説明

高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプ並びに塗布物の製造方法

【課題】連続的に搬送される基材上に塗工液を均一に塗工する塗工装置へ、高粘度材料の塗工液を撹拌しながら脈動無く供給することのできる高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプを提供する。
【解決手段】ピストンの往復運動で塗工液を吸入、吐出する手段を有し、中央にピストンを有するポンプ室2と、ポンプ室2の吸入側方向に塗工液を吸入する吸入弁座5と吸入弁ボール7と吸入弁ボール止め9を有する吸入液室3と、さらにポンプ室2の吐出側方向に塗工液を吐出する吐出弁座6と吐出弁ボール8と吐出弁ボール止め10を有する吐出液室4を具備し、且つ、ポンプ室2内部に塗工液を撹拌する手段が具備されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に搬送される基材上に塗工液を均一に塗工する塗工装置へ、塗工液を供給する塗工液供給ポンプに関する。特に、高粘度材料の塗工液を撹拌しながら脈動無く供給する高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
連続的に搬送される基材上に塗工液を塗工する方法として、大別すると、塗工液を基材上に塗工し、塗工された基材上をロールやドクターを使って余分な塗工液を掻き落とす後計量方式と、予め計量しておいた塗工液を基材上に塗工する前計量方式に分けられている。
【0003】
前記、後計量方式の塗工方法として、ブレード塗工方式、ロッド塗工方式あるいはスプレーコーティング方式等がある。また、前計量方式の塗工方式として、ダイコーティング方式、スライドコーティング方式さらにカーテンコーティング方式等がある。
【0004】
また、基材上に均一の塗工膜を形成することによって製造される製品として、電子部材に用いられるものや、光学フィルム等に用いられるものが近年多くなっている。このため、微少な点欠陥、スジ、ムラ等の塗工欠陥に対する品質要求が高まっている。このようなことにより、塗工液の循環や空気暴露がほとんど無く、クローズド化が容易な前計量方式の塗工方法が注目されている。特に、ダイコーティング方式は高粘度材料から低粘度材料まで広範囲の材料の塗工が可能であり、塗工液中にフィラーやマイクロカプセル等の微小粒子が入った材料であっても均一な塗工が可能なことから多くの分野において採用されている。
【0005】
さらに、ダイコーティング方式は、予め塗工液を計量し、送液するための塗工液供給ポンプが必要であり、その送液精度が塗工膜厚の均一性に大きく影響されるため、塗工液供給ポンプの高い定量送液性が求められている。
【0006】
前記、定量送液性の高い塗工液供給ポンプとして、例えば、容積回転式ポンプであるギヤーポンプやスネークポンプ、容積往復運動式ポンプであるダイヤフラムポンプやプランジャーポンプ等がある。
【0007】
容積回転式ポンプは逆止弁を必要とせず、且つ、自吸能力が高い等のメリットがある反面、ポンプ内に摺動部があるために、フィラーやマイクロカプセル等の微粒子分散系の材料を送液する場合に、塗工液にダメージを与えたり、あるいは塗工液供給ポンプを損傷したりといった問題がある。
【0008】
ただ、最近ではフィラーやマイクロカプセルによって高機能性を持たせたフィルムが増加してきている。このため、内部に摺動部を持たない図1に示すような容積往復運動式ポンプの要望がより一層高まっている。
【0009】
図1に示す容積往復運動式ポンプ15の動作および原理は、通常、ポンプ室2の容積がピストン1の往復運動によって変化し、塗工液が吸入・吐出される。ポンプ室2の容積が増大する際には、ポンプ室2内部の圧力低下によって、吐出弁ボール8が吐出弁座6に着座する。一方、吸入弁ボール7は吸入弁座5から離脱する。このことで吐出側の塗工液が逆流せず、吸入側の塗工液がポンプ室2内部に吸入される(吸入工程)。また、ポンプ室
2の容積が減少する際には、ポンプ室2内部の圧力上昇によって、吸入弁ボール7は吸入弁座5に着座する。一方、吐出弁ボール8は吐出弁座6から離脱する。このことでポンプ室2内部の塗工液が逆流せず、塗工液が吐出側に吐出される(吐出工程)。このように容積往復運動式ポンプは吸入工程と吐出工程を繰り返すことにより、所望量の塗工液を供給することができる。
【0010】
一方で、上記容積往復運動式ポンプにおける短所として、吐出工程中では非常に安定した一定流量を制御することができるが、必ず吸入工程が存在する。このため、どんなに吸入工程を急いだとしても一定時間吐出しない時間が存在する。この対策として、容積往復運動式ポンプを二つ並列に配置している。そして一方の容積往復運動式ポンプが吐出工程にある場合には他方の容積往復運動式ポンプは吸入工程になるように180°の位相差をもって動作させることにより、間欠の無い一定した吐出を実現する方法が取られている。
【0011】
しかし、二つの容積往復運動式ポンプを用いて吸入工程と吐出工程を切りかえる際に、弁ボールが所望のタイミングで弁座に着座しないことがあり、逆流が発生する問題がある。この場合に、二つの容積往復運動式ポンプの吐出切り替えタイミングで吐出流量の減少が生じ定量性を欠く問題がある。特に高粘度材料を送液する場合には弁ボールに対する塗工液の粘性抵抗が大きいためにその現象が顕著になってくる。このような問題を解決するために、弁ボールを弁座に強制的に着座させるためのスプリングを設けた粘着性液体用逆止弁も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平05−263764号公報
【特許文献2】特開2000−356274号公報
【特許文献3】特開2006−70719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献2の粘着性液体用逆止弁は、スプリングによって強制的に弁ボールを弁座に押し付けることによって、弁を開放状態にするための抵抗が生じ、吸入工程時にキャビテーション現象が発生し、ポンプ能力が低下する問題があるため、高粘度塗工液用ポンプヘッドとしては最適でない。
【0014】
さらに、ポンプ始動時に、ポンプ室内を塗工液で充満させなければならないために、一度他のポンプを使って呼び液を注入する必要があるなど、作業が非常に煩雑であるという問題がある。
【0015】
また、スプリングによって弁ボールが弁座に押し付けられるために、弁ボールや弁座が局所的に磨耗するという問題がある。
【0016】
特許文献1に記載のダイヤフラムポンプは高粘度材料を吸入・吐出する際のエネルギー消費が非常に大きく、さらに脈動するという問題がある。
【0017】
通常の容積往復運動式ポンプは、上記問題点の他、高粘度材料をポンプ内で撹拌しながら供給することができないため、高粘度塗工液によっては沈降したり分離したりするといった問題が生じる。
【0018】
特許文献3に記載の、吸入弁座および吐出弁座に振動する手段を設ける方法は、高粘度塗工液を脈動無く供給することができる。しかし弁座と弁ボールが接触した際に、振動に
より弁座および弁ボールが磨耗するといった問題がある。
【0019】
また、吸入弁座および吐出弁座の振動だけでは高粘度塗工液を十分に撹拌できないという問題もある。
【0020】
本発明は上記した従来の問題点を鑑みてなされたものであり、連続的に搬送される基材上に塗工液を均一に塗工する塗工装置へ、高粘度材料の塗工液を撹拌しながら脈動無く供給することのできる高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は上記の課題を解決することが目的である。まず発明の請求項1に係る発明は、連続的に搬送する基材に塗工液を塗工する塗工装置へ塗工液を供給するポンプヘッドであって、
ピストンの往復運動で塗工液を吸入、吐出する手段を有し、
中央にピストンを有するポンプ室と、ポンプ室の吸入側方向に塗工液を吸入する吸入弁座と吸入弁ボールと吸入弁ボール止めを有する吸入液室と、
さらにポンプ室の吐出側方向に塗工液を吐出する吐出弁座と吐出弁ボールと吐出弁ボール止めを有する吐出液室を具備し、
且つ、ポンプ室内部に塗工液を撹拌する手段が具備されていることを特徴とする高粘度塗工液用ポンプヘッドである。
【0022】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、
前記撹拌する手段が、先端に撹拌翼を備えた撹拌軸からなる装置であることを特徴とする請求項1に記載の高粘度塗工液用ポンプヘッド。
【0023】
また、本発明の請求項3に係る発明は、
前記撹拌する手段として、プロペラ翼、パドル翼、タービン翼、アンカー翼とから選択される、少なくとも一の撹拌翼を備えることを特徴とする請求項2に記載の高粘度塗工液用ポンプヘッド。
【0024】
次に、本発明の請求項4に係る発明は、
前記撹拌する手段としての撹拌翼の材質が、ステンレスまたはフッ素樹脂であることを特徴とする請求項2または3に記載の高粘度塗工液用ポンプヘッド。
【0025】
また、本発明の請求項5に係る発明は、
請求項1〜4いずれか1項に記載の高粘度塗工液用ポンプヘッドを備えた高粘度塗工液用ポンプを用いて、連続的に搬送される基材上に塗工液を均一に塗工する塗工装置へ塗工液を撹拌しながら供給し、前計量方式による塗工での塗布物の製造方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプは、弁の開閉時に抵抗が生じることはないので、塗工液供給過程でキャビテーション現象を起こすことがない。
【0027】
また、塗工液供給始動時の呼び液を使用する必要がない。
【0028】
さらに、弁ボールが弁座に押し付けられることや、弁ボールが振動している弁座に接触することもないので、弁ボールや弁座の局所的な磨耗や損傷が生じない。
【0029】
撹拌翼を具備していることで、高粘度塗工液を常に撹拌しながら塗工装置へ供給することができ、塗工液の沈降や分離を防止できる。
【0030】
また、高粘度材料の塗工液を吸入・吐出する際のエネルギー消費もダイヤフラムポンプほど大きくなく、塗工装置へ脈動なく供給することができる。
【0031】
撹拌翼の形状をプロペラ翼、パドル翼、タービン翼、アンカー翼とから選択することにより、撹拌する塗工液の粘度に適した撹拌翼を用いることができる。
【0032】
例えば、300mPa・s程度の塗工液の場合はプロペラ翼を、10000mPa・s程度の塗工液の場合はタービン翼を用いるというように、最適な形状および撹拌翼の枚数を選択できる。
【0033】
撹拌翼の材質は、防錆や強度、耐磨耗といった耐久性を考慮してステンレスを用いることが多いが、フッ素樹脂を用いることで、塗工後の洗浄作業を易しくすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来の容積往復運動式ポンプの概略を示す断面図である。
【図2】本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドが形成されている構成の一実施例の概略を示す断面図である。
【図3】本発明の高粘度塗工液用ポンプが形成されている構成の一実施例の概略を示す断面図である。
【図4】本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドが使用される一実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプを実施の形態に沿って以下に図面を参照しながら詳細に説明する。図2は本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドが形成されている構成の一実施例の概略を示す断面図である。また、図4は本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプが使用される一実施例を示す概略図である。
【0036】
図4に示すように本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッド14および高粘度塗工液用ポンプは配管パイプを介して塗工液タンク19に連設され、さらに配管パイプを介してダイコーター16に連設されている。また、塗工液タンク19に貯液されている塗工液は巻出し部20から繰り出されて、連続的に搬送している基材17上にダイコーター16で均一な厚さに塗工される。そして、乾燥硬化装置21を通り、巻取り部22で所望の機能を付加したフィルムとして巻き取られる。また、本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプは上記ダイコーターに限らず、前計量を必要とするスライドコーティング方式、カーテンコーティング方式等の前計量塗工方式であればいずれの方式にも用いることができる。
【0037】
本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッド14は、図2に示すように、中央にピストン1を有するポンプ室2と、ポンプ室2の吸入側方向にピストン1の往復運動によって塗工液を吸入する吸入液室3と、ポンプ室2の吐出側方向に塗工液を吐出する吐出液室4で形成されている。
【0038】
また、吸入液室3に塗工液を吸入・停止する吸入弁座5が塗工液吸入側方向に形成され、吸入液室3内に吸入弁座5を開封・密封する吸入弁ボール7が設けられている。ポンプ
室2方向には、吸入弁ボール7を止める吸入弁ボール止9が形成されている。
【0039】
さらに、塗工液を吐出する吐出液室4はポンプ室2方向に吐出弁座6が形成され、吐出液室4内に吐出弁座6を開封・密封する吐出弁ボール8が設けられている。塗工液が吐出される方向には、吐出弁ボール8を止める吐出弁ボール止10が形成されている。
【0040】
前記ポンプ14の動作および原理は、ポンプ室2の容積がピストン1の往復運動によって変化し、塗工液が吸入・吐出される。ポンプ室2の容積が増大する際には、ポンプ室2内部の圧力低下によって、吐出弁ボール8が吐出弁座6に着座する。一方、吸入弁ボール7は吸入弁座5から離脱する。このことで吐出側の塗工液が逆流せず、吸入側の塗工液がポンプ室2内部に吸入される(吸入工程)。また、ポンプ室2の容積が減少する際には、ポンプ室2内部の圧力上昇によって、吸入弁ボール7は吸入弁座5に着座する。一方、吐出弁ボール8は吐出弁座6から離脱する。このことでポンプ室2内部の塗工液が逆流せず、塗工液が吐出側に吐出される(吐出工程)。このように容積往復運動式ポンプは吸入工程と吐出工程を繰り返すことにより、所望量の塗工液を供給することができる。
【0041】
前記ポンプ室2内部には、先端に撹拌翼11を備えた撹拌軸12が少なくとも一つ、駆動装置13によって回転するように取り付けられている。撹拌軸12の取り付けられる位置は、撹拌翼11および撹拌軸12が、往復運動するピストン1に接触しない範囲であればどこでもよい。
【0042】
上記撹拌翼11は、プロペラ翼、パドル翼、タービン翼、アンカー翼とから選択される、少なくとも一の形状であればよいが、これら以外の形状でもよい。また撹拌翼11の枚数は、2枚以上であって、撹拌する塗工液に適した枚数であれば何枚でもよい。
【0043】
さらに、撹拌翼11および撹拌軸12の材質は、ステンレスあるいはフッ素樹脂が望ましいが、これら以外の材質であってもよい。
【0044】
前記ポンプヘッド14での塗工液の吸入工程では、塗工液は必ずポンプ室2内を通るため、回転している撹拌翼11部分も必ず通る。また、粒子が分散されているような高粘度材料からなる塗工液の多くは、せん断力がかかると粘度が変化する非ニュートン流体である。特に力を加えると内部構造が破壊し、軟化して流動性が増す、いわゆるチキソトロピー性を示すものが多いことから、回転する撹拌翼11によって与えられたせん断力により、粘度が低下する。
【0045】
また、吐出工程に入った際には、ポンプ室2内の圧力の上昇に伴って吸入弁ボール7が吸入弁座5に瞬間的に着座することが理想的には望ましい。しかし、粘度が高い場合には粘性抵抗により着座の遅れを引き起こすことがある。このため、塗工液の粘性抵抗を低くすることが必要である。本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドでは、塗工液を撹拌することによってその粘性抵抗を小さくすることが出来、高粘度材料の塗工液であっても瞬間的に吸入弁ボール7を吸入弁座5に着座させることで逆流を防ぐことが可能になる。また、吸入工程に入った際も同様に、撹拌効果によって吐出弁ボール8が粘性抵抗による着座の遅れを起こすことがなく、逆流が生じない。
【0046】
本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドに使用される塗工液は、例えば、100mPa・s〜10000mPa・sの粘度であることが好ましい。粘度が100mPa・sに満たない塗工液の場合、撹拌する必要性が乏しく、10000mPa・sを大幅に超える塗工液の場合は、十分な撹拌効果が得られない可能性が高いが、特に限定はしない。
【0047】
また、前記撹拌軸の回転数は100〜500rpmが望ましい。100rpm未満の回
転数では、高粘度の塗工液に対して十分な撹拌効果が得られない。一方、500rpmを大きく上回る回転数では、前記ポンプ室2内で塗工液の渦が生じ、吸入・吐出工程でのピストンの往復運動を妨げる原因となる場合がある。しかし、前記撹拌軸の回転数は特に限定はしない。
【0048】
高粘度塗工液用ポンプは、図3に示すように二つの高粘度塗工液用ポンプヘッドを、互いに180°の位相差をもって設けられている。
【0049】
図3のように二つの高粘度塗工液用ポンプヘッド14を設けた構成にすることによって、一方の高粘度塗工液用ポンプヘッド14が吸入工程(A)にある際に、他方の高粘度塗工液用ポンプヘッド14が吐出工程(B)となるよう設けることにより、連続的に一定流量の塗工液を吐出することができる高粘度塗工液用ポンプとして使用できる。
【0050】
さらに、ポンプ内部で塗工液を撹拌することにより、吸入工程と吐出工程の切り替わりの際に逆流が生じないために、ほぼ完全に一定流量の塗工液を無脈動で塗工装置に供給することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の高粘度塗工液用ポンプヘッドおよび高粘度塗工液用ポンプは、塗工装置に使用できることはもとより、高粘度素材、例えば接着剤等を製造する機械あるいはペースト状の食品を製造・加工する機械等、広い分野に利用できる発明である。
【符号の説明】
【0052】
1…ピストン
2…ポンプ室
3…吸入液室
4…吐出液室
5…吸入弁座
6…吐出弁座
7…吸入弁ボール
8…吐出弁ボール
9…吸入弁ボール止
10…吐出弁ボール止
11…撹拌翼
12…撹拌軸
13…駆動装置
14…高粘度塗工液用ポンプヘッド
15…従来の容積往復運動式ポンプヘッド
16…ダイコーター
17…基材
19…塗工液タンク
20…巻出し部
21…乾燥硬化装置
22…巻取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に搬送する基材に塗工液を塗工する塗工装置へ塗工液を供給するポンプヘッドであって、
ピストンの往復運動で塗工液を吸入、吐出する手段を有し、
中央にピストンを有するポンプ室と、ポンプ室の吸入側方向に塗工液を吸入する吸入弁座と吸入弁ボールと吸入弁ボール止めを有する吸入液室と、
さらにポンプ室の吐出側方向に塗工液を吐出する吐出弁座と吐出弁ボールと吐出弁ボール止めを有する吐出液室を具備し、
且つ、ポンプ室内部に塗工液を撹拌する手段が具備されていることを特徴とする高粘度塗工液用ポンプヘッド。
【請求項2】
前記撹拌する手段が、先端に撹拌翼を備えた撹拌軸からなる装置であることを特徴とする請求項1に記載の高粘度塗工液用ポンプヘッド。
【請求項3】
前記撹拌する手段として、プロペラ翼、パドル翼、タービン翼、アンカー翼とから選択される、少なくとも一の撹拌翼を備えることを特徴とする請求項2に記載の高粘度塗工液用ポンプヘッド。
【請求項4】
前記撹拌する手段としての撹拌翼の材質が、ステンレスまたはフッ素樹脂であることを特徴とする請求項2または3に記載の高粘度塗工液用ポンプヘッド。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載の前記高粘度塗工液用ポンプヘッドを備えた高粘度塗工液用ポンプを用いて、連続的に搬送される基材上に塗工液を均一に塗工する塗工装置へ塗工液を撹拌しながら供給し、前計量方式による塗工での塗布物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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