説明

高温露出の履歴確認表示物

本発明は製品が適正保存温度以上の高温環境に晒される状態で流通されたり、使用され製品の品質に重大な影響をおよぼす場合、消費者が容易に品質変化の可能性の可否を確認することができるように製品包装材に取り付けできるように考案された高温露出の履歴確認表示物に関する。
本発明の高温露出の履歴確認表示物は有色、または無色の一定の形態を持つ物質12(以下“内部物質”と称する)を“内部物質”と他の色相、または無色の物質11(以下“外部物質”と称する)が立体的に囲んだ形態で構成され、これを再度流出防止のために透明物質13で密封する形態で構成される。したがって、本発明の温度変化の履歴確認表示物が取り付けられる冷凍、または冷蔵製品が保存温度以上の高温環境に長時間晒されれば、まず第1に“外部物質”が解凍されて液状になり、次に“内部物質”と“外部物質”とが自然に混合された後、また保存温度以下の環境に到達しても“内部物質”の初期の形態が壊されて消費者が肉眼で容易に温度変化の履歴を確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品の流通、または使用過程で温度変化の履歴を確認するための、簡単であり、低価格の高温露出の履歴確認表示物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、低温流通技術の発展により、遠距離で生産された様々な製品を消費者が低廉な費用で容易に接することができるようになった。しかし、流通距離が遠くなるほど低温流通製品の適正温度が維持されない可能性が大きくなり、この場合、製品の品質が低下する可能性があるが、再度低温に冷却されると最終消費者は該当製品の品質変化の可能性を認知できないという問題がある。
【0003】
したがって、低温流通製品の流通過程での品質変化を防止するため、生産者及び流通業者は生産段階での作業場の温度追跡、低温流通車両の積み荷の温度追跡、販売先保管倉庫の温度追跡などを通して温度変化を確認する作業をしているが、これは積み荷位置と温度検出センサーの位置によって温度偏差が大きいという問題点により各製品の温度変化が分からず、また各流通段階で積み荷及び荷下ろし作業を進行する際に長時間外部に晒される場合、これに対する温度変化を確認することができないという問題点がある。さらに、このような温度追跡方式は生産者、流通業者のみが温度変化を確認可能であり、最終消費者はこれを確認することができないという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、規定温度以上の高温に長時間晒されると、製品の品質が低下する製品を流通、使用する過程で長時間高温に晒した履歴がある場合、製品の品質低下の可能性を最終消費者が容易に確認できる手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明では、一定形態の“内部物質”を“外部物質”が囲んでいる二重形態を形成し、対象製品の適正温度で冷却した後これを密封する形態に構成された表示物を対象製品の外部に取り付ける。
【0006】
本発明の高温露出の履歴確認表示物が取り付けられた低温流通製品が適正温度以上の環境に長時間晒されると、まず第1に“外部物質”が液状になり、次に“内部物質”が液状になってその2つの物質が自然的に混合された後、再度適正温度以下の環境に戻ることになっても“内部物質”の初期形態が壊される、または“内部物質”と“外部物質”との色相を混合した色相が現れるため、消費者が肉眼で容易に温度変化の履歴を確認できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の高温露出の履歴確認表示物を取り付けた低温流通製品が流通過程、または使用中に長時間高温に晒されて製品の品質が低下する可能性がある場合、最終消費者はこれを容易に判断し、品質低下した製品により発生する被害を事前に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による高温露出の履歴確認表示物の簡略構造図である。
【図2】本発明の表示物を冷凍、または冷蔵製品外部に取り付ける例示図である。
【図3】一定時間以上高温に晒された本発明の表示物が再び冷凍、または冷蔵された際の“内部物質”形態の変形状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照した本発明の実施形態は次の通りである。
【0010】
図1に示すように、“内部物質”12を一定形態を有するモールドに入れて凍結し、“外部物質”11の内部に位置するようにして全体を冷却することで二重凍結物質を構成して、これを透明な合成樹脂などの密封材13に密封し、温度変化履歴識別用ラベルを製作して図2に示すように冷凍、または冷蔵製品の個別包装22の外部の適正位置に取り付ければ本発明が完成する。
【0011】
該当する冷凍、または冷蔵製品が適正保存温度以上の高温環境に一定時間以上晒される図3に示すような場合に、まず第1に“外部物質”11が液状になり、次に“内部物質”12が液状になってその2つの液体が自然に混合され、最初染料を含む“内部物質”12が有する形態が図3のように消えるか、或いは、混合した色相が現れた後、再冷却過程を通して適正保存温度に到達しても“内部物質”12の初期形態には復元されないため、消費者は肉眼で容易に該当製品が保存温度以上の高温に相当時間晒されたことを確認できるので製品の品質変化の可能性に対する判断ができる。
【0012】
通常、商品の積み荷作業及び下車のため、しかたなく適正温度以上の高温状態に短時間晒される過程で本発明の高温露出の履歴確認表示物が変化するのを防止するために“外部物質”11の厚さと組成を調節して高温露出の履歴確認表示物を製作することができるので、短時間の露出では“外部物質”11だけ液状になった後、また復元できるようにして高温露出の履歴確認表示物の変化を防止できる。
【0013】
本発明に適用された凍結物質は通常では一般水が用いられ、保存温度の範囲と高温露出の時間及び温度範囲の条件によりモル凝固点降下の効果を利用した水溶液、またはその他の適用対象温度で液状を維持する物質を適用しても本発明の構成を充足でき、“内部物質”12または“外部物質”11に染料を混ぜる代わりに、その2つの物質が混合されて色を発現する化学的試薬を適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明で提案した二重凍結物質からなる高温露出の履歴確認表示物を低温流通食品に適用する場合、流通過程で一定時間以上適正保存温度以上の高温に晒されると、商品が変質する可能性がある食品の流通を防止できるので、消費者の生産者に対する信頼度を向上でき、消費者は安心して該当食品を購買、摂取できるシステムになる。
【符号の説明】
【0015】
11 “外部物質”
12 “内部物質”
13 密封材
21 高温露出の履歴確認表示物
22 冷凍、または冷蔵製品の個別包装
31 正常状態の表示物
32 短期間高温に晒された表示物
33 長期間高温に晒された表示物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有色、または無色の物質を一定の形態を有するように成形し、“内部物質”を作ってこれを他の色相、または無色である”外部物質”が囲んでいる形態で成形して冷却し、二重構造の凍結物質を作り、対象製品に取り付けて対象製品が適正保存温度以上の環境に長時間晒される場合、“外部物質”と“内部物質”が液状になって自然に混合され、以後再冷却されても二重凍結物質の初期形態に復元されないため、対象製品の流通、使用過程で高温に晒された履歴を確認できることを特徴とする高温露出の履歴確認表示物。
【請求項2】
高温露出の履歴確認表示物が高温に晒されて“内部物質”と“外部物質”が液状になる際に、適用対象製品の汚染を防止するために透明材質で表示物を密封し、対象製品の外部に取り付ける方式からなることを特徴とする請求項1記載の高温露出の履歴確認表示物。
【請求項3】
“内部物質”の形態は球形、円筒形、円錐形、角形、角錐形、文字形、楕円体形とのように様々な形態を有し、数量も1個、または多数の個数で構成され、多数の個数で構成される際に各々の融解温度により個別の色相を適用することができる二重凍結物質からなることを特徴とする請求項1記載の高温露出の履歴確認表示物。
【請求項4】
“内部物質”と“外部物質”には通常純水が用いられ、対象製品の温度範囲と高温露出の許容時間を考慮し、モル凝固点降下の効果を適用する水溶液、または適用対象温度で液状を維持する有機化合物を使用することができ、これを利用した二重凍結物質からなることを特徴とする請求項1記載の高温露出の履歴確認表示物。
【請求項5】
高温露出の履歴確認表示物を構成する“内部物質”は液状の“外部物質”に溶解される物質に構成され、本発明高温露出の履歴確認表示物が高温に晒される時間によって“外部物質”に“内部物質”が拡散する程度が異なり、短時間の高温露出の後に再冷却された場合、高温に晒された時間を推定できるように構成されることを特徴とする請求項1記載の高温露出の履歴確認表示物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−528813(P2011−528813A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519977(P2011−519977)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003704
【国際公開番号】WO2010/011037
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(510203441)ナノフォーカス インコーポレイテッド (3)
【出願人】(311008243)
【出願人】(311008254)
【Fターム(参考)】