説明

高温特性を向上させるための水素化されているゴム等級品

本発明は、20℃〜100℃の温度において圧縮抵抗を有していること、およびスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物、ならびに当該組成物を形成している上記ブロック共重合体に関する。さらに、本発明は、上述した組成物を成形するか、または押出しすることによって得られた生成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、水素化されている高分子量のスチレン−ブタジエンのゴム等級品、ならびにこれら生成物の入手方法およびそれらの使用に関する。
【0002】
〔背景技術〕
約40年前におけるそれらの出現以来、熱可塑性エラストマーは、ゴム状弾性および優れた加工の容易さを有しているが、対照的に加硫されているゴムの熱安定性および弾性安定性を示さない、広く知られている材料の群になっている。ほとんどの熱可塑性エラストマーは、主に温度と関連付けられる油および経年変化に対するわずかな耐性を有している。したがって、短期間および長期間の圧縮抵抗値は、大気温度において適度な値であるが、高温において乏しい。
【0003】
当初、加硫されている熱可塑性物質は、全体的または部分的に架橋されたEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン単量体のゴム)およびポリプロピレンの基材のみに基づいていた。しかし、新たな動向およびますます強まる市場の要求(低コスト化、品質向上、設計の自由度、ならびに法的要件および環境条件)にしたがって、高温特性の向上のための新しい熱可塑性エラストマーが検討されている。
【0004】
高温特性の向上のために開示されている、水素化されているゴムを組み込んでいるすべての代替物のなかでも、最新の開発は、EP1304356に開示されている通り、水素化されている高分子量のスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体を組み込んでいる化合物のための動的加硫(dynamic vulcanization)処理に重点を置いている。当該代替物は、ポリ(p−フェニレン)オキシドもしくはPPO(最終化合物における臭気および色の問題)、硫黄を用いた加硫(形成の複雑さ)および化合物におけるポリウレタンの生成(ポリイソシアン酸塩の使用および重合体の官能化の存在)の利用によってもたらされる見込みを放棄している。
【0005】
水素化されている架橋されたブロック共重合体に基づく化合物は、高温(100℃)における不十分な圧縮抵抗、機械抵抗を失う傾向、成形性(加工可能性)、高温における押出成形物の低い溶解応力(melting stress)、およびわずかな立体配座の安定性という問題点を有している。
【0006】
〔発明の詳細〕
本発明は、高温における向上した性能を有している、水素化されているスチレン−ブタジエンのゴム等級品を提供する。当該スチレン−ブタジエンのゴム等級品は、高分子量を有しているにもかかわらず、それらの合成および加工可能性/成形性ならびに加硫された形態における架橋の程度を最適化する能力に関する問題点をわずかに示す。
【0007】
本発明における重合体の利点は、最新の技術において知られている重合体の粘度より極めて低いそれらの粘度に起因している。実際に、これは、従来のスチレン−ブタジエン−スチレンの水素化されている共重合体SEBS(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体)および高分子量のSEBSに加硫されていない形態、ならびに加硫されている形態の圧縮抵抗における向上につながっている。これは、本願についてここまでに記載されている高分子量のSEBSに関するより低い粘度に起因して、上記重合体およびそれを用いて調製された複合物の両方の加工可能性における向上を導き、最終的な用途における特性を維持させ、かつ向上さえさせる。
【0008】
本発明の第1の局面は、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでおり、20℃〜100℃の温度において圧縮抵抗を示すことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物に関する。上記ブロック共重合体は、直鎖状または分枝鎖状であり、60%未満のビニル含有量、30%〜41%のスチレン含有量、200000〜600000の分子量(SEBSのMpeak)、300cps未満の粘度(5重量%のシクロヘキサンにおけるBrookfield粘度)を有している。当該分子量は、上記スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンの、3ブロックのピークの分子量として表されている。当該分子量は、直鎖状の構造を有している共重合体にとっての算出のための直鎖状のスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)の3ブロック共重合体の定数、および分枝鎖状の構造を有している共重合体の算出のための、分枝鎖状のスチレン−ブタジエン−スチレンの、3ブロック共重合体の定数を用いたGPCによって決定される。
【0009】
本発明において、熱可塑性は、大気温度において可塑性を示すか、または変形可能であり、加熱によって融解し、十分な冷却によってガラス状に硬化する重合体を意味すると理解される。ほとんどの熱可塑性物質は、弱いファンデルワールス力、強い双極子間相互作用および水素結合、または重なっている芳香族環によって、鎖が繋がっている高分子量の重合体である。
【0010】
本発明において、エラストマーは、大気温度において本来の長さの少なくとも2倍まで伸び得、伸張力をなくすと短時間においてほとんど本来の長さに戻り得る物質を意味すると理解される。
【0011】
本発明の組成物は、芳香族ビニル化合物(好ましくはスチレン)に主に基づいている少なくとも2つのブロックA、および共役ジエン(好ましくはブタジエン)に主に基づいている少なくとも1つのブロックBによって構成されているブロック共重合体の水素化によって入手され得る、少なくとも1つの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。これらの水素化されているブロック共重合体の例は、A−B−A、B−A−B−AまたはA−B−A−B−Aの構造を有している芳香族ビニル化合物および共役ジエン化合物の共重合体である。
【0012】
本発明において有用な芳香族ビニルの単量体としては、スチレン、p−メチルスチレンおよびp−tert−ブチルスチレンが挙げられ、スチレンが最も好ましい。それらは、それら自身として使用され得るか、または混合して使用され得る。
【0013】
本発明において有用な共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンおよび2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられ、1,3−ブタジエンが最も好ましい。それらは、それら自身として使用され得るか、または混合して使用され得る。
【0014】
Brookfield粘度は、Brookfield粘度計によって決定されるセンチポアズ(cps)を単位とする見かけの粘度である。Brookfield粘度計は、重合体のトルエン溶液において軸を等速に回転させるために必要とされるトルクを測定する。本発明において使用される方法は、低温度において油の粘度を測定するために使用されるAmerican Society for Testing and Materials ASTM D3236の方法に基づいている。
【0015】
材料の回復能を測定するために選択される方法は、規格ASTM D395 82(方法B:一定の変形の下における圧縮永久歪み)による圧縮永久歪み法である。圧縮永久歪み法は、圧縮応力の長期にわたる作用後における、ゴム状弾性を維持するゴム化合物の能力の測定を意図している。現在の圧縮試験は、明らかな偏りを維持させること、既知の力または速度を一定に加えること、繰返しの変形ならびに断続的な圧縮力の回復を包含している。これらの試験はしばしば高温において実施される。
【0016】
好ましい実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ビニル含有量が45%未満であることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。
【0017】
好ましい他の実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、420000〜575000の分子量(SEBSのMpeak)を有していることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。より好ましい他の実施形態において、スチレン−ブタジエンの水素化されている上記ブロック共重合体は、420000〜475000の分子量を有している。
【0018】
好ましい他の実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、100cps未満の粘度(5重量%のシクロヘキサンにおけるBrookfield粘度)を有していることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。
【0019】
好ましい他の実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ブロック共重合体の水素化の程度が97%以上であることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。
【0020】
好ましい他の実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、スチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.4重量%〜2重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。
【0021】
好ましい他の実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、分枝鎖状であり、45%未満のビニル含有量、420000〜575000の分子量(SEBSのMpeak)および300cps未満の粘度(5重量%のシクロヘキサンにおけるBrookfield粘度)を有していることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。
【0022】
好ましい他の実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、直鎖状であり、ブロック共重合体が、45%未満のビニル含有量、200000〜240000の分子量(SEBSのMpeak)および100cps未満の粘度(5重量%のシクロヘキサンにおけるBrookfield粘度)を有しており、さらにスチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.5重量%〜1重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。
【0023】
好ましい他の実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、分枝鎖状であり、45%未満のビニル含有量、420000〜575000の分子量(SEBSのMpeak)および300cps未満の粘度(5重量%のシクロヘキサンにおけるBrookfield粘度)を有しており、さらにスチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.5重量%〜1重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。
【0024】
好ましい他の実施形態において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、直鎖状であり、50%〜55%のビニル含有量、300000〜350000の分子量(SEBSのMpeak)および100cps未満の粘度(5重量%のシクロヘキサンにおけるBrookfield粘度)を有していることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる。
【0025】
本発明の第2の局面は、スチレン−ブタジエンの水素化されている直鎖状または分枝鎖状のブロック共重合体に関する。当該ブロック共重合体は、少なくとも2つの芳香族ビニル単量体ブロックおよび1つの共役ジエン単量体ブロックを含んでいるブロック共重合体のアニオン性の重合、ならびに続く水素化によって入手され得る。当該ブロック共重合体は、60%未満のビニル含有量、200000〜600000の分子量および300cps未満の粘度を有していることを特徴とする。
【0026】
スチレン−ブタジエンの水素化されている上述のブロック共重合体は、45%未満のビニル含有量を有していることが好ましい。
【0027】
スチレン−ブタジエンの水素化されている上述のブロック共重合体は、420000〜575000の分子量を有していることが好ましい。スチレン−ブタジエンの水素化されている上述のブロック共重合体は、420000〜475000の分子量を有していることがより好ましい。
【0028】
好ましい実施形態において、スチレン−ブタジエンの水素化されている上述のブロック共重合体は、100cps未満の粘度(5重量%のシクロヘキサンにおけるBrookfield粘度)を有している。
【0029】
好ましい実施形態において、スチレン−ブタジエンの水素化されている上述のブロック共重合体は、97%以上のブロック共重合体の、水素化の程度を有していることが好ましい。
【0030】
好ましい実施形態において、スチレン−ブタジエンの水素化されている上述のブロック共重合体は、スチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.4重量%〜2重量%のブタジエンを組み込んでいる。
【0031】
本発明の好ましい他の実施形態は、45%未満のビニル含有量、420000〜575000の分子量および300cps未満の粘度を有しており、かつ分枝鎖状であることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体に関する。
【0032】
本発明の好ましい他の実施形態は、45%未満のビニル含有量、200000〜240000の分子量および100cps未満の粘度を有しており、かつ直鎖状であり、さらにスチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.5重量%〜1重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体に関する。
【0033】
本発明の好ましい他の実施形態は、45%未満のビニル含有量、420000〜575000の分子量および300cps未満の粘度を有しており、かつ分枝鎖状であり、さらにスチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.5重量%〜1重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体に関する。
【0034】
本発明の好ましい他の実施形態は、50%〜55%のビニル含有量、300000〜350000の分子量および100cps未満の粘度を有しており、かつ直鎖状であることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体に関する。
【0035】
本発明のより好ましい実施形態は、実施例1に記載のように、SEBS−1から入手され得る共重合体の群に関する。SEBS−1は、30〜41のスチレン含有量(重量%)、スチレン−ブタジエンの水素化されていないブロック共重合体の前駆物における38±2の1,2−ポリブタジエン部分の含有量(ブタジエン部分の全体の重量%)、97以上の水素化の程度(%)、525000±50000の分子量(SEBSのMpeak)、60以上のカップリング(%)、3〜4の分枝鎖の数、および四フッ化ケイ素とのカップリングを有していることを特徴とする、高分子量の、分枝鎖状のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体の群に関する。
【0036】
本発明の好ましい他の実施形態は、実施例2に記載されるSEBS−2から入手され得る共重合体の群に関する。SEBS−2は、スチレンブロックの末端にブタジエンを有しており、31〜35(重量%)のスチレン含有量、水素化されていない共重合体の前駆物における38±2の1,2−ポリブタジエン部分の含有量(ブタジエン部分の全体の重量%)、99以上の水素化の程度(%)、220000±20000の分子量(SEBSのMpeak)、3ブロックにおける1−98−1のブタジエンの配置(%)、および水素化されていない共重合体の前駆物における75以上のスチレンブロック含有量(%)を有していることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されている高分子量の直鎖状のブロック共重合体である。
【0037】
本発明の好ましい他の実施形態は、実施例3に記載されるSEBS−3から入手され得る共重合体の群に関する。SEBS−3は、スチレンブロックの末端にブタジエンを有しており、31〜35のスチレン含有量(重量%)、水素化されていない共重合体の前駆物における38±2の1,2−ポリブタジエン部分の含有量(ブタジエン部分の全体の重量%)、97以上の水素化の程度(%)、450000±25000の分子量(SEBSのMpeak)、60以上のカップリング(%)、3〜4の分枝鎖の数、および四フッ化ケイ素とのカップリングを有していることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されている高分子量の分枝鎖状のブロック共重合体である。3ブロックにおけるブタジエンの配置(%)は1−98−1であり、水素化されていない共重合体の前駆物におけるスチレンブロックの含有量(%)は80以上である。
【0038】
本発明の好ましい他の実施形態は、実施例4に記載されるSEBS−4から入手され得る共重合体の群に関する。SEBS−4は、31〜35のスチレン含有量(重量%)、水素化されていない共重合体の前駆物における50−55の1,2−ポリブタジエン部分の含有量(ブタジエン部分の全体の重量%)、99以上の水素化の程度(%)および325000±25000の分子量(SEBSのMpeak)を有していることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されている高分子量の直鎖状のブロック共重合体である。
【0039】
本発明の第3の局面は、上述の共重合体を得る方法に関する。当該方法は、
(a)少なくとも2つの芳香族ビニル単量体ブロックおよび1つの共役ジエン単量体ブロックを含んでいるブロック共重合体のアニオン性の重合、
(b)(a)において得られた物質の水素化、
を包含している。
【0040】
本発明のブロック共重合体は、連続的な手法において(直鎖状の重合体を得るために)、または、カップリング剤によって(分枝鎖状の重合体を得るために)、開始剤としてのn−ブチルリチウムおよびブタジエン部分におけるビニル含有量を制御するためのエーテル型の物質を用いて、シクロヘキサンにおけるスチレン(および必要に応じてブタジエン)のアニオン性の重合によって合成された。このようにして得られたブロック共重合体は、水素化されている対応するブロック共重合体を得るためにテトラヒドロフランにおけるチタニウムメタロセン触媒を用いて、水素雰囲気(10kg/cm)のもとに1時間にわたって90℃において水素化に供される。
【0041】
異なる単量体が続いて混合され、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体の合成段階が完了すると、継続中の連鎖反応は、陽子供与体物質(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール:BHT)を混合することによって終了させられる。最終の段階が完了すると、水素化は、水素化されている間における温度、圧縮および水素の消費流量を制御しながら、チタニウムメタロセン触媒の存在下において実施される。
【0042】
本発明の第4の局面は、上述の共重合体、熱可塑性樹脂、可塑剤および安定剤の混合を包含している、上述の組成物を得る方法に関する。
【0043】
本願についてこれまで説明されている高分子量の直鎖状のSEBSと比べて、これらの共重合体の低い粘度は、仕上げ工程における有意な改善、よりサイズの小さい画分の内容物(微粉)の有意な減少、およびその処理が引き起こす問題の最小化につながる。低い粘度を有している重合体を用いた溶融押出しによる化合物の調製は、混合物(低い融解粘度)における異なる構成成分の流動の改善およびよりよい分散と関連付けられている要因に対して有意な利点をもたらす。
【0044】
熱可塑性樹脂はポリプロピレンであることが好ましい。上記樹脂は、完成した製品の外観を良好にすること、ならびに硬度および膨張性の調整に加えて、調合物におけるゴムの分散の促進をもたらす。
【0045】
可塑剤はパラフィン系石油であることが好ましい。この可塑剤は、加工を容易にし、成形性、硬度および柔軟性の要因を調整する。
【0046】
この方法を実施するために適切な可塑剤は、37.8℃における20〜50000cskの動態粘度;100℃における5〜1500cskの動態粘度、−10℃〜15℃の流動点および170℃〜300℃の引火温度を好ましく有しているパラフィン系石油(Pionier 2071、Kristol M70、Primol 352 oilsなど)であることが好ましい。
【0047】
上述の方法における好ましい実施形態において、加硫剤および加硫補助物質(vulcanization co-agent)がさらに混合される。
【0048】
加硫工程は、不混和性の熱可塑性基剤とのそれらの混合の間における、エラストマーの柔軟な段階の選択的な架橋によって熱可塑性エラストマーを生成することからなる。材料の物理的特性および成形性を最適化するために、有機の過酸化物の半減期が押出し成型時間の半分以上である場合の温度において、押出し成型処理の最初の半分を実施することが好ましく、このとき、押出し成型時間の残りの半分における温度は、上記過酸化物の半減期が押出し成型時間の全体の半分未満である。混合方法および溶融方法は、二軸押出し機によって、160℃〜220℃の温度の変動幅において行われる。
【0049】
加硫剤は、ジクミル過酸化物および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンから選択される有機の過酸化物であることが好ましい。
【0050】
加硫補助物質は、多官能性のビニル単量体であるであることが好ましい。加硫補助物質は、イソシアヌール酸トリアリルまたはジメタクリル酸トリエチレングリコールであることがより好ましい。
【0051】
本発明の第5の局面は、上述された組成物の射出成形または押出成形によって得られる生成物に関する。
【0052】
これらの物質は、多くの用途(例えば自動車の分野(ドアハンドル、側面保護システム、フィルタおよび油圧の付属品、通気チューブおよび通気ホース、窓およびドア輪郭)、建設(窓輪郭、断熱材、ガスケット)、および家庭用品(密閉容器の蓋)における多くの用途、医療器具(カテーテル、針金被覆など)の製造などの多くの用途が挙げられるが、これらに限定されない)を有している。
【0053】
明細書および請求項を通じて、「含んでいる」という用語およびそれの変化形は、他の技術的な特徴、添加物、構成要素または工程を除外することを意図されていない。当業者にとって、本発明の他の目的、利点および特徴は、発明の詳細な説明または本発明の実施から部分的に明らかになる。以下の実施例および図面は、例証を目的として与えられており、本発明の範囲を限定することを意図されていない。
【0054】
〔実施例〕
本発明は、発明者らによって実施されたアッセイによって例証される。当該アッセイは、本発明の生成物の特殊性および有効性を証明している。
【0055】
(1.合成された物質の特性)
重合体A:SEBS−1:スチレン−ブタジエンの水素化されている高分子量の分枝鎖状のブロック共重合体
スチレン含有量(重量%):30〜41。スチレン−ブタジエンの水素化されていないブロック共重合体の前駆物における1,2−ポリブタジエン部分の含有量(ブタジエン部分の全体の重量%):38±2。水素化(%):97を超える。分子量(SEBSのMpeak):525000±50000。カップリング(%):60を超える。分枝鎖の数:3〜4。四フッ化ケイ素とのカップリング。溶液粘度(Brookfield粘度計−5%として表される):300cps未満。
【0056】
重合体B1:SEBS−2:スチレンブロックの末端にブタジエンを有しているスチレン−ブタジエンの水素化されている高分子量の直鎖状のブロック共重合体
スチレン含有量(重量%):31〜35。水素化されていない共重合体の前駆物における1,2−ポリブタジエン部分の含有量(ブタジエン部分の全体の重量%):38±2。水素化(%):99を超える。分子量(SEBSのMpeak):220000±20000。3ブロックにおけるブタジエンの配置(%):1−98−1。水素化されていない共重合体の前駆物におけるスチレンブロック(%):75を超える。溶液粘度(Brookfield粘度計−5%として表される):100cps未満。
【0057】
重合体B2:SEBS−3:スチレンブロックの末端にブタジエンを有しているスチレン−ブタジエンの水素化されている高分子量の分枝鎖状のブロック共重合体
スチレン含有量(重量%):33±2。水素化されていない共重合体の前駆物における1,2−ポリブタジエン部分の含有量(ブタジエン部分の全体の重量%):38±2。水素化(%):97を超える。分子量(SEBSのMpeak):450000±25000。四フッ化ケイ素とのカップリング(%):60を超える。分枝鎖の数:3〜4。3ブロックにおけるブタジエンの配置(%):1−98−1。水素化されていない共重合体の前駆物におけるスチレンブロック(%):80を超える。溶液粘度(Brookfield粘度計−5%として表される):300cps未満。
【0058】
重合体C:SEBS−4:スチレン−ブタジエンの水素化されている高分子量の直鎖状のブロック共重合体
スチレン含有量(重量%):33±2。水素化されていない共重合体の前駆物における1,2−ポリブタジエン部分の含有量(ブタジエン部分の全体の重量%):50−55。水素化(%):99を超える。分子量(SEBSのMpeak):325000±25000。溶液粘度(Brookfield粘度計−5%として表される):100cps未満。
【0059】
(2.合成方法)
目的のビニルレベルおよびブロックレベルを実現するために、溶剤としてのシクロヘキサン、単量体としてのスチレン、十分な濃度における開始剤としてのn−ブチルリチウムおよび極性調節剤(テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシプロパンまたはジテトラヒドロフリルプロパン)が、攪拌反応器(CSTR)に導入される。
・SEBS−1およびSEBS−3:共重合体における総スチレンの100%。
・SEBS−2およびSEBS−3:この最初の段階において、抑えた量(総ブタジエンの1%)のブタジエンが、スチレンブロックの末端に沿った制御された組み込みのために、単量体の小部分として反応器に添加される。
・SEBS−2およびSEBS−4:共重合体における総スチレンの50%。
【0060】
重合は、スチレンの重合と関連付けられている温度のピークを制御しながら、段階の合計時間が35分を超えない条件の下に、65℃の温度において生じさせられ得る。
【0061】
スチレンの重合が終了すると、ブタジエンが反応器に加えられ、重合は、最高温度のピーク後の10分と決められた時間にわたって生じさせられ得る。
・SEBS−1およびSEBS−4:共重合体における総ブタジエンの100%。
・SEBS−2およびSEBS−3:組み込まれているブタジエンは、共重合体における総量の98%に対応する。
【0062】
ブタジエンの重合が終了すると、
・SEBS−1およびSEBS−3:カップリング剤(四塩化ケイ素)が加えられ、カップリング反応が、70℃〜90℃の温度の変動幅において30分にわたって生じさせられ得る。
・SEBS−2:スチレン(総量の50%)およびブタジエン(総量の1%)が同時に反応器に混合される。
・SEBS−4:スチレン(総量の50%)が混合される。
【0063】
異なる単量体が続いて混合され、スチレン−ブタジエンのブロック共重合の体合成段階が完了すると、継続中の連鎖反応は、陽子供与体物質(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール:シブチルヒドロキシトルエン(BHT))を反応溶剤に混合することによって終了させられる。
【0064】
最後の段階が完了すると、水素化は、水素化の間における温度、圧力および水素の消費流量を制御しながら、チタニウムメタロセン触媒の存在下において実施される。
【0065】
〔実施例1〕SEBS−1
目的のビニルレベルを実現するために、溶剤としてのシクロヘキサン(6509g)、単量体(9%の固形物)としてのスチレン(溶液の25重量%、1371g)、十分な濃度(200ppm)における開始剤としてのn−ブチルリチウムおよび極性調節剤(1,2−ジエトキシプロパン)が、攪拌反応器(CSTR)に導入される。
【0066】
重合は、スチレンの重合と関連付けられている温度のピークを制御しながら、段階の合計時間が30分を超えない条件の下に、65℃の温度において生じさせられ得る。スチレンの重合が終了すると、ブタジエン(682g)が反応器に加えられ、重合は、最高温度のピーク後の10分と決められた時間にわたって生じさせられ得る。ブタジエンの重合が終了すると、カップリング剤(四塩化ケイ素)が活性リチウムに対して0.3のモル比において加えられ、カップリング反応は、70℃〜90℃の温度の変動幅において30分にわたって生じさせられ得る。継続中の連鎖反応は、陽子供与体物質(BHT)を反応溶剤に混合することによって終了させられる。
【0067】
最後の段階が完了すると、水素化は、水素化の間における温度(90℃)、圧力(10kg/cm)および水素の消費流量を制御しながら、チタニウムメタロセン触媒(mmol触媒/100gブタジエンの比:0.45)の存在下において実施される。
【0068】
【表1】

【0069】
異なる調合物を調製するために、ゴムは、まず油状物と物理的に混合され、混合物が加硫される場合に架橋物質および架橋補助物質(cross-linking co-agent)の両方をそれらにおいて分散させるために、油状物の抑えた量を確保しておく。それから、ポリプロピレンおよびフェノール型の酸化防止剤は、0.2重量%の濃度において加えられる。
【0070】
異なる調合物を調製するために使用される混合技術は、二軸押出し機における1段階の動的加硫である。押出し機の前半および後半における混合および加硫のそれぞれを保証するために、上昇する温度プロファイルは180℃〜205℃の間に設定され、軸速度は150rpmに設定される。
【0071】
材料の回復能を測定するために選択された方法は、規格ASTM D395 82(方法B:一定の変形条件における圧縮永久歪み)にしたがった圧縮永久歪み法である。
【0072】
〔実施例2〕SEBS−2
目的のビニルおよびブロックレベルを実現するために、溶剤としてのシクロヘキサン(5638g)、共単量体としてのスチレン(溶液の25重量%、810g)およびブタジエン(10ml)、十分な濃度(200ppm)における開始剤としてのn−ブチルリチウムおよび極性調節剤(1,2−ジエトキシプロパン)が、攪拌反応器(CSTR)に導入される。
【0073】
重合は、スチレンの重合と関連付けられている温度のピークを制御しながら、段階の合計時間が35分を超えない条件の下に、70℃の温度において生じさせられ得る。スチレンの重合が終了すると、ブタジエン(619g)が反応器に加えられ、重合は、最高温度のピーク後の10分と決められた時間にわたって生じさせられ得る。ブタジエンの重合が終了すると、スチレン(溶液の25重量%、810g)およびブタジエン(10ml)は、共単量体として反応器に同時に導入される。異なる単量体が連続して混合され、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体の合成段階が終了すると、継続中の連鎖反応は、陽子供与体物質(BHT)を混合することによって終了させられる。
【0074】
最後の段階が完了すると、水素化は、水素化の間における温度(90℃)、圧力(10kg/cm)および水素の消費流量を制御しながら、チタニウムメタロセン触媒(mmol触媒/100gブタジエンの比:0.45)の存在下において実施される。
【0075】
【表2】

【0076】
異なる調合物を調製するために、ゴムは、まず油状物と物理的に混合され、混合物が加硫される場合に架橋物質および架橋補助物質の両方をそれらにおいて分散させるために、油状物の抑えた量を確保しておく。それから、ポリプロピレンおよびフェノール型の酸化防止剤は、0.2重量%の濃度において加えられる。
【0077】
〔実施例3〕SEBS−3
目的のビニルおよびブロックレベルを実現するために、溶剤としてのシクロヘキサン(5526g)、共単量体としてのスチレン(溶液の25重量%、1292g)およびブタジエン(10ml)、十分な濃度(200ppm)における開始剤としてのn−ブチルリチウムおよび極性調節剤(1,2−ジエトキシプロパン)が、攪拌反応器(CSTR)に導入される。重合は、スチレンの重合と関連付けられている温度のピークを制御しながら、段階の合計時間が30分を超えない条件の下に、65℃の温度において生じさせられ得る。スチレンの重合が終了すると、ブタジエン(675g)が反応器に加えられ、重合は、最高温度のピーク後の10分と決められた時間にわたって生じさせられ得る。ブタジエンの重合が終了すると、活性なリチウムに対する0.3のモル比において、カップリング剤(四塩化ケイ素)が加えられ、カップリング反応は、70℃〜90℃の温度の変動幅において30分にわたって生じさせられ得る。それから、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体の合成段階が完了すると、継続中の連鎖反応は、陽子供与体物質(BHT)を反応媒体に混合することによって終了させられる。
【0078】
最後の段階が完了すると、水素化は、水素化の間における温度(90℃)、圧力(10kg/cm)および水素の消費流量を制御しながら、チタニウムメタロセン触媒(mmol触媒/100gブタジエンの比:0.45)の存在下において実施される。
【0079】
【表3】

【0080】
異なる調合物を調製するために、ゴムは、まず油状物と物理的に混合され、混合物が加硫される場合に架橋物質および架橋補助物質の両方をそれらにおいて分散させるために、油状物の抑えた量を確保しておく。それから、ポリプロピレンおよびフェノール型の酸化防止剤は、0.2重量%の濃度において加えられる。
【0081】
〔実施例4〕SEBS−4
目的のビニルおよびブロックレベルを実現するために、溶剤としてのシクロヘキサン(5680g)、単量体としてのスチレン(溶液の25重量%、685g)、十分な濃度(100ppm)における開始剤としてのn−ブチルリチウムおよび極性調節剤(ジテトラヒドロフリルプロパン)が、攪拌反応器(CSTR)に導入される。重合は、スチレンの重合と関連付けられている温度のピークを制御しながら、段階の合計時間が30分を超えない条件の下に、60℃の温度において生じさせられ得る。スチレンの重合が終了すると、ブタジエン(699g)が反応器に加えられ、重合は、最高温度のピーク後の10分と決められた時間にわたって生じさせられ得る。ブタジエンの重合が終了すると、スチレン(溶液の25重量%、685g)が混合される。異なる単量体が連続して混合され、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体の合成段階が終了すると、継続中の連鎖反応は、陽子供与体物質(BHT)を混合することによって終了させられる。
【0082】
最後の段階が完了すると、水素化は、水素化の間における温度(90℃)、圧力(10kg/cm)および水素の消費流量を制御しながら、チタニウムメタロセン触媒(mmol触媒/100gブタジエンの比:0.45)の存在下において実施される。
【0083】
【表4】

【0084】
異なる調合物を調製するために、ゴムは、まず油状物と物理的に混合され、混合物が加硫される場合に架橋物質および架橋補助物質の両方をそれらにおいて分散させるために、油状物の抑えた量を確保しておく。それから、ポリプロピレンおよびフェノール型の酸化防止剤は、0.2重量%の濃度において加えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでおり、
20℃〜100℃の温度において圧縮抵抗を有しており、
上記ブロック共重合体が、直鎖状または分枝鎖状であり、60%未満のビニル含有量、30%〜41%のスチレン含有量、200000〜600000の分子量および300cps未満の粘度を有していることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項2】
上記ビニル含有量が45%未満であることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項3】
上記ブロック共重合体が420000〜575000の分子量を有していることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項4】
上記ブロック共重合体が420000〜475000の分子量を有していることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項3に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項5】
上記ブロック共重合体が100cps未満の粘度を有していることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項6】
上記ブロック共重合体の水素化の程度が97%以上であることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項7】
上記ブロック共重合体が、スチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.4重量%〜2重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項8】
上記ブロック共重合体が、分枝鎖状であり、45%未満のビニル含有量、420000〜575000の分子量および300cps未満の粘度を有していることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項9】
上記ブロック共重合体が、直鎖状であり、45%未満のビニル含有量、200000〜240000の分子量および100cps未満の粘度を有しており、さらにスチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.5重量%〜1重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項10】
上記ブロック共重合体が、分枝鎖状であり、45%未満のビニル含有量、420000〜575000の分子量および300cps未満の粘度を有しており、さらにスチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.5重量%〜1重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項11】
上記ブロック共重合体が、直鎖状であり、50%〜55%のビニル含有量、300000〜350000の分子量および100cps未満の粘度を有していることを特徴とする、スチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体を含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項12】
少なくとも2つの芳香族ビニル単量体ブロックおよび1つの共役ジエン単量体ブロックを含んでいるブロック共重合体のアニオン性の重合、ならびに続く水素化によって入手され得る、直鎖状または分枝鎖状のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体であって、
60%未満のビニル含有量、200000〜600000の分子量および300cps未満の粘度を有していることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項13】
上記ビニル含有量が45%未満であることを特徴とする請求項12に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項14】
上記ブロック共重合体が420000〜575000の分子量を有していることを特徴とする請求項12に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項15】
上記ブロック共重合体が420000〜475000の分子量を有していることを特徴とする請求項14に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項16】
上記ブロック共重合体が100cps未満の粘度を有していることを特徴とする請求項12に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項17】
上記ブロック共重合体の水素化の程度が97%以上であることを特徴とする請求項12に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項18】
上記ブロック共重合体が、分枝鎖状であり、45%未満のビニル含有量、420000〜575000の分子量および300cps未満の粘度を有していることを特徴とする請求項12に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項19】
上記ブロック共重合体が、直鎖状であり、50%〜55%のビニル含有量、300000〜350000の分子量および100cps未満の粘度を有していることを特徴とする請求項12に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項20】
上記ブロック共重合体が、スチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.4重量%〜2重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とする請求項12に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項21】
上記ブロック共重合体が、分枝鎖状であり、45%未満のビニル含有量、420000〜475000の分子量および300cps未満の粘度を有しており、さらにスチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.5重量%〜1重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とする請求項20に記載のスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項22】
上記ブロック共重合体が、直鎖状であり、45%未満のビニル含有量、200000〜240000の分子量および100cps未満の粘度を有しており、さらにスチレンブロックの末端における小部分の単量体として、総重量に対する0.5重量%〜1重量%のブタジエンを組み込んでいることを特徴とするスチレン−ブタジエンの水素化されているブロック共重合体。
【請求項23】
請求項12〜22のいずれか1項に記載の共重合体、熱可塑性樹脂、可塑剤および安定化剤を混合することを包含している、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物を得る方法。
【請求項24】
上記熱可塑性樹脂はポリプロピレンである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記可塑剤はパラフィン系石油である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
加硫剤および加硫補助物質がさらに混合される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
上記加硫剤は、ジクミル過酸化物および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンから選択される有機過酸化物である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
上記加硫補助物質は、多官能性のビニル単量体であり、好ましくはイソシアヌール酸トリアリルまたはジメタクリル酸トリエチレングリコールである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物の射出成形または押出成形によって得られる生成物。

【公表番号】特表2013−507515(P2013−507515A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533659(P2012−533659)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/ES2009/070444
【国際公開番号】WO2011/045450
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(511309621)
【氏名又は名称原語表記】DYNASOL ELASTOMEROS,S.A.
【住所又は居所原語表記】P de la Castellana,278−280,E−28046 Madrid,Spain
【Fターム(参考)】