説明

高架橋裏面耐火吸音構造体

【課題】高架橋下方の道路からの交通騒音を吸音して減らす騒音低減機能とともに、高架橋下における車両火災などによる火災発生時には火災熱から高架橋を防護する耐火機能をも有する高架橋裏面耐火吸音構造体を提供すること。
【解決手段】上側に開口したチャンネル状をなす下側枠体2と、下側に開口したチャンネル状をなして前記下側枠体2とで枠体を形成し、下部に内側方向へ延びる断熱材支持部3aを有する上側枠体3と、下側枠体2内に配置され、平板状をなす吸音材4と、上側枠体3内に前記断熱材支持部3aで支持されて配置され、1100℃以上の耐熱性を有し、平板状をなし、高架橋下における火災による火災熱から高架橋を防護するための断熱材5と、1100℃以上の耐熱性を有し、上側枠体3を火災熱から防護するための上側枠体保護用断熱材6と、を備えた高架橋裏面耐火吸音構造体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高架道路や高架鉄道などの高架橋のうちその下方(下層)に道路が併設された高架橋の裏面に設置され、高架橋自体からの構造物音や前記道路からの交通騒音を吸音して減らす騒音低減機能とともに、前記道路で例えば車両火災が発生した場合に火災熱から高架橋を防護する耐火機能をも有する高架橋裏面耐火吸音構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高架道路や高架鉄道などの高架橋のうちその下方に道路が併設された高架橋では、下方の道路を走行する自動車による騒音が高架橋の裏面で反射し、道路周辺の騒音を増大させることがある。
【0003】
このため、下方に道路が併設された高架橋の裏面に設置され、高架橋自体からの構造物音や下方の道路からの交通騒音を吸音するようにした吸音構造体が提案されている(特許文献1:特許第3601575号公報)。この従来の吸音構造体を図6によって説明する。図6は従来の吸音構造体の断面図である。
【0004】
この従来の吸音構造体は、高架橋の桁下に下向きに吊り下げられかつ複数個互いに連結して取り付けられるものであり、枠体51と多孔板52から構成される中空枠体と、その内部に2層に積層されて配置され、合計厚みが50〜110mmとされた繊維質吸音材53,54とからなっている。枠体51は、アルミ押出形材等からなり繊維質吸音材53,54の背面と側面を被い、両側縁部にこの吸音構造体同士を連結するための連結部55,56が設けられている。多孔板52は、適宜の開口率をもつエキスパンドメタル又はパンチングメタル等からなるもので、枠体51に直に接続され、かつ繊維質吸音材53,54の前面及び側面を被っている。
【0005】
前記の繊維質吸音材53,54は、例えばグラスウール、ロックウール、不織布等の繊維質吸音材の層であり、例えばポリフッ化ビニル等のフィルムで被覆され、積層されている。また、58は吸音材53,54を保護するため多孔板52の内面に沿って適宜設けられるグラスクロス等の保護材、59は表面空気層、60は背後空気層を構成する隙間である。そして、枠体51の中央部には吊り下げ用の凹溝57が長手方向に形成されており、ここに図示しない吊りボルトのヘッドが嵌入し、高架橋の幅方向及び長手方向にそれぞれ複数個互いに連結された状態で各吸音構造体を、高架橋の鋼製の橋桁(主桁)の下方に吊り下げるようにしている。
【0006】
このように、従来、下方に道路が併設された高架橋の裏面に、中空枠体内に繊維質吸音材を配置した吸音構造体を設置して、高架橋自体からの構造物音や下方の道路からの交通騒音を吸音して騒音低減を図るようにしている。
【0007】
ところで、近年、一般橋梁や高架橋が橋下における車両事故あるいは不審火などによる火災を受ける事故が数多く発生している。このような事故が起きると、最悪の場合、高架橋の崩落も考えられ、崩落に至らない場合でも、その調査・復旧のため、長期間の交通規制が行われ、社会生活・経済活動に多大な影響を及ぼすことになる。
【0008】
このような状況下において、騒音低減目的で用いられる従来の吸音構造体は、これまでに都心部の高架橋で採用されているが、高架橋下における火災に対する耐火性能(耐火機能)を有してはいない。一方、高架橋などの土木構造物を火災から防護するための手段としては、実例はないが高架橋の橋桁表面や床版裏面に断熱材を直貼りすることが考えられるが、これでは騒音低減効果が小さいと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3601575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の課題は、高架道路や高架鉄道などの高架橋のうちその下方に道路が併設された高架橋の裏面に設置され、通常時には高架橋自体からの構造物音や前記道路からの交通騒音を吸音して減らす騒音低減機能を有する一方、高架橋下における車両火災などによる火災発生時には火災熱から高架橋を防護する耐火機能をも有する高架橋裏面耐火吸音構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】
請求項1の発明は、高架橋の橋桁の下方に複数個連結されて吊り下げられ、高架橋の裏面全体を取り囲むように設置される高架橋裏面耐火吸音構造体であって、上側に開口したチャンネル状をなす下側枠体と、下側に開口したチャンネル状をなして前記下側枠体とで枠体を形成し、下部に内側方向へ延びる断熱材支持部を有する上側枠体と、前記下側枠体内に配置され、平板状をなす吸音材と、前記上側枠体内に前記断熱材支持部で支持されて配置され、1100℃以上の耐熱性を有し、平板状をなし、高架橋下における火災による火災熱から高架橋を防護するための断熱材と、1100℃以上の耐熱性を有し、前記上側枠体を火災熱から防護するための上側枠体保護用断熱材と、を備えたことを特徴とする高架橋裏面耐火吸音構造体である。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の高架橋裏面耐火吸音構造体において、前記上側枠体保護用断熱材が、平板状をなし、前記断熱材支持部を含めて前記上側枠体の下側全体を覆うように前記下側枠体内に配置されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の高架橋裏面耐火吸音構造体において、前記断熱材と前記上側枠体保護用断熱材とが、セラミックファイバーブランケットからなるものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明による高架橋裏面耐火吸音構造体は、下側枠体内に配置された吸音材を備えているので、通常時には、高架橋自体からの構造物音や高架橋下方の道路からの交通騒音を吸音して騒音低減を図ることができる。また、本発明による高架橋裏面耐火吸音構造体は、前記下側枠体の上側の上側枠体内に配置された1100℃以上の耐熱性を有する断熱材と、1100℃以上の耐熱性を有し、前記上側枠体を火災熱から防護するための上側枠体保護用断熱材とを備えているので、高架橋下における車両火災などによる火災発生時には、火災熱から高架橋を防護して、床版の強度低下、鋼製の橋桁(主桁)の強度低下や変形などの高架橋の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による高架橋裏面耐火吸音構造体の高架橋への取付けを説明するための説明図である。
【図2】本発明の一実施形態による高架橋裏面耐火吸音構造体を示す断面図である。
【図3】比較例(タイプA)の試験体を示す断面図である。
【図4】別の比較例(タイプC)の試験体を示す断面図である。
【図5】耐火実験において大型水平加熱炉に6種類の試験体が配置された様子を示す平面図である。
【図6】従来の吸音構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は本発明による高架橋裏面耐火吸音構造体の高架橋への取付けを説明するための説明図である。
【0019】
図1において、10は高架道路や高架鉄道などの高架橋であり、図の奥行き方向に延びる高架橋10の下方には図示しない道路が併設されている。11は床版、12は鋼製の橋桁(主桁)であり、高架橋10の上部構造は、床版11と複数の橋桁12とで構成されている。これらの橋桁12は、高架橋10の長手方向(図の奥行き方向)に延びており、隣り合う橋桁12同士は、長手方向において所定の間隔ピッチで、トラス形状の対傾構13で連結されている。
【0020】
また、後述する複数個の高架橋裏面耐火吸音構造体1を取り付けるため、各橋桁12の下端部には、橋桁12の長手方向において所定間隔ピッチで、鋼製の水平部材14を介して鋼製の吊り部材15が取り付けられている。これらの吊り部材15によって高架橋10の幅方向(床版11の幅方向)に延びるH形鋼からなる横梁16が支持されている。横梁16は、高架橋の長手方向(橋桁12の長手方向)において所定間隔ピッチで配置されている。
【0021】
そして、これらの横梁16に、高架橋裏面耐火吸音構造体1が複数個パネル状に連結されて取り付けられており、これにより、高架橋10の裏面全体を高架橋10の長手方向に沿って取り囲むように、高架橋裏面耐火吸音構造体1が設置されている。12aは橋桁12の下フランジであり、橋桁12の下フランジ12aの下面から高架橋裏面耐火吸音構造体1の上面までの距離は、例えば600mm程度に設定されている。
【0022】
図2は本発明の一実施形態による高架橋裏面耐火吸音構造体を示す断面図である。
【0023】
図2に示すように、この実施形態による高架橋裏面耐火吸音構造体1は、下側枠体2と、上側枠体3と、下側枠体2内に配置された吸音材4と、上側枠体3内に配置された断熱材5と、上側枠体保護用断熱材6とを備えている。以下、これらの各構成要素について説明する。
【0024】
下側枠体2は、上側に開口した断面コ字形のチャンネル状をなし、高耐食溶融めっき鋼板などの鋼板からなっている。下側枠体2の下面には、直径5〜10mm程度の多数の孔が形成されるとともに、吸音材保護材(表面保護材)として図示しないグラスクロス(ガラスクロス)が内貼りされている。
【0025】
この下側枠体2内の前記グラスクロスが内貼りされた前記下面上に、ロックウール、グラスウール等からなる所定の厚みの吸音材4が平板状をなす層を形成して配置されている。この吸音材4は、防水及び耐候性の向上のためポリふっ化ビニル(図示せず)で包まれた状態で配置されている。
【0026】
また、下側枠体2内の前記吸音材4上には、上側枠体保護用断熱材6が平板状をなす層を形成して載置されている。この上側枠体保護用断熱材6は、1100℃以上の耐熱性を有し、上側枠体3を高架橋下における火災による火災熱から防護するためのものであり、所定の厚みのセラミックファイバーブランケットからなっている。セラミックファイバーブランケットは、例えばアルミナ・シリケート繊維などからなるフェルト状の断熱材である。
【0027】
次に、上側枠体3は、下側に開口した断面コ字形のチャンネル状をなし、高耐食溶融めっき鋼板などの鋼板からなっており、前記下側枠体2とで所定長さを有して延びる枠体(外枠体)を形成している。この上側枠体3は、平板状の上面部と、その上面における幅方向の両端から垂直に立ち下がる両側の側面部と、これら各側面部の下端から内側方向へ水平に延びる断熱材支持部3aとからなるチャンネル状をなしている。
【0028】
この上側枠体3内には、断熱材5が前記断熱材支持部3aで支持され、平板状をなす層を形成して配置されている。この断熱材5は、1100℃以上の耐熱性を有し、高架橋10下における火災による火災熱から高架橋10を防護するためのものであり、所定の厚みのセラミックファイバーブランケットからなっている。
【0029】
なお、高架橋下での火災に対する安全性の点から、1100℃×90分の火災熱に対して、高温下における鋼材の強度低下を考慮して、前記の橋桁12の下フランジ12a位置の温度が350℃以下になるようにすることが目標とされており、この点から、断熱材5及び上側枠体保護用断熱材6は、1100℃以上の耐熱性を有するものとしている。
【0030】
そして、吸音材4及び上側枠体保護用断熱材6が配置された下側枠体2の側面部と、断熱材5が配置された上側枠体3の側面部とが、1100℃以上の耐熱性を有し、両枠体2,3の長手方向に沿って延びる帯状のセラミックシート7を介して、所定の間隔ピッチにてボルト8によるボルト締めによって接続されている。
【0031】
これにより、この実施形態では、下側枠体内に配置されている上側枠体保護用断熱材6によって、断熱材支持部3aを含めて上側枠体3の下側全体を覆うようになされている。
【0032】
なお、図2において、符号Wは高架橋裏面耐火吸音構造体1の幅を示し、符号hは高架橋裏面耐火吸音構造体1の高さを示し、符号h1は上側枠体3の高さを示している(後述する実施例参照)。
【0033】
このように、この実施形態による高架橋裏面耐火吸音構造体1は、下側枠体2内に配置された吸音材4を備えているので、通常時には、高架橋自体からの構造物音を吸音するとともに、高架橋下方の道路からの交通騒音を吸音して該道路周辺への反射を防止して道路騒音低減を図ることができる。
【0034】
また、この高架橋裏面耐火吸音構造体1は、上側枠体3内に配置された1100℃以上の耐熱性を有する断熱材5と、1100℃以上の耐熱性を有し、上側枠体3の前記断熱材支持部3aの火災熱による温度上昇を防いで、上側枠体3の火災熱による熱変形を十分抑えて断熱材5が収容された上側枠体3の断面形状を保持するようにした上側枠体保護用断熱材6とを備えている。これにより、高架橋下における車両火災などによる火災発生時には、従来とは違って、火災熱から高架橋10を防護して、床版11の強度低下、橋桁12の強度低下や変形などの高架橋の損傷を防止することができる。
【実施例】
【0035】
本実施形態による高架橋裏面耐火吸音構造体の耐火性能を確認するための耐火実験を行った。試験体として、表1に示すように、比較例のタイプA1,A2、実施例のタイプB1,B2、比較例のタイプC1,C2の6種類の試験体を製作した。
【0036】
【表1】

【0037】
実施例であるタイプB1,B2の試験体の構成は、前記の図2に示す通りである。このうち、タイプB1の各構成要素の仕様は、次の通りである。下側枠体2は、厚み0.8mmの高耐食溶融めっき鋼板(下面はパンチング加工)からなり、上側枠体3は、厚み1.6mmの高耐食溶融めっき鋼板からなっている。寸法W:490mm、寸法h:105mm、寸法h1:60mm、寸法h2:55mm、長さは2000mmである。なお、下側枠体2及び上側枠体3の仕様は、他の試験体も同一である。吸音材4は、厚み50mmで、ロックウールからなっている。上側枠体保護用断熱材6は、厚み12.5mmで、1300℃の耐熱性を有するセラミックファイバーブランケットからなっている。断熱材5は、厚み25mmで、1300℃の耐熱性を有するセラミックファイバーブランケットからなっている。タイプB2は、断熱材5の厚みが50mm(25mm×2層)である点以外は、タイプB1と同一仕様である。
【0038】
次に、比較例であるタイプA1,A2の試験体の構成は、図3に示す通りである。このタイプA1,A2の試験体と実施例であるタイプB1,B2の試験体との相違点は、タイプA1,A2の試験体が、断熱材5及び上側枠体保護用断熱材6を備えていない点にある。タイプA1とA2との相違点は、吸音材保護材の種類が異なる点にある(表1参照)。
【0039】
また、他の比較例であるタイプC1,C2の試験体の構成は、図4に示す通りである。このタイプC1,C2の試験体と実施例であるタイプB1,B2の試験体との相違点は、タイプC1,C2の試験体が上側枠体保護用断熱材6を備えていない点にある。また、タイプC1とC2との相違点は、断熱材5の厚みが異なる点にある(C1:25mm、C2:50mm(25mm×2層))。
【0040】
図5は耐火実験において大型水平加熱炉に6種類の試験体が配置された様子を示す平面図である。耐火実験は、上面が開放可能な大型水平加熱炉を用いて行った。図5に示すように、前記6種類の試験体を密着させて1枚の平板パネル状に並べ、平行な2本の横梁16’(実際の高架橋へ設置する際に使用するものと同仕様のH形鋼)に固定して吊り下げて、大型水平加熱炉の上面に蓋状に設置するとともに、その両側も耐火蓋を設置して炉上面を覆うようにした。
【0041】
この耐火実験では、油火災を想定した温度−時間関係である公知の炭化水素曲線にて温度1100℃で90分間の加熱を前記6種類の試験体に施した。そして、6種類の試験体が固定された横梁16’の温度、実際の高架橋における橋桁12の下フランジ12a位置を想定しての、各試験体の600mm上方の雰囲気温度、及び各試験体の上側枠体3の上面温度を、熱電対を用いてそれぞれ測定した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
耐火実験の結果から、次の(1)〜(4)のことがわかった。
(1)6種類全ての試験体において熱変形が認められたが(表2の「試験体変形量」参照)、構造体としての断面形状は保持することができた。
【0044】
(2)断熱材5の厚みが厚い(量が多いほど)ほど、試験体上面(上側枠体3の上面)の温度上昇は抑えられ、試験体上面の温度は、厚み25mmのセラミックファイバーブランケット1層以上で350℃程度に抑えることができた。
【0045】
(3)試験体を支持する前記横梁16’の温度は、表2に示すように、120℃程度であり、また、保全対象の高架橋における橋桁12の下フランジ12a位置を想定しての、試験体600mm上方の雰囲気温度は、6種類の試験体において60℃〜80℃程度にとどまり、高架橋の上部構造を構成する鋼材(橋桁)の強度低下に至らない温度領域に抑えることができた。
【0046】
(4)表2に示すように、断熱材5を備えない比較例のタイプA1,A2の試験体の変形量が最も小さいが、その受熱温度(上側枠体上面の温度)が約500℃程度となるため、上側枠体3の強度低下が懸念される。一方、断熱材5を備えた実施例のタイプB1,B2の試験体、及び比較例のタイプC1,C2の試験体では、断熱材5の厚みが厚いほど変形量が大きくなった。これは、該断熱材5により、上側枠体3の上下面の温度差が大きくなったことが原因と考えられる。このことから、上側枠体3の下部に断熱材5を配置したタイプB1の実施例がより好ましいと考えられる。
【符号の説明】
【0047】
1…高架橋裏面耐火吸音構造体
2…下側枠体
3…上側枠体 3a…断熱材支持部
4…吸音材
5…断熱材
6…上側枠体保護用断熱材
7…セラミックシート
8…ボルト
10…高架橋
11…床版
12…橋桁(主桁) 12a…橋桁の下フランジ
13…対傾構
14…水平部材
15…吊り部材
16,16’…横梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架橋の橋桁の下方に複数個連結されて吊り下げられ、高架橋の裏面全体を取り囲むように設置される高架橋裏面耐火吸音構造体であって、上側に開口したチャンネル状をなす下側枠体と、下側に開口したチャンネル状をなして前記下側枠体とで枠体を形成し、下部に内側方向へ延びる断熱材支持部を有する上側枠体と、前記下側枠体内に配置され、平板状をなす吸音材と、前記上側枠体内に前記断熱材支持部で支持されて配置され、1100℃以上の耐熱性を有し、平板状をなし、高架橋下における火災による火災熱から高架橋を防護するための断熱材と、1100℃以上の耐熱性を有し、前記上側枠体を火災熱から防護するための上側枠体保護用断熱材と、を備えたことを特徴とする高架橋裏面耐火吸音構造体。
【請求項2】
前記上側枠体保護用断熱材が、平板状をなし、前記断熱材支持部を含めて前記上側枠体の下側全体を覆うように前記下側枠体内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の高架橋裏面耐火吸音構造体。
【請求項3】
前記断熱材と前記上側枠体保護用断熱材とが、セラミックファイバーブランケットからなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の高架橋裏面耐火吸音構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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