説明

麺玉形成送出装置及び麺玉形成包装装置

【課題】簡易な手段により、単位麺玉w1をこれの型崩れを抑制した状態で送り出させることを可能となし且つ任意な複数の単位麺玉w1を単列直状の圧接状に整列させた状態の麺玉グループGとして送り出させることを可能となす麺玉形成送出装置を提供するほか、麺玉形成包装装置を提供する。
【解決手段】麺玉形成送出装置は、単位麺線群wを単位麺玉w1に形成して下方へ落下させることを繰り返す麺玉形成部1と、該麺玉形成部1の落下させた単位麺玉w1を受け止め前方f3へ送り出す麺玉送出部2とを備えたものにおいて、前記麺玉送出部2が前後向きの略水平状に設けられ且つ前記麺玉形成部1の落下させた単位麺玉w1を受け止め該麺玉の左右方向への型崩れを規制しながらその前方移動を案内する直状樋20を備えたものとなす。
また麺玉形成包装装置は、上記麺玉形成送出装置にフィルム自動包装機を付加したものとなす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中華麺又は、うどん、そばなどの生麺を製造するさいに使用される麺玉形成送出装置及び麺玉形成包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
単位麺線群を単位麺玉に形成して下方へ落下させることを繰り返す麺玉形成部と、該麺玉形成部の落下させた単位麺玉をベルトコンベアで受け止め前方へ送り出す麺玉送出部とを備えた麺玉形成送出装置や、この麺玉形成送出装置に麺玉圧縮機構及びフィルム自動包装機を付加した麺玉形成包装装置は既に存在している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平07−187156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の麺玉形成送出装置では、麺玉形成部で玉状となされた単位麺玉が麺玉送出部のベルトコンベアに支持されて送り出されるとき、ベルト水平面への落下による衝撃や、ベルト上での自重作用により扁平状となり、型崩れしてしまうのであり、また複数の単位麺玉を作業者が手で持ち上げ移動する上では便利なものとなっていない。
【0005】
また従来の麺玉形成包装装置では麺玉形成送出装置から送り出された単位麺玉が型崩れするため、この単位麺玉を包装する前に複雑な構造の麺玉圧縮機構で圧縮することが必要となる。
【0006】
本発明は、麺玉形成部で形成された単位麺玉をその型崩れの抑制された状態で送り出させて便利に他所へ持ち上げ移動することを可能としたさせることができるものとした麺玉形成送出装置を提供すると共に、簡易な手段及び少ない手間で複数の単位麺玉を型崩れのしないように適当に圧縮された状態に包装することを可能とした麺玉形成包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る麺玉形成送出装置は、請求項1に記載したように、単位麺線群を単位麺玉に形成して下方へ落下させることを繰り返す麺玉形成部と、該麺玉形成部の落下させた単位麺玉を受け止め前方へ送り出す麺玉送出部とを備えた麺玉形成送出装置において、前記麺玉送出部が、前後向きの略水平状に設けられ且つ前記麺玉形成部の落下させた単位麺玉を受け止め該麺玉の左右方向への型崩れを規制しながらその前方移動を案内する直状樋を備えたものとなされていることを特徴とするものである。
【0008】
この発明は次のように具体化される。
即ち、請求項2に記載したように、前記麺玉送出部が前記直状樋の受け止めた単位麺玉を前方へ押し移動させることを繰り返す押し移動手段を備えている構成とする。
【0009】
また請求項3に記載したように、前記押し移動手段が、前記直状樋内の単位麺玉を該麺玉の前後長さよりも大きい任意な第一距離だけ前方へ押し移動させることを任意な複数回繰り返した後に前記麺玉形成部の落下させた単位麺玉を前記一定距離よりも大きい第二距離だけ押し移動させる作動を繰り返すものとなされた構成とする。
【0010】
さらには請求項4に記載したように、前記直状樋が、装置フレームから前方へ片持ち状に張り出されると共に、この張り出し範囲の前後長さが、単位麺玉の少なくとも5個が前後方向の一線状に整列されることを可能になす大きさとなされている構成とする。
【0011】
次に本発明に係る麺玉形成包装装置は、請求項5に記載したように、請求項3記載の麺玉形成送出装置の前記直状樋にフィルム自動包装機を連設し、前記押し移動手段が単位麺玉を前記第二距離だけ押し移動させたとき、この押し移動により複数の単位麺玉が圧接状となって前後方向の一線状に整列されて前記フィルム自動包装機上に位置される構成となしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
上記した本発明によれば次のような効果が得られる。
即ち、請求項1又は2記載のものによれば、麺玉形成部で形成された単位麺玉を直状樋の案内作用により前後左右の型崩れを生じさせることなく前方の外方へ簡便に取り出すことが可能となる。このさい、直状樋の左右側面箇所が単位麺玉の左右方向の型崩れを特に有効に阻止するものとなる。また任意な複数の単位麺玉を単列直状の圧接状態で麺玉形成部の前方へ送り出させることができ、これにより複数の単位麺玉を型崩れのしない状態で直状樋から搬送箱内などの他所へ簡便に持ち上げ移動することが可能となるのであり、また複数の単位麺玉を袋体内に型崩れしないように簡便に収納することが可能となる。
【0013】
また請求項3記載のものによれば、直状樋内において任意な複数の単位麺玉が単列直状の圧接状態となされたものである麺玉グループの前後側の直状樋内に上方から手を差し入れることのできる空間を存在させることが可能となり、したがって作業者は直状樋内の麺玉グループの前後端面に両手を同時に押し当て該麺玉グループを挟み付け状に支持して持ち上げ移動させることを簡便に行うことができるものとなり、また袋体内へ複数の単位麺玉を収容する作業においても麺玉グループの後端面の押し操作が行い易いものとなる。
【0014】
また請求項4記載のものによれば、直状樋内の単位麺玉を外方へ取り出す作業が障害物により動作を規制されることなく行うことができるものとなり、また直状樋にこれの前側から袋体を外挿する処理が容易に行えて、直状体内の複数の単位麺玉を袋体内に収容する作業が能率的に行えるものとなる。また直状樋内において2〜5個の任意な複数の単位麺玉を単列直状の圧接状に整列させたものである麺玉グループが直状樋内から取り出し易い状態に形成されるものとなる。
【0015】
さらに請求項5記載のものによれば、2〜5個の任意な複数の単位麺玉を単列直状の圧接状に整列させたものである麺玉グループを自動的に包装させることができ、これにより麺玉グループは手間少なくしかも各単位麺玉の前後左右の型崩れを生じさせることないように適当に圧縮された状態で包装されるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明に係る麺玉形成送出装置を示しAは正面図でBは側面図、図2は前記麺玉形成送出装置の平面図、図3は前記麺玉形成送出装置の側面視作動説明図、図4は使用状態を示しAは手で複数の単位麺玉を持ち上げ移動するときの説明図で、Bは複数の単位麺玉を手作業で袋詰めするときの説明図である。
【0017】
本発明に係る麺玉形成送出装置は図1〜図3に示すように、麺玉形成部1と麺玉送出部2とからなる。麺玉形成部1は、搬送面3aを水平前後向きとなされたベルトコンベア3と、装置フレーム4に支持され且つベルトコンベア3上の麺線に回転力を付与する図3中の回転力付与ローラ5とを備えている。
【0018】
上記ベルトコンベア3は図3に示すように、前後に一対のベルト案内車6a、6bとこれらベルト案内車6a、6bに掛け回された無端状の搬送ベルト7とを備えており、搬送面3aの前後方向途中の上側近傍には図2に示すように縦軸8回りの矢印方向f1、f2へ回転駆動される左右一対の麺案内車9、9が設けられており、このさい、麺案内車9、9はベルトコンベア3の搬送面3a上で左右方向へ巾広に存在した状態となって前方f3へ搬送される麺線に搬送ベルト7の巾中央位置へ向かう送り力を付与するものとなされている。また回転力付与ローラ5は周面に多数の突起5aを形成されている。
【0019】
図2及び図3において、10は装置フレーム4の左右側面部4a、4bに回転自在に支持された左右向きの回転支点軸であり、この回転支点軸10の長手方向の右寄り箇所には一対の細長板a1、a2を具備したアーム11が上下揺動自在に装着され先端を前方へ張り出されている。
【0020】
アーム11の先部には左右向きの出力回転軸12が設けられ、この出力回転軸12の左寄り箇所には上記回転力付与ローラ5が出力回転軸12と同体回転可能に固定されており、また一対の細長板a1、a2間において、回転支点軸10と出力回転軸12のそれぞれに伝動車13a、13bが固定されると共に、これら伝動車13a、13bに無端状の伝動帯14が掛け回されている。この伝動帯14はベルトでもチェーンでもよいが、ベルトにすれば潤滑油が不要となって潤滑油が麺線に付着する事態が回避される。
【0021】
装置フレーム4の右側面部4bには電動モータ15が固定されており、この電動モータ15の回転は回転支点軸10に伝達され、さらに伝動車13a、13b及び伝動帯14を経て回転力付与ローラ5に伝達される。
【0022】
またアーム11の上方となる装置フレーム4箇所には、アーム11の先部を回転支点軸10回りの上下方向へ揺動させるための駆動手段16が設けられている。
【0023】
装置フレーム4の右側面部4bで電動モータ15の近傍には図1及び図2に示すように他の電動モータ17が固定されており、この電動モータ17はベルトコンベア3の前側のベルト案内車6bやの一対の麺案内車9、9と連動連結されてベルトコンベア3や一対の麺案内車9、9を連動作動させるものとなされている。
【0024】
ベルトコンベア3の搬送面3a上で、一対の麺案内車9、9よりも前側には、搬送ベルト7の巾中央位置に左右一対の前後向き案内板18a、18bが適当な間隔を置いて縦向きに配置され装置フレーム4に同体状に固定されている。このさい、左右一対の前後向き案内板18a、18bの間隔は一対の麺案内車9、9の外周面の間隔に略合致するように位置される。
【0025】
前後向き案内板18a、18bの前後長さ途中には、麺線の存否を検出するセンサ19が設けてある。このセンサ19は左右一対の前後向き案内板18a、18bの左右各外側に投光器と受光器とを設け、投光器から発射された光線が受光器で検出されるか否かで、搬送面3aのセンサ19対応位置に麺線が存在するか否かを検出するようになされており、このセンサ19の検出信号に関連して駆動手段16の出力部が上下何れかへ変位し、該変位に連動してアーム11が上下揺動される。
【0026】
一方、麺玉送出部2は、前後向きの略水平状に配置され且つ麺玉形成部1が麺線を玉状に丸め成形して落下させた単位麺玉w1を受け止め該麺玉w1の左右方向への型崩れを規制しながらその前方移動を案内する直状樋20と、この直状樋20の受け止めた単位麺玉w1を前方f3へ押し移動させる押し移動手段21とを備えている。
【0027】
上記直状樋20は金属板を正面視略U字状に屈曲したものとなされ、内面にこれに接する単位麺玉w1との摩擦力を低減させるための多数の凹凸が形成されている。例えば、単位麺玉w1が中華麺用のものであるときは、直状樋20は全長L1を凡そ70cm〜100cm程度となされ、且つ左右巾L2を7cm〜10cm程度となされ、且つ高さL3を凡そ5cm〜10cm程度となされるのであり、このさい麺玉形成部1から落下される単位麺玉w1を受け止める箇所の高さは凡そ8cm程度以上となし、しかも左右巾L2が上方へ向かうほど拡がるホッパー状となすのがよいのであり、また前端側を装置フレーム4の前面から片持ち状に張り出させるのであり、このさい張り出し量L4は凡そ40cm〜60cm程度となす。
【0028】
また上記押し移動手段21は、直状樋20の内方で前後変位される押圧体22と、これを前後へ往復変位させる空気圧シリンダ装置のような駆動手段23とからなり、押圧体22が駆動手段23により前方f3へ押し移動されるとき押圧体22の送り出し始点p1である直状樋20箇所で受け止められている単位麺玉w1を前方f3へ押し移動させるものとなされている。
【0029】
24は押し移動手段21を制御作動させるための制御手段24であり、この制御手段24は、上記センサ19が麺線の到達したことを検出したときに発する到達検出信号に関連して1個の単位麺玉w1ごとにこの麺玉w1に対し押圧体22の後退位置(図3中に実線で示す位置)からの前後往復移動を1回行わせるように機能する第一制御部25と、この第一制御部25による押圧体22の前後往復移動が予め設定された任意回数行われるごとにその最後の回の前後往復移動のストローク(特別ストローク)S1を他の回の前後往復移動のストローク(基本ストローク)S2よりも大きくなすように機能する第二制御部26と、前記任意回数を設定入力部材b1の設定操作により設定するものとした回数設定部27とからなる。
【0030】
このさい、上記した基本ストロークS2は、単位麺玉w1の前後長さと略同一か若しくはこれよりも大きい第一距離に合致され、また特別ストロークS1は前記第一距離よりも例えば凡そ5cm〜10cm程度大きい第二距離に合致される。
【0031】
次に上記した本発明に係る麺玉形成送出装置の使用例及び各部の作動などについて説明する。
各部を作動状態となした後、麺線の1食分を1単位として全体形状を略方形板状となされた単位麺線群wを、ベルトコンベア3の搬送上流側に設けられた別の供給用ベルトコンベアc1により、ベルトコンベア3の搬送始点p2に連続的に供給する。
【0032】
上記単位麺線群wの製造は従来同様に行われるのであって、例えば、麺生地を平面状に圧延して前後方向へ長い麺帯を形成し、この麺帯を図示しない計量スリッタによりその左右巾方向を多数個に分割するように前後方向へ連続的に切断して麺線群中間品となし、この中間品の前後長手方向を、図示しない長さ分割手段により1食分に対応した一定長さごとに切断する処理を繰り返すように行われるのであり、これにより単位麺線群wは次々と連続的に得られる。
【0033】
こうして得られる多数の単位麺線群wは供給用ベルトコンベアc1の搬送面上にそれぞれが適当な間隔を置いて前後方向の一列状に並ぶように、しかもそれぞれが麺線群を単層の平面視方形板状に展開された状態となるように次々と載置される。
したがって、供給用ベルトコンベアc1に搬送され、ベルトコンベア3の搬送始点p2に到達し、さらに搬送面3a上に移動した各単位麺線群wは搬送面3a上においても供給用ベルトコンベアc1上での搬送形態をそのまま維持される。
【0034】
こうして搬送面3aで搬送される各単位麺線群wはやがて一対の麺案内車9、9の位置に到達し、ここで各単位麺線群wの左右端部は一対の麺案内車9、9の外周面の回転により搬送ベルト7の巾中央部へ向け移動される。このさい、麺案内車9、9の外周面は搬送ベルト7の前方移動速度に適合させてあるため、各単位麺線群wは搬送ベルト7に対する前後位置を殆ど変更されることなく搬送ベルト7と同体状に移動して左右一対の麺案内板9、9の間に円滑に送り込まれる。
【0035】
そして、各単位麺線群wの前端がセンサ19の位置に到達したとき、センサ19はこの単位麺線群wの存在を検出し到達検出信号を発する。このさいの到達検出信号はアーム11が上方へ揺動され図3中の実線位置に存在していないときは駆動手段16をその出力部が下方変位するように作動させてアーム11を図3中の実線位置まで下方揺動させる。
【0036】
そしてセンサ19の位置wを通過した単位麺線群wが回転力付与ローラ5に到達すると、回転力付与ローラ5の回転力とベルトコンベア3の搬送力とで該単位麺線群wは玉状に丸められていき1食分の単位麺玉w1が成形されていく。
【0037】
この単位麺玉w1の成形処理の終了が近づくと、その単位麺線群wの後端はセンサ19の位置を通過するのであり、このときセンサ19は次の単位麺線群wがここに到達するまでは麺線を検出しなくなって、麺玉成形中の単位麺玉w1に係る単位麺線群wの後端の通過を検出し、通過検出信号を発する。
【0038】
この通過検出信号は、駆動手段16をその出力部が上方変位するように作動させて、アーム11を上方へ揺動させ、回転力付与ローラ5を図3中の仮想線位置p3まで引き上げ、ベルトコンベア3から上方へ大きく離反させるのであり、これにより、麺玉成形を完了した状態の単位麺玉w1はベルトコンベア3の搬送力と重力の作用とにより前下方へ落下され、直状樋20の送り出し始点p1に受け止められる。このさい、直状樋20は送り出し始点p1の近傍を他所よりも高くなされてホッパー状となされているため、単位麺玉w1は直状樋20から漏れ出ることなく且つ左右方向への型崩れを抑制されつつその内方へ円滑に進入する。
【0039】
次に、送り出し始点p1に到達した単位麺玉w1に係る前記通過検出信号に関連して、押し移動手段21が制御手段24の指令により作動を開始する。先ず、押圧体22が基本ストロークS2で前後変位して、送り出し始点p1に位置した単位麺玉w1を直状樋20との摩擦抵抗に抗して基本ストロークS2と同じ大きさの第一距離だけ前方f3へ押し移動させる。この押し移動処理が終了したとき、直状樋20の送り出し始点p1は空状態となる。
【0040】
一方、このように押し移動された単位麺玉w1の次に単位麺玉w1となされる単位麺線群wの先端がセンサ19の位置に到達した後は、既述したと同様の作用により、該次の単位麺線群wが麺玉形成部1で単位麺玉w1に成形され、該単位麺玉w1は直状樋20の送り出し始点p1に落下される。そして、押し移動手段21が先と同様に作動し、押圧体22が基本ストロークS2で前後変位し、送り出し始点p1の単位麺玉w1を第一距離だけ前方f3へ押し移動させる。このように押し移動される単位麺玉w1は先の単位麺玉w1を押圧し、これら2つの単位麺玉w1、w1と直状樋20との摩擦抵抗に抗しつつ且つ前後左右方向の型崩れを抑制されつつ前方f3へ押し移動される。こうして移動された2つの単位麺玉w1は移動後においても直状樋20との摩擦抵抗により圧接状態を保持されるのであり、したがって各単位麺玉w1は前後左右方向の過大な型崩れを規制された状態となる。
【0041】
いま回数設定部27の設定入力部材b1が5回の位置に設定操作されているとすると、麺玉形成部1で連続して形成された4個の単位麺玉w1のそれぞれが押し移動手段21の作動により第一距離S2だけ前方f3へ4回、押し移動されるため、4個の単位麺玉w1は上記した2個の単位麺玉w1、w1の場合に準じて直状樋20内に単列直状となされ且つ互いに圧接された状態に保持される。そして、5個目の単位麺玉w1が直状樋20の送り出し始点p1に受け止められたとき、押し移動手段21は、特別ストロークS1で前後変位し、押圧体22は送り出し始点p1の単位麺玉w1を第二距離だけ前方f3へ押し移動させるのであり、この押し移動により前方f3へ移動される単位麺玉w1は4個目の単位麺玉w1の後部に押しつけられた状態で前方f3へ第二距離だけ押し移動されるのであり、したがって、直状樋20内のこれら5個の単位麺玉w1は5個目の単位麺玉w1の押し移動後においても単列直状となされ且つ圧接状態を保持される。
【0042】
次に6個目の単位麺玉w1が麺玉形成部1で形成されると、制御手段24はこの単位麺玉w1を1個目の単位麺玉w1と判断し、押し移動手段21はこの単位麺玉w1を第一距離S2だけ前方f3へ押し移動させる。
【0043】
このとき、既に直状樋20内で5個の単位麺玉w1が圧接状態の単列直状となされている麺玉グループGは前記6個目の単位麺玉w1に対し、第二距離S1と第一距離S2の差(例えば凡そ5cm〜10cm程度)だけ隙間が形成されるものとなる。この隙間は次に形成される麺玉グループGの2個目の単位麺玉w1が押し移動手段21で押し移動される時点まで維持されるものとなるため、作業者はこの2個目の単位麺玉w1が押し移動される時点までに、直状樋20内に既に形成されている麺玉グループGを外方へ移動させるのである。
【0044】
直状樋20内の麺玉グループGを手で持ち上げ移動するときは、作業者は図4Aに示すように、一方の手を麺玉グループGの前後方向一端に押し当て、他方の手をその他端に押し当てて5個の単位麺玉w1を挟み持ち状に支持し直状樋20内から上方へ引き上げ搬送箱内などの他所に移動させるようにする。
【0045】
一方、直状樋20内の麺玉グループGを袋詰めするときは、図4Bに示すように、袋体d1を直状樋20にこれの先端側から外挿し、この状態で麺玉グループGの後端面を手で押して該麺玉グループGと袋体d1とを同時に直状樋20から前方f3へ抜き出して5個の単位麺玉w1を袋体d1内に収容させた状態とする。
【0046】
こうして直状樋20内から麺玉グループGが取り出される一方で、上記したと同様な作動が繰り返されると、先と同様に、次の麺玉グループGが直状樋20内の同じ位置に形成されるのであり、以後は上記した作動が繰り返される。
【0047】
上記の例では設定入力部材b1を5回に設定したが、これ以外の任意な回数に設定して差し支えないのであり、この場合は、設定入力部材b1で設定された任意な回数と同じ数の単位麺玉w1が単列直状の圧接状に整列された状態の麺玉グルーブGが直状樋20内に形成される。
また上記の例では単位麺線群wは1食分の麺線群からなるものとしたが、これに限らず複数食分の麺線群からなるものとなしても差し支えない。
【0048】
図5は本発明に係る麺玉形成包装装置を示す要部の側面図である。
この図に示すように、上記した麺玉形成送出装置に特許文献1に開示されていると同様なフィルム自動包装機28を付加することにより本発明に係る麺玉形成包装装置が形成される。
【0049】
この場合、直状樋20は比較的短くなすのであり、この直状樋20の前端に例えば特許文献1に開示されていると同様なフィルム自動包装機28を連設するのである。そして、押し移動手段21が単位麺玉w1を第二距離S1だけ押し移動させたとき、予め設定入力部材b1により設定された回数と同数の任意な複数の単位麺玉w1からなる麺玉グループGがフィルム自動包装機28上に形成される構成とする。これによりフィルム自動包装機28は麺玉グループGを前後左右の過度な型崩れの生じない状態で包装するものとなる。
【0050】
このさい、フィルム自動包装機28上には麺玉グループGの単列直状整列や圧接状態を保持するため上記直状樋20に準じた機能を奏する機構を形成するのがよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る麺玉形成送出装置を示しAは正面図でBは側面図である。
【図2】前記麺玉形成送出装置の平面図である。
【図3】前記麺玉形成送出装置の側面視作動説明図である。
【図4】前記麺玉形成送出装置の使用状態を示しAは手で複数の単位麺玉を持ち上げ移動するときの説明図で、Bは複数の単位麺玉を手作業で袋詰めするときの説明図である。
【図5】本発明に係る麺玉形成包装装置を示す要部の側面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 麺玉形成部
2 麺玉送出部
20 直状樋
21 押し移動手段
28 フィルム自動包装機
f3 前方
S1 第二距離(特別ストローク)
S2 第一距離(基本ストローク)
w 単位麺線群
w1 単位麺玉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位麺線群を単位麺玉に形成して下方へ落下させることを繰り返す麺玉形成部と、該麺玉形成部の落下させた単位麺玉を受け止め前方へ送り出す麺玉送出部とを備えた麺玉形成送出装置において、前記麺玉送出部が、前後向きの略水平状に設けられ且つ前記麺玉形成部の落下させた単位麺玉を受け止め該麺玉の左右方向への型崩れを規制しながらその前方移動を案内する直状樋を備えたものとなされていることを特徴とする麺玉形成送出装置。
【請求項2】
前記麺玉送出部が前記直状樋の受け止めた単位麺玉を前方へ押し移動させることを繰り返す押し移動手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の麺玉形成送出装置。
【請求項3】
前記押し移動手段が、前記直状樋内の単位麺玉を該麺玉の前後長さよりも大きい任意な第一距離だけ前方へ押し移動させることを任意な複数回繰り返した後に前記麺玉形成部の落下させた単位麺玉を前記一定距離よりも大きい第二距離だけ押し移動させる作動を繰り返すものとなされたことを特徴とする請求項1記載の麺玉形成送出装置。
【請求項4】
前記直状樋が、装置フレームから前方へ片持ち状に張り出されると共に、この張り出し範囲の前後長さが、単位麺玉の少なくとも5個が前後方向の一線状に整列されることを可能になす大きさとなされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の麺玉形成送出装置。
【請求項5】
請求項3記載の麺玉形成送出装置の前記直状樋にフィルム自動包装機を連設し、前記押し移動手段が単位麺玉を前記第二距離だけ押し移動させたとき、この押し移動により複数の単位麺玉が圧接状となって前後方向の一線状に整列されて前記フィルム自動包装機上に位置される構成となしたことを特徴とする麺玉形成包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−62947(P2008−62947A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240486(P2006−240486)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(592230645)ヒラヤマプロダクツ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】