説明

麺帯圧延機およびその圧延ロール

【課題】麺帯生地の圧延ロールへの付着を防止することができ、しかも、その効果を長期間に亘り維持することができる麺帯圧延機を提供する。
【解決手段】所定の隙間を設けて対向配置された少なくとも一対の圧延ロール1,1を備え、この圧延ロール1,1間の隙間に麺帯生地Aを通過させることにより、該麺帯生地Aを圧延して所定厚さの麺帯を形成する麺帯圧延機において、圧延ロール1の外周面1aにショットブラスト加工を施した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うどん等の麺帯を機械的に製造する際に、小麦粉と水を混合して捏ねた麺帯生地を順次圧延して所定厚さの麺帯を形成する麺帯圧延機およびその圧延ロールに関する。
【背景技術】
【0002】
うどん等の麺帯を機械的に製造する場合、一般に麺帯圧延機が使用される。この麺帯圧延機は、所定の隙間を設けて対向配置された少なくとも一対の圧延ロールを備え、この対向配置された圧延ロールを互いに反対方向に回転(内転)させておいて、その圧延ロール間に麺帯生地を送り込んで通過させることにより、麺帯生地を一対の圧延ロールにより順次圧延して所定厚みの麺帯を形成する。
【0003】
小量生産においては、一対の圧延ロールを有する麺帯圧延機を使用し、最初は一対の圧延ロール間の隙間を広くしておき、麺帯生地を1回圧延する度に一対の圧延ロール間の隙間を狭め、麺帯生地が目的の厚みになるまで数回圧延を行うことにより所定厚みの麺帯を形成する。
【0004】
また、大量生産においては、一対の圧延ロールを有する複数(例えば4〜6)の圧延ユニットを直列に並べた麺帯圧延機を使用し、各圧延ユニットにおける圧延ロール間の隙間を漸次狭くなるように設定し、麺帯生地を各圧延ユニットの圧延ロール間を順次通過させて連続的に圧延を行うことにより所定厚みの麺帯を形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記麺帯圧延機には、圧延ロール間を通過した麺帯生地の先端部が圧延ロールに付着したり、麺帯生地のカスが圧延ロールに付着したりするため、これを掻き落とすためのスクレーパー(カスリ)が一対の圧延ロール間の出口側(一対の圧延ロールにより圧延された麺帯生地が送り出される側)に設けられている。しかし、スクレーパーの外側(麺帯生地やそのカスを掻き落とす側)や両サイドには麺帯生地のカスが溜まり易くため、スクレーパーを頻繁に清掃する必要があり、この清掃作業に手間・時間を要して麺帯の生産効率の低下を招くという問題があった。
【0006】
そこで、圧延ロールの外周面にフッ素樹脂コートの表面処理を施し、圧延ロールの外周面をフッ素樹脂コートにより滑り易くすることにより、スクレーパーを不要あるいは補助的な使用としてスクレーパーの清掃作業を軽減するようにした圧延ロールも提案さている。しかし、フッ素樹脂コートは、材質が軟らかいため、麺帯生地との摩擦によって摩耗し易く、摩擦低減効果の持続性が悪いため、頻繁にフッ素樹脂コートを再加工しなければならないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、麺帯生地の圧延ロールへの付着を防止することができ、しかも、その効果を長期間に亘り維持することができる麺帯圧延機およびその圧延ロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の麺帯圧延機は、所定の隙間を設けて対向配置された少なくとも一対の圧延ロールを備え、この圧延ロール間の隙間に麺帯生地を通過させることにより、該麺帯生地を圧延して所定厚さの麺帯を形成する麺帯圧延機において、上記圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したものである。
【0009】
上記構成によれば、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施すことにより、圧延ロールの外周面をショットブラスト加工によって形成された無数の微細なクボミにより粗面仕上げできる。圧延ロールの外周面をショットブラスト加工により粗面仕上げすることで、圧延ロールの外周面に形成された無数の微細なクボミにより、麺帯生地と圧延ロールの外周面との接触面積が減少し、麺帯生地が圧延ロールに付着し難くなる。これにより、麺帯生地の圧延に際して、麺帯生地の圧延ロールへの付着を防止できる。
【0010】
また、圧延ロールの外周面をショットブラスト加工により粗面仕上げしたことにより、麺帯生地の圧延に際して、圧延ロール間に麺帯生地を送り込むと、麺帯生地が圧延ロールの外周面に形成された無数の微細なクボミに食い込むようになる。従って、圧延ロールの麺帯生地のくわえ込みが良好となり、麺帯生地は圧延ロールの外周面で滑ることがなく圧延ロール間に挟まれて送られる。これにより、麺帯生地の圧延が円滑に行われるとともに、圧延後の麺帯生地の延びや柔軟性が増して良質な麺帯が得られる。
【0011】
更に、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施すことにより、圧延ロールの外周面の表面部分が加工硬化を起こし、表面部分の硬度を増大できるとともに、表面部分に圧縮残留応力が付与されて疲労強度を向上できる。従って、圧延ロールは、長年に使用における金属疲労による割れ等の発生を防止できるとともに、摩耗・損傷が起こり難くなり、しかも、外周面の表面部分以外は材質自体の性質をそのまま維持できる。
【0012】
また、本発明の麺帯圧延機は、所定の隙間を設けて対向配置された一対の圧延ロールを有する複数の圧延ユニットを直列に並べ、かつ、各圧延ユニットにおける一対の圧延ロール間の隙間を、最初の圧延ユニットを最も広く最後の圧延ユニットを最も狭くし、少なくとも1つの圧延ユニットの圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したものである。
【0013】
上記構成によれば、麺帯生地を各圧延ユニットの一対の圧延ロール間を順次通過させて圧延して麺帯を形成する。その麺帯の形成時、各圧延ユニットにおける一対の圧延ロール間の隙間を、最初の圧延ユニットを最も広く最後の圧延ユニットを最も狭くなっているため、麺帯生地が各圧延ユニットの一対の圧延ロール間を通過する度に順次圧延されることにより、所定厚さの麺帯が得られる。
【0014】
麺帯生地の圧延に際して、ショットブラスト加工が施された圧延ユニットの圧延ロール間に麺帯生地が送り込まれると、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工によって形成された無数の微細なクボミにより、圧延ロールが麺帯生地を確実にくわえ込んで麺帯生地の圧延が行われるので、麺帯生地の圧延を円滑に行うことができるとともに、圧延後の麺帯生地の延びや柔軟性が増して良質な麺帯が得られる。
【0015】
また、本発明の麺帯圧延機は、各圧延ユニットの圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したものである。
【0016】
上記構成によれば、麺帯生地の圧延に際して、各圧延ユニットの圧延ロール間に麺帯生地が送り込まれると、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工によって形成された無数の微細なクボミにより、圧延ロールが麺帯生地を確実にくわえ込んで麺帯生地の圧延が行われるので、麺帯生地の圧延を円滑に行うことができるとともに、圧延後の麺帯生地の延びや柔軟性が増して良質な麺帯が得られる。
【0017】
更に、本発明の麺帯圧延機は、所定の間隔を設けて対向配置された複数対の圧延ロールを有し、該複数対の圧延ロールで夫々麺粒を麺帯生地に加工して複数枚の麺帯生地を形成する前段圧延ユニットと、所定の隙間を設けて対向配置された一対の圧延ロールを有し、該一対の圧延ロールで複数枚の麺帯生地を重ね合せた状態で圧延して1枚の麺帯に形成する後段圧延ユニットとを備え、両圧延ユニットの少なくとも少なくとも1つの圧延ユニットの圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したものである。
【0018】
上記構成によれば、前段圧延ユニットの各圧延ロール間を麺粒が通過することにより複数枚の麺帯生地を形成し、この複数枚の麺帯生地を重ね合せた状態で後段圧延ユニットの圧延ロール間に送り込んで通過させることにより、複数枚の麺帯生地を圧延させて1枚の麺帯生地に形成する。そして、麺帯生地及び麺帯の形成に際して、各圧延ユニットの圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施してあることにより、圧延ロールが麺粒及び麺帯生地を確実にくわえ込んで麺帯生地及び麺帯の形成が行われるので、麺帯生地及び麺帯の形成を円滑に行うことができるとともに、形成後の麺帯生地の延びや柔軟性が増して良質な麺帯が得られる。
【0019】
また、本発明の麺帯圧延機の圧延ロールは、所定の隙間を設けて対向配置された圧延ロール間の麺帯生地を通過させることにより、該麺帯生地を圧延して麺帯を形成する麺帯圧延機の圧延ロールにおいて、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したものである。
【0020】
上記構成によれば、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施すことにより、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工によって形成された無数の微細なクボミにより、麺帯生地と圧延ロールの外周面との接触面積が減少して麺帯生地が圧延ロールに付着するのを防止できるとともに、麺帯生地のくわえ込みが良好となって圧延後の麺帯生地の延びや柔軟性が増して良質な麺帯が得られる。しかも、ショットブラスト加工により圧延ロールの外周面の表面部分が加工硬化を起こして硬度を増大できるとともに、圧縮残留応力が付与されて疲労強度を向上できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したことにより、麺帯生地の圧延に際して、麺帯生地が圧延ロールに付着しにくくなり、また、再加工せずともその効果が長期間維持される。また、圧延ロールが麺帯生地を確実にくわえ込んで麺帯生地の圧延を行うことができるため、麺帯生地の圧延を円滑に行うことができるとともに、圧延後の麺帯生地の延びや柔軟性が増して良質な麺帯が得られる。しかも、ショットブラスト加工により圧延ロールの外周面の表面部分が加工硬化を起こして硬度が増大するとともに、圧縮残留応力が付与されて疲労強度が向上するため、圧延ロールへの麺帯生地の付着を防止する効果や圧延ロールが麺帯生地を確実にくわえ込むという効果を長期間に亘って維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る麺帯圧延機の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1において、1,1は圧延機本体2の支持フレーム3に回転自在に軸支された一対の圧延ロールで、所定の隙間を設けて対向配置されている。両圧延ロール1,1は、図示されていないが連動機構を介して連動連結されており、該連動機構により互いに反対方向に回転駆動される。
【0024】
圧延ロール1,1は、小麦粉と水を混合して捏ねた麺帯生地Aを挟圧して圧延するもので、金属材料、例えばステンレス(SUS304)で形成されている。この圧延ロール1,1の外周面1a,1aには、図2に示すように、ショットブラスト加工が施されている。ショットブラスト加工は、圧縮空気又は遠心力でショット粒子を圧延ロール1の外周面1aに吹付けて行われる。ショットブラスト加工に用いられるショット粒子としては、直径が0.3〜1.4mmの鋼球が好ましい。
【0025】
圧延ロール1の外周面1aにショットブラスト加工が施されることにより、圧延ロール1の外周面1aにショットブラスト加工により無数の微細なクボミ4,4…が形成され、この無数の微細なクボミ4,4…により圧延ロール1の外周面1aが粗面仕上げされる。
【0026】
上記構成の麺帯圧延機は、一対の圧延ロール1,1を互いに反対方向に回転させておいて、その一対の圧延ロール1,1間に麺帯生地Aを送り込んで通過させると、該麺帯生地Aが一対の圧延ロール1,1により挟圧されて圧延される。
【0027】
上記麺帯圧延機は、最初は一対の圧延ロール1,1間の隙間を広く設定しておき(例えば20〜30mm)、麺帯生地Aを1回圧延する度に一対の圧延ロール1,1間の隙間を狭め、麺帯生地Aが目的の厚み(うどんでは2.7mm前後)となるように数回圧延を行うことにより所定厚みの麺帯を形成する。1回あたりの圧延率は、初期の段階と仕上げにかかる段階では異なるが、麺帯生地Aの厚みが厚い初期の段階では5〜60%、仕上げにかかる段階では80%程度が好ましい。
【0028】
上記麺帯圧延機によれば、圧延ロール1,1の外周面1a,1aにショットブラスト加工を施し、圧延ロール1,1の外周面1a,1aをショットブラスト加工によって形成された無数の微細なクボミ3,3…により粗面仕上げしたことにより、圧延ロール1,1の外周面1a,1aに形成された無数の微細なクボミ3,3…により、麺帯生地Aと圧延ロール1,1の外周面1a,1aとの接触面積が減少し、麺帯生地Aが圧延ロール1,1に付着し難くなる。これにより、麺帯生地Aの圧延に際して、圧延ロール1,1の出口側(圧延ロール1,1により圧延された麺帯生地Aが送り出される側)における麺帯生地Aの先端部の圧延ロール1,1への付着や麺帯生地Aのカスの圧延ロール1,1への付着を防止できる。従って、圧延ロール1,1の出口側にスクレーパーを設ける必要がなくなり、スクレーパーの清掃に要する手間・労力が省けて麺帯の圧延作業の効率化を図れる。
【0029】
また、圧延ロール1,1の外周面1a,1aをショットブラスト加工により粗面仕上げしたことにより、麺帯生地Aの圧延に際して、圧延ロール1,1間に麺帯生地Aを送り込むと、麺帯生地Aが圧延ロール1,1の外周面1a,1aに形成された無数の微細なクボミ3,3…に食い込むようになる。これにより、圧延ロール1,1の麺帯生地Aのくわえ込みが良好となり、麺帯生地Aは圧延ロール1,1の外周面1a,1aで滑ることがなく圧延ロール1,1間に挟まれて送られ、麺帯生地Aの圧延が円滑に行われる。しかも、圧延ロール1,1の麺帯生地Aのくわえ込みが良好であるから、圧延後の麺帯生地Aの延びや柔軟さが増して良質の麺帯を得ることができる。
【0030】
更に、圧延ロール1の外周面1aにショットブラスト加工を施したことで、圧延ロール1の外周面1aの表面部分が加工硬化を起こし、表面部分の硬度を上昇できるとともに、表面部分に圧縮残留応力が付与されて疲労強度を向上できる。従って、圧延ロール1は、金属疲労による割れ等の発生を防止できるとともに、摩耗・損傷が起こり難くなる。これにより、圧延ロール1への麺帯生地Aの付着を防止する効果や圧延ロール1が麺帯生地Aを確実にくわえ込むという効果を長期間に亘って維持することができ、圧延ロール1のショットブラスト加工の再加工が不要となって経費の節減を図れる。しかも、表面部分以外は材質自体の性質をそのまま維持できるため、圧延ロール1の材料の特性が保たれる。例えば、ステンレスで形成された圧延ロール1の場合、ステンレスの粘りのある特性が保たれる。
【0031】
図3は本発明に係る麺帯圧延機の他の実施形態である麺帯連続圧延機示すもので、複数、例えば4つの圧延ユニットB1〜B4を有する。各圧延ユニットB1〜B4は、それぞれ所定の隙間を設けて対向配置された一対の圧延ロール1,1を備えている。各圧延ユニットB1〜B4における一対の圧延ロール1,1間の隙間は、最初の第1圧延ユニットB1が最も広く、最後の第4圧延ユニットB4が最も狭く、ここでは最初の第1圧延ユニットB1から最後の第4圧延ユニットB4に至るに従って漸次狭くなるように設定している。各圧延ユニットB1〜B4における一対の圧延ロール1,1は、図示されていないが連動機構を介して連動連結されており、該連動機構により互いに反対方向に回転駆動される。
【0032】
各圧延ユニットB1〜B4は、圧延ロール1,1の外周面1a,1aにショットブラスト加工が施されている。圧延ロール1の外周面1aにショットブラスト加工が施されることにより、圧延ロール1の外周面1aにショットブラスト加工により無数の微細なクボミ4,4…が形成され、この無数の微細なクボミ4,4…により圧延ロール1の外周面1aが粗面仕上げされる(図2参照)。
【0033】
上記麺帯連続圧延機は、麺帯生地Aを各圧延ユニットB1〜B4の一対の圧延ロール1,1間を順次通過させて圧延し、所定厚みの麺帯を形成する。その麺帯の形成時、各圧延ユニットB1〜B4の一対の圧延ロール1,1の隙間が第1圧延ユニットB1から第4圧延ユニットB4に至るに従って漸次狭くなるため、麺帯生地Aが各圧延ユニットB1〜B4の一対の圧延ロール1,1間を通過する度に順次圧延されることにより、所定厚さの麺帯が得られることになる。
【0034】
上記麺帯連続圧延機によれば、各圧延ユニットB1〜B4の圧延ロール1,1の外周面1a,1aにショットブラスト加工を施したことにより、各圧延ユニットB1〜B4の圧延ロール1,1の外周面1a,1aがショットブラスト加工により粗面に仕上げられているため、麺帯生地Aの圧延ロール1,1への付着を防止できるとともに、圧延ロール1,1が麺帯生地Aを確実にくわえ込んで麺帯生地Aを圧延できるので、麺帯生地Aを円滑に圧延することができるとともに、圧延後の麺帯生地Aの延びや柔軟性が増して良質な麺帯が得られる。
【0035】
尚、図3に示す実施形態は、4つの圧延ユニットB1〜B4を有する場合であるが、圧延ユニットの数は任意であり、生産能力や形成しようとする麺帯の厚みに応じて適宜に決定される。
【0036】
また、図3に示す実施形態では、4つの圧延ユニットB1〜B4の圧延ロール1,1の外周面1a,1aにショットブラスト加工を施しているが、これに限定されるものでなく、各圧延ユニットの圧延ロール1,1の外周面1a,1aに選択的に、例えば最初の圧延ユニットにのみ圧延ロール1,1の外周面1a,1aにショットブラスト加工を施したり、又は、最後の圧延ユニット以外の圧延ユニッの圧延ロール1,1の外周面1a,1aにショットブラスト加工を施したり、又は、1個或いは複数個おきの圧延ユニットの圧延ロール1,1の外周面1a,1aにショットブラスト加工を施したりするようにしてもよい。
【0037】
図4は本発明の係る麺帯圧延機の他の実施形態である麺帯複合圧延機を示すものであり、二対の圧延ロール11,11及び12,12を有する麺粒から粗麺帯生地を形成する前段圧延ユニットC1と、一対の圧延ロール13,13を有する粗麺帯生地を圧延する後段圧延ユニットC2とを備えている。
【0038】
前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11及び12,12は、各々所定の間隔を設けて対向配置されており、各々図示されていない連動機構を介して互いに反対方向に回転駆動される。前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11及び12,12は、並列に並んで配置されている。前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11及び12,12には、外周面11a,11a及び12a,12aにショットラスト加工が施されている。
【0039】
後段圧延ユニットC2の圧延ロール13,13は、所定の間隔を設けて対向配置されており、図示されていない連動機構を介して互いに反対方向に回転駆動される。後段圧延ユニットC2の圧延ロール13,13には、外周面13a,13aにショットラスト加工が施されている。
【0040】
前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11及び12,12の上方には、ミキサー(図示せず)により捏ねられた麺粒が収容されるホッパー14が設けられている。ホッパー14の内部には振分けガイド15が設けられ、該振分けガイド15によりホッパー14内に収容された麺粒が振分けられて圧延ロール11,11間と圧延ロール12,12間とに導かれる。
【0041】
上記麺帯複合圧延機は、ホッパー14に収容された麺粒が振分けガイド15により振分けられて前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11間と圧延ロール12,12間とに夫々導かれ、麺粒が圧延ロール11,11間及び圧延ロール12,12間を通過することにより圧延されて夫々粗麺帯生地に形成され、この各粗麺帯生地を重ね合せた状態で後段圧延ユニットC2の圧延ロール13,13間に送り、圧延ロール13,13巻を通過させて圧延させることにより、1枚の麺帯生地を形成する。
【0042】
上記麺帯複合圧延機によれば、前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11及び12,12の外周面11a,11a及び12a,12a、後段圧延ユニットC2の圧延ロール13,13の外周面13a,13aにショットブラスト加工を施したことにより、前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11及び12,12の外周面11a,11a及び12a,12a、後段圧延ユニットC2の圧延ロール13,13の外周面13a,13aがショットブラスト加工により粗面に仕上げられているため、前段圧延ユニットC1における粗麺帯生地の圧延ロール11,11及び12,12への付着及び後段圧延ユニットC2における麺帯生地の圧延ロール13,13への付着を防止できるとともに、前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11及び12,12が麺粒を、後段圧延ユニットC2の圧延ロール13,13が粗麺帯生地を確実にくわえ込んで圧延できるので、粗麺帯生地を円滑に圧延することができるとともに、圧延後の麺帯生地の延びや柔軟性が増して良質な麺帯が得られる。
【0043】
尚、図4の実施形態では、前段圧延ユニットC1の圧延ロール11,11及び12,12により2枚の粗麺帯生地を形成し、この2枚の粗麺帯生地を重ね合わせて後段圧延ユニットC2の圧延ロール13,13により1枚の麺帯生地に形成するようにしているが、これに限定されるものではなく、3枚以上の粗麺帯生地を形成してこれを重ね合わせて1枚の麺帯生地に形成するようにしてもよい。
【0044】
また、図1乃至図4の実施形態では、外周面の軸線方向に沿った形状がストレートな圧延ロールを例示しているが、本願発明は、これに限定されるものではなく、例えば、外周面の軸線方向に沿った形状が波形の凸凹とされ、その波形の山と谷とが対向するようにして平行に配置される圧延ロール等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る麺帯圧延機の実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明に係る麺帯圧延機の圧延ロールを示す説明図で、(a)は斜視図、(b)は一部を拡大した側面図である。
【図3】本発明に係る麺帯圧延機の他の実施形態である麺帯連続圧延機を示す概略図である。
【図4】本発明に係る麺帯圧延機の他の実施形態である麺帯複合圧延機を示す概略図である。
【符号の説明】
【0046】
A…麺帯生地、B1〜B4…圧延ユニット、C1…前段圧延ユニット、C2…後段圧延ユニット、1…圧延ロール、2…圧延機本体、3…支持フレーム、4…微細なクボミ、11〜13…圧延ロール、14…ホッパー、15…振分けガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の隙間を設けて対向配置された少なくとも一対の圧延ロールを備え、この圧延ロール間に麺帯生地を通過させることにより、該麺帯生地を圧延して麺帯を形成する麺帯圧延機において、
上記圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したことを特徴とする麺帯圧延機。
【請求項2】
所定の隙間を設けて対向配置された一対の圧延ロールを有する複数の圧延ユニットを直列に並べ、かつ、各圧延ユニットにおける一対の圧延ロール間の隙間を、最初の圧延ユニットを最も広く最後の圧延ユニットを最も狭くし、少なくとも1つの圧延ユニットの圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の麺帯圧延機。
【請求項3】
各圧延ユニットの圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したことを特徴とする請求項2に記載の麺帯圧延機。
【請求項4】
所定の間隔を設けて対向配置された複数対の圧延ロールを有し、該複数対の圧延ロールで夫々麺粒を麺帯生地に加工して複数枚の麺帯生地を形成する前段圧延ユニットと、所定の隙間を設けて対向配置された一対の圧延ロールを有し、該一対の圧延ロールで複数枚の麺帯生地を重ね合せた状態で圧延して1枚の麺帯に形成する後段圧延ユニットとを備え、両圧延ユニットの少なくとも少なくとも1つの圧延ユニットの圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の麺帯圧延機。
【請求項5】
所定の隙間を設けて対向配置された圧延ロール間の麺帯生地を通過させることにより、該麺帯生地を圧延して麺帯を形成する麺帯圧延機の圧延ロールにおいて、圧延ロールの外周面にショットブラスト加工を施したことを特徴とする麺帯圧延機の圧延ロール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−104993(P2007−104993A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300438(P2005−300438)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(392011242)株式会社トム (4)
【Fターム(参考)】