説明

高バイアス・ゲル用チューブ及びチューブを製造するプロセス

ゲル分離媒体が入っている改良された流体収集容器が提供される。ゲルは、容易に製造可能な方法及び形状でチューブ内に配置され、潜在するゲルの移動問題を克服する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液収集容器に関し、より詳細には、ゲル分離媒体を使って、異なる濃度の相に分離することができる特に血液収集チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
異なる濃度の相に分離するチキソトロピックゲル(a thixotropic gel)が入っている流体収集チューブ、例えば、血液の収集チューブは、周知である。例えば、特許文献1ないし5を参照されたい。これらの開示内容は、本明細書中に参照により組み込まれる。ゲルは、分離されるべき血液の相の濃度の間の濃度を有するように選択される。収集された血液サンプルを遠心分離すると、遠心分離の力がゲルをほとんど流動性のない状態からより流動性のある状態に強制的に変える。流動性のある状態において、ゲルは、2つの相の間の、例えば、血清と血餅との間の位置に移動する。また、遠心分離を停止すると、ゲルは、再び、ほとんど流動性のない状態になり、それにより、相間の分離を維持する。
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,997,442号明細書
【特許文献2】米国特許第4,257,886号明細書
【特許文献3】米国特許第4,426,290号明細書
【特許文献4】米国特許第4,770,779号明細書
【特許文献5】米国特許第6,238,578号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲルの移動、すなわち、遠心分離によるゲルの十分な移動を得ることは、時々、問題となる。特許文献1は、1つの解決法を示唆しているが、改良が常に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ゲル分離媒体が入っている改良された流体収集容器に関する。本発明によれば、ゲルは、容易に製造可能である方法及び形状でチューブ内に配置され、潜在するゲル移動問題を克服する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に係る典型的な血液収集チューブが図1に示されている。チューブ10は、上部開口端部12、下部閉端部14、及び内壁18及び外壁20を有する側壁部16を含んでいる。分離ゲル22は、容器内の閉端部14又は該閉端部14近傍に配置されている。
【0007】
チューブ10には、突き刺し可能なキャップ24が設けられている。該キャップ24は、両頭血液収集針の非患者側端部により突き刺され得る。チューブ10は、概ね、そのような針により突き刺すと、血液がチューブ内に引き込まれるように、真空化される。真空化される血液収集チューブ及び血液収集の詳細は、当業者にとって周知である。
【0008】
上述したように、サンプル収集時、チューブは遠心分離され、血液サンプル、例えば、血清や赤血球、又は公知のさまざまな種類の細胞を、2つの相に分離する。
【0009】
本発明は、効果的な方法でチューブ内にゲルを提供し、ゲル移動に関する問題を回避又は克服する。
【0010】
本発明によれば、チューブには、典型的なゲルの(遠心分離中における)中間の、過渡状態を反映する初期状態を有するゲル分離剤が供給される。特に、ゲルは、同一の容器内で遠心分離を受けている同一のゲルの中間状態に本質的に似ている遠心分離の前の状態を示す。容器内において、同一のゲルの初期状態は、本質的に平坦な露出した上面を示しているゲルの同一の容積を備えている。例えば、同一のゲルの露出した上面が、チューブの縦軸に直交する平面に対して0゜〜20゜の角度を示す最適平面を呈する場合、本発明の初期のゲル構成は、同一のゲルの中間の(遠心分離中の)状態を反映するであろう。
【0011】
いくつかの断面図のみならずチューブの外側からのゲルの位置/形状の実施態様が図2ないし9に示されている。いろいろな原則や指標を使ってゲルをチューブ内に配置することで本発明の優位性を得ることができる。図は、本明細書で提示される設計指標を代表する一つのタイプの設計のみを示している。本明細書の原則や記載に基づく変更もまた考慮される。
【0012】
図2に反映されている1つの実施態様において、ゲル22が内壁18に接触している最上点30と、該最上点と略反対側、すなわち、円周上90゜〜270゜、典型的には、120゜〜240゜、ほとんどの場合円周上少なくとも180゜を含む範囲にある内壁18にゲルが接触する最高点32との間の距離aは、少なくとも約8mm、典型的には約8mm〜約21mmである。典型的には、この実施態様において、容器の縦軸に直交する面に沿い、最上点と最高点との間の中間に位置するゲルは、内壁との円周上の接触が180゜未満、典型的には120゜未満を示す。(円周上の接触は、チューブの縦軸に略直交する面でチューブ内壁にゲルが接触する範囲を示す。)この実施態様を説明する別の方法は、円周上の接触が140゜以上220゜まで、ゲルが下部閉端部に対して容器内でほぼ一様な高さを示す構成、及びゲルが容器の内壁に接触する最高点が、ほぼ一様な高さを有する領域の平均高さ以上の約8mm〜約21mmである構成であることである。
【0013】
図3に反映されている別の実施態様において、ゲルは、連続する第1の区域40及び第2の区域42を含み、第1の区域は、チューブの下部閉端部に又はその近傍に位置し、第2の区域は、第1の区域の部分から上方に延在している。
【0014】
典型的には、第1の区域は、仮想上の上部境界44を含み、該境界で第1の区域は、内壁との360゜(若干の途切れすなわちゲルがない領域がこの平坦な上部境界に存在し得るので、典型的には、300゜〜360゜)の円周上の接触を示す。ほぼ平坦な上部境界は、チューブの縦軸に直交する平面に10゜以内の最適平面を有する表面として定義されることが典型的である。
【0015】
典型的には、第2区域の最上点46は、上部境界44の最上点48より少なくとも約8mm、より典型的には約8mm〜約21mm高く位置する。
【0016】
典型的には、第1の区域は、少なくとも全ゲル量の約80容積%、より典型的には、少なくとも約90容積%、典型的な上限は約95容積%を含む。
【0017】
第1及び第2の区域の交差域50におけるゲルの内側表面は、通常、凹面であり、典型的には、約4mm〜約8mmの曲率半径を示す。(曲率半径は、交差域に沿う最適球体の半径として定義される。)
典型的には、図4に反映されるように、容器の内部に面する第1の区域の露出表面に最適な表面60は、容器の縦軸にほぼ直交する面と、25゜の角度又はそれ以下の角度、より典型的には10゜又はそれ以下の角度を示す。容器の内部に面する第2の区域の露出表面は、容器の縦軸にほぼ直交する面と、45゜〜90゜の角度を示す最適平面62を画定する。(最適平面は、上述した表面の輪郭又は外郭に数学的に最もよく適合する平面をいう。)
典型的には、容器の内部に面する第1の領域の露出表面に対する最適平面は、容器の内部に面する第2の領域の表面に対する最適平面に対して90゜〜140゜の角度θを示す。
【0018】
典型的には、第1の領域の露出表面の平均高さと第2の領域の最上点との間の中間に位置する容器の縦軸に直交する平面に沿って、第2の領域は、内側表面との円周上の接触が80゜〜140゜を示す。
【0019】
典型的には、第2の領域全体は、内壁との円周上の接触が180゜未満であり、通常120゜未満である。
【0020】
図5に反映されるさらに別の実施態様では、ゲルが内壁に接触する最上点において、内壁と、内壁との接触点におけるゲル表面に対する接線との間の角度は、約100゜〜約180゜であり、ゲルが最上点の反対側で内壁と接触する最高点において、内壁と、内壁との接触点におけるゲル表面に対する接線との間の角度は、約70゜〜約100゜である。
【0021】
図6A〜6Cに反映される別の実施態様において、縦軸に直交し、距離b分だけ間隔をおいて位置する第1の平面80及び第2の平面82をゲル上に重ね合わせると、第1の平面80とゲルとの間の交差域は、充満した略円形又は略楕円形を画定し、ゲルと第2の平面82との間の交差域は、図6Cに示されるような充満した略三日月形又は略半月形を画定する。この場合、距離bは、チューブ内壁に接触するゲルの最上点とチューブの底部との間の距離より小さく、最上点と反対側で接触するゲルの最高点とチューブの底部との間の距離より大きい。bに関する典型的な値は、15mmより大きく、26mmより小さい。たくさんの位置における本実施態様の断面の例が図7A〜7Gに示されている。特に、図7A〜7Fは、チューブのたくさんの断面におけるゲルの形状を示している。
【0022】
別の実施態様においては、ゲルの約5容積%〜約20容積%、状況に応じては約10容積%〜約20容積%が、ゲルが内壁に接触する最上点から8mm〜12mm以内に位置する。
【0023】
図8に反映されるさらに別の実施態様においては、ゲル22の約10容積%〜約40容積%、より典型的には、約20容積%〜約40容積%が縦軸と直交し、ゲルの最上点102とゲルの最下点104との間の中間に位置する平面100よりも上方に位置する。
【0024】
これらの実施態様全てに共通して、ゲルの移動及び製造し易さの両方にそれらが提供する利点がある。ゲルの移動は、チューブの開口端部、例えば第2の領域に向けて延在するゲルの部分により高められる。特に、そのようなチューブの開口端部に向けてのゲルの延在が、そうでなければ要求されるであろうより低い遠心分離速度でゲルの移動開始を助成することが確信される。本明細書におけるゲルの形状/位置に関するパラメータは、遠心分離時におけるゲルの移動を高めるような領域を提供する。さらに、ゲルの形状は、以下に詳細に述べられるように、製造工程において容易に達成可能である。
【0025】
公知の種々の分離ゲルは、本発明に効果的に使用されることが可能である。米国特許第4,101,422号明細書、米国特許第4,148,764号明細書及び米国特許第4,350,593号明細書を参照されたい。特に、アクリルベース(acrylic-based)、ポリエステルベース(polyester-based)及び炭化水素ベース(hydrocarbon-based)のゲルは、全て分離物質として役に立つものと判明している。この場合、そのようなゲルは、ネットワーク・ゲルを形成するために、ヒュームド・シリカのような粒子で修飾された樹脂を典型的に含んでいる。
【0026】
プラスチック製及びガラス製チューブの両方が適している。いろいろな技術でゲルをチューブ内に配置することが可能である。一般的に、ノズルかチューブのどちらか、または両方がその目的のために移動可能であって、チューブの内部に挿入されることが可能なノズルが用いられる。ノズルによるゲルの分配は、(チューブの望ましくない領域にゲルを置くことを避けるために)ノズルをゲルにとって望ましい位置に接近させて開始される。また、連続的に分配するとき、ノズルは、ゲル内にどっぷりと浸かることを避けるためにチューブ内をゆっくりと引き上げられる。ゲルは、典型的には、圧力または公知のその他の技術を使って分配される。さらに、盆にひと盛りのチューブは、一般的に、製造を促進するために、1列ずつ処理される。
【0027】
望ましい形状がいろいろな技術により提供され得る。例えば、ノズルを使ってチューブ内にゲルを配置し、次に特定の角度及び速度で遠心分離し、望ましい形状を提供することが可能である。そのような遠心分離は、盆にひと盛りのチューブ全体になされ得る。
【0028】
チューブをある角度で保持している間に、又はゲルをチューブ内に置く間または置いた後チューブをある角度に置くことで、チューブ(又は一群のチューブ)内にゲルを配置することも可能である。角度付け及びゲルの配置ステップは、望ましい形状を提供するために制御される。次に、チューブは、ある角度または垂直のどちらかの状態で、周囲温度で放置されてもよい。何らかのゲルの沈み込みが起こるかもしれない。そのようなゲルの沈み込みは、望ましい形状に到達するのに必要なステップを決定するとき、考慮に入れられる。
【0029】
チューブの軸に対してある角度に方向付けられた開口を有するノズルを使用することも可能である。例えば、ノズルの開口は、ゲルが縦軸に対してある角度で、すなわち、垂直に対してある角度で配置されるように位置している(1以上のそのような軸外しのノズル開口も可能である)。(ノズルの軸に対してある角度をなす開口又は角度付けされたノズル先端を含む、このような方法でゲルを配置するノズル開口を構成するためにいろいろな技術がある。)角度付けされたノズル開口は、チューブ内で非対称の形状にゲルを分配することができる。そのような角度付けされたノズル開口すなわち角度付けされたノズル先端に対する有効な角度は、ノズル装置全体の縦軸に対して20゜〜45゜であり、約45゜が効果的である。
【0030】
若干のケースでは、その初期配置位置から最終(血液収集及び遠心分離前の)位置へゲルが沈み込むことを許容する状態(剪断応力、温度、粘度など)下でゲルを分配することは、図で示されるような望ましい形状を提供するのに効果的に使用され得ることが見出されている。そのような沈み込みは、チューブを垂直または角度付けされた位置のままに置くことで、分配後の周囲条件下で起こり得る。例えば、チューブ又は複数のチューブは、沈み込み及び硬化が起こることが許容され、効果的な形状を得るためにさらなる作用(例えば、遠心分離)が全く必要とされない位置へ簡単に動かされる。そのような沈み込みが望まれる場合、ゲルは、ゲルがそのような沈み込みを許容する物性を示すように、かなりの剪断応力を提供するやり方で分配されてもよい。通常、当業者は、そのような剪断応力を避け、分配ステップの後そのような沈み込みを防止することを求めるだろう。
【0031】
ゲルの分配に関する具体的条件は、とりわけ、当業者に知られているように、ゲルのタイプ、ゲルの寸法、ゲル分配装置及び技術、及びゲルの容積に依存する。
【0032】
ゲルが沈み込み、硬化することが許容されると、本発明のチューブは、通常、さらなる処理ステップを経由しなければならない。例えば、血液検査または尿検査において有益な添加物、例えば、凝血促進剤又は抗凝血剤が、チューブ内に分配されてもよい。技術的に知られているように、血液検査は、たびたび血清で実行され、典型的には、凝血促進剤が使用され、凝固速度を高める。そのような凝血促進剤は、エラグ酸、フィブリノゲン及びトロンビンのようなシリカ粒子又は酵素凝固活性剤を含んでいる。検査に血漿が望まれる場合、抗凝血剤が通常使用され、血液細胞が遠心分離により分離され得るように、凝血を抑制する。そのような抗凝血剤は、オキサレート、シトレート及びEDTAのようなキレート化剤及びヘパリンのような酵素を含んでいる。添加剤は、溶媒中の溶解、又は粉末化、結晶化、あるいは減圧下で凍結乾燥した形を含め、液体又は固体の適切な方法で容器内に分配される。
【0033】
次に、何らかのそのような追加の添加剤がチューブ内に置かれた後、チューブ(又は一群のチューブ)は、大気圧以下の圧力の真空化された室にさらされる。エラストマー・ストッパ又は突き刺し可能な膜のような封止体が適用され、チューブは、照射(例えば、コバルト60の放射線による)、酸化エチレンガスの照射、電子ビームの照射のような処理により無菌化される。(これらのステップのいくつかは、上述した以外の順序で実行され得ることに留意されたい。)
本発明の容器は、望ましい寸法に形成されることが可能である。例えば、標準的な血液収集チューブは、13×75mm又は16×100mmの外径を持つように意図されている。
【0034】
本発明のその他の実施態様は、明細書の検討及び本明細書で開示された発明の実践から当業者にとって明白であるだろう。例えば、上記実施態様のゲルの形状がゲルのより大きい領域から上方に延びる単一の領域を反映している間、上方に延びる1以上の領域を有する、あるいは、上方に延びる1又はそれ以上の薄いゲル(例えば、ゲルの小さな粒(beads of gel))の領域を有することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブを示す。
【図2】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブの断面図を示す。
【図3】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブの断面図を示す。
【図4】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブの断面図を示す。
【図5】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブの断面図を示す。
【図6A】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図6B】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図6C】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図7A】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図7B】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図7C】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図7D】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図7E】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図7F】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図7G】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブに対する断面プロフィールを示す。
【図8】本発明の形態に従う分離機用ゲル物質が入っているチューブの断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁、及び
内壁の一部と接触して容器内に位置するゲル、
を備え、
ゲルが内壁に接触する最上点とゲルが該最上点と略反対側の内壁に接触する最高点との間の縦方向の距離が少なくとも約8mmであることを特徴とする容器。
【請求項2】
その距離が約8mm〜約21mmであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
ゲルが内壁に接触する最上点とゲルが最上点から円周上で90°〜270°の内壁に接触する最高点との間の縦方向の距離が少なくとも約8mmであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
ゲルが内壁に接触する最上点とゲルが最上点から円周上で120°〜240°の内壁に接触する最高点との間の縦方向の距離が少なくとも約8mmであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項5】
その距離が約8mm〜約21mmであることを特徴とする請求項4に記載の容器。
【請求項6】
ゲルが内壁に接触する最上点とゲルが最上点から円周上で180°の内壁に接触する最高点との間の縦方向の距離が少なくとも約8mmであることを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項7】
その距離が約8mm〜約21mmであることを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項8】
容器の縦軸に直交する平面に沿い、最上点と最高点との間の中間に位置するゲルが、内壁と円周上で180°以下の接触を示すことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項9】
ゲルは、内壁と円周上で120°以下の接触を示すことを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項10】
ゲルは、チキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項11】
容器は、チューブであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項12】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
下端部は閉じられており、ゲルは、該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項14】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁、及び
内壁の一部に接触して容器内に位置するゲル、
を備え、
ゲルは、連続した第1の領域と第2の領域を備え、該第1の領域は、下端部に又は下端部の近傍に位置し、第2の領域は、第1の領域の一部から上方に延在することを特徴とする容器。
【請求項15】
第1の領域は、該第1の領域が内壁と円周上で360°の接触を示す仮想上の上部境界を備えることを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項16】
仮想上の上部境界は、チューブの縦軸に直行する平面に10°以内の最適平面を示すことを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項17】
第2の領域の最上点は、第1の領域の最上点より少なくとも8mm高く位置することを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項18】
その距離は、約8mm〜約21mmであることを特徴とする請求項17に記載の容器。
【請求項19】
第1の領域は、ゲルの少なくとも約80容積%を含むことを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項20】
第1の領域は、ゲルの約80容積%〜約95容積%を含むことを特徴とする請求項19に記載の容器。
【請求項21】
第1の領域と第2の領域との交差域におけるゲルの内側表面は、約4mm〜約8mmの間の曲率半径を呈することを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項22】
容器の内部に面する第1の領域の露出表面に対する最適平面は、容器の縦軸に略直交する平面と25°又はそれ未満の角度を呈することを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項23】
容器の内部に面する第2の領域の露出表面は、容器の縦軸に略直交する平面と45°〜90°の角度を呈する最適平面を画定することを特徴とする請求項22に記載の容器。
【請求項24】
容器の内部に面する第1の領域の露出表面に対する最適平面は、容器の内部に面する第2の領域の表面に対する最適平面と90°〜140°の角度を呈することを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項25】
第1の領域は、該第1の領域が内壁と円周上で300°〜360°の接触を示す上部境界を備えることを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項26】
第1の領域の露出表面の平均高さと第2の領域の最上点との間の中間に位置する、容器の縦軸に直交する平面に沿って、第2の領域は、内壁と円周上で80°〜140°の接触を示すことを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項27】
第2の領域全体は、内壁と円周上で180°未満の接触を示すことを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項28】
第2の領域全体は、内壁と円周上で120°未満の接触を示すことを特徴とする請求項27に記載の容器。
【請求項29】
ゲルは、チキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項30】
容器は、チューブであることを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項31】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項30に記載の容器。
【請求項32】
下端部は閉じられており、ゲルは、該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項33】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁、及び
内壁の一部と接触して容器内に位置するゲル、
を備え、
ゲルが内壁に接触する最上点において、内壁と該内壁との接触点におけるゲル表面の接線との間の角度は、約100°〜約180°であり、ゲルが最上点と反対側で内壁に接触する最高点において、内壁と該内壁との接触点におけるゲル表面の接線との間の角度は、約70°〜約100°であることを特徴とする容器。
【請求項34】
ゲルは、チキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項33に記載の容器。
【請求項35】
容器はチューブであることを特徴とする請求項33に記載の容器。
【請求項36】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項35に記載の容器。
【請求項37】
下端部は閉じられており、ゲルは該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項33に記載の容器。
【請求項38】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁、及び
内壁の一部と接触して容器内に位置するゲル、
を備え、
縦軸に直交し、距離bだけ離れて配置される第1の平面と第2の平面をゲル上に重ね合わせたとき、第1の平面とゲルとの間の交差域は、充満した略円形状又は略楕円形状を画定し、ゲルと第2の平面との間の交差域は、少なくとも1つの充満した略三日月形状又は略半月形状を画定し、距離bは、チューブ内壁と接触するゲルの最上点とチューブの底部との間の距離より小さく、最上点と反対側で接触するゲルの最高点とチューブの底部との間の距離より大きい距離であることを特徴とする容器。
【請求項39】
ゲルは、チキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項38に記載の容器。
【請求項40】
容器は、チューブであることを特徴とする請求項38に記載の容器。
【請求項41】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項40に記載の容器。
【請求項42】
下端部は閉じられており、ゲルは該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項38に記載の容器。
【請求項43】
15mm<b<26mmであることを特徴とする請求項38に記載の容器。
【請求項44】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁、及び
内壁の一部と接触して容器内に位置するゲル、
を備え、
ゲルの約5容積%〜約20容積%が、該ゲルが内壁と接触する最上点から8mm〜12mm以内に位置することを特徴とする容器。
【請求項45】
ゲルの約10容積%〜約20容積%が、該ゲルが内壁と接触する最上点から8mm〜12mm以内に位置することを特徴とする請求項44に記載の容器。
【請求項46】
ゲルがチキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項44に記載の容器。
【請求項47】
容器は、チューブであることを特徴とする請求項44に記載の容器。
【請求項48】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項47に記載の容器。
【請求項49】
下端部は閉じられており、ゲルは該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項44に記載の容器。
【請求項50】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁、及び
内壁の一部と接触して容器内に位置するゲルであって、内壁と接触する最下点及び内壁と接触する最上点を有するゲル、
を備え、
ゲルの約10容積%〜40容積%が、縦軸と直交し、最上点と最下点との間の中間に位置する平面の上に位置することを特徴とする容器。
【請求項51】
ゲルの約20容積%〜約40容積%が、縦軸と直交し、最上点と最下点との間の中間に位置する平面の上に位置することを特徴とする請求項50に記載の容器。
【請求項52】
ゲルがチキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項50に記載の容器。
【請求項53】
容器は、チューブであることを特徴とする請求項50に記載の容器。
【請求項54】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項53に記載の容器。
【請求項55】
下端部は閉じられており、ゲルは該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項50に記載の容器。
【請求項56】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁、及び
内壁の一部と接触して容器内に位置するゲル、
を備え、
円周上での接触が140°〜220°にわたって、ゲルは、下端部に対して容器内で略一様な高さを示し、
ゲルが容器の内壁に接触する最高点は、略一様な高さを有する領域の平均高さ以上の約8mm〜約21mmであることを特徴とする容器。
【請求項57】
ゲルがチキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項56に記載の容器。
【請求項58】
容器は、チューブであることを特徴とする請求項56に記載の容器。
【請求項59】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項58に記載の容器。
【請求項60】
下端部は閉じられており、ゲルは該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項56に記載の容器。
【請求項61】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁、及び
内壁の一部と接触して容器内に位置するゲル、
を備え、
ゲルは、同一の容器内で遠心分離を受ける同一のゲルの中間状態に略類似している遠心分離の前の状態を示し、同一のゲルの初期状態は、略平坦な露出上面を呈している同一容積のゲルを含んでいることを特徴とする容器。
【請求項62】
ゲルがチキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項61に記載の容器。
【請求項63】
容器は、チューブであることを特徴とする請求項61に記載の容器。
【請求項64】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項63に記載の容器。
【請求項65】
下端部は閉じられており、ゲルは該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項61に記載の容器。
【請求項66】
同一ゲルの露出上面は、チューブの縦軸に対して0°〜20°の角度を呈している最適平面であることを特徴とする請求項61に記載の容器。
【請求項67】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁を有する容器を用意するステップと、
容器の縦軸に対して90°未満の角度を持ってゲルを容器内に配置するステップと、
を備えていることを特徴とする容器を製造するプロセス。
【請求項68】
ゲルは、容器内に非対称に配置されることを特徴とする請求項67に記載のプロセス。
【請求項69】
ゲルは、容器の縦軸に対してその角度でゲルを導く少なくとも1つのノズル開口を有する細長いノズルを通して配置されることを特徴とする請求項67に記載のプロセス。
【請求項70】
容器は、配置ステップ中、容器の縦軸が略垂直に整列するように配列されていることを特徴とする請求項69に記載のプロセス。
【請求項71】
ゲルがチキソトロピックゲルであることを特徴とする請求項67に記載のプロセス。
【請求項72】
容器は、チューブであることを特徴とする請求項67に記載のプロセス。
【請求項73】
チューブは、その中に突き刺し可能な閉鎖体を備えていることを特徴とする請求項72に記載のプロセス。
【請求項74】
下端部は閉じられており、ゲルは該下端閉鎖部に配置されていることを特徴とする請求項67に記載のプロセス。
【請求項75】
その角度は、約25°〜約45°であることを特徴とする請求項67に記載のプロセス。
【請求項76】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁を有する容器を用意するステップと、
容器の縦軸に対してある角度を持ってゲルを容器内に配置するステップと、
ゲルが沈み込むことを許容するステップと、
を備えていることを特徴とする容器を製造するプロセス。
【請求項77】
ゲルは、容器の縦軸に対してその角度でゲルを導く少なくとも1つのノズル開口を有する細長いノズルを通して配置されることを特徴とする請求項76に記載のプロセス。
【請求項78】
その角度は、90°未満であることを特徴とする請求項77に記載のプロセス。
【請求項79】
容器は、配置ステップ中、容器の縦軸が略垂直に整列するように配列されていることを特徴とする請求項76に記載のプロセス。
【請求項80】
容器の縦軸が略垂直に整列するように容器が配列されている間、ゲルが沈みこむことを許容されることを特徴とする請求項76に記載のプロセス。
【請求項81】
ゲルは、チューブの下端部に配置されることを特徴とする請求項76に記載のプロセス。
【請求項82】
その角度は、約25°〜約45°であることを特徴とする請求項78に記載のプロセス。
【請求項83】
上端部、下端部、及び内壁と外壁を有する上端部と下端部との間の側壁を有する容器を用意するステップと、
ゲルが配置された後ゲルの沈み込みを促進する条件下でゲルを容器に配するステップと、
を備えていることを特徴とする容器を製造するプロセス。
【請求項84】
ゲルは、容器の縦軸に対してその角度でゲルを導くノズル開口を有する細長いノズルを通して配置されることを特徴とする請求項83に記載のプロセス。
【請求項85】
容器は、配置ステップ中、容器の縦軸が略垂直に整列するように配列されていることを特徴とする請求項83に記載のプロセス。
【請求項86】
ゲルは、チューブの下端部に配置されることを特徴とする請求項83に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−500566(P2006−500566A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538241(P2004−538241)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/029508
【国際公開番号】WO2004/026477
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】