説明

高圧放電灯

【課題】 発光管が万一破裂した場合でも、透光性外管が破損しない範囲で、光透過率を最大にできる高圧放電灯を提供することを目的とする。
【解決手段】 一対の相対する電極を内包するセラミック製の発光管と、その発光管を取り囲む円筒状の透光性スリーブと、これらを含むランプ部材を気密性の透光性外管内の所定位置に保持するためのフレーム部材とを有する高圧放電灯において、前記発光管の発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きいものを使用する。また発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下とする。更に発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲とし、前記透光性スリーブの外表面近傍にあって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面付近にのみ透光性外管破損防止に関わる金属線を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧放電灯に関し、特に発光管破裂時の透光性外管保護に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高圧放電灯は、高輝度高効率などの特長を有する反面、点灯時の発光管圧力が高くなるために発光管が破裂する可能性がある。万一にも発光管が破裂し、透光性外管まで破損すると、ランプ外のシステムに被害を与える可能性もある。そのため従来から発光管破裂が破裂してもランプ外に影響を与えないような対策が多数考えられてきた。
【0003】
例えば発光管の周囲を網状または線輪状の金属線でとりかこみ、かつこの金属線の網目間隔あるいは線輪間隔を5〜15mmの範囲としたメタルハライドランプ(特許文献1参照)や、ほぼ同様な構成で金属線の代わりにガラスファイバを使用したもの(特許文献2参照)や前記線輪間隔の最適化を図ったもの(特許文献3参照)が紹介されている。
【0004】
また発光管の周囲に円筒形の石英ガラス製の透光性スリーブを設けて発光管破裂時に飛散する破片の衝撃を緩和する方法もある(特許文献4参照)。
【0005】
さらに発光管の周囲に円筒状部材(本発明における透光性スリーブに相当)を設け、その円筒状部材にランプ部材を支持するフレーム手段自体をらせん状に巻きつけたもの(特許文献5参照)や、外周部に透光性外側包被体(本発明における透光性スリーブに相当)を設け、さらにワイヤーメッシュを透光性スリーブに被せて破裂時の透光性スリーブ保全能力を高めている例があり(特許文献6および特許文献7参照)、透光性スリーブとガラスファイバを組み合わせたもの(特許文献8参照)、透光性スリーブの破片が透光性外管まで到達することを防止するため透光性スリーブに金属線を巻きつけている例がある(特許文献9から12参照)。
【0006】
【特許文献1】特公昭49−12988号公報
【特許文献2】実開昭48−57979号公報
【特許文献3】実開昭49−13571号公報
【特許文献4】特開平05−258724号公報
【特許文献5】特開昭61−161647号公報
【特許文献6】特開昭64−071054号公報
【特許文献7】特開平02−201860号公報
【特許文献8】特開平03−147247号公報
【特許文献9】特開平07−153430号公報
【特許文献10】特開平07−153431号公報
【特許文献11】特許第3471091号公報
【特許文献12】特許第3471093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの方法では、先行技術文献に繰り返し記述されているとおり、発光管保護手段または透光性スリーブ保護手段が発光管から放出される光を吸収するか散乱してしまうため、いずれにせよ発光管から放出される光の一部を遮光することになり、ランプ全体の発光効率が減少する。
【0008】
近年セラミック製の発光管を採用し、発光効率80LM/W以上かつ平均演色評価数(Ra)が80以上という高効率高演色を実現したメタルハライドランプが多く使用されている。これらセラミックメタルハライドランプの場合、通常の使用状態ではほとんど破裂しない。しかし、逆に破裂する時には安定器の短絡などで定格電力の数倍以上の入力があった場合など、異常に大きなエネルギが発生していることがあり、通常想定していなかったような大きな事故につながる危険性もある。
【0009】
したがって、セラミックメタルハライドランプの透光性外管破損対策は石英ガラス製の発光管を使用したランプの場合よりも大きな破壊エネルギに対応する必要がある。
すなわち前記特許文献2に記載されているようなグラスファイバや前記特許文献8に記載されているようなセラミックファイバでは発光管破裂時の保護手段として実用的な強度は期待できず、金属メッシュや金属線などを使用する場合でも大きな運動エネルギを持つ破片が衝突することによって金属線が変形してしまうため、網目間隔や線輪間隔を従来の間隔より小さく設定する必要がある。
【0010】
また透光性スリーブ保護手段無しでも透光性外管破損が起こらない程度に透光性スリーブ肉厚を厚くした場合、従来品の数倍以上の厚さが必要となり透光性スリーブ自体の光透過率が減少する。さらに透光性スリーブ重量が増えることにより支柱などを補強する必要が生じ、全体的な重量増と生産コスト増になる。
【0011】
このため発光管からの光透過率が下がり、ランプの目的である高効率達成を阻害する要因となっている。
【0012】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、発光管が万一破裂した場合でも、透光性外管が破損しない範囲で、光透過率を最大にできる高圧放電灯を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の高圧放電灯は1対の相対する電極を内包するセラミック製の発光管と、その発光管を取り囲む円筒状の透光性スリーブと、これらを含むランプ部材を気密性の透光性外管内の所定位置に保持するためのフレーム部材とを有する高圧放電灯において、前記発光管の寸法を次のように規定する。
すなわち前記発光管における発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部中央付近の肉厚寸法は発光部端部の肉厚寸法以下であり、かつ発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲とする。
さらに、前記透光性スリーブの外表面近傍にあって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面付近にのみ透光性外管破損防止に関わる金属線を設ける。
【0014】
また、請求項2に係る本発明の高圧放電灯は1対の相対する電極を内包するセラミック製の発光管とその発光管を取り囲む円筒状の透光性スリーブと、これらを含むランプ部材を気密性の透光性外管内の所定位置に保持するためのフレーム部材とを有する高圧放電灯において、前記発光管の寸法を次のように規定する。
すなわち前記発光管における発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下であり、かつ発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲でLが45mm以下とする。
さらに、前記金属線を、前記透光性スリーブの外表面近傍に、前記フレーム部材および前記透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触させながら2回だけ巻き付ける。前記金属線は発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面を中心として振り分けに配置されるようにする。さらに前記金属線を、前記電極のそれぞれの先端を通り前記発光管の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外でフレームに接合することによって位置固定する。この場合すべての接触点を接合すれば最も破損防止効果が大きくなる。ただし、少なくとも両端部がフレームに接合されていれば、中間の接触点は前記押圧力によって生じる摩擦力によって金属線がフレームに位置固定されるため、実用上大きな問題は生じない。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、発光管発光部の寸法を請求項のとおりに規定することにより発光管が破裂する場合に必ず発光部中心付近が起点となる。そのため透光性スリーブが破壊される箇所もその中央部付近に限られ、発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面付近を金属線で補強すれば破裂による透光性外管損傷を防止することができる。
この結果透光性スリーブの肉厚をいたずらに厚くする必要が無く、金属線の使用量が従来量より激減するため、発光管放出光の遮光率を大幅に減少させることが可能となる。
これは簡易な構成であるため材料コストおよび製造コストの上昇も抑えられる。
【0016】
また、請求項2に係る発明では、発光管発光部の寸法を請求項のとおりに規定することにより発光管が破裂する場合に必ず発光部中心付近が起点となる。そのため透光性スリーブが破壊される箇所もその中央部付近に限られ、請求項に記載されたとおりに金属線をフレームおよび透光性スリーブに巻き付ければ破裂による透光性外管損傷を防止することができる。
この結果透光性スリーブの肉厚をいたずらに厚くする必要が無く、金属線の使用量が従来量より激減するため、発光管放出光の遮光率を最小にすることが可能となる。
実験によれば、従来技術に従った試作ランプの光束低下率が平均5%であったのに対し、同じ仕様のランプ部材を用いて本発明に従い金属線をまきつけた試作ランプは3%以下の光束低下に留まっていた。
これは簡易な構成であるため材料コストおよび製造コストの上昇も抑えられる。
すなわち製造工程上の追加コストは金属線の材料費と金属線をフレームに巻きつける1工程分の作業コストのみであり、わずかな追加コストで透光性外管の破損を完全に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
前述した発明の構成要素を具体化するために、発明者らは次のような一連の検討を行なった。
【0018】
まず予備実験として、従来技術による透光性外管破損防止効果を確認するため、金属線なしで発光管の周囲に透光性スリーブのみを設けたタイプと、従来技術を参考にして金属線を透光性スリーブ全体にわたって約9mmピッチで巻付けたタイプの2種類について透光性スリーブの肉厚を変えたランプ試作を行ない、破裂状態を観察した。
【0019】
その他の条件としては、透光性外管破損が起こりやすく、観察が容易な条件とするために、発光管は従来形セラミックメタルハライドランプの400Wを基準とし、封入水銀密度は6mg/cm3とした。
【0020】
その結果、透光性スリーブのみの試作ランプでは、肉厚3mmの透光性スリーブを採用しても透光性外管破損率はゼロにならなかった。金属線を巻き付けたタイプでは、肉厚1.2mmの透光性スリーブを採用しても透光性外管破損はなかった。
【0021】
一方発明者らは、セラミックメタルハライドランプの品質確認のために破裂試験を繰り返す中で、一部のセラミックメタルハライドランプは、ほとんどの場合発光管中心を基点として破裂していることに気づいていた。
予備実験に使用したランプもこの中に含まれる。
そして破裂の起点に注目して実験を重ねた結果、発光管の発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下で、発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲になるように設計されている場合、この条件を満たす発光管は破裂するときに必ず発光部の中央部付近を起点とし、発光部の端部は破壊されずに残る事を見出した。
【0022】
一般的なセラミックメタルハライドランプ発光管の中で前項の条件に当てはまるものを図6に示す。この発光管100において、発光部101を構成するセラミック管は中央部の外径Dが大きく端部の外径dはそれより小さく設計されている。また中央部付近の肉厚th1は電極間に生じるアーク光を効率よく外部に放射するためにできるだけ薄く設計される一方、端部肉厚th2は電極を封止するキャピラリー部を焼きばめによって固定するため厚くなっている。
【0023】
さらに、発光部を構成するセラミック管の全長をL、発光部の最大外径をDとすると、この比率D/Lは0.4から0.75の範囲になるように設計されている。D/Lがこの範囲より小さいと壁面負荷が小さくなるため効率を上げる事が難しくなり、D/Lが0.75を超えるとランプ電圧を上げる事が難しくなる。このため高効率高演色の両立を目的とするセラミックメタルハライドランプでは従来からこの範囲に近い設計のランプが多くみられる。
しかし、上記の寸法規定が破裂箇所の限定と関連があることを過去に指摘した資料は見出せなかった。
【0024】
また図7に示すような一体型の発光管106においては、両端のキャピラリー部の外径から発光部中央付近の最大外径に至るまでの間で外径の拡張が始まる位置を発光部端部と考えれば図6の発光管と同様に扱うことができる。
【0025】
ランプ点灯により発光管内の温度が上昇した状態において、これらの発光管内壁には、発光管内蒸気の圧力により、壁面に等分布荷重がかかっていると考えられる。
【0026】
例えば非特許文献1では、一般的なシミュレーション技術である有限要素法を高圧放電灯の発光管に適用し、発光管内壁面に等分布荷重がかかった時に発光管に発生する応力を解析している。発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.75以下となる発光管では最大応力が発光管中央部に生じることが前記非特許文献1の図5.1に示されている。
【0027】
なお、前記非特許文献1は石英ガラス製の発光管についての解析であるが、発生する応力分布の相対的な形状はアルミナの場合と変わらない。
【0028】
【非特許文献1】加瀬、沢ら:有限要素法による超高圧水銀放電灯バルブの耐内圧特性解析、照明学会誌 87-8A、pp.47-260
【0029】
この解析結果は、請求項のように構成した発光管が破裂する場合は必ず発光部中央が起点となるという実験事実を裏づけるものである。
【0030】
したがって、このような発光管を採用したセラミックメタルハライドランプにおいては、透光性外管破損防止を考えるときに発光管中央部付近のみ考慮すればよい。
【0031】
また従来例では、前記特許文献1などのような透光性スリーブを有しないランプにおいて、金属線を螺旋形状に成形してフレームの外側に囲繞したものはあるが、前記特許文献9などのように発光管周囲に透光性スリーブを設けて金属線を巻付けたランプの場合、前記金属線は透光性スリーブのみに巻付けられており、フレーム部材は金属線の外側に独立して設けられている。
【0032】
フレーム部材は、ランプ部材を透光性外管内の所定位置に保持する役割を持つために比較的太い金属棒が使用される。当然フレーム部材に破片が衝突した時の変形は金属線よりも小さくなる。したがって発光管破裂時の衝撃エネルギの一部をフレームで受けるようにした方が有利である。
発光管周囲に透光性スリーブを設けたランプの場合にも、金属線をフレームの外側に巻き付けることによって発光管破裂時の衝撃エネルギの一部をフレームに分担させ、金属線が受ける衝撃エネルギの負担を少なくすることができる。
この場合、フレーム部材は多くの場合金属製であるため、前記金属線をフレームに溶接して固定することができる。
【0033】
また透光性外管破損防止に関わる金属線をフレーム部材にただ囲繞するのではなく、張力をかけながら透光性スリーブ及びフレームに巻き付けるほうがよい。
【0034】
この場合に使用する金属線は、線引き加工により加工硬化した、いわゆる硬質の線を使用するのが好ましい。完全に焼きなまし処理を行なった軟質線では金属線がバネ性を失っているため、巻き付け作業は容易となるが金属にバネ性がなくなり後述する押圧力の効果が小さくなる。
硬質金属線をフレームに接合した状態では、図3および図5において、金属線がフレームおよび透光性スリーブに接触している部分に、フレームのバネ性や金属線が直線に戻ろうとする力により金属線をフレームまたは透光性スリーブに押し付ける力すなわち押圧力がかかっている。両者間では金属線はほぼ直線をなしており金属線に張力が生じている。
【0035】
なお、フレーム部材および透光性スリーブに対して金属線の押圧力が加わるように接触しているかどうかを確認するためには、前項のようにフレームと透光性スリーブ間の金属線がほぼ直線をなしていることと製造後の振動や衝撃を経た後でも金属線とフレームおよび透光性スリーブとの接触位置が変わらないこと、および初期に接触していて離れた部分がないかをチェックすればよい。
【0036】
このような構成にすると、従来の金属線をフレーム部材にただ囲繞したものと比較して次のような利点がある。
【0037】
第1に透光性スリーブに対して押圧力が加わっているため、発光管破片によって透光性スリーブの金属線接触部分が破壊された場合、透光性スリーブ破片が透光性外管内壁方向に飛散しようとする運動を抑える。
従来技術では、金属線に拘束力が働いていないため、透光性スリーブが破壊された瞬間から透光性スリーブ破片は自由に動く事ができた。すなわち透光性スリーブ破片が金属線に接触すると金属線を押し退けて通過してしまうという現象が見られた。
【0038】
第2にフレームと透光性スリーブとの間にある金属線はほぼ直線をなしており金属線に張力が生じているため、透光性スリーブ破片が接触した時に変形量が小さくなる。
前述のように従来技術では透光性スリーブ破片が接触した時の金属線変形量が大きいため、透光性スリーブ破片が金属線を押し退けて通過してしまう事があるが、本発明の構成によれば金属線がフレームに接触している箇所と透光性スリーブに接触している箇所で固定されているのと同等の状態になっており、金属線に張力が生じているため、外力を受けた時の金属線変形量が小さくなる。
透光性スリーブが破壊された後は透光性スリーブが金属線を押し戻す効果が無くなり、金属線は宙に浮いているのと同様の状態になるはずだが、実験では、金属線をフレームおよび透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触させながら巻き付けたほうが、従来の巻き付け法と比較して明らかに金属線の変形量が小さくなる。
これは金属線がフレーム側にだけでも接続されて位置固定されている効果が現れているとも考えられるが、透光性スリーブが破壊された直後には、発光管から吹き出るガスによって透光性スリーブが金属線を透光性外管内面方向へ押すことになり、一時的に金属線にかかる張力が増大するという現象が起こっているとも考えられる。
【0039】
金属線をフレームに巻きつけて接合する都合上、巻き付け回数は、発光管周囲の180度ごとにフレーム部材が存在するマウント構造の場合で0.5回単位の巻き付け数が選択できる。フレーム部材が1本のみ存在するマウント構造の場合は1回単位である。
【0040】
また、透光性スリーブの外表面が摂氏700度以上になることから、金属線はタングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、鉄、ニッケルなどの高融点金属またはモネル(登録商標)、インコネル(登録商標)やステンレス鋼などの耐熱合金である必要がある。
タンタル線またはニオブ線を用いた場合、透光性外管内に発生する不純ガスを吸収するという派生効果も得られる。
【0041】
ランプ材料として一般的なモリブデン線などを使用し、フレーム部材とスポット溶接する場合、作業性向上のため溶接部分をニッケルなどで被覆することが好ましく、その際、発光管内のアークから発光管軸に対して垂直に放射した光を遮蔽しないように放射空間の外側に溶接位置を設定することが好ましい。
【0042】
すなわち前記金属線の少なくとも両端部が前記電極のそれぞれの先端を通り前記発光管の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外でフレームに接合すれば上記の条件を実現できる。
【0043】
前項までの知見に基づき、ランプごとの金属線巻付け最適値を模索するために次の実験を行った。要因としたのは定格ランプ電力(150,250,400W)、透光性スリーブ肉厚(1.2,1.8,2.5mm)、金属線巻数(1.0,1.5,2.0巻)および封入水銀密度(2.0,4.0,6.0mg/cm3)であり、試作本数を抑えるために直交表を利用して要因の割付を行なった。
【0044】
実験に用いたランプは基本的に図1に示すセラミックメタルハライドランプと同様の構造であり、透光性外管7の内部は高真空状態に保持されている。
フレーム部材は図1に示すフレーム3の相似形であり、150Wのランプにおいても発光管の周囲に2本のフレームを設けた形状となっている。
【0045】
金属線は直径0.25mmのモリブデン線とし、金属線とフレームの溶接点は発光管内のアーク発生部から発光管軸に垂直に延長した空間の外側2〜3mmの位置とした。
【0046】
発光管形状は図6に示す形状の相似形でそれぞれの定格電力に適した寸法のものを選択した。
【0047】
各条件において10本ずつの破裂試験を行なった結果を次項に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】

前項表2において、透光性スリーブ肉厚が2.5mmの場合に透光性外管破損率が0%になっているが、これは表1に示すとおり、直交表によって試作条件を減らしたために透光性スリーブ肉厚2.5mmで封入水銀密度6.0mg/cmの条件が存在しなかったことによる。予備実験では透光性スリーブ肉厚3.0mmのランプでも透光性外管破損が起こったことから、この実験の範囲では透光性スリーブ肉厚との相関関係はないと考えられる。
【0051】
したがって上記実験により、前項表2に示すように透光性外管破損率と金属線の巻付け回数との間には相関関係がみられるが、その他の要因には相関関係がないことがわかった。
【0052】
これらの原因について、次のように考えた。
【0053】
発光管が破裂する時は定格電力の数倍以上の入力が加わった異常事態であるため、破裂時のエネルギは発光管の耐圧によって決まり、定格電力との相関は小さい。
【0054】
透光性スリーブ肉厚が厚いほど、透光性スリーブは割れにくくなり、また割れた時にも破片が重いために飛散スピードは遅くなると考えられる。しかし透光性外管内部は真空であるため破片が直進しやすく、透光性スリーブが吸収したエネルギは保存されたまま透光性外管に伝達され、透光性スリーブ肉厚と破裂エネルギとの相関は小さい。
【0055】
発光管の破裂は結局発光管内部のエネルギが発光管強度を上回ったときに起こるので、水銀密度が大きいほど発光管が割れる可能性は大きくなる。当然破裂時のエネルギも水銀密度にほぼ比例するため透光性外管破損率も大きくなるはずである。しかし表1に示すとおり、金属線を1.5回以上巻き付けたランプでは透光性外管破損を防止するため相関が小さくなっている。
【0056】
重要な事は、水銀密度が2.0mg/cmでも透光性外管破損が起こっていることである。これは実際のランプに必要な水銀密度以下であっても金属線がなければ透光性外管破損を防止できないということを意味する。
【0057】
一方、水銀密度が6.0mg/cmであっても金属線を2.0回巻き付けたランプは透光性外管破損がゼロであり、金属線を1.5回巻き付けたランプでも10本中1本に抑えられている。これは直径0.25mmのモリブデン線であっても、水銀密度が6.0mg/cmで破裂した時のエネルギに十分耐えられることを意味する。
【0058】
本発明者らが従来から行なってきた破裂実験において、金属線としてモリブデン線を使用した場合、直径0.05mm以下では破裂試験の際に切断されることがあり、0.06mm以上0.2mm以下では切断されないが、透光性スリーブの破片が当たったときに金属線が発光管軸方向に逃げて破片を通過させてしまうため、透光性外管が破損することがあった。
今回、直径0.25mm以上のモリブデン線を使用した試作では透光性外管の破損は完全に防止された。線径が大きくなるほど安全性は高くなるが、発光管からの光束低下率も大きくなる。本発明の目的を考えると、金属線径は0.5mm以下を選択することが好ましい。
【0059】
モネル(登録商標)線を使用した場合について追試した結果、同様に直径0.25mmから0.5mmの範囲が好適であるとわかった。
【0060】
したがって金属線の線径は0.25mm以上が好ましく、実用的なセラミックメタルハライドランプの寸法を考慮すると線径は0.5mm以下にするのが好ましい。
【0061】
透光性スリーブの外壁近傍に金属線が存在する場合、金属線は前述したように透光性スリーブ破片の進行方向を変えるが、破片が金属線に接触しなければ当然その効果はない。したがってフレームおよび透光性スリーブに巻付けられた金属線の間隔は、その寸法より小さい破片が透光性外管に到達しても透光性外管を破損しないような寸法でなければならない。
【0062】
透光性外管を傷つけるに十分な発光管や透光性スリーブの破片の条件は、破片の持つエネルギや破片形状、衝突する角度などさまざまな要因が考えられ、それを防ぐために必要な金属線間隔を理論的に決定するのは困難である。
【0063】
しかし実際に、高効率かつ高演色のセラミックメタルハライドランプの発光管設計において妥当な寸法範囲を考えると金属線巻き付け位置は発光管の発光部中心付近のみを基準にして決定することができ、その範囲は上述のような簡単な実験によって求めることができる。
【0064】
その際、発光管中央部に透光性外管破損防止に関わる金属線を設け、金属線とフレーム部材との接合位置が発光部端部付近になるような条件として、前記金属線を透光性スリーブおよびフレーム回りに2回だけ巻き付けるのが適当である。これ以上金属線を巻き付けても光束を低下させる効果しかない。
【0065】
前項までの実験事実および考察を踏まえて再度次のような仕様で試作ランプを作成し、破裂実験を行なった。
【0066】
(1) 定格ランプ電力: 150W、 250W、 400W(3種)
(2) 金属線の巻き付け方法: フレーム部材および透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触しながら巻き付け
(3) 金属線の巻き付け回数: 2.0回(1種)
(4) 金属線材質・線径: モリブデン・直径0.25mm
(5) 金属線接合位置: フレーム上で発光管内のアーク発生部から発光管軸に垂直に延長した空間の外側2〜3mmの位置
(6) 金属線接合方法: 金属線両端部にニッケル片を介してスポット溶接
(7) 透光性スリーブ肉厚: 1.2mm(1種)
(8) 封入水銀密度: 150Wは16.0mg/cm(1種)、
250W、400Wは6.0mg/cm(1種)
(9) 実験使用本数: 各10本(合計30本)
【0067】
上記試作仕様において、透光性スリーブ肉厚および封入水銀密度の条件は、実用的な条件の中から最も透光性外管が破損しやすい条件として選択した。250Wおよび400Wのセラミックメタルハライドランプでは上記の封入水銀量で十分と思われたが、定格ランプ電力が150Wのランプでは封入水銀密度が10〜15mg/cm程度のランプも市販されているため、150Wの封入水銀密度は市販品を上回る16mg/cmとした。
【0068】
上記の各条件において破裂試験を行なったが透光性外管破損は全くなかった。
【0069】
また、前記フレーム部材および前記透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触しながら金属線を巻き付けた場合、両端以外の接触部を溶接しない条件と、金属線とフレーム部材のすべての接触個所を接合した条件とについて定格ランプ電力400W、直径0.25mmモリブデン線2回巻き、透光性スリーブ1.2mm、封入水銀密度6.0mg/cmで追試を行なったが、透光性外管破損防止効果に関する有意差はなかった。
【0070】
このように請求項に記載した条件を満たせば、発光効率の低下を低減しながら発光管が破裂しても透光性外管が破損せず、ランプ外の事故を派生させることのない高圧蒸気放電灯を得ることができる。
【実施例1】
【0071】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて具体的に説明する。
図1は第1の実施例として定格電力が400Wのセラミック製発光管を用いたメタルハライドランプであり、図2はランプ中心部の拡大図である。図3は発光管軸方向から見た金属線巻き付け形状を示す。
図6は本発明に係る発光管形状の説明図である。
【0072】
図1において、1はセラミック製の発光管であり、1対の電極11aおよび11bを内包している。発光管1の内部には数種の金属ハロゲン化物と封入密度6.0mg/cmで水銀が封入されている。口金側の電極11bは図示しない発光管封入線を介し、口金側ニッケル線15を経て口金側リード線10へ電気的に接続し、さらにステム2の封入線の1本に接続している。
他方の電極11aは、同様に図示しない他方の発光管封入線を介し、ニッケル線14を経てフレーム3へ電気的に接続し、さらにステム2の別の封入線に接続している。
発光管1はフレーム3に透光性スリーブ固定板5a、5bの支持穴により固定されている。
発光管1の周囲には透光性スリーブ6があり、フレーム3および透光性スリーブ6の外側であって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面(図2において発光管中心面16として示されている)を中心として振り分けに配置されるように金属線12を2回巻き付けてある。この金属線12は線径0.25mmの硬質モリブデン線を使用し、溶接点13a、13bにおいて両端部がフレーム3に溶接され固定されている。前記溶接点は前記電極11a、11bのそれぞれの先端を通り発光管1の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外に位置している。
【0073】
これらのランプ部材はすべて透光性外管7の内部に収容され、高真空状態にて保持されている。
ランプへの電力供給は、ランプが図示しないソケットに装着された状態において、口金8からステム2に封止られた導入線を通してなされる。
【0074】
前記発光管1の形状は図6に示す発光管100と同様の形状になっており、Lに相当する寸法は41.0mm、Dに相当する寸法は19.6mmであってD/Lは0.48となる。
th1に相当する寸法は1.3mm、th2に相当する寸法は約4.5mmあって請求項1および請求項2に記載された発光管寸法の条件内に入っている。
【0075】
金属線12をフレームおよび発光管に巻き付ける手順としては、第1に金属線12の一方の端をフレーム3上の溶接点13aにスポット溶接などで接合する。
第2に前記金属線12を金属線12に張力が生じるように引っ張りながらフレーム3および発光管6に巻き付ける。具体的には金属線12にばねばかりを取り付けると張力を制御する事が容易になる。本実施例の条件では約1kgfの力をかけるのが好適である。
第3に金属線12に張力をかけたまま金属線12の他方の端をフレーム3上の溶接点13bにスポット溶接などで接合する。
このようにすれば、金属線12をフレーム3および発光管1に対して押圧力を加えるように接触させながら巻き付けることができる。
【0076】
このように構成したランプは、破裂する際には必ず図2に示した発光管中心面16と発光管1の外表面が交差する位置付近を起点として破裂し、その周囲にある透光性スリーブを破壊するが、破壊された透光性スリーブ6の近傍にのみ巻き付けられている金属線12によって運動エネルギを吸収されるか飛散方向を大きく変更されることによって透光性外管7を破損しうるエネルギを持った破片は透光性外管内面まで到達できない。
【0077】
本実施例のランプについて破裂試験を20本実施したところ、透光性外管が破損したランプは全く無かった。
【0078】
また初期光束を測定したところ、金属線を巻き付けない同等仕様のランプと比較して、初期光束で3%弱の光束低下にとどまった。
【0079】
なお、金属線をフレームおよび透光性スリーブに巻き付ける際、図3に示す形状に巻き付ければよいが、図8に示すような形状に巻き付けてもよい。
この場合、図3に示す構成よりも巻き付け作業性は悪くなる。しかし金属線112をフレーム3に接続する際に、フレーム3および透光性スリーブ6を図8に示す方向に固定した状態で、図8における上下方向から溶接チップ114aおよび114bにて加圧しながら容易にスポット溶接を行なう事ができ、その後、他の接触位置の溶接も同じ方向から直ちに行なう事ができるため、自動装置にて溶接を行なう際に有利となる。
【0080】
また、前記金属線を前記フレーム部材に接合するには、実施例のようにスポット溶接が好ましいが、スポット溶接が困難な材料の組合せやスポット溶接が難しい位置に接合すべき場合などにはレーザー溶接などの別種の溶接法が利用可能であり、また溶接以外のカシメ、圧接などの金属加工用に知られた接合法も利用できる。
【0081】
250Wランプについても、400W実施例のスケールダウンと考えれば容易に実施できる。
【実施例2】
【0082】
図4は第2の実施例として定格電力が150Wのセラミック製発光管を用いたメタルハライドランプであり、図5は発光管軸方向から見た金属線巻き付け形状を示す。
【0083】
図4において、51はセラミック製の発光管であり、1対の電極61aおよび61bを内包している。発光管1の内部には数種の金属ハロゲン化物と封入密度16.0mg/cmで水銀が封入されている。口金側の電極61bは図示しない発光管封入線を介し、口金側ニッケル線65を経て口金側リード線60へ電気的に接続し、さらにステム52の封入線の1本に接続している。
他方の電極61aは、同様に図示しない他方の発光管封入線を介し、ニッケル線64を経てフレーム53へ電気的に接続し、さらにステム52の別の封入線に接続している。
発光管51はフレーム53に透光性スリーブ固定板55a、55bの支持穴により固定されている。
発光管51の周囲には透光性スリーブ56があり、フレーム53および透光性スリーブ56の外側であって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面(図5において発光管中心面66として示されている)を中心として振り分けに配置されるように金属線62を2回巻き付けてある。この金属線62は溶接点63a、63bにおいて両端部がフレーム53に溶接され固定されている。前記溶接点は前記電極61a、61bのそれぞれの先端を通り発光管51の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外に位置している。
【0084】
これらのランプ部材はすべて透光性外管7の内部に収容され、高真空状態にて保持されている。
ランプへの電力供給は、ランプが図示しないソケットに装着された状態において、口金58からステム52に封止られた導入線を通してなされる。
【0085】
前記発光管51の形状は図7に示す発光管106と同様の形状になっており、Lに相当する寸法は18.5mm、Dに相当する寸法は13.0mmであってD/Lは0.72となる。
th1に相当する寸法は0.8mm、th2に相当する寸法は約1.1mmであって請求項1および請求項2に記載された発光管寸法の条件内に入っている。
【0086】
このランプにおいて、前記金属線62をフレーム53および透光性スリーブ56に巻き付ける際には、実施例1と同様に金属線62の1端をフレーム53上の溶接点63aに溶接した後、金属線62に約0.6kgfの力をかけて張力が生じるように引っ張りながらフレーム53および透光性スリーブ56に巻き付け、金属線62の他端をフレーム53上の溶接点63bに溶接する。
【0087】
このように構成したランプは、破裂する際には必ず図4に示した発光管中心面66と発光管51の外表面が交差する位置付近を起点として破裂し、その周囲にある透光性スリーブを破壊するが、破壊された透光性スリーブ56の近傍にのみ巻き付けられている金属線62によって運動エネルギを吸収されるか飛散方向を大きく変更されることによって透光性外管57を破損しうるエネルギを持った破片は透光性外管内面まで到達できない。
【0088】
本実施例のランプについて破裂試験を20本実施したところ、透光性外管が破損したランプは全く無かった。
【0089】
また初期光束を測定したところ、金属線を巻き付けない同等仕様のランプと比較して、初期光束で3%弱の光束低下にとどまった。
【0090】
以上2つの実施例は、どちらも金属線を除けば従来型のセラミックメタルハライドランプと基本的に同じ構造を持っている。
【0091】
すなわち本発明のマウント構造は従来から公知のマウント構造に金属線を加えたものに過ぎない。
【0092】
したがって製造工程上の追加コストは金属線の材料費と金属線をフレームに巻きつける1工程分の作業コストのみであり、わずかな追加コストで透光性外管の破損を完全に防止することができる。
【0093】
実施例のランプにおいては、金属線有と金属線無及び従来技術のグループで各5本の初期光束を測定し比較したが、従来技術に従って透光性スリーブ全体にわたって9mm間隔で金属線を巻きつけたグループが平均5%程度の光束低下を生じたのに対し、本発明のグループは3%以下の光束低下に留まっていた。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明によるセラミックメタルハライドは、主に商業照明や工場照明などに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明品のランプ第1実施例一部断面図
【図2】本発明品のランプ第1実施例におけるランプ中心部の拡大図
【図3】第1実施例における発光管軸方向から見た金属線巻き付け形状
【図4】本発明品のランプ第2実施例一部断面図
【図5】第2実施例における発光管軸方向から見た金属線巻き付け形状
【図6】電極を封止するキャピラリー部を焼きばめによって固定されている、セラミック性の発光管の断面図
【図7】一体型に成形されたセラミック性の発光管の断面図
【図8】発光管軸方向から見た金属線巻き付け形状の変形例
【符号の説明】
【0096】
1、51、100 発光管
2、52 ステム
3、53 フレーム
6、56 透光性スリーブ
7、57 透光性外管
8、58 口金
10、60 口金側リード線
11a、11b 電極
12、62 金属線
13、63 溶接点
14、64 ニッケル線
15、65 口金側ニッケル線
16、66 発光管中心面
101 発光部
102 キャピラリー部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の相対する電極を内包するセラミック製の発光管と、その発光管を取り囲む円筒状の透光性スリーブと、これらを含むランプ部材を気密性の透光性外管内の所定位置に保持するためのフレーム部材とを有する高圧放電灯において、前記発光管の発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下であり、かつ発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲であって、前記透光性スリーブの外表面近傍にあって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面付近にのみ透光性外管破損防止に関わる金属線が設けられていることを特徴とする高圧放電灯。
【請求項2】
一対の相対する電極を内包するセラミック製の発光管と、その発光管を取り囲む円筒状の透光性スリーブと、これらを含むランプ部材を気密性の透光性外管内の所定位置に保持するためのフレーム部材とを有する高圧放電灯において、前記発光管の発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下であり、かつ発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/前記金属線が前記透光性スリーブの外表面近傍にあって前記フレーム部材および前記透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触しながら2回だけ巻き付けられており、前記金属線は発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面を中心として振り分けに配置され、前記金属線の少なくとも両端部が前記電極のそれぞれの先端を通り前記発光管の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外でフレームに接合されて位置固定されていることを特徴とする高圧放電灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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