説明

高い浸透性を有する高吸水性ポリマー

この発明は、部分的に中和された、酸基を有するモノエチレン性の不飽和のモノマーに基づく、吸収力のある架橋されたポリマーに関し、この吸収力のある架橋されたポリマーは熱可塑性ポリマーで被覆されてもよく、特に膨潤された状態における液体の輸送の能力に関して改善された特性を有し、また高いゲル−ベッド浸透性および高い遠心機保持容量を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、水、水性液体および血液を吸収する高吸水性ポリマーに関し、この発明の高吸水性ポリマーは改善された特性、特に、より高いゲル強度の特徴である低い保持の不利益なしにより高いゲル−ベッド浸透性を達成することを含む、ゲル−ベッド浸透性と流体保持との改善された関係を有する。この発明の高吸水性ポリマーは、熱可塑性ポリマーで被覆されていてもよい。この発明はまた、これらの高吸水性ポリマーの調整、ならびに衛生用品および工業分野における吸水材としてのこれらの高吸水性ポリマーの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
高吸水性物質(Superabsorbent)とは、0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液を含む水性溶液中で、自身の重量の約10倍以上、最高約30倍の重量を吸収し得る、水膨潤性、水不溶性の有機または無機材料を示す。高吸水性ポリマーは架橋したポリマーであり、膨潤しながら大量の水性液体および尿または血液などの体液を吸収してヒドロゲルを形成でき、かつ高吸水性物質の一般的な定義に従って特定の圧力下でそれらを保持できる。
【0003】
現在商業的に入手可能な高吸水性ポリマーは架橋したポリアクリル酸または架橋したデンプン−アクリル酸グラフトポリマーであり、それらにおいてはカルボキシル基のいくつかが水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液によって中和されている。これらのポリマーはその特徴的な特性のために、主に赤ん坊のオムツ、失禁用品または生理用ナプキンなどの衛生用品に組込むために用いられる。
【0004】
適合性、快適性および審美的な理由、ならびに環境面から、衛生用品をより小さくより薄くする傾向が強まっている。これは、これらの用品の高体積の綿毛繊維の含有量を減少させることによって達成される。衛生用品における体液の一定の合計保持容量を確保するために、これらの衛生用品においてはより高い含有量の高吸水性ポリマーが用いられる。その結果、高吸水性ポリマーは十分な吸収および保持などの他の特徴を保持しながらより高い浸透性の特徴を有する必要がある。
【0005】
浸透性とは、泡のスラブの繊維のマットなど、またはこの場合には架橋されたポリマーなどの多孔性構造の有効な連続性の尺度であり、ボイド率および高吸水性ポリマーの連続性の程度などによって特定されてもよい。ゲル浸透性は粒子の塊全体としての特性であり、粒子サイズ分布、粒子の形、ならびに膨潤したゲルの開放孔の連続性、せん断弾性係数および表面修飾に関係する。実際面では、高吸水性ポリマーの浸透性は、膨潤した粒子の塊の中を液体がいかに迅速に流れるかの尺度である。浸透性が低いことは高吸水性ポリマーの中を液体が容易に流れられないことを示し、これは一般的にゲルブロッキングと呼ばれ、液体のあらゆる強制される流れ(オムツ使用中の尿の2度目の適用など)は、代替的な経路(たとえばオムツ漏れ)を取らなければならなくなる。
【0006】
特に、ゲルブロッキングは、オムツなどの吸収性用品における高吸水性ポリマーの使用に関連し得る周知の課題である。ゲルブロッキングは、吸収性用品に体液が入る地点の周囲の高吸水性ポリマー粒子の迅速な拡張によって、SAP−綿毛マトリックス中の間隙の空間および孔の閉鎖がもたらされるときに起こる。膨潤したヒドロゲルを通じた拡散による液体の輸送は、間隙空間を通じた輸送よりもかなり遅いため、流体入口の領域において
封止効果が起こる。この効果がゲルブロッキングと呼ばれる。
【0007】
膨潤した高吸水性ポリマー粒子を通る液体の輸送自体は拡散の法則に従い、非常に遅いプロセスであるため、衛生用品の使用状態における液体の分散には何の役割も果たさない。ゲル安定性がないために毛管輸送をもたらすための開放ベッド構造を維持できない高吸水性ポリマーにおいては、高吸水性ポリマーを繊維マトリックスに埋込むことによって粒子同士の分離を確実にしていた。
【0008】
次世代と呼ばれるオムツ構成においては、液体の輸送または開放した流体浸透性の構造の維持を助けるための、吸収層における繊維材料がより少ないか、または全くないことがある。これらの次世代オムツ構成の高吸水性ポリマーは、一般的にゲル強度と呼ばれる、膨潤された状態における十分に高い安定性を有することによって、膨潤されたゲルが液体を輸送し得る十分量の毛管空間を有するようにする必要がある。
【0009】
高いゲル強度を有する高吸水性ポリマーを得るために、ポリマーの架橋の程度を増加させると、必然的に膨潤性および保持容量が減少する。繊維含有量の低い極端に薄い次世代用品において必要とされるより高い浸透性を達成するために、現行の技術は、架橋の量を増加させてより高いゲル強度を達成し、典型的にはせん断弾性係数を9,500ダイン/cm2よりも大きくすることを教示している。しかし、高吸水性ポリマーの吸収および保持値は望ましくない低レベルに減少する。表面架橋後の段階において液体に対する高い吸収および保持容量を有し、かつ増加した浸透性を有するポリマーを開発することは、高吸水性ポリマーを作成する技術分野の重要な目標である。SAP粒子に対する新たな表面修飾を用いることによって、非常に高いゲル強度および関連する望ましくない低い吸収値を伴わないより高い浸透性の結果が得られることが見出されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがってこの発明の目的は、吸収性の構造に基づく高吸水性ポリマーの重量パーセントが増加しても高い液体浸透性および液体保持を維持する能力などの優れた特性を示す吸収性ポリマー組成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
この発明は高吸水性ポリマーを含み、この高吸水性ポリマーは、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーと、約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤と、約0.001wt%から約5.0wt%の粒子表面に適用される表面架橋剤と、0wt%から約5wt%の表面架橋ステップの直前、間または直後の浸透調整剤(penetration modifier)と、0wt%から約5wt%の表面上の多価金属塩と、約0wt%から2wt%の表面上の界面活性剤と、任意には約0.01wt%から約5wt%の不溶性無機粉末と、約0.01wt%から約5wt%の熱可塑性融解温度を有する熱可塑性ポリマーとを含み、熱可塑性ポリマーが粒子表面に適用されると同時に、またはそれに続いて、少なくとも熱可塑性融解温度またはそれ以上の温度にされ、高吸水性ポリマーは遠心機保持容量が約25g/gまたはそれ以上であり、ゲル−ベッド浸透性IIが約300×10-9cm2またはそれ以上であり、または代替的に、ゲル−ベッド浸透性Iが約500×10-9cm2またはそれ以上であり、せん断弾性係数が約9500ダイン/cm2よりも小さいという特徴を有する。
【0012】
他の実施の形態は、この発明に従った高吸水性ポリマーを含むがこれに制限されず、ここでGBP Iは少なくとも約[54000e-0.18x+100]×10-9cm2であり、またはGBP Iは少なくとも約[54000e-0.175x+100]×10-9cm2であ
り、またはGBP Iは少なくとも約[54000e-0.17x+100]×10-9cm2であり、またはGBP Iは少なくとも約[54000e-0.165x+100]×10-9cm2である。
【0013】
この発明はまた、この発明の高吸水性ポリマーを含有し得る吸収性組成または衛生用品に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の詳細な説明
好適な高吸水性ポリマーは、天然、生分解性、合成、および修飾された天然のポリマーおよび材料から選択されてもよい。高吸水性ポリマーに関して用いられる架橋(crosslinked)という用語は、通常は水溶性の材料を効果的に実質的に水不溶性かつ膨潤性にするためのあらゆる手段を示す。こうした架橋手段はたとえば、物理的な絡み合い、結晶のドメイン、共有結合、イオン錯体および会合、水素結合などの親水性会合、疎水性会合またはファンデルワールス力を含み得る。高吸水性ポリマーは内部架橋および表面架橋を含む。
【0015】
この発明の実施の形態の1つにおいて、高吸水性ポリマーは架橋されたポリマーであり、a)約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーと、b)約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤と、c)約0.001wt%から約5.0wt%の粒子表面に適用される表面架橋剤と、d)0wt%から約5wt%の表面架橋ステップの直前、間または直後に粒子の表面に適用される浸透調整剤と、e)0wt%から約5wt%の表面上の多価金属塩と、f)任意には約0.01wt%から約5wt%の不溶性無機粉末と、g)約0%から約2%の表面上の表面活性剤と、h)約0.01wt%から5wt%の熱可塑性融解温度を有する熱可塑性ポリマーとを含み、熱可塑性ポリマーが粒子表面に適用されると同時に、またはそれに続いて、少なくとも熱可塑性融解温度またはそれ以上の温度にされ、高吸水性ポリマーは中和の程度が約25%よりも大きく、遠心機保持容量が約25g/gまたはそれ以上であり、ゲル−ベッド浸透性IIが約200×10-9cm2またはそれ以上であり、または代替的に、ゲル−ベッド浸透性Iが約500×10-9cm2またはそれ以上である。
【0016】
他の実施の形態は、この発明に従った高吸水性ポリマーを含むがこれに制限されず、ここでGBP Iは少なくとも約[54000e-0.18x+100]×10-9cm2であり、またはGBP Iは少なくとも約[54000e-0.175x+100]×10-9cm2であり、またはGBP Iは少なくとも約[54000e-0.17x+100]×10-9cm2であり、またはGBP Iは少なくとも約[54000e-0.165x+100]×10-9cm2である。この発明の高吸水性ポリマーは、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーの最初の重合によって得られる。好適なモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのカルボキシル基を含有するものを含み、またはこれらのモノマーの混合物がここでは好ましい。酸基の少なくとも約50重量%、より好ましくは少なくとも約75wt%がカルボキシル基であることが好ましい。酸基は少なくとも約25モル%の程度に中和される、すなわち酸基はナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩として存在することが好ましい。中和の程度は好ましくは少なくとも約50モル%である。内部架橋剤の存在下でカルボキシル基が50−80モル%の程度に中和されたアクリル酸またはメタクリル酸の重合によって得られるポリマーを得ることが好ましい。
【0017】
この発明に従った吸収性ポリマーの調製のために用いられ得るさらなるモノマーは、0−40wt%のエチレン性の(ethylenically)不飽和のモノマーであり、これはa)、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチル
、アクリル酸(メタクリル酸)ジメチルアミノアルキル、エトキシ化アクリル酸(メタクリル酸)塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、またはアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどと共重合できる。これらのモノマーが40wt%よりも多いとポリマーの膨潤性を損ない得る。
【0018】
内部架橋剤は、少なくとも2つのエチレン性の不飽和の二重結合、もしくは1つのエチレン性の不飽和の二重結合および重合可能な不飽和酸基含有モノマーの酸基に対して反応性の1つの官能基を有し、または酸基に対して反応性のいくつかの官能基が内部架橋成分として用いられてもよく、重合可能な不飽和酸基含有モノマーの重合の際に存在してもよい。
【0019】
内部架橋剤の例は、脂肪族不飽和アミド、たとえばメチレンビスアクリル−もしくは−メタクリルアミドまたはエチレンビスアクリルアミドなど、およびさらに、ポリオールもしくはアルコキシル化ポリオールとエチレン性の不飽和の酸との脂肪族エステル、たとえばブタンジオールもしくはエチレングリコール、ポリグリコールまたはトリメチロールプロパンのジアクリル酸(ジメタクリル酸)塩またはトリアクリル酸(トリメタクリル酸)塩、好ましくは1から30モルのアルキレンオキシドによってオキシアルキル化、好ましくはエトキシ化されたトリメチロールプロパンのジ−およびトリアクリル酸エステル、グリセロールおよびペンタエリスリトール、ならびにグリセロールおよび好ましくは1から30モルのエチレンオキシドでオキシエチル化されたペンタエリスリトールのアクリル酸およびメタクリル酸エステルなど、およびさらに、アリル化合物、たとえばアクリル酸(メタクリル酸)アリル、好ましくは1から30モルのエチレンオキシドと反応させたアルコキシル化アクリル酸(メタクリル酸)アリル、トリアリルシアヌル酸塩、トリアリルイソシアヌル酸塩、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、ジオール、ポリオール、ヒドロキシアリルまたはアクリル酸化合物、およびリン酸または亜リン酸のアリルエステルなど、およびさらに、架橋可能なモノマー、たとえばメタクリルアミドまたはアクリルアミドなどの不飽和アミドのN−メチロール化合物、およびそれに由来するエーテルなどを含む。多価金属塩などのイオン架橋剤が用いられてもよい。上述の架橋剤の混合物を用いることもできる。内部架橋剤の含有量は、重合可能な不飽和酸基含有モノマーの合計量に基づいて約0.01wt%から約5wt%、好ましくは約0.1wt%から約3.0wt%である。
【0020】
フリーラジカル重合を開始するために、通常のイニシエータ、たとえばアゾまたはペルオキソ化合物、酸化還元系またはUVイニシエータ、(感光剤)、および/または放射が用いられる。
【0021】
吸収性ポリマーは重合の後に表面架橋される。表面架橋とは、高吸水性粒子表面に近接するポリマーマトリックスの架橋密度を粒子内部の架橋密度に対して増加させるあらゆるプロセスである。吸収性ポリマーは典型的に、表面架橋剤の添加によって表面架橋される。好ましい表面架橋剤は、ポリマー鎖のペンダント基、典型的には酸基に対する反応性を有する1つまたはそれ以上の官能基を有する化学物質を含む。表面架橋剤の含有量は、乾燥ポリマーの重量に基づいて約0.01wt%から約5wt%、好ましくは約0.1wt%から約3.0wt%である。表面架橋剤を添加した後の加熱ステップが好ましい。
【0022】
一般的に、この発明は、微粒子高吸水性ポリマーを炭酸アルキレンで被覆し、その後加熱することによって表面架橋をもたらして、表面架橋密度およびゲル強度特性を改善するステップを含む。より特定的には、ポリマーを炭酸アルキレン表面架橋剤の水性アルコール溶液と混合することによって、表面架橋剤に微粒子を被覆させる。アルコールの量は炭酸アルキレンの溶解性によって定められ、たとえば爆発からの保護などの技術的な理由か
らできる限り低くされる。好適なアルコールはメタノール、エタノール、ブタノール、またはブチルグリコール、およびこれらのアルコールの混合物である。好ましい溶媒は水であり、典型的には微粒子高吸水性ポリマーに対して0.3重量%から5.0重量%の量が用いられる。場合によっては、炭酸アルキレン表面架橋剤はアルコールなしで水に溶解される。また、炭酸アルキレン表面架橋剤は、たとえばSiO2などの無機担体材料などとの粉末混合物から適用することも、または炭酸アルキレンの昇華によって蒸気の状態で適用することも可能である。
【0023】
所望の表面架橋特性を達成するために、炭酸アルキレンは微粒子高吸水性ポリマー上に均一に分散する必要がある。このために、混合は流動床ミキサ、パドルミキサ、回転ドラムミキサまたはツインウォーム(twin−worm)ミキサなどの好適なミキサにおいて行なわれる。微粒子高吸水性ポリマーの製造におけるプロセスステップの1つにおいて特定の高吸水性ポリマーの被覆を行なうことも可能である。このために特に好適なプロセスは逆懸濁重合プロセスである。
【0024】
被覆処理に続く熱処理は以下のように行なわれる。一般的に熱処理は100℃から300℃の間の温度である。しかし、好ましい炭酸アルキレンが用いられるとき、熱処理は150℃から250℃の間の温度である。処理温度は休止時間および炭酸アルキレンの種類に依存する。150℃の温度において、熱処理は1時間またはそれ以上行なわれる。一方、250℃の温度においては、数分間、たとえば0.5分から5分間で十分に所望の表面架橋特性が得られる。熱処理は従来のドライヤまたはオーブンで行なわれてもよい。
【0025】
次いで、粒子は例として高吸水性ポリマーの物理的形状で用いられるが、この発明はこの形状に制限されず、繊維、泡、膜、ビーズ、棒などの他の形状にも適用可能である。
【0026】
この発明に従った吸収性ポリマーは、表面架橋剤の前、最中または直後に加えられる0wt%から約5wt%の浸透調整剤を含み得る。浸透調整剤の例は、薬剤またはこれらの薬剤が適用される媒質の粘度、表面張力、イオン特性または粘着を変えることによって、高吸水性ポリマー粒子、繊維、膜、泡またはビーズへの表面修飾剤の浸透深度を変える化合物を含む。好ましい浸透調整剤は、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、1価の金属塩、界面活性剤、水溶性ポリマー、熱可塑性樹脂またはそれらのブレンドである。
【0027】
この発明に従った吸収性ポリマーは、ポリマーの表面上に、混合物の重量に基づいて0wt%から約5wt%の多価金属塩を含み得る。多価金属塩は水溶性であることが好ましい。好ましい金属カチオンの例は、Al、Fe、Zr、MgおよびZnのカチオンを含む。好ましくは、金属カチオンは少なくとも+3の原子価を有し、Alが最も好ましい。多価金属塩における好ましいアニオンの例は、ハロゲン化物、塩化水和物、硫酸塩、硝酸塩および酢酸塩を含み、塩化物、硫酸塩、塩化水和物および酢酸塩が好ましく、塩化水和物および硫酸塩がより好ましく、硫酸塩が最も好ましい。硫酸アルミニウムは最も好ましい多価金属塩であり、商業的に容易に入手可能である。硫酸アルミニウムの好ましい形は水和した硫酸アルミニウムであり、好ましくは12から14の水和水を有する硫酸アルミニウムである。多価金属塩の混合物を用いることもできる。
【0028】
ポリマーおよび多価金属塩は好適に、当業者に周知の手段を用いて、ドライブレンディングによって、または好ましくは溶液中で混合される。水性溶液が好ましい。ドライブレンディングの際には、塩および高吸水性ポリマーの実質的に均一な混合物が維持されることを確実にするために十分な量の結合剤が用いられてもよい。結合剤は水、または少なくとも150℃の沸点を有する不揮発性有機化合物であってもよい。結合剤の例は水、ならびにプロピレングリコール、グリセリンおよびポリ(エチレングリコール)などのポリオ
ールを含む。
【0029】
この発明に従った吸収性ポリマーは、約0.01wt%から約5wt%の水不溶性無機粉末を含み得る。不溶性無機粉末の例は、二酸化ケイ素、ケイ酸、ケイ酸塩、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、リン酸カルシウム、クレー、珪藻土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、ハイドロタルサイト、活性白土などを含む。不溶性無機粉末添加剤は、単一の化合物であっても、上述のリストから選択される化合物の混合物であってもよい。これらすべての例のうち、微細な非結晶性の二酸化ケイ素または酸化アルミニウムが好ましい。さらに、無機粉末の好ましい粒径は1,000μmまたはそれより小さく、より好ましくは100μmまたはそれより小さい。
【0030】
この発明に従った高吸水性ポリマーはまた、ポリマー粒子表面への0wt%から約5wt%の界面活性剤の添加を含んでもよい。それは表面架橋ステップの直前、最中または直後に添加されることが好ましい。
【0031】
こうした界面活性剤の例はアニオン、非イオン、カチオンおよび両性の表面活性剤を含み、たとえば脂肪酸塩、ココアミン(coco amines)およびアミドならびにそれらの塩、アルキル硫酸エステル塩(alkylsulfuric ester salts)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ−コハク酸塩、アルキルリン酸塩、およびポリオキシエチレンアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸エステル、およびオキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー;アルキルアミン塩、第四アンモニウム塩;ならびにラウリルジメチルアミン酸化物などである。しかし、界面活性剤を前述のものに制限する必要はない。こうした界面活性剤は個別に用いられても、組合せて用いられてもよい。
【0032】
高吸水性ポリマーはまた、0wt%から約30wt%の水溶性ポリマー、たとえば部分的または完全に加水分解されたポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、デンプンまたはデンプン誘導体、ポリグリコールまたはポリアクリル酸などを好ましくは重合された(polymerized−in)形で含んでもよい。これらのポリマーの分子量は、それらが水溶性である限り重要でない。好ましい水溶性ポリマーはデンプンおよびポリビニルアルコールである。この発明に従った吸収性ポリマーにおけるこうした水溶性ポリマーの好ましい含有量は、成分a)からd)の合計量に基づいて0−30wt%、好ましくは0−5wt%である。水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコールなどの合成ポリマーは、重合されるモノマーに対するグラフトベースにもなり得る。
【0033】
この発明の高吸水性ポリマーは、約0.01wt%から5wt%の熱可塑性融解温度を有する熱可塑性ポリマーを含み、熱可塑性ポリマーが粒子表面に適用されると同時に、またはそれに続いて、ほぼ熱可塑性融解温度の温度にされる。熱可塑性ポリマーは固体またはエマルション状態であり得るポリマーであることが好ましい。この発明に好適な典型的な熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、スチレンポリブタジエン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エチレンアルキルメタクリル酸コポリマー(EMA)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)を含んでもよいがこれに制限されず、またポリオレフィンのすべてのファミリーのブレンド、たとえばPP、EVA、EMA、EEA、EBA、HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE、および/またはVLDPEのブレンドなども有利に用いられ得る。
【0034】
ここで用いられる「ポリオレフィン」という用語は一般的に、ポリエチレン、エチレン
ビニルアセテートコポリマーなどの材料、そのホモポリマー、コポリマー、ターポリマーなど、ならびにそのブレンドおよび変形を含むがそれに制限されない。「ポリオレフィン」という用語はすべての可能な構造を含み、それはアイソタクチック、シンジオタクチック、およびランダムシンメトリを含むがそれに制限されない。コポリマーはランダムおよびブロックコポリマーを含む。エチレンアクリル酸コポリマーEAA、ポリエステルおよびEVAは、この発明において用いるのに好ましい熱可塑性ポリマーである。しかし、ポリオレフィンのすべてのファミリーのブレンド、たとえばPP、EVA、EMA、EEA、EBA、HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE、および/またはVLDPEのブレンドなども有利に用いられてもよい。
【0035】
表面修飾の際にいくつかの役割を行なう表面添加剤を用いることが望ましい場合がある。たとえば、単一の添加剤は界面活性剤、粘度調整剤であって、架橋ポリマー鎖に反応してもよい。
【0036】
高吸水性ポリマーはまた、0wt%から約2.0wt%の除塵剤を含んでもよく、たとえば米国特許第6,090,875号および第5,994,440号に記載されるものなどの親水性および疎水性除塵剤などがこの発明のプロセスにおいて用いられてもよい。
【0037】
この発明に従った高吸水性ポリマーのさらなる添加剤は、臭気結合物質、たとえばシクロデキストリン、ゼオライト、無機または有機塩および類似の材料など;抗ケーキング添加剤、流動調整剤などが任意に用いられてもよい。
【0038】
この発明に従ったポリマーは、2つの方法によって調製されることが好ましい。ポリマーは、上述の公知のプロセスによって大規模な工業的態様で連続的または不連続的に調製でき、この発明に従った後架橋(after−crosslinking)が行なわれる。
【0039】
第1の方法に従うと、部分的に中和されたモノマー、好ましくはアクリル酸が、架橋剤および任意にさらなる成分の存在下で水性溶液中のフリーラジカル重合によってゲルに変換され、そのゲルが細かく砕かれ、乾燥され、粉砕され、ふるいにかけられて所望の粒子サイズにされる。この溶液重合は連続的または不連続的に行なわれ得る。
【0040】
この発明に従った生成物の調製には、逆懸濁およびエマルション重合も用いられ得る。これらのプロセスに従うと、モノマー、好ましくはアクリル酸の部分的に中和された水性溶液が、保護コロイドおよび/または乳化剤の助けによって疎水性有機溶媒中に分散され、フリーラジカルイニシエータによって重合が開始される。内部架橋剤はモノマー溶液に溶解されて一緒に計量されても、または重合の際に別に任意に加えられてもよい。グラフトベースとしての水溶性ポリマーd)の添加は、モノマー溶液を介して、または油性相への直接導入によって任意に行なわれる。次いで混合物から水が共沸混合物によって取除かれ、ポリマーは濾過されて任意に乾燥される。内部架橋は、モノマー溶液に溶解された多官能性の架橋剤の重合によって、および/または重合ステップにおける好適な架橋剤のポリマーの官能基との反応によって行なわれ得る。
【0041】
実施の形態の1つにおいて、高吸水性ポリマーは個別の粒子の形で用いられる。高吸水性ポリマー粒子は、たとえば螺旋形または半螺旋形、立方形、棒形、多面体などのあらゆる好適な形であってもよい。針状、フレーク状または繊維状などの最大寸法/最小寸法比が大きい粒子の形をここに用いることも予期される。高吸水性ポリマーの粒子の集合体が用いられてもよい。
【0042】
ここで用いられる高吸水性プレ生成物(Preproduct)は、高吸水性物質を作
成するすべてのステップを繰返すことによって生成され、それは材料を乾燥し、粉砕機で粗く粉砕し、850ミクロンよりも大きい粒子および150ミクロンよりも小さい粒子を取除くステップを含む。
【0043】
高吸水性プレ生成物は、セメントミキサ、スクリューミキサ、シグマブレード、流動化ミキサまたは回転ドラムミキサなどのミキサによって、熱可塑性ポリマー、無機粉末および多価金属塩ならびに他の添加剤とともに、周囲条件下で実質的に均一にブレンドされてもよい。ミキサの1つのタイプは、ホームデポから入手可能なレッドライオン(Red Lion)モデル「ビッグキャット(Big Cat)」タイプBコンクリートミキサである。ブレンドのための時間は約20分間である。高速の流動化ミキサにおけるブレンド時間は1分よりも短くできる。均一にブレンドされた生成物は次いでパドルドライヤに供給され、そこでブレンド生成物は加熱されてさらに混合される。特に、ブレンド生成物は約150℃から約225℃、好ましくは約170℃から約200℃の温度に加熱される。加熱されたパドルドライヤ中のブレンド生成物の滞留時間は約10分から約60分間である。必要な滞留時間は高吸水性ポリマーの所望の特性に依存する。
【0044】
この発明の高吸水性ポリマーは、ゲル−ベッド浸透性(Gel Bed Permeability:GBP)、遠心機保持容量(Centrifuge Retention
Capacity:CRC)およびダスト値(Dust Value)によって測定されるような特定の特徴または特性を有する。ゲル−ベッド浸透性試験(GBP)は、一般的に「自由膨潤」状態と呼ばれる状態の後の制限圧力の下での(たとえば吸収性構造から分離した)cm2での高吸水性材料の膨潤されたベッドの浸透性の測定である。「自由膨潤」という用語は、以下に説明されるように高吸水性材料が試験溶液を吸収する際に膨潤抑制負荷なしに膨潤されることを意味する。
【0045】
遠心機保持容量試験(CRC)は、高吸水性材料が調節された条件下で飽和されて遠心にかけられた後に、高吸水性材料中に液体を保持する能力を測定するものである。その結果得られる保持容量は、試料のグラム重量当たりの保持された液体のグラム数(g/g)で示される。
【0046】
グラフ1に示されるとおり、このグラフはゲル−ベッド浸透性と遠心機保持容量との関係を示す。過架橋によってもたらされる望ましくない高いせん断弾性係数を伴わない、非常に高いGBP値および高いCRCの特性の顕著な組合せを有するこの発明に従った生成物は、毒物学上許容できない物質を使用することなく調製できる。
【0047】
この発明に従ったポリマーは、生理用ナプキン、オムツを含む多くの製品または創傷被覆において用いることができ、それらは大量の月経の血液、尿またはその他の体液を迅速に吸収する特性を有する。この発明に従った薬剤は、圧力下でも吸収された液体を保持し、付加的に膨潤状態で構成内にさらなる液体を分散できるため、これまで可能であったよりも、たとえば綿毛などの親水性繊維材料に関してより高い濃度で用いられることがより好ましい。それらはまた、オムツ構成における綿毛含有量なしの均一な高吸水体層として用いるために好適であり、その結果特に薄いオムツが可能になる。このポリマーはさらに、成人用の衛生用品(失禁用製品)において使用するために好適である。
【0048】
最も広い意味における積層品、ならびに押出成形および共有押出成形、湿式結合および乾式結合された、またその後結合された構造の調製も、さらなる調製プロセスとして可能である。これらの可能なプロセスを互いに組合せたものも可能である。
【0049】
この発明に従ったポリマーはまた、さらなる用法に対して好適な吸収性用品においても使用される。特に、この発明のポリマーは、水または水性液体に対する吸収材のための吸
収性組成、好ましくは体液の吸収のための構成において、発泡および非発泡シート状構造において、包装材料において、植物成長用の構成において、土壌改善剤として、または活性化合物担体として、用いられ得る。このために、それらは紙または綿毛または合成繊維と混合することによって、または紙、綿毛または不織布の基体の間に高吸水性ポリマーを分散させることによって、または担体材料に加工することによって、織物に加工される。
【0050】
それらはさらに、創傷用包帯、包装、農業用吸収材、食品トレイおよびパッドなどの吸収性組成における使用のために好適である。
【0051】
驚くべきことに、この発明に従った高吸水性ポリマーは、高い吸収および保持容量を維持しながら、浸透性のかなりの改善、すなわち膨潤状態における液体の輸送の改善を示す。
【0052】
試験方法
ゲル−ベッド浸透性
ここではゲル−ベッド浸透性を測定するために2つの試験、ゲル−ベッド浸透性I(GBPI)およびゲル−ベッド浸透性II(GBPII)を用いる。ゲル−ベッド浸透性I(GBPI)試験は、一般的に「自由膨潤」状態と呼ばれる状態の下で、高吸水性ポリマーの膨潤されたベッドの浸透性を定める。「自由膨潤」という用語は、以下に説明されるように高吸水性ポリマーが試験溶液を吸収する際に膨潤抑制負荷なしに膨潤されることを意味する。浸透性試験を行なうために好適な装置を図1および図2に示し、28として一般的に示す。試験装置28は、30に一般的に示される試料容器と、36に一般的に示されるピストンとを含む。ピストン36は円筒形のレキサン(登録商標)シャフト38を含み、シャフトの長手軸に沿って同心の円筒形の穴40が開けられている。シャフト38の両端部は機械加工されてそれぞれ42、46で示される上側および下側端部を与える。48として示される重しは一方の端部42に載っており、その中央の少なくとも一部には円筒形の穴48aが開けられている。
【0053】
他方の端部46には円形のピストンヘッド50が位置決めされており、ピストンヘッド50には各々直径が約0.95cmの7個の穴60の同心内側リングと、各々直径が約0.25cmの14個の穴54の同心外側リングとが設けられる。穴54、60はピストンヘッド50の頂部から底部まで開けられる。ピストンヘッド50はまた、シャフト38の端部46を受取るために中央に開けられた円筒形の穴62を有する。ピストンヘッド50の底部は、二軸方向に延ばされた400メッシュステンレススチールスクリーン64で覆われていてもよい。
【0054】
試料容器30はシリンダ34と、2軸方向にピンと張られてシリンダの下側端部に取付けられた100メッシュステンレススチール布スクリーン66とを含む。図1において68に示される高吸水性ポリマー試料は、試験中シリンダ34内のスクリーン66上に支持される。
【0055】
シリンダ34は透明なレキサンロッドまたは同等の材料に穴を開けたものであってもよく、またはレキサン管または同等の材料を切削したものであってもよく、その内径は約6cm(たとえば断面積が約28.27cm2)、壁の厚さは約0.5cm、高さは約5cmである。シリンダ34の側壁にはスクリーン66から約4.0cmの高さのところに排水穴(図示せず)が形成され、シリンダから液体を排出させることによって、試料容器中の流体レベルをスクリーン66の上約4.0cmに維持する。ピストンヘッド50はレキサンロッドまたは同等の材料を機械加工したものであり、その高さは約16mmであり、直径はシリンダ34内で壁の隙間を最小限にしつつ自由に摺動するように大きさが定められる。シャフト38はレキサンロッドまたは同等の材料を機械加工したものであり、その
外径は約2.22cmであり、内径は約0.64cmである。
【0056】
シャフト上側端部42は長さが約2.54cmであり、直径が約1.58cmであり、重し48を支持するための環状の肩47を形成する。環状の重し48は内径が約1.59cmであり、それによってシャフト38の上側端部42の上を滑り、形成された環状の肩47の上に載る。環状の重し48は、蒸留水中の0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液である試験溶液の存在下で腐食に対する抵抗性のあるステンレススチールまたはその他の好適な材料から作成できる。ピストン36および環状重し48を合せた重量は約596グラム(g)に等しく、これは約28.27cm2の試料領域にわたって吸収性構造試料68に加えられたインチ平方当たり(psi)約0.3ポンドまたは約20.7グラム/cm2の圧力に相当する。
【0057】
以下に説明するとおり試験中に試験溶液が試験装置を流れるとき、試料容器30は一般的に16メッシュ剛性ステンレススチール支持スクリーン(図示せず)の上に載る。代替的には、試料容器30は支持リング(図示せず)の上に載ってもよく、支持リングはシリンダ34とほぼ同じ直径の大きさにされることによって、容器の底部からの流れを制限しないようにされる。
【0058】
「自由膨潤」状態下でゲル−ベッド浸透性I試験を行なうために、ピストン36は上に載せられた重し48とともに空の試料容器30の中に入れられ、0.01mmまで正確な好適なゲージのカリパーを用いて重し48の底部からシリンダ34の頂部までの高さが測定される。複数の試験装置を用いるときには、空の試料容器30の各々の高さを測定し、どのピストン36および重し48を用いたかを把握しておくことが重要である。高吸水性ポリマー試料68が飽和の後に水膨潤されるとき、測定のために同じピストン36および重し48が用いられるべきである。
【0059】
試験される試料は、米国規格30メッシュスクリーンによって予めふるい分けられ、米国規格50メッシュスクリーン上に保持された高吸水性材料粒子から調製される。その結果、試験試料は約300ミクロンから約600ミクロンの範囲のサイズの粒子を含む。粒子は手動で、または自動的に予めふるい分けられてもよい。約0.9グラムの試料を試料容器30に入れ、中にピストン36および重し48を有さない容器を約60分の期間試験溶液に沈めることによって試料を飽和させて試料をいかなる抑制負荷もなしに膨潤させる。
【0060】
この期間の終了時に、ピストン36および重し48の集合体を試料容器30中の飽和した試料68の上に置き、次いで試料容器30、ピストン36、重し48および試料68を溶液から取除く。最初の高さ測定からゼロ点が変わっていないという前提で、前に用いたのと同じカリパーまたはゲージを用いて重し48の底部からシリンダ34の頂部までの高さを再び測定することによって、飽和した試料68の厚さを定める。試料68を飽和させた後に得られた高さ測定値から、空の試料容器30、ピストン36および重し48の測定から得られた高さ測定値を引く。その結果得られる値は、膨潤した試料の厚さまたは高さ“H”である。
【0061】
浸透性の測定は、中に飽和試料68、ピストン36および重し48を有する試料容器30中に試験溶液の流れを送達することによって開始される。容器への試験溶液の流量は、流体の高さを試料容器の底部から約4.0cmの高さに維持するように調整される。時間に対する試料68を通過する溶液の量を重量によって測定する。一旦流体レベルが安定して高さが約4.0cmに維持されると、少なくとも20秒間にわたって1秒ごとにデータ点が回収される。膨潤試料68を通る流量Qは、時間(秒)に対する試料68を通過する流体(グラム)の線形最小二乗フィットによって、グラム/秒(g/g)の単位で定めら
れる。
【0062】
cm2での浸透性は次の等式によって得られる。
K=[Q*H*Mu]/[A*Rho*P]
ここでK=浸透性(cm2)、Q=流量(g/速度)、H=試料の高さ(cm)、Mu=液体粘度(ポイズ)(試験で用いられる試験溶液に対しては約1センチポイズ)、A=液体流に対する断面積(cm2)、Rho=液体密度(g/cm3、この試験で用いられる試験溶液に対して)、およびP=静水圧(ダイン/cm2)(通常約3.923ダイン/cm2)。静水圧は次の式から算出される。
【0063】
P=Rho*g*h
ここでRho=液体密度(g/cm2)、g=重力加速度、公称981cm/sec2、およびh=流体高さ、たとえばここに記載される浸透性試験に対して4.0cm。
【0064】
少なくとも3つの試料を試験し、結果を平均することによってその試料のゲル−ベッド浸透性を定める。試料は摂氏23±1度、相対湿度50±2パーセントで試験される。
【0065】
ゲル−ベッド浸透性II(GBPII)試験は、次の相違点以外はGBPIと同じである。相違点の1つはシリンダ34の長さである。GBPIにおいて流体の高さは4cmであるが、GBPIIにおいては7.8cmである。GBPIIにおけるシリンダは高さが10cmである。加えて、GBPIIにおいては3つの排出ポートが存在し、スクリーンの上7.8cmのところに中心合せされている。これらのポートはシリンダ直径に関して120°離れており、食塩水入口ポートは排出ポートの中点より1.2cm上にある(中心合せされる)。また、GBPI値は次のようにGBPII測定値から算出できる。
【0066】
算出GBPIは1.5×GBPIIにほぼ等しい。
遠心機保持容量試験
遠心機保持容量(CRC)試験は、高吸水性ポリマーが調節された条件下で飽和されて遠心にかけられた後に、高吸水性ポリマー中に液体を保持する能力を測定するものである。その結果得られる保持容量は、試料のグラム重量当たりの保持された液体のグラム数(g/g)で示される。試験される試料は、米国規格30メッシュスクリーンで予めふるい分けられ、米国規格50メッシュスクリーン上に保持された粒子から調製される。その結果、高吸水性ポリマー試料は、約300ミクロンから約600ミクロンの範囲のサイズの粒子を含む。粒子は手動で、または自動的に予めふるい分けられ得る。
【0067】
保持容量は、約0.2グラムの予めふるい分けられた高吸水性ポリマー試料を水浸透性の袋に入れることによって測定され、その袋は試料を含有しながら試験溶液(蒸留水中の0.9重量パーセント塩化ナトリウム)を試料に自由に吸収させる。熱融着可能なティーバッグ材料、たとえば米国コネチカット州ウィンザーロックスのデクスター社(Dexter Corporation)からモデル名称1234T熱融着可能フィルタペーパーとして入手可能なものなどがほとんどの適用に対して有用である。この袋は、袋材料の5インチ掛ける3インチのサンプルを半分に折り、開放端縁の2つを熱融着して2.5インチ掛ける3インチの矩形の小袋を形成することによって形成される。熱融着は材料の端縁より約0.25インチ内側にすべきである。試料を小袋に入れた後、小袋の残りの開放端縁も熱融着される。対照とするために空の袋も作られる。試験される各高吸水性ポリマーに対して3つの試料が調製される。
【0068】
融着された袋は23℃にてパンまたは試験溶液中に沈められ、袋が完全に湿るまで確実に下に保持されるようにされる。湿らされた後、試料は溶液中に約30分間残されてから溶液から取出され、非吸収性の平らな表面上に一時的に置かれる。
【0069】
次いで、湿った袋は試料に約350のg力をかけることができる好適な遠心機のバスケットに入れられる。好適な遠心機の1つはクレイアダムスダイナック(Clay Adams Dynac)II、モデル♯0103であり、これは水回収バスケットと、デジタルrpm計器と、平らな袋試料を保持して排水するよう適合された機械加工された排水バスケットとを有する。複数の試料が遠心分離されるとき、試料は回転の際にバスケットのバランスを取るために遠心機内の対向する位置に置かれる必要がある。袋(湿った空の袋を含む)は、(たとえば、約350の目標g力を得るために)約1,600rpmにて3分間遠心分離される。袋は取出されて計量される。このとき、空の袋(対照)が最初に計量され、その後高吸水性ポリマー試料を含有する袋が計量される。袋自体に保持される溶液を考慮に入れて、高吸水性ポリマー試料によって保持される溶液の量は、高吸水性ポリマーの遠心機保持容量(CRC)であり、高吸水性ポリマーのグラム当たりの流体のグラム数として表わされる。より特定的には、保持容量は次のように定められる。
【0070】
【数1】

【0071】
3つの試料が試験され、その結果を平均することによって高吸水性ポリマーの保持容量(CRC)が定められる。
【0072】
高吸水性ポリマーはまた、好適には前述のゲル−ベッド浸透性試験によって定められたゲル−ベッド浸透性(GBP)が少なくとも[54000e-0.18x+75]×10-9cm2であり、ここでxは遠心機保持容量の数値であり、好ましくはGBPは少なくとも約[54000e-0.175x+100]×10-9cm2であり、より好ましくはGBPは少なくとも約[54000e-0.17x+100]×10-9cm2であり、最も好ましくはGBPは少なくとも約[54000e-0.165x+100]×10-9cm2である。
【0073】
ゲル強度/せん断弾性係数試験
せん断弾性係数試験は、高吸水性材料のゲル強度またはゲル変形傾向を測定するものである。せん断弾性係数は、図3に示され70に一般的に示されるランクブラザーズ(Rank Brothers)パルスシェアロメータ(Pulse Shearometer)を用いて測定され、パルスシェアロメータは円形の下側プレート72を含み、その上に膨潤された高吸水性ポリマーが置かれる。この場合には、ランクパルスシェアロメータTM(Rank Pulse ShearometerTM)に対する操作マニュアル「せん断弾性係数測定の簡単な説明(The Simple Solution to Shear Modulus Measurements)」が参照される。この器械は、1対の平行なディスク72および74の間をねじれせん断波が伝播できるように構成されている。各ディスクは圧電変換器の上に設置されており、一方はせん断波を起こすために用いられ、他方は短時間の後にこの波の到着を検出するために用いられる。ディスクの分離はねじ調整によって変更でき、ダイヤルゲージによって測定できる。所与のディスク分離の各々に対してせん断波の伝播時間が測定される。次いで、ディスク分離に対してプロットされた伝播時間のグラフの勾配から波速を定めることが可能である。次いで、せん断弾性係数の値を次の近似から算出できる。
【0074】
G=ρV2
ここでGはNm-2でのせん断弾性係数、ρはkg.m-3での高吸水性ポリマー試料の密度、Vはms-1での波伝播速度である。
【0075】
試験される試料は、人工尿中でゲル体積に膨潤される。2枚のペーパータオルの上で正確に1分間吸い取って水気を切ることにより、試料から過剰な自由人工尿を取除く。
【0076】
高吸水性試料のせん断弾性係数(G′)は次の式から算出される。
G′=密度×(せん断波速)×(せん断波速)
材料の弾性は、以下の態様で波の速度に関係してもよい。すなわち、高吸水性ポリマー中のせん断波の通過に対して、動的弾性係数の保存成分(弾性)G′は次の等式によって表わすことができる。
【0077】
G′=[V2ρ(1−n2)]/(1+n22
ここでVは光の伝播速度、ρは高吸水性ポリマーの密度、nは臨界減衰長さに対する波長の割合である。せん断弾性係数の測定値は、英国ブリストルのブリストル大学のブリストルコロイドセンター(Bristol Colloid Center)などのコンサルタントグループを通じて得ることができる。また、ランクシェアロメータはインターネット上に提示される。
【0078】
せん断弾性係数試験を行なうための準備には、人工尿を調製するステップが含まれ、人工尿は1%水性Triton X−100、7.50g;塩化ナトリウム、30.00g;無水CaCl2、0.68g;MgCl26H2O、1.80g;およびDI水、3000.0gから作成される。
【0079】
約90gの人工尿を3個の大きなビーカーに入れる。次いで、約3.00gのSAPをアルミニウム計量パンに入れる。SAPを第1のビーカーの攪拌される人工尿に加え、時間測定を開始する。各試料は典型的には30分間、平衡値になるまで膨潤される。各試料は均一な流体分散を確実にするように攪拌された。大きな金属スパチュラを用いて水和した高吸水性ポリマーをビーカーから取出し、半分に折って積重ねられた、キンバリークラーク(Kimberly−Clark)より入手可能な2枚のワイプオールズL20キムタオル(Wipe Alls L20 Kimtowels)(登録商標)の上に均一に広げた。高吸水性ポリマー試料は、ワイプオールズの上で正確に60秒間吸い取られる。スパチュラを用いてポリマーをペーパータオルの上に広げ、ポリマーはタオルに軽くしか押付けない。ポリマーを分散させるために必要な力以上の力は加えない。60秒後にポリマーをスパチュラで集め、ビーカーに戻す。ビーカーは試料が測定されるまでホイルまたはフィルムで覆われる。
【0080】
試料のせん断弾性係数は試料調製から1時間以内に測定される。試料はシェアロメータ管に移され、下側ディスク72上に置かれ、シェアロメータ管を下側ディスクから少なくとも18mmの高さまで満たす。頂部ディスク74集合体を、頂部ディスクが底部ディスクから正確に12mmの距離になるまでゆっくりと低くする。せん断弾性係数G′は、プレート距離を12mmから6mmまで1mmずつ減少させながら、ねじれ波動がSAPを通過するために必要な時間を測定することによって、測定され記録される。線形の時間対ディスク分離距離プロットの勾配が、せん断弾性係数G′を算出するために用いられるせん断波速を与える。
【0081】
ダスト値
ここで用いられるダスト値は、ドイツのパラス社(Palas GmbH)より入手可能なダストビューユニット(Dustview Unit)にて測定される。パラス装置は、http://www.palas.de/engl/produkte/part.htmに見出される。操作者は30グラムの試験粉末またはSAP生成物を漏斗に加えてボタンを押すだけでよい。ダストビューユニットは試料を分析して報告書を発行する。ダスト値は約10またはそれ以下であるべきで
あり、好ましくは約4またはそれ以下である。
【実施例】
【0082】
実施例
以下の実施例はこの発明を例示するために与えられるものであり、請求項の範囲を制限しない。特に述べられていない限り、すべての部分およびパーセンテージは重量による。
【0083】
2003年4月25日に提出された米国特許出願連続番号第10/424,195号の実施例1−31が全体にわたってこの出願に援用される。
【0084】
【表1】

【0085】
グラフ1に見られるとおり、遠心機保持容量によって測定される保持とGBP Iによって測定される浸透性との典型的な関係は、ほぼGBP I=54000e-0.2275xとして表わされ、ここでx=CRCである。500×10-9cm2よりも大きい浸透性は、非常に低い保持値、すなわち約25g/gよりも小さいCRCにおいてのみ得られる。この発明において、グラフ1は、遠心機保持容量とGBP Iとして測定される浸透性との間に全く異なる関係が存在することを示す。グラフ1はかなり高いCRC値におけるかなり高い浸透性を示す。浸透性はしばしば先行技術に対して示されるものの2倍、3倍、または4倍のことさえある。
【0086】
実施例1 SAPプレ生成物
隔離された平底の反応容器において、1866.7gの50%NaOHを3090.26gの蒸留水に加え、25℃に冷却した。次いで苛性溶液に800gのアクリル酸を加え、溶液を再び25℃に冷却した。アクリル酸中に120gの50wt%メトキシポリエチレングリコール(750)モノメタクリル酸塩を含有する、アクリル酸の1600gの第2の溶液と、3モルのエトキシ化を有するトリメチロールプロパントリアクリル酸塩14
.4gとを第1の溶液に加え、その後15℃に冷却し、10モルのエトキシ化を有するヒドロキシモノアリルエーテル14.4gを加え、付加的に5℃に冷却し、これらすべてを撹拌しながら行なった。次に、モノマー溶液を100ppmの過酸化水素と、200ppmのアゾ−ビス−(2−アミジノ−プロペン)二塩化水素化物と、200ppmの過硫酸ナトリウムと、40ppmのアスコルビン酸(すべて水性溶液)との混合物によって断熱状態で重合させ、Tmax近くで25分間保持した。その結果得られたゲルを切り刻み、ホーバース(Hobarth)4M6業務用押出成形機によって押出成形し、その後プロクターアンドシュワルツ(Procter & Schwartz)モデル062強制空気オーブンにおいて175℃にて、20in×40in穴あき金属トレイ上で上流に流れる空気によって10分間、下流に流れる空気によって6分間、最終生成物水分レベルが5wt%よりも低くなるまで乾燥した。乾燥した材料をプロデバ(Prodeva)モデル315−S粉砕機中で粗く砕き、MPI666−F3段ローラミル中で粉砕し、ミノックス(Minox)MTS600DS3Vでふるって、850ミクロンより大きい粒子および150ミクロンより小さい粒子を取除いた。
【0087】
比較例1および実施例2から4
比較例1および実施例2から4に対する表3に従って、225gのプレ生成物を、表1に示すエチレンアクリル酸コポリマー塩の25%エマルションの量と、周囲条件でブレンドした。特に、プレ生成物は流動化された。表1に与えられる量に従って、炭酸エチレン、EAAおよび水を含有する噴霧溶液を調製した。噴霧溶液を流動化したプレ生成物に噴霧した。次いで、噴霧されたプレ生成物に0.9gのフュームドシリカ(アエロジル200)を加えた。全体の混合物を約1分間流動化した。4つの結晶化皿を強制空気対流オーブン中で約205℃に予熱した。各条件に対し、比較例1および実施例2−4の25gのSAPを各結晶化皿に入れた。オーブンのドアを閉め、温度設定点を190℃に下げた。試料をオーブン内に25分間置いた。比較例1および実施例2−4のダスト値を測定し、それらを表1に示す。より低いダスト値を有することが目的である。表1から、この発明の熱可塑性ポリマーで被覆された高吸水性ポリマーは、比較例の被覆されない高吸水性ポリマーよりも低いダスト値を有することが分かる。
【0088】
【表2】

【0089】
実施例5−10 パドルドライヤ中で変換された熱可塑性物質処理試料
表面架橋に対するブレンドを、熱可塑性物質が粉末であるかエマルション/溶液であるかによって2つの方法のうちの一方で、シリカを加えて、および加えずに調製した。
【0090】
熱可塑性エマルション(実施例5−6)
実施例1に基づく高吸水性プレ生成物を、空気中でのプレ生成物の流動化が可能な連続ミキサに供給した。シリカまたはポリマーの所望の量に依存して、SAPプレ生成物粒子を均一に被覆するために、空気およびプレ生成物の流動化混合物に添加剤の流れを同時に供給した。すべての条件に対して、EC/SAPプレ生成物の割合(1.5/100)を一定に保った。実施例5−6に対する条件に対しては、35%EC溶液に熱可塑性エマルションを加えた。供給速度およびEC/ポリマーブレンド濃度を表2に示す。各条件に対し、31.8キログラムの熱可塑性物質被覆プレ生成物を、パドルドライヤ中で20rpmで183−186°にて25分間加熱した。実施例5aはシリカを含有しないのに対し、実施例5bはシリカを含む。
【0091】
熱可塑性粉末(実施例7−10)
31.8キログラムの高吸水性プレ生成物を、実施例7−10に対して表2に示される熱可塑性ポリマーの量と均一にブレンドした。次いで、ブレンドした粉末混合物を空気中で流動化し、4.3%の35%炭酸エチレン水性溶液および0.4%シリカを噴霧した。各条件に対し、31.8kgの熱可塑性物質被覆プレ生成物をパドルドライヤ中で20rpmで183−186°にて25分間加熱した。
【0092】
【表3】

【0093】
実施例5−エチレンアクリル酸は、ミッチェムプライム(Michem Prime)48525Rとしてミッチェルマンケミカルズ社(Michelman Chemicals,Inc.)から商業的に入手可能である。
【0094】
実施例6−エチレンビニルアセテートは、エアフレックス(Airflex)315としてエアープロダクツアンドケミカルズ社(AIR PRODUCTS AND CHEMICALS,INC.CORPORATION)から商業的に入手可能である。
【0095】
実施例7−ポリエステル接着剤は、スキャッティフィックス(SchaettiFix)1370としてスキャッティ社(SCHATTI & CO.LIMITED)から商業的に入手可能である。
【0096】
実施例8−ポリエステル接着剤は、スキャッティフィックス386としてスキャッティ社から商業的に入手可能である。
【0097】
実施例9−ポリエステル接着剤は、ベスタメルト(Vestamelt)4481としてヒュルスアクチェンゲゼルシャフト(HULS AKTIENGESELLSCHAFT)から商業的に入手可能である。
【0098】
実施例10−ポリエステル接着剤は、ベスタメルト4480としてヒュルスアクチェンゲゼルシャフトから商業的に入手可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】浸透性試験を行なうための装置の断面図である。
【図2】図1の線2−2の面における断面図である。
【図3】せん断弾性係数試験を行なうための装置の正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高吸水性ポリマーであって、
a) 約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーと、
b) 約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤と、
c) 約0.001wt%から約5.0wt%の粒子表面に適用される表面架橋剤と、
d) 0wt%から約5wt%の表面架橋ステップの直前、間または直後の浸透調整剤と、
e) 0wt%から約5wt%の表面上の多価金属塩と、
f) 0wt%から2wt%の表面上の界面活性剤と、
g) 約0.01wt%から約5wt%の不溶性無機粉末と、
h) 約0.01wt%から5wt%の熱可塑性融解温度を有する熱可塑性ポリマーとを含み、前記熱可塑性ポリマーが粒子表面に適用されると同時に、またはそれに続いて、少なくともほぼ熱可塑性融解温度またはそれ以上の温度にされ、
組成は、中和の程度が約25%よりも大きく、遠心機保持容量が約25g/gまたはそれ以上であり、ゲル−ベッド浸透性Iが約500×10-9cm2またはそれ以上であり、またはゲル−ベッド浸透性IIが約300×10-9cm2またはそれ以上であるという特徴を有する、高吸水性ポリマー。
【請求項2】
GBP Iは少なくとも約[54000e-0.18x+100]×10-9cm2である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項3】
GBP Iは少なくとも約[54000e-0.175x+100]×10-9cm2である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項4】
GBP Iは少なくとも約[54000e-0.17x+100]×10-9cm2である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項5】
GBP Iは少なくとも約[54000e-0.165x+100]×10-9cm2である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、スチレンコポリマー、エチレンアルキルメタクリル酸コポリマー(EMA)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、ならびにそれらのブレンドおよびコポリマーからなる群より選択される、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項7】
ダスト値が約4またはそれ以下である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項8】
ゲル−ベッド浸透性Iが約800×10-9cm2もしくはそれ以上であるか、またはゲル−ベッド浸透性IIが約500×10-9cm2もしくはそれ以上である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項9】
せん断弾性係数が約9500ダイン/cm2よりも小さい、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項10】
せん断弾性係数が約4000ダイン/cm2から約8500ダイン/cm2である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項11】
高吸水性ポリマーであって、
a) 約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーと、
b) 約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤と、
c) 約0.001wt%から約5.0wt%の粒子表面に適用される表面架橋剤と、
d) 0wt%から約5wt%の表面架橋ステップの直前、間または直後の浸透調整剤と、
e) 0wt%から約5wt%の表面上の多価金属塩と、
f) 0wt%から2wt%の表面上の界面活性剤と、
g) 約0.01wt%から5wt%の熱可塑性融解温度を有する熱可塑性ポリマーとを含み、前記熱可塑性ポリマーが粒子表面に適用されると同時に、またはそれに続いて、少なくともほぼ熱可塑性融解温度またはそれ以上の温度にされ、
組成は、中和の程度が約25%よりも大きく、遠心機保持容量が約25g/gまたはそれ以上であり、ゲル−ベッド浸透性Iが約200×10-9cm2またはそれ以上であり、またはゲル−ベッド浸透性IIが約150×10-9cm2またはそれ以上であるという特徴を有する、高吸水性ポリマー。
【請求項12】
GBP Iは少なくとも約[54000e-0.18x+100]×10-9cm2である、請求項8に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項13】
GBP Iは少なくとも約[54000e-0.175x+100]×10-9cm2である、請求項8に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項14】
GBP Iは少なくとも約[54000e-0.17x+100]×10-9cm2である、請求項8に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項15】
GBP Iは少なくとも約[54000e-0.165x+100]×10-9cm2である、請求項8に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項16】
前記熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンアルキルアクリル酸コポリマー(EAA)、エチレンアルキルメタクリル酸コポリマー(EMA)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、ならびにそれらのブレンドおよびコポリマーからなる群より選択される、請求項8に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項17】
ダスト値が約4またはそれ以下である、請求項8に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項18】
せん断弾性係数が約9500ダイン/cm2よりも小さい、請求項10に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項19】
せん断弾性係数が約4000ダイン/cm2から約8500ダイン/cm2である、請求項10に記載の高吸水性ポリマー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2007−510045(P2007−510045A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538268(P2006−538268)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/035879
【国際公開番号】WO2005/044900
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(505396084)ストックハウゼン・インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】STOCKHAUSEN, INC.
【Fターム(参考)】