説明

高圧プレス機

高圧プレス機は、高圧チャンバーと高圧媒体を取り囲む高圧容器と、高圧プレスチャンバーから容積を分離するために高圧プレスチャンバー内に設けられたハウジングを備え、ハウジングは流体を保持するために設えられており、また、高圧プレスチャンバー中の高圧媒体を循環させるためにハウジングの外側の高圧プレスチャンバー中に設えられたファンと、ハウジング中で設えられたモーターを備え、モーター(2)はファンを駆動するためにファンに有効に連結されており、また、ハウジング壁(9)のある部分を冷却するために設えられた冷却装置と、ハウジング中の流体を循環させて冷却装置(20)によって冷却されるハウジング壁(9)の部分を通過させ、またモーターを通過させるために設えられたポンプ装置(30)を備え、流体は、モーター(2)を冷却するためのハウジング壁の部分からモーター(2)への冷たさの伝達を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスされる物品を保持するための高圧プレス機に関する。特に、本発明は、高圧プレス機中に設けられたモーターの冷却に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧プレス機はしばしば、材料多孔性の除去を達成するために、たとえばタービンブレードなどの粉砕または鋳造材料の高密度化に使用される。したがって、プレスは、物品の耐用年数と強度、特に疲労強度を実質的に増大させるためにプレス機中に置かれた物品に適用される。別の適用分野は製品の製造であり、それは、粉体を圧縮することによって、完全に高密化され、無孔表面を有することが必要とされる。
【0003】
高圧プレスによる処理にさらされる物品は圧力チャンバーのロードコンパートメント中に配置される。ロード後、チャンバーは封鎖され、液体または気体のいずれかである圧力媒体が、圧力チャンバーとそのロードコンパートメントの中に導入される。それから、圧力媒体の圧力と温度が増大され、これにより、選択された期間のあいだ、物品は増大された圧力と増大された温度にさらされる。通常、熱は、圧力チャンバーのファーネス・チャンバー中に設えられた加熱素子またはファーネスによって提供される。
【0004】
圧力と温度と処理時間は、たとえば処理される物品の材料特性、適用分野、処理された物品の必要品質などの要因に依存する。適用される圧力および温度は、それぞれ、200ないし5000barおよび300ないし3000℃の範囲内にある。物品のプレスが終了されたとき、物品は、圧力チャンバーから取り除かれる、すなわちアンロードされる前に、しばしば冷却される必要がある。
【0005】
高圧プレス機による物品の処理は高価であり、特にコストは、圧力チャンバー中の物品の滞留時間と関係する。したがって、処理時間を低減するような物品のより効率的な加熱および冷却を提供するための努力があったが、それでも、たとえば特定の範囲内の温度勾配などの加熱および冷却特性の要求に面している。
【0006】
圧力チャンバー中の物品の改善された加熱および冷却を達成するために、チャンバー中の圧力媒体を循環させることが好まれる。この循環は、機械的な支援ありまたはなしでおこなわれる。機械的な支援なしで使用されるとき、既存または促進された温度差のために、熱対流と再分布がたとえば外側壁加熱または冷却として提供される。したがって、循環は、冷却流体が下方に流れ、暖かいが上昇する観察に基づく。
【0007】
そのような熱対流高圧プレス機の一例が特許文献DE3833337に開示されている。しかしながら、この装置に関する問題は、圧力媒体の循環に関係する熱循環はコントロールすることが難しいということである。
【0008】
この問題を解決するため、ファンなどの機械的な支援が、圧力媒体の循環を改善するために使用され得る。特許文献US7011510では、ファンを回転させる圧力媒体気体は、物品を収納するプレスチャンバー内の温度均一化を促進するためのモーターによって駆動される。
【0009】
動作中に高圧プレス機に適用される高温と極圧のため、圧力チャンバー中に設けられた機器は、耐久性、持久性、性能などに関する高い要求を満たさなければならない。これは特に圧力チャンバー中に設けられるモーターに関する場合、モーター効率は、動作時の高圧プレス環境に影響されやすい。したがって、高圧プレス機中に設けられるモーターが、モーターの耐用年数が増大される動作環境に設えられ、これによって、金のかかる動作不調および/または面倒なメンテナンスを避けることが重要である。
【0010】
しかしながら、前述の特許文献に開示された装置での問題は、回転ファンを駆動するためのモーターが高圧プレス機動作環境に適していないということである。より明確には、モーターがたとえば故障および/または低いモーター効率をこうむりやすいなど、装置は、信頼性できないモーター動作に苦しむ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】DE3833337
【特許文献2】US7011510
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、上記の問題を緩和し、モーターの動作中にプレスチャンバー内のモーターの改善された動作を提供する高圧プレス機を提供することである。
【0013】
このおよび他の目的は、独立請求項で規定される特徴を有しているモーターシステムを提供することによって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項で規定される。
【0014】
本発明によれば、これは、プレスされる物品と高圧媒体を保持するための高圧チャンバーを取り囲んでいる高圧容器を備えており、この高圧プレスチャンバーは高圧プレス機の動作中に加熱されるように設えられており、また、ハウジング壁を有しているハウジングを備えており、このハウジングは、前記高圧プレスチャンバーからある容積を分離するために前記高圧プレスチャンバー内に設けられており、このハウジングは流体を保持するために設えられており、また、前記高圧プレスチャンバー中の前記高圧媒体を循環させるために前記ハウジングの外側の前記高圧プレスチャンバー中に設えられたファンと、前記ハウジング中に設えられたモーターを備えており、このモーターは、前記ファンを駆動するために前記ファンに有効に連結されており、また、前記ハウジング壁のある部分を冷却するために設えられた冷却装置と、前記ハウジング内の前記流体を循環させて前記冷却装置によって冷却される前記ハウジング壁の前記部分を通過させ、また前記モーターを通過させるために設えられたポンプ装置を備えており、これにより、前記流体は、前記モーターを冷却するための前記ハウジング壁の前記部分から前記モーターへの冷たさの伝達を提供する、高圧プレス機によって実現される。
【0015】
したがって、本発明の高圧プレス機は、前記プレスチャンバー中の前記高圧媒体を循環させるために前記プレス機中に設えられた前記モーターの改善された動作を提供する考えに基づいている。前記高圧プレス機中の前記モーターに適切な動作環境を提供するために、前記モーターを冷却する必要がある。これは、前記高圧プレスチャンバー中のハウジング内の流体を循環させることによって実現され、そのハウジング中に前記モーターが設けられる。前記ポンプ装置は、前記ハウジング内の前記流体を循環させるために設えられており、前記流体が冷たさを、前記冷却装置によって冷却される前記ハウジング壁の前記部分から前記モーターに伝達することを可能にする。前記ハウジングは、前記プレスチャンバー中の流体循環のための空間を限定する。さらに、前記ハウジングは、前記モーターの冷却動作を前記プレスチャンバーから分離する。これによって、前記モーターのより効果的な冷却が提供される。
【0016】
したがって、本発明は、先行技術と比較して、前記プレス機中の前記モーターの動作の改善を開示する。したがって、たとえば悪化したモーター効率、補足の修繕コストおよび/またはモーター不調などのいくつかの障害が回避される。
【0017】
「高圧プレスチャンバー」は、ここでは、たとえばホットアイソスタティックプレス機のチャンバーなどの動作中の前記チャンバー内の圧力にさらされるチャンバーを意味する。
【0018】
前記高圧プレスチャンバー内に設けられた前記ハウジングは、ハウジング内部を前記プレスチャンバーから実質的に分離する。これは、前記プレスチャンバー内の前記ハウジングによって規定される流体循環のための空間が前記ハウジングによって限定されるので、有利である。これによって、前記モーターの動作がより効率的になる。
【0019】
前記ハウジングは、流体を保持するために設えられている。前記高圧プレス機に対して、この流体は、アルゴンや窒素等などの気体であり、それは、高圧下で、液体状態にある。一例として、前記壁は、前記ハウジング壁を通る流体のあらゆる不所望な漏れが回避されるように構築される。
【0020】
用語「ハウジング」は、この文脈では、本発明の目的が達成されるそのようなケースやエンクロージャーやカバー等と解釈される。本発明の例証実施形態では、前記ハウジングの材料は銅である。しかしながら、銅と同様の特性を有するどのような他の材料も可能な実施形態である。
【0021】
前記高圧プレスチャンバーで設えられた前記ファンは、前記ハウジングの外部に設けられている。前記ファンの目的は、前記高圧プレスチャンバー中の物品に適用される前記圧力媒体の強制循環によって対流を改善することである。前記ファンは、同様に遠心ポンプやタービンやプロペラ等であってよく、これにより、前記プレスチャンバー中の前記ハウジングの外側の前記圧力媒体を循環させる目的が達成される。
【0022】
前記ハウジング中に設えられた前記モーターは、前記ファンを駆動するために前記ファンに有効に連結されている。これは、前記ハウジング内の前記モーターの動作中に、前記プレスチャンバー中に設えられた前記ファンも動作中であることを意味する。したがって、用語「有効に連結されている」は、前記モーター内の前記ローターから前記ファンへの回転の直接伝達、または前記モーターから前記ファンへのモーター・シャフト等を介した間接伝達と解釈してよい。
【0023】
前記モーターは、たとえばこの分野で周知の誘導モーター等であってよく、モーターの動作中にステーターがローターを回転させる。しかしながら、高圧プレスチャンバー中に設けられ高圧と高温にさらされるモーターは、前記モーターが前記プレスチャンバー中での使用により適合するようになるような追加特徴を有していてよい。
【0024】
本発明の例証実施形態によれば、前記モーターは、前記プレスチャンバーの空間を最適化するように比較的平らであってよい。これは、前記チャンバー中の物品の処理のためにより多くの空間が提供され得ることを考慮すると有利である。あるいは、前記プレスチャンバーは、たとえばモリブデンなどの高圧容器壁にしばしば使用される、時には非常に高価な材料と関係するコストを節約するためにより小さく作られてもよい。モーター・コンポーネントは、動作中に前記高圧プレスチャンバー中に生じ得る高温と極圧に耐えるように設けられ得る。一例として、ローターやステーターやベアリングや軸等などのモーター・コンポーネントは、前記モーターが動作中の厳しいプレスチャンバー環境で動作できるような材料で必要以上の寸法に成形および/または提供され得る。これによって、前記高圧プレス機の動作に寄与する前記モーターの耐用年数がさらに増大される。
【0025】
前記高圧プレス機の前記冷却装置は前記ハウジング壁のある部分を冷却するために設えられている。言いかえれば、前記冷却装置は、前記ハウジング壁の前記部分が冷却されるように、動作中に冷たさを前記ハウジング壁に伝達する。
【0026】
前記モーターシステムの前記冷却装置は、たとえばブロックやプレート等であってよく、これを介して冷却媒体が導かれる。前記冷却装置は、前記ハウジング壁のある部分を冷却する機能に適切ないかなる形状および大きさであってもよい。
【0027】
前記冷却ブロックと前記ハウジング壁は、冷たさの伝達が前記冷却ブロックから前記ハウジング壁に直接提供され得るような直接的物理的接触状態にあってもよい。あるいは、前記冷却ブロックと前記ハウジング壁の前記部分は分離されていてもよい。これによって、冷たさの伝達が、熱伝導媒体および要素等を介して前記冷却ブロックから前記ハウジング壁に提供され得、これにより、前記ハウジング壁の前記部分が冷却される。
【0028】
用語「ハウジング壁」は、この文脈では、前記ハウジングを規定する前記ハウジングのあらゆる部分、すなわち底部や側部や頂部等と解釈されるべきである。前記ハウジング壁の前記部分は任意の大きさであってよく、前記ハウジング壁の前記部分は、前記ハウジング壁の主要な部分のほかに前記ハウジング壁の比較的重要でない部分を構成してもよい。
【0029】
前記高圧プレス機の前記ポンプ装置は、前記ハウジング内の前記流体を循環させて前記冷却ブロックによって冷却される前記ハウジング壁の前記部分を通過させ、また前記モーターを通過させるために設えられている。したがって、前記ポンプ装置は、前記モーターの動作中に前記ハウジング壁の前記部分と前記モーターを通過して前記ハウジング壁の前記部分に戻る前記ハウジング内の前記流体の循環を提供するように設えられている。これによって、前記ポンプ装置は前記流体を循環させ、前記モーターを冷却するために前記ハウジング壁の前記部分から前記モーターへの冷たさの伝達を提供する。
【0030】
前記ポンプ装置を備えた利点は、いかなる機械的な支援もない対流から生じる循環と比較して、前記流体を循環するように駆動して流体熱交換を改善するということである。したがって、前記ポンプ装置で、冷たさが前記ハウジング壁の前記部分から前記モーターに、より効率的に伝達され、それによって、前記モーターの冷却を改善する。
【0031】
前記ハウジング壁の前記部分は、前記冷却ブロックによって冷却され、冷たさの伝達を前記流体に提供する。したがって、前記ハウジング壁の前記部分は、高熱伝導特性を有している材料である。この実施形態は、前記冷却ブロックから前記流体への冷たさの伝達が、より効率的になるという長所を有する。
【0032】
前記ハウジング壁の前記部分を通過する前記流体は、前記ハウジング壁の前記部分が冷たさの伝達を前記流体に提供し得るような方法で前記流体が前記ハウジング壁の前記部分を通過すると解釈され得る。一例として、前記流体は、冷たさのよりいっそう効率的な伝達が達成され得るように前記ハウジング壁の前記部分のごく近傍を通過し得る。
【0033】
同様に、前記モーターを通過する前記流体は、前記流体が冷たさの伝達を前記モーターに提供し得るような方法で前記流体が前記モーターを通過すると解釈され得る。一例として、前記流体は前記モーターのごく近傍を通過し、前記モーターを冷却するための冷たさの伝達の効率をさらに改善する。
【0034】
用語「循環」は、この文脈では、前記ポンプ装置は、前記ハウジング内部内の前記流体を循環させて循環方法で前記ハウジング内部のある部分に実質的に戻すように設えられていると解釈されるべきである。しかしながら、前記流体の循環は、乱流や対流等のために分裂されるかもしれないことに注意されたい。
【0035】
前記流体の案内は、前記ハウジングの構造体が前記流体を循環させるように提供され得る。一例として、前記ハウジングは、前記ポンプ装置によって循環される前記流体が、たとえば前記ハウジング内の前記流体の位置や前記流体の流量などの要因を最適化するように案内されるように形成され得る。これによって、前記流体が循環されるとき、前記ハウジング壁の前記部分の通過および/または前記モーターの通過が、前記流体から前記モーターへの冷たさの伝達を改善し得る。
【0036】
あるいは、循環の少なくとも一部に対して、前記流体がパイプやチューブや導管等によって案内されてもよく、たとえば前記流体の位置および/または流量などの流体循環特性をさらにコントロールする。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、前記ポンプ装置は前記ハウジング中に設えられ、前記ポンプ装置は前記モーターに有効に連結されている。
【0038】
前記ハウジング中に設えられた前記ポンプ装置の利点は、たとえば前記ハウジングの外側に設けられたポンプ装置と比較して、前記ハウジング中の流体の循環の効率が改善されることである。
【0039】
前記ポンプ装置が前記モーターに有効に連結されていることは、動作するための前記モーターたとえば前記プレスチャンバー内の温度均一性を促進するための回転ファンがまた、前記ハウジング中の流体の循環のための前記ポンプ装置を駆動することを意味する。これは、前記モーターが前記ハウジングの外側のファンと前記ハウジング中の前記ポンプ装置を同時に駆動し得るので、前記高圧プレス機の機能をさらに改善する。したがって、前記モーターと比較して独立に動作されるたとえば前記ポンプ装置の回転のために設けられる補助モーターなどのあらゆる装置は省略されてもよい。これは、より安価であり、製造することがより簡単であり、金のかかるおよび/または面倒なメンテナンスを受けにくい高圧プレス機の利点を有する。
【0040】
用語「有効に連結されている」は、前記モーター内のローターの回転が前記ポンプ装置を駆動すると解釈され得る。前記モーターおよびポンプ装置間の連結は直接的であってもよく、その結果、前記モーターの前記ローターの角振動数は前記ポンプ装置の動作振動数に一致する。あるいは、前記モーターと前記ポンプ装置の間にギヤー装置が設けられてもよい。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、前記冷却ブロックは前記高圧プレスチャンバーの外側に設けられる。ここで、「外側」は、動作中に前記高圧プレスチャンバー内の高圧から前記冷却ブロックが分離されていることを意味する。これは、前記高圧プレス機の動作中の前記プレスチャンバーの高圧と高温の環境に前記冷却ブロックが敏感であるので、有利である。
【0042】
さらに、前記プレスチャンバーの外側に設けられた前記冷却ブロックは、たとえばプレスの維持期間中、前記プレスチャンバーの高温環境にさらされる冷却ブロックと比較して、その温度をより効果的に保持する。さらに、冷却ブロックが高圧にさらされるのを避けることによって、前記冷却ブロックの冷却特性が改善し得る。一例として、高圧にさらされる冷却媒体はその温度を増大させ、それによって、その冷却特性を悪化させる。
【0043】
これによって、減少された冷却効率および/または減少した耐用年数などの、加圧されたときの前記冷却ブロックの悪化する作用が避けられ得る。したがって、前記冷却ブロックを前記プレスチャンバーから分離することによって、よりいっそう改善された高圧プレス機が得られる。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、前記冷却装置は前記ハウジング壁中に構成されている。一例として、前記冷却装置は、前記ハウジングの底壁中に構成され得る。
【0045】
前記冷却装置が前記ハウジング壁中に構成されている利点は、前記冷却装置から前記ハウジング壁への冷たさの伝達が改善されることである。これは、前記ハウジング壁の外側に設けられた冷却ブロックが前記冷却ブロックと前記ハウジング壁の間の冷たさの伝達の効率の損失を意味すると見なすとき、実現される。さらに、前記冷却装置は、前記ハウジング壁への冷たさの伝達をさらに促進するために、銅や鋼等などの材料で設けられてもよい。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、前記冷却ブロックは、冷却水等などの冷却液を導くために設えられた導管を備えている。前記冷却ブロック内に前記導管を設けることによって、圧力への前記導管の露出が避けられ得る。水の使用の利点は、それが安価で容易に入手可能であることである。用語「導管」は、この文脈では、パイプや通路やチャンネルやチューブ等と解釈されるべきであり、冷却液は前記導管を通過し得る。一例として、前記導管は、前記導管の湾曲らせん形状のような内巻きであってもよい。そのような構造の一つの利点は、内巻きは冷たさの比較的均一な伝達を前記冷却ブロックに提供するので、前記導管からの冷たさの伝達が改善されることである。
【0047】
前記導管の材料は、前記冷却ブロックから前記ハウジング壁の前記部分への冷たさの伝達を前記冷却ブロックが提供することを促進するどのような材料であってもよい。そのような材料の例は、銅やアルミニウムや鋼等などの熱伝導材料であり得る。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、前記ハウジング壁の前記部分は、前記ハウジング壁の前記部分を前記高圧プレスチャンバーから熱的に分離するように隔離材料によって少なくとも部分的に取り囲まれている。用語「隔離材料」は、この文脈では、前記隔離材料が前記ハウジングの少なくとも一部分を前記チャンバーから熱的に分離するような低い熱伝導率を有している材料と解釈されるべきである。
【0049】
これによって、前記ハウジングの前記少なくとも一部分が、たとえば前記チャンバー中の高温から分離され得る。一例として、前記ハウジングに隣接するチャンバー温度は動作中に300℃を超え得るのに対して、前記ハウジング中の温度はほぼ700℃であり得る。前記隔離材料は、たとえば、前記壁と前記ハウジングの上部に設けられる。前記隔離材料は、セラミック織物やセラミック繊維やガラス繊維等であってよい。これらの材料またはそれらの種類の他のものは、前記ハウジング壁の前記部分と前記チャンバーの間の熱的分離が提供されるように前記ハウジング壁の前記部分の隔離特性をさらに改善する。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、前記ハウジングは、前記ハウジングと前記高圧プレスチャンバーの間の流体連絡を可能にするための開口を有している。少なくとも一つの開口は、前記開口を介した前記ハウジングの内側と外側の間の流体の通過を可能にするための穴やバルブやルーバー等であってよい。
【0051】
流体通過を可能にすることによって、前記開口はまた、前記プレスチャンバーと前記ハウジング内部の間の圧力均一化を促進する。一例として、前記チャンバー中の圧力が前記ハウジング内部中の圧力よりも高ければ、前記プレスチャンバー中に供給される前記高圧媒体は、前記チャンバーと前記ハウジング内部の圧力がより等しくなるように前記ハウジング内部の中に流れ得る。同様に、前記ハウジング内部中の圧力が前記プレスチャンバーの圧力よりも高ければ、前記流体は、前記プレスチャンバーと前記ハウジング内部の間の圧力の均一化が提供されるように前記ハウジング内部から前記チャンバーの中へ進み流れ得る。
【0052】
前記チャンバーの動作中の圧力差のための前記ハウジングの起こり得る崩壊または破裂を考慮するとき、圧力の均一化を確立する前記ハウジングの前記開口が望まれる。一例として、前記プレスチャンバー中の圧力が前記ハウジング内部中の圧力よりもはるかに高ければ、圧力の均一化を確立する前記ハウジングの無能さは前記ハウジングの崩壊をもたらすことがある。そのような崩壊は、メインテナンスコストや動作障害等の点から深刻な結果を招く。同様に、前記ハウジング内部中の圧力が前記プレスチャンバーの圧力よりもはるかに高ければ、前記ハウジングは破裂することがあり、前述したのと同じ逆効果をもたらすかもしれない。
【0053】
前記開口は、前記ハウジングと前記プレスチャンバーの間に所望の流体連絡を提供するように成形され得る。一例として、前記開口は、小さくまたは大きく作られてよく、これにより、前記開口において高い流れ速度または低い流れ速度を提供する。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、前記ハウジング中の流体は、前記高圧プレスチャンバーの前記高圧媒体と同じである。これは、同一の流体が、前記プレスチャンバー中と前記ハウジング中で使用され得ることを考慮すると有利である。これは、物品に適用される前記チャンバー中に供給される前記高圧媒体が、前記モーターを冷却するために供給される前記ハウジング中の流体としても役立つことを意味する。したがって、前記モーターを冷却するための補助媒体のどのような供給も不必要となるので、前記高圧プレス機が単純化される。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、前記流体が循環されるときに前記流体を案内するための案内要素が前記ハウジング内に設けられており、前記案内要素は、前記案内要素と前記ハウジング壁の間の通路と、前記案内要素と前記モーターの間の通路を提供し、これらの通路は前記流体の通過を可能にする。ここで、前記案内要素は、前記案内要素と前記ハウジング壁の間と前記案内要素と前記モーターの間を通過するように前記流体を案内する要素として解釈されるべきである。
【0056】
したがって、前記案内要素は、前記モーターのよりいっそう改善された冷却が達成され得るように循環流体の案内を改善し得る。一例として、前記案内要素の形状は、前記流体が前記モーター・コンポーネントと接触する方法を最適化する。さらに、前記案内要素は、不所望な乱流等を低減するように前記モーターに近い前記流体を遮へいしてもよい。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、前記案内要素は、前記案内要素の基部にある入口と、前記案内要素の上部にある出口を備えており、前記ポンプ装置は、前記モーターの動作中に前記流体を前記入口から前記出口に送る。前記案内要素の基部にある前記入口と前記案内要素の上部にある前記出口によって、前記流体は前記モーターのより大きい部分を通過するように案内されるので、前記案内要素による前記流体の案内は、前記モーターのよりいっそう改善された冷却を促進する。さらに、前記流体を前記案内要素の基部から上部にたとえば鉛直方向に送ることによって、対流がよりいっそう改善される。これは、前記モーターによって加熱された流体は上昇し、対流をよりいっそう駆り立てるので、実現される。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、前記案内要素はケースやハウジングやカバー等であり、これにより、本発明の目的が達成される。本発明の例証実施形態では、前記案内要素の材料は鋼である。しかしながら、鋼と同様の特性を有するどのような他の材料も可能な実施形態である。
【0059】
前記案内要素は、前記案内要素内部と前記ハウジング内部の間の温度を実質的に分離し得るので、前記モーターの冷却にさらに寄与する。一例として、ハウジング温度は動作中にほぼ70℃であるのに対して、前記案内要素中の温度はほぼ150℃であり得る。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、前記モーターは、軸のまわりに回転するように設けられたローターと、前記軸に垂直な平面内において前記ローターを少なくとも部分的に取り囲んでいるステーターを備えており、前記ステーターは、前記軸に垂直な平面内において前記ローターと前記案内要素から分離されており、これにより、前記ステーターと前記ローターの間の第一の通路と、前記ステーターと前記案内要素の間の第二の通路と、前記ステーター巻線の間の第三の通路を形成し、前記第一および第二の通路は前記軸に平行であり、前記第三の通路は前記軸に垂直であり、これらの通路は、流体が循環されたときに、前記流体の通過を可能にする。
【0061】
したがって、前記案内要素は、前記ポンプ装置によって循環される前記流体を、前記ステーターと前記ローターの間の第一の通路と前記ステーターと前記案内要素の間の第二の通路を通過するように分割する。第一および第二の通路の間には、前記流体のための第三の通路が前記ステーター巻線の間に設けられている。一例として、前記第一の通路と前記第二の通路は、それらの通路中の前記流体の方向が実質的に鉛直であるように設けられ得る。同様に、前記第三の通路は、前記通路中の前記流体の方向が実質的に水平であるように設けられ得る。
【0062】
円筒形状ローターと前記ローターを取り囲んでいる円筒形状ステーターで、前記ローターの外側半径と前記ステーターの内側半径によって前記第一の通路が規定され、これによって、外側および内側半径を有する円筒を形成する。前記ステーターと前記ローターの間の距離は、前記流体の通路が、動作中の流体の通過を可能にすることによって前記ステーターの冷却を提供するに十分に広く、また、前記ステーターと前記ローターの間の距離に依存するモーター効率を維持するに十分に狭くするような方法で最適化される。
【0063】
前記高圧プレス機中の案内要素とモーターの一例として、前記案内要素は、前記案内要素の基部に前記流体のための入口を提供し得る。ポンプ装置が動作されるとき、前記流体の第一の部分は、前記入口を通過し、前記ステーターと前記ローターの間の前記鉛直第一の通路を通過し、前記案内要素の上部にある前記第一の通路と前記水平第三の通路を連結しているループを介して、前記第三の通路を通過し、前記案内要素の上部にある前記出口を通って前記案内要素を出る。
【0064】
同様に、前記案内要素と前記モーターは、前記ステーターと前記ローターの間の前記案内要素の基部にある前記入口から前記水平第三の通路に通過し、前記鉛直第二の通路を通過し、前記案内要素の上部にある前記出口を通って前記案内要素を出る前記流体の第二の部分を提供する。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、前記ポンプ装置は、遠心ポンプやファンやタービンやプロペラ等を備えている。用語「ポンプ装置」は、この文脈では、前記ハウジング内の流体を循環させる目的が達成されるように前記流体を輸送することができる装置として解釈されるべきである。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、前記高圧プレスチャンバーはホットアイソスタティックプレスチャンバーである。そのようなプレスチャンバーでは、適用される圧力および温度は一般に、それぞれ、200ないし5000barおよび300ないし3000℃の範囲内にある。ホットアイソスタティックプレスチャンバーは、これらの環境に適合したコンポーネントを必要とし、ここに開示される前記高圧プレス機は、これらの要求を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0067】
本発明のこれらのおよび他の側面がいま、本発明の現在の好適な実施形態を示す添付の図面を参照して、詳細に説明される。
【図1】図1は、高圧プレス機の横断面の斜視図を示す。
【図2】図2は、モーターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
続く説明では、本発明は、高圧プレス機と関連して説明される。
【0069】
図1は高圧プレス機1を示し、破線境界で円柱として概略的に示されたモーター2がプレスチャンバー3中に設けられる。円柱形状プレスチャンバー3は圧力容器4によって規定され、それは物品のプレスに使用されるように意図されている。圧力容器4は、圧力媒体を供給および放出するための一つ以上のポート、入口と出口などの装置(図示せず)を備えている。プレスチャンバー3は、ハウジング内部6を備えたハウジング5を備えており、ハウジング5は外側半径7と内側半径8を有している円筒として成形されている。ハウジング5は、プレスチャンバー3の下側中央部分に設けられている。ハウジング5は、底部9と側部10と上部11を備えている。
【0070】
隔離体12は、側部13と上部14を有している円筒として成形されており、ハウジング5の底部9の側面と側部10と上部11を取り囲んでいる。断熱円筒体12の内側部15の半径はハウジング5の半径と実質的に同一であり、断熱円筒体12がハウジング5のためのきついカバーを提供する。これによって、隔離体12は、たとえばプレスチャンバー3の高温からハウジング5の側部10と上部11を断熱する。この分野の当業者は、ハウジング5の隔離体12は、ハウジング5を断熱するようなどのような他の方法によって設けられてもよいことを理解する。
【0071】
ハウジング5の上部11と隔離体12の上部14は、それらのそれぞれの中心に円形開口16を有している。これによって、モーター2からのモーター・シャフト17の鉛直延長体が、ハウジング5と隔離体12を通って設けられる。モーター2の動作中、モーター・シャフト17はハウジング5の上方のファン(図示せず)を駆動し、プレスチャンバー3中の流体媒体の循環を提供する。
【0072】
さらに、円形開口18は、ハウジング5の側部10と隔離体12の側部13を通って設けられている。それにより、開口18は、プレスチャンバー3とハウジング内部6の間の流体媒体19の流体連絡を可能にする。これによって、プレスチャンバー3とハウジング内部6の間を等しくする圧力が提供される。さらに、開口18は、プレスチャンバー3中とハウジング内部6中における同一流体媒体19の使用を可能にする。流体媒体19は好ましくは、液相のアルゴンや窒素や同様物などの気体であるが、他の媒体も代替可能である。
【0073】
底部9には、パイプ形状の導管20が設けられており、それは入口21と出口22を有している。導管20は、らせん形状を形成するように、導管入口21から底部9の中心に向かって減少する半径をもつ円として設けられている。それから、導管20は底部9の中心から導管出口22に方向づけられている。モーター2の動作中、冷却媒体24は、導管入口20かららせん形状導管20を通って導管出口22まで導かれる。このように、底部9は、高圧プレス機1のための冷却装置として役立ち、導管20は冷たさを底部9に伝達する。
【0074】
あるいは、らせん形状導管20は、ハウジング5の底部9に配置される代わりに、好ましくは高圧にさらされるところから離れた別の個所に配置されてもよい。一例として、導管20はハウジング5の側部10に配置されてもよい。別の例として、導管20は圧力容器4に配置されてもよい。冷却媒体24は好ましくは水であるが、他の冷却液も考えられる。
【0075】
ハウジング内部6には、案内要素23がモーター2を取り囲んで設けられており、案内要素23はモーター2からハウジング5を実質的に分離している。案内要素23は、外側半径と内側半径を有している円筒として成形されている。これによって、円筒形状部分25が、ハウジング5と案内要素23の間のハウジング内部6に設けられる。さらに、案内要素23は、円筒形状案内要素内部26を規定する。部分25と案内要素内部26の両方は、部分25と案内要素内部26の内側の流体媒体の通行を可能にする。
【0076】
案内要素23の上には、上蓋27が、案内要素23とハウジング5の上部11の間に設けられている。上蓋27は、案内要素23の外側半径よりも大きい外側半径を有する円板として成形されている。したがって、案内要素23と案内要素23の上蓋27は一緒に、上下逆さまの円筒帽子の外側形状を形成している。
【0077】
案内要素23の上部には、上蓋27の下に、複数の出口28が案内要素23を貫通して設けられており、それらは案内要素内部26と部分25の間の流体連絡を可能にする。複数の出口28は、案内要素23の中心軸から放射状に外に向かって、案内要素23の周囲に水平に設けられている。
【0078】
案内要素23の基部には、案内要素23の入口29が、案内要素内部26とハウジング内部6の間の流体連絡を可能にするために設けられている。これは、動作中、流体媒体19が、案内要素23の基部にある入口29に入り、案内要素内部26を通って流れ、出口28を通って案内要素23から出ることを意味する。複数の出口28は、案内要素内部26と部分25の間の流体連絡を提供するどのような他の方法によって設けられてもよいことに注意されたい。
【0079】
案内要素内部26の基部では、遠心ポンプ30(概略的に示される)がモーター・シャフト17に固定されている。モーター2の動作中、モーター・シャフト17の回転は遠心ポンプ30を回転させる。案内要素内部26では、遠心ポンプ30は、案内要素内部26の基部から案内要素内部26の上部に向かう流体媒体19の流れを提供する。
【0080】
より明確に説明すると、モーター2の動作中、遠心ポンプ30は、複数の出口28から、ハウジング5と案内要素23の間の部分25内の流体媒体19の循環を提供する。循環は、案内要素23の上部から案内要素23の入口29に向けて下方に方向づけられる。案内要素23の周囲の複数の出口28の準備は、案内要素23からの流体19の一様分布を提供する。このように、流体19の循環は、遠心ポンプによって提供され、案内要素内部26を通り、案内要素23の基部から上部へ、部分25を経由して、案内要素内部26に戻る。あるいは、ハウジング5および/または案内要素23の特性は、流体媒体19の循環を案内するどのような他の方法によって提供されてもよい。
【0081】
底部9の導管20中の冷却媒体24の輸送は、冷たさを底部9からハウジング5のある部分へ伝達するために提供される。この分野の当業者は、冷たさが伝達されるハウジング5のある部分はどのような大きさであっても、またハウジング5のどこに配置されてもよい。したがって、流体19の循環は、たとえばハウジング5の大きいある部分またはハウジング5の小さいある部分をそれぞれ通ってもよい。一例として、冷たさが伝達されるハウジング5のある部分はハウジング5の底部9であってもよい。
【0082】
さらに、ハウジング5のある部分は、モーター2の動作中に流体19への冷たさの伝達を提供する。このように、ハウジング5のある部分を通るときに、部分25中の循環流れが冷却される。それから、モーター2の動作中、冷却された流体19は入口29に入り、遠心ポンプ30に向かう。このように、案内要素内部26から部分25を経由して案内要素内部26に戻る流体19の循環は、モーター2を冷却する。冷たさのこの伝達は、モーター2の動作中に流体19の冷却された循環を供給する図1に示されたものとは異なる方法で提供されてもよいことに注意されたい。
【0083】
図2は、案内要素内部26に設けられたモーター2の断面図を示している。モーター2は、モーター2の中心に設けられたローター31を有しており、ローター31は、鉛直に延びたモーター・シャフト17に固定されている。モーター・シャフト17の周囲にローター・ブロック32が設けられており、ローター・ブロック32は実質的に円筒状のブロックとして成形される。円筒として成形されたステーター33がローター31の周囲に設けられている。複数のステーター巻線34がステーター33の周囲に設けられており、動作中に電磁石を形成する。モーター2の機能と、たとえばローター31とステーター33とステーター巻線34などのモーター2のコンポーネントの相対的位置は、この分野で知られており、それらの詳細な説明は省略する。
【0084】
しかしながら、高圧プレス機のモーター2の目的のために、プレスチャンバー3の空間を最適化するようにモーター2が比較的平らであることに注意されたい。これは、プレスチャンバー3中の物品の処理のためにより多くの空間が提供され得ることを有利に考慮している。あるいは、プレスチャンバー3は、プレスチャンバーの製造でしばしば使用されるたとえばモリブデンなどの、時には非常に高価な材料と関係するコストを節約するためにより小さく作られてもよい。
【0085】
さらに、ローター31やステーター33やベアリングや軸等などのモーター・コンポーネントは、動作中にプレスチャンバー3中に生じ得る高温と極圧に耐えるように設けられ得る。一例として、前述のコンポーネントは、モーター2が動作中の厳しいチャンバー環境で動作できるような材料で必要以上の寸法に成形され提供され得る。
【0086】
遠心ポンプ30が案内要素23の基部に、案内要素23の入口29に隣接して設けられている。導管35が、ローター・ブロック32と案内要素23の基部の間に設けられており、遠心ポンプ30から、ローター・ブロック32と、案内要素23の基部にある複数のステーター巻線34の第一の部分37の間に設けられた第一の部分36まで延びている。
【0087】
第一の部分36から、第一の鉛直通路38が、ローター・ブロック32と複数のステーター巻線34の間に設けられた案内要素23の上部にある第二の部分39まで延びている。したがって、第一の鉛直通路38はステーター33とローター・ブロック32の間に設けられている。
【0088】
第三の部分40が、案内要素23の基部にある複数のステーター巻線34の第一の部分37と案内要素23の間に設けられている。第三の部分40から、第二の鉛直通路41が、案内要素23の上部にある複数のステーター巻線34と案内要素23の間に設けられた第四の部分42まで延びている。第二の鉛直通路41はステーター33と案内要素23の間に設けられている。
【0089】
案内要素23の上部には、出口28が案内要素23を貫通して設けられており、第四の部分42とハウジング内部6の間の流体連絡を提供する。
【0090】
モーター2の動作中、遠心ポンプ30は、流体媒体19をハウジング内部6から案内要素23の入口29を通して吸引する。遠心ポンプ30は、流体媒体19を導管35を通して第一の部分36に排出する。流体媒体19の第一の部分は、第一の部分36から第一の鉛直通路38を通って、第二の部分39を経由して流れ、第二の部分39中をループして流れ、複数のステーター巻線34を通って流れ、出口28において案内要素23から出る。
【0091】
同様に、流体媒体19の第二の部品は、複数のステーター巻線34の第一の部分37の間の第一の部分36から第二の鉛直通路41を通って流れ、出口28において案内要素23から出る。
【0092】
このように、入口29からの流体媒体19は、第一の部分36から、出口28において後に併合される流体媒体19の第一の部分と第二の部分に分割される。したがって、案内要素内部26を通って、二つの部分は、ステーター33の内側と外側を通ってステーター33を冷却する。
【0093】
好ましくは、流体媒体19は、モーター2によって暖められたときに、対流をさらに駆り立てるように上昇するので、遠心ポンプ30は案内要素内部26の基部に設けられている。
【0094】
本発明は特定の例証の実施形態と関連して説明されたけれども、この分野の当業者にはさまざまな変更や修正などが明白になるであろう。したがって、説明された実施形態は、添付の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。
【0095】
一例として、説明されたあらゆる装置または要素は、実際には、どのような他の形状および/または大きさで実現されてもよい。円筒形状ハウジング5および案内要素23は、代わりに、直六面体等などのどのような他の形状をとってもよい。さらに、ハウジング5と案内要素23の間の形状および/または大きさ関係は、流体19の異なる循環を形成するような方法で提供されてもよい。
【0096】
代替形状が複数の出口28に対しても提供されてもよく、三角形状や四角形状等であってよい。らせん形状導管20は、その代りに、必要な冷却効果を生成するようなグリッドやプレート等として設けられてもよい。
【0097】
さらに、流体媒体19の循環は、たとえば複数の出口28と入口29の異なる配置による別の方法で案内されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスされる物品と高圧媒体を保持するための高圧チャンバーを取り囲んでいる高圧容器を備えており、この高圧プレスチャンバーは高圧プレス機の動作中に加熱されるように設えられており、また、
ハウジング壁を有しているハウジングを備えており、このハウジングは、前記高圧プレスチャンバーからある容積を分離するために前記高圧プレスチャンバー内に設けられており、このハウジングは流体を保持するために設えられており、また、
前記高圧プレスチャンバー中の前記高圧媒体を循環させるために前記ハウジングの外側の前記高圧プレスチャンバー中に設えられたファンと、
前記ハウジング中に設えられたモーターを備えており、このモーターは、前記ファンを駆動するために前記ファンに有効に連結されており、また、
前記ハウジング壁のある部分を冷却するために設えられた冷却装置と、
前記ハウジング内の前記流体を循環させて前記冷却装置によって冷却される前記ハウジング壁の前記部分を通過させ、また前記モーターを通過させるために設えられたポンプ装置を備えており、これにより、前記流体は、前記モーターを冷却するための前記ハウジング壁の前記部分から前記モーターへの冷たさの伝達を提供する、高圧プレス機。
【請求項2】
前記ポンプ装置は、前記ハウジング中に設えられており、前記ポンプ装置は前記モーターに有効に連結されている、請求項1に記載の高圧プレス機。
【請求項3】
前記冷却装置は前記高圧プレスチャンバーの外側に設けられている、請求項1または2に記載の高圧プレス機。
【請求項4】
前記冷却装置は前記ハウジング壁中に構成されている、請求項3に記載の高圧プレス機。
【請求項5】
前記冷却装置は、冷却水等などの冷却液を導くために設えられた導管を備えている、請求項4に記載の高圧プレス機。
【請求項6】
前記ハウジング壁の前記部分は、前記ハウジング壁の前記部分を前記高圧プレスチャンバーから熱的に隔離するように隔離体によって少なくとも部分的に取り囲まれている、請求項1に記載の高圧プレス機。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記ハウジングと前記高圧プレスチャンバーの間の流体連絡を可能にするための開口を有している、先行請求項のいずれかに記載の高圧プレス機。
【請求項8】
前記ハウジング中の前記流体は、前記高圧プレスチャンバー中の前記高圧媒体と同一である、請求項7に記載の高圧プレス機。
【請求項9】
前記流体が循環されたときに前記流体を案内するための案内要素が前記ハウジング内に設けられており、前記案内要素は、前記案内要素と前記ハウジング壁の間の通路と、前記案内要素と前記モーターの間の通路を提供し、これらの通路は前記流体の通過を可能にする、上記の請求項のいずれかに記載の高圧プレス機。
【請求項10】
前記案内要素は、前記案内要素の基部にある入口と、前記案内要素の上部にある出口を備えており、前記ポンプ装置は、前記モーターの動作中に前記流体を前記入口から前記出口に送る、請求項9に記載の高圧プレス機。
【請求項11】
前記案内要素は、ケースやハウジングやカバー等である、請求項10に記載の高圧プレス機。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれかに記載の高圧プレス機であり、前記モーターは、
軸のまわりに回転するように設けられたローターと、
前記軸に垂直な平面内において前記ローターを少なくとも部分的に取り囲んでいるステーターを備えており、
前記ステーターは、前記軸に垂直な平面内において前記ローターと前記案内要素から分離されており、これにより、前記ステーターと前記ローターの間の第一の通路と、前記ステーターと前記案内要素の間の第二の通路と、前記ステーター巻線の間の第三の通路を形成し、前記第一および第二の通路は前記軸に平行であり、前記第三の通路は前記軸に垂直であり、これらの通路は、流体が循環されたときに、前記流体の通過を可能にする、高圧プレス機。
【請求項13】
前記ポンプ装置は、遠心ポンプやファンやタービンやプロペラ等を備えている、先行請求項のいずれかに記載の高圧プレス機。
【請求項14】
前記高圧プレスチャンバーは、ホットアイソスタティックプレスチャンバーである、先行請求項のいずれかに記載の高圧プレス機。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−516324(P2013−516324A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547457(P2012−547457)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050108
【国際公開番号】WO2011/082825
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(510161026)アブーレ・テクノロジーズ・エービー (4)
【氏名又は名称原語表記】Avure Technologies AB
【住所又は居所原語表記】Quintusvagen 2, 721 66 Vasteras, Sweden
【Fターム(参考)】