説明

高い均一性を有するスパンデックス

高度に均一なスパンデックスおよびそのようなスパンデックスの製造方法がここに開示される。より特に、そのようなスパンデックスがそこから製造されるポリウレタンウレアはジアルキルウレアおよびシクロアルキルウレア末端の両方を有しており、連鎖停止剤組成物は例えばジエチルアミンの如きジアルキルアミンおよび例えばシクロヘキシルアミンの如きシクロアルキルアミンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
この開示は高度に均一なスパンデックスおよびそのようなスパンデックスの製造方法に関する。より特に、そのようなスパンデックスがそこから製造されるポリウレタンウレアはジアルキルウレアおよびシクロアルキルウレア末端の両方を有しており、連鎖停止剤組成物は例えばジエチルアミンの如きジアルキルアミンおよび例えばシクロヘキシルアミンの如きシクロアルキルアミンを含む。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記述
特許文献1は高い均一性を有するスパンデックス組成物を開示している。この組成物はモノアルコール連鎖停止剤およびモノアルキルウレア連鎖停止剤からのアルキルウレタン末端を含む。相対的な反応速度のためにモノアルコールはポリオールおよびイソシアネートにモノアルキルウレア連鎖停止剤と一緒でなくむしろキャップされたグリコールの製造中に加えなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,503,996号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
幾つかの面には、ワープ−ニッティングまたは高含有量ウエフト−ニッティング(サーキュラーニッティングを包含する)用に特に有用な高い均一性を有するスパンデックスがある。(a)(i)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されるポリオール、並びに(ii)ジイソシアネート
の反応生成物を含んでなるキャップされたグリコール、
(b)少なくとも第一ジアミンおよび第二ジアミンを含んでなる連鎖延長剤、並びに
(c)シクロヘキシルアミンを含む一官能性アミンを含んでなる連鎖停止剤
の反応生成物であるポリウレタンウレアを含む少なくとも1つのスパンデックス繊維または糸を含む製品が包含され、該ポリウレタンウレアは約75:25〜約85:15の第一ジアミン対第二ジアミンのモル比および約10meq/Kg〜約30meq/Kgのシクロヘキシルウレア末端を含んでなる。
【0005】
(a)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されるポリオールを準備し、
(b)ジイソシアネートを準備し、
(c)ポリオールおよびジイソシアネートを接触させてキャップされたグリコールを生成し、
(d)少なくとも第一ジアミンおよび第二ジアミンを含んでなる連鎖延長剤を準備し、
(e)シクロヘキシルアミンを包含する一官能性アミンを含んでなる連鎖停止剤組成物を準備し、
(f)キャップされたグリコール、連鎖延長剤および連鎖停止剤組成物を溶媒の中で接触させて溶液中でポリウレタンウレアを生成し、そして
(g)溶液中のポリウレタンウレアを紡糸してスパンデックスを生成する
ことを包含するスパンデックスを製造する方法も提供され、該ポリウレタンウレアは約75:25〜約85:15の第一ジアミン対第二ジアミンの比および約10meq/Kg〜約30meq/Kgのシクロヘキシルウレア末端を含んでなる。
【0006】
発明の詳細な記述
幾つかの面のポリウレタンウレア組成物を有する高い繊維均一性を有するスパンデックスが製造されてきた。ポリウレタンウレア組成物は、例えばジアミン連鎖延長剤の如き2種もしくはそれ以上の連鎖延長剤の配合物または混合物を包含する連鎖延長剤組成物並びにシクロヘキシルアミンを包含する連鎖停止剤組成物を包含する。
【0007】
ここで使用される際には用語「溶液−紡糸」は湿潤−紡糸または乾燥−紡糸方法のいずれかでありうる溶液からの繊維の製造方法を包含しており、これらの両者は繊維製造用の普遍的技術である。
【0008】
脂肪族第一級アミンで連鎖が停止されたポリウレタンウレア類はモノアルキルウレア末端を有し、例えば連鎖停止剤としてのシクロヘキシルアミンはシクロヘキシルウレア末端を与えるであろう。(第二級)ジアルキルアミン類を用いる連鎖停止はジアルキルウレア末端を与える。ポリウレタンウレア中のアミン末端は不完全に反応したジアミン連鎖延長剤から誘導される。幾つかの面のスパンデックスは約10meq/Kg〜約40meq/Kg、例えば約22meq/Kg〜約26meq/Kg、を包含する約10meq/Kg〜約60meq/Kgのジエチルウレア末端、約10meq/Kg〜約30meq/Kg、例えば約16meq/Kg〜約20meq/Kg、のシクロヘキシルウレア末端、並びに約12meq/Kg〜約24meq/Kg、例えば約16meq/Kg〜約20meq/Kg、の第一級アミン末端を有しうる。(meq/Kgの全ての測定は重合体固体を基準とする)。
【0009】
繊維または長鎖合成重合体を製造するために有用なポリウレタンウレア組成物は少なくとも85重量%のセグメント化されたポリウレタンウレアを含みそしてスパンデックスとも称する。典型的には、これらはジイソシアネートと反応してNCO−末端プレポリマー(「キャップされたグリコール」)を生成し、それが次に適当な溶媒、例えばジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドン、の中に溶解され、そして二次的に二官能性連鎖延長剤と反応する重合体状グリコールを包含する。連鎖延長剤がジオール類であり(そして溶媒なしに製造されうる)時には、ポリウレタン類は第二段階で生成する。連鎖延長剤がジアミン類である時には、ポリウレタン類の亜群であるポリウレタンウレア類が生成する。スパンデックスに紡糸可能なポリウレタンウレア重合体の製造では、ヒドロキシ末端基とジイソシアネート類および1種もしくはそれ以上のジアミン類との順次反応によりグリコール類が延長される。各場合とも、グリコール類は連鎖延長を受けて粘度を包含する必要な性質を有する重合体を与えなければならない。所望により、ジラウリン酸ジブチル錫、オクタン酸第一錫、鉱酸類、第三級アミン類、例えばトリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジンなど、並びに他の既知の触媒を使用してキャップ段階を補助しうる。
【0010】
適するポリオールまたは重合体状グリコール成分は、約1600〜約2200、および約1800を包含する約600〜約3,600の数平均分子量のポリエーテルグリコール類、ポリカーボネートグリコール類、およびポリエステルグリコール類を包含する。2種もしくはそれ以上の重合体状グリコールの混合物または共重合体が包含されうる。
【0011】
使用できるポリエーテルグリコール類の例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、および3−メチルテトラヒドロフランの開環重合および/もしくは共重合からの、各分子中の炭素数が12より少ない多価アルコール、例えばジオールもしくはジオール混合物、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオール、の縮合重合からの2個もしくはそれ以上のヒドロキシ基を有するグリコール類を包含する。線状二官能性ポリエーテルポリオールが好ましく、そして2の官能性を有する約1,700〜約2,100の分子量のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、例えばTerathane(登録商標) 1800(カンサス州、ウィチタのインビスタ(INVISTA))、が具体的な適切なグリコール類の一例である。共重合体はポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコールを包含しうる。
【0012】
使用できるポリエステルポリオール類の例は、脂肪族ポリカルボン酸類および各分子中の炭素数が12より多くない低分子量のポリオール類またはそれらの混合物の縮合重合により製造される2個もしくはそれ以上のヒドロキシ基を有するエステルグリコール類を包含する。適切なポリカルボン酸類の例はマロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸およびドデカンジカルボン酸である。ポリエステルポリオール類を製造するために適するポリオール類の例はエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールである。約5℃〜約50℃の溶融温度を有する線状二官能性ポリエステルポリオールが具体的なポリエステルポリオールの例である。
【0013】
使用できるポリカーボネートポリオール類の例は、ホスゲン、クロロ蟻酸エステル、炭酸ジアルキルまたは炭酸ジアルキルおよび各分子中の炭素数が12より多くない脂肪族ポリオール類またはそれらの混合物の縮合重合により製造される2個もしくはそれ以上のヒドロキシ基を有するカーボネートグリコール類を包含する。ポリカーボネートポリオール類を製造するために適するポリオール類の例はジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールである。約5℃〜約50℃の溶融温度を有する線状二官能性ポリカーボネートポリオールが具体的なポリカーボネートポリオールの例である。
【0014】
幾つかの面のポリウレタンウレア組成物から製造されるスパンデックス糸および繊維は、ジアルキルウレアおよびアミン末端を含むスパンデックスのものより低いデニール変動係数(CDV)を有しうる。デニール変動係数における減少は有意である。スパンデックスCDVは繊維または糸のデニールによって変動しうる。例えば、CDVは約20もしくはそれより低いこともある。20デニールを有する糸に関しては、CDVは約18であることもあり、30デニールを有する糸に関しては、CDVは約15であることもあり、そして40デニールを有する糸に関しては、CDVは約14であることもある。
【0015】
幾つかの面の方法は重合体状グリコールおよびジイソシアネートを接触させてキャップされたグリコールを生成することを包含する。キャップされたグリコールを配合物または混合物として準備されていてもよい少なくとも第一ジアミン連鎖延長剤および第二ジアミン連鎖延長剤並びに例えばシクロヘキシルアミンの如き一官能性アミンを包含する連鎖停止剤組成物と溶媒中で接触させ、そして生じたポリウレタンウレアの溶液を溶液紡糸して
スパンデックスを生成する。
【0016】
ジイソシアネート成分は単一のジイソシアネートまたは4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の異性体混合物を包含する異なるジイソシアネート類の混合物も包含しうる。MDIの異性体混合物が使用される時には、4,4’−異性体対2,4’−異性体の比は約98:2〜約88:12、約70:30および約60:40を包含する約100:0〜約50:50でありうる。いずれの適する芳香族または脂肪族ジイソシアネート類でも4,4’−MDIが主成分であるMDIの4,4’−異性体と組み合わされて包含されうる。使用できるジイソシアネート類の例は4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート),4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ジイソシアナト−4−メチル−ベンゼン、2,2’−トルエンジイソシアネート、2,4’−トルエンジイソシアネート、5−イソナト−1−(イソシアナトメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、2,2−ビス(4−イソシアナトフェニル)−プロパン、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)、1,4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、1,4−ビス(4−イソシアナト−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1−イソシアナト−2−[(4’−イソシアナト−フェニル)メチル]ベンゼン、およびそれらの混合物を包含するが、それらに限定されない。具体的なポリイソシアネート成分の例はMondur(登録商標) ML(バイエル(Bayer))、Lupranate(登録商標) MI(バスフ)BASF))、およびIsonate(登録商標) 50 O,P’(ダウ・ケミカル(Dow Chemical))、並びにそれらの混合物を包含する。
【0017】
一般的には、キャップされたグリコール中のNCO部分含有量は約2.3〜約3.0、約2.5〜約2.7を包含する約2〜6重量%でありうる。
【0018】
溶液−紡糸のためには、キャップされたグリコールを適当な溶媒、例えばジメチルアセトアミド(「DMAc」)、N−メチルピロリドン、またはジメチルホルムアミド、の中に溶解させうる。場合により、キャップ段階は溶媒、例えば溶媒重量を基準として約50ppmより少ない水並びに約2000ppmより少ないホルムアミド類およびアミン類の組み合わせを含有するジメチルアセトアミド、の中で実施しうる。
【0019】
ジアミン連鎖延長剤組成物は、キャップされたグリコールと接触させるために一緒に配合もしくは混合されていてもまたは別個に加えられていてもよい少なくとも第一ジアミンおよび第二ジアミンを包含する。適するジアミン類は、炭素数が2−12のもの、例えばエチレンジアミン、1,3−ブタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルブタン、1,6−ヘキサン−ジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N−メチルアミノビス(3−プロピル−アミン)、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,3−ジアミノ−4−メチルシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,1’−メチレン−ビス(4,4’−ジアミノヘキサン)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ジアミノペンタン、およびそれらの混合物を包含する。
【0020】
第一ジアミン対第二ジアミンの重量比は約80:20を包含する約75:25〜約85:15でありうる。
【0021】
一面では、第一ジアミンはエチレンジアミンであることができ、そして第二ジアミン、例えば2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン(MPMD)、またはさらなるジアミン類は「共延長剤」と考えることができる。
【0022】
連鎖停止剤組成物はシクロヘキシルアミンを含みそして他の適切な連鎖停止剤、例えば炭素数が5−12、例えば炭素数が6−7、のモノアミン連鎖停止剤、例えばn−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、メチルシクロヘキシルアミン類(例えば1−アミノ−3−メチルシクロヘキサン、1−アミノ−2−メチルシクロヘキサン、および1−アミノ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)、n−ドデシルアミン、2−アミノノルボルネン、1−アダマンタンアミン、非対称性ジメチルヒドラジン(UDMH)、およびそれらの混合物、と組み合わせることもできる。モノアミンは、重合体成分の合計重量を基準として、少なくとも約2meq/kgそして多くとも約55meq/kgの量で使用することができる。
【0023】
そこからスパンデックスが製造されそして幾つかの面の方法で紡糸されるポリウレタンウレアの固有粘度は約0.95〜約1.10dl/gを包含する約0.90〜約1.20dl/gでありうる。
【0024】
場合により、重合体状グリコールはキャップ段階前に加えることができる酸および酸−生成化合物、例えば燐酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、カルボン酸塩化物および無水物並びに燐酸エステル類など、を含有しうる。酸および酸−生成化合物は、重合体状グリコール重量を基準として、百万部当たり少なくとも約10そして多くとも約125部(「ppm」)の量で使用しうる。燐酸がその低い腐食性のために有用である。
【0025】
種々の他の添加剤を幾つかの面のスパンデックスおよび方法においていずれかの適切な量で使用して所望する性質を得ることもできる。例は、重合体の重量を基準として約0.05%〜約0.5%の如きいずれかの適切な量の艶消し剤、例えば二酸化チタン;安定剤、例えばハイドロタルク石、(例えば重合体の重量を基準として約0.25%〜約5.0%の如きいずれかの適切な量の)フンタイトおよびハイドロマグネサイトの混合物、硫酸バリウム、妨害アミン光安定剤、紫外線遮蔽剤、妨害フェノール類、および酸化亜鉛;染料および染料強化剤などを包含する。
【0026】
ジエチレントリアミンを場合により、連鎖延長段階において、溶液粘度調節のために低レベルで使用することもできる。ジエチレントリアミンが含まれる時には、適切な量は(重合体の重量を基準として)約50ppm〜約125ppmを包含する0〜約500ppmまたは0〜125ppm、0〜約250ppm、約50ppm〜約250ppmを包含する。
【0027】
ポリウレタンウレア溶液粘度はASTM D1343−69の一般的方法に従い40℃で操作されるModel DV−8落下球粘度計(バージニア州、ウェンズボロのジュラテク・コーポレーション(Duratech Corp.))を用いて測定されそしてポイズで報告される。この装置で測定できた最高溶液粘度は35,000ポイズであった。
【0028】
デニール変動係数(「CDV」)を測定するためには、巻き取られたスパンデックスパッケージの表面における最初の50メートルの繊維は除かれて取扱いによる損傷から生ずる不確実性を回避する。スパンデックスを次に130秒間にわたりパッケージからローリングテイクオフを用いて取り出しそして圧電気セラミックピンを含んでなる張力計を横断して供給した。テイクアップロールの円周は供給ロールの円周より50%大きく、そして供給およびテイクアップロールは同じrpmで回転するため、ポリウレタン繊維は張力計を横断して50%伸びまで伸びる。スパンデックスがロールを通って供給される際に張力計が張力を測定した。デニールは張力に正比例するため、張力の標準偏差を平均張力で割り算して変動係数を得、それがCDVとして報告される。CDVは使用される線状密度単
位に無関係であり(デニール対デシテックス)、そして低いCDVは高い繊維均一性を示す。
【0029】
キャップされたグリコールの合計イソシアネート部分含有量(重量百分率NCO)はS.(登録商標)Siggia,(登録商標)“Quantitative Organic Analysis via Functional Group”,(登録商標)3rd Edition,(登録商標)Wiley & Sons,(登録商標)New York,(登録商標)pp.(登録商標)559−561(登録商標)(1963)の方法により測定される。
【0030】
スパンデックスの強度および弾性の性質はASTM D2731−72の一般的方法に従い測定される。2インチ(5cm)のゲージ長さおよび0−300%の伸びサイクルの3本のフィラメントを各々の測定用に使用する。試料を毎分50cmの一定の伸び速度でインストロン張力試験器を用いて5回循環させる。最初の伸びの間のスパンデックス上の応力である負荷力(「LP」)は第一サイクルに対して200%伸びにおいて測定される。未負荷力(「UP」)は第五の未負荷サイクルに対して200%伸びにおいて測定される。破壊時の伸び百分率(「%ELO」)および破壊時の靭性(「TEN」)は第六伸びに対して測定される。破壊時の靭性、負荷力および未負荷力はセンチ−ニュートン(CN)で報告される。5回の0−300%伸び/弛緩サイクルにかけられた試料に対する百分率硬化も測定される。百分率硬化(「%S」)は%S=100(L−L)/Lとして計算され、ここでLおよびLはそれぞれ、張力なしにまっすぐに保持される時に、5回の伸び/弛緩サイクルの前および後の、フィラメント(糸)長さである。
【0031】
重合体のDMAc中希釈溶液の粘度をDMAc自体のものと25℃において基準キャノン−フェンスケ(Cannon−Fenske)粘度計管の中でASTM D2515に従い比較すること(「相対粘度」方法)により、ポリウレタンウレアの固有粘度(「IV」)が測定されそしてdl/gとして報告される。
【0032】
「Meq/kg」は1キログラムの全成分、すなわち重合体固体、当たりの所定成分のミリ当量をさす。
【0033】
幾つかの面の糸は以下の性質を有することができる:
【0034】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(i)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されるポリオール、並びに
(ii)ジイソシアネート
の反応生成物を含んでなるキャップされたグリコール、
(b)少なくとも第一ジアミンおよび第二ジアミンを含んでなる連鎖延長剤、並びに
(c)シクロヘキシルアミンを含んでなる一官能性アミンを含んでなる連鎖停止剤
の反応生成物であるポリウレタンウレアを含んでなる少なくとも1つのスパンデックス繊維を含んでなる製品であって、該ポリウレタンウレアが約75:25〜約85:15の該第一ジアミン対該第二ジアミンの比および約10meq/Kg〜約30meq/Kgのシクロヘキシルウレア末端を含んでなる、製品。
【請求項2】
該連鎖停止剤がジエチルアミンを含んでなりそして該ポリウレタンウレアが約10meq/Kg〜約60meq/Kgのジエチルウレア末端を含んでなる、請求項1の製品。
【請求項3】
該ポリウレタンウレアが約12meq/Kg〜約24meq/Kgの第一級アミン末端を含んでなる、請求項1の製品。
【請求項4】
該ポリウレタンウレアが粘度安定剤を含んでなる、請求項1の製品。
【請求項5】
該粘度安定剤が約50ppm〜約250ppmの量で存在する、請求項4の製品。
【請求項6】
第一ジアミンがエチレンジアミンを含んでなりそして該第二ジアミンが2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン(MPMD)を含んでなる、請求項1の製品。
【請求項7】
該ポリオールが1600〜約2200の数平均分子量を有する、請求項1の製品。
【請求項8】
該キャップされたグリコールが約2.3〜約3.0の%NCOを有する、請求項1の製品。
【請求項9】
該キャップされたグリコールが約2.5〜約2.7の%NCOを有する、請求項1の製品。
【請求項10】
該ポリオールがポリテトラメチレンエーテルグリコールを含んでなる、請求項1の製品。
【請求項11】
該ジイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含んでなる、請求項1の製品。
【請求項12】
該製品がニットである、請求項1の製品。
【請求項13】
該ニットがワープニットおよびサーキュラーニットから選択される、請求項12の製品。
【請求項14】
(a)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されるポリオールを準備し、
(b)ジイソシアネートを準備し、
(c)ポリオールおよびジイソシアネートを接触させてキャップされたグリコールを生成し、
(d)少なくとも第一ジアミンおよび第二ジアミンを含んでなる連鎖延長剤を準備し、
(e)シクロヘキシルアミンを包含する一官能性アミンを含んでなる連鎖停止剤組成物を準備し、
(f)キャップされたグリコール、連鎖延長剤および連鎖停止剤組成物を溶媒の中で接触させて溶液中でポリウレタンウレアを生成し、そして
(g)溶液中のポリウレタンウレアを紡糸してスパンデックスを生成する
ことを包含するスパンデックスを製造する方法であって、該ポリウレタンウレアが約75:25〜約85:15の第一ジアミン対第二ジアミンの比および約10meq/Kg〜約30meq/Kgのシクロヘキシルウレア末端を含んでなる、方法。

【公表番号】特表2013−517391(P2013−517391A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548970(P2012−548970)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2011/020216
【国際公開番号】WO2011/087943
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】