から軟質組織を切除するために、回転中に、骨にまだ付着している軟質組織と係合し、該軟質組織を切刃1178に押し当てるようになっている。プランジャーヘッド1144は、骨を溝付ネジ1150に付勢するように設計されている。骨をネジ1150に当接させる結果として、骨に付着した軟質組織は、溝間の空間内に押し込まれることになる。ネジ1150が回転すると、ネジ1150内に捕捉された組織は、切刃1178に対して回転する。組織が捕捉されたネジを続けて回転させることによって、切刃が骨から組織を分断することになる。また、ネジ1150の溝の鋭利な縁も、限定的ではあるが、単独で骨からいくつかの軟質組織を切除するように作用する。
【0233】
プランジャーヘッド1144は、ボックス状開口1130に対応する略ボックス形状を有している。シェル1108は、その内面に、プランジャーヘッド1144の第1の平坦側面1184に対応する平坦面1180を有している。従って、プランジャーヘッド1144が開口1130内に配置されると、プランジャーヘッド1144の第1の平坦側面1184が、小さい間隙を隔てて、シェル1108の内面1182の平坦面1180と向き合うようになっている(図55参照)。この小さい間隙は、骨が侵入しないように寸法決めされている。プランジャーヘッド1144の他の側において、平坦面1180と向き合って、溝付ネジ1150およびシェービングブロック1152が配置されている。プランジャーヘッド1144の第2の平坦側面1186と溝付ネジ1150との間の間隙は、小さい骨片を制限的に受け入れるように寸法決めされている。その結果、骨の全ては、プランジャーヘッド1144の下方を通過しなければならなく、プランジャーヘッド1144によって、卸し金ディスク1114に対して圧縮され、これによって、骨から軟質組織が除去されることになる。あるいは、骨の全ては、プランジャーヘッド1144と溝付ネジ1150との間を通過しなければならなく、溝付ネジ1150によって掴み取られ、その結果、付着している軟質組織が溝付ネジ1150によって掴み取られ、切刃1178によって切除されることになる。
【0234】
前述したように、基部1102を貫通している孔1109には、スピンドル1110が配置されている。スピンドル1110は、円板1116から、(図示されているが、部番が付されていない)駆動モータのような駆動システムと嵌合するための(正方形シャフト構成のような)特徴部を有する端1190まで、延在している。図示されている実施形態では、スピンドル1110は、卸し金ディスク1114と溝付ネジ1150の両方に回転可能に取り付けられており、動力を駆動システムから卸し金ディスク1114および溝付ネジ1150に伝達し、これによって、駆動システムが作動状態にあるとき、卸し金ディスク1114および溝付ネジ1150を回転させるようになっている。代替的に、クリーニングヘッド1100が基部ユニット52によって作動される場合、卸し金ディスク1114および溝付ネジ1150は、位置合せピン110および歯112を介して、基部ユニットのスピンドルヘッド108に係合し、かつ回転可能に取り付けられるように、構成されている。
【0235】
操作中、まず、未清浄骨が清浄化するための空所1117内に置かれ、次いで、キャップ1115が空所1117を覆うように配置される。未清浄骨は、ミルヘッド60による処理の前に除去することが必要な骨に付着した軟質組織を含んでいる。次いで、駆動システムまたは(もしクリーニングヘッド1100が基部ユニット52に取り付けられるなら)基部ユニット52が作動され、スピンドル1110の回転、続いて、卸し金ディスク1114および溝付ネジ1150の回転を開始させる。卸し金ディスク1114が、開口1120を画定しているスカロップ縁によって、骨から軟質組織を切除することになる。卸し金ディスク1114およびプランジャーヘッド1144は、骨を転動させるように作用する。プランジャーヘッド1144は、骨を卸し金ディスク1114に押し付けし、スカロップ付き開口1120による骨からの軟質組織の切除を高めることになる。また、溝付ネジ1150は、骨に付着した軟質組織を把持し、次いで、溝付ネジ1150の溝1164の特性によって、またはシェービングブロック1152の切刃1178への軟質組織の押当てによって、骨から軟質組織を切除することになる。いったんクリーニングヘッド1100が骨から軟質組織を十分に除去したなら、キャップ1115が取り外され、清浄化された骨が、さらなる処理のために、鉗子または他の装置によって掴み取られることになる。次いで、クリーニングヘッド1100は、清浄化されてもよいし、または廃棄されてもよい。いくつかの例では、卸し金ディスク1114およびプランジャー1140のみが廃棄され、残りの構成要素は、殺菌され、再使用されるようになっている。
【0236】
[XV.代替的実施形態]
前述の説明は、本発明のシステムの特定の態様を対象としたものである。しかし、本発明のシステムは、他の態様として、これまでに説明したものと異なる特徴を有していてもよい。
【0237】
例えば、本発明の態様の種々の特徴が組み合わされてもよい。従って、クリーニングモジュールおよびミルモジュールの両方を有する単一ヘッドが設けられる本発明のいくつかの態様では、クリーニングモジュールは、下側ブラシおよび上側ブラシの両方を回転させる駆動アセンブリを有していてもよい。
【0238】
同様に、本発明の特徴部は、これまでに記載されているものと異なっていてもよい。本発明のいくつかの態様では、クリーニングヘッドのクリーニング要素およびミルヘッドのミル要素は、共通の駆動スピンドルに係合するための共通の連結特徴部を有しているとよいが、クリーニングヘッドおよびミルヘッドを基部ユニットに保持するための個別の連結特徴部を有していてもよい。
【0239】
同様に、クリーニングヘッドおよびミルヘッドは、該ヘッドを基部ユニットに保持するための共通の連結特徴部を有していてもよい。本発明のこれらの態様は、基部ユニットと一体の個別の駆動部材に連結するための個別の連結特徴部を有していてもよい。すなわち、単一の駆動スピンドルを有する代わりに、基部ユニットは、異なる速度、具体的には。クリーニングヘッド56のための第1の速度およびミルヘッド60のための第2の速度で駆動される個別の駆動スピンドルを有していてもよい。共通の歯車アセンブリが、これらのスピンドルの両方をモータ54の(図示されていない)出力シャフトに接続するようになっている。本発明のこれらの態様では、クリーニング要素およびミル要素が配置される相補的な連結特徴部は、互いに異なっていてもよい。
【0240】
同様に、本発明の全ての態様において、クリーニング要素およびミル要素は、必ずしも中心軸の周りに回転するディスク状部材である必要がない。本発明のいくつかの態様では、例えば、クリーニング要素またはミル要素の一方または両方は、管状に形作られていてもよい。このように形作られたブラシは、該ブラシの本体から内方に延在する剛毛を有しているとよい。このブラシは、清浄化されることになる骨材をブラシの内側に置くことによって、用いられることになる。このように形作られたミル要素は、本体の外面から現れる切刃を有しているとよい。骨がこの面に押し付けられることになる。形成された細片は、ミル要素の中心内に配置された受けトレイ内に落下する。従って、前述したブラシおよびミル要素は、その中心管腔を通る軸の周りに回転するように、設計されている。
【0241】
本発明のクリーニングヘッドおよびミルヘッドは、いずれも、これまでに説明した特徴部以外の特徴部を有していてもよい。例えば、ミルヘッド56に付随するキャップは、ブラシ59と一体のポスト286に装着されるようになっていてもよい。これによって、外科医は、キャップを押下げて、ブラシ59を押し込むことができる。従って、ブラシのこの押下げによって、ブラシ58,59間に位置する骨に対する剛毛の力を高めることができる。
【0242】
本発明の一体型クリーニング・ミルヘッドは、前述のヘッド490の特徴部と異なる特徴部を有していてもよい。例えば、装置のいくつかの態様では、クリーニングモジュールは、他の構成要素に対して静的に取り付けられていてもよい。本発明のこれらの態様では、トラップ(trap)の移動によって、清浄化された骨がミルモジュール内に入る経路が得られるようになっている。また、本発明のいくつかの態様では、清浄化された骨をミルモジュール内に移送するために、機械的な部材が清浄化された骨を物理的に移動させるようになっていてもよい。本発明のこの実施形態のいくつかの態様では、クリーニングモジュールからミルモジュールへの清浄化された骨の移送を可能にする(行う)トラップ(または部材)は、自動的に作動されるようになっていてもよい。これによって、外科医が骨清浄化および骨粉砕プロセスを実行し、および/または監視するのに必要な時間がさらに低減されることになる。
【0243】
また、本発明のいくつかの態様では、ブラシ剛毛は、常に一定の高さを有していなくてもよい。本発明のいくつかの態様では、ブラシの回転中心に隣接する剛毛が回転中心から離れた剛毛よりも低くなるように、下側ブラシを構成することが望ましい。本発明のこれらの態様では、回転中心に近い剛毛がこの軸から離れた剛毛よりも長くなるように、上側ブラシを構成することが望ましい。これらの特徴を有するブラシを設ける利点は、剛毛をこのように配置することによって、遠心力が清浄化されることになる骨材をブラシの外周に移動させる程度を低減させることにある、と考えられる。骨材をブラシの中心に隣接して保持することによって、骨材がブラシの外周とクリーニングヘッドハウジングの包囲面との間に捕捉される可能性が著しく低減される。もし骨材がこのように捕捉されると、清浄化プロセスの効率が悪影響を受ける可能性がある。
【0244】
同様に、一体型のクリーニングモジュールおよびミルモジュールを有する本発明の態様では、これらのモジュールは、単一ユニットとして基部から取り外し可能になっていなくてもよいことを理解されたい。本発明のいくつかの態様では、クリーニングモジュールおよびミルモジュールは、個別に取外し可能になっていてもよい。この場合、使用後、各モジュールは、別々に殺菌され、消耗した部品が取り換えられ、次いで、基部ユニットに再び取り付けられることになる。
【0245】
同様に、本発明のシステムの態様は、前述した構成要素の全てを含んでいなくてもよいことを理解されたい。本発明の全ての態様が、クリーニング要素およびミル要素を駆動させる特定の速度を記述しているメモリを含んでいる必要がない。これは、特に、クリーニング要素およびミル要素が同一速度で駆動される本発明の態様に当てはまる。また、これは、基部ユニットが互いに異なる速度で作動するように歯車伝動された2つの駆動スピンドルを有する本発明の態様にも当てはまる。
【0246】
本発明のいくつかの態様は、粉砕された骨を保持するための取外し可能な受けトレイを備えていなくてもよい。本発明のいくつかのクリーニングヘッド/モジュールは、単一クリーニング要素のみを有していてもよい。本発明のいくつかの態様では、ブラシは、剛毛を有していなくてもよい。代わって、各ブラシは、骨材に対して擦られたときに骨材を清浄化する研磨面を有していてもよい。
【0247】
さらに、本発明のいくつかの態様では、ブラシ416,418を同時に回転させるクリーニングヘッドの駆動アセンブリは、ブラシを同一方向に回転させてもよい。また、ブラシまたは他のクリーニング要素を異なる速度で回転させる駆動アセンブリが設けられていてもよい。
【0248】
クリーニングヘッド630は、本発明のいくつかの態様では、取外し可能な保持リングを備えていてもよい。このリングは、キャップリム684上に拡がるリムを有している。リングは、基部632へのリングの取外し可能な連結を容易にする特徴部を備えるスカートを有している。リングは、キャップがその下の基部632およびブラシ58から不注意によって持上げられるのを阻止するために、清浄化プロセス中ヘッドの残りに連結されている。
【0249】
代替的に、クリーニングヘッド630は、ブラシ58が着座する空洞がブラシの高さよりも大きい深さを有するように、構成されていてもよい。
【0250】
クリーニングヘッドが、ブラシに対して屈曲するキャップを備える本発明のいくつかの態様では、該キャップは、掴み部を有していてもよい。掴み部は、キャップドームの頂部から上方に延在する円筒状ネックを備えていてもよい。ネックの上方に配置され、ネックを超えて半径方向外方に延在する円筒形状のヘッドも、この掴み部の一部である。清浄化プロセス中、清浄化の担当者は、掴み部を掴み、キャップを押し下げ、またキャップの頂部を左右に回転させるように、キャップを移動させることができる。キャップのこの回転によって、キャップから下方に延在する剛毛の方位を変化させることができる。剛毛の方位をこのように変化させることによって、場合によっては、清浄化プロセスの効率が改良されることがある。
【0251】
本発明のクリーニングヘッドおよびミルヘッドは、骨移送プロセスの一部として、これらの2つのヘッドの連結を容易にするために、開示された吐出口668およびスリーブ308以外の特徴を備えていてもよい。例えば、本発明のいくつかの態様では、クリーニングヘッドは、清浄化された骨材をミルヘッド内に導くためのミルヘッド送給ポート内に着座するように寸法決めされた吐出口を有していてもよい。
【0252】
同様に、本発明は、自家移植骨片を清浄化するのに用いられることが意図されているが、その用途は、このように制限されるものではないことを理解されたい。本発明のシステム50は、他家移植骨片と呼ばれることもある供与骨を清浄化し、かつ粉砕するのに用いられてもよい。
【0253】
本発明の構成要素を作製する材料は、これまでに述べたものと異なっていてもよい。例えば、本発明のいくつかの態様では、ハウジングを形成するシェル要素を含むクリーニングヘッドの全体が使い捨て可能になっていてもよい。本発明のこれらの態様では、ハウジングを形成する構成要素は、金属の代わりに、殺菌可能なプラスチックから作製されていてもよい。同様に、ブラシは、必ずしもステンレス鋼から形成された剛毛を備えている必要がない。剛毛は、チタンまたはチタン合金のような破損しにくい他の屈曲可能な金属から形成されていてもよい。
【0254】
また、構成要素の幾何学的形状は、変更されてもよい。例えば、クリーニング要素がディスク状である本発明の態様では、清浄化機能を果たす縁を有するスカロップは、一連の円弧状に互いに離間した群として図示されている。本発明の代替的態様では、縁を有するスカロップおよび相補的な開口は、ディスクの本体の全体にわたって形成されている。この場合、スカロップおよび開口のないディスク区域は、存在していないことになる。
【0255】
システムによって実行される処理ステップは、これまでに述べたものと異なっていてもよいこともさらに理解されたい。例えば、クリーニングヘッドのメモリおよびミルヘッドメモリは、ヘッドが用いられるとすぐに設定されるフラグビットを有するものとして記載されている。これは、新しい患者への手術に対して未殺菌のヘッドの再使用を阻止するためである。しかし、初期の骨材が清浄化され、かつ粉砕された後、外科医は、追加的な骨細片を入手する必要があると判断する場合がある。従って、ソフトウエアは、外科医が、クリーニングヘッドまたはミルヘッドを使用したと認めた後、清浄化ヘッドを再使用することを可能にする変更を有しているとよい。これによって、外科医は、単一患者への同一手術中、ヘッドを再使用することができる。
【0256】
また、本発明は、骨を清浄化および粉砕するための組合せシステムとして記載されているが、本発明の他の態様は、両方の機能を果たすようになっていなくてもよい。基部ユニットおよびクリーニングヘッドは、骨を清浄化することのみに用いられる本発明のシステムを形成するようになっていてもよい。このシステムの利点は、外科医が骨を保持する必要性を実質的になくすことができる機械的な骨清浄化手段をもたらすことである。また、本発明のシステムに依存して、クリーニング要素は、システムの唯一の使い捨て可能な部分とすることができる。これによって、このシステムを作製する構成要素を形成している材料にもよるが、システムの提供に付随する費用を制限することができる。
【0257】
さらに、前述したクリーニング要素のそれぞれならびに他のクリーニング要素が、単一のクリーニングヘッド内において、互いに組み合わされてもよいことも明らかであろう。
【0258】
また、本発明のシステムは、必ずしも、骨を最初に清浄化し、次いで粉砕するように構成されている必要がない。本発明のいくつかの態様では、骨が最初に粉砕され、実質的に均一の大きさの細片を形成するようになっていてもよい。次いで、これらの細片は、クリーニングヘッド/モジュールによって処理されることになる。このクリーニングヘッドは、ミルヘッド/モジュールによって生成された細片を清浄化するように特に形作られたクリーニング要素を含んでいる。
【0259】
従って、添付の請求項の目的は、本発明の真の精神および範囲内にあるこのような変更および修正の全てを含むことにある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材を清浄化し、粉砕するためのシステム(50)において、
基部ユニット(52)と、
前記基部ユニット(52)内に配置されたモータ(54)と、
前記基部ユニット(52)と別体のミルヘッド(60)であって、前記基部ユニットに離脱可能に取り付けられるように、かつ骨材を受け入れるように形作られている、ミルヘッド(60)と、
前記ミルヘッド(60)内に可動に配置されたミル要素(62)であって、前記ミルヘッド内に導かれた骨材を骨細片に変換するための少なくとも1つの特徴部(336)と、 前記モータの作動が前記ミル要素の作動をもたらすようにするために、前記ミルヘッド(60)が前記基部ユニット(52)に取り付けられたときに、前記基部ユニットモータ(54)に接続された相補的連結特徴部(112)に係合するように形作られた少なくとも1つの連結特徴部(334)と、を有している、ミル要素(62)と、
を備えており、
前記基部ユニット(52)および前記ミルヘッド(60)の両方と別体のクリーニングヘッド(56,410,630,700,800,900,1000,1100)であって、前記基部ユニットに離脱可能に取り付けられるように、かつ骨材を受け入れるように形作られている、クリーニングヘッドと、
前記クリーニングヘッド(56,410,630,700,800,900,1000,1100)内に可動に取り付けられており、作動されたときに骨材を清浄化するようになっている少なくとも1つのクリーニング要素(58,416,418,608,738,840,914,1014,1114,1150)であって、前記モータの作動が前記クリーニング要素の作動をもたらすようにするために、前記クリーニングルヘッド(56)が前記基部ユニット(52)に取り付けられたときに、前記基部ユニットモータ(54)に接続された相補的特徴部(112)に係合するように形作られた少なくとも1つの特徴部(264)を備えている、少なくとも1つのクリーニング要素と、をさらに備えていることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記ミルヘッド(60)には、前記ミルヘッドが前記基部ユニットに離脱可能に保持されるようにするために、前記基部ユニット(52)と一体の相補的係止特徴部(84,86)に係合するための少なくとも1つの係止特徴部(312,328)が形成されており、
前記クリーニングヘッド(56,410,630,700,800,900,1000,1100)には、前記クリーニングヘッドが前記基部ユニットに離脱可能に保持されるようにするために、前記基部ユニットと一体の相補的係止特徴部に係合するための少なくとも1つの係止特徴部(210,220)が形成されており、前記ミルヘッド係止特徴部(312,328)および前記クリーニングヘッド係止特徴部は、前記基部ユニット(52)と一体の同じ相補的係止特徴部(84,86)に係合するように形作られていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ミル要素の前記少なくとも1つの連結特徴部(334)および前記クリーニング要素の前記少なくとも1つの連結特徴部(264)は、前記基部ユニットモータ(54)に接続された同じ連結特徴部(112)に係合するように形作られていることを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記基部ユニットモータ(54)に接続された制御装置(66)が、前記モータの運転を調整するようになっており、
前記クリーニングヘッド(56,410,630,700,800,900,1000,1100)は、前記クリーニングヘッドを識別するデータが記憶されたメモリ(270)を備えており、
前記ミルヘッド(60)は、前記ミルヘッドを識別するデータが記憶されたメモリ(320)を備えており、
前記基部ユニット(52)は、前記基部ユニットに取り付けられた前記ヘッド(56,60)の前記メモリ(270,320)内の前記データを読み取ることができるリーダ(130)を備えており、
前記制御装置(66)は、前記基部ユニットの前記メモリリーダ(130)によって読み取られた前記データを受信するために、前記メモリリーダに接続されており、
前記読み取ったデータが、前記クリーニングヘッドが前記基部ユニットに取り付けられていることを示したとき、前記制御装置は、前記少なくとも1つのクリーニング要素を作動させるために、前記基部ユニットモータ(54)を作動させるようになっており(368)、
前記読み取ったデータが、前記ミルヘッド(60)が前記基部ユニット(52)に取り付けられていることを示したとき、前記制御装置は、前記前記少なくとも1つのミル要素を作動させるために、前記基部ユニットモータ(54)を作動させるようになっている(376,380)ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのクリーニング要素は、回転ブラシ、回転卸し金、および回転溝付ネジからなる群から選択された1つであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項6】
前記クリーニングヘッドは、前記クリーニングヘッド内に取り付けられた攪拌器をさらに備えており、前記撹拌器は、前記クリーニングヘッド内において前記骨材を転動させるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項7】
前記撹拌器は、前記クリーニングヘッド内に可動に取り付けられており、前記モータによって作動されるために、前記基部ユニット(52)への前記クリーニングヘッドの取付け時に、前記基部ユニットモータ(54)に接続されるようになっていることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記クリーニングヘッドは、
前記クリーニングヘッド内に可動に取り付けられた少なくとも1つの第1のクリーニング要素であって、前記基部ユニットモータの作動時に作動されるようになっており、前記骨材に対して第1の清浄化作用を果たすように構成されている、少なくとも1つの第1のクリーニング要素と、
前記クリーニングヘッド内に配置された少なくとも1つの第2のクリーニング要素であって、前記少なくとも1つの第1のクリーニング要素と異なっており、前記骨材に対して前記1の清浄化作用と異なる第2の清浄化作用を果たすように構成されている、少なくとも1つの第2のクリーニング要素と、
を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2のクリーニング要素は、前記クリーニングヘッド内に可動に取り付けられており、前記モータによって作動されるために、前記基部ユニット(52)への前記クリーニングヘッドの取付け時に、前記基部ユニットモータ(54)に接続されるようになっていることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記クリーニングヘッド(630)には、シュート(678)が形成されており、
前記ミルヘッド(60)には、送給開口(306)が形成されており、該送給開口を通って、骨材が前記ミルヘッド内に導かれるようになっており、
前記クリーニングヘッドシュート(678)は、骨材が前記シュートから前記送給スリーブを通って前記ミルヘッド内に移送され、前記送給開口(306)を囲んで前記ミルヘッド(60)に連結されるように形作られていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項11】
前記ミルヘッドは、前記ミルヘッド内に可動に取り付けられた複数の前記クリーニング要素を備えており、該クリーニング要素は、前記基部ユニットモータ(54)の作動時に作動されるようになっていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項12】
前記ミルヘッド(60)は、第1の開口(306)であって、該第1の開口を通って骨材が前記ミルヘッド内に導かれるようになっている、第1の開口(306)と、第2の開口(309)であって、該第2の開口を通って、前記骨細片が前記ミルヘッドから放出されるようになっている、第2の開口(309)とを備えていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項13】
前記ミルヘッドの前記ミル要素(62)は、前記ミルヘッドの前記第1の開口(306)と前記ミルヘッドの前記第2の開口(309)との間に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つに記載のシステムと共に用いられるクリーニングヘッド(56,410,630,700,800,900,1000,1100)において、
前記基部ユニット(52)および前記ミルヘッド(60)の両方と別体のハウジングであって、前記基部ユニットに離脱可能に取り付けられるように、かつ骨材を受け入れるように形作られている、ハウジングと、
前記ハウジング(56,410,630,700,800,900,1000,1100)内に可動に取り付けられており、作動されたときに骨材を清浄化するようになっている、少なくとも1つのクリーニング要素(58,416,418,608,738,840,914,1014,1114,1150)であって、前記モータの作動が前記クリーニング要素の作動をもたらすようにするために、前記クリーニングヘッド(56)が前記基部ユニット(52)に取り付けられたときに、前記基部ユニットモータ(54)に接続された相補的特徴部(112)に係合するように形作られた少なくとも1つの特徴部(264)を備えている、少なくとも1つのクリーニング要素と、
を備えていることを特徴とする、クリーニングヘッド。
【請求項15】
骨材を清浄化し、粉砕するためのシステム(50)において、
基部ユニット(52)と、
前記基部ユニット内に配置されたモータ(54)と、
前記基部ユニット(52)と別体のヘッド(490)であって、前記ヘッドは、前記基部ユニットに離脱可能に取り付けられるように、かつ骨材を受け入れるように形作られており、前記ヘッドは、送給ポート(526)を有するミルモジュール(492,496)を有しており、該送給ポート(526)を通って、骨材が前記ミルモジュール内に導かれるようになっている、ヘッド(490)と、
前記ミルモジュール内に可動に配置されたミル要素(494)であって、前記ミルヘッド内に導かれた骨材を骨細片に変換するための少なくとも1つの特徴部(336)と、 前記モータの作動が前記ミル要素の作動をもたらすようにするために、前記ヘッド(490)が前記基部ユニット(52)に取り付けられたときに、前記基部モータ(54)に接続された相補的連結特徴部(112)に係合するように形作られた少なくとも連結特徴部(334)と、を有している、ミル要素(494)と、
を備えており、
前記ヘッド(490)は、骨材を受け入れるためのクリーニングモジュール(502,508)をさらに備えており、
少なくとも1つのクリーニング要素(504)が、前記クリーニングモジュール内に可動に取り付けられており、作動されたときに骨材を清浄化するようになっており、前記少なくとも1つのクリーニング要素は、前記モータの作動が前記クリーニング要素の作動をもたらすようにするために、前記基部ユニットモータ(54)に接続された相補的特徴部(112)に係合するように形作られた少なくとも特徴部を備えていることを特徴とする、システム。
【請求項16】
前記ヘッド(490)は、前記クリーニングモジュール(502,508)および前記ミルモジュール(492,496)が別々のモジュールであるように形成されており、
前記クリーニングモジュールは、前記ミルモジュールの前記送給ポート(526)と一直線に並ぶ開口(554,560)を有しており、該送給ポート(526)を通って、清浄化された骨が前記クリーニングモジュールから前記ミルモジュール(492,496)に移送されるようになっていることを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記クリーニングモジュールは、前記モジュール開口(554,560)を前記ミルモジュール送給ポート(526)に対して真っ直ぐに並べるように、または該ミルモジュール送給ポート(526)から外すように、前記ヘッド(490)上で移動可能になっていることを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
骨材を清浄化するためのアセンブリ(56,410,630,700,800,900,1000,1100)において、
基部(206,406,632,702,802,902,1002,1102)と、
清浄化されることになる前記骨材を受け入れるための空所を画定するように、前記基部によって支持された少なくとも1つのシェル(192,412,647,704,804,908,1008,1108)と、
前記空所内に配置され、かつ前記基部に可動に取り付けられており、作動されたときに、前記骨材を清浄化するようになっている、少なくとも1つのクリーニング要素(58,416,418,608,738,840,914,1014,1114,1150)であって、
骨を粉砕することなく、前記骨材から軟質組織および破片を除去するように構成されている、
少なくとも1つのクリーニング要素と、
前記少なくとも1つの清浄化要素を作動させ、前記骨材を清浄化するため、前記基部によって支持され、かつ前記少なくとも1つのクリーニング要素に連結された駆動アセンブリと、
を備えていることを特徴とする、アセンブリ。
【請求項19】
前記駆動アセンブリに係合するための基部ユニットであって、前記駆動アセンブリと別体のモータを有している、基部ユニットをさらに備えており、前記駆動アセンブリは、動力を前記基部ユニットモータから前記少なくとも1つのクリーニング要素に伝達するようになっていることを特徴とする、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記基部は、前記骨材を清浄化するための前記アセンブリを識別するデータが記憶されたメモリ(270)を担持していることを特徴とする、請求項18または19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記少なくとも1つのクリーニング要素は、回転ブラシ、回転卸し金、および回転溝付ネジからなる群から選択された1つであることを特徴とする、請求項18〜20のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記回転ブラシは、基体および前記基体に付着された金属から形成された剛毛を備えており、前記剛毛は、前記骨材に係合して前記骨材から軟質組織を除去するように構成されていることを特徴とする、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記シェル(804)は、前記空所(806)を画定するように前記基部(802)によって回転可能に支持されたバスケット(816)を備えており、前記バスケット(816)は、底壁および前記底壁から延在する周壁を有しており、
前記周壁は、複数の開口を画定しており、該開口は、前記骨材を捕捉して一時的に保持するように寸法決めされ、かつ構成されており、
前記骨材を清浄化するために、前記バスケット(816)の前記周壁に対して保持された前記骨材に係合するための前記回転ブラシ(840)が、前記空所(806)内に配置されていることを特徴とする、請求項21または22に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記回転卸し金は、前記骨材を削って前記骨材から軟質組織を除去するための複数の開口を画定しているディスクを備えており、前記開口は、前記骨材から軟質組織を削るが、前記骨材を粉砕しないように寸法決めされ、かつ構成されていることを特徴とする、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記回転卸し金は、金属から形成されていることを特徴とする、請求項21または24に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記回転溝付ネジは、前記骨材に付着した軟質組織を掴むように寸法決めされ、かつ構成された複数の溝を有するスリーブを備えており、
前記回転溝付ネジは、前記駆動アセンブリ(714)に係合する歯車(750)を備えていることを特徴とする、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記スリーブを回転可能に支持するシェービングブロックを備えており、前記シェービングブロックは、前記スリーブが前記シェービングブロックに対して回転するとき、前記骨材の前記軟質組織を切削する少なくとも1つの切刃を備えていることを特徴とする、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記空所(706)内において前記基部(702)によって回転可能に支持された撹拌器(726)を備えており、
前記撹拌器(726)は、ステム(734)および前記ステムから半径方向外方に延在する少なくとも1つのフィン(736)を備えており、前記撹拌器は、前記撹拌器の回転中、前記空所(706)内において前記骨材を持ち上げ、転動させるように作動するようになっており、
前記攪拌器は、前記駆動アセンブリ(714)に取り付けられた第1の端(728)を有していることを特徴とする、請求項21,26,または27のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記基部(702)に固定され、前記回転溝付ネジに対して回転しないように固定されたワイヤブラシ(762)を備えており、前記ワイヤブラシは、前記回転溝付ネジから軟質組織を清浄化するための剛毛(768)を備えていることを特徴とする、請求項21,26,27,または28のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記骨材を前記少なくとも1つのクリーニング要素に圧縮するプランジャーヘッド(942,1144)を有するプランジャー(940,1140)を備えていることを特徴とする、請求項18〜29のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記骨材を前記少なくとも1つのクリーニング要素に圧縮する突当板(1052)を有する突当機構(1040)を備えていることを特徴とする、請求項18〜29のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記駆動アセンブリは、前記基部によって支持されて前記少なくとも1つのクリーニング要素に接続されたスピンドル(710,810,910,1110)を備えており、前記スピンドルは、駆動システムに係合するように構成された特徴部を備える端(770,850,960,1190)を有していることを特徴とする、請求項17〜31のいずれか1つに記載のアセンブリ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図49A】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公表番号】特表2013−509962(P2013−509962A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538033(P2012−538033)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/055646
【国際公開番号】WO2011/057088
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(506410062)ストライカー・コーポレイション (36)
【Fターム(参考)】