説明

高フレームレートおよび低ピーク消費電力での電気泳動ディスプレイの駆動方法

特定のフレーム時間中、電圧変化が、可能な電圧レベルの部分範囲に制約されるように構成された電圧波形を用いることにより、画像が、電気泳動ディスプレイなどの双安定ディスプレイ上で更新される。特定のフレーム時間は、リセット部分および/または駆動部分などの波形のデータ依存部分中に発生し得る。電圧スイングの低減により、供給電圧を、低減することが可能であり、消費電力が低下する。さらにまた波形のデータ依存部分中にフレーム時間を、短くすることにより、階調精度と中間調の数とを増加させることができる。他のフレーム時間において、電圧レベルは、可能な電圧レベルの全範囲を通して変化することができる一方で、標準フレーム時間が、用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電子ブックおよび電子新聞などの電子読取装置に関し、特に平均消費電力を低減しつつ電気泳動ディスプレイなどの双安定ディスプレイを駆動するための一組の駆動波形を供給する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の技術進歩は、多くの機会を広げる電子ブックなどの「ユーザフレンドリな(user friendly)」電子読取装置を提供してきた。例えば電気泳動ディスプレイには、大いなる見込みがある。このようなディスプレイは、固有の記憶挙動を有するとともに電力消費なしに比較的長い時間画像を保持することができる。電力は、ディスプレイを、新しい情報でリフレッシュまたは更新する必要があるときにのみ消費される。そのためこのようなディスプレイにおける消費電力は、非常に低く、電子ブックおよび電子新聞のような携帯電子読取装置の用途に適している。電気泳動とは、印加された電界内の帯電粒子の動きを指す。電気泳動が、液体中で発生する場合、粒子は、粒子が受ける粘性抵抗、粒子の電荷(永久または誘導のいずれか)、液体の誘電特性、および印加電界の大きさによって主に決まる速度で移動する。電気泳動ディスプレイは、双安定ディスプレイのタイプであり、双安定ディスプレイは、画像更新後に電力を消費することなく実質的に画像を保持するディスプレイである。
【0003】
例えば1999年4月9日に公開された米国マサチューセッツ州ケンブリッジのイー・インク・コーポレーション(E Ink Corporation)による、多色性サブピクセルを有するフルカラー反射型ディスプレイ(Full Color Reflective Display With Multichromatic Sub-Pixels)と題された国際公開第99/53373号には、このような表示装置が記載されている。国際公開第99/53373号は、2つの基板を有する電子インクディスプレイについて検討している。一方は、透明であり、他方には、行列に配置された電極が設けられている。表示要素またはピクセルは、行電極と列電極との交点と関連している。表示要素は、薄膜トランジスタ(TFT)を用いて列電極に結合されており、その電極のゲートは、行電極に結合されている。この表示要素、TFTトランジスタ、ならびに行および列電極の配置は、共にアクティブマトリックスを形成している。さらにまた表示要素は、ピクセル電極を備えている。行ドライバは、表示要素の行を選択するとともに、列またはソースドライバは、列電極およびTFTトランジスタを介して選択された表示要素の行にデータ信号を供給する。データ信号は、テキストまたは図などの表示すべきグラフィックデータに相当する。
【0004】
電子インクは、ピクセル電極と透明基板上の共通電極との間に設けられている。電子インクは、直径が約10〜50ミクロンの多数のマイクロカプセルを備える。一手法において各マイクロカプセルは、液体分散媒または流体内に浮遊する正に帯電した白色粒子と負に帯電した黒色の粒子とを有する。正電圧が、ピクセル電極に印加されると、白色粒子が、マイクロカプセルの透明基板に向いた側に移動し、視認者は、白色表示要素を見ることになる。同時に黒色粒子は、マイクロカプセルの反対側のピクセル電極に移動し、そこでは黒色粒子は、視認者からは見えない。負電圧をピクセル電極に印加することにより、黒色粒子が、透明基板に向かってマイクロカプセルの一側の共通電極に移動し、表示要素は、視認者には暗く見える。同時に白色粒子は、マイクロカプセルの反対側のピクセル電極に移動し、そこでは白色粒子は、視認者からは見えない。電圧が除去されると、表示装置は、獲得した状態を保持するため双安定性を示す。他の手法では粒子は、染色液体内に設けられる。例えば黒色粒子が、白色液体内に設けられてもよく、または白色粒子が、黒色液体内に設けられてもよい。あるいは他の着色粒子が、異なる着色液体、例えば白色粒子が、青色液体内に設けられてもよい。
【0005】
また空気などの他の流体が、媒体内で用いられてもよく、この媒体内で帯電黒色および白色粒子が、電界内で動き回る(例えば2003年5月18〜23日のブリジストンSID2003−情報ディスプレイに関するシンポジウム、ダイジェスト20.3)。着色された粒子が、用いられてもよい。
【0006】
電子ディスプレイを形成するため、電子インクを、回路層に積層された1枚のプラスチックフィルム上に印刷してもよい。回路は、ピクセルのパターンを形成し、その後このパターンを、ディスプレイドライバによって制御することができる。マイクロカプセルは、液体分散媒内に浮遊しているため、マイクロカプセルを、既存のスクリーン印刷プロセスを用いて、ガラス、プラスチック、布地、さらに紙を始めとする、事実上いかなる表面にも印刷することができる。さらにまた可撓性シートの利用により、従来の本の外観に近い電子読取装置の設計が可能になる。
【0007】
しかし電子ディスプレイにより消費される電力は、特に高フレームレートでは、フレームが、更新される際にピクセルに印加される電圧の大きく且つ速い変化のため、容認できないほど高くなる。より高いフレームレートを、より高い温度で、もしくは例えば中間調の数または階調精度の増加のために用いてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、消費電力を低減しつつ電気泳動ディスプレイなどの双安定ディスプレイを駆動するための一組の駆動波形を供給する方法および装置を提供することにより、上記および他の問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの具体的な態様において、方法は、連続フレーム周期において双安定ディスプレイの少なくとも一部分を更新するための一組の電圧波形を供給する。この方法は、連続フレーム周期に対する一組の電圧波形を規定するデータにアクセスするステップと、アクセスしたデータに従って連続フレーム周期中に双安定ディスプレイの少なくとも一部分を駆動するための一組の電圧波形を生成するステップとを含む。連続フレーム周期の継続時間にわたり、電圧波形の各々が、第1の値の範囲に及ぶ。さらにまた連続フレーム周期の少なくとも1つが、第1の値の範囲の部分範囲である第2の値の範囲に及ぶ電圧波形の各々のデータ依存部分と時間整合されている。
【0010】
関連する電子読取装置およびプログラム記憶装置も、提供する。
【0011】
以下の各々は、本発明に引用して援用する。
2002年9月16日に出願された「電気泳動表示パネル(Electrophoretic Display Panel)」という題の欧州特許出願第02078823.8号(弊社整理番号第020844号)
2003年1月23日に出願された「電気泳動表示パネル(Electrophoretic display panel)」という題の欧州特許出願第03100133.2号(弊社整理番号第030091号)
2002年5月24日に出願された「表示装置(Display Device)」という題の欧州特許出願第02077017.8号、または2003年2月6日に公開された「電気泳動アクティブマトリックス表示装置」という題の国際公開第03/079323号(弊社整理番号第020441号)および
2003年6月11日に出願された「電気泳動表示ユニット(Electrophoretic Display Unit)」という題の欧州特許出願第03101705.6号(弊社整理番号第030661号)
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1および図2は、第1の基板8と、第2の対向基板9と、複数の画素2とを有する電子読取装置の表示パネル1の一部分の実施形態を示す。画素2は、二次元構造体のほぼ直線に沿って配置されていてもよい。明瞭にするために画素2は、互いに離れて示されているが、実際には画素2は、互いに非常に近接しており、連続画像を形成する。さらにまた表示画面全体の一部分のみが、示されている。ハニカム配列などの画素の他の配置が、可能である。帯電粒子6を有する電気泳動媒体5が、基板8と9との間に存在している。第1の電極3と第2の電極4とが、各画素2に関連している。電極3および4は、電位差を受けることが可能である。図2において各画素2に対して第1の基板が、第1の電極3を有するとともに、第2の基板9が、第2の電極4を有する。帯電粒子6は、電極3および4のいずれかに近接する、またはそれら電極に対して中間の位置を占めることができる。各画素2は、電極3と4との間の帯電粒子6の位置により決定される外観を有する。電気泳動媒体5自体は、例えば米国特許第5,961,804号、同6,120,839号、および同6,130,774号で既知であるとともに、例えばイー・インク・コーポレーション(E Ink Corporation)から得ることができる。
【0013】
一例として電気泳動媒体5は、白色流体内に負に帯電した黒色粒子6を含んでいてもよい。帯電粒子6が、例えば+15ボルトの電位差により第1の電極3に近接している場合、画素2の外観は、白色である。帯電粒子6が、反対極性の例えば−15ボルトの電位差により第2の電極4に近接している場合、画素2の外観は、黒色である。帯電粒子6が、電極3と4との間にある場合、画素は、黒色と白色との間の中間調などの中間の外観を有する。特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)100は、各画素2の電位差を制御して、表示画面全体に所望の映像、例えば画像および/またはテキストを生成する。表示画面全体は、ディスプレイ内のピクセルに対応する多数の画素で構成されている。
【0014】
図3は、電子読取装置の概観を概略的に示す。電子読取装置300は、ディスプレイASIC100を含む。例えばASIC100は、フィリップス・コーポレーション(Philips Corp.)“アポロ(Apollo)”ASIC E−inkディスプレイコントローラでもよい。ディスプレイASIC100は、1つまたは複数の表示画面310、例えば電気泳動画面をアドレス回路305を介して制御することにより、所望のテキストまたは画像を表示させる。アドレス回路305は、駆動集積回路(IC)を含んでいる。例えばディスプレイASIC100は、アドレス回路305を介して表示画面310の異なるピクセルに電圧波形を供給する電圧源として作用し得る。アドレス回路305は、特定のピクセル、例えば行および列にアドレスするための情報を供給して、所望の画像またはテキストを表示させる。ディスプレイASIC100は、連続ページを異なる行および/または列から表示させる。画像またはテキストデータは、1つまたは複数の記憶装置を表すメモリ320に記憶されるとともに、必要に応じてASIC100によりアクセスされ得る。一例は、フィリップス・エレクトロニクス(Philips Electronics)スモール・フォーム・ファクター・オプティカル(SFFO:small form factor optical)ディスクシステムであり、他のシステムでは不揮発性フラッシュメモリを、利用することもできる。電子読取装置300は、読取装置コントローラ330またはホストコントローラをさらに含み、ホストコントローラ330は、次ページコマンドまたは前ページコマンドなどのユーザコマンドを開始するユーザ起動ソフトウェアまたはハードウェアボタン322に応答し得る。
【0015】
読取装置コントローラ330は、任意のタイプのコンピュータコードデバイス、例えばソフトウェア、ファームウェア、またはマイクロコード等を実行してここに記載されている機能を達成するコンピュータの一部である。従ってこのようなコンピュータコードデバイスを備えるコンピュータプログラムプロダクトは、当業者には明確な対応で提供され得る。読取装置コントローラ330は、プログラム記憶装置であるメモリ(図示せず)をさらに備えていてもよく、プログラム記憶装置は、読取装置コントローラ330またはコンピュータなどの機械により実行可能な命令のプログラムを確実に実現して、ここに記載する機能を達成する方法を行う。このようなプログラム記憶装置は、当業者に明らかな対応で設け得る。
【0016】
ディスプレイASIC100は、電子ブックの表示領域の強制リセットを周期的に、例えば毎xページ表示後、毎y分、例えば毎10分後、電子読取装置300が、最初にオンされた時、および/または輝度偏差が3%反射などのある値より大きい時に提供するためのロジックを有してもよい。自動リセットの場合、許容周波数を、許容画質をもたらす最低周波数に基づいて実験的に決めることができる。また例えばユーザが、電子読取装置を読み始める時、または画質が容認できないレベルに低下した時に、リセットは、ユーザによって手動で機能ボタンまたは他のインターフェースデバイスを介して開始することができる。
【0017】
ASIC100は、メモリ320に記憶された情報にアクセスすることによりディスプレイ310を駆動するための命令をディスプレイアドレス回路305に供給する。
【0018】
本発明は、任意のタイプの電子読取装置と共に用いることができる。図4は、2つの別体の表示画面を有する電子読取装置400の可能な一例を図示している。詳細には第1の表示領域442が、第1の画面440上に設けられるとともに、第2の表示領域452が、第2の画面450上に設けられている。画面440と450とは、結合部445により接続されていてもよく、結合部445により、画面を互いに対して平坦な状態に畳む、または開いて平坦な状態で表面上に置くことができる。従来の本を読む経験を厳密に再現するためこの配置は、望ましい。
【0019】
様々なユーザインターフェースデバイスを提供することにより、ユーザはページ前進、ページ後退コマンド等を開始することができる。例えば第1の領域442は、マウスまたは他のポインティングデバイス、タッチ起動、PDAペン、または他の既知の技術を用いて起動できるオンスクリーンボタン424を含むことにより電子読取装置のページ中をナビゲートし得る。ページ前進およびページ後退コマンドに加えて同一ページ内でスクロールアップまたはダウンする機能を、設けてもよい。ハードウェアボタン422を、代替的にまたは追加的に設けることにより、ユーザは、ページ前進およびページ後退コマンドを供給することができる。第2の領域452も、オンスクリーンボタン414および/またはハードウェアボタン412を含み得る。留意すべきは表示領域が、フレームレスである場合もあるため、第1および第2の表示領域442、452の周囲の枠は、必要ではないということである。他のインターフェース、例えば音声コマンドインターフェースを、同様に用いてもよい。留意すべきはボタン412および414ならびに422および424は、表示領域の両方には必要ないことである。つまり単一組のページ前進およびページ後退コマンドボタンを、設けてもよい。または単一ボタンまたは他のデバイス、例えばロッカースイッチを、起動してページ前進およびページ後退コマンドの両方を提供してもよい。機能ボタンまたは他のインターフェースデバイスを、設けることにより、ユーザは手動でリセットを開始することもできる。
【0020】
他の可能な設計において電子ブックは、一度に1ページを表示する単一の表示領域を有する単一の表示画面を有する。または単一の画面を、例えば水平または垂直に配置された2つ以上の表示領域に分割してもよい。さらにまた複数の表示領域を、用いる場合、連続ページを、任意の所望順で表示することができる。例えば図4において第1のページを、表示領域442に表示しつつ、第2のページを、表示領域452に表示することができる。ユーザが、次のページの視認を要求した場合、第2のページを、第2の表示領域452に表示したまま、第3のページを、第1のページの代わりに第1の表示領域442に表示し得る。同様に第4のページを、第2の表示領域452に表示する等し得る。他の手法においてユーザが、次のページの視認を要求した場合、両方の表示領域を、更新して第3のページを、第1のページの代わりに第1の表示領域442に表示するとともに、第4のページを、第2のページの代わりに第2の表示領域452に表示する。単一の表示領域を、用いる場合、第1のページを、表示して、その後ユーザが、次ページコマンドを入力すると第2のページが、第1のページに上書き等する。このプロセスはページバックコマンドに対して逆に作用することができる。さらにまたこのプロセスは、ヘブライ語のようなテキストを右から左へ読む言語にも、さらに中国語のようなテキストを行方向ではなく列方向に読む言語にも同等に適用可能である。
【0021】
さらにはページ全体を、表示領域に表示する必要はないことは留意すべきである。ページの一部分を、表示してもよく、さらにスクロール機能を設けて、ユーザが上下左右にスクロールしてそのページの他の部分を読むことができるようにしてもよい。拡大および縮小機能を、設けることによりユーザがテキストまたは画像のサイズを変更できるようにしてもよい。これは、例えば弱視のユーザにとって望ましい場合がある。
【0022】
対処問題
ドライバが比較的低価格であるため、パルス幅変調(PWM:pulse-width modulation)が、電気泳動ディスプレイなどの双安定ディスプレイを駆動する低コスト技術であることが分かっている。駆動波形を用いると、階調精度は、最小フレーム時間により制限され、その時間は、通常標準20msである。しかし約8msというより短いフレーム時間が、最近達成された。
【0023】
電気泳動ディスプレイなどの双安定ディスプレイは、外部電界下の帯電粒子の移動に基づいている。切替時間は、温度に伴う粒子移動度および/または流体の粘度の変化ため、温度に依存している。既存の電子インク(E-ink)材料では、切替時間は、温度が上昇するにつれて減少するとともに、室温に対して発生する駆動電圧波形を、より高い温度に対して延長しなければならない。可能な手法は、例えば非常に短いフレーム時間が、必要な場合にスケーリングによって、時間を低減する(欧州特許出願第02078823.8号、弊社整理番号第020844号で検討されているように)ことである。加えて、中間調の数の増加を達成するとともに階調精度をさらに向上させるために、さらに短いフレーム時間が、必要である。しかし比較的短いフレーム時間の使用は、高消費電力につながる。特にソースドライバ集積回路(IC)が、同一の短いフレーム走査において電圧値の全範囲で動作しなければならない場合、容認できない高いピーク電力が、必要となる。本発明は、この問題に対処する。
【0024】
提案解決策
正確な階調を達成しつつ双安定ディスプレイにおける消費電力を低減し、中間調の数を増加させる一方で高フレームレートを用いる技術を、検討する。
【0025】
可能な1つの手法において、様々な階調画像遷移に対する駆動波形を、意図的に時間整合させて、電圧変化が、1つまたは複数のフレーム中に可能な電圧値の部分範囲に制約されるようにする。つまり最大値と最小値との間の全範囲電圧スイングが、回避される。例えば可能な電圧の範囲が、波形において−15Vと+15Vとの間である場合、−15Vから+15Vへ、または+15Vから−15Vへの変動が、波形の特定部分に対して回避される。その代わりに−15Vと0Vとの間、または0Vと+15Vとの間の変動が、電圧波形の特定の部分に対して可能である。これらの波形部分は、波形のデータ依存部分を含む場合があり、この部分では比較的短いフレーム周期が、用いられる。1つまたは複数のフレーム内で電圧スイングまたはスパンを低減することにより、消費電力が、大幅に低減される。特に双安定デバイスにより消費されるピーク電力は、電圧変化の二乗、すなわちP∝C×(ΔV)に比例しており、ここでCは、容量を表す。さらに詳細にはピーク消費電力は、容量×周波数×電圧スイング×供給電圧の積である。アドレス回路305などの双安定デバイス内のピクセルに電圧を供給するICまたはチップへの供給電圧は、少なくとも電圧スイングと同等でなければならず、例えば30Vであり得る。電圧スイングまたはスパンは、使用可能な電圧の範囲、例えば30V(+15V−(−15V))である。このように電圧スイングを半分、15Vに低減することで、特定のフレーム中で消費電力を半分低減する。しかし本発明の一態様によれば、供給電圧は、例えば15Vへの低減電圧スイングにより低減することができる。これによって、消費電力を当初の量の1/4に低減する。供給電圧および電圧スイングの低減の結果、同じ低消費電力を維持しつつ標準的なフレーム時間の1/4という短いフレーム時間を、用いることができる。これは、短いフレーム時間の有用性が、高温で階調精度を向上させる際に且つ中間調の数を増加させるために、特に有用であるため重要である。
【0026】
本発明は、レール安定駆動スキームを始めとする、駆動パルスが、リセットパルスと階調駆動パルスとを含む任意の駆動スキームに適用可能である。リセットパルスは、双安定ディスプレイ内の粒子を2つの極限光学状態のうちの1つに移動させる電圧パルスであるとともに、階調駆動パルスは、ディスプレイ/ピクセルを所望の最終的光学状態にする電圧パルスである。以下の実施形態では上記参照の欧州特許出願第0300133.2号(弊社整理番号第030091号)で検討したようなレール安定駆動を、用いて本発明の可能な実施を説明するが、他の駆動スキームを、用いてもよい。
【0027】
図5は、高いピーク電力が、t0とt1との間、およびt1とt2との間に予想される画像遷移の場合の例示波形を図示している。例示波形は、レール安定駆動を用いた白色(W)から濃灰色(G1)(波形500)と、黒色(B)から明灰色(G2)(波形520)と、(G2)から(G1)(波形540)と、(G2)から(G2)(波形560)との画像遷移に対して図示されている。これらの例は、示した4つの輝度レベルで電気泳動ディスプレイ用の画像を更新するために必要な16の波形の一部分を表している。レール安定駆動により、粒子が、2つの電極間を移動しなければならない距離、例えば波形500の白色状態(W)から黒色状態(SB)まで、に比例した継続時間を有するリセットパルス(R)が、用いられる。リセットパルス(R)は、画質を向上するために用いられるオーバーリセット継続時間を有してもよい。オーバーリセットパルスは、上記参照の同時係属欧州特許出願第03100133.2号(弊社整理番号第030091号)で検討されている。波形500において後続の駆動パルス(D)は、ディスプレイを黒色状態(SB)から濃灰色(G1)である最終的な状態に駆動するのに十分なエネルギーを有する。パルスのエネルギーは、電圧の振幅と継続時間との積である。
【0028】
一般に多数のこのような波形が、電子デバイス内のメモリに記憶されるとともに、ディスプレイ内のピクセルを駆動するために用いられる。これらの波形は、1つまたは複数のピクセルなどのディスプレイの一部分またはディスプレイ全体を更新するために用いることができる。縦のラインは、フレーム境界を示している。フレーム時間または周期は、フレーム境界間の時間、またはフレームレートの逆数であり、波形内で変動し得る。これらの波形は、一般に同時に開始且つ終了する。上記したように例えば8〜10msというより短いフレーム時間を、波形の選択部分に用いることにより、例えば精度を向上させるとともにより多くの中間調を提供することができる一方で、例えば20msというより長い標準フレーム時間を、波形の他の部分に用いてもよい。
【0029】
各波形500、520、540および560は、4つの部分、第1の振動パルス(S1)と、リセット部分(R)と、第2の振動パルス(S2)と、駆動部分(D)とを含んでいる。SBおよびSWは、それぞれリセットパルスにより到達する黒色または白色状態を示している。第1および第2の振動パルスは両方とも、データ非依存「ハードウェア(hardware)」振動により実施することが可能であり、ここでは個々のピクセルのデータとは無関係に、ディスプレイ上のすべてのピクセルが、同時に振動パルスを受け取る。これは、振動パルスS1およびS2が、異なる波形間で時間整合されている点で分かる。ハードウェア振動により消費電力を、最小限に抑えることができる。振動パルスは、上記参照の同時係属欧州特許出願第02077017.8号または国際公開第03/079324号(弊社整理番号第020441号)に記載されている。駆動波形における振動パルスとオーバーリセットパルスとの融合は、階調精度を大幅に向上させる。
【0030】
しかしリセット(R)および駆動(D)パルスは、フレーム毎に個々にピクセルに供給され、そのためフレームの画像を規定するデータに依存するため、波形500、520、540および560のデータ依存部分の例である。リセットパルス(R)は、階調駆動パルス(D)よりもフレーム時間の選択の影響を受けない。事実、階調駆動パルス(D)は、フレーム時間の選択に非常に影響されやすいが、その理由は各画像遷移内(例えばWからG1、BからG2など)の階調精度が、主に駆動パルスフレーム時間により決定されるためである。我々は、そのため以下の説明で駆動部分に焦点を当てる。しかしフレーム時間の選択は、双安定ディスプレイに印加される電圧波形のいかなるデータ依存部分にも重要である。
【0031】
図5の画像遷移において、階調駆動パルス(D)期間(tD)は、2から5フレーム時間または周期に変化する。特に波形500の場合、tD5=5FTであり、2つの標準フレーム時間(FT)と3つの短いフレーム時間(FT’)とを含む。波形520の場合、tD4=4FTであり、2つの標準フレーム時間(FT)と2つの短いフレーム時間(FT’)とを含む。波形540の場合、tD3=3FTであり、2つの標準フレーム時間(FT)と1つの短いフレーム時間(FT’)とを含む。波形560の場合、tD2=2FTであり、2つの標準フレーム時間(FT)を含む。
【0032】
しかしある時間整合フレームの場合、階調駆動パルスのいくつかは、正電圧を有し、他は、負電圧を有する。各駆動部分またはパルス(D)は、2つの標準フレーム時間(FT)を含み、標準フレーム時間(FT)は、比較的低消費電力を有している(とはいえソースドライバは負および正の電圧で動作する)。これらのフレームを単一の走査を用いた単一の長い「標準(standard)」フレームとして考えて、消費電力をさらに低く維持することもできる。tとtとの間およびtとtとの間のフレーム周期において、最小限の(短い)フレーム時間FT’を有する単一の走査が、必要であり、その間に負および正電圧は両方ともソースドライバにより供給されなければならないが、容認できないほど高いピーク電力になる。例えばtとtとの間において、波形500、520、540および560は、それぞれ−15V、+15V、−15Vおよび0Vを必要とする。異なるピクセルを更新する際に、最小および最大電圧、それぞれ−15Vおよび+15Vが、同一フレームにおいて印加されるため、電圧源は、同一フレームで異なるピクセルにアドレスする際にその最小出力と最大出力間とで切り替えなければならず、高消費電力になる。以下で検討する波形は、例えば同一の1つまたは複数のフレームにおいて時間的に整合された電圧波形の特定のデータ依存部分に対する1つまたは複数の特定のフレームにおいて、全範囲電圧スイングを回避することにより、この問題に対処している。
【0033】
図6は、本発明の第1の実施形態による、BからG2への遷移における駆動パルスの一部が、3フレーム周期分遅延された、画像遷移の場合の例示波形を図示している。波形600は、白色(W)から濃灰色(G1)への画像遷移を提供し、波形620は、黒色(B)から明灰色(G2)への画像遷移を提供し、波形640は、G2からG1への画像遷移を提供し、さらに波形660は、G2からG2への画像遷移を提供する。図5に用いられたものと同じ波形が、表されているが、ここではBからG2への遷移(波形620)内の階調駆動パルスの一部が、3短フレーム時間(FT’)分遅延されている。特に波形620の駆動部分は、それぞれ第1および第2の駆動部分D1およびD2を含んでおり、ここでD2は、遅延後D1に続いている。
【0034】
とtとの間において、フレーム時間FT’を有する単一走査が、用いられる。しかしここで共通フレームで異なるピクセルに印加される電圧レベルは、−15Vから+15Vという全(第1の)範囲全体にわたって変動しない。その代わりに、電圧レベルは、−15Vから0Vの部分(第2の)範囲でのみ変動する。具体的にはtとtとの間において、波形600、620、640および660は、−15V、0V、−15Vおよび0Vを必要とする。同様にtとtとの間およびtとtとの間のフレーム時間において、波形600、620、640および660は、−15V、0V、0Vおよび0Vを必要とする。また電圧レベルは、−15Vから0Vの部分範囲においてのみ変動する。tとtとの間のフレーム時間において、波形600、620、640および660は、0V、+15V、0Vおよび0Vを必要とする。ここで電圧レベルは、0Vから+15Vの部分(第3の)範囲においてのみ変動する。事実短いフレーム時間(FT’)の各々の場合、電圧スイングは、部分電圧範囲の1つに制約される。
【0035】
検討した例において、可能な電圧値は、−15Vという最小値と+15Vという最大値との間で変動したが、ここで0Vという中間値も、用いられる。しかし本発明は、任意の範囲の電圧と共に用いることができるとともに、電圧範囲を、ゼロを中心にする必要はない。例えば、最小および最大電圧は、両方とも正の値、例えば+10Vから+40Vを有する。さらにまた電圧レベルを可能な値の範囲で2つ以上の部分範囲に制約することが可能である。この部分範囲は、連続、非連続および/または重畳していてもよい。例えば、2つの部分範囲、例えば−15Vから0Vおよび0Vから+15Vを、用いてもよく、これらの範囲は、連続しているとともに−15Vから+15Vという第1の値の範囲に及ぶ。ピクセルに印加される電圧値の範囲が、縮小されるため、検討したように電圧源への供給電圧も、低減することが可能であり、特定のフレーム時間に対して消費電力が低減される。
【0036】
図7は、本発明の第2の実施形態による、WからG1へ、およびG2からG1への遷移における駆動パルスの一部が、2フレーム周期分遅延された、画像遷移の場合の例示波形を図示している。波形700は、白色(W)から濃灰色(G1)への画像遷移を提供し、波形720は、黒色(B)から明灰色(G2)への画像遷移を提供し、波形740は、G2からG1への画像遷移を提供し、さらに波形760は、G2からG2への画像遷移を提供する。図5に用いられたものと同じ波形が、表されているが、ここではWからG1への遷移(波形700)およびG2からG1への遷移(波形740)の両方の内の階調駆動パルス(D2)の一部が、2フレーム分遅延されている。特に波形700の場合、駆動部分は、第1の駆動部分(D1)を含み、その後1つまたは複数のフレーム時間の遅延が続き、その後第2の駆動部分(D2)が続いている。波形740は、同様にそれぞれ第1および第2の駆動部分D1およびD2を含む。
【0037】
また短フレーム時間(FT’)に対して、波形は、電圧レベルが、可能な値の部分範囲内のみで変動するように構成されている。例えば、tとtとの間およびtとtとの間において、波形700、720、740および760が、それぞれ0V、+15V、0Vおよび0Vを必要とするため、電圧レベルは、0Vと+15Vとの間で変動するのみである。tとtとの間では、波形700、720、740および760は、それぞれ−15V、0V、−15Vおよび0Vを必要とするため、電圧レベルは、−15Vと0Vとの間で変動するのみである。tとtとの間およびtとtとの間では、波形700、720、740および760は、それぞれ−15V、0V、0Vおよび0Vを必要とするため、電圧レベルは、−15Vと0Vとの間で変動するのみである。
【0038】
第3および第4のフレーム(tとtとの間)において、各々FT’のフレーム時間を有する2回の走査、または2FT’のフレーム時間を有する1回の走査を、用いてもよい。第5のフレームにおいて、tとtとの間で、最小FTを有する単一回の走査が、用いられる。第6および第7のフレームにおいて、tとtとの間で、各々FT’のフレーム時間を有する2回の走査または2FT’のフレーム時間を有する1回の走査を、用いてもよい。
【0039】
図8は、本発明の第3の実施形態による、WからG1へ、およびG2からG1への遷移における駆動パルスの一部が、3フレーム周期分遅延された、画像遷移の場合の例示波形を図示している。波形800は、白色(W)から濃灰色(G1)への画像遷移を提供し、波形820は、黒色(B)から明灰色(G2)への画像遷移を提供し、波形840は、G2からG1への画像遷移を提供し、さらに波形860は、G2からG2への画像遷移を提供する。第3の実施形態は、第2の実施形態から派生しているが、追加フレームが、追加されている。特に図7の対応波形にと比べて、V=0を有する追加フレームが、BからG2への遷移(波形800)およびG2からG2への遷移(波形860)における正の駆動パルスの完了後、およびWからG1およびG2からG1への遷移(それぞれ波形800および840)における負の駆動パルス(D2)の開始前に用いられている。特に波形800において駆動パルスの第2の部分(D2)は、駆動パルスの第1の部分(D1)から2フレームではなく3フレーム分遅延されている。波形820において、V=0を有する追加フレームが、駆動部分(D)の後に設けられている。波形840において、駆動パルスの第2の部分(D2)が、駆動パルスの第1の部分(D1)から2フレームではなく3フレーム分遅延されている。波形860において、V=0を有する追加フレームが、駆動部分(D)の後に設けられている。この手法は、ソースドライバの時間平均負荷をさらに低減することにより、時間平均消費電力をさらに低減する。
【0040】
上記の例では、パルス幅変調(PWM)駆動が、本発明を説明するために用いられ、ここでパルス時間が、各波形において変動する一方で、電圧振幅が、一定に維持されていることに留意しなければならない。しかし本発明は、例えばパルス電圧振幅が、各波形において変化する電圧変調(VM:voltage modulated)駆動、またはPWMとVMとの組み合わせ駆動による、他の駆動スキームにも適用可能である。本発明は、カラーおよび階調双安定ディスプレイに適用可能である。また電極構造は、限定されない。例えば上下電極構造、ハニカム構造、面内切替構造、または他の面内切替と垂直切替との組み合わせを、用いてもよい。さらにまた本発明は、パッシブマトリックスおよびアクティブマトリックス電気泳動ディスプレイにおいて実施し得る。事実本発明は、画像更新後に画像が、ディスプレイ上に実質的に残っている間に電力を消費しない任意の双安定ディスプレイで実施することができる。また本発明は、例えばタイプライターモードがある、単一および複数ウインドウディスプレイの両方に適用可能である。
【0041】
本発明の好適な実施形態であると思われるものを図示するとともに説明してきたが、もちろん本発明の要旨から逸脱することなく形状または細部において様々な変更および変形を容易に行えることは理解されよう。そのため本発明は、説明および図示した厳密な形状に限定することを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲内にある変更例をすべて網羅すると解釈されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】電子読取装置の表示画面の一部分の実施形態の正面図を概略的に示す。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図を概略的に示す。
【図3】電子読取装置の概観を概略的に示す。
【図4】それぞれの表示領域を有する2つの表示画面を概略的に示す。
【図5】高いピーク電力が、t0とt1との間、およびt1とt2との間に予想される画像遷移の場合の例示波形を図示する。
【図6】本発明の第1の実施形態による、BからG2への遷移における駆動パルスの一部が、3フレーム周期分遅延された、画像遷移の場合の例示波形を図示する。
【図7】本発明の第2の実施形態による、WからG1へ、およびG2からG1への遷移における駆動パルスの一部が、2フレーム周期分遅延された、画像遷移の場合の例示波形を図示する。
【図8】本発明の第3の実施形態による、WからG1へ、およびG2からG1への遷移における駆動パルスの一部が、3フレーム周期分遅延された、画像遷移の場合の例示波形を図示する。
【0043】
すべての図面において対応する部分は、同一の参照番号により参照される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続フレーム周期において双安定ディスプレイの少なくとも一部分を更新するための一組の電圧波形を供給する方法であって、
前記連続フレーム周期に対する一組の電圧波形を規定するデータにアクセスするステップと、
前記アクセスしたデータに従って前記連続フレーム周期中に前記双安定ディスプレイの少なくとも一部分を駆動するための前記一組の電圧波形を生成するステップとを備え、
前記連続フレーム周期の継続時間にわたり、前記電圧波形の各々が、第1の値の範囲に及び、
前記連続フレーム周期の少なくとも1つが、前記第1の値の範囲の部分範囲である第2の値の範囲に及ぶ前記電圧波形の各々のデータ依存部分と時間整合されている、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記連続フレーム周期の少なくとも他の1つが、前記第1の値の範囲の部分範囲である第3の値の範囲に及ぶ前記電圧波形の各々のデータ依存部分と時間整合されている、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2および第3の値の範囲が、連続しているとともに前記第1の値の範囲に及ぶ、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
比較的短いフレーム周期が、前記連続フレーム周期の少なくとも1つの間に用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電圧波形の各々のデータ依存部分が、リセット部分を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電圧波形の各々のデータ依存部分が、駆動部分を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電圧波形の各々のデータ依存部分が、第1の駆動部分と、その後の遅延と、その後の第2の駆動部分とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記双安定ディスプレイが、電気泳動ディスプレイを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記連続フレーム周期の少なくとも1つの間の前記一組の電圧波形の生成のために用いられる電圧源の供給電圧を、前記第1の値の範囲と関連する供給電圧から前記第2の値の範囲と関連する供給電圧に低下させるステップをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
連続フレーム周期において双安定ディスプレイの少なくとも一部分を更新するための一組の電圧波形を供給する方法を行う機械により実行可能な命令のプログラムを実体的に実現するプログラム記憶装置であって、前記方法が、
前記連続フレーム周期に対する一組の電圧波形を規定するデータにアクセスするステップと、
前記アクセスしたデータに従って前記連続フレーム周期中に前記双安定ディスプレイの少なくとも一部分を駆動するための前記一組の電圧波形を生成するステップとを備え、
前記連続フレーム周期の継続時間にわたり、前記電圧波形の各々が、第1の値の範囲に及び、
前記連続フレーム周期の少なくとも1つが、前記第1の値の範囲の部分範囲である第2の値の範囲に及ぶ前記電圧波形の各々のデータ依存部分と時間整合されている、ことを特徴とするプログラム記憶装置。
【請求項11】
前記連続フレーム周期の少なくとも他の1つが、前記第1の値の範囲の部分範囲である第3の値の範囲に及ぶ前記電圧波形の各々のデータ依存部分と時間整合されている、ことを特徴とする請求項10に記載のプログラム記憶装置。
【請求項12】
比較的短いフレーム周期が、前記連続フレーム周期の少なくとも1つの間に用いられる、ことを特徴とする請求項14に記載のプログラム記憶装置。
【請求項13】
前記電圧波形の各々のデータ依存部分が、リセット部分および駆動部分の少なくとも一方を備える、ことを特徴とする請求項10に記載のプログラム記憶装置。
【請求項14】
前記双安定ディスプレイが、電気泳動ディスプレイを備える、ことを特徴とする請求項10に記載のプログラム記憶装置。
【請求項15】
前記方法が、前記連続フレーム周期の少なくとも1つの間の前記一組の電圧波形の生成のために用いられる電圧源の供給電圧を、前記第1の値の範囲と関連する供給電圧から前記第2の値の範囲と関連する供給電圧に低下させるステップをさらに備える、ことを特徴とする請求項10に記載のプログラム記憶装置。
【請求項16】
双安定ディスプレイと、
(a)連続フレーム周期に対する一組の電圧波形を規定するデータにアクセスするとともに、(b)前記アクセスしたデータに従って前記連続フレーム周期中に前記双安定ディスプレイの少なくとも一部分を駆動するための前記一組の電圧波形を生成することにより、連続フレーム周期において前記双安定ディスプレイの少なくとも一部分を更新するための一組の電圧波形を供給する制御装置とを備え、
前記連続フレーム周期の継続時間にわたり、前記電圧波形の各々が、第1の値の範囲に及び、
前記連続フレーム周期の少なくとも1つが、前記第1の値の範囲の部分範囲である第2の値の範囲に及ぶ前記電圧波形の各々のデータ依存部分と時間整合されている、ことを特徴とする表示装置。
【請求項17】
比較的短いフレーム周期が、前記連続フレーム周期の少なくとも1つの間に用いられる、ことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記電圧波形の各々のデータ依存部分が、リセット部分および駆動部分の少なくとも一方を備える、ことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記双安定ディスプレイが、電気泳動ディスプレイを備える、ことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項20】
前記制御装置が、前記連続フレーム周期の少なくとも1つの間の前記一組の電圧波形の生成のために用いられる電圧源の供給電圧を、前記第1の値の範囲と関連する供給電圧から前記第2の値の範囲と関連する供給電圧に低下させる、ことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項21】
連続フレーム周期において双安定ディスプレイの少なくとも一部分を更新するための一組の電圧波形を規定するデータにアクセスする手段を備えるとともに、前記アクセスしたデータに従って前記連続フレーム周期中に前記双安定ディスプレイの少なくとも一部分を駆動するための前記一組の電圧波形を生成するように構成された論理演算回路を備え、
前記連続フレーム周期の継続時間にわたり、前記電圧波形の各々が、第1の値の範囲に及び、
前記連続フレーム周期の少なくとも1つが、前記第1の値の範囲の部分範囲である第2の値の範囲に及ぶ前記電圧波形の各々のデータ依存部分と時間整合されている、ことを特徴とするコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−505339(P2007−505339A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525248(P2006−525248)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051607
【国際公開番号】WO2005/024768
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(501344315)コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ. (174)
【Fターム(参考)】