説明

高温粒流体の冷却搬送装置

【課題】高温粒流体の冷却搬送装置において、回転駆動される回転体部により高温の粒流体を冷却搬送するに当たり、高温粒流体を異物等の混入による砂密の発生を防止し、また高温粒流体を冷却効果を上げて搬送可能とした高温粒流体の冷却搬送装置を提供する。
【解決手段】高温粒流体の冷却搬送装置において、回転体部は、駆動装置により回転駆動される円筒体で形成されるとともに内周に螺旋羽根が軸方向の全長に亘って設けられて、前記高温の粒流体を前記螺旋羽根の回転によって軸方向に移動させるように構成され、前記冷却装置は、前記外筒部の内周と前記回転体部の円筒体の外周との間に形成される冷却水室内に冷却水を送水して前記粒流体を冷却するように構成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環流動層炉から排出される灰混じり砂のような高温粒流体の冷却搬送装置に適用され、外筒部の内側に設置された回転体部に高温の粒流体を投入口を通して搬入し、該回転体部の回転により前記粒流体を軸方向に移動させながら冷却装置で冷却して降温させ、前記投入口とは軸方向において反対側に配置された排出口から前記粒流体を搬出するように構成された高温粒流体の冷却搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火力発電設備においては、ボイラとして循環流動層炉が使用されることが多くなっている。かかる循環流動層炉では火炉内の高温の灰混じり砂(以下高温粒流体という)を一定量づつ取り出し、該高温粒流体中の異物を分別除去した後、正規粒流体のみを火炉内に戻す、という作業が連続して行われる。
この種の高温粒流体の冷却搬送装置として、従来、図6に示すようなスクリュー式の冷却搬送装置が使用されている。
【0003】
図6において、回転体部04は外筒部02の内側に設置されており、図示しない駆動装置により回転駆動される該回転体部04に高温の粒流体を投入口9を通して搬入する。該回転体部04は回転駆動されて異物が除去されるとともに、内部に冷却水を通して冷却し、該回転体部04の回転により外周に螺旋状の羽根03が該回転体部04とともに回転し、前記粒流体を軸方向に移動させながら降温する。
かかる冷却により降温された粒流体は、排出口10から外部に排出され、かかる正規の粒流体のみを火炉内に戻される。
【0004】
また特許文献1(特開2005−212905号公報)においては、横向き姿勢で回転する円筒ドラム11の外周面に粒流体冷却ようの水ジャケット13を設け、円筒ドラム11内で高温粒流体を移送させる移送手段14として、円筒ドラム11の内面に多数枚の羽根板15を取り付けて構成するとともに、該羽根板15はそれぞれ粒流体Aを円筒ドラム11で所定高さまで掬い挙げ可能で且つ円筒ドラムの出口部11b側に送り出し可能な状態で取り付けていることにより、円筒ドラム11内での高温粒流体Aの攪拌作用を活発にして、高温粒流体の冷却効率を高めるようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−212905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スクリュー式の冷却搬送装置においては、高温粒流体には、廃材利用が多くなり、本来の燃料以外に砂利石、小金具、針金ワイヤー等の異物が混入し、高温粒流体の冷却搬送装置であるヘッドアッシュクーラにそのまま入り込む場合があり、このためヘッドアッシュクーラ内面の損傷や内部での噛み込み、詰まり等が発生して、かかる損傷部からの水漏れ、駆動装置の過負荷停止等が発生し、故障の原因となる。
【0007】
かかる不具合は、図6に示すようなスクリュー式の冷却搬送装置においては、基本的な構造が外周に螺旋状の羽根03が該回転体部04の回転による冷却搬送であるため、図6(B)のように、羽根03と外筒部02の内周との間に規定以上の砂が押し込められたり、異物によって粒流体の砂の流れが悪くなって砂密03aが発生する。
【0008】
図6(B)のように、かかる砂密03aが発生すると、該砂密03aを回転体部04が乗り越えようとして、図6(B)、(C)のように、該回転体部04にF方向の力が作用し、図6(C)のように回転体部04に曲げ(04aは曲げられたときの図)が発生し、回転体部04が曲げられる。
【0009】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、高温粒流体の冷却搬送装置において、回転駆動される回転体部により高温の粒流体を冷却搬送するに当たり、高温粒流体を異物等の混入による砂密の発生を防止し、また高温粒流体を冷却効果を上げて搬送可能とした高温粒流体の冷却搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はかかる目的を達成するもので、外筒部の内側に設置された回転体部に高温の粒流体を投入口を通して搬入し、該回転体部の回転により前記粒流体を軸方向に移動させながら冷却装置で冷却して降温させ、前記投入口とは軸方向において反対側に配置された排出口から前記粒流体を搬出するように構成された高温粒流体の冷却搬送装置において、
前記回転体部は、駆動装置により回転駆動される円筒体で形成されるとともに内周に螺旋羽根が軸方向の全長に亘って設けられて、前記高温の粒流体を前記螺旋羽根の回転によって軸方向に移動させるように構成され、前記冷却装置は、前記外筒部の内周と前記回転体部の円筒体の外周との間に形成される冷却水室内に冷却水を送水して前記粒流体を冷却するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
かかる発明において、好ましくは、前記回転体部は、回転軸心が水平に配置され、前記螺旋羽根を回転させながら前記粒流体の自然落下を繰り返すように構成される。
【0012】
また、かかる発明において、好ましくは、前記回転体部の内部に、冷却水が循環する筒状体を設置する。
【0013】
また、本発明は、外筒部の内側に設置された回転体部に高温の粒流体を投入口を通して搬入し、該回転体部の回転により前記粒流体を軸方向に移動させながら冷却装置で冷却して降温させ、前記投入口とは軸方向において反対側に配置された排出口から前記粒流体を搬出するように構成された高温粒流体の冷却搬送装置において、
前記回転体部は、駆動装置により回転駆動される円筒体で形成されるとともに、前記回転体部の内周に設置される内周羽根は、該内周羽根を円周方向に所定間隔で複数個設置し且つ各内周羽根を軸方向には一定角度で捩って形成して、この内周羽根群を軸方向に複数段設置し、各内周羽根群の端部を一定長さラップするようにして形成され、前記高温の粒流体は前記内周羽根群の回転によって軸方向に移動されるように構成され、
前記冷却装置は、前記外筒部の内周と前記回転体部の円筒体の外周との間に形成される冷却水室内に冷却水を送水して前記粒流体を冷却するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
かかる発明において、好ましくは、前記回転体部の内部に、内部を冷却水が循環する筒状体を設置し、該筒状体の外周に外周羽根を軸方向には前記排出口側に一定角度で捩って形成して、この外周羽根群を軸方向に複数段設置する。
【0015】
また、かかる発明において、好ましくは、前記回転体部の内部に、内部を冷却水が循環する筒状体を設置し、該筒状体の外周に外周羽根を軸方向には前記投入口側に一定角度で捩って形成して、この外周羽根群を軸方向に複数段設置する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高温粒流体の冷却搬送装置において、前記回転体部は、駆動装置により回転駆動される円筒体で形成されるとともに内周に螺旋羽根が軸方向の全長に亘って設けられて、前記高温の粒流体を前記螺旋羽根の回転によって軸方向に移動させるように構成され、前記冷却装置は、前記外筒部の内周と前記回転体部の円筒体の外周との間に形成される冷却水室内に冷却水を送水して前記粒流体を冷却するように構成されるので、
回転体部の内周に螺旋羽根が軸方向の全長に亘って設けられていることから、高温粒流体は、回転駆動される円筒体の内周を、冷却装置の冷却水で冷却されながら、螺旋羽根によって軸方向に移動する。
【0017】
特許文献1においては、円筒ドラムの内面の一部に多数枚の螺旋羽根を取り付けて構成しているが、かかる断片的な螺旋羽根の設置では高温粒流体の砂が上部から下部へと自然落下が継続しないので、砂密が発生し易い。
これに対して本発明では、前記高温粒流体は、前記螺旋羽根の軸方向の全長に亘っての移動によって、円筒体の回転により砂が上部から下部へと自然落下しながら、投入口側から排出口側に向けて軸方向の全長に亘って異物を除去して乾燥し冷却されるため、砂密の発生が回避され、かかる砂密の発生回避によって円筒体に曲げの発生が回避されて、円筒体部の耐久性が向上する。
【0018】
また、かかる発明において、前記回転体部は、回転軸心が水平に配置され、前記螺旋羽根を回転させながら前記粒流体の自然落下を繰り返すように構成すれば、回転軸心が水平に配置されることにより、円筒体の回転により砂が上部から下部へと自然落下運動が、より促進される。
【0019】
また、かかる発明において、前記回転体部の内部に、冷却水が循環する筒状体を設置すれば、円筒体の回転により粒流体の砂が上部から下部へと自然落下しながら、冷却水が循環する筒状体に接触するため、高温粒流体の冷却効果がさらに向上する。
【0020】
また、本発明は、前記高温粒流体の冷却搬送装置において、回転体部は、駆動装置により回転駆動される円筒体で形成されるとともに、前記回転体部の内周に設置される内周羽根は、該内周羽根を円周方向に所定間隔で複数個設置し且つ各内周羽根を軸方向には一定角度で捩って形成して、この内周羽根群を軸方向に複数段設置し、各内周羽根群の端部を一定長さラップするようにして形成され、前記高温の粒流体は前記内周羽根群の回転によって軸方向に移動されるように構成され、また冷却装置は、外筒部の内周と回転体部の円筒体の外周との間に形成される冷却水室内に冷却水を送水して前記粒流体を冷却するように構成されれば、
内周羽根を円周方向に所定間隔で複数個設置し且つ各内周羽根を軸方向には一定角度で捩って形成して、各内周羽根群の端部を一定長さラップするようにして形成しているので、高温粒流体の内周羽根群ごとの流れを各内周羽根群の端部を一定長さラップすることにより、高温粒流体の流れが連続性を持ち、スムーズに内周羽根群に沿って軸方向に冷却、搬送される。
これにより、前記砂密の発生が回避され、かかる砂密の発生回避によって円筒体に曲げの発生が回避されて、円筒体部の耐久性が向上する。
【0021】
前記の発明において、回転体部の内部に、内部を冷却水が循環する筒状体を設置し、該筒状体の外周に外周羽根を軸方向には前記排出口側に一定角度で捩って形成して、この外周羽根群を軸方向に複数段設置すれば、
円筒体の回転により高温粒流体の砂が上部から下部へと自然落下し、この砂が内周側の筒状体の外周に設けた外周羽根に接触して、排出口側にすべり落ちて流動するので、搬送能力が向上する。
【0022】
また、前記の発明において、回転体部の内部に、内部を冷却水が循環する筒状体を設置し、該筒状体の外周に外周羽根を軸方向には投入口側に一定角度で捩って形成して、この外周羽根群を軸方向に複数段設置すれば、
円筒体の回転により高温粒流体の砂が上部から下部へと自然落下し、この砂が内周側の筒状体の外周に設けた外周羽根に接触して、該外周羽根を軸方向には投入口側に一定角度で捩って形成しているので、高温粒流体の流れが投入口側へと偏向してから、すべり落ちて流動するので、高温粒流体の滞留時間が長くなり、冷却効果が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0024】
図1(A)は本発明の第1実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図、(B)は(A)のA―A断面図である。
【0025】
図1(A)、(B)において、高温粒流体の冷却搬送装置は符号100で示され、円筒状の外筒部1の内側に、冷却水室12を介して設置された円筒状の回転体部2を備えている。該回転体部2の入口部は投入口9が設置され、該投入口9から高温粒流体が搬入される。
前記円筒状の回転体部2は、軸方向に延長され、該回転体部2の内周には、螺旋羽根3が軸方向の全長に亘って、均一のピッチで固着されている。
該螺旋羽根3は、内周の回転空間4に前記投入口9から高温粒流体が導入されている。該高温粒流体は、前記回転空間4内で冷却水室12によって冷却された後、右方の排出口10から搬出される。
【0026】
前記回転体部2の両端部及び外筒部1の両端部は、カバー5,6で塞がれている。駆動装置7は、前記外筒部1の端部に取り付けられ、該回転体部2の端部に固定された歯車8に噛み合って前記回転体部2を回転駆動する。前記回転体部2の回転中心を符号11で示す。
【0027】
かかる高温粒流体の冷却搬送装置100において、外筒部1の内側に設置された回転体部2に高温粒流体を投入口9を通して搬入し、駆動装置7により回転駆動される回転体部2の回転により、前記高温粒流体を回転空間4内にて、軸方向に移動させながら冷却水室12で冷却して降温させる。
そして、前記回転体部2の内周の回転空間4に螺旋羽根3が軸方向の全長に亘って設けられていることから、高温粒流体は、回転体部2の回転により高温粒流体中の砂が上部から下部へと自然落下しながら、投入口9側から排出口10側に向けて軸方向の全長に亘って異物を除去して乾燥する。そして、該高温粒流体は、回転体部2の内周の回転空間4を、冷却水室12の冷却水で冷却されながら、螺旋羽根3によって軸方向に移動せしめられる。
【0028】
従来技術においては円筒ドラムの内面の一部に多数枚の螺旋羽根を取り付けて構成しているが、かかる断片的な螺旋羽根の設置では高温粒流体の砂が上部から下部へと自然落下が継続しないので、前記砂密が発生し易い。
これに対してこの実施例では、前記高温粒流体は、前記螺旋羽根3の軸方向の全長に亘っての移動によって、回転体部2の回転により高温粒流体の砂が上部から下部へと自然落下しながら、投入口9側から排出口10側に向けて、軸方向の全長に亘って異物を除去して乾燥し冷却されるため、砂密の発生が回避され、かかる砂密の発生回避によって回転体部2に曲げの発生が回避されて、回転体部2の耐久性が向上する。
【0029】
また、かかる実施例において、前記回転体部2は、回転軸心11が水平に配置されて、前記螺旋羽根3を回転させながら、前記のような粒流体の自然落下を繰り返すように構成すれば、回転軸心11が水平に配置されることにより、回転体部2の回転により高温粒流体の砂が上部から下部へと移動する自然落下運動が、より促進される。
【0030】
(第2実施例)
図2は本発明の第2実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図である。
この第2実施例においては、前記回転体部2の内部の中心に、冷却水が循環する筒状体16を設置し、該筒状体16内に冷却水室17を形成して冷却水を流すようにする(15は冷却水入口、18は冷却水出口を示す)。
その他の構成は、前記第1実施例(図1)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
このように構成すれば、回転体部2の回転により粒流体の砂が上部から下部へと自然落下しながら、冷却水が循環する筒状体16に接触するため、高温粒流体の冷却効果がさらに向上する。
【0031】
(第3実施例)
図3(A)は本発明の第3実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図、(B)は(A)のB―B断面図である。
この第3実施例においては、前記高温粒流体の冷却搬送装置100において次のように構成する。
回転体部2は、駆動装置7により回転駆動される円筒体で形成されるとともに、前記回転体部2の内周に設置される内周羽根21は、該内周羽根21を図3(B)のように円周方向に所定間隔で複数個設置し、各内周羽根21を軸方向には、前記排出口10の方向に一定角度αで捩って形成して、この内周羽根群21を軸方向に内周羽根群22のように複数段設置し、各内周羽根群21と内周羽根群22との端部を一定長さSラップするようにして形成される。
その他の構成は、前記第1実施例(図1)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0032】
かかる第3実施例によれば、内周羽根21、22を円周方向に所定間隔で複数個設置し且つ各内周羽根21、22を軸方向には一定角度αで捩って形成して、各内周羽根群21と内周羽根群22との端部を一定長さSラップするようにして形成しているので、高温粒流体の内周羽根群ごとの流れを各内周羽根群の端部を一定長さSラップすることにより、高温粒流体の流れが連続性を持ち、スムーズに内周羽根群21、22に沿って軸方向に冷却、搬送される。
これにより、前記砂密の発生が回避され、かかる砂密の発生回避によって回転体部2に曲げの発生が回避されて、回転体部2の耐久性が向上する。
【0033】
(第4実施例)
図4(A)は本発明の第4実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図、(B)は(A)のC―C断面図である。
この第4実施例においては、前記高温粒流体の冷却搬送装置100においては、前記第3実施例に加えて次のように構成する。
前記の第4実施例に加えて、回転体部2の内部中心に、内部34を冷却水が循環する筒状体33を設置し、該筒状体33の外周に外周羽根32を、軸方向には前記排出口10側(図のU方向)に一定角度βで捩って形成して、この外周羽根32群を軸方向に複数段設置する。
その他の構成は、前記第3実施例(図3)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0034】
かかる第4実施例によれば、回転体部2の回転により高温粒流体の砂が上部から下部へと自然落下し、この砂が内周側の筒状体33の外周に設けた外周羽根32に接触して、排出口10側にすべり落ちて流動するので、搬送能力が向上する。
【0035】
(第5実施例)
図5(A)は本発明の第5実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図、(B)は(A)のD―D断面図である。
この第5実施例においては、前記高温粒流体の冷却搬送装置100においては、前記第3実施例に加えて次のように構成する。
前記の第5実施例に加えて、回転体部2の内部中心に、内部34を冷却水が循環する筒状体33を設置し、該筒状体33の外周に外周羽根42を軸方向には投入口9側に一定角度γで捩って形成して、この外周羽根群42を軸方向に複数段設値する。
その他の構成は、前記第3実施例(図3)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0036】
かかる第5実施例によれば、回転体部2の回転により高温粒流体の砂が上部から下部へと自然落下し、この砂が内周側の筒状体33の外周に設けた外周羽根42に接触して、該外周羽根42を軸方向には投入口9側に一定角度γで捩って形成しているので、高温粒流体の流れが投入口9側へと偏向してから、すべり落ちて流動するので、高温粒流体の滞留時間が長くなり、冷却効果が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、高温粒流体の冷却搬送装置において、回転駆動される回転体部により高温の粒流体を冷却搬送するに当たり、高温粒流体を異物等の混入による砂密の発生を防止し、また高温粒流体を冷却効果を上げて搬送可能とした高温粒流体の冷却搬送装置を
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(A)は本発明の第1実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図、(B)は(A)のA―A断面図である。
【図2】本発明の第2実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図である。
【図3】図3(A)は本発明の第3実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図、(B)は(A)のB―B断面図である。
【図4】(A)は本発明の第4実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図、(B)は(A)のC―C断面図である
【図5】(A)は本発明の第5実施例にかかる高温粒流体の冷却搬送装置の軸心線に沿う断面図、(B)は(A)のD―D断面図である。
【図6】(A)従来のスクリュー式の冷却搬送装置の概略図である。(B)は荷重の作用図、(C)は回転体部の曲げ線図である。
【符号の説明】
【0039】
1 外筒部
2 回転体部
3 螺旋羽根
4 回転空間
7 駆動装置
9 投入口
10 排出口
12 冷却水室
16 筒状体
17 冷却水室
21、22 内周羽根
32 外周羽根
33 筒状体
S 一定長さ
α 一定角度
β 一定角度
γ 一定角度
100 高温粒流体の冷却搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒部の内側に設置された回転体部に高温の粒流体を投入口を通して搬入し、該回転体部の回転により前記粒流体を軸方向に移動させながら冷却装置で冷却して降温させ、前記投入口とは軸方向において反対側に配置された排出口から前記粒流体を搬出するように構成された高温粒流体の冷却搬送装置において、
前記回転体部は、駆動装置により回転駆動される円筒体で形成されるとともに内周に螺旋羽根が軸方向の全長に亘って設けられて、前記高温の粒流体を前記螺旋羽根の回転によって軸方向に移動させるように構成され、前記冷却装置は、前記外筒部の内周と前記回転体部の円筒体の外周との間に形成される冷却水室内に冷却水を送水して前記粒流体を冷却するように構成されたことを特徴とする高温粒流体の冷却搬送装置。
【請求項2】
前記回転体部は、回転軸心が水平に配置され、前記螺旋羽根を回転させながら前記粒流体の自然落下を繰り返すように構成されたことを特徴とする請求項1記載の高温粒流体の冷却搬送装置。
【請求項3】
前記回転体部の内部に、冷却水が循環する筒状体を設置したことを特徴とする請求項1記載の高温粒流体の冷却搬送装置。
【請求項4】
外筒部の内側に設置された回転体部に高温の粒流体を投入口を通して搬入し、該回転体部の回転により前記粒流体を軸方向に移動させながら冷却装置で冷却して降温させ、前記投入口とは軸方向において反対側に配置された排出口から前記粒流体を搬出するように構成された高温粒流体の冷却搬送装置において、
前記回転体部は、駆動装置により回転駆動される円筒体で形成されるとともに、前記回転体部の内周に設置される内周羽根は、該内周羽根を円周方向に所定間隔で複数個設置し且つ各内周羽根を軸方向には一定角度で捩って形成して、この内周羽根群を軸方向に複数段設置し、各内周羽根群の端部を一定長さラップするようにして形成され、前記高温の粒流体は前記内周羽根群の回転によって軸方向に移動されるように構成され、
前記冷却装置は、前記外筒部の内周と前記回転体部の円筒体の外周との間に形成される冷却水室内に冷却水を送水して前記粒流体を冷却するように構成されたことを特徴とする高温粒流体の冷却搬送装置。
【請求項5】
前記回転体部の内部に、内部を冷却水が循環する筒状体を設置し、該筒状体の外周に外周羽根を軸方向には前記排出口側に一定角度で捩って形成して、この外周羽根群を軸方向に複数段設置したことを特徴とする請求項4記載の高温粒流体の冷却搬送装置。
【請求項6】
前記回転体部の内部に、内部を冷却水が循環する筒状体を設置し、該筒状体の外周に外周羽根を軸方向には前記投入口側に一定角度で捩って形成して、この外周羽根群を軸方向に複数段設置したことを特徴とする請求項4記載の高温粒流体の冷却搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−137934(P2010−137934A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314213(P2008−314213)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】