説明

鳥害防止装置

【課題】鉄塔に鳥が広い範囲で営巣することを防止する鳥害防止装置を提供する。
【解決手段】鳥害防止装置10は、外管1、内管2、風車3、及び複数の弾性ピン4を備える。外管1は、鉄塔Tを構成する略水平方向に延びるアングル部材Lと略平行に配置される。内管2は、外管1と同軸上に配置されて回動可能に両端支持される。風車3は、内管2の一方の端部に取り付けられる。複数の弾性ピン4は、基端部が内管2の軸方向に連設され、先端部が外管1の外周を超えて遠心方向に突出する長さを有する。外管1は、弾性ピン4が上部に突出するように、中心から所定の角度で開角した長穴11を有する。長穴11から飛び出して跳ねた弾性ピン4が外管1に運ばれた営巣材料に接触して振動を与える、又は排除することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥害防止装置に関する。特に、送電線用の鉄塔に鳥が営巣することに起因する地絡事故などを防止する鳥害防止装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電力を送電・配電する鉄塔には、カラスなどが営巣することが知られている。カラスは、ハンガーや針金を使用し、枯れ枝と一緒に積み重ねて巣を作る。したがって、針金などの営巣材料が電線などに触れて漏電又は地絡する事例が発生している。そして、鳥害を防ぐために、カラスなどの鳥を威嚇して、鉄塔に寄せ付けない対策が要望されている。
【0003】
上述した対策として、不規則に作動し、かつその装着を簡単に実施できる鳥害防止装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1による鳥害防止装置は、特別高圧送電鉄塔などの構築物における鳥害防止装置であって、構築物を形成する鉄塔材などの構築材に装着する固定具に耐蝕性のスプリングをスプリング軸線が上下方向に位置するように設けると共に、スプリングの上端部にスプリングを中心として放射状に複数本の揺動自在の細線材を設けている。
【0004】
特許文献1による鳥害防止装置は、特別高圧送電鉄塔などに装着することで、鳥、特にカラスによる害を防止でき、鉄塔材(アングル部材)に固定具を装着することで、固定具に取り付けたスプリングと、その上端部に設けられている放射状の細線材が風又は鳥との接触によって揺動し、かつ、「スプリングの揺れ」と「放射状の細線材の揺れ」とが相乗的に作用し、不規則的な揺れとなるため、カラスなどの接近してくる鳥の慣れが少なく、長期間に渡って、鳥害防止を行えるように作用する、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−66247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1による鳥害防止装置は、略水平方向に延びる長尺の鉄塔材に部分的に配置されており、特許文献1による鳥害防止装置を取り付けた場所から離れたところの場所で、鳥の営巣を排除することは困難と考えられる。
【0007】
略水平方向に延びる鉄塔材にカラスなどの鳥が比較的広い範囲で営巣できないように、鳥害防止装置を構成すれば、従来の鳥害防止装置と比べて、鳥の営巣を排除することに効果が期待できる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、略水平方向に延びる鉄塔材にカラスなどの鳥が比較的広い範囲で営巣することが困難な鳥害防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、略水平方向に延びる鉄塔材と略平行に二重管を配置し、二重管の内管を風車で回転できるように構成すると共に、内管に弾性ピンを突出させ、この弾性ピンが外管に運ばれた営巣材料に接触して振動を与える、又は排除することにより、これらの課題が解決可能なことを見出し、これに基づいて、以下のような新たな鳥害防止装置を発明するに至った。
【0010】
(1)本発明による鳥害防止装置は、鉄塔を構成する略水平方向に延びるアングル部材と略平行に配置された外管と、この外管と同軸上に配置されて回動可能に両端支持される内管と、この内管の一方の端部に取り付けられた風車と、基端部が前記内管の軸方向に連設され、先端部が前記外管の外周を超えて遠心方向に突出する長さを有する複数の弾性ピンと、を備え、前記外管は、前記弾性ピンが上部に突出するように中心から所定の角度で開角した長穴を有し、前記内管が回転すると、前記弾性ピンは、前記外管の内壁に当接して湾曲した状態と前記外管の長穴から突出した状態とを交互に繰り返す。
【0011】
(2)前記弾性ピンは、絶縁性を有することが好ましい。
【0012】
(3)前記弾性ピンが前記外管の長穴の一方の端縁に衝突して衝撃音を発生することが好ましい。
【0013】
(4)前記弾性ピンは、その基端部が前記内管に交換可能にロックされていることが好ましい。
【0014】
(5)本発明による鳥害防止装置は、先端部が前記外管の両端部に固定された一対の支持棒と、前記支持棒の基端部を着脱自在に固定すると共に、前記アングル部材を挟持する一組の係止具と、を更に備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明による鳥害防止装置は、略水平方向に延びる鉄塔材(アングル部材)と略平行に二重管を配置し、二重管の内管を風車で回転できるように構成すると共に、内管に弾性ピンを突出させ、この弾性ピンが外管に運ばれた営巣材料に接触して振動を与える、又は排除するので、カラスなどの鳥が比較的広い範囲で営巣することが困難である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による鳥害防止装置の構成を示す斜視図である。
【図2】前記実施形態による鳥害防止装置の背面図であり、要部を縦断面で示している。
【図3】前記実施形態による鳥害防止装置の縦断面図である。
【図4】前記実施形態による鳥害防止装置に備わる内管及び弾性ピンの斜視図であり、図4(A)は、一組の弾性ピンを内管に取り付ける前の状態図、図4(B)は、一組の弾性ピンを内管に取り付けた状態図である。
【図5】前記実施形態による鳥害防止装置の背面図であり、図1から図3に示された一組の係止具と異なる一組の係止具を使用している。
【図6】前記実施形態による鳥害防止装置が配置された鉄塔の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[鳥害防止装置の構成]
最初に、本発明の一実施形態による鳥害防止装置の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態による鳥害防止装置の構成を示す斜視図である。図2は、前記実施形態による鳥害防止装置の背面図であり、要部を縦断面で示している。
【0018】
又、図3は、前記実施形態による鳥害防止装置の縦断面図である。図4は、前記実施形態による鳥害防止装置に備わる内管及び弾性ピンの斜視図であり、図4(A)は、一組の弾性ピンを内管に取り付ける前の状態図、図4(B)は、一組の弾性ピンを内管に取り付けた状態図である。
【0019】
更に、図5は、前記実施形態による鳥害防止装置の背面図であり、図1から図3に示された一組の係止具と異なる一組の係止具を使用している。図6は、前記実施形態による鳥害防止装置が配置された鉄塔の正面図である。
【0020】
図6を参照すると、本発明の実施形態による鳥害防止装置10は、複数の鋼材が骨組みされた鉄塔Tに設置されている。実施形態による鉄塔Tは、略水平方向に延びる複数のチャンネル状のアングル部材Lを有している。
【0021】
図1から図3を参照すると、鳥害防止装置10は、外管1、内管2、及び風車3を備えている。外管1は、アングル部材Lと略平行に配置されている。内管2は、外管1と同軸上に配置されている。又、内管2は、回動可能に両端支持されている。風車3は、内管2の一方の端部に取り付けられている。
【0022】
図3を参照すると、外管1は、その両管端の内部に雌ねじが形成されている。一方、一組のベアリングホルダ1a・1bの外周には、雄ねじが形成されている。これらのベアリングホルダ1a・1bは、スパナなどの工具で回すための頭部11a・11bをそれぞれ突出している。そして、ベアリングホルダ1a・1bを外管1の両管端に螺合して、外管1の両管端を封止できる。
【0023】
図3を参照すると、ベアリングホルダ1a・1bは、それぞれベアリング1cを内装している。内管2の一方の端部には、回転軸2aを固定している。回転軸2aは、回転可能にベアリング1cに支持されている。回転軸2aの先端部には、着脱自在に風車3を取り付けている。
【0024】
図3を参照すると、内管2の他方の端部には、回転軸2bを固定している。回転軸2bは、回転可能にベアリング1cに支持されている。これらの回転軸2a・2bは、段付き軸となっており、内管2をラジアル方向(円周方向)に回転可能に支持すると共に、内管2がスラスト方向(軸方向)に容易に移動しないように支持している。
【0025】
図1から図3を参照すると、風車3は、ボス3aと複数の羽根3bで構成している。ボス3aは、回転軸2aの先端部に固定されている。複数の羽根3bは、ボス3aから放射状に延びている。風車3は、回転軸が水平状態に設置される水平軸風車となっている。風車3が風を受けると、内管2を回転できる。
【0026】
図1から図4を参照すると、実施形態による鳥害防止装置10は、複数の弾性ピン4を備えている。弾性ピン4の基端部は、内管2の外周に取り付けられている。弾性ピン4の先端部は、外管1の外周を超えて遠心方向に突出する長さを有している。
【0027】
図1から図4を参照すると、一対の弾性ピン4・4は、内管2の同一円周上に相反する向きに突出している。又、一対の弾性ピン4・4は、内管2の軸方向に連設されている。外管1は、弾性ピン4が上部に突出するように、中心から所定の角度で開角した長穴11を有している。
【0028】
図2を参照すると、一対の弾性ピン4・4の内、一方の弾性ピン4は、外管1の内壁に当接して湾曲(弾性変形)している。一対の弾性ピン4・4の内、他方の弾性ピン4は、長穴11から突出している(図1参照)。
【0029】
図2を参照して、内管2が回転すると、湾曲した一方の弾性ピン4が長穴11の位置に至り、弾性復帰できる。そして、弾性ピン4が長穴11から突出する。更に、内管2が回転すると、一方の弾性ピン4が長穴11の端縁を乗り越えて、再び、外管1の内壁に当接して湾曲する。
【0030】
このように、内管2が回転すると、同一円周上に配置された一対の弾性ピン4・4は、外管1の内壁に当接して湾曲した状態と外管1の長穴11から突出した状態とを交互に繰り返す。
【0031】
図4を参照すると、弾性ピン4は、比較的長尺の弾性ピン部41と比較的短尺の嵌合ピン部42を有している。弾性ピン部41と嵌合ピン部42とは、同軸であるが相反する向きに突出している。
【0032】
図2から図4を参照すると、内管2は、その中心を貫通するように、一対の対向する嵌合穴21・21を開口している。嵌合ピン部42を嵌合穴21に挿入すると、弾性ピン4の立設位置を規定できる。
【0033】
図4を参照すると、一対の帯状の円弧部材2c・2cが内管2の外壁に接合している。そして、一対の嵌合穴21・21の外方を囲うように、これらの円弧部材2c・2cの端縁同士が間隙幅W1を有して配置されている。一方、弾性ピン4は、一対の円弧部材2c・2cの間隙に挿入可能な鍔部43を基端部側に有している。
【0034】
図4を参照すると、鍔部43は、一対の円弧部43a・43aと一対の延出部43b・43bを形成している。一対の円弧部43a・43aは、所定の直径を有している。一対の延出部43b・43bは、相反する向きに延出している。延出部43bの幅W2は、一対の円弧部材2c・2cの間隙幅W1より僅かに狭くなっており、かつ、一対の円弧部43a・43aの直径より小さくなっている。
【0035】
図4を参照すると、弾性ピン4は、鍔部43に連続する段差部44を形成している。段差部44は、円弧部43aと同じ直径を有する一対の円弧部44a・44aを外周に形成している。又、段差部44は、延出部43bの幅W2と略同じ幅を有する一対の弦部44b・44bを外周に形成している。
【0036】
図4を参照すると、一対の円弧部材2c・2cの端縁同士は、一対の対向する円弧溝21c・21cを形成している。これらの円弧溝21c・21cの直径は、一対の円弧部43a・43a及び一対の円弧部44a・44aの直径より僅かに大きく形成されている。
【0037】
図4(A)に示された状態から、鍔部43の底面が内管2の外壁に当接するように、嵌合ピン部42を嵌合穴21に挿入し、次に、弾性ピン4を略90度回動すると、図4(B)に示された状態になる。
【0038】
図4(B)を参照すると、一対の円弧部材2c・2cの端部は、一対の延出部43b・43bの板厚より僅かに大きい間隙tを形成するように、内壁が切り欠かれている。弾性ピン4を略90度回動すると、一対の延出部43b・43bは、一対の円弧部材2c・2cの内壁と内管2の外壁に矯正されて弾性変形する。つまり、弾性ピン4が内管2に係止(ロック)される。
【0039】
図4を参照して、弾性ピン4を前述と反対方向に略90度回動すると、弾性ピン4を内管2から取り外すことができる。このように、弾性ピン4は、その基端部が内管2に交換可能にロックされている。
【0040】
図1から図3を参照すると、実施形態による鳥害防止装置10は、一対の支持棒51・51を更に備えている。支持棒51は、その基端部側に雄ねじ511を形成している。又、支持棒51は、円弧板51aを先端部に固定している。そして、一対の円弧板51a・51aが外管1の両端部にビスなどの締結具で固定されている。
【0041】
図1から図3を参照すると、実施形態による鳥害防止装置10は、アングル部材Lを挟持する一組の係止具52・53を更に備えている。係止具52は、一片52aと他片52bとでL字状に形成されている。係止具52の一片52aは、支持棒51の基端部側が入る穴(図示せず)を開口している。そして、一片52aは、この穴に支持棒51が挿入され、雄ねじ511に螺合する一対のナット5n・5nで挟持されている。
【0042】
図1から図3を参照すると、係止具52の他片52bは、U字状の溝を設けて反転する反転片52cを更に有している。そして、アングル部材Lの一片が反転片52cに係止されている。
【0043】
図1から図3を参照すると、係止具53は、帯板状に形成された一片53aを有している。係止具53の一片53aは、支持棒51の基端部側が入る長穴532を開口している。係止具53は、支持棒51に対して、移動可能に連結している。又、係止具53の一片53aは、波状の襞531を底面に形成している。そして、この襞531に嵌合する波状の襞を有するワッシャ54を介して、一片53aは、長穴532に支持棒51が挿入され、雄ねじ511に螺合する一対のナット5n・5nで挟持されている。
【0044】
図1から図3を参照すると、係止具53の一片53aは、U字状の溝を設けて反転する反転片53bを他方の端部に有している。そして、アングル部材Lの他片が反転片53bに係止されている。
【0045】
送電線を支持する鉄塔T(図6参照)などに使用されるアングル部材Lは、一般的に、その断面サイズ(一辺の長さ×他辺の長さ×板厚)が(45mm×45mm×4mm)〜(75mm×75mm×6mm)の範囲である。そして、一組の係止具52・53は、これらの断面サイズに適合できるように、一対のナット5n・5nの取り付け位置などが調整でき、汎用性を有している。
【0046】
次に、図5を参照して、図1から図3に示された一組の係止具52・53と異なる構成の係止具6の構成を説明する。なお、図5の説明において、図1から図4に示された符号と同じ符号の構成品は、その作用を同一とするので、説明を割愛する場合がある。
【0047】
図5を参照すると、実施形態による鳥害防止装置10は、アングル部材Lを挟持する一組の係止具61・62を更に備えている。係止具61は、中央部が台形状に突出した帯板で形成されている。又、係止具61の両端部には、穴(図示せず)が開口されている。
【0048】
図5を参照すると、係止具61の一方の穴には、支持棒51が挿入され、係止具61の端部は、一対のナット5n・5nで挟持されている。係止具61の他方の穴には、ボルト6aが挿入され、係止具61の端部は、一対のナット5n・5nで挟持されている。つまり、ボルト6aの径と支持棒51の径は同じである。
【0049】
図5を参照すると、係止具62は、平坦な帯板で形成されている。又、係止具62の両端部には、雄ねじ511又はボルト6aが螺合可能な雌ねじ(図示せず)を設けている。係止具62の一方の雌ねじには、支持棒51が螺合され、係止具61の端部は、一対のナット5n・5nで挟持されている。係止具62の他方の雌ねじには、ボルト6aが螺合されている。
【0050】
図5を参照すると、一対のナット5n・5nの取り付け位置を調整することにより、係止具6も、(45mm×45mm×4mm)〜(75mm×75mm×6mm)の断面サイズのアングル部材Lに適合できるように、汎用性を有している。
【0051】
[鳥害防止装置の作用]
次に、実施形態による鳥害防止装置10の作用及び効果を説明する。図1から図6を参照すると、実施形態による鳥害防止装置10は、略水平方向に延びるアングル部材Lと略平行に、外管1と内管2で構成された二重管を配置している。そして、内管2を風車3で回転できるように構成している。又、実施形態による鳥害防止装置10は、内管2が回転すると、弾性ピン4は、外管1の内壁に当接して湾曲した状態と外管1の長穴11から突出した状態とを交互に繰り返す。
【0052】
図1から図5を参照すると、風車3に風が当たり内管2が回転すると、弾性ピン4は、外管1の内壁に当接して湾曲した状態から外管1の長穴11から突出した状態に変化する。そして、長穴11から飛び出して跳ねた弾性ピン4が外管1に運ばれた営巣材料に接触して振動を与える、又は排除することができる。これにより、アングル部材Lと略平行に配置された外管1に営巣することを防止できる。つまり、カラスなどの鳥が比較的広い範囲で営巣することを防止できる。
【0053】
又、図1から図5を参照すると、実施形態による鳥害防止装置10は、弾性ピン4が外管1の長穴11の一方の端縁に衝突して衝撃音を発生するように構成しているので、カラスなどの鳥を寄せ付けないようにする威嚇効果がある。
【0054】
図1から図5を参照すると、外管1及び内管2は、軽量のアルミニウムなどで構成することが好ましい。弾性ピン4は、電気的に絶縁性を有する合成樹脂で成形されることが好ましく、飛散した弾性ピン4が送電線に短絡することを防止できる。
【0055】
図1から図5を参照すると、弾性ピン4は、外管1の長穴11を介して交換することができ、容易に飛散しないように、内管2にロックされている。弾性ピン4は、消耗品と考えられ、実施形態による鳥害防止装置10は、弾性ピン4を容易に交換できるよう構成している。
【0056】
図6に示されるように、実施形態による鳥害防止装置10は、鉄塔Tの全てのアングル部材Lに設置することが好ましい。実施形態による鳥害防止装置10は、自然エネルギーである風力を利用しているので、エコロジカルである。高い構造物である鉄塔Tは、風が吹く度合いが多く、実施形態による鳥害防止装置10を設置するには、最適であり、鳥などの営巣に起因する電気事故を防止できる。
【0057】
又、実施形態による鳥害防止装置10は、鉄塔Tのアングル部材Lを挟持する一組の係止具を更に備え、これらの係止具は、想定される全てのサイズのアングル部材Lに適合できるフリーサイズとなっている。
【符号の説明】
【0058】
1 外管
2 内管
3 風車
4 弾性ピン
10 鳥害防止装置
11 長穴
L アングル部材
T 鉄塔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔を構成する略水平方向に延びるアングル部材と略平行に配置された外管と、
この外管と同軸上に配置されて回動可能に両端支持される内管と、
この内管の一方の端部に取り付けられた風車と、
基端部が前記内管の軸方向に連設され、先端部が前記外管の外周を超えて遠心方向に突出する長さを有する複数の弾性ピンと、を備え、
前記外管は、前記弾性ピンが上部に突出するように中心から所定の角度で開角した長穴を有し、
前記内管が回転すると、前記弾性ピンは、前記外管の内壁に当接して湾曲した状態と前記外管の長穴から突出した状態とを交互に繰り返す鳥害防止装置。
【請求項2】
前記弾性ピンは、絶縁性を有する請求項1記載の鳥害防止装置。
【請求項3】
前記弾性ピンが前記外管の長穴の一方の端縁に衝突して衝撃音を発生する請求項1又は2記載の鳥害防止装置。
【請求項4】
前記弾性ピンは、その基端部が前記内管に交換可能にロックされている請求項1から3のいずれかに記載の鳥害防止装置。
【請求項5】
先端部が前記外管の両端部に固定された一対の支持棒と、
前記支持棒の基端部を着脱自在に固定すると共に、前記アングル部材を挟持する一組の係止具と、を更に備える請求項1から4のいずれかに記載の鳥害防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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