説明

17−β−フッ化アンドロスタンエステル類の調製に係る中間体としての17β−(α−ヒドロキシ)−エステル類

ポリハロゲン化ステロイドの調製方法に係り、特に、新規のアンドロスタンS−ヒドロキシアルキル又はアラルキル−17−カルボチオエート中間体の形成によるアンドロスタンフッ素誘導体コルチコステロイドの調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にアンドロスタンフッ素誘導体などのポリハロゲン化ステロイドの調製方法に係り、特に、下述の一般式(III)の新規のアンドロスタンS−ヒドロキシアルキル又はアラリキル17−カルバチオエート誘導体の形成により、フルチカゾンプロピオン酸(S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート)及びこれらの誘導体の調製方法に関する。上記のステロイド類は、抗炎症作用を有する薬物処方の調製に有用である。
【背景技術】
【0002】
ポリハロゲン化ステロイドの合成方法は、本技術分野において公知であって、特に、6α−フッ化異性体を主として形成するアンドロスタンフッ化誘導体の調製方法は公知である。しかしながら、これら全ては、複雑な精製制御などかなりの困難を伴い(特許文献1参照)、特に有毒な試薬を使用し(特許文献2参照)、低い収率の反応であり、工業的な応用には不向きである(特許文献3参照)という特徴を有する。
【0003】
従って、複数の中間ステップを考慮して、簡単に実用可能で工業的に許容可能な州立を得ることが出来、市販で簡便に入手可能な試薬を使用して、高い純度の中間体を高収率で得られることを特徴とする反応による、ポリハロゲン化ステロイド、特にアンドロスタンフッ化誘導体の新規の合成方法に達成する要求がある。
【特許文献1】米国特許第2,961,411号明細書
【特許文献2】米国特許第4,619,921号明細書
【特許文献3】米国特許第4,335,121号明細書
【特許文献4】国際公開第01/62722号パンフレット
【特許文献5】英国特許出願公開第2137206号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
抗炎症作用を有する薬物処方の調製に有用なポリハロゲン化ステロイドの新規の調製方法の開発において、本願出願人は、驚くべきことに、活性薬物の調製用の中間体として、下記の一般式(III)で示す、新規のクラスに属するアンドロスタンS−ヒドロキシアルキル又はアラルキル−17−カルボチオエート中間体を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
つまり、本発明の目的は、以下で示す一般式(III)の化合物である:
下記一般式(III)の化合物であって、
【化4】

Rは、H又はCOR’あり、
R’は、1乃至6の炭素を有する直鎖又は分岐アルキル基であり;
R’’は、ステロイド骨格に係る平面に対してα位又はβ位で、1乃至5の炭素を有する直鎖又は分岐鎖の、水素及びアルキル基からなる群から選択された置換基であるか、ORとで、好ましく4乃至6の炭素を有する環を形成した、16α,17α−イソプロピルインデンジオキシ基又はより高級の16α,17α―アルキルインデンジオキシ基であり;
R’’’は、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、フェニル基若しくは置換フェニル基、及びアラルキル基若しくは置換アラルキル基からなる群から選択された置換基であり;
X、Y及びZは、ステロイド骨格に係る平面に対してα位又はβ位で、水素、水酸基、塩素基、フッ素基、及びカルボニル基から選択され、互いに同一或いは相違する置換基であり、或いは
XとYとは、環を形成して、エポキシ基又は前記一般式の構造の9位と11位との間で二重結合を形成する、
ことを特徴とする化合物である。
【0006】
本発明のさらなる目的は、上記の一般式(III)で示す化合物の調製方法及びS−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)からS−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)への変換方法である。
【0007】
以下の記述により、本発明の特徴及び利点を詳細に述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る一般式(III)の化合物は、抗炎症作用を有する薬物処方の調製に結うようなステロイド類の合成において出発物質として特に有用である。
【0009】
本発明に係る一般式(III)の化合物のうち、特に有用なのは、以下の化合物である:
S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5);
S−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11);
S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17);
S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21);
S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27);及び
S−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33);
である。
【0010】
下述するように分離し、同定し、特徴付けされた本発明に係る一般式(III)の化合物は、フルチカゾンプロピオン酸を含むアンドロスタンS−フルオロメチル−17−カルボチオエート類の直接の前駆体である。
【0011】
本発明のさらなる目的は、以下の通りである:
d)式R’’’CHOで示されるアルデヒドを一般式(II)の化合物と反応させるステップd)
【化5】

からなる一般式(III)の化合物の調製方法であって、
R’’’は、上記一般式(III)の化合物で定義した置換基と同一であり、
前記アルデヒドは、場合によって、アセタール型であり、
は、アンモニウムイオン又はアミンのイオン型であり、或いは
Mは、一般式(III)の化合物を与えるように、H又はアルカリ金属であり、
前記反応は、Mがアルカリ金属であるかMがアンモニウムイオン又はアミンのイオン型である場合、場合によって、強酸の存在下で実行される、
ことを特徴とする方法。
【0012】
本発明の好適実施例によると、上記のステップd)の反応において、強酸は、塩酸である。
【0013】
本発明に係る上記ステップd)に示す好適実施例において、上記アルデヒドは、ホルムアルデヒドである。
【0014】
一般式(III)の化合物は、特許文献4及び5に記載の通りの本技術分野において公知の工程により、容易に得られ、これらの化合物は、容易に単離され、同定され、且つ特徴付けられ得る化合物である。
【0015】
本発明による一般式(III)の化合物の調製方法における各実施例の中で特に興味深いのは、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)、S−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11)、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21)、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27)、及びS−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33)の調製方法である。
【0016】
本発明のさらなる目的は、上述の一般方法によるS−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)の調製方法であって、ここで、一般式(II)の化合物は、ホルムアルデヒドを用いた上記のステップd)により製造される6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17βチオカルボキシレートジアンモニウム塩(4)であって、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)を得る。
【0017】
開始試薬である6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17βチオカルボキシレートジアンモニウム塩(4)は:
a)6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−17α−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(1)を、トリエチルアミン存在下で、プロピオニルクロライドと反応させて、6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(2)を与えるステップ;
b)該ステップa)の6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(2)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(3)を与えるステップ;並びに
c)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(3)を、ジエチルアミンと反応させて、6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17βチオカルボキシレートジアンモニウム塩(4)を与えるステップ;
からなる方法により得られる。
【0018】
本発明のさらなる目的は、上述の一般方法によるS−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11)の調製方法であって、ここで、一般式(II)の化合物は、9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(10)であって、この塩は、ホルムアルデヒドを用いてステップd)にて反応して製造され、S−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11)を得る。
【0019】
開始試薬である9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩は、以下のステップからなる方法により、上記のステップd)の反応の上流で簡単に調製される。これらステップは:
前記ステップd)の後、ステップe)の反応として、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)のイオウ原子に対してα位にある水酸基を選択的にフッ素化し、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)を与える反応であって、
該選択的なフッ素化反応は、求核フッ素化試薬を用いて実行される。
【0020】
本発明のさらなる目的は、上述の一般方法によるS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)の調製方法であって、ここで、一般式(II)の化合物は、6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエートジエチルアンモニウム塩(16)であって、ホルムアルデヒドを用いてステップd)により製造され、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)を得る。
【0021】
開始試薬である6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(16)は、以下のステップからなる方法により、上記のステップd)の上流にて簡単に調製され得る。これらステップは:
請求項3に記載の方法に従ったS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)の調製方法であって、
一般式(II)の化合物は、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)を与えるように、前記ステップd)において、ホルムアルデヒドを用いて反応させて製造される17β−カルボチオイック−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(16a)である。
【0022】
本発明のさらなる目的は、上述の一般方法によるS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)の調製方法であって、ここで、一般式(II)の化合物は、ホルムアルデヒドを用いて上記のステップd)で反応して製造される17β−カルボチオイック−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシー17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(16a)であって、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)を得る。
【0023】
開始試薬である17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(16a)は、以下のステップからなる方法により、上記のステップd)の上流にて簡単に製造され得る。これらのステップは:
開始試薬である17β−カルボチオイック−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(16a)は:
a)6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(13)を、トリエチルアミン存在下、プロピオニルクロライドと反応させて、6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(14)を与えるステップ;
b)該ステップa)の6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(14)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を与えるステップ;並びに
c’)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を、水酸化ナトリウムと反応させて、リン酸と処理して、17β−カルボチオイック−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(16a)を与えるステップ;
からなる方法により得られる。
【0024】
本発明のさらなる目的は、上記の一般方法によるS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21)の合成方法であって、ここで、一般式(II)の化合物は、ホルムアルデヒドを用いて上記のステップd)にて反応して製造される17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン酸(20)であって、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21)を得る。
【0025】
開始試薬である17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン酸(20)は:
b)前記ステップa)の6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(13)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を与えるステップ;並びに
c’)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を、硫化水素ナトリウムと反応させ、リン酸で処理して、17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン酸(20)を与えるステップ;
からなる方法により得られる。
【0026】
本発明のさらなる目的は、上述の一般方法によるS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27)の合成方法であって、ここで、一般式(II)の化合物は、ホルムアルデヒドを用いて上記のステップd)にて反応して製造される17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(26)であって、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27)を得る。
【0027】
開始試薬である17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(26)は:
a’)6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸16,17−アセトニド酸(24)を与えるように、空気存在下、6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α,21−テトラヒドロキシ−1,4−プレグナジエン−3,20−ジオン−16,17−アセトニド−21−アセテート(23)をアルカリ加水分解するステップ;
b)該ステップa’)の6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸16,17−アセトニド酸(24)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(25)を得るステップ;並びに
c’)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(25)を、硫化水素ナトリウムと反応させ、リン酸で処理して、17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(26)を与えるステップ;
からなる方法により得られる。
【0028】
本発明のさらなる目的は、上記の一般方法によるS−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33)の合成方法であって、ここで、一般式(II)は、ホルムアルデヒドを用いて上記のステップd)で反応して製造される17βカルボチオイック9β,11β−エポキシ−16α,17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(32)であって、S−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33)を得る。
【0029】
開始物質である17βカルボチオイック9β,11β−エポキシ−16α,17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(32)は:
a’)6α,9α−ジフルオロ−9β,11β−エポキシ−16α,17α,21−トリヒドロキシ−1,4−プレグナジエン−3,20−ジオン−16,17−アセトニド−21−アセテート(29)を、空気存在下、アルカリ加水分解し、9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸 16,17−アセトニド酸(30)を与えるステップ;
b)該ステップa’)の9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸 16,17−アセトニド酸(30)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(31)を与えるステップ;並びに
c’)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(31)を、硫化水素ナトリウムと反応させ、リン酸で処理し、17βカルボチオイック9β,11β−エポキシ−16α,17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(32)を与えるステップ;
からなる方法により得られる。
【0030】
一般式(III)の化合物並びに特に化合物(5)、(11)、(17)、(21)、(27)及び(33)は、ステップd)の後のステップe)で示す反応である、硫黄原子に対するα位の水酸基を選択的にフッ素化する反応により、以下の一般式(IV)の化合物のそれぞれの直接の前駆体である。
【化6】

【0031】
ここで、R、R’’、R’’’、X、Y及びZは、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)に係る、S−フルオロメチル9β,11β−エポキシ−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(12)に係る、S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)に係る、S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(22)に係る、S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17アセトニド(28)に係る、且つ、S−フロオロメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(34)に係る上述と同様の置換基を有する。
【0032】
ステップe)における選択的なフッ素化反応は、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド(Deoxo−Fluor(登録商標)にて公知)、ジエチルアミノサルファトリフルオライド(DAST(登録商標)にて公知)、及びヘキサフルオロプロピルジエチルアミン(MEC81(登録商標)にて公知)からなる群から好ましく選択された求核フッ素化試薬を用いてなされる。
【0033】
本発明のさらなる目的は、70%フッ化水素酸を用い、−30℃〜室温の範囲の温度、好ましくは−20℃〜0℃の温度で、上記のステップe)の後のステップf)にて、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)を反応させることによる、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)からS−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)への変換反応である。これにより、S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)を得る。
【0034】
本発明の上述の方法は、以下のスキーム1乃至8の通りである。
【0035】
スキーム1:S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)の調製。
【化7】

【0036】
スキーム2:S−フルオロメチル9β,11β−エポキシ−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(12)の調製。
【化8】

【0037】
スキーム3:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)の調製。
【化9】

【0038】
スキーム4:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)の調製。
【化10】

【0039】
スキーム5:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(22)の調製。
【化11】

【0040】
スキーム6:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17アセトニド(28)の調製。
【化12】

【0041】
スキーム7:S−フロオロメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(34)の調製。
【化13】

【0042】
スキーム8:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)の調製。
【化14】

【0043】
反応産物及び中間体は、H−NMR分析で特徴付けを行った。
【0044】
以下に、複数の例を示すが、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0045】
例1:6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(2)の調製
10nmolの6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−17α−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(1)(3.7g)の50mLのCHCl溶液と33.5mLのトリエチルアミン(4.7mL)とを、0℃にて40mmolのプロピオニルクロライド(3.5mL)を用いて処理する。この混液を撹拌下約3時間保持し、TLC(ベンゼン:酢酸エチル:酢酸=6:3:1)にて反応の進行をチェックする。
【0046】
反応完了後、有機相を、pH約10となるまで過剰量のNHOHで3回洗浄し;その水相を、pH約3となるまで、2Nの塩酸にてゆっくり酸性化し、その生成物を再びCHClで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾固し、完全に濃縮した。収率は80%であり、収量は3.45gである。
【0047】
H−NMR,300MHz:(CDC1中);δ0.95(d,3H,Me16,J=7.2Hz);1.06(s,3H,Me18);1.18(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.45(s,3H,Me19);2.43(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);2.70(m,1H);3.25(m,1H);3.34(s,1H,H11);5.36−5.65(dddd,1H,H6,J=1.5,6.0,11.0,49.2Hz);6.31(dd,1H,H2,J=2.1,10.2Hz);6.51 (m,1H,H4);6.58(d,1H,H1,J=10.2Hz)。その他のプロトンに係るシグナルは、1.4乃至3.2ppmの範囲に見出される。
【0048】
例2:17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(3)の調製
10nmolの6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(2)(4.32g)の50mLアセトン溶液を、20mmolのジメチルチオカルバモイルクロライド(2.47g)、22mmolのトリエチルアミン(3.1mL)、1mmolのヨウ化ナトリウム(0.15g)及び水(0.40mL、10重量%)で処理する。この混液を撹拌下、室温で約3時間保持し、TLC(移動相:酢酸エチル)を用いて反応の進行をチェックする。この反応の終了後、溶媒を濃縮し、その残渣をDMAcに溶解し;この溶液を冷水に浸し、その沈殿物を吸引濾過し、水で洗浄し、乾固する。収率は85%であり、収量は4.41gである。
【0049】
H−NMR,300MHz:(CDCl中);δ0.98(d,3H,Me16,J=7.2Hz);1.14(s,3H,Me18);1.2(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.45(s,3H,Me19);2.43(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);2.70(m1H);3,11(s,3H,NMe);3.25(m, 1H;3.35(s,1H,H11);5.35−5.65(dddd,1H,H6,J=1.5,6.0,10.8,49.2Hz);6.29(dd,1H,H2,J=1.8,9.9 Hz);6.50(m,1H,H4);6.57(dd,1H,H1,J=1.2,9.9 Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.5乃至3.2ppmに見出される。
【0050】
例3:6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(4)の調製
10nmolの17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(3)(5.19g)に、16mLのジエチルアミンを添加する。この反応混合物を60℃(還流温度)で加熱し、2乃至3時間撹拌下で保持し、TLC(移動相:酢酸エチル)で反応の進行をチェックし併せてこの生成物の溶解度をチェックする。この反応の完了後、上記のジエチルアミンを濃縮し、ジエチルエーテルに分散させその後濾過して、その生成物を得る。収率は70%であり、収量は3.64gである。
【0051】
H−NMR,300MHz:(CDCl中);δ0.94(d,3H,Me18,J=6.9Hz);1.07(s,3H,Me18);1.14(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.40(t,6H,NCHMe,J=7.2Hz);1.45(s, 3H,Me19);2.41(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);2.70 (m,1H);3.10(q,4H,NCHMe,J=7.2Hz)3.34(s,1H, H11);3.60(bs,2H NH);5.30−5.65(dddd,1H,H6, H=1.5,6.0,10.8,49.2Hz);6.29(d,1H,H2,J=10.5Hz);6.49(m,1H,H4);6.57(d,1H,H1,J=10.5Hz)。その他のプロトンに係るシグナルは、1.5乃至2.4ppmに見出される。
【0052】
例4:S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)の調製
10mmolの6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(4)(5.21g)の100mLCHCl溶液を、0℃で冷却した10mmolのHCl(2N、5mL)で処理し、50mmolのホルマリンを添加する(40%m/V、3.5mL)。この混合物を、撹拌下、約30分保持し、TLCで反応の進行をチェックする(ベンゼン:酢酸エチル:酢酸=7:3:1)。反応完了後、有機相を弱酸性の水で数回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾固した後、濃縮して、固形の産物を得る。収率は、80%で、収量は3.82gである。
【0053】
H−NMR,300MHz:(CDCl中);δ0.93(d,3H,Me16,J=8.2Hz);0.98(s,3H,Me18);1.12(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.45(s,3H,Me19);2.40(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);2,70(m,1H);3.32(s,1H,H11);5.10 (m,2H,SCHOH);5.25−5.62(dddd,1H,H6,J=1.5,6.0,11.0,49.6Hz);6.25(dd,1H,H2,J=1.8,10.5Hz);6.44(m,1H,H4);6.53(d,1H,H1,J=10.5Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.5乃至3.3ppmに見出された。
【0054】
例5:S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)の調製
不活性化雰囲気下、−60℃で、10mmolのS−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)の10mLCHCl溶液に、1.2mmolのDeoxofluor(0.2mi)とゆっくり加える。この混合物を、撹拌下、10分間保持し、TLCにて、反応の進行をチェックした(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)。反応完了後、弱アルカリ水で数回洗浄し、その有機相を濃縮し、最終的に無水硫酸ナトリウム上で乾固した;その固体産物は、85%の収率(収量0.41g)で得られた。
【0055】
例6:9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(8)の調製
10nmolの9β,11β−エポキシ−17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(7)(3.43g)の50mLCHCl溶液及び33.5mmolのトリエチルアミン(4.7mL)を、0℃にて、40mmolのプロピオニルクロライド(3.5mL)で処理する。この混合物を、攪拌下、約3時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(ベンゼン:酢酸エチル:酢酸=6:3:1)。
【0056】
反応完了後、その有機相を、pH約10となるまで、過剰量のNHOHを用いて三回洗浄する;またその水相は、その後、pH約3となるまで2NのHClでゆっくり酸性化し、その産物を再びCHClで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾固し、最終的に濃縮する。収率は、90%で、収量は3.60gであった。
【0057】
例7:17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(9)の調製
9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(8)(4.00g)の50mLアセトン溶液を、20mmolのジメチルチオカルバモイルクロライド(2.47g)、22mmolのトリエチルアミン(3.1mL)、1mmolのヨウ化ナトリウム(0.15g)及び最終的に水(0.40mL、10重量%)で処理する。この混合物を、攪拌下、約3時間、室温で保持し、TLCを用いて反応の進行をチェックした(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、その溶媒を濃縮し、その残渣をDMAcに溶解する;この溶液を冷水に浸積し、沈殿物を吸引濾過し、水で洗浄した後、乾固する。収率は90%であり、収量は、4.38gである。
【0058】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.00(s,3H,Me18);1.19 (t,3H,OCCHMe,J=7.6Hz);1,47(s,3H,Me19); 2.41(q,2H,OCCHMe,J=7.6Hz),3.10(s,6H,NMe);3.31(s,1H,H11);6.20(m,1H,H4);6.24(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.65(d,1H,H2,J=10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.5乃至3.2ppmに見いだされる。
【0059】
例8:9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(10)の調製
10mmolの17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(9)に、16mLのジエチルアミンを添加する。この反応混合物を、60℃(還流温度)で加熱し、攪拌下、約2時間保持して、TLCを用いて反応の進行をチェックした(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、上記ジエチルアミンを濃縮し、ジエチルエーテルに分散し濃縮した後、反応産物を得た。収率は、52%であり、収量は、2.54gである。
【0060】
H−NMR,300 MHz:(CDC1中);δ0.96(s,3H,Me18);1.14(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.39(t,6H,NCHMe,J=7.5Hz);1.48(s,3H,Me19)2.43(q,2H,OCCH Me,J=7.5Hz);3.07(q,4H,NCHMe,J=7.5Hz);3.30 (s,1H,H11);3.50(bs,2H,NH);6.21(m,1H,H4);6.25(dd,1H,H2,J=1.5,10.2Hz);6.67(d,1H,H1,J=10.2 Hz)。その他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至3.0ppmに見いだされる。
【0061】
例9:S−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11)の調製
10mmolの9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(10)(4.89g)の100mLCHCl溶液を、0℃に冷却した10mmolのHCl(2N、5mL)で処理し、50mLのホルマリンを添加する(40%m/V、3.5mL)。この混合物を、攪拌下、約30分保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(ベンゼン:酢酸エチル:酢酸=7:3:1)。反応完了後、その有機相を弱酸性水で数回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾固し、濃縮して固形の産物を得る。収率は、80%であり、収量は3.92gである。
【0062】
H−NMR,300 MHz:(CDC1中);δ0.98(s,3H,Me18); 1.16(t,3H,OCCHMe J=7.5Hz);1.43(s,3H,Me19);2.42(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);3.28(t,1H,OH,J=8.1Hz);3.31(s,1H,H11);5.11(dqAB,2H,SCH0H,J=8.1,10.8Hz);6.2(m,1H,H4);6.26(dd,1H, H2,J=1.8,10.2Hz);6.65(d,1H,H1,J=10.2Hz)。その他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至3.0ppmに見出される。
【0063】
例10:S−フルオロメチル9β,11β−エポキシ−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(12)の調製
不活性化雰囲気下、−60℃で、1mmolのS−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11)(0.49g)の10mLCHCl溶液に、1.2mmolのDeoxofluor(0.22mL)を添加する。この混合物を、攪拌下、10分間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)。反応完了後、弱アルカリ性水で数回洗浄し、その有機相を、濃縮し、最終的に、無水硫酸ナトリウム上で乾固する;シリカ上でのクロマトの後(シクロヘキサン:酢酸エチル=20:80)、収率40%(収量0.20g)にて、純粋な固体の産物を得る。
【0064】
H−NMR,300MHz:(CDCl中);δ0.94(s,3H,Me18); 1.20(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.43(s,3H,Me19);2.40(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);3.34(s,1H,H11);5.63−6.06(dqAB,2H,SCHF,J=9.4,50.1Hz);6.21(m,1H,H4);6.27(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.65(d,1H,H1,J=10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至3.1ppmに見出される。
【0065】
例11:6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(14)の調製
10mmolの6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(13)(3.96g)の50mLCHCl溶液及び33.5mmolのトリエチルアミン(4.7mL)を、0℃にて、40mLのプロピオニルクロライド(3.5mL)で処理する。この混合物を、攪拌下、約3時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(ベンゼン:酢酸エチル:酢酸=7:3:1)。
【0066】
反応完了後、その有機相を、pHが約10となるまで、過剰量のNHOHで3回洗浄し;その水相は、pHが約3となるまで、2NのHClで酸性化し、その産物を、再びCH2Cl2で抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾固し、最終的に濃縮する。収率は、95%であり、収量は、4.29gである。
【0067】
H−NMR,200MHz:(CDC1中);δ0.98(d,3H,Me16,J=7.2Hz);1.17(s,3H,Me18);1.20(t,3H,OCCHMe,J=7.4Hz);1.55(s,3H,Me19);2.41(q,2H,OCCHMe,J=7.4Hz);3.30(m,1H);4.42(m,1H,H11);5.20−5. 60(dddd,1H,H6,J=1.5,6.2,11.8,49.2Hz);6.20(dd,1H,H2,J=1.8,10.4Hz);6.45(m,1H,H4);7.18(d,1H,H1,J=10.4 Hz)。その他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至3.2ppmに見出される。
【0068】
例12:17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)の調製
10mmolの6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(14)(4.52g)の50mLアセトン溶液を、20mmolのジエチルチオカルバモイルクロライド(2.47g)、22mmolのトリエチルアミン(3.1mL)、1mmolのヨウ化ナトリウム(0.15g)及び最終的に水(0.40mL、10重量%)で処理する。この混合物を、攪拌下、室温にて、約3−4時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、その溶媒を濃縮し、残渣をDMAcに溶解する;この溶液を、冷水に浸積し、沈殿物を吸引濾過し、水で洗浄後、乾固する。収率は、95%であり、収量は、5.12gである。
【0069】
H−NMR,300 MHz:(CDCl中);δ1.02(d,3H,Me16,J=7.2Hz);1.18(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.23(s, 3H,Me18);1.56(s,3H,Me19);2.42(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);3.13(s,3H,NMe);3.21(s,3H,NMe);3.37(m,1H);5.25−5.60(dddd,1H,H6,J=1.5,6.6,11.8,48.6Hz);6.41(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.47(m,1H,H4);7.17(dd,1H,H1,J=1.5,10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至2.6ppmに見出される。
【0070】
例13:6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエートジエチルアンモニウム塩(16)の調製
10mmolの17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)(5.39g)を、16mLのジエチルアミンに添加する。この反応混合物を、60℃(還流温度)にて、加温し、攪拌下、約2時間保持し、TLCを用いて、反応の進行及び産物の可溶化の度合いをチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、上記ジエチルアミンを濃縮し、ジエチルエーテルに分散し濾過した後、純粋な産物を得る。収率は、60%であり、収量は、3.24gである。
【0071】
H−NMR,300MHz:(CDCl中);δ0.98(d,3H,Me16,J=6.9Hz);1.14(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.19(s, 3H,Me18);1.43(t,6H,NCHMe,J=7.5Hz)1.56(s,3H,Me19);2.38(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);3.15(q, 2H,NCHMe);3.75(bs,2H,NH);4.41(m,1H,H11);5.20−5.60(dddd,1H,H6,J=1.5,6.6,11.8,49.2Hz);6.41(d,1H,H2,J=10.5Hz);6.47(m,1H,H4); 7.20(d,1H,H1,J=10.5Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至3.2ppmに見出される。
【0072】
例14:S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)の調製
A:10mmolの6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエートジエチルアンモニウム塩(16)(5.41g)の100mLCHCl溶液を、0℃に冷却した10nmolのHCl(2N、5mL)で処理し、50mmolのホルマリンを添加する(40%m/V、3.5mL)。この混合物を、攪拌下、約1時間、保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(ベンゼン:酢酸エチル:酢酸=7:3:1)。反応完了後、その有機相を、弱酸性水で数回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾固し、濃縮した後、固形の産物を得る。収率は、80%であり、収量は、3.98gである。
【0073】
B:10mmolの6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエートジエチルアンモニウム塩(16)(5.41g)の100mLDMAc溶液を、10mmolのHCl(2N、5mL)及び10mmolのパラホルムアルデヒド(0.5g)で処理する。この混合物を、90℃で加熱し、攪拌下、約3時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(ベンゼン:酢酸エチル:酢酸=7:3:1)。反応完了後、この反応混合物を冷水に浸積し、その沈殿物を吸引濾過し、水を用いて洗浄後、乾固する。収率は、55%であり、収量は、2.74gである。
【0074】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.01(d,3H,Me16,J=7.0Hz);1.11(s,3H,Me18);1.17(t,3H,OCCHMe,J=7.4Hz);1.54(s,3H,Me19);2.38(q,2H,OCCHMe,J=7.4Hz);3.40(m,1H);4.43(m,1H,H11);5.15 (qAB,2H,SCHOH,J=11.0);5.20−5.60(dddd.1H,H6,J=1.5,6.6,11.0,49.6Hz);6.43(m,2H,H2,H4);7.15(d,1H,H1,J=10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.7ppmに見出される。
【0075】
例15:S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)の調製
5mmolの17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)(2.70g)を、0℃に冷却した35mLのDMAcに溶解し、20mmolのNaSH・一水和物に添加する(1.48g)。この混合物を、攪拌下、約1時間、0℃で保持し、さらに1時間反応を進行させ、TLCを用いて反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。その後、再度0℃に冷却し、水を添加し、pH3に調整したリン酸(HPO)に非常にゆっくり浸し、40mLのCHClで抽出し、最終的に無水硫酸ナトリウム上で乾固する。0℃に冷却された、得たカルボチオイック−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシー17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(17)の溶液を、50mmolのホルマリン(40%m/V、3.5mL)で処理する。この混合物を、攪拌下、約1時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)。反応完了後、上記CHClを除き、残った溶液を、氷水に浸す。このようにして得た沈殿物を濾過し、水で洗浄した後、乾固する。収率は、75%であり、収量は、1.70gである。
【0076】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.01(d,3H,Me16,J=7.0Hz);1.11(s,3H,Me18);1.17(t,3H,OCCHMe,J=7.4Hz);1,54(s,3H,Me19);2.38(q,2H,OCCHMe,J=7.4Hz);3.40(m,1H);4.43(m,1H,H11);5.15 (qAB,2H,SHOH,5.20−5.60(dddd.1H,H6,J=1.5,6.6,11.0,49.6Hz);6.43(m,2H,H2,H4);7.15(d,1 H,H1,J=10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.7ppmに見出される。
【0077】
例16:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)の調製
不活性雰囲気下、−60℃で、1mmolのS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)(0.50g)の10mLCHCl溶液に、1.2mmolのDeoxofluor(0.22mL)をゆっくり添加する。この混合物を、攪拌下、10分間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)。反応完了後、弱アルカリ水で数回洗浄し、その有機相を濃縮し、最終的に無水硫酸ナトリウム上で乾固する;シリカ上のクロマトグラフ(シクロヘキサン:酢酸エチル=70:30)にて収率35%(収量0.17g)にて、純粋な固形の産物を得る。
【0078】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.01(d,3H,Me16,J=7.4Hz);1.12(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1.19(s, 3H,Me18);1.54(s,3H,Me19);2.39(q,2H,OCCHMe, J=7.5Hz);3,40(m,1H);4.41(m,1H,H11);5.25−5.60(dddd,1H,H6,J=1.8,6.2,11.0,48.2Hz);5.70−6.10(dqAB,2H,SCHF,J=9.6,50.0Hz);6.41(dd,1H,H2,J=1.8,10.5Hz);6.47(m,1H,H4);7.14(dd, 1H,H1,J=1.4,10.5Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.6ppmに見出される。
【0079】
例17:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)の調製
不活性雰囲気下、−20℃で、1mmolのS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)(0.50g)の10mLTHF溶液に、1.5mmolのDAST(0.20mL)をゆっくり添加する。この混合物を、攪拌下、20分間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)。反応完了後、酢酸エチルで希釈し、弱アルカリ水で数回洗浄し、その有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾固し、最終的に濃縮し;収率68%(収量0.34g)で純粋な固形の産物を得る。
【0080】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.01(d,3H,Me16,J=7.4Hz);1.12(t,3H,OCCHMe,J=7.5Hz);1,19(s, 3H,Me18);1.54(s,3H,Me19);2.39(q,2H,OCCHMe,J=7.5Hz);3.40(m,1H);4.41(m,1H,H11);5.25−5.60(dddd,1H,H6,J=1.8,6.2,11.0,48.2Hz);5.70−6.10(dqAB,2H,SCHAF,J=9.6,50.0Hz);6.41(dd,1H,H2,J=1.8,10.5Hz);6.47(m,1H,H4);7.14(dd, 1H,H1,J=1.4,10.5Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.6ppmに見出される。
【0081】
例18:17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(19)の調製
10nmolの6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(13)(3.98g)の50mLアセトン溶液を、20mmolのジメチルチオカルバモイルクロライド(2.47g)、22mmolのトリエチルアミン(3.1mL)、1mmolのヨウ化ナトリウム(0.15g)及び最終的に水(0.40mL、10重量%)で処理する。この混合物を、攪拌下、3〜4時間、室温で保持し、TLCを用いて反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、その溶媒を濃縮し、残渣をDMAcに溶解する;この溶液を冷水に浸積し、産物を沈殿させ、その後濾過し、乾固する。収率は、96%であり、収量は、4.64gである。
【0082】
H−NMR,200 MHz:(CDCl中);δ1.02(d,3H,Me16,J=7.2Hz);1.17(s,3H,Me18);1.56(s,3H.Me19); 3.12(s,3H,NMe);3.16(s,3H,NMe);4.43(m,1H,H11);5.20−5.60(dddd,1H,H6,J=1.5,6.6,11.8,48.6Hz);6.40(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.46(m,1H,H4);7.15(dd,1H,H1,J=1.4,10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至2.6ppmに見出される。
【0083】
例19:17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン酸(20)の調製
40mLのDMAcに溶解され0℃に冷却された5mmolの17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(19)(2.42g)を、20mmolのNaSH・一水和物(1.48g)で処理する。この反応混合物を、攪拌下、0℃で、1時間保持し、さらに1時間、室温で保持し、TLCを用いて反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、この反応混合物を、pH約3に保持した弱酸性の冷水に浸積し;白色の固体として、産物が沈殿する。濾過後、産物を70mLのCHClに溶解し、後の反応に用いる。
【0084】
H−NMR,200 MHz;(CDCl中),δ0.99(d,3H,Me16,J=7.2Hz);1.12(s,3H,Me18);1.55(s,3H,Me19); 3.09(m,1H);4.43(M,1H,H11);4.68(bs,1H,SH); 5.20−5.60(dddd,1H,H6,J=1.5,6.6,11.8,49.2 Hz);6.39(dd,1H,H2,J=1.8,10.0Hz);6.45(s,1H,H4);7.13(dd,1H,H1,J=1.5,9.6Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至3.2ppmに見出される。
【0085】
例20:S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21)の調製
5mmol(理論値)の17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン酸(20)の0℃に冷却した70mLのCHCl溶液を、20mmolのホルマリン(40%m/V,1.38mL)で処理する。この混合物を、攪拌下、約1時間保持し、TLCを用いて反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、その反応産物を、CHClで抽出する;その有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾固し濃縮する。収率が65%で収量が1.44gにて、固体の産物を得た。
【0086】
H−NMR,200MHz :(CDCl中);δ0.99(d,3H,Me16,J=7.2Hz);1.10(s,3H,Me18);1.54(s,3H,Me19);3.11(m,1H);4.39(m,1H,H11);5.06(m,2H,SCHHO);5.15−5.60(dddd,1H,H6,J=1.5,6.6,11.0,49.6Hz);6.39(dd,1H,H2,J=1.8,10.0Hz);6.44(m,1H,H4);7.13(dd,1H,H1,J=1.5,10.0Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.7ppmに見出される。
【0087】
例21:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(22)の調製
不活性雰囲気下、60℃にて、1mmolのS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21)(0.44g)の10mLCHCl溶液に、1.2mmolのDeoxofluor(0.22mL)をゆっくり添加する。この混合物を、攪拌下、10分間保持し、TLCを用いて反応の進行をチェックする(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)。反応完了後、弱アルカリ水で数回洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾固して、最終的に濃縮する;シリカを用いたクロマトグラフィーにより、純粋の固形の産物を得る(シクロヘキサン:酢酸エチル=60:40)。収率は、35%であり、収量は、0.16gである。
【0088】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.00(d,3H,Me16,J=7.4Hz);1.10(s,3H,Me18);1.52(s,3H,Me19);3.15(m,1H);4.40(m,1H,H11);5.10−5.60(dddd,1H, H6,J=1.8,6.2,11.0,48.2Hz);5.86(dqAB,2H,SCHF,J=9.6,50.0Hz);6.38(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.44(m,1H,H4);7.14(dd,1H,H1,J=1.4,10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.6ppmに見出される。
【0089】
例22:6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸16,17−アセトニド酸(24)の調製
7gの6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α,21−テトラヒドロキシ−1,4−プレグナジエン−3,20−ジオン−16,17−アセトニド−21−アセテート(23)(14.17mol)に、90mLのEtOHを添加し、0℃に冷却した後、30mLのEtOHに溶解した3.17gのKOH(4等量)を浸積させた。この反応混合物を、2.5時間調節(tempering)することにより、気流下に載置する。その間、TLCを用いて反応の進行をチェックした(シクロヘキサン:EtOAc=1:3)。反応完了後、溶媒を濃縮し、その残渣を再び見ずに溶解して、EtOAcで洗浄する(2回);その水相を、pH3に希釈したHPOで酸性化し、EtOAcで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾固し、最終的に濃縮した。その結果、白色の固体として、産物である6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸16,17−アセトニド酸(24)を得た。収率は、89%であり、収量は、5.50gである。
【0090】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.00(s,3H,Me18); 1.25(s,3H,Me);1.39(s,3H,Me);1.51(s,3H,Me);4.27(m,1H,H11);5.09(d,1H,H16,J=3.0Hz);5.10−5.50(dddd,1H,H6,J=1.5,6.2,11.8,49.2Hz);6.33(dd,1H,H2,J=1.8,10.0Hz);6.39(m,1H,H4);7.18(dd,1H,H1,J=1.4,10.0Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至3.2ppmに見出される。
【0091】
例23:17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(25)の調製
10mmolの6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸16,17−アセトニド酸(24)の50mLアセトン溶液を、20mmolのジメチルチオカルバモイルクロライド(2.47g)、22mmolのトリエチルアミン(3.1mL)、1mmolのヨウ化ナトリウム(0.15g)及び最終的に水(0.40mL、10重量%)で処理する。この混合物を、攪拌下、3〜4時間、室温で保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、溶媒を濃縮し、残渣をAcOEtに溶解し、弱アルカリ水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾固し、濃縮する。収率50%(収量2.62g)で、固形の産物を得る。
【0092】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.07(s,3H,Me18);1.32(s,3H,Me);1.47(s,3H,Me);1.55(s,3H,Me);3.11(s,3H,NMe);4.49(m,1H,H11);5.05(d,1H,H16,J=3.8Hz);5.10−5.60(dddd,1H,H6,J=1.5,6.6,11.8,48.6Hz);6.39(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.45(m,1H,H4);7.19(dd,1H,H1,J=1.4,10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至2.6ppmに見出される。
【0093】
例24:17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(26)の調製
40mLのDMAcに溶解し0℃に冷却した5mmolの17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(25)(2.62g)を、20mmolのNaSH・一水和物(1.48g)で処理する。この反応混合物を、攪拌下、1時間、0℃で保持し、TLCを用いて反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、この反応混合物を、弱酸性の冷水に浸積し;pH約3の黄色の固体として産物が沈殿する。濾過後、この産物を70mLのCHClに溶解し、その後の反応に供する。
【0094】
H−NMR,300MHz:(CDCl中);δ1.05(s,3H,Me18);1.34(s,3H,Me);1.49(s,3H,Me);1.57(s,3H,Me);4.46(m,1H,H11);4.91(bs,1H,SH);5.01(d.1H,H16,J=5.4Hz);5.20−5.60(dddd,1H,H6,J=1.5, 6.6,11.8,49.2Hz);6.42(dd,1H,H2,J=1.8,9.6Hz);6.48(s,1H,H4);7.15(dd,1H,H1,J=1.5,9.6Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.3乃至3.2ppmに見出される。
【0095】
例25:S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27)の調製
5mmol(理論値)の17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(26)の0℃に冷却した70mLCHCl溶液を、20mmolのホルマリン(40%m/V、1.38mL)で処理する。この混合物を、攪拌下、約1時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックし(移動相:酢酸エチル)、且つ白色固体としてその産物の沈殿を観察する。反応可能後、この産物を濾過し、収率62%(収量1.50g)で得た。
【0096】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ0.92(s,3H,Me18);1.20(s,3H,Me);1.40(s,3H,Me);1.50(s,3H,Me);4.28(m,1H,H11);4.87(d,2H,SCH0H,J=11.0);4.99 (d,1H,H16,J=3.4);5.21(d,1H,SCHOH,J=11. 0);5.20−5.60(dddd,1H,H6,J=1.5,6,6,11.0,49.6Hz);6.34(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.39(m, 1H,H4);7.17(dd,1H,H1,J=1.5,10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.7ppmに見出される。
【0097】
例26:S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17アセトニド(28)の調製
不活性雰囲気下、−15℃で、1mmolのS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27)(0.48g)の10mLCHCl溶液に、10mmolのDAST(0.13mL)をゆっくり添加する。その混合物を、攪拌下、約1時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)。反応完了後、弱アルカリ性水で数回洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾固し、最終的に濃縮する;シリカ上でのクロマトグラフィーにより純粋な固形の産物を得る(シクロヘキサン:酢酸エチル=80:20)。収率は、30%であり、収量は、0.5gである。
【0098】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.01(s,3H,Me18); 1.23(s,3H,Me);1.45(s,3H,Me);1.65(s,3H,Me);4.46(m,1H,H11);5.03(d,1H,H16,J=4.0Hz); 5.20−5.70(dddd,1H,H6,J=1.8,6.2,11.0,49.2Hz);5.86(dqAB,2H,SCHF,J=9.6,50.6Hz);6.25(m,1H,H4);6.29(dd,1H,H2,J=1.8,10.0Hz);7.30(dd,1H,H1,J=1.6,10.0Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.6ppmに見出される。
【0099】
例27:9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸 16,17−アセトニド酸(30)の調製
10gの6α,9α−ジフルオロ−9β,11β−エポキシ−16α,17α,21−トリヒドロキシ−1,4−プレグナジエン−3,20−ジオン−16,17−アセトニド−21−アセテート(29)(21.93mmol)を、130mLのEtOHに添加し、70mLのEtOHに溶解した4.91gのKOH(4等量;87.72mmol)に浸積する。この反応混合物を、2.5時間、気流下に載置し、この間、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(シクロヘキサン:EtOAc=1:3)。反応完了後、溶媒を濃縮し、残渣を再び水に溶解し、EtOAcを用いて洗浄(2回)し、無水硫酸ナトリウム上で乾固し、最終的に濃縮する。EtO/EtOAcを用いた再沈殿の後、産物である9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸 16,17−アセトニド酸(30)を純粋な形で白色固体として得た。収率は、84%であり、収量は、7.37gである。
【0100】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.00(s,3H,Me18);1.30(s,3H,Me);1.46(s,3H,Me);1.47(s,3H,Me);3.29(s,1H,H11);5.10(d,1H,H16,J=4.6Hz);6.22(m,1H,H4);6.27(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.65(dd,1H,H1,J=1.4,10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.0乃至2.8ppmに見出される。
【0101】
例28:17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(31)の調製
10mmolの9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸 16,17−アセトニド酸(30)(4.00g)の50mLアセトン溶液を、20mmolのジメチルチオカルバモイルクロライド(2.47g)、22mmolのトリエチルアミン(3.1mL)、1mmolのヨウ化ナトリウム(0.15g)及び最終的に水(0.40mL、10重量%)で処理する。この混合物を、攪拌下、室温で約3〜4時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、溶媒を濃縮し、残渣をAcOEtに溶解し、弱アルカリ水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾固し、濃縮する。収率50%(収量2.44g)で固形の産物を得る。
【0102】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ1.00(s,3H,Me18);1.32(s,3H,Me);1.45(s,3H,Me);1.48(s,3H,Me);3.09(s,3H,NMe);3.13(s,3H,NMe);3.28(s,1H,H11);4.99(d,1H,H16,J=4.8Hz);6.19(m,1H,H4);6.24(dd,1H,H2,J=1.8,10.0Hz);6.63(dd,1H,H1,J=1.4,10.0Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.2乃至2.8ppmに見出される。
【0103】
例29:17βカルボチオイック9β,11β−エポキシ−16α,17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(32)の調製
40mLのDMAcに溶解し0℃に冷却した5mmolの17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(31)(2.44g)を、20mmolのNaSH・一水和物(1.48g)で処理する。この反応混合物を、攪拌下、0℃で1時間保持し、さらに室温で1時間、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。反応完了後、この反応混合物を、弱酸性の冷水に浸積し;pH約3の黄色の固体として、産物が沈殿する。濾過後、この産物を、70mLのCHClに溶解し、続く反応に供する。
【0104】
H−NMR,300MHz:(CDCl中);δ1.00(s,3H,Me18);1.33(s,3H,Me);1.46(s,3H,Me);1.48(s,3H,Me);3.32(s,1H,H11);4.81(bs,1H,SH);4.97(d,1H,H16,J=5.1Hz);6.22(m,1H,H4);6.27(dd,1H,H2,J=1.8,10.2Hz);6.65(dd,1H,H1,J=1.4,10.2Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.0乃至3.0ppmに見出される。
【0105】
例30:S−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33)の調製
5mmol(理論値)の17βカルボチオイック9β,11β−エポキシ−16α,17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(32)の70mLCHCl溶液を0℃に冷却し、20mmolのホルマリン(40%m/V、1.38mL)で処理する。この混合物を、攪拌下、約3時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(移動相:酢酸エチル)。この反応は完了せず、抽出したこの産物は、純粋ではなく、92%の収率で2.07gの収量であった。これを、次の反応にのみ使用した。
【0106】
H−NMR,300MHz:(CDCl中);δ0.92(s,3H,Me18);1.28(s,3H,Me);1.47(s,3H,Me);1.50(s,3H,Me);3.30(s,1H,H11);5.02(d,1H,H16,J=4.8Hz);5.11(qAB,2H,SCHOH,J=11.0Hz);6.21(m,1H,H4);6.26(dd,1H,H2,J=1.8,9.9Hz);6.63(dd,1H,H1,J=1.4,9.9Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.0乃至2.9ppmに見出される。
【0107】
例31:S−フロオロメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(34)の調製
不活性雰囲気下、−15℃で1mmolのS−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33)(0.45g)の10mLCHCl溶液に1.0mmolのDAST(0.13mL)をゆっくり添加する。この混合物を、攪拌下、2時間保持し、TLCを用いて、反応の進行をチェックする(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)。反応完了後、弱アルカリ水で数回洗浄し、その有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾固し、最終的に濃縮する;シリカ上でのクロマトグラフにより、純粋な固形の産物を得る(シクロヘキサン:酢酸エチル=90:10)。収率は、40%であり、収量は、0.18gである。
【0108】
H−NMR,200MHz:(CDCl中);δ0.90(s,3H,Me18);1.24(s,3H,Me);1.45(s,3H,Me);1.49(s,3H,Me);1.49(s,3H,Me);3.29(s,1H,H11);5.01(d,1H,H16,J=4.8Hz);5.75−6.10(dqAB,2H,SCHF,J=9.2,50. 0Hz);6.20(m,1H,H4);6.24(dd,1H,H2,J=1.8,10.0Hz);6.62(dd,1H,H1,J=1.4,10.0Hz)。他のプロトンに係るシグナルは、1.0乃至2.8ppmに見出される。
【0109】
例32:プロピオン酸フルチカゾンの調製
−20℃に冷却した4mLの70%のフッ化水素酸に、上記の例5に従って調製した0.85gのS−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)を添加し、この混合物を、上記と同様の温度で7時間反応させ、希アンモニア(50mL)に添加し、得た懸濁液のpHを8.5とする。
【0110】
この固体を濾過し、中性となるまで水で洗浄し、乾固した。0.620gのS−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)(プロピオン酸フルチカゾン)を得る。なお、その同定は、特許文献4に従って調製した合成サンプルと比較して行う。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(III)の化合物であって、
【化1】

Rは、H又はCOR’あり、
R’は、1乃至6の炭素を有する直鎖又は分岐アルキル基であり;
R’’は、ステロイド骨格に係る平面に対してα位又はβ位で、1乃至5の炭素を有する直鎖又は分岐鎖の、水素及びアルキル基からなる群から選択された置換基であるか、ORとで、好ましく4乃至6の炭素を有する環を形成した、16α,17α−イソプロピルインデンジオキシ基又はより高級の16α,17α―アルキルインデンジオキシ基であり;
R’’’は、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、フェニル基若しくは置換フェニル基、及びアラルキル基若しくは置換アラルキル基からなる群から選択された置換基であり;
X、Y及びZは、ステロイド骨格に係る平面に対してα位又はβ位で、水素、水酸基、塩素基、フッ素基、及びカルボニル基から選択され、互いに同一或いは相違する置換基であり、或いは
XとYとは、環を形成して、エポキシ基又は前記一般式の構造の9位と11位との間で二重結合を形成する、
ことを特徴とする化合物。
【請求項2】
S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5);および
S−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11);
S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17);
S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21);
S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27);及び
S−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33);
からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
d)式R’’’CHOで示されるアルデヒドを一般式(II)の化合物と反応させるステップd)
【化2】

からなる一般式(III)の化合物の調製方法であって、
R’’’は、上記一般式(III)の化合物で定義した置換基と同一であり、
前記アルデヒドは、場合によって、アセタール型であり、
は、アンモニウムイオン又はアミンのイオン型であり、或いは
Mは、一般式(III)の化合物を与えるように、H又はアルカリ金属であり、
前記反応は、Mがアルカリ金属であるかMがアンモニウムイオン又はアミンのイオン型である場合、場合によって、強酸の存在下で実行される、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記ステップd)の反応において、前記強酸は、存在する場合、塩酸であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップd)の反応において、前記アルデヒドは、ホルムアルデヒドであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
下記一般式(IV)の化合物を与えるように、前記ステップd)の後のステップe)の反応において、一般式(III)のイオウに対してα位にある水酸基を選択的にフッ素化する反応をさらに有し、
【化3】

R、R’’、R’’’、X、Y及びZは、請求項1乃至5のいずれか一項に定義した置換基と同一であり、
前記の選択的なフッ素化反応は、求核フッ素化試薬を用いて実行されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記求核フッ素化試薬は、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド、ジエチルアミノサルファトリフルオライド及びヘキサフルオロプロピルジエチルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項3に記載の方法に従ったS−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)の調製方法であって、
一般式(II)の化合物は、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)を与えるように、ホルムアルデヒドを用いて前記ステップd)において反応して製造される6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17βチオカルボキシレートジアンモニウム塩(4)であることを特徴とする方法。
【請求項9】
開始試薬である6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17βチオカルボキシレートジアンモニウム塩(4)は:
a)6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−17α−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(1)を、トリエチルアミン存在下で、プロピオニルクロライドと反応させて、6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(2)を与えるステップ;
b)該ステップa)の6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(2)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(3)を与えるステップ;並びに
c)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(3)を、ジエチルアミンと反応させて、6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17βチオカルボキシレートジアンモニウム塩(4)を与えるステップ;
からなる方法により得られることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップd)の後、ステップe)の反応として、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(5)のイオウ原子に対してα位にある水酸基を選択的にフッ素化し、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)を与える反応であって、
該選択的なフッ素化反応は、求核フッ素化試薬を用いて実行されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記求核フッ素化試薬は、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド、ジエチルアミノサルファトリフルオライド及びヘキサフルオロプロピルジエチルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法に従ったS−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11)の調製方法であって、
一般式(II)の化合物は、S−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11)を与えるように、前記ステップd)において、ホルムアルデヒドを用いて反応して製造される9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(10)であることを特徴とする方法。
【請求項13】
開始試薬である9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(10)は:
a)9β,11β−エポキシ−17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(7)を、トリエチルアミン存在下、プロピオニルクロライドと反応させて、9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(8)を与えるステップ;
b)該ステップa)の9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(8)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(9)を与えるステップ;並びに
c)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン(9)を、ジエチルアミンと反応させて、9β,11β−エポキシ−17α−プロピオニル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボキシレートジエチルアンモニウム塩(10)を与えるステップ;
からなる方法により得られることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
S−フルオロメチル9β,11β−エポキシ−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(12)を与えるように、前記ステップd)の後のステップe)の反応として、S−ヒドロキシメチル9β,11β−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(11)のイオウ原子に対してα位にある水酸基を選択的にフッ素化する反応をさらに有し、
該選択的なフッ素化反応は、求核フッ素化試薬を用いて実行されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記求核フッ素化試薬は、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド、ジエチルアミノサルファトリフルオライド及びヘキサフルオロプロピルジエチルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項3に記載の方法に従ってS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)を調製する方法であって、
一般式(II)の化合物は、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)を与えるように、前記ステップd)においてホルムアルデヒドを用いて反応して製造される6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエートジエチルアンモニウム塩(16)であることを特徴とする方法。
【請求項17】
開始試薬である6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエートジエチルアンモニウム塩(16)は:
a)6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(13)を、トリエチルアミン存在下、プロピオニルクロライドと反応させて、6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(14)を与えるステップ;
b)該ステップa)の6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(14)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を与えるステップ;並びに
c)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を、ジエチルアミンと反応させて、6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエートジエチルアンモニウム塩(16)を与えるステップ;
からなる方法により得られることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項3に記載の方法に従ったS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)の調製方法であって、
一般式(II)の化合物は、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)を与えるように、前記ステップd)において、ホルムアルデヒドを用いて反応させて製造される17β−カルボチオイック−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(16a)であることを特徴とする方法。
【請求項19】
開始試薬である17β−カルボチオイック−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(16a)は:
a)6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(13)を、トリエチルアミン存在下、プロピオニルクロライドと反応させて、6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(14)を与えるステップ;
b)該ステップa)の6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(14)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を与えるステップ;並びに
c’)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を、水酸化ナトリウムと反応させて、リン酸と処理して、17β−カルボチオイック−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン酸(16a)を与えるステップ;
からなる方法により得られることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ステップd)の後に、S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)を与えるように、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(17)のイオウ原子に対してα位にある水酸基を選択的にフッ素化するステップe)をさらに有し、
該選択的なフッ素化反応は、求核フッ素化試薬を用いて行われることを特徴とする請求項16又は18に記載の方法。
【請求項21】
前記求核フッ素化試薬は、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド、ジエチルアミノサルファトリフルオライド及びヘキサフルオロプロピルジエチルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項3に記載の方法に従ったS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21)の調製方法であって、
一般式(II)の化合物は、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21)を与えるように前記ステップd)においてホルムアルデヒドを用いて反応して製造される17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン酸(20)であることを特徴とする方法。
【請求項23】
開始試薬である17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン酸(20)は:
b)前記ステップa)の6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(13)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を与えるステップ;並びに
c’)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン(15)を、硫化水素ナトリウムと反応させ、リン酸で処理して、17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン酸(20)を与えるステップ;
からなる方法により得られることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ステップd)の後、S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(22)を与えるように、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(21)のイオウ原子に対してα位にある水酸基を選択的にフッ素化するステップe)をさらに有し、
該選択的なフッ素化反応は、求核フッ素化試薬を用いて行われることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記求核フッ素化試薬は、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド、ジエチルアミノサルファトリフルオライド及びヘキサフルオロプロピルジエチルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項3に記載の方法に従ったS−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27)の調製方法であって、
一般式(II)の化合物は、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27)を与えるように、前記ステップd)においてホルムアルデヒドと反応して製造される17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(26)であることを特徴とする方法。
【請求項27】
開始試薬である17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(26)は:
a’)6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸16,17−アセトニド酸(24)を与えるように、空気存在下、6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α,21−テトラヒドロキシ−1,4−プレグナジエン−3,20−ジオン−16,17−アセトニド−21−アセテート(23)をアルカリ加水分解するステップ;
b)該ステップa’)の6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸16,17−アセトニド酸(24)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(25)を得るステップ;並びに
c’)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(25)を、硫化水素ナトリウムと反応させ、リン酸で処理して、17βカルボチオイック6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(26)を与えるステップ;
からなる方法により得られることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ステップd)の後、S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17アセトニド(28)を与えるように、S−ヒドロキシメチル6α,9α−ジフルオロ−11β,16α,17α−トリヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(27)のイオウ原子に対してα位にある水酸基を選択的にフッ素化するステップe)をさらに有し、
該選択的なフッ素化反応は、求核フッ素化試薬を用いて実行されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記求核フッ素化試薬は、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド、ジエチルアミノサルファトリフルオライド及びヘキサフルオロプロピルジエチルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
請求項3に記載の方法にS−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33)の調製方法であって、
一般式(II)の化合物は、S−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33)を与えるように、前記ステップd)においてホルムアルデヒドを用いて反応して製造される17βカルボチオイック9β,11β−エポキシ−16α,17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(32)であることを特徴とする方法。
【請求項31】
開始物質である17βカルボチオイック9β,11β−エポキシ−16α,17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(32)は:
a’)6α,9α−ジフルオロ−9β,11β−エポキシ−16α,17α,21−トリヒドロキシ−1,4−プレグナジエン−3,20−ジオン−16,17−アセトニド−21−アセテート(29)を、空気存在下、アルカリ加水分解し、9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸 16,17−アセトニド酸(30)を与えるステップ;
b)該ステップa’)の9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸 16,17−アセトニド酸(30)を、ヨウ化ナトリウム及びトリエチルアミン存在下、ジメチルチオカルバモイルクロライドと反応させて、17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(31)を与えるステップ;並びに
c’)該ステップb)の17β−N,N−ジメチルチオカルバモイルオキシカルボニル−9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン 16,17−アセトニド(31)を、硫化水素ナトリウムと反応させ、リン酸で処理し、17βカルボチオイック9β,11β−エポキシ−16α,17α−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン16,17−アセトニド酸(32)を与えるステップ;
からなる方法により得られることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ステップd)の後、S−フロオロメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(34)を与えるように、S−ヒドロキシメチル9β,11β−エポキシ−16α,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート16,17−アセトニド(33)のイオウ原子に対してα位にある水酸基を選択的にフッ素化するステップe)をさらに有し、
該選択的なフッ素化反応は、求核フッ素化試薬を用いて実行されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記求核フッ素化試薬は、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド、ジエチルアミノサルファトリフルオライド及びヘキサフルオロプロピルジエチルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
S−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)を与えるように、−30℃乃至室温で、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)と70%フッ化水素酸との反応による、S−ヒドロキシメチル6α−フルオロ−9β,11β−エポキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(6)のS−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−16α−メチル−3−オキソ−11β−ヒドロキシ−17α−プロピオニルオキシアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート(18)への変換反応であるステップf)をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項35】
前記反応は、−20℃乃至0℃で行われることを特徴とする請求項34に記載の方法。

【公表番号】特表2006−515581(P2006−515581A)
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558031(P2004−558031)
【出願日】平成15年12月8日(2003.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013908
【国際公開番号】WO2004/052912
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(501199254)ファルマビオス ソシエタ ペル アチオニ (1)
【Fターム(参考)】