説明

高所作業車の転倒防止装置

【課題】展開状態にある転倒防止片に外力が加わった場合にも転倒防止片の揺動を確実に防止する。
【解決手段】デッキの上昇時に下向きに張り出し,下降時に収納位置に収納される転倒防止片13を前記デッキの昇降に連動して揺動させるリンク機構20を設ける。このリンク機構20を構成する第1,第2リンク21,22に,展開位置で係合する突起27と凹部28を設け,前記第1,第2リンク21,22間の連結部に,所定の遊びを持たせることで,転倒防止片13に外力が加わった場合,いずれの向きの揺動に対しても突起27と凹部28を係合させる一方,押圧棒11bの下降により第1リンク21を揺動させた際には,突起27が凹部28より脱出する迄第2リンク22の動作を遅らせ,突起27と凹部28が転倒防止片13の収納を阻害しないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高所作業車の転倒防止装置に関し,より詳細には車輪を備えた走行可能な車台上に昇降可能なデッキを設けた高所作業車において,前記デッキの上昇位置において車輪が窪みに嵌った場合であっても車輌の傾きを転倒に至らない範囲に抑え,これにより車輌の転倒を防止する高所作業車の転倒防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,例えば建築現場における天井施工,天井(天井裏を含む)及び壁面高所における照明取付工事あるいは塗装工事等のような高所作業は足場を組み立てて行っていたが,最近では作業の省力化と安全性を図るために自走式の高所作業車が多用されている。
【0003】
この自走式の高所作業車100は,一例として図7に示すように車輪103を備えた車台102上に,作業者等を乗せて昇降するデッキ106を備えると共に,このデッキ106を車台102上で昇降させるための昇降手段(図示の例ではシザースリンク機構104)を備えたもので,図示せざるモータ等によって駆動される車輪103を備えた自走式の高所作業車100は機動性が高く,操作し易いことから,屋内の電気工事や内装工事などで広く使用されている。
【0004】
このような自走式の高所作業車100にあっては,デッキ106を上昇させた状態で作業車を走行させた場合,重心が高くなり不安定となることから,車台102に設けた車輪103が路面等に生じた窪みや穴等に嵌る等して傾くと,これにより転倒するおそれがある。
【0005】
そのため,デッキ106を下降させた走行状態では車台102の裏側に折り畳まれた収納位置にあるが,デッキ106を上昇させた不安定な状態にあるときには,前後の車輪103間において車台102の底部から下向きに転倒防止片113を張り出すことによって車台102の最低地上高を下げ,これにより走行中に車輪103が窪みに嵌った場合には,この転倒防止片113の下端を路面上に接触させることで高所作業車100が転倒する程大きく傾かないようにする転倒防止装置110が設けられている(特許文献1参照)。
【0006】
そして,前述した転倒防止装置110には,図8(A),(B)に示すようにデッキ106を昇降する昇降手段(図示の例ではシザースリンク機構104)の動作に伴って昇降する昇降部111の上下動に伴って前述した転倒防止片113を車台102の底面側に折り畳んだ収納位置〔図8(A)参照〕と,転倒防止片113を下向きに張り出した展開位置〔図8(B)参照〕間で揺動させるためのリンク機構130が設けられている。
【0007】
前掲の特許文献1に記載の発明では,このリンク機構130として,長手方向の中間位置を第1支軸134によって軸支され,前記昇降部111の下降時に昇降部111に設けた押圧板111aによって押し下げられる一端131aを有する第1リンク131と,前記第1リンク131の他端131b側に一端を第2支軸135によって軸支された第2リンク132と,前記第2リンク132の他端に第3支軸136を介して軸支された第3リンク133を備え,車台102の下端に第4支軸137を介して揺動可能に取り付けられた前記転倒防止片113の平面に前記第3リンク133の他端を固着すると共に,第1リンク131の他端131b側を下向きに付勢する付勢手段114を設けることにより,昇降部111が上昇位置にあるときには図8(B)に示すように第1リンク131の他端131bが押圧手段114によって下方に押し下げられて転倒防止片113が幅方向を垂直方向に向けた展開位置と成ると共に,この状態から昇降部111を下降させて第1リンク131の一端131a側を押し下げると,図8(A)に示すように転倒防止片113を折り畳んだ収納位置に配置することができるようになっている。
【0008】
なお,図8(A),(B)において符号138はストッパであり,転倒防止片113を下向きに張り出した図8(B)に示す展開位置において,前記ストッパ138と第1リンク131が接触することにより第1リンク131の動きを規制して,転倒防止片113を展開位置に配置することができるようになっている(特許文献1の図1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,281,736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上で紹介した特許文献1に記載の転倒防止装置110にあっては,転倒防止片113を展開位置と収納位置間で移動させるリンク機構130が,第1〜第3リンク131,132,133及び転倒防止片113という3つの部材を,第1〜第4支軸(134,135,136,137)という4つの支点で揺動可能に構成したものであるために,構造が複雑で,揺動の支点となる部分の位置精度や,各リンクの支点間距離の寸法精度などにより大きく影響を受けてしまい,転倒防止片113を正しい姿勢に保持することが難しいという欠点がある。
【0011】
また,前掲の特許文献1に記載のリンク機構130にあっては,転倒防止片113を展開した位置〔図8(B)参照〕において,第1リンク131の他端131bと第2リンク132との連結部(第2支軸135)を,第1支軸134と第3支軸136とを結ぶ直線Lに対し下側に配置すると共に,転倒防止片113を車台に揺動可能に軸支する第4支軸137を,前記第3支軸136に対して上方に配置していることから,転倒防止片113を収納位置側に揺動させる方向に対して力が働いた場合であっても転倒防止片113が収納位置側に回動することはない。
【0012】
しかし,例えば車輪103が窪みに嵌るなどして転倒防止片113の下端が路面上に乗り上げた場合,転倒防止片113に対してはこれを収納方向に揺動させようとする力のみならず,転倒防止片113の下端を外向きに押し広げようとする方向に力が加わる場合がある。
【0013】
図8(B)に示す構成の転倒防止装置において,このように転倒防止片113を外向きに押し広げようとする力が加わった場合,この力が付勢手段114の付勢力を越えると,リンク機構130は第1支軸134,第2支軸135及び第3支軸136が同一直線上に並ぶ位置迄,転倒防止片113の揺動を許容することとなる。
【0014】
その結果,高所作業車100の傾きが増加し,高所作業車100が転倒する危険があるだけでなく,仮にこの位置において転倒が生じないような設計がされていたとしても,路面の窪みに嵌った高所作業車100には,転倒防止片113の下端が路面と接触した際の衝撃及び揺れの後,更に転倒防止片113が外向きに開いた時の衝撃及び揺れが発生することとなり,デッキ106上から荷物等が落下する危険が増すと共に,デッキ106上で二度の揺れを経験する作業員が受ける恐怖心は大きい。
【0015】
以上で説明したように,図8(B)に示した特許文献1に記載の転倒防止装置110の構成において,転倒防止片113がその下端を外向きに広げるように揺動することを防止しようとすれば,例えば図9に示すように,転倒防止片113の展開位置において,第1支軸134,第2支軸135,及び第3支軸136の全てが同一直線上に並ぶ配置とすることも考えられ,この場合には転倒防止片113の下端を外側に押し広げようとする方向の力Fが加わったとしても,転倒防止片113は展開位置に維持される。
【0016】
しかし,この構成では,前述したように転倒防止片113が下端部を外向きに広げるように揺動することは確実に防止できるものの,転倒防止片113に対し,これを収納方向に回動する力F’が加わった場合に,第2支軸135が上側に移動してこの力を逃がすように作用して転倒防止片113を揺動させてしまう可能性があり,この場合には転倒防止装置110の本来の目的である,高所作業車100の転倒防止自体が図り得ないこととなる。
【0017】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,転倒防止装置において転倒防止片を動作させるリンク機構を少ない構成部品数で形成し,これにより揺動の支点となる部分の位置精度や,リンクの支点間距離の寸法精度などによる影響を多く受け難く,転倒防止片を正しい姿勢に保持することができると共に,展開状態にある転倒防止片に対し,この転倒防止片を収納位置に回動する方向,又は,転倒防止片の下端部を外向きに回動させる方向のいずれの力が生じた場合においても,転倒防止片を所定の展開位置に強固に保持することができるリンク機構を備えた転倒防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0019】
上記目的を達成するために,本発明の高所作業車1の転倒防止装置10は,車輪3a〜3dを備えた車台2と,前記車台2上で昇降するデッキ(図示せず)と,前記デッキを昇降させる昇降装置(図示の実施形態においてシザースリンク機構4)を備えた高所作業車1に設けられる転倒防止装置10であって,前記車台2の走行方向を長手方向とし,且つ,幅方向の一辺が前記車台2の幅方向の両端下方にそれぞれヒンジ12止めされた一対の転倒防止片13を備え,前記転倒防止片13の自由端13a側が相互に内向きとなるように折り畳んだ収納位置(図3参照)と,前記転倒防止片13を前記車台2より下向きに張り出した展開位置(図4参照)間で揺動可能に構成した転倒防止装置10において,
前記転倒防止装置10が,
前記昇降装置(実施形態においてシザースリンク機構4)の昇降動作に伴って昇降移動する昇降部11と,
前記昇降部11の昇降に伴って前記転倒防止片13を前記収納位置と前記展開位置間で揺動させるリンク機構20を備え,
前記リンク機構20が,
前記車台2に第1支軸23を介して長手方向の中間位置が軸支され,一端21aが前記昇降部11と接触することにより揺動可能に構成された一対の第1リンク21と,
前記展開位置における前記転倒防止片13の相互に対向する面にそれぞれ固着されていると共に前記第1リンク21の他端21bに第2支軸24を介してそれぞれ軸着された第2リンク22を備え,
前記展開位置において,前記第1支軸23と第2支軸24の軸心間距離,及び前記第2支軸24と前記ヒンジ12の支軸12aの軸心間距離が最大となるように,前記第2支軸を前記第1リンク21及び/又は前記第2リンク上に移動可能に取り付けて,前記第1リンク21及び前記第2リンク22の揺動を可能とし,
前記第1,第2リンク21,22のいずれか一方(図示の例では第1リンク21)に突起27を設けると共に,他方(図示の例では第2リンク22)に前記展開位置において前記突起27を受け入れ係合する凹部28を設け,
前記展開位置にある前記第2リンク22に該第2リンク22を前記収納位置に向かって揺動させる力が加わったとき,これに僅かに遅れて前記第2支軸24を介して前記第1リンク21に前記力を伝達する遊びを設けると共に,前記展開位置の前記第1リンク21を前記収納位置に向かって揺動させた際,前記突起27が前記凹部28より脱出する迄前記第2リンク22の動作を遅らせる遊びを前記第1リンク21と第2リンク22の連結部に設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0020】
前記構成の転倒防止装置10において,前記転倒防止片13が前記展開位置にあるときの前記突起27の移動軌跡Pの外周縁P’側にある前記凹部28の側壁28bを,前記凹部28の開口端28c側から前記突起27との突合部28a側に向かうに従い前記移動軌跡Pの外周縁P’に対して外側へ広がることを特徴とする(請求項2)。
【0021】
前記構成の転倒防止装置10において,第1,第2支軸23,24間の軸心間距離,及び/又は第2支軸24とヒンジ12の支軸12aの軸心間距離を可変とするために,前記第1リンク21に設けた前記第2支軸24の軸孔25を,前記第1支軸23側に伸びる長孔とし,及び/又は前記第2リンク22に設けた前記第2支軸24の軸孔26を前記ヒンジ12の支軸12a側に伸びる長孔として形成することができる(請求項3)。
【0022】
更に,前記展開位置の前記第1リンク21を前記収納位置に向かって揺動させた際,前記突起27が前記凹部28より脱出する迄前記第2リンク22の動作を遅らせる遊びを設けるために,前記第2リンク22に設けた前記第2支軸24の軸孔26に,前記展開位置より前記収納位置に向かう前記第2支軸24の移動方向に開孔を延長した延長部26a〔図4中の拡大図(左図)参照〕を設けることができる(請求項4)。
【発明の効果】
【0023】
以上説明した本発明の構成により,本発明の高所作業車1の転倒防止装置10にあっては,リンク数,支軸数を減らして構成を簡素化できたことにより,支点の精度や支点間距離等の寸法精度が出しやすくなった結果,これらの誤差に基づく展開位置における転倒防止片13の配置に生ずる誤差の発生等を少ないものとすることができた。
【0024】
また,本発明の転倒防止装置10にあっては,昇降部11によって第1リンク21に対する操作が行われない限り,展開位置にある転倒防止片13に対し,これを更に外向きに揺動させようとする力,収納位置に向かって折り畳もうとする力のいずれの力が加わった場合においても,転倒防止片13の揺動が確実に規制されており,その結果,展開位置にある転倒防止片13の望まざる揺動によって高所作業車1が転倒することや,高所作業車1の揺れや振動に伴いデッキ上の作業員が感じる恐怖心の軽減等を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】シザースリンク機構を下降させた状態の高所作業車の全体構成を示す説明図であり,(A)は平面図,(B)は正面図,(C)は側面図。
【図2】シザースリンク機構を上昇させた状態の高所作業車の全体構成を示す説明図であり,(A)は平面図,(B)は正面図,(C)は側面図。
【図3】収納位置にある転倒防止装置の説明図。
【図4】展開位置にある転倒防止装置の説明図。
【図5】転倒防止片に加わる力の向きとリンク機構の動作の説明図。
【図6】転倒防止片に加わる力の向きとリンク機構の動作の説明図。
【図7】高所作業車の全体斜視図(特許文献1の図1に対応)。
【図8】従来の転倒防止装置の説明図であり,(A)は収納位置,(B)は展開位置。
【図9】従来の転倒防止装置の課題を解消した場合に新たに生じる課題の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に,添付図面を参照しながら本発明の高所作業車1の転倒防止装置10について説明する。
【0027】
なお,以下の説明では,本発明の転倒防止装置10を,シザースリンク機構4によって昇降するデッキ(図示せず)を備えた高所作業車1に適用するものとして説明するが,本発明の転倒防止装置10は,このようなシザースリンク機構4によって昇降するデッキを備えた高所作業車1に限定されず,その他の構成の昇降機構(例えば,内部に油圧シリンダ等を備えたテレスコピック構造の昇降機構等)によってデッキを昇降させる構成の高所作業車に対しても適用可能である。
【0028】
図1において,本発明の転倒防止装置10が適用される高所作業車1は,車輪3a〜3dを有する車台2上にシザースリンク機構4からなる昇降機構を介して昇降する,図示せざるデッキを備えている。
【0029】
昇降機構である前述のシザースリンク機構4は,同一長さのアームをX字状に交叉させ,両アームの交点を枢着して構成された各X字状リンクを一段とし,この各X字状リンクを複数段枢着連結して構成されている。
【0030】
このシザースリンク機構4を構成するX字状リンクを垂直方向に移動させるために,図示の高所作業車1には油圧シリンダ5が設けられており,この油圧シリンダ5のピストンが進退移動することにより,シザースリンク機構4の上端部に取り付けられた図示せざるデッキを昇降移動させることができるように構成されている。
【0031】
前述のシザースリンク機構4及び油圧シリンダ5を搭載する前述の車台2は,図示せざるモータやバッテリ等の必要な機器を収納するためのケーシングとして機能する箱型の本体2bと,前記本体2b上に搭載されたフレーム2aによって構成されており,このフレーム2aに対して前述のシザースリンク機構4の下端が取り付けられている。
【0032】
このフレーム2aの下部に設けられた前述の本体2bは,図1(C)に示すように紙面左右方向に長さ方向を有する長方形に形成されており,この本体2bの長さ方向における両端側に設けられた車軸に対しそれぞれ車輪3a〜3dが取り付けられている。
【0033】
この車台2の本体2b内には,前述したように図示せざるバッテリや,該バッテリからの電力供給によって回転する図示せざるモータ,このモータの回転出力を駆動輪に伝達する図示せざる動力伝達手段等が収納されており,車台2に設けられた前記車輪3a〜3dのうちの少なくとも1つを前記モータ等によって駆動することで,高所作業車1が自走可能となっている。
【0034】
以上のように構成された高所作業車1の車台2には,本発明の転倒防止装置10が取り付けられている。
【0035】
この転倒防止装置10は,車台2のフレーム2a裏面より下方に突出して,昇降移動する昇降部11と,前記車台2の本体2bの幅方向両端側における下端部,本実施形態にあっては,前後の車輪間(3a−3b間,3c−3d間)における車台2の,本体2bの幅方向両端の下部に,長手方向を走行方向前後方向としてヒンジ12止めされた転倒防止片13を備えると共に,前記昇降部11の下降時,前記転倒防止片13をその自由端13aが相互に内向きとなるように配置した収納位置(図3参照)に揺動させると共に,前記昇降部11の上昇時,前記転倒防止片13が車台2の本体2bの下端より下向きに突出した展開位置(図4参照)に配置されるよう,前記転倒防止片13を揺動するリンク機構20と,前記転倒防止片13が前記展開位置となるように,前記リンク機構20を付勢する付勢手段である展開用スプリング14を備えている。
【0036】
図3及び図4に示す実施形態において,前述の昇降部11は,シザースリンク機構4に取り付けられたステイ11aと,このステイ11aより下向きに突出した押圧棒11bと,下降時において前記リンク機構20の端部を押し下げる押圧部11cによって構成されており,このようにシザースリンク機構4の一部に取り付けられていることにより,デッキの上昇時に上昇すると共に,デッキの下降時に下降するようになっている。
【0037】
もっとも,この昇降部11の構成は,図示の実施形態に限定されず,例えば前述したシザースリンク機構4とは別に油圧シリンダや空気圧シリンダ,その他の駆動手段を設け,例えばシザースリンク機構4の動作に連動してこれらの駆動手段を作動させることにより,前述した押圧棒11bや押圧部11cに対応する部材を上下動させるように構成するものとしても良い。
【0038】
前述の転倒防止片13は,図示の実施形態にあっては図2(C)に示すように帯板状の金属板の幅方向の一辺13b側を,前述したように車台2本体2bの幅方向の両端低部にヒンジ12によって揺動可能に係止したものであり,この転倒防止片13は,展開位置(図4参照)において車輪3a〜3dが路面の窪みに嵌った際に,その下端(自由端13a)が路面と接触して高所作業車1が大きく傾くことを防止する。
【0039】
この転倒防止片13は,前述した機能を発揮し得るものであれば,その構造は図2(C)に示すような帯板状の構成に限定されず,例えば金属製の角材や管材を連結して形成された枠状のものとして形成する等,各種の形状とすることができる。
【0040】
以上のように,幅方向の一辺13bを車台2にヒンジ12止めされた転倒防止片13は,以下で説明するリンク機構20及び付勢手段である展開用スプリング14によって,前述した昇降部11の昇降に伴って展開位置と収納位置間を揺動することができるように構成されている。
【0041】
このリンク機構20は,図3〜6に示すように,長手方向の中間位置において前記車台本体2,図示の実施形態にあっては車台2本体2bの前後方向における一方の側壁2b’に第1支軸23によって軸支され,前記昇降部11に設けた押圧部11cと一端21aを接触して垂直方向に揺動する一対の第1リンク21と,図4に示す展開位置にある転倒防止片13の相互に対向する壁面に固着されていると共に,前記第1リンクの他端21b側に第2支軸24を介して連結された一対の第2リンク22によって構成されており,図示の実施形態において第1支軸23による軸支位置よりも外側において,前記一対の第1リンク21間を伸長バネである展開用スプリング14によって連結することで,前記一対の第1リンク21の一端21aがいずれも常時上方に向けて付勢されていると共に,この状態で前記転倒防止片13を前述した展開位置(図4参照)に保持し,前述の昇降部11を下降させて前記展開用スプリング14の付勢力に抗して前記第1リンク21の一端21aを所定の位置迄押し下げると,前記転倒防止片13が,自由端13aを相互に内向きに配置した収納位置(図3参照)に収納されるように構成されている。
【0042】
この第1リンク21は,前述した第1支軸23を支点として揺動すると共に,この第1リンク21の他端21bには,第2支軸24を介して第2リンク22が連結されており,この第2リンク22を転倒防止片13に溶着,ボルト留め,その他の方法で固着することにより,前述の転倒防止片13を前記ヒンジ12の支軸12aを支点として揺動させることができるようになっている。
【0043】
ここで,第1リンク21と第2リンク22とを第2支軸24によって連結した構成において,第1,第2支軸間(23−24間)の軸心間距離,及びヒンジの支軸12aと第2支軸24の軸心間距離がいずれともに固定されている場合には第1,第2リンク21,22のいずれ共に揺動させることができないことから,第1,第2リンク21,22の揺動によって前述した転倒防止片13を展開位置と収納位置間で揺動させることができるようにするために,第1,第2支軸23,24の軸心間距離,又は,第2支軸24と前記ヒンジ12の支軸12aの軸心間距離のいずれか一方,又は,双方が,展開位置において最大となる範囲で可変となるように,第2支軸24を第1リンク21,及び/又は第2リンク22に対し移動可能に取り付けている。
【0044】
図3〜図6に示す実施形態にあっては,展開位置(図4)を基準として第1リンク21に設けた第2支軸24用の軸孔25を,第1支軸側に向かって延長した長孔として形成することにより,第2支軸24がこの軸孔25内を移動することで第1,第2支軸23,24の軸心間距離が可変となるように形成しているが,この構成に代え,又はこの構成と共に,第2リンク22に設けた第2支軸24用の軸孔26をヒンジ12の支軸12a側に延長した長孔として形成し,第2支軸24とヒンジ12の支軸12aの軸心間距離を可変としても良く,更には,第1リンク21に設ける軸孔25,第2リンク22に設ける軸孔26のいずれ共に長孔して構成し,第1支軸23と第2支軸24の軸心間距離と,第2支軸24とヒンジ12の支軸12aの軸心間距離の双方を可変とするものとしても良い。
【0045】
以上のように構成された第1リンク21と第2リンク22には,前述した展開用スプリング14の付勢力によって前記第1,第2リンク21,22が揺動して前記転倒防止片13が展開位置に揺動すると,相互に係止して前記第1,第2リンク21,22の更なる揺動を規制する突起27と凹部28とが設けられている。
【0046】
図示の実施形態にあっては,第1リンク21に突起27を,第2リンク22にこの突起27を受け入れる凹部28を設ける構成を示したが,突起27及び凹部28の配置は,これとは逆に,第1リンク21に凹部28を,第2リンク22にこの凹部28に嵌合される突起27を設けるものとしても良い。
【0047】
図3〜図6に示すように,第1リンク21に対し紙面手前側に第2リンク22を配置した構成にあっては,前記第1リンク21の紙面手前側の側壁に前述した突起27として例えば金属製の丸棒を溶着等の手段で取り付けると共に,対応する位置の第2リンク22の周縁部に,前記突起27を受け入れる切欠状の凹部28を設けている。
【0048】
この凹部28は,図4中の拡大図に示すように展開位置において突起27が突合する略半円弧状に形成された突合部28aと,この突合部28aの両端から前記凹部28の入口側に向かって形成された側壁28b,28b’を備えた略U字状に形成されており,前記側壁28b,28b’のうち,前記突起27の移動軌跡Pの外周縁P’側の側壁28は,前記開口端28c側が前記外周縁P’に近接すると共に,前記突合部28aに向かって前記移動軌跡Pの外周縁P’の外側へ広がる形状に形成されている。
【0049】
なお,前述した第2支軸24による第1リンク21と第2リンク22との連結部には,展開位置にある前記第2リンク22に該第2リンク22を前記収納位置に向かって揺動させる力が加わったとき,これに僅かに遅れて前記第1リンク21に前記力を伝達することとなる「遊び」が設けられている。
【0050】
この遊びは,図示のように第2リンク22に凹部28,第1リンク21に突起27を設けた例では,展開位置にある転倒防止片13に対しこれを収納位置に揺動させようとする力が加わった場合等,第2リンク22が収納位置に向かって揺動を開始した際,この第2リンク22に設けた凹部28の開口端28cが突起27の軌跡P内に入り込み突起27の逃げ道を塞いだ後に,第1リンク21に対して第2リンク22からの力が伝達されるようになっていれば良く,前記第2支軸24に,軸孔に対して支軸を挿入した際に通常生じ得る程度の「遊び」乃至は「ガタツキ」が設けられていれば良い。
【0051】
また,前述した第1リンク21と第2リンク22との連結部には,前記展開位置の前記第1リンク21を前記収納位置に向かって揺動させた際,前記突起27が前記凹部28より脱出する迄前記第2リンク22の動作を遅らせる遊びが設けられている。
【0052】
このように,第1リンク21の揺動開始に対して突起27が凹部28より脱出する迄第2リンク22が揺動を開始しないようにするために,図示の実施形態にあっては,第2リンク22に設けた第2支軸24の軸孔26を,展開位置より収納位置に向かう第2支軸24の移動方向に延長した延長部26a〔図4中の拡大図(左側)参照〕を設け,この軸孔26を全体として長孔として形成している。
【0053】
なお,前述した凹部28の形成深さが比較的浅い場合等,凹部28と突起27の形状等によっては,第2支軸24と軸孔25,26に通常生じ得る程度の遊び乃至はガタツキを設けることにより前記動作を実現するものとしても良く,展開位置にある第1リンク21の揺動開始後,突起27が凹部28を脱出する迄,第2リンク22が揺動開始に遅れを生じさせることができるものであれば,各種の構成を採用することが可能である。
【0054】
〔作用等〕
以上のように構成された本発明の転倒防止装置10を備えた高所作業車1において,シザースリンク機構4によって昇降される図示せざるデッキが下降した位置にあるときは,前述した押圧棒11bは下降位置にあり,押圧棒11bに設けた押圧部11cが,転倒防止装置10を構成するリンク機構20の第1リンク21の一端21aを,展開用スプリング14の付勢力に抗して押し下げた状態にあり,この位置において前述の転倒防止片13は,その自由端13a側を相互に内向きに向けた収納位置に折り畳まれている(図3参照)。
【0055】
この状態から,油圧シリンダ5によってシザースリンク機構4を伸長して図示せざるデッキを上昇させると,シザースリンク機構4の下端以外の部分は,上方に変位するために,このシザースリンク機構4にステイ11aを介して取り付けられている前述の押圧棒11bも,上方へ移動する。
【0056】
その結果,押圧棒11bに設けられた押圧部11cによって押し下げられていた第1リンク21の一端21aに対する下向きの押圧力が解除され,第1リンク21間を連結する展開用スプリング14の付勢力によって第1リンク21が第1支軸23を支点として収納位置から展開位置に揺動すると共に,この第1リンク21の揺動に伴って,第1リンク21に第2支軸24を介して連結された第2リンク22が揺動し,この第2リンク22に固着された転倒防止片13をヒンジ12を支点として揺動させて,第1,第2リンク21,22及び転倒防止片13のいずれもが,図4に示す展開位置に揺動される。
【0057】
この展開位置において,第1,第2支軸23,24の軸心間距離,及び/又は第2支軸24とヒンジ12の支軸12aの軸心間距離が最大となるように前記第2支軸24が移動可能に構成されていることから,第1,第2支軸23,24の軸心間距離を可変とするために第1リンク21に設けた第2支軸24の軸孔25を長孔として形成した図示の実施形態にあっては,展開位置において第2支軸24がこの軸孔25の第1支軸とは反対側の端部に突合して移動が規制されていることと,第1リンク21に設けた突起27が第2リンク22に設けた凹部28に嵌合することによって,前述した展開用スプリング14によって第1リンク21を更に揺動させる方向に力が加わったとしても,第1,第2リンク21,22及び転倒防止片13は,それ以上揺動することができず,展開位置に保持される(図4参照)。
【0058】
また,このような展開位置にあるときに,図5に示すように転倒防止片13の自由端13aを外向きに広げようとする力Fが加わった場合であっても,第1,第2リンク21,22は,突起27と凹部28との係合位置を越えて更に揺動できないだけでなく,第1支軸23と第2支軸24の軸心間距離,及び第2支軸24とヒンジ12の支軸12aとの軸心間距離が展開位置を最大としてそれ以上広がることがないために,転倒防止片13は力Fに抗して展開位置に強固に固定される。
【0059】
一方,図6に示すように,展開位置にある転倒防止片13に対し,これを収納位置に折り畳もうとする力F’が加わると,この転倒防止片13に固着された第2リンク22もこの転倒防止片13に同期して収納方向に僅かに揺動する。
【0060】
一方,第2支軸24による第1リンク21と第2リンク22との連結部には,第2リンク22を前記収納位置に向かって揺動させる力が加わったとき,これに僅かに遅れて前記第1リンク21に前記力を伝達する「遊び」が設けられていることから,転倒防止片13の揺動に伴って第2リンク22が揺動を開始しても,第1リンク21は展開位置に維持される。
【0061】
その結果,展開位置において突起27の移動軌跡Pの外周縁P’と近接して設けられた凹部28の開口端28cが,前記第2リンク22の揺動により突起27の移動軌跡P内に入り込み,凹部28の側壁28bと突起27とが接触してその退路を塞ぐ。
【0062】
その結果,第2リンク22の揺動に遅れて第1リンク21が揺動しようとしても,第1リンク21と第2リンク22とは,前記凹部28の側壁28bと前記突起27との係合によって,収納方向への揺動も規制されることから,展開位置にある転倒防止片13に対し,図6中に矢印F’で示すようにこれを収納方向に折り畳もうとする力が加わった場合であっても,第1リンク21及び第2リンク22が揺動しないことから,転倒防止片13の揺動も規制される。
【0063】
従って,展開状態にある転倒防止片13に,その自由端13aを外向きに押し広げようとする力,及び収納方向へ折り畳む方向への力の,いずれの力が生じた場合であっても,転倒防止片13は展開位置に強固に保持される結果,転倒防止片13が展開位置から揺動してしまうことによる高所作業車1の転倒の発生等を好適に防止することができるものとなっている。
【0064】
一方,図示せざるデッキの下降に伴い転倒防止片13を収納位置に折り畳む場合には,油圧シリンダ5によってシザースリンク機構4を下降させると,この下降に伴って押圧棒11bが徐々に下降して,この押圧棒11bに設けた押圧部11cが,展開位置にある第1リンク21の一端21aを押し下げる。
【0065】
ここで,第1,第2リンク21,22の連結部には,展開位置の第1リンク21を前記収納位置に向かって揺動させた際,前記突起27が前記凹部28より脱出する迄前記第2リンク22の動作を遅らせる「遊び」が設けられていることから,前述した凹部28から突起27が脱出した後,第1リンク21の揺動に連動して第2リンク22の揺動が開始されることとなり,前述した突起27及び凹部28の係合は,押圧棒11bの押圧部11cによって第1リンク21を揺動する際の動作を規制しない。
【0066】
図示の実施形態にあっては,このように第1リンク21の揺動に遅れて,第2リンク22の揺動が開始するように構成するために,第2リンク22に設けた第2支軸24用の軸孔26を,第2支軸24の移動方向に延長した長孔として形成している。
【0067】
側面に第2リンク22が固着されていることにより,この第2リンク22の重みによって転倒防止片13及び第2リンク22は,第1リンク21が展開位置か収納位置に向かって揺動を開始しても,展開位置に留まろうとする力が生じている。
【0068】
その結果,図4に示すように,第2リンク22に設けた第2支軸24の軸孔26を長孔として形成した場合には,この長孔の長さ分,第1リンク21を第2リンク22とは独立して揺動させることができる。
【0069】
従って,第2リンク22に設けた軸孔26を,第1リンク21に設けた突起27が凹部28より脱出するまで第2リンク22とは独立して揺動できる長さに形成することで,第1,第2リンク21,22に設けた突起27及び凹部28は,押圧棒11bの押圧部11cによる押し下げによって第1,第2リンク21,22を収納位置に揺動させる際の障害とはならない。
【0070】
このようにして,シザースリンク機構4による図示せざるデッキの下降によって,押圧棒11bが更に下降して第1リンク21の一端21aを押し下げると,前述したように突起27が完全に凹部より脱出すると共に,第2支軸24が第2リンク22に長孔として形成した軸孔26のヒンジ12側端部に到達し,第2リンク22と独立した第1リンクの揺動が終了すると共に,第1リンク21の揺動に連動して第2リンク22の揺動が開始される。
【0071】
これにより,第2リンク22に連結された転倒防止片13も揺動して,その自由端13aを相互に内向きにした収納位置に収納される。
【符号の説明】
【0072】
1 高所作業車
2 車台
2a フレーム
2b 車台本体
2b’ 側壁
3a〜3d 車輪
4 シザースリンク機構
5 油圧シリンダ
10 転倒防止装置
11 昇降部
11a ステイ
11b 押圧棒
11c 押圧部
12 ヒンジ
12a 支軸(ヒンジの)
13 転倒防止片
13a 自由端(転倒防止片の)
13b 一辺(転倒防止片の幅方向の)
14 展開用スプリング
20 リンク機構
21 第1リンク
21a 一端(第1リンクの)
21b 他端(第1リンクの)
22 第2リンク
23 第1支軸
24 第2支軸
25 軸孔(第1リンクに設けた第2支軸用)
26 軸孔(第2リンクに設けた第2支軸用)
26a 延長部
27 突起
28 凹部
28a 突合部
28b,28b’ 側壁
28c 開口端
P 移動軌跡(突起27の)
P’ 移動軌跡の外周縁
100 高所作業車
102 車台
103 車輪
104 シザースリンク機構
106 デッキ
110 転倒防止装置
111 昇降部
111a 押圧板
113 転倒防止片
114 付勢手段
130 リンク機構
131 第1リンク
131a 一端(第1リンクの)
131b 他端(第1リンクの)
132 第2リンク
133 第3リンク
134 第1支軸
135 第2支軸
136 第3支軸
137 第4支軸
138 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を備えた車台と,前記車台上で昇降するデッキと,前記デッキを昇降させる昇降装置を備えた高所作業車に設けられる転倒防止装置であって,前記車台の走行方向を長手方向とし,且つ,幅方向の一辺が前記車台の幅方向の両端下方にそれぞれヒンジ止めされた一対の転倒防止片を備え,前記転倒防止片の自由端側が相互に内向きとなるように折り畳んだ収納位置と,前記転倒防止片を前記車台より下向きに張り出した展開位置間で揺動可能に構成した転倒防止装置において,
前記転倒防止装置が,
前記昇降装置の昇降動作に伴って昇降移動する昇降部と,
前記昇降部の昇降に伴って前記転倒防止片を前記収納位置と前記展開位置間で揺動させるリンク機構を備え,
前記リンク機構が,
前記車台に第1支軸を介して長手方向の中間位置が軸支され,一端が前記昇降部と接触することにより揺動可能に構成された一対の第1リンクと,
前記展開位置における前記転倒防止片の相互に対向する面にそれぞれ固着されていると共に前記第1リンクの他端に第2支軸を介してそれぞれ軸着された第2リンクを備え,
前記展開位置において,前記第1支軸と第2支軸の軸心間距離,及び前記第2支軸と前記ヒンジの軸心間距離が最大となるように,前記第2支軸を前記第1リンク及び/又は前記第2リンク上に移動可能に取り付けて,前記第1リンク及び前記第2リンクの揺動を可能とし,
前記第1,第2リンクのいずれか一方に突起を設けると共に,他方に前記展開位置において前記突起を受け入れ係合する,凹部を設け,
前記展開位置にある前記第2リンクに該第2リンクを前記収納位置に向かって揺動させる力が加わったとき,これに僅かに遅れて前記第2支軸を介して前記第1リンクに前記力を伝達する遊びを設けると共に,前記展開位置の前記第1リンクを前記収納位置に向かって揺動させた際,前記突起が前記凹部より脱出する迄前記第2リンクの動作を遅らせる遊びを前記第1リンクと第2リンクの連結部に設けたことを特徴とする高所作業車の転倒防止装置。
【請求項2】
前記転倒防止片の前記展開位置において,前記突起の移動軌跡の外周縁側にある前記凹部の側壁を,前記凹部の開口端側から前記突起との突合部側に向かうに従い前記移動軌跡の外周縁に対して外側へ広がる形状としたことを特徴とする請求項1記載の高所作業車の転倒防止装置。
【請求項3】
前記第1リンクに設けた前記第2支軸の軸孔を,前記第1支軸側に伸びる長孔とし,及び/又は前記第2リンクに設けた前記第2支軸の軸孔を前記ヒンジの支軸側に伸びる長孔として形成したことを特徴とする請求項1記載の高所作業車の転倒防止装置。
【請求項4】
前記展開位置の前記第1リンクを前記収納位置に向かって揺動させた際,前記突起が前記凹部より脱出する迄前記第2リンクの動作を遅らせる遊びを設けるために,前記第2リンクに設けた前記第2支軸の軸孔に,前記展開位置より前記収納位置に向かう前記第2支軸の移動方向に開孔を延長した延長部を設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の高所作業車の転倒防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−76885(P2012−76885A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223921(P2010−223921)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000241795)北越工業株式会社 (86)
【Fターム(参考)】