説明

1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン及び1−ブロモプロパンを備えた三成分系共沸混合物様組成物

1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及び第三構成成分を含有する三成分系共沸混合物及び共沸混合物様組成物、並びにその使用について記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三成分系共沸混合物並びに1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及び第三構成成分を含有する共沸混合物様組成物、並びに基材、基材を洗浄し、コーティング材を堆積し、熱エネルギーを移動させ、かつ作業を潤滑化するための共沸混合物及び共沸混合物様組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びヒドロクロロカーボン(HCC、例えば1,1,1−トリクロロエタン及び四塩化炭素)は、乾燥、洗浄(例えば、プリント回路基板からのフラックス残渣の除去)及び蒸気脱脂のような広範な溶媒用途で用いられている。これらの材料はまた、冷蔵及び熱伝達プロセスでも用いられている。しかしながら、塩素含有炭素部位での光分解反応性及び均一反応性が、地球のオゾン層の破壊の一因であることが示されている。更に、CFCの長い大気寿命は、地球温暖化と関連がある。結果として、CFCを代替する世界規模の動きが存在する。
【0003】
低オゾン破壊能に加えて、代替において求められている特徴としては、典型的には、種々の溶媒清浄化用途で好適な沸点範囲、低燃焼性及び低毒性が挙げられる。幾つかの用途では、溶媒代替品は、炭化水素系及びフルオロカーボン系の汚れを溶解させる能力も有するべきである。幾つかの実施形態では、溶媒代替品は低毒性も有し、引火点を有さず(ASTM D3278−98 e−1、「Flash Point of Liquids by Small Scale Closed−Cup Apparatus」により測定したとき)、許容可能な安定性を有し、短い大気寿命を有し、低地球温暖化能を有する。
【0004】
ヒドロフルオロエーテル(HFE)は、CFC及びHCFCの代替品として関心が高まっている。一般的に、HFEは化学的に安定であり、低毒性を有し、非燃焼性であり、非オゾン破壊性である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
場合によっては、HFEは、1種又はそれ以上の共溶媒と共沸混合物を形成して、HFEの溶媒特徴を改良する又は強化することができる。多くの共沸混合物が、それを有用な溶媒にする特性を保有する。例えば、共沸混合物は、加工及び使用中、沸点の変動を避ける一定の沸点を有する。更に、共沸混合物を溶媒として用いるとき、組成物は沸騰又は還流中変化しないため、性質は依然として変わらないままである。溶媒として用いられる共沸混合物は、蒸留により都合よく回収することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態では、良好な溶媒強度を有する共沸混合物様組成物を提供することが望ましい。別の態様において、幾つかの実施形態では、低燃焼性を有する共沸混合物様組成物を提供することが望ましい。更に別の態様では、幾つかの実施形態では、非オゾン破壊性であり、及び/又は比較的短い大気寿命を有し、その結果地球温暖化の重大な一因とならない(即ち、低い地球温暖化能を有する共沸混合物様組成物)共沸混合物様組成物を提供することが望ましい。
【0007】
要約すると、一実施形態では、本発明は、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及び第三構成成分のブレンドを含む三成分系共沸混合物様組成物を提供する。第三構成成分は、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールから選択される。幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物は、潤滑性添加剤及び/又はフッ化水素酸を更に含む。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、共沸混合物様組成物及び共沸混合物様組成物に可溶性又は分散性である、少なくとも1種のコーティング材料を含むコーティング組成物を提供する。
【0009】
更に別の実施形態では、本発明は、表面上にコーティングを付着させるプロセスであって、共沸混合物様組成物を含むコーティング組成物を、表面の少なくとも一部に適用することを含み、少なくとも1種のコーティング材料が共沸混合物様組成物に可溶性又は分散性であるプロセスを提供する。
【0010】
更に別の実施形態では、本発明は、金属、サーメット又は複合材料を潤滑化するプロセスであって、前述のプロセスが本発明の共沸混合物様組成物を含む潤滑化流体を使用するプロセスを提供する。
【0011】
更に別の実施形態では、本発明は、汚染物質が共沸混合物様組成物に溶解する、分散する又は共沸混合物様組成物により置き換えられるまで、基材を、本発明による共沸混合物様組成物の1種又はそれ以上に接触させる工程と、溶解した、分散した又は置き換えられた汚染物質を含有する共沸混合物様組成物を基材の表面から除去する工程とを含む、基材の表面から汚染物質を除去するのを助けるためのプロセスを提供する。
【0012】
更に別の実施形態では、本発明は、熱伝達プロセスであって、本発明による共沸混合物様組成物の1種又はそれ以上が、熱伝達流体として使用されるプロセスを提供する。
【0013】
上記概要は、各実施形態を記載することを意図するものではない。また、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態の詳細を以下の明細書に示す。他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかとなる。
本開示の実施形態は、添付図面で例を用いて例示されるが、限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】共沸混合物及び共沸混合物様領域を示す、成分Bの百分率対沸点の概要図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
共沸混合物組成物又は共沸混合物は、その沸点で、液体共沸混合物組成物の部分蒸発により生成される蒸気が、液体と同じ組成を有する単一物質のような挙動を示す、2種又はそれ以上の物質の混合物を含む。
【0016】
共沸組成物は、個々の構成成分のそれぞれよりも高い最高沸点、あるいはそれよりも低い最低沸点のいずれかを示す定沸点混合物である。用語を規定するために、図1を使用する。仮定的な混合物B’を図1に示す。混合物B’は、構成成分A及びBを含む。混合物B’は、沸点対構成成分B%としてプロットされ、曲線151として表される。
【0017】
図1では、個々の成分A及びBの沸点は、それぞれ95℃、及び100℃である。混合物B’の共沸混合物は、155で表される。この共沸混合物は、構成成分A及びBの両方よりも低い沸点を有する。
【0018】
共沸混合物様組成物は、個々の成分のそれぞれより高い、又は個々の成分のそれぞれの沸点より低い温度で沸騰する。混合物B’の共沸混合物様領域は、網掛け領域153で表される。構成成分Bを0%超〜40%で含むB’組成物は、共沸混合物様でありかつ構成成分A及びBの両方よりも低い沸点を有すると考えられている。図1に見ることができるように、共沸混合物組成物は、物質の特定混合物の共沸混合物様組成物の範囲で含まれる。三成分系共沸混合物及び共沸混合物様組成物は同様にプロットされて、領域153のような三次元体積を生じ得る。
【0019】
共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、並びに、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールから選択される第三構成成分を含む。3種の構成成分の濃度は、対応する共沸組成物から大幅に変化し得、この許容変動の規模は、特定の第三構成成分に依存する。幾つかの実施形態では、共沸様組成物は、ほぼ同一濃度の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分を、周囲気圧にてそれらの間で形成される共沸混合物を含むように、含む。幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物は、時間が経っても組成物の溶解力に著しい変化を示さない。
【0020】
典型的には、共沸混合物様組成物は、個々の成分の溶媒の特定の一部を保持し、それは、特性が組み合わせられたために、個々の成分を超えて性能を強化することができる。
【0021】
1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分に加えて、共沸混合物様組成物の形成を阻害しないその他の化合物を加えてもよい。典型的には、他の成分は、少量存在する。例えば、幾つかの実施形態では、共溶媒又は界面活性剤が存在して、例えば、共沸混合物様組成物中の水、汚れ又はコーティング材料(例えば、ペルフルオロポリエーテル潤滑剤及びフルオロポリマー)のような、材料の分散性又は溶解度を高めることができる。幾つかの実施形態では、少量の潤滑添加剤が存在して、例えば、共沸混合物様組成物の潤滑特性を強化することができる。
【0022】
幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分のブレンドを含み、ここで当該組成物は、
(i)1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及びメタノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、約73.2重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、18.6重量%の1−ブロモプロパン及び8.2重量%のメタノールから本質的になり、97.6kPa(732トール)にて約45.3℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、又は
(ii)1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及びエタノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、約77.0重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、18.0重量%の1−ブロモプロパン及び5.0重量%のエタノールから本質的になり、98.0kPa(735トール)にて約50.9℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、又は
(iii)1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及びイソプロパノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、約79.9重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、17.6重量%の1−ブロモプロパン及び2.5重量%のイソプロパノールから本質的になり、98.4kPa(738トール)にて約51.9℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、から選択される。
【0023】
幾つかの実施形態では、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分の、共沸混合物様組成物中での濃度は、対応する共沸混合物中でのそのような構成成分の濃度からの差が、約10%を超えない。別の実施形態では、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分の、共沸混合物様組成物中での濃度は、対応する共沸混合物中でのそのような構成成分の濃度からの差が、約5%を超えない。
【0024】
換言すれば、共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び以下の第三構成成分のブレンドから、本質的には構成されていてよく、ここで濃度は、共沸混合物のそれからの差が+/−10%である。
【0025】
(i)65.9〜80.5重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、16.7〜20.5重量%の1−ブロモプロパン及び7.4〜9.0重量%のメタノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、97.6kPa(732トール)にて約45.3℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、又は
(ii)69.3〜84.7重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、16.2〜19.8重量%の1−ブロモプロパン及び4.5〜5.5重量%のエタノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、98.0kPa(735トール)にて約50.9℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、又は
(iii)71.9〜87.9重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、15.8〜19.4重量%の1−ブロモプロパン及び2.3〜2.8重量%のイソプロパノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、98.4kPa(738トール)にて約51.9℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド。
【0026】
別の実施形態では、共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び以下の第三構成成分のブレンドから、本質的には構成されていてよく、ここで濃度は、共沸混合物のそれからの差が+/−5%である。
【0027】
(i)69.5〜76.9重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、17.7〜19.5重量%の1−ブロモプロパン及び7.8〜8.6重量%のメタノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、97.6kPa(732トール)にて約45.3℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、又は
(ii)73.2〜80.8重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、17.1〜18.9重量%の1−ブロモプロパン及び4.8〜5.2重量%のエタノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、98.0kPa(735トール)にて約50.9℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、又は
(iii)75.9〜83.9重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、16.7〜18.4重量%の1−ブロモプロパン及び2.4〜2.6重量%のイソプロパノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、98.4kPa(738トール)にて約51.9℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド。
【0028】
当該技術分野において既知であるように、共沸混合物の組成物は、例えば、周囲気圧が上昇するにつれて、液体の沸点も上昇し、また同様に、周囲気圧が低下するにつれて、液体の沸点も低下する等、圧力によって変動する。幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物は、均質である、即ち、周囲条件下で(即ち、室温及び大気圧で)単相を形成する。
【0029】
共沸混合物様組成物は、所望量の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分を、任意のその他微量構成成分(例えば、界面活性剤又は潤滑添加剤)とともに、従来の混合手段を使用して混合することにより調製することができる。
【0030】
幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物は、冷媒として、潤滑流体として、コーティング液体として等、清浄化プロセス、熱伝達プロセスで用いてもよい。
【0031】
種々の異なる溶媒清浄化及び/又は汚染除去技術が当該技術分野において既知である。1つの実施形態では、清浄化プロセスは、基材上の汚染物質が共沸混合物様組成物に実質的に溶解する、分散する又は置き換えられるまで、汚染された基材を、本開示の共沸混合物様組成物のうち1種に接触させ、次いで、基材から溶解した、分散した又は置き換えられた汚染物質を含有する共沸混合物様組成物を除去する(例えば、新たに調製した汚染されていない共沸混合物様組成物で基材をすすぐことにより、又は槽から共沸混合物様組成物に浸漬した基材を取り出し、汚染された共沸混合物様組成物を基材から流すことにより)ことにより、実施できる。共沸混合物様組成物は、蒸気又は液体状態のいずれか(又は両方)で使用でき、基材と「接触させる」ための任意の既知の技術を使用できる。例えば、液体共沸混合物様組成物を基材上に噴霧する若しくはブラシで塗ることができ、蒸気性共沸混合物様組成物を基材に吹きつけることができるか、又は基材を蒸気若しくは液体共沸混合物様組成物のいずれかに浸漬することができる。幾つかの実施形態では、高温、超音波エネルギー及び/又は攪拌を用いて、清浄化を促進することができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物はまた、半導体製造中に汚染物質を除去するためにも有用である。例えば、集積回路又は他の小さな構成要素を共沸混合物様組成物に曝露して、フォトレジスト残留物、イオン注入後の残留物、エッチング後の残留物、微粒子及び更には水を含む、表面上の不要な物質を除去してもよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、本開示の代表的なプロセスを用いて、有機及び/又は無機基材を洗浄することができる。代表的な基材の例としては、金属、セラミックス、ガラス、シリコンウエハ、ポリマー、例えばポリカーボネート、ポリスチレン及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、天然繊維(及びそれに由来する布地)、例えば綿、絹、亜麻布、ウール、ラミー、毛皮、レザー及びスエード、合成繊維(及びそれに由来する布地)、例えばポリエステル、レーヨン、アクリル、ナイロン、ポリオレフィン、アセテート、トリアセテート及びこれらのブレンド、天然及び合成繊維を含む布地、並びに前述の材料の組み合わせ(例えば、積層体、混合物、ブレンド等)が挙げられる。幾つかの実施形態では、プロセスは、電子部品(例えば、回路基板)、光学又は磁気媒体、並びに医療装置及び医療用物品、例えば注射器、手術用機器、埋め込み型装置及び人工装具の精密洗浄で特に有用である。
【0034】
幾つかの実施形態では、代表的な洗浄及び/又は汚染除去プロセスを用いて、基材の表面から大部分の汚染物質を除去することができる。例えば、軽質炭化水素汚染物質、鉱油、グリース、切削油及び鍛造油並びにワックスのような高分子量の炭化水素汚染物質、ペルフルオロポリエーテル、ブロモトリフルオロエチレンオリゴマー(ジャイロスコープ流体)及びクロロトリフルオロエチレンオリゴマー(水圧液、潤滑剤)のようなフルオロカーボン汚染物質、シリコーン油及びグリース、フォトレジスト、はんだフラックス、微粒子、並びに精密、電子、金属及び医療装置洗浄において遭遇する汚染物質のような物質を除去できる。幾つかの実施形態では、プロセスは、炭化水素汚染物質(特に軽質炭化水素油)、フルオロカーボン汚染物質、フォトレジスト及び微粒子の除去に特に有用である。
【0035】
幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物は抽出にも有用である。ここでは、洗浄は、基材(例えば、自然発生材料、食品、化粧品及び医薬品)からこれらの物質の溶解又は置換により、汚染物質(例えば、脂肪、ワックス、油又は他の溶媒)を除去することを含む。
【0036】
幾つかの実施形態では、代表的な共沸混合物様組成物はコーティング付着に使用することもでき、ここでは共沸混合物様組成物がコーティング材料の担体として機能し、材料を基材の表面上に付着させることができ、それにより共沸混合物様組成物を含むコーティング組成物及び、共沸混合物様組成物を用いて基材表面上にコーティングを付着させるプロセスを提供する。プロセスは、基材の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に(a)共沸混合物様組成物及び(b)共沸混合物様組成物に可溶性又は分散性である少なくとも1種のコーティング材料を含む、液体コーティング組成物のコーティングを適用する工程を含む。コーティング組成物は、更に、1種又はそれ以上の添加剤(例えば、界面活性剤、着色剤、安定剤、抗酸化剤、難燃剤等)を含むことができる。好ましくは、プロセスは、例えば蒸発させることにより(例えば熱又は真空の適用によって促進することができる)、付着したコーティングから共沸混合物様組成物を除去する工程を更に含む。
【0037】
このプロセスにより付着させることができるコーティング材料としては、色素、シリコーン潤滑添加剤、安定剤、接着剤、抗酸化剤、染料、ポリマー、医薬品、化粧品、剥離剤、無機酸化物等及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい材料としては、ペルフルオロポリエーテル、炭化水素及びシリコーン潤滑添加剤、テトラフルオロエチレンの非晶質コポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。プロセスで用いるのに好適な材料の代表的な例としては、二酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、ペルフルオロポリエーテル、ポリシロキサン、ステアリン酸、アクリル接着剤、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンの非晶質コポリマー及びこれらの組み合わせが挙げられる。上記基材のいずれかを(汚染除去用途のために)コーティングすることができる。1つの実施形態で特に有用なのは、ペルフルオロポリエーテル潤滑剤で磁気ハードディスク若しくは電気コネクタを、又はシリコーン潤滑添加剤で医療装置をコーティングすることである。
【0038】
コーティング組成物を形成するために、組成物の成分(即ち、用いられる共沸混合物様組成物、コーティング材料及び任意の添加剤)を、例えば機械的攪拌、超音波攪拌、手動攪拌等により、コーティング材料を溶解する、分散する又は乳化するために用いられる、任意の従来の混合技術により組み合わせることができる。共沸混合物様組成物及びコーティング材料は、コーティングの所望の厚さに応じて、任意の比で組み合わせることができる。幾つかの実施形態では、コーティング材料は、約0.1〜約10重量パーセントのコーティング組成物を含む。
【0039】
本開示の代表的な付着させるプロセスは、任意の従来の技術により基材にコーティング組成物を適用することにより実施できる。例えば、組成物を基材上にブラシで塗る若しくは噴霧する(例えば、エアゾールとして)ことができ、又は基材をスピンコーティングすることができる。幾つかの実施形態では、基材は、組成物に浸漬することによりコーティングされる。浸漬は、任意の好適な温度で実施でき、任意の都合のよい時間維持することができる。基材が、カテーテルのような管であり、組成物を確実にカテーテルの管腔壁にコーティングするのが望ましい場合、減圧の適用により管腔に組成物を引くことが有利である場合がある。
【0040】
幾つかの実施形態では、コーティングを基材に適用した後、共沸混合物様組成物を付着したコーティングから、蒸発により除去することができる。幾つかの実施形態では、蒸発速度は、減圧又は穏やかな加熱の適用により加速することができる。コーティングは、任意の所望厚みであることができる。一般的に、厚さは、例えば、コーティング材料の粘度、コーティングが適用される温度及び引き上げ速度(浸漬を用いる場合)のような要因により決定される。
【0041】
幾つかの実施形態では、本発明の共沸混合物様組成物は、熱伝達流体が熱エネルギー(例えば、熱)を直接又は間接的方法で伝達することができる熱伝達プロセスで、熱伝達流体として用いられ得る。直接熱伝達(時に「直接接触熱伝達」と呼ばれる)とは、熱伝達流体が、ヒートシンク若しくは熱源に流体を直接接触させることにより、ヒートシンク若しくは熱源に及び/又はヒートシンク若しくは熱源から、流体に熱を直接伝導する熱伝達プロセスを指す。直接熱伝達の例としては、電子部品の浸漬冷却又は内燃機関の冷却が挙げられる。
【0042】
間接熱伝達とは、熱伝達流体が、ヒートシンク若しくは熱源に流体を直接接触させることなく、ヒートシンク若しくは熱源に及び/又はヒートシンク若しくは熱源から、熱を伝導する熱伝達プロセスを指す。間接熱伝達の例としては、ビル、車及び据付機械装置で用いるような、冷蔵、空調及び/又は加熱(例えばヒートポンプを用いて)プロセスが挙げられる。他の実施形態では、二次ループ冷媒として又は一次ループ冷媒として、共沸混合物様組成物を使用することを含む、熱を伝達するプロセスを提供する。これらの実施形態では、二次ループ冷媒(即ち、広い温度範囲の液体流体)は、熱源と一次ループ冷媒との間で熱を伝達する手段を提供する(即ち、例えば気体に膨張することにより熱を受容し、典型的には、圧縮機を用いることにより、液体に液化されることにより熱を拒絶する、低温度沸騰流体)。共沸混合物様組成物が有用である場合がある装置の例としては、遠心式冷凍機、家庭用冷蔵庫/冷凍庫、自動車用空調機器、冷蔵車、ヒートポンプ、スーパーマーケットの食品冷却機及び陳列ケース並びに冷凍倉庫が挙げられる。
【0043】
間接熱伝達プロセスでは、熱伝達のための潤滑添加剤は、可動部(例えば、ポンプ及び弁)が関与して、確実に可動部を長期間作動させ続け、熱伝達流体に組み込むことができる。一般的に、これらの潤滑添加剤は、良好な熱及び加水分解安定性を有するべきであるとともに、熱伝達流体において少なくとも部分的溶解度を呈するべきである。好適な潤滑添加剤の例としては、鉱油、脂肪族エステル、クロロトリフルオロエチレン含有ポリマーのような高度にハロゲン化された油及びアルキレンオキシドポリマーのような合成潤滑添加剤が挙げられる。共沸混合物様組成物は、有機ランキンサイクルで作動流体としても機能して、工業プロセス、地熱又は太陽熱からの廃熱のような源からエネルギーを回収することもできる。
【0044】
幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物を用いて、本発明の共沸混合物様組成物及び少なくとも1種の完全に揮発性である潤滑添加剤を含む、作動流体又は潤滑剤を配合することができる。潤滑添加剤は、本明細書では、加工品及び用具の間の摩擦係数を改良する添加剤として定義される。幾つかの実施形態では、潤滑添加剤を含む共沸混合物様組成物は、加工操作のための作動流体を形成する。
【0045】
加工操作における代表的な基材としては、金属、サーメット及び複合材料の加工品が挙げられる。代表的な金属としては、耐火金属(例えば、タンタル、ニオビウム、モリブデン、バナジウム、タングステン、ハフニウム、レニウム及びチタン)、貴金属(例えば、銀、金及びプラチナ)、高温金属(例えば、ニッケル、チタン合金及びニッケルクロム)、例えば、マグネシウム、銅、アルミニウム、鋼(例えば、ステンレス鋼)を含む他の金属、合金(例えば、黄銅及び青銅)並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0046】
典型的には、作動流体は、機械加工表面を潤滑化し、滑らかで、実質的に残留物を含まない機械加工された加工品の表面をもたらす。幾つかの実施形態では、これらの操作で用いられる代表的な作動流体はまた、例えば熱及び/又は微粒子物質を除去することにより、機械加工環境(例えば、加工品と機械加工用具との間の表面界面)を冷却する。
【0047】
サーメットは、いずれか一方のみの単独では見られない物理的特性を有するセラミック及び金属成分の混合物からなる半合成製品である。例としては、金属カーバイド、酸化物及びシリサイドが挙げられる。
【0048】
複合材料は、本明細書では、ポリマーマトリックス中の高温繊維、例えばエポキシ樹脂中のガラス又は炭素繊維の組み合わせ(例えば、積層体、混合物、ブレンド等)として記載される。
【0049】
幾つかの実施形態では、作動流体は、切削及び成形プロセスが潤滑化されて、摩擦、用具若しくは加工品の発熱を低減し、及び/又は加工品から用具への物質移動を妨げるように、配合される。幾つかの実施形態では、作動流体は完全に加工工具を湿潤させる。幾つかの実施形態では、作動液に含まれる共沸混合物様組成物は、加工工具及び加工品から蒸発する。幾つかの実施形態では、潤滑添加剤は、摩擦並びに用具及び加工品の表面上での発熱を低減し、及び/又は加工品から工具への物質移動を妨げる、薄膜として存在する。一般的に、潤滑添加剤は、あまりにも早く蒸発することなく、加工プロセスを潤滑化するのに十分高い沸点を有し、加工プロセスから完全に蒸発するのに十分低い沸点を有し、その結果、残留物がほとんど又は全く残らない(即ち、揮発性である)ように、選択される。加工操作の潤滑添加剤の例としては、C〜C14脂肪酸のエステル、アルキレングリコールエーテル、炭化水素留出物及び乳酸が挙げられる。
【0050】
記載した用途のそれぞれでは、共沸混合物様組成物はそれ自体として用いることができ、又は共沸混合物様組成物のブレンドを用いることもできるが、但しブレンドもまた共沸混合物様である。同様に、微量の共溶媒を共沸混合物様組成物に添加することができるが、但し添加は共沸混合物の挙動を乱さない。有用な共溶媒としては、例えば、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、炭化水素、ヒドロクロロカーボン(HCC)又は水を挙げることができる。好適な共溶媒の代表的な例としては、二酸化炭素、1,1−ジフルオロエタン、1−ヒドロペンタデカフルオロヘプタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロプロパン、水、飽和ペルフルオロ化合物(例えば、ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサン及びペルフルオロ(N−メチルモルホリン)及びこれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、共沸混合物様組成物は、更にフッ化水素酸(HF)を含んでよい。
【0051】
本開示の利点及び実施形態を、以下の実施例によって更に例示するが、これらの実施例において列挙される特定の材料及びその量並びに他の諸条件及び詳細によって、本発明を不当に制限するものではないと解釈すべきである。他に言及されるか、明らかでない限り、全材料は市販であるか、又は当業者に知られている。
【実施例】
【0052】
本開示の共沸混合物様組成物の調製、同定及び試験について、以下の実施例に更に記載する。これらの実施例において列挙されるその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を過度に制限しないと解釈されるべきである。これらの実施例では、全ての百分率、割合及び比は、特に指示しない限り重量による。
【0053】
1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパンは、Synquest Labs,Inc(Alachua,FL)から入手してよく、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分は、Aldrich Chemical Company,Inc.(Milwaukee,WI)から入手した。
【0054】
(実施例1〜3)
1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分の各種混合物を周囲気圧(97.6〜98.4kPa(732〜738トール))にて、以下の手順を使用して蒸留して、当該混合物が三成分系共沸混合物を形成したかどうかを確認したが、もし確認できた場合には、当該共沸混合物の組成及び沸点(bp℃)を記録した。少なくとも2回の蒸留を行なって、結果を平均した。混合物を調製し、同心円管蒸留塔(型式933、Ace Glass、Vinland,NJ)内で周囲研究室気圧(96.8〜97.6kPa(726〜732トール))にて蒸留した。それぞれの場合、蒸留により、少なくとも60分間全還流で均衡化することが可能になった。各蒸留では、5種の連続留出物サンプル、それぞれ総液体チャージのおよそ10体積%、を10:1の液体還流比で塔を操作している間に得た。留出物サンプルの組成を、次いで、RTX−200キャピラリーカラム(Restek Corp、Bellefonte,PA)又はNukolキャピラリーカラム(Supelco、Bellefonte,PA)又はQuadrex 007シリーズメチルシリコーンキャピラリーカラム(Quadrex Corp.、New Haven,CT)及び熱伝導率検出器を備える、HP−5890シリーズIIプラスガスクロマトグラフィーを用いて分析した。各留出物の沸点を、熱電対を用いて測定した。本試験手順に引き続き、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分の共沸混合物を同定した。
【0055】
以下に示す表1では、3種の共沸混合物の組成及び沸点を、実施例1〜3として示す。
【0056】
【表1】

【0057】
本開示の範囲及び趣旨から外れることなく、本開示の予測可能な修正及び変更が当業者にとって自明であろう。本発明は、例証目的のために本明細書に記載されている実施形態に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分のブレンドを含む共沸混合物様組成物であって、前記組成物が
(i)1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及びメタノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、約73.2重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、18.6重量%の1−ブロモプロパン及び8.2重量%のメタノールから本質的になり、97.6kPa(732トール)にて約45.3℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、又は、
(ii)1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及びエタノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、約77.0重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、18.0重量%の1−ブロモプロパン及び5.0重量%のエタノールから本質的になり、98.0kPa(735トール)にて約50.9℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、又は、
(iii)1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及びイソプロパノールから本質的になるブレンドであって、分別蒸留した場合に、約79.9重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、17.6重量%の1−ブロモプロパン及び2.5重量%のイソプロパノールから本質的になり、98.4kPa(738トール)にて約51.9℃で沸騰する共沸混合物である蒸留留分を形成するブレンド、から選択される、共沸混合物様組成物。
【請求項2】
1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン、及び第三構成成分の、共沸混合物様組成物中での濃度が、対応する共沸混合物中でのそのような構成成分の濃度からの差が、約10%を越えない、請求項1に記載の共沸混合物様組成物。
【請求項3】
共沸混合物様組成物中でのエーテル及び有機溶媒の濃度が、対応する共沸混合物中でのそのような構成成分の濃度からの差が、約5%を越えない、請求項1に記載の共沸混合物様組成物。
【請求項4】
前記共沸混合物様組成物が共沸混合物である、請求項1に記載の共沸混合物様組成物。
【請求項5】
1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及び第三構成成分のブレンドを含む共沸混合物様組成物であって、前記ブレンドが
(i)65.9〜80.5重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、16.7〜20.5重量%の1−ブロモプロパン及び7.4〜9.0重量%のメタノールから本質的になるブレンド、又は
(ii)69.3〜84.7重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、16.2〜19.8重量%の1−ブロモプロパン及び4.5〜5.5重量%のエタノールから本質的になるブレンド、又は
(iii)71.9〜87.9重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、15.8〜19.4重量%の1−ブロモプロパン及び2.3〜2.8重量%のイソプロパノールから本質的になるブレンド、から選択される、請求項1に記載の共沸混合物様組成物。
【請求項6】
1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1−ブロモプロパン及び第三構成成分のブレンドを含む共沸混合物様組成物であって、前記ブレンドが
(i)69.5〜76.9重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、17.7〜19.5重量%の1−ブロモプロパン及び7.8〜8.6重量%のメタノールから本質的になるブレンド、又は
(ii)73.2〜80.8重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、17.1〜18.9重量%の1−ブロモプロパン及び4.8〜5.2重量%のエタノールから本質的になるブレンド、又は
(iii)75.9〜83.9重量%の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−メトキシ−プロパン、16.7〜18.4重量%の1−ブロモプロパン及び2.4〜2.6重量%のイソプロパノールから本質的になるブレンド、から選択される、請求項1に記載の共沸混合物様組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の共沸混合物様組成物及び少なくとも1種のコーティング材料を含む、コーティング組成物。
【請求項8】
請求項7に記載のコーティング組成物が第一表面の少なくとも一部分と接触する、第一表面を有する基材を含む、コーティングされた物品。
【請求項9】
基材表面上にコーティングを付着させるプロセスであって、請求項7に記載のコーティング組成物を、前記基材の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に適用することを含み、前記少なくとも1つのコーティング材料が、前記共沸混合物様組成物に可溶性又は分散性である、プロセス。
【請求項10】
請求項1に記載の前記共沸混合物様組成物及び潤滑添加剤を含む、作動流体。
【請求項11】
前記潤滑添加剤が揮発性である、請求項10に記載の作動流体。
【請求項12】
フッ化水素酸を更に含む、請求項1に記載の共沸混合物様組成物。
【請求項13】
金属、サーメット、又は複合材料を潤滑化するためのプロセスであって、請求項10に記載の作動流体を使用して潤滑化される、プロセス。
【請求項14】
基材の表面から汚染物質を除去するプロセスであって、前記汚染物質が共沸混合物様組成物に溶解する、分散する又は前記共沸混合物様組成物により置き換えられるまで、前記基材を、請求項1に記載の前記共沸混合物様組成物の1種又はそれ以上に接触させる工程と、溶解した、分散した又は置き換えられた前記汚染物質を含有する前記共沸混合物様組成物を前記基材の表面から除去する工程と、を含む、プロセス。
【請求項15】
請求項1に記載の前記共沸混合物様組成物の少なくとも1種が、熱伝達流体として用いられる、熱伝達プロセス。

【図1】
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【公表番号】特表2011−510137(P2011−510137A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543199(P2010−543199)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/030888
【国際公開番号】WO2009/091761
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】