説明

魚介類養殖システム

【課題】飼育槽の下方から前記飼育槽へと給水することができる魚介類養殖システムを提供する。
【解決手段】飼育魚5・5・・・が飼育される飼育槽10へと水を供給し、飼育槽10から水とともに不純物を排出する給排水装置20と、飼育槽10に餌を供給し、飼育槽10の底部に前記餌を堆積させる給餌装置40と、飼育槽10の底部に堆積した前記餌を、飼育槽10内の水に懸濁させる排餌装置50と、を具備する養殖システム1であって、給排水装置20は、飼育槽10の底部から飼育槽10へと水を供給し、飼育槽10の上部から水とともに不純物を排出する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鰻等の魚介類を養殖するための養殖システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鰻等の魚介類を養殖するための養殖システムの技術は公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、鰻の幼生であるレプトケファルス(葉形幼生)やプレレプトケファルスの養殖方法として以下のような方法が公知となっている。
【0004】
まず、前記レプトケファルス等に餌を与える給餌作業を行う。
この場合、前記レプトケファルス等が飼育される飼育槽の底に、コロイド状の餌を堆積させる。その後、前記飼育槽の上方から前記飼育槽を照明する。すると、光を嫌う前記レプトケファルス等は、前記飼育槽の底に堆積された前記コロイド状の餌の中に逃げ込む。前記コロイド状の餌の中に逃げ込んだ前記レプトケファルス等は、口を開けながら泳ぐため、前記コロイド状の餌を食べることになる。前記給餌作業は、例えば15分間程度行われる。
【0005】
前記給餌作業が終了した後、前記レプトケファルス等が食べ残して飼育槽の底部に堆積した餌(以下、単に「残餌」と記す)を排出する排餌作業を行う。これは、前記残餌の劣化による前記飼育槽内の水質の悪化を防止するための作業である。
この場合、前記飼育槽に注水される海水の量を増やし、当該海水の勢いによって前記飼育槽の底に堆積した前記残餌を巻き上げ、海水中に懸濁させる。当該懸濁した海水をフィルタを介して排出することにより、前記飼育槽内から前記レプトケファルス等を排出することなく前記残餌やその他の不純物のみを海水とともに排出させる。前記排餌作業は前記飼育槽内の前記残餌を完全に排出するまで、例えば30分間程度行われる。
【0006】
上述の如き養殖作業は、通常飼育槽の上方から行われるため、当該飼育槽の上方に給水装置等の機器を配置すると、前記養殖作業の妨げになる場合がある。
【特許文献1】特開昭59−106240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、前記飼育槽の下方から前記飼育槽へと給水することができる魚介類養殖システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、
魚介類が飼育される飼育槽へと水を供給し、前記飼育槽から水とともに不純物を排出する給排水装置と、
前記飼育槽に餌を供給し、前記飼育槽の底部に前記餌を堆積させる給餌装置と、
前記飼育槽の底部に堆積した前記餌を、前記飼育槽内の水に懸濁させる排餌装置と、
を具備する魚介類養殖システムであって、
前記給排水装置は、
前記飼育槽の底部から前記飼育槽へと水を供給し、前記飼育槽の上部から水とともに不純物を排出するものである。
【0010】
請求項2においては、
前記給餌装置は、
前記飼育槽の底部から前記飼育槽へと餌を供給するものである。
【0011】
請求項3においては、
前記飼育槽の底部に連通され、前記給排水装置により前記飼育槽へ供給される水と、前記給餌装置により前記飼育槽へ供給される餌と、を前記飼育槽へと導く一つの管路を具備するものである。
【0012】
請求項4においては、
前記管路は、
前記飼育槽内の水及び前記魚介類を前記飼育槽から排出可能に構成されるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、飼育槽の下方から前記飼育槽に対して給水することができる。これによって、前記飼育槽の上方に配置される装置の数を減らし、養殖作業を円滑に行うことができる。
【0015】
請求項2においては、飼育槽の下方から前記飼育槽に対して給餌することができる。これによって、前記飼育槽の上方に配置される装置の数を減らし、養殖作業を円滑に行うことができる。
【0016】
請求項3においては、同一の管路を用いて、飼育槽への給水及び給餌を行うことができる。これによって、前記飼育槽に接続される管路の構成を簡略化することができる。また、前記飼育槽の底部には一つの管路からの連通孔のみが形成されるため、前記飼育槽の洗浄作業等を困難にすることがない。
【0017】
請求項4においては、飼育槽内の水や魚介類を完全に排出することができる。これによって、水を全て排出してから行う洗浄作業等の円滑化や、前記魚介類の移送等の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、図1から図3までを用いて、本発明に係る魚介類養殖システムの第一実施例である養殖システム1について説明する。本実施例に係る養殖システム1は、鰻の幼生であるレプトケファルス(以下、単に「飼育魚」と記す)5・5・・・の養殖を行うものとして説明するが、本発明に係る養殖システム1の養殖対象はレプトケファルスに限るものではなく、種々の魚介類に適用することも可能である。また、本実施例に係る養殖システム1は、海水を使用して養殖を行うものとするが、本発明はこれに限らず、淡水を用いる構成とすることも可能である。
養殖システム1は、主として飼育槽10、給排水装置20、給餌装置40、排餌装置50、コントローラ100等を具備する。
【0019】
飼育槽10は、養殖される魚介類を飼育するためのものである。飼育槽10は、上方が開放され、中央下部(底部)が最も低くなるように構成した容器である。飼育槽10は、主として照明装置11、水位センサ12等を具備する。照明装置11及び水位センサ12は、コントローラ100と接続される。
【0020】
照明装置11は、飼育槽10内に光を照射するものである。照明装置11は、飼育槽10の上部側方から飼育槽10に向けて配置される。飼育槽10が、アクリル等の光透過率の高い材質により形成されている場合、照明装置11により照射された光によって、飼育槽10内を照明することができる。
また、飼育槽10が、光透過率の低い材質により形成されている場合は、照明装置11を飼育槽10の上方に配置し、飼育槽10内を照明する構成とすることも可能である。
【0021】
水位センサ12は、飼育槽10内の海水の水位を検出するものである。水位センサ12は、飼育槽10の上端部側方に配置される。水位センサ12による検出結果は、外部から確認することができるように構成される。具体的にはコントローラ100に表示手段100aが接続され、水位を表示できるようにしている。
【0022】
管路13は、飼育槽10の底部(底面)に連通されるものである。管路13の中途部には、電磁弁13aが配置される。電磁弁13aは、コントローラ100と接続される。電磁弁13aの開度は、コントローラ100からの制御信号によりソレノイドを作動させて切り換えることができる。後述する各電磁弁も同様に、コントローラ100に接続され、コントローラ100からの制御信号により切り換えることができる。
管路13を介して飼育槽10内の海水等の排出を行うため、当該管路13は、飼育槽10の内壁面のうち最下位置に連通されることが望ましい。
【0023】
給排水装置20は、飼育槽10に海水を給水し、飼育槽10内の海水を排水するものである。給排水装置20は、主として貯水槽21、送水ポンプ22、三方電磁弁24、フィルタ29等を具備する。
【0024】
貯水槽21は、飼育槽10に給水される海水を貯溜するための容器である。貯水槽21には、飼育槽10に給水するのに十分な量の海水が貯溜される。
【0025】
送水ポンプ22は、貯水槽21に貯溜される海水を飼育槽10等に圧送するためのものである。送水ポンプ22は、コントローラ100と接続される。
管路23は、貯水槽21と送水ポンプ22の吸入ポートとを連通するものである。管路23の中途部には、ボール弁23aが配置される。ボール弁23aは、予め所定の開度に調節されることにより、当該ボール弁23aを通過する海水等の流量を調節するものである。また、管路等のメンテナンス時には、ボール弁23aを完全に閉じることで、海水等の流通を遮断することができる。以下、他のボール弁についても同様である。
【0026】
三方電磁弁24は、流通する海水の流路を切り換えるものであり、コントローラ100と接続される。三方電磁弁24を流通する海水の流路は、コントローラ100からの制御信号によりソレノイドを作動させて切り換えることができる。三方電磁弁24は、海水が流入する入口ポート24aと、海水が流出する出口ポート24b・24cと、を具備する。三方電磁弁24は、ソレノイドを作動させることによって、(a)入口ポート24aと出口ポート24bとを連通し、出口ポート24cを閉塞する状態と、(b)入口ポート24aと出口ポート24cとを連通し、出口ポート24bを閉塞する状態と、を切り換えることができる。
管路25は、その一端が送水ポンプ22の吐出ポートに連通されるものである。管路25の中途部には、ボール弁25aが配置される。
管路26は、管路25の中途部(送水ポンプ22とボール弁25aとの間)と三方電磁弁24の入口ポート24aとを連通するものである。
管路27は、三方電磁弁24の出口ポート24bと管路13の中途部とを連通するものである。管路27の中途部には、フィルタ27a、ボール弁27b、及び電磁弁27cが順に配置される。
管路28は、三方電磁弁24の出口ポート24cと管路27の中途部(ボール弁27bと電磁弁27cとの間)とを連通するものである。管路28の中途部には、フィルタ28a及びボール弁28bが順に配置される。
本実施例において、ボール弁28bの開度は、ボール弁27bの開度よりも大きく設定されている。このように設定することにより、三方電磁弁24が入口ポート24aと出口ポート24bとを連通した場合に比べて、入口ポート24aと出口ポート24cとを連通した場合の方が、大量の海水を管路13へと流通させることができる。
【0027】
フィルタ29は、飼育槽10の上端部に配置される。フィルタ29には、残餌や不純物等は通過可能であるが、養殖対象である飼育魚5・5・・・は通過不可能な複数の孔が形成される。
【0028】
管路30は、その一端がフィルタ29に連通されるものである。
飼育槽10の容量を超える海水が飼育槽10に給水された場合、飼育槽10内の海水はフィルタ29を介して管路30へと流入し、管路30の他端より飼育槽10の外部へと排出される。これによって、海水とともに飼育槽10内の残餌や不純物等が排出される。
【0029】
給餌装置40は、飼育槽10へ餌を供給し、飼育槽10の底部に餌を堆積させるものである。給餌装置40は、主として餌料タンク41、冷蔵庫42、給餌ポンプ43、洗浄水タンク46等を具備する。
【0030】
餌料タンク41は、餌を貯溜するための容器である。本実施例における飼育魚5・5・・・の餌は、コロイド状に形成された餌を用いるものとするが、本発明は、当該餌の種類を限定するものではない。
【0031】
冷蔵庫42は、餌料タンク41を収納し、所定の温度に冷却するものである。これによって、餌料タンク41内の餌の劣化を防止することができる。
【0032】
給餌ポンプ43は、餌料タンク41内に貯溜される餌を飼育槽10に圧送するものである。給餌ポンプ43は、コントローラ100と接続される。
管路44は、餌料タンク41と給餌ポンプ43の吸入ポートとを連通するものである。管路44の中途部には、電磁弁44aが配置さる。電磁弁44aは、コントローラ100と接続される。
管路45は、給餌ポンプ43の吐出ポートと管路13の中途部(飼育槽10と電磁弁13aとの間)とを連通するものである。管路45の中途部には、電磁弁45aが配置される。電磁弁45aは、コントローラ100と接続される。
【0033】
洗浄水タンク46は、餌が流通する管路44・45・13を洗浄するための海水が貯溜される容器である。
管路25の他端は、ボールタップ46aを介して洗浄水タンクに連通される。ボールタップ46aにより、洗浄水タンク46内の海水量が略一定に保たれる。
管路47は、洗浄水タンク46と管路44の中途部(電磁弁44aと給餌ポンプ43との間)とを連通するものである。管路47の中途部には、ボール弁47a及び電磁弁47bが順に配置される。電磁弁47は、コントローラ100と接続される。
【0034】
排餌装置50は、飼育槽10の底部に堆積した残餌やその他の不純物を、飼育槽10内の海水に懸濁させるとともに、飼育槽10内の洗浄を行うものである。排餌装置50は、主として洗浄水タンク51、洗浄ポンプ52、ホースリール54、洗浄ユニット60等を具備する。
【0035】
洗浄水タンク51は、飼育槽10を洗浄する際に使用する海水を貯溜するものである。海水は、ボールタップ51aを介して洗浄水タンクへ供給される。ボールタップ51aにより、洗浄水タンク51内の海水量が略一定に保たれる。
なお、本実施例においては、洗浄水タンク51は海水を貯溜するものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、飼育槽10の洗浄を行うことが可能であれば淡水を用いる構成としてもよい。
【0036】
洗浄ポンプ52は、洗浄水タンク51に貯溜される海水を洗浄部に圧送するためのものである。洗浄ポンプ52は、コントローラ100と接続される。
管路53は、洗浄水タンク51と洗浄ポンプ52の吸入ポートとを連通するものである。管路53の中途部には、ボール弁53aが配置される。
【0037】
ホースリール54は、海水を供給するためのホース56を巻き取るものである。
管路55は、洗浄ポンプ52の吐出ポートとホースリール54に巻かれたホース56の一端とを連通するものである。管路55の中途部には、圧力計55aが接続され、洗浄ポンプ52の吐出側圧力を計測することができる。但し、圧力計55aは圧力センサにより構成し、コントローラ100と接続する構成とすることもできる。
【0038】
図1から図3までに示すように、洗浄ユニット60は、洗浄ポンプ52により圧送される海水を用いて、飼育槽10の底部に堆積した残餌やその他の不純物を飼育槽10内の海水に懸濁させるとともに、飼育槽10内の洗浄を行うものである。洗浄ユニット60は、主として回転軸61、ブラシフレーム62、支持部材63、毛材64・64・・・、駆動モータ65、昇降部66、運搬部67等を具備する。
【0039】
回転軸61は、ブラシフレーム62の回転中心となる軸である。回転軸61は、その長手方向を上下方向として配置される。回転軸61の上端部には、プーリ61aが固設される。
【0040】
ブラシフレーム62は、側面視において飼育槽10の内壁面と略同一形状に形成される構造体である。ブラシフレーム62の下端は、回転軸61の下端に固設される。ブラシフレーム62は、平面視において、回転軸61を中心とした放射状に等間隔に配置される(図2(a)参照)。本実施例においては、ブラシフレーム62は回転軸61に3つ固設される構成とするが、本発明はブラシフレーム62の個数を限定するものではない。
ブラシフレーム62の同一周方向側の面(図2(a)のA)には、洗浄ポンプ52により圧送される海水を吐出するための複数のノズル62a・62a・・・が所定間隔ごとに設けられる。ノズル62a・62aは、本発明に係る第一ノズルの一実施例である。当該複数のノズル62a・62a・・・は、ブラシフレーム62内において互いに連通されている。
【0041】
支持部材63は、ブラシフレーム62の上下中途部と回転軸61とを連結するものである。支持部材63によって、ブラシフレーム62がより強固に回転軸61に支持される。
【0042】
毛材64・64・・・は、直接飼育槽10に接触させ、飼育槽10の内壁面に付着した残餌や不純物を洗浄するものである。毛材64・64・・・は、ブラシフレーム62の外周面に設けられる。ブラシフレーム62及び毛材64・64・・・は、本発明にかかるブラシの一実施例を構成する。
【0043】
駆動モータ65は、本発明に係る第一駆動装置及び第二駆動装置の一実施例であり、回転軸61を回転させるための動力を発生するものである。駆動モータ65は、コントローラ100と接続される。駆動モータ65は、回転軸61の上部側方に配置される。駆動モータ65の出力軸には、プーリ65aが固設される。プーリ61a及びプーリ65aには、ベルト65bが巻回される。駆動モータ65の回転動力は、プーリ65a、ベルト65b、及びプーリ61aを介して回転軸61に伝達され、回転軸61及び回転軸61に固設されたブラシフレーム62が回転する。本実施例においては、駆動モータ65が駆動されると、ブラシフレーム62はA面側に向かって回転するものとする(図2(a)参照)。
【0044】
昇降部66は、駆動モータ65、回転軸61の上端部等を上下昇降可能に支持するものである。回転軸61は、昇降部66の底面を貫通した状態で、昇降部66に回動可能に支持される。昇降部66は、図示せぬ駆動装置の駆動力により、洗浄ユニット60を上下に昇降させることができる。
【0045】
運搬部67は、昇降部66を水平方向に移動させるものである。運搬部67は、レール67a、車輪67b・67b、及び駆動装置(図示せず)等を具備する。
前記昇降部66の駆動装置及び前記運搬部67の駆動装置は、モータまたは油圧シリンダ等より構成され、コントローラ100と接続される。
【0046】
レール67aは、昇降部66を支持するとともに、昇降部66を所定の位置に導くためのものである。例えば、養殖システム1が複数の飼育槽10・10・・・を具備する場合、レール67aは、当該複数の飼育槽10・10・・・の上方を通過するように連結して配置される。
【0047】
車輪67b・67bは、昇降部66の上面に回動可能に支持される。車輪67b・67bは、レール67a上を走行することで、レール67aに沿って昇降部66を移動させることができる。
【0048】
ホース56の他端は、昇降部66に連通される。
管路68は、ホース56の他端と回転軸61の上端とを連通するものである。管路68の中途部には、電磁弁68a及びボール弁68bが順に配置される。管路68は、回転軸61の内部に形成される連通孔61b(図2(a)参照)を介して、ブラシフレーム62に設けられた複数のノズル62a・62a・・・と連通される。
【0049】
以下では、図1、図2及び図4を用いて、以上の如く構成された養殖システム1の動作態様について説明する。
【0050】
コントローラ100の記憶手段(ROM)には制御プログラムが記憶され、各電磁弁や各モータや各ポンプ等を次のように制御する。
通常、飼育魚5・5・・・への給餌作業等を行わない場合(通常モード、図4のステップS110)、電磁弁27cが開かれ、電磁弁13aや電磁弁45a等が閉じられる。また、三方電磁弁24は、入口ポート24aと出口ポート24bとを連通する状態に切り換えられる。
【0051】
送水ポンプ22が駆動されることにより、貯水槽21に貯溜された海水は、管路23、送水ポンプ22、管路25、管路26、三方電磁弁24、管路27、及び管路13を介して飼育槽10に供給される。
上記の如く、常時飼育槽10には海水が供給されるため、飼育槽10の容量を超える海水は、海水中の不純物とともにフィルタ29を介して管路30から外部へと排出される。このように、通常は、飼育槽10内の海水は入れ替えられている。
【0052】
また、飼育槽10内の海水や飼育魚5・5・・・等を全て排出する場合(排出モード、図4のステップS150)は、電磁弁27c及び電磁弁45aが閉じられ、電磁弁13aが開かれる。これによって、飼育槽10内の海水等は、管路13を介して外部へと排出される。このように、飼育槽10の底部に連通された管路13を用いて海水等の排出を行うことにより、飼育槽10内の海水や不純物等を全て排出することができる。
【0053】
また、空の飼育槽10に海水を溜める場合(給水モード、図4のステップS100)等、大量の海水を飼育槽10に供給する場合は、三方電磁弁24は、入口ポート24aと出口ポート24cとを連通する状態に切り換えられる。これによって、貯水槽21に貯溜された海水は、管路23、送水ポンプ22、管路25、管路26、三方電磁弁24、管路28、管路27、及び管路13を介して飼育槽10に供給される。
この場合、ボール弁28bを流通する海水の流量は、ボール弁27bを流通する海水の流量よりも大きいため、大量の海水を飼育槽10へと供給することができる。
【0054】
次に、飼育槽10内の飼育魚5・5・・・に給餌を行う(以下、単に「給餌動作」と記す)場合(給餌モード、図4のステップS120)について説明する。
この場合、電磁弁44a及び電磁弁45aは開かれ、電磁弁13a、電磁弁27c、及び電磁弁47bは閉じられる。
【0055】
給餌ポンプ43が駆動されることにより、餌料タンク41内に貯溜された餌は、管路44、給餌ポンプ43、管路45、及び管路13を介して飼育槽10に供給される。この場合、給餌ポンプ43により圧送される餌の流量は、飼育槽10に供給される餌が水中に懸濁しない程度の流量に調整される。これによって、飼育槽10に供給される餌は、飼育槽10の底部に堆積する。
一回の給餌に必要な量の餌が飼育槽10に圧送されると、給餌ポンプ43の駆動は停止され、飼育槽10への餌の供給が終了する。
【0056】
飼育槽10に餌を供給した後、照明装置11により飼育槽10内に光を照射する。飼育魚5・5・・・は光を嫌うため、飼育槽10の底部に堆積した餌の中へ逃げ込む。飼育魚5・5・・・は餌の中で、口を開けながら泳ぐため、餌を食べることになる。
上記給餌作業は、所定の時間行われる。
【0057】
また、給餌によって汚れた管路44・45・13内を洗浄する場合(給餌清掃モード、図4のステップS140)、電磁弁47bが開かれ、電磁弁44aが閉じられる。この状態で給餌ポンプ43が駆動されることにより、洗浄水タンク46内の海水が、管路47、管路44、管路45、及び管路13を流通する。これによって、管路44・45・13内の洗浄が行われる。
【0058】
次に、飼育魚5・5・・・への給餌が終了した後、残餌を排出(排餌)する(以下、単に「排餌動作」と記す)場合(排餌モード、図4のステップS130)について説明する。
この場合、電磁弁68aは開かれ、電磁弁13a、電磁弁27c、及び電磁弁45a等は閉じられる。
【0059】
養殖システム1が飼育槽10を複数具備している場合、洗浄ユニット60は、排餌モード時に、運搬部67によって、残餌を排出すべき飼育槽10の上方まで移動される。
残餌を排出すべき飼育槽10の上方に到達した洗浄ユニット60は、昇降部66によって、飼育槽10の内部に下降される。
【0060】
ブラシフレーム62が飼育槽10内まで下降すると、洗浄ポンプ52及び駆動モータ65が駆動される。洗浄ポンプ52が駆動されると、洗浄水タンク51内に貯溜された海水は、管路53、洗浄ポンプ52、管路55、ホース56、管路68、及び連通孔61bを介してブラシフレーム62のノズル62a・62a・・・より吐出される。また、駆動モータ65が駆動されると、回転軸61及びブラシフレーム62が回転する(図2参照)。
上記の如く、ブラシフレーム62が回転することで、毛材64・64・・・により飼育槽10の内壁面が洗浄されるとともに、飼育槽10の底部に体積した残餌が海水に懸濁される。この際、駆動モータ65による回転軸61の回転動作に加えて、昇降部66による上下昇降動作を行うことにより、さらに効果的に飼育槽10の洗浄を行うことも可能である。
また、ブラシフレーム62のノズル62a・62a・・・より海水が吐出されているため、飼育槽10内の飼育魚5・5・・・はブラシフレーム62に接近することができない。これによって、毛材64・64・・・に飼育魚5・5・・・が巻き込まれることを防止することができる。
なお、この場合、飼育槽10内には飼育中の飼育魚5・5・・・が多数存在するため、洗浄ポンプ52の流量及び駆動モータ65の回転数は、それぞれ当該飼育魚5・5・・・を傷つけない程度の流量及び回転数にそれぞれ設定されることが望ましい。
【0061】
洗浄ユニット60により残餌等が懸濁された飼育槽10内の海水は、フィルタ29及び管路30を介して飼育槽10の外部へと排出される。これによって、海水とともに飼育槽10内の残餌や不純物等を排出することができる。
上記残餌を排出する作業(排餌作業)は、所定の時間行われる。
【0062】
上記排餌作業が終了すると、洗浄ポンプ52及び駆動モータ65が停止される。次に、昇降部66によって、洗浄ユニット60が飼育槽10の上方まで上昇される。その後、別の飼育槽10も同様に排餌作業を行う場合、洗浄ユニット60は、運搬部67によって、排餌作業を行うべき飼育槽10の上方まで移動される。
運搬部67によって洗浄ユニット60が移動する際、ホースリール54によりホース56の長さが調節されるため、ホース56が切断や破損することなく洗浄ユニット60の移動を行うことができる。
【0063】
このようにして、通常モード、給餌モード、排餌モードがそれぞれ所定時間毎に作動されて、人手を省いて養殖が自動的に行われ、労力を軽減することができる。
【0064】
以上の如く、本実施例の養殖システム1は、
飼育魚5・5・・・が飼育される飼育槽10へと水を供給し、飼育槽10から水とともに不純物を排出する給排水装置20と、
飼育槽10に餌を供給し、飼育槽10の底部に前記餌を堆積させる給餌装置40と、
飼育槽10の底部に堆積した前記餌を、飼育槽10内の水に懸濁させる排餌装置50と、
を具備するものである。
このように構成することにより、残餌や排泄物などを効率良く取り除いて飼育槽10内の水をきれいに保ち、魚介類、特に鰻の幼生等に適した養殖を行うことができる。また、養殖作業において各装置を順に自動的に動作させることができるため、効率的に魚介類の養殖を行うことができる。さらに、養殖作業のための作業員の負担を軽減することができる。
【0065】
また、本実施例の魚介類の養殖方法は、
飼育魚5・5・・・が飼育される飼育槽10へと水を供給するとともに、飼育槽10から水とともに不純物を排出し、
飼育槽10に餌を供給し、飼育槽10の底部に前記餌を堆積させ、
飼育槽10の底部に堆積した前記餌を、飼育槽10内の水に懸濁させるものである。
このように構成することにより、魚介類、特に鰻の幼生の生態に合わせて効率良く給餌することができ、鰻に適した養殖を行うことができる。
【0066】
また、本実施例の養殖システム1は、
飼育魚5・5・・・が飼育される飼育槽10へと水を供給し、飼育槽10から水とともに不純物を排出する給排水装置20と、
飼育槽10に餌を供給し、飼育槽10の底部に前記餌を堆積させる給餌装置40と、
飼育槽10の底部に堆積した前記餌を、飼育槽10内の水に懸濁させる排餌装置50と、
を具備する養殖システム1であって、
給排水装置20は、
飼育槽10の底部から飼育槽10へと水を供給し、飼育槽10の上部から水とともに不純物を排出するものである。
このように構成することにより、飼育槽10の下方から飼育槽10に対して給水することができる。これによって、飼育槽10の上方に配置される装置の数を減らし、作業員や各装置による養殖作業を円滑に行うことができる。また、飼育槽10の下方からの給水により、底部に堆積する残餌を浮き上がらせて懸濁することができ、魚介類に給餌の機会を増加させて、成長を促進させるさせるとともに、餌の無駄な排出も減少できる。
【0067】
また、本実施例の給餌装置40は、
飼育槽10の底部から飼育槽10へと餌を供給するものである。
このように構成することにより、飼育槽10の下方から飼育槽10に対して給餌することができる。これによって、飼育槽10の上方に配置される装置の数を減らし、作業員や各装置による養殖作業を円滑に行うことができる。また、上方より給餌する構成では、餌が飼育槽10底部に落下する途中で溶けて分散する比率が高くなるが、本実施例では底部から餌を供給するので、底部に餌が溜まる比率が高くなり、効率よく魚介類に食べさせることができる。
【0068】
また、本実施例の養殖システム1は、
飼育槽10の底部に連通され、給排水装置20により飼育槽10へ供給される水と、給餌装置40により飼育槽10へ供給される餌と、を飼育槽10へと導く一つの管路13を具備するものである。
このように構成することにより、同一の管路13を用いて、飼育槽10への給水及び給餌を行うことができる。これによって、飼育槽10に接続される管路の構成を簡略化することができる。また、飼育槽10の底部には一つの管路13からの連通孔のみが形成される。すなわち、飼育槽10の底部の形状を複雑化することがないため、飼育槽10の洗浄作業等を困難にすることがない。
【0069】
また、本実施例の管路13は、
飼育槽10内の水及び飼育魚5・5・・・を飼育槽10から排出可能に構成されるものである。
このように構成することにより、飼育槽10内の水や飼育魚5・5・・・を完全に排出することができる。これによって、水を全て排出してから行う洗浄作業等の円滑化や、飼育魚5・5・・・の移送等の効率化を図ることができる。
【0070】
また、本実施例の養殖システム1は、
飼育魚5・5・・・が飼育される飼育槽10へと水を供給し、飼育槽10から水とともに不純物を排出する給排水装置20と、
飼育槽10に餌を供給し、飼育槽10の底部に前記餌を堆積させる給餌装置40と、
飼育槽10の底部に堆積した前記餌を、飼育槽10内の水に懸濁させる排餌装置50と、
を具備する養殖システム1であって、
排餌装置50は、
飼育槽10の内部を洗浄するブラシ(ブラシフレーム62及び毛材64・64・・・)と、
前記ブラシを回転駆動させる駆動モータ65と、
前記ブラシに配置され、前記ブラシの回転方向に水を吐出するノズル62a・62a・・・と、
を具備するものである。
このように構成することにより、魚介類、特に鰻の幼生等に適した養殖を行うことができる。また、養殖作業を装置によって行うことができるため、効率的に魚介類の養殖を行うことができる。さらに、ノズル62a・62a・・・から水を吐出することにより飼育魚5・5・・・が前記ブラシに接近することを防止することができる。これによって、前記ブラシに飼育魚5・5・・・が巻き込まれることを防止することができ、また、ノズル62a・62a・・・からの水の吐出と、前記ブラシによる擦り作用により、飼育槽10をきれいに清掃することができる。
【0071】
また、本実施例の排餌装置50は、
上下昇降可能に構成されるものである。
このように構成することにより、排餌装置50を上下昇降させることにより、より効果的に飼育槽10内の餌を水に懸濁させるとともに、より効果的に飼育槽10内の洗浄を行うことができる。また、排餌・清掃作業時のみ飼育槽10内に出し入れできるため、通常時は養殖の邪魔にならず、移動させて他の飼育槽10の排餌・清掃作業を行うことができ、コスト低減化を図ることができる。また、メンテナンスも容易に行うことができる。
【0072】
以下では、図3から図5を用いて、本発明に係る魚介類養殖システムの第二実施例である養殖システム101について説明する。
第二実施例に係る養殖システム101が、第一実施例に係る養殖システム1と異なる点は、本発明に係る移送装置の一実施例であるバッファ槽80を具備する点である。
なお、以下の説明において、第一実施例に係る養殖システム1と略同一構成の部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0073】
養殖システム101は、主として飼育槽10、給排水装置120、給餌装置40、排餌装置50、バッファ槽80等を具備する。
【0074】
バッファ槽80は、飼育槽10から搬出された飼育魚5・5・・・を一時的に保管するためのものである。バッファ槽80は、上方が開放された容器であり、飼育槽10と略同じ大きさ、略同じ形状に構成される。バッファ槽80は、主として水位センサ81、フィルタ82、昇降装置(不図示)、飼育魚移送管85・86等を具備する。
【0075】
水位センサ81は、バッファ槽80内の海水の水位を検出するものである。水位センサ81は、コントローラ100と接続される。水位センサ81は、バッファ槽80の上端部側方に配置される。水位センサ81による検出結果は、外部から確認することができるように構成される。
【0076】
フィルタ82は、バッファ槽80の上部に配置される。フィルタ82には、残餌や不純物等は通過可能であるが、養殖対象である飼育魚5・5・・・は通過不可能な複数の孔が形成される。
【0077】
管路83は、その一端がフィルタ82に連通されるものである。
バッファ槽80の容量を超える海水がバッファ槽80に給水された場合、バッファ槽80内の海水はフィルタ82を介して管路83へと流入し、管路83の他端よりバッファ槽80の外部へと排出される。これによって、海水とともにバッファ槽80内の不純物等が排出される。
【0078】
管路84は、バッファ槽80の底面に連通されるものである。管路84の中途部には、電磁弁84aが配置される。
【0079】
バッファ槽80は、図示せぬ昇降装置により昇降可能に構成される。前記昇降装置は、コントローラ100と接続される。前記昇降装置は、バッファ槽80の上端が飼育槽10の下端より低くなる位置(図5中のLの位置)まで、バッファ槽80を下降させることができる。また、前記昇降装置は、バッファ槽80の下端が飼育槽10の上端より高くなる位置(図5中のHの位置)まで、バッファ槽80を上昇させることができる。
【0080】
飼育魚移送管85は、前記昇降装置によりバッファ槽80が下降された場合、管路13とバッファ槽80の上部とを連通するものである。
【0081】
飼育魚移送管86は、前記昇降装置によりバッファ槽80が上昇された場合、管路84と飼育槽10とを連通するものである。
【0082】
本実施例に係る給排水装置120は、第一実施例に係る給排水装置20の構成に加えて、ホースリール121、管路122、ホース123等を具備する。
【0083】
ホースリール121は、海水を供給するためのホース123を巻き取るものである。
管路122は、管路25の中途部(送水ポンプ22とボール弁25aとの間)とホースリール121に巻かれたホース123の一端とを連通するものである。管路122の中途部には、ボール弁122a及び電磁弁122bが順に配置される。
ホース123の他端は、バッファ槽80の上部に連通される。
【0084】
以下では、以上の如く構成された養殖システム101におけるコントローラ100の制御による動作態様について説明する。
第二実施例に係る養殖システム101が、第一実施例に係る養殖システム1と異なる点は、養殖システム1の動作に加えて、飼育槽10内で飼育される飼育魚5・5・・・を一時的にバッファ槽80へ移送し、保管することができる点である。よって、以下では、養殖システム1と同様の動作態様については説明を省略する。
【0085】
本実施例に係る養殖システム101は、第一実施例に係る養殖システム1と同様に、給餌動作及び排餌動作を行うことができる。
【0086】
次に、飼育槽10内の飼育魚5・5・・・を一時的にバッファ槽80へ移送し、当該飼育魚5・5・・・を再び飼育槽10へ戻す(以下、単に「移送動作」と記す)場合(移送モード、図4のステップS160)について説明する。移送動作は、定期的に飼育槽10を洗浄する場合(洗浄モード、図4のステップS170)等に行われるものであり、例えば、1日に1回程度行われる。
この場合、電磁弁13a、電磁弁27c、電磁弁45a、及び電磁弁84aは閉じられる。
【0087】
次に、前記昇降装置により、バッファ槽80の上端が飼育槽10の下端より低くなる位置(図5中のLの位置)まで、バッファ槽80が下降されると、飼育魚移送管85が移動手段(図示せず)により電磁弁13a下部とバッファ槽80上部とが連通するように移動される。この状態で、電磁弁13aが開放されると、飼育槽10内の飼育魚5・5・・・は、飼育槽10内の海水とともに、管路13及び飼育魚移送管85を介してバッファ槽80へと移送される。これによって、飼育槽10を空にすることができ、当該飼育槽10の洗浄やメンテナンス等を行うことができる。
また、空になった飼育槽10の洗浄は、排餌装置50を用いて行うことが可能である。この場合、飼育中の飼育魚5・5・・・を傷つけることがないため、洗浄ポンプ52の流量や、駆動モータ65の回転数を大きく設定して、飼育槽10の洗浄を行うことができる。以下、移送動作により空になった飼育槽10を、排餌装置50を用いて洗浄することを、単に「洗浄動作」と記す。
【0088】
飼育槽10の洗浄やメンテナンス等が終了し、バッファ槽80に移送した海水及び飼育魚5・5・・・を再び飼育槽10に戻す場合、電磁弁13aは閉じられ、飼育魚移送管85は移動して待避される。
【0089】
次に、前記昇降装置により、バッファ槽80の下端が飼育槽10の上端より高くなる位置(図5中のHの位置)まで、バッファ槽80が上昇されると、飼育魚移送管86が移動手段(図示せず)により電磁弁84a下部と飼育槽10上部とが連通するように移動される。なお、前記飼育魚移送管85・86の移動手段はコントローラ100と接続されている。この状態で、電磁弁84aが開放されると、バッファ槽80内の飼育魚5・5・・・は、バッファ槽80内の海水とともに、管路84及び飼育魚移送管86を介して飼育槽10へと移送される。これによって、再び飼育槽10に海水及び飼育魚5・5・・・を戻すことができる。
【0090】
なお、バッファ槽80に飼育槽10の海水や飼育魚5・5・・・を保管していない場合において、当該バッファ槽80を用いて、排餌装置50の洗浄ユニット60の洗浄や消毒等を行うことも可能である。また、バッファ槽80を、洗浄ユニット60の待機場所として使用することも可能である。
【0091】
また、バッファ槽80に一時的に飼育魚5・5・・・が保管されている際に、電磁弁122bを開放し、送水ポンプ22を駆動することによって、貯水槽21に貯溜された海水を、管路23、送水ポンプ22、管路25、管路122、及びホース123を介してバッファ槽80に供給することができる。
バッファ槽80の容量を超える海水は、フィルタ82を介して管路83から外部へと排出される。このように、バッファ槽80内の海水の入れ替えを行うことも可能である。
【0092】
なお、飼育槽10を前記昇降装置により昇降可能な構成とすることで、本実施例に係るバッファ槽80として用いることも可能である。即ち、複数ある飼育槽10・10・・・のうち、1つの空の飼育槽10を用意し、当該空の飼育槽10に、他の飼育槽10・10・・・の海水及び飼育魚5・5・・・を一時的に保管する構成とすることも可能である。
【0093】
以上の如く、本実施例の養殖システム101は、
上下昇降可能に構成され、飼育槽10内の飼育魚5・5・・・を受け取り、当該受け取った飼育魚5・5・・・を再び飼育槽10内へと戻すバッファ槽80を具備するものである。
このように構成することにより、飼育魚5・5・・・を傷つけることがなく、容易に入れ替えることが可能となり、空いた飼育槽10を容易に清掃等ができる。よって、魚介類、特に鰻の幼生等に適した養殖を行うことができる。また、養殖作業を各装置によって行うことができるため、効率的に魚介類の養殖を行うことができる。さらに、養殖作業のための作業員の負担を軽減することができる。
【0094】
また、本実施例の魚介類の養殖方法は、
飼育槽10内の飼育魚5・5・・・を、他の槽に移送し、当該移送した飼育魚5・5・・・を再び飼育槽10内へと戻すものである。
このように構成することにより、複数の飼育槽10・10・・・を効率よく洗浄でき、魚介類、特に鰻の幼生等に適した養殖を行うことができる。
【0095】
以下では、図6及び図7を用いて、排餌装置の他の実施例である排餌装置150について説明する。
本実施例に係る排餌装置150が、第一実施例に係る排餌装置50と異なる点は、洗浄ユニット60に代えて洗浄ユニット160を具備する点である。
なお、以下の説明において、第一実施例に係る排餌装置50と略同一構成の部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0096】
排餌装置150は、主として洗浄水タンク51、洗浄ポンプ52、ホースリール54、洗浄ユニット160等を具備する。
【0097】
洗浄ユニット160は、主として回転軸61、ノズル支持部材162、ノズル163・163、駆動モータ65、昇降部66、運搬部67等を具備する。
【0098】
回転軸61は、その長手方向を上下方向として配置される。
【0099】
ノズル支持部材162は、平面視(図7(a))略円形状の部材である。ノズル支持部材162の上面略中央部は、回転軸61の下端に固設される。
【0100】
ノズル163・163は、本発明に係る第二ノズルの一実施例であり、圧送される海水を放出するものである。ノズル163・163は、ノズル支持部材162の下面に固設される。ノズル163・163は、平面視において、回転軸61を中心として互いに対称な位置に配置される。ノズル163・163には、圧送される海水を当該ノズル163・163の周囲に向かって吐出可能なように、複数の吐出孔が形成される。
なお、本実施例において、洗浄ユニット160はノズル163を2個備える構成とするが、本発明は、ノズル163の個数を限定するものではない。
【0101】
管路68は、ホース56の他端と回転軸61の上端とを連通するものである。管路68は、回転軸61の内部に形成される連通孔61bを介して、ノズル支持部材162に設けられたノズル163・163と連通される。
【0102】
以下では、図6及び図7を用いて、以上の如く構成された排餌装置150の動作態様について説明する。排餌装置150は、排餌装置50と同様に、洗浄動作及び排餌動作を行うことが可能である。
【0103】
移送動作により空になった飼育槽10を洗浄する場合(洗浄動作を行う場合)、洗浄ユニット160は、運搬部67によって、洗浄すべき飼育槽10の上方まで移動される。
洗浄すべき飼育槽10の上方に到達した洗浄ユニット160は、昇降部66によって、飼育槽10の内部に下降される。
【0104】
ノズル支持部材162が飼育槽10内まで下降すると、洗浄ポンプ52及び駆動モータ65が駆動される。洗浄ポンプ52が駆動されると、洗浄水タンク51内に貯溜された海水は、管路53、洗浄ポンプ52、管路55、ホース56、管路68、及び連通孔61bを介してノズル163・163より吐出される。また、駆動モータ65が駆動されると、回転軸61及びノズル支持部材162が回転する(図7参照)。
上記の如く、ノズル163・163より海水を吐出しながらノズル支持部材162が回転することで、当該吐出された海水の水圧により、飼育槽10の内壁面が洗浄される。この際、駆動モータ65による回転軸61の回転動作に加えて、昇降部66による上下昇降動作を行うことにより、さらに効果的に飼育槽10の洗浄を行うことも可能である。
【0105】
また、排餌装置150は、洗浄ポンプ52により圧送される海水の流量を少なく調節することにより、排餌装置50と同様に、排餌動作を行うことも可能である。この場合、ノズル163・163から吐出される海水の流量を、飼育槽10内の飼育魚5・5・・・を傷つけない程度に調節することが望ましい。
【0106】
以上の如く、本実施例の養殖システム101は、
飼育魚5・5・・・が飼育される飼育槽10へと水を供給し、飼育槽10から水とともに不純物を排出する給排水装置20と、
飼育槽10に餌を供給し、飼育槽10の底部に前記餌を堆積させる給餌装置40と、
飼育槽10の底部に堆積した前記餌を、飼育槽10内の水に懸濁させる排餌装置150と、
を具備する養殖システム101であって、
排餌装置150は、
飼育槽10の内壁面に対して水を吐出するノズル163・163と、
ノズル163・163を回転駆動させる駆動モータ65と、
を具備するものである。
このように構成することにより、魚介類、特に鰻の幼生等に適した養殖を行うことができる。また、養殖作業を装置によって行うことができるため、効率的に魚介類の養殖を行うことができる。
【0107】
以下では、図8から図13までを用いて、前述した飼育槽10及びバッファ槽80の配置構成について説明する。
【0108】
まず、図8を用いて、第一の配置構成について説明する。第一の配置構成において、飼育槽10・10・・・は、平面視前後左右にそれぞれ等間隔(いわゆる碁盤目状)に配置される。
より詳細には、前後方向一直線上に、一定の間隔をあけて4つの飼育槽10・10・・・が配置される(当該列を、「第一列」とする)。そして、第一列に配置された各飼育槽10・10・・・の左右方向(平面視において前後方向と直交する方向)右側には、前記一定の間隔と略同一の間隔ごとに2個の飼育槽10・10がそれぞれ配置される。すなわち、飼育槽10・10・・・は、前後方向に4行、左右方向に3列として配置される。
【0109】
上記第一の配置構成の如く飼育槽10・10・・・を配置することにより、排餌装置のレール67aの構成を単純化することができる。また、各飼育槽10・10・・・間の距離を把握しやすいため、洗浄ユニット60の移動速度、移動距離、移動時間等の管理を容易にすることができる。
【0110】
なお、本配置構成においては、飼育槽10・10・・・の数を12個として説明したが、本発明はこれに限るものではなく、各行及び各列の数を増減させて配置する構成とすることも可能である。
【0111】
次に、図9及び図10を用いて、第一の配置構成における、移送動作及び洗浄動作の態様について説明する。
【0112】
まず、図9を用いて、第一の配置構成において、全ての飼育槽10・10・・・に前記昇降装置を具備した場合、すなわち、全ての飼育槽10・10・・・をバッファ槽80・80・・・として用いることができる構成とした場合について説明する。
なお、説明の便宜上、図9においては、複数の飼育槽10・10・・・の一部である3つの飼育槽10A・10B・10Cを用いて説明を行う。
【0113】
この場合、まず、図9(a)に示すように、空の飼育槽10Aを下降させ、他の飼育槽10B内の海水や飼育魚5・5・・・を飼育槽10Aに移送する。なお、当該飼育槽10Aは、海水や飼育魚5・5・・・が移送される前に洗浄されていることが望ましい。また、飼育魚5・5・・・の移送距離をできる限り短くするため、飼育槽10Aと飼育槽10Bとは隣接していることが望ましい。
【0114】
次に、図9(b)に示すように、飼育槽10Aが元の高さまで上昇されるとともに、空になった飼育槽10Bが洗浄ユニット160によって洗浄される。
【0115】
飼育槽10Bの洗浄が終了すると、図9(c)に示すように、空の飼育槽10Bを下降させ、他の飼育槽10C内の海水や飼育魚5・5・・・を飼育槽10Bに移送する。なお、飼育魚5・5・・・の移送距離をできる限り短くするため、飼育槽10Bと飼育槽10Cとは隣接していることが望ましい。
【0116】
次に、図9(d)に示すように、飼育槽10Bが元の高さまで上昇されるとともに、空になった飼育槽10Cが洗浄ユニット160によって洗浄される。
【0117】
上記の如く、ある飼育槽10から空の飼育槽10へ海水等を移送し、空になった飼育槽10を洗浄する動作を繰り返すことで、各飼育槽10を順に洗浄することができる。このように構成することにより、1つの排餌装置150(洗浄ユニット160)で全ての飼育槽10・10・・・を洗浄することができ、装置コストの削減を図ることができる。
【0118】
次に、図10を用いて、第一の配置構成において、隣接する飼育槽10・10・・・のうち少なくとも1つの飼育槽10に前記昇降装置を具備した場合、すなわち、前記少なくとも1つの飼育槽10をバッファ槽80として用いることができる構成とした場合について説明する。
具体的には、例えば、図8において、第一列目の第二行目及び第四行目、第二列目の第一行目及び第三行目、第三列目の第二行目及び第四行目の飼育槽10・10・・・をバッファ槽80として用いる場合等である。
なお、説明の便宜上、図10においては、複数の飼育槽10・10・・・の一部である2つの飼育槽10A・10B及び当該飼育槽10A・10B間に位置する1つのバッファ槽(飼育槽)80を用いて説明を行う。
【0119】
この場合、まず、図10(a)に示すように、海水及び飼育魚5・5・・・が貯溜されているバッファ槽80を上昇させ、当該バッファ槽80内の海水及び飼育魚5・5・・・を、隣接する空の飼育槽10Aに移送する。なお、当該飼育槽10Aは、海水や飼育魚5・5・・・が移送される前に洗浄されていることが望ましい。
【0120】
次に、図10(b)に示すように、バッファ槽80が元の高さまで下降されるとともに、当該空になったバッファ槽80が洗浄ユニット160によって洗浄される。
【0121】
バッファ槽80の洗浄が終了すると、図10(c)に示すように、当該バッファ槽80を下降させ、隣接する他の飼育槽10B内の海水や飼育魚5・5・・・をバッファ槽80に移送する。
【0122】
次に、図10(d)に示すように、バッファ槽80が元の高さまで上昇されるとともに、空になった飼育槽10Bが洗浄ユニット160によって洗浄される。
【0123】
上記の如く、隣接する飼育槽10のうち少なくとも1つの飼育槽10をバッファ槽80として用いることで、各飼育槽10・10・・・を順に洗浄することができる。このように構成することにより、1つの排餌装置150(洗浄ユニット160)で全ての飼育槽10・10・・・を洗浄することができ、装置コストの削減を図ることができる。また、飼育槽10・10・・・のうちバッファ槽80として用いるものの個数を削減することができ、装置コストの削減を図ることができる。
【0124】
以上の如く、本実施例の養殖システム1は、
飼育魚5・5・・・が飼育される飼育槽10・10・・・へと水を供給し、飼育槽10から水とともに不純物を排出する給排水装置20と、
飼育槽10・10・・・に餌を供給し、飼育槽10・10・・・の底部に前記餌を堆積させる給餌装置40と、
飼育槽10・10・・・の底部に堆積した前記餌を、飼育槽10・10・・・内の水に懸濁させる排餌装置50と、
上下昇降可能に構成され、飼育槽10・10・・・内の飼育魚5・5・・・を受け取り、当該受け取った飼育魚5・5・・・を再び飼育槽10内へと戻すバッファ槽80と、
を具備する養殖システム1であって、
飼育槽10・10・・・は、
直線上に複数配置されるとともに、前記直線に垂直な直線上に複数配置されるものである。
このように構成することにより、魚介類、特に鰻の幼生等に適した養殖を行うことができる。また、養殖作業を装置によって行うことができるため、効率的に魚介類の養殖を行うことができる。さらに、飼育槽を整列して配置することにより、各装置の動作や作業を単純化することで効率的に魚介類の養殖を行うことができる。
また、上記第一の配置構成の如く飼育槽10・10・・・を配置することにより、排餌装置のレール67aの構成を単純化することができる。さらに、各飼育槽10・10・・・間の距離を把握しやすいため、洗浄ユニット60の移動速度、移動距離、移動時間等の管理を容易にすることができる。
【0125】
また、本実施例の飼育槽10・10・・・は、
隣り合う飼育槽10・10・・・のうち、少なくとも一つをバッファ槽80として構成するものである。
このように構成することにより、隣り合う飼育槽同士で魚介類や水の移送を行うことができる。これによって、効率的に魚介類の養殖を行うことができる。
また、飼育槽10・10・・・のうちバッファ槽80として用いるものの個数を削減することができ、装置コストの削減を図ることができる。
【0126】
次に、図11を用いて、第二の配置構成について説明する。第二の配置構成において、飼育槽10・10・・・は、1つのバッファ槽80の周囲に複数配置される。
より詳細には、8個の飼育槽10・10・・・が、バッファ槽80を中心とする同心円上に互いに等間隔に配置される。
なお、バッファ槽80として、前記昇降装置を具備した飼育槽10を用いる構成とすることも可能である。
【0127】
上記第二の配置構成の如く飼育槽10・10・・・を配置することにより、排餌装置のレール67aは放射状(半径方向)に配置され、その構成を単純化することができる。また、各飼育槽10・10・・・間の距離を把握しやすいため、洗浄ユニット60の移動速度、移動距離、移動時間等の管理を容易にすることができる。
【0128】
なお、本配置構成においては、飼育槽10・10・・・の数を8個として説明したが、本発明はこれに限るものではなく、飼育槽10・10・・・の数を増減させて配置する構成とすることも可能である。
【0129】
次に、図12及び図13を用いて、第二の配置構成における、移送動作及び洗浄動作の態様について説明する。
なお、説明の便宜上、図12及び図13においては、複数の飼育槽10・10・・・の一部である2つの飼育槽10A・10B及び当該飼育槽10A・10B間に位置する1つのバッファ槽(飼育槽)80を用いて説明を行う。
【0130】
まず、図12(a)に示すように、バッファ槽80を下降させ、飼育槽10A内の海水や飼育魚5・5・・・をバッファ槽80に移送する。なお、当該バッファ槽80は、海水や飼育魚5・5・・・が移送される前に洗浄されていることが望ましい。
【0131】
次に、図12(b)に示すように、バッファ槽80が元の高さまで上昇されるとともに、空になった飼育槽10Aが洗浄ユニット160によって洗浄される。
【0132】
飼育槽10Aの洗浄が終了すると、図12(c)に示すように、洗浄ユニット160を飼育槽10Aから取り出すとともに、バッファ槽80を上昇させ、バッファ槽80内の海水や飼育魚5・5・・・を飼育槽10Aに再び戻す。
【0133】
次に、図12(d)に示すように、バッファ槽80が元の高さまで下降されるとともに、当該空になったバッファ槽80が洗浄ユニット160によって洗浄される。
【0134】
バッファ槽80の洗浄が終了すると、図13(e)に示すように、バッファ槽80を下降させ、飼育槽10B内の海水や飼育魚5・5・・・をバッファ槽80に移送する。
【0135】
次に、図13(f)に示すように、バッファ槽80が元の高さまで上昇されるとともに、空になった飼育槽10Bが洗浄ユニット160によって洗浄される。
【0136】
飼育槽10Bの洗浄が終了すると、図13(g)に示すように、洗浄ユニット160を飼育槽10Bから取り出すとともに、バッファ槽80を上昇させ、バッファ槽80内の海水や飼育魚5・5・・・を飼育槽10Bに再び戻す。
【0137】
上記の如く、1つのバッファ槽80の周囲に複数の飼育槽10・10・・・を配置することで、各飼育槽10・10・・・を順に洗浄することができる。このように構成することにより、1つの排餌装置150(洗浄ユニット160)で全ての飼育槽10・10・・・を洗浄することができ、装置コストの削減を図ることができる。また、このような配置構成においては、1個のバッファ槽80を用いて全ての飼育槽10・10・・・の移送を行うことができるため、装置コストの削減を図ることができる。なお、飼育槽10・10・・・がバッファ槽80を中心に回転可能に構成することにより、排餌装置のレール67aは一つ半径方向に設けるだけでよく、レール67aの構成を更に簡単に構成することもできる。
【0138】
以上の如く、本実施例の養殖システム1は、
飼育魚5・5・・・が飼育される飼育槽10・10・・・へと水を供給し、飼育槽10から水とともに不純物を排出する給排水装置20と、
飼育槽10・10・・・に餌を供給し、飼育槽10・10・・・の底部に前記餌を堆積させる給餌装置40と、
飼育槽10・10・・・の底部に堆積した前記餌を、飼育槽10・10・・・内の水に懸濁させる排餌装置50と、
上下昇降可能に構成され、飼育槽10・10・・・内の飼育魚5・5・・・を受け取り、当該受け取った飼育魚5・5・・・を再び飼育槽10内へと戻すバッファ槽80と、
を具備する養殖システム1であって、
飼育槽10・10・・・は、
一の飼育槽10を中心とする同心円上に配置されるものである。
このように構成することにより、魚介類、特に鰻の幼生等に適した養殖を行うことができる。また、養殖作業を装置によって行うことができるため、効率的に魚介類の養殖を行うことができる。さらに、飼育槽を整列して配置することにより、各装置の動作や作業を単純化することで効率的に魚介類の養殖を行うことができる。
また、上記第二の配置構成の如く飼育槽10・10・・・を配置することにより、排餌装置のレール67aの構成を単純化することができる。さらに、各飼育槽10・10・・・間の距離を把握しやすいため、洗浄ユニット60の移動速度、移動距離、移動時間等の管理を容易にすることができる。
【0139】
また、本実施例の飼育槽10・10・・・は、
前記一の飼育槽10をバッファ槽80として構成するものである。
このように構成することにより、一の飼育槽を移送装置として構成するだけで、その周囲に配置される飼育槽内の魚介類や水の移送を行うことができる。これによって、効率的に魚介類の養殖を行うことができる。また、装置コストの削減を図ることができる。
【0140】
なお、上記第一の配置構成及び第二の配置構成において、飼育槽10・10・・・及びバッファ槽80の洗浄は排餌装置150(洗浄ユニット160)により行うものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、排餌装置50(洗浄ユニット60)や、飼育槽10・10・・・を洗浄することができる他の装置を用いて洗浄する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の一実施例に係る魚介類養殖システムの全体構成を示した概略図。
【図2】同じく洗浄ユニットの構成を示した模式図、(a)平面図、(b)側面一部断面図。
【図3】同じく魚介類養殖システムの制御構成を示したブロック図。
【図4】同じく魚介類養殖システムのモード切り換えを示したブロック図。
【図5】他の実施例に係る魚介類養殖システムの全体構成を示した概略図。
【図6】排餌装置の他の実施例を示した概略図。
【図7】同じく模式図、(a)平面図、(b)側面一部断面図。
【図8】第一の配置構成を示した平面模式図。
【図9】第一の配置構成における動作態様を示した図、(a)空の飼育槽への移送を示した図、(b)飼育槽の洗浄を示した図、(c)洗浄した飼育槽への移送を示した図、(d)飼育槽の洗浄を示した図。
【図10】同じく他の動作態様を示した図、(a)空の飼育槽への移送を示した図、(b)バッファ槽の洗浄を示した図、(c)洗浄したバッファ槽への移送を示した図、(d)飼育槽の洗浄を示した図。
【図11】第二の配置構成を示した平面模式図。
【図12】第二の配置構成における動作態様を示した図、(a)バッファ槽への移送を示した図、(b)飼育槽の洗浄を示した図、(c)洗浄した飼育槽への移送を示した図、(d)バッファ槽の洗浄を示した図。
【図13】同じく動作態様を示した図、(e)洗浄したバッファ槽への移送を示した図、(f)飼育槽の洗浄を示した図、(g)洗浄した飼育槽への移送を示した図。
【符号の説明】
【0142】
1 養殖システム(魚介類養殖システム)
5 飼育魚
10 飼育槽
13 管路
20 給排水装置
40 給餌装置
50 排餌装置
60 洗浄ユニット
61 回転軸
62 ブラシフレーム
62a ノズル
64 毛材
65 駆動モータ
66 昇降部
80 バッファ槽
101 養殖システム
120 給排水装置
150 排餌装置
160 洗浄ユニット
162 ノズル支持部材
163 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚介類が飼育される飼育槽へと水を供給し、前記飼育槽から水とともに不純物を排出する給排水装置と、
前記飼育槽に餌を供給し、前記飼育槽の底部に前記餌を堆積させる給餌装置と、
前記飼育槽の底部に堆積した前記餌を、前記飼育槽内の水に懸濁させる排餌装置と、
を具備する魚介類養殖システムであって、
前記給排水装置は、
前記飼育槽の底部から前記飼育槽へと水を供給し、前記飼育槽の上部から水とともに不純物を排出する魚介類養殖システム。
【請求項2】
前記給餌装置は、
前記飼育槽の底部から前記飼育槽へと餌を供給する請求項1に記載の魚介類養殖システム。
【請求項3】
前記飼育槽の底部に連通され、前記給排水装置により前記飼育槽へ供給される水と、前記給餌装置により前記飼育槽へ供給される餌と、を前記飼育槽へと導く一つの管路を具備する請求項2に記載の魚介類養殖システム。
【請求項4】
前記管路は、
前記飼育槽内の水及び前記魚介類を前記飼育槽から排出可能に構成される請求項3に記載の魚介類養殖システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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