説明

黒色化導体パターンの形成方法及び黒色化導体パターン

【課題】使用材料を減らすことができると共に、少ない工程数で導体パターンの表面を黒色化することができる黒色化導体パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】黒色化導体パターンの形成方法に関する。黒色顔料を含有する導電性ペースト2を透明基材1に所定形状に印刷して導体パターン3を形成する。その後、この透明基材1を有機溶媒4又は有機溶媒4を含有する樹脂溶液14に接触させることによって導体パターン3を黒色化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルやプラズマディスプレイの透視性電磁波シールド材等に用いられる黒色化導体パターンの形成方法及び黒色化導体パターンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
透視性電磁波シールド材は、タッチパネルやプラズマディスプレイ等の表示部の前面に配置されて、表示部から放射される電磁波を遮蔽すると共に、乱反射を防止して、表示部に映し出される映像・画像を外部から視認することができるようにしたものである。
【0003】
従来、このような透視性電磁波シールド材等に用いられる黒色化導体パターンは様々な方法で形成されているが(例えば、特許文献1−4参照。)、近年ではフォトリソグラフィを用いて形成された黒色化導体パターンが最も普及している(例えば、特許文献5−7参照。)。
【0004】
そしてこの黒色化導体パターンは具体的には次のようにして形成されている。すなわち、図9(a)のように透明基材1に設けた金属層7の表面にレジスト8を塗布した後、図9(b)のようにフォトマスク9を通してレジスト8に光Lを照射して露光する。次に図9(c)のように現像によってレジスト8の未露光部を除去した後、露出した金属層7を図9(d)のようにエッチングによって除去する。そして、図9(e)のようにレジスト8を剥離して導体パターン3を形成した後、図9(f)のように導体パターン3の表面を酸化して酸化層10を形成し、この酸化層10で黒色化することによって、黒色化導体パターンを得ることができるものである。なお、図9(f)の黒色化の工程は、乱反射を防止し、透視性を得るために必要とされる工程である。
【特許文献1】特開平5−283889号公報
【特許文献2】特開平9−298384号公報
【特許文献3】特開平11−266096号公報
【特許文献4】特開平11−298185号公報
【特許文献5】特開平10−41682号公報
【特許文献6】特開平10−75087号公報
【特許文献7】特開11−233992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図9のような従来のフォトリソグラフィを用いた黒色化導体パターンの形成方法では、金属層7、レジスト8、現像液、エッチング液、黒化処理液など使用・廃棄する材料が多いという問題がある。また従来の方法では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥離、黒色酸化といった工程を経る必要があるため、工程数も多くなるという問題もある。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、使用材料を減らすことができると共に、少ない工程数で導体パターンの表面を黒色化することができる黒色化導体パターンの形成方法及び黒色化導体パターンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る黒色化導体パターンの形成方法は、黒色顔料を含有する導電性ペースト2を透明基材1に所定形状に印刷して導体パターン3を形成した後、この透明基材1を有機溶媒4又は有機溶媒4を含有する樹脂溶液14に接触させることによって導体パターン3を黒色化することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項2に係る黒色化導体パターンは、黒色顔料を含有する導電性ペースト2が透明基材1に所定形状に印刷されて導体パターン3が形成され、この透明基材1が有機溶媒4又は有機溶媒4を含有する樹脂溶液14に接触したことによって導体パターン3が黒色化していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係る黒色化導体パターンの形成方法によれば、使用材料を減らすことができると共に、少ない工程数で導体パターンの表面を黒色化することができるものである。
【0010】
本発明の請求項2に係る黒色化導体パターンによれば、使用材料を減らすことができると共に、少ない工程数で導体パターンの表面を黒色化することができるものであり、また従来よりも黒色化の程度が高くコントラストを向上させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明において透明基材1としては、絶縁性のあるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)のほか、ポリメタクリル酸メチルに代表されるアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、JSR株式会社製の商品名「アートン」に代表されるノルボルネン系樹脂、東ソー株式会社製の品番「TI−160」に代表されるオレフィンマレイミド樹脂等にて形成される有機樹脂基体や、ガラスにて形成されるガラス基体等のような、シート状あるいは板状のもの等を用いることができる。
【0013】
また導電性ペースト2としては、黒色顔料を含有するものであれば特に限定されるものではないが、この他に金属粉、熱可塑性樹脂、添加剤、溶媒等を配合して調製されたものを用いることができる。ここで、黒色顔料としては、カーボンブラック、グラファイトブラック、酸化銅等を用いることができる。また導電性ペースト2全量に対して黒色顔料の配合量は0.01〜30質量%であることが好ましい。
【0014】
また金属粉としては、銀粉、銅粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、鉄粉、マグネシウム粉、これらの合金粉、これらの粉末に異種金属を1層以上コーティングしたものから選ばれるものを用いることができ、この配合量は10〜99質量%であることが好ましい。
【0015】
また熱可塑性樹脂としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などや、−COC−骨格、−COO−骨格などを含むこれらの樹脂の誘導体等や、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体等を用いることができ、この配合量は0.1〜50質量%であることが好ましい。
【0016】
また添加剤としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK333(シリコンオイル)」等の消泡剤・レベリング剤を用いることができ、この配合量は0〜10質量%であることが好ましい。
【0017】
また溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−(2−メトキシ−2−メチルエトキシ)−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び水等をそれぞれ単独で用いたり、任意の割合で混合した混合溶媒として用いたりすることができるものであり、この配合量は0.1〜50質量%であることが好ましい。
【0018】
そして黒色化導体パターンを形成するにあたっては、まず図1(a)のように透明基材1の表面に導電性ペースト2を所定形状に印刷する。ここで、透明基材1に印刷する形状としては、特に限定されるものではないが、例えば、透視性電磁波シールド材Aを製造する場合には、図2のような格子状又は網目状(メッシュ状)等を挙げることができる。また印刷方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等を使用することができる。
【0019】
次に透明基材1の表面に印刷された導電性ペースト2を50〜150℃、0.1〜180分の条件で加熱して乾燥させることによって、電磁波シールドパターンとしての導体パターン3を形成する。
【0020】
その後、この透明基材1を有機溶媒4又は有機溶媒4を含有する樹脂溶液14に接触させるものであるが、この方法としては、図1(b)のように容器5に入れた芳香族溶媒4又は樹脂溶液14にこの透明基材1を浸漬させることによって接触させる方法のほか、グラビアやダイコート等による塗工、スポイト等による滴下、噴霧、蒸気接触、ラミネートなどの方法も使用することができる。なお、ラミネートは、樹脂溶液14を用いる場合の方法であり、例えば、樹脂溶液14が塗工されたフィルムと透明基材1とを重ね合わせることによって、透明基材1の導体パターン3を樹脂溶液14の有機溶媒4に接触させることができる。
【0021】
ここで、有機溶媒4としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−(2−メトキシ−2−メチルエトキシ)−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等を用いることができる。なお、トルエン及びキシレン以外の有機溶媒4に透明基材1を浸漬させる場合には、導体パターン3が溶解するおそれがあるので、トルエン及びキシレン以外の有機溶媒4を用いる場合には、浸漬以外の方法を使用するのが好ましい。
【0022】
また、樹脂溶液14としては、上記有機溶媒4を含有し透明なものであれば特に限定されるものではなく、粒子分散液、ゼリー状のゲル、ホイップしたクリーム等の形態でもよい。樹脂溶液14を構成する成分としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などや、−COC−骨格、−COO−骨格などを含むこれらの樹脂の誘導体、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体等の樹脂成分に上記有機溶媒4を配合して調製されたものを用いることができる。なお、トルエン及びキシレン以外の有機溶媒4を含有する樹脂溶液14に透明基材1を浸漬させる場合には、導体パターン3が溶解するおそれがあるが、有機溶媒4以外の構成成分の配合量を高めることによって、導体パターン3の溶解を防止することができる。
【0023】
そして図1(b)のように浸漬による接触の場合には、接触させてから0.001〜180秒間経過した後に透明基材1を引き上げることによって、図1(c)のような黒色化導体パターンを形成することができる。このように導体パターン3の表面が黒色化しているのは、導体パターン3を形成する導電性ペースト2と有機溶媒4との接触が契機となり、導電性ペースト2中の黒色顔料が導体パターン3の表層部に集まって局在化することによって、黒色層6が形成されたためであると考えられる。そしてこのようにして形成された黒色層6は、従来の酸化層10よりも黒色化の程度が高く、コントラストを向上させることができるものである。
【0024】
このように本発明では、金属層7、レジスト8、現像液、エッチング液、黒化処理液などについては使用する必要がないので、使用材料を減らすことができるものである。また本発明では、印刷、接触といった工程を経るだけでよいので、少ない工程数で導体パターン3の表面を黒色化することができるものである。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0026】
(実施例)
透明基材1として、透明PETフィルムである東洋紡製「A4300」(厚さ100μm)を用いると共に、導電性ペースト2として、EASTMAN製「セルロースアセテートブチレート CAB−551−0.2」を14.6質量%、ライオン株式会社製「ケッチェンカーボンブラック EC300J」を0.5質量%、三井金属鉱業株式会社製「銀粉 SPN10J」を50質量%、メチルイソブチルケトンを34.9質量%配合して調製されたものを用いた。
【0027】
そしてまずスクリーン印刷を使用して透明基材1の表面に導電性ペースト2を図2のように格子状又は網目状に印刷した。
【0028】
次に透明基材1の表面に印刷された導電性ペースト2を120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、図1(a)のように電磁波シールドパターンとしての導体パターン3を形成した。その後、図1(b)のように容器5に入れた有機溶媒4であるトルエンにこの透明基材1を浸漬により接触させてから3.0秒間経過した後に透明基材1を引き上げることによって、図1(c)のような透視性電磁波シールド材Aを製造した。このようにして得られた透視性電磁波シールド材Aにおいて導体パターン3の表面は黒色化していた。次にトルエンの代わりにキシレンを用いて透視性電磁波シールド材Aを製造したところ、この場合も導体パターン3の表面は黒色化していた。上記いずれの場合も、黒色化前のL値が47.766であったのに対し、黒色化後のL値は39.486であり、導体パターン3の表面は漆黒に近い黒色であった。なお、L値の測定は、図8に示すように、透視性電磁波シールド材Aの導体パターン3が形成された面(前面)と色彩色差計11の測定口12とを対向させ、透視性電磁波シールド材Aの背面に黒板を設置して、C光源、10°視野の条件で行った。
【0029】
(実施例2)
透明基材1として、透明PETフィルムである東洋紡製「A4300」(厚さ100μm)を用いると共に、導電性ペースト2として、EASTMAN製「セルロースアセテートブチレート CAB−551−0.2」を22.3質量%、ライオン株式会社製「ケッチェンカーボンブラック EC300J」を0.5質量%、三井金属鉱業株式会社製「銀粉 SPN10J」を22.7質量%、メチルイソブチルケトンを54.5質量%配合して調製されたものを用いた。
【0030】
そして図3のように、透明基材1と同一の透明PETフィルムに30mm×30mmの正方形状の貫通孔15を設けて印刷マスク16を形成し、図4(a)(b)のようにこの印刷マスク16を透明基材1に重ねると共に、スキージ17を用いて導電性ペースト2を印刷マスク16の貫通孔15内に塗り込むことによって、透明基材1の表面に導電性ペースト2を正方形状に印刷した。
【0031】
次に透明基材1の表面に印刷された導電性ペースト2を120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、正方形状の導体パターン3を形成した。その後、図5(a)のようにスポイト18を用いて有機溶媒4であるメチルエチルケトンを導体パターン3の表面に滴下することにより接触させてから3.0秒間経過した後に、これを乾燥機に入れ、100℃、3分の条件で加熱して乾燥させることによって、図5(b)のような導体パターン形成基材Bを製造した。このようにして得られた導体パターン形成基材Bにおいて導体パターン3の表面は黒色化していた。黒色化前のL値が40.116であったのに対し、黒色化後のL値は30.214であり、導体パターン3の表面は漆黒に近い黒色であった。なお、L値の測定は、図8に示すように、導体パターン形成基材Bの導体パターン3が形成された面(前面)と色彩色差計11の測定口12とを対向させ、導体パターン形成基材Bの背面に黒板を設置して、C光源、10°視野の条件で行った。
【0032】
(実施例3)
実施例2と同様に透明基材1の表面に正方形状の導体パターン3を形成した。その後、図6(a)のようなグラビア印刷機(株式会社ヒラノテクシード製「テストコーターTM−MC」)を用いて有機溶媒4であるトルエンを#180の版で導体パターン3の表面にグラビア塗工することにより接触させた。なお、図6中、19は版胴、20は圧胴、21はドクターである。そしてトルエンが塗工された透明基材1を乾燥機に入れ、100℃、3分の条件で加熱して乾燥させることによって、図7(b)のような導体パターン形成基材Bを製造した。このようにして得られた導体パターン形成基材Bにおいて導体パターン3の表面は黒色化していた。黒色化前のL値が40.850であったのに対し、黒色化後のL値は31.851であり、導体パターン3の表面は漆黒に近い黒色であった。なお、L値の測定は実施例2と同様にして行った。
【0033】
(実施例4)
実施例2と同様に透明基材1の表面に正方形状の導体パターン3を形成した。その後、図7(a)のように、株式会社ヒラノテクシード製「テストコーターTM−MC」に取り付けたダイヘッド22(クリアランス200μm、塗工口−透明基材1間距離100μm)で樹脂溶液14である株式会社日本触媒製アクリル樹脂溶液「IR−G205」を導体パターン3の表面にダイコート塗工することにより接触させた。そしてこれを乾燥機に入れ、100℃、3分の条件で加熱して乾燥させることによって、図7(b)のような導体パターン形成基材Bを製造した。このようにして得られた導体パターン形成基材Bにおいて導体パターン3の表面は黒色化していた。黒色化前のL値が41.353であったのに対し、黒色化後のL値は32.003であり、導体パターン3の表面は漆黒に近い黒色であった。なお、L値の測定は実施例2と同様にして行った。
【0034】
(実施例5)
透明基材1として、透明PETフィルムである東洋紡製「A4300」(厚さ100μm)を用いると共に、導電性ペースト2として、EASTMAN製「セルロースアセテートブチレート CAB−551−0.2」を22.5質量%、ライオン株式会社製「ケッチェンカーボンブラック EC300J」を2.0質量%、住友金属鉱山株式会社製「銅粉 UCP080」を21.0質量%、メチルイソブチルケトンを54.5質量%配合して調製されたものを用いた。
【0035】
そして実施例2と同様に透明基材1の表面に正方形状の導体パターン3を形成した。その後、図5(a)のようにスポイト18を用いて有機溶媒4であるトルエンを導体パターン3の表面に滴下することにより接触させてから3.0秒間経過した後に、これを乾燥機に入れ、100℃、3分の条件で加熱して乾燥させることによって、図5(b)のような導体パターン形成基材Bを製造した。このようにして得られた導体パターン形成基材Bにおいて導体パターン3の表面は黒色化していた。黒色化前のL値が34.629であったのに対し、黒色化後のL値は30.596であり、導体パターン3の表面は漆黒に近い黒色であった。なお、L値の測定は実施例2と同様にして行った。
【0036】
(比較例1)
透明基材1としてPETフィルムを用い、図9(a)のように透明基材1に設けた銅箔からなる金属層7の表面にレジスト8を塗布した後、図9(b)のようにフォトマスク9を通してレジスト8に光を照射して露光した。次に図9(c)のように現像によってレジスト8の未露光部を除去した後、露出した金属層7を図9(d)のようにエッチングによって除去した。そして、図9(e)のようにレジスト8を剥離して導体パターン3を形成した後、図9(f)のように導体パターン3の表面を酸化して酸化層10を形成し、この酸化層10で黒色化することによって、透視性電磁波シールド材Aを製造した。導体パターン3の表面のL値は41.012であった。なお、L値の測定は実施例1と同様にして行った。
【0037】
このように比較例では、金属層7、レジスト8、現像液、エッチング液、黒化処理液など使用・廃棄する材料が多い上に、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥離、黒色酸化といった工程を経る必要があるため、工程数も多くなった。
【0038】
(比較例2)
実施例1のトルエンの代わりに水を用いて透視性電磁波シールド材Aを製造したが、導体パターン3の表面は黒色化しなかった。
【0039】
(比較例3)
実施例1の導電性ペースト2の代わりに黒色顔料を含有しない太陽インキ製造株式会社製「AF5200E」を用いて透視性電磁波シールド材Aを製造したが、導体パターン3の表面は黒色化しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。
【図2】導体パターンが形成された基材の一部を拡大して示す平面図である。
【図3】印刷マスク及び透明基材を示す平面図である。
【図4】導電性ペーストの印刷工程の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。
【図5】導体パターンの黒色化工程の一例を示すものであり、(a)(b)は断面図である。
【図6】導体パターンの黒色化工程の他の一例を示すものであり、(a)(b)は断面図である。
【図7】導体パターンの黒色化工程の他の一例を示すものであり、(a)(b)は断面図である。
【図8】L値の測定方法を示す説明図である。
【図9】従来技術の一例を示すものであり、(a)〜(f)は断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 透明基材
2 導電性ペースト
3 導体パターン
4 有機溶媒
14 樹脂溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒色顔料を含有する導電性ペーストを透明基材に所定形状に印刷して導体パターンを形成した後、この透明基材を有機溶媒又は有機溶媒を含有する樹脂溶液に接触させることによって導体パターンを黒色化することを特徴とする黒色化導体パターンの形成方法。
【請求項2】
黒色顔料を含有する導電性ペーストが透明基材に所定形状に印刷されて導体パターンが形成され、この透明基材が有機溶媒又は有機溶媒を含有する樹脂溶液に接触したことによって導体パターンが黒色化していることを特徴とする黒色化導体パターン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−193875(P2009−193875A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34931(P2008−34931)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】