説明

高輝度の光を出す発光ダイオードの照明装置と照光方法

【課題】単位面積あたりの輝度を上げ、発光ダイオ−ド素子の熱を効率的、効果的に実用的に放熱する。
【解決手段】発光ダイオード1の発光部6に樹脂等の導光体4を接続し、接続された導光体4の先を集光部7に密集させることにより照明装置8の照光部を形成する。集光部7(照光部)に対して発光ダイオード1および導電部と一体となった放熱部3を効率的に配置することで、発っせられる熱に関係なく集光部7の単位面積当たりの輝度を上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として発光ダイオードの照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードの照明において単位面積当たりの輝度をあげようとした場合、発光ダイオード素子から発せられる熱が増大し、発せられる熱により発光ダイオードの寿命が非常に短くなるという欠点がある。現状では、発光ダイオードから発せられる熱を放熱する為に発光ダイオードをある間隔以上空けなければならない。従って発光ダイオードを密集させて配置できないことにより、単位面積あたりの輝度を上げることができないという問題がある。
【0003】
この問題の解決方法として、放熱性の向上および集光方法として特開2007−134621号広報等の方法が開示されている。
【0004】
前記出願の放熱方法および集光方法をとることは可能であるが、商品化の為の実用性に欠けているため、商品化なされていない。
【0005】
かつ、導電体である光ファイバーケーブルを発光ダイオードの発光部に直接接着しているが、この方法では光ファイバーケーブルが熱で溶解するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−134621号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第一の目的は、以上の欠点を解消すること、すなわち、発光ダイオード素子から発せられる熱を効率的、効果的また実用的な状態で放熱することで、発光ダイオードの寿命が短くなることを防ぐことにある。
【0008】
また、樹脂等の導光体4と発光ダイオードの発光部との距離を離すことにより放熱される熱により導光体が溶融することがなく、さらに、一定距離を保つことで光を効果的に集光することができる。
【0009】
さらに発光ダイオードを密集させて配置させ、単位面積当たりの発光輝度を上げることにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、以上の欠点を解決することで、樹脂等の導光体による集光方式の発光ダイオードの照明装置を実用可能なものとし、普及させ、一般街灯照明に必要な電力量の低減および、光源の交換頻度を少ない照明装置を提供することにもある。

【課題を解決するための手段】
【0011】
発光ダイオード1は放熱部3と一体となった導電部2に配設され、発光ダイオード1の発光部6には樹脂等の導光体4の一方の先と近接させ接続されている。接続された樹脂等の導光体4の他方の先は、発光ダイオード1の発光部6より離れた位置において複数の樹脂等の導光体4を集合させた状態で集光し集光部7を形成している。放熱性を有する放熱部3と一体となった導電部2は、多面体状あるいは同心円状の殻体の形状を有している。
【0012】
発光ダイオード1の熱を放熱するために、発光ダイオード1の配設する導電体を多面体状あるいは同心円状の殻体の状態で形成することにより、効果的に発光ダイオード1から発せられる熱を放熱すると同時に、発光された光を、樹脂等の導光体4を利用し離れた位置で集光部7を形成することにより、発光ダイオード1の光を密集させ、単位面積あたりの輝度を増し、高輝度の光を出す状態を実現する。
【0013】
導電部2は金属製基板が利用可能であり、アルミ合金基板、アルミ基板である。
【0014】
導電部2に配設された発光ダイオード1と樹脂等の導光体4を一定の距離を離して接続および固定するために、保持部5にはベークライトを使用できる。さらに、樹脂等の導光体4を貫通させるための開口部分を発光ダイオード1側が広くなった形状をラッパ型に加工することにより効率的に集光し一定距離を保つ近接した接合を実現した。
【0015】
樹脂等の導光体4は光ファイバーケーブル、アクリルケーブル、ファイバーセンサーケーブルを使うことにより効率的に光を導光させることを実現する。
【0016】
密集させて取り付けた場合であっても、効果的に発光ダイオード1より発生する熱を放熱することにより、発せられる熱により発光ダイオード1の寿命が短くなっている現状を解決させる。
【0017】
放熱部3には、熱同率の高い金属製放熱フィンを使用し、さらに殻体状に取り付けることにより効果的な放熱を実現した。
【0018】
発光ダイオード1の発光部6と近接して接続されている樹脂等の導光体4の先との距離を0.1mmから3.0mmとすることで発光ダイオード1の熱による樹脂等の導光体4の溶解等問題を解決し、効率的に発光ダイオード1の光を導光体4で導光することを実現する。
【0019】
樹脂等の導光体4で導光され、導光体4を集合させて集光部7を形成する為、集光部7は本来の発光ダイオード1の配置等にかかわりなく円形や星形等の自由な形状にすることが出来るため、さまざまな光源の形状、状態を作ることができる。

【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例にかかる発光ダイオードの概略図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる発光ダイオード照明装置の正面外観図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる発光ダイオード照明装置の側面外観図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる発光ダイオード照明装置の拡大断面図である。
【図5】本発明他の実施例にかかる発光ダイオード照明装置の外観図である。
【図6】本発明の一実施例にかかる保持部の側面拡大図である。
【図7】本発明の一実施例にかかる保持部の側面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための発光ダイオード1の照明装置8を例示するものであって本発明を以下のものに特定しない。
【0022】
さらにこの明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものではない。
【0023】
図1の発光ダイオード1は放熱部3と一体となった導電部2に配設される。発光ダイオード1の発光部6には、一定距離を開けて樹脂等の導光体4の先が接続される。樹脂等の導光体4の他方の先は、発光ダイオード1の発光部6より離れた位置において複数の樹脂等の導光体4を集合させた状態で集光し集光部7を形成する。
【0024】
図2、図3、図5で記される発光ダイオードの照明装置8は、発光ダイオード1が備えられる放熱部3と一体となった導電部2は、複数個でもって立体形成され、多面体状あるいは同心円状の殻体の形状をなすものである。
【0025】
発光ダイオード1に通電し、発光させ発光部6に樹脂等の導光体4の先を接続することで導光され、樹脂等の導光体4の他方を集合させて集光部7を形成し、集合し形成された集光部7より高輝度の光を出す発光ダイオード1の照明装置8である。
【0026】
放熱部3には高い放熱性を有するアルミ、アルミ合金を利用している。そのほかにも熱伝導性のある金属、熱伝導性を向上さす加工がなされた金属、加工物も利用できる。
【0027】
放熱部3は放熱フィン状のものが効果的である。
【0028】
放熱部3と一体となった導電部2は、必ずしも平面状ではなく、照明装置8の殻体を構成するうえで、要求される形状、たとえば、緩やかな弧を描かすことや球体、半球体にすることもできる。
【0029】
放熱部3と導電部2との接合部分は熱伝導性の高い接合剤を用いて接合されている。
【0030】
放熱部3と一体となった導電部2に配設された発光ダイオード1と樹脂等の導光体4との近接した接合部分は、一定の距離(0.1mm〜3.0mm)の間隔がとられており、その樹脂等の導光体4を近接して保持するために保持部5をもち、保持部5は、布入りベークライト、紙入りベークライトを用いることができる。
【0031】
放熱部3と一体となった導電部2に配設された発光ダイオード1と樹脂等の導光体4との近接した接合部分は、一定の距離(0.1mm〜3.0mm)の間隔をとることができるが、理想的には0.1mm〜1.0mmである。これは、発光ダイオード1の温度上昇状況によって、適正値が変動する。
【0032】
樹脂等の導電体を近接して保持するための保持部5は、図6、図7に示すように発光ダイオード1側が広がったラッパ状にすることができ、効果的に集光できるよう加工することができる。
【0033】
発光ダイオード1が配設された導電部2と集光部7の距離は必要な輝度及び放熱量により調整される。
【0034】
樹脂等の導光体4を集合させて形成された集光部7の形状は、円形や星形等の自由な形状、自由な大きさにすることが出来きる。
【0035】
さらに図示はしないが、集光部7より一定距離を離した部分にカバーを取付るようにし、集光部7に対して小さく開口部をもった大きさのカバーを着け、さらに輝度を上げることも可能であるし、大きな開口部にもった大きさのカバーを着け、光の変化をつけることができる。カバーをレンズにし、違う形の光を出すこともできる。
【0036】
集光部7は、単数とは限らず、複数の集光部7をもつ形状にし、多様な光を演出する照明装置8を実現することができる。
【0037】
発光ダイオード1は砲丸型発光ダイオードも利用可能である。
【0038】
色調調整可能な発光ダイオード1の回路にし、電気的プログラムにおいて集光部7から発せられる光の色を変化させることができる。
【0039】
また、複数の集光部7をもつ照明装置8とし、色調調整可能な発光ダイオード1の回路と電気的プログラムにおいて集光部7から発せられる光を個別もしくは周期的もしくは変則的に発光される色や発光させるタイミング変化させることができる照明装置8を実現する。
【0040】
放熱部3は放熱フィン状には限定せず、発光ダイオード1の距離がある一定以上空け、効果的に放熱を行った場合、図5で示すようなプレート状でも可能である。
【0041】
図5に記される照明装置は、筒状に殻体を形成し、通気口9を備えている。この通気口9は上昇気流等を利用し殻体内が空冷され、発光ダイオードの熱が放熱される。
【符号の説明】
【0042】
1・・・発光ダイオード
2・・・導電部
3・・・放熱部
4・・・導光体
5・・・保持部
6・・・発光部
7・・・集光部(照光部)
8・・・照明装置
9・・・通気口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードを備えた導電部と、導電部と一体となった放熱部を備え、発光ダイオードと樹脂等の導光体を近接して保持する保持部を備えており、発光ダイオードの発光部に樹脂等の導光体の一方の先を近接して接続させ、樹脂等の導光体の他方の先は発光ダイオードの発光部より離れた位置において複数の樹脂等の導光体を集合させた状態で集合させ集光部を形成したものであり
発光ダイオードが備えられる導電部および導電部と一体となった放熱部は、多面体状あるいは同心円状の殻体の形状を有したものであり
発光ダイオードを通電し、発光させ発光部に樹脂等の導光体を接続することで導光され、樹脂等の導光体を集合させて集光部を形成し、集光部より高輝度の光を出す発光ダイオードの照明装置

【請求項2】
発光ダイオードの発光部と接続されている樹脂等の導光体の先との距離を0.1mmから3.0mmとすることで効率的に発光ダイオードの光を樹脂等の導光体で導光する請求項1に記載される発光ダイオードの照明装置

【請求項3】
発光ダイオードの発光部より近接して接続することによって樹脂等の導光体で導光され、樹脂等の導光体を集合させて形成された集光部の形状が、円形や星形等の自由な形状にすることが出来る請求項1に記載される発光ダイオードの照明装置

【請求項4】
発光ダイオードを備えた導電部と、導電部と一体となった放熱部を備え、発光ダイオードと樹脂等の導光体を近接して保持する保持部を備えており、発光ダイオードの発光部に樹脂等の導光体の一方の先を近接して接続させ、樹脂等の導光体の他方の先は発光ダイオードの発光部より離れた位置において複数の樹脂等の導光体を集合させた状態で集合させ集光部を形成したものであり
発光ダイオードが備えられる導電部および導電部と一体となった放熱部は、多面体状あるいは同心円状の殻体の形状を有したものであり
発光ダイオードを通電し、発光させ発光部に樹脂等の導光体を接続することで導光され、樹脂等の導光体を集合させて集光部を形成し、集光部より高輝度の光を出す発光ダイオードの照光方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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