説明

(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩、クロピドロゲル(clopidrogel)臭化水素酸塩の多形体型

本発明は、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B、C及びD型、これらを含有する薬学的組成物並びに血小板凝集を阻害するためのこれらの使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B、C及びD型、これらを含有する薬学的組成物、並びに血小板凝集を阻害するためのこれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1989年7月11日に付与された米国特許第4,847,265号は、α−5−(4,5,6,7−テトラヒドロ−(3,2−C)チエノピリジル)(2−クロロフェニル)酢酸メチルのデキストロ回転鏡像異性体又は薬学的に許容されるこの塩を開示している。具体的に開示されているのは、塩酸塩、硫酸水素塩、臭化水素酸塩及びタウロコール酸塩である。
【0003】
2002年8月6日に付与された米国特許第6,429,210号は、クロピドグレル(clopidogrel)硫酸水素塩として知られている、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル硫酸水素塩の多形体II型を開示している。
【0004】
2003年8月14日に公開されたWO03/066637号は、(S)−(+)−(2−クロロフェニル)−2−(6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−C]ピリジン−5−イル)酢酸メチル塩酸塩の結晶I及びII型を開示している。
【0005】
2003年6月19日に公開された米国特許2003/0114479号は、クロピドグレル硫酸水素塩の結晶III、IV及びV型並びに非晶質型を開示している。
【0006】
2003年12月4日に公開された米国特許2003/0225129号は、クロピドグレル硫酸水素塩の結晶III、IV、V及びVI型並びに非晶質型を開示している。
【0007】
薬学的化合物の固体状態の物理的特性は、化合物が固体型で得られる条件によって影響を受け得る。固体状態の物理的特性には、例えば、薬学的製品への加工時に化合物を取り扱う容易さに影響を与える、破砕された固体の流動性が含まれる。薬学的化合物の別の重要な固体状態特性は、水性液体中へのその溶解速度である。患者の胃液中での活性成分の溶解速度は、経口投与された活性成分が血液に到達できる速度に対する上限を画するので、治療的な重要性を有し得る。化合物の固体状態型も、その溶解度、生物学的利用可能性、圧縮時の挙動、安定性又はその静電的性質にも影響を与えるかもしれない。
【0008】
薬学的化合物のこれらの物理的特性は、化合物の特定の多形体型を規定する、単位セル中での分子の立体構造及び配向によって影響を受け得る。多形体型は、非晶質物質又は別の多形体型とは異なる熱的挙動をもたらす場合があり得る。熱的挙動は、毛管融点(capillary melting point)、熱重量分析及び示差走査熱量計などの技術によって研究室において測定され、ある多形体型を別の多形体型と区別するために使用することが可能である。特定の多形体型は、X線粉末回折、固体状態13C NMR分光分析及び赤外線分光分析によって検出され得る特徴的な特性を生じる場合もあり得る。
【0009】
薬学的化合物の新たな結晶多形体型又は非晶質型の発見は、例えば、標的化された放出特性又はその他の所望の特性を有する薬物の薬学的剤形を設計するために製剤学者が利用可能な材料のレパートリーを拡大させる点で、薬学的製品の物理的又は性能特性を改善するための機会を与える。
【0010】
本発明は、式(I)の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B、C及びD型に関する。
【0011】
【化1】

【0012】
以下でさらに具体的に記載されているように、本発明の多形体B、C及びD型は、前記米国特許第4,847,265号に開示されている臭化水素酸塩とは区別される。
【0013】
多形体B型は、約20.9度2θにピークを有し、より具体的には、約10.4、14.2、19.5及び20.9度2θにピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる。B型は、約537、800、1758、3488及び3949cm−1にピークを有するFTIRスペクトルによっても特徴付けられる。約140ないし143℃の融点を有するB型は、図1Bに実質的に図示されているX線粉末回折パターン及び図3に実質的に図示されているFTIRスペクトルを示す。
【0014】
多形体C型は、約22.0度2θにピークを有し、より具体的には、約20.6、22.0、28.1及び31.7度2θにピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる。C型は、約534、789、1753、3639、3657及び3959cm−1にピークを有するFTIRスペクトルによっても特徴付けられる。約138ないし148℃の融点を有するC型は、図1Cに実質的に図示されているX線粉末回折パターン及び図4に実質的に図示されているFTIRスペクトルを示す。
【0015】
型Dは、約456、723、756、1647及び1748cm−1にピークを有するFTIRスペクトルによって特徴付けられる。D型は、図1Dに実質的に図示されているX線粉末回折パターン及び図5に実質的に図示されているFTIRスペクトルを示す。
【0016】
本発明は、さらに、薬学的に許容される、担体、佐剤、希釈剤又はビヒクルと一緒に、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B、C又はD型を含む薬学的組成物に関する。
【0017】
本発明は、さらに、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B、C又はD型の有効量を、血小板凝集の阻害を必要としている患者に投与することを含む、血小板凝集を阻害する方法に関する。
【0018】
本発明は、さらに、血小板凝集を阻害するための医薬の調製のための、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B、C又はD型に関する。
【0019】
本発明は、さらに、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B、C又はD型の有効量を、アテローム性動脈硬化症現象(event)の抑制を必要としている患者に投与することを含む、アテローム性動脈硬化症現象を軽減する方法に関する。
【0020】
本発明は、さらに、アテローム性動脈硬化症現象を抑制するための医薬の調製のための、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B、C又はD型の使用に関する。
【0021】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B型は、本化合物のA型をアセトニトリルに添加し、次いで、D型の沈殿が得られるまで、溶液に酢酸イソプロピルを添加することによって調製してもよい。溶媒の上澄みをすくい、蒸発させてB型を得る。
【0022】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のC型は、アセトニトリル及び酢酸イソプロピルの混合物中にA型を溶解させ、溶液にB型を播種晶(seeding)し、次いで、C型を得るために溶媒を蒸発させることによって調製してもよい。
【0023】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のA型は、実施例1に記載されているように、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチルを、臭化水素酸と反応させることによって得られる。
【0024】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチルは、例えば、米国特許第4,847,265号(引用により本明細書に組み込まれる。)に記載されている方法によって、又は本明細書中の実施例に記載されている方法によって調製することが可能である。
【0025】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、本発明を以下の実施例に限定するものではない。全ての融点は、摂氏(℃)で表されており、試料をガラス毛細管中に配置することによって得られる。X線粉末回折(XRPD)分析は、CuKα放射を用いたX線粉末回折計Shimadzu XRD−6000(40kVの管電圧、40mAのアンペア数、1°に設定された発散及び散乱スリット、0.15mmに設定された受光スリット、2.5から40°2θまで、3°/分でθ2θ連続スキャン)を用いて行った。赤外線スペクトルは、Ever−Glo中/遠赤外線源を搭載したMagna−IR860フーリエ変換赤外(FT−IR)分光光度計上で取得し、試料は、試料をKBrと混合することによって調製した。
【0026】
調製1
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル
クロピドグレル硫酸水素塩の溶液(米国特許第6,429,210号(その内容は、引用により、本明細書に組み込まれる。)に記載されている方法に従って調製することが可能である。)は、炭酸ナトリウムの水溶液で処理した。ジエチルエーテルで表題化合物を抽出し、MgSO上で溶液を乾燥し、減圧下で溶媒を除去し、黄色ゲルとして表題化合物を得た。
【実施例1】
【0027】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩水和物のA型
臭化水素酸(2.0mol/L、0.310mL)に、調製1の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチルの溶液(エタノール25mL中、1.8067g)(2.767mL)を添加した。ヘプタン(1.00mL)を添加し、きれいな容器中に0.2μmナイロンフィルターを通して溶液をろ過し、窒素下で蒸発させた。形成された固体を、室温で1,4−ジオキサン−エタノール(9:1)混合物(1.0mL)中にスラリーとし、次いで、試料をとし、25と35℃の間で温度を循環させた。次いで、試料を冷却し、ろ過し、乾燥させて、表題化合物0.0187g、融点116℃を得た。米国特許第4,847,265号は、一方は111℃で融解し、他方は140℃で融解する2つの臭化水素酸塩を開示する。本実施例の化合物を、FTIR及びXRPDによって分析し、米国特許第4,847,265号に開示されている、さらに低い融点の臭化水素酸塩に対応することが見出された。
【実施例2】
【0028】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のB型
実施例1の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩水和物のA型(0.0323g)を、アセトニトリル(0.200mL)に添加し、完全な溶解が達成されるまで、混合物を音波処理した。きれいな容器中に0.2μmナイロンフィルターを通して溶液をろ過し、沈殿が形成されるまで、酢酸イソプロピル(2.600mL)を添加した。溶液の上澄みを除去し、次いで、きれいな容器中に0.2μmナイロンフィルターを通して溶液をろ過し、乾燥状態になるまで、カバーせずに蒸発させて、表題化合物、融点140ないし143℃を得て、FTIR及びXRPDによって該化合物を分析した。
【実施例3】
【0029】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のC型。
【0030】
実施例1の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩水和物のA型(0.1019g)を、アセトニトリル(0.500mL)中に溶解し、酢酸イソプロピル(1.0mL)を添加した。僅かに濁った溶液に、さらなるアセトニトリル(0.10mL)を添加した。きれいな容器中に0.2μmナイロンフィルターを通して溶液をろ過し、実施例2のB型の少量を播種晶した。穴を開けたパラフィルムで溶液を覆い、乾燥状態になるまで溶液を蒸発させて、表題化合物、融点138ないし143℃を得て、FTIR及びXRPDによって該化合物を分析した。
【実施例4】
【0031】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のD型。
【0032】
実施例2で得られた沈殿を乾燥させて、非晶質固体として表題化合物を得て、FTIR及びXRPDによって分析した。
【0033】
米国特許第4,847,265号及び米国特許第5,576,328号(引用により、それぞれの全内容が本明細書に組み込まれる。)に開示されているように、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル及び薬学的に許容されるその塩は、貴重な薬理学的特性を有することが明らかとなった。特に、それらは、血小板凝集を阻害することが見出され、このため、心筋梗塞、卒中及び血管死などのアテローム性動脈硬化現象を軽減する上で有用であると思われる。
【0034】
本発明の化合物は、一般的には、例えばヒトなどの哺乳動物を含む(これに限定されない。)患者に投与される。本発明の化合物は、他の治療剤又は予防剤及び/又は本発明の化合物に対して医学的に不適合でない医薬と一緒に投与され得ることも当業者にとって自明であろう。
【0035】
本発明の化合物は、本分野において周知である慣用の薬学的手順によって、すなわち、固体又は液体型での経口投与、非経口投与、局所投与、直腸投与又はエアロゾル吸入投与などのための、1又は複数の薬学的に許容される担体、佐剤、希釈剤又はビヒクルと一緒に本発明の化合物を含む薬学的組成物を調合することによって薬学的用途のために調製することが可能である。
【0036】
経口投与用の固体組成物には、圧縮された錠剤、丸薬、粉末及び顆粒が含まれる。このような固体組成物では、活性化合物は、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース又はラクトースなどの少なくとも一つの不活性な希釈剤と混合される。これらの組成物は、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの潤滑剤を含有してもよい。
【0037】
経口投与用の液体組成物には、水及び液体パラフィンなどの本分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容される、エマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが含まれる。不活性希釈剤以外に、このような組成物は、湿潤剤及び懸濁剤及び甘味剤、着香剤、芳香剤及び防腐剤などの佐剤を含有してもよい。本発明に従って、経口投与用化合物には、希釈剤若しくは賦形剤を添加して、又は希釈剤若しくは賦形剤を添加せずに、前記活性成分を含有する吸収性材料(ゼラチンなど)のカプセルも含む。
【0038】
非経口投与用の本発明の調製物には、無菌の水性、水性−有機及び有機溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。有機溶媒又は懸濁媒体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。これらの組成物は、安定化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などのアジュバントを含有することも可能である。
【0039】
局所投与又はエアロゾル吸入投与のための本発明に従う調製は、水、水性アルコール、グリコール、油溶液又は油−水エマルジョンなどの薬学的に許容されるビヒクル中に、本発明の化合物を溶解又は懸濁することを含む。
【0040】
直腸投与用の本発明の調製物は、適切な担体、例えば、カカオバター、硬化油、グリセリド又は飽和脂肪酸などを使用することによって調製される坐剤を含む。
【0041】
所望であれば、本発明の化合物は、ポリマーマトリックス、リポソーム及び小球体などの徐放送達系又は標的化された送達系中にさらに取り込ませることが可能である。
【0042】
このような組成物中の活性成分のパーセントは、適切な投薬量が得られるように変動してもよい。ある患者に投与される投薬量は、投与の経路、治療の期間、患者の大きさ及び身体的条件、活性成分の効力、並びにこれに対する患者の応答を基準として使用して、医師の判断に依存して変動し得る。このように、活性成分の有効投薬量は、全ての基準を検討した後、患者の代わりに医師の最善の判断を使用して、医師によって容易に決定することができる。一般的に、本発明の化合物は、約0.01ないし約100mg/kg体重の範囲の用量で投与される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1A】図1Aは、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩水和物のA型のX線粉末回折パターンである。
【図1B】図1Bは、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のB型のX線粉末回折パターンである。
【図1C】図1Cは、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のC型のX線粉末回折パターンである。
【図1D】図1Dは、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のD型のX線粉末回折パターンである。
【図2】図2は、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩水和物のA型のFTIRスペクトルである。
【図3】図3は、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のB型のFTIRスペクトルである。
【図4】図4は、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のC型のFTIRスペクトルである。
【図5】図5は、(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩のD型のFTIRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B型。
【請求項2】
約20.9度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B型。
【請求項3】
約10.4、14.2、19.5及び20.9度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B型。
【請求項4】
約537、800、1758、3488及び3949cm−1にピークを有するFTIRスペクトルを有する、請求項1に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B型。
【請求項5】
約140ないし143℃の融点を有する、請求項1に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B型。
【請求項6】
図1Bに実質的に図示されているX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B型。
【請求項7】
図3に実質的に図示されているFTIRスペクトルを有する、請求項1に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体B型。
【請求項8】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体C型。
【請求項9】
約22.0度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを有する、請求項8に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体C型。
【請求項10】
約20.6、22.0、28.1及び31.7度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを有する、請求項8に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体C型。
【請求項11】
約534、789、1753、3639、3657及び3959cm−1にピークを有するFTIRスペクトルを有する、請求項8に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体C型。
【請求項12】
約138ないし148℃の融点を有する、請求項8に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体C型。
【請求項13】
図1Cに実質的に図示されているX線粉末回折パターンを有する、請求項8に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体C型。
【請求項14】
図4に実質的に図示されているFTIRスペクトルを有する、請求項8に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体C型。
【請求項15】
(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体D型。
【請求項16】
約456、723、756、1647及び1748cm−1にピークを有するFTIRスペクトルを有する、請求項15に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体D型。
【請求項17】
図1Dに実質的に図示されているX線粉末回折パターンを有する、請求項15に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体D型。
【請求項18】
図5に実質的に図示されているFTIRスペクトルを有する、請求項15に記載の(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−C]ピリジン−5(4H)酢酸メチル臭化水素酸塩の多形体D型。
【請求項19】
薬学的に許容される、担体、佐剤、希釈剤又はビヒクルと一緒に、請求項1ないし18の何れか1項に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項20】
請求項1ないし18の何れか1項に記載の化合物の有効量を、血小板凝集の阻害を必要としている患者に投与することを含む、血小板凝集を阻害する方法。
【請求項21】
請求項1ないし18の何れか1項に記載の化合物の有効量を、アテローム性動脈硬化症現象の抑制を必要としている患者に投与することを含む、アテローム性動脈硬化症現象を軽減する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−533744(P2007−533744A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509543(P2007−509543)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/013146
【国際公開番号】WO2005/103058
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】