説明

高圧噴射攪拌による地盤改良工法

【課題】水平方向への高圧噴射攪拌による地盤改良工法において、削孔時の孔曲がりを最小に止めて改良体の直進性の精度を維持し、かつ作業効率を向上させ、また、作業の引継ぎに伴うトラブル発生のリスクを低減し、コスト削減を図る地盤改良工法を提案する。
【解決手段】造成管1を地盤G内に略水平方向に沿って挿入した状態で、この造成管1を介して高圧グラウトを噴射あるいは、高圧水を噴射しながらグラウトを注入し、あるいはこれと併用して圧縮空気を噴射し、グラウトを撹拌混合して造成管1を中心として改良体を造成する高圧噴射攪拌による地盤改良工法であって、先行する改良体が所定の圧縮強度を得た後、この改良体の最深部に接した奥部の未改良側に新たな改良体を造成する工程を順次繰り返し行い、所定の長さに分割された改良体を順次造成しながら、全長にわたって改良体を造成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧噴射攪拌による地盤改良工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から既設構造物や施設の下方地盤内に新たな構造物を設けるに当たって、地盤改良が必要な場合、地上から施工することが不可能なことがあり、予め既設構造物に隣接して立坑を設け、ここから水平方向に地盤改良を行う場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許2647572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、水平方向に削孔する場合、注入工法や高圧噴射工法の施工を行うにあたっては、使用する造成管は、口径が40〜150mm程度と比較的細いため、削孔精度の低下と共に、改良の直進性の精度も低下することは避けられない。
すなわち、特に軟弱地盤においては、常に削孔管(又は自穿孔型造成管)は先端部と削孔管(又は自穿孔型造成管)そのものの重みにより下方へ下方へと撓み、削孔長が長ければ長い程、孔の曲がり(孔の垂下がり)が大きくなる。その結果、図11に示すように、改良体が位置のずれが大きくなってしまったり、弓なり状になったりして、目的とする位置を改良することが不可能となる場合がある。また、削孔管(又は自穿孔型造成管)が弓なり状になれば、回転の際の地盤抵抗が大きくなりジャミングを起こす要因ともなる。さらに、直進性を保って回転する場合と異なり、周辺地山を大きく崩しながら削孔することにもなって、地盤の弛みの範囲が広がる危険を生じさせる。
また、長大深度の施工を行う際に、全長を一気に削孔・造成すると、連続した作業時間が長くなりすぎ、作業員の交代による作業の引継ぎが難しく、トラブル発生のリスクが多くなる。さらに、作業時間の延長が多くなるため、人件費の増加によりコストが割高となるという問題がある。
そこで、本発明の主たる課題は、水平方向への高圧噴射攪拌による地盤改良工法において、削孔時の孔曲がりを最小に止めて改良体の直進性の精度を維持し、かつ作業効率を向上させ、また、作業の引継ぎに伴うトラブル発生のリスクを低減し、コスト削減を図る地盤改良工法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、造成管を地盤内に略水平方向に沿って挿入した状態で、この造成管を介して高圧グラウトを噴射あるいは、高圧水を噴射しながらグラウトを注入し、あるいはこれと併用して圧縮空気を噴射し、グラウトを撹拌混合して造成管を中心として改良体を造成する高圧噴射攪拌による地盤改良工法であって、先行する改良体が所定の圧縮強度を得た後、この改良体の最深部に接した奥部の未改良側に新たな改良体を造成する工程を順次繰り返し行い、所定の長さに分割された改良体を順次造成しながら、全長にわたって改良体を造成することにより、削孔の精度を高め、改良体の直進性の精度を維持することを目的とする、ことを特徴とする高圧噴射攪拌による地盤改良工法である。
【0005】
<請求項2記載の発明>
請求項2記載の発明は、分割して造成される一区分の改良体の長さは、5〜20m程度である、請求項1記載の高圧噴射攪拌による地盤改良工法である。
【0006】
(作用効果)
所定の長さに分割された改良体を順次造成しながら、全長にわたって改良体を造成することにより、分割せずに一気に改良体を造成するのに比べて、造成管の撓みも最小に止められ、改良体の直進性の精度を維持することができる。また、先行する改良体が所定の圧縮強度を得た後、この改良体の最深部に接した奥部の未改良側に新たな改良体を造成する工程を順次繰り返し行うので、常に硬く安定した地盤を削孔していくため、未改良部分の削孔にあたっても孔曲がり(孔の垂下がり)は最小限に止められ、改良体の直進性の精度を維持することができる。
改良体の直進性の精度を維持するために、分割して造成される一つの改良体の所定長を5〜20m程度とすれば、作業員の交代による作業の引継ぎをスムーズに行うことができ、作業の引継ぎに伴うトラブル発生のリスクを低減させ、また作業時間短縮によるコスト削減を図ることができる。
【0007】
<請求項3記載の発明>
請求項3記載の発明は、地盤を削孔して改良体を造成する第1の工程と、第1の工程により造成された改良体に対し、削孔管によって打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔を行い、未改良部分を造成する造成管を挿入するためのガイド孔を形成する第2の工程と、を有し、これら第1の工程及び第2の工程を順次繰り返し行い、全長にわたって改良体を造成する、請求項1又は2記載の高圧噴射攪拌による地盤改良工法である。
【0008】
(作用効果)
第2の工程において、前工程で形成された改良体に対し、削孔管によって打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔を行い、未改良部分を造成する造成管を挿入するためのガイド孔を形成すれば、打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔は直進性に優れているため、次工程(第1工程)において、直進性に優れた造成管の削孔が可能となる。
【0009】
<請求項4記載の発明>
請求項4記載の発明は、改良体の造成のための削孔に先立って、地盤が所定の圧縮強度になるように事前に薬液注入する第1の工程と、第1の工程により事前に注入された地盤に対し、高圧噴射攪拌による改良体を造成する第2の工程と、有し、これら第1の工程と第2の工程を順次繰り返し行い、全長にわたって改良体を造成する、請求項1又は2記載の高圧噴射攪拌による地盤改良工法である。
【0010】
(作用効果)
第1の工程において事前の薬液注入を行い、その地盤を削孔することにより、造成管による削孔の際のジャミングを防止することができると共に、地盤の崩落を防止することができ、結果として、削孔の際の孔曲がりを防ぐことができる。なお、第1の工程における事前の薬液注入は、地下水位が高い軟弱地盤で、特に砂質土の場合に用いると効果的であり、造成管の削孔作業に伴って周辺地山が崩落せず、ジャミングを起さない程度に行なえばよい。
【0011】
<請求項5記載の発明>
請求項5記載の発明は、改良体の造成のための削孔に先立って、地盤が所定の圧縮強度になるように事前に薬液注入する第1の工程と、第1の工程により事前に注入された地盤に対し、高圧噴射攪拌による改良体を造成する第2の工程と、第2の工程により造成された改良体に対し、削孔管によって打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔を行い、未改良部分を造成する造成管を挿入するためのガイド孔を形成する第3の工程と、を有し、これら第1の工程、第2の工程及び第3の工程を順次繰り返し行い、全長にわたって改良体を造成する、請求項1又は2記載の高圧噴射攪拌による地盤改良工法である。
【0012】
(作用効果)
第1の工程において事前の薬液注入を行い、その地盤を削孔することにより、造成管による削孔の際のジャミングを防止することができると共に、地盤の崩落を防止することができ、結果として、削孔の際の孔曲がりを防ぐことができる。なお、第1の工程における事前の薬液注入は、地下水位が高い軟弱地盤で、特に砂質土の場合に用いると効果的であり、造成管の削孔作業に伴って周辺地山が崩落せず、ジャミングを起さない程度に行なえばよい。
また、第3の工程において、第2の工程で形成された改良体に対し、削孔管によって打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔を行い、未改良部分を造成する造成管を挿入するためのガイド孔を形成すれば、打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔は直進性に優れているため、次工程において、直進性に優れた造成管の削孔が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水平方向への高圧噴射攪拌による地盤改良工法において、削孔時の孔曲がりを最小に止めて改良体の直進性の精度を維持し、かつ作業効率を向上させ、また、作業の引継ぎに伴うトラブル発生のリスクを低減し、コスト削減を図ることができる等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1乃至図11に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、地盤Gに立坑が掘削され、地中連続壁等の土留め91によって地盤Gの側面が支えられている。土留め91で遮られた立坑90内から、造成管1で削孔し高圧噴射攪拌で地盤Gを改良するものであるが、長大深度の地盤改良を行うにあたり、図11に示すように、水平方向に複数のステージに分割(例えば2〜5ステージ)し、1ステージの長さを5〜20m程度とし、最初のステージである立坑90手前側のステージを改良し、この改良強度が一定以上の値が得られた後、次のステージを削孔すると共に改良し、順次、この工程を繰り返しながら全ステージを改良していくものである。
【0015】
ここで、本発明に用いる造成管1は、例えば、先端にビット(図示せず)等が形成された自穿孔型の二重管構造であり、単位管を適宜連結して構成される。造成管1としては、φ100mm程度のものが用いられる。また、図1に示すように、先端部の周壁に連通口たる噴射窓10が設けられており、造成管1を軸心回りに回転させながら、この噴射窓10から噴射ノズル10aなどによって、グラウトを噴射あるいは、高圧水を噴射しながらグラウトを注入し、地盤Gを切削し、切削土砂とグラウトとを攪拌混合するものである。この攪拌混合によって、造成管1を軸とする略円柱状の改良体100が形成される。なお、三重管構造の造成管を用いれば、高圧水の圧縮空気で切削し、グラウトは高圧又は低圧で充填することも可能である。なお、造成管1の径の大きさについては上記の数値に限定されるものではない。
【0016】
グラウトとしては、セメントミルク系、セメント粘土系、セメント石灰系のものや、これらにフライアッシュや、スラグ、ベントナイトなどの微粒子を添加したものなどを用いることができる。また、グラウトの補助材としては、例えば、水ガラス、塩化カルシウム、水酸化アルミニウム、カルシウムサルフォアルミネート(CSA)などの急結剤や、分離防止剤、分散剤、発泡剤、起泡剤などを用いることができる。
【0017】
以上の注入作業に際しては、排泥管2を、その基端部は立坑90内に位置するように、地盤Gに対して、ほぼ水平に挿入する。この挿入は、改良体100(及び200,…)が形成される部位の上端部に沿うように行うとよい。そして、排泥管2の先端部の周壁には、連通口たる取り込み窓20を設けてあり、地盤G内の切削泥土は、この取り込み窓20を介して、改良部の内圧を利用して排泥管2内に取り込み、排泥管2を通して、立坑90内に設置した貯留槽(図示せず)内に貯留するものである。
【0018】
本発明に係る地盤改良工法においては、まず、図2に示すように、土留め91に口元装置4A,4Bを取付ける。なお、地盤状況によって勾配をつける必要がある場合には、口元装置として、角度付き口元装置を用いることができる。
【0019】
次に、地下水位が高い軟弱地盤で特に砂質土の場合には、図3に示すように、改良体造成工の前に、事前注入工を行なう。具体的には、ステージ1の事前注入工として、口元装置4A,4Bを取付けた後に、自穿孔型の注入管30(φ40mm程度)をそれぞれの造成管用及び排泥管用の口元装置4A,4B内に挿入し、地盤Gを所定長(例えば約7m程度)削孔する。ここで、未改良部分(改良対象地盤)を削孔するにあたって、ベントナイト泥水等の安定液を削孔水に用いるとジャミングを防止することができるため好適である。この注入管30を手前に引抜きながら、図3に示すように、薬液を注入し、地山の安定化を図る。これは、崩落しやすい緩い砂質土地盤に対しては、予め比較的強度の小さい薬液(注入後の圧縮強度:0.02〜0.2MN/m2程度)の注入を施しておけば、ジャミングが防止されると共に、地盤の崩落を防止するのに効果があり、結果として、造成管1、排泥管2の削孔の際の孔曲がりを防ぐことができるからである。また、強度としては強すぎないため容易に削孔を行うことができる。
【0020】
事前注入の範囲としては、注入管30の軸を中心として略円柱形状の断面直径が0.5〜1m程度のものでよい。薬液としては、高圧噴射による切削攪拌時、土砂がバラバラになる程度のものが望ましい。
【0021】
なお、注入方法としては、まず予定深度の先端まで削孔をした後に、注入管30を引き抜きながら注入してもよいし、削孔しながら注入してもよい。この事前注入工は、前述したように、地山の崩落を防ぐと共に、地山を安定させて後の工程である削孔時の孔曲がりを最小に止めて、後に形成される改良体100の直進性の精度を高める役割を持っている。また、ジャミングを防止すると共に、周辺地山の崩落を防ぐ効果もある。前述したように、事前注入工は、地下水位が高い軟弱地盤で特に砂質土の場合に行なわれるものであるから、地盤状況によっては不要である。
【0022】
次に、ステージ1の削孔工及び改良体造成工として、図4に示すように、それぞれの注入孔及び排泥孔に対して、自穿孔型の造成管1と先端部にビット(図示せず)などを備えた自穿孔型の排泥管2とにより削孔していく。削孔が所定深度に達したら、図5に示すように、造成管1を引き抜きつつ回転させながらグラウトを高圧噴射し、地盤を切削・攪拌混合して周辺の改良を図り、図6に示すように、改良体100を形成する。ここで、分割された対象地盤(ステージ1)の最深部から造成管1及び排泥管2を引き抜きながら、高圧噴射攪拌によって改良体を造成し、終了後、口元装置4A,4Bのゲートバルブを閉じ、注入したグラウト及び泥土が口元から漏れないようにする。なお、改良体100としては、造成管1の軸を中心として略円柱形状の断面直径2m程度のものでよい。
【0023】
次に、改良体100の圧縮強度が0.2MN/m2以上程度になった後に、ステージ2の先行削孔工として、図7に示すように、先端部にビット(図示せず)を備えた削孔管5をパーカッション(図示せず)により削孔する。削孔は、前述した改良体造成工により形成された改良体100の先端から0.5〜1m程度手前の部分までおこなうことが好適である。ここで、パーカッションの打撃により削孔をするのは、ロータリードリルにより回転させて削孔する場合に比べて、直進性が優れるためであり、削孔工及び改良体造成工で用いる造成管1よりもやや口径が大きい削孔管5を使用する。削孔管5は大口径である程、直進性が優れるが、造成管1より大きすぎれば下方に管が垂れるため、管径の差は50mm以下が適当である。これにより形成された注入孔をガイドとしながら次のステージに使用する注入管30や造成管1の挿入することにより、直進性を向上させることができる。
【0024】
なお、上記の打撃式削孔に換えて、方向制御の可能な削孔管を備えた削孔機によって削孔を行ってもよい。当然に直進性が優れるためである。
【0025】
また、排泥管2が挿入される排泥孔については、削孔管5をパーカッション(図示せず)により事前削孔し、その孔に挿入してもよいが、必ずしもしなくてもよい。
【0026】
なお、この先行削孔工は、次のステージの事前注入工や削孔工及び改良体造成工における削孔の直進精度を向上させるために行なうことが好適である。
【0027】
その後、削孔管5を引き抜き、形成された孔をガイド孔として機能させながら、ステージ2の事前注入工として、図8に示すように、自穿孔型の注入管30を挿入し、ステージ1の削孔工及び改良体造成工で削孔した孔よりも先端方向に所定長(例えば12m程度)まで掘り進めて行きながら、周辺の地盤に対して注入を行い、注入管30の軸を中心として断面直径1m程度浸透させて周辺の改良を図る。なお、注入方法としては、まず削孔をした後に注入管30を引き抜きながら薬液を注入してもよいし、削孔しながら注入してもよい。
【0028】
次に、ステージ2の事前注入工により形成された孔の周辺の直径1m程度の範囲が改良された後、ステージ2の削孔工及び改良体造成工として、それぞれの孔に対して、自穿孔型の造成管1と自穿孔型の排泥管2とによって、削孔しながら改良体予定先端部まで挿入していく。次いで、図9に示すように、造成管1を引き抜きつつ回転させながらグラウトを高圧噴射し、地盤を切削・攪拌混合して周辺の改良を図り、改良体200を形成する。ここで、分割された対象地盤(ステージ2)の最深部から造成管1及び排泥管2を引き抜きながら、高圧噴射攪拌によって改良体を造成し、終了後、口元装置4A,4Bのゲートバルブを閉じ、注入したグラウト及び泥土が口元から漏れないようにする。
【0029】
次に、図10に示すように、ステージ3の先行削孔工として、先端部にビット(図示せず)を備えた削孔管5をパーカッション(図示せず)により削孔する。削孔は、前述した改良体造成工により形成された改良体200の先端から0.5〜1m程度手前の部分までおこなう。
【0030】
以上のようにして、図11に示すように、ステージ3、ステージ4、…と事前注入工(地盤状況により不要)、削孔工及び改良体造成工、先行削孔工(地盤状況により不要)を繰り返しながら全ステージを改良していけばよい。このように、長大深度の地盤改良を行うに当たり、水平方向に複数のステージに分割(例えば2〜5ステージ)し、1ステージの長さを5〜15m程度とし、最初のステージである立坑90手前側のステージを改良し、この改良強度が一定以上の値が得られた後、次のステージを削孔すると共に改良し、順次、工程を繰り返しながら全ステージを改良していくことで、以下の利点がある。
【0031】
すなわち、改良すべき部分の全長を複数のステージに分割し、各ステージの削孔長も5〜20m程度と短いため、分割せずに一気に改良体を造成するのに比べて、造成管1の撓みも最小に止められ、改良体の直進性の精度を維持することができるものである。
【0032】
また、未改良部分の対象地盤に事前に薬液注入を行うことで、造成管1及び排泥管2に直進性が得られやすいだけでなく、造成管1及び排泥管2による削孔の際のジャミングを防止することができると共に、地盤の崩落を防止することができる。
【0033】
さらに前工程で形成された改良体に対し、造成管1よりもやや口径が大きい削孔管5によって打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔を行い、未改良部分を造成する造成管1を挿入するためのガイド孔を形成すれば、打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔は直進性に優れているため、次工程において、一層直進性に優れた造成管1及び排泥管2の削孔が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る地盤改良工法に用いられる造成管及び排泥管の配置関係を示す縦断面図である。
【図2】地盤改良工法における口元装置取付工を説明するための縦断面図である。
【図3】地盤改良工法における事前注入工(ステージ1)を説明するための縦断面図である。
【図4】地盤改良工法における削孔工(ステージ1)を説明するための縦断面図である。
【図5】地盤改良工法における改良体造成工(ステージ1)を説明するための縦断面図である。
【図6】地盤改良工法における改良体造成工(ステージ1)によって造成された改良体を説明するための縦断面図である。
【図7】地盤改良工法における先行削孔工(ステージ2)を説明するための縦断面図である。
【図8】地盤改良工法における事前注入工(ステージ2)を説明するための縦断面図である。
【図9】地盤改良工法における改良体造成工(ステージ2)を説明するための縦断面図である。
【図10】地盤改良工法における先行削孔工(ステージ3)を説明するための縦断面図である。
【図11】本発明に係る地盤改良工法により形成される改良体と従来の改良体例の概要を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1…造成管、2…排泥管、4A,4B…口元装置、5…削孔管、10…噴射窓、10a…噴射ノズル、20…取り込み窓、30…注入管、90…立坑、91…土留め、100,200…改良体、G…地盤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
造成管を地盤内に略水平方向に沿って挿入した状態で、この造成管を介して高圧グラウトを噴射あるいは、高圧水を噴射しながらグラウトを注入し、あるいはこれと併用して圧縮空気を噴射し、グラウトを撹拌混合して造成管を中心として改良体を造成する高圧噴射攪拌による地盤改良工法であって、
先行する改良体が所定の圧縮強度を得た後、この改良体の最深部に接した奥部の未改良側に新たな改良体を造成する工程を順次繰り返し行い、
所定の長さに分割された改良体を順次造成しながら、全長にわたって改良体を造成することにより、
削孔の精度を高め、改良体の直進性の精度を維持することを目的とする、
ことを特徴とする高圧噴射攪拌による地盤改良工法。
【請求項2】
分割して造成される一区分の改良体の長さは、5〜20m程度である、請求項1記載の高圧噴射攪拌による地盤改良工法。
【請求項3】
地盤を削孔して改良体を造成する第1の工程と、
第1の工程により造成された改良体に対し、削孔管によって打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔を行い、未改良部分を造成する造成管を挿入するためのガイド孔を形成する第2の工程と、を有し、
これら第1の工程及び第2の工程を順次繰り返し行い、全長にわたって改良体を造成する、請求項1又は2記載の高圧噴射攪拌による地盤改良工法。
【請求項4】
改良体の造成のための削孔に先立って、地盤が所定の圧縮強度になるように事前に薬液注入する第1の工程と、
第1の工程により事前に注入された地盤に対し、高圧噴射攪拌による改良体を造成する第2の工程と、有し、
これら第1の工程と第2の工程を順次繰り返し行い、全長にわたって改良体を造成する、請求項1又は2記載の高圧噴射攪拌による地盤改良工法。
【請求項5】
改良体の造成のための削孔に先立って、地盤が所定の圧縮強度になるように事前に薬液注入する第1の工程と、
第1の工程により事前に注入された地盤に対し、高圧噴射攪拌による改良体を造成する第2の工程と、
第2の工程により造成された改良体に対し、削孔管によって打撃式削孔又は方向制御の可能な削孔を行い、未改良部分を造成する造成管を挿入するためのガイド孔を形成する第3の工程と、を有し、
これら第1の工程、第2の工程及び第3の工程を順次繰り返し行い、全長にわたって改良体を造成する、請求項1又は2記載の高圧噴射攪拌による地盤改良工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−284875(P2007−284875A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−110148(P2006−110148)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(000216025)鉄建建設株式会社 (109)
【出願人】(391000863)日本綜合防水株式会社 (3)
【Fターム(参考)】