説明

2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体及びその製造方法並びに該誘導体を有効成分として含有する除草剤

【課題】農園芸栽培場面あるいは非農耕地における有害な雑草に対して極めて優れた防除効果を有する除草剤を提供すること。
【解決手段】一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を有効成分として含有する除草剤を提供するものである。


(式(1)中、R1は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜6の
アルキル基を表し、R4は水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、
置換されていてもよい炭素数3〜6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニル基又は置換されていてもよい炭素数7〜11のアラルキル基を表し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表し、Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体及びその製造方法並びに該誘導体を有効成分として含有する除草剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、除草活性や殺虫、殺菌活性などの農薬としての生理活性を有するピリミジン誘導体は数多く知られている。ピリミジン−4−オン誘導体を示す除草活性化合物は特開平9−301957号公報(特許文献1)に記載されているが、ピリミジン環4位の置換基は炭素数1〜3のアルキル基に限定されている。
【0003】
しかしながら、該特許文献1には、ピリミジン環4位に炭素数1〜6のフルオロアルキル基が置換した化合物及びその製造方法、並びに該化合物の除草活性に関する記載はない。
【特許文献1】特開平9−301957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、農園芸栽培場面あるいは非農耕地における有害な雑草に対して極めて優れた除草活性と作物に対する安全性とを兼ね備えた新規なピリミジン誘導体及びその製造方法、更には該誘導体を有効成分として含有する除草剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の下記一般式(1)で示される新規な2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体が、低施用量で優れた除草活性を示し、更には薬害が低減され、作物安全性が高いことも見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体に関する。
【0007】
【化1】

【0008】
式(1)中、R1は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表
し、R4は水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換されていて
もよい炭素数3〜6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニル基又は置換されていてもよい炭素数7〜11のアラルキル基を表し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表し、Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
【0009】
また、本発明は、一般式(1b)で示される5−(4−ハロ−3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体と一般式(5)で示される
グリコール酸類又はチオグリコール酸類とを塩基存在下にて反応させ、一般式(2)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法に関する。
【0010】
【化2】

【0011】
式(1b)中、R1、R2、及びXは前記と同じ意味を表す。Ybはハロゲン原子を表す。
【0012】
【化3】

【0013】
式(5)中、R3及びWは前記と同じ意味を表す。R5は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
【0014】
【化4】

【0015】
式(2)中、R1、R2、R3、R5、X及びWは前記と同じ意味を表す。
また、本発明は、一般式(2)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体のニトロ基を還元し分子内アミド化反応を行うことを特徴とする、一般式(1a)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法に関する。
【0016】
【化5】

【0017】
式(2)中、R1、R2、R3、R5、X及びWは前記と同じ意味を表す。
【0018】
【化6】

【0019】
式(1a)中、R1、R2、R3、X及びWは前記と同じ意味を表す。
また、本発明は、一般式(1a)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体と、一般式(3)で示される化合物とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(1c)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法に関する。
【0020】
【化7】

【0021】
式(1a)中、R1、R2、R3、X及びWは前記と同じ意味を表す。
【0022】
【化8】

【0023】
式(3)中、R4bは置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7〜11のアラルキル基を表し、Lは脱離基を表す。
【0024】
【化9】

【0025】
式(1c)中、R1、R2、R3、R4b、X及びWは前記と同じ意味を表す。
また、本発明は、一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を有効成分とする除草剤に関する。
【0026】
【化10】

【0027】
式(1)中、R1、R2、R3、R4、X及びWは前記と同じ意味を表す。
【発明の効果】
【0028】
本発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体は、農園芸栽培場面あるいは非農耕地における有害な雑草に対して極めて優れた除草活性を有し、また、作物に対する薬害も小さく、農園芸用あるいは非農耕地用の除草剤の有効成分として有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、上記本発明に係る2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体及びその製造方法並びに該誘導体を有効成分として含有する除草剤について、具体的に説明する。
【0030】
本発明において、上記各式(1)、(1a)、(1b)、(1c)、(2)、(3)、(5)において、R1、R2、R3、R4、R4b、R5、X及びLで表される置換基の例示を
以下に示す。
【0031】
1で表される炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフ
ルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等を例示することができる。活性が強い点でジフルオロメチル基とトリフルオロメチル基が好ましい。
【0032】
2及びR5で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基等を例示することができる。活性が強い点でR2とR5はメチル基が好ましい。
【0033】
3、R4及びR4bで表される置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、4−メチルペンチル基等を例示することができる。これらのアルキル基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のハロアルキルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、アシル基等で1個以上置換されていてもよく、さらに具体的には2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、ジフルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−メチルチオエチル基、2−メチルスルフィニルエチル基、2−メチルスルホニルエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−クロロエトキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、カルボキシメチル基、アセトニル基、1−アセチルエチル基、3−アセチルプロピル基、フェナシル基、4−クロロフェナシル基、2,4−ジフルオロフェナシル基、4−メチルフェナシル基、4−イソプロピルフェナシル基、4−イソブチルフェナシル基、4−シクロヘキシルフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−ニトロフェナシル基等を例示することができる。活性が強い点でR3はメチル基、エチル基又はプロピル基が好ましい。
【0034】
4及びR4bで表される置換されていてもよい炭素数3〜6のアルケニル基としては、
直鎖状もしくは分枝状あるいは環状のいずれであってもよく、アリル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等を例示することができる。またこれらのアルケニル基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、例えば、2−クロロ−2−プロペニル基、3−クロロプロペニル基、4−クロロ−2−ブテニル基等を例示することができる。活性が強い点でアリル基が好ましい。
【0035】
4及びR4bで表される置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニル基としては、
直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、プロパルギル基、1−ブチン−3−イル基、3−メチル−1−ブチン−3−イル基、2−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基等を例示することができる。また、これらのアルキニル基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、例えば、3−フルオロ−2−プロピニル基、3−クロロ−2−プロピニル基、3−ブロモ−2−プロピニル基、4−ブロモ−2−ブチニル基、4−ブロモ−3−ブチニル基等を例示することができる。活性が強い点でプロパルギル基が好ましい。
【0036】
4及びR4bで表される置換されていてもよい炭素数7〜11のアラルキル基としては
、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基等を例示することができる。これらのアラルキル基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルオキシ基、炭素数1〜6のハロアルキルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルオキシカルボニル基、カルボキシ基、置換されていてもよいカルバモイル基、シアノ基、ニトロ基等で1個以上置換されていてもよい。さらに具体的には、ベンジル基、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2−ブロモベンジル基、3−ブロモベンジル基、4−ブロモベンジル基、3,4−ジフルオロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、3,4−ジブロモベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4−ジメチルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基、2−トリフルオロメチルベンジル基、3−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、2−メトキシカルボニルベンジル基、3−メトキシカルボニルベンジル基、4−メトキシカルボニルベンジル基、3−カルボキシベンジル基、4−カルボキシベンジル基、3−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンジル基、4−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンジル基、3−(N,N−ジエチルカルバモイル)ベンジル基、3−(N−エチル−N−プロピルカルバモイル)ベンジル基、3−シアノベンジル基、4−シアノベンジル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−トリフルオロメトキシベンジル基、4−メチルチオベンジル基、4−メチルスルホニルベンジル基、2−ニトロベンジル基、3−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、1−(2−フルオロフェニル)エチル基、1−(2−クロロフェニル)エチル基、1−(2−ブロモフェニル)エチル基、1−(3−フルオロフェニル)エチル基、1−(3−クロロフェニル)エチル基、1−(3−ブロモフェニル)エチル基、1−(4−フルオロフェニル)エチル基、1−(4−クロロフェニル)エチル基、1−(4−ブロモフェニル)エチル基、1−(2−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、2−(3−ブロモフェニル)エチル基、2−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基等を例示することができる。
【0037】
Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を例示することができる。活性が強い点でフッ素原子又は塩素原子が好ましい。
Lで表される脱離基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチルスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
【0038】
<2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)>
本発明に係る第1の発明である、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オ
ン誘導体は一般式(1)で示される。
【0039】
【化11】

【0040】
式(1)中、R1、R2、R3、R4、X及びWは前記と同じ意味を表す。
<2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(2)の製造方法>
次に、本発明に係る第2の発明である、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(2)の製造方法について詳細に説明する。
【0041】
【化12】

【0042】
上記反応式中、R1、R2、R3、R5、X及びWは前記と同じ意味を表す。Ybはハロゲン
原子を表す。
第2の発明は、5−(4−ハロ−3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1b)とグリコール酸類又はチオグリコール酸類(5)とを、塩基存在下にて反応させることを特徴とする、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(2)の製造方法である。
【0043】
(5−(4−ハロ−3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1b))
出発原料である5−(4−ハロ−3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1b)は、5−ハロ−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体と4−ハロアリールホウ酸類とをパラジウム触媒及び塩基存在下にて反応させ、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体とし、窒素原子上をアルキル化した後に、ニトロ化することによって製造することができる(後述する参考例1〜10参照。)。
【0044】
(グリコール酸類又はチオグリコール酸類(5))
本反応で用いることのできるグリコール酸類としては、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸プロピル、2−メチルグリコール酸エチル、2−エチルグリコール酸エチル、2−プロピルグリコール酸エチル等が挙げられる。
【0045】
本反応で用いることのできるチオグリコール酸類としては、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、2−メチルチオグリコール酸エチル、2−エチルチオグリコール酸エチル、2−プロピルチオグリコール酸エチル等が挙げられる。
【0046】
(塩基)
本反応は塩基存在下に行うことが必須であり、塩基としては、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基;トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ジメチルアニリン等の有機アミン類を用いることができる。
【0047】
塩基の使用量は特に制限はないが、反応基質である5−(4−ハロ−3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1b)に対して等量以上用いて反応を実施することにより、収率良く目的物を得ることができる。
【0048】
(溶媒)
本反応は溶媒中で行うことが好ましく、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができ、例えば、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;DMF、N−メチルピロリドン等のアミド類;DMSO、水あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
【0049】
(反応温度)
反応温度については特に制限はないが、0℃から150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることにより、収率よく目的物である2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(2)を得ることができる。
【0050】
反応終了後は、通常の後処理操作により前記目的物を得ることができるが、必要であればカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等により前記目的物を精製することもできる。
【0051】
<2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1a)の製造方法>
次に、本発明に係る第3の発明である、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1a)の製造方法について詳細に説明する。
【0052】
【化13】

【0053】
上記反応式中、R1、R2、R3、R5、X及びWは前記と同じ意味を表す。
第3の発明は、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(2)のニトロ基を還元し分子内アミド化反応を行うことを特徴とする、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1a)の製造方法である。
【0054】
本反応では、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(2)のニトロ基を還元することによって、反応過程では上記反応式中の一般式(2’)で示されるアミノ体を経由し、速やかに分子内環化反応が起こることによって、一般式(1a)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体が製造される。
【0055】
(還元方法)
本反応における2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(2)のニトロ基の還元方法としては、亜鉛末、還元鉄、錫末、塩化第一スズ、塩化チタンなどの還元剤を用いる方法;ラネーニッケル存在下にヒドラジンなどの水素供与体を用いる方法;ラネーニッケル、パラジウム炭素、水酸化パラジウム、酸化白金等の触媒の存在下での接触水素還元;又は接触水素移動還元などが挙げられる。中でも収率が良い点でパラジウム炭素を用いた接触水素還元が好ましい。
【0056】
(溶媒)
本反応は溶媒中で行う必要があり、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができる。例えば、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;DMF、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸、DMSO、水あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
【0057】
(温度)
反応温度については特に制限はないが、0℃から200℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることにより、収率よく目的物である2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1a)を得ることができる。反応終了後は、通常の後処理操作により前記目的物を得ることができるが、必要であればカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等により前記目的物を精製することもできる。
【0058】
<2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1c)の製造方法>
次に、本発明に係る第4の発明である、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1c)の製造方法について詳細に説明する。
【0059】
【化14】

【0060】
上記反応式中、R1、R2、R3、R4b、X、W及びLは前記と同じ意味を表す。
第4の発明は、一般式(1a)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体と、一般式(3)で示される化合物とを塩基の存在下に反応させ、該誘導体(1a)の4位窒素原子上に置換基(R4b)の導入を行うことを特徴とする、一般式(1c)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法である。
【0061】
(一般式(3)で示される化合物)
本反応で用いることのできる、一般式(3)で示される化合物としては、プロパルギルブロミド、1−ブロモ−2−ブチン、3−ブロモ−2−(メトキシイミノ)プロピオン酸エチル、3−トリフルオロメチルベンジルクロリド、クロロ酢酸tert−ブチル、N−ブチル−2−クロロ酢酸アミド、クロロエチルエーテル、2−クロロエチル(クロロメチル)エーテル、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
【0062】
(塩基)
本反応は塩基存在下に行うことが必須であり、塩基としては、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基;トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ジメチルアニリン等の有機アミン類を用いることができる。
【0063】
塩基の使用量は特に制限はないが、反応基質である2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1a)に対して等量以上用いて反応を実施することにより、収率良く目的物を得ることができる。
【0064】
(溶媒)
本反応は溶媒中で行うことが好ましく、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができ、例えば、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;DMF、N−メチルピロリドン等のアミド類;DMSO、水あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
【0065】
(反応温度)
反応温度については特に制限はないが、0℃から150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることにより、収率よく目的物である2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1c)を得ることができる。
【0066】
<2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を有効成分とする除草剤>
次に、第5の発明である除草剤について説明する。
【0067】
本発明に係る第5の発明である除草剤は、本発明に係る第1の発明である、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を有効成分として含有する。
第1の発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を除草剤として使用する場合、第1の発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を、有害な雑草等が生えている農園芸品の栽培地や非農耕地にそのまま施用してもよいが、通常、適当な補助剤を用い、水和剤、粒剤、乳剤、フロアブル剤等の形態で使用する。
【0068】
補助剤としては、例えば、カオリン、ベントナイト、タルク、珪藻土、ホワイトカーボン、デンプン等の固体担体;水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、セロソルブ類等)、脂肪族炭化水素類(ケロシン、灯油等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロベンゼン等)、酸アミド類(DMF等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、脂肪酸グリセリンエステル類等)、ニトリル類(アセトニ
トリル等)等の溶媒;非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト等)、カチオン系界面活性剤(アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルピリジニウムクロリド等)、アニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸塩等)、両性系界面活性剤(アルキルジメチルベタイン、ドデシルアミノエチルグリシン等)等の界面活性剤等が挙げられる。これらの固体担体、溶媒、界面活性剤等は、それぞれ必要に応じて1種又は2種以上の混合物として使用される。
【0069】
例えば、第1の発明である2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を有効成分とする第5の発明である除草剤は、同一分野に用いる他の農薬、例えば、殺虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤及び肥料等と混合施用することができる。また、他の1種以上の除草剤と混合施用することにより、除草効果をより安定化することも可能である。
【0070】
第5の発明である除草剤と他の除草剤とを混合施用する場合、第5の発明である除草剤及び他の除草剤の各々の製剤を施用時に混合してもよいが、あらかじめ両方を含有する製剤として施用してもよい。
【0071】
このような、第1の発明である2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を有効成分とする、第5の発明である除草剤は、農園芸栽培場面あるいは非農耕地における有害な雑草に対して極めて優れた除草活性と、作物に対する薬害が小さいという安全性とを兼ね備えている。
【実施例】
【0072】
以下、実施例及び参考例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
【0073】
【化15】

【0074】
4−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−2−トリフルオロメチル−6(1H)−オキソピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチル(483mg,1.96mmol)のトルエン(5ml)溶液にパラジウム−カーボン(100mg)を加え、水素(4atm)を添加し80℃で8時間加圧攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比))で精製することによって、6−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−6(1H)−オキソ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの白色固体(271mg,66%)を得た。
【0075】
6−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−6(1H)−オキソ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0076】
mp:230〜232℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.73(q,JHF=1.3Hz,3
H)、4.64(s,2H)、6.13(t,JHF=52Hz,1H)、6.88(d,J=2.0Hz,1H)、6.90(dd,J=2.0 and 8.3Hz,1H)、7.05(d,J=8.3Hz,1H)、8.67(s,1H)
[実施例2]
【0077】
【化16】

【0078】
6−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−6(1H)−オキソ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(200mg,0.53mmol)のアセトニトリル(2.5ml)溶液にプロパルギルブロミド(0.08ml,1.06mmol)と炭酸カリウム(146mg,1.06mmol)とを加え、8時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(15ml)を加え、酢酸エチル(15ml×2)で抽出した。有機層を水(20ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比))で精製することによって、6−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−6(1H)−オキソ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの白色固体(119mg,55%)を得た。
【0079】
6−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−6(1H)−オキソ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0080】
mp:190〜192℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ2.28(t,J=0.3Hz,1H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.70(d,J=0.3Hz,2H)、4.71(s,2H)、6.17(t,JHF=55Hz,1H)、7.02(dd,J=1.8 and 7.5Hz,1H)、7.11(d,J=7.5Hz,1H)、7.22(d,J=1.8Hz,1H)
[実施例3]
【0081】
【化17】

【0082】
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(1.52g,38.1mmol)をDMF(100ml)に加え氷冷した後、グリコール酸エチル(4.23g,40.6mmol)を滴下した。0℃で15分間撹拌した後、そのままの温度で5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(9.8g,25.4mmol)のDMF(50ml)溶液を滴下し、徐々に室温まで昇温し24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を1N−塩酸(400ml)にあけ、酢酸エチル(400ml×2)で抽出した。有機層を水(400ml)で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去し、固体を析出させた。得られた固体をジエチルエーテルで洗浄し、充分に乾燥させることで、4−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチルの黄色固体(4.60g,39%)を得た。
【0083】
4−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0084】
mp:162〜163℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.29(t,J=7.3Hz,3H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.30(q,J=7.3Hz,2H)、4.81(s,2H)、7.05(d,J=8.5Hz,1H)、7.44(dd,J=2.3 and 8.5Hz,1H)、7.89(d,J=2.3Hz,1H)
[実施例4]
【0085】
【化18】

【0086】
4−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチル(1.46g,3.11mmol)のトルエン(60ml)溶液にパラジウム−カーボン(300mg)を加え、水素(4atm)を添加し、室温で24時間加圧攪拌した。反応終了後、触媒を瀘別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチルエーテル=9:1(体積比))で精製することによって、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの黄色固体(500mg,40%)を得た。
【0087】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0088】
mp:251〜254℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.67(s,2H)、6.81(d,J=2.5Hz,1H)、6.84(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H)、7.04(d,J=7.5Hz,1H)、9.45(s,1H)
[実施例5]
実施例2と同様にして、4−メチル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの白色固体(204mg,66%)を得た。
【0089】
4−メチル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0090】
mp:143〜146℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.35(s,3H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.69(s,2H)、6.92(d,J=1.8Hz,1H)、6.92(d,J=1.8 and 8.3Hz,1H)、7.05(d,J=8.3Hz,1H)
[実施例6]
実施例2と同様にして、4−エチル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの黄色固体(60mg,9%)を得た。
【0091】
4−エチル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0092】
mp:152〜155℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.24(t,J=7.5Hz,3H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、3.96(q,J=7.5Hz,2H)、4.66(s,2H)、6.92(d,J=2.5Hz,1H)、6.93(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H)、7.05(d,J=7.5Hz,1H)
[実施例7]
実施例2と同様にして、4−アリル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの白色固体(194mg,32%)を得た。
【0093】
4−アリル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0094】
mp:124〜128℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.53(d,J=5.0Hz,2H)、4.71(s,2H)、5.16〜5.25(m,2H)、5.78〜5.93(m,1H)、6.92(d,J=1.3Hz,1H)、6.93(dd,J=1.3 and 8.3Hz,1H)、7.06(d,J
=8.3Hz,1H)
[実施例8]
【0095】
【化19】

【0096】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(908mg,2.31mmol)のアセトニトリル(10ml)溶液にプロパルギルブロミド(0.4ml,4.62mmol)と炭酸カリウム(639mg,4.62mmol)とを加え、6時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1(体積比))で精製することによって、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの白色固体(582mg,58%)を得た。
【0097】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0098】
mp:162〜164℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ2.24(t,J=2.5Hz,1H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.68(d,J=2.5Hz,2H)、4.71(s,2H)、7.00(dd,J=1.8 and 8.3Hz,1H)、7.07(d,J=8.3Hz,1H)、7.14(d,J=1.8Hz,1H)
[実施例9]
【0099】
【化20】

【0100】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(300mg,0.77mmol)のDMF(12ml)溶液に1−ブロモ−2−ブチン(152mg,1.14mmol)と炭酸カリウム(158mg,1.14mmol)とを加え、60℃で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1(体積比))で精製することにより、4−(2−ブチニル)−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの白色固体(141mg,42%)を得た。
【0101】
4−(2−ブチニル)−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0102】
mp:180〜182℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.75(t,J=2.5Hz,3H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.61(q,J=2.5Hz,2H)、4.69(s,2H)、6.98(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H)、7.06(d,J=7.5Hz,1H)、7.15(d,J=2.5Hz,1H)
[実施例10]
実施例2と同様にして、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−(2−ペンチニル)−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの白色固体(92mg,26%)を得た。
【0103】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミ
ジン−5−イル]−4−(2−ペンチニル)−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0104】
mp:147〜152℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.03(t,J=7.5Hz,3H)、2.12(qt,J=2.3 and 7.5Hz,2H)、3.73(q,JHF=1.4Hz,3H)、4.63(t,J=2.3Hz,2H)、4.69(s,2H)、6.93(dd,J=2.0 and 8.3Hz,1H)、7.06(d,J=8.3Hz,1H)、7.15(d,J=2.0Hz,1H)
[実施例11]
実施例2と同様にして、4−クロロベンジル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの黄色固体(133mg,34%)を得た。
【0105】
4−クロロベンジル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0106】
mp:154〜156℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.69(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.78(s,2H)、5.10(s,2H)、6.77(d,J=2.0Hz,1H)、6.93(dd,J=2.0 and 7.5Hz,1H)、7.07(d,J=6.4Hz,1H)、7.14(d,J=8.8Hz,2H)、7.27(d,J=8.8Hz,2H)
[実施例12]
【0107】
【化21】

【0108】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(300mg,0.77mmol)のアセトニトリル(12ml)溶液に3−トリフルオロメチルベンジルクロリド(0.24ml,1.43mmol)と炭酸カリウム(126mg,0.929mmol)とを加え、60℃で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml)で抽出した。有機層を水(30ml×2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比))で精製することによって、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−(3−トリフルオロメチルベンジル)−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの黄色固体(149mg,38%)を得た。
【0109】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−(3−トリフルオロメチルベンジル)−2H−1,4−ベンゾオ
キサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0110】
mp:172〜174℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.68(t,JHF=1.3Hz,3H)、4.81(s,2H)、5.19(s,2H)、6.76(d,J=2.0Hz,1H)、6.93(dd,J=2.0 and 8.3Hz,1H)、7.09(d,J=8.3Hz,1H)、7.37〜7.54(m,4H)
[実施例13]
実施例2と同様にして、[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]アセトニトリルの黄色固体(100mg,30%)を得た。
【0111】
[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]アセトニトリルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0112】
mp:178〜181℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.74(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.77(s,2H)、4.82(s,2H)、6.91(d,J=1.8Hz,1H)、7.04(dd,J=1.8 and 8.3Hz,1H)、7.14(d,J=8.3Hz,1H)
[実施例14]
実施例2と同様にして、[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸メチル(211mg,61%)を得た。
【0113】
[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸メチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0114】
mp:148〜151℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.71(q,JHF=1.3Hz,3H)、3.75(s,3H)、4.66(s,2H)、4.75(s,2H)、6.68(d,J=1.8Hz,1H)、6.95(dd,J=1.8 and 8.3Hz,1H)、7.09(d,J=8.3Hz,1H)
[実施例15]
実施例2と同様にして、[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸アリルの白色固体(149mg,40%)を得た。
【0115】
[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸アリルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0116】
mp:124〜126℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.72(q,JHF=1.5Hz,3H)、4.63〜4.68(m,4H)、4.75(s,2H)、5.21〜5.32(m,2H)、5.79〜5.94(m,1H)、6.68(d,J=1.8Hz,1H)、6.95(dd,J=1.8 and 8.3Hz,1H)、7.09(d,J=8.3Hz,1H)
[実施例16]
実施例2と同様にして、[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸イソプロピルの白色固体(190mg,51%)を得た。
【0117】
[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸イソプロピルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0118】
mp:188〜191℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.20(d,J=6.3Hz,6H)、3.71(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.61(s,2H)、4.74(s,2H)、5.00(sept,J=6.3Hz,1H)、6.68(d,J=1.8Hz,1H)、6.95(dd,J=1.8 and 8.3Hz,1H)、7.08(d,J=8.3Hz,1H)
[実施例17]
【0119】
【化22】

【0120】
水素化ナトリウム(40.8mg,1.02mmol)とDMF(5ml)との懸濁液を0℃に冷却し、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(400mg,1.02mmol)のDMF(7ml)溶液を滴下した。滴下終了後、クロロ酢酸tert−ブチル(184mg,1.22mmol)を加え、徐々に室温まで昇温させ24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1(体積比))で精製することにより、[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸−tert−ブチルの白色固体(333mg,64%)を得た。
【0121】
[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸−tert−ブチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0122】
mp:146〜150℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.42(s,9H)、3.71(q,JHF=1.5Hz,3H)、4.54(s,2H)、4.72(s,2H)、6.72(d,J=1.8Hz,1H)、6.94(dd,J=1.8 and 8.3Hz,1H)、7.08(d,J=8.3Hz,1H)
[実施例18]
実施例2と同様にして、[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(ト
リフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸2−メトキシエチルの白色固体(244mg,63%)を得た。
【0123】
[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸2−メトキシエチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0124】
mp:111〜113℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.33(s,3H)、3.56(t,J=4.8Hz,2H)、3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.29(t,J=4.8Hz,2H)、4.69(s,2H)、4.74(s,2H)、6.70(d,J=2.5Hz,1H)、6.95(dd,J=2.5 and 10Hz,1H)、7.08(d,J=10Hz,1H)
[実施例19]
【0125】
【化23】

【0126】
水素化ナトリウム(30.5mg,0.77mmol)とDMF(5ml)との懸濁液を0℃に冷却し、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(300mg,0.77mmol)のDMF(7ml)溶液を滴下した。滴下終了後、N−ブチル−2−クロロ酢酸アミド(228mg,1.53mmol)を加え、徐々に室温まで昇温させ24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1(体積比))で精製することにより、N−ブチル−[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸アミドの白色固体(29mg,8%)を得た。
【0127】
N−ブチル−[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸アミドの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0128】
mp:223〜224℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ0.85(t,J=7.5Hz,3H)、1.20(tq,J=7.5 and 7.5Hz,2H)、1.32(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H)、3.17(dt,J=7.5 and 7.5Hz,2H)、3.71(q,JHF=1.5Hz,3H)、4.49(s,2H)、4.75(s,2H)、6.12(t,J=7.5Hz,1H)、6.96(dd,J=2.5
and 7.5Hz,1H)、7.08(d,J=7.5Hz,1H)、7.14(d,J=2.5Hz,1H)
[実施例20]
実施例2と同様にして、N−フェニル−[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸アミドの白色固体(57.8mg,14%)を得た。
【0129】
N−フェニル−[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸アミドの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0130】
mp:264〜268℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.71(q,JHF=1.0Hz,3H)、4.62(s,2H)、4.79(s,2H)、6.99〜7.47(m,8H)、8.24(s,1H)
[実施例21]
【0131】
【化24】

【0132】
水素化ナトリウム(51mg,1.27mmol)とDMF(5ml)との懸濁液を0℃に冷却し、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(300mg,0.77mmol)のDMF(7ml)溶液を滴下した。滴下終了後、クロロメチルエチルエーテル(144mg,1.90mmol)を加え、徐々に室温まで昇温させ24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1(体積比))で精製することにより、4−エトキシメチル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの白色固体(402mg,70%)を得た。
【0133】
4−エトキシメチル−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0134】
mp:115〜117℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.16(t,J=7.0Hz,3H)、3.57(q,J=7.0Hz,2H)、3.72(q,JHF=1.5Hz,3H)、4.69(s,2H)、5.34(s,2H)、7.00(dd,J=1.8 and
8.3Hz,1H)、7.06(d,J=8.3Hz,1H)、7.29(d,J=1.8Hz,1H)
[実施例22]
【0135】
【化25】

【0136】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(300mg,0.77mmol)のアセトニトリル(12ml)溶液に3−ブロモ−2−(メトキシイミノ)プロピオン酸エチル(342mg,1.53mmol)と炭酸カリウム(158mg,1.14mmol)とを加え、6時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1(体積比))の後、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー(クロロホルム100%)で精製することにより、3−[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]−2−(メトキシイミノ)プロピオン酸エチルの黄色液体(239mg,59%)を得た。
【0137】
3−[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]−2−(メトキシイミノ)プロピオン酸エチルのNMRの測定結果を以下に示す。
【0138】
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.23(t,J=7.0Hz,3H)、3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.03(s,3H)、4.23(q,J=7.0Hz,2H)、4.67(s,2H)、4.93(s,2H)、6.88(d,J=1.8Hz,1H)、6.90(dd,J=1.8 and 8.3Hz,1H)、7.05(d,J=8.3Hz,1H)
[実施例23]
【0139】
【化26】

【0140】
水素化ナトリウム(40.8mg,1.02mmol)をDMF(5ml)に加え0℃に冷却した後、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(400mg,1.02mmol)のDMF(7ml)溶液を滴下した。滴下終了後、2−クロロエチル(クロロメチル)エーテル(158mg,1.22mmol)を加え、徐々に室温まで昇温させ24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1(体積比))で精製することにより、4−(2−クロロエトキシメチル)−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの黄色液体(240mg,48%)を得た。
【0141】
4−(2−クロロエトキシメチル)−6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0142】
mp:111〜113℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.58(t,J=5.5Hz,2H)、3.72(q,JHF=1.5Hz,3H)、3.83(t,J=5.5Hz,2H)、4.70(s,2H)、5.40(s,2H)、6.98(dd,J=1.8 and
8.3Hz,1H)、7.07(d,J=8.3Hz,1H)、7.29(d,J=1.8Hz,1H)
[実施例24]
【0143】
【化27】

【0144】
[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸−tert−ブチル(150mg,0.30mmol)のクロロホルム(5ml)溶液にトリフルオロ酢酸(1ml)を加え1時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル(30ml)と水(30ml)とを加えて抽出した。有機層を水(30ml×3)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去することで、[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸の白色固体(124mg,92%)を得た。
【0145】
[6−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}−3(4H)−オキソ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル]酢酸の融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0146】
mp:107〜110℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):3.72(q,JhF=1.5Hz,3H)、4.71(s,2H)、4.75(s,2H)、6.72(d,J=2.5Hz,1H)、6.99(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H)、7.10(d,J=7.5Hz,1H)
[実施例25]
【0147】
【化28】

【0148】
4−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェニルチオ酢酸エチル(896mg,1.85mmol)の酢酸(50ml)溶液に還元鉄(5g)を加え、6時間加熱還流した。反応終了後、固体を濾別し、濾液に水(150ml)を加え、酢酸エチル(200ml×2)で抽出した。有機層を水(180ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾過し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1(体積比))で精製することによって、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オンの黄色固体(139mg,18%)を得た。
【0149】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0150】
mp:152〜156℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.46(s,2H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、6.80(d,J=2.5Hz,1H)、6.93(dd,J=2.5 and 8.9Hz,1H)、7.40(d,J=8.0Hz,1H),8.89(brs,1H)
[実施例26]
【0151】
【化29】

【0152】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オン(415mg,1.01mmol)のアセトニトリル(5ml)溶液にプロパルギルブロミド(0.13ml,1.52mmol)と炭酸カリウム(210mg,1.52mmol)とを加え,6時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(40ml×2)で抽出した。有機層を水(40ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比))で精製することによって、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オンの淡黄色固体(42mg,9%)を得た。
【0153】
6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0154】
mp:70〜74℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ2.27(t,J=2.5Hz,1H)、3.50(s,2H)、3.75(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.68(d,J=2.5Hz,2H)、7.01(dd,J=1.5 and 8.0Hz,1H)、7.31(d,J=1.5Hz,1H)、6.48(d,J=8.0Hz,1H)
[参考例1]
【0155】
【化30】

【0156】
ナトリウムエトキシド(12.9g,180mmol)のエタノール(100ml)溶液にトリフルオロアセト酢酸エチル(23.4g,180mmol)、トリフルオロアセトアミジン(16.8g,150mmol)を順次加え、8時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(300ml)を加え、酢酸エチル(300ml×2)で抽出した。有機層を水(300ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することで固体を析出させた。得られた固体をヘキサンで洗浄し、十分乾燥させることによって、6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−ピリミジンの淡黄色固体(20g,48%)を得た。
【0157】
6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:108〜109℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):7.11(s,1H)
[参考例2]
【0158】
【化31】

【0159】
N−ブロモこはく酸イミド(30.3g,171mmol)のDMF(200ml)溶液に、6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(36g,155mmol)を加え、80℃で5時間加熱撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(600ml)を加え、酢酸エチル(600ml×2)で抽出した。得られた有機層を水(800ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去することで固体を析出させた。得られた固体をヘキサンで洗浄し、充分乾燥させることにより5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの茶色固体(19.9g,41%)を得た。
【0160】
5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)を以下に示す。
mp:134〜135℃
[参考例3]
参考例1と同様にして、4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの淡黄色固体(5.46g,66%)を得た。
【0161】
4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:107〜110℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):6.29(t,JHF=55Hz,1H)、7.02(s,1H)
[参考例4]
参考例2と同様にして、5−ブロモ−4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの橙色固体(19.3g,76%)を得た。
【0162】
5−ブロモ−4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:126〜128℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):6.63(t,JHF=53Hz,1H)
[参考例5]
【0163】
【化32】

【0164】
4−フルオロフェニルホウ酸(3.60g,25.7mmol)と5−ブロモ−4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジン(5.0g,17.1mmol)とのジメトキシエタン溶液(60ml)にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.49g,1.29mmol)と2M−炭酸セシウム水溶液(21.4ml,42.8mmol)とを室温で加え、6時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(180ml)を加え、酢酸エチル(180ml×2)で抽出した。有機層を水(200ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比))で精製することによって、4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの白色固体(4.73g,90%)を得た。
【0165】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:182〜185℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ6.18(t,JHF=53Hz,1H)、7.13〜7.38(m,4H)
[参考例6]
【0166】
【化33】

【0167】
4−フルオロフェニルホウ酸(7.43g,53.1mmol)と5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(11.0g,35.4mmol)とのジメトキシエタン溶液(130ml)にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.05g,1.77mmol)と2M−炭酸ナトリウム水溶液(44ml,88mmol)とを室温で加え、8時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(300ml)を加え、酢酸エチル(300ml×2)で抽出した。有機層を水(300ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比))で精製し、更に得られた固体をヘキサンで洗浄し、充分乾燥することによって、5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(8.45g,73%)を得た。
【0168】
5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:153〜154℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ7.13〜7.32(m,4H)
[参考例7]
【0169】
【化34】

【0170】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジン(4.5g,14.6mmol)のDMF(45ml)溶液にヨウ化メチル(2.08ml,21.9mmol)と炭酸カリウム(3.03g,21.9mmol)とを加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(140ml)を加え、酢酸エチル(140ml×2)で抽出した。有機層を水(160ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1(体積比))で精製することによって、4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(1.67g,37%)、及び4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの白色固体(2.66g,56%)を得た。
【0171】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン及び4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0172】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン;
mp:136〜139℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):3.72(q,JHF=1.3Hz,3H
)、6.09(t,JHF=54Hz,1H)、7.16〜7.39(m,4H)
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−トリフルオロメチルピリミジン;
mp:83〜85℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ4.07(s,3H)、6.22(t,JHF=55Hz,1H)、7.14〜7.34(m,4H)
[参考例8]
【0173】
【化35】

【0174】
5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(11.8g,38.3mmol)のDMF(120ml)溶液にヨウ化メチル(5.5ml,56.5mmol)と炭酸カリウム(7.95g,57.5mmol)とを加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(400ml)を加え、酢酸エチル(400ml×2)で抽出した。有機層を水(400ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1(体積比))で精製することによって、5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(2.83g,22%)、及び5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(5.74g,47%)を得た。
【0175】
5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン及び5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0176】
5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピ
リミジン−6(1H)−オン;
mp:90〜91℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、7.12〜7.31(m,4H)
5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン;
mp:126〜127℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ4.06(s,3H)、7.17〜7.26(m,4H)
[参考例9]
【0177】
【化36】

【0178】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン(1.57g,4.87mmol)のクロロホルム(30ml)溶液に発煙硝酸(19ml)を加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を氷水(500ml)にあけ、クロロホルム(200ml×2)で抽出した。有機層を水(200ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去することによって、4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オンの淡黄色固体(1.61g,90%)を得た。
【0179】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0180】
mp:118〜119℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.74(q,JHF=1.3Hz,3H)、6.13(t,JHF=53Hz,1H)、7.37〜7.54(m,1H)、7.54〜7.60(m,1H)、8.06(dd,J=2.3Hz,JHF=6.8Hz,1H)
[参考例10]
【0181】
【化37】

【0182】
5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(3.86g,11.3mmol)のクロロホルム(55ml)溶液に発煙硝酸(28ml)を加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を氷水(300ml)にあけ、クロロホルム(100ml×2)で抽出した。有機層を水(200ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去することによって、5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(4.10g,94%)を得た。
【0183】
5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0184】
mp:67〜71℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.75(q,JHF=2.5Hz,3H)、7.37〜7.54(m,1H)、7.54〜7.60(m,1H)、8.06(
dd,J=2.3Hz,JHF=6.8Hz,1H)
[実施例27]
【0185】
【化38】

【0186】
水素化ナトリウム(212mg,5.31mmol)とDMF(15ml)との懸濁液を0℃に冷却し、グリコール酸エチル(589mg,5.66mmol)を滴下した。0℃で39分間攪拌した後、そのままの温度で4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン(1.30g,3.54mmol)のDMF(5ml)溶液を滴下し、徐々に室温まで昇温させ24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(60ml)を加え、酢酸エチル(69ml×2)で抽出した。有機層を水(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比))で精製することによって、4−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−6(1H)−オキソ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチルの黄色固体(505mg,32%)を得た。
【0187】
4−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−6(1H)−オキソ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0188】
mp:144〜148℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.28(t,J=7.5Hz,3H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.25(q,J=7.5Hz,2H)、4.83(s,2H)、6.13(t,JHF=53Hz,1H)、7.06(d,J=8.8Hz,1H)、7.51(d,J=2.3 and 8.8Hz,1H)、7.96(d,J=2.3Hz,1H)
[実施例28]
【0189】
【化39】

【0190】
水素化ナトリウム(228mg,5.71mmol)とDMF(5ml)との縣濁液を0℃に冷却し、チオグリコ−ル酸エチル(1.57g,4.08mmol)のDMF(4ml)溶液を滴下した。0℃で30分間攪拌した後、そのままの温度で5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−3−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(735mg,6.12mmol)を滴下し、徐々に室温まで昇温させ24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比))で精製することによって、4−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェニルチオ酢酸エチルの白色固体(1.18g,61%)を得た。
【0191】
4−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェニルチオ酢酸エチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0192】
mp:78〜81℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.32(t,J=7.5Hz,3H)、2.10(s,2H)、3.75(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.52(q,J=7.5Hz,2H)、7.13〜7.26(m,3H)
上記実施例に例示した方法によって合成した本発明に係るピリミジン誘導体を表1〜表4にまとめて例示した。
【0193】
【化40】

【0194】
【表1】

【0195】
【表2】

【0196】
【表3】

【0197】
【表4】

【0198】
[製剤例]
以下、本発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を除草剤として製剤化する方法を示す。ただし、本発明の除草剤は、これらの製剤例に限定されるものではなく、下記製剤例に例示された以外の他の種々の添加物と任意の割合で混合し、製剤化することもできる。
【0199】
本発明の化合物としては、6−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−6(1H)−オ
キソ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(化合物No.15)、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(化合物No.42)、6−[1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]−4−プロパルギル−2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オン(化合物No.43)を用いた。
【0200】
〔製剤例1〕(粒剤)
本発明の化合物(1重量部)、リグニンスルホン酸カルシウム(1重量部)、ラウリルサルフェート(1重量部)、ベントナイト(30重量部)及びタルク(67重量部)に水(15重量部)を加えて、混練機で混練した後、押出式造粒機で造粒した。これを流動乾燥機で乾燥して、本発明の化合物1重量%を活性成分として含む粒剤を得た
〔製剤例2〕(フロアブル剤)
本発明の化合物(20.0重量部)、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩(2.0重量部)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(2.0重量部)、プロピレングリコール(5.0重量部)、消泡剤(0.5重量部)及び水(70.5重量部)を、湿式ボールミルで均一に混合粉砕し、本発明の化合物20重量%を活性成分として含むフロアブル剤を得た。
【0201】
〔製剤例3〕(ドライフロアブル剤)
本発明の化合物(75重量部)、イソバンNo.1(アニオン性界面活性剤:クラレイソプレンケミカル(株)製、商品名)(10重量部)、バニレックスN(アニオン性界面活性剤:山陽国策パルプ(株)製、商品名)(5重量部)、ホワイトカーボン(5重量部)及びクレー(5重量部)を均一に混合微粉砕して、本発明の化合物75重量%を活性成分として含むドライフロアブル(顆粒水和)剤を得た。
【0202】
〔製剤例4〕(水和剤)
本発明の化合物(15重量部)、ホワイトカーボン(15重量部)、リグニンスルホン酸カルシウム(3重量部)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(2重量部)、珪藻土(5重量部)及びクレー(60重量部)を、粉砕混合機により均一に混合して、本発明の化合物15重量%を活性成分として含む水和剤を得た。
【0203】
〔製剤例5〕(乳剤)
本発明の化合物(20重量部)、ソルポール700H(乳化剤:東邦化学(株)製、商品名)(20重量部)及びキシレン(60重量部)を混合して、本発明の化合物20重量%を活性成分として含む乳剤を得た。
【0204】
〔製剤例6〕(粉剤)
本発明の化合物(0.5重量部)、ホワイトカーボン(0.5重量部)、ステアリン酸カルシウム(0.5重量部)、クレー(50.0重量部)及びタルク(48.5重量部)を均一に混合粉砕して、本発明の化合物0.5重量%を活性成分として粉剤を得た。
【0205】
[試験例]
次に本発明の化合物の除草効果を試験例を挙げて説明する。
〔試験例1〕水田雑草に対する除草効果試験
1/10,000アールの広さのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加えた後化
成肥料(N:P:K=17:17:17)を混入し、代かきを行った。その後、タイヌビエ、広葉雑草(アゼナ、コナギ)、ホタルイの種子を1cmの深さにそれぞれ30粒ずつを播種した。更に、2葉期の水稲を3本で1株としてポットあたり1株移植した。移植後
ただちに湛水し、水深を約3cmに保った。その後の管理はガラス温室内で行った。水稲移植1日後に、本発明の化合物を製剤例4に準じて調製した水和剤を水希釈し、その水希釈薬液の所定量を滴下した。
【0206】
本試験は1薬液濃度区当たり2連制で行い、薬剤処理21日後に水田雑草に対する除草効果を調査した。調査方法は、水田雑草に対する除草効果を処理区に残った植物体の生草重量(g)と無処理区の雑草生草重量(g)を種ごとに調査し、下記の算出式により抑草率(%)を求めた。得られた結果を表5に示した。
【0207】
抑草率の算出式
抑草率(%)=〔1−(a/b)〕×100
(式中、aは処理区の植物体の生草重量(g)を表し、bは無処理区の植物体の生草重量(g)を表す。)
【0208】
【表5】

【0209】
〔試験例2〕畑作雑草に対する除草効果試験(土壌処理試験)
1/10,000アールの大きさの素焼製ポットに畑土壌(沖積壌土)をつめ、表層1
cmの土壌と各雑草(メヒシバ、エノコログサ、シロザ、イヌタデ)の種子それぞれ50粒を均一に混合し、表層を軽く押圧した。本発明の化合物を製剤例5に準じて調製した乳剤を水で希釈し、その水希釈薬液を播種2日後に1ヘクタール当たり1000リットルの割合で土壌表面に炭酸ガス式散布機を用いて噴霧した。活性成分の施用量を換算すると1ヘクタール当たり1.2kgに相当した。本試験は1薬液濃度区当たり2連制で行い、薬剤処理21日後に除草効果を試験例1と同様に評価した。試験結果を、表6に示す。
【0210】
【表6】

【0211】
〔試験例3〕畑作雑草に対する除草効果試験(茎葉処理試験)
1/10,000アールの大きさのワグネルポットに畑土壌(沖積壌土)をつめ、メヒ
シバ、エノコログサ、シロザ、イヌタデの各雑草種子をそれぞれ別のポットに30粒播き、表層約1cmの土壌とこれらの種子を混合して表層を軽く押圧した。各雑草が1〜2葉期、ダイズが1葉期、コムギが2葉期にそれぞれ達したときに、本発明の化合物を製剤例5に準じて調製した乳剤を水で希釈して所定濃度に調製した後、この希釈薬液を1ヘクタールあたり1000リットルの割合で供試雑草及び作物の茎葉部に炭酸ガス式散布機を用いて噴霧処理した。活性成分の施用量を換算すると1ヘクタール当たり1.2kgに相当した。本試験は1薬液濃度区当たり2連制で行い、薬剤処理14日後に除草効果を試験例1と同様の基準に基づいて評価した。これらの試験結果を表7に示す。
【0212】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体。
【化1】

[式(1)中、R1は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を
表し、R4は水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
てもよい炭素数3〜6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニル基又は置換されていてもよい炭素数7〜11のアラルキル基を表し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表し、Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。]
【請求項2】
一般式(1b)で示される5−(4−ハロ−3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体と一般式(5)で示されるグリコール酸類又はチオグリコール酸類とを塩基存在下にて反応させ、一般式(2)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法。
【化2】

[式(1b)中、R1、R2及びXは前記と同じ意味を表す。Ybはハロゲン原子を表す。

【化3】

[式(5)中、R3及びWは前記と同じ意味を表す。R5は炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
【化4】

[式(2)中、R1、R2、R3、R5、X及びWは前記と同じ意味を表す。]
【請求項3】
一般式(2)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体のニトロ基を還元し分子内アミド化反応を行うことを特徴とする、一般式(1a)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法。
【化5】

[式(2)中、R1、R2、R3、R5、X及びWは前記と同じ意味を表す。]
【化6】

[式(1a)中、R1、R2、R3、X及びWは前記と同じ意味を表す。]
【請求項4】
一般式(1a)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体と、一般式(3)で示される化合物とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(1c)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法。
【化7】

[式(1a)中、R1、R2、R3、X及びWは前記と同じ意味を表す。]
【化8】

[式(3)中、R4bは置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7〜11のアラルキル基を表し、Lは脱離基を表す。]
【化9】

[式(1c)中、R1、R2、R3、R4b、X及びWは前記と同じ意味を表す。]
【請求項5】
一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を有効成分とする除草剤。
【化10】

[式(1)中、R1、R2、R3、R4、X及びWは前記と同じ意味を表す。]

【公開番号】特開2009−137851(P2009−137851A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313525(P2007−313525)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000173762)財団法人相模中央化学研究所 (151)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】