説明

2−アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法

【課題】 本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、温和な条件下、繁雑な操作を必要とすることなく、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物から2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物を高収率で製造することが出来る、工業的に好適な2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法を提供することにある。
【解決手段】 本発明の課題は、一般式(1)
【化1】


(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基、Rは、水素原子又は置換基を有していても良い炭化水素基、R及びRは、同一又は異なっていても良く、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物と塩基とを、スルホキシド類、アミド類及び尿素類からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式(2)
【化2】


(式中、Ar及びRは、前記と同義である。)
で示される2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物から2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物を製造する方法に関する。2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物は、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
従来、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物から2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物を製造する方法としては、例えば、以下の方法が開示されている。
(1)5-ベンゾイル-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[1,2-a]ピロル-1,1-ジカルボン酸ジメチルと水酸化カリウムとを、メタノールと水の混合溶媒中、還流条件下で反応させて、5-ベンゾイル-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[1,2-a]ピロル-1-カルボン酸を収率71%で得る方法(例えば、非特許文献1参照)。
(2)2-メチル-2-(3'-ベンゾイル)フェニルマロン酸ジメチルと大過剰の水酸化カリウムとを、テトラヒドロフランと水の混合溶媒中、25℃で反応させて、2-(3'-ベンゾイル)フェニルプロピオン酸を収率95%で得る方法(例えば、非特許文献2参照)
(3)2-[4-(2-チアゾリルオキシ)フェニル]-2-メチルマロネートと炭酸カリウムとを、メタノールと水の混合溶媒中、還流条件下で反応させて、2-[4-(2-チアゾリルオキシ)フェニル]プロピオン酸を得る方法(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらの方法において収率良く目的物を得るためには、反応温度を高めるか、大過剰のアルカリを使用しなければならず、2-アリール又はヘテロアリール酢酸酸化合物の工業的な製法としては不利であった。
【非特許文献1】J.Org.Chem.,47,1682(1982)
【非特許文献2】Tetrahedron,50,8117(1994)
【特許文献1】特開昭59-155355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、温和な条件下、繁雑な操作を必要とすることなく、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物から2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物を高収率で製造することが出来る、工業的に好適な2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般式(1)
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基、Rは、水素原子又は置換基を有していても良い炭化水素基、R及びRは、同一又は異なっていても良く、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物と塩基とを、スルホキシド類、アミド類及び尿素類からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式(2)
【0007】
【化2】

【0008】
(式中、Ar及びRは、前記と同義である。)
で示される2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法によって解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、温和な条件下、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物から2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物を高収率で製造することが出来る、工業的に好適な2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の反応において使用する2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基であり、アリール基としては、例えば、フェニル基、p-トリル基、ナフチル基、アントリル基等;ヘテロアリール基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0011】
前記のアリール基又はヘテロアリール基は、置換基を有していても良い。その置換基としては、炭素原子を介して出来る置換基、酸素原子を介して出来る置換基、窒素原子を介して出来る置換基、硫黄原子を介して出来る置換基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0012】
前記炭素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等のアルケニル基;キノリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の複素環基;フェニル基、トリル基、フルオロフェニル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基等のアシル基(アセタール化されていても良い);カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(なお、アルコキシカルボニル基は、本発明の脱炭酸反応中に加水分解されてカルボキシル基になっても構わない);フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基(なお、アリールオキシカルボニル基は、本発明の脱炭酸反応中に加水分解されてカルボキシル基になっても構わない);トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基;シアノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0013】
前記酸素原子を介して出来る置換基としては、例えば、ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基、ベンジルオキシル基等のアルコキシル基;フェノキシル基、トルイルオキシル基、ナフチルオキシル基等のアリールオキシル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0014】
前記窒素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロへキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等の第一アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N-メチル-N-メタンスルホニルアミノ基等の第二アミノ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジノ基、インドリル基等の複素環式アミノ基;イミノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0015】
前記硫黄原子を介して出来る置換基としては、例えば、メルカプト基;チオメトキシル基、チオエトキシル基、チオプロポキシル基等のチオアルコキシル基;チオフェノキシル基、チオトルイルオキシル基、チオナフチルオキシル基等のチオアリールオキシル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0016】
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0017】
は、水素原子又は置換基を有していても良い炭化水素基を示すが、炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、p-トリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基が挙げられるが、好ましくはベンジル基である。なお、これらの基は、各種異性体を含む。又、炭化水素上の置換基としては、Arで定義したものと同義である。
【0018】
又、R及びRは、同一又は異なっていても良く、水素原子又は炭化水素基を示すが、炭化水素基としては、Rで定義したものと同義である。
【0019】
本発明の反応で使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等のアルカリ金属アルコキシド等が挙げられる。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、又、これらの塩基は、その水溶液として使用しても構わない。
【0020】
前記塩基の使用量は、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物1モルに対して、好ましくは1〜5モル、更に好ましくは3〜5モルである。
【0021】
本発明の反応において使用する有機溶媒は、スルホキシド類、アミド類及び尿素類からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒であり、例えば、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0022】
前記有機溶媒の使用量は、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物1gに対して、好ましくは0.5〜100ml、更に好ましくは1〜50mlである。
【0023】
本発明の脱炭酸反応は、例えば、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物、塩基及び有機溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは10〜45℃、更に好ましくは20〜40℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0024】
本発明の脱炭酸反応によって2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物が得られるが、これは、反応終了後、例えば、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、晶析、カラムクロマトグラフィー等の一般的な製法によって単離・精製される。
【実施例】
【0025】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0026】
実施例1(2,3-ジフェニルプロピオン酸の合成)
攪拌装置を備えた内容積20mlのガラス製容器に、2-ベンジル-2-フェニルマロン酸ジエチル102mg(0.313mmol)、4mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.383ml(1.53mmol)及びジメチルスルホキシド0.4mlを加え、攪拌しながら室温で22時間反応させた。反応終了後、氷浴中で反応液を冷却しながら、1mol/l塩酸を加えて酸性化した。析出した結晶を濾過した後、水で洗浄し、白色結晶として、純度98.6%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2,3-ジフェニルプロピオン酸64.1mgを得た(単離収率;89%)。
2,3-ジフェニルプロピオン酸の物性値は以下の通りであった。
【0027】
CI-MS;227(M+1)
1H−NMR(DMSO-d6,δ(ppm));2.94(1H,dd,J=6.8,13.7Hz)、3.28(1H,dd,J=8.5,13.7Hz)、3.86(1H,dd,J=6.8,8.5Hz)、7.11〜7.34(10H,m)、12.08〜12.63(1H,br)
【0028】
実施例2(2-(4-ニトロフェニル)-3-フェニルプロピオン酸の合成)
攪拌装置を備えた内容積20mlのガラス製容器に、2-ベンジル-2-(4-ニトロフェニル)-マロン酸ジエチル103mg(0.277mmol)、4mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.337ml(1.35mmol)及びジメチルスルホキシド0.4mlを加え、攪拌しながら室温で4.5時間反応させた。反応終了後、氷浴中で反応液を冷却しながら、1mol/l塩酸を加えて酸性化した。析出した結晶を濾過した後、水で洗浄し、淡黄色結晶として、純度75.9%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2-(4-ニトロフェニル)-3-フェニルプロピオン酸52.1mgを得た(単離収率;53%)。
2-(4-ニトロフェニル)-3-フェニルプロピオン酸の物性値は以下の通りであった。
【0029】
CI-MS;272(M+1)
1H−NMR(DMSO-d6,δ(ppm));3.03(1H,dd,J=7.8,13.7Hz)、3.35(1H,dd,J=8.1,13.7Hz)、4.13(1H,dd,J=7.8,8.1Hz)、7.01〜7.34(5H,m)、7.61(2H,d,J=8.3Hz)、8.17(2H,d,J=8.3Hz)、12.42〜12.99(1H,br)
【0030】
実施例3(2-(4-メトキシフェニル)-3-フェニルプロピオン酸の合成)
攪拌装置を備えた内容積20mlのガラス製容器に、2-ベンジル-2-(4-メトキシフェニル)-マロン酸ジメチル103mg(0.314mmol)、4mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.381ml(1.52mmol)及びジメチルスルホキシド0.4mlを加え、攪拌しながら室温で75時間反応させた。反応終了後、氷浴中で反応液を冷却しながら、1mol/l塩酸を加えて酸性化した。析出した結晶を濾過した後、水で洗浄し、淡黄色結晶として、純度92.5%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2-(4-メトキシフェニル)-3-フェニルプロピオン酸51.9mgを得た(単離収率;60%)。
2-(4-メトキシフェニル)-3-フェニルプロピオン酸の物性値は以下の通りであった。
【0031】
CI-MS;257(M+1)
1H−NMR(DMSO-d6,δ(ppm));2.91(1H,dd,J=7.1,13.7Hz)、3.25(1H,dd,J=8.5,13.7Hz)、3.71(3H,s)、3.79(1H,dd,J=7.1,8.5Hz)、6.86(2H,d,J=8.8Hz)、7.09〜7.28(7H,m)、12.09〜12.42(1H,br)
【0032】
実施例4(2-(4-クロロフェニル)-3-フェニルプロピオン酸の合成)
攪拌装置を備えた内容積20mlのガラス製容器に、2-ベンジル-2-(4-クロロフェニル)-マロン酸ジメチル102mg(0.307mmol)、4mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.376ml(1.50mmol)及びジメチルスルホキシド0.4mlを加え、攪拌しながら室温で17時間反応させた。反応終了後、氷浴中で反応液を冷却しながら、1mol/l塩酸を加えて酸性化した。析出した結晶を濾過した後、水で洗浄し、白色結晶として、純度93.5%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2-(4-クロロフェニル)-3-フェニルプロピオン酸75.9mgを得た(単離収率;89%)。
2-(4-クロロフェニル)-3-フェニルプロピオン酸の物性値は以下の通りであった。
【0033】
CI-MS;261(M+1)
1H−NMR(DMSO-d6,δ(ppm));2.94(1H,dd,J=7.3,13.7Hz)、3.27(1H,dd,J=8.3,13.7Hz)、3.90(1H,dd,J=7.3,8.3Hz)、7.09〜7.42(9H,m)、11.80〜12.98(1H,br)
【0034】
実施例5(2-ペンタフルオロフェニル-3-フェニルプロピオン酸の合成)
攪拌装置を備えた内容積20mlのガラス製容器に、2-ベンジル-2-ペンタフルオロフェニルマロン酸ジメチル101mg(0.260mmol)、4mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.322ml(1.29mmol)及びジメチルスルホキシド0.4mlを加え、攪拌しながら室温で3時間反応させた。反応終了後、氷浴中で反応液を冷却しながら、1mol/l塩酸を加えて酸性化した。析出した結晶を濾過した後、水で洗浄し、白色結晶として、純度80.9%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2-ペンタフルオロフェニル-3-フェニルプロピオン酸68.1mgを得た(単離収率;67%)。
2-ペンタフルオロフェニル-3-フェニルプロピオン酸の物性値は以下の通りであった。
【0035】
CI-MS;317(M+1)
1H−NMR(DMSO-d6,δ(ppm));2.92(1H,dd,J=11.0,13.7Hz)、3.49(1H,dd,J=5.1,13.7Hz)、4.35(1H,dd,J=5.1,11.0Hz)、7.00〜7.25(5H,m)、12.33〜13.54(1H,br)
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物から2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物を製造する方法に関する。2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物は、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基、Rは、水素原子又は置換基を有していても良い炭化水素基、R及びRは、同一又は異なっていても良く、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物と塩基とを、スルホキシド類、アミド類及び尿素類からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式(2)
【化2】

(式中、Ar及びRは、前記と同義である。)
で示される2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法。
【請求項2】
塩基の使用量が、2-アリール又はヘテロアリールマロン酸化合物1モルに対して、1〜5モルである請求項1記載の2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法。
【請求項3】
反応温度が10〜45℃である請求項1記載の2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法。
【請求項4】
が置換基を有していても良いベンジル基である請求項1記載の2-アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法。

【公開番号】特開2007−119352(P2007−119352A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309332(P2005−309332)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】