説明

2つの補強材料を含む補強材及びかかる補強材を有するタイヤ

少なくとも複数本の伸長性の第1の補強要素(1)と少なくとも複数本の非伸長性の第2の補強要素(2)とから成る二種材料補強要素構造体を備えたタイヤ補強材(10)であって、第1の補強要素と第2の補強要素は、相互に平行であり且つ所望の補強レベルを達成するために適切な比率で交互に分布して配置され、第1の補強要素及び第2の補強要素は、同一中間平面内に位置し、タイヤ補強材(10)は、第1の補強要素及び第2の補強要素の各々が2つの端を備えている状態において、伸長性の第1の補強要素(1)の端のうちの一方が非伸長性の第2の補強要素(2)の2つの端に対してオフセットするように伸長性の第1の補強要素(1)が伸長性の第1の補強要素(1)の長さL1よりも短い結合距離Lcにわたって非伸長性の第2の補強要素(2)に結合されているようなものであることを特徴とするタイヤ補強材(10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアルプライタイヤを補強する新規な補強材及び特にトン数が中くらいの又は大きい車両、例えばローリ、路上トラクタ、バス、重量物運搬車向きのタイヤに関する。本発明は又、かかる補強材を有するタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるタイヤは、一般に、実質的に半径方向に延び、即ち周方向と80°〜100°の角度をなす金属補強要素を含む少なくとも1枚のゴムを主成分とするプライから成るカーカス補強材を有し、このプライの半径方向外側には、或る1つのプライから次のプライまでクロス掛けされると共に周方向と10°〜45°の角度をなす金属コードの少なくとも2枚のプライで構成されたクラウン補強材が載っており、このクラウン補強材それ自体の上には、トレッドが載っている。さらに、かかるタイヤは、ビードをトレッドに連結するサイドウォールを有し、各ビードは、取り付けリムに接触するようになっている。カーカス補強材の端部は、部分的にサイドウォールに向かって折り返された状態で延びる上曲がり部又は巻き上げ部を形成するようビードの周方向補強構造体(これら構造体は、繋留用ビードワイヤと呼ばれている)周りに繋留されている。
【0003】
さらに、ビードは、全体として上曲がり部に沿って軸方向外側に設けられたカーカス補強材の上曲がり部のための少なくとも1つの追加の補強材を有する。この追加の補強材は、通常、複数本の金属製及び/又はテキスタイル(織物)製の補強要素が設けられることによって補強されており、これら補強要素は、公知のように、タイヤの周方向に対して小さな角度をなして、即ち10°〜30°の角度をなして差し向けられたコードの形態をしている。この追加の補強材は、カーカス補強材の上曲がり部の端の半径方向外側又は半径方向内側に位置した半径方向外方端及び全体として、回転軸線に並行であり且つ繋留用ビードワイヤの子午線断面の重心を通る直線の半径方向内側に位置した半径方向内方端を有する。
【0004】
大型車両によって支えられる荷重の観点から見て過酷な転動条件の場合及び/又は頻繁な制動を含む転動条件の場合、カーカス補強材の上曲がり部の端部の半径方向及び周方向変形に鑑みて、この端部に隣接する材料中に剪断歪が生じる。これら剪断歪は、ビードの温度の上昇とは別に、補強材の端部の周りに位置するゴム材料の弱体化を招く。この弱体化は、特に、カーカス補強材の上曲がり部の端のところの亀裂イニシエータ(開始要因)により顕著になる場合があり、亀裂は、この場合、追加のビード補強材の半径方向外端に向かって伸展し、次にタイヤの外側に向かって伸展し、それによりタイヤを取り外さざるを得なくなる。ゴム材料のこの亀裂又は破断は、カーカス補強材の上曲がり部の端よりも半径方向に高いところで(即ち、上曲がり部の端が回転軸線から半径方向に一段と遠ざかるにつれて)一層迅速に現われるように思われる。この端が比較的低い場合、制動の繰り返しに起因して生じる制動部材の温度が極めて高くなることによって生じるビードの温度の上昇によりカーカス補強材を満足の行くほど繋留することは、一層困難である。ビードのこの温度上昇の結果として、ビードの剛性が低下すると共にカーカス補強材の繋留が弱くなる。
【0005】
ビードゾーン及びより一般的に言えば補強材の端部のところでのラジアルプライタイヤの劣化を改善する種々の解決策が提案された。
【0006】
可撓性の非常に高いサイドウォールの振幅の大きな曲げの繰り返しに起因して生じるラジアルプライタイヤのビードに隣接して位置するサイドウォール領域のデラミネーションを改善するため、仏国特許第1310491号明細書は、カーカスプライ又はクラウン補強材を構成するために所望の抵抗の増大に従って同一平面内に位置すると共に適当な比率で分布して配置された天然又は人工のテキスタイル細線又はコード及び金属細線又はコードの組み合わせ使用を教示している。
【0007】
ラジアルプライタイヤカバーの場合、二種材料(bi-material)構造体を有し、即ち、同一平面内に位置した異種材料で作られている細線又はコード、例えば金属細線又はコード及びテキスタイル細線又はコードにより形成された補強要素を用いること(所与の材料の各対の隣り合う細線又はコードを第2の材料の1本又は2本以上の細線又はコードで分離することが可能である)は、特に経済上の理由で仏国特許第1296859号明細書の教示に従って若しくはコーナリングの際の路面保持具合を向上させることを目的として日本国特開1998‐151906号公報の教示に従って或いはタイヤが扁平状態で走行しているときの振動を減少させることを目的として日本国特開1998‐314504号公報の教示に従ってクラウン補強材の補強要素として知られている。
【0008】
米国特許第5634995号明細書は、重量物用のラジアルプライタイヤを記載しており、そのビードは、ビードワイヤ周りに真っ直ぐに延びるスチールコードで作られた補強プライにより形成されている第1の補強材及びテキスタイル補強要素により補強された第2の補強材を有し、この第2の補強材は、カーカス曲がり部の軸方向外側に位置している。第2の補強材は、第1の補強材上に部分的に重ね合わされ、その結果、第1の補強材の軸方向外端部は、第2の補強材により覆われている。
【0009】
仏国特許出願公開第2291878(A)号明細書は、大型車両用のタイヤのビードの時期尚早な劣化を回避するために、スチール補強材を含む断面が比較的厚いプライ部分(この厚いプライ部分は、カーカスプライの上曲がり部の端の半径方向内側で終端している)及び厚いプライ部分の延長部をなすと共に半径方向最も外側の端がカーカスプライの上曲がり部の端を半径方向に越えて位置する薄い部分を有する単一プライによって形成された補強材を開示している。この薄い部分は、厚いプライ部分の補強材の剛性よりも低い剛性の補強材、例えばテキスタイルコードを収容している。この解決策は、一方において、カーカスプライ上曲がり部の一端部がビード中で比較的高いところまで上がり、それによりカーカスプライ上曲がり部の端部のところでの亀裂の発生が促進される場合があり、他方において、2種類の補強材料相互間の不連続部により、一方が他方の延長部に沿って位置し或いは短い長さにわたってオーバーラップした2種類の材料の接合部のところでの破断の発生が促進される場合があるという欠点を有している。
【0010】
定義:
赤道面:回転軸線に垂直であり且つトレッドを実質的に幅の等しい2つの部分に分割する平面
半径方向平面(又は子午線平面):回転軸線を含む平面
半径方向:回転軸線に垂直な方向
周方向:中心が回転軸線に一致した円の接線方向
軸方向:タイヤの回転軸線に平行な方向
【0011】
タイヤの赤道面から一点までの距離が、同一の赤道面から別の点までの距離よりも短い場合にはいつでも、この一点は、この別の点の軸方向内側に位置しているといえる。
【0012】
タイヤの回転軸線から一点までの距離が、同一の回転軸線から別の点までの距離よりも短い場合にはいつでも、この一点は、この別の点の半径方向内側に位置しているといえる。
【0013】
「補強要素」という用語は、細線とコードの両方を意味しているものと理解されたい。細線は、単一のモノフィラメント又はマルチフィラメント細線から成る場合があり、コードは、少なくとも2本の細線の集成体から成る。
【0014】
「非伸長性補強要素」という用語は、本明細書においては、タイヤで支持される通常の荷重の場合、歪がゼロ又はほぼゼロである補強要素を意味するものと理解されたい。なお、これら非伸長性補強要素は、金属製のもの例えば、1本のワイヤ(線材)又は数本のワイヤの集成体かのいずれかである場合がある。
【0015】
「伸長性補強要素」という用語は、本明細書においては、破断時伸び率が少なくとも3%の補強要素を意味するものと理解されたい。この補強要素は、特にポリエステル又はポリアミド補強要素及びガラス、レーヨン、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド(アラミド)又はポリケトン繊維を含む補強要素の群から選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】仏国特許第1310491号明細書
【特許文献2】仏国特許第1296859号明細書
【特許文献3】日本国特開1998‐151906号公報
【特許文献4】日本国特開1998‐314504号公報
【特許文献5】米国特許第5634995号明細書
【特許文献6】仏国特許出願公開第2291878(A)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、ゴム材料を載せた補強材端部を有するタイヤ部分の耐久性を向上させることにある。以下に挙げるものが全てではないが、本発明は、特に、重量物運搬車両用タイヤのビードに利用され、本発明により、ビード補強材(カーカス補強材及び/又は追加の補強材)の端部のところのゴム材料の受ける半径方向及び周方向歪を最小限に抑えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的のため、本発明は、少なくとも複数本の伸長性の第1の補強要素と少なくとも複数本の非伸長性の第2の補強要素とから成る二種材料補強要素構造体を備えたタイヤ補強材を提供する。第1の補強要素と第2の補強要素は、相互に平行であり且つ所望の補強レベルを達成するために適切な比率で交互に分布して配置され、第1の補強要素及び第2の補強要素は、同一中間平面(又は実質的に同一の中間平面)内に位置している。伸長性の第1の補強要素は、第1の補強要素及び第2の補強要素の各々が2つの端を備えている状態において伸長性の第1の補強要素の端のうちの一方が非伸長性の第2の補強要素の2つの端に対してオフセットするように伸長性の第1の補強要素の長さL1よりも短い結合距離Lcにわたって非伸長性の第2の補強要素に結合されている。
【0019】
以下において、二種材料補強材又は補強要素の構造体は、少なくとも複数本の伸長性の第1の補強要素及び少なくとも複数本の非伸長性の第2の補強要素によって形成され、これら第1及び第2の補強要素は、少なくとも1つのゴムを主成分とする材料中に埋め込まれていることは理解されるべきである。
【0020】
好ましくは、伸長性の第1の補強要素の端と第2の補強要素の端との間のオフセットは、少なくとも15mmである。
【0021】
有利には、本発明のタイヤ補強材は、結合部の補強要素の角度が15°〜45°であり、第1の補強材と第2の補強材との間に結合部が存在しない部分の伸長性の第1の補強要素の角度が少なくとも75°であるようなものであり、これら角度は、補強材の最も大きな寸法方向に関して取られている。好ましくは、第1の補強材と第2の補強材との間に結合部が存在しない部分の伸長性の第1の補強要素の角度Bと結合部の補強要素の角度Aの差は、せいぜい60°である。
【0022】
本発明の二種材料補強材の特に有利な一使用例によれば、二種材料補強材は、タイヤビード用の補強材として用いられる。この使用例では、タイヤは、半径方向に延びる補強要素を含む少なくとも1枚のゴム引きプライから成る半径方向カーカス補強材を有し、各ビードは、上曲がり部を形成するようカーカス補強材が部分的に巻き付けられた少なくとも1つの周方向補強材(例えば、ビードワイヤ形式のもの)及び少なくとも1つの追加の補強材を有する。このタイヤは、追加の補強材が所望の補強レベルに応じて交互に且つ適切な比率で分布して配置された複数本の伸長性の第1の補強要素及び複数本の非伸長性の第2の補強要素で形成された二種材料構造体を有し、第1の補強要素と第2の補強要素が実質的に同一の中間平面内に位置すると共に相互に平行であり、伸長性の第1の補強要素が伸長性の第1の補強要素の長さL1よりも短い長さLc(結合長さと呼ばれる)を備えた結合部において非伸長性の第2の補強要素に結合されており、その結果、第1の補強要素及び第2の補強要素の各々が2つの端を備えている状態において伸長性の第1の補強要素の端のうちの少なくとも一方が非伸長性の第2の補強要素の2つの端に対してオフセットしていることを特徴とする。
【0023】
好ましくは、上記半径方向最も外側の端は、伸長性の第1の補強要素の端のうちの一方に対応している。
【0024】
第1の補強層と第2の補強層の結合のための「結合部」という用語は、第1及び第2の補強要素が同一中間平面にわたり交互に存在する補強要素の部分を意味しているものと理解されるべきである。
【0025】
有利には、タイヤのビード補強材として用いられる二種材料補強材は、第1の補強材と第2の補強材との間に結合部が存在しない部分の伸長性の第1の補強要素の傾斜角度Bが結合部の補強要素の傾斜角度とは異なっているようなものである。周方向に対するこの結合部の伸長性補強要素の角度がほぼ90°であり又は90°に等しい場合、タイヤの対応部分の横方向剛性を増大させることができると共に特にカーカス補強材中の力を減少させるようカーカス補強材の補強要素とのその協働関係を確立することが可能である。
【0026】
好ましくは、大型車両用タイヤは、伸長性の第1の補強要素の半径方向最も外側の端が、半径方向断面平面で見て、カーカス補強材上曲がり部の端から回転軸線までの距離よりも長い同一回転軸線から距離のところに位置するようなものであり、非伸長性補強要素半径方向最も外側の端は、上曲がり部の端を回転軸線から隔てる距離よりも回転軸線から短い距離のところに位置する。
【0027】
本発明のタイヤの一実施形態では、伸長性の第1の補強要素は、非伸長性の第2の補強要素の各側で半径方向に延びており、第1の補強要素の半径方向最も内側の部分は、ビードワイヤに対して半径方向内側に少なくとも部分的に半径方向に係合している。
【0028】
上述の実施形態のタイヤは、非伸長性の第2の補強要素の半径方向外側及び半径方向内側に向かってそれぞれ延びる部分の伸長性の第1の補強要素が同一方向に延びると共に結合部の補強要素の角度とは異なる角度をなして延びるようにすることによっても改良可能である。
【0029】
大型車両用タイヤのビードの耐久性を一段と高めるため、各ビードは、第2の二種材料の追加補強材を有することが有利であり、2つの追加の補強材の補強要素は、少なくとも各補強材の第1及び第2の補強要素の結合部にわたり、互いにクロス掛けされる。この実施形態では、追加の補強材の各々の伸長性の第1の補強要素の半径方向最も外側の端は、各補強材の第2の補強要素の半径方向上端の高さ位置よりも高い高さ位置で半径方向に設けられている。
【0030】
別の好ましい実施形態では、二種材料補強材は、タイヤのカーカス補強材として用いられ、この実施形態を追加の補強材が伸長性の第1の補強要素及び非伸長性の第2の補強要素を含む実施形態と組み合わせることが可能である。
【0031】
本発明の二種材料補強材の別の用途では、タイヤの少なくとも1つのクラウン補強要素を提供することも有利である。
カーカス補強材及び追加の補強材の補強要素の種々の端が全て、タイヤ中で互いに対してオフセットすることが有利である。
【0032】
本出願人によって行なわれた研究調査により、本発明の補強要素から成る、即ち、補強材の厚み中に補強要素相互間の不連続部又は重ね合わせ部がない補強要素から成る二種材料補強材により、二種材料補強材の端のところに位置するゴム材料を劣化させる恐れを大幅に減少させることができるという結論が得られた。その結果、ビードの外側に向かう亀裂の伸展を遅らせ、したがって、このようにして構成されたビードの耐久性(即ち、タイヤの走行距離)を向上させることが可能である。
【0033】
さらに、二種材料補強材のまさに上述の構成により、所与の性能の場合、材料を節約し、したがって軽量化を図ることが可能である。
【0034】
本発明の二種材料補強材を構成する非伸長性補強要素及び伸長性補強要素は、好ましくは、厚さの小さなゴム材料で外装され又は覆われる。同一補強材中のこれら非伸長性及び伸長性補強要素は、所望の補強レベルに応じて、一体的に又は2本若しくは3本以上から成る群をなして適当な比率で交互に位置するのが良い。かくして、一例を挙げると、ワイヤは、3本のテキスタイル細線の群と交互に位置するのが良く又は2本のワイヤの群がテキスタイル細線と交互に位置するのが良い。
【0035】
好ましい一実施形態では、本発明は、リム上高さと最大軸方向幅の比がせいぜい0.90のタイヤに利用される。
【0036】
本発明の好ましい実施形態によれば、各タイヤビードは、2つの追加の二種材料補強材を有し、補強材の各々は、交互に配置されると共に実質的に同一中間平面内に位置し、同一方向に差し向けられると共に相互に平行である第1及び第2の補強要素により形成され、2つの追加の二種材料補強材の補強要素は、好ましくは対称に(即ち、クロス掛けされた補強要素が互いになす角度の二等分線が回転軸線を通る平面内に実質的に含まれる)互いにクロス掛けされる。
【0037】
本発明の2つの追加の補強材が設けられることは、大きな過負荷下にあり且つ頻繁な又は過酷な制動が行なわれている状況におけるビードの転動耐久性にとって特に有益である。
【0038】
1つ又は2つの追加の二種材料補強材を有するビード補強材の上述の種々の実施形態の別の変形例によれば、ビードは、1つ又は2つの追加の二種材料補強材とカーカス補強材の上曲がり部との間で軸方向に、周方向(即ち、中心が回転軸線に一致した円の接線方向)と0°に等しく又は0°に近い角度をなすゴムプライ中の相互に平行であり且つ連続した又は不連続の金属補強要素により強化された追加の補強材を更に有する。
【0039】
交互に配置されると共に同一中間平面内に位置した伸長性の第1の補強要素及び非伸長性の第2の補強要素(これら第1及び第2の補強要素は、同一方向に差し向けられている)により形成された本発明の二種材料補強材は、それ自体公知の仕方で以下において説明する1つの又は別のプロセスによって得られる。
【0040】
一製造方法では、好ましくは外装されると共にプライの圧延に通常用いられるゴムの未加硫又は予備加硫層上に配置された金属補強要素(第2の補強要素に対応している)を有するファブリックを製作する。加うるに、好ましくは外装されると共にプライの圧延に通常用いられるゴムの同一の層上に配置されたテキスタイル補強要素(第1の補強要素に対応している)を有するファブリックを別個に製作し、次に2つのファブリックを互いに重ね合わせてテキスタイル補強要素を交互に配置し、即ち、実質的に同一中間平面内に位置する2本の補強要素を含む補強材を製造するために金属補強要素を散在させる。いったん重ね合わせると、2本の補強要素の組み合わせを圧縮し、第1の補強要素を第2の補強要素相互間に挿入する。
【0041】
別の製造方法によれば、テキスタイル及び金属補強要素を供給することによって真っ直ぐな細線ファブリックを製作し、次に、このファブリックに2つの切れ目を入れ、第1の切れ目は、補強材中の補強要素の傾斜角に対応した角度をなしてその幅全体にわたって設けられ、第2の切れ目は金属補強要素の長さよりも長いテキスタイル補強要素を生じさせるようジグザグである。プライ部分を得た後、これらプライ部分を組み立てて本発明の補強材を得る。
【0042】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下に与えられる説明から明らかになろう。なお、添付の図面は、非限定的な例として、本発明の実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のタイヤ補強材の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明のタイヤ補強材の別の実施形態を示す図である。
【図3】本発明のタイヤ補強材の別の実施形態を示す図である。
【図4】本発明のタイヤ補強材の別の実施形態を示す図である。
【図5】本発明のタイヤ補強材の別の実施形態を示す図である。
【図6】本発明のタイヤ補強材の別の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の2つの補強材を有するタイヤ補強構造体を示す図である。
【図8】本発明の補強材を得る第1の方法を示す図である。
【図9】本発明の補強材を得る第2の方法を示す図である。
【図10】本発明の補強材を有する大型車用タイヤビードの半径方向断面図である。
【図11】図10に示されたビードの一部の概略平面図である。
【図12】本発明の変形例としての補強材を有する大型車両用ビードタイヤビードの半径方向断面図である。
【図13】カーカス補強材が本発明の補強材及び追加のビード補強材により形成されたタイヤのビードの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
各図及び関連の説明を理解しやすくするため、考察対象の実施形態がどれであれ、同一の構造要素を示すために同一の参照符号が用いられている。
【0045】
図1は、本発明の補強材10の概略平面図であり、幅Lのこの補強材は、2つの縁11,12を有している。この補強材10は、ゴムを主成分とする材料中に埋め込まれた複数本の2種類の補強要素、即ち、伸長性の第1のテキスタイル補強要素1及び非伸長性の第2の金属補強要素2を有し、伸長性の第1のテキスタイル補強要素1は、補強材の全長Lよりも短い長さLcにわたり結合部3を形成するよう非伸長性の第2の金属補強要素2と交互に位置しており、これら伸長性及び非伸長性補強要素は、この結合部3内において、実質的に同一中間平面内に位置すると共に補強材10の最も長い寸法方向(図1において軸線XX′で示されている)に対して角度Aをなして補強材10中に含まれている。非伸長性金属補強要素2は、長さL2を有し、伸長性のテキスタイル補強要素1は、金属補強要素の長さL2よりも長い長さL1を有している。この実施形態では、金属補強要素及びテキスタイル補強要素は、補強材の一方の縁11上に位置した共通の端を有している。テキスタイル補強要素1だけが、補強材を補完すると共に結合部3を越えて延び、LとL′の差に等しい補強材幅L″を有する部分4内で補強材10の他方の縁12まで延びている。図示の場合において、伸長性補強要素と非伸長性補強要素との結合のための結合長さは、この場合、非伸長性補強要素の長さL2に等しい。この結合長さを減少させることができるが、この結合長さは、非伸長性補強要素2の長さの50%を超えたままでなければならない。
【0046】
図1のII‐II線に取った補強材10の断面を示す図2では、テキスタイル補強要素1及び金属補強要素2は、同一中間平面S内で交互に(1つずつ)配置されていることが理解できる。
【0047】
図3は、図1に示された補強材に類似した本発明の幅Lの補強材10の略図であり、これらの構成上の差は、テキスタイル伸長性補強要素1だけが設けられている幅L″の補強材の部分4内において、これら補強要素の角度Bが幅L′の結合部3内の金属補強要素2及びテキスタイル補強要素1のなす角度Aとは異なっていることだけである。これら互いに異なる傾斜角に鑑みて、伸長性補強要素だけが設けられている部分4の軸線XX′周りの曲げ剛性を変更することが可能である。伸長性補強要素1を方向XX′に垂直な方向に更に差し向けることにより、伸長性補強要素だけが設けられている補強材の部分4のこの曲げ剛性を増大させることが可能である。
【0048】
図4は、図1を参照して説明した補強材に類似した本発明の実施形態としての補強材10の平面図であるが、伸長性補強要素1は、非伸長性補強要素2の各側で、この補強材の縁11,12まで延びている。この場合、伸長性補強要素1と非伸長性補強要素2を結合するための結合部3の両側には、伸長性補強要素だけから成る部分4,4′が設けられている。図4に示されている実施形態では、伸長性補強要素の傾斜角と非伸長性補強要素の傾斜角は、同一である。
【0049】
図5は、図4に示された補強材に類似した本発明の別の実施形態としての補強材10の平面図であるが、非結合部4,4′では、伸長性補強要素2は、補強材の最も大きな寸法方向XX′に対して90°の角度Bをなしており、これに対し、結合部中の補強要素は、方向XX′に対して90°とは異なる角度Aをなしている。図示の場合、角度Aは、20°〜50°である。この角度Aは、結合部全体にわたって一定であっても良く、或いは様々であって良い。
【0050】
図6は、金属補強要素2とテキスタイル補強要素1との結合のための結合長さLcが金属補強要素の長さL1よりも短い本発明の補強材10の別の実施形態を示している。この実施形態では、金属補強要素2の端だけが補強材の一方の縁11上に位置し、テキスタイル補強要素1の端だけが補強材の他方の縁12上に位置する。
【0051】
図7は、本発明の2つの同一の補強材10,10′の重ね合わせによって形成された補強材20の図であり、各補強材は、図1及び図2に示された補強材に対応しており、これら2つの補強材は、一方の補強材の第1及び第2の補強要素が他方の補強材の第1及び第2の補強材とクロス掛けされるよう互いに重ね合わされている。図示の場合、2つの重ね合わされた補強材の端は、補強材20の幅の中で互いに一致するよう位置決めされている。かくして、重ね合わせ状態の補強材の伸長性補強要素の端は、補強材の幅中の同一の箇所に位置している。図示していない実施形態では、2つの(又3つ以上の)二種材料補強材のこの重ね合わせは、非伸長性補強要素の端が少なくともこれらの端のうちの一方のところでオフセットして剛性の不連続部を減少させるよう実施されるのが良い。
【0052】
図8は、本発明の補強材10を形成するための組み立て前の2枚のプライ21,22の断面図である。第1のプライ21は、部分的にゴム材料210中に埋め込まれた2本のテキスタイル伸長性コード1の複数の群で作られている。第2のプライ22は、第1のプライ21と同一形式のゴム材料220の層を有し、同一方向に並行であり且つ第1のプライ21の2本のテキスタイルコード1(これらテキスタイルコードは、或る1本のコードから次のコードまでほぼ同一の距離P1だけ互いに隔てられている)を金属コード2の各対相互間に介在して配置することができるよう適当なコード間距離P2で配置された複数本の非伸長性の金属コード2の断面の一部分だけがゴム材料220中に埋め込まれている。第1のプライ21と第2のプライ22を互いに押し付けることにより、実質的に同一中間平面内に交互に位置した金属補強要素とテキスタイル補強要素を有する本発明の補強材が得られる。本発明の補強材を製作するため、第2のプライは、適当な長さにわたって且つ少なくとも一方の側で金属コード1の端を越えてコードの方向に延びている。
【0053】
図9は、同一方向YY′に並行に差し向けられた複数本の金属補強要素2及びテキスタイル補強要素1を圧延することによって製作された補強ファブリックの図である。金属補強要素とテキスタイル補強要素を結合するための結合領域中における交互配列体は、図示の場合、3本の金属補強要素の両側に3本のテキスタイル補強要素を設けることによって形成されているが、当然のことながら、補強材の用途に応じて当業者により任意他の交互配列体(特に、各形式の互いに異なる本数の補強要素)を選択することができる。補強要素が最も長い寸法方向(軸線YY′により図示されている)に沿って差し向けられたプライを得た後、補強要素の全体を横切って延びる斜めの第1の切れ目C1が方向YY′に対して角度Aをなす方向に沿って入れられ、第2の切れ目C2は、本発明の補強要素の幅に一致した幅Lの部分5を形成するようテキスタイル補強要素1が金属補強要素2よりも長い長さのものであるようジグザグを形成する線に沿って入れられる。このようにして調製された数個の部分を互いに接合することにより、金属補強要素及びテキスタイル補強要素が補強材の最も長い寸法方向(図9に軸線XX′で示されている)に対して角度Aをなして傾けられた本発明の補強材が製作される。
【0054】
図10は、15°の角度をなして傾けられたリムシートを有するリムに装着されるようになった315/80R22.5サイズの大型車両用タイヤのための本発明のタイヤビードを示している。このタイヤは、2つのサイドウォールを介して2つのビード50に接合されたトレッド(図示せず)を有している。各ビードは、このビードの周方向補強材を構成するビードワイヤ101を有し、上曲がり部又は巻き上げ部103を形成するよう金属コードのプライにより形成されたカーカス補強材102がビードワイヤに巻き付けられている。このビードは、カーカス補強材102の上曲がり部103の軸方向外側に本発明の補強材104を有し、全幅Lのこの追加の補強材は、複数本の伸長性の第1の補強要素及び複数本の非伸長性の第2の補強要素により形成された二種材料構造体を有している。この補強材は、図1及び図2を参照して説明した補強材に実質的に一致している。
【0055】
この場合、伸長性の第1の補強要素は、ナイロン‐6,6で作られていて、400×400回の撚りが掛けられたテキスタイルコードであり、非伸長性の第2の補強要素は、直径0.35mmの6本のワイヤから成る「弾性」金属コードと呼ばれているコードであり、低い勾配の第1の部分(小さな荷重下で比較的大きな伸び率を示す)を有する応力‐伸び率曲線を有する。
【0056】
この場合、補強材104の全幅Lは、70mmに等しい。非伸長性補強要素と伸長性補強要素は、この場合45mmに等しい幅L′の結合部1042にわたって互いに機械的に結合されている。伸長性補強要素だけが長さL″(25mmに等しい)の端部分1041にわたって設けられている。この端部分1041は、タイヤ中で結合部1042の半径方向外側に位置している。図面の平面に垂直な周方向に対する補強材104の補強要素の角度は、タイヤ上で20°〜25°である。
【0057】
第1及び第2の補強要素は、結合部1042中で、所望の補強レベルを達成するよう交互に且つ適当な比率で分布して配置されており、これら第1及び第2の補強要素は、少なくとも実質的に同一中間平面内に位置すると共に同一方向に且つ第1及び第2の補強要素の共通並置長さにわたって相互に平行に差し向けられている。本発明のこの実施形態に用いられるゴム材料は、先行技術の同一サイズのタイヤに用いられたゴム材料と同一である。
【0058】
伸長性補強要素及び非伸長性補強要素の半径方向外端は、カーカス上曲がり部の端がビード補強材の非伸長性及び伸長性補強要素のそれぞれの距離D1,D3相互間に位置したタイヤの回転軸線からの距離D2のところに位置するよう互い違いになっている。
【0059】
この補強材により、これら端のところの荷重を良好に分布させることができると共に転動条件下におけるタイヤビードの性能としての疲労耐久性を向上させることができる。
【0060】
図10に記載されている本発明のビードを有するタイヤを、補強の観点から見て単一材料補強材であった(本発明のタイヤの補強材の金属補強要素と同一である)補強材を除き同等な構造体を有する基準タイヤと比較した。
【0061】
大型車用タイヤビードの耐久性を測定するための比較を2種類の試験、即ち、高過負荷下における転動耐久性を測定する試験及び制動操作の繰り返しを表すビードの過熱耐久性を測定する試験において行なった。試験したタイヤの全てについて同一の転動条件下において、本発明のタイヤは、基準タイヤの走行距離よりも長い走行距離を達成した。
【0062】
図11は、図10に示されたビード50の一部の平面図である。図11では、追加の補強材104が伸長性補強要素1及び非伸長性補強要素2を有し、この補強材の半径方向外端が伸長性補強要素1の端によって形成されていることが理解できる。
【0063】
図12は、カーカス補強材102の上曲がり部103の軸方向外側に配置された本発明の補強材104を有するタイヤビード50の断面図であり、補強材104は、図面の平面内で測定して幅Lを有している。このビードは、図10に示された構造と同一の構造を有し、唯一の差は、補強材104がビードワイヤ101に対して半径方向内側に延びるカーカス補強材102の部分105の内部に向かって半径方向に延長されているということにある。より正確にいえば、補強材104は、伸長性補強要素だけで補強された延長部分1041′を有している。さらに、非伸長性の第2の補強要素の外側及び内側に向かってそれぞれ半径方向に延びる部分1041,1041′中の伸長性の第1の補強要素(1)は、相互に平行であると共に同一方向に且つ結合部の補強要素の角度とは異なる角度をなして延びている。
【0064】
この解決策は、特に有利である。というのは、これにより、タイヤの機械的健全性を増大させることができ、これに対応して、補強材104の端部の機械的健全性を損なうことがないからである。
【0065】
図13は、カーカス補強材の上曲がり部103の軸方向外側のカーカス補強材102及びビード補強材104が各々、本発明の二種材料補強材である実施形態に対応したタイヤビードを示している。カーカス補強材102は、適当な比率で配置された複数本の伸長性の補強要素及び非伸長性の補強要素により形成され、これら補強要素は、実質的に同一中間平面内に位置している。さらに、伸長性補強要素は、端部分1031を形成するよう上曲がり部103中で非伸長性補強要素を越えて半径方向に延びている。カーカス補強材の伸長性及び非伸長性補強要素の結合距離は、この場合、非伸長性補強要素の長さに等しい(図示していない実施形態によれば、この結合長さは、これよりも短くても良い)。
【0066】
有利には、図示のように、カーカス補強材の非伸長性及び伸長性補強要素の半径方向最も外側の端は、タイヤの回転軸線からそれぞれ距離D2,D4のところに位置している。同様に、追加のビード補強材の非伸長性及び伸長性補強材の半径方向最も外側の端は、タイヤの回転軸線からそれぞれ距離D1,D3のところに位置している。カーカス補強材及び追加の補強材の端は、D1<D2<D3<D4であるように互い違いになっている。
【0067】
当然のことながら、単一材料の追加のビード補強材を本発明の二種材料カーカス補強材と組み合わせることができる。
【0068】
本発明は、説明すると共に図示した例には限定されず、本発明の範囲から逸脱することなくこの例の種々の改造例を想到できる。この種の補強材は、タイヤの任意の補強材として、特に、タイヤクラウンを補強するために使用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも複数本の伸長性の第1の補強要素(1)と少なくとも複数本の非伸長性の第2の補強要素(2)とから成る二種材料補強要素構造体を備えたタイヤ補強材(10)であって、前記第1の補強要素と前記第2の補強要素は、相互に平行であり且つ所望の補強レベルを達成するために適切な比率で交互に分布して配置され、前記第1の補強要素及び前記第2の補強要素は、同一中間平面内に位置している、タイヤ補強材(10)において、前記伸長性の第1の補強要素(1)は、前記第1の補強要素及び前記第2の補強要素の各々が2つの端を備えている状態において前記伸長性の第1の補強要素(1)の前記端のうちの一方が前記非伸長性の第2の補強要素(2)の前記2つの端に対してオフセットするように前記伸長性の第1の補強要素(1)の長さL1よりも短い結合距離Lcにわたって前記非伸長性の第2の補強要素(2)に結合されている、タイヤ補強材(10)。
【請求項2】
前記伸長性の第1の補強要素(1)の端と前記第2の補強要素(2)の端との間のオフセットは、少なくとも15mmである、請求項1記載のタイヤ補強材(10)。
【請求項3】
前記第1の補強材と前記第2の補強材との間に結合部が存在しない部分の前記伸長性の第1の補強要素(1)の角度Bは、前記結合部の前記補強要素(1,2)の角度Aとは異なっており、前記角度は、前記補強材の最も大きな寸法方向に関して取られている、請求項1又は2記載のタイヤ補強材(10)。
【請求項4】
前記第1の補強材と前記第2の補強材との間に結合部が存在しない部分の前記伸長性の第1の補強要素の傾斜角度Bと前記結合部の前記補強要素(1,2)の傾斜角度Aの差は、せいぜい60°である、請求項3記載のタイヤ補強材(10)。
【請求項5】
前記補強材の前記伸長性補強要素と前記非伸長性補強要素との間の結合部の結合長さLcは、前記非伸長性補強要素(2)の長さよりも短い、請求項1〜4のうちいずれか一に記載のタイヤ補強材(10)。
【請求項6】
重量物運搬車両用のタイヤであって、半径方向に延びる補強要素を含む少なくとも1枚のゴム引きプライから成る半径方向カーカス補強材(102)を有し、各ビードが上曲がり部(103)を形成するよう前記カーカス補強材(102)が部分的に巻き付けられた少なくとも1つの周方向補強材(101)及び少なくとも1つの追加の補強材(104)を有する、タイヤにおいて、前記追加の補強材(104)は、所望の補強レベルに応じて交互に且つ適切な比率で分布して配置された複数本の伸長性の第1の補強要素(1)及び複数本の非伸長性の第2の補強要素(2)で形成された二種材料構造体を有し、前記第1の補強要素と前記第2の補強要素は、実質的に同一の中間平面内に位置すると共に相互に平行であり、前記伸長性の第1の補強要素(1)は、前記伸長性の第1の補強要素(1)の長さL1よりも短い長さLcを備えた結合部において前記非伸長性の第2の補強要素(2)に結合されており、その結果、前記第1の補強要素及び前記第2の補強要素の各々が2つの端を備えている状態において前記伸長性の第1の補強要素(1)の前記端のうちの少なくとも一方が前記非伸長性の第2の補強要素(2)の前記2つの端に対してオフセットしている、タイヤ。
【請求項7】
前記追加の補強材(104)の半径方向最も外側の端は、前記伸長性の第1の補強要素(1)の端に対応している、請求項6記載のタイヤ。
【請求項8】
前記伸長性の第1の補強要素(1)の前記半径方向最も外側の端は、半径方向断面平面で見て、前記カーカス補強材上曲がり部(103)の端から回転軸線までの距離D2よりも長い前記回転軸線から距離D3のところに位置している、請求項7記載のタイヤ。
【請求項9】
前記伸長性の第1の補強要素(1)は、前記非伸長性の第2の補強要素(2)の各側で半径方向に延びており、前記第1の補強要素の半径方向最も内側の部分(1041′)は、前記周方向補強材(101)の半径方向内側まで延びる前記カーカス補強材の部分のあたりに少なくとも部分的に半径方向に係合している、請求項6〜8のうちいずれか一に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記非伸長性の第2の補強要素(2)の半径方向外側及び半径方向内側に向かってそれぞれ延びる前記部分(1041,1041′)の前記伸長性の第1の補強要素(1)は、同一方向に延びるが、前記結合部の前記補強要素の角度とは異なる角度をなして延びている、請求項6〜9のうちいずれか一に記載のタイヤ。
【請求項11】
タイヤであって、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の複数本の補強要素から成る少なくとも1つの補強材を有する、タイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−526692(P2012−526692A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510207(P2012−510207)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056041
【国際公開番号】WO2010/130601
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(512068547)コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン (169)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)