鼻腔挿入デバイス抜け防止具および鼻腔挿入デバイスセット
【課題】本発明の課題は、ユーザが鼻腔挿入デバイスを装着したとき、目立ちにくい鼻腔挿入デバイス抜け防止具を提供することである。
【解決手段】本発明に係る鼻腔挿入デバイス固定具300は、第1移動防止部310と、本体部330とを備える。第1移動防止部310は、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より奥側に配置され、かつ、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。本体部330は、第1移動防止部310が設置される。
【解決手段】本発明に係る鼻腔挿入デバイス固定具300は、第1移動防止部310と、本体部330とを備える。第1移動防止部310は、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より奥側に配置され、かつ、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。本体部330は、第1移動防止部310が設置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻腔挿入デバイス抜け防止具、およびその鼻腔挿入デバイス抜け防止具を備える鼻腔挿入デバイスセットに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、睡眠時に上気道の咽頭部が筋肉の弛緩と肥満等との合併症で閉塞され、一時的な窒息(無呼吸、低呼吸)状態を断続的に繰り返す。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、高血圧症を患ったり、脳血管及び心血管に障害を患ったりする。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、十分な睡眠がとれず、日中に眠気を催したり、日中に集中力や活力を欠いたりするようになる。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が自動車の運転をする場合には、その患者は居眠り運転で事故または重大事故等を起こしやすくなる。
【0003】
また、いびきは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と同様に、睡眠時に上気道が狭窄または閉塞されることにより、咽頭部等の気道粘膜が振動することによって発生する。いびきは、同居人の眠りの妨害だけでなく、当人の熟睡の妨げとなり、日中に眠気を催したり、日中に集中力および活力を欠いたりするようになる。
【0004】
以下、上記した「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」及び「いびき症」を総称して、「睡眠障害」とする。
【0005】
そこで、近年、閉塞型睡眠時無呼吸症候群を治療したり、いびき症を解消したりするための様々な提案がなされている。例えば、「閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消デバイス(以下、「鼻腔挿入デバイス」という)を鼻孔経由で咽頭部に挿入する方法(例えば、特開2009−072581号公報)」、「先端部に水膨潤樹脂が塗布された鼻腔挿入デバイスを鼻孔経由で咽頭部に挿入した後、咽頭部周辺の水分を利用して水膨潤樹脂を膨潤させて咽頭部を押し広げる方法(例えば、特開2009−072581号公報等参照)」、および「先端部に拡張部分が設けられた鼻腔挿入デバイスを鼻孔経由で咽頭部に挿入した後、ユーザの操作により拡張部分を拡張させて咽頭部を押し広げる方法(例えば、特開2006−204630号公報、特開2009−034384号公報、特開2009−072581号公報、特開2009−072582号公報等参照)」等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−204630号公報
【特許文献2】特開2009−034384号公報
【特許文献3】特開2009−072581号公報
【特許文献4】特開2009−072582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のような方法に係る鼻腔挿入デバイスをユーザが装着するとき、鼻腔挿入デバイスは、鼻腔から抜けるのを防止するため、通常、鼻柱または鼻翼に固定具を介して固定される。そのため、鼻腔挿入デバイスの固定具は、鼻から露出した状態となる場合が多い。よって、鼻腔挿入デバイスの固定具は目立ってしまう。
【0008】
本発明の課題は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき目立ちにくい鼻腔挿入デバイス抜け防止具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、第1移動防止部と、本体部とを備える。第1移動防止部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より奥側に配置される。また、第1移動防止部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。本体部には、第1移動防止部が設置される。
【0010】
鼻腔挿入デバイス抜け防止具は内鼻孔に配置される。そのため、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は目立ちにくい。
【0011】
内鼻孔より大きい第1移動防止部は、内鼻孔に引っかかる。そのため、第1移動防止部は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。よって、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが鼻から抜けて体外に出るのを防止する。
【0012】
(2)
上述(1)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第1移動防止部および本体部の少なくとも一方は、弾性を有することが好ましい。
【0013】
弾性を有する第1移動防止部および本体部の少なくとも一方は、外力が加えられることによって変形する。第1移動防止部および本体部の少なくとも一方が変形させられることで、第1移動防止部は、内鼻孔に引っかからない大きさまで小さくなり、内鼻孔を容易に通過することができる。
【0014】
第1移動防止部が内鼻孔を通過すると、第1移動防止部および本体部に加えられていた外力がなくなる。そのため、第1移動防止部は、内鼻孔より大きい元の形状に戻る。よって、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔に容易に配置される。
【0015】
(3)
上述(1)または(2)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第1移動防止部は、少なくとも1つの第1の弁を有することが好ましい。第1の弁は、本体部から外方に向かって延びる。
【0016】
この鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第1の弁の個数が調整されることで、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する力が調整される。
【0017】
(4)
上述(3)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第1の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に向かうに従って外方に傾斜することが好ましい。
【0018】
第1の弁が所定の方向に向かうに従って外方に傾斜するため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻の内部の粘膜を傷つけにくい。
【0019】
(5)
上述(3)または(4)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、第1の弁を閉じる閉じ部をさらに備えることが好ましい。
【0020】
閉じ部で第1の弁が閉じられた状態のとき、閉じ部および第1移動防止部は、内鼻孔に引っかからない大きさとなる。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔を容易に通過することができる。
【0021】
第1移動防止部が内鼻孔を通過すると、閉じ部により第1の弁が開かれる。これにより、第1移動防止部は、内鼻孔より大きい元の形状に戻る。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔に容易に配置される。
【0022】
(6)
上述(5)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、閉じ部は、主に水溶性高分子から成ることが好ましい。
【0023】
第1移動防止部が内鼻孔を通過した後、主に水溶性高分子から成る閉じ部は、事前に塗布された潤滑剤および体液によって溶ける。閉じ部が溶けることで、第1移動防止部は、内鼻孔より大きい元の形状に戻る。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔により容易に配置される。
【0024】
(7)
上述(5)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、位置決め部をさらに備えることが好ましい。位置決め部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、閉じ部が内鼻孔より手前側に配置されるように閉じ部の位置を決める。閉じ部は、第1の弁と位置決め部との間を移動自在である。この閉じ部は、第1の弁に取り付けられたとき、第1の弁を閉じる。また、この閉じ部は、位置決め部に移動したとき、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。
【0025】
閉じ部は、内鼻孔に引っかかる大きさである。閉じ部で第1の弁を閉じた状態にしてから、内鼻孔への第1の弁の挿入を開始する。第1の弁は、内鼻孔への挿入直前まで閉じ部で閉じられているので、内鼻孔を通過しやすい。
【0026】
第1の弁が内鼻孔を通過した後、閉じ部は、内鼻孔を通過せず、位置決め部によって内鼻孔より手前側に配置される。そして、閉じ部は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが飲み込まれるのを防止する。
【0027】
(8)
上述(1)〜(6)のいずれかの鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、第2移動防止部をさらに備えることが好ましい。第2移動防止部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より手前側に配置される。また、第2移動防止部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そして、第2移動防止部は、本体部に設置される。
【0028】
内鼻孔より大きい第2移動防止部は、内鼻孔に引っかかる。そのため、第2移動防止部は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが飲み込まれるのを防止する。
【0029】
(9)
上述(8)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第2移動防止部は、少なくとも1つの第2の弁を有することが好ましい。第2の弁は、本体部から外方に延びる。
【0030】
この鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、第2の弁の個数が調整されることで、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する力が調整される。
【0031】
(10)
上述(9)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第2の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に向かうに従って外方に傾斜することが好ましい。
【0032】
第2の弁が所定の方向に向かうに従って外方に傾斜するため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻の内部の粘膜を傷つけにくい。
【0033】
(11)
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、本体部と、少なくとも1つの第1の弁と、少なくとも1つの第2の弁とを備える。第1の弁は、本体部に設置される。また、第1の弁は、本体部から外方に延びる。第2の弁は、本体部の第1の弁の設置箇所と異なる箇所に設置される。また、第2の弁は、本体部から外方に延びる。
【0034】
鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、第1の弁が内鼻孔400より奥側に配置され、第2の弁が内鼻孔より手前側に配置される。第1の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、第2の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが飲み込まれるのを防止する。
【0035】
(12)
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、本体部と、少なくとも1つの第1の弁と、閉じ部と、位置決め部とを備える。第1の弁は、本体部に設置される。この第1の弁は、本体部から外方に延びる。閉じ部は、第1の弁を閉じる。位置決め部は、閉じ部の位置を決める。この閉じ部は、第1の弁と位置決め部との間を移動自在である。また、閉じ部は、第1の弁に取り付けられたとき、第1の弁を閉じる。さらに、閉じ部は、位置決め部で位置が決められたとき、第1の弁を開く。
【0036】
第1の弁および閉じ部は、内鼻孔に引っかかる大きさである。閉じ部で第1の弁を閉じた状態にしてから、内鼻孔への第1の弁の挿入を開始する。第1の弁は、内鼻孔への挿入直前まで閉じ部で閉じられているので、内鼻孔を通過しやすい。
【0037】
第1の弁が内鼻孔を通過した後、閉じ部は、位置決め部によって内鼻孔より手前側に配置される。そして、第1の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、閉じ部は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが飲み込まれるのを防止する。
【0038】
(13)
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、本体部と、少なくとも1つの第1の弁と、閉じ部とを備える。第1の弁は、本体部に設置される。この第1の弁は、本体部から外方に延びる。閉じ部は、糸またはワイヤから成る。この閉じ部の一方の端部は、第1の弁に繋がれる。また、第1の弁は、閉じ部の他方の端部が引っ張られることで閉じる。
【0039】
閉じ部が引っ張られた状態のとき、第1の弁が閉じた状態となる。第1移動防止部は、第1の弁が閉じられたことで、内鼻孔に引っかからない大きさまで小さくなる。そのため、第1移動防止部は、内鼻孔に引っかからない大きさなので、内鼻孔を容易に通過できる。
【0040】
第1移動防止部が内鼻孔を通過後、閉じ部が引っ張られた状態を解除したとき、第1の弁が開いた状態となる。そのため、第1移動防止部は、内鼻孔より大きい元の形状に戻る。このようにして、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔に容易に配置される。
【0041】
(14)
本発明に係る鼻腔挿入デバイスセットは、鼻腔挿入デバイス抜け防止具と、鼻腔挿入デバイスとを備える。鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、上述(1)〜(13)のいずれかのものである。鼻腔挿入デバイスは、鼻腔に挿入される。
【0042】
鼻腔挿入デバイス抜け防止具は内鼻孔に配置される。そのため、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイスセットは目立ちにくい。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき目立ちにくい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスセットの側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具が内鼻孔に配置されている状態を示した側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具が内鼻孔に配置されている状態を示し、第1移動防止部側から第2防止部側に向かって見た正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の変形例(A)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例(C)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の変形例(D)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図9】本発明の第1実施形態の変形例(E)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図10】本発明の第1実施形態の変形例(E)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1移動防止部が変形した状態を示した側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図12】本発明の第2実施形態の変形例(A)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図13】本発明の第2実施形態の変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が閉じた状態を示した側面図である。
【図14】本発明の第2実施形態の変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が開いた状態を示した側面図である。
【図15】本発明の第2実施形態の変形例(C)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が閉じた状態を示した側面図である。
【図16】本発明の第2実施形態の変形例(C)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が開いた状態を示した側面図である。
【図17】本発明の第2実施形態の変形例(D)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が閉じた状態を示した側面図である。
【図18】本発明の第2実施形態の変形例(D)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が開いた状態を示した側面図である。
【図19】本発明の第3実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が閉じた状態を示した側面図である。
【図20】本発明の第3実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が開いた状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
−第1実施形態−
<鼻腔挿入デバイスセット>
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスセット100は、鼻腔挿入デバイス200と、固定具300とを備える。固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図1の白抜き矢印方向)、および挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止するためのものである。
【0046】
<鼻腔挿入デバイス>
図1に示されるように、鼻腔挿入デバイス200は、シリコーン樹脂製または熱可塑性エラストマー製(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等のチューブ体であって、鼻孔から咽頭部まで延在するように形成されている。この鼻腔挿入デバイス200は、円管形状のチューブ本体部210と、チューブ本体部210の先端部(咽頭部側)に設けられる拡張部220とを有する。なお、鼻腔挿入デバイス200は、チューブ本体部210に代えて、例えば、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などを有していてもよい。このワイヤまたは糸には、拡張部220が設けられる。
【0047】
チューブ本体部210は、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に装着されたときに空気の流路を形成する機能を果たす。また、拡張部220は、咽頭部を拡張させるために設けられており、睡眠障害を患っている患者の狭窄または閉塞する咽頭部を拡張させる。そして、鼻腔挿入デバイス200の基端部(鼻孔側)には、固定具300が設けられる。
【0048】
<固定具>
図2、3に示されるように、固定具300は、第1移動防止部310と、第2移動防止部320と、本体部330と、抜き取り部340とを有する。鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、固定具300は内鼻孔400に配置される。このとき、第1移動防止部310は内鼻孔400より奥側に配置され、第2移動防止部320は内鼻孔400より手前側に配置される。
【0049】
第1移動防止部310は、本体部330から外方に向かって延びる4つの第1の弁311を有する。この第1の弁311は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図2の白抜き矢印方向)に向かうに従って外方に傾斜する。この第1の弁311の形状は、矩形板状である。なお、第1の弁311の形状は、特に限定されず、例えば、円形板状、楕円板状または多角形板状などであってもよい。また、各第1の弁311の形状は、それぞれ同じ形状であってもよいし、それぞれ異なる形状であってもよい。
【0050】
第1移動防止部310が内鼻孔400より大きくなるように、第1の弁311の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが決められている。そのため、固定具300が内鼻孔400に配置されているとき、第1移動防止部310は内鼻孔400に引っかかる。
【0051】
第1移動防止部310は弾性を有している。つまり、本実施形態においては、第1移動防止部310を構成する第1の弁311が弾性を有している。第1の弁311は、外力が加えられることによって変形する。
【0052】
第1の弁311の材料として、弾性を有する材料、例えば、イソプレンゴムまたはシリコーンゴム等の合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー等が用いられる。なお、第1移動防止部310が内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなるのであれば、第1移動防止部310に代えて本体部330が弾性を有していてもよいし、第1移動防止部310および本体部330の両方が弾性を有していてもよい。
【0053】
第1の弁311の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが調整されることで、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する力が調整される。
【0054】
第2移動防止部320は、本体部330から外方に向かって延びる4つの第2の弁321を有する。この第2の弁321は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図2の白抜き矢印方向)と反対方向に向かうに従って外方に傾斜する。この第2の弁321の形状は、矩形板状である。なお、第2の弁321の形状は、特に限定されず、例えば、円形板状、楕円板状または多角形板状などであってもよい。また、各第2の弁321の形状は、それぞれ同じ形状であってもよいし、それぞれ異なる形状であってもよい。
【0055】
第2移動防止部320が内鼻孔400より大きくなるように、第2の弁321の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが決められている。そのため、固定具300が内鼻孔400に配置されているとき、第2移動防止部320は内鼻孔400に引っかかる。第2の弁321の材料として、シリコーン樹脂または熱可塑性エラストマー(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等が用いられる。
【0056】
第2の弁321の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが調整されることで、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する力が調整される。なお、第2の弁321の大きさ、個数、形状および取り付け角度などは、第1の弁311の大きさ、個数、形状および取り付け角度などと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0057】
本体部330は、円管形状であり、シリコーン樹脂または熱可塑性エラストマー(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等から成る。この本体部330には、第1移動防止部310、第2移動防止部320および抜き取り部340が設置されている。なお、本体部330は、鼻腔挿入デバイス200のチューブ本体部210と一体でもよいし、別体でもよい。また、本体部330は、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などであってもよい。
【0058】
抜き取り部340は、内鼻孔400に配置されている固定具300を、内鼻孔400から抜き取るためのものである。抜き取り部340として、例えば、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などが用いられる。
【0059】
この抜き取り部340は、鼻腔挿入デバイス200が設置されている側とは反対側の本体部330の端部に設置される(図2参照)。この抜き取り部340は、鼻から出ない長さで調整されており、固定具300が内鼻孔400に配置されているとき、鼻孔内に収納される。なお、抜き取り部340は、ワイヤまたは糸などに代えて、本体部330の端部を延伸して形成されたものであってもよい。
【0060】
<鼻腔挿入デバイスセットの使用方法>
鼻腔挿入デバイスセット100を装着するとき、ユーザは、鼻腔挿入デバイス200の拡張部220を咽頭部まで挿入していく。そして、ユーザは、固定具300を内鼻孔400に挿入する。固定具300が内鼻孔400に挿入されている途中では、弾性を有する第1の弁311は、内鼻孔400から加えられる外力によって一時的に変形する。第1移動防止部310は、第1の弁311の変形により、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなり、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0061】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過すると、内鼻孔400から加えられていた外力がなくなる。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300は内鼻孔400に容易に配置される。よって、ユーザは鼻腔挿入デバイスセット100を容易に装着することができる。
【0062】
内鼻孔400に配置された固定具300は、内鼻孔400より奥側に配置された第1移動防止部310と、内鼻孔400より手前側に配置された第2移動防止部320とによって、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止し、かつ、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。(図2参照)。具体的に、第1移動防止部310は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図1、2の白抜き矢印方向)と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、第2移動防止部320は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図1、2の白抜き矢印方向)に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0063】
鼻腔挿入デバイスセット100の取り外しは、鼻孔内の抜き取り部340を指で掴んで引っ張り、固定具300および鼻腔挿入デバイス200を体外に抜き取ることで行う。
【0064】
<本実施形態における効果>
固定具300は内鼻孔400に配置される。そのため、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、固定具300は目立ちにくい。
【0065】
内鼻孔400より大きい第1移動防止部310は、内鼻孔400に引っかかる。そのため、第1移動防止部310は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。よって、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。
【0066】
弾性を有する第1移動防止部310および本体部330の少なくとも一方は、外力が加えられることによって変形する。第1移動防止部310および本体部330の少なくとも一方が変形させられることで、第1移動防止部310は、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなり、内鼻孔400を容易に通過することができる。
【0067】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過すると、第1移動防止部310および本体部330に加えられていた外力がなくなる。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。よって、固定具300は、内鼻孔400に容易に配置される。
【0068】
この固定具300では、第1の弁311の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが調整されることで、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する力が調整される。
【0069】
第1の弁311が、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図2の白抜き矢印方向)に向かうに従って外方に傾斜するため、固定具300は、鼻の内部の粘膜を傷つけにくい。
【0070】
内鼻孔400より大きい第2移動防止部320は、内鼻孔400に引っかかる。そのため、第2移動防止部320は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0071】
この固定具300は、第2の弁321の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが調整されることで、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する力が調整される。
【0072】
第2の弁321が、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図2の白抜き矢印方向)と反対方向に向かうに従って外方に傾斜するため、固定具300は、鼻の内部の粘膜を傷つけにくい。
【0073】
鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、第1の弁311が内鼻孔400より奥側に配置され、第2の弁321が内鼻孔400より手前側に配置される。第1の弁311は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、第2の弁321は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0074】
鼻腔挿入デバイスセット100では、固定具300は内鼻孔400に配置される。そのため、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイスセット100は目立ちにくい。
【0075】
<変形例>
(A)
図4に示されるように、固定具300aの第1移動防止部310aは、3つの第1の弁311を有していてもよい。なお、固定具300aの第1移動防止部310aは、2つ、または5つ以上の第1の弁311を有していてもよい。
【0076】
(B)
図5、6に示されるように、固定具300bの第1移動防止部310bは、1つの第1の弁311bを有していてもよい。この第1の弁311bは、円錐筒状に形成される。
【0077】
(C)
図7に示されるように、固定具300cに係る第1移動防止部310cの第1の弁311cは、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図7の白抜き矢印方向)に向かうに従って外方に傾斜し、かつ、側面視において、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に向かって接線勾配が大きくなる形状に形成されてもよい。同様に、第2移動防止部320cの第2の弁321cは、本体部330から外方に向かって延び、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図7の白抜き矢印方向)と反対方向に向かうに従って外方に傾斜し、かつ、側面視において、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に向かって接線勾配が大きくなる形状に形成されてもよい。この固定具300cは、内鼻孔400に挿入されているとき、内鼻孔400の形状に沿って湾曲しているので、鼻の内部の粘膜をより傷つけにくい。
【0078】
(D)
図8に示されるように、固定具300dに係る第1移動防止部310dの第1の弁311d、および第2移動防止部320dの第2の弁321dは、本体部330から半径方向に対して垂直に外方に向かって延びるようにして、本体部330に設置されてもよい。
【0079】
(E)
図9に示されるように、固定具300eの第1移動防止部310eおよび第2移動防止部320eは、弾性を有し、変形した状態を一時的に維持する材料、例えば、低反発ウレタン、ゴムフォーム等から成るものであってもよい。第1移動防止部310eおよび第2移動防止部320eは、内鼻孔400より大きい。そのため、第1移動防止部310eおよび第2移動防止部320eは、固定具300eが内鼻孔400に配置されているとき、内鼻孔400に引っかかる。なお、第1移動防止部310eは、第2移動防止部320eと一体でもよいし、別体でもよい。
【0080】
図10に示されるように、第1移動防止部310eを変形させてから、固定具300eは内鼻孔400に挿入される。変形させられた第1移動防止部310eは、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなり、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0081】
第1移動防止部310eが内鼻孔400を通過すると、内鼻孔400から加えられていた外力がなくなる。そのため、第1移動防止部310eは、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る(図9参照)。このようにして、固定具300eは内鼻孔400に容易に配置される。
【0082】
−第2実施形態−
図11に示されるように、本発明の第2実施形態に係る固定具300fは、上記の第1実施形態に係る固定具300と異なり、閉じ部350をさらに備える。なお、第2実施形態に係る固定具300fと、上記の第1実施形態に係る固定具300とで共通する構成については、適宜その説明を省略する。
【0083】
閉じ部350は、内鼻孔400に引っかからない大きさの円環形状であり、第1の弁311上に取り付けられる。第1の弁311に取り付けられた閉じ部350は、第1の弁311を閉じた状態で維持する。閉じ部350の材料として、主に公知の水溶性高分子、例えば、デンプン、ゼラチン等の天然由来のもの、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の半合成のセルロース誘導体、またはポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール等の合成系のもの等が用いられる。
【0084】
<鼻腔挿入デバイスセットの使用方法>
ユーザは、鼻腔挿入デバイスセット100を装着する前に、閉じ部350を第1の弁311上に取り付け、第1の弁311を閉じた状態にしておく。第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられたことで、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなる。さらに、ユーザは、固定具300fが内鼻孔400を通過しやすいように、第1の弁311に取り付けられた閉じ部350に潤滑剤を塗っておく。
【0085】
鼻腔挿入デバイスセット100を装着するとき、ユーザは、鼻腔挿入デバイス200の拡張部220を咽頭部まで挿入していく。そして、ユーザは、固定具300fを内鼻孔400に挿入する。第1の弁311が閉じられた状態のとき、閉じ部350、および第1移動防止部310は、内鼻孔400に引っかからない大きさなので、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0086】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、閉じ部350は、潤滑剤および体液によって溶ける。閉じ部350が溶けて第1の弁311が開いた状態となり、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300fは、内鼻孔400に容易に配置される。よって、ユーザは鼻腔挿入デバイスセット100を容易に装着することができる。
【0087】
<本実施形態における効果>
閉じ部350で第1の弁311が閉じられた状態のとき、閉じ部350および第1移動防止部310は、内鼻孔400に引っかからない大きさとなる。そのため、固定具300fは、内鼻孔400を容易に通過することができる。
【0088】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過した後、主に水溶性高分子から成る閉じ部350は、事前に塗布された潤滑剤および体液によって溶ける。閉じ部350が溶けることで、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。そのため、固定具300fは、内鼻孔400により容易に配置される。
【0089】
<変形例>
(A)
図12に示されるように、固定具300gの閉じ部351は、第1の弁311上に取り付けられるのではなく、各第1の弁311と本体部330との間に設けられるものであってもよい。この閉じ部351は、各第1の弁311と本体部330とを接着することで、第1の弁311を閉じた状態にする。
【0090】
この閉じ部351は、上記の閉じ部350と比べて、必要となる水溶性高分子の量を少なくすることができる。そのため、固定具300gの製造コストが低減される。
【0091】
(B)
図13、14に示されるように、固定具300hの閉じ部352として、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などが用いられてもよい。この閉じ部352は、本体部330の管内を通るようにして配置されている。閉じ部352の一方の端部は、枝分かれして各第1の弁311にそれぞれ繋がれる。また、閉じ部352の他方の端部は、固定具300hが内鼻孔400に配置されているとき、鼻孔内の指で摘める位置に配置される。
【0092】
閉じ部352が引っ張られた状態のとき、第1の弁311が閉じた状態となる(図13参照)。第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられたことで、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなる。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0093】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、ユーザにより閉じ部352が引っ張られた状態が解除されたとき、第1の弁311が開いた状態となる(図14参照)。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300fは、内鼻孔400に容易に配置される。
【0094】
(C)
図15、16に示されるように、固定具300iの閉じ部353は、チューブ部354と、チューブ部354と繋がった引っ張り部355とを有するものであってもよい。チューブ部354は、内鼻孔400に引っかからない大きさの円管形状であり、第1の弁311上に取り付けられる。第1の弁311に取り付けられたチューブ部354は、第1の弁311を閉じた状態で維持する。チューブ部354の材料として、シリコーン樹脂または熱可塑性エラストマー(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等が用いられる。
【0095】
引っ張り部355は、固定具300iが内鼻孔400に配置されたとき、本体部330の外側を通って、鼻孔内の指で摘める位置に配置される。引っ張り部355として、例えば、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などが用いられる。
【0096】
固定具300iを内鼻孔400に挿入するとき、閉じ部353で第1移動防止部310を閉じておく(図15参照)。チューブ部354および第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられた状態のとき、内鼻孔400に引っかからない大きさなので、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0097】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、引っ張り部355を引っ張って、ユーザは、チューブ部354を第1の弁311から外す(図16参照)。閉じ部353が外れて第1の弁311が開いた状態となり、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300iは、内鼻孔400に容易に配置される。
【0098】
(D)
図17、18に示されるように、固定具300jの閉じ部356は、リング部357と、リング部357と繋がった引っ張り部358とを有するものであってもよい。リング部357は、内鼻孔400に引っかからない大きさのリング状であり、第1の弁311上に取り付けられる。第1の弁311に取り付けられたリング部357は、第1の弁311を閉じた状態で維持する。引っ張り部358は、固定具300jが内鼻孔400に配置されたとき、本体部330の外側を通って、鼻孔内の指で摘める位置に配置される。リング部357および引っ張り部358の材料として、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などが用いられる。なお、リング部357は、引っ張り部355と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0099】
固定具300jを内鼻孔400に挿入するとき、リング部357で第1移動防止部310を閉じておく(図17参照)。リング部357および第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられた状態のとき、内鼻孔400に引っかからない大きさなので、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0100】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、引っ張り部358を引っ張って、リング部357を第1の弁311から外す(図18参照)。リング部357が外れて第1の弁311が開いた状態となり、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300jは、内鼻孔400に容易に配置される。
【0101】
−第3実施形態−
図19、20に示されるように、本発明の第3実施形態に係る固定具300kは、上記の第1実施形態に係る固定具300と異なり、第2移動防止部320が省略され、閉じ部360および位置決め部370をさらに備える。なお、第3実施形態に係る固定具300kと、上記の第1実施形態に係る固定具300とで共通する構成については、適宜その説明を省略する。
【0102】
閉じ部360は、内鼻孔400より大きい円板状であり、公知の樹脂または金属などから成る。この閉じ部360は、中心に貫通孔361が形成されており、本体部330をスライドすることで、第1の弁311と位置決め部370との間を移動自在である。また、貫通孔361には、第1の弁311が挿入される。閉じ部360が第1の弁311上に取り付けられたとき、第1の弁311は閉じた状態となる。また、閉じ部360が位置決め部370で位置が決められたとき、第1の弁311は開いた状態となる。
【0103】
位置決め部370は、鼻腔挿入デバイス200が設置されている側とは反対側の本体部330の端部にフランジ状に形成される。この位置決め部370は、貫通孔361より大きく、閉じ部360に対してストッパーの役目を果たす。
【0104】
<鼻腔挿入デバイスセットの使用方法>
ユーザは、鼻腔挿入デバイスセット100を装着する前に、閉じ部350を第1の弁311上に取り付け、第1の弁311を閉じた状態にしておく。第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられた状態のとき、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなる。
【0105】
鼻腔挿入デバイスセット100を装着するとき、ユーザは、鼻腔挿入デバイス200の拡張部220を咽頭部まで挿入していく。そして、ユーザは、固定具300kを内鼻孔400に挿入する。その際、第1の弁311は、内鼻孔400への挿入直前まで閉じ部360で閉じられている。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0106】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過する際に、閉じ部360は、内鼻孔400に押されて位置決め部370まで移動し、位置決め部370によって内鼻孔400より手前側に配置される。また、第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、第1移動防止部310は、何もしなくても内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300kは、内鼻孔400に容易に配置される。よって、ユーザは鼻腔挿入デバイスセット100を容易に装着することができる。
【0107】
内鼻孔400に配置された固定具300kは、第1移動防止部310および閉じ部360によって、内鼻孔400から抜けにくい。具体的に、第1移動防止部310は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、閉じ部360は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0108】
<本実施形態における効果>
閉じ部360は、内鼻孔400に引っかかる大きさである。閉じ部360で第1の弁311を閉じた状態にしてから、内鼻孔400への第1の弁311の挿入を開始する。第1の弁311は、内鼻孔400への挿入直前まで閉じ部360で閉じられているので、内鼻孔400を通過しやすい。
【0109】
第1の弁311が内鼻孔400を通過した後、閉じ部360は、位置決め部370によって内鼻孔400より手前側に配置される。そして、閉じ部360は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0110】
第1の弁311および閉じ部360は、内鼻孔400に引っかかる大きさである。閉じ部360で第1の弁311を閉じた状態にしてから、内鼻孔400への第1の弁311の挿入を開始する。第1の弁311は、内鼻孔400への挿入直前まで閉じ部360で閉じられているので、内鼻孔400を通過しやすい。
【0111】
第1の弁311が内鼻孔400を通過した後、閉じ部360は、位置決め部370によって内鼻孔400より手前側に配置される。そして、第1の弁311は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、閉じ部360は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【符号の説明】
【0112】
100 鼻腔挿入デバイスセット
200 鼻腔挿入デバイス
300,300a,300b,300c,300d,300e,300f,300g,300h,300i,300j,300k 固定具(鼻腔挿入デバイス抜け防止具)
310,310a,310b,310c,310d,310e 第1移動防止部
311,311b,3111c,311d 第1の弁
320,320c,320d,320e 第2移動防止部
321,321c,321d 第2の弁
330 本体部
350,351,352,353,356,360 閉じ部
370 位置決め部
400 内鼻孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻腔挿入デバイス抜け防止具、およびその鼻腔挿入デバイス抜け防止具を備える鼻腔挿入デバイスセットに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、睡眠時に上気道の咽頭部が筋肉の弛緩と肥満等との合併症で閉塞され、一時的な窒息(無呼吸、低呼吸)状態を断続的に繰り返す。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、高血圧症を患ったり、脳血管及び心血管に障害を患ったりする。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、十分な睡眠がとれず、日中に眠気を催したり、日中に集中力や活力を欠いたりするようになる。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が自動車の運転をする場合には、その患者は居眠り運転で事故または重大事故等を起こしやすくなる。
【0003】
また、いびきは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と同様に、睡眠時に上気道が狭窄または閉塞されることにより、咽頭部等の気道粘膜が振動することによって発生する。いびきは、同居人の眠りの妨害だけでなく、当人の熟睡の妨げとなり、日中に眠気を催したり、日中に集中力および活力を欠いたりするようになる。
【0004】
以下、上記した「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」及び「いびき症」を総称して、「睡眠障害」とする。
【0005】
そこで、近年、閉塞型睡眠時無呼吸症候群を治療したり、いびき症を解消したりするための様々な提案がなされている。例えば、「閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消デバイス(以下、「鼻腔挿入デバイス」という)を鼻孔経由で咽頭部に挿入する方法(例えば、特開2009−072581号公報)」、「先端部に水膨潤樹脂が塗布された鼻腔挿入デバイスを鼻孔経由で咽頭部に挿入した後、咽頭部周辺の水分を利用して水膨潤樹脂を膨潤させて咽頭部を押し広げる方法(例えば、特開2009−072581号公報等参照)」、および「先端部に拡張部分が設けられた鼻腔挿入デバイスを鼻孔経由で咽頭部に挿入した後、ユーザの操作により拡張部分を拡張させて咽頭部を押し広げる方法(例えば、特開2006−204630号公報、特開2009−034384号公報、特開2009−072581号公報、特開2009−072582号公報等参照)」等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−204630号公報
【特許文献2】特開2009−034384号公報
【特許文献3】特開2009−072581号公報
【特許文献4】特開2009−072582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のような方法に係る鼻腔挿入デバイスをユーザが装着するとき、鼻腔挿入デバイスは、鼻腔から抜けるのを防止するため、通常、鼻柱または鼻翼に固定具を介して固定される。そのため、鼻腔挿入デバイスの固定具は、鼻から露出した状態となる場合が多い。よって、鼻腔挿入デバイスの固定具は目立ってしまう。
【0008】
本発明の課題は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき目立ちにくい鼻腔挿入デバイス抜け防止具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、第1移動防止部と、本体部とを備える。第1移動防止部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より奥側に配置される。また、第1移動防止部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。本体部には、第1移動防止部が設置される。
【0010】
鼻腔挿入デバイス抜け防止具は内鼻孔に配置される。そのため、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は目立ちにくい。
【0011】
内鼻孔より大きい第1移動防止部は、内鼻孔に引っかかる。そのため、第1移動防止部は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。よって、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが鼻から抜けて体外に出るのを防止する。
【0012】
(2)
上述(1)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第1移動防止部および本体部の少なくとも一方は、弾性を有することが好ましい。
【0013】
弾性を有する第1移動防止部および本体部の少なくとも一方は、外力が加えられることによって変形する。第1移動防止部および本体部の少なくとも一方が変形させられることで、第1移動防止部は、内鼻孔に引っかからない大きさまで小さくなり、内鼻孔を容易に通過することができる。
【0014】
第1移動防止部が内鼻孔を通過すると、第1移動防止部および本体部に加えられていた外力がなくなる。そのため、第1移動防止部は、内鼻孔より大きい元の形状に戻る。よって、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔に容易に配置される。
【0015】
(3)
上述(1)または(2)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第1移動防止部は、少なくとも1つの第1の弁を有することが好ましい。第1の弁は、本体部から外方に向かって延びる。
【0016】
この鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第1の弁の個数が調整されることで、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する力が調整される。
【0017】
(4)
上述(3)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第1の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に向かうに従って外方に傾斜することが好ましい。
【0018】
第1の弁が所定の方向に向かうに従って外方に傾斜するため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻の内部の粘膜を傷つけにくい。
【0019】
(5)
上述(3)または(4)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、第1の弁を閉じる閉じ部をさらに備えることが好ましい。
【0020】
閉じ部で第1の弁が閉じられた状態のとき、閉じ部および第1移動防止部は、内鼻孔に引っかからない大きさとなる。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔を容易に通過することができる。
【0021】
第1移動防止部が内鼻孔を通過すると、閉じ部により第1の弁が開かれる。これにより、第1移動防止部は、内鼻孔より大きい元の形状に戻る。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔に容易に配置される。
【0022】
(6)
上述(5)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、閉じ部は、主に水溶性高分子から成ることが好ましい。
【0023】
第1移動防止部が内鼻孔を通過した後、主に水溶性高分子から成る閉じ部は、事前に塗布された潤滑剤および体液によって溶ける。閉じ部が溶けることで、第1移動防止部は、内鼻孔より大きい元の形状に戻る。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔により容易に配置される。
【0024】
(7)
上述(5)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、位置決め部をさらに備えることが好ましい。位置決め部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、閉じ部が内鼻孔より手前側に配置されるように閉じ部の位置を決める。閉じ部は、第1の弁と位置決め部との間を移動自在である。この閉じ部は、第1の弁に取り付けられたとき、第1の弁を閉じる。また、この閉じ部は、位置決め部に移動したとき、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。
【0025】
閉じ部は、内鼻孔に引っかかる大きさである。閉じ部で第1の弁を閉じた状態にしてから、内鼻孔への第1の弁の挿入を開始する。第1の弁は、内鼻孔への挿入直前まで閉じ部で閉じられているので、内鼻孔を通過しやすい。
【0026】
第1の弁が内鼻孔を通過した後、閉じ部は、内鼻孔を通過せず、位置決め部によって内鼻孔より手前側に配置される。そして、閉じ部は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが飲み込まれるのを防止する。
【0027】
(8)
上述(1)〜(6)のいずれかの鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、第2移動防止部をさらに備えることが好ましい。第2移動防止部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より手前側に配置される。また、第2移動防止部は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そして、第2移動防止部は、本体部に設置される。
【0028】
内鼻孔より大きい第2移動防止部は、内鼻孔に引っかかる。そのため、第2移動防止部は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが飲み込まれるのを防止する。
【0029】
(9)
上述(8)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第2移動防止部は、少なくとも1つの第2の弁を有することが好ましい。第2の弁は、本体部から外方に延びる。
【0030】
この鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、第2の弁の個数が調整されることで、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する力が調整される。
【0031】
(10)
上述(9)の鼻腔挿入デバイス抜け防止具では、第2の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に向かうに従って外方に傾斜することが好ましい。
【0032】
第2の弁が所定の方向に向かうに従って外方に傾斜するため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻の内部の粘膜を傷つけにくい。
【0033】
(11)
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、本体部と、少なくとも1つの第1の弁と、少なくとも1つの第2の弁とを備える。第1の弁は、本体部に設置される。また、第1の弁は、本体部から外方に延びる。第2の弁は、本体部の第1の弁の設置箇所と異なる箇所に設置される。また、第2の弁は、本体部から外方に延びる。
【0034】
鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、第1の弁が内鼻孔400より奥側に配置され、第2の弁が内鼻孔より手前側に配置される。第1の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、第2の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが飲み込まれるのを防止する。
【0035】
(12)
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、本体部と、少なくとも1つの第1の弁と、閉じ部と、位置決め部とを備える。第1の弁は、本体部に設置される。この第1の弁は、本体部から外方に延びる。閉じ部は、第1の弁を閉じる。位置決め部は、閉じ部の位置を決める。この閉じ部は、第1の弁と位置決め部との間を移動自在である。また、閉じ部は、第1の弁に取り付けられたとき、第1の弁を閉じる。さらに、閉じ部は、位置決め部で位置が決められたとき、第1の弁を開く。
【0036】
第1の弁および閉じ部は、内鼻孔に引っかかる大きさである。閉じ部で第1の弁を閉じた状態にしてから、内鼻孔への第1の弁の挿入を開始する。第1の弁は、内鼻孔への挿入直前まで閉じ部で閉じられているので、内鼻孔を通過しやすい。
【0037】
第1の弁が内鼻孔を通過した後、閉じ部は、位置決め部によって内鼻孔より手前側に配置される。そして、第1の弁は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、閉じ部は、鼻腔挿入デバイスの挿入方向に鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する。そのため、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが飲み込まれるのを防止する。
【0038】
(13)
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、本体部と、少なくとも1つの第1の弁と、閉じ部とを備える。第1の弁は、本体部に設置される。この第1の弁は、本体部から外方に延びる。閉じ部は、糸またはワイヤから成る。この閉じ部の一方の端部は、第1の弁に繋がれる。また、第1の弁は、閉じ部の他方の端部が引っ張られることで閉じる。
【0039】
閉じ部が引っ張られた状態のとき、第1の弁が閉じた状態となる。第1移動防止部は、第1の弁が閉じられたことで、内鼻孔に引っかからない大きさまで小さくなる。そのため、第1移動防止部は、内鼻孔に引っかからない大きさなので、内鼻孔を容易に通過できる。
【0040】
第1移動防止部が内鼻孔を通過後、閉じ部が引っ張られた状態を解除したとき、第1の弁が開いた状態となる。そのため、第1移動防止部は、内鼻孔より大きい元の形状に戻る。このようにして、鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、内鼻孔に容易に配置される。
【0041】
(14)
本発明に係る鼻腔挿入デバイスセットは、鼻腔挿入デバイス抜け防止具と、鼻腔挿入デバイスとを備える。鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、上述(1)〜(13)のいずれかのものである。鼻腔挿入デバイスは、鼻腔に挿入される。
【0042】
鼻腔挿入デバイス抜け防止具は内鼻孔に配置される。そのため、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイスセットは目立ちにくい。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具は、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき目立ちにくい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスセットの側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具が内鼻孔に配置されている状態を示した側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具が内鼻孔に配置されている状態を示し、第1移動防止部側から第2防止部側に向かって見た正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の変形例(A)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例(C)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の変形例(D)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図9】本発明の第1実施形態の変形例(E)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図10】本発明の第1実施形態の変形例(E)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1移動防止部が変形した状態を示した側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図12】本発明の第2実施形態の変形例(A)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の側面図である。
【図13】本発明の第2実施形態の変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が閉じた状態を示した側面図である。
【図14】本発明の第2実施形態の変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が開いた状態を示した側面図である。
【図15】本発明の第2実施形態の変形例(C)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が閉じた状態を示した側面図である。
【図16】本発明の第2実施形態の変形例(C)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が開いた状態を示した側面図である。
【図17】本発明の第2実施形態の変形例(D)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が閉じた状態を示した側面図である。
【図18】本発明の第2実施形態の変形例(D)に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が開いた状態を示した側面図である。
【図19】本発明の第3実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が閉じた状態を示した側面図である。
【図20】本発明の第3実施形態に係る鼻腔挿入デバイス抜け防止具の第1の弁が開いた状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
−第1実施形態−
<鼻腔挿入デバイスセット>
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスセット100は、鼻腔挿入デバイス200と、固定具300とを備える。固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図1の白抜き矢印方向)、および挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止するためのものである。
【0046】
<鼻腔挿入デバイス>
図1に示されるように、鼻腔挿入デバイス200は、シリコーン樹脂製または熱可塑性エラストマー製(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等のチューブ体であって、鼻孔から咽頭部まで延在するように形成されている。この鼻腔挿入デバイス200は、円管形状のチューブ本体部210と、チューブ本体部210の先端部(咽頭部側)に設けられる拡張部220とを有する。なお、鼻腔挿入デバイス200は、チューブ本体部210に代えて、例えば、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などを有していてもよい。このワイヤまたは糸には、拡張部220が設けられる。
【0047】
チューブ本体部210は、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に装着されたときに空気の流路を形成する機能を果たす。また、拡張部220は、咽頭部を拡張させるために設けられており、睡眠障害を患っている患者の狭窄または閉塞する咽頭部を拡張させる。そして、鼻腔挿入デバイス200の基端部(鼻孔側)には、固定具300が設けられる。
【0048】
<固定具>
図2、3に示されるように、固定具300は、第1移動防止部310と、第2移動防止部320と、本体部330と、抜き取り部340とを有する。鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、固定具300は内鼻孔400に配置される。このとき、第1移動防止部310は内鼻孔400より奥側に配置され、第2移動防止部320は内鼻孔400より手前側に配置される。
【0049】
第1移動防止部310は、本体部330から外方に向かって延びる4つの第1の弁311を有する。この第1の弁311は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図2の白抜き矢印方向)に向かうに従って外方に傾斜する。この第1の弁311の形状は、矩形板状である。なお、第1の弁311の形状は、特に限定されず、例えば、円形板状、楕円板状または多角形板状などであってもよい。また、各第1の弁311の形状は、それぞれ同じ形状であってもよいし、それぞれ異なる形状であってもよい。
【0050】
第1移動防止部310が内鼻孔400より大きくなるように、第1の弁311の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが決められている。そのため、固定具300が内鼻孔400に配置されているとき、第1移動防止部310は内鼻孔400に引っかかる。
【0051】
第1移動防止部310は弾性を有している。つまり、本実施形態においては、第1移動防止部310を構成する第1の弁311が弾性を有している。第1の弁311は、外力が加えられることによって変形する。
【0052】
第1の弁311の材料として、弾性を有する材料、例えば、イソプレンゴムまたはシリコーンゴム等の合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー等が用いられる。なお、第1移動防止部310が内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなるのであれば、第1移動防止部310に代えて本体部330が弾性を有していてもよいし、第1移動防止部310および本体部330の両方が弾性を有していてもよい。
【0053】
第1の弁311の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが調整されることで、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する力が調整される。
【0054】
第2移動防止部320は、本体部330から外方に向かって延びる4つの第2の弁321を有する。この第2の弁321は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図2の白抜き矢印方向)と反対方向に向かうに従って外方に傾斜する。この第2の弁321の形状は、矩形板状である。なお、第2の弁321の形状は、特に限定されず、例えば、円形板状、楕円板状または多角形板状などであってもよい。また、各第2の弁321の形状は、それぞれ同じ形状であってもよいし、それぞれ異なる形状であってもよい。
【0055】
第2移動防止部320が内鼻孔400より大きくなるように、第2の弁321の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが決められている。そのため、固定具300が内鼻孔400に配置されているとき、第2移動防止部320は内鼻孔400に引っかかる。第2の弁321の材料として、シリコーン樹脂または熱可塑性エラストマー(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等が用いられる。
【0056】
第2の弁321の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが調整されることで、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する力が調整される。なお、第2の弁321の大きさ、個数、形状および取り付け角度などは、第1の弁311の大きさ、個数、形状および取り付け角度などと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0057】
本体部330は、円管形状であり、シリコーン樹脂または熱可塑性エラストマー(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等から成る。この本体部330には、第1移動防止部310、第2移動防止部320および抜き取り部340が設置されている。なお、本体部330は、鼻腔挿入デバイス200のチューブ本体部210と一体でもよいし、別体でもよい。また、本体部330は、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などであってもよい。
【0058】
抜き取り部340は、内鼻孔400に配置されている固定具300を、内鼻孔400から抜き取るためのものである。抜き取り部340として、例えば、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などが用いられる。
【0059】
この抜き取り部340は、鼻腔挿入デバイス200が設置されている側とは反対側の本体部330の端部に設置される(図2参照)。この抜き取り部340は、鼻から出ない長さで調整されており、固定具300が内鼻孔400に配置されているとき、鼻孔内に収納される。なお、抜き取り部340は、ワイヤまたは糸などに代えて、本体部330の端部を延伸して形成されたものであってもよい。
【0060】
<鼻腔挿入デバイスセットの使用方法>
鼻腔挿入デバイスセット100を装着するとき、ユーザは、鼻腔挿入デバイス200の拡張部220を咽頭部まで挿入していく。そして、ユーザは、固定具300を内鼻孔400に挿入する。固定具300が内鼻孔400に挿入されている途中では、弾性を有する第1の弁311は、内鼻孔400から加えられる外力によって一時的に変形する。第1移動防止部310は、第1の弁311の変形により、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなり、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0061】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過すると、内鼻孔400から加えられていた外力がなくなる。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300は内鼻孔400に容易に配置される。よって、ユーザは鼻腔挿入デバイスセット100を容易に装着することができる。
【0062】
内鼻孔400に配置された固定具300は、内鼻孔400より奥側に配置された第1移動防止部310と、内鼻孔400より手前側に配置された第2移動防止部320とによって、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止し、かつ、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。(図2参照)。具体的に、第1移動防止部310は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図1、2の白抜き矢印方向)と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、第2移動防止部320は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図1、2の白抜き矢印方向)に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0063】
鼻腔挿入デバイスセット100の取り外しは、鼻孔内の抜き取り部340を指で掴んで引っ張り、固定具300および鼻腔挿入デバイス200を体外に抜き取ることで行う。
【0064】
<本実施形態における効果>
固定具300は内鼻孔400に配置される。そのため、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、固定具300は目立ちにくい。
【0065】
内鼻孔400より大きい第1移動防止部310は、内鼻孔400に引っかかる。そのため、第1移動防止部310は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。よって、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。
【0066】
弾性を有する第1移動防止部310および本体部330の少なくとも一方は、外力が加えられることによって変形する。第1移動防止部310および本体部330の少なくとも一方が変形させられることで、第1移動防止部310は、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなり、内鼻孔400を容易に通過することができる。
【0067】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過すると、第1移動防止部310および本体部330に加えられていた外力がなくなる。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。よって、固定具300は、内鼻孔400に容易に配置される。
【0068】
この固定具300では、第1の弁311の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが調整されることで、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する力が調整される。
【0069】
第1の弁311が、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図2の白抜き矢印方向)に向かうに従って外方に傾斜するため、固定具300は、鼻の内部の粘膜を傷つけにくい。
【0070】
内鼻孔400より大きい第2移動防止部320は、内鼻孔400に引っかかる。そのため、第2移動防止部320は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0071】
この固定具300は、第2の弁321の大きさ、個数、形状および取り付け角度などが調整されることで、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する力が調整される。
【0072】
第2の弁321が、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図2の白抜き矢印方向)と反対方向に向かうに従って外方に傾斜するため、固定具300は、鼻の内部の粘膜を傷つけにくい。
【0073】
鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、第1の弁311が内鼻孔400より奥側に配置され、第2の弁321が内鼻孔400より手前側に配置される。第1の弁311は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、第2の弁321は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300は、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0074】
鼻腔挿入デバイスセット100では、固定具300は内鼻孔400に配置される。そのため、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入されているとき、鼻腔挿入デバイスセット100は目立ちにくい。
【0075】
<変形例>
(A)
図4に示されるように、固定具300aの第1移動防止部310aは、3つの第1の弁311を有していてもよい。なお、固定具300aの第1移動防止部310aは、2つ、または5つ以上の第1の弁311を有していてもよい。
【0076】
(B)
図5、6に示されるように、固定具300bの第1移動防止部310bは、1つの第1の弁311bを有していてもよい。この第1の弁311bは、円錐筒状に形成される。
【0077】
(C)
図7に示されるように、固定具300cに係る第1移動防止部310cの第1の弁311cは、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図7の白抜き矢印方向)に向かうに従って外方に傾斜し、かつ、側面視において、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に向かって接線勾配が大きくなる形状に形成されてもよい。同様に、第2移動防止部320cの第2の弁321cは、本体部330から外方に向かって延び、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向(図7の白抜き矢印方向)と反対方向に向かうに従って外方に傾斜し、かつ、側面視において、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に向かって接線勾配が大きくなる形状に形成されてもよい。この固定具300cは、内鼻孔400に挿入されているとき、内鼻孔400の形状に沿って湾曲しているので、鼻の内部の粘膜をより傷つけにくい。
【0078】
(D)
図8に示されるように、固定具300dに係る第1移動防止部310dの第1の弁311d、および第2移動防止部320dの第2の弁321dは、本体部330から半径方向に対して垂直に外方に向かって延びるようにして、本体部330に設置されてもよい。
【0079】
(E)
図9に示されるように、固定具300eの第1移動防止部310eおよび第2移動防止部320eは、弾性を有し、変形した状態を一時的に維持する材料、例えば、低反発ウレタン、ゴムフォーム等から成るものであってもよい。第1移動防止部310eおよび第2移動防止部320eは、内鼻孔400より大きい。そのため、第1移動防止部310eおよび第2移動防止部320eは、固定具300eが内鼻孔400に配置されているとき、内鼻孔400に引っかかる。なお、第1移動防止部310eは、第2移動防止部320eと一体でもよいし、別体でもよい。
【0080】
図10に示されるように、第1移動防止部310eを変形させてから、固定具300eは内鼻孔400に挿入される。変形させられた第1移動防止部310eは、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなり、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0081】
第1移動防止部310eが内鼻孔400を通過すると、内鼻孔400から加えられていた外力がなくなる。そのため、第1移動防止部310eは、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る(図9参照)。このようにして、固定具300eは内鼻孔400に容易に配置される。
【0082】
−第2実施形態−
図11に示されるように、本発明の第2実施形態に係る固定具300fは、上記の第1実施形態に係る固定具300と異なり、閉じ部350をさらに備える。なお、第2実施形態に係る固定具300fと、上記の第1実施形態に係る固定具300とで共通する構成については、適宜その説明を省略する。
【0083】
閉じ部350は、内鼻孔400に引っかからない大きさの円環形状であり、第1の弁311上に取り付けられる。第1の弁311に取り付けられた閉じ部350は、第1の弁311を閉じた状態で維持する。閉じ部350の材料として、主に公知の水溶性高分子、例えば、デンプン、ゼラチン等の天然由来のもの、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の半合成のセルロース誘導体、またはポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール等の合成系のもの等が用いられる。
【0084】
<鼻腔挿入デバイスセットの使用方法>
ユーザは、鼻腔挿入デバイスセット100を装着する前に、閉じ部350を第1の弁311上に取り付け、第1の弁311を閉じた状態にしておく。第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられたことで、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなる。さらに、ユーザは、固定具300fが内鼻孔400を通過しやすいように、第1の弁311に取り付けられた閉じ部350に潤滑剤を塗っておく。
【0085】
鼻腔挿入デバイスセット100を装着するとき、ユーザは、鼻腔挿入デバイス200の拡張部220を咽頭部まで挿入していく。そして、ユーザは、固定具300fを内鼻孔400に挿入する。第1の弁311が閉じられた状態のとき、閉じ部350、および第1移動防止部310は、内鼻孔400に引っかからない大きさなので、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0086】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、閉じ部350は、潤滑剤および体液によって溶ける。閉じ部350が溶けて第1の弁311が開いた状態となり、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300fは、内鼻孔400に容易に配置される。よって、ユーザは鼻腔挿入デバイスセット100を容易に装着することができる。
【0087】
<本実施形態における効果>
閉じ部350で第1の弁311が閉じられた状態のとき、閉じ部350および第1移動防止部310は、内鼻孔400に引っかからない大きさとなる。そのため、固定具300fは、内鼻孔400を容易に通過することができる。
【0088】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過した後、主に水溶性高分子から成る閉じ部350は、事前に塗布された潤滑剤および体液によって溶ける。閉じ部350が溶けることで、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。そのため、固定具300fは、内鼻孔400により容易に配置される。
【0089】
<変形例>
(A)
図12に示されるように、固定具300gの閉じ部351は、第1の弁311上に取り付けられるのではなく、各第1の弁311と本体部330との間に設けられるものであってもよい。この閉じ部351は、各第1の弁311と本体部330とを接着することで、第1の弁311を閉じた状態にする。
【0090】
この閉じ部351は、上記の閉じ部350と比べて、必要となる水溶性高分子の量を少なくすることができる。そのため、固定具300gの製造コストが低減される。
【0091】
(B)
図13、14に示されるように、固定具300hの閉じ部352として、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などが用いられてもよい。この閉じ部352は、本体部330の管内を通るようにして配置されている。閉じ部352の一方の端部は、枝分かれして各第1の弁311にそれぞれ繋がれる。また、閉じ部352の他方の端部は、固定具300hが内鼻孔400に配置されているとき、鼻孔内の指で摘める位置に配置される。
【0092】
閉じ部352が引っ張られた状態のとき、第1の弁311が閉じた状態となる(図13参照)。第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられたことで、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなる。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0093】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、ユーザにより閉じ部352が引っ張られた状態が解除されたとき、第1の弁311が開いた状態となる(図14参照)。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300fは、内鼻孔400に容易に配置される。
【0094】
(C)
図15、16に示されるように、固定具300iの閉じ部353は、チューブ部354と、チューブ部354と繋がった引っ張り部355とを有するものであってもよい。チューブ部354は、内鼻孔400に引っかからない大きさの円管形状であり、第1の弁311上に取り付けられる。第1の弁311に取り付けられたチューブ部354は、第1の弁311を閉じた状態で維持する。チューブ部354の材料として、シリコーン樹脂または熱可塑性エラストマー(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等が用いられる。
【0095】
引っ張り部355は、固定具300iが内鼻孔400に配置されたとき、本体部330の外側を通って、鼻孔内の指で摘める位置に配置される。引っ張り部355として、例えば、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などが用いられる。
【0096】
固定具300iを内鼻孔400に挿入するとき、閉じ部353で第1移動防止部310を閉じておく(図15参照)。チューブ部354および第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられた状態のとき、内鼻孔400に引っかからない大きさなので、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0097】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、引っ張り部355を引っ張って、ユーザは、チューブ部354を第1の弁311から外す(図16参照)。閉じ部353が外れて第1の弁311が開いた状態となり、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300iは、内鼻孔400に容易に配置される。
【0098】
(D)
図17、18に示されるように、固定具300jの閉じ部356は、リング部357と、リング部357と繋がった引っ張り部358とを有するものであってもよい。リング部357は、内鼻孔400に引っかからない大きさのリング状であり、第1の弁311上に取り付けられる。第1の弁311に取り付けられたリング部357は、第1の弁311を閉じた状態で維持する。引っ張り部358は、固定具300jが内鼻孔400に配置されたとき、本体部330の外側を通って、鼻孔内の指で摘める位置に配置される。リング部357および引っ張り部358の材料として、可撓性を有する金属から成るワイヤ、または合成樹脂繊維もしくは天然繊維から成る糸などが用いられる。なお、リング部357は、引っ張り部355と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0099】
固定具300jを内鼻孔400に挿入するとき、リング部357で第1移動防止部310を閉じておく(図17参照)。リング部357および第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられた状態のとき、内鼻孔400に引っかからない大きさなので、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0100】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、引っ張り部358を引っ張って、リング部357を第1の弁311から外す(図18参照)。リング部357が外れて第1の弁311が開いた状態となり、第1移動防止部310は、内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300jは、内鼻孔400に容易に配置される。
【0101】
−第3実施形態−
図19、20に示されるように、本発明の第3実施形態に係る固定具300kは、上記の第1実施形態に係る固定具300と異なり、第2移動防止部320が省略され、閉じ部360および位置決め部370をさらに備える。なお、第3実施形態に係る固定具300kと、上記の第1実施形態に係る固定具300とで共通する構成については、適宜その説明を省略する。
【0102】
閉じ部360は、内鼻孔400より大きい円板状であり、公知の樹脂または金属などから成る。この閉じ部360は、中心に貫通孔361が形成されており、本体部330をスライドすることで、第1の弁311と位置決め部370との間を移動自在である。また、貫通孔361には、第1の弁311が挿入される。閉じ部360が第1の弁311上に取り付けられたとき、第1の弁311は閉じた状態となる。また、閉じ部360が位置決め部370で位置が決められたとき、第1の弁311は開いた状態となる。
【0103】
位置決め部370は、鼻腔挿入デバイス200が設置されている側とは反対側の本体部330の端部にフランジ状に形成される。この位置決め部370は、貫通孔361より大きく、閉じ部360に対してストッパーの役目を果たす。
【0104】
<鼻腔挿入デバイスセットの使用方法>
ユーザは、鼻腔挿入デバイスセット100を装着する前に、閉じ部350を第1の弁311上に取り付け、第1の弁311を閉じた状態にしておく。第1移動防止部310は、第1の弁311が閉じられた状態のとき、内鼻孔400に引っかからない大きさまで小さくなる。
【0105】
鼻腔挿入デバイスセット100を装着するとき、ユーザは、鼻腔挿入デバイス200の拡張部220を咽頭部まで挿入していく。そして、ユーザは、固定具300kを内鼻孔400に挿入する。その際、第1の弁311は、内鼻孔400への挿入直前まで閉じ部360で閉じられている。そのため、第1移動防止部310は、内鼻孔400を容易に通過できる。
【0106】
第1移動防止部310が内鼻孔400を通過する際に、閉じ部360は、内鼻孔400に押されて位置決め部370まで移動し、位置決め部370によって内鼻孔400より手前側に配置される。また、第1移動防止部310が内鼻孔400を通過後、第1移動防止部310は、何もしなくても内鼻孔400より大きい元の形状に戻る。このようにして、固定具300kは、内鼻孔400に容易に配置される。よって、ユーザは鼻腔挿入デバイスセット100を容易に装着することができる。
【0107】
内鼻孔400に配置された固定具300kは、第1移動防止部310および閉じ部360によって、内鼻孔400から抜けにくい。具体的に、第1移動防止部310は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、閉じ部360は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0108】
<本実施形態における効果>
閉じ部360は、内鼻孔400に引っかかる大きさである。閉じ部360で第1の弁311を閉じた状態にしてから、内鼻孔400への第1の弁311の挿入を開始する。第1の弁311は、内鼻孔400への挿入直前まで閉じ部360で閉じられているので、内鼻孔400を通過しやすい。
【0109】
第1の弁311が内鼻孔400を通過した後、閉じ部360は、位置決め部370によって内鼻孔400より手前側に配置される。そして、閉じ部360は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【0110】
第1の弁311および閉じ部360は、内鼻孔400に引っかかる大きさである。閉じ部360で第1の弁311を閉じた状態にしてから、内鼻孔400への第1の弁311の挿入を開始する。第1の弁311は、内鼻孔400への挿入直前まで閉じ部360で閉じられているので、内鼻孔400を通過しやすい。
【0111】
第1の弁311が内鼻孔400を通過した後、閉じ部360は、位置決め部370によって内鼻孔400より手前側に配置される。そして、第1の弁311は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向と反対方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が鼻から抜けて体外に出るのを防止する。また、閉じ部360は、鼻腔挿入デバイス200の挿入方向に鼻腔挿入デバイス200が移動するのを防止する。そのため、固定具300kは、鼻腔挿入デバイス200が飲み込まれるのを防止する。
【符号の説明】
【0112】
100 鼻腔挿入デバイスセット
200 鼻腔挿入デバイス
300,300a,300b,300c,300d,300e,300f,300g,300h,300i,300j,300k 固定具(鼻腔挿入デバイス抜け防止具)
310,310a,310b,310c,310d,310e 第1移動防止部
311,311b,3111c,311d 第1の弁
320,320c,320d,320e 第2移動防止部
321,321c,321d 第2の弁
330 本体部
350,351,352,353,356,360 閉じ部
370 位置決め部
400 内鼻孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より奥側に配置され、かつ、前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に該鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する第1移動防止部と、
前記第1移動防止部が設置される本体部とを備える鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項2】
前記第1移動防止部および前記本体部の少なくとも一方は、弾性を有する請求項1に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項3】
前記第1移動防止部は、前記本体部から外方に向かって延びる少なくとも1つの第1の弁を有する請求項1または2に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項4】
前記第1の弁は、前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向に向かうに従って外方に傾斜する請求項3に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項5】
前記第1の弁を閉じる閉じ部をさらに備える請求項3または4に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項6】
前記閉じ部は、主に水溶性高分子から成る請求項5に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項7】
前記鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、前記閉じ部が内鼻孔より手前側に配置されるように該閉じ部の位置を決める位置決め部をさらに備え、
前記閉じ部は、前記第1の弁と前記位置決め部との間を移動自在であり、前記第1の弁に取り付けられたとき該第1の弁を閉じ、前記位置決め部に取り付けられたとき前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向に該鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する請求項5に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項8】
鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より手前側に配置され、かつ、前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向に該鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する第2移動防止部をさらに備え、
前記第2移動防止部は、前記本体部に設置される請求項1〜6のいずれかに記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項9】
前記第2移動防止部は、本体部から外方に延びる少なくとも1つの第2の弁を有する請求項8に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項10】
前記第2の弁は、前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に向かうに従って外方に傾斜する請求項9に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項11】
本体部と、
前記本体部に設置され、前記本体部から外方に延びる少なくとも1つの第1の弁と、
前記本体部の前記第1の弁の設置箇所と異なる箇所に設置され、前記本体部から外方に延びる少なくとも1つの第2の弁とを備える鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項12】
本体部と、
前記本体部に設置され、前記本体部から外方に延びる少なくとも1つの第1の弁と、
前記第1の弁を閉じる閉じ部と、
前記閉じ部の位置を決める位置決め部とを備え、
前記閉じ部は、前記第1の弁と前記位置決め部との間を移動自在であり、前記第1の弁に取り付けられたとき該第1の弁を閉じ、前記位置決め部で位置が決められたとき前記第1の弁を開く鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項13】
本体部と、
前記本体部に設置され、前記本体部から外方に延びる少なくとも1つの第1の弁と、
糸またはワイヤから成る閉じ部とを備え、
前記閉じ部の一方の端部は、前記第1の弁に繋がれ、
前記第1の弁は、前記閉じ部の他方の端部が引っ張られることで閉じる鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具と、
鼻腔に挿入される前記鼻腔挿入デバイスとを備える鼻腔挿入デバイスセット。
【請求項1】
鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より奥側に配置され、かつ、前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に該鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する第1移動防止部と、
前記第1移動防止部が設置される本体部とを備える鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項2】
前記第1移動防止部および前記本体部の少なくとも一方は、弾性を有する請求項1に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項3】
前記第1移動防止部は、前記本体部から外方に向かって延びる少なくとも1つの第1の弁を有する請求項1または2に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項4】
前記第1の弁は、前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向に向かうに従って外方に傾斜する請求項3に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項5】
前記第1の弁を閉じる閉じ部をさらに備える請求項3または4に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項6】
前記閉じ部は、主に水溶性高分子から成る請求項5に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項7】
前記鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、前記閉じ部が内鼻孔より手前側に配置されるように該閉じ部の位置を決める位置決め部をさらに備え、
前記閉じ部は、前記第1の弁と前記位置決め部との間を移動自在であり、前記第1の弁に取り付けられたとき該第1の弁を閉じ、前記位置決め部に取り付けられたとき前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向に該鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する請求項5に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項8】
鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入されているとき、内鼻孔より手前側に配置され、かつ、前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向に該鼻腔挿入デバイスが移動するのを防止する第2移動防止部をさらに備え、
前記第2移動防止部は、前記本体部に設置される請求項1〜6のいずれかに記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項9】
前記第2移動防止部は、本体部から外方に延びる少なくとも1つの第2の弁を有する請求項8に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項10】
前記第2の弁は、前記鼻腔挿入デバイスの挿入方向と反対方向に向かうに従って外方に傾斜する請求項9に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項11】
本体部と、
前記本体部に設置され、前記本体部から外方に延びる少なくとも1つの第1の弁と、
前記本体部の前記第1の弁の設置箇所と異なる箇所に設置され、前記本体部から外方に延びる少なくとも1つの第2の弁とを備える鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項12】
本体部と、
前記本体部に設置され、前記本体部から外方に延びる少なくとも1つの第1の弁と、
前記第1の弁を閉じる閉じ部と、
前記閉じ部の位置を決める位置決め部とを備え、
前記閉じ部は、前記第1の弁と前記位置決め部との間を移動自在であり、前記第1の弁に取り付けられたとき該第1の弁を閉じ、前記位置決め部で位置が決められたとき前記第1の弁を開く鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項13】
本体部と、
前記本体部に設置され、前記本体部から外方に延びる少なくとも1つの第1の弁と、
糸またはワイヤから成る閉じ部とを備え、
前記閉じ部の一方の端部は、前記第1の弁に繋がれ、
前記第1の弁は、前記閉じ部の他方の端部が引っ張られることで閉じる鼻腔挿入デバイス抜け防止具。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス抜け防止具と、
鼻腔に挿入される前記鼻腔挿入デバイスとを備える鼻腔挿入デバイスセット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−239479(P2012−239479A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108840(P2011−108840)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(312000491)セブン ドリーマーズ ラボラトリーズ,インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(312000491)セブン ドリーマーズ ラボラトリーズ,インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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