説明

2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法

【課題】モノマー純度が高く、製造安定性に優れた2−シアノアクリレートを得るのに効果的な2−シアノアクリレート縮合体の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】シアノ酢酸エステルとホルマリンを反応槽に導入し重縮合反応を行いながらホルマリンの安定剤を還留して除く工程と、得られた反応液を脱水槽に導入し、脱水を行う工程とを含み、脱水工程前の反応液のホルマリン安定剤含有量を2.0質量%以下に制御すること及び、重縮合反応の触媒を反応槽と脱水槽に分割してそれぞれに添加することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法に関し、特に、2−シアノアクリレート縮合体を熱解重合し、2−シアノアクリレートを製造する際にモノマー純度の向上及び製造安定性向上に寄与する連続製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
2−シアノアクリレートの製造方法には、種々あるが、現在その主流となっているものは、シアノ酢酸エステルとホルムアルデヒドとの重縮合反応により生成する2−シアノアクリレート縮合物を減圧下で熱解重合する方法である。
従来、重縮合反応と解重合とは図3に示すように、重縮合反応槽100と、脱溶及び解重合槽200とのバッチ式で行われている(特許文献1,2参照)。
第一工程であるシアノ酢酸エステルとホルムアルデヒドの重縮合反応は水の生成を伴う反応であるから、生成される水を系外に取り出さなければ、重縮合反応は進行せず、分子量の大きい重合体が得られない。
従って、反応出発物質であるホルムアルデヒドも水分の少ないものが好ましいが、この脱水に掛かるエネルギーが多いことから、工業的には溶剤中で水分の少ないパラホルムアルデヒドを用いた不均一系反応として行い、その後、重縮合反応で生成する水と溶剤を取り除く操作を実施している。
2−シアノアクリレート縮合物は非常に粘度が高く、取り扱いが困難なことから溶剤で溶解した形で流動化させることもパラホルムアルデヒド/溶剤系を採用している理由になっている。
重縮合工程で得られる2−シアノアクリレート縮合物の分子量は仕込みのシアノ酢酸エステル量とホルムアルデヒド量の比で決定される。
この比が大きいと得られる重縮合物の分子量は低くなり、粘度が下がり、溶剤に容易に溶け易くなる等の操業上の取り扱いは容易になるが、解重合で得られる2−シアノアクリレートの収率は低くなる。
反対にこの比が小さいと得られる重縮合物の分子量は高くなり、粘度が非常に高くなる為に溶解するには多量の溶剤が必要になる等の問題が発生する一方で、解重合で得られる2−シアノアクリレートの収率は高くなる。
その為、従来のバッチ処理では、設備の操作性や経済性を加味しながら各社、この仕込み量を決定しているのが実状である。
また、分子量だけでなく、2−シアノアクリレート重縮合物は下記化学式(1)に示すように縮合反応の終了の末端基がシアノ酢酸エステルに起因する残基の場合と、化学式(2)に示すようにホルムアルデヒドに起因する残基のものが存在する為、これらの比率が解重合にて得られる2−シアノアクリレートの収率及び純度に影響を与える。
以上の様に、従来はバッチ式で重縮合、脱水を行い2−シアノアクリレート縮合体が製造されている。
重縮合反応を連続で行う場合は、一部未反応のまま反応が進行するために、一定の分子量及び分子末端比率の縮合物が得られにくいという問題があり、2−シアノアクリレート縮合物を連続製造する技術は提案されていない。
【0003】
【化1】

【0004】
【化2】

【0005】
【特許文献1】特公昭35−10309号公報
【特許文献2】特開昭46−7573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、モノマー純度が高く、製造安定性に優れた2−シアノアクリレートを得るのに効果的な2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、連続で製造した2−シアノアクリレート縮合体の末端構造を詳細に解析した結果、製造原料(シアノ酢酸エステル及びホルムアルデヒド)由来の末端構造以外に、原料の安定剤に起因する異常末端等が存在し、当該異常末端を有する縮合物が製造安定性や得られるモノマーの収率に大きく影響することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法は、シアノ酢酸エステルとホルマリンを反応槽に導入し重縮合反応を行いながらホルマリンの安定剤を還流して除く工程と、得られた反応液を脱水槽に導入し、脱水を行う工程とを含み、脱水工程前の反応液中のホルマリン安定剤含有量を2.0質量%以下に制御することを特徴とする。
ホルマリン安定剤の含有量が2.0質量%を超えると、当該安定剤に起因する異常末端を有する縮合物[例えば、後述する化学式(D)]が生成しやすくなるためである。
ここで、ホルマリンはホルムアルデヒドの37%前後の水溶液のことである。
ホルムアルデヒドは、水溶液中では水和したメチレングリコール及びその重合体の形で存在するが、不溶性となって析出し易いため、通常メタノール等を加え安定化させてある。
当該安定剤としては、メタノール等の低級アルコ−ル類や、エチレングリコール等のグリコール類が使用されている。
前記重縮合反応は、90℃以下の温度で行うことが好ましい。
反応温度が90℃を超えると、化学式(D)以外の異常末端を有する縮合物が生成しやすくなるためである。
ここで、化学式(D)以外の異常末端を有する縮合物とは、正常末端を有する縮合物[例えば、後述する化学式(A)]から脱ニトリルした縮合物や、脱炭酸した縮合物等をいう。
本発明に係る脱水槽は、直列に連結した2つ以上の脱水槽に分かれていることが好ましい。
これは、連続製造の場合、一部の反応液が十分な反応や脱水されないまま、次の槽や工程に移行(ショートパス)するために、脱水率を向上させる上で効果的である。
さらには、脱水を行う工程は、脱水時に溶剤を添加して、共沸脱水を行い、脱水後の重縮合反応液中のアルコール含有量が0.5質量%以下に制御するのが望ましい。
アルコール含有量が0.5質量%を超えると、残存アルコールに起因する異常末端を有する縮合物が生成しやすくなるからである。
また、本発明における第2の特徴は、シアノ酢酸エステルとホルマリンとを導入し反応を行う反応槽と、当該反応槽から反応液を送り込み脱水を行う脱水槽とにそれぞれ分割して重縮合反応のための触媒を添加することを特徴とする。
脱水槽が2つ以上ある場合には、いずれの脱水槽に触媒を添加してもよいが、重縮合の反応時間を短縮するためには、第一脱水槽に添加する方が好ましい。
触媒は、ピペリジン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン等が例として挙げられるが、ピペリジンが好ましい。
ピペリジンの添加量は、「ホルムアルデヒド1kmol」に対し、0.5kg以下が好ましく、より好ましくは0.3kg以下であり、更に好ましくは0.2kg以下である。
0.5kgを超えると、異常末端を有する縮合物が増加し、解重合安定性が低下する。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、ホルマリンを原料とし、シアノ酢酸エステルとホルマリンを反応槽に導入し重縮合反応を行いながらホルマリンの安定剤を還流して除くことにより、この安定剤が2−シアノアクリレート縮合体の末端に結合して異常末端となるのを抑える。
【0009】
前記で得られた反応液を脱水槽に導入し、脱水を行う工程にて共沸溶剤を用いることで脱水に必要なエネルギーを抑えることができ、また重縮合反応のための触媒を反応槽と脱水槽とに分割して添加すると、2−シアノアクリレート縮合体の末端にホルマリンの安定剤に起因する官能基の結合した構造体や、前記化学式(2)で示した末端がホルマリンの縮合体の割合が減少する。
上記のように、2−シアノアクリレート縮合体の異常末端の発生を抑制することにより、解重合工程の安定性が高まり、2−シアノアクリレートモノマーの収率及び純度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る製造方法例を以下説明する。
図1に工程の流れを模式的に示す。
本発明の製造対象となる2−シアノアクリレート縮合体は下記化学式(3)に示した2−シアノアクリレートの前駆体となるものであり、Rはハロゲン原子を有していてもよい炭素数が1〜20の飽和または不飽和の、直鎖型鎖状炭化水素基、分岐型鎖状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基である。
【0011】
【化3】

この一般式で示される2−シアノアクリレートの具体例としては、2−シアノアクリル酸のメチル、エチル、クロロエチル、n−プロピル、i−プロピル、アリル、プロパギル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、アミル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、2−ペンテニル、n−ヘキシル、6−クロロヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、テトラヒドロフルフリル、2−ヘキセニル、4−メチルーペンテニル、3−メチルー2−シクロヘキセニル、ノルボルニル、ヘプチル、シクロヘキサンメチル、シクロヘプチル、1−メチル−シクロヘキシル、2−メチル−シクロヘキシル、3−メチル−シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、シクロオクチル、シクロペンタンメチル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、n−ノニル、イソノニル、オキソノニル、n−デシル、イソデシル、n−ドデシル、2−エトキシエチル、2−エトキシ−2−エトキシエチル、ブトキシ−エトキシーエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヘキサフルオロイソプロピル、ラウリル、イソトリデシル、ミリスチル、セチル、ステアリル、オレイル、ベヘニル、ヘキシルデシル、オクチルドデシル、ベンジル、クロロフェニル、2−ペンチルオキシエチル、2−ヘキシルオキシエチル、2−シクロヘキシルオキシエチル、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エチルおよび2−フェノキシエチル等が挙げられ、これらはシアノアクリレート系瞬間接着剤の主成分または副成分として用いられるものである。
【0012】
(実施例)
本発明の実施例1を図1の工程図に基づいて説明する。
コンデンサーを備えた250L SUS製の重縮合反応槽1に系内の温度を、ホルマリンの安定剤として含まれているメチルアルコール(MeOH)の沸点以上で、90℃以下に保ちながら、37%ホルマリン46.6kg/hr、シアン酢酸エチル70.7kg/hr、及び第一脱水槽とに分割添加する0.5倍量のピペリジン0.025kg/hrを連続的に仕込み、メチルアルコール(MeOH)を還流により除去した。
なお、重縮合反応槽での残存メチルアルコールの量は2.0質量%以下に制御する。
反応槽で処理開始2hr後から連続的にコンデンサー及び水分離器2bを備えた500L SUS製第一脱水槽2に117.3kg/hrで送液(1a)を開始する。
これにより重縮合反応槽1での反応率は80%に達する。
第一脱水槽2には、ピペリジン0.025kg/hr、酢酸エチル27.1kg/hrを連続的に仕込みながら、外部より熱を加えることで酢酸エチルと水の共沸状態で蒸発させ、蒸気をコンデンサーで凝縮して、水分離器2bで水のみを回収して、酢酸エチルは系内に戻す。
これにより理論脱水量の90%以上に達する。
第一脱水槽での残存メチルアルコールの量は概ね0.5質量%以下になっている。
第一脱水槽での処理開始3.5hr後から連続的にコンデンサー及び水分離器3bを備えた350L SUS製第二脱水槽3に106.5kg/hrで送液(2a)を開始する。
第二脱水槽3では外部より熱を加えることで酢酸エチルと水の共沸状態で蒸発させ、蒸気をコンデンサーで凝縮して、水分離器3bで水のみを回収して、酢酸エチルは系内に戻す。
これにより理論脱水量の99%以上に達する。
第二脱水槽での残存メチルアルコールの量は概ね0.1質量%になっている。
第二脱水槽での処理開始2.5hr後から伝熱面積1.0mの横型薄膜蒸発機からなる脱溶装置4に104.8kg/hrで送液(3a)を開始する。
脱溶装置4の要部説明図を図2に示す。
円筒状のケーシンク41は横置きになっていて、内側に回転軸43に取り付けられたワイパー42が配設されている。
第二脱水槽から送り込まれた縮合物と溶剤の混合物(a)は供給口45から本機器に連続的に投入される。
ワイパー42の外周は互い違いに突出した櫛型ペラ44となっており、回転軸43及びワイパー42が回転することで内容物を46の排出口側へ送り出す(b)。
また、回転軸43は中空になっていて攪拌軸全域に渡って孔43aが開けられている。
本機器は外部からの熱、ケーシンク41内を減圧下にすることで使用される。
遠心力によりケーシンク41の内壁に押し付けられ、ワイパー42及び櫛型ペラ44で薄膜化した2−シアノアクリレート重縮合物は酢酸エチルを蒸発させながら、46の排出口から排出される。一方で、遠心力の掛かり難いガス状の分離した酢酸エチル及び脱水操作により取り切れなかった微量の水分は43aの孔から攪拌軸43を通り、ガス排出口47から排出される(c)。
本実施例では、横型薄膜蒸発機で外温150℃、内圧12kPa以下で連続的に脱酢酸エチルを行い、最終的に酢酸エチル5000ppm以下の2−シアノアクリレート縮合物を連続的に得た。
得られた2−シアノアクリレート縮合物を再度、別の横型薄膜蒸発機5に外温210℃、内圧0.2kPa以下で一過的に通すことで、2−シアノアクリレートを67.6kg/hrで連続的に得られた。
解重合装置5の構造は脱溶装置4と同様であり、この場合には、ガス排出口47から留出する2−シアノアクリレートモノマーガスをコンデンサーで冷却して製品が得られ、排出口46から固形分残渣物が排出されることになる。
下記表1に、本発明の実施例として原材料の仕込み量及び各製造条件とともに、モノマー収率、解重合安定性及びモノマー純度の測定結果を示す。
ここで、解重合安定性とは、製品である2−シアノアクリレートモノマー100kg取得当たりに解重合コンデンサーに付着生成するゲルの量を示し、このゲルが少ないほど、装置のメンテナンスが容易で、連続運転を行う上で重要である。
モノマー純度は、H−NMRから求めた二重結合量に基づいて求めた。
(分析条件)
JNM−ECA400 H−NMR(核磁気共鳴装置)
装置溶媒 重クロロホルム
測定温度 室温25℃
得られたチャートの1.2ppm(末端エステルのCH:通常3.00)の値に
対する6.7ppm(末端二重結合)の値を求める。
(収率の測定方法)
モノマー収率 解重合前(脱溶済み)縮合液の重力を求め、次いで解重合を行い、解重合で得られたモノマー量を計測し、モノマー重量/解重合前縮合液×100=で求めた。
表中、到達分子量は、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量を示めす。
また、表中に、MeOHカット「有り」と表現したものは、重縮合反応槽で系内からメチルアルコールを還流排出したこと示し、MeOHカット「無し」と表現したものは、重縮合反応槽で系内からメチルアルコールを還流排出させずに反応液を反応槽から脱水槽に連続的に移したことを示す。
残存メチルアルコールは下記の方法で求めた。
島津製作所製ガスクロマトグラフGC−1700
キャリアーガス He 40ml/min
スプリット比 1/30
カラム GLサイエンス製キャピラリーカラム DB−1
温度 60℃×3min+7.5℃/minで昇温
サンプル注入量 1μl
測定方法 検量線法で縮合液中のMeOH量を求めた
【0013】
【表1】

【0014】
表中に示す存在比率A,B,C及びDの化学式を下記にそれぞれ示す。
Aは両側シアノ酢酸エチル末端を有する縮合物であり、Bは片側ホルマリン末端を有する縮合物であり、Cは両側ホルマリン末端を有する縮合物であり、いずれも原料由来の末端構造を有する縮合物である。
一方、Dは片側メトキシ末端を有する縮合物であり、異常末端の縮合物である。
A、B、C、D、の存在比率は下記のように求めた。
Applied Biosystem社製Voyager DE−PRO型
マトリックス LAA(トランス−3−インドールアクリル酸)
イオン化助剤 NaI(ヨウ化ナトリウム)
測定方法 サンプル、イオン化助剤、マトリックスの各溶液を混合し、マトリックス支援レーザー脱離イオン化時間飛行型質量分析(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization Time of Flight Mass Spectrometry、以下「MALDI−TOF−MS」という。)に供した。
得られた分子量500〜2000迄のピーク強度を積分し、それぞれの構造の存在比率を求めた。
【0015】
【化4】

【0016】
【化5】

【0017】
【化6】

【0018】
【化7】

【0019】
(比較例)
比較の為に製造した、その条件及び結果を表2に示す。
【0020】
【表2】

【0021】
比較例は、メチルアルコールのカット操作なし、触媒を第一脱水槽に分割添加しない場合の結果である。
表中、「バッチ」と記載した工程は、従来のバッチ処理で行ったことを示し、「連続」と記載した工程は、連続工程で行ったことを示す。
また、比較例5のホルムアルデヒド源は、従来使用されているパラホルムアルデヒドである。
(考察)
実施例と比較例の結果を比較すると、本発明に係る、2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法を用いるとその後の解重合でモノマー純度が高く、解重合安定性も向上している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る製造工程例を模式的に示す。
【図2】脱溶装置の要部説明図を示す。
【図3】従来の製造例を示す。
【符号の説明】
【0023】
1 重縮合反応槽
2 第一脱水槽
3 第二脱水槽
4 脱溶装置
5 解重合装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアノ酢酸エステルとホルマリンを反応槽に導入し重縮合反応を行いながらホルマリンの安定剤を還流して除く工程と、
得られた反応液を脱水槽に導入し、脱水を行う工程とを含み、
脱水工程前の反応液のホルマリン安定剤含有量を2.0質量%以下に制御することを特徴とする2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。
【請求項2】
前記重縮合反応は、90℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1記載の2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。
【請求項3】
ホルマリンの安定剤は低級アルコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。
【請求項4】
前記低級アルコールは、メタノールであることを特徴とする請求項3に記載の2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。
【請求項5】
脱水槽は、直列に連結した2以上の脱水槽に分かれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。
【請求項6】
脱水を行う工程は、脱水時に溶剤を添加して、共沸脱水を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。
【請求項7】
脱水を行う工程は、脱水後の重縮合反応液のアルコール含有量を0.5質量%以下に制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。
【請求項8】
重縮合反応のための触媒を、シアノ酢酸エステルとホルマリンとを導入した反応槽と、当該反応槽から反応液を送り込み脱水を行う脱水槽とに分割してそれぞれ添加することを特徴とする2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。
【請求項9】
重縮合反応のための触媒は、ピペリジンであることを特徴とする請求項8記載の2−シアノアクリレート縮合体の連続製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−269950(P2009−269950A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119354(P2008−119354)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000003034)東亞合成株式会社 (548)
【Fターム(参考)】