説明

高透光性膜材料

【課題】有害紫外線遮蔽性、及び赤外線遮蔽性を有し、しかも優れた採光性を有する膜材であって、プール用常夏テント、温室、堆肥舎、テント倉庫、中・大型テント、トラック幌、日除けテント等の膜構造物に好適に用いられる高透光性膜材料の提供。
【解決手段】本発明の高透光性膜材料は、繊維材料より形成された基布に、表面赤外線反射樹脂層と、裏面熱可塑性樹脂層を設けてなり、少なくとも前記表面赤外線反射樹脂層が、干渉雲母粒子を0.5〜5質量%含有し、また前記表面赤外線反射樹脂層、及び前記裏面熱可塑性樹脂層のいずれか一方または両方が、超微粒子酸化チタン及び超微粒子酸化亜鉛から選ばれた少なくとも1種を0.3〜3質量%含有し、全体として可視光透過率(JIS Z8722)40〜80%を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高透光性膜材料に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、高透光性と優れた紫外線遮蔽性と優れた赤外線遮蔽性とを兼備した、特に、プール用常夏テント、温室、及び堆肥舎などのように十分な透光性が要求される施設、及びテント倉庫、中及び大型テント、トラック幌、及び日除けテント等の膜構造物の構成に好適に用いられる、高透光性膜材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可視光透過率(JIS Z8722)40〜80%を有する高透光性膜材料は、プール用常夏テントや温室や堆肥舎等に用いられ、また、最近は一般の膜構造物においても照明の省エネルギーの観点から高透光性を要求される場合が多く、テント倉庫、中・大型テントや、トラック幌、日除けテント等の膜構造物に好適に用いられる。
しかしながら、従来の高透光性膜材料は、可視光領域(400〜780μm)の透過性を優先し、紫外線領域(280〜400μm)や赤外線領域(780〜2500μm)については殆ど考慮されておらず、このような高透光性膜材料を使用した膜構造物空間は、明るいけれども、暑くて、有害紫外線の遮蔽が不十分な状態になっている。
具体的には、従来の高透光性膜材料は、可視光領域(400〜780μm)の透過性は優れているが、しかし、赤外線領域(780〜2500μm)では十分な遮蔽効果がなく、透過性又は吸収性が高く、膜材料の表面側から透過又は吸収された赤外線が膜材の裏面側の空間を直接暖めたり、また吸収された赤外線が膜材の温度を上昇させて輻射熱として膜材裏面側からも放出されるため、遮蔽性が劣り、このような膜材料を使用した膜構造物の内部空間では、明るいけれども特に夏場はどうしても暑くなりやすかった。通常の建築物同様冷房を用いれば内部の温度を下げることも可能であるが、膜材料自体の断熱性が低いため冷房の効率が非常に悪く、エネルギーコストやそれに伴う環境面への負担を考えると、従来の高透光性膜材料を使用した膜構造物により形成された空間は、実用上好ましいものではなかった。
【0003】
また、従来の高透光性膜材料は、紫外線領域でも十分な遮蔽効果が認められていなかった。地表に達する紫外線はB波(280〜315μm、以下「UV−B」と略す)とA波(315〜400μm、以下「UV−A」と略す)に分けられ、UV−Bはオゾン層の増減により地表に到達する量は増減するが、皮膚がんや白内障の原因と言われており、またUV−Aは、大気圏では殆ど吸収されず地表に達し、人間の皮膚への透過性が良く真皮まで浸透し、DNAを傷つけたり皮膚の老化を早めたりする原因となっている。
UV−Bには、紫外線による樹脂の耐候劣化を引き起こす波長が含まれており、膜材料自体の紫外線による耐候劣化を抑えるために、樹脂中に紫外線吸収剤を添加する場合があり、結果的にはUV−Bを遮蔽している高透光性膜材料もあった。しかし、UV−Aについては、通常の紫外線吸収剤を添加しても殆ど遮蔽効果がなく、また波長が可視光領域に近いこともあり、高透光性膜材料では遮蔽することが難しかった。また、最近はUV−Aの皮膚や網膜への浸透性と有害性が忌避されるようになり、健康志向、美容志向からUV−Aも遮蔽することが強く望まれるようになっている。
【0004】
透光性を維持して赤外線を遮蔽する(遮熱性)シートを提供する技術は、例えば、特許文献1及び特許文献2に透明フィルム中に熱線吸収剤としてナフタロシアニン化合物を練り込む方法が開示されているが、この方法では、ナフタロシアニン化合物の耐候性及び熱線遮蔽効果の持続性に問題があった。又、例えば、特許文献3、特許文献4にはフィルム基材表面に、アンチモンがドープされた酸化スズ(以下「ATO」と略す)微粒子、或いはスズがドープされた酸化インジウム(以下「ITO」と略す)微粒子を含む溶液を塗布する方法が開示されている。更に、例えば、特許文献5にはATO微粒子やITO微粒子を熱可塑性樹脂フィルム中に練りこむ方法が開示されている。しかしながら、何れの方法も、ATO微粒子やITO微粒子の価格が非常に高価であり、経済的にも不利になること、又、ATO微粒子やITO微粒子をフィルム基材に塗布する場合においては、塗布された塗膜が基材から剥離し、熱線遮蔽効果が減少するという問題点があった。
【0005】
また、例えば、特許文献6及び特許文献7には熱線遮蔽材料として、重量平均粒子径0.6〜1.5μmの粗粒酸化チタンを使用し熱可塑性樹脂フィルムや塗膜に含有する方法が開示されている。粗粒酸化チタンを含有した場合は、顔料用酸化チタン(粒子径0.2〜0.4μm)を含有した場合に比べ、可視光領域の透光性は向上するものの、膜材料として可視光透過率(JIS Z8722)40〜80%を得るには、粗粒酸化チタンの添加量が制限され、結果的に十分な遮熱性は得られなかった。また、優れた遮熱性を得るには、樹脂層に含有する粗粒酸化チタンの量を増やす必要があり、粗粒酸化チタンの含有量が少ない範囲では可視光領域の透光性向上に効果があるが、含有量が多くなると顔料用酸化チタンと同様に樹脂層の隠蔽性が増し膜材料の可視光領域の透光性が低くなるという問題点があった。
【0006】
透光性を維持して紫外線(280〜400μm)を遮蔽するシートを提供する技術は、一般的には有機系紫外線吸収剤を含有する方法が行われるが、有機系紫外線吸収剤ではUV−A(315〜400μm)を吸収することが難しく、また、有機系紫外線吸収剤はシート表面にブリードアウトし易いため、短期間で紫外線吸収性が低下するという問題があった。そこで、例えば、特許文献8、特許文献9及び特許文献10には酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化鉄等の超微粒子無機微粉末を含有させる方法が提案されている。これらの超微粒子無機微粉末は有機系紫外線吸収剤に比べ長期安定性に優れ、耐久性は優れるが、超微粒子酸化チタンはUV−B(280〜315μm)を効果的に遮蔽するが、UV−A(315〜400μm)の遮蔽は不十分であった。また超微粒子酸化亜鉛はUV−A(315〜400μm)を超微粒子酸化チタンよりは効率的に遮蔽するもののそれでも十分なレベルではなかった。また、これらのシートは透光性を維持して紫外線を遮蔽するものの、赤外線の遮蔽効果(遮熱性)は殆どなく、このようなシートを使用した膜材料からなる膜構造物空間は、明るいけれども夏場は非常に暑くなりやすいという問題点があった。
このように、高透光性膜材料において、有害紫外線を十分に遮蔽し、遮熱性に優れる材料は、まだ提供されていない。
【0007】
【特許文献1】特開2003−265033号公報
【特許文献2】特開2003−265034号公報
【特許文献3】特開平10−250001号公報
【特許文献4】特開平10−250002号公報
【特許文献5】特開平9−140275号公報
【特許文献6】特開2006−314218号公報
【特許文献7】特開2007−295858号公報
【特許文献8】特開平6−238829号公報
【特許文献9】特開平7−173303号公報
【特許文献10】特開2004−331679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、膜材料において、高透光性と優れた紫外線遮蔽性と優れた赤外線遮蔽性とを兼備していて、特に、プール用常夏テントや温室や堆肥舎などの透光性が要求される施設、及びテント倉庫、中及び大型テント、トラック幌及び日除けテント等の膜構造物に好適に用いられる高透光性膜材料を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題を解決するために、鋭意検討の結果、基布と熱可塑性樹脂層からなる膜材料において、特定の干渉雲母粒子と超微粒子酸化チタン及び超微粒子酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を膜材料を構成する樹脂層中に特定量配合する事により、高透光性と、優れた紫外線遮蔽性と、優れた赤外線遮蔽性とを合わせ持つ高透光性膜材料が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の高透光性膜材料は、繊維材料より形成された基布と、前記基布の表面上に形成されている表面赤外線反射樹脂層と、前記基布の裏面上に形成されている裏面熱可塑性樹脂層とを含み、全体として40〜80%の可視光透過率(JIS Z8722により測定)を有する膜材料であって、少なくとも前記表面赤外線反射樹脂層が、干渉雲母粒子を、前記表面赤外線反射樹脂層の組成合計質量に対して、0.5〜5質量%の含有率で含有し、前記表面赤外線反射樹脂層、及び前記裏面熱可塑性樹脂層のいずれか一方または両方が、0.01〜0.5μmの粒径を有する超微粒子酸化チタン及び0.01〜0.5μmの粒径を有する超微粒子酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を、それぞれの組成合計質量に対して0.3〜3質量%の含有率で含有することを特徴とするものである。
本発明の高透光性膜材料において、前記干渉雲母粒子が、酸化チタン薄膜、もしくは酸化チタン/酸化ケイ素/酸化チタンの3層からなる複層薄膜で被覆されていることが好ましい。
本発明の高透光性膜材料において、前記超微粒子酸化チタン及び超微粒子酸化亜鉛が、それぞれ酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、ポリシロキサン及びステアリン酸から選ばれた少なくとも一種で表面処理されたものであることが好ましい。
本発明の高透光性膜材料において、前記表面赤外線反射樹脂層の上に、防汚層がさらに形成されていることが好ましい。
本発明の高透光性膜材料において、前記防汚層が、粒径0.01〜0.5μmの超微粒子酸化チタン及び粒径0.01〜0.5μmの超微粒子酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を、前記防汚層の組成合計質量に対して0.3〜3質量%の含有率で含有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の高透光性膜材料は、高透光性と、優れた紫外線遮蔽性と、優れた赤外線遮蔽性とを兼備しており、この高透光性膜材料を、プール用常夏テント、温室及び堆肥舎などのように十分な透光性を要求される施設、及びテント倉庫、中及び大型テント、トラック幌、並びに日除けテント等の膜構造物に使用することにより、「明るくて、有害紫外線を十分に遮蔽し、かつ遮熱性に優れた」快適な空間を提供することが可能となり、特に、夏場の作業環境を改善し、照明、冷房などに費やすエネルギーを削減する事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の高透光性膜材料用基布に使用される繊維材料は、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維及びビニロン繊維などの合成繊維、木綿及び麻などの天然繊維、アセテートなどの半合成繊維、並びにガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、及び炭素繊維などの無機繊維が挙げられ、これらは単独で用いられても良く、或はその2種以上を混用しても良く、その形状はマルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、モノフィラメント糸条、スプリットヤーン糸条、テープヤーン糸条などいずれであってもよい。本発明に使用される基布の構造は、織布、編布、不織布のいずれでもよい。織布を用いる場合、平織、綾織、繻子織、模紗織などいずれの構造をとるものでもよいが、平織織物は、得られる高透光性膜材料の縦緯物性バランスに優れているため本発明に好ましく用いられる。編布を用いるときはラッセル編の緯糸挿入トリコットが好ましく用いられる。これら編織物は、少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目状の編織物(空隙率は最大80%、好ましくは5〜50%)、及び非粗目状編織物(糸条間に実質上間隙が形成されていない編織物)を包含する。不織布としてはスパンボンド不織布などが使用できる。繊維基布には必要に応じて撥水処理、吸水防止処理、接着処理、難燃処理などが施されていてもよい。
【0013】
本発明の高透光性膜材料の表面赤外線反射樹脂層と裏面熱可塑性樹脂層とに用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを包含する)であって、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル系共重合体樹脂、オレフィン樹脂、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、スチレン樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル系共重合体樹脂、およびフッ素含有共重合体樹脂などを、単独で用いてもよく、もしくは、2種以上を併用してもよい。これらの熱可塑性樹脂のなかでは、塩化ビニル樹脂(可塑剤、安定剤等を配合した軟質〜半硬質塩化ビニル樹脂を包含する)、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、ポリエステル系共重合体樹脂、及びフッ素含有共重合体樹脂等を用いることが好ましい。
【0014】
上記の塩化ビニル樹脂及び、塩化ビニル系共重合体樹脂とは、具体的に、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体樹脂、塩化ビニル−アクリル酸共重合体樹脂、及び塩化ビニル−ウレタン共重合体樹脂などを包含する。
【0015】
また上記のオレフィン樹脂、オレフィン系共重合体樹脂は、具体的に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタアクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリプロピレンとエチレン−プロピレンゴム(EPRゴム)とのリアクター重合樹脂、これらのポリマーアロイ体であるPP−EPR樹脂、ポリプロピレンとエチレン−プロピレン−共役ジエン系ゴム(EPDMゴム)とのリアクター重合樹脂、もしくはこれらのポリマーアロイ体であるPP−EPDM樹脂などを包含する。
【0016】
本発明の高透光性膜材料の表面赤外線反射樹脂層と裏面熱可塑性樹脂層は有機顔料、無機顔料による着色が可能であり、必要に応じて可塑剤、安定剤、充填剤、紫外線吸収剤、接着剤、防炎剤、防黴剤、滑剤等を含むことができる。
【0017】
特に紫外線吸収剤は、表面赤外線反射樹脂層自体と裏面熱可塑性樹脂層自体の耐候性向上の目的で使用され、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、及びアクリルポリマーに紫外線吸収ユニットがグラフト重合した化合物などが使用される。これらの紫外線吸収剤を表面赤外線反射樹脂層や裏面熱可塑性樹脂層に含有させると、膜材料のUV−B(280〜315μm)の遮蔽性に効果的に作用する。
【0018】
本発明の高透光性膜材料の表面赤外線反射樹脂層に含まれる干渉雲母粒子は、雲母表面が酸化チタン薄膜、もしくは、酸化チタン/酸化ケイ素/酸化チタンの3層からなる複層薄膜で被覆されていることが好ましい。干渉雲母粒子の上記酸化チタン含有薄膜による被覆率は、35〜70%であることが好ましく、それが35%未満であると、太陽光からの赤外線遮蔽性が不足することがある一方、それが70%を超えると、膜材料の透明性が低下し、或いは、酸化チタンの有する触媒活性によって膜材料の耐候性が低下する。この被覆率は、45〜60%であることがより好ましい。この酸化チタン含有薄膜により被覆された干渉雲母粒子の製造方法には、特に限定はなく、例えば、四塩化チタンの加水分解により雲母表面に水酸化チタンを被覆させ、更に、焼結して酸化チタンを結晶化させる方法が挙げられる。なお、上記酸化チタンの雲母表面への被覆率とは、表面が酸化チタン含有薄膜により被覆された雲母の合計質量に対する薄膜の二酸化チタン換算質量の比率を表したものをいう。
【0019】
本発明の高透光性膜材料の表面赤外線反射樹脂層中に含まれる干渉雲母粒子の含有率は、透光性と遮熱性のバランスから前記表面赤外線反射樹脂層の組成合計質量に対して0.5〜5質量%であることが好ましい。干渉雲母粒子の含有率が0.5質量%未満の場合は、膜材料の透光性は優れているが、赤外線透過率が大きく十分な遮熱性が得られない。また、干渉雲母粒子の含有率が5質量%を越える場合は、前記表面赤外線反射樹脂層の透光性が低下し、膜材料全体として40〜80%の可視光透過率を得られず、また膜材料の表面色及び透光色が虹彩色となり、ギラツキやイラツキが発生する場合がある。
【0020】
本発明の高透光性膜材料の表面赤外線反射樹脂層、及び裏面熱可塑性樹脂層、のいずれか一方または両方に含まれる超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛は、粒径0.01〜0.5μmの酸化チタン及び/又は酸化亜鉛から選ばれたものである。この粒径が0.01μm未満であると、所望のUV−Aの遮蔽効果を得ることが難しくなり、また、粒径が0.5μmを超えると、所望の透明性を得ることができない。
【0021】
本発明において用いる超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛は、樹脂中への分散性と不活性化性の向上のために、表面処理されたものを用いることが好ましい。表面処理剤としては、例えば酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)酸化ケイ素(SiO2)、ポリシロキサン及びステアリン酸などから選ばれる一種以上が用いられる。超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛の含有率は、樹脂層の組成合計質量に対して、0.3〜3質量%であることが好ましい。超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛の含有率が0.3質量%未満の場合は、紫外線(特にUV−A)の十分な遮蔽効果が得られない。また、超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛の含有率が3質量%を越える場合は、粒径が0.01〜0.5μmであっても、透光性が低下し、膜材料全体として40〜80%の可視光透過率を得られない場合がある。また、超微粒子酸化チタンと超微粒子酸化亜鉛とを併用する場合、その質量は、超微粒子酸化チタン:超微粒子酸化亜鉛=1:0.5〜2であることが好ましい。このように、膜材料の構成材料として干渉雲母粒子と超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛とをそれぞれ特定量併用することによってはじめて、透光性を十分高い水準に維持したままでUV−Aを含めた紫外線の遮蔽性付与することが可能となり、これによって有害紫外線を十分に遮蔽し、更に遮熱性に優れた高透光性膜材料の提供が可能となった。
【0022】
本発明の高透光性膜材料において、経時的に発生する汚れの付着による遮熱効果の低下及び、透光性の低下を防止し、且つ美観を維持するために、表面赤外線反射樹脂層上に少なくとも1層の防汚層が設けられていてもよい。防汚層は高透光性膜材料の遮熱性及び透光性を損なわず極度の隠蔽性を伴わないものである限り、その形成方法及び素材に特に限定はない。このような防汚層は例えば、溶剤に可溶化されたアクリル系樹脂もしくはフッ素系樹脂の少なくとも1種以上からなる樹脂溶液を塗布して形成した塗膜層、前記樹脂とともにシリカ微粒子、またはコロイダルシリカを含む塗膜、オルガノシリケート及び/又はその縮合体を含む塗布剤を塗布して形成した親水性被膜層、光触媒性無機材料(例えば光触媒性酸化チタン)と結着剤とを含む塗布剤を塗布して形成した光触媒被膜層或は、少なくとも最外表面がフッ素系樹脂により形成されたフィルムを接着剤もしくは熱溶融加工により積層したフィルム層などから適宜選択することができる。
【0023】
また、前記防汚層と前記表面赤外線反射樹脂層との間に、必要に応じて、防汚層と表面赤外線反射樹脂層との接着性を向上させるための接着層、光触媒による表面赤外線反射樹脂中の樹脂の分解を妨げるための保護層、表面赤外線反射樹脂層に含まれる添加剤が防汚層に移行するのを妨げるための添加剤移行防止層、等が形成されていてもよい。また、本発明の高透光性膜材料の、前記防汚層が形成された面とは反対の面に、裏面接着層が形成されそれによって防汚層との高周波加熱融着性及び熱風融着性を付与してもよい。あるいは、高透光性膜材料をロール状に巻き取って保管している間に、裏面側の接着層もしくは熱可塑性樹脂層に含まれる添加剤が、前記防汚層上に移行して防汚性が低下するのを防ぐために、裏面側(防汚層とは反対の面)に、添加剤移行防止層が形成されていてもよい。
【0024】
本発明の高透光性膜材料の防汚層において、高透光性膜材料の更なる耐候性向上、及び有害紫外線の遮蔽強化のために、防汚層に粒径0.01〜0.5μmの超微粒子酸化チタン及び粒径0.01〜0.5μmの超微粒子酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種が含有されていてもよい。超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛は、防汚層に対する含有量としては、0.3〜3質量%であることが好ましい。含有量が0.3質量%未満の場合は、膜材料の耐候性向上及び有害紫外線遮蔽に十分な効果が得られないことがある。また、超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛の含有量が3質量%を越える場合は、粒径が0.01〜0.5μmといえども、防汚層に隠蔽性が発現し、膜材料として透光性が低下することがある。また、超微粒子酸化チタンと超微粒子酸化亜鉛とを併用する場合、質量比で超微粒子酸化チタン:超微粒子酸化亜鉛=1:0.5〜2であることが好ましい。また、防汚層に含まれる超微粒子酸化チタン及び/又は超微粒子酸化亜鉛は、防汚層中での分散性を向上させるために表面処理されたものを用いることが好ましく、表面処理剤としては、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ケイ素、ポリシロキサン及びステアリン酸などから選ばれる一種以上が挙げられる。
【0025】
本発明の高透光性膜材料は、繊維材料より形成された基布の表面に表面赤外線反射樹脂層を有し、基布の裏面上に裏面熱可塑性樹脂層を有する可撓性膜材であって、その形態は、ターポリン、帆布等の防水性膜材であることが好ましい。このうち帆布の場合は、前記表・裏樹脂層の樹脂成分として有機溶剤に可溶化した熱可塑性樹脂、水中で乳化重合された熱可塑性樹脂エマルジョン(ラテックス)、あるいは熱可塑性樹脂を水中に強制分散させ安定化したディスパージョン樹脂などの水分散樹脂、軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペーストゾル、等を用い、塗被方法としてはディッピング加工(繊維布帛への両面加工)、及びコーティング加工(繊維布帛への片面加工、または両面加工)等を用いることができる。ターポリンは、カレンダー成形法、またはTダイス押出法により成形されたフィルム又はシートを、繊維基布の片面または両面に接着層を介在して積層する方法、あるいは繊維布帛の両面に目抜け空隙部を介して熱ラミネート積相する方法により製造することが好ましく、さらにディッピング加工、またはコーティング加工と、フィルム積層の組み合わせ方法によっても実施可能である。
【実施例】
【0026】
本発明を下記実施例、および比較例により更に説明する。これらの実施例及び比較例において、初期および屋外曝露1年後の紫外線遮蔽率、可視光透過率、遮熱率測定に用いた試験方法は下記の通りである。
(1)紫外線遮蔽率
膜材料の紫外線遮蔽率は、分光光度計V−670型(日本分光(株)製)を使用し、UV−BとUV−Aのそれぞれの波長領域(UV−B:280〜315μm、UV−A:315〜400μm)の紫外線透過率をJIS R3106の準拠して測定し、式(1)に従って算出した。
紫外線遮蔽率(%)=100%−紫外線透過率(%)・・・(1)
更に、紫外線遮蔽率により膜材料の紫外線遮蔽性を下記のように3段階に評価した。
紫外線遮蔽率 クラス
95%以上 3
90%以上95%未満 2
90%未満 1
(2)可視光透過率
膜材料の可視光透過率は、分光側色計CM−3600d(コニカミノルタ(株)製)を使用し、JIS Z8722に従って測定した。更に、可視光透過率により膜材料の透光性を下記のように3段階に評価した。
可視光透過率 クラス
40%〜80% 3
30%以上40%未満 2
30%未満 1
(3)遮熱率
膜材料の遮熱率は、太陽光線を想定した赤外線ランプを使用し、膜材料が輻射熱を遮蔽する割合を、以下の試験環境及び試験方法に従って測定した。
試験環境:内径が、高さ45cm×幅35cm×長さ35cmの外気温遮断性と気密性とを有する箱型構造体の天井部中央に白熱ランプ(100V,500Wのフォトリフレクタランプ:デイライトカラー用:東芝(株))を取り付けて、遮熱性評価の試験環境を構成した。次に、たて・よこともに0.5cmの正方形の断面積を有するアクリル樹脂製角材棒を梁として、外形が、高さ5cm×幅10cm×長さ15cmの箱型フレームを瞬間接着剤で組み立て、箱型フレームの4側面、上面部、及び底面部に、試験膜材を、その表面が外向きとなるように、両面テープで貼り付けて固定し、気密性の試験箱を準備した。また、この試験箱内部の底面部の中央には熱流量計(Shothrm HFM熱流量計:昭和電工(株)製)のセンサーを取り付けて固定した。試験膜材で被覆した試験箱(比較時には試験膜材の装着がないものを使用)を、箱型構造体の底面部の中央に取り付けて、ランプの中心点と試験箱の中心点とを結ぶ直線の方向が鉛直方向に重なるように固定した。この箱型構造体内部におけるランプ先端から試験箱の天井部までの距離は35cmであった。尚、箱形構造体は20℃の恒温室内に設置した。
試験方法:試験膜材を装着しない試験箱を箱型構造体に入れて密閉状態に置き、ランプを点灯し、熱流量(kcal/m2h)を1分ごとに測定し、30分後の熱流量qn(kcal/m2h)を測定した。箱型構造体内の温度を恒温室内と同じ20℃まで戻した後、試験膜材を装着した試験箱を箱型構造体に入れて密閉状態に置き、ランプを点灯し、熱流量(kcal/m2h)を1分ごとに測定し、30分後の熱流量qc(kcal/m2h)を測定し、式(2)に従って算出した。
遮熱率(%)=〔(qn−qc)/qn〕×100・・・(2)
更に、遮熱率により膜材料の遮熱性を下記のように3段階に評価した。
遮熱率 クラス
30%以上 3
20%以上30%未満 2
20%未満 1
(3)屋外曝露試験
屋外曝露台上に、試験膜材の表面を上にして南向きに傾斜角30度に設置して屋外曝露試験(1年間)を行った。
【0027】
実施例1
1 下塗り層の形成
基布として、下記組織のポリエステルマルチフィラメント平織物を用いた。
(750デニール×750デニール)/(19本/インチ×20本/インチ)
目付:125g/m2
この基布を、ペースト塩化ビニル樹脂を含む下記配合1の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、下塗り層を形成した。基布に対する樹脂の付着量は125g/m2であった。
<配合1>下塗り層
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
炭酸カルシウム 10質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
トルエン(溶剤) 20質量部
2 表面赤外線反射樹脂層及び裏面熱可塑性樹脂層の形成
次に、ストレート塩化ビニル樹脂を含む、下記配合2の樹脂組成物からなる表面赤外線反射樹脂フィルム(0.26mm厚)と下記配合3の樹脂組成物からなる裏面熱可塑性樹脂フィルム(0.26mm厚)とをカレンダーで作成し、それぞれ前記下塗り層含浸基布のおもて面及びうら面に貼着して、おもて面に250g/m2の赤外線反射樹脂層を形成し、うら面に250g/m2の裏面熱可塑性樹脂層を形成し、合計質量750g/m2の高透光性膜材料を作製した。
<配合2>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 96質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 3質量%
超微粒子酸化亜鉛 1質量%
〔註〕干渉雲母粒子:粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
超微粒子酸化亜鉛粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
<配合3>裏面熱可塑性樹脂層組成(塩ビ系)
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0028】
実施例2
実施例1と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、表面赤外線反射樹脂層組成を下記配合4の樹脂組成に変更した。
<配合4>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 96質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 3質量%
超微粒子酸化チタン 1質量%
〔註〕干渉雲母微粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率45質量%
超微粒子酸化チタンの粒子径0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0029】
実施例3
実施例1と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、表面赤外線反射樹脂層組成を下記配合5の樹脂組成に変更した。
<配合5>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 96質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 3質量%
超微粒子酸化亜鉛 0.5質量%
超微粒子酸化チタン 0.5質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
酸化チタンの粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0030】
実施例4
1 下塗り層の形成
基布として、下記組織のポリエステルフィラメント平織物を用いた。
(750デニール×750デニール)/(19本/インチ×20本/インチ)
質量%:125g/m2
この基布を、ポリウレタン系樹脂を含む下記配合6の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を125g/m2付着させて、下塗り層を形成した。
<配合6>ポリウレタン系樹脂下塗り層
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂ディスパージョン 100質量部
環式ホスホン酸エステル化合物 5質量部
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム(重合度n=1000) 10質量部
メラミンシアヌレート 10質量部
カルボジイミド化合物(硬化剤) 5質量部
パラフィン系撥水剤(吸水防止剤) 10質量部
2 表面赤外線反射樹脂層及び裏面熱可塑性樹脂層(オレフィン系樹脂)の形成
次に、オレフィン系樹脂を含む、下記配合7の樹脂組成物からなるおもて面の赤外線反射樹脂フィルム(0.26mm厚)と下記配合8の樹脂組成物からなるうら面の樹脂フィルム(0.26mm厚)とをカレンダーで作成し、それぞれ前記下塗り層含浸基布のおもて面及びうら面に貼着して、おもて面に250g/m2の赤外線反射樹脂層を形成し、うら面に250g/m2の裏面熱可塑性樹脂層を形成し、合計質量750g/m2の高透光性膜材料を作製した。
<配合7>表面赤外線反射樹脂層組成(オレフィン系樹脂)
オレフィン系樹脂 96質量%
ポリプロピレン樹脂 50質量部
スチレン系共重合体樹脂 25質量部
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 25質量部
塩基性ヒンダードアミン化合物 1質量部
熱劣化防止剤 0.2質量部
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム 20質量部
メラミンシアヌレート 20質量部
干渉雲母粒子 3質量%
超微粒子酸化亜鉛 1質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
<配合8>裏面熱可塑性樹脂層組成(オレフィン系樹脂)
ポリプロピレン樹脂 50質量部
スチレン系共重合体樹脂 25質量部
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 25質量部
塩基性ヒンダードアミン化合物 1質量部
熱劣化防止剤 0.2質量部
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム 20質量部
メラミンシアヌレート 20質量部
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0031】
実施例5
実施例1と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、表面赤外線反射樹脂層組成を下記配合9の樹脂組成に、裏面熱可塑性樹脂層組成を下記配合10の樹脂組成に変更した。
<配合9>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 97質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 3質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
<配合10>裏面熱可塑性樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 99質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
超微粒子酸化亜鉛 1質量%
〔註〕酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0032】
実施例6
実施例5と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、裏面熱可塑性樹脂層組成を下記配合11の樹脂組成に変更した。
<配合11>裏面熱可塑性樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 99質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
超微粒子酸化チタン 1質量%
〔註〕酸化チタンの粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0033】
実施例7
実施例5と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、裏面熱可塑性樹脂層組成を下記配合12の樹脂組成に変更した。
<配合12>裏面熱可塑性樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 99質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
超微粒子酸化亜鉛 0.5質量%
超微粒子酸化チタン 0.5質量%
〔註〕酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0034】
実施例8
実施例1と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、表面赤外線反射樹脂層の上に次のようにアクリル樹脂防汚層を形成した。
実施例1で作製した膜材料の表面赤外線反射樹脂層の上に、アクリル樹脂として下記配合13の樹脂組成物の溶剤希釈液を、グラビアコーターを用いて、塗布量が25g/m2になるように塗布し、120℃で1分間乾燥後冷却し、5g/m2の防汚層を形成した。
<配合13>アクリル樹脂系防汚処理液組成
アクリル樹脂 20質量部
:アクリプレン ペレット HBS001(三菱レイヨン(株)製)
トルエン−MEK(50/50重量比)(溶剤) 80質量部
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0035】
実施例9
実施例8と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、表面赤外線反射樹脂層の上のアクリル樹脂防汚層に粒径0.02μmの超微粒子酸化亜鉛(酸化アルミニウム表面処理被覆)を1質量%添加しアクリル樹脂系防汚処理液組成を下記配合14の液組成に変更した。
<配合14>アクリル樹脂系防汚処理液組成
アクリル樹脂/超微粒子酸化亜鉛=99/1 20質量部
アクリル樹脂:アクリプレン ペレット HBS001(三菱レイヨン(株)製)
トルエン−MEK(50/50重量比)(溶剤) 80質量部
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0036】
実施例10
実施例8と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、表面赤外線反射樹脂層の上のアクリル樹脂防汚層に粒径0.02μmの超微粒子酸化チタン(酸化アルミニウム表面処理被覆)を1質量%添加しアクリル樹脂系防汚処理液組成を下記配合15の液組成に変更した。
<配合15>アクリル樹脂系防汚処理液組成
アクリル樹脂/超微粒子酸化チタン=99/1 20質量部
アクリル樹脂:アクリプレン ペレット HBS001(三菱レイヨン(株)製)
トルエン−MEK(50/50重量比)(溶剤) 80質量部
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0037】
実施例11
実施例8と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、表面赤外線反射樹脂層の上のアクリル樹脂防汚層に粒径0.02μmの超微粒子酸化亜鉛(酸化アルミニウム表面処理被覆)及び粒径0.02μmの超微粒子酸化チタン(酸化アルミニウム表面処理被覆)をそれぞれ0.5質量%添加しアクリル樹脂系防汚処理液組成を下記配合16の液組成に変更した。
<配合16>アクリル樹脂系防汚処理液組成
アクリル樹脂/超微粒子酸化亜鉛/超微粒子酸化チタン=
99/0.5/0.5 20質量部
アクリル樹脂:アクリプレン ペレット HBS001(三菱レイヨン(株)製)
トルエン−MEK(50/50重量比)(溶剤) 80質量部
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0038】
実施例12
実施例1と同様にして高透光性膜材料を作製した。但し、表面赤外線反射樹脂層の上に次のように光触媒防汚層を形成した。
表面赤外線反射樹脂層の上に、光触媒防汚層として下記配合17及び18の樹脂組成物の溶剤希釈液を、それぞれグラビアコーターを用いて、塗布量が15g/m2になるように塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却し、1.5g/m2の接着保護層および光触媒防汚層を形成した。
<配合17>光触媒防汚層の接着保護層用塗布液組成
シリコン含有量3mol%のアクリルシリコン樹脂を8重量%(固形分)
を含有するエタノール−酢酸エチル(50/50重量比)溶液 100質量部
ポリシロキサンとしてメチルシリケートMS51(コルコート(株))
の20%エタノール溶液 8質量部
シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
1質量部
<配合18>光触媒防汚層用塗布液組成
酸化チタン含有量10重量%に相当する硝酸酸性酸化チタンゾルを
分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液 50質量部
酸化珪素含有量10重量%に相当する硝酸酸性シリカゾルを
分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液 50質量部
この高透光性膜材料を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0039】
実施例1〜12で得られた膜材料は、UV−A遮蔽率95%以上の優れた紫外線遮蔽性と可視光透過率40%以上の優れた透光性と遮熱率30%以上の優れた遮熱性を示し、有害紫外線を十分に遮蔽し、遮熱性にも優れる高透光性膜材料であった。また、さらに実施例8〜12では表面赤外線反射樹脂層の上に更に防汚層が形成されており、防汚層が形成されていない実施例1に比べ屋外曝露1年後も透光性、遮熱性の低下が少なく、初期の紫外線遮蔽製、透光性、遮熱性を維持していた。
【0040】
比較例1
実施例1と同様にして膜材料を作製した。但し、実施例1の表面赤外線反射樹脂層の配合を下記配合19のように変更し、干渉雲母粒子と超微粒子酸化亜鉛を配合せずし、膜材料を作製した。
<配合19>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
この膜材料を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材料は、実施例1で得られた膜材料に比べ、可視光透過率においてはほぼ同一レベルであったが、紫外線遮蔽率(特にUV−A)及び遮熱率において劣り、有害紫外線遮蔽性と遮熱性において不十分なものであった。
【0041】
比較例2
実施例1と同様にして膜材料を作製した。但し、実施例1の表面赤外線反射樹脂層の配合を下記配合20のように変更し、超微粒子酸化亜鉛を配合せずに干渉雲母粒子のみを3質量%配合し、膜材料を作製した。
<配合20>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 97質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 3質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
この膜材料を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材料は、実施例1で得られた膜材料に比べ、可視光透過率及び遮熱率においてはほぼ同一レベルであるが、紫外線遮蔽率(特にUV−A)において劣り、有害紫外線遮蔽製において不十分なものであった。
【0042】
比較例3
実施例1と同様にして膜材料を作製した。但し、実施例1の表面赤外線反射樹脂層の配合を下記配合21のように変更し干渉雲母粒子を配合せずに超微粒子酸化亜鉛のみを1質量%配合し、膜材料を作製した。
<配合21>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 99質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
超微粒子酸化亜鉛 1質量%
〔註〕酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この膜材料を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材料は、実施例1で得られた膜材料に比べ、紫外線遮蔽率及び可視光透過率においては同レベルであったが、遮蔽率において劣り、遮蔽性において不十分なものであった。
【0043】
比較例4
実施例1と同様にして膜材料を作製した。但し、実施例1の表面赤外線反射樹脂層の配合を下記配合22のように変更し、干渉雲母粒子の配合量を0.5質量%に下げて膜材料を作製した。
<配合22>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 98.5質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 0.5質量%
超微粒子酸化亜鉛 1質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この膜材料を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材料は、実施例1で得られた膜材料に比べ、可視光透過率においては同レベルであったが、紫外線遮蔽率(特にUV−A)及び遮熱率においては劣り、有害紫外線遮蔽性と遮熱性において不十分なものであった。
【0044】
比較例5
実施例1と同様にして膜材料を作製した。但し、実施例1の表面赤外線反射樹脂層の配合を下記配合23のように変更し、干渉雲母粒子の配合量を7質量%に増やして膜材料を作製した。
<配合23>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 92質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 7質量%
超微粒子酸化亜鉛 1質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この膜材料を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材料は、実施例1で得られた膜材料に比べ、紫外線遮蔽率及び遮熱率においては同レベルであったが、可視光透過率において劣り、透光性において不十分なものであった。
【0045】
比較例6
実施例1と同様にして膜材料を作製した。但し、実施例1の表面赤外線反射樹脂層の配合を下記配合24のように変更し、超微粒子酸化亜鉛の配合量を0.1質量%に減らした。
<配合24>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 96.9質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 3質量%
超微粒子酸化亜鉛 0.1質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この膜材料を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材料は、実施例1で得られた膜材料に比べ、可視光透過率及び遮熱率においてはほぼ同レベルであったが、紫外線遮蔽率において劣り、有害紫外線遮蔽性において不十分なものであった。
【0046】
比較例7
実施例1と同様にして膜材料を作製した。但し、実施例1の表面赤外線反射樹脂層の配合を下記配合24のように変更し、超微粒子酸化亜鉛の配合量を5質量%に増やして膜材料を作製した。
<配合24>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 92質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 3質量%
超微粒子酸化亜鉛 5質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率:45質量%
酸化亜鉛の粒子径:0.02μm、酸化アルミニウム(Al23)表面処理被覆付き
この膜材料を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材料は、実施例1で得られた膜材料に比べ、紫外線遮蔽率及び遮熱率においては同レベルであったが、可視光透過率において劣り、透光性において不十分なものであった。
【0047】
比較例8
実施例2と同様にして膜材料を作製した。但し、実施例2の超微粒子酸化チタン(粒子径0.02μm)を粗粒酸化チタン(粒子径0.6〜1.5μm)に変更し、表面赤外線反射樹脂層の配合を下記配合25のように変更し膜材料を作製した。
<配合25>表面赤外線反射樹脂層組成(塩ビ系)
軟質塩化ビニル樹脂 96質量%
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 35質量部
CDP(防炎可塑剤) 25質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5質量部
干渉雲母粒子 3質量%
粗粒酸化チタン 1質量%
〔註〕干渉雲母粒子の粒子径:25〜65μm,TiO2/SiO2/TiO2による複層薄膜被覆構造を有する。薄膜被覆率45質量%
粗粒酸化チタンの粒子径:0.6〜1.5μm
この膜材料を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材料は、実施例2で得られた膜材料に比べ、紫外線遮蔽率及び遮熱率は同レベルであるが、可視光透過率が劣り、透光性が不十分な膜材料であった。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によって得られる高透光性膜材料は、高い透光性と、優れた紫外線遮蔽性と、優れた赤外線遮蔽性とを合わせ持ち、特にプール用常夏テントや温室や堆肥舎などの透光性が要求される施設、及びテント倉庫、中・大型テントや、トラック幌、日除けテント等の膜構造物空間に使用することにより、「明るくて、有害紫外線を十分に遮蔽し、遮熱性に優れる」快適な空間を提供することが可能となり、特に、夏場の作業環境を改善し、照明、冷房などに費やすエネルギーを削減する事が可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維材料より形成された基布と、前記基布の表面上に形成されている表面赤外線反射樹脂層と、前記基布の裏面上に形成されている裏面熱可塑性樹脂層とを含み、全体として40〜80%の可視光透過率(JIS Z8722により測定)を有する膜材料であって、少なくとも前記表面赤外線反射樹脂層が、干渉雲母粒子を、前記表面赤外線反射樹脂層の組成合計質量に対して、0.5〜5質量%の含有率で含有し、前記表面赤外線反射樹脂層、及び前記裏面熱可塑性樹脂層のいずれか一方または両方が、0.01〜0.5μmの粒径を有する超微粒子酸化チタン及び0.01〜0.5μmの粒径を有する超微粒子酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を、それぞれの組成合計質量に対して0.3〜3質量%の含有率で含有することを特徴とする、高透光性膜材料。
【請求項2】
前記干渉雲母粒子が、酸化チタン薄膜、もしくは酸化チタン/酸化ケイ素/酸化チタンの3層からなる複層薄膜で被覆されている、請求項1に記載の高透光性膜材料。
【請求項3】
前記超微粒子酸化チタン及び超微粒子酸化亜鉛が、それぞれ酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、ポリシロキサン及びステアリン酸から選ばれた少なくとも一種で表面処理されたものである、請求項1に記載の高透光性膜材料。
【請求項4】
前記表面赤外線反射樹脂層の上に、防汚層がさらに形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高透光性膜材料。
【請求項5】
前記防汚層が、粒径0.01〜0.5μmの超微粒子酸化チタン及び粒径0.01〜0.5μmの超微粒子酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を、前記防汚層の組成合計質量に対して0.3〜3質量%の含有率で含有している、請求項4に記載の高透光性膜材料。

【公開番号】特開2010−99959(P2010−99959A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274298(P2008−274298)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000239862)平岡織染株式会社 (81)
【Fターム(参考)】