説明

高耐久タッチパネル

【課題】 プラスチックフィルムを基材としたパネル板を使用したタッチパネルに関し、その額縁近傍のペン入力耐久性を向上させることを課題とする。

【解決手段】 導電性薄膜を有する上下一対のパネル板P1,P2を、導電性薄膜4a,4b同士が対向するようにスペーサ8を介して対向配置してなり、ペン入力側の上部パネル板P1がプラスチックフィルムを基材1(6)とし、下部パネル板P2がガラスを基材11としたタッチパネルにおいて、両パネル板P1,P2の導電性薄膜間4a,4bの距離dを20〜100μmに設定して、パネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が3.9°以下となるようにしたタッチパネル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性薄膜を有する上下一対のパネル板を、導電性薄膜同士が対向するようにスペーサを介して対向配置してなり、両パネル板のうち、少なくともペン入力側の上部パネル板がプラスチックフィルムを基材としたタッチパネルと、これを用いた画像表示装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、可視光線領域で透明であり、かつ導電性を有する薄膜は、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの新しいディスプレイ方式やタッチパネルなどの透明電極や、透明物品の帯電防止や電磁波遮断などのために用いられている。

従来、このような透明導電性薄膜として、ガラス上に酸化インジウム薄膜を形成した、いわゆる導電性ガラスがよく知られているが、基材がガラスであるために可撓性、加工性に劣り、用途によっては使用できない場合がある。
【0003】
このため、近年では、可撓性、加工性に加えて、耐衝撃性にすぐれ、軽量であるなどの利点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムをはじめとする各種のプラスチックフィルムを基材とした透明導電性薄膜が使用されている。しかるに、プラスチックフィルムを基材とした透明導電性薄膜は、薄膜表面の光線反射率が大きいため、透明性に劣る問題があるほか、導電性薄膜の耐擦傷性や耐屈曲性などの耐久特性に劣り、使用中に傷がついて電気抵抗が増大したり、断線を生じる問題があった。
【0004】
とくに、導電性薄膜を有する上下一対のパネル板を、導電性薄膜同士が対向するようにスペーサを介して対向配置してなるタッチパネルにおいては、上部パネル板側からのペン入力で導電性薄膜同士が強く接触する構成のため、これに抗しうる良好な耐久性、つまりペン入力耐久性を有していることが望まれる。

しかし、両パネル板のうち、少なくともペン入力側の上部パネル板にプラスチックフィルムを基材としたものを使用すると、導電性薄膜の耐屈曲性などの不足により、ペン入力耐久性に劣り、タッチパネルとしての寿命が短くなる問題があった。
【0005】
この問題に対し、本出願人は、厚さが2〜120μmのプラスチックフィルム基材の一方の面に導電性薄膜を形成し、他方の面に粘着剤層を介して別のプラスチックフィルム基材を貼り合わせた透明導電性積層体を提案している(特許文献1参照)。この透明導電性積層体は、耐屈曲性などの耐久特性にすぐれており、これをタッチパネルの少なくともペン入力側の上部パネル板に使用することにより、ペン入力耐久性の改善をはかれ、タッチパネルの寿命をのばすことができる。
【0006】
ところで、近年、タッチパネルの設計において、狭額縁化が進み、パネル板端部に設けられる電極近傍のペン入力耐久性が強く望まれている。またタッチパネルの設計として、ペン入力側の上部パネル板だけでなく、これに対向する下部パネル板もプラスチックフィルム基材で構成して、この下部パネル板を液晶セルなどの表示装置のガラス板上に貼り付けるようにしたタッチパネルも使用されるようになっている。
【0007】
このような状況下、前記提案の透明導電性積層体では、パネル板端部に設けられる電極近傍のペン入力耐久性までは十分に対応できなかった。下部パネル板もプラスチックフィルム基材で構成するタイプのタッチパネルでは、パネル板端部に設けられる電極近傍のペン入力耐久性にとくに劣っていた。
【特許文献1】特開2002−326301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、プラスチックフィルムを基材としたパネル板を使用したタッチパネルに関し、パネル板端部に設けられる電極近傍のペン入力耐久性として、端押しペン入力耐久性を向上させることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、プラスチックフィルムを基材としたパネル板を使用したタッチパネルにおいて、上下部パネル板のギャップを小さくして、導電性薄膜間の距離をニュートンリングが発生しない特定範囲に設定して、パネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が一定値以下となるようにすると、端押し入力ぺン耐久性を向上できることがわかった。

また、下部パネル板にもプラスチックフィルム基材を使用するタッチパネルでは、上記ギャップを小さくすることに加えて、下部パネル板を表示装置のガラス板に貼り付ける粘着剤層の厚さを小さくして、接着力に支障をきたさない特定範囲に設定することにより、パネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が一定値以下となるようにすると、端押し入力ぺン耐久性を向上できることがわかった。

さらに、上記手段に加えて、ペン入力側の上部パネル板として、厚さが2〜120μmのプラスチックフィルム基材の一方の面に導電性薄膜を形成し、他方の面に粘着剤層を介して別のプラスチックフィルム基材を貼り合わせた透明導電牲積層体を使用することで、端押し入力ぺン耐久性をより一段と向上できることがわかった。
【0010】
本発明は、以上の知見をもとにして、完成されたものである。
すなわち、本発明は、導電性薄膜を有する上下一対のパネル板を、導電性薄膜同士が対向するようにスペーサを介して対向配置してなり、ペン入力側の上部パネル板がプラスチックフィルムを基材とし、下部パネル板がガラスを基材としたタッチパネルにおいて、両パネル板の導電性薄膜間の距離を20〜100μmに設定して、パネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が3.9°以下となるようにしたことを特徴とするタッチパネルに係るものである。

また、本発明は、導電性薄膜を有する上下一対のパネル板を、導電性薄膜同士が対向するようにスペーサを介して対向配置してなり、ペン入力側の上部パネル板および下部パネル板が、いずれもプラスチックフィルムを基材とし、下部パネル板を粘着剤層を介して表示装置のガラス板に貼り付けるタッチパネルにおいて、両パネル板の導電性薄膜間の距離を20〜100μmに設定するとともに、上記表示装置に貼り付けるための粘着剤層の厚さを2〜30μmに設定して、パネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が3.9°以下となるようにしたことを特徴とするタッチパネルに係るものである。

さらに、本発明は、上記の両タッチパネルにおいて、上部パネル板として、厚さが2〜120μmのプラスチックフィルムからなる基材の一方の面に導電性薄膜が形成され、他方の面に粘着剤層を介して別のプラスチックフィルムからなる基材が貼り合わされた透明導電性積層体を使用した上記各構成のタッチパネルに係るものである。

また、本発明は、画像表示装置の視覚面側に、上記各構成のタッチパネルを有することを特徴とする画像表示装置を提供できるものである。
【発明の効果】
【0011】
このように、本発明は、プラスチックフィルムを基材としたパネル板を用いたタッチパネルにおいて、上下部パネル板のギャップを小さくして、導電性薄膜間の距離を特定範囲に設定し、また下部パネル板にもプラスチックフィルムからなる基材を用いたタッチパネルでは、上記ギャップを小さくするとともに、下部パネル板を表示装置のガラス板に貼り付ける粘着剤層の厚さを特定範囲に設定して、パネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が一定値以下となるようにしたことにより、狭額縁の要求に答えうる、改善された端押し入力ぺン耐久性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参考にして、説明する。
図1は、ペン入力側の上部パネル板がプラスチックフィルムを基材とし、下部パネル板がガラスを基材としたタッチパネルの例を示したものである。

図1において、P1はプラスチックフィルムを基材としたペン入力側の上部パネル板であり、P2はガラスを基材とした下部パネル板である。
【0013】
上部パネル板P1は、プラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材1の一方の面に、透明な第1の誘電体薄膜2および透明な第2の誘電体薄膜3を介して、透明な導電性薄膜4(4a)が形成されており、他方の面に、透明な粘着剤層5を介して、別のプラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材6が貼り合わされ、このフィルム基材6のペン入力側の最表面にハードコート処理層7が形成されている。

下部パネル板P2は、ガラス板からなる透明な基材11の片面に透明な導電性薄膜4bが形成されている。この下部パネル板P2と上部パネル板P1が、導電性薄膜同士4a,4bが対向するようにスペーサ8を介して対向配置されている。
【0014】
このように構成されるタッチパネルにおいて、上部パネル板P1と下部パネル板P2とのギャップを小さくし、導電性薄膜4a,4b間の距離dを20〜100μm、とくに好ましくは30〜70μmに設定し、これによりパネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が3.9°以下となるようにする。

こうすることにより、端押し入力ぺン耐久性が改善され、タッチパネルの狭額縁化に容易に対応できる。導電性薄膜4a,4b間の距離dが20μm未満では、タッチパネルの評価のひとつであるニュートンリングが発生しやすい。
【0015】
図2は、ペン入力側の上部パネル板および下部パネル板が、いずれもプラスチックフィルムを基材とし、下部パネル板を粘着剤層を介して表示装置のガラス板に貼り付ける構成としたタッチパネルの例を示したものである。

上部パネル板P1は、図1と同じであり、プラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材1の一方の面に、透明な第1の誘電体薄膜2および透明な第2の誘電体薄膜3を介して、透明な導電性薄膜4(4a)が形成され、他方の面に、透明な粘着剤層5を介して別のプラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材6が貼り合わされ、このフィルム基材6のペン入力側の最表面にハードコート処理層7が形成されている。

下部パネル板P3は、プラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材12の片面に透明な導電性薄膜4cが形成されている。この下部パネル板P3と上部パネル板P1が、導電性薄膜同士4a,4cが対向するようにスペーサ8を介して対向配置されており、さらに、この下部パネル板P3が、透明な粘着剤層13を介して、液晶セルなどの表示装置のガラス板14上に貼り付けられている。
【0016】
このように構成されるタッチパネルにおいて、上部パネル板P1と下部パネル板P3とのギャップを小さくして、導電性薄膜4a,4c間の距離dを20〜100μm、とくに好ましくは30〜70μmに設定し、さらにガラス板14上に貼り付けるための粘着剤層13の厚さtを2〜30μm、とくに好ましくは2〜20μmに設定し、これによりパネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が3.9°以下となるようにする。

こうすることにより、端押し入力ぺン耐久性が改善され、タッチパネルの狭額縁化に容易に対応できる。導電性薄膜4a,4c間の距離dが20μm未満では、タッチパネルの評価のひとつであるニュートンリングが発生しやすく、また粘着剤層13の厚さtが2μm未満となると、ガラス板14への貼り付け性を十分に確保しにくい。
【0017】
図1および図2において、上部パネル板P1は、図2に示す下部パネル板P3と同様の構成、すなわち、プラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材の片面に透明な導電性薄膜を形成しただけの構成としてもよいが、端押し入力ぺン耐久性をより良く改善するために、図示されるような構成とするのが望ましい。
【0018】
図示される構成において、透明なフィルム基材1の材質は、とくに限定はなく、たとえば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂などからなるプラスチックフィルムが用いられる。これらの中でも,ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂からなるプラスチックフィルムが望ましい。
【0019】
このようなプラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材1の厚さは、2〜120μmの範囲にあることが必要で、とくに好適には6〜100μmの範囲にあるのがよい。2μm未満では、フィルム基材としての機械的強度が不足し、この基材をロール状にして誘電体薄膜や導電性薄膜さらには粘着剤層を連続的に形成する操作が難しくなる。また、120μmを超えると、後述する粘着剤層5のクッション効果に基づく導電性薄膜4の耐擦傷性や耐屈曲性などの耐久特性の向上をはかりにくい。
【0020】
このようなプラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材1は、表面にあらかじめスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施して、この上に設けられる誘電体薄膜の上記基材に対する密着性を向上させるようにしてもよい。また、誘電体薄膜を設ける前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などにより除塵、清浄化を行ってもよい。
【0021】
このような透明なフィルム基材1の一方の面に、導電性薄膜4(4a)を形成するが、その下地として、透明な第1の誘電体薄膜2および透明な第2の誘電体薄膜3を、この順に積層する。これらの誘電体薄膜2,3は、場合により省いてもよいが、これらを設けることで、端押し入力ぺン耐久性をより改善することができる。
【0022】
第1および第2の誘電体薄膜の材料には、NaF、Na3 A1F6 、LiF、MgF2 、CaF2 、BaF2 、SiO2 、LaF3 、CeF3 、A12 3 などの無機物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサン系ポリマーなどの有機物、これらの無機物と有機物の混合物が挙げられる。

これらの材料の中でも、第1の誘電体薄膜の材料には、有機物か、または有機物と無機物との混合物が望ましく、とくに、メラミン樹脂とアルキド樹脂と有機シラン縮合物の混合物からなる熱硬化型樹脂が好ましく用いられる。また、第2の誘電体薄膜の材料には、無機物か、または有機物と無機物との混合物が望ましく、とくに、SiO2 、MgF2 、A12 3 などが好ましく用いられる。
【0023】
第1および第2の誘電体薄膜は、上記材料を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、塗工法などにより形成できる。

第1の誘電体薄膜は、厚さが100〜250nm以上、好ましくは130〜200nmであるのがよい。また、第2の誘電体薄膜は、厚さが15〜100nm以上、好ましくは20〜60nmであるのがよい。
【0024】
このような第1の誘電体薄膜2および第2の誘電体薄膜3を下地として、この上に透明な導電性薄膜4(4a)を設ける。

この導電性薄膜は、前記した下地薄膜の場合と同様の方法により、形成できる。用いる薄膜材料もとくに制限されるものではなく、たとえば、酸化スズを含有する酸化インジウム、アンチモンを含有する酸化スズなどが好ましく用いられる。

導電性薄膜は、厚さが通常10nm以上、好適には10〜300nmであるのがよい。厚さが10nmより薄いと、表面電気抵抗が103 Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となりにくく、厚すぎると、透明性の低下などをきたしやすい。
【0025】
このように下地薄膜を介して透明な導電性薄膜4(4a)を形成した透明なフィルム基材1の他方の面には、透明な粘着剤層5を介して、別のプラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材6が貼り合わされる。

この貼り合わせは、フィルム基材6の方に粘着剤層5を設けておき、これにフィルム基材1を貼り合わせてもよいし、逆にフィルム基材1の方に粘着剤層5を設けておき、これにフィルム基材6を貼り合わせてもよい。フィルム基材1は、フィルム基材6に比べ、通常薄く設計されるため、後者の方法では、粘着剤層5の形成をフィルム基材1をロール状にして連続的に行うことができ、生産性の面でより有利である。
【0026】
粘着剤層5は、透明性を有するものであればよく、たとえば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが用いられる。粘着剤層5は、フィルム基材6の接着後そのクッション効果により、フィルム基材1の一方の面に設けられる導電性薄膜4aの耐擦傷性や耐屈曲性などの特性を向上させる。この機能をより良く発揮させるため、粘着剤層5の弾性係数を1×105 〜1×107 dyn/cm2 の範囲、厚さを1μm以上、通常5〜100μmの範囲に設定するのが望ましい。
【0027】
粘着剤層5の弾性係数が1×105 dyn/cm2 未満となると、粘着剤層は非弾性となるため、加圧により容易に変形してフィルム基材1ひいては導電性薄膜4aに凹凸を生じさせ、また加工切断面からの粘着剤のはみ出しなどが生じやすく、さらに導電性薄膜4aの耐擦傷性や耐屈曲性などの向上効果が低減する。また、1×107 dyn/cm2 を超えると、粘着剤層が硬くなり、そのクッション効果を期待できなくなり、導電性薄膜4aの耐擦傷性や耐屈曲性などの特性を向上できない。

粘着剤層5の厚さが1μm未満では、そのクッション効果を期待できなくなるため、導電性薄膜4aの耐擦傷性や耐屈曲性などの特性を向上させにくい。また、粘着剤層を厚くしすぎると、透明性を損なったり、粘着剤層の形成やフィルム基材6の貼り合わせ作業性さらにはコストの面で好結果が得られにくい。
【0028】
このような粘着剤層5を介して貼り合わされるフィルム基材6は、フィルム基材1に対して、良好な機械的強度を付与し、とくにカールなどの発生防止に寄与するものである。このため、フィルム基材6としては、通常、フィルム基材1よりも厚手である、たとえば6〜300μm程度の厚さのプラスチックフィルムが用いられる。プラスチックフィルムの材質は、前記したフィルム基材1と同様のものが挙げられる。
【0029】
このフィルム基材6のペン入力側の最表面には、ペン入力に対する耐擦傷性などを向上させるため、ハードコート処理層7が形成される。ハードコート処理層7は、たとえば、メラニン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂などの硬化型樹脂からなる硬化被膜が好ましく用いられる。また、このハードコート処理層7とともに、あるいはこのハードコート処理層7に代えて、視認性の向上を目的として、防眩処理層や反射防止層などの他の表面処理層を形成してもよい。
【0030】
図1に示すタッチパネルにおいて、下部パネル板P2は、透明なガラス板からなる基材11の片面に導電性薄膜4bが形成されたもので、上記導電性薄膜4bは、上部パネル板P1における導電性薄膜4aと同様の材料を用いて同様の方法で形成できる。

また、図2に示すタッチパネルにおいて、下部パネル板P3は、プラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材12の片面に導電性薄膜4cが形成されたものであり、上記フィルム基材12には、図1における上部パネル板P1を構成するフィルム基材6と同様
の材質および厚さのものが用いられ、また上記導電性薄膜4cは、上部パネル板P1における導電性薄膜4aと同様の材料を用いて同様の方法で形成できる。

さらに、下部パネル板P3を、透明な粘着剤層13を介して、液晶セルなどの表示装置のガラス板14に貼り付けるが、上記粘着剤層13としては、図1における上部パネル板P1を構成する粘着剤層5と同様の材質のものが用いられる。
【0031】
本発明においては、上記各構成のタッチパネルを画像表示装置の視覚面側に有することを特徴とする画像表示装置を提供できる。例えば、図2に示すタッチパネルにおいて、ガラス板14が画像表示装置の視覚面側を構成し、これに上記タッチパネルが粘着剤層13によって直接貼り合わされた構造の画像表示装置を提供できる。また、図1に示すタッチパネルでは、その下部パネル板P2側を画像表示装置の視覚面側に適宜の手段で装着した構成の画像表示装置を提供できる。

つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。以下において、「部」および「%」とあるのは、それぞれ、「重量部」および「重量%」を意味する。また、光の屈折率は、アッべ屈折率計により測定した値である。
【実施例1】
【0032】
<透明導電性フィルムの作製>
厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)からなるフィルム基材の一方の面に、メラミン樹脂:アルキド樹脂:有機シラン縮合物の重量比2:2:1の混合物からなる熱硬化型樹脂(光の屈折率1.54)を使用して、厚さが150nmの透明な第1の誘電体薄膜を形成した。

つぎに、この第1の誘電体薄膜上に、シリカコート法により、シリカゾル(コルコート社製の「コルコートP」)を固形分濃度が2%となるようにエタノールで希釈して、塗布し、150℃で2分、乾燥、硬化させて、厚さが約30nmのSiO2 薄膜(光の屈折率1.46)からなる透明な第2の誘電体薄膜を形成した。

ついで、この第2の誘電体薄膜上に、アルゴンガス80%と酸素ガス20%とからなる4×10-3 Torrの雰囲気中で、インジウム97%−スズ3%合金を用いた反応性スパッタリング法により、酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化物(光の屈折率2.00)からなる厚さが20nmの透明な導電性薄膜(以下、ITO薄膜という)を形成することにより、透明導電性フィルムを作製した。
【0033】
<ハードコート処理フィルムの作製>
厚さが125μmのPETフィルムからなるフィルム基材の一面に、アクリル・ウレタン系樹脂(大日本インキ化学社製の「ユニディック17−806」)100部に光重合開始剤としてヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン(チバスペシャルティケミカルズ社製の「イルガキュア184」)5部を加え、50%の濃度に希釈したトルエン溶液を塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、直ちにオゾンタイプ高圧水銀灯(80W/cm、15cm集光型)2灯で紫外線照射を行い、厚さが5μmのハードコート処理層を形成することにより、ハードコート処理フィルムを作製した。
【0034】
<透明導電性積層フィルムの作成>
上記透明導電性フィルムを構成するフィルム基材の他方の面に、弾性係数が1×106 dyn/cm2 (10N/cm2 )に調整されたアクリル系の透明な粘着剤層(アクリル酸ブチルとアクリル酸と酢酸ビニルとの重量比が100:2:5のアクリル系共重合体100部にイソシアネート系架橋剤1部を配合したもの)を、約20μmの厚さに形成した。この上に、上記のハードコート処理フィルムをそのフィルム基材のハードコート処理層とは反対面側を貼り合わせて、透明導電性積層フィルムを作製した。
【0035】
<フィルム/ガラス構成のタッチパネルの作製>
上記の透明導電性積層フィルムをペン入力側の上部パネル板とした。下部パネル板にはガラス板上に厚さが30nmのITO薄膜を前記と同様の方法で形成したものを用いた。この両パネル板を、ITO薄膜同士が対向するように、厚さが10μmのスペ−サを介して、両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が60μmとなるように、対向配置させ、図1に示すスイッチ構体としてのタッチパネルを作製した。

なお、両パネル板の各ITO薄膜は、上記の対向配置に先立って、あらかじめ互いに直交するように形成した。また、図3に示すように、両パネル板P1,P2の両端部には、銀電極40を形成して、電圧測定の端子とした。
【実施例2】
【0036】
両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が30μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、タッチパネルを作製した。
【実施例3】
【0037】
両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が100μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、タッチパネルを作製した。
【0038】
比較例1
両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が120μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、タッチパネルを作製した。
【0039】
比較例2
ペン入力側の上部パネル板として、実施例1の透明導電性積層フイルムに代えて、厚さが125μmのPETフィルムの一方の面に厚さが30nmのITO薄膜を形成し、ペン入力側の他方の面に厚さが5μmのハードコート処理層を形成したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、タッチパネルを作製した。
【0040】
上記の実施例1〜3および比較例1,2の各タッチパネルにつき、図4に示すように、銀電極40から1.5mm地点(図3におけるr=1.5mmの地点)で入力ペン10を上部パネル板P1側から下部パネル板P2に押し付けたときの押し角度θを測定した。また、下記の方法により、端押しペン入力耐久性を測定した。

これらの結果は、表1に示されるとおりであった。なお、表1には、上下部パネル板間のギャップとしてITO薄膜間の距離dを併記した。
【0041】
<端押しペン入力耐久性>
上部パネル板側から、ポリアセタールからなるペン(ペン先R0.8mm)を使用して、荷重250gで10万回の摺動を行った。摺動後のリニアリティーが1.5%以下となるパネル板端部からの位置を、図3に示される上部パネル板P1の銀電極40からの距離rとして、測定した。この距離rが小さいほど、端押しペン入力耐久性にすぐれていることを意味する。なお、リニアリティーの測定は、以下のように行った。
【0042】
〔リニアリティーの測定方法〕
タッチパネルのITO薄膜に対して5Vの電圧を印加し、電圧を印加する端子A(測定開始位置)および端子B(測定終了位置)の間の出力電圧を測定する。

リニアリティーは、測定開始位置Aでの出力電圧をEA 、測定終了位置Bでの出力電圧をEB 、各測定点Xでの出力電圧をEX 、理論値をEXXとしたとき、以下の計算により、求めることができる。

XX(理論値)=X・(EB −EA )/(B−A)
+EA

リニアリティー(%)=〔(EXX−EX )/(EB −EA )〕×100
【0043】
リニアリティー測定の概略は、図5に示すとおりである。

タッチパネルを使用する画像表示装置においては、入力ペンで押さえられることにより上部パネル板と下部パネル板の接触部分の抵抗値から画面上に表示されるペンの位置が決定されている。上部および下部パネル板表面の出力電圧分布が理論線(理想線)のようになっているものとして抵抗値は決められる。

すると、電圧値が、図5の実測値のように理論線からずれると、実際のペン位置と抵抗値によって決まる画面上のペン位置がうまく同調しなくなる。理論線からのずれがリニアリティーであり、その値が小さいほど、実際のペン位置と画面上のペンの位置のずれが小さいことを意味する。よって、リニアリティーが1.5%以下であれば良好と判定して、その位置(端部からの距離)を測定したものである。










【0044】
表1
┌────┬──────┬─────────┬────────────┐
│ │ITO薄膜間│r=1.5mm地点で│ 端押しペン入力耐久性 │
│ │の距離d │の入力ペンによる │ 〔銀電極からの位置: │
│ │ (μm) │押し角度θ (°)│ 距離r〕 (mm) │
├────┼──────┼─────────┼────────────┤
│ │ │ │ │
│実施例1│ 60 │ 2.3 │ 1.1 │
│ │ │ │ │
│実施例2│ 30 │ 1.1 │ 0.6 │
│ │ │ │ │
│実施例3│ 100 │ 3.8 │ 1.5 │
│ │ │ │ │
├────┼──────┼─────────┼────────────┤
│ │ │ │ │
│比較例1│ 120 │ 4.6 │ 1.9 │
│ │ │ │ │
│比較例2│ 60 │ 2.3 │ 5.0 │
│ │ │ │ │
└────┴──────┴─────────┴────────────┘
【0045】
上記の表1から明らかなように、実施例1〜3の各タッチパネルは、両パネル間のギャップとしてITO薄膜間の距離が30〜100μmとなるようにして、パネル端部に設けられた銀電極からr=1.5mm地点での入力ペンによる押し角度θが3.9°以下としたことにより、本発明の構成をとらない比較例1,2のタッチパネルに比べ、端押しペン入力耐久性にすぐれ、タッチパネルの額縁エリアを1.5mm以下に抑えることができる。
【実施例4】
【0046】
<フィルム/フィルム構成のタッチパネルの作製>
実施例1で作製した透明導電性積層フィルムをペン入力側の上部パネル板とした。下部パネル板には、厚さが125μmのPETフィルムからなるフィルム基材上に厚さが30nmのITO薄膜を実施例1と同様の方法で形成したものを用いた。この両パネル板を、ITO薄膜同士が対向するように、厚さが10μmのスペ−サを介して、両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が60μmとなるように、対向配置させ、スイッチ構体としてのタッチパネルを作製した。

つぎに、このタッチパネルにおける下部パネル板のITO薄膜形成面とは反対面側に、弾性係数が1×106 dyn/cm2 (10N/cm2 )に調整されたアクリル系の透明な粘着剤層(アクリル酸ブチルとアクリル酸と酢酸ビニルとの重量比が100:2:5のアクリル系共重合体100部に、イソシアネート系架橋剤を1部配合したもの)を約20μmの厚さに形成し、この粘着剤層を介して、液晶ディスプレイのガラス板上に貼り合わせることにより、図2に示すタッチパネル一体型ディスプレイを作製した。
【実施例5】
【0047】
両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が30μmとなるようにした以外は、実施例4と同様にして、タッチパネル一体型ディスプレイを作製した。
【実施例6】
【0048】
両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が80μmとなるようにした以外は、実施例4と同様にして、タッチパネル一体型ディスプレイを作製した。
【実施例7】
【0049】
両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が30μmとなるようにし、また液晶ディスプレイに貼り合わせるための粘着剤層の厚さを10μmにした以外は、実施例4と同様にして、タッチパネル一体型ディスプレイを作製した。
【0050】
比較例3
両パネル板のギャップとしてITO薄膜間の距離が120μmとなるようにした以外は、実施例4と同様にして、タッチパネル一体型ディスプレイを作製した。
【0051】
比較例4
液晶ディスプレイに貼り合わせるための粘着剤層の厚さを40μmにした以外は、比較例3と同様にして、タッチパネル一体型ディスプレイを作製した。
【0052】
比較例5
ペン入力側の上部パネル板として、実施例1の透明導電性積層フイルムに代えて、厚さが125μmのPETフィルムの一方の面に厚さが30nmのITO薄膜を形成し、ペン入力側の他方の面に厚さが5μmのハードコート処理層を形成したものを用いた以外は、比較例3と同様にして、タッチパネル一体型ディスプレイを作製した。
【0053】
以上の実施例4〜7および比較例3〜5の各タッチパネルー体型ディスプレイにつき、前記と同様にして、銀電極40から1.5mm地点(図4参照)において、入力ペンを上部パネル板側から下部パネル板に押し付けたときの押し角度θを測定した。また、前記と同様にして、端押しペン入力耐久性を測定した。

これらの結果は、表2に示されるとおりであった。なお、表2には、上下部パネル板間のギャップとしてITO薄膜間の距離dと、下部パネル板を液晶ディスプレイに貼り付けるための粘着剤層の厚さtとを、併記した。











【0054】
表2
┌────┬──────┬────┬─────────┬──────────┐
│ │ITO薄膜間│粘着剤層│r=1.5mm地点で│端押しペン入力耐久性│
│ │の距離d │の厚さt│の入力ペンによる │〔銀電極からの位置:│
│ │ (μm) │(μm)│押し角度θ (°)│ 距離r〕 (mm) │
├────┼──────┼────┼─────────┼──────────┤
│ │ │ │ │ │
│実施例4│ 60 │ 20 │ 3.1 │ 1.2 │
│ │ │ │ │ │
│実施例5│ 30 │ 20 │ 1.9 │ 0.9 │
│ │ │ │ │ │
│実施例6│ 80 │ 20 │ 3.8 │ 1.6 │
│ │ │ │ │ │
│実施例7│ 30 │ 10 │ 1.5 │ 0.7 │
│ │ │ │ │ │
├────┼──────┼────┼─────────┼──────────┤
│ │ │ │ │ │
│比較例3│ 120 │ 20 │ 5.4 │ 2.3 │
│ │ │ │ │ │
│比較例4│ 120 │ 40 │ 6.1 │ 2.5 │
│ │ │ │ │ │
│比較例5│ 120 │ 20 │ 5.4 │ 4.0 │
│ │ │ │ │ │
└────┴──────┴────┴─────────┴──────────┘
【0055】
上記の表2から明らかなように、実施例4〜7の各タッチパネルー体型ディスプレイは、両パネル間のギャップとしてITO薄膜間の距離が30〜80μmとなるようにし、かつ液晶ディスプレイに貼り合わせるための粘着剤層の厚さを10〜20μmとなるようにして、銀電極からr=1.5mm地点での入力ペンによる押し角度θが3.9°以下となるようにしたことにより、本発明の構成をとらない比較例3〜5のタッチパネルー体型ディスプレイに比べ、端押しペン入力耐久性にすぐれて、タッチパネルの額縁エリアを1.6mm以下に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のタッチパネルの一例を示す断面図である。
【図2】本発明のタッチパネルの別の例を示す断面図である。
【図3】上下部パネル板の端部に銀電極を形成した様子を示し、かつ端押しペン入力耐久性〔銀電極からの位置:距離r〕を測定する説明図である。
【図4】パネル端部に設けられた銀電極から1.5mm(r=1.5mm)地点での入力ペンによる押し角度θを測定する説明図である。
【図5】リニアリティー測定の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 プラスチックフィルムからなる基材
2 第1の誘電体薄膜
3 第2の誘電体薄膜
4(4a,4b,4c) 導電性薄膜(ITO薄膜)
5 粘着剤層
6 別のプラスチックフィルムからなるフィルム基材
7 ハードコート処理層
8 スペーサ
10 入力ペン
11 ガラスからなる基材
12 プラスチックフィルムからなる基材
13 粘着剤層
14 表示装置のガラス板
40 銀電極
P1 上部パネル板
P2,P3 下部パネル板
d 導電性薄膜間の距離
t 粘着剤層の厚さ
r パネル板端部の銀電極からの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性薄膜を有する上下一対のパネル板を、導電性薄膜同士が対向するようにスペーサを介して対向配置してなり、ペン入力側の上部パネル板がプラスチックフィルムを基材とし、下部パネル板がガラスを基材としたタッチパネルにおいて、両パネル板の導電性薄膜間の距離を20〜100μmに設定して、パネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が3.9°以下となるようにしたことを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
導電性薄膜を有する上下一対のパネル板を、導電性薄膜同士が対向するようにスペーサを介して対向配置してなり、ペン入力側の上部パネル板および下部パネル板が、いずれもプラスチックフィルムを基材とし、下部パネル板を粘着剤層を介して表示装置のガラス板に貼り付けるタッチパネルにおいて、両パネル板の導電性薄膜間の距離を20〜100μmに設定するとともに、上記表示装置に貼り付けるための粘着剤層の厚さを2〜30μmに設定して、パネル板端部に設けられる電極から1.5mm地点での入力ペンによる押し角度が3.9°以下となるようにしたことを特徴とするタッチパネル。
【請求項3】
上部パネル板として、厚さが2〜120μmのプラスチックフィルムからなる基材の一方の面に導電性薄膜が形成され、他方の面に粘着剤層を介して別のプラスチックフィルムからなる基材が貼り合わされた透明導電性積層体を使用した請求項1または2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
画像表示装置の視覚面側に、請求項1〜3のいずれかに記載のタッチパネルを有することを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−18800(P2006−18800A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83642(P2005−83642)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】