説明

(2R)−2−プロピルオクタン酸を含有してなる運動機能障害の治療剤

【課題】
末梢神経系疾患や脊髄損傷に伴う神経機能障害等に起因する運動機能障害を効果的に治療するための薬剤を提供すること。
【解決手段】
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有してなる薬剤は、末梢神経系疾患(例えば、ニューロパチー、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、脳神経麻痺、糖尿病性末梢神経障害、重症筋無力症、筋ジストロフィー等)に起因する運動機能障害、中枢神経系疾患(例えば、ジストニア、ハンチントン病、脊髄性筋萎縮症、脊髄小脳変性症、脊髄損傷に伴う神経機能障害、椎間板ヘルニア等)に起因する運動機能障害およびそれらに分類できないその他の症状および徴候(例えば、末梢性ニューロパチー痛、ジスキネジア等)等の予防、治療および/または進展抑制剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬として有用な、運動機能障害の治療剤に関する。
【0002】
より詳しくは、末梢神経系疾患や脊髄損傷に伴う神経機能障害等に起因する運動機能障害を治療するための(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有してなる薬剤に関する。
【背景技術】
【0003】
神経系はその働きから中枢神経系と末梢神経系の2つに大きく分類され、末梢神経系はさらに体性神経系と自律神経系に分類される。体性神経系は解剖学的には脳神経と脊髄神経から構成され、機能的には運動神経と感覚神経に分類される。その機能の基本単位は、運動単位と呼ばれ、1本の運動ニューロンと軸索およびその支配下にある筋線維の集合からなる。
【0004】
この運動単位が何らかの障害を受けると、筋肉(骨格筋等)の萎縮・衰弱・消耗をはじめとする運動機能障害を伴う種々の末梢神経系疾患が起こることが知られている。この末梢神経系疾患は、神経原性疾患と筋原性疾患およびそれらの複合型疾患に分けられ、神経原性疾患とは、運動単位のうち、運動神経細胞から神経筋接合部までのどこかが障害されることで起こる疾患で、特に運動単位の細胞体・軸索または神経筋接合部が障害されることで起こり、多くの場合、四肢の末梢で症状が出る。例えば、末梢神経障害である単ニューロパチー・多発ニューロパチー、神経叢障害、神経根の障害である変形性脊椎症・椎間板ヘルニア、脊髄前角細胞が変性していく脊髄性(進行性)筋萎縮症・筋萎縮性側索硬化症、髄鞘や軸索が変性するシャルコー・マリー・トゥース病、筋線維束性攣縮、神経筋接合部の障害による重症筋無力症等が知られている。また筋原性疾患とは、筋肉(筋線維)そのものが障害されることで起こる疾患およびそれに伴う疾患で、多くの場合、四肢の近位で症状が出る。例えば、筋ジストロフィー、ミオパチー等が挙げられる。
【0005】
また、例えば、錐体外路障害、系統萎縮症、神経変性疾患、脱髄性疾患、脳血管疾患に伴う神経機能障害、脊髄損傷による神経機能障害等の中枢神経系疾患によっても運動機能障害が起こることが知られており、その他にも、運動機能障害と考えられる多くの症状および徴候(例えば、運動麻痺、筋緊張亢進、不随意運動等)が知られている。
【0006】
しかしながら、上記したような運動機能障害の原因となる疾患はその発生機序が不明な疾患であったり、神経の物理的な損傷であったりするため、それらの治療に際しては、主として症状改善等を目的とした対症療法が行われており、障害を受けた神経系に直接作用する根本治療となるような臨床上有用な薬剤はほとんど知られていない。
【0007】
一方、神経変性疾患(アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、オリーブ橋小脳萎縮症)、脳卒中や脳脊髄外傷後の神経機能障害、脱髄疾患(多発性硬化症等)、脳腫瘍(星状膠細胞腫等)、感染症に伴う脳脊髄疾患(髄膜炎、クロッツフェルド−ヤコブ病、エイズ痴呆等)、パーキンソン病、パーキンソン症候群等の治療薬として(2R)−2−プロピルオクタン酸が有用であることが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0008】
(2R)−2−プロピルオクタン酸のこれらの効果は、細胞内S100β含量の減少作用に基づく異常活性化アストロサイトの機能改善作用によるものであると報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0009】
このS100βは、種々の神経変性疾患に関与していると考えられているS100タンパクの一つであり、中枢神経系および末梢神経系のグリア細胞およびシュワン細胞に高濃度で存在する他、下垂体前葉細胞やランゲルハンス細胞にも存在することが知られており、脳脊髄液中あるいは血中のS100β含量は、脳梗塞、クモ膜下出血、頭部外傷、種々の神経変性疾患、心肺バイパス手術後の神経合併症等において上昇するため、例えば脳卒中において、血中S100タンパク含量を測定することは、脳病変および神経学的損傷の診断に有用であると報告されている(ストローク(Stroke)、第28巻、1956〜1960頁、1997年参照)。
【0010】
また、(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩を、組織プラスミノーゲンアクティベーター等の血栓溶解剤とともに、脳虚血疾患(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血、白質異常症等)の治療剤として用いる方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
さらに、坐骨神経の軸索を切断した成熟ラットにおいて、2−プロピルペンタン酸を投与することにより、軸索が伸長し、運動機能が回復することが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0012】
しかし、これらの特許文献および非特許文献には、(2R)−2−プロピルオクタン酸が、末梢神経系の障害に起因する運動機能障害や中枢神経系疾患が原因で起こる運動機能障害等の治療に有用であるとの記載は一切ない。
【0013】
【特許文献1】欧州特許公開第0632088号明細書
【特許文献2】欧州特許公開第1174131号明細書
【特許文献3】国際公開第03/007992号パンフレット
【非特許文献1】Tateishi.N、他8名、ジャーナル・オブ・セレブラル・ブラッド・フロウ・アンド・メタボリズム(Journal of cerebral blood flow & metabolism)、第22巻、723〜734頁、2002年
【非特許文献2】Xia Zhang、他6名、ブレイン・リサーチ(Brain Research)、第975巻、229〜236頁、2003年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
現在臨床上用いられている運動機能障害の治療薬は対症療法的な薬剤が多く、そのほとんどが症状の改善が多少認められても根本治療には到らないものであった。そこで、障害を受けた神経系に直接作用することで運動機能障害を治療するような、臨床上有効な薬剤の開発が切望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグが、神経系に直接作用することで運動機能障害を治療する優れた化合物であることを見出し、その知見に基づいて更に検討を加えることにより本発明を完成した。
【0016】
すなわち、本発明は、
[1] (2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有してなる運動機能障害の予防、治療および/または進展抑制剤;
[2] 運動機能障害が末梢神経系疾患に起因する障害である前項[1]記載の剤;
[3] 末梢神経系疾患が(1)末梢神経、馬尾神経、神経根および神経叢の障害、(2)眼筋、眼球運動、調節および屈折の障害、(3)内耳疾患における神経機能障害、(4)皮膚および粘膜病変を特徴とするウイルス感染症に伴う神経機能障害、(5)原虫疾患に伴う神経機能障害、(6)糖尿病における神経機能障害、(7)代謝障害における神経機能障害、(8)甲状腺障害における神経機能障害、(9)中皮および軟部組織の悪性新生物による神経機能障害、(10)脳神経の悪性新生物による神経機能障害、(11)末梢神経および自律神経系の良性新生物による神経機能障害、(12)頭部損傷に伴う神経機能障害、(13)頸部損傷に伴う神経機能障害、(14)脊柱障害における神経機能障害、(15)体幹および四肢の損傷に伴う神経機能障害、(16)軟部組織障害、(17)炎症性多発性関節障害、(18)出産時の外傷に伴う神経機能障害、(19)自律神経系障害、(20)神経筋接合部の疾患、(21)麻痺性症候群、(22)筋疾患および(23)全身性結合組織障害から選ばれる1種以上の疾患である前項[2]記載の剤;
[4] 末梢神経系疾患が単ニューロパチー、多発ニューロパチー、遺伝性運動性および感覚性ニューロパチー、シャルコー・マリー・トゥース病、デジェリン・ソッタ病、炎症性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、三叉神経障害、舌咽神経障害、顔面神経障害、疼痛性チック、帯状疱疹後神経痛、神経痛性筋萎縮症、幻肢痛、急性上腕神経炎、急性腕神経叢炎、上腕神経叢障害、胸郭出口圧迫症候群、椎間板ヘルニアによる神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、脳神経麻痺、糖尿病性末梢神経障害疼痛、脊髄損傷に伴う神経機能障害、坐骨神経痛、末梢神経系の出産時の損傷、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー、重症筋無力症、新生児筋無力症、先天性筋無力症症候群、眼筋重症筋無力症、薬物または毒物による中毒性神経筋伝達障害、イートン・ランバート症候群、全身性強直症候群、運動麻痺、筋ジストロフィー、チャネロパチー、ミオパチー、多系統脳筋症、進行性外眼筋麻痺、カーンズ・セイアー症候群、ミトコンドリア脳筋症、皮膚筋炎および多発性筋炎から選ばれる1種以上の疾患である前項[2]記載の剤;
[5] 運動機能障害が中枢神経系疾患に起因する障害である前項[1]記載の剤;
[6] 中枢神経系疾患が(1)錐体外路障害および異常運動、(2)系統萎縮症、(3)神経変性疾患、(4)脱髄性疾患、(5)挿間性および発作性障害、(6)脳性麻痺、(7)中枢神経系の炎症性疾患による神経機能障害、(8)中枢神経系のウイルス感染症による神経機能障害、(9)皮膚および粘膜病変を特徴とする中枢神経系のウイルス感染症による神経機能障害、(10)結核による神経機能障害、(11)性的伝播様式をとる感染症による神経機能障害、(12)中枢神経系の原虫疾患による神経機能障害、(13)栄養欠乏症における神経機能障害、(14)脳および中枢神経系の悪性新生物または続発性悪性新生物による神経機能障害、(15)中枢神経系の良性新生物による神経機能障害、(16)脳血管疾患に伴う神経機能障害、(17)頭部損傷に伴う中枢神経系の神経機能障害、(18)脊柱障害における中枢神経系の神経機能障害、(19)妊娠に関連する中枢神経系の母体障害に伴う神経機能障害、(20)出産時の外傷による中枢神経系の神経機能障害、(21)薬物、薬剤および生物学的製剤による中毒および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害および(22)薬用を主としない物質の毒作用および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害から選ばれる1種以上の疾患である前項[5]記載の剤;
[7] 中枢神経系疾患がジストニア、異常運動、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群、ミオクローヌス、舞踏病−無定位運動症、チック、アテトーシス、舞踏アテトーゼ運動、ヘミパリズム、ハンチントン病、遺伝性運動失調症、脊髄性筋萎縮症、運動ニューロン疾患、原発性側索硬化症、進行性球麻痺、進行性偽球性麻痺、新生物随伴症候群、脊髄小脳変性症、フリートライヒ運動失調症、多系統萎縮症、マッカードジョセフ病、シャイ・ドレーガー症候群、晩発性小脳皮質萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、テイ・サックス病、亜急性連合性脊髄変性症、白質ジストロフィー、痙性脳性麻痺、麻痺性または非麻痺性急性灰白髄炎、亜急性硬化性全脳炎、コクサッキーウイルス感染症による神経機能障害、エンテロウイルス感染症による神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、脊髄損傷に伴う神経機能障害および椎間板ヘルニアから選ばれる1種以上の疾患である前項[5]記載の剤;
[8] 運動機能障害が(1)しびれ、疼痛および神経因性疼痛、(2)神経系および筋骨格系に関する症状および徴候、(3)皮膚および皮下組織に関する症状および徴候、(4)会話および音声に関する症状および徴候、(5)認識、知覚、情緒状態および行動に関する症状および徴候、および(6)小児期、児童期および青年期に発症する行動および情緒の障害から選ばれる1種以上の疾患である前項[1]記載の剤;
[9] 運動機能障害が急性術後疼痛、手術後疼痛症候群、慢性難治性疼痛、末梢性ニューロパチー痛、ガン性疼痛、神経障害性疼痛症候群、有痛性外傷単神経障害、有痛性多発神経障害、糖尿病性末梢神経障害疼痛、中枢性疼痛症候群、複雑局所疼痛症候群、反射交感神経ジストロフィー、灼熱痛、幻肢痛、異常不随意運動、ジスキネジアおよび運動失調症から選ばれる1種以上の疾患である前項[1]記載の剤;
[10] 1回あたりの(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの投与量が約50mg乃至約1500mgであることを特徴とする経口投与用の前項[1]記載の剤;
[11] (2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの投与期間が1日乃至約1年間である前項[10]記載の剤;
[12] 1回あたりの(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの投与量が体重1kgあたり約0.5mg乃至約25mgであることを特徴とする静脈内投与用の前項[1]記載の剤;
[13] (2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの投与期間が1日乃至約10日間である前項[12]記載の剤;
[14] (2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物における運動機能障害の予防、治療および/または進展抑制方法;および
[15] 運動機能障害の予防、治療および/または進展抑制剤を製造するための(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの使用等に関する。
【0017】
本明細書中、運動機能障害とは「末梢神経系疾患に起因する運動機能障害」、「中枢神経系疾患に起因する運動機能障害」および「それらに分類できないその他の運動機能障害の症状および徴候」の全てを包含する。
【0018】
本明細書中、運動機能障害の原因となる末梢神経系疾患としては、「ニューロパチー(単(モノ)ニューロパチー、多発ニューロパチー)」、「ニューロパチー以外の末梢神経、馬尾神経、神経根および神経叢の障害」、「眼筋、眼球運動、調節および屈折の障害」、「内耳疾患における神経機能障害」、「皮膚および粘膜病変を特徴とするウイルス感染症に伴う神経機能障害」、「原虫疾患に伴う神経機能障害」、「糖尿病における神経機能障害」、「代謝障害における神経機能障害」、「甲状腺障害における神経機能障害」、「中皮および軟部組織の悪性新生物による神経機能障害」、「嗅神経、視神経、聴神経等のその他の脳神経の悪性新生物による神経機能障害」、「脳神経のその他の部位、末梢神経および自律神経系の良性新生物による神経機能障害」、「頭部損傷に伴う神経機能障害」、「頸部損傷に伴う神経機能障害」、「脊柱障害における神経機能障害」、「胸郭部損傷に伴う神経機能障害」、「腹部、下背部、腰椎および骨盤部の損傷に伴う神経機能障害」、「肩および上腕の損傷に伴う神経機能障害」、「肘および前腕の損傷に伴う神経機能障害」、「手首および手の損傷に伴う神経機能障害」、「股関節部および大腿の損傷に伴う神経機能障害」、「膝および下腿の損傷に伴う神経機能障害」、「足首および足の損傷に伴う神経機能障害」、「多部位の損傷に伴う神経機能障害」、「体幹もしくは四肢の損傷に伴う神経機能障害」、「損傷による影響の続発・後遺症として起こる神経機能障害」、「その他の軟部組織障害」、「炎症性多発性関節障害」、「出産時の外傷に伴う神経機能障害」、「周産期に発生したその他の障害」、「自律神経系障害」、「神経筋接合部の疾患」、「その他の麻痺性症候群」、「筋疾患」、「全身性結合組織障害」等が挙げられる。
【0019】
本明細書中、「ニューロパチー」とは、神経炎等の末梢神経障害を指し、単(モノ)ニューロパチー、多発ニューロパチーおよびその複合型のニューロパチーを全て含む。「単(モノ)ニューロパチー」としては、上肢の単ニューロパチー(例えば、手根管症候群、正中神経障害、尺骨神経障害(例えば、尺骨神経麻痺、遅発性尺骨神経麻痺等)、橈骨神経障害(例えば、橈骨神経麻痺(土曜の夜の麻痺)、橈骨管症候群等)、肘部管症候群、カウザルギー等)、下肢の単ニューロパチー(例えば、坐骨神経障害、異常感覚性大腿痛、大腿神経障害、外側膝窩神経障害、内側膝窩神経障害、腓骨神経麻痺、圧迫性腓骨ニューロパチー、腓骨筋萎縮、足根管症候群、足底神経障害等)、その他の単ニューロパチー(例えば、肋間ニューロパチー、多発性単神経炎、糖尿病性単ニューロパチー、局所性モノニューロパチー、有痛性外傷単ニューロパチー等)が挙げられ、「多発ニューロパチー」としては、急性および/または慢性炎症性ニューロパチー、遺伝性および特発性ニューロパチー(例えば、遺伝性運動性および感覚性ニューロパチー、シャルコー・マリー・トゥース病、デジェリン・ソッタ病、遺伝性圧脆弱性神経障害、レフサム病、遺伝性運動失調症に関連するニューロパチー、特発性進行性ニューロパチー、肥厚性間質性ニューロパチー、感覚運動ニューロパチー、運動感覚性遠位性多発ニューロパチー等)、炎症性多発ニューロパチー(例えば、急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、ランドリー上行性麻痺、急性上行性運動ニューロパチー、血清ニューロパチー、血管炎によるニューロパチー、慢性再発性多発ニューロパチー等)、その他の多発ニューロパチー(例えば、感染症(帯状疱疹、ライム病、ハンセン病、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、寄生虫(例えば、ダニ等)感染症等)による多発ニューロパチー、ガン等の新生物性疾患による多発ニューロパチー、多発性骨髄腫によるニューロパチー、単クローン性高ガンマグロブリン血症における多発ニューロパチー、糖尿病性多発ニューロパチー、タンパク異常血症性ニューロパチー、サルコイドーシスにおけるニューロパチー、アミロイドーシスにおけるニューロパチー、尿毒症におけるニューロパチー、その他の内分泌疾患および代謝疾患における多発ニューロパチー、急性間歇性ポルフィリン症における多発ニューロパチー、栄養障害性ニューロパチー、ビタミン(例えば、ビタミンB、ビタミンB12等)欠乏症における多発ニューロパチー、慢性ピリドキシン中毒性ニューロパチー、全身性結合組織障害における多発ニューロパチー、膠原血管病(例えば、結節性多発動脈炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、関節リウマチ等)における多発ニューロパチー、その他の筋骨格障害における多発ニューロパチー、薬物(例えば、バルビタール、フェニトイン、ジダノシン、ザルシタビン、エメチン、ヘキソバルビタール、クロロブタノール、スルホンアミド、ニトロフラントイン、トリオルトクレジールリン酸、オルトジニトロフェノール、ビンカアルカロイド類等)誘発性多発ニューロパチー、アルコール性多発ニューロパチー、その他の毒性物質(例えば、ジフテリア毒素、鉛等の重金属、ダプソン、一酸化炭素等)による多発ニューロパチー、有痛性外傷多発ニューロパチー等)が挙げられる。
【0020】
本明細書中、「ニューロパチー以外の末梢神経、馬尾神経、神経根および神経叢の障害」としては、例えば、三叉神経障害(例えば、特発性または症候性三叉神経痛等)、舌咽神経障害(例えば、特発性または症候性舌咽神経痛等)、顔面神経障害(例えば、一側性顔面麻痺、間代性一側性顔面痙攣、ベル麻痺、顔面ミオキミア(筋波動症)、膝状神経節炎、メルカーソン症候群、非定型顔面痛等)、その他の脳神経障害(例えば、嗅神経障害、迷走神経障害、舌下神経障害、多発性脳神経障害、感染症における多発性脳神経麻痺、サルコイドーシスにおける多発性脳神経麻痺、ガン等の新生物性疾患における多発性脳神経麻痺、血腫による脳神経障害等)、疼痛性チック、帯状疱疹後神経痛、神経痛性筋萎縮症、幻肢症候群、幻肢痛、神経根引抜損傷、神経血管症候群、頸髄神経根障害、胸髄神経根障害、腰仙髄神経根障害、急性上腕神経炎、急性腕神経叢炎、上腕神経叢障害、腰仙(骨)神経叢障害、その他の疾患による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害(例えば、有痛性神経根障害、多発性根障害、胸郭出口圧迫症候群、肩甲帯神経血管圧迫症候群、前斜角筋症候群、頸部肋骨症候群、ガン等の新生物性疾患(例えば、転移ガン、乳ガン、肺ガン、神経線維腫等)による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害(例えば、ガンによる後根神経節炎)、椎間板障害(ヘルニア)による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害、脊柱障害(例えば、脊椎症、脊柱管狭窄等)による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、線維症による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害、血腫による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害等)が挙げられる。
【0021】
本明細書中、「眼筋、眼球運動、調節および屈折の障害」としては、例えば、脳神経麻痺(例えば、第3脳神経(動眼神経)麻痺、第4脳神経(滑車神経)麻痺、第6脳神経(外転神経)麻痺、全(外)眼筋麻痺、進行性外眼筋麻痺、ミトコンドリア多系統疾患(例えば、眼筋麻痺等)、麻痺性斜視等)、動眼神経モノニューロパチー、外転神経モノニューロパチー、両眼運動のその他の障害(例えば、共同注視麻痺、核間(眼筋)麻痺、輻輳(開散)不全、輻輳(開散)過多等)等が挙げられる。
【0022】
本明細書中、「内耳疾患における神経機能障害」としては、例えば、前庭機能障害(例えば、前庭神経炎、メニエール病、良性発作性めまい等)、その他の末梢性めまい、中枢性めまい等が挙げられる。
【0023】
本明細書中、「皮膚および粘膜病変を特徴とするウイルス感染症」としては、例えば、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、風疹(ドイツ麻疹)、ライム病またはジフテリア等が挙げられる。
【0024】
本明細書中、「原虫疾患に伴う神経機能障害」としては、例えば、慢性シャガス病に伴う神経機能障害等が挙げられる。
【0025】
本明細書中、「糖尿病」としては、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)または栄養障害に関連する糖尿病が挙げられ、「糖尿病における神経機能障害」としては、例えば、糖尿病性神経炎、糖尿病性末梢神経障害疼痛、糖尿病による疼痛性上位腰神経障害等が挙げられる。
【0026】
本明細書中、「代謝障害における神経機能障害」としては、例えば、スフィンゴリピド代謝障害および脂質蓄積障害(例えば、神経系セロイドリポフスチン症、脂質貯蔵病等)における神経機能障害、レフスム病(フィタン酸蓄積症)、アミロイドーシス(例えば、ニューロパチー性遺伝性家族性アミロイドーシス等)、糖原病における神経機能障害、筋糖原病における神経機能障害、腎不全による神経機能障害、副腎疾患による神経機能障害、ミトコンドリア多系統疾患(例えば、運動失調、眼筋麻痺、ミオパチー等)等が挙げられる。
【0027】
本明細書中、「甲状腺障害における神経機能障害」としては、例えば、神経型先天性ヨード欠乏症候群、甲状腺機能低下症、甲状腺中毒性ミオパチー等が挙げられる。
【0028】
本明細書中、「中皮および軟部組織の悪性新生物」としては、例えば、頭部、顔面、頸部、上肢、下肢、胸郭部、腹部、骨盤、体幹の末梢神経および自律神経系あるいは末梢神経と自律神経系との境界部に発生する悪性新生物等が挙げられる。
【0029】
本明細書中、「嗅神経、視神経、聴神経等のその他の脳神経の悪性新生物」としては、例えば、視神経膠腫、聴神経腫瘍(例えば、前庭シュワン細胞腫、両側性聴神経腫瘍等)、聴神経髄腫等が挙げられる。
【0030】
本明細書中、「脳神経のその他の部位、末梢神経および自律神経系の良性新生物による神経機能障害」としては、例えば、末梢神経線維腫による神経機能障害、レックリングハウゼン病等が挙げられる。
【0031】
本明細書中、「頭部損傷」としては、例えば、脳神経損傷(視神経および視路の損傷、動眼神経損傷、滑車神経損傷、三叉神経損傷、外転神経損傷、顔面神経損傷、聴神経損傷、副神経損傷等)等が挙げられる。
【0032】
本明細書中、「頸部損傷に伴う神経機能障害」としては、例えば、頸髄の振とうおよび浮腫に伴う神経機能障害、頸髄の損傷に伴う神経機能障害、頸椎の神経根損傷、腕神経叢損傷、頸部の末梢神経損傷、頸部交感神経損傷等が挙げられる。
【0033】
本明細書中、「脊柱(後頭環軸部、頸部、頸胸部、胸部、胸腰部、腰部、腰仙部、仙骨部および仙尾骨部)障害における神経機能障害」としては、例えば、脊椎骨折、脊髄損傷(挫傷、裂傷、離断等)、急性横断脊髄損傷等に伴う神経機能障害、脊柱障害(例えば、脊椎症、脊柱管狭窄、変形性脊柱障害(変形性脊椎症)、変形性関節症、ミエロパチー(脊髄障害)を伴う反復性環軸関節亜脱臼、脊椎結核、神経障害性脊椎障害等)における神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、その他の脊柱障害(例えば、椎間板障害、椎間板ヘルニア(髄核ヘルニア)、椎間板変性症、椎間板破裂、椎間板脱出、頸椎症、頸腕症候群、脊椎不安定(症)、背部痛、頸部痛、坐骨神経痛、坐骨神経痛を伴う腰痛症、下背部痛、胸椎の疼痛、神経根障害、血腫による脊髄障害、進行性脊髄障害等)における神経機能障害、脊髄ショック、ブラウン・セカール症候群等が挙げられる。
【0034】
本明細書中、「体幹および四肢の損傷」としては、例えば、「胸郭部損傷」、「腹部、下背部、腰椎および骨盤部の損傷」、「肩および上腕の損傷」、「肘および前腕の損傷」、「手首および手の損傷」、「股関節部および大腿の損傷」、「膝および下腿の損傷」、「足首および足の損傷」およびその他の体幹、四肢の神経、脊髄神経根および神経叢の損傷等が挙げられる。
【0035】
本明細書中、「胸郭部損傷」としては、例えば、胸髄の振とうおよび浮腫、胸髄の損傷、胸椎の神経根損傷、胸郭部の末梢神経損傷、胸郭部交感神経損傷等が挙げられる。
【0036】
本明細書中、「腹部、下背部、腰椎および骨盤部の損傷」としては、例えば、腰髄の振とうおよび浮腫、腰髄の損傷、腰椎および仙椎の神経根損傷、馬尾損傷、腰仙神経叢損傷、腰部、仙骨部および骨盤部の交感神経損傷、腹部、下背部および骨盤部の末梢神経損傷等が挙げられる。
【0037】
本明細書中、「肩および上腕の損傷」としては、例えば、上腕の尺骨神経、正中神経、橈骨神経損傷、腋窩神経損傷、筋皮神経損傷、肩および上腕の皮膚知覚神経損傷、肩および上腕の多発性神経損傷等が挙げられる。
【0038】
本明細書中、「肘および前腕の損傷」としては、例えば、前腕の尺骨神経、正中神経、橈骨神経損傷、前腕の皮膚知覚神経損傷、前腕の多発性神経損傷等が挙げられる。
【0039】
本明細書中、「手首および手の損傷」としては、例えば、手首および手の尺骨神経、正中神経、橈骨神経損傷、母指の指神経損傷、その他の指の指神経損傷、手首および手の多発性神経損傷等が挙げられる。
【0040】
本明細書中、「股関節部および大腿の損傷」としては、例えば、股関節部および大腿の坐骨神経、大腿神経損傷、股関節部および大腿の皮膚知覚神経損傷、股関節部および大腿の多発性神経損傷等が挙げられる。
【0041】
本明細書中、「膝および下腿の損傷」としては、例えば、下腿の脛骨神経、腓骨神経損傷、下腿の皮膚知覚神経損傷、下腿の多発性神経損傷等が挙げられる。
【0042】
本明細書中、「足首および足の損傷」としては、例えば、外側足底神経損傷、内側足底神経損傷、足首および足の深腓骨神経損傷、足首および足の皮膚知覚神経損傷、足首および足の多発性神経損傷等が挙げられる。
【0043】
本明細書中、「多部位の損傷」としては、例えば、頸部の神経および脊髄の損傷を伴う脳神経の損傷等が挙げられる。
【0044】
本明細書中、「損傷による影響の続発・後遺症として起こる神経機能障害」としては、例えば、頭部損傷(例えば、頭部の表在損傷、頭部の開放創、頭蓋および顔面骨骨折、脳神経損傷、眼および眼窩の損傷、頭蓋内損傷等)、頸部および体幹損傷(例えば、頸部および体幹の表在損傷および開放創、脊椎骨折、胸郭部および骨盤部のその他の骨折、脊髄損傷、胸腔内臓器損傷、腹腔内および骨盤臓器の損傷等)、上肢の損傷(例えば、上肢の開放創、腕の骨折、手首および手の骨折、上肢の脱臼、捻挫およびストレイン、上肢の神経損傷、上肢の筋および腱の損傷、上肢の挫滅損傷および外傷性切断等)、下肢の損傷(例えば、下肢の開放創、大腿骨骨折、下肢のその他の骨折、下肢の脱臼、捻挫およびストレイン、下肢の神経損傷、下肢の筋および腱の損傷、下肢の挫滅損傷および外傷性切断等)の続発・後遺症として起こる神経機能障害等が挙げられる。
【0045】
本明細書中、「軟部組織障害」としては、例えば、リウマチ(関節リウマチ)、筋痛、筋肉痛、神経痛、神経炎または四肢痛等が挙げられる。
【0046】
本明細書中、「炎症性多発性関節障害」としては、例えば、神経障害性関節障害等が挙げられる。
【0047】
本明細書中、「出産時の外傷(例えば、脳神経(例えば、顔面神経等)等の末梢神経系の出産時の損傷、上腕神経叢の出産時の牽引等による損傷等)に伴う神経機能障害」としては、例えば、出産時の損傷によるエルプ麻痺、クルンプケ麻痺、横隔神経麻痺等が挙げられる。
【0048】
本明細書中、「周産期に発生した障害」としては、例えば、新生児の筋緊張障害、一過性新生児重症筋無力症、先天性筋緊張亢進、トムゼン病、先天性筋緊張低下、新生児のその他の筋緊張障害等が挙げられる。
【0049】
本明細書中、「自律神経系障害」としては、例えば、特発性末梢性自律神経ニューロパチー、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー、家族性自律神経異常症(ライリー・デイ症候群)、ホルネル症候群、多系統変性症、内分泌疾患および代謝疾患における自律神経ニューロパチー、その他の疾患におけるミエロパチー等が挙げられる。
【0050】
本明細書中、「神経筋接合部の疾患」としては、例えば、重症筋無力症、新生児筋無力症、先天性筋無力症症候群、眼筋重症筋無力症、その他の神経筋障害(例えば、中毒(例えば、ボツリヌス中毒等)性神経筋接合部疾患、薬物または毒物(例えば、コリン作用薬、抗生物質、有機リン酸エステル系殺虫薬、神経ガス等)による中毒性神経筋伝達障害、内分泌疾患における筋無力症症候群、イートン・ランバート症候群、全身性強直症候群、アイザック症候群、筋波動症、間欠性痙攣、偽性筋硬直、ガン等の新生物性疾患における筋無力症症候群)等が挙げられる。
【0051】
本明細書中、「麻痺性症候群」としては、例えば、運動麻痺、対麻痺および四肢麻痺(例えば、弛緩性対麻痺、痙性対麻痺、弛緩性四肢麻痺、痙性四肢麻痺等)、上肢の両(側)麻痺、上肢の単麻痺、下肢の単麻痺、その他の単麻痺、下肢の痙性不全麻痺、馬尾症候群、両側性四肢麻痺、反対側片麻痺、交代性片麻痺等が挙げられる。
【0052】
本明細書中、「筋疾患」としては、例えば、原発性筋障害(筋原性疾患)である筋ジストロフィー(進行性筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、肢体型筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー(三好型・空胞型)、顔面肩甲骨上腕(ランドゥジー・デジェリン)型筋ジストロフィー、筋強直性(筋緊張性)筋ジストロフィー、シュタイネルト病、眼球咽頭型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、メロシン陽性型先天性筋ジストロフィー、メロシン陰性型先天性筋ジストロフィー等)、ジストロフィン異常症、サルコグリカン異常症、ウォーカー・ワールブルク症候群、サンタヴォリ症候群、チャネロパチー、先天性ミオパチー、中心コア病、中心核ミオパチー、ネマリンミオパチー、ミトコンドリア性ミオパチー、乳児ミオパチー、炎症性ミオパチー、その他のミオパチー(例えば、眼咽頭遠位型ミオパチー、空砲型遠位型ミオパチー、感染症(例えば、旋毛虫症等)におけるミオパチー、内分泌疾患におけるミオパチー、甲状腺機能低下症によるミオパチー、甲状腺中毒性ミオパチー、代謝疾患におけるミオパチー、高カルシウム症におけるミオパチー、低リン酸血症におけるミオパチー、薬物誘発性ミオパチー、アルコール性ミオパチー、毒性物質によるミオパチー等)、多系統脳筋症、進行性外眼筋麻痺、カーンズ・セイアー症候群、メラス(MELAS)症候群、マーフ(MERFF)症候群、ミトコンドリア脳筋症、周期性四肢麻痺、家族性周期性麻痺、ミオグロビン尿症、筋炎(例えば、間質性筋炎、外傷性骨化性筋炎、進行性骨化性筋炎、筋の麻痺性石灰化および骨化、細菌性疾患における筋炎、原虫および寄生虫感染症における筋炎、サルコイドーシスにおける筋炎等)、その他の筋障害(例えば、クッシング症候群、先端巨大症、移動不能症候群(対麻痺性)、筋拘縮、筋の消耗および萎縮、筋ストレイン、ミオトニア、先天性ミオトニア、トムゼン病、先天性筋硬直症等)が挙げられる。
【0053】
本明細書中、「全身性結合組織障害」としては、例えば、皮膚筋炎(例えば、若年性皮膚筋炎等)、多発性筋炎、その他の全身性結合組織疾患(例えば、リウマチ性多発筋痛症、ガン等の新生物性疾患における皮膚(多発)筋炎等)が挙げられる。
【0054】
本明細書中、運動機能障害の原因となる中枢神経系疾患としては、「錐体外路障害および異常運動」、「系統萎縮症」、「神経変性疾患」、「脱髄性疾患」、「挿間性および発作性障害」、「脳性麻痺」、「中枢神経系のその他の障害による神経機能障害」、「中枢神経系の炎症性疾患による神経機能障害」、「中枢神経系のウイルス感染症による神経機能障害」、「皮膚および粘膜病変を特徴とする中枢神経系のウイルス感染症による神経機能障害」、「結核による神経機能障害」、「性的伝播様式をとる感染症による神経機能障害」、「中枢神経系の感染症の続発・後遺症として起こる神経機能障害」、「中枢神経系の原虫疾患による神経機能障害」、「中枢神経系の蠕虫症による神経機能障害」、「栄養欠乏症における神経機能障害」、「脳および中枢神経系の悪性新生物または続発性悪性新生物による神経機能障害」、「中枢神経系の良性新生物による神経機能障害」、「脳血管疾患に伴う神経機能障害」、「頭部損傷に伴う中枢神経系の神経機能障害」、「脊柱障害における中枢神経系の神経機能障害」、「妊娠に関連する中枢神経系の母体障害に伴う神経機能障害」、「分娩・産褥に伴う神経機能障害」、「出産時の外傷による中枢神経系の神経機能障害」、「周産期に発生した障害による神経機能障害」、「薬物、薬剤および生物学的製剤による中毒および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害」、「薬用を主としない物質の毒作用(中毒)および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害」、「その他の作用および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害」等が挙げられる。
【0055】
本明細書中、「錐体外路障害および異常運動」としては、例えば、パーキンソン病、原発性パーキンソン症候群、続発性パーキンソン症候群、若年性パーキンソン症候群、悪性症候群、神経遮断薬性悪性症候群、薬物誘発性続発性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、基底核の変性疾患(例えば、ハラーフォルデン・シュパッツ病、進行性核上性(眼筋)麻痺(スチール・リチャードソン・オルツェウスキー病)、線条体黒質変性症等)、ジスキネジア(異常運動)、ジストニア(異緊張症)(例えば、薬物誘発性ジストニア、特発性家族性ジストニア、特発性非家族性ジストニア、全身性ジストニア(変形性筋ジストニア)、局所ジストニア、痙性斜頸、特発性口顔面ジストニア、眼瞼痙攣、髄節性ジストニア等)、その他の錐体外路障害および異常運動(例えば、振戦(例えば、本態性振戦、薬物誘発性振戦、パーキンソン病における静止時振戦、小脳疾患における振戦、肝性羽ばたき振戦(固定姿勢保持困難)、企図振戦等)、ミオクローヌス(例えば、口蓋ミオクローヌス、進行性ミオクローヌスてんかん、動作時ミオクローヌス、頭部外傷または低酸素虚血性脳損傷後のミオクローヌス、アルツハイマー性ミオクローヌス、遅発性ウイルス感染症(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、亜急性硬化性全脳炎等)によるミオクローヌス、尿毒症におけるミオクローヌス等)、薬物誘発性舞踏病、慢性進行性舞踏病、遺伝性舞踏病、その他の舞踏病−無定位運動症(例えば、シドナム舞踏病、妊娠舞踏病等)、チック(例えば、薬物誘発性チック、器質的原因によるチック等)、遺伝性多発性チック障害(トゥレット症候群)、アテトーシス、舞踏アテトーゼ運動、ヘミパリズム、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群等)が挙げられる。
【0056】
本明細書中、「系統萎縮症」としては、例えば、ハンチントン病(ハンチントン舞踏病)、遺伝性運動失調症(例えば、先天性非進行性運動失調症、早発性小脳性運動失調症、晩発性小脳性運動失調症、障害DNA修復を伴う小脳性運動失調症、遺伝性痙性対麻痺、家族性痙性対麻痺等)、脊髄性(進行性)筋萎縮症および関連症候群(例えば、1型乳児型脊髄性筋萎縮症(ウェルドニッヒ・ホフマン病)、ウォールハルト・クーゲルベルク・ウェランダー病、球脊髄性筋萎縮症(ケネディ・オルター・スン症候群)、その他の遺伝性脊髄性筋萎縮症等)、進行性神経筋肉萎縮病、その他の運動ニューロン疾患(運動神経病、皮質脊髄路、脊髄前角細胞および/または延髄運動核の障害およびそれに伴うその他の疾患)、原発性側索硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)、家族性筋萎縮性側索硬化症、進行性球麻痺、進行性偽球性麻痺、新生物関連ニューロミオパチーおよびニューロパチー(例えば、新生物(腫瘍)随伴症候群、新生物性疾患における中枢神経系を障害する系統萎縮症、粘液水腫における中枢神経系を障害する系統萎縮症等)が挙げられる。
【0057】
本明細書中、「神経変性疾患」としては、例えば、アルツハイマー病(早発性・晩発性)、限局性脳萎縮症、老人性脳変性、アルコールによる神経系の変性、びまん性レビー小体病、大脳皮質基底核変性症、脊髄小脳変性症、フリートライヒ運動失調症、小脳運動失調症、多系統萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、マッカードジョセフ病(ゾレア型運動系統変性)、シャイ・ドレーガー症候群(小脳性運動失調症)、晩発性小脳皮質萎縮症、家族性脊髄小脳失調症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、テイ・サックス病(ヘキソサミニダーゼA欠損症)、亜急性連合性脊髄変性症が挙げられる。
【0058】
本明細書中、「脱髄性疾患」としては、例えば、多発性硬化症、急性播種性脱髄疾患(例えば、視神経脊髄炎(デビック病)、急性および亜急性出血性白質脳炎(ハースト)等)、びまん(広汎)性硬化症、脳梁の中心性脱髄、橋中心部髄鞘崩壊症、汎発硬化症、急性散在性脳脊髄炎、急性小脳炎、横断性脊髄炎、脱髄性疾患における急性横断性脊髄炎、亜急性壊死性脊髄炎、同心性硬化症(バロー)、白質ジストロフィー(例えば、副腎白質ジストロフィー等)が挙げられる。
【0059】
本明細書中、「挿間性および発作性障害」としては、例えば、片頭痛(前兆(アウラ)を伴わない普通型片頭痛、前兆(アウラ)を伴う古典型片頭痛)、片頭痛持続状態、頭痛症候群(例えば、群発頭痛症候群、血管性頭痛、緊張性頭痛、慢性外傷後頭痛、薬物誘発性頭痛等)、一過性脳虚血発作および関連症候群(例えば、椎骨脳底動脈症候群、頸動脈症候群(半球性)、多発性および両側性脳(実質)外動脈症候群、一過性黒内障等)に伴う神経機能障害、脳血管疾患における脳の血管(性)症候群(例えば、中大脳動脈症候群、前大脳動脈症候群、後大脳動脈症候群、脳幹卒中症候群、小脳卒中症候群、純運動性多発性小梗塞(ラクネ)症候群、純感覚性多発性小梗塞(ラクネ)症候群等)に伴う神経機能障害が挙げられる。
【0060】
本明細書中、「脳性麻痺」としては、例えば、痙性脳性麻痺、痙性両(側)麻痺、小児片麻痺、ジスキネジア性脳性麻痺、運動失調性脳性麻痺、片麻痺(例えば、弛緩性片麻痺、痙性片麻痺等)が挙げられる。
【0061】
本明細書中、「中枢神経系のその他の障害」としては、脳のその他の障害(例えば、水頭症(例えば、交通性水頭症、閉塞性水頭症、正常圧水頭症、外傷後水頭症、感染症における水頭症、ガン等の新生物性疾患における水頭症等)、中毒性脳症、脳嚢胞、無酸素性脳損傷、良性頭蓋内圧亢進症、ウイルス感染後疲労症候群、脳症(エンセファロパチー)、脳圧迫、脳浮腫、ライ症候群等)、脊髄のその他の障害(例えば、脊髄空洞症、延髄空洞症、血管性ミエロパチー、脊髄圧迫、急性脊髄圧迫、亜急性脊髄圧迫、慢性脊髄圧迫等)、脳脊髄液漏、髄膜障害、神経系の処置後障害(例えば、脊椎穿刺からの脳脊髄液漏、脊椎および腰椎穿刺に対する反応、脳室短絡術に続発する低頭蓋内圧症(低脳圧)等)、プロテウス症候群等が挙げられる。
【0062】
本明細書中、「中枢神経系の炎症性疾患」としては、例えば、感染症における髄膜炎(例えば、細菌性髄膜炎(例えば、インフルエンザ菌性髄膜炎、肺炎球菌性髄膜炎、レンサ球菌性髄膜炎、ブドウ球菌性髄膜炎等)、ウイルス疾患における髄膜炎、真菌症における髄膜炎等)、その他の髄膜炎(例えば、非化膿性髄膜炎、慢性髄膜炎、良性再発性髄膜炎(モラレ髄膜炎)、ガン性髄膜炎等)、脳炎、脊髄炎および脳脊髄炎(例えば、急性播種性脳炎、熱帯性痙性対麻痺、細菌性髄膜脳炎および髄膜脊髄炎、感染症(例えば、細菌性疾患、ウイルス疾患等)における脳炎、脊髄炎および脳脊髄炎等)、頭蓋内(例えば、硬膜外および硬膜下)膿瘍および肉芽腫、脊椎管内膿瘍および肉芽腫、頭蓋内および脊椎管内の静脈炎および血栓(性)静脈炎等が挙げられる。
【0063】
本明細書中、「中枢神経系のウイルス感染症」としては、例えば、麻痺性または非麻痺性急性灰白髄炎(ポリオ)、スローウイルス感染症(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性多巣性白質脳症等)、腸内ウイルス性発疹熱(ボストン発疹)、流行性めまい、コクサッキーウイルス感染症、エンテロウイルス感染症等が挙げられる。
【0064】
本明細書中、「皮膚および粘膜病変を特徴とする中枢神経系のウイルス感染症」としては、例えば、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、帯状疱疹性脳炎、帯状疱疹性髄膜炎、風疹(ドイツ麻疹)等が挙げられる。
【0065】
本明細書中、「結核による神経機能障害」としては、例えば、結核性髄膜炎、髄膜(性)結核腫等による神経機能障害が挙げられる。
【0066】
本明細書中、「性的伝播様式をとる感染症」としては、例えば、先天梅毒(例えば、晩期先天神経梅毒(若年性神経梅毒)等)、晩期梅毒、顕性神経梅毒、無症候性神経梅毒、神経梅毒等が挙げられる。
【0067】
本明細書中、「中枢神経系の感染症(例えば、中枢神経系結核、灰白髄炎(ポリオ)、ハンセン病、エイズ、ウイルス性脳炎等)の続発・後遺症として起こる神経機能障害」としては、例えば、ポリオ後症候群、ポリオ後筋萎縮、ハンセン病における神経炎、エイズにおける神経炎等が挙げられる。
【0068】
本明細書中、「中枢神経系の原虫疾患」としては、例えば、脳合併症を伴う熱帯熱マラリア、慢性シャガス病等が挙げられる。
【0069】
本明細書中、「中枢神経系の蠕虫症」としては、例えば、中枢神経系の嚢(尾)虫症等が挙げられる。
【0070】
本明細書中、「栄養欠乏症(例えば、チアミン欠乏症、ビタミンB欠乏症、ビタミンB12欠乏症等)における神経機能障害」としては、例えば、ウェルニッケ脳症(エンセファロパチー)、無βリポタンパク血症(バッセン・コルンツバイク症候群)等が挙げられる。
【0071】
本明細書中、「脳および中枢神経系の悪性新生物」としては、例えば、脳(脳葉および脳室を除く大脳、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、脳室、小脳、脳幹、脳の境界部病巣)、髄膜(脳髄膜、脊髄膜)、脊髄、馬尾、中枢神経系のその他の部位の境界部に発生する悪性新生物(例えば、脳腫瘍(例えば、星状膠細胞腫、脳膿瘍等))等が挙げられる。
【0072】
本明細書中、「中枢神経系の良性新生物」としては、例えば、中枢神経線維腫、硬膜外膿瘍、硬膜下膿瘍、硬膜外腫瘍、髄膜腫(脳髄髄膜腫、脊髄髄膜腫)等が挙げられる。
【0073】
本明細書中、「脳血管疾患」としては、例えば、脳卒中、脳出血(例えば、高血圧性脳内出血、クモ膜下出血、硬膜下出血、硬膜外出血等)、脳梗塞(例えば、脳血栓、脳塞栓等)、一過性脳虚血発作、再灌流障害、脳実質外動脈の閉塞および狭窄、脳動脈の閉塞および狭窄、脳動脈壁の非(未)破裂性解離、非(未)破裂性脳動脈瘤、脳動脈のアテローム(粥状)硬化(症)、進行性血管性白質脳症、高血圧性脳症、もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)、頭蓋内静脈系の非化膿性血栓症、脳動脈炎、脳アミロイド血管症、感染症における脳動脈炎、血液量減少性ショック等が挙げられる。
【0074】
本明細書中、「中枢神経系の頭部損傷」としては、例えば、頭蓋内損傷、振とう、外傷性脳浮腫、びまん性脳損傷、局所性脳損傷、硬膜外出血、外傷性硬膜下出血、外傷性クモ膜下出血、脳挫傷・貫入・せん断・圧迫・裂傷、分娩時外傷、乳児むち打ち揺さぶり症候群等が挙げられる。
【0075】
本明細書中、「脊柱(後頭環軸部、頸部、頸胸部、胸部、胸腰部、腰部、腰仙部、仙骨部および仙尾骨部)障害における中枢神経系の神経機能障害」としては、例えば、脊椎骨折、脊髄損傷(挫傷、裂傷、離断等)、急性横断脊髄損傷等に伴う神経機能障害、脊柱障害(例えば、脊椎症、脊柱管狭窄、変形性脊柱障害(変形性脊椎症)、変形性関節症、ミエロパチー(脊髄障害)を伴う反復性環軸関節亜脱臼、脊椎結核、神経障害性脊椎障害等)における神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、その他の脊柱障害(例えば、椎間板障害、椎間板ヘルニア(髄核ヘルニア)、椎間板変性症、椎間板破裂、椎間板脱出、頸椎症、頸腕症候群、脊椎不安定症、背部痛、頸部痛、坐骨神経痛、坐骨神経痛を伴う腰痛症、下背部痛、胸椎の疼痛、神経根障害、血腫による脊髄障害、進行性脊髄障害等)における神経機能障害、脊髄ショック、ブラウン・セカール症候群等が挙げられる。
【0076】
本明細書中、「妊娠に関連する中枢神経系の母体障害(例えば、妊娠中の麻酔合併症(例えば、麻酔による中枢神経系合併症、局所麻酔に対する中毒反応、脊髄または硬膜外麻酔誘発性頭痛等)等)に伴う神経機能障害」としては、例えば、妊娠舞踏病等が挙げられる。
【0077】
本明細書中、「分娩・産褥に伴う神経機能障害」としては、例えば、分娩・産褥における麻酔合併症(例えば、麻酔の中枢神経系合併症、局所麻酔に対する中毒反応、脊髄麻酔および硬膜外麻酔誘発性頭痛等)に伴う神経機能障害等が挙げられる。
【0078】
本明細書中、「中枢神経系の出産時の外傷」としては、例えば、中枢神経系の出産時の損傷(例えば、出産時の損傷による脳浮腫、出産時の損傷による脳傷害、脊椎および脊髄の出産時の損傷等)等が挙げられる。
【0079】
本明細書中、「周産期に発生した障害」としては、例えば、新生児の脳の異常(例えば、新生児脳虚血、新生児の後天性脳室周囲嚢胞、新生児の脳白質軟化、新生児の脳易刺激性、新生児の脳抑制、新生児昏睡等)等が挙げられる。
【0080】
本明細書中、「中毒および/またはその続発・後遺症によって神経機能障害を起こす薬物、薬剤および生物学的製剤」としては、例えば、全身性抗生物質、全身性抗感染薬、抗寄生虫薬、ホルモン類、その合成代替薬および拮抗薬、非オピオイド系鎮痛薬、解熱薬、抗リウマチ薬、麻薬、精神変容薬(幻覚発現薬)、麻酔薬、治療用ガス類、抗てんかん薬、鎮静・催眠薬、抗パーキンソン病薬、向精神薬、主として自律神経系に作用する薬物、主として全身および血液に作用する薬物、主として心血管系に作用する薬物、主として消化器系に作用する薬物、主として平滑筋、骨格筋および呼吸器系に作用する薬物、主として皮膚および粘膜に作用する局所用薬物、眼科用薬、耳鼻咽喉科用薬および歯科用薬、利尿薬、その他の薬物、薬剤および生物学的製剤等が挙げられる。
【0081】
本明細書中、「毒作用(中毒)および/またはその続発・後遺症によって神経機能障害を起こす薬用を主としない物質」としては、例えば、アルコール、有機溶剤、脂肪族および芳香族炭化水素のハロゲン誘導体、腐食性物質、石鹸、洗浄剤、金属(鉛、有機水銀等)、その他の無機物質(ヒ素、カドミウム等)、一酸化炭素、その他の気体(サリン、ソマン、タブン、VXガス等)、フュームおよび蒸気、農薬、海産食品として摂取された有害物質、食物として摂取されたその他の有害物質、有毒動物との接触、アフラトキシンおよびその他の真菌毒素(マイコトキシン等)による食物汚染物質等が挙げられる。
【0082】
本明細書中、「神経機能障害を起こすその他の作用」としては、例えば、放射線、熱、光線、気圧または水圧等を原因とする、熱性失神、熱(性)痙攣、耳の気圧性外傷、副鼻腔の気圧性外傷、潜函病(減圧病)、血管神経浮腫および/またはその続発・後遺症等が挙げられる。
【0083】
本明細書中、運動機能障害と考えられるその他の症状および徴候としては、以下に列挙する「しびれ、疼痛および神経因性疼痛」、「神経系および筋骨格系に関する症状および徴候」、「皮膚および皮下組織に関する症状および徴候」、「会話および音声に関する症状および徴候」、「認識、知覚、情緒状態および行動に関する症状および徴候」、「小児期、児童期および青年期に発症する行動および情緒の障害」等が挙げられ、「しびれ、疼痛および神経因性疼痛」としては、例えば、しびれ、急性疼痛、急性術後疼痛、手術後疼痛症候群(例えば、乳房切除後症候群、断端痛等)、慢性疼痛、慢性難治性疼痛(アロディニア)、末梢性ニューロパチー痛、ガン性疼痛、神経障害性疼痛症候群、有痛性外傷単神経障害、有痛性多発神経障害、糖尿病性末梢神経障害疼痛、中枢性疼痛症候群、複雑局所疼痛症候群、反射交感神経ジストロフィー、灼熱痛、幻肢痛、カウザルギー、ラムゼーハント症候群等が挙げられ、「神経系および筋骨格系に関する症状および徴候」としては、例えば、異常不随意運動(ジスキネジア)(例えば、異常頭部運動、振戦、(有痛性)痙攣、筋線維束性攣縮、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群等)、歩行および移動の異常(例えば、失調性歩行、麻痺性歩行、歩行困難等)、その他の協調運動障害(例えば、運動失調症、小脳性運動失調(シャイ・ドレーガー症候群)、毛細血管拡張性運動失調症等)、神経系および筋骨格系に関するその他の症状および徴候(例えば、テタニー、髄膜症(メニンギスムス)、異常反射、足底部の伸筋反射異常、バビンスキー徴候、姿勢異常、股関節部クリック、痙縮、筋緊張亢進、筋緊張症、深部腱反射亢進、筋緊張低下、筋痛症、嚥下障害、注視クリーゼ等)等が挙げられ、「皮膚および皮下組織に関する症状および徴候」としては、例えば、皮膚感覚障害(例えば、皮膚の知覚(感覚)脱失、低下、異常(症)、手袋型感覚障害、ティネル症候(混信)、知覚(感覚)過敏、触覚過敏、痛覚過敏等)等が挙げられ、「会話および音声に関する症状および徴候」としては、例えば、会話の障害(例えば、不全失語症、失語症、構音障害、失構語症等)、音声の障害(例えば、発声障害(発声困難)、失声(発声不能)症、高鼻音および低鼻音等)、会話および言語の特異的発達障害(例えば、特異的会話構音障害、表出性言語障害、受容性言語障害、てんかんを伴う後天性失語症(ランドウ・クレフナー症候群)等)等が挙げられ、「認識、知覚、情緒状態および行動に関する症状および徴候」としては、例えば、めまい感、よろめき感、嗅覚障害(例えば、無嗅覚症、嗅覚錯誤(錯嗅覚症)等)、味覚障害(例えば、味覚錯誤(錯味症)等)、一般感覚および知覚に関するその他の症状および徴候(例えば、幻聴、幻視、その他の幻覚等)、運動機能の特異的発達障害等が挙げられ、「小児期、児童期および青年期に発症する行動および情緒の障害」としては、例えば、チック障害(例えば、一過性チック障害、慢性運動性または音声性チック障害、音声性および多発運動性の両者を含むチック障害(ジル・ドゥ・ラ・トゥーレット症候群)等)、小児(児童)期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害(例えば、常同性運動障害、吃音症、早口(乱雑)言語症等)等が挙げられる。
【0084】
本明細書中、神経機能障害とは、神経機能の障害であれば全て包含する。
【0085】
本明細書中、「治療」とは、病態を治癒の方向へ導くことを意味し、「進展抑制」とは、症状の進展・増悪を抑制し病態の進行をとどめることを意味する。
【0086】
本発明において、(2R)−2−プロピルオクタン酸とは、式(A)
【0087】
【化1】

【0088】
(式中、
【0089】
【化2】

【0090】
はβ−配置を表す。)
で示される化合物である。
【0091】
(2R)−2−プロピルオクタン酸の塩としては、毒性の低い、水溶性のものが好ましく、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N−メチル−D−グルカミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン等)との塩、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン等)との塩等が挙げられる。これらの塩のうちより好ましくは、例えば、アルカリ金属塩または塩基性アミノ酸との塩等であり、とりわけナトリウム塩が好ましい。
【0092】
(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩の溶媒和物としては、毒性の低い、水溶性のものが好ましく、例えば、水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。
【0093】
本発明において、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩またはその溶媒和物は、実質的に純粋で単一な物質であるものに限定されず、不純物(例えば、製造工程に由来する副生成物、溶媒、原料または分解物等)を、医薬品原薬として許容される範囲であれば含有していてもよい。医薬品原薬として許容される不純物の含有量は、その含有される不純物によって異なるが、例えば、重金属は約20ppm以下、光学異性体は約5質量%以下、残留溶媒である2−プロパノールやヘプタンは合計約5000ppm以下、水分は約0.2質量%以下であることが好ましい。また本発明に用いる(2R)−2−プロピルオクタン酸の光学純度は99%ee以上であることが好ましく、99.3%ee以上がより好適である。
【0094】
本発明において、(2R)−2−プロピルオクタン酸のプロドラッグとは、通常、当業者によって用いられるように、(2R)−2−プロピルオクタン酸の誘導体であって、体内で酵素的または化学的に変換されることで(2R)−2−プロピルオクタン酸となる化合物であればよく、その構造は特に限定されるものではない。(2R)−2−プロピルオクタン酸のプロドラッグとしては、例えば、カルボキシ基がエステル化された化合物(例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸のメチルエステル、エチルエステル、フェニルエステル、カルボキシメチルエステル、ジメチルアミノメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルオキシエチルエステル、フタリジルエステル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル、またはシクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル等)、カルボキシ基がアミド化された化合物(例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸のメチルアミド、エチルアミド、またはフェニルアミド等)、カルボキシ基が還元された化合物およびその保護体(例えば、(2R)−2−プロピルオクタノール、または酢酸の(2R)−2−プロピルオクタニルエステル等)等が挙げられる。これらの化合物は公知の方法によって製造することができる。また、(2R)−2−プロピルオクタン酸のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163−198頁に記載されているような、生理的条件で(2R)−2−プロピルオクタン酸に変化するものであってもよい。さらに(2R)−2−プロピルオクタン酸のプロドラッグは塩あるいは溶媒和物であってもよい。該プロドラッグの塩としては、毒性のない、水溶性のものが好ましく、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N−メチル−D−グルカミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン等)との塩、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン等)との塩、酸付加物塩(例えば、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等)との塩および有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、イセチオン酸、グルクロン酸、グルコン酸等)との塩)等が挙げられる。
【0095】
本明細書中、「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグ」としては、(2R)−2−プロピルオクタン酸、(2R)−2−プロピルオクタン酸のナトリウム塩、(2R)−2−プロピルオクタン酸のフェネチルアミン塩、(2R)−2−プロピルオクタン酸メチルエステル等が好ましく、(2R)−2−プロピルオクタン酸がより好ましい。
【0096】
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグは、それ自体公知の方法、例えば、欧州特許第0632008号明細書、国際公開第99/58513号パンフレット、国際公開第00/48982号パンフレット、特許第3032447号明細書、特許第3084345号明細書等に記載された方法に従って、またはそれらの方法を適宜組み合わせることで製造することができる。また所望によって、凍結乾燥等の処理に付してもよい。
【0097】
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれを全て包含する。例えば、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、全て本発明に含まれる。また(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグは同位元素(例えば、H、14C、35S、125I等)で標識されていてもよい。
【0098】
[医薬品への適用]
本発明の(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有してなる薬剤(以下、「本発明の薬剤」と略記することがある。)は、運動機能障害の予防、治療および/または進展抑制剤として有用である。該運動機能障害には「末梢神経系疾患に起因する運動機能障害」、「中枢神経系疾患に起因する運動機能障害」および「それらに分類できないその他の運動機能障害の症状および徴候」の全てを包含する。運動機能障害の原因となる末梢神経系疾患としては、例えば、ニューロパチー(単(モノ)ニューロパチー(上肢の単ニューロパチー(例えば、手根管症候群、正中神経障害、尺骨神経障害(例えば、尺骨神経麻痺、遅発性尺骨神経麻痺等)、橈骨神経障害(例えば、橈骨神経麻痺(土曜の夜の麻痺)、橈骨管症候群等)、肘部管症候群、カウザルギー等)、下肢の単ニューロパチー(例えば、坐骨神経障害、異常感覚性大腿痛、大腿神経障害、外側膝窩神経障害、内側膝窩神経障害、腓骨神経麻痺、圧迫性腓骨ニューロパチー、腓骨筋萎縮、足根管症候群、足底神経障害等)、その他の単ニューロパチー(例えば、肋間ニューロパチー、多発性単神経炎、糖尿病性単ニューロパチー、局所性モノニューロパチー、有痛性外傷単ニューロパチー等))、多発ニューロパチー(遺伝性および特発性ニューロパチー(例えば、急性および/または慢性炎症性ニューロパチー、遺伝性運動性および感覚性ニューロパチー、シャルコー・マリー・トゥース病、デジェリン・ソッタ病、遺伝性圧脆弱性神経障害、レフサム病、遺伝性運動失調症に関連するニューロパチー、特発性進行性ニューロパチー、肥厚性間質性ニューロパチー、感覚運動ニューロパチー、運動感覚性遠位性多発ニューロパチー等)、炎症性多発ニューロパチー(例えば、急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、ランドリー上行性麻痺、急性上行性運動ニューロパチー、血清ニューロパチー、血管炎によるニューロパチー、慢性再発性多発ニューロパチー等)、その他の多発ニューロパチー(例えば、感染症(帯状疱疹、ライム病、ハンセン病、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、寄生虫(例えば、ダニ等)感染症等)による多発ニューロパチー、ガン等の新生物性疾患による多発ニューロパチー、多発性骨髄腫によるニューロパチー、単クローン性高ガンマグロブリン血症における多発ニューロパチー、糖尿病性多発ニューロパチー、タンパク異常血症性ニューロパチー、サルコイドーシスにおけるニューロパチー、アミロイドーシスにおけるニューロパチー、尿毒症におけるニューロパチー、その他の内分泌疾患および代謝疾患における多発ニューロパチー、急性間歇性ポルフィリン症における多発ニューロパチー、栄養障害性ニューロパチー、ビタミン(例えば、ビタミンB、ビタミンB12等)欠乏症における多発ニューロパチー、慢性ピリドキシン中毒性ニューロパチー、全身性結合組織障害における多発ニューロパチー、膠原血管病(例えば、結節性多発動脈炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、関節リウマチ等)における多発ニューロパチー、その他の筋骨格障害における多発ニューロパチー、薬物(例えば、バルビタール、フェニトイン、ジダノシン、ザルシタビン、エメチン、ヘキソバルビタール、クロロブタノール、スルホンアミド、ニトロフラントイン、トリオルトクレジールリン酸、オルトジニトロフェノール、ビンカアルカロイド類等)誘発性多発ニューロパチー、アルコール性多発ニューロパチー、その他の毒性物質(例えば、ジフテリア毒素、鉛等の重金属、ダプソン、一酸化炭素等)による多発ニューロパチー、有痛性外傷多発ニューロパチー等)))、ニューロパチー以外の神経、馬尾神経、神経根および神経叢の障害(例えば、三叉神経障害(例えば、特発性または症候性三叉神経痛等)、舌咽神経障害(例えば、特発性または症候性舌咽神経痛等)、顔面神経障害(例えば、一側性顔面麻痺、間代性一側性顔面痙攣、ベル麻痺、顔面ミオキミア(筋波動症)、膝状神経節炎、メルカーソン症候群、非定型顔面痛等)、その他の脳神経障害(例えば、嗅神経障害、迷走神経障害、舌下神経障害、多発性脳神経障害、感染症における多発性脳神経麻痺、サルコイドーシスにおける多発性脳神経麻痺、ガン等の新生物性疾患における多発性脳神経麻痺、血腫による脳神経障害等)、疼痛性チック、帯状疱疹後神経痛、神経痛性筋萎縮症、幻肢症候群、幻肢痛、神経根引抜損傷、神経血管症候群、頸髄神経根障害、胸髄神経根障害、腰仙髄神経根障害、急性上腕神経炎、急性腕神経叢炎、上腕神経叢障害、腰仙(骨)神経叢障害、その他の疾患による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害(例えば、有痛性神経根障害、多発性根障害、胸郭出口圧迫症候群、肩甲帯神経血管圧迫症候群、前斜角筋症候群、頸部肋骨症候群、ガン等の新生物性疾患(例えば、転移ガン、乳ガン、肺ガン、神経線維腫等)による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害(例えば、ガンによる後根神経節炎)、椎間板障害(ヘルニア)による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害、脊柱障害(例えば、脊椎症、脊柱管狭窄等)による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、線維症による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害、血腫による神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害等)、眼筋、眼球運動、調節および屈折の障害(例えば、脳神経麻痺(例えば、第3脳神経(動眼神経)麻痺、第4脳神経(滑車神経)麻痺、第6脳神経(外転神経)麻痺、全(外)眼筋麻痺、進行性外眼筋麻痺、ミトコンドリア多系統疾患(例えば、眼筋麻痺等)、麻痺性斜視等)、動眼神経モノニューロパチー、外転神経モノニューロパチー、両眼運動のその他の障害(例えば、共同注視麻痺、核間(眼筋)麻痺、輻輳(開散)不全、輻輳(開散)過多等)等)、内耳疾患における神経機能障害(例えば、前庭機能障害(例えば、前庭神経炎、メニエール病、良性発作性めまい等)、その他の末梢性めまい、中枢性めまい等)、皮膚および粘膜病変を特徴とするウイルス感染症(例えば、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、風疹(ドイツ麻疹)、ライム病、ジフテリア等)に伴う神経機能障害、原虫疾患(例えば、慢性シャガス病等)に伴う神経機能障害、糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM)、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)または栄養障害に関連する糖尿病)における神経機能障害(例えば、糖尿病性神経炎、糖尿病性末梢神経障害疼痛、糖尿病による疼痛性上位腰神経障害等)、代謝障害における神経機能障害(例えば、スフィンゴリピド代謝障害および脂質蓄積障害(例えば、神経系セロイドリポフスチン症、脂質貯蔵病等)における神経機能障害、レフスム病(フィタン酸蓄積症)、アミロイドーシス(例えば、ニューロパチー性遺伝性家族性アミロイドーシス等)、糖原病における神経機能障害、筋糖原病における神経機能障害、腎不全による神経機能障害、副腎疾患による神経機能障害、ミトコンドリア多系統疾患(例えば、運動失調、眼筋麻痺、ミオパチー等)等)、甲状腺障害における神経機能障害(例えば、神経型先天性ヨード欠乏症候群、甲状腺機能低下症、甲状腺中毒性ミオパチー等)、中皮および軟部組織の悪性新生物による神経機能障害(例えば、頭部、顔面、頸部、上肢、下肢、胸郭部、腹部、骨盤、体幹の末梢神経および自律神経系あるいは末梢神経と自律神経系との境界部の悪性新生物による神経機能障害等)、その他の脳神経(例えば、嗅神経、視神経、聴神経等)の悪性新生物(例えば、視神経膠腫、聴神経腫瘍(例えば、前庭シュワン細胞腫、両側性聴神経腫瘍等)、聴神経髄腫等)による神経機能障害、脳神経のその他の部位、末梢神経および自律神経系の良性新生物による神経機能障害(例えば、末梢神経線維腫による神経機能障害、レックリングハウゼン病等)、頭部損傷(例えば、脳神経損傷(視神経および視路の損傷、動眼神経損傷、滑車神経損傷、三叉神経損傷、外転神経損傷、顔面神経損傷、聴神経損傷、副神経損傷等)等)に伴う神経機能障害、頸部損傷に伴う神経機能障害(例えば、頸髄の振とうおよび浮腫に伴う神経機能障害、頸髄の損傷に伴う神経機能障害、頸椎の神経根損傷、腕神経叢損傷、頸部の末梢神経損傷、頸部交感神経損傷等)、脊柱(後頭環軸部、頸部、頸胸部、胸部、胸腰部、腰部、腰仙部、仙骨部および仙尾骨部)障害における神経機能障害(例えば、脊椎骨折、脊髄損傷(挫傷、裂傷、離断等)、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、急性横断脊髄損傷等に伴う神経機能障害、脊柱障害(例えば、脊椎症、変形性脊柱障害(変形性脊椎症)、変形性関節症、ミエロパチー(脊髄障害)を伴う反復性環軸関節亜脱臼、脊椎結核、神経障害性脊椎障害等)における神経機能障害、その他の脊柱障害(例えば、椎間板障害、椎間板ヘルニア(髄核ヘルニア)、椎間板変性症、椎間板破裂、椎間板脱出、頸椎症、頸腕症候群、脊椎不安定(症)、背部痛、頸部痛、坐骨神経痛、坐骨神経痛を伴う腰痛症、下背部痛、胸椎の疼痛、神経根障害、血腫による脊髄障害、進行性脊髄障害等)における神経機能障害、脊髄ショック、ブラウン・セカール症候群等)、体幹および四肢の損傷(例えば、「胸郭部損傷」、「腹部、下背部、腰椎および骨盤部の損傷」、「肩および上腕の損傷」、「肘および前腕の損傷」、「手首および手の損傷」、「股関節部および大腿の損傷」、「膝および下腿の損傷」、「足首および足の損傷」およびその他の体幹、四肢の神経、脊髄神経根および神経叢の損傷等)に伴う神経機能障害、胸郭部損傷(例えば、胸髄の振とうおよび浮腫、胸髄の損傷、胸椎の神経根損傷、胸郭部の末梢神経損傷、胸郭部交感神経損傷等)に伴う神経機能障害、腹部、下背部、腰椎および骨盤部の損傷(例えば、腰髄の振とうおよび浮腫、腰髄の損傷、腰椎および仙椎の神経根損傷、馬尾損傷、腰仙神経叢損傷、腰部、仙骨部および骨盤部の交感神経損傷、腹部、下背部および骨盤部の末梢神経損傷等)に伴う神経機能障害、肩および上腕の損傷(例えば、上腕の尺骨神経、正中神経、橈骨神経損傷、腋窩神経損傷、筋皮神経損傷、肩および上腕の皮膚知覚神経損傷、肩および上腕の多発性神経損傷等)に伴う神経機能障害、肘および前腕の損傷(例えば、前腕の尺骨神経、正中神経、橈骨神経損傷、前腕の皮膚知覚神経損傷、前腕の多発性神経損傷等)に伴う神経機能障害、手首および手の損傷(例えば、手首および手の尺骨神経、正中神経、橈骨神経損傷、母指の指神経損傷、その他の指の指神経損傷、手首および手の多発性神経損傷等)に伴う神経機能障害、股関節部および大腿の損傷(例えば、股関節部および大腿の坐骨神経、大腿神経損傷、股関節部および大腿の皮膚知覚神経損傷、股関節部および大腿の多発性神経損傷等)に伴う神経機能障害、膝および下腿の損傷(例えば、下腿の脛骨神経、腓骨神経損傷、下腿の皮膚知覚神経損傷、下腿の多発性神経損傷等)に伴う神経機能障害、足首および足の損傷(例えば、外側足底神経損傷、内側足底神経損傷、足首および足の深腓骨神経損傷、足首および足の皮膚知覚神経損傷、足首および足の多発性神経損傷等)に伴う神経機能障害、多部位の損傷(例えば、頸部の神経および脊髄の損傷を伴う脳神経の損傷等)に伴う神経機能障害、損傷による影響の続発・後遺症として起こる神経機能障害(例えば、頭部損傷(例えば、頭部の表在損傷、頭部の開放創、頭蓋および顔面骨骨折、脳神経損傷、眼および眼窩の損傷、頭蓋内損傷)、頸部および体幹損傷(例えば、頸部および体幹の表在損傷および開放創、脊椎骨折、胸郭部および骨盤部のその他の骨折、脊髄損傷、胸腔内臓器損傷、腹腔内および骨盤臓器の損傷)、上肢の損傷(例えば、上肢の開放創、腕の骨折、手首および手の骨折、上肢の脱臼、捻挫およびストレイン、上肢の神経損傷、上肢の筋および腱の損傷、上肢の挫滅損傷および外傷性切断)、下肢の損傷(例えば、下肢の開放創、大腿骨骨折、下肢のその他の骨折、下肢の脱臼、捻挫およびストレイン、下肢の神経損傷、下肢の筋および腱の損傷、下肢の挫滅損傷およ
び外傷性切断)の続発・後遺症として起こる神経機能障害等)、軟部組織障害(例えば、リウマチ(関節リウマチ)、筋痛、筋肉痛、神経痛、神経炎または四肢痛等)、炎症性多発性関節障害(例えば、神経障害性関節障害等)、出産時の外傷(例えば、脳神経(例えば、顔面神経等)等の末梢神経系の出産時の損傷、上腕神経叢の出産時の牽引等による損傷等)に伴う神経機能障害(例えば、出産時の損傷によるエルプ麻痺、クルンプケ麻痺、横隔神経麻痺等)、周産期に発生した障害(例えば、新生児の筋緊張障害、一過性新生児重症筋無力症、先天性筋緊張亢進、トムセン病、先天性筋緊張低下、新生児のその他の筋緊張障害等)、自律神経系障害(例えば、特発性末梢性自律神経ニューロパチー、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー、家族性自律神経異常症(ライリー・デイ症候群)、ホルネル症候群、多系統変性症、内分泌疾患および代謝疾患における自律神経ニューロパチー、その他の疾患におけるミエロパチー等)、神経筋接合部の疾患(例えば、重症筋無力症、新生児筋無力症、先天性筋無力症症候群、眼筋重症筋無力症、その他の神経筋障害(例えば、中毒(例えば、ボツリヌス中毒等)性神経筋接合部疾患、薬物または毒物(例えば、コリン作用薬、抗生物質、有機リン酸エステル系殺虫薬、神経ガス等)による中毒性神経筋伝達障害、内分泌疾患における筋無力症症候群、イートン・ランバート症候群、全身性強直症候群、アイザック症候群、筋波動症、間欠性痙攣、偽性筋硬直、ガン等の新生物性疾患における筋無力症症候群)等)、麻痺性症候群(例えば、運動麻痺、対麻痺および四肢麻痺(例えば、弛緩性対麻痺、痙性対麻痺、弛緩性四肢麻痺、痙性四肢麻痺等)、上肢の両(側)麻痺、上肢の単麻痺、下肢の単麻痺、その他の単麻痺、下肢の痙性不全麻痺、馬尾症候群、両側性四肢麻痺、反対側片麻痺、交代性片麻痺等)、筋疾患(例えば、原発性筋障害(筋原性疾患)である筋ジストロフィー(進行性筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、肢体型筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー(三好型・空胞型)、顔面肩甲骨上腕(ランドゥジー・デジェリン)型筋ジストロフィー、筋強直性(筋緊張性)筋ジストロフィー、シュタイネルト病、眼球咽頭型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、メロシン陽性型先天性筋ジストロフィー、メロシン陰性型先天性筋ジストロフィー等)、ジストロフィン異常症、サルコグリカン異常症、ウォーカー・ワールブルク症候群、サンタヴォリ症候群、チャネロパチー、先天性ミオパチー、中心コア病、中心核ミオパチー、ネマリンミオパチー、ミトコンドリア性ミオパチー、乳児ミオパチー、炎症性ミオパチー、その他のミオパチー(例えば、眼咽頭遠位型ミオパチー、空砲型遠位型ミオパチー、感染症(例えば、旋毛虫症等)におけるミオパチー、内分泌疾患におけるミオパチー、甲状腺機能低下症によるミオパチー、甲状腺中毒性ミオパチー、代謝疾患におけるミオパチー、高カルシウム症におけるミオパチー、低リン酸血症におけるミオパチー、薬物誘発性ミオパチー、アルコール性ミオパチー、毒性物質によるミオパチー等)、多系統脳筋症、進行性外眼筋麻痺、カーンズ・セイアー症候群、メラス(MELAS)症候群、マーフ(MERFF)症候群、ミトコンドリア脳筋症、周期性四肢麻痺、家族性周期性麻痺、ミオグロビン尿症、筋炎(例えば、間質性筋炎、外傷性骨化性筋炎、進行性骨化性筋炎、筋の麻痺性石灰化および骨化、細菌性疾患における筋炎、原虫および寄生虫感染症における筋炎、サルコイドーシスにおける筋炎等)、その他の筋障害(例えば、クッシング症候群、先端巨大症、移動不能症候群(対麻痺性)、筋拘縮、筋の消耗および萎縮、筋ストレイン、ミオトニア、先天性ミオトニア、トムゼン病、先天性筋硬直症等)等)および全身性結合組織障害(例えば、皮膚筋炎(例えば、若年性皮膚筋炎等)、多発性筋炎、その他の全身性結合組織疾患(例えば、リウマチ性多発筋痛症、ガン等の新生物性疾患における皮膚(多発)筋炎等)等)等が挙げられる。運動機能障害の原因となる中枢神経系疾患としては、例えば、錐体外路障害および異常運動(例えば、パーキンソン病、原発性パーキンソン症候群、続発性パーキンソン症候群、若年性パーキンソン症候群、悪性症候群、神経遮断薬性悪性症候群、薬物誘発性続発性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、基底核の変性疾患(例えば、ハラーフォルデン・シュパッツ病、進行性核上性(眼筋)麻痺(スチール・リチャードソン・オルツェウスキー病)、線条体黒質変性症等)、ジスキネジア(異常運動)、ジストニア(異緊張症)(例えば、薬物誘発性ジストニア、特発性家族性ジストニア、特発性非家族性ジストニア、全身性ジストニア(変形性筋ジストニア)、局所ジストニア、痙性斜頸、特発性口顔面ジストニア、眼瞼痙攣、髄節性ジストニア等)、その他の錐体外路障害および異常運動(例えば、振戦(例えば、本態性振戦、薬物誘発性振戦、パーキンソン病における静止時振戦、小脳疾患における振戦、肝性羽ばたき振戦(固定姿勢保持困難)、企図振戦、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群等)、ミオクローヌス(例えば、口蓋ミオクローヌス、進行性ミオクローヌスてんかん、動作時ミオクローヌス、頭部外傷または低酸素虚血性脳損傷後のミオクローヌス、アルツハイマー性ミオクローヌス、遅発性ウイルス感染症(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、亜急性硬化性全脳炎等)によるミオクローヌス、尿毒症におけるミオクローヌス等)、薬物誘発性舞踏病、慢性進行性舞踏病、遺伝性舞踏病、その他の舞踏病−無定位運動症(例えば、シドナム舞踏病、妊娠舞踏病等)、チック(例えば、薬物誘発性チック、器質的原因によるチック等)、遺伝性多発性チック障害(トゥレット症候群)、アテトーシス、舞踏アテトーゼ運動、ヘミパリズム等)等)、系統萎縮症(例えば、ハンチントン病(ハンチントン舞踏病)、遺伝性運動失調症(例えば、先天性非進行性運動失調症、早発性小脳性運動失調症、晩発性小脳性運動失調症、障害DNA修復を伴う小脳性運動失調症、遺伝性痙性対麻痺、家族制痙性対麻痺等)、脊髄性(進行性)筋萎縮症および関連症候群(例えば、1型乳児型脊髄性筋萎縮症(ウェルドニッヒ・ホフマン病)、ウォールハルト・クーゲルベルク・ウェランダー病、球脊髄性筋萎縮症(ケネディ・オルター・スン症候群)、その他の遺伝性脊髄性筋萎縮症等)、進行性神経筋肉萎縮病、その他の運動ニューロン疾患(運動神経病、皮質脊髄路、脊髄前角細胞および/または延髄運動核の障害およびそれに伴う疾患)、原発性側索硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)、家族性筋萎縮性側索硬化症、進行性球麻痺、進行性偽球性麻痺、新生物関連ニューロミオパチーおよびニューロパチー(例えば、新生物(腫瘍)随伴症候群、新生物性疾患における中枢神経系を障害する系統萎縮症、粘液水腫における中枢神経系を障害する系統萎縮症等)等)、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病(早発性・晩発性)、限局性脳萎縮(症)、老人性脳変性、アルコールによる神経系の変性、びまん性レビー小体病、大脳皮質基底核変性症、脊髄小脳変性症、フリートライヒ運動失調症、小脳運動失調症、多系統萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、マッカードジョセフ病(ゾレア型運動系統変性)、シャイ・ドレーガー症候群(小脳性運動失調症)、晩発性小脳皮質萎縮症、家族性脊髄小脳失調症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、テイ・サックス病(ヘキソサミニダーゼA欠損症)、亜急性連合性脊髄変性症等)、脱髄性疾患(例えば、多発性硬化症、急性播種性脱髄疾患(例えば、視神経脊髄炎(デビック病)、急性および亜急性出血性白質脳炎(ハースト)等)、びまん(広汎)性硬化症、脳梁の中心性脱髄、橋中心部髄鞘崩壊症、汎発硬化症、急性散在性脳脊髄炎、急性小脳炎、横断性脊髄炎、脱髄性疾患における急性横断性脊髄炎、亜急性壊死性脊髄炎、同心性硬化症(バロー)、白質ジストロフィー(例えば、副腎白質ジストロフィー等)等)、挿間性および発作性障害(例えば、片頭痛(前兆(アウラ)を伴わない普通型片頭痛、前兆(アウラ)を伴う古典型片頭痛)、片頭痛持続状態、頭痛症候群(例えば、群発頭痛症候群、血管性頭痛、緊張性頭痛、慢性外傷後頭痛、薬物誘発性頭痛等)、一過性脳虚血発作および関連症候群(例えば、椎骨脳底動脈症候群、頸動脈症候群(半球性)、多発性および両側性脳(実質)外動脈症候群、一過性黒内障等)に伴う神経機能障害、脳血管疾患における脳の血管(性)症候群(例えば、中大脳動脈症候群、前大脳動脈症候群、後大脳動脈症候群、脳幹卒中症候群、小脳卒中症候群、純運動性多発性小梗塞(ラクネ)症候群、純感覚性多発性小梗塞(ラクネ)症候群等)に伴う神経機能障害等)、脳性麻痺(例えば、痙性脳性麻痺、痙性両(側)麻痺、小児片麻痺、ジスキネジア性脳性麻痺、運動失調性脳性麻痺、片麻痺(例えば、弛緩性片麻痺、痙性片麻痺等)等)、中枢神経系のその他の障害(脳のその他の障害(例えば、水頭症(例えば、交通性水頭症、閉塞性水頭症、正常圧水頭症、外傷後水頭症、感染症における水頭症、ガン等の新生物性疾患における水頭症等)、中毒性脳症、脳嚢胞、無酸素性脳損傷、良性頭蓋内圧亢進症、ウイルス感染後疲労症候群、脳症(エンセファロパチー)、脳圧迫、脳浮腫、ライ症候群等)、脊髄のその他の障害(例えば、脊髄空洞症、延髄空洞症、血管性ミエロパチー、脊髄圧迫、急性脊髄圧迫、亜急性脊髄圧迫、慢性脊髄圧迫等)、脳脊髄液漏、髄膜障害、神経系の処置後障害(例えば、脊椎穿刺からの脳脊髄液漏、脊椎および腰椎穿刺に対する反応、脳室短絡術に続発する低頭蓋内圧症(低脳圧)等)、プロテウス症候群等)による神経機能障害、中枢神経系の炎症性疾患(例えば、感染症における髄膜炎(例えば、細菌性髄膜炎(例えば、インフルエンザ菌性髄膜炎、肺炎球菌性髄膜炎、レンサ球菌性髄膜炎、ブドウ球菌性髄膜炎等)、ウイルス疾患における髄膜炎、真菌症における髄膜炎等)、その他の髄膜炎(例えば、非化膿性髄膜炎、慢性髄膜炎、良性再発性髄膜炎(モラレ髄膜炎)、ガン性髄膜炎等)、脳炎、脊髄炎および脳脊髄炎(例えば、急性播種性脳炎、熱帯性痙性対麻痺、細菌性髄膜脳炎および髄膜脊髄炎、感染症(例えば、細菌性疾患、ウイルス疾患等)における脳炎、脊髄炎および脳脊髄炎等)、頭蓋内(例えば、硬膜外および硬膜下)膿瘍および肉芽腫、脊椎管内膿瘍および肉芽腫、頭蓋内および脊椎管内の静脈炎および血栓(性)静脈炎等)による神経機能障害、中枢神経系のウイルス感染症(例えば、麻痺性または非麻痺性急性灰白髄炎(ポリオ)、スローウイルス感染症(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性多巣性白質脳症等)、腸内ウイルス性発疹熱(ボストン発疹)、流行性めまい、コクサッキーウイルス感染症、エンテロウイルス感染症等)による神経機能障害、皮膚および粘膜病変を特徴とする中枢神経系のウイルス感染症(例えば、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、帯状疱疹性脳炎、帯状疱疹性髄膜炎、風疹(ドイツ麻疹)等)による神経機能障害、結核による神経機能障害(例えば、結核性髄膜炎、髄膜(性)結核腫等による神経機能障害)、性的伝播様式をとる感染症(例えば、先天梅毒(例えば、晩期先天神経梅毒(若年性神経梅毒)等)、晩期梅毒、顕性神経梅毒、無症候性神経梅毒、神経梅毒等)による神経機能障害、中枢神経系の感染症(例えば、中枢神経系結核、灰白髄炎(ポリオ)、ハンセン病、エイズ、ウイルス性脳炎等)の続発・後遺症として起こる神経機能障害(例えば、ポリオ後症候群、ポリオ後筋萎縮、ハンセン病における神経炎、エイズにおける神経炎等)、中枢神経系の原虫疾患(例えば、脳合併症を伴う熱帯熱マラリア、慢性シャガス病等)による神経機能障害、中枢神経系の蠕虫症(例えば、中枢神経系の嚢(尾)虫症等)による神経機能障害、栄養欠乏症(例えば、チアミン欠乏症、ビタミンB欠乏症、ビタミンB12欠乏症等)における神経機能障害(例え
ば、ウェルニッケ脳症(エンセファロパチー)、無βリポタンパク血症(バッセン・コルンツバイク症候群)等)、脳および中枢神経系のその他の部位(例えば、脳(脳葉および脳室を除く大脳、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、脳室、小脳、脳幹、脳の境界部病巣)、髄膜(脳髄膜、脊髄膜)、脊髄、馬尾、中枢神経系のその他の部位の境界部病巣等)の悪性新生物(例えば、脳腫瘍(例えば、星状膠細胞腫、脳膿瘍等))または続発性悪性新生物による神経機能障害、中枢神経系の良性新生物(例えば、中枢神経線維腫、硬膜外膿瘍、硬膜下膿瘍、硬膜外腫瘍、髄膜腫(脳髄髄膜腫、脊髄髄膜腫)等)による神経機能障害、脳血管疾患(例えば、脳卒中、脳出血(例えば、高血圧性脳内出血、クモ膜下出血、硬膜下出血、硬膜外出血等)、脳梗塞(例えば、脳血栓、脳塞栓等)、一過性脳虚血発作、再灌流障害、脳実質外動脈の閉塞および狭窄、脳動脈の閉塞および狭窄、脳動脈壁の非(未)破裂性解離、非(未)破裂性脳動脈瘤、脳動脈のアテローム(粥状)硬化(症)、進行性血管性白質脳症、高血圧性脳症、もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)、頭蓋内静脈系の非化膿性血栓症、脳動脈炎、脳アミロイド血管症、感染症における脳動脈炎、血液量減少性ショック等)に伴う神経機能障害、中枢神経系の頭部損傷(例えば、頭蓋内損傷、振とう、外傷性脳浮腫、びまん性脳損傷、局所性脳損傷、硬膜外出血、外傷性硬膜下出血、外傷性クモ膜下出血、脳挫傷・貫入・せん断・圧迫・裂傷、分娩時外傷、乳児むち打ち揺さぶり症候群等)に伴う神経機能障害、脊柱(後頭環軸部、頸部、頸胸部、胸部、胸腰部、腰部、腰仙部、仙骨部および仙尾骨部)障害における中枢神経系の神経機能障害(例えば、脊椎骨折、脊髄損傷(挫傷、裂傷、離断等)、急性横断脊髄損傷等に伴う神経機能障害、脊柱障害(例えば、脊椎症、脊柱管狭窄、変形性脊柱障害(変形性脊椎症)、変形性関節症、ミエロパチー(脊髄障害)を伴う反復性環軸関節亜脱臼、脊椎結核、神経障害性脊椎障害等)における神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、その他の脊柱障害(例えば、椎間板障害、椎間板ヘルニア(髄核ヘルニア)、椎間板変性症、椎間板破裂、椎間板脱出、頸椎症、頸腕症候群、脊椎不安定症、背部痛、頸部痛、坐骨神経痛、坐骨神経痛を伴う腰痛症、下背部痛、胸椎の疼痛、神経根障害、血腫による脊髄障害、進行性脊髄障害等)における神経機能障害、脊髄ショック、ブラウン・セカール症候群等)、妊娠に関連する中枢神経系の母体障害(例えば、妊娠中の麻酔合併症(例えば、麻酔による中枢神経系合併症、局所麻酔に対する中毒反応、脊髄または硬膜外麻酔誘発性頭痛等)等)に伴う神経機能障害(例えば、妊娠舞踏病等)、分娩・産褥に伴う神経機能障害(例えば、分娩・産褥における麻酔合併症(例えば、麻酔の中枢神経系合併症、局所麻酔に対する中毒反応、脊髄麻酔および硬膜外麻酔誘発性頭痛等)に伴う神経機能障害等)、出産時の外傷(例えば、中枢神経系の出産時の損傷(例えば、出産時の損傷による脳浮腫、出産時の損傷による脳傷害、脊椎および脊髄の出産時の損傷等)等)による中枢神経系の神経機能障害、周産期に発生した障害(例えば、新生児の脳の異常(例えば、新生児脳虚血、新生児の後天性脳室周囲嚢胞、新生児の脳白質軟化、新生児の脳易刺激性、新生児の脳抑制、新生児昏睡等)等)による神経機能障害、薬物、薬剤および生物学的製剤(例えば、全身性抗生物質、全身性抗感染薬、抗寄生虫薬、ホルモン類、その合成代替薬および拮抗薬、非オピオイド系鎮痛薬、解熱薬、抗リウマチ薬、麻薬、精神変容薬(幻覚発現薬)、麻酔薬、治療用ガス類、抗てんかん薬、鎮静・催眠薬、抗パーキンソン病薬、向精神薬、主として自律神経系に作用する薬物、主として全身および血液に作用する薬物、主として心血管系に作用する薬物、主として消化器系に作用する薬物、主として平滑筋、骨格筋および呼吸器系に作用する薬物、主として皮膚および粘膜に作用する局所用薬物、眼科用薬、耳鼻咽喉科用薬および歯科用薬、利尿薬、その他の薬物、薬剤および生物学的製剤等)による中毒および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害、薬用を主としない物質(例えば、アルコール、有機溶剤、脂肪族および芳香族炭化水素のハロゲン誘導体、腐食性物質、石鹸、洗浄剤、金属(鉛、有機水銀等)、その他の無機物質(ヒ素、カドミウム等)、一酸化炭素、その他の気体(サリン、ソマン、タブン、VXガス等)、フュームおよび蒸気、農薬、海産食品として摂取された有害物質、食物として摂取されたその他の有害物質、有毒動物との接触、アフラトキシンおよびその他の真菌毒素(マイコトキシン等)による食物汚染物質等)の毒作用(中毒)および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害、およびその他(例えば、放射線、熱、光線、気圧または水圧等)の作用(例えば、熱性失神、熱(性)痙攣、耳の気圧性外傷、副鼻腔の気圧性外傷、潜函病(減圧病)、血管神経浮腫等)および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害等が挙げられる。運動機能障害と考えられるその他の症状および徴候としては、例えば、しびれ、疼痛および神経因性疼痛(例えば、しびれ、急性疼痛、急性術後疼痛、手術後疼痛症候群(例えば、乳房切除後症候群、断端痛等)、慢性疼痛、慢性難治性疼痛(アロディニア)、末梢性ニューロパチー痛、ガン性疼痛、神経障害性疼痛症候群、有痛性外傷単神経障害、有痛性多発神経障害、糖尿病性末梢神経障害疼痛、中枢性疼痛症候群、複雑局所疼痛症候群、反射交感神経ジストロフィー、灼熱痛、幻肢痛、カウザルギー、ラムゼーハント症候群等)、神経系および筋骨格系に関する症状および徴候(例えば、異常不随意運動(ジスキネジア)(例えば、異常頭部運動、振戦、(有痛性)痙攣、筋線維束性攣縮、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群等)、歩行および移動の異常(例えば、失調性歩行、麻痺性歩行、歩行困難等)、その他の協調運動障害(例えば、運動失調症、小脳性運動失調(シャイ・ドレーガー症候群)、毛細血管拡張性運動失調症等)、神経系および筋骨格系に関するその他の症状および徴候(例えば、テタニー、髄膜症(メニンギスムス)、異常反射、足底部の伸筋反射異常、バビンスキー徴候、姿勢異常、股関節部クリック、痙縮、筋緊張亢進、筋緊張症、深部腱反射亢進、筋緊張低下、筋痛症、嚥下障害、注視クリーゼ等)等)、皮膚および皮下組織に関する症状および徴候(例えば、皮膚感覚障害(例えば、皮膚の知覚(感覚)脱失、低下、異常(症)、手袋型感覚障害、ティネル症候(混信)、知覚(感覚)過敏、触覚過敏、痛覚過敏等)等)、会話および音声に関する症状および徴候(例えば、会話の障害(例えば、不全失語症、失語症、構音障害、失構語症等)、音声の障害(例えば、発声障害(発声困難)、失声(発声不能)症、高鼻音および低鼻音等)、会話および言語の特異的発達障害(例えば、特異的会話構音障害、表出性言語障害、受容性言語障害、てんかんを伴う後天性失語症(ランドウ・クレフナー症候群)等)等)、認識、知覚、情緒状態および行動に関する症状および徴候(例えば、めまい感、よろめき感、嗅覚障害(例えば、無嗅覚症、嗅覚錯誤(錯嗅覚症)等)、味覚障害(例えば、味覚錯誤(錯味症)等)、一般感覚および知覚に関するその他の症状および徴候(例えば、幻聴、幻視、その他の幻覚等)、運動機能の特異的発達障害等)、小児期、児童期および青年期に発症する行動および情緒の障害(例えば、チック障害(例えば、一過性チック障害、慢性運動性または音声性チック障害、音声性および多発運動性の両者を含むチック障害(ジル・ドゥ・ラ・トゥーレット症候群)等)、小児(児童)期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害(例えば、常同性運動障害、吃音症、早口(乱雑)言語症等)等)等が挙げられる。
【0099】
本発明の薬剤は、哺乳動物(ヒトおよびヒト以外の動物(例えば、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等))等に適用することが可能である。特に、哺乳動物、好ましくはヒトに、全身的または局所的に、経口投与または非経口投与することによって、運動機能障害に対して好ましい予防、治療および/または進展抑制効果を得ることができる。また、外科的に、例えば、脳室内等に直接投与することも可能である。
【0100】
本発明の薬剤の投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、経口投与の場合、通常、成人一人当たり、1回あたり(2R)−2−プロピルオクタン酸として1μg乃至5000mg、好ましくは50mg乃至1500mg、より好ましくは300mg乃至1500mgの範囲で1日1回から数回経口投与される。非経口投与の場合は、成人一人当たり、1回あたり、体重1kgあたり(2R)−2−プロピルオクタン酸として0.1ng乃至500mg、好ましくは0.5mg乃至25mgの範囲で1日1回から数回非経口投与される。非経口投与形態は、好ましくは、静脈内投与であり、1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。もちろん投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
【0101】
本発明の薬剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤、および非経口投与のための注射剤、外用剤等として用いられる。
【0102】
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤等が含まれる。錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。
【0103】
このような内服用固形剤においては、薬物はそのままか、または賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン、白糖、ソルビット、タルク、シクロデキストリン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、セルロース、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、白糖、デンプン等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのカルシウム塩等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
【0104】
舌下錠は公知の方法に準じて調製される。例えば、薬物に賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(例えば、グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(例えば、オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
【0105】
口腔内貼付錠は公知の方法に準じて調製される。例えば、薬物に賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(例えば、グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(例えば、オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
【0106】
口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて調製される。例えば、薬物をそのまま、あるいは適当なコーティング剤(例えば、エチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した薬物の原末もしくは造粒原末粒子に、賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(例えば、グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(例えば、オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また必要に応じて、常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
【0107】
経口投与のためのソフトカプセル剤(以下、「本発明のカプセル剤」と略記することがある。)は、公知のソフトカプセル剤の製造方法に準じて製造することができる。具体的には、薬物と皮膜用溶液とを、例えば、打ち抜き法(例えば、ロータリーダイ法等)もしくは滴下法(例えば、シームレスカプセル法等)等の公知のカプセル充填法に付し、さらに得られたカプセルを乾燥することによって製造することができる。本発明のカプセル剤は、シームレスソフトカプセル剤であってもよく、また、継ぎ目のあるソフトカプセル剤であってもよい。シームレスカプセル剤の製造方法は、公知の文献、例えば、バイオサイエンスとインダストリー、58巻、7号、31〜34頁(2000年刊)に詳細に記載されている。この基本的なシームレスカプセル剤の製造方法は既に工業的に使用されている方法であるため、大量生産は容易である。
【0108】
本発明のカプセル剤は、一般的なソフトカプセル剤と同様に、内容液とカプセル皮膜によって構成される。カプセル皮膜は、カプセル基剤と呼ばれるカプセル皮膜の主体となる物質(タンパク質(ゼラチン、コラーゲン等)、多糖類(デンプン、アミロース、ポリガラクツロン酸、寒天、カラギナン、アラビアガム、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸等)、生分解性プラスチック(ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリグルタミン酸等)、硬化油脂(バター、マーガリン、ショートニング、カカオバター等の中鎖脂肪酸のトリグリセリドやジグリセリド等)等)と、可塑剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール等の糖、糖アルコール、多価アルコール等)とを必須成分とし、所望によって、香料(ハッカ油、桂皮油、ストロベリーその他の果実エッセンスやフレーバー等)、防腐剤(パラヒドロキシ安息酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル等)、色素(黄色4号、黄色5号、赤色3号、青色1号、銅クロロフィン等)、不透明化剤(二酸化チタン、ベンガラ等)、溶解度調節剤(セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのアルカリ金属塩、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネートのアルカリ金属塩、アルギン酸アルカリ塩、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、コラーゲン、寒天末、ポリビニールアルコール、ペクチン等)等を含んでいてもよい。
【0109】
本発明のカプセル剤において、カプセル皮膜は、ゼラチンを基剤とするものが好ましい。特に、ゼラチンを基剤とし、可塑剤としてグリセリンを含むものが好ましい。また可塑剤として、さらにソルビトールを含んでいてもよい。
【0110】
カプセル皮膜は、皮膜用溶液を用いて製造することができる。皮膜用溶液は、前記した皮膜用の成分を含有し、かつ溶融状態または溶液状態で薄い皮膜に形成することができ、さらに皮膜の形成後に冷却および/または乾燥することによって固化するものであれば特に制限なく用いることができる。
【0111】
添加剤としては、一般的に経口投与用製剤に用いられる添加剤であれば特に限定されないが、例えば、ソフトカプセル製剤や経口液剤に用いられる添加剤等が好ましく、例えば、防腐剤、保存剤、界面活性剤、可溶化剤、乳化剤、溶剤、pH調節剤、緩衝剤、懸濁剤、粘稠剤、安定化剤、溶解補助剤等が用いられる。これらの添加剤は、所望によって、2以上の成分を組み合わせ、添加することができる。防腐剤、保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、パラベン類(パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル等)等が挙げられる。界面活性剤、可溶化剤、乳化剤、溶剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、水(例えば、注射用蒸留水等)等が挙げられる。pH調節剤、緩衝剤としては、例えば、無機の酸またはアルカリ等の塩基、例えば塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム等、さらに有機酸、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸あるいはコハク酸またはその塩類等を挙げることができる。pHの調製は、一般に経口液剤の技術分野で汎用されているpHを調整する方法またはこれに準ずる方法に従って行なえばよい。懸濁剤、粘稠剤としては、例えば、アラビアゴム、結晶セルロース、ビーガム、キサンタンガム、ゼラチン、メトロースおよびその可食性塩、カルメロースおよびその可食性塩等が挙げられる。安定化剤としては、例えば、エデト酸の可食性塩、塩化ナトリウム、ピロ亜硫酸の可食性塩等が挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、シクロデキストリンやアルギニン等が挙げられる。これらの添加剤は、一般的に経口投与製剤に通常用いられる割合で配合される。また、上記以外にも、公知の文献、例えば、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物辞典」(日本医薬品添加剤協会編集)等に記載されているような添加剤を用いてもよい。
【0112】
経口投与のための内服用液剤は、水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、薬物を、一般的に用いられる希釈剤(例えば、精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化して調製する。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
【0113】
非経口投与のための注射剤としては、全ての注射剤を包含する。例えば、筋肉への注射剤、静脈内への注射剤、静脈内への点滴剤等を含む。
【0114】
非経口投与のための輸液製剤や注射剤等は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグと、一般的に注射剤に使用される金属塩(例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等)やpH調節剤(例えば、水酸化ナトリウム等)の他、安定化剤、界面活性剤、緩衝剤、可溶化剤、抗酸化剤、消泡剤、等張化剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、無痛化剤、溶解剤、溶解補助剤等の、例えば、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物辞典」(日本医薬品添加剤協会編集)等に記載されているような添加剤を溶媒(例えば、注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせ等)に溶解させることにより製造することができる。また、輸液製剤の場合はこれらの添加剤に加え、電解質類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等)、糖類(例えば、グルコース、果糖、ソルビトール、マンニトール、デキストラン等)、タンパクアミノ酸類(例えば、グリシン、アスパラギン酸、リジン等)、ビタミン類(例えば、ビタミンB、ビタミンC等)等の一般的に輸液に用いられる成分も用いることができる。かかる医薬組成物は、最終工程において滅菌するか、無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の滅菌精製水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
【0115】
非経口投与のための外用剤としては、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、スプレー剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤等が含まれる。これらは公知の方法または通常使用されている処方により調製される。
【0116】
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により調製される。例えば、薬物を、基剤に研和または溶融させて調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(例えば、アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(例えば、ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(例えば、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(例えば、ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(例えば、親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(例えば、ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(例えば、ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0117】
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により調製される。例えば、薬物を基剤に溶融させて調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(例えば、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(例えば、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0118】
クリーム剤は公知または通常使用されている処方により調製される。例えば、薬物を、基剤に溶融または乳化させて調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(例えば、2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0119】
湿布剤は公知または通常使用されている処方により調製される。例えば、薬物を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して調製される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(例えば、尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(例えば、カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0120】
貼付剤は公知または通常使用されている処方により調製される。例えば、薬物を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して調製される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0121】
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により調製される。例えば、薬物を水、アルコール(例えば、エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるものを単独で、または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0122】
噴霧剤およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。
【0123】
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤または吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁させて使用する形態であってもよい。これらの吸入剤は公知の方法に準じて調製される。例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(例えば、カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(例えば、ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(例えば、デンプン、デキストリン等)、賦形剤(例えば、乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(例えば、アトマイザー、ネブライザー等)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
【0124】
非経口投与のためのその他の剤形としては、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および膣内投与のためのペッサリー等が用いられる。
【0125】
本発明の薬剤における具体的な投薬期間としては、例えば、経口投与であれば、1日乃至5年間等、好ましくは1日乃至1年間等、より好ましくは1日乃至6ヶ月間等、特に好ましくは1日乃至2ヶ月間等が挙げられる。また非経口投与、例えば、静脈内投与であれば、1日乃至100日間等、好ましくは1日乃至10日間等、より好ましくは1日乃至7日間等、最も好ましくは、7日間等が挙げられる。
【0126】
本発明の薬剤は、その化合物の(1)予防、治療および/または進展抑制効果の補完および/または増強、(2)動態・吸収改善、投与量の低減、および/または(3)副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
【0127】
本発明の薬剤と他の薬剤の併用剤(以下、本発明の併用剤と略記することがある。)は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。別々の製剤にして投与する場合には、同時に投与しても時間差をおいて投与してもよい。また、時間差をおいて投与するときは、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを先に投与し、併用薬を後に投与してもよいし、併用薬を先に投与し、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法、1日あたりの投与回数は同じでも異なっていてもよい。また(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグと併用薬との重量比は特に限定されない。
【0128】
本発明の併用剤により、予防、治療および/または進展抑制効果を奏する疾患は特に限定されず、薬物を単独で投与した場合に比較して、予防、治療および/または進展抑制効果を補完および/または増強したり、薬物動態・吸収を改善したり、あるいは薬物の投与量・副作用を軽減したり、もしくは薬物耐性の発現を防止したりする疾患であればよい。
【0129】
本発明の併用剤に用いられる他の薬剤としては、例えば、脳血管障害(例えば、脳卒中、脳梗塞(例えば、脳血栓、脳塞栓等)、一過性脳虚血発作、再灌流障害、脳出血(例えば、高血圧性脳内出血、クモ膜下出血等)等)、脳腫瘍(例えば、星状膠細胞腫、脳膿瘍等)の治療薬、血液量減少性ショック、外傷性ショック、頭部損傷および/または脳脊髄外傷(例えば、脳挫傷・貫入・せん断・圧迫・裂傷、分娩時外傷、乳児むち打ち揺さぶり症候群等)に伴う神経機能障害の治療薬、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、パーキンソン症候群、線条体黒質変性症、ハンチントン病、舞踏病−無定位運動症、進行性核上麻痺、びまん性レビー小体病、大脳皮質基底核変性症、アルツハイマー病、老年性痴呆(認知症)、ピック病、前頭側頭葉型痴呆症(認知症)、家族性痴呆症(認知症)、脊髄小脳変性症(例えば、オリーブ橋小脳萎縮症、晩発性小脳皮質萎縮症、家族性脊髄小脳失調症(例えば、マッカードジョセフ病等)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、家族性痙性対麻痺、フリードライヒ病等)等)の治療薬、運動神経病(例えば、筋萎縮性側索硬化症、家族性筋萎縮性側索硬化症等)の治療薬、脱髄性疾患(例えば、多発性硬化症、汎発硬化症、急性散在性脳脊髄炎、急性小脳炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群等)の治療薬、感染症に伴う脳脊髄疾患(例えば、髄膜炎、インフルエンザ脳症、クロイツフェルド−ヤコブ病、エイズ脳症による痴呆(認知症)等)の治療薬、毒物(ヒ素、カドミウム、有機水銀、サリン、ソマン、タブン、VXガス等)・放射線等による神経機能障害の治療薬、精神疾患(例えば、神経症、心身症、不安、統合失調症、躁病、うつ病等)の治療薬、てんかん、メージ症候群、ジストニア、ダウン症および/または睡眠障害(例えば、過眠、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群等)の治療薬、糖尿病および/または糖尿病合併症の治療薬、高脂血症治療薬、ドパミン受容体作動薬(ドパミン受容体刺激薬)、ドパミン遊離促進薬(ドパミン分泌促進薬あるいはドパミン放出促進薬)、ドパミン取り込み阻害薬、ドパミン作用薬、中枢性抗コリン薬、芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬(DCI)、モノアミン酸化酵素(MAO−B)阻害薬、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)補充薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受容体拮抗薬、AMPA(2−アミノ−3−(メチル−3−ヒドロキシイソオキサゾール−4−イル)プロパン酸)/カイニン酸受容体拮抗薬、GABA受容体調節薬(例えば、GABA受容体作動薬等)、GABA受容体調節薬、アデノシンA2A受容体遮断薬、ニコチン受容体調節薬、神経型一酸化窒素合成酵素(n−NOS)阻害薬、βアミロイドタンパクの産生、分泌、蓄積、凝集および/または沈着抑制薬(例えば、βセクレターゼ阻害薬、γセクレターゼ阻害作用薬、βアミロイドタンパク凝集抑制薬、βアミロイド分解酵素、βアミロイドワクチン等)、アポトーシス阻害薬、神経分化および/または再生促進薬、神経栄養因子(例えば、ニューロトロフィン、TGF−βスーパーファミリー、ニューロカインファミリー、増殖因子等)、その他の脳機能賦活薬(例えば、脳代謝賦活薬、脳循環改善薬等)、Rho−キナーゼ阻害薬、降圧薬、利尿薬、β受容体遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬(カルシウム拮抗薬)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、ナトリウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル開口薬、抗血小板薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、トロンボキサンA合成酵素阻害薬、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)阻害薬、シクロオキシゲナーゼ(COX)−2阻害薬、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、抗酸化薬、ビタミン類、疾患修飾性抗リウマチ薬、抗サイトカイン薬(例えば、TNF阻害薬、MAPキナーゼ阻害薬等)、性ホルモンまたはその誘導体(例えば、プロゲステロン、エストラジオール、安息香酸エストラジオール等)、副甲状腺ホルモン(例えば、PTH等)、ファクターXa阻害薬、ファクターVIIa阻害薬およびグリセリン製剤等から選ばれる1種または2種以上の薬物またはそれらの配合剤が挙げられる。
【0130】
本明細書中、脳卒中の治療薬としては、例えば、アルテプラーゼ(alteplase)、アルガトロバン(argatroban)、シチコリン(citicoline)、硫酸水素クロピドグレル(clopidogrel hydrogen sulfate)、DMP−647、ジピリダモール(dipyridamole)、イデベノン(idebenone)、インドブフェン(indobufen)、モノシアロガングリオシドGM1(monosialoganglioside GM1)、ニモジピン(nimodipine)、プロペントフィリン(propentofylline)、トリフルサール(triflusal)、モンテプラーゼ(monteplase)、アスピリン(aspirin)、ニコチン酸(nicotinic acid)、オザグレルナトリウム(sodium ozagrel)が挙げられる。
【0131】
本明細書中、脳梗塞の治療薬としては、例えば、シチコリン(citicoline)、エダラボン(edaravone)、イブジラスト(ibudilast)、トリフルサール(triflusal)、シロスタゾール(cilostazol)、ニカラベン(nicaraven)、オザグレルナトリウム(sodium ozagrel)が挙げられる。
【0132】
本明細書中、脳血栓の治療薬としては、例えば、オザグレル(ozagrel)、オザグレルナトリウム(sodium ozagrel)、チクロピジン(ticlopidine)、塩酸チクロピジン(ticlopidine hydrochloride)、ファスジル(fasudil)、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA)、アルテプラーゼ(alteplase)、合成抗トロンビン薬(メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタット等)が挙げられる。
【0133】
本明細書中、クモ膜下出血の治療薬としては、例えば、モノシアロガングリオシドGM1(monosialoganglioside GM1)、メシル酸チリラザド(tirilazad mesylate)、ニカラベン(nicaraven)、オザグレルナトリウム(sodium ozagrel)が挙げられる。
【0134】
本明細書中、パーキンソン病および/またはパーキンソン症候群の予防、治療および/または症状進展抑制薬としては、例えば、レボドパ(levodopa、L−ドパ)、レボドパ・ベンセラジド配合剤(levodopa + benserazide、例えばレボドパ・ベンセラジド(4:1)配合剤)、レボドパ・カルビドパ配合剤(levodopa + carbidopa、例えばレボドパ・カルビドパ(10:1)配合剤、レボドパ・カルビドパ(4:1)配合剤)、メシル酸ブロモクリプチン(bromocryptine mesylate)、α−ジヒドロエルゴクリプチン(Alpha-dihydroergocryptine)、カベルゴリン(cabergoline)、ドロキシドパ(droxidopa)、メシル酸ペルゴリド(pergolide mesylate)、プラミペキソール(pramipexole)、塩酸プラミペキソール水和物(pramipexole hydrochloride hydrate)、セレギリン(selegiline)、タリペキソール(talipexole)、塩酸アマンタジン(amantadine hydrochloride)、塩酸トリヘキシフェニジル(trihexyphenidyl hydrochloride)が挙げられる。
【0135】
本明細書中、ハンチントン病の治療薬としては、例えば、リルゾール(riluzole)、LAX−101、テトラベナジン(tetrabenazine)、オランザピン(olanzapine)、酢酸グラチラマー(glatiramer acetate)が挙げられる。
【0136】
本明細書中、舞踏病−無定位運動症の治療薬としては、例えば、タルチレリン(taltirelin)、NS−2330、T−2000、タランパネル(talampanel)が挙げられる。
【0137】
本明細書中、アルツハイマー病の治療薬としては、例えば、α−ジヒドロエルゴクリプチン(Alpha-dihydroergocryptine)、塩酸ドネペジル(donepezil hydrochloride)、フラクションF(Fraction F)、ガランタミン(galantamine)、インデロキサジン(indeloxazine)、塩酸メマンチン(memantine hydrochloride)、ニセルゴリン(nicergoline)、ホスファチジルセリン(phosphatidylserine)、酒石酸リバスチグミン(rivastigmine tartrate)、ST−200、タクリン(tacrine)、セレブロライシン(Cerebrolysin)、ヒュペルジンA(huperzine A)、ネフィラセタム(nefiracetam)が挙げられる。
【0138】
本明細書中、老年性痴呆(認知症)の治療薬としては、例えば、ST−200、酢酸ズクロペンチキソール(zuclopenthixol acetate)、デカン酸ズクロペンチキソール(zuclopenthixol decanoate)、セレブロライシン(Cerebrolysin)、ネフィラセタム(nefiracetam)が挙げられる。
【0139】
本明細書中、筋萎縮性側索硬化症の治療薬としては、例えば、リルゾール(riluzole)、エダラボン(edaravone)、塩酸キサリプローデン(xaliproden hydrochloride)、TCH−346、スーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase)、ペントキシフィリン(pentoxifylline)が挙げられる。
【0140】
本明細書中、多発性硬化症の治療薬としては、例えば、酢酸グラチラマー(glatiramer acetate)、インターフェロン(interferon)、バクロフェン(baclofen)、コルチコトロピン(corticotropin)、ミトキサントロン(mitoxantrone)が挙げられる。
【0141】
本明細書中、髄膜炎の治療薬としては、例えば、ABLC、アムホテリシンB(amphotericin B)、セフォゾプラン(cefozopran)、セフピロム(cefpirome)、フルコナゾール(fluconazole)、ヘモフィラスワクチン(Haemophilus vaccine)、メロペネム(meropenem)、肺炎球菌ワクチン(pneumococcal vaccine)が挙げられる。
【0142】
本明細書中、クロイツフェルド−ヤコブ病の治療薬としては、例えば、ペントサンポリ硫酸ナトリウム(pentosan polysulfate sodium)が挙げられる。
【0143】
本明細書中、エイズ脳症による痴呆(認知症)の治療薬としては、例えば、レキシパファント(lexipafant)、塩酸メマンチン(memantine hydrochloride)、CPI−1189が挙げられる。
【0144】
本明細書中、神経症の治療薬としては、例えば、TJ−15が挙げられる。
【0145】
本明細書中、心身症の治療薬としては、例えば、ブロンペリドール(bromperidol)、フルトプラゼパム(flutoprazepam)、オランザピン(olanzapine)、スルトプリド(sultopride)、バルプロ酸ナトリウム(valproate semisodium)、ジプラシドン(ziprasidone)、ズクロペンチキソール(zuclopenthixol)、酢酸ズクロペンチキソール(zuclopenthixol acetate)、デカン酸ズクロペンチキソール(zuclopenthixol decanoate)、フマル酸ケチアピン(quetiapine fumarate)、リスペリドン(risperidone)、マレイン酸プロクロルペラジン(prochlorperazine maleate)、アリピプラゾール(aripiprazole)が挙げられる。
【0146】
本明細書中、不安の治療薬(抗不安薬)としては、例えば、フルトプラゼパム(flutoprazepam)、ジアゼパム(diazepam)、ロラゼパム(lorazepam)、ブロマゼパム(bromazepam)、プラゼパム(prazepam)、クロチアゼパム(clotiazepam)、オキサゼパム(oxazepam)、フルジアゼパム(fludiazepam)、メダゼパム(medazepam)、クロルジアゼポキシド(chlordiazepoxide)、アルプラゾラム(alprazolam)、エチゾラム(etizolam)、フルタゾラム(fulutazolam)、メキサゾラム(mexazolam)、クロキサゾラム(cloxazolam)、オキサゾラム(oxazolam)、クロラゼプ酸二カリウム(dipotassium clorazepate)、ロフラゼプ酸エチル(ethyl loflazepate)、クエン酸タンドスピロン(tandospiron citrate)が挙げられる。
【0147】
本明細書中、統合失調症の治療薬としては、例えば、アミスルプリド(amisulpride)、アリピプラゾール(aripiprazole)、クロザピン(clozapine)、ネモナプリド(nemonapride)、オランザピン(olanzapine)、ペロスピロン(perospirone)、フマル酸ケチアピン(quetiapine fumarate)、リスペリドン(risperidone)、タリペキソール(talipexole)、ジプラシドン(ziprasidone)、ゾテピン(zotepine)、ズクロペンチキソール(zuclopenthixol)、酢酸ズクロペンチキソール(zuclopenthixol acetate)、デカン酸ズクロペンチキソール(zuclopenthixol decanoate)、セルチンドール(sertindole)が挙げられる。
【0148】
本明細書中、躁病の治療薬としては、例えば、オランザピン(olanzapine)、バルプロ酸ナトリウム(valproate semisodium)、フマル酸ケチアピン(quetiapine fumarate)、リスペリドン(risperidone)、アリピプラゾール(aripiprazole)、ジプラシドン(ziprasidone)、リチウム(lithium)が挙げられる。
【0149】
本明細書中、うつ病の治療薬(抗うつ薬)としては、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、トリアゾロピリジン系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)等が挙げられ、具体的には、例えば、シュウ酸エスシタロプラム(escitalopram oxalate)、アルプラゾラム(alprazolam)、アミスルプリド(amisulpride)、アモキサピン(amoxapine)、ブプロピオン(bupropion)、カルバマゼピン(carbamazepine)、臭素酸シタロプラム(citalopram hydrobromide)、ジヒドロエルゴクリプチン(dihydroergocryptine)、フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、リチウム(lithium)、ミアンセリン(mianserin)、ミルナシプラン(milnacipran)、ミナプリン(minaprine)、ミルタザピン(mirtazapine)、モクロベミド(moclobemide)、塩酸ネファゾドン(nefazodone hydrochloride)、パロキセチン(paroxetine)、ピルリンドール(pirlindole)、レボキセチン(reboxetine)、ST−200、セルトラリン(sertraline)、チアネプチン(tianeptine)、トラゾドン(trazodone)、ベンラファキシン(venlafaxine)、フルオキセチン+オランザピン(fluoxetine + olanzapine)、オランザピン(olanzapine)、ラモトリジン(lamotrigine)、ビルコート(Virucort)、塩酸デュロキセチン(duloxetine hydrochloride)、セレギリン(selegiline)、ゲピロン−ER(gepirone-ER)、塩酸イミプラミン(imipramine hydrochloride)、アミトリプチリン(amitriptyline)、トリミプラミン(trimipramine)、クロミプラミン(clomipramine)、ノルトリプチリン(nortriptyline)、ロフェプラミン(lofepramine)、マプロチリン(maprotiline)、セチプチリン(setiptiline)、ドスレピン(dosulepin)、ノミフェンシン(nomifensine)が挙げられる。
【0150】
本明細書中、てんかんの治療薬(抗てんかん薬)としては、例えば、カルバマゼピン(carbamazepine)、抱水クロラール(chloral hydrate)、クロナゼパム(clonazepam)、ジアゼパム(diazepam)、フェルバメート(felbamate)、フォスフェニトイン(fosphenytoin)、ガバペンチン(gabapentin)、ラモトリジン(lamotrigine)、レベチラセタム(levetiracetam)、ロラゼパム(lorazepam)、オキシカルバゼピン(oxcarbazepine)、フェノバルビトンナトリウム(phenobarbitone Na)、チアガビン(tiagabine)、トピラメート(topiramate)、バルプロ酸ナトリウム(valproate semisodium)、バルプロ酸ナトリウム(valproate sodium)、ビガバトリン(vigabatrin)、ゾニサミド(zonisamide)、プレガバリン(pregabalin)、フェノバルビタール(phenobarbital)、プリミドン(primidone)、フェニトイン(phenytoin)、エトスクシミド(ethosuximide)が挙げられる。
【0151】
本明細書中、ジストニアの治療薬としては、例えば、AN−072、ボツリヌストキシン(botulinum toxin)が挙げられる。
【0152】
本明細書中、糖尿病の治療薬としては、例えば、速攻型、混合型、中間型および/または持続型インスリン製剤(例えば、大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤)、スルホニルウレア薬(例えば、トルブタミド(tolbutamide)、クロルプロパミド(chlorpropamide)、グリベンクラミド(glibenclamide)、グリクラジド(gliclazide)、グリメピリド(glimepiride)、トラザミド(tolazamide)、アセトヘキサミド(acetohexamide)、グリクロピラミド(gliclopiramide)、)、ビグアナイド薬(例えば、フェンホルミン(phenformine)、塩酸ブホルミン(buformin hydrochloride)、塩酸メトホルミン(metformin hydrochloride))、α−グルコシダーゼ阻害薬(例えば、アカルボース(acarbose)、ボグリボース(voglibose))、インスリン分泌促進薬(例えば、ナテグリニド(nateglinide))、インスリン抵抗性改善薬(例えば、トログリタゾン(troglitazone)、塩酸ピオグリタゾン(pioglitazone hydrochloride))、GLP−1受容体アゴニスト、アミリンアゴニスト、ホスホチロシンホスファターゼ阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、β3アドレナリン受容体アゴニスト、糖新生阻害薬、SGLT(sodium-glucose cotransporter)阻害薬が挙げられる。
【0153】
本明細書中、糖尿病合併症の治療薬としては、例えば、アルドース還元酵素阻害薬(例えば、エパルレスタット(epalrestat)、SNK−860、CT−112)、神経栄養因子(例えば、NGF(Nerve Growth Factor:神経成長因子)、NT−3、BDNF(Brain Derived Neurotrophic Factor:脳由来神経栄養因子))、神経再生促進薬、PKC阻害薬、AGE阻害薬、活性酸素消去薬、塩酸デュロキセチン等が挙げられる。
【0154】
本明細書中、高脂血症の治療薬としては、例えば、スタチン系HMG−CoA還元酵素阻害薬(例えば、プラバスタチンナトリウム(pravastatin sodium)、アトロバスタチンカルシウム(atorvastatin calcium)、シンバスタチン(simvastatin)、ロバスタチン(lovastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)、セリバスタチン(cerivastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)等)、フィブラート系トリグリセリド低下作用薬(例えば、クロフィブラート(clofibrate)、ベザフィブラート(bezafibrate)、フェノフィブラート、シンフィブラート(simfibrate)、クリノフィブラート(clinofibrate)等)、スクワレン合成酵素阻害薬、コレスチラミン(cholestyramin)、ニコチン酸(nicotinic acid)、プロブコール(probucol)が挙げられる。
【0155】
本明細書中、中枢性抗コリン薬としては、例えば、塩酸トリヘキシフェニジル(trihexyphenidyl hydrochloride)、ビペリデン(biperiden)、塩酸ピロヘプチン(piroheptine hydrochloride)、塩酸マザチコール(mazaticol hydrochloride)、塩酸メチキセン(metixene hydrochloride)、プロフェナミン(profenamine)が挙げられる。
【0156】
本明細書中、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬としては、例えば、塩酸ドネペジル(donepezil hydrochloride)、酒石酸リバスチグミン(rivastigmine tartrate)、ガランタミン(galantamine)、ザナペジル(TAK−147)が挙げられる。
【0157】
本明細書中、GABA受容体調節薬(例えば、GABA受容体作動薬等)としては、例えば、ムシモール(muscimol)、イソグバシン(isoguvacine)、クロメチアゾール、ガボキサドール(4,5,6,7−テトラヒドロイソオキサゾロ[5,4−c]ピリジン−3−オール)、ガナキソロン(3α−ヒドロキシ−3β−メチル−5α−プレグナン−20−オン)、フェンガビン(2−[(ブチルイミノ)−(2−クロロフェニル)メチル]−4−クロロフェノール)、3−アミノプロパンスルホン酸、3−(アミノメチル)−5−メチルヘキサン酸が挙げられる。
【0158】
本明細書中、アデノシンA2A受容体遮断薬としては、例えば、イストラデフィリン(istradefylline)等が挙げられる。
【0159】
本明細書中、βアミロイドタンパクの産生、分泌、蓄積、凝集および/または沈着抑制薬としては、例えば、βセクレターゼ阻害薬、γセクレターゼ阻害作用薬、βアミロイドタンパク凝集抑制薬、βアミロイド分解酵素、βアミロイドワクチン等が挙げられる。
【0160】
本明細書中、アポトーシス阻害薬としては、例えば、CPI−1189、IDN−6556、CEP−1347が挙げられる。
【0161】
本明細書中、神経分化および/または再生促進薬としては、例えば、レテプリニムカリウム(leteprinim potassium)、塩酸キサリプローデン(xaliproden hydrochloride)、SB−216763が挙げられる。
【0162】
本明細書中、神経栄養因子としては、例えば、ニューロトロフィン(例えば、NGF(Nerve Growth Factor:神経成長因子)、BDNF(Brain Derived Neurotrophic Factor:脳由来神経栄養因子)、NT−3、NT−4/5、NT−6)、TGF−βスーパーファミリー(例えば、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−8A、BMP−8B、BMP−14(GDF−5)、GDNF、neurturin、artemin、persephin、GDF−1、GDF−8、GDF−15、inhibin α、inhibin β、DAF(dauer formation)7)、ニューロカインファミリー(例えば、毛様体神経栄養因子(CNTF)、インターロイキン−6)、増殖因子(例えば、IGF−1、b−FGF)、ABS−205等が挙げられる。
【0163】
本明細書中、その他の脳機能賦活薬(例えば、脳代謝賦活薬、脳循環改善薬等)としては、例えば、ニセルゴリン(nicergoline)、イブジラスト(ibudilast)、アニラセタム(aniracetam)、イフェンプロジル(ifenprodil)、ビンポセチン(vinpocetine)、イデベノン(idebenone)、塩酸メマンチン(memantine hydrochloride)、ホパンテン酸カルシウム、塩酸アマンタジン、塩酸メクロフェノキサート、メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、塩酸ピリチオキシン、γ−アミノ酪酸、塩酸ビフェメラン、マレイン酸リスリド、塩酸インデロキサジン、プロペントフィリンが挙げられる。
【0164】
本明細書中、利尿薬としては、例えば、チアジド系利尿薬(例えば、クロロチアジド(chlorothiazide)、ベンズチアジド(benzthiazide)、ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide)、ヒドロフルメチアジド(hydroflumethiazide)、トリクロルメチアジド(trichlormethiazide)、シクロチアジド(cyclothiazide)、メチクロチアジド(methyclothiazide)、ポリチアジド(polythiazide)、キネタゾン(quinethazone)、メトラゾン(metolazone)等)、ループ利尿薬(例えば、フロセミド(frusemide)、ブメタニド(bumetanide)、ピレタニド(piretanide)、エタクリン酸(ethacrynic acid)等)、カリウム保持性利尿薬(例えば、スピロノラクトン(spironolactone)、カンレノ酸カリウム(potassium canrenoate)、アミロライド(amiloride)、トリアムテレン(triamterene)等)、キサンチン誘導体(例えば、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン)、アセタゾラミド(acetazolamide)等が挙げられる。
【0165】
本明細書中、β受容体遮断薬としては、例えば、プロプラノロール(propranolol)、アルプレノロール(alprenolol)、ピンドロール(pindolol)、チモロール(timolol)、カルテオロール(carteolol)、ナドロール(nadolol)、ニプラジロール(nipradilol)、チリソロール(tilisolol)、アテノロール(atenolol)、アセブトロール(acebutolol)、メトプロロール(metprolol)、ビソプロロール(bisoprolol)、ベタキソロール(betaxolol)、ラベタロール(labetalol)、アロチノロール(arotinolol)、アモスラロール(amosulalol)が挙げられる。
【0166】
本明細書中、カルシウムチャネル遮断薬(カルシウム拮抗薬)としては、例えば、ニフェジピン(nifedipine)、ニカルジピン(nicardipine)、ニトレンジピン(nitrendipine)、ニルバジピン(nilvadipine)、ニソルジピン(nisoldipine)、マニジピン(manidipine)、ベニジピン(benidipine)、バルニジピン(barnidipine)、エホニジピン(efonidipine)、アムロジピン(amlodipine)、ジルチアゼム(diltiazem)、ベラパミル(verapamil)、塩酸クロニジン(clonidine hydrochloride)が挙げられる。
【0167】
本明細書中、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬としては、例えば、カプトプリル(captopril)、アラセプリル(alacepril)、リシノプリル(lisinopril)、エナラプリル(enalapril)、デラプリル(delapril)、シラザプリル(cilazapril)、イミダプリル(imidapril)、ペリンドプリル(perindopril)、テモカプリル(temocapril)、トランドラプリル(trandolapril)が挙げられる。
【0168】
本明細書中、アンジオテンシンII受容体拮抗薬としては、例えば、カンデサルタンシレキセチル(candesartan cilexetil)、ロサルタン(losartan)、バルサルタン(valsartan)が挙げられる。
【0169】
本明細書中、ナトリウムチャネル遮断薬としては、例えば、アジマリン(ajmaline)、塩酸プロカインアミド(procainamide hydrochloride)、リルゾール(riluzole)が挙げられる。
【0170】
本明細書中、カリウムチャネル開口薬としては、例えば、ジアゾキシド、フルピルチン、ピナシジル、レブクロマカリム、リルマカリム、クロマカリム、PCO−400、SKP−450が挙げられる。
【0171】
本明細書中、抗血小板薬としては、例えば、アスピリン(aspirin)、イコサペンタエン酸エチル(ethyl icosapentaenoate)、オザグレルナトリウム(sodium ozagrel)、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、アルプロスタジル(alprostadil)、塩酸チクロピジン(ticlopidine hydrochloride)、シロスタゾール(cilostazol)、ジピリダモール(dipyridamole)、塩酸サルポグレラート(sarpogrelate hydrochloride)が挙げられる。
【0172】
本明細書中、抗凝固薬としては、例えば、ワルファリン(例えば、ワルファリンカリウム(warfarin potassium))、ヘパリン(例えば、ヘパリンナトリウム(heparin sodium)、ヘパリンカルシウム(heparin calcium))、抗トロンビン薬(例えば、アンチトロンビンIII(antithrommbin III)、アルガトロバン(argatroban)、ヒルジン(hirudin))が挙げられる。
【0173】
本明細書中、血栓溶解薬としては、例えば、ウロキナーゼ(urokinase)、ナサルプラーゼ(nasaruplase、プロウロキナーゼ(prourokinase))、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、ストレプトキナーゼ(streptokinase)、パミテプラーゼ(pamiteplase)が挙げられる。
【0174】
本明細書中、シクロオキシゲナーゼ(COX)−2阻害薬としては、例えば、セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)が挙げられる。
【0175】
本明細書中、非ステロイド性抗炎症薬としては、例えば、アスピリン(aspirin)、メフェナム酸(mefenamic acid)、ジクロフェナク(diclofenac)、フェンブフェン(fenbufen)、インドメタシン(indometacin)、イブプロフェン(ibuprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、ナプロキセン(naproxen)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、ピロキシカム(piroxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、メロキシカム、セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)が挙げられる。
【0176】
本明細書中、ステロイド薬としては、例えば、メチルプレドニゾロン(methylprednisolone)、トリアムシノロン(triamcinolone)、パラメタゾン(paramethasone)、ベタメタゾン(betamethasone)、コルチゾン(cortisone)、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)、ヘキセストロール、酢酸コルチゾン、プロピオン酸クロベタゾール(商品名:デルモベート)、酪酸クロベタゾン(商品名:キンダベート)、吉草酸ジフルコルトロン(商品名:テクスメテン、ネリゾナ)、デキサメタゾン(dexamethasone、商品名:オイラゾンD、デキサメサゾン、デカダーム)、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(商品名:パンデル)、酪酸ヒドロコルチゾン(商品名:プランコール、ロコイド)、プレドニゾロン(prednisolone、商品名:プレドニゾロン、ビスオA)、吉草酸ベタメタゾン(商品名:トクダーム、ベトネベート、リンデロンV)、フランカルボン酸モメタゾン(商品名:フルメタ)が挙げられる。
【0177】
本明細書中、抗酸化薬としては、例えば、リノレン酸(linolenic acid)、イコサペンタエン酸(icosapentaenoic acid)、ドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、酢酸トコフェロール(tocopherol acetate)、エダラボンが挙げられる。
【0178】
本明細書中、ビタミン類としては、例えば、アスコルビン酸(ascorbic acid)、酢酸トコフェロール(tocopherol acetate)、メコバラミン(mecobalamin)が挙げられる。
【0179】
本明細書中、性ホルモンまたはその誘導体としては、例えば、プロゲステロン、エストラジオール、安息香酸エストラジオール等が挙げられる。
【0180】
本明細書中、グリセリン製剤としては、例えば、グリセオール等が挙げられる。
【0181】
以上の併用薬は例示であって、これらに限定されるものではない。また、併用薬には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。さらにこれらの薬物は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを上記の薬物と併用することにより、薬物を単独で投与した場合に比較して、予防、治療および/または症状進展抑制効果を補完および/または増強したり、薬物の投与量・副作用を軽減したり、もしくは薬物耐性の発現を防止したりするといった有用な効果が得られる。
【0182】
[毒性]
本発明の薬剤の毒性は十分に低いものであり、医薬品として使用するために十分安全であることが確認された。例えば、イヌを用いた単回静脈内投与では、(2R)−2−プロピルオクタン酸は、100mg/kgで死亡例が見られなかった。
【発明の効果】
【0183】
本発明の薬剤は、運動機能障害の予防、治療および/または進展抑制剤として有用である。該運動機能障害としては「末梢神経系疾患(例えば、ニューロパチー、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、脳神経麻痺、糖尿病性末梢神経障害、重症筋無力症、筋ジストロフィー等)に起因する運動機能障害」、「中枢神経系疾患(例えば、ジストニア、ハンチントン病、脊髄性筋萎縮症、脊髄小脳変性症、脊髄損傷に伴う神経機能障害、椎間板ヘルニア等)に起因する運動機能障害」および「それらに分類できないその他の運動機能障害の症状および徴候(例えば、末梢性ニューロパチー痛、ジスキネジア等)」が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0184】
以下に、本発明の薬剤の製剤例を開示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また当然ではあるが、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の条件を変化させてもよい。
製剤例1
(2R)−2−プロピルオクタン酸(2.0kg)とリン酸三ナトリウム・12水和物(3.54kg)を加え、注射用水を用いて40Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア0.22μmメンブレン)で濾過し、2mLずつプラスチックアンプルに充填し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、1アンプル中100mgの活性成分を含有するアンプル2万本を得た。
製剤例2
ゼラチン(15kg)および濃グリセリン(4.5kg)を、精製水(15kg)の存在下、70℃で混和し、均一な溶液を得た。この溶液および(2R)−2−プロピルオクタン酸(0.6kg)を、ソフトカプセル充填機(ロータリー式軟カプセル成型機H−1型;カマタ)に投入し、(2R)−2−プロピルオクタン酸を充填したソフトカプセルの生球を得た。得られた生球を、タンブラ乾燥および棚乾燥に順次付すことにより、1カプセル中に100mgの(2R)−2−プロピルオクタン酸を含有するソフトカプセル剤(3000カプセル)を得た。
【産業上の利用可能性】
【0185】
本発明の(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有してなる薬剤は、運動機能障害の予防、治療および/または進展抑制剤として有用であるため医薬として有用である。該運動機能障害としては「末梢神経系疾患(例えば、ニューロパチー、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、脳神経麻痺、糖尿病性末梢神経障害、重症筋無力症、筋ジストロフィー等)に起因する運動機能障害」、「中枢神経系疾患(例えば、ジストニア、ハンチントン病、脊髄性筋萎縮症、脊髄小脳変性症、脊髄損傷に伴う神経機能障害、椎間板ヘルニア等)に起因する運動機能障害」および「それらに分類できないその他の運動機能障害の症状および徴候(例えば、末梢性ニューロパチー痛、ジスキネジア等)」が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有してなる運動機能障害の予防、治療および/または進展抑制剤。
【請求項2】
運動機能障害が末梢神経系疾患に起因する障害である請求項1記載の剤。
【請求項3】
末梢神経系疾患が(1)末梢神経、馬尾神経、神経根および神経叢の障害、(2)眼筋、眼球運動、調節および屈折の障害、(3)内耳疾患における神経機能障害、(4)皮膚および粘膜病変を特徴とするウイルス感染症に伴う神経機能障害、(5)原虫疾患に伴う神経機能障害、(6)糖尿病における神経機能障害、(7)代謝障害における神経機能障害、(8)甲状腺障害における神経機能障害、(9)中皮および軟部組織の悪性新生物による神経機能障害、(10)脳神経の悪性新生物による神経機能障害、(11)末梢神経および自律神経系の良性新生物による神経機能障害、(12)頭部損傷に伴う神経機能障害、(13)頸部損傷に伴う神経機能障害、(14)脊柱障害における神経機能障害、(15)体幹および四肢の損傷に伴う神経機能障害、(16)軟部組織障害、(17)炎症性多発性関節障害、(18)出産時の外傷に伴う神経機能障害、(19)自律神経系障害、(20)神経筋接合部の疾患、(21)麻痺性症候群、(22)筋疾患および(23)全身性結合組織障害から選ばれる1種以上の疾患である請求項2記載の剤。
【請求項4】
末梢神経系疾患が単ニューロパチー、多発ニューロパチー、遺伝性運動性および感覚性ニューロパチー、シャルコー・マリー・トゥース病、デジェリン・ソッタ病、炎症性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、三叉神経障害、舌咽神経障害、顔面神経障害、疼痛性チック、帯状疱疹後神経痛、神経痛性筋萎縮症、幻肢痛、急性上腕神経炎、急性腕神経叢炎、上腕神経叢障害、胸郭出口圧迫症候群、椎間板ヘルニアによる神経根および神経叢の圧迫による神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、脳神経麻痺、糖尿病性末梢神経障害疼痛、脊髄損傷に伴う神経機能障害、坐骨神経痛、末梢神経系の出産時の損傷、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー、重症筋無力症、新生児筋無力症、先天性筋無力症症候群、眼筋重症筋無力症、薬物または毒物による中毒性神経筋伝達障害、イートン・ランバート症候群、全身性強直症候群、運動麻痺、筋ジストロフィー、チャネロパチー、ミオパチー、多系統脳筋症、進行性外眼筋麻痺、カーンズ・セイアー症候群、ミトコンドリア脳筋症、皮膚筋炎および多発性筋炎から選ばれる1種以上の疾患である請求項2記載の剤。
【請求項5】
運動機能障害が中枢神経系疾患に起因する障害である請求項1記載の剤。
【請求項6】
中枢神経系疾患が(1)錐体外路障害および異常運動、(2)系統萎縮症、(3)神経変性疾患、(4)脱髄性疾患、(5)挿間性および発作性障害、(6)脳性麻痺、(7)中枢神経系の炎症性疾患による神経機能障害、(8)中枢神経系のウイルス感染症による神経機能障害、(9)皮膚および粘膜病変を特徴とする中枢神経系のウイルス感染症による神経機能障害、(10)結核による神経機能障害、(11)性的伝播様式をとる感染症による神経機能障害、(12)中枢神経系の原虫疾患による神経機能障害、(13)栄養欠乏症における神経機能障害、(14)脳および中枢神経系の悪性新生物または続発性悪性新生物による神経機能障害、(15)中枢神経系の良性新生物による神経機能障害、(16)脳血管疾患に伴う神経機能障害、(17)頭部損傷に伴う中枢神経系の神経機能障害、(18)脊柱障害における中枢神経系の神経機能障害、(19)妊娠に関連する中枢神経系の母体障害に伴う神経機能障害、(20)出産時の外傷による中枢神経系の神経機能障害、(21)薬物、薬剤および生物学的製剤による中毒および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害および(22)薬用を主としない物質の毒作用および/またはその続発・後遺症によって起こる神経機能障害から選ばれる1種以上の疾患である請求項5記載の剤。
【請求項7】
中枢神経系疾患がジストニア、異常運動、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群、ミオクローヌス、舞踏病−無定位運動症、チック、アテトーシス、舞踏アテトーゼ運動、ヘミパリズム、ハンチントン病、遺伝性運動失調症、脊髄性筋萎縮症、運動ニューロン疾患、原発性側索硬化症、進行性球麻痺、進行性偽球性麻痺、新生物随伴症候群、脊髄小脳変性症、フリートライヒ運動失調症、多系統萎縮症、マッカードジョセフ病、シャイ・ドレーガー症候群、晩発性小脳皮質萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、テイ・サックス病、亜急性連合性脊髄変性症、白質ジストロフィー、痙性脳性麻痺、麻痺性または非麻痺性急性灰白髄炎、亜急性硬化性全脳炎、コクサッキーウイルス感染症による神経機能障害、エンテロウイルス感染症による神経機能障害、脊柱管狭窄による馬尾神経の圧迫による神経機能障害、脊髄損傷に伴う神経機能障害および椎間板ヘルニアから選ばれる1種以上の疾患である請求項5記載の剤。
【請求項8】
運動機能障害が(1)しびれ、疼痛および神経因性疼痛、(2)神経系および筋骨格系に関する症状および徴候、(3)皮膚および皮下組織に関する症状および徴候、(4)会話および音声に関する症状および徴候、(5)認識、知覚、情緒状態および行動に関する症状および徴候、および(6)小児期、児童期および青年期に発症する行動および情緒の障害から選ばれる1種以上の疾患である請求項1記載の剤。
【請求項9】
運動機能障害が急性術後疼痛、手術後疼痛症候群、慢性難治性疼痛、末梢性ニューロパチー痛、ガン性疼痛、神経障害性疼痛症候群、有痛性外傷単神経障害、有痛性多発神経障害、糖尿病性末梢神経障害疼痛、中枢性疼痛症候群、複雑局所疼痛症候群、反射交感神経ジストロフィー、灼熱痛、幻肢痛、異常不随意運動、ジスキネジアおよび運動失調症から選ばれる1種以上の疾患である請求項1記載の剤。
【請求項10】
1回あたりの(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの投与量が約50mg乃至約1500mgであることを特徴とする経口投与用の請求項1記載の剤。
【請求項11】
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの投与期間が1日乃至約1年間である請求項10記載の剤。
【請求項12】
1回あたりの(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの投与量が体重1kgあたり約0.5mg乃至約25mgであることを特徴とする静脈内投与用の請求項1記載の剤。
【請求項13】
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグの投与期間が1日乃至約10日間である請求項12記載の剤。

【公開番号】特開2006−290881(P2006−290881A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−68509(P2006−68509)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】